JP2014511673A - 糖化プロセスにおける粘度を低下させる方法 - Google Patents

糖化プロセスにおける粘度を低下させる方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、グリコシルヒドロラーゼファミリー61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物などの、バイオマスの加水分解に使用することが可能な組成物、バイオマス材料を加水分解するための方法、及びグリコシルヒドロラーゼファミリー61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物を使用して、バイオマス混合物の粘度を低下させるための方法に関する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年3月17日に出願された米国特許仮出願第61/453,923号に基づく利益を主張するものであり、当該出願の全容を本明細書に援用するものである。
(発明の分野)
本発明は、バイオマスを加水分解するうえで有用な組成物、その組成物を使用してバイオマス材料を加水分解する方法、及びバイオマスの糖化混合物の粘度を低下させるための方法に関する。
再生可能なリグノセルロースバイオマスを発酵性糖に生物変換し、次いでこの糖を発酵させて液体燃料の代替物としてのアルコール(例えばエタノール)を製造することは、石油危機が起こった1970年代以降、研究者の多大な関心を集めてきた(Bungay,H.R.、「Energy:the biomass options」、NY:Wiley;1981;Olsson L,Hahn−Hagerdal B.Enzyme Microb Technol 1996,18:312〜31;Zaldivar,Jら、Appl Microbiol Biotechnol 2001,56:17〜34;Galbe,Mら、Appl Microbiol Biotechnol 2002,59:618〜28)。リグノセルロースバイオマス材料からの糖の製造は、それに続くエタノールへの糖の発酵及び蒸溜とともに、以前より知られている。以前の技術開発の大半は、第二次世界大戦の前後に、ドイツ、日本、及びソビエト連邦といった、燃料が高価であった国々で進められたものである。これらの初期のプロセスは主として酸加水分解に基づいたものであったが、加水分解は操作及び設計が複雑であり、温度、圧力、及び/又は酸濃度などの、プロセスにおけるわずかな変化の影響を一般的に受けやすかった。これらの初期のプロセスの包括的な考察は、「Production of Sugars from Wood Using High−pressure Hydrogen Chloride」、Biotechnology and Bioengineering,Volume XXV,2757〜2773(1983)に示されている。
第二次世界大戦から1970年代初頭にかけての石油の豊富な供給は、エタノール変換の研究を遅らせることとなった。しかしながら、1973年の石油危機によって、研究者らは木材及び農業副産物を利用してエタノールを生産する方法を開発することに多くの努力を注ぐこととなった。この研究は、外国の石油生産に対する米国の依存度を低め、燃料のオクタン価を高め、環境対策として排気汚染物質を減らすためのガソリン添加剤としてのエタノールの開発にとって特に重要であった。
「石油危機」と時を同じくして、米国環境保護局によって鉛添加剤の低減を求める規制が公表された。エタノールを実質上、鉛の代用物とすることに関し、一部の精錬所では、エタノールが費用の嵩む設備投資を必要とせずに精錬所の運転に容易に導入することが可能であることからエタノールを代替物として選択している。
数十年前に開発された高圧及び高温のガス糖化プロセスは引き続き改良されている。新しい現在の研究は、セルロースを発酵性糖に分解する中温性及び好熱性の真菌類、酵母及び細菌などの様々な微生物からの酵素を使用した酵素的変換プロセスに主眼を置いたものとなっている。これらのプロセスには、主に商業化のための大規模化の可能性及びエタノールの製造効率の点で不安が残る。
セルロース及びヘミセルロースは、光合成によって生成される最もありふれた植物性材料である。これらは、重合体の基質を単量体の糖に加水分解することが可能な酵素を産生する細菌、酵母及び真菌類などの多くの微生物によりエネルギー源として用いられるために分解されうる(Aroら、2001)。生物がどの糖を使用するかはしばしば制限されており、これにより、変換の際にどの糖を製造するのが最良であるかが規定される。再生不能な資源の限界に近づくに従って、我々は主要な再生可能なエネルギー資源となりうるセルロースの大きな可能性を認識するにいたっている(Krishnaら、2001)。生物学的なプロセスによるセルロースの効果的な利用は、食料、飼料及び燃料の不足を解消する可能性を秘めている(Ohmiyaら、1997)。
セルラーゼは、セルロースの(β−1,4−グルカン又はβ−D−グルコシド結合)を加水分解して、グルコース、セロビオース、セロオリゴ糖などを生成する酵素である。セルラーゼは、エンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)(「EG」)、エキソグルカナーゼ又はセロビオヒドロラーゼ(EC 3.2.1.91)(「CBH」)、及びβ−グルコシダーゼ([β]−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ;EC 3.2.1.21)(「BG」)の3つの大きなクラスに以前より分類されてきた(Knowlesら、1987、及びShulein、1988)。エンドグルカナーゼがセルロース繊維の非結晶部分に対して主に作用するのに対して、セロビオヒドロラーゼは結晶性セルロースを分解することも可能である。
セルラーゼは、機械的パルプの処理において(Pereら、1996)、飼料添加剤として使用するため(国際特許出願公開第WO 91/04673号)、また穀物の湿式粉砕において、セルロースバイオマスをエタノールに分解するうえで有用であることも示されている(その際、セルラーゼがセルロースをグルコースに分解し、酵母又は他の微生物がグルコースをエタノールへと更に発酵させる)。単行糖化発酵は、例えばトウモロコシ茎葉などのバイオマス中に存在するセルロースがグルコースに変換された後、酵母株がグルコースをエタノールに変換するプロセスである。同時糖化発酵は、例えばトウモロコシ茎葉などのバイオマス中に存在するセルロースがグルコースに変換されるのと同時に、同じ反応容器中で酵母株がグルコースをエタノールに変換するプロセスである。容易に入手可能なセルロース源からのエタノール製造は、安定した再生可能な燃料の供給源を与えるものである。
セルラーゼは、多くの細菌、酵母、及び真菌類によって産生される。特定の真菌類は、セルロースの結晶形態を分解することが可能な完全なセルラーゼ系(すなわち全セルラーゼ)を産生する。全セルラーゼ、特に天然に存在するものは、効率的な分解に必要とされるすべての成分/活性、例えばCBH、EG、及びBGの分類のそれぞれの活性を有さない場合があることから、必ずしも効率的な分解を行うことができるわけではない(Filhoら、1996)。個々のCBH、EG、及びBG成分は、単独では効率的な加水分解は行えないが、EG型セルラーゼとCBH型セルラーゼとの組み合わせは、相互作用によって、いずれかの酵素が単独で使用される場合と比較してセルロースをより効率的に分解することが知られている(Wood、1985;Bakerら、1994;及びNievesら、1995)。
セルラーゼは、繊維製品の処理において、洗剤組成物の洗浄能力を高めるため、柔軟剤として使用するため、綿織物の感触及び外観を向上させるためなどの目的で有用であることが、当該技術分野において知られている(Kumarら、1997)。セルラーゼ含有洗剤組成物として、洗浄性能が高められたもの(米国特許第4,435,307号、英国特許出願第2,095,275号、及び同第2,094,826号)、並びに繊維製品の感触及び外観を向上させるための布地の処理に使用されるもの(米国特許第5,648,263号、同第5,691,178号、及び同第5,776,757号、並びに英国特許出願第1,358,599号)がこれまでに述べられている。
このように、真菌類及び細菌において産生されるセルラーゼは多大な関心を集めてきた。詳細には、トリコデルマ属(Trichoderma spp.)(例えば、T.ロンギブラキアタム(T. longibrachiatum)又はT.リーゼイ(T. reesei))の発酵では、セルロースの結晶形態を分解可能な完全セルラーゼ系が産生されることが示されている。長年にわたって、トリコデルマのセルラーゼ産生は、古典的な突然変異誘発、スクリーニング、選択、及び高度に洗練された大規模な低コストの発酵条件の開発によって改良されてきた。トリコデルマ属の多成分セルラーゼ系は、セルロースをグルコースに加水分解することが可能であるが、効率的なセルロース加水分解に関する異なる性質を有する他の微生物、特に細菌株に由来するセルラーゼも存在し、工業的規模のセルラーゼ製造では、これらのタンパク質を糸状菌中で発現させることが効果的であると考えられる。しかしながら、多くの研究の結果により、糸状菌からの発現細菌酵素の収率は低いことが示されている(Jeevesら、1991)。
グルコース及びセロビオースなどの可溶性糖は、化学物質及び生物学的製剤の製造において多くの用途を有する。セルロース加水分解の最適化により、可溶性糖の製造における酵素の使用量を低減し、費用対効果を高めることが可能である。
リグノセルロースバイオマスの発酵性糖への効率的変換は、費用効率が高く環境に優しい方法でバイオエタノールを製造するうえで重要な要素である。特に蒸留のエネルギー及び処理コストを低減するには、現実的なプロセスにより製造される最小のエタノール濃度は少なくとも4%(重量/体積)でなければならない。こうした高いエタノール濃度は、乾燥固形分の含量が高い基質を処理することによって実現可能である。しかしながら、乾燥分の含量が高いバイオマスを糖化することにともなう共通の問題点として、ポンプで圧送できない、又は取り扱いに際して大きなエネルギーの入力を必要とするスラリーを生じる、スラリーの高い粘度がある。高固形分基質の取り扱いに際しては、1)物質移動が制限された不充分な混合、2)酢酸、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、フェノール性リグニン分解物などの阻害物質の濃度上昇、3)グルコース、セロビオース、エタノールなどの生成の阻害、及び4)発酵微生物の生存率などの問題が生じる。高い粘度により、プロセス中の乾燥物質の濃度が制限され、エネルギー及び水の消費量が大きくなり、分離効率、蒸発及び熱交換率、更に最終的にはエタノールの収率が低下する。したがって粘度を低下させることは有益であり、高粘度につながる可溶性/不溶性化合物を分解するうえで酵素が重要な役割を担っている。
固形物装填量を高め、かつ/又は糖化プロセスの粘度を低くするための研究が行われている。例えば、バイオマス基質ロード量中の固形分濃度を高めるため、多くの研究で流加培養操作が用いられている。予め処理した麦わらを、最大で40%の固形分濃度で回分式の酵素による液化及び加水分解を行うことが可能な重力式混合反応器の設計が用いられている。このような流加培養による手法では、酵素による加水分解の際にバイオマス基質又は基質と一緒に酵素を連続的に装填することによって、大量の基質の加水分解、加水分解の際の比較的低い濃度、及びプロセスの間の比較的高いグルコース濃度が実現される。また、スラリーの粘度を低下させてポンプによる圧送及び撹拌を可能とするために、例えば50℃のような酵素の最適温度において、一定時間、酵素によるリグノセルロースバイオマスの前加水分解を行ってもよい。前加水分解における粘度の低下は、後発酵すなわちSSFの発酵を可能とするものである。
多くの手法が開発されたにもかかわらず、粘度を低くし、所望の発酵性糖の収量を高めるための更なる方法が、当該技術分野において依然求められている。
特許、特許出願、及び公開公報を含む、本明細書に引用するすべての参照文献を、それらの全容において援用するものである。
本開示は、バイオマス糖化混合物中に特定のエンドグルカナーゼ酵素(例えば、グリコシルヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)/エンドグルカナーゼ活性(T.リーゼイ(T. reesei)のエンドグルカナーゼ(「Eg4」)など)を有するポリペプチド)を含有させることにより、混合物の粘度が大幅に低下するという予期せざる発見に一部基づいたものである。本開示は、与えられたバイオマス基質からの糖化及び所望の発酵性糖の収率を大幅に高めるためにこうした酵素を含有させることにも関する。
本明細書では、グリコシルヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを提供する。「GH61/エンドグルカナーゼ活性」とは、そのポリペプチドがGH61活性及び/又はエンドグルカナーゼ活性を有することを意味する。一部の態様では、ポリペプチドは単離される。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、異なる種に由来するGH61エンドグルカナーゼ若しくはエンドグルカナーゼIV(「EG IV」)であるか、又はGH61エンドグルカナーゼに相当する(例えば、GH61エンドグルカナーゼとホモロジーを共有するか、機能ドメインを共有するか、GH61モチーフを共有するか、かつ/又は保存された残基を共有する)ポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)のEG4ポリペプチド)である。このような種としては、トリコデルマ(Trichoderma)、フミコラ(Humicola)、フザリウム(Fusarium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アクリャ(Achlya)、ポドスポラ(Podospora)、エンドチア(Endothia)、ムコール(Mucor)、コクリオボルス(Cochliobolus)、ピリキュラリア(Pyricularia)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、クリソスポリウム・ラックノウエンス(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイド(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイド(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ブジェルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブローサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブバーミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルストゥス(Coriolus hirsutus)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ニューロスポラ・インターメディア(Neurospora intermedia)、ペニシリウム・パープロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・カネスセンス(Penicillium canescens)、ペニシリウム・ソリタム(Penicillium solitum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジエート(Phlebia radiate)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビローサ(Trametesvillosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、ゲオスミチア・エメルソニイ(Geosmithia emersonii)、又はG.ステアロサーモフィルス(G. stearothermophilus)が挙げられる。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、本開示の図1に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドからなる群から選択されるGH61エンドグルカナーゼである。例えば、好適なGH61エンドグルカナーゼとしては、GenBankアクセッション番号CAB97283.2、CAD70347.1、CAD21296.1、CAE81966.1、CAF05857.1、EAA26873.1、EAA29132.1、EAA30263.1、EAA33178.1、EAA33408.1、EAA34466.1、EAA36362.1、EAA29018.1、及びEAA29347.1によって表されるもの、又は、S.サーモフィラム(S. thermophilum)24630に由来するSt61と命名されたもの、S.サーモフィラム(S. thermophilum)23839cに由来するSt61A、S.サーモフィラム(S. thermophilum)46583に由来するSt61B、S.サーモフィラム(S. thermophilum)80312に由来するSt61D、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu3g03870に由来するAfu61a(NCBI参照番号:XP_748707)、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu6g09540に由来するNCBI参照番号:XP_750843.1のエンドグルカナーゼ、A.フミガタス(A. fumigatus)EDP47167のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)16380のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)155418のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)68900のエンドグルカナーゼ、C.グロボサム(C. globosum)に由来するCg61A(EAQ86340.1)、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、及び、A.フミガタス(A. fumigatus)Af293に由来するGenBankアクセッション番号XP_752040のエンドグルカナーゼが挙げられる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、配列番号1〜29及び148のいずれか1つと少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。特定の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88、及び89、(7)配列番号84、88、及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91からなる群から選択される1以上の配列モチーフを有するアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、少なくともアミノ酸残基約100個(例えば、少なくとも約120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240個、又はそれ以上)分の長さを有する。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、例えば図1に列記されるものから選択されるもののようなGH61エンドグルカナーゼの変異体である。適当なポリペプチドとしては、例えば、GenBankアクセッション番号CAB97283.2、CAD70347.1、CAD21296.1、CAE81966.1、CAF05857.1、EAA26873.1、EAA29132.1、EAA30263.1、EAA33178.1、EAA33408.1、EAA34466.1、EAA36362.1、EAA29018.1、若しくはEAA29347.1、又はS.サーモフィラム(S. thermophilum)24630のSt61、S.サーモフィラム(S. thermophilum)23839cのSt61A、S.サーモフィラム(S. thermophilum)46583のSt61B、S.サーモフィラム(S. thermophilum)80312のSt61D、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu3g03870のAfu61a(NCBI参照番号:XP_748707)、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu6g09540の酵素(NCBI参照番号:XP_750843.1)、A.