JP2014512473A - 空気圧ブースタシステムを搭載した車両を作動させる方法 - Google Patents

空気圧ブースタシステムを搭載した車両を作動させる方法 Download PDF

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Abstract

車両のエンジンに空気圧ブーストを適用することによって車両性能を向上させる装置及び方法であって、エンジンに空気を供給する少なくとも1つのターボチャージャを有するディーゼルエンジンを含み、実行可能な最大範囲内で種々の作動の限度値を超える可能性を最小化しつつ、エンジントルク出力を増加させる。車両用空気圧ブースタシステム制御装置は、ブーストイベント中の空気注入の変化率を成形させるための方法を実行し、作動限度値に配慮しつつ、最大のエンジントルク出力を得るために空気注入を調整し、広範囲の作動限度値、規制、工学、及び乗客の快適性の限度値を超える可能性を最小化しつつ、所望するエンジントルク出力及び燃料効率をもたらすために、一連のブーストイベントの過程で圧縮空気注入の正確な配分を達成することにより、ブーストイベント中空気の注入速度を適合するように、ブーストイベント中のタイミング、持続時間、量及び/又は注入パターンを制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、加速、燃料節約及び排出削減を含むいくつかの領域で車両性能を向上させる機器及び方法に関する。特に、本発明は、設計、規制及び他の要件を満たす方法でエンジントルク出力を増加する方法でエンジンの吸気マニホルドへ空気を供給する少なくとも1つのターボチャージャを有する市販の車両ディーゼルエンジンを含む、車両エンジンへの空気圧ブーストの適用についての機器及び方法に関する。
例えば、ディーゼルエンジンのような内燃エンジンには、しばしば排気ガスターボチャージャが装着される。例えば、図1は、排気ガスターボチャージャ2に連結された排気ライン10を有する内燃エンジン1の概略図を示す。排気ガスターボチャージャは、排気ライン10からの排気ガスにより駆動されるタービン4を有する。タービン4は、吸気吸込口11からの吸気を圧縮するコンプレッサ3に連結されている(これらの構成要素は共にターボチャージャインペラユニットを形成する)。コンプレッサ3から送り出された圧縮空気は、エンジン1の空気圧を増加させるためにエンジン1に向かう吸気ライン9’に送られ、それによって、シリンダのそれぞれの吸気バルブが開いているときに、エンジンが無過給である場合にシリンダに送られるよりも多くの空気がエンジンのシリンダに送られる。エンジンの燃料噴射システムからの増量された燃料と共に、ターボチャージャにより増量された空気がエンジンシリンダ内に供給される結果、エンジンのトルク出力が増加し、エンジンはより高い効率で作動する。具体的には、ターボチャージャにより吸気マニホルドに供給された付加された圧力は、シリンダの吸気バルブが閉じられるときに、エンジンシリンダ内の圧力をより高くする。増量された燃料と混ぜ合わされ点火されるとき、シリンダ内に存在する空気の量が多いほど燃焼圧力が高くなり、それによって、エンジンのクランクシャフトによって、より高いピストン力が、より高いエンジントルク出力に変換される。また、燃焼量及び圧力が増すと排気ガスの圧力及び容量が増し、それが今度は、ターボチャージャのタービンを駆動するための排気エネルギーを増加させる。排気エネルギーの増加は、さらにターボチャージャコンプレッサの回転速度を増加させ、それによってシリンダに供給される空気量をさらに増やし、より一層急速にエンジンの速度及びトルク出力を増やす。前述の説明及び後述する説明では、吸気マニホルドを介してエンジンのシリンダ内に達する燃焼のための空気を記述しているが、本発明の原理及びコンセプトは、共通の吸気マニホルドから吸気を受け入れるのではなく、それぞれのシリンダが関連した吸気“チャンバ”を持つように吸気口が配置されているような、空気供給容量を選択できるエンジンに対しても同様に適用可能であることを当業者は理解するであろう。
排気ガスターボチャージャの使用でよく知られる問題は、内燃エンジンの全ての作動状態において、特に顕著なものは、低いエンジン回転速度での突然の加速要求に応答して十分な量の空気を送れないことである。例えば、排気ガスターボチャージャを有するディーゼルエンジンのようなエンジンでは、大幅な加速要求中、ターボチャージャは通常は、低いエンジン速度及びそれに対応した低い吸気量率、及びターボチャージャを駆動するには低い排気出力により、吸気マニホルド内に所望量の空気圧を生成するのに十分な空気フローを供給できない。その結果、内燃エンジンはゆっくり応答し、トルク出力及び回転速度の顕著な増加は、アクセルペダルが押された後、かなり遅延した後でしか生じない(”ターボラグ”として知られる影響)。
”ターボラグ”の影響を改善するために、圧縮空気をエンジンの吸気マニホルドに供給するための対策を含む種々の解決策が提案されてきた。図1は、そのような“空気圧ブースタ”システムの一例を示す。この例では、貯蔵部13が、エアコンプレッサ14により生成された圧縮空気を貯蔵する。加速要求の開始から、吸気マニホルド圧力と平衡し、ターボチャージャ自体のトルク出力要求を満たし始めるために、ターボチャージャが十分に圧力を高めるまでの短い時間に、エンジントルク出力の増加要求に応答して、圧縮空気がエンジン1の吸気口ライン9’内に導入される。
貯蔵部13から吸気口ライン9’内に供給された付加された空気は、少なくとも2つの主要な効果を有する。エンジン1のシリンダに送られた付加された燃焼空気は、エンジントルク出力をただちに増加させる。付加された空気はエンジンからの排気ガスフローのより急速な増加をもたらし、これが今度はターボチャージャタービン4の回転速度のより急速な増加を補助し、それによってターボチャージャのコンプレッサ3が、より速く吸気口ライン9’内の圧力を高めることを可能にする。さらに、ターボチャージャのコンプレッサがトルク出力要求を補助するのに十分な圧力を早く供給できるほど、貯蔵部13から供給される付加的な空気のフローは早く停止してもよく、他の使用のための圧縮空気を保持し車両のエアコンプレッサの負荷サイクルを減少させる。
図1の例の貯蔵部13からの圧縮空気の注入は、吸気制御装置7を介して行われる。吸気制御装置7は、吸気口ライン9’と、ターボチャージャのコンプレッサ3又は図1に示されるようにコンプレッサ3の下流の給気クーラー5のどちらかの間に配置されている。図2で概略的に示される吸気制御装置7は、吸込口6で給気クーラー5に、排出口9で吸気口ライン9’に結合されている。
フラップエレメント16が、吸込口6と排出口9の間の吸気制御装置7内に設置されている。圧縮空気が吸気口ライン内に注入されるとき、吸込口6から排出口9への接続を閉じる調節モーター17によって、フラップエレメント16を調整することが可能である。フラップを閉じると、注入された圧縮空気のターボチャージャへの逆流が防止され、エンジンシリンダ内の圧力のより迅速な増加を補助し、これが今度は排気ライン圧力を増加させ、結果としてターボチャージャディスチャージャの圧力の上昇率が高くなる。また、フラップの閉鎖は、ターボチャージャの下流側での閉塞時容積をさらにターボチャージャ排出圧力に上積みさせる。
圧縮空気吸込口8は、フロー調節装置20を介して貯蔵部13への排出口9に接続されている。制御装置15は、フロー調節装置20及び調整モーター17を制御するよう機能する。制御装置15は、排出口9における排出圧力及び給気吸込口6における吸込圧力をそれぞれ測定する圧力センサ18及び19からの入力を受信する。
作動時には、フロー調節装置20は、圧縮空気吸込口8から排出口9への接続を開放することにより、エンジン吸気マニホルドへ圧縮空気を供給する。ほぼ同時に、フラップエレメント16が閉じられ、貯蔵部13から注入された圧縮空気が排気ガスターボチャージャのコンプレッサ3内に逆流するのを防止する。貯蔵部13からの圧縮空気の注入が終わると、フラップエレメント16は再度開放され、ターボチャージャのコンプレッサ3の排出から吸気口ライン9’に流入する今回は十分な圧縮空気の供給を可能にする。
”ターボラグ”を減少させるために圧縮空気をエンジンの吸気マニホルド内に注入することは以前から公知であったが、この分野での研究は、主に、エンジン吸気マニホルド内へ流入可能な圧縮空気の量の最大化と、すぐにエンジントルク出力の増加を開始するように、また、エンジンからのトルクの供給において運転者が知覚する望ましくない遅延を防ぐように、空気圧ブーストイベントの開始から圧縮空気の実際の注入までの応答時間の最小化に集中していた。
従来の空気圧ブースタシステムの1つの問題は、非常に急速な圧縮空気注入によってもたらされる、空気圧ブーストイベント開始時のエンジントルク出力の非常に突然の増加が、時々起こりうることである。そのような急峻なエンジントルク出力の一時的な存在は、その後の圧縮空気注入終了時、及びエンジンへのターボチャージャ出力を再開するために吸気フラップが閉から開に切り換えられるときでもありえる。これらの一時的な存在は、車両の運転者及び乗客に著しい不快感をもたらす。
従来の空気圧ブースタシステムの他の問題は、ターボチャージャが十分に圧力を上げるまでエンジントルク出力を迅速にブーストしようと急ぐあまり、汚染物質排出のような規制の限度値を超える可能性があることである。過度の空気圧ブーストを突然かけることは、エンジン部品に突然の負荷をかける可能性もある。例えば、過度の空気圧ブーストを突然かけることは、エンジン、変速機(トランスミッション)及び/又は駆動軸の応力限界に近い大きなトルクを車両の動力伝達装置にかけることになる。過度の空気圧ブーストは、突然の多量で高圧力なエンジンからの排気ガスのフローを生成するかもしれず、これがターボチャージャのタービンコンプレッサ構体の速度を高レベルに上げる原因となる可能性がある。同様に、突然の圧縮空気注入及びそれに付随する排気ガスフローの増加は、エンジンの吸気インタクーラ及びそれに結合されたパイプに過度の圧力をかける可能性を生じうる。
従来の空気圧ブーストシステムのさらなる問題は、他の車両システムと同様に、圧縮空気の注入過剰、及びその結果として生じる、空気ブレーキのような重要な車両安全システムの作動を保証するのに必要とされる最低量を下回るまでに車両の圧縮空気の蓄えが欠乏する可能性があることである。この問題を最小化する1つのアプローチは、重要な空気消費システムのニーズ及び空気圧ブースタ注入システムの予測された追加要求の両方を満たすことができる、より大きなエアコンプレッサ及び圧縮空気貯蔵容器を調達し設置することである。しかしながら、このアプローチは、より大きく、より多くの空気処理部品のためのコスト上昇及び重量の不利益、車両重量の増加及びより大きいコンプレッサを駆動するためエンジンの動力出力をより消費する必要性からくる燃料消費の増加、及び補助貯蔵部を追加する設計者の可能性を阻む空間の制約を含む、それ自身の問題を有する。
先行技術のこれら及び他の問題の観点から、本発明は、空気圧ブーストイベント中に設計上、運用面及び規制上の限度値を満たしつつ、車両の作動性能を向上させうる空気圧ブースタシステム及び作動方法を提供することを目的とする。この目的は、空気注入対時間のグラフ上で圧縮空気注入の”形状”を変化させるために、ブーストイベント中、注入の制御により空気圧ブーストイベント中の圧縮空気の注入率を成形するための種々の方策を実行するよう制御された空気圧ブースタシステムによって解決される。空気圧ブーストイベント中の圧縮空気注入の”変化率成形”の手法は、可能な限り多くの空気を可能な限り素早く注入する先行技術の代表的な手法とは正反対の方法で、空気圧ブースタシステムの動作を管理する。正確に言えば、本発明の手法は、圧縮空気注入の開始のタイミング、持続時間、流速などを調整し、それによって、空気圧ブーストイベントの経過にわたり圧縮空気注入の高度に精緻化された分布を達成し、作動、規制、工学及び乗客の快適性の限度値の広い多様性との整合性を改善する。
本発明の“変化率成形”は、空気圧ブーストイベント中の圧縮空気注入の変化率を単に遅くするのではなく、適用可能限界を超えないようにしつつ、最大実効限界まで可能な限り大きいエンジントルク出力を提供するために、圧縮空気供給の変化率が“成形された”さまざまな圧縮空気注入パターンの変化を含むことを理解すべきである。(あるいは、トルク出力の変化率を制御するために変化率成形された空気注入を用いてもよい。)それゆえ、変化率成形とは、例えば、圧縮空気注入イベントで圧縮空気注入の流速曲線の“ピーク”をより早く又はより遅くに移動させたり、ある分布期間に関して供給された圧縮空気の注入に複数の”ピーク”を作ったり、及び/又は車両パラメータをリアルタイムに監視することによって決定された限度値に圧縮空気の注入流速を一致させたりするように、時間に対して割り当てられた圧縮空気の量を可変とすることを意味する。