フミガタス(A. fumigatus)EDP47167の酵素、T.テレストリス(T. terrestris)16380の酵素、T.テレストリス(T. terrestris)155418の酵素、T.テレストリス(T. terrestris)68900の酵素、並びにC.グロボサム(C. globosum)Cg61A(EAQ86340.1)、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、及びA.フミガタス(A. fumigatus)Af293の酵素(GenBankアクセッション番号:XP_752040)が含まれる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、配列番号1〜20、及び148のいずれか1つを有する酵素の変異体である。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88及び89、(7)配列番号84、88及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91から選択される配列モチーフの1以上を有する、少なくともアミノ酸残基約100個(例えば、少なくとも約110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240個、又はそれ以上)分の長さを有する酵素の変異体であってよい。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、配列番号1〜18のいずれか1つと少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%のいずれか)の同一性を有するアミノ酸配列を有する、GH61エンドグルカナーゼの変異体であってよい。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む単離ポリペプチド)は、エンドグルカナーゼ活性を有する。この変異体は、配列番号84〜91から選択される少なくとも1個のモチーフ(少なくとも1、2、3、4、5、6、7、又は8個のモチーフ)を有しうる。本開示の目的では、酵素はその機能によって呼称することができる。例えば、エンドグルカナーゼポリペプチドは、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドと呼称することもでき、また、その逆もありうる。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)は、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88及び89、(7)配列番号84、88及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91から選択される1以上の配列モチーフを有する。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(変異体を含む)は、CBMドメイン(例えば機能性CBMドメイン)を有する。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)は、触媒ドメイン(例えば機能性触媒ドメイン)を有する。
本明細書においては、EG IVポリペプチドの変異体も提供される。例えば、このような変異体は、配列番号1〜29及び148のいずれか1つ、又はこれらの成熟ポリペプチドと少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有しうる。例えば本明細書では、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体が提供される。このような変異体は、配列番号27の残基22〜344と少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の配列同一性を有しうる。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は単離される。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、エンドグルカナーゼ活性を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232のうちの少なくとも約5個の残基(例えば、少なくとも約6、7、8、9、10、11、又は12個のいずれか)に相当するか、又は他のポリペプチドのいずれかの任意の相当する保存された残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232に相当する残基を有する。ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343のうちの少なくとも5個の残基(例えば、少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個のいずれか)に相当する残基を有しうる。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343に相当する残基を有する。ポリペプチド及びその変異体は、CBMドメイン(例えば機能性CBMドメイン)を有しうる。一部の態様では、ポリペプチド及びその変異体は、触媒ドメイン(例えば機能性触媒ドメイン)を有する。
更に本明細書では、本明細書のポリペプチドのいずれか1つをコードした核酸又はポリヌクレオチドが提供される。例えば、本開示は、配列番号1〜29及び148のいずれか1つと少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有するポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを提供する。例えば、本開示は、配列番号30と少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の同一性を有する単離された核酸を提供する。更に、上記に述べた核酸を有する発現カセット、ベクター、及び細胞が提供される。
更に、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物(例えば非天然組成物)が提供される。一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む全セルラーゼを含む。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、例えばT.リーゼイ(T. reesei)エンドグルカナーゼIV(「T.リーゼイ(T. reesei)Eg4」)又はその変異体である。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の変異体は、本明細書において提供される変異体のいずれであってもよい。
一部の態様では、酵素組成物は、セルラーゼ組成物である。酵素組成物は、更に、1以上のヘミセルラーゼを含んでもよく、したがって、ヘミセルラーゼ組成物であってもよい。一部の態様では、酵素組成物は、少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のセルラーゼポリペプチドを含む。一部の態様では、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチドは、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、又はβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。一部の態様では、組成物は、少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のヘミセルラーゼポリペプチドを更に含む。一部の態様では、少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドは、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、若しくはL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド、又はキシラナーゼ/β−キシロシダーゼ活性の組み合わせを有するポリペプチド、β−キシロシダーゼ/L−α−アラビノフラノシダーゼ活性の組み合わせを有するポリペプチド、若しくはキシラナーゼ/L−α−アラビノフラノシダーゼ活性の組み合わせを有するポリペプチドである。一部の態様では、組成物は、少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のセルラーゼポリペプチド及び少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のヘミセルラーゼポリペプチドを含む。
一部の態様では、酵素組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有し、更に、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、及び/又は、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチドを含む。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びキシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)を含む。一部の態様では、組成物は、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を更に含む。一部の態様では、組成物は、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A,7B、C.グロボサム(C. globosum)7A,7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A,7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を更に含む。一部の態様では、組成物は、GH61酵素以外のエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1、T.リーゼイ(T. reesei)EG2、又はこれらの変異体)を更に含む。
組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B又はこれらの変異体)を含んでもよい。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、及びセロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を含んでもよい。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、及びエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1、T.リーゼイ(T. reesei)EG2、又はこれらの変異体)を含んでもよい。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、及びβ−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)を含んでもよい。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、及びL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)を含んでもよい。
本明細書に述べられる組成物のいずれか1つは全セルラーゼを含みうる。例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む全セルラーゼを含む組成物が提供される。あるいは、全セルラーゼに加えて、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物が提供される。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、並びにGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド以外のエンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、及びβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物が提供される。組成物は、1以上のヘミセルラーゼポリペプチドを更に含む。例えば、組成物は、キシラナーゼ活性を有する1以上のポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有する1以上のポリペプチド、及び/又はL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する1以上のポリペプチドを含んでもよい。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)、及び全セルラーゼを含みうる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)、及びヘミセルラーゼ活性を有する少なくとも1種類の他のポリペプチドを含む組成物が提供される。
一部の態様では、全セルラーゼは、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドではない、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1、T.リーゼイ(T. reesei)EG2、又はこれらの変異体)を含む。全セルラーゼは、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を含みうる。全セルラーゼは、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含みうる。
一部の態様では、本明細書に述べられる組成物のいずれか1つにおいて、エンドグルカナーゼ活性を有するが、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するものではない、少なくとも1種類のポリペプチドは、例えばT.リーゼイ(T. reesei)EG1(又はその変異体)及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)EG2(又はその変異体)である。一部の態様では、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体である。一部の態様では、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、及び/若しくはTn3B、又はこれらの変異体である。一部の態様では、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、例えばT.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、及び/若しくはAfuXyn5、又はこれらの変異体である。一部の態様では、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、例えば、グループ1のβ−キシロシダーゼ又はグループ2のβ−キシロシダーゼであり、ただし、グループ1のβ−キシロシダーゼは、Fv3A、Fv43Aポリペプチド、又はこれらの変異体であってよく、グループ2のβ−キシロシダーゼは、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1ポリペプチド、又はこれらの変異体であってよい。一部の態様では、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、例えばFv3A(又はその変異体)及び/又はFv43D(又はその変異体)である。一部の態様では、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、及び/若しくはFv51A、又はこれらの変異体であってよい。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する単離ポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物が提供される。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドをコードした核酸が遺伝子操作により導入された宿主細胞により発現される。例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは宿主細胞により発現され、そのポリペプチドをコードする核酸は宿主細胞とは異種のものである。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に1以上のセルラーゼポリペプチド及び/又は1以上のヘミセルラーゼポリペプチドを含む組成物であって、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが宿主細胞により発現され、かつ、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが宿主細胞とは異種のものである、組成物が提供される。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含み、更に少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含む組成物であって、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが宿主細胞により発現され、かつ、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが宿主細胞に内因性のものである、組成物が提供される。一部の態様では、セルラーゼポリペプチドは、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドとは異なるエンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1、T.リーゼイ(T. reesei)EG2、又はこれらの変異体)、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)、又はβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含む。一部の態様では、ヘミセルラーゼポリペプチドは、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)、又はL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)を含む。
一部の態様では、組成物は発酵ブロスから調製される。一部の態様では、組成物は、組み込み株(例えば、本明細書の実施例に示されるH3A/Eg4、#27)の発酵ブロスから調製され、宿主株の遺伝物質にGH61エンドグルカナーゼ遺伝子が組み込まれる。一部の態様では、組成物は、ある株の発酵ブロスから調製され、その場合、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)をコードする核酸は宿主細胞と異種であり、GH61エンドグルカナーゼは、例えば株に組み込まれているか、又は宿主株に導入されたベクターにより発現される。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む、本明細書において提供されるいずれか1つの組成物又は方法は、全セルラーゼでありうる。組成物は、最小限の製造後処理(例えば精製、濾過、殺細胞工程、及び/又は限外濾過など)を行った発酵ブロスであってよく、全ブロス配合物として使用される。
一部の態様では、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3、Fv3A、Fv43D及びFv51A、又はこれらの対応する変異体を含む組成物(例えば非天然組成物)が提供される。組成物は全セルラーゼであってよい。組成物は、最小限の製造後処理(例えば濾過、精製、限外濾過、殺細胞工程など)を行った発酵ブロスであってよく、したがって全ブロス配合物として使用される。一部の態様では、組成物は、単離されたT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体を含む。一部の態様では、組成物は、単離されたT.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、単離されたT.リーゼイ(T. reesei)xyn3、単離されたFv3A、単離されたFv43D、及び単離されたFv51Aのうちの少なくとも1つを含む。例えば、上記に述べたいずれかのポリペプチドは、単純に加えるか又は精製若しくは単離されたポリペプチドを混合することによって組成物中に導入することができる。また、本明細書におけるポリペプチドは、適当な組換え技術を用いて宿主株によって発現させることも可能であり、上記に述べたポリペプチドの特定のものが、宿主細胞におけるそれらの天然のレベルと比較して過剰発現又は過小発現されてもよい。一部の態様では、上記に述べたいずれか1つのポリペプチドをコードした遺伝子を宿主株に組み込むことができる。一部の態様では、本開示の組成物は、宿主株の発酵ブロスから調製される。一部の態様では、組成物は、組み込み株(例えば、本明細書の実施例に示されるH3A/Eg4、#27)の発酵ブロスから得られる。一部の実施形態では、発酵ブロスは最小限の製造後処理に供され、全ブロス配合物として使用される。一部の態様では、GH61エンドグルカナーゼをコードした核酸は、宿主細胞とは異種のものである。一部の態様では、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3、Fv3A、Fv43D、又はFv51Aをコードした核酸の少なくとも1つは、本発明のGH61エンドグルカナーゼを発現する宿主細胞とは異種である。一部の態様では、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3、Fv3A、Fv43D、又はFv51Aをコードした少なくとも1つの核酸は、GH61エンドグルカナーゼを発現する宿主細胞に内因性のものである。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、組成物中の酵素又は他の成分の種類及び濃度に関して同様であるが、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含まないコントロール酵素組成物又はコントロールバイオマス糖化混合物によって得られる収率と比較して、バイオマス材料の加水分解により得られる発酵性糖の収率を(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ)増大させるのに充分な量で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に存在しうる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、組成物中の酵素又は他の成分の種類及び濃度に関して同様であるが、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含まないコントロール混合物の粘度と比較して、組成物中のバイオマス材料の加水分解の間のバイオマス糖化混合物の粘度を(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ)低下させるのに充分な量で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に存在しうる。一部の態様では、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドを、各ポリペプチドが接触するバイオマス材料の加水分解を生じるうえで充分な全量で含む。酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、及び/若しくは全セルラーゼ、又はこれらの混合物を、各ポリペプチドが接触するバイオマス材料の加水分解を生じるうえで充分な全量で更に含みうる。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、酵素組成物中又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約50重量%(例えば、約0.5重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、約5重量%〜約20重量%、約7重量%〜約20重量%、又は約8〜約15重量%)の量で存在する。例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、酵素組成物中又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約8重量%、約10重量%、又は約12重量%の量で存在する。酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する複数のポリペプチドを含みうる。例えば酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体、及びT.リーゼイ(T. reesei)Eg7(又はその変異体)を含んでもよく、その場合、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量(Eg4+Eg7)は、酵素組成物中又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約50重量%(例えば、約0.5重量%〜約30重量%、約2重量%〜約20重量%、約5重量%〜約20重量%、約7重量%〜約20重量%、又は約8重量%〜約15重量%)である。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内在性のポリヌクレオチドから発現されるものであってよい。また、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、単離又は精製された形態で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に導入することもできる。
一部の態様では、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)が、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約80重量%(例えば、約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約60重量%、約20重量%〜約50重量%、又は約25重量%〜約50重量%)の量で存在する。酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、セロビオヒドロラーゼ活性を有する複数のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を含んでもよく、その場合、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約80重量%(例えば、約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約60重量%、約20重量%〜約50重量%、又は約25重量%〜約50重量%)である。セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドは、一部の態様では、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現される。一部の態様では、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドは、単離又は精製された形態で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に導入することができる。
酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、β−グルコシダーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含んでもよく、その場合、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約50重量%(例えば、約1重量%〜約30重量%、約2重量%〜約20重量%、約5重量%〜約20重量%、又は約8重量%〜約15重量%)である。β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。また、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、単離又は精製された形態で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に導入することもできる。
一部の態様では、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、キシラナーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)を含んでもよく、その場合、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約50重量%(例えば、約1重量%〜約40重量%、約4重量%〜約30重量%、約5重量%〜約20重量%、又は約8重量%〜約15重量%)である。キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。一部の態様では、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、単離又は精製された形態で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に導入又は混合することができる。
酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)を含んでもよく、その場合、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約50重量%(例えば、約1重量%〜約40重量%、約2重量%〜約30重量%、約4重量%〜約20重量%、又は約5重量%〜約15重量%)である。L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。一部の態様では、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドは、単離又は精製された形態で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に導入又は混合することができる。
酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、β−キシロシダーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)を含んでもよく、その場合、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中のタンパク質の全重量の約0.1重量%〜約50重量%(例えば、約1重量%〜約40重量%、約4重量%〜約35重量%、約5重量%〜約25重量%、又は約5重量%〜約20重量%)である。β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。また、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドは、単離又は精製された形態で酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中に導入することもできる。
一部の態様では、本明細書において提供される酵素組成物は全セルラーゼでありうる。全セルラーゼは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現される、エンドグルカナーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、Eg1、Eg2、Eg7、又はこれらの変異体)を含みうる。全セルラーゼはまた、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現される、セロビオヒドロラーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)も含みうる。全セルラーゼは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現される、β−グルコシダーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を更に含みうる。全セルラーゼは、宿主細胞の発酵ブロスの形態で使用することができる。ブロスは、例えば濾過、精製、限外濾過、又は殺細胞工程などの最小限の製造後処理に供することができ、したがってこのブロスを、全ブロス配合物としてバイオマスの加水分解に使用することができる。
一部の態様では、本明細書において提供される酵素組成物は、バイオマス材料を発酵性糖(例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、及び/又はセロビオース)に変換することが可能である。一部の態様では、酵素組成物は、本明細書に述べられるカルコフロールアッセイによって測定した場合に、少なくとも約0.1(例えば0.1〜0.4)の生成率(fraction product)を得ることが可能である。
一部の態様では、酵素組成物は、セルラーゼ組成物又はヘミセルラーゼ組成物であってよい。酵素組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含んでよく、更に、1以上のセルラーゼポリペプチド及び/又は1以上のヘミセルラーゼポリペプチドを含んでよく、その場合、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する1以上のポリペプチド、並びに1以上のセルラーゼポリペプチド及び/又は1以上のヘミセルラーゼポリペプチドを、混合物中にブレンドしてから、この混合物を使用してバイオマス糖化混合物中のバイオマス基質と接触させて加水分解する。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する1以上のポリペプチド、1以上のセルラーゼポリペプチド、及び1以上のヘミセルラーゼポリペプチドは、異なる時点でバイオマス材料に加えられる。例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが同じバイオマス材料に加えられる前又は後でバイオマス材料に加えられる。
一部の態様では本発明の組成物は、例えば混合物中にGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド及びバイオマス材料を含む。例えば、組成物は、加水分解混合物、発酵ブロス/混合物、又はバイオマス糖化混合物であってよい。混合物は、1以上の発酵性糖を含みうる。
本明細書では、バイオマス材料を加水分解する方法であって、得られるバイオマス糖化混合物中のバイオマス材料を加水分解するうえで充分な量の、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物(例えば非天然組成物)と、バイオマス材料とを接触させることを含む方法が更に提供される。
本明細書では、バイオマス混合物及び/又はバイオマス糖化混合物の粘度を低下させる方法であって、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物(例えば天然組成物)と、混合物とを接触させることを含み、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドが、組成物中に混合物の粘度を低下させるうえで充分な量で存在するような方法が更に提供される。一部の態様では、バイオマス混合物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料、場合により更に発酵性糖、全セルラーゼ、並びに/又はセルラーゼ活性を有するポリペプチド及び/若しくはヘミセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物を含む。混合物の粘度は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドが混合物中に含まれていない以外は同じ成分を同じ濃度で含むコントロール混合物の粘度と比較して、少なくとも約5%(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%)低下しうる。バイオマス材料は、ヘミセルロース、セルロース、又はこれらの混合物を含みうる。バイオマス材料は、グルカン、キシラン及び/若しくはリグニン、又はこれらの混合物を含みうる。
一部の態様では、バイオマス材料は、酸又は塩基で適当な処理又は前処理を行うことができる。一部の態様では、塩基はアンモニアである。本発明の方法は、バイオマス混合物のpHを約4.0〜約6.5のpH(例えば約4.5〜約5.5のpH)に調整することを更に含みうる。一部の態様では、本方法は、約4.0〜約6.5のpH(例えば約4.5〜約5.5のpH)で行われる。一部の態様では、本方法は、約2時間〜約7日間(例えば、約4時間〜約6日間、約8時間〜約5日間、又は約8時間〜約3日間)にわたって行われる。このようなpHの調整は、バイオマス混合物をポリペプチド又は酵素組成物と接触させる前に適当に行うことができる。
一部の態様では、バイオマス材料は高い固形分濃度で糖化混合物中に存在し、例えば固体状態のバイオマス材料が、糖化混合物中の酵素とバイオマス材料を合わせた全重量の少なくとも約5重量%〜約60重量%(例えば、約10重量%〜約50重量%、約15重量%〜約40重量%、約15重量%〜約30重量%、又は約20重量%〜約30重量%)を構成する。固体状態のバイオマス材料の重量とは、乾燥状態、乾燥固体状態、天然の状態、若しくは未処理の状態、又はバイオマスが酵素組成物中のポリペプチドと接触させられる前のバイオマス材料の重量のことを意味する。好ましくは、固体状態のバイオマス材料は、糖化混合物中の酵素とバイオマス材料を合わせた全重量の少なくとも約15重量%、及び更により好ましくは少なくとも約20重量%又は25重量%を構成する。
一部の態様では、本方法は、発酵性糖を生産することを含む。発酵性糖の量は、本発明の方法を用いて増大したレベルで生産することができる。例えば、本明細書における方法又は組成物を使用して生産される発酵性糖の量は、同じバイオマス材料が、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含まない以外は同じポリペプチド成分を同じ濃度で含む酵素組成物によって加水分解される場合に生産される発酵性糖の量と比較して、少なくとも約5%(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%)増加する。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物の量は、発酵性糖の収率を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含まない以外は同じ成分を同じ濃度で有する酵素組成物による同じバイオマス材料からの発酵性糖の収率と比較して、少なくとも約5%(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%)増加させるのに充分な量である。一部の態様では、バイオマス糖化混合物中のGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの量は、混合物の粘度を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含まない以外は同じバイオマス及び同じポリペプチドの構成を同じ濃度で含むコントロールバイオマス糖化混合物の粘度と比較して、少なくとも約5%(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%)低下させるのに充分な量である。