本発明の変化率成形された圧縮空気注入は、また、複数の始動/停止イベントに用いてもよい。圧縮空気注入曲線の形状を所望のとおりに可変制御する好ましい手法は、多段空気圧ブースタシステムにおいて2つ以上の高速ソレノイド制御空気バルブを使用することである。特に好ましいアプローチ(手法)は、異なる空気流速を有し、個々のバルブの制御回路のパルス幅変調(“PWM”)によって、空気圧ブーストイベント中のどの瞬間でも圧縮空気注入量を制御する、複数の圧縮空気注入バルブを用いることである。
リアルタイムの圧縮空気注入の調整を可能にするための、車両パラメータを監視し及び/又はシステム構成要素間でそのようなパラメータを交換する本発明の可能性は、圧縮空気注入量を実際のニーズに合致させることにおいて、従来知られていなかった精度のレベルをもたらし、広範囲の利点を実現する扉を開く。
変化率成形された空気圧ブースタシステムを搭載した車両システムの第1の利点は、顕著な燃料効率の上昇が得られうることである。燃焼及び排気生成を向上し、エンジンを、そのエンジンが最も効率的な燃料効率(しばしばエンジンの”スイートスポット”と呼ばれる)で作動されるエンジン速度範囲により急速に到達させ、それによって、作動、排気及び/又は機器工学の限度値を回避しつつ、可能な限り最短時間及び最小の燃料消費で車両を所望する走行速度に到達させるために、変化率成形された圧縮空気注入を使用することによって、燃料の節約がもたらされる。
本発明の変化率成形のさらなる利点は、車両設計者が不必要な圧縮空気の使用を避け、それによって車両に設置された圧縮空気生成及び貯蔵機器のサイズ及びコストを減少させることが可能であることである。特に、作動限界を順守しつつ、所望する車両の加速を得るのに必要とされる実際量の圧縮空気のみを注入し、空気圧ブーストイベント中に圧縮空気が必要とされる実時間のみそれを行うことにより、本発明は、従来の空気圧ブースタシステムが通常消費するより少ない圧縮空気で、所望するレベルのエンジントルク出力を得ることを可能にする。圧縮空気注入における精度の向上は、車両の作動中に必要とされる圧縮空気の量を減少させ、圧縮空気の需要低減に合わせて、車両設計者に圧縮空気の生成及び貯蔵部品を小型化させることを可能にする。これら部品サイズ及び能力の減少は、さらに、車両重量の軽減及び車両のエアコンプレッサから寄生エネルギー損失の減少の両方により、さらなる燃料節約の利点をもたらす。
本発明の圧縮空気注入の量、持続時間及び/又はタイミングの“成形”の他の利点は、空気圧ブーストイベント中のそのようなパラメータの直接の制御が、種々の車両システムの応答への間接的な制御をもたらすことである。圧縮空気注入変化率曲線(例えば空気注入量流速対時間をグラフ化することで形成される曲線)の形状を選択的に調整することで、全てではなくとも、少なくともいくぶんかのターボラグを相殺するために増大されたエンジントルク出力を供給しつつ、種々の車両構成要素及びシステムを所望する範囲で作動させ、及び/又は作動限度値を避けるようにしてもよい。例えば、微粒子排出についての従来の管理は、低いエンジン速度(排気圧が低いエンジン作動ポイント)及び/又は高いエンジン負荷条件で開始する、高速加速要求中の空気・燃料比を正確に制御することにばかり着目していた。空気・燃料比が過度に大きくなることを防止するために不十分な量の空気しか使えないとき、その結果として生じる燃焼プロセスは、排気流内の微粒子物質の形態で未燃焼の炭化水素を残す(充分に量が多い場合、微粒子物質は”煙”として視認されうる)。これらの未燃焼の炭化水素は、排気流内で煙及び/又は固体の微粒子の形態をとりうる。本発明の変化率成形は、燃焼プロセス中の微粒子物質の生成を減少させるに好ましい所望する空気・燃料比を達成するために、所望する作動範囲で余剰空気の比率を増加させるために所望する量の新鮮な空気を注入することを可能にする。限度値に準拠するように向上させるための変化率成形された圧縮空気注入の利用の他の例は、高い加速要求中のNOx形成を制御するための空気注入の調整の利用である。伝統的に、燃焼プロセス中のシリンダ内のNOx生成の減少は、排気ガス再循環(“EGR”)、つまり排気ガス流の一部を吸気に戻して再循環し、シリンダ内で流入する清浄な空気と混合させるプロセスで扱われてきた。再循環された排気ガス内の不活性成分は低温の燃焼をもたらし、シリンダ内の温度をNOx形成に関連する高い温度範囲から大きく下降させる。吸気供給量へのEGRフローは、排気流の圧力が吸気供給量の圧力より高い(又は、より広く言えば、EGRフローが注入されるどのポイントでの圧力よりも高い)ときに促進される。従来のシステムにおける空気圧ブーストイベント中、注入されたブースタ空気は、吸気口内の圧力を排気流内より高くし、それによってEGRフローを抑制する。本発明の変化率形成された注入を用いて、吸気口の区域へのEGRの流入を従来のシステムより速くすることを可能にし、微粒子物質の生成をより迅速に最小化し、排出の準拠を向上させることを可能にするために、吸気口の区域の空気圧の割合の増加、減少、及び/又は持続時間を調整してもよい。また、計算及びテストは、そのような変化率成形された注入により、エンジンが、そのエンジンの望ましい作動速度範囲(それの”スイートスポット”)により迅速に到達し、その状態により長時間とどまれることを示した。このことは、典型的な排出テストサイクルの間、排気フロー及びより低いNOx生成に好ましい状況でエンジンがより長時間作動することに帰着する。
今後数年でヨーロッパや世界の他の地域において施行が予想されるより厳しい政府の規制で、排出限度値の暴走がより問題になると予想される。間もなくやって来る排出削減要求に適合するために、従来の空気圧ブースタシステムを搭載した車両は、選択接触還元(“SCR”)触媒及び関連する尿素注入システムのような、一般的にあまり好ましくない排気ガス後処理システムの助けを借りることが必要になると予想される。この付加的な機器は、以前の空気圧ブースタシステムを搭載した車両に、望ましくない重量、コスト、複雑性及びメンテナンス要求(例えば尿素補充)といった不利な条件をもたらすことが予想される。
本発明の変化率成形された圧縮空気注入のタイミング、持続時間及び量の正確な制御は、付加的な後処理機器に頼る必要なしに、身近に迫ったより厳しい排出限度値に適合した最大化する機会を提供する。例えば、燃焼プロセス中に生成される微粒子物質の量を減少させるために、圧縮空気注入の量及びタイミングを調整してもよい。代表的なディーゼルエンジン燃焼プロセスでは、微粒子物質の生成とNOx排出は逆比例する。エンジン設計者がこれまでより厳しい規制の限度値を満たすようNOx排出を減少させる方法を採用するので、通常は微粒子物質が増加する。しかしながら、微粒子物質の生成もまた規制の限度値を満たさなければならないので、微粒子物質を減少させる取り組みもまた必要とされる。微粒子物質を減少させる1つのアプローチ(手法)は、燃焼チャンバに過剰な空気を供給することである。過剰空気の比率λ(ラムダ)を、慎重に時間と量が計測された圧縮空気注入を用いて増やしてもよい。計算及びエンジン動力計でのテスト測定値は、本発明の変化率成形された空気圧ブースタシステムを搭載した1つのエンジンが、代表的な規制排出テストサイクル中に微粒子物質が15〜25%程度の減少することを示した。また、圧縮空気の注入は、エンジンが最大効率で作動するエンジン速度の範囲に、より長時間とどまる結果になるので、排気ガスの圧力は圧縮空気注入がない場合より高い。このことは、排気マニホルドと吸気マニホルドの間の好ましい圧力比をもたらし、大抵の場合、規制排出テストサイクル中に、十分な量の排気ガス再循環(さらにNOx形成の抑制を補助する)を提供する能力を促進する。エンジンシミュレーション及びエンジン動力計でのテスト測定値は、排気ガス再循環フローが、吸気マニホルドへ短期の加速後、従来得られたものよりも3〜4秒程度早く再確立されうることを示した。
変化率成形された空気圧ブーストによって提供される排出に関するより正確な制御の関連する利点は、燃焼後排出制御機器の容積を低減できる可能性である。例えば、短期的な空気圧ブーストイベント中に観察された微粒子物質排出における顕著な減少は、ディーゼル微粒子フィルタのような部品の小型化を可能にするであろう。部品容積の縮小は、車両構成要素の実装を容易にし、プラチナのような高価な排気処理物質の量を最小化することでコストを減少させる。
本発明の変化率成形の取り組みのさらなる利点は、より大きなエンジンによってもたらされるものと同等なレベルのエンジンブレーキ力を提供しつつ、使用されるべきエンジンをより小さく、より効率的にすることを可能にする、強化されたエンジンブレーキ機能を提供することである。減圧制動は、市販の車両用ディーゼルエンジンにおいてブレーキ性能の向上に広く使用される。減圧制動において、エンジンは、長い下り勾配の運転姿勢中、合理的な速度に連結車両を保つよう、かなりの抵抗を駆動ラインに生じるように用いられる。このようにするために、エンジンへの燃料の補給を制限すること、及びエンジンシリンダから圧力を解放するタイミングを慎重に取ることにより、エンジンはエアコンプレッサとして基本的に作動される。(すなわち、ピストンがTDC(上死点)に近づくとき、ピストンが動力伝達装置から取得したエネルギーを吸気の圧縮による仕事に変換した後、圧力解放バルブを開けることで圧縮空気を解放する。)TDC近辺でシリンダ内の圧力を解放することによって、ピストンの下り行程中に圧縮空気がそのエネルギーをピストンに戻すことを防止する。
エンジンから離れて、もう一段の燃料節約をはかるために、1つの解決策は、従来のエンジンと同じ仕事を行うのに、より小さく、より力強いエンジンを手に入れることである。しかしながら、所望する高レベルの馬力及びトルクを出力するように小型エンジンを設計押しつつ、従来の大きなピストン機関と同等の大きな減圧制動力を得ることは不可能である(減圧制動性能はエンジンのシリンダの行程容積と相関性がある)。結果として、さらなる手段がない場合、より小さいエンジンの使用は、小さいエンジンの減圧制動機能が減少するのを補償するように、基礎ブレーキがより多くの制動を実行しなければならないので、関連するより大きな負荷を基礎ブレーキシステム(すなわちホイールブレーキ)にかけることになる。
空気圧ブースタシステムからの変化率成形された圧縮空気の注入は、小さいエンジンの使用に伴う不十分な減圧制動の問題に対する潜在的な解決策をもたらす。特に、空気圧ブースタシステムを、ピストンがシリンダ内で下降しているときにシリンダ内へ給気される吸気量を増やすよう、減圧制動が要求されるイベントの少なくとも特定の部分の間、吸気マニホルド内への付加された空気の注入に使用してもよい。この吸気量の増加に続くピストンの圧縮の間、ピストンがTDCへ移動するとき、大きいピストンエンジンによって動力伝達装置から取得されるエネルギー量と同等の付加されたエネルギーを動力伝達装置から引き出すために、より多くの仕事が実行されなければならない。このことは、基礎ブレーキ性能及び寿命を保持しつつ、(小さいエンジンで)燃料効率を向上させたいという最終顧客の要望をかなえるために、より小さいエンジンが、その“制動出力”を50%程度増加させることを可能にする。
減圧制動を強化するために空気圧ブースタシステム作動を使用するさらなる利点は、例えば、ターボチャージャが減圧制動を強化するために、エンジンシリンダに供給される付加された空気の大部分を生成するのを可能にするのに十分な”過大な”ターボチャージャを回転させるのに必要な範囲のみで控えめに使用される変化率成形された圧縮空気注入を使用することなど、空気圧ブースタシステム及び関連するターボチャージャの配置を最適化する選択肢を含む。
付加された減圧制動を提供する他の手法は、減圧制動性能を向上するため空気圧ブースタシステムに供給されるべき空気の生成を利用するように、制動イベント中にエンジン駆動されたエアコンプレッサのクラッチを係合することであろう(減圧制動中エンジンに付加された抵抗を生成するため、通常より大きいサイズのコンプレッサを使用することが好ましい)。
本発明は、高速の電子制御ユニットに連結された排気ガス酸素センサの出力、排気圧力、燃料噴射速度、などのようなパラメータのリアルタイム検出を利用して、排気に関するパラメータを監視し制御すると共に、パラメータをさまざまな車両動力伝達装置の動作ポイントで予測され、予め測定された排気を記憶した”マップ”と比較してもよい。このリアルタイム情報を使用することによって、本発明の空気圧ブースタシステム制御装置は、関連する排出限度値又は車両作動限度値(例えば、NOx及び/又は微粒子排出限度値及び/又は最大機器応力レベル)内で最大エンジントルク出力を出す正確な空気注入パターンを提供するために、それからさらに、圧縮空気注入流量、持続時間及び/又はタイミングを“拡大縮小”あるいは、再成形してもよい。このような変化率成形された改良を用いることにより、事前の計算やテストは、本発明の変化率成形された空気圧ブースタシステムを搭載した車両が、従来の空気圧ブースタシステムを搭載した車両とほぼ同一のエンジントルク出力及び車両加速性能を提供し、さらに、付加的な排出制御機器の必要性やそれに関連するコスト、重量及びメンテナンスの不利な条件を回避するのに十分な車両排出の制御をさらにもたらすことを示している。
本発明のさらなる目的は、個々の顧客のニーズ及び/又は要求に合う車両の動力伝達装置性能及び排出性能の調整における柔軟性を許容する、変化率成形された空気圧ブースタシステムを提供することである。例えば、付加的な後処理機器の手助けを必要とせずに排気を最小化するように本発明の変化率成形が最適化された車両とは対照的に、NOxの要件を満たすために車両システムが後処理装置を採用する場合、本発明の変化率形成された圧縮空気注入を、燃料節約の最大化、微粒子排出の最小化、及び/又はより大きなエンジントルク出力の供給(SCRコンバータがない場合、維持されたであろう微粒子物質及びNOxの排出限度値の緩和により可能になる)のような他の方法で最適化してもよい。
本発明のさらなる目的は、空気圧ブースタシステムがその動作をその他の車両構成要素と連動することを可能にする、空気圧ブースタシステム部品及び作動方法の提供を含む。そのような連動は、空気注入及び燃料噴射の連動によってより素早く付加されたエンジントルク出力を利用可能にすること、及び、変化率成形された圧縮空気注入により可能になったエンジントルクを最適に使用するギヤシフト方法を制御する変速機制御装置を使用して空気圧ブーストを連動することによって、より小さく、より燃料効率がよいエンジンの使用を可能にすること、を含むさまざまな潜在的な利益を可能にする。前者に関しては、以前は、排気制御は、主として、流入する空気量の反応の速い測定値に基づいた、エンジン内に注入される燃料の量及び/又は燃焼チャンバに提供される排気ガス再循環量の制御に依存していた。結果として、従来の空気圧ブースタシステムを搭載した車両では、増大されたエンジントルク出力を得るにあたって、空気注入の増加量にかかわらず空気圧ブーストイベントの開始時に遅延が生じ、燃料噴射システムは空気注入の増加に合わせてエンジンに付加された燃料を十分迅速に追加することができなかった。付加された空気に適合させるのに必要とされる燃料なしに、エンジントルク出力の顕著な増加はないであろうし、排出の規定外変動を避けるために適切な空気・燃料比及び再循環される排気ガスの量を維持することは困難であった。
対照的に、本発明を搭載した車両の運転者が空気圧ブーストイベントを要求したとき、例えば、燃料噴射制御装置に信号を送信して、流入する圧縮空気注入量をリアルタイムに指示することにより、空気圧ブースタ制御装置は、その動作をエンジンの燃料噴射制御装置と連動するようプログラムされていてもよい。この”先を見越した燃料供給”手法において、燃料噴射制御装置は、燃料噴射制御装置に付加された燃料が必要であることを通知するための他の車両センサの応答を待たずに、エンジンの燃焼チャンバに到達する空気量に正確に合致させるように燃料噴射の調整を直ちに開始することが可能である。
本発明の空気圧ブースタシステム制御装置と他の車両構成要素の同様の通信は、さらに利点を提供しうる。例えば、変化率成形された空気圧ブースタシステム制御装置が燃料噴射制御装置に対して変化率成形された圧縮空気注入方法が実行されることを通知しているとき、空気圧ブースタシステム制御装置は、変速機の電子シフト制御装置に空気注入イベントについての情報を提供し、及び/又は、変速機が異なる方法でシフトされるかもしれないことを知らせる信号を変速機制御装置に提供してもよい。通信は、計画された、及び/又は、実際の圧縮空気注入変化率プロファイル自身の情報を含んでもよく、そこから変速機制御装置は、変速機のギヤシフトを変更すべきかどうか、及び、どのようにギヤシフトを変更すべきかを判断してもよい。あるいは、空気圧ブースタシステムの制御装置は、例えば通常より早くより高いギヤにシフトするよう、又は1つ又は複数の介在するギヤを(例えば第2ギヤから第5ギヤに)”スキップする”方法でのシフトのような異なるシフトプロファイルを使用するよう、変速機制御装置に特定の指示を出してもよい。そのような素早いアップシフトは、変化率成形された圧縮空気注入、及び、より早く、より正確な燃料噴射により可能になる増大されたエンジントルクによって可能になる。ブーストしないイベントにおいて実行されるであろう、より早く高いギヤにシフトすることで、エンジンが最も効率的な作動範囲でより長い時間作動することを可能にし、燃料消費を減少させる。予備的な計算及びテストは、従来の空気圧ブースタシステムで得られるよりわずかに遅いだけの車両の時間対速度性能をもたらしつつ、早いシフト及びスキップしたシフトが劇的な燃料節約量の増加をもたらすことを示している。
本発明のさらなる目的は、短期的な空気圧ブーストイベントの間における運転者及び/又は乗客の快適性を向上することにある。車輪速度センサから得られる車輪速度(それから加速度を計算しうる)のような車両の作動パラメータを監視することにより、空気圧ブースタシステムの制御装置は、所望する最大加速率であったか、又はそれを超えようとしているかを判断し、さらに、車両の加速を所定の加速閾値に又はそれを下回るように維持するように、圧縮空気注入を調整してもよい。
そのようなイベントを、空気圧ブースタシステム制御装置により適応学習に使用してもよい。例えば、運用面の限度値を超える可能性を最小化するため、空気圧ブーストイベント中の圧縮空気注入に対する車両の応答を観察することにより、作動の限度値を超える可能性を最小化するために、制御装置は、同時の及び/又はその後の空気圧ブーストイベントの圧縮空気注入を拡大/縮小又は成形してもよい。例えば、圧縮空気注入に対する車両の応答の観察に、積載状態か未積載状態かの推定、及び/又は、付随車なしの運転の検出を使用してもよい。これに応答して、空気圧ブースタ制御装置は、現在の車両作動状況により適した異なる圧縮空気注入プロファイルを自動的に採用してもよく、あるいは、運転者が、例えば、異なった注入プロファイルを稼動させるために手動選択スイッチを操作できるように、運転者に対して表示してもよい。
本発明の圧縮空気注入のパラメータを成形することができることは、運転者の加速要求に対する車両の応答を“調整する”可能性を運転者に提供する。本発明の一実施形態において、加速の重視又は燃料節約の重視のような運転者の個人的な好みを設定し、運転者のニーズ及び/又は希望に適することを可能にするであろうスイッチ又はシステムプログラミング装置のような制御装置を運転者に提供してもよい。それゆえ、この変化率成形する手法は、本質において、1組の車両機器が、”異なるユーザに対しては異なるもの”になるように適応されることを可能にする。本発明は、例えば、空気圧ブースタシステムが早期アップシフトを可能にしたことを表示する信号(視覚、音声及び/又は触覚信号のようなその他の信号)を出力して、空気圧ブースタシステムの動作に関するさまざまな表示、及び/又は、車両性能を向上させる方法についての案内を運転者に提供してもよい。
本発明の他の目的は、貨物や乗客などの荷重の変化のような車両構成の変化にリアルタイムで自動的に適応するために、例えば電子安定システム及び横転防止システムにより、使用に際して、車両の積み荷及び車両の重量を推測する方法を提供することである。空気圧ブースタシステム制御装置は、例えば車両のCAN(コントローラエリアネットワーク)バスを監視することにより、種々の車両センサからの情報及び/又は車両パラメータ信号を受信することが可能である。現在の空気圧ブーストイベント中に観察され、監視された信号(例えば、監視されたエンジントルク出力及び/又は車両加速信号)に基づいて、空気圧ブースタシステム制御装置は、現在の圧縮空気注入に対する車両の現在の応答を、以前の空気圧ブーストイベントの車両の応答と比較してもよい。この比較は、他の車両制御装置に伝送してもよいであろう、車両の現在の重量の推定値、又は少なくとも以前の荷重状態からの車両重量の相対的な変化の推定値を導き出させる根拠を提供するであろう。導き出された重量情報は、(安定システム又はABSシステムのような)他の車両システムにのみ有用であるだけではなく、車両の現在の重量を適応的に学習するために、空気圧ブースタシステム制御装置自身も使用することができ、それによって、可能な限り作動限界に近く、且つ、作動限界を超えないようにしつつ、その後の空気圧ブーストイベントにおいて、圧縮空気注入が所望するレベルの車両性能を維持するように、さらに精緻化される。
あるいは、車両への重量の追加又は除去の影響が、規制又は他の作動限度値に達する前に付加的な安全性における余裕をもたらす場合、適応学習型空気圧ブースタ制御装置は、車両重量の変化を補償するために、すなわち車両性能の他の面を最適化するため、新たに利用可能な安全性における余裕を使い尽くすために、次の空気圧ブーストイベントにおける圧縮空気注入を拡大・縮小又は調整することができる。例えば、もしも、(NOx、微粒子物質、一酸化炭素、二酸化炭素及び/又は他の物質の)排出限度値を超える可能性を最小化するために、圧縮空気注入が1つの車両重量における所定の圧縮空気注入の曲線形状に限定される場合、及び排出限度値を超える前に車両重量の変化が安全性における余裕を増大させる場合、少なくとも再度排出限度値に近づくポイントまで、車両加速性能を最適化するためにエンジントルク出力を増加させるために、空気圧ブースタシステム制御装置は、圧縮空気注入の増加させることを可能にする。
本発明の別の実施形態では、適応的学習を、車両の種々の構成要素の有無の識別に使用してもよい。空気圧ブースタシステム制御装置は、識別された構成要素の存在(又は不存在)に適応させるために、その圧縮空気注入の変化率成形を変更することができる。例えば、吸気口内の空気圧を測定する圧力センサにより測定されたターボチャージャのコンプレッサの下流側の空気圧増加率のような、車両のCANバスを介した種々の車両パラメータの応答を監視することにより、空気圧ブースタシステム制御装置は、1つ又は複数の空気圧ブーストイベントへの車両の応答から、ターボチャージャのインペラが(チタンで作られたインペラのような)軽金属インペラか、又は鋼鉄インペラのようなより高い慣性モーメントのインペラかを判断してもよい。同様に、以前の空気圧ブーストイベントと現在の空気圧ブーストイベントの車両及びその構成要素の応答の比較を、エンジン及び他の車両動力伝達装置構成要素の現在の摩耗状態の評価に使用してもよい。また、空気圧ブースタシステム自身及び/又は他の車両システムから受信した不良表示を判断し、それに応じて、不良による制約内で可能な限り多くの付加的なエンジントルク出力を提供しつつ、その空気圧ブースト注入プロファイルを不良に対応するよう適合させる(例えば、センサが必要とされる情報を提供していないときに、ブースト注入プロファイルを”フェイル・セーフ”レベルへ減少又は遅らせる)ように、空気圧ブースタシステムをプログラムしてもよい。
本発明の他の目的は、変速機シフトと連携した変化率成形された圧縮空気注入を提供することにより、燃料節約及び車両加速応答を向上させることである。変速機がアップシフトされるとき、エンジン速度は、より低い回転数(rpm)レベル、一般的には、エンジンが最大効率で作動し最大のトルクを生成する回転数をかなり下回る低い回転数に低下する。アップシフトに応答するか、又は空気圧ブースタシステム制御装置と変速機制御装置間のアップシフト直前の通信のいずれかに応答して、エンジン速度をエンジンの最大効率作動範囲により迅速に戻すために、本発明の空気圧ブースタ制御装置は、短時間の空気圧ブーストイベントを開始してもよい。
本発明のさらなる目的は、短期的な再生中に車両性能及び排気性能を維持しつつ、空気圧ブースタシステムが排出処理構成要素の再生の補助を可能にするために、充分正確に圧縮空気の注入を制御する変化率成形を備えた空気圧ブースタシステムを提供することである。そのような実施形態において、微粒子フィルタ又はNOx捕捉のような構成要素が再生を必要とするときに、再生処理中に排出処理構成要素内で必要な環境条件を提供するために、変化率成形された圧縮空気注入を実行してもよい。空気圧ブースタ制御装置と(燃料噴射制御装置のような)他の車両制御装置の密接した連携によって連結された本発明の変化率成形アプローチによって可能になる圧縮空気注入の精度は、車両性能を著しく低下させることなく、また排気限度値を超えることなく、処理構成要素の再生処理を続行することを可能にする。
本発明の別の実施形態では、空気圧ブースタシステムの変化率成形を、予測される運転ニーズに基づいて変更してもよい。例えば、全地球測位システム(GPS)センサからの入力を使用して、空気圧ブースタシステム制御装置は、近づきつつある道路及び標高の変化に基づいて、適当な動力伝達装置性能の要求を判断し、エンジントルク出力要求の大小を予測して、圧縮空気注入変化率プロファイルならびにシフト方法を変更してもよい。