一部の態様では、糖化又は加水分解プロセスにおいて使用されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物の量は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が約0.1mg〜約50mg(例えば、約0.2mg〜約40mgのタンパク質、約0.5mg〜約30mgのタンパク質、約1mg〜約20mgのタンパク質、又は約5mg〜約15mgのタンパク質)となる量である。本明細書に述べられるタンパク質の量とは、酵素組成物又はバイオマス糖化混合物中の全タンパク質の重量のことを指す。タンパク質には、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドが含まれ、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドなどの他の酵素も含まれうる。一部の態様では、加水分解又は糖化プロセスにおいて使用されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約1mg〜約5mg)のタンパク質となる量である。
加水分解又は糖化プロセスにおけるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド及びエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg1、T.リーゼイ(T. reesei)Eg2、及び/又はこれらの変異体)を含む酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約1mg〜約5mg)のタンパク質を含みうる。
加水分解又は糖化プロセスにおけるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド及びセロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を含む酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約1mg〜約5mg)のタンパク質を含みうる。
一部の態様では、加水分解又は糖化プロセスにおけるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド及びβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含む酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約0.5mg〜約5mg)のタンパク質を含みうる。
加水分解又は糖化プロセスにおけるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド及びキシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)を含む酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約0.5mg〜約5mg)のタンパク質を含みうる。
加水分解又は糖化プロセスに使用されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド及びβ−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、及び/又はこれらの変異体)を含む酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約0.5mg〜約5mg)のタンパク質を含みうる。
加水分解又は糖化プロセスに使用されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド及びL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、及び/又はこれらの変異体)を含む酵素組成物又はバイオマス糖化混合物は、バイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロース1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、又は約0.5mg〜約5mg)のタンパク質を含みうる。
一部の態様では、本発明の方法は、約30℃〜約65℃(例えば、約35℃〜約60℃、約40℃〜約60℃、又は約45℃〜約55℃)の温度で行われる。
本発明の方法は、バイオマス材料を、全セルラーゼを含む酵素組成物と接触させる工程を更に含みうる。一部の態様では、バイオマス材料を、全セルラーゼを含む組成物と更に接触させる工程は、バイオマス材料を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物と接触させる前、後、又は同時に行われる。
一部の態様では、本発明の方法は、バイオマス材料を、セルラーゼ活性を有するポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物と接触させる工程を更に含む。バイオマス材料を、セルラーゼ活性を有するポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物と接触させる工程は、バイオマス材料を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素組成物と接触させる前、後、又は同時に行うことができる。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含み、更に、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含み、その場合、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドと、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドとは、混合物がバイオマス材料と接触させるために使用される前に混合物中にブレンドされる。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含み、更に、1以上のセルラーゼポリペプチド及び/又は1以上のヘミセルラーゼポリペプチドを含み、その場合、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドと、1以上のセルラーゼポリペプチド及び/又は1以上のヘミセルラーゼポリペプチドとは、異なる時点でバイオマス材料に加えられる。例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、1以上のセルラーゼポリペプチド及び/又は1以上のヘミセルラーゼポリペプチドが加えられる前又は後で加えられる。
一部の態様では、工業的状況及び/又は商業的状況において本発明を適用する方法が想到される。したがって、適当なGH61エンドグルカナーゼを含む本組成物を製造、販売、又は他の何らかの態様で商業化する方法は、本開示の範囲に含まれるものである。本方法には、例えば、商業的酵素供給モデルにおいて本組成物又はGH61エンドグルカナーゼポリペプチド若しくはその変異体を適用することが含まれ、その場合、酵素及び変異体、並びに本開示の組成物は、セルロース糖製造業者、特定のエタノール(バイオオエタノール)精錬所、又は他のバイオケミカル若しくはバイオ材料の製造業者に供給又は販売される。本方法はまた、一部の態様において、オンサイトバイオ精錬モデルにおいて本組成物又はGH61エンドグルカナーゼポリペプチド若しくはその変異体を適用することであってもよく、その場合、本発明のポリペプチド若しくは変異体、又は非天然セルラーゼ及びヘミセルラーゼ組成物は、酵素製造業者により、セルロース糖工場、バイオエタノール精錬所、又はバイオケミカル/バイオ材料の製造業者に位置するか若しくはその近くに位置する場所に建設される酵素製造システムにおいて製造される。一部の態様では、好ましくは本明細書に述べられるような適当な前処理を行った適当なバイオマス基質を、バイオエタノール精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料の製造施設で若しくはその近くにおいて、本明細書に述べられる糖化方法並びに酵素及び/又は酵素組成物を用いて加水分解することができる。次いで得られた発酵性糖を、同じ施設又は近くの設備において発酵に供することができる。
本明細書に述べられる実施形態の任意の、複数の、又はすべての特性を組み合わせることによって本発明の他の実施形態を構成しうることは理解されるであろう。本発明のこれらの態様及び他の態様は、当業者にとっては自明のものであろう。
当業者であれば、図面はあくまで説明を目的としたものに過ぎず、本発明の教示の範囲をいかなる意味においても限定するものではないことは理解されるであろう。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの特定のアミノ酸配列を示す。 GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの特定のアミノ酸配列を示す。 GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの特定のアミノ酸配列を示す。 GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの特定のアミノ酸配列を示す。 GH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの特定のアミノ酸配列を示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの多数のアミノ酸配列を比較した、ClustalV(PAM250)を使用した一致率(%)及び分散を示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの多数のアミノ酸配列を比較した、ClustalV(PAM250)を使用した一致率(%)及び分散を示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの多数のアミノ酸配列を比較した、ClustalV(PAM250)を使用した一致率(%)及び分散を示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの多数のアミノ酸配列を比較した、ClustalV(PAM250)を使用した一致率(%)及び分散を示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドの多数のアミノ酸配列を比較した、ClustalV(PAM250)を使用した一致率(%)及び分散を示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 図1に示されるもの(配列番号1〜28)などのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する異なるポリペプチドのアラインメントを示す。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4(配列番号30)のヌクレオチド配列を示す。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4(配列番号27)のアミノ酸配列を示す。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示し、予想されるリンカーは斜体で示している。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4(TrEG4)(配列番号27)と、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7(TrEG7又はTrEGb)(配列番号26)及びTtEG(配列番号29)とのアミノ酸配列のアラインメントを示す。 配列アラインメント並びにTrEG7(蛋白質構造データバンクアクセッションpdb:2vtcの結晶構造)及びTtEG(蛋白質構造データバンクアクセッションpdb:3EIIの結晶構造)の既知の構造より推測したT.リーゼイ(T. reesei)Eg4(TrEg4)の保存された残基を示す。 Tr6A及びTr7Aの既知の配列との配列アラインメントから推測した保存されたCBM領域の残基を示す。 GH61エンドグルカナーゼの多数のアミノ酸配列モチーフを示す。配列モチーフ中の「a」はそれぞれ、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、又はバリンのいずれか1つでありうるアミノ酸を表す。 pENTR−TOPO−Bgl1−943/942プラスミドを示す。 pTrex3g 943/942発現ベクターを示す。 pENTR/T.リーゼイ(T. reesei) Xyn3プラスミドを示す。 pTrex3g/T.リーゼイ(T. reesei) Xyn3発現ベクターを示す。 pENTR−Fv3Aプラスミドを示す。 pTrex6gプラスミドを示す。 pTrex6g/Fv3A発現ベクターを示す。 TOPO Blunt/Pegl1−Fv43Dプラスミドを示す。 TOPO Blunt/Pegl1−Fv51Aプラスミドを示す。 T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aの酵素組成を示す。 実施例2の各試料に個別に加えた(精製又は未精製)酵素、及びこれらの酵素のストックタンパク質濃度を示す。 実施例2に基づくT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aに図10の異なる精製及び未精製酵素を含む酵素組成物を加えることによる、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化後のグルコース放出量を示す。 実施例2に基づくT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aに図10の異なる精製及び未精製酵素を含む酵素組成物を加えることによる、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化後のセロビオース放出量を示す。 実施例2に基づくT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aに図10の異なる精製及び未精製酵素を含む酵素組成物を加えることによる、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化後のキシロビオース放出量を示す。 実施例2に基づくT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aに図10の異なる精製及び未精製酵素を含む酵素組成物を加えることによる、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化後のキシロース放出量を示す。 実施例3に述べられる発現カセットPegl1−eg4−sucAを示す。 実施例3に述べられる発現カセットpEG1−EG4−sucAを含むpCR BluntII TOPOのプラスミドマップを示す。 実施例3に基づくT.リーゼイ(T. reesei)Eg4を発現するT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aの形質転換体により産生される酵素を含む酵素組成物によるグルカン及びキシランの、セロビオース、グルコース、キシロビオース及びキシロースへの変換量又は変換率を示す。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を発現するH3Aの形質転換体により産生される酵素組成物の量を増やした場合に観察されるグルカン変換率の増加を示す。実験の詳細については実施例3に述べられている。 実施例4のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の用量のチャートを示す(実験1)。試料「#27」は、実施例4に述べられるH3A/Eg4組み込み株である。加えられた精製T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の量は、重量%又は質量(mg(タンパク質)/g(G+X))のいずれかで「試料の説明」の下に示した。 実施例4に基づく希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化におけるグルコースの放出量に対するT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果を示す。 希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化におけるキシロースの放出量に対するT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果を示す。これらの図のY軸は、反応混合物中に放出されたグルコース又はキシロースの濃度を示す。X軸には、酵素組成物試料の名前/簡単な説明が示されている。これは、実施例4(実験1)に基づいたもの。 実施例4の別のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の用量のチャートを示す(実験2)。各試料は図15の試料と同様に説明している。加えた精製T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の量は、実施例4の実験1(上記)よりも小さな増分で変化させている。 実施例4の別のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の用量のチャートを示す(実験3)。各試料は図16及び17Aの試料と同様に説明している。加えた精製T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の量は、実施例4の実験1及び2(上記)よりも更に細かな増分で変化させている。 実施例4に述べられる希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化からのグルコース放出量に対する異なる量(0.05mg/g〜1.0mg/g)のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果を示す。 実施例4に述べた希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化からのグルコース放出量に対する異なる量(0.1mg/g〜0.5mg/g)のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果を示す。 実施例5に述べられる希アンモニアで前処理したトウモロコシ茎葉の異なる固形分ロード量の糖化からのグルコース/キシロースの放出量に対する、酵素組成物中のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果を示す。固形分ロード量は、X軸上に(数値)%として示されている。 実施例6に基づくT.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む酵素組成物を使用した場合に、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸から放出されるキシロースモノマーの収率(%)を示す。 実施例6に基づくT.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む酵素組成物を使用した場合に、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸から放出されるグルコースモノマーの収率(%)を示す。 実施例6に基づくT.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む酵素組成物を使用した場合に、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸から放出される全発酵性モノマーの収率(mg/mL)を示す。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含まない酵素組成物に対して0.53mg/gのT.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む酵素組成物による加水分解の結果、放出されたグルコースの量を比較したものである。実験については実施例7に述べられている。 実施例7に基づき、精製T.リーゼイ(T. reesei)Eg4単独を使用してアンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を処理した結果のグルコースモノマーの放出量を示す。 T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及び組み込み株H3A/Eg4(株#27)により産生された酵素組成物の、酵素用量14mg/gでの糖化効率を示し、比較したものである。これは実施例8の説明に基づくもの。 