本発明のさらなる目的は、車両構成要素の能動的保護に変化率成形を用いた空気圧ブースタシステムを提供することである。例えば、インタクーラの加圧過剰に対する前述の保護に加えて、ターボチャージャのサージングを最小化する、ターボチャージャのコンプレッサの下流側の圧力条件を生じさせるために、空気圧ブースタシステムのスロットルバルブと連動した圧縮空気注入率の変化率成形を用いてもよい。さらに、所定のエンジン作動ポイントに対して必要な量の変化率成形された圧縮空気のみを注入することにより、ターボチャージャは加速過剰の影響をより受けにくくなる。従って、サージ状態に移る可能性は大きく減少する。他の例においては、エンジン温度及び/又は排気構成要素の作動温度を下げるために、比較的低温の変化率成形された圧縮空気の注入を用いてもよい。さらに、機器の保護及び望ましくない排気の最小化のために、作動パラメータを監視してもよい。例えば、エンジン作動温度を監視することにより、空気圧ブースタ制御装置は、正常な作動温度に達していないエンジンに課される作動の制約(通常の燃焼チャンバ温度よりも低い間に発生される低温の機器の応力限度値及び過剰排出を含む制約)に対応するよう調整された、変化率成形された空気圧ブーストプロファイルを選択してもよい。
本発明は、分離された空気圧ブースタシステム、エンジン及び変速機制御装置のような個別の構成要素の形で提供されてもよく、あるいは、一体化された電子パッケージの形で提供されてもよい。さらに、空気圧ブースタシステムの物理的構成要素は、分離されたスタンドアロンの構成要素であってもよく、又は空気圧ブースタシステムモジュールに一体化されてもよく、好ましくは、例えば、圧縮空気注入制御ソレノイド、吸気流制御フラップ、スロットルバルブ、圧力センサ、EGR注入ポート及び集積電子機器、及び関連するCANバス接続具を含む吸気フロー制御構成要素の全てを含むモジュールに一体化されてもよい。
本発明の他の目的、利点及び新規の特徴は、以下の発明の詳細な説明を添付の図と併せて検討するときに明らかになるであろう。
図1は、空気圧ブースタシステムを有する、従来のターボチャージャ付きエンジンの概略図である。 図2は、図1の従来の空気圧ブースタシステムの吸気制御装置の概略図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るエンジン及び関連する車両構成要素の概略図である。 図4は、図3に示された実施形態の空気制御装置の概略図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る空気圧ブーストイベントの始動及び停止についての制御の依存性を確認する図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る制御判断の第1の部分と、空気圧ブーストイベントの始動及び停止についての依存性を示すフローチャートである。 図7は、本発明の一実施形態に係る制御判断の第2の部分と、空気圧ブーストイベントの始動及び停止についての依存を示すフローチャートである。 図8は、本発明の一実施形態に係る制御判断の第3の部分と、空気圧ブーストイベントの始動及び停止についての依存性を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態に係る変化率成形された圧縮空気注入イベントのグラフである。 図10は、従来の車両応答と比較した、本発明に係る空気圧ブーストイベントへの車両の応答を示すグラフである。 図11は、先行技術のPBSシステムの、空気圧ブーストイベントへのNOx排出応答を示すグラフである。 図12は、本発明の一実施形態に係る空気圧ブーストイベントへのNOx排出応答を示すグラフである。 図13は、本発明の一実施形態に係る運転者が選択可能な車両性能プロファイルを示すグラフである。 図14は、アップシフトイベント中の従来のエンジンのエンジントルク出力のグラフである。 図15は、空気圧ブースタシステムを備えた従来のエンジン、及び空気圧ブースタシステムを備えていない従来のエンジンを搭載した車両の性能を比較する時間対速度の性能のグラフである。 図16a及び16bは、本発明の一実施形態に係る変速機制御装置と変化率成形された空気圧ブースタシステム制御装置の間の通信に関連する入力及び出力の制御を確認する図である。 図17は、空気圧ブースタシステムを備えていない従来のエンジンを搭載した車両、及び本発明の一実施形態に係る変化率成形空気圧ブースタシステムを備えたエンジンを搭載した車両の性能を示す、時間対速度性能のグラフである。 図18−図20は、車両加速イベント中の種々の作動パラメータ及び応答のグラフである。
図3は、吸気マニホルド302から燃焼空気を受け入れ、排気ガスを排気マニホルド303へ排出するエンジン301を含む、本発明の一実施形態の構成要素を示す。排気ガスは、排気マニホルド303から排気ターボチャージャのタービン304へ流れる。排気ガスは、吸気筐体部306(この実施形態では、空気清浄器筐体部)を介して吸気口に入る空気を圧縮するために、ターボチャージャのタービン304に、対応する吸気コンプレッサのホイール305(総称して、ターボチャージャのインペラ)を駆動させる。ターボチャージャから排出された圧縮空気は、インタクーラ307を通過して、圧縮された空気の温度を下げ、そして、空気制御装置308を通過し、エンジンの吸気マニホルド302へ向かう。排気ガスは、また、排気マニホルド303から排気ガス再循環ライン309を通り、EGR制御バルブ310及びEGRクーラー311を介して吸気マニホルド302へも流れる。EGR制御バルブ310は、排気ガスが吸気口に流れて燃焼中のNOxの生成を最小化するように、必要に応じ作動される。
この実施形態は、エンジン301のクランクシャフトからベルト及びプーリ配置を介して、エンジンにより駆動されるエアコンプレッサ312を含む。しかしながら、本発明はエンジンにより駆動された圧縮空気源に限定されず、いずれかの適切な源から圧縮空気を提供してもよい。エアコンプレッサ312により生成された圧縮空気は、この実施形態では、空気制御バルブ及び乾燥器313に送られる。乾燥された空気は、さらに、圧縮空気貯蔵部314を含む下流の圧縮空気消費機器へ導かれる。この実施形態では乾燥空気が使用されるが、本発明では、必ずしも乾燥空気は必要とはされない。
エンジン301の作動に関する制御は、エンジン制御装置315によって管理され、エンジン制御装置315は、加速ペダル316を含むさまざまなセンサからの信号を監視し、エンジンに適切な量の燃料を提供するために、燃料噴射器317に燃料噴射指令を出力する。エンジン制御装置315に受信されたセンサ入力に加え、エンジン制御装置315は、変速機制御装置319及び空気圧ブースタ注入制御装置318(ここでは空気制御装置308に一体化されて図示されている)のような車両のCANバスネットワークにより接続されたモジュールを含む他の車両制御モジュールとデータをやりとりしてもよい。
図4は、空気制御装置308の主要な機能の概略図である。これらの機能は、装置の吸込口401、排出口402及びそれらの間の空気流路403を含む。吸気遮断構成要素である空気流路遮断フラップ404は、ターボチャージャのコンプレッサ305から空気制御装置308を通過した空気の流れを遮断するために、空気流路403内に配置されている。フラップ404は、高速でフラップの開閉が可能なアクチュエータ405により駆動され、また、フラップ404を完全に開いた位置と完全に閉じた位置の間の任意の位置で位置決めが可能である。アクチュエータ405の動作は、この実施形態では空気制御装置308の筐体部406に一体化されている空気圧ブースタ注入制御装置318により制御される。フラップ404に加えて、空気制御装置308も、また、空気貯蔵部314から空気流路403及び吸気マニホルド302への圧縮空気の流れを制御する2つのソレノイドで作動する圧縮空気制御バルブ407、408を含む。(しかしながら、この実施形態では2つの制御バルブが使用されているが、本発明は2つのバルブに限定されない。)さらに後述する理由により、空気制御バルブ407、408は、異なる圧縮空気の流速を持つように、大きさが異なることが好ましい。任意選択的に、空気制御装置308を、EGRライン309の吸気口の端部を受けるよう構成してもよい。圧縮空気バルブ407、408の排出口及びEGRライン309を、これらの空気及び排気路からのガスが、フラップ404により遮られることなく吸気マニホルド302内に導入されるように、フラップ404の下流に位置付けてもよい。
空気圧ブーストイベントの始動及び停止
図5〜8を参照して、本発明の実施形態における空気圧ブーストイベント始動についての基準及び論理フローを以下に説明する。図5に示されるように、CANバス接続された又は分離された通信リンクのいずれかからの多数の入力が、空気圧ブースタシステム制御装置により受信される。これらの入力は、例えば、(i)例えば、エンジン制御装置から、及び/又は、エンジンに関連するセンサから直接受信されたエンジンステータス及びパラメータ情報、(ii)例えば、エンジン制御装置、及び/又は、吸気路内の圧力センサからのエンジンのブースト状態の情報、(iii)例えば、直接排気センサから、及び/又は、他の制御モジュールから得られた車両排気能力情報、(iv)例えば、(圧縮空気貯蔵部の圧力センサ、ブレーキペダル位置センサ及び/又は車輪速度センサのような)センサ、車両ブレーキ制御装置及び/又は車両安定性コントロールシステム制御装置からの空気ブレーキシステムステータス情報、及び、(v)(エアコンプレッサ係合/解放ステータス及び/又は他のパワーテイクオフ機器作動状態のような)他の車両機器ステータス情報を含む。
空気圧ブーストイベント始動の及び停止の評価において検討されるべき入力パラメータは、エンジン速度、インタクーラの圧力(空気ブーストステータスの測定値)、空気圧ブースタシステムの圧縮空気の供給に存在する圧力、加速ペダルの位置及び位置の変化率(及び/又は、代わりに、所定の位置を越える加速位置の頻度)、及び、変速機ギヤ、クラッチの状態及び現在のシフトステータス(すなわちシフトアップ又はシフトダウン)を含むことが好ましい。最低でも、吸気マニホルドの圧力及び加速ペダルの位置を知っていることが必要であるが、代替的及び/又は補足的入力は以下のものを含む:エンジンに関する情報については、ターボチャージャ回転数(rpm)、エンジントルク出力、エンジン負荷、冷却材の温度、及び排気ガス質量流量;エンジン空気ブーストに関する情報については、吸気マニホルド圧力、吸気マニホルドの上流の吸気路で測定された吸気圧力、及び吸気質量流量;排気に関する情報については、EGR質量流量、DPF(ディーゼル微粒子フィルタ)再生状態及びNOx後処理システムの可用性(例えば、排気ラインSCR及び/又はNOx吸収材構成要素のステータス);空気ブレーキシステム情報については、アンチロックブレーキシステム始動のステータス(トラクタトレーラ車両の場合は、トラクタブレーキ及びトレーラブレーキの両方のABSステータスが好ましい)、ブレーキペダル位置、駐車ブレーキステータス及びトレーラ安定性ステータス;他の車両システムについては、車両点火ステータス及び走行制御ステータスを含む。前述のものは例示であり、空気圧ブースタシステムの動作を始動するか停止するかを判断するための空気圧ブースタシステム制御装置への入力とみなすことが可能なパラメータ及びシステムステータス指示に限定されるものでないこと、また本発明の実施形態の実施過程において、それぞれの車両の種々の可能なパラメータ及びシステムステータス源から、どの入力が空気圧ブースタシステム制御装置に提供されるかをシステム設計者が判断するであろうことは、当業者に容易に明らかであろう。
図6〜8に図示された実施形態における制御ロジックを適用して、空気圧ブースタシステム制御装置は、空気制御装置308内のソレノイドバルブ407、408の制御を介して、空気圧ブーストイベントを始動又は停止するための制御信号を出力する。図6に示された制御ロジックの最初の部分では、ステップ601において、制御ロジックは、運転者が車両点火装置を作動させて、空気圧ブースタ制御装置318を始動させることから開始する。ステップ602において、空気圧ブースタ制御装置318は、次に、加速ペダルの位置及び現在のギヤ選択ステータスを判断する。ステップ603において、制御装置は、ステップ602で得られた情報から、加速ペダル位置変化率が所定の変化率の限度値を超えたかどうか、又はギヤがより高いギヤに変更されたかどうかを判断する。これらの条件がどれも満たされないときは、制御ロジックはステップ602に戻る。一方、これらの条件の1つが検出されたときは、制御ロジックはステップ604に移る。
ステップ604において、制御装置は、それが受信する入力、例えば、車両のCANバスシステムに対して送信されたデータから、駆動ライン、加速ペダルの位置、空気圧ブースタシステムの圧縮空気供給貯蔵部、車両のインタクーラ内の圧力、クラッチのステータス、及びエンジン回転速度のステータスを判断する。