T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及び組み込み株H3A/Eg4(株#27)により産生された酵素組成物の、異なる酵素用量での、酸で前処理したトウモロコシ茎葉に対する糖化効率を示す。これは実施例9の説明に基づくもの。 実施例10に基づく、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及び組み込み株H3A/Eg4(株#27)により産生された酵素組成物の、希アンモニアで前処理したトウモロコシ葉、茎、又は穂軸に対する糖化効率を示す。 T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及び組み込み株H3A/Eg4(株#27)により産生された酵素組成物の糖化効率を、放出されたグルコース又はキシロースの量に関して比較したものである。これは実施例11に基づくもの。 T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/Eg4(株#27)により産生された酵素組成物の量を増やした場合のグルカン及びキシラン変換率(%)の変化を示す。これは実施例12の説明に基づくもの。 希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化に対するT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の添加の効果を示した表である。実験条件については実施例13に述べられている。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4によるCMCの加水分解を示す。実験条件については実施例13に述べられている。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4によるセロビオースの加水分解を示す。実験条件については実施例13に述べられている。 糖化用の異なる酵素組成物の量を示す。実験条件については実施例14に述べられている。 糖化用の異なる酵素組成物の量を示す。実験条件については実施例14に述べられている。 糖化用の異なる酵素組成物の量を示す。実験条件については実施例14に述べられている。 図33の対応する各酵素組成物によって生産されるグルコース、グルコース+セロビオース、又はキシロースの量を示す。実験条件については実施例14に述べられている。 図33の対応する各酵素組成物によって生産されるグルコース、グルコース+セロビオース、又はキシロースの量を示す。実験条件については実施例14に述べられている。 図33の対応する各酵素組成物によって生産されるグルコース、グルコース+セロビオース、又はキシロースの量を示す。実験条件については実施例14に述べられている。 実施例15に述べられるCBH1、CBH2、及びT.リーゼイ(T. reesei)Eg2の異なる比を示す。 異なる酵素組成物を使用したグルカン変換率(%)を示す。実験条件については実施例15に述べられている。 異なる酵素組成物を使用したグルカン変換率(%)を示す。実験条件については実施例15に述べられている。 実施例22に基づき、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む組成物を使用してCBH Iの存在下又は非存在下でアビセルを処理した場合のアスコルビン酸の効果を示す。 実施例22に基づき、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む組成物を使用してCBH IIの存在下/非存在下でアビセルを処理した場合のアスコルビン酸の効果を示す。 結果を図37に示す、実施例22の実験で使用した基質及び異なる酵素の量を示す。 結果を図38に示す、実施例22の実験で使用した基質及び異なる酵素の量を示す。 実施例16に述べられる実験に基づく、異なる酵素組成物を使用したトウモロコシ穂軸の加水分解によるグルコース生産量を示す。 実施例16の説明に基づく、異なる酵素組成物を使用したトウモロコシ穂軸の加水分解によるキシロース生産量を示す。 実施例17の説明に基づく、H3A及び精製Eg4とともに加えたH3Aを用いた糖化混合物の経時的な粘度を示す。 実施例18の説明に基づく、H3A及びH3A/Eg4#27を用いた糖化混合物の経時的な粘度を示す。 実施例19の説明に基づく、14mg/g(セルロース)のH3A又はH3A/Eg4#27の発酵ブロスを使用した場合の固形分25%及び30%の希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化の粘度を示す。 実施例20に基づく、異なる酵素組成物を使用した6時間の糖化(乾燥物質25%、50℃、pH5.0)におけるグルコース濃度を示す。 実施例20に基づく、異なる酵素組成物を使用した24時間の糖化(乾燥物質25%、50℃、pH5.0)におけるグルコース濃度を示す。 実施例20に基づく、異なる酵素組成物を使用した経時的な糖化(乾燥物質25%、50℃、pH5.0)におけるグルコース濃度を示す。 実施例20に基づく、異なる酵素組成物を使用した経時的な糖化(乾燥物質25%、50℃、pH5.0)におけるグルカン変換率を示す。 本開示における配列同一性の一覧を示す。 本開示における配列同一性の一覧を示す。 本開示における配列同一性の一覧を示す。 本開示における配列同一性の一覧を示す。 本開示における配列同一性の一覧を示す。 Fv3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号35)。 Fv3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号36)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 Pf43Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号37)。 Pf43Aのアミノ酸配列を示す(配列番号38)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示し、予想される炭水化物結合モジュール(「CBM」)は大文字で示し、CDとCBMとを分離する予想されるリンカーは斜体で示している。 Fv43Eをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号39)。 Fv43Eのアミノ酸配列を示す(配列番号40)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 Fv39Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号41)。 Fv39Aのアミノ酸配列を示す(配列番号42)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 Fv43Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号43)。 Fv43Aのアミノ酸配列を示す(配列番号44)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示し、予想されるCBMは大文字で示し、保存領域とCBMとを分離する予想されるリンカーは斜体で示している。 Fv43Bをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号45)。 Fv43Bのアミノ酸配列を示す(配列番号46)。予想されるシグナル配列は下線で示している。予想される保存領域は太字で示している。 Pa51Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号47)。 Pa51Aのアミノ酸配列を示す(配列番号48)。予想されるシグナル配列は下線で示している。予想されるL−α−アラビノフラノシダーゼの保存領域は太字で示している。T.リーゼイ(T. reesei)で発現させるため、ゲノムDNAをコドン最適化した(図73Cを参照)。 Gz43Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号49)。 Gz43Aのアミノ酸配列を示す(配列番号50)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。T.リーゼイ(T. reesei)で発現させるため、予想されるシグナル配列をT.リーゼイ(T. reesei)CBH1シグナル配列(myrklavisaflatara(配列番号120))に置換した。 Fo43Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号51)。 Fo43Aのアミノ酸配列を示す(配列番号52)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。T.リーゼイ(T. reesei)で発現させるため、予想されるシグナル配列をT.リーゼイ(T. reesei)CBH1シグナル配列(myrklavisaflatara(配列番号120))に置換した。 Af43Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号53)。 Af43Aのアミノ酸配列を示す(配列番号54)。予想される保存領域は太字で示している。 Pf51Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号55)。 Pf51Aのアミノ酸配列を示す(配列番号56)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想されるL−α−アラビノフラノシダーゼの保存領域は太字で示している。T.リーゼイ(T. reesei)で発現させるため、予想されるシグナル配列をコドン最適化によりT.リーゼイ(T. reesei)CBH1シグナル配列(myrklavisaflatara(配列番号120))に置換し(下線)、Pf51Aのヌクレオチド配列は発現のためにコドン最適化した。 AfuXyn2をコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号57)。 AfuXyn2のアミノ酸配列を示す(配列番号58)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想されるGH11の保存領域は太字で示している。 AfuXyn5をコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号59)。 AfuXyn5のアミノ酸配列を示す(配列番号60)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想されるGH11の保存領域は太字で示している。 Fv43Dをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号61)。 Fv43Dのアミノ酸配列を示す(配列番号62)。予想されるシグナル配列は下線で示している。予想される保存領域は太字で示している。 Pf43Bをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号63)。 Pf43Bのアミノ酸配列を示す(配列番号64)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 Fv51Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号65)。 Fv51Aのアミノ酸配列を示す(配列番号66)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想されるL−α−アラビノフラノシダーゼの保存領域は太字で示している。 Cg51Bをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号67)。 Cg51Bのアミノ酸配列を示す(配列番号68)。対応する予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 Fv43Cをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号69)。 Fv43Cのアミノ酸配列を示す(配列番号70)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 Fv30Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号71)。 Fv30Aのアミノ酸配列を示す(配列番号72)。予想されるシグナル配列は下線で示している。 Fv43Fをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号73)。 Fv43Fのアミノ酸配列を示す(配列番号74)。予想されるシグナル配列は下線で示している。 T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3をコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号75)。 Xyn3のアミノ酸配列を示す(配列番号76)。予想されるシグナル配列は下線で示し、予想される保存領域は太字で示している。 T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2のアミノ酸配列を示す(配列番号77)。シグナル配列は下線で示している。予想される保存領域は太字で示している。このコーディング配列は、Torronenら、Biotechnology,1992,10:1461〜65に見ることができる。 Xyn2をコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号160)。 T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1のアミノ酸配列を示す(配列番号78)。シグナル配列は下線で示している。予想される保存領域は太字で示している。このコーディング配列は、Margolles−Clarkら、Appl.Environ.Microbiol.1996,62(10):3840〜46に見ることができる。 Bxl1をコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号159)。 T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1のアミノ酸配列を示す(配列番号79)。シグナル配列は下線で示している。予想される保存領域は太字で示している。このコード配列は、Barnettら、Bio−Technology,1991,9(6):562〜567に見ることができる。 Pa51Aの推定されるcDNAを示す(配列番号80)。 Pa51Aのコドン最適化されたcDNAを示す(配列番号81)。 成熟Gz43AをコードしたゲノムDNAの上流にCBH1シグナル配列(下線で示される)を含むコンストラクトのコーディング配列を示す(配列番号82)。 成熟Fo43AをコードしたゲノムDNAの上流にCBH1シグナル配列(下線で示される)を含むコンストラクトのコーディング配列を示す(配列番号83)。 成熟Pf51Aをコードしたコドン最適化されたDNAの上流にCBH1シグナル配列(下線で示される)を含むコンストラクトのコドン最適化されたコーディング配列を示す(配列番号92)。 Pa3Dをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号93)。 Pa3Dのアミノ酸配列を示す(配列番号94)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Fv3Gをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号95)。 Fv3Gのアミノ酸配列を示す(配列番号96)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Fv3Dをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号97)。 Fv3Dのアミノ酸配列を示す(配列番号98)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Fv3Cをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号99)。 Fv3Cのアミノ酸配列を示す(配列番号100)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Tr3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号101)。 Tr3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号102)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Tr3Bをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号103)。 Tr3Bのアミノ酸配列を示す(配列番号104)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Te3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号105)。 Te3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号106)予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 An3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号107)。 An3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号108)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Fo3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号109)。 Fo3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号110)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Gz3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号111)。 Gz3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号112)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Nh3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号113)。 Nh3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号114)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Vd3Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号115)。 Vd3Aのアミノ酸配列を示す(配列番号116)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Pa3Gをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号117)。 Pa3Gのアミノ酸配列を示す(配列番号118)。予測されるシグナル配列は下線で示し、予測される保存領域は太字で示している。 Tn3Bをコードしたアミノ酸配列を示す(配列番号119)。標準的なシグナル予想プログラムであるSignal P(www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)によって予想されるシグナルは存在しなかった。 T.リーゼイ(T. reesei)Eg4(配列番号27)のCBMドメインと、Tr6A(配列番号31)及びTr7A(配列番号32)のCBMドメインとの部分的なアミノ酸配列のアラインメントを示す。 T.リーゼイ(T. reesei)に由来するEg6(配列番号33)のアミノ酸配列を示す。太字で示したアミノ酸配列は、予想されるシグナルペプチド配列。 S.コッコスポラム(S. coccosporum)エンドグルカナーゼのアミノ酸配列を示す(配列番号34)。 サーモアスカス・オーランティアカス(Thermoascus aurantiacus)に由来するGH61Aをコードしたヌクレオチド配列を示す(配列番号149)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH1のホモログであるAfu7Aのアミノ酸配列を示す(配列番号150)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH1のホモログであるAfu7Bのアミノ酸配列を示す(配列番号151)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH1のホモログであるCg7Aのアミノ酸配列を示す(配列番号152)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH1のホモログであるCg7Bのアミノ酸配列を示す(配列番号153)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH1のホモログであるTt7Aのアミノ酸配列を示す(配列番号154)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH1のホモログであるTt7Bのアミノ酸配列を示す(配列番号155)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH2のホモログであるSt6Aのアミノ酸配列を示す(配列番号156)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH2のホモログであるSt6Bのアミノ酸配列を示す(配列番号157)。 T.リーゼイ(T. reesei)のCBH2のホモログであるTt6Aのアミノ酸配列を示す(配列番号158)。