ステップ604で収集された情報から、ステップ605において、制御ロジックは、状況が実際の圧縮空気の注入開始に適切かどうか判断する。具体的には、制御装置は、以下の基準を全て満たすかどうかを判断する:駆動ラインが係合されているか;加速ペダルの位置が所定の位置より大きいか;空気圧ブースタシステムの圧縮空気供給貯蔵部の圧力が所定の最小圧力限度値より大きいか;クラッチが閉じられているか;エンジンが稼働中か。この実施形態では、これらは、空気圧ブースタ制御装置318により空気圧ブーストイベントが始動される前に満たされなければならない全ての“閾値”の基準である。これらの条件の1つが満たされない、すなわち条件が”偽”である場合、制御ロジックはステップ602に戻る。一方、全てのこれらの条件が満たされた(すなわち、全ての基準が“真”と評価された)場合、制御ロジックは図7に図示されているように、制御ロジックの部分Bに移行する。
図7のステップ701において、空気圧ブースタ制御装置318は観察タイマーを始動させ、例えばエンジン制御装置及び変速機制御装置からのCANバスネットワーク上の信号、駆動ラインのステータス(例えば、係合/解放)、クラッチ(例えば開/閉)及びエンジン速度(例えば、rpm)を監視することにより、観察する。ステップ702において、空気圧ブースタ制御装置318は、タイマーが所定の時間の限度値に達したかどうかチェックする。時間の限度値に達していない場合、空気圧ブースタ制御装置318は、次に、ステップ703において、以下の少なくとも1つについて“真”の状態があるかどうか判断する:エンジン速度が所定の限度値より大きいか;クラッチが開いているか;駆動ラインが解放されたか。これらの条件のどれも起こらなかったときは、制御ロジックはステップ701に戻り、タイマー及びステータス監視を続ける。
しかしながら、ステップ702において、空気圧ブースタ制御装置318が所定の時間の限度値に達したと判断する場合、圧縮空気の注入開始前の本実施形態の最終テストにおいて、制御装置318は、(空気圧ブーストイベントで圧縮空気の注入によりインタクーラが損傷されないことを保障するため)車両のインタクーラの圧力が高すぎないことを確認する。このことは、ステップ704において車両のインタクーラ内の圧力を判断し、次にステップ705においてインタクーラの圧力が初期値の所定のパーセント(ステップ705では“X”%)より大きいかどうかを評価することにより遂行される。インタクーラの圧力が高すぎるときは、制御ロジックは、制御を部分Aの制御ロジックの開始へ(すなわち、ステップ602へ)戻すことにより、空気圧ブーストイベント評価プロセスを再始動する。そうではなく、図7の制御ロジック内の全てのイベント前の条件が満たされたときは、空気圧ブースタ制御装置318は、図8に図示された制御ロジックの圧縮空気注入部分Cの最初のステップに制御を移す。
空気圧ブーストイベントの始動の前提条件が全て満たされたと判断されると、ステップ801において、空気圧ブースタ制御装置318は、空気圧ブーストイベントタイマーを開始し、空気注入を開始するように、空気制御装置308内の圧縮空気流制御ソレノイドバルブの1つ又は両方を開放する命令を出す。以下により詳細に説明するように、制御装置318は、空気圧ブーストイベントの間、排気及び/又は他の設計基準との整合性を維持する空気注入曲線に従うように、空気注入を効果的に成形する方法で、空気注入ソレノイドバルブを開閉する命令を出す。
ステップ802において、制御装置は、ブーストイベントタイマーが所定の経過時間に達したかどうか判断する。一旦、時間の限度値に達すると、空気圧ブースタ制御装置318は、インタクーラの圧力、吸気マニホルドの圧力、クラッチ、駆動ライン、空気圧ブースタシステムの圧縮空気供給圧力及び加速ペダル位置のステータスを判断する。次に、制御装置318は、得られたステータス情報を評価し、以下の空気圧ブーストイベントの終了基準のいずれかが真であるかどうか判断する:インタクーラの圧力が所定の限度値より大きいか;吸気マニホルドの圧力が所定の限度値より大きいか;インタクーラの圧力が吸気マニホルドの圧力と等しいか;クラッチが開いているか;駆動ラインが解放されたか;空気圧ブースタシステムの圧縮空気供給圧力が所定の限度値より低いか;及び、加速ペダル位置が所定の限度値より低いか。これらのイベント終了基準のいずれも超えるものがないときは、制御はステップ805に移行し、そこで制御装置318は、ブーストイベントタイマーが所定の時間限度値に達したかどうか判断する。時間限度値に達していないときは、現在の圧縮空気注入プロファイルが継続され(ステップ806)、制御はステップ803に戻る。時間限度値に達しないか、又はステップ804の終了基準のうちの1つが満たされたときは、空気圧ブースタ制御装置318はステップ807に移行し、圧縮空気注入ソレノイドバルブが停止されるよう命令を出し、空気圧ブーストイベントを終了する。その後、制御は、図6の部分Aの制御ロジックの最初に戻る。
終了基準は前述のリストに限定されるものではなく、排気の検出構成が規制の限度値又は近辺にあることを検出、又は排気ガス処理装置(例えば触媒コンバータ)のような構成要素が温度限度値に達している、といった他の基準も使用してもよいことを、当業者は理解するであろう。さらに、制御ロジックの部分Cの圧縮空気注入は一定の圧縮空気注入を含んでもよく、又は、さらに後述するソレノイドバルブ407、408の連続した又はパルスの動作のどちらかを用いて変化率成形された圧縮空気注入曲線に従ってもよい。
空気圧ブーストイベントの変化率成形
本実施形態において、空気圧ブーストイベント中の圧縮空気注入は、図4に示されたような2つのソレノイドで制御された空気注入バルブ(バルブ407、408)を用いて実行される。これらのバルブは、圧縮空気を異なる流量で流すように意図的に大きさが変えられており、非常に迅速に作動する。それゆえ、これらのバルブは、空気注入バルブ407及び408を個別又は一緒に作動させることで全体の空気流量を変えることにより、及び/又は、圧縮空気注入パルス持続時間及び/又はパルス開始タイミングを変化させたパルス状の方法でバルブ407及び408を作動させることにより、空気圧ブースタシステム制御装置318に圧縮空気注入の変化率を制御する能力をもたらす。
図9は、本発明の実施形態に係る空気圧ブーストイベントの変化率成形された圧縮空気注入プロファイルの一例を示す。このブーストイベントにおいて、空気注入率は、空気注入源(バルブ407/又はバルブ408)、及び、空気注入の持続時間及びタイミングを変更することにより、所望する結果の空気注入プロファイルが得られるように、経時的に“成形される”。
直接又は車両CANバスを通して空気圧ブースタ制御装置318が受信したセンサ及び他の制御装置入力に基づいて、及び、もしも可能であれば、さらに以前の空気圧ブーストイベントから保存された”学習された”車両応答プロファイルに基づいて、空気圧ブースタ制御装置318は、排気の順守及び乗客の快適性の維持のような1つ又は複数の所望する目的を満たすよう設計された方法で、空気及び空気注入のタイミングを成形する所定の圧縮空気注入プランに従って空気圧ブーストイベントを開始する。この実施形態では、時間t1で、最初の圧縮空気注入901が、大きい方の空気流量を有する圧縮空気注入バルブ(この実施形態では、バルブ407)から実行される。バルブ407からの注入は、時間t2で空気圧ブースタ制御装置318により終了され、エンジントルク出力を増加させ、排気ガスフローを増加させる最初の圧縮空気の十分な注入が行われるけれども、空気の量はそれほど多くないので、例えば排出の限度値を超える可能性は増加しない。
圧縮空気注入の最初のパルスに続き、最初の圧縮空気注入により生成された排気ガスが排気マニホルドに到達しターボチャージャを作動させるために、及び/又は、十分なEGR流が吸気口に到達するために必要とされるおおよその時間に対応する短い遅延の後、時間t3において、空気圧ブースタ制御装置318は、(大きい流量のバルブ407からの注入902及び小さい流量のバルブ408からの注入408を組み合わせて)より大きい流量でさらに圧縮空気を注入するように、バルブ407及び408の両方を共に開くように命令する。時間t4におけるこの合同の圧縮空気注入の終了のタイミングは、例えば、所定の変化率成形された注入プロファイル、精錬された変化率成形された注入プロファイル(例えば最初の圧縮空気注入パルスへの車両パラメータ応答に基づいた修正された注入プロファイル)、及び/又は、図8で確認された終了基準に基づいて、空気圧ブースタ制御装置318により決定される。さらなる圧縮空気注入905、906、907は、実用的な最大範囲で、適用可能な設計及び規制の限度値を越えることなく、所望するエンジントルク出力を維持するよう、必要に応じて時間t5、t6、t7、t8で小さい流量のバルブ408を用いて行われる。短時間で少量の空気注入905及び906に加え、最初の圧縮空気注入後に、一旦車両作動パラメータが安定すると、それに引き続いて、長く低い流量の注入907が可能であり、これが、圧縮空気追加及び遮断イベントに応答した、望ましくない車両の鋭い”オン/オフ”の短い応答を少なくする。
図9に示されるように、従来の即時の十分に圧縮された空気注入ではなく、本例の圧縮空気注入変化率は、中間速度(注入901)で始まり、その後すぐに高い変化率に上昇し(注入902、903)、空気圧ブーストイベントの終了へ向かって低い変化率、低い容積レベル(注入904〜907)に減少する(幅が変動する注入パルスで近似された)曲線に従う。この圧縮空気注入への変化率成形されたアプローチの実際的な効果は、図10に図示されている。
図10は、空気圧ブーストイベントがない場合、従来の空気圧ブースタシステムの”可能な限り多く可能な限り早い”圧縮空気注入の空気圧ブーストイベントの場合、及び、本発明による空気圧ブースタシステムで実行される空気圧ブーストイベントの場合の間で、加速要求のイベントの車両速度対時間の応答を比較する。曲線Aは、空気圧ブースタシステムを搭載しない車両が時間経過とともに速度を上げると予想されうる変化率を図示している。図から明らかなように、PBSに補助されない車両の加速率(曲線Aの速度対時間の傾き)は、車両の乗客の快適性を維持するための最大の加速度の変化率である、乗客快適性の曲線Bの傾きを大きく下回る。
空気圧ブースタを搭載しない車両と対照的に、空気圧ブーストイベント中に圧縮空気注入するための”可能な限り多く、可能な限り早い”アプローチを用いる従来の空気圧ブースタシステムを搭載する車両は、図10の曲線Cで表されるように、高い変化率で加速する。そのような先行技術を搭載した車両は、非常に短い時間で速度を上げる一方で、乗客の快適性をはるかに超える加速度の変化率で速度を上げる。
曲線Dは、空気圧ブーストへの本発明のアプローチの効果を図示している。車両が最大の乗客の快適性レベルを越えた加速をしないことを確実にするように成形された圧縮空気の変化率及び量を変動可能にすることにより、継続的に調整された空気注入が、乗客の快適性を維持しつつ、車両が比較的迅速に速度を増させることを可能にするレベルでエンジントルク出力を維持する。最初の圧縮空気注入プロファイル(すなわち、どのバルブを開くかの選択、バルブを開ける持続時間、及びバルブを開けるタイミングを含む、空気注入バルブ407、408の開閉のパターン)を、例えば空気圧ブースタ制御装置のメモリ内のような車両のメモリ内に記憶された注入プロファイルから得てもよいし、あるいは、残りの使用可能な圧縮空気の供給、車両の荷重、吸気マニホルドの圧力などのような車両の1つ又は複数のパラメータに基づいて空気圧ブーストイベントの始動の直前に設定してもよい。この最初の圧縮空気注入プロファイルを、複数パルスの空気圧ブーストイベントの最初の空気注入パルスの後、空気圧ブースタ制御装置により2番目の空気注入パルスの命令が出される前に、迅速に調整してもよい。
図11及び12は、従来の空気圧ブースタシステムと比較して、NOx排出レベルが規制の限度値を超える可能性を最小化する、変化率成形を用いた本発明の実施形態において得ることが可能な利点を示す。図11は、空気圧ブーストイベント中の圧縮空気注入の量及びタイミングの関数としての短期のNOx排出応答のグラフを示す。図11の左軸は、圧縮空気注入のステータスを示す。この図の右軸は、EGR変化率、すなわち、エンジンの燃焼チャンバ内のNOx形成を抑制するようエンジンの吸気に注入可能な排気ガス量の尺度を示す。この従来のシステムでは、圧縮空気の注入は、空気圧ブーストイベントの開始で始まり、イベントのほぼ全持続時間(曲線A、時間t0からt1)で保持される、最大限利用できる圧縮空気流を備えた2つの注入流路で実行される。この圧縮空気注入の”最大限の努力”の終了間際に、時間t1で流れが低い方の空気注入路が閉じられ、その後すぐに時間t2で残りの空気注入路が閉じられる。
大量の、即時の圧縮空気注入の結果として、NOx形成抑制のため再循環された排気の対応する増加に整合しない、エンジン内に導入された酸素が大量に存在する。すなわち、空気注入の増加と、EGRシステムを通してエンジンの吸気口に到達するように付加された排気ガスを押し出すための付加された圧力を生む、付加された排気ガスの生成との間の時間差が存在する。結果として、燃焼温度を下げる再循環された排気ガスは、燃焼温度及び関連したNOxの生成を充分に抑制するには量が不足しているので、直ちに利用可能ではない。再循環された排気ガスが十分でないときは、より高温の燃焼チャンバで生成されたNOxの量は、曲線Bで図示されたように急速に上昇する。NOx生成の急速な上昇は、NOxレベルが規制限度値である線C、特に、ヨーロッパやその他の地域で新しい車両に適用されつつある大幅に低いNOx限度値を容易に超える原因となる。
結局のところ、排気ガスの圧力が、再循環の増加に対して利用可能な排気ガスの量を増すので、(線Dで図示されているように)EGRの変化率は上昇し、NOx形成は燃焼チャンバ内で再度抑制される。しかしながら、従来の十分な、即時の圧縮空気注入における固有の排気ガスの再循環の遅延により、そのような従来のシステムはNOx限度値からの逸脱を排除することができない。
図12は、本発明の実施形態による変化率成形を伴う圧縮空気注入のNOxレベルの応答を図示している。この実施形態では、先行技術の圧縮空気の注入の“最大限の努力”の代わりに、NOx形成を制御するために、圧縮空気の注入が、空気注入曲線の形状を効果的に長くし、且つ、低くする2つのステップで行われる。この実施形態では、まず、時間t0とt1の間に空気制御装置308内の圧縮空気注入バルブ407、408の両方を用いて(あるいは、所望する量の流れが得られる場合、1つのバルブのみを開いて)、短い圧縮空気注入パルスA1が行われる。最初の圧縮空気注入パルスが短いので、エンジンの燃焼チャンバ内の過剰酸素状態は、燃焼温度が過度のNOx排出を発生させるのに充分な高温に上昇するほど十分に長い時間持続されない。従って、曲線Bで示されるように、NOxの量が付加された酸素注入に応じて増加しつつ、この増加は、付加されたEGR流が利用可能になるまで、NOxレベルがNOx排出限度値(曲線C)を下回る状態を維持できるほど、十分に小さい。
最初の圧縮空気注入パルスA1がエンジンに送られたすぐ後に、所望する付加されたEGR流は、排気マニホルド及びEGRシステムを通して伝搬する。図10のEGR率線Dで示されるように、ほぼ同一の時間Dにおいて、付加されたEGR流も吸気口に到達し、時間t2において付加された圧縮空気注入A2が開始され、エンジントルク出力の所望の増加をもたらす。それゆえ、変化率成形された圧縮空気注入プロファイルは、この例では、NOx規制限度値である曲線Cを下回るNOxレベルを維持する。
この実施形態では、2つの圧縮空気注入バルブ407、408のうちの1つのみを開くことにより圧縮空気の流速の減少が発生する。1つの圧縮空気路のみからの圧縮空気流の減少は、空気圧ブースタ制御装置318が、圧縮空気注入率をNOx形成の抑制が可能なEGR流量とより正確に調和させるのを補助し、注入過剰を避けることにより圧縮空気の使用量を最小化する。圧縮空気注入の変化率を成形するという本発明のアプローチが、さらなる圧縮空気の注入がなされる前に、EGR流が許容可能なレベルに増加するのを可能にするので、およそ時間t2から空気圧ブーストイベントの残りの間、曲線Bに示されるように、NOxレベルは比較的一定のレベルに維持される。
圧縮空気の注入管理への本発明のアプローチもまた、車両性能及び効率上の利点と、変速機ギヤシフト方法の向上をもたらす。
車両変速機のアップシフトの間及び直後に、(ギヤ比の変更により)エンジン速度が低い回転数(rpm)に落ちることはこの分野では公知である。それゆえ、エンジン速度が低いとき、生成される排気ガスが少なければ少ないほど、ターボチャージャのタービンを駆動したり、ターボチャージャのコンプレッサの速度を維持したりするのに利用できる排気ガス流が少なくなる。従って、ターボチャージャはシフト前の吸気圧力のレベルを維持することができず、エンジントルク出力は落ちる。このことは、例えば、図14に図示されている。
図14は、ギヤのアップシフト中の時間の関数としての(ニュートンメートルにおける)エンジントルク出力のグラフである。このグラフの左側の2つのトルク出力の柱は、空気圧ブースタシステムを搭載しない従来の車両のアップシフトであり、一方、グラフの右側の2つの柱は従来の空気圧ブースタシステムを搭載した車両のアップシフトである。ブーストされない車両では、ポイント1におけるエンジントルク出力は、クラッチが、その前のアップシフトに続いてエンジンを動力伝達装置へ再係合させるときのエンジン出力である。アップシフトによって生じる低いエンジン速度のときには、エンジンはあまりたくさんの排気ガス流を生成しないので、ターボチャージャにより生成される吸気圧力は低下し、ポイント1とポイント2の間のエンジントルク出力が低下する。ポイント2は、エンジン速度及び排気ガス流が充分に増加して、エンジントルク出力の低下を停止させ、トルク出力の増加を開始させるために、ターボチャージャコンプレッサの速度を十分に回復させるポイントを示す。そして、エンジン速度は増加を続け、エンジンの速度超過を避けるためにアップシフトが必要とされるポイントまで、ターボチャージャ速度及び吸気圧力をさらに上昇させる。
次のギヤ変更動作の間、短時間クラッチは解放され、エンジントルク出力が効果的にゼロ(ポイント4)に下降するように、エンジンへの燃料供給が制限される。一旦、次に高いギヤが選択されると、クラッチが再係合するので、エンジントルク出力はポイント5に上昇する。エンジン速度を下げ、それによって生じる吸気圧力の低下に起因するエンジントルク出力の低下の影響は、トルク出力がポイント6に低下するときに繰り返され、続いてターボチャージャの速度が回復するときトルク出力が上昇する。
従来の空気圧ブースタシステムを搭載した車両では、アップシフトに起因するエンジントルク出力の下降は、アップシフトと関連した圧縮空気の注入によっていくぶん改善される。再度図14を参照して、ポイント7は、アップシフト完了直後の空気圧ブースタシステム搭載車両で生成されたエンジントルク出力に一致している。直ちに空気圧ブーストをかけることにより、直ちに、エンジンのトルク出力が、PBSを搭載しない車両の場合よりも高くなる(この例では、ポイント1と比較してほぼ2倍のトルク出力)。先行技術による即時の最強の圧縮空気注入は、アップシフト中、トルク出力及び排気ガス流を維持するために、吸気マニホルド内に十分な空気圧が残ることを確実にする。従って、従来の空気圧ブースタシステムのブーストイベントの間、ターボチャージャタービン速度はわずかに減少し、ポイント8における次のアップシフト動作のポイントまで、ターボチャージャ出力としてのエンジントルク出力の限定された減少のみが、エンジンブーストを支配する。
驚くべきことに、先行技術の空気圧ブースタシステムを搭載しない車両と比較して、先行技術の空気圧ブースタシステムにより生成された十分に高いエンジントルク出力をもってしても、所望する走行速度に達するように何段かのアップシフトを進めるのに必要とされる合計時間は、顕著には減少しない。図15は、PBS非搭載車両及び従来のPBS搭載車両の時間対速度の性能を図示している。この図において、2つの曲線は、(i)空気圧ブースタシステムを有していないエンジン(曲線A、2つの曲線の低い方)からの、及び(ii)従来の空気圧ブースタシステムを搭載したエンジン(曲線B、2つの曲線の高い方)からの、経時的な典型的なエンジントルク出力を図示している。トップギヤ(この例で、10番目のギヤ)にシフトする間に、PBS搭載エンジンの付加されたエンジントルク出力の能力にもかかわらず、従来のPBS搭載車両における各ギヤにこのエンジントルクが加えけられる比較的短い時間で、車両がトップギヤによる走行速度に達する結果となり(ポイントCにおける対応する走行トルク出力により識別される)、これはPBS非搭載車両が走行速度に達する(ポイントD)わずか5秒前である。
先行技術とは対照的に、本発明は、先行技術の空気圧ブースタシステムが提供するものよりも著しく大きな時時間対速度の性能を可能にする、空気圧ブースト注入方法を提供する。このアプローチにおいて、運転者の加速要求に応答する間に、圧縮空気を注入するのに条件は十分かどうかを判断するために、空気圧ブースタ制御装置及び変速機制御装置は、互いに通信してもよい。条件が満たされているときは、設計及び規制の制約に対する整合性を維持するように、圧縮空気注入変化率曲線が変化率成形される空気圧ブーストイベントを、代替的なギヤシフトプロファイルの実行と併せて開始してもよい。
図16a〜16bに示されるように、変速機制御装置が、空気圧ブーストイベントの要求元であってもよいし(図16a)、あるいは、変速機が、空気圧ブースタ制御装置のような車両の他のどこかで開始される空気圧ブーストイベントに応答してもよい(図16b)。図16aは、変速機制御装置が運転者の加速要求を受信し、又は、例えばGPS位置信号及び現在のルート決定に基づいて、車両の電子機器が、(坂道の傾斜にさしかかるような)近づきつつある道路状況に照らして車両速度を維持するために要求される予想されたトルク出力を発生させる状況を図示している。トルク増加要求に応じて、変速機制御装置は、空気圧ブースタ制御装置に空気圧ブーストイベントの開始要求を通信してもよい。適用可能な設計及び/又は規制の限度値内で可能な限り多くの空気圧ブーストをもたらすように、ブースト制御装置による変化率成形された圧縮空気注入の発令を容易にするために、空気圧ブースタ制御装置への要求は、さらに、現在のギヤ選択及び他の車両パラメータを含んでもよい。
図16bは、その代わりに、変速機制御装置に、空気圧ブースタ制御装置により開始される空気圧ブーストイベントに関する情報が提供され、また、空気圧ブースタシステムの現在の機能に関する情報(例えば、トルク出力量を制限する可能性があるシステム障害の情報を、空気圧ブーストイベント中にエンジンにより変速機制御装置に送られることが予想されうる)、及び車両が静止しているか移動しているか、車両速度、などのような他の車両ステータス情報が提供される状況を図示している。変速機制御装置が受信する情報に基づき、制御装置は、その後、加速にかかる時間の短縮、最高の燃料節約、又は最低の変速機負荷レベルなどのような所望する性能をもたらすシフトプロファイルを、種々の代替的なギヤシフトプロファイルから選択してもよい。
好ましい変速機シフト方法の一例を図17に示す。この実施形態では、(先行技術において一般的なように)全ての前進ギヤを通して変速機がアップシフトさせながら空気圧ブーストをかけるのではなく、所望する走行速度に加速する間、特定のギヤ比を”スキップする”ことを可能にするように、変化率成形された方法で空気圧ブースタ制御装置によって圧縮空気注入の命令を出力してもよい。図17に示された一例では、加速中にギヤ3、4、7、8及び10のみが係合されるように、通常よりもより高いギヤ比を通常より早く使用することを可能にするために、空気圧ブースタ制御装置は、圧縮空気注入の変化率及びタイミングを調整する。
いくつかのギヤ比を省略するシフトのシナリオでは、ギヤ比の変更に伴うエンジン速度の減少が通常よりも大きく、その結果として、エンジントルク出力の低下が通常よりも大きい。従来の空気圧ブースタシステムでは、”可能な限り多く、可能な限り早く”という公知の空気注入アプローチは、少なくとも、シフトパターンから1つ又は複数のギヤを省略することで経験される通常の回転数(rpm)よりもずっと低い回転数(rpm)での非常に低いEGR流に起因する、圧縮空気注入中における深刻な排出の暴走を生じるであろう。非常に低いエンジン速度で非常に多くの圧縮空気を注入する先行技術の適用は、また、過度の低速のトルク出力から車両の動力伝達系にダメージを与えたり、あるいは、ターボチャージャ速度超過イベントが生じるエンジンからの多量の、且つ、突然の排気ガス流を生じたりするかもしれない。排気条件を満たすためにこうむる車両損傷及び/又は故障という相当のリスクのために、空気圧ブーストの従来のアプローチは、この分野では、車両加速中のギヤシフトをスキップすることによる補助は好ましくないと見られている。
それとは対照的に、本発明の変化率成形機能は、設計及び規制の限度値内で可能な限り大きいエンジントルク出力を提供しつつ、ギヤをスキップすることに関連する異常に大きな回転数(rpm)の降下に対して、圧縮空気注入比率、持続時間及びタイミングを調整することを可能にする。具体的には、ギヤシフトが起こるとき、空気圧ブースタ制御装置は、エンジン速度が増加に伴っていつ、どれだけ圧縮空気注入を増加させるかを決定するための車両パラメータを同時に監視しつつ、圧縮空気注入量を先行技術の“すべて今すぐ”注入するアプローチを大きく下回るレベルに制御してもよい。