特に断らないかぎり、本明細書で使用するすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解される意味を有する。Singletonら、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.,John Wiley and Sons,New York(1994)、並びにHale & Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、当業者にとって、本発明において使用される用語の多くの一般的な辞書となるものである。本明細書において述べられるものと同様又は同等のあらゆる方法及び材料を本発明を実施するにあたって使用することができるが、好ましい方法及び材料については本明細書に述べる。数値の範囲は、範囲を定義する数値を包含する。本発明は、述べられる特定の方法論、プロトコール、及び試薬に限定されるものではなく、これらは変更しうるものである点は理解されるべきである。
本明細書に示される見出しは、明細書全体を参照することにより実現可能となる本発明の異なる態様又は実施形態を限定するものではない。したがって、以下に定義される用語は、明細書全体を参照することによってより完全に定義されるものである。
本開示は、グリコシルヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、本明細書において提供されるポリペプチドをコードしたヌクレオチド、本明細書において提供されるヌクレオチドを含むベクター、並びに本明細書において提供されるヌクレオチド及び/又はベクターを含む細胞を提供する。本開示は、バイオマス材料を加水分解する方法、及び本明細書において提供される組成物を使用してバイオマス含有混合物の粘度を低下させる方法を更に提供する。
DNA又はRNAなどの核酸に関して本明細書で使用するところの「単離された」なる用語は、天然の核酸供給源中に存在する他のDNA又はRNAからそれぞれ分離された分子のことを指す。更に、「単離された核酸」とは、フラグメントとして自然界に存在せず、自然の状態において見られない核酸フラグメントが含まれることを意味する。「単離された」なる用語は、他の細胞タンパク質から単離されたポリペプチドのことを指しても用いられ、精製及び組換えポリペプチドの両方が含まれることを意味する。本明細書で使用するところの「単離された」なる用語は、組換えDNA法によって作製される場合には、細胞性物質、ウイルス性物質、又は培地を実質上含まない可能性のある核酸又はポリペプチドのことも指す。本明細書で使用するところの「単離された」なる用語は、化学的に合成される場合には、化学的前駆体又は他の化学物質を実質上含まない可能性のある核酸又はポリペプチドのことを更に指す。
本明細書で使用するところの、ポリペプチドXの「変異体」とは、1以上のアミノ酸残基が変化したポリペプチドXのアミノ酸配列を有するポリペプチドのことを指す。変異体は、保存的又は非保存的変化を有しうる。生物活性に影響することなく、どのアミノ酸残基を置換、挿入、又は欠失させることが可能であるかを決定するうえでの指標は、例えばLASERGENEソフトウェア(ディーエヌエースター社(DNASTAR))などの当該技術分野では周知のコンピュータプログラムを使用して見つけることができる。本開示の変異体には、前駆体酵素のアミノ酸配列と比較してアミノ酸配列が変化したポリペプチドが含まれ、その場合、変異体酵素は前駆体酵素の固有のセルロース分解性を維持してはいるが、例えば、前駆体酵素と比較して上昇又は低下したpH最適値、上昇又は低下した酸化安定性、上昇又は低下した熱安定性、及び、1以上の基質に対する上昇又は低下した特異的活性のレベルなど、何らかの特定の側面における性質の変化を有しうる。
本明細書で使用するところの、宿主細胞に対して「異種」であるポリペプチド又は核酸とは、宿主細胞中に自然に存在しないポリペプチド又は核酸のことを指す。
本明細書において「約」(値又はパラメータ)と言う場合には、その値又はパラメータ自体に対する変化が含まれる(かつ記載される)。例えば、「約X」という記載には、「X」の記載が含まれる。
本明細書及び付属の「特許請求の範囲」において使用するところの単数形「a」、「or」及び「the」には、内容によってそうでないことが明示されないかぎり、複数の指示対象が含まれる。
本明細書において述べられる方法及び組成物の各態様及び変形例には、「〜からなる」及び/又は「から基本的になる」という態様及び変形例が含まれる点は理解される。
ポリペプチド
本開示は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、単離、合成又は組換えポリペプチド)を提供する。例えば、本開示は、異なる種に由来するGH61エンドグルカナーゼ、又はその変異体、異なる種に由来するエンドグルカナーゼIV(又はエンドグルカナーゼ4)ポリペプチド(本明細書では、「Eg4」又は「EG4」とも記載され、これらは本明細書では互換可能に用いられる)、又はその変異体、及び、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のEg4、又はその変異体を提供する。一部の態様では、ポリペプチドは単離される。
グリコシドヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)酵素
グリコシドヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)酵素は、真核生物において特定されている。ハイポクレア・ジェコリーナ(Hypocrea jecorina)に由来するCel61Aにおいて弱いエンドグルカナーゼ活性が観察されており(Karlssonら、Eur J Biochem,2001,268(24):6498〜6507)、そのためCel61AはGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するとされる。GH61ポリペプチドは、セルラーゼによるリグノセルロース基質の酵素的加水分解を増強する(Harrisら、2010,Biochemistry,49(15)3305〜16)。キチン分解に関与する同種のポリペプチドに関する研究によって、GH61ポリペプチドは、電子供与体基質を必要とし、2価の金属イオンが関与する酸化的加水分解の機構を利用している可能性が予想されている(Vaaje−Kolstad,2010,Science,330(6001),219〜22)。これは、リグノセルロース基質の分解に対するGH61ポリペプチドの相乗効果が2価のイオンに依存するという観察と一致している(Harrisら、2010,Biochemistry,49(15)3305〜16)。多くの存在するGH61ポリペプチドの構造が、多数の保存されたアミノ酸残基が結合した2価の原子を有している(Karkehabadi,2008,J.Mol.Biol.,383(1)144〜54;Harrisら、2010,Biochemistry,49(15)3305〜16)。GH61ポリペプチドは、保存された残基によって形成された平らな表面を金属結合部位に有しており、これが基質の結合に関与している可能性があることが報告されている(Karkehabadi,2008,J.Mol.Biol.,383(1),144〜54)。
本開示は、異なる種に由来するGH61エンドグルカナーゼ若しくはエンドグルカナーゼIV(「EG IV」)でありうるか、又はGH61エンドグルカナーゼに相当する(GH61エンドグルカナーゼとホモロジーを共有するか、機能ドメインを共有するか、GH61モチーフを共有するか、かつ/又は保存された残基を共有する)異なる種に由来するポリペプチド(例えばトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のEg4ポリペプチド)であってもよい、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)を提供する。このような種としては、トリコデルマ(Trichoderma)、フミコラ(Humicola)、フザリウム(Fusarium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アクリャ(Achlya)、ポドスポラ(Podospora)、エンドチア(Endothia)、ムコール(Mucor)、コクリオボルス(Cochliobolus)、ピリキュラリア(Pyricularia)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、クリソスポリウム・ラックノウエンス(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイド(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイド(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ブジェルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブローサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブバーミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルストゥス(Coriolus hirsutus)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ニューロスポラ・インターメディア(Neurospora intermedia)、ペニシリウム・パープロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・カネスセンス(Penicillium canescens)、ペニシリウム・ソリタム(Penicillium solitum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジエート(Phlebia radiate)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビローサ(Trametesvillosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、ゲオスミチア・エメルソニイ(Geosmithia emersonii)、又はG.ステアロサーモフィルス(G. stearothermophilus)が挙げられる。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドには、図1に示される多数のGH61エンドグルカナーゼが含まれる。例えば、適当なGH61エンドグルカナーゼには、例えば、GenBankアクセッション番号CAB97283.2、CAD70347.1、CAD21296.1、CAE81966.1、CAF05857.1、EAA26873.1、EAA29132.1、EAA30263.1、EAA33178.1、EAA33408.1、EAA34466.1、EAA36362.1、EAA29018.1、及びEAA29347.1によって表されるもの、又は、S.サーモフィラム(S. thermophilum)24630に由来するSt61、S.サーモフィラム(S. thermophilum)23839cに由来するSt61A、S.サーモフィラム(S. thermophilum)46583に由来するSt61B、S.サーモフィラム(S. thermophilum)80312に由来するSt61D、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu3g03870に由来するAfu61a(NCBI参照番号:XP_748707)、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu6g09540に由来するNCBI参照番号:XP_750843.1を有するエンドグルカナーゼ、A.フミガタス(A. fumigatus)EDP47167に由来するエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)16380に由来するエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)155418に由来するエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)68900に由来するエンドグルカナーゼ、C.グロボサム(C. globosum)に由来するCg61A(アクセッション番号EAQ86340.1)、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、及び、A.フミガタス(A. fumigatus)Af293に由来するGenBankアクセッション番号XP_752040のエンドグルカナーゼを含む、図1に示される異なる配列と少なくとも約60%の同一性を有するアミノ酸配列を有するものが挙げられる。一部の態様では、本発明の適当なGH61エンドグルカナーゼポリペプチドは、配列番号1〜29及び148のいずれか1つと少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。一部の態様では、本発明の適当なGH61エンドグルカナーゼポリペプチドは、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88及び89、(7)配列番号84、88及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91から選択される1以上のアミノ酸配列モチーフを有する。ポリペプチドは、少なくとも残基100個(例えば110、120、130、140、150、160、170、180、200、220、250個、又はそれ以上)分の長さでありうる。
本明細書において提供されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、例えば本開示の図1に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドのいずれかのようなGH61エンドグルカナーゼの変異体であってもよい。例えば、適当なGH61エンドグルカナーゼとしては、GenBankアクセッション番号CAB97283.2、CAD70347.1、CAD21296.1、CAE81966.1、CAF05857.1、EAA26873.1、EAA29132.1、EAA30263.1、EAA33178.1、EAA33408.1、EAA34466.1、EAA36362.1、EAA29018.1、及びEAA29347.1によって表されるもの、又は、S.サーモフィラム(S. thermophilum)24630に由来するSt61、S.サーモフィラム(S. thermophilum)23839cに由来するSt61A、S.サーモフィラム(S. thermophilum)46583に由来するSt61B、S.サーモフィラム(S. thermophilum)80312に由来するSt61D、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu3g03870に由来するAfu61a(NCBI参照番号:XP_748707)、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu6g09540に由来するNCBI参照番号:XP_750843.1を有するエンドグルカナーゼ、A.フミガタス(A. fumigatus)EDP47167に由来するエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)16380に由来するエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)155418に由来するエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)68900に由来するエンドグルカナーゼ、C.グロボサム(C. globosum)に由来するCg61A(EAQ86340.1)、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、及び、A.フミガタス(A. fumigatus)Af293に由来するGenBankアクセッション番号XP_752040のエンドグルカナーゼが挙げられる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)はEGIVの変異体である。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、配列番号1〜29及び148のアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の同一性を有するアミノ酸配列を有する、GH61エンドグルカナーゼの変異体である。
配列番号1〜29及び148のアミノ酸配列を用いたアラインメントを行い、アラインメントの結果を図3に示す。図2は、ポリペプチドのアミノ酸配列の比較からの一致率及び分散の結果を示す。このアラインメントは、各GH61エンドグルカナーゼポリペプチドが特定の配列モチーフを共有していることを示しており、こうしたモチーフを本開示の図7に示す。
したがって、本開示は、GH61エンドグルカナーゼ又はその変異体でありうる、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、単離、合成、又は組換えポリペプチド)を提供するものであり、変異体は、配列番号84〜91から選択される少なくとも1つのモチーフ(2、3、4、5、6、7、又は8つの少なくともいずれか)を有しうる。(図7に示される)配列番号84〜91を有する配列モチーフ中の「a」のそれぞれは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、又はバリンのいずれか1つでありうるアミノ酸を表す。例えば一部の態様では、本開示は、配列番号84、85、86、87、88、89、90、及び91の少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、又は8つ)のような、少なくとも1つの配列モチーフを有するポリペプチド(例えば、単離、合成、又は組換えポリペプチド)を提供する。一部の態様では、本開示は、少なくとも約10個、例えば少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325若しくは350個のいずれかの残基の領域にわたって、又は未成熟ポリペプチドの完全長、成熟ポリペプチドの完全長、保存領域の完全長、及び/又は完全長のCBMにわたって、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88、及び89、(7)配列番号84、88、及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91からなる群から選択される配列モチーフの1以上を含むポリペプチド(例えば、単離、合成、又は組換えポリペプチド)を提供する。保存領域は、予想された触媒ドメイン(「CD」)でありうる。例示的なポリペプチドには、少なくとも残基約10個、例えば、少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、又は600個のいずれか分の長さのフラグメントが含まれる。このフラグメントは、保存領域及び/又はCBMを含みうる。フラグメントが、酵素の保存領域及びCBMを含む場合、フラグメントは両者を隔てるリンカーを場合により含む。リンカーは、天然リンカー又は異種リンカーでありうる。一部の態様では、ポリペプチドはGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、GH61エンドグルカナーゼ若しくはその変異体、配列番号1〜29及び148のいずれか1つを有する酵素若しくはその変異体、EG IV若しくはその変異体、又はT.リーゼイ(T. reesei)Eg4若しくはその変異体である。本明細書に述べられる変異体は、エンドグルカナーゼ活性を有する。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(変異体を含む)は、CBMドメイン(例えば機能CBMドメイン)を有しうる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(変異体を含む)は、触媒ドメイン(例えば機能触媒ドメイン)を有しうる。
T.リーゼイ(T. reesei)Eg4は、GH61エンドグルカナーゼポリペプチドである。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4のアミノ酸配列(配列番号27)は、図1、4B及び5に示される。配列番号27は、未成熟なT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の配列である。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4は、配列番号27の残基1〜21(下線で示される)に相当する予想されるシグナル配列を有する。シグナル配列の切断によって、配列番号27の残基22〜344に相当する配列を有する成熟ポリペプチドが生成すると予想される。予想される保存領域は、配列番号27の残基22〜256及び307〜343に相当し、後者は予想される炭水化物結合ドメイン(CBM)である。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4は、例えばカルボキシルメチルセルロースを基質として使用した酵素アッセイにおいて、エンドグルカナーゼ活性を有することが示されている。エンドグルカナーゼ活性を測定する方法も、当業者にやはり周知のものである。
本開示は、配列番号27の残基22〜344のうちの少なくとも50個(例えば、少なくとも約55、60、65、70、75、100、125、150、175、200、250、又は300個)の連続したアミノ酸残基と、少なくとも約60%(例えば、少なくとも約65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の配列同一性を有する配列を有しうる、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のEg4ポリペプチドの変異体を更に提供する。例えば、本開示は、T.リーゼイ(T. reesei)のEg4ポリペプチドの変異体を提供する。このような変異体は、配列番号27の残基22〜344と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約70%、75%、80%、85%、88%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の同一性を有しうる。このポリペプチド又はその変異体は単離することができる。このポリペプチド又はその変異体は、エンドグルカナーゼ活性を有しうる。
例えば、T.テレストリス(T. terrestris)に由来するエンドグルカナーゼ(アクセッション番号ACE10234、本明細書では「TtEG」とも称される)(配列番号29)、及びT.リーゼイ(T. reesei)に由来する別のエンドグルカナーゼEg7(アクセッション番号ADA26043.1)(本明細書では「TeEGb」又は「TrEg7」とも称される)などの既知の多数のエンドグルカナーゼと、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4(図5を参照)とのアミノ酸配列のアラインメントに基づき、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の残基H22、H107、H184、Q193、及びY195は、金属を配位させる残基として機能するものと予想され、残基D61及びG63は、保存された表面残基であると予想され、残基Y232は、活性に関与しているものと予想されている。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4 Aにおいて予想される保存された残基を、図6A及び6Bに示す。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体は、天然のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4と比較した場合に、残基H22、H107、H184、Q193、Y195、D61、G63、及びY232において変化していなくともよい。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体は、図5のアラインメントに示されるように、TrEGb、TtEG及びT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の間で保存されたアミノ酸残基の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%で変化していなくともよい。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体は、天然のT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の予想される保存領域の全体を含んでもよい。図5及び6を参照されたい。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの代表的な変異体の1つは、図4Bに示される成熟したT.リーゼイ(T. reesei)Eg4配列(例えば、配列番号27の残基22〜344)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のいずれかの同一性を有する配列を有する。一部の態様では、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体は、エンドグルカナーゼ(例えばエンドグルカナーゼIV(EGIV))活性を有する。
一部の態様では、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体はエンドグルカナーゼ活性を有し、配列番号27のアミノ酸配列、又は配列番号27の残基(i)22〜255、(ii)22〜343、(iii)307〜343、(iv)307〜344、若しくは(v)22〜344と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のいずれかの配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。
一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232のうちの少なくとも約3個の残基(例えば、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個のいずれか)に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343のうちの少なくとも3個の残基(例えば、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個のいずれか)に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド及びその変異体は、CBMドメイン(例えば機能性CBMドメイン)を有する。一部の態様では、ポリペプチド及びその変異体は、触媒ドメイン(例えば機能性触媒ドメイン)を有する。ポリペプチドは、好ましくはエンドグルカナーゼ活性を有する。
GH61エンドグルカナーゼの変異体、配列番号1〜29及び148のいずれか1つを有するエンドグルカナーゼ、EG IV、又はトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)Eg4ポリペプチドは、アミノ酸置換を用いて作製することができる。下記表の「保存的置換」の見出しの下に各保存的置換を示す。置換は、下記表に示される代表的置換であってもよい。
Figure 2014511673
(a)例えばシート又は螺旋コンフォメーションとしての置換領域内のポリペプチド主鎖の構造、(b)標的部位における分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩の維持に与える影響において大きく異なる置換を選択することによって、ポリペプチドの酵素特性を大きく改変することができる。天然に存在する残基は、共通の側鎖の性質に基づいて異なるグループに分類される。すなわち、
(1)非極性のもの:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)電荷のない極性のもの:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性(負の電荷を有する)のもの:Asp、Glu;
(4)塩基性(正の電荷を有するもの):Lys、Arg;
(5)残基が鎖の向きに影響するもの:Gly、Pro;及び
(6)芳香族性のもの:Trp、Tyr、Phe、Hisである。
非保存的置換は、これらの部類の1つのメンバーを別の部類のものに交換することによって行われる。ポリペプチドの適正なコンフォメーションの維持に関与していないすべてのシステイン残基を通常はセリンに置換することも可能であり、これにより分子の酸化安定性を高め、異常な架橋結合を防止することができる。逆に、システイン結合をポリペプチドに加えることによってその安定性を高めることができる。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、単離、合成、又は組換えポリペプチド)は、一般的に当該ポリペプチドとは異種(例えば、本開示のポリペプチドとは異なる供給源に由来する)の1以上の融合セグメントに結合された本開示のポリペプチドのドメインを有する融合又はキメラポリペプチドである。適当な融合又はキメラセグメントとしては、これらに限定されるものではないが、ポリペプチドの安定性を高め、他の所望の生物学的活性又は高いレベルの所望の生物学的活性を与え、かつ/又はポリペプチドの精製を促進する(例えば、アフィニティクロマトグラフィーにより)ことが可能なセグメントが挙げられる。適当な融合セグメントは、所望の機能(例えば、高い安定性、溶解度、作用又は生物学的活性を与え、かつ/又はポリペプチドの精製を単純化する)を有する任意のサイズのドメインであってよい。本発明の融合又はハイブリッドポリペプチドは、それぞれ又はそのうちの少なくとも2つが異なる供給源又は微生物に由来する2以上の融合又はキメラセグメントから構築することができる。融合又はハイブリッドセグメントは、本開示のポリペプチドのドメインのアミノ及び/又はカルボキシ末端に連結することができる。融合セグメントは、切断に対する感受性を有するものであってもよい。こうした感受性を有することには一定の利点があり、例えば、対象となるポリペプチドを簡単に回収することが可能となる。融合ポリペプチドは、ポリペプチド又はそのドメインのカルボキシ若しくはアミノ末端のいずれかに結合した融合セグメント、又はカルボキシ及びアミノ末端の両方に結合した融合セグメントを有するポリペプチドをコードした融合核酸をトランスフェクトした組換え細胞を培養することによって生産することができる。
したがって、本開示のポリペプチドには、遺伝子融合(例えば、発現産物の過剰発現、可溶性、及び活性形態)、突然変異誘発遺伝子(例えば、遺伝子の転写及び翻訳を促進するためのコドン改変を有する遺伝子)、及び短縮遺伝子(例えば、シグナル配列を除去するか又は異種のシグナル配列で置換した遺伝子)の発現産物も含まれる。
不溶性基質を利用するグリコシルヒドロラーゼはしばしばモジュラー酵素である。これらの酵素は、1以上の非触媒炭水化物結合ドメイン(CBM)に付加された触媒モジュールを有しうる。自然界では、CBMは、グリコシルヒドロラーゼとその標的基質である多糖類との相互作用を促進するものと考えられている。すなわち、本開示は、例えば異種CBMが「スプライシングにより組み込まれた」結果、複数の基質を有するキメラ酵素のように、基質特異性が変化したキメラ酵素を提供する。本開示のキメラ酵素の異種CBMも、やはり同様にグリコシルヒドロラーゼと異種又は同種のものでありうる触媒モジュール又は触媒ドメイン(「CD」、例えば活性部位における)に付加されるように、モジュール状の設計とすることができる。
したがって、本開示は、キメラ(異種)CBM/CDペアを形成するように同種でペアとするか又は連結することができるCBM/CDモジュールからなるか、又はこれを含むペプチド及びポリペプチドを提供する。したがって、これらのキメラポリペプチド/ペプチドを用いて、対象とする酵素の性能を高めるか、又は変化させることができる。
一部の態様では、本開示の図1に示される配列を有するポリペプチドのいずれか1つの少なくとも1つのCD及び/又はCBMを含む、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドが提供される。例えば、図1の適当なGH61エンドグルカナーゼポリペプチドとしては、GenBankアクセッション番号CAB97283.2、CAD70347.1、CAD21296.1、CAE81966.1、CAF05857.1、EAA26873.1、EAA29132.1、EAA30263.1、EAA33178.1、EAA33408.1、EAA34466.1、EAA36362.1、EAA29018.1、及びEAA29347.1によって表されるもの、又は、S.サーモフィラム(S. thermophilum)24630に由来するSt61、S.サーモフィラム(S. thermophilum)23839cに由来するSt61A、S.サーモフィラム(S. thermophilum)46583に由来するSt61B、S.サーモフィラム(S. thermophilum)80312に由来するSt61D、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu3g03870に由来するAfu61a(NCBI参照番号:XP_748707)、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu6g09540に由来するNCBI参照番号:XP_750843.1のエンドグルカナーゼ、A.フミガタス(A. fumigatus)EDP47167のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)16380のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)155418のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)68900のエンドグルカナーゼ、C.グロボサム(C. globosum)に由来するCg61A(EAQ86340.1)、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、及び、A.フミガタス(A. fumigatus)Af293に由来するGenBankアクセッション番号XP_752040のエンドグルカナーゼが挙げられる。ポリペプチドは、好適には、2以上の異なるポリペプチドに由来する機能ドメインを有する融合ポリペプチドでありうる(例えば、1つのポリペプチドからのCBMが別のポリペプチドからのCDに連結されたもの)。
本開示のポリペプチドは、好適には「実質上純粋な」形態で得るか、かつ/又は使用することができる。例えば、本開示のポリペプチドは、緩衝液又は溶液などの他の成分も含む、与えられた組成物中の全タンパク質の少なくとも約80重量%(例えば、少なくとも約85重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、又は99重量%のいずれか)を構成する。
本開示のポリペプチドはまた、培養ブロス(例えば糸状菌培養ブロス)中で好適に得るか、かつ/又は使用することができる。培養ブロスは、遺伝子操作された酵素組成物であってもよい。例えば培養ブロスは、本開示の異種ポリペプチドを発現するように遺伝子操作された組換え宿主細胞によって、又は内因性の本開示のポリペプチドを内因性の発現レベルよりも高いか又は低い量(例えば、内因性の発現レベルよりも1、2、3、4、5倍、又はそれ以上高いか又は低い量)で発現するように遺伝子操作された組換え宿主細胞によって製造することができる。更に、培養ブロスは、複数の本開示のポリペプチドを所望の比で発現するように遺伝子操作された特定の「組み込み」宿主細胞株によって製造することもできる。
核酸、発現カセット、ベクター、及び宿主細胞本開示は、例えばGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、GH61エンドグルカナーゼ又はその変異体、EG IV又はその変異体、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体などの上記に示したポリペプチドをコードした核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)を提供する。特定の態様では、本開示は、配列番号1〜29及び148のいずれか1つを有するポリペプチド、又は配列番号1〜29及び148のいずれか1つと少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の同一性を有するポリペプチドをコードした核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)を提供する。
特定の態様では、本開示は、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88、及び89、(7)配列番号84、88、及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91から選択される1以上の配列モチーフを含む、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)のいずれか1つをコードした核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)を提供する。本開示は、CBMドメイン(例えば機能CBMドメイン)及び/又は触媒ドメイン(例えば機能触媒ドメイン)を含む、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)をコードした核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)を更に提供する。
本開示は、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体をコードした核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)を更に提供する。このような変異体は、配列番号27の残基22〜344と少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、又は99%のいずれか)の配列同一性を有しうる。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、エンドグルカナーゼ活性を有する。ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232のうちの少なくとも約5個の残基(例えば、少なくとも約6、7、8、9、10、11、又は12個のいずれか)に相当する残基を有しうる。ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232に相当する残基を有しうる。ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343のうちの少なくとも5個の残基(例えば、少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個のいずれか)に相当する残基を有しうる。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343に相当する残基を有する。