車両の加速性能を明らかに向上する本発明の変化率成形適用の結果例を、図17に示す。図15に示された一例における先行技術の時間対速度の性能(PBS非搭載車両を用いて加速するのにおよそ39秒、図17にもポイントBとしても示す)と比較して、この一例において、変化率成形された圧縮空気注入及びギヤ3、4、7、8及び10のみを用いた変速機シフトプロファイルの使用は、走行速度に達するまでおよそ21秒(ポイントA)、すなわちPBS非搭載車両のほぼ1/2の時間となる。さらに、時間対速度のこの大幅な向上は、順次的なギヤシフトプロファイルに制約された先行技術のPBSシステムの性能を驚異的に向上させ、変化率成形され、スキップ・シフトされた車両の時間対速度は、従来の空気圧ブースタシステム搭載車両が必要とする時間のおよそ60%しかかからない(先行技術のシステムの36秒と比較して21秒で完全に15秒速い)。言い換えれば、空気圧ブーストイベントにおける本発明の変化率成形された圧縮空気注入の使用は、適用可能な設計及び規制の限度値の整合性を維持しつつ、先行技術の空気圧ブースタシステムに対して40%近く上回る車両の時間対速度性能の改善を可能にする代替的なシフトプロファイルを変速機が使用することを可能にする。
改良された車両加速性能を得るための代替的な変速機シフトプロファイルの使用に加えて、変化率成形された圧縮空気注入の使用もまた、燃料節約を向上させるために、ギヤをスキップするシフトプロファイルの使用を可能にする。内燃エンジン、特にディーゼルエンジンが、その最適な燃料効率の範囲(すなわちエンジンの”スイートスポット”)から外れたエンジン速度の範囲で作動するときに、エンジンは本質的により多く燃料を使用することを、当業者は理解するであろう。より早く、より高いギヤへのシフトを可能にする本発明の変化率成形された使用により、車両が、非順次的ギヤシフトを補助できない先行技術の空気圧ブースタシステムで可能であるものよりもより早く、より高いギヤ(及び、それよってエンジンを最適な燃料の効率範囲にする)に到達することを可能にする。
変化率成形の使用は、また、先行技術の空気圧ブースタシステムが、適用可能な限度値を超えることなく、その”可能な限り多く、可能な限り早い”注入を実行することができない動作状況において、車両が高いギヤにある(及び、それによって低いエンジン速度にある)ときに、変化率成形された空気圧ブーストの適用を可能にする潜在性を有している。例えば、先行技術のPBSシステムが、空気圧ブーストイベントが開始される前に、変速機がダウンシフトされることを必要とする状況では、本発明の変化率成形された圧縮空気注入は、車両が燃料効率がよい高いギヤのままで乗客を不快にさせる原因となりうる望ましくないシフトを解消することを可能にする。
圧縮空気注入の変化率成形は、アップシフト直後の乗客の快適性及び燃料節約を向上する能力をさらにもたらす。例えば、変速機制御装置が、アップシフトするに値すると認識し始めると、具体的には、より高いギヤ比へのアップシフトに伴うエンジン回転数(rpm)の降下とともに観察されるトルクの降下を補償するための空気圧ブーストを使用する目的ために、空気圧ブースタ制御装置に対して空気圧ブーストイベントの要求を送信してもよい。そして、空気圧ブースタ制御装置は、規制及び/又は設計の限度値を超えるのを回避する必要性によってのみ制限されたアップシフトの直後のトルク降下を補償するために、十分な量の空気を供給する(及び付加された空気注入と調和するように、エンジンの燃料噴射制御装置へ対応する量の燃料を通知することにより)変化率成形された圧縮空気注入プロファイルを開始してもよい。このアップシフトを補償する空気圧ブーストイベントが進み、エンジン速度が以前のレベルに戻るにつれて、エンジンがひとりでに再度十分なトルクを生ずるのに十分なエンジン速度に上昇するにつれて、圧縮空気注入を徐々に減少するよう調整してもよい。この変化率されたアップシフトするトルク補償シフトは、エンジンからエンジントルク出力を基本的に途切れなく提供することで、本発明がよりスムーズに動力を供給することを可能にし、アップシフト後にトルク出力が落ちるとき、加速が突然失われることにより引き起こす乗客が知覚可能な”振動”を大幅に制限する。空気圧ブーストの量が設計又は規制の限度値によりある範囲に限定される場合であっても、空気圧ブースタシステムを搭載しない車両と比較して、このアップシフト後の変化率成形されたトルク補償アプローチは、より速い時間対速度も提供し、さらに、エンジン速度がより迅速にその最適な動力産生回転数(rpm)範囲に戻ることによって、燃料節約の向上を可能にする。
燃料の節約やその他の付加的な利点は、圧縮空気使用量を最小化することにより、本発明の変化率成形を用いて実現されうる。前述のように、従来の空気圧ブースタシステムでは、エンジントルク出力量を最大化するために、可能な限り素早く、最大量の圧縮空気がエンジンの吸気マニホルド内に注入される。このアプローチは、圧縮空気の浪費が多く、車両内で大量の圧縮空気を生成し蓄える必要がある。作動の限度値ちょうど又はその近辺で作動しつつ、到達できる最大のトルク出力を得るのに必要とされる正確な量の圧縮空気のみを使用する圧縮空気注入に焦点をあてることで、本発明の変化率成形された空気注入は、圧縮空気の使用量を可能な最小レベルに制限する。この圧縮空気の温存は、以下のものを含む多くの利点を有する:貯蔵部に貯蔵された圧縮空気の消尽の最小化(圧縮空気貯蔵部からの圧縮空気の取り出しの最小化が、(ブレーキのような)非常に重要なシステムが十分な圧縮空気の蓄えを有するのを確実にするのに必要な最小貯蔵部圧力レベルに到達する前に、効果的に許容マージンを生むこと);エンジン駆動のエアコンプレッサの負荷サイクルの減少;従来の空気圧ブースタシステムが要求していた圧縮空気を提供するために、従来よりも大きくすることが必要とされていたエアコンプレッサを駆動するのに必要とされる寄生動力のロスを減少することによる摩耗の減少及び燃料節約の向上;及び、車両の設計者が圧縮空気生成及び貯蔵機器のサイズを小さくして車両の重量及び部品コストを減少させ、車両機器の実装の懸案事項を軽減するのを可能にすること。さらに、圧縮空気注入量の減少は、また、適切な燃料混合の維持を確実にするために、圧縮空気の注入中、エンジン制御装置が燃料噴射量を増加する必要性をなくすことによって、燃料を直接節約する。
本発明のさらなる特徴は、運転者に選択可能な代替的な車両性能プロファイルの選択を提供するために、変化率成形を使用することを可能にすることである。例えば、運転者に、1つの機能を他の機能と取り替える車両性能オプションを選択する選択肢を提供してもよい。一例を図13に示す。この例では、運転者は、車両の加速性能を犠牲にして燃料節約を最大化する性能プロファイル(線A)、燃料節約を犠牲にして加速要求への車両のダイナミックな応答を最大化する性能プロファイル(線C)、又は、この例では乗客の快適性に焦点をあてて車両の性能は折衷する性能プロファイル(線B)を、(ダッシュボードに付けられたスイッチ又は電子タッチスクリーン制御装置を用いて)選択してもよい。運転者によって選択された性能プロファイル次第で、空気圧ブースタ制御装置318は、選択された線A、B又はCに関連する適切な目標空気圧ブーストレベル限度値を適用する。
以下に、自動変速機又は自動化された手動変速機を搭載した車両の停止位置からの加速を含むブーストイベントに対する変化率成形されたPBS搭載車両の応答の定量的な例を挙げる。図18〜20に図示されているように、PBS制御装置は、種々の車両作動パラメータ信号を監視するPBS制御アルゴリズムを実行する。例えば、加速ペダル位置値(図18の線AP)から判断されたドライバの加速要求と共に、加速ペダル位置APが監視される。この例では、加速ペダル位置は0.54秒の時点の0%から0.81秒の時点の78%へ変化する。ペダル位置の新しい値及びペダル位置の変化率がそれぞれに設定された閾値を超えるので、PBS制御装置は、次に、空気圧ブーストイベントを実行するために、車両の空気供給システムが、注入イベントの開始をサポートするのに十分な空気圧(図18の線P)を有しているかどうか、すなわち、所望する注入空気量を提供するのに十分可能な能力があるかどうか、を判断する。利用可能な空気圧の現在の値が所定の閾値より低いときは、PBS制御装置は注入イベントを開始しない。図18の例では、利用可能な圧力は129psigであり、この例における所定の閾値より大きい。
この例におけるPBS制御装置は、次に、エンジン速度、吸気マニホルド圧力及び駆動ライン及びクラッチ状態を含むさまざまな他の信号のステータスを比較し、この車両作動情報を使用して空気圧ブースト注入イベントが起こるべきかどうか判断する。0.80秒の時点で、PBS制御装置により監視された条件は満たされたと判断され、PBS制御装置はブースト注入イベントを開始するため制御信号を出力する。制御装置はフラップ部品を閉じるよう信号を出力し(フラップ位置図18の線F)、ハードウェアの整合性のチェックとしてその位置を監視する。
スロットルフラップが閉じ始めるとき、PBS制御装置は、圧縮空気注入を開始するために、他の信号を1つ又は複数の高速ソレノイド空気バルブに送信し、空気供給貯蔵部からエンジン吸気口へ空気が流れるのを許容する。PBS制御装置は、あらゆる組み合わせの空気バルブに始動するよう命令を出力することが可能であり、それによって、PBS制御装置アルゴリズムによって設定された目標圧縮空気追加プロファイルに合致するように、注入される空気量の流れを成形する。この例では、この作業は”送風要求”(図18の線BIR)として表わされ、圧縮空気バルブの適切な作動、例えば‘0’(ソレノイドなし)、‘1’(ソレノイド#1)、‘2’(ソレノイド#2)又は‘3’(ソレノイド#1及びソレノイド#2の両方)の命令を発することによりかなえられる。注入中、ターボチャージャコンプレッサの出口とフラップの間で圧力が増加するにつれて、車両のターボチャージャによって供給される圧力は徐々に増加しつつ(図19の線IC)、フラップ構成要素とエンジン吸気システムの間の吸気マニホルドの圧力(図19の線IM)は急速に増加する。
この例において、PBS制御装置は、ターボチャージャコンプレッサの出口とスロットルフラップの間の空気圧、ならびにスロットルフラップとエンジン吸気システムの間の圧力を監視することにより、いつ空気圧ブースト注入イベントを中止するかを判断する。圧力の差がPBS制御装置の目標値に達すると、制御装置はターボチャージャの出力をエンジンが必要とする空気の供給を引き受けることが可能と判断し、従って、ブースト空気注入を中止するため信号を出力する。この例では、1.53秒の時点でPBS制御装置は開始された空気注入バルブソレノイドの通電を停止するよう信号を送信する。PBS制御装置は、また、1.57秒の時点でフラップ部品を開くよう信号を送信し、この高速動作中のフラップは1.59秒の時点で完全な開放位置に達する。
空気圧ブースト注入イベントの進行中、注入中の空気の消費に伴って、PBS供給貯蔵部内の圧力(図18の線P)は減少し始める。図18から分かるように、0.81秒の時点で129psiから始まる供給システムの圧力は、空気注入が中止されたとき、1.54秒の時点で114psigに減少する。
この例における空気圧ブースト注入イベントでは、空気圧ブースト注入がないときよりも、エンジンは所望するトルク及び/又はエンジン速度に素早く到達する。車両の時間対速度性能を比較するためにこの分野で使用される一般的な尺度は、“T90時間”、すなわち、所定位置からの加速ペダルの変化を介して、トルク要求が開始された時間からエンジンがその最大トルク出力の90%に達するのに必要とされる時間である。図20に示されるように、空気圧ブースト注入のT90時間は、トルク出力曲線である図20の曲線Tで示されるように、1.10秒である。空気圧ブースト注入の空気は、また、空気圧ブースト注入がないときよりも、車両変速機が次のシフトポイントに迅速に到達することを可能にする。この例では、車両はセカンドギヤで空気圧ブースト注入イベントを開始し、変速機制御装置(図20の曲線TRANS)は、注入の終了間際1.59秒の時点で(図20の曲線TRANS)、次のギヤ変更を要求する。
前述の開示は、単に本発明を説明するため記載したものであり、限定することを意図しない。例えば、前述の開示は、車両エンジンに少なくとも1つのターボチャージャが搭載された実施形態に言及しているけれども、本発明はターボチャージャ搭載エンジンに限定されず、代わりに、エンジントルク出力を少なくとも一時的に増加させるため制御された圧縮空気の注入が望ましいあらゆる他の内燃エンジン構成に適用してもよい。そのようなエンジン構成は、無過給エンジン、スーパーチャージャ搭載エンジン、及びガソリンエンジン、水素エンジン、及びプロパン燃料供給エンジンを含むディーゼル燃料以外の燃料で作動するエンジンを含む。さらに、圧縮空気注入の変化率成形の使用によりNOx排出の暴走は避けうるのと同様に、圧縮空気注入の変化率成形がCO及び/又は微粉子の排出のような他の汚染物質を、求められた限度値を下回る状態に維持するために、本発明の空気圧ブースタシステムにおける空気圧ブースタ制御装置を、エンジン及び車両特性の情報でプログラムしてもよい。他の実施形態は、例えば、所定の固定された変化率成形された圧縮空気注入プロファイルによる、“ルックアップテーブル”(すなわち、例えば空気圧ブースタ制御装置のメモリに記憶された圧縮空気注入プロファイルの所定の編集物)から選択された圧縮空気注入プロファイルによる、及び/又は監視された車両作動パラメータに応答して選択された所定の変化率成形された圧縮空気注入プロファイルによる、開ループ方法での空気圧ブースタシステムの作動を含むであろう。本発明の趣旨及び実体を包含する開示された実施形態のそのような変形は、この分野の当業者が行いうるので、本発明は添付の請求項及びその等価物の範囲内の全てを含むと解釈されるべきである。

Claims (25)

  1. 空気圧ブースタシステムを搭載した車両を作動する方法であって、前記空気圧ブースタシステムは、空気圧ブーストイベント中に前記車両のエンジンの吸気口内に圧縮空気を注入するよう構成され、かつ、前記空気圧ブーストイベント中、圧縮空気の注入変化率、持続時間及び少なくとも2つの空気注入パルスのタイミングのうち、少なくとも2つを調整するよう構成され、前記方法は、
    前記車両の位置及び移動の方向を判断するステップと、
    前記車両の前記位置及び移動の方向から、予測される近づきつつある車両ルートを判断するステップと、
    前記予測される近づきつつある車両ルートに基づいて、前記予測される近づきつつある車両ルートを前記車両が容易に通行するために圧縮空気の注入を開始するかどうかを判断するステップと、
    前記予測される近づきつつある車両ルートに基づいて、前記車両が、前記ルートの地形を通行する際に、前記予測される近づきつつある車両ルートの前記ルートの地形に対応するように標的エンジントルク出力を変更するよう圧縮空気の注入パターンを決定するステップと、
    前記決定された圧縮空気の注入パターンを使用して前記エンジン内へ圧縮空気を注入する前記空気圧ブーストイベントを開始するステップと、
    前記車両の少なくとも1つの作動パラメータを監視するステップと、
    前記少なくとも1つの作動パラメータが所定の範囲内にあるかどうか判断するステップと、
    前記少なくとも1つの作動パラメータを前記所定の範囲内に維持するために、前記少なくとも1つの作動パラメータが前記所定の範囲内にあるかどうかの前記判断に基づいて、前記車両が前記ルートの地形を通行する際に、前記圧縮空気注入パターンの空気注入速度、持続期間、及びタイミングの内の少なくとも1つを調整するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記車両の位置及び移動の方向が、GPS受信器により受信されるグローバル・ポジショニング衛星信号の分析により決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記空気圧ブーストイベントの開始前に、空気圧ブースタ注入制御装置において前記車両から車両作動情報を受信するステップと、
    前記監視された少なくとも1つの作動パラメータを前記所定の範囲内に維持するように、前記受信された車両作動情報に基づき、空気注入速度、少なくとも2つの圧縮空気注入パルスのうちの第1についての空気注入速度、注入持続時間及び注入タイミングのうち少なくとも1つを設定するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、圧縮空気貯蔵容器内に蓄えられた圧縮空気の圧力であり、
    前記所定の範囲は、車両安全システムが安全システム機能を実行するのに利用可能な十分な圧縮空気を有するのを保証するのに必要とされる最小の圧縮空気圧より高い圧力である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、前記エンジンからの排気ガス中のNOx含有量を示し、
    前記所定の範囲は、NOxの排出限度値より低いNOx含有量である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、エンジンからの排気ガス内の微粒子の含有量を示し、
    前記所定の範囲は、微粒子の放出限度値より低い微粒子量である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、EGR変化率を示し、
    前記所定の範囲は、NOx排出限度値の超過に対応するEGR変化率よりも低いEGR変化率である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、前記エンジンに燃焼空気を供給するターボチャージャのコンプレッサの回転速度であり、
    前記所定の範囲は、ターボチャージャコンプレッサの速度超過限度値よりも低いターボチャージャインペラ速度である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、車両の加速度であり、
    前記所定の範囲は、前記車両内の乗客の快適性の保持のための最大の加速度の限度値より低い加速度である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、車両の加速度であり、
    前記所定の範囲は、運転者が選択可能な加速プロファイルより低い加速変化率である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、排気ガス温度であり、
    前記所定の範囲は、所定の排気ガス温度限度値よりも低い排気ガス温度である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、前記吸気口内の実際の空気流速を示す前記車両の作動パラメータであり、
    前記所定の範囲は、前記吸気口内の前記実際の空気流速と前記車両の少なくとも1つの制御装置により要求された空気流速の間の所定の許容可能な差である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、運転者の加速要求であり、
    前記所定の範囲は、加速ペダルの位置、加速ペダルの作動速度、及び加速ペダルの位置が所定の位置を超える頻度のうち少なくとも1つである
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  14. 前記圧縮空気の注入が、前記圧縮空気注入の流速の低速化、一時停止、及び増加のうち少なくとも1つにより変更されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの作動パラメータを前記予め定められた範囲内に維持するために、前記圧縮空気の注入速度、前記注入の持続時間及び前記注入タイミングのうち少なくとも1つを調整するステップが、少なくとも1つの圧縮空気注入制御装置のパルス幅変調により実行されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1つの圧縮空気注入制御装置が、少なくとも2つの圧縮空気フロー制御バルブを有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記少なくとも2つの圧縮空気フロー制御バルブが異なる最大空気流定格を有し、
    前記少なくとも2つの圧縮空気フロー制御バルブが、ブーストイベント中に圧縮空気の注入流速を変更できるように、同時に及び独立して作動可能である
    ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 空気圧ブーストを用いて車両の性能を向上するシステムであって:
    吸気口、排気口、及び前記排気口から前記吸気口へエンジンからの排気ガスの一部を再循環させるための排気ガス再循環路を有するエンジン;
    前記吸気口に設置された空気制御装置;この空気制御装置は、
    前記空気制御装置の吸気路内に設置された吸気遮断構成要素であって、この吸気遮断構成要素は、空気流を選択的に遮断するか、又は、この空気制御装置を通って空気流が前記エンジンへ向かうことを可能にするように、少なくとも開放位置と閉鎖位置の間を移動するよう配置されており、
    前記吸気遮断構成要素のエンジン側において前記吸気口に開いた少なくとも1つの圧縮空気注入路であって、この圧縮空気注入路は、前記空気制御装置が、前記吸気口内に供給されるように提供された圧縮空気流を調整するよう配置された少なくとも1つの圧縮空気フロー制御バルブを有しており、
    前記吸気遮断構成要素の前記エンジン側において前記吸気口に開いた流路であって、そこを通って前記排気ガス再循環路を通った排気ガスが前記吸気口内へ導入されるもの、
    を含み、
    前記空気制御装置へ圧縮空気フローを提供するよう配置された圧縮空気源;
    空気圧ブースタ注入制御装置;及び
    車両位置及び方向の決定システム、を備え、
    前記空気圧ブースタ制御装置は、前記吸気口を介して圧縮空気を前記エンジンへ供給するために、前記少なくとも1つの圧縮空気流制御バルブ及び前記吸気遮断構成要素の作動を連動させることにより、少なくとも1つの監視された車両の作動パラメータに基づいて空気圧ブーストイベントを制御するようにプログラムされ、
    前記空気圧ブースタ制御装置は、少なくとも2つの空気注入パルスの圧縮空気注入変化率、持続時間及びタイミングのうち少なくとも2つを調整することにより前記圧縮空気の注入をもたらすために、前記空気圧ブーストイベント中、少なくとも1つの圧縮空気流制御バルブを制御するようにプログラムされ、
    前記空気圧ブースタ制御装置は、
    前記車両の位置及び方向の決定システムからの情報に基づいて前記車両の位置及び移動の方向の判断と、
    前記車両の前記位置及び移動の方向から予測される近づきつつある車両ルートの判断と、
    前記予測される近づきつつある車両ルートに基づき、前記予測される近づきつつある車両ルートの前記車両の通行を容易にするために圧縮空気の注入を開始するかどうかの判断であって、前記圧縮空気注入が、前記車両が前記ルート地形を通行するさいに前記予測される近づきつつある車両ルートのルート地形に対応して目標エンジントルク出力を変更するよう定義された圧縮空気注入パターンに基づいて前記圧縮空気注入を開始するようにプログラムされ、
    前記空気圧ブースタ制御装置は、前記少なくとも1つの作動パラメータを前記所定の範囲内に維持するために、少なくとも1つの監視された前記車両の作動パラメータに基づいて前記圧縮空気の注入パターンを調整するようプログラムされている、
    ことを特徴とするシステム。
  19. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、圧縮空気貯蔵容器に蓄えられた圧縮空気の圧力であり、
    前記所定の範囲は、車両安全システムが安全システム機能を実行するために利用可能である十分な圧縮空気を有することを保証するために必要とされる圧縮空気圧の最小値を上回る圧力である
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  20. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、前記エンジンからの排気ガス内のNOの含有量を示し、
    前記所定の範囲は、NO放出限度値を下回るNO含有量である
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  21. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、前記エンジンからの排気ガス内の微粒子の含有量を示し、
    前記所定の範囲は、微粒子状物質放出限度値を下回る微粒子の量である
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  22. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、EGR変化率であり、
    前記所定の範囲は、NO放出限度値の超過に対応するEGR変化率を下回るEGR変化率である
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  23. 前記少なくとも1つの作動パラメータは、車両の加速度であり、
    前記所定の範囲は、前記車両の乗客の快適性を保持する加速度限度値の最大値を下回る加速度である
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  24. 前記少なくとも1つの作動パラメータは排気ガスの温度であり、
    前記所定の範囲は、所定の排気ガスの限度値の温度を下回る排気ガス温度である
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  25. 前記空気圧ブースタ制御装置は、前記圧縮空気注入の流速の低速化、一時停止、及び増加のうち少なくとも1つにより前記圧縮空気の注入のパターンを変更するためにプログラムされることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
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