本開示は、少なくとも約10個、例えば少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、又は1050個のいずれかのヌクレオチドの領域にわたって、配列番号30の核酸配列と少なくとも約70%、例えば少なくとも約71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%、又は完全な(100%)同一性を有する核酸配列を有する核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)を提供する。一部の態様では、本開示は、本明細書に示されるポリペプチドのいずれか1つをコードした核酸を提供する。本明細書では更に、配列番号30と少なくとも約80%(例えば、少なくとも約85%、88%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、又は99%のいずれか)の同一性を有する単離された核酸が提供される。
一部の態様では、配列番号27のアミノ酸配列と、又は配列番号27の残基(i)22〜255、(ii)22〜343、(iii)307〜343、(iv)307〜344、又は(v)22〜344と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードした核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)が提供される。一部の態様では、配列番号30と少なくとも70%(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上)の配列同一性を有する核酸(例えば、単離、合成又は組換え核酸)、又は配列番号30の相補体若しくはそのフラグメントと高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることが可能な核酸が提供される。本明細書で使用するところの「低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、及び極めて高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする」なる用語は、ハイブリダイゼーション及び洗浄の条件について述べたものである。ハイブリダイゼーション反応を行うための手引きは、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1〜6.3.6に見ることができる。この参照文献には水性及び非水性の方法が述べられているが、いずれの方法を使用することもできる。本明細書で言及する具体的なハイブリダイゼーション条件は以下のものである。すなわち、1)約45℃の6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)の後、少なくとも50℃(低ストリンジェンシー条件では各洗浄液の温度を55℃にまで上昇させることができる)で0.2X SSC、0.1% SDSにより2回洗浄を行う低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、2)約45℃で6X SSCの後、60℃で0.2X SSC、0.1% SDSにより1回以上洗浄を行う中ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、3)約45℃で6X SSCの後、65℃で0.2X SSC、0.1% SDSにより1回以上洗浄を行う高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、及び好ましくは、4)65℃で0.5Mリン酸ナトリウム、7% SDSの後、65℃で0.2X SSC、1% SDSにより1回以上洗浄を行う極めて高いストリンジェンシー条件、である。特に断らないかぎり、極めて高いストリンジェンシー条件(4)が好ましい条件である。
本開示は、上記に述べた核酸のいずれかを含む発現カセット及び/又はベクターを更に提供する。本開示の酵素などのポリペプチドをコードした核酸は、プロモーターと機能的に連結することができる。詳細には、糸状菌宿主内での組換え発現が望ましい場合には、プロモーターは糸状菌のプロモーターとすることができる。核酸は、例えば異種プロモーターの制御下とすることができる。核酸は、構成的又は誘導性プロモーターの制御下で発現させることもできる。使用可能なプロモーターの例としては、これらに限定されるものではないが、セルラーゼプロモーター、キシラナーゼプロモーター、1818プロモーター(トリコデルマのESTマッピングによって高度に発現されるタンパク質としてこれまでに特定されている)が挙げられる。例えば、プロモーターは、好適にはセロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼ、又はβ−グルコシダーゼのプロモーターとすることができる。特に好適なプロモーターは、例えばT.リーゼイ(T. reesei)のセロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼ、又はβ−グルコシダーゼのプロモーターであってよい。例えば、プロモーターはセロビオヒドロラーゼI(cbh1)プロモーターである。プロモーターの非限定的な例としては、cbh1、cbh2、egl1、egl2、egl3、egl4、egl5、pki1、gpd1、xyn1、又はxyn2プロモーターが挙げられる。プロモーターの更なる非限定的な例としては、T.リーゼイ(T. reesei)のcbh1、cbh2、egl1、egl2、egl3、egl4、egl5、pki1、gpd1、xyn1、又はxyn2プロモーターが挙げられる。
本明細書で使用するところの「機能的に連結された」なる用語は、選択されたヌクレオチド配列(例えば、本明細書に述べられるポリペプチドをコードしたもの)が、プロモーターに近接していることにより、プロモーターが選択されたDNAの発現を調節することができることを意味する。更に、プロモーターは、転写及び翻訳の方向において、選択されたヌクレオチド配列の上流に配置される。「機能的に連結された」とは、調節配列に適当な分子(例えば転写活性化タンパク質)が結合する際に遺伝子が発現されるように、ヌクレオチド配列と調節配列とが連結されていることを意味する。
本開示は、本明細書に述べられるポリヌクレオチドのベクター又は発現カセットのいずれかを含んだ宿主細胞を更に提供する。本開示は、本開示の1以上のポリペプチドを発現させるために使用可能な宿主細胞を更に提供する。好適な宿主細胞としては、あらゆる微生物の細胞(例えば、細菌、原生生物、藻類、真菌(例えば酵母又は糸状菌)、又は他の微生物の細胞)が挙げられ、好ましくは細菌、酵母、又は糸状菌の細胞である。
好適な細菌属の宿主細胞としては、これらに限定されるものではないが、エシェリキア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、及びストレプトマイセス(Streptomyces)属の細胞が挙げられる。好適な細菌種の細胞としては、例えばエシェリキア・コライ(Escherichia coli)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、又はストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)の細胞が挙げられる。
好適な酵母属の宿主細胞としては、これらに限定されるものではないが、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、カンジダ(Candida)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、ピチア(Pichia)属、クリヴェロマイセス(Kluyveromyces)属、及びファフィア(Phaffia)属の細胞が挙げられる。好適な酵母種の細胞としては、これらに限定されるものではないが、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンべ(Schizosaccharomyces pombe)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、P.カナデンシス(P. canadensis)、クリベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、及びファフィア・ロードザイマ(Phaffia rhodozyma)の細胞が挙げられる。
好適な糸状菌細胞の宿主細胞としては、ユーミコチナ(Eumycotina)亜門のすべての糸状形態のものが挙げられる。好適な糸状菌属の細胞としては、これらに限定されるものではないが、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、ブジェルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム(Chrysoporium)、コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、コリナスカス(Corynascus)、ケトミウム(Chaertomium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、フィロバシジウム(Filobasidium)、フザリウム(Fusarium)、ジベレラ(Gibberella)、フミコラ(Humicola)、マグナポルテ(Magnaporthe)、ムコール(Mucor)、マイセリオフトラ(Myceliophthora)、ムコール(Mucor)、ネオカリマスティクス(Neocallimastix)、ニューロスポラ(Neurospora)、パエシロマイセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ファネロカエテ(Phanerochaete)、フレビア(Phlebia)、ピロマイセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、スキタリジウム(Scytaldium)、シゾフィラム(Schizophyllum)、スポロトリカム(Sporotrichum)、タラロマイセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)、及びトリコデルマ(Trichoderma)が挙げられる。好適な糸状菌種の細胞としては、これらに限定されるものではないが、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、クリソスポリウム・ラックノウエンス(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイド(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイド(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ブジェルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブローサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブバーミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルストゥス(Coriolus hirsutus)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ニューロスポラ・インターメディア(Neurospora intermedia)、ペニシリウム・パープロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・カネスセンス(Penicillium canescens)、ペニシリウム・ソリタム(Penicillium solitum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジエート(Phlebia radiate)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビローサ(Trametesvillosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、及びトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)の細胞が挙げられる。
本開示は、例えばGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を組換えにより発現するように遺伝子操作された、組換え真菌宿主細胞又は組換え糸状菌などの宿主細胞を提供する。
本開示は、組換え宿主細胞、例えば組換え真菌宿主細胞又は組換え微生物、例えばT.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1(「Tr3A」とも称される)、Fv3A、Fv43D、及びFv51Aポリペプチドを組換えにより発現するように遺伝子操作された、組換えT.リーゼイ(T. reesei)などの糸状菌を更に提供する。例えば組換え宿主細胞は、好適にはT.リーゼイ(T. reesei)宿主細胞である。組換え真菌は、好適には組換えT.リーゼイ(T. reesei)である。本開示は、例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、Fv3A、Fv43D、及びFv51Aポリペプチドを組換えにより発現するように遺伝子操作されたT.リーゼイ(T. reesei)宿主細胞を提供する。また、本開示は、本明細書に述べられるポリペプチドを組換えにより発現するように遺伝子操作された、例えばアスペルギルス(Aspergillus)(A.オリザエ(A. oryzae)、A.ニガー(A. niger)など)宿主細胞又は組換えアスペルギルスである組換え宿主細胞又は組換え微生物も提供する。
更に、本開示は、好適な複数の酵素を糖化に適した比で含む酵素ブレンドを発現するように遺伝子操作された組換え宿主細胞又は組換え微生物を提供する。組換え宿主細胞は、例えば真菌宿主細胞又は細菌宿主細胞である。組換え真菌は、例えば組換えT.リーゼイ(T. reesei)、A.オリザエ(A. oryzae)、A.ニガー(A. niger)、又は酵母である。組換え真菌宿主細胞は、例えばT.リーゼイ(T. reesei)、A.オリザエ(A. oryzae)、A.ニガー(A. niger)、又は酵母細胞であってよい。組換え細菌宿主細胞は、例えばバチルス・サブティリス(Bascillus subtilis)、又はE.コライ(E. coli)細胞であってよい。組換え細菌微生物は、例えばバチルス・サブティリス(Bascillus subtilis)、又はE.コライ(E. coli)であってよい。好適な酵素ブレンド中に存在する酵素の比/量の例は、下記のように本明細書に述べられるものである。
組成物
本開示は、また、バイオマス材料を加水分解し、かつ/又はバイオマス混合物(例えば、酵素及び基質を含んだバイオマス糖化混合物)の粘度を低下させるために使用することが可能な、セルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼを含んだ酵素組成物などの組成物(例えば非天然組成物)も提供する。
セルラーゼには、セルロース(β−1,4−グルカン又はβ−D−グルコシド結合)ポリマーをグルコース、セロビオース、セロオリゴ糖などに加水分解することが可能な酵素が含まれる。セルラーゼは、エンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)(「EG」)、エキソグルカナーゼ又はセロビオヒドロラーゼ(EC 3.2.1.91)(「CBH」)、及びβ−グルコシダーゼ(β−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ;EC 3.2.1.21)(「BG」)の3つの大きなクラスに以前より分類されてきた(Knowlesら、1987,Trends in Biotechnology 5(9):255〜261;Shulein,1988,Methods in Enzymology,160:234〜242)。エンドグルカナーゼがセルロース繊維の非結晶部分に対して主に作用するのに対して、セロビオヒドロラーゼは結晶性セルロースを分解することも可能である。ヘミセルラーゼには、例えばキシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、及びL−α−アラビノフラノシダーゼが含まれる。
本発明の組成物は、1種類よりも多い酵素を含む複数の酵素のブレンドとすることができる。本発明の酵素組成物は好適には、他の微生物、植物、又は生物に由来する1以上の更なる酵素を含みうる。相乗的な酵素の組み合わせ及び関連する方法が考えられる。本開示は、異なる種類のバイオマス材料を分解するための酵素組成物中に含まれる各酵素の最適な比を特定するための方法を含む。これらの方法には、例えば、異なる基質(例えばリグノセルロース基質)をそれらの構成成分である発酵性糖に効率的に変換するために、本発明の酵素組成物中に含まれるべき各酵素の最適な割合又は相対重量を特定するための試験が含まれる。
高等植物の細胞壁は、様々な炭水化物ポリマー(CP)成分で構成されている。これらのCPは共有結合及び非共有結合により相互作用することによって、堅い細胞壁を形成するとともに膨圧に耐えるために必要とされる構造的一体性を植物に与える。植物に見られる主なCPは、細胞壁の構造骨格を形成するセルロースである。セルロースの生合成時に、ポリ−β−1,4−D−グルコース鎖は水素結合及び疎水性相互作用によって自己会合してセルロースミクロフィブリルを形成し、これが更に自己会合してより大きな繊維を形成する。セルロースミクロフィブリルはしばしば構造的に不規則であり、結晶化度の異なる領域を含む。セルロース繊維の結晶化度は、セルロース繊維の構成成分であるセルロース鎖間で水素結合がどのくらい緊密に秩序化されているかによって決まる。結合の秩序化の程度が低い領域、すなわちグルコース鎖へのアクセス性がより高い領域は、非結晶領域と呼ばれる。セルロースのグルコースへの脱重合の一般的モデルには、最低でも3つの異なる酵素活性が関与している。エンドグルカナーゼは、完全なセルロース鎖よりもエキソグルカナーゼ活性の作用を受けやすいアクセス点の数を増やす過程において、セルロース鎖を分子内部でより短い鎖に切断する。これらのエキソグルカナーゼ(例えばセロビオヒドロラーゼ)は、還元末端又は非還元末端に特異的に作用し、多くの場合、グルコースの二量体であるセロビオースを遊離させる。蓄積したセロビオースは、次いでセロビアーゼ(例えばβ−1,4−グルコシダーゼ)によってグルコースに切断される。セルロースは無水グルコースのみを含んでいる。これに対して、ヘミセルロースは多くの異なる糖モノマーを含んでいる。例えば、ヘミセルロース中の糖モノマーには、グルコース以外に、キシロース、マンノース、ガラクトース、ラムノース、及びアラビノースも含まれうる。ヘミセルロースは大部分はD−ペントース糖を含み、場合により少量のL−糖を含む。一般的にはキシロースが最も多量に存在するが、マンヌロン酸及びガラクツロン酸も存在する傾向がある。ヘミセルロースとしては、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、グルコマンナン、及びキシログルカンが挙げられる。
本開示の組成物(例えば酵素及び多酵素組成物)は、セルロース材料(例えばグルカン)及び/又はヘミセルロース材料(例えばキシラン、アラビノキシラン、及びキシラン−又はアラビノキシラン含有基質)の糖化に使用することができる。酵素ブレンド/組成物は、好適には非天然組成物である。
本明細書において提供される酵素組成物は、グルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、L−α−アラビノフラノシダーゼ、キシラナーゼ、β−グルコシダーゼ、及びβ−キシロシダーゼなどのセルラーゼの少なくとも1種類、複数、又はすべてを含む、キシラン−加水分解性、ヘミセルロース−及び/又はセルロース加水分解性酵素の混合物を含みうる。本開示は、非天然組成物でありうる酵素組成物を更に提供する。本明細書で使用するところの「酵素組成物」なる用語は、(1)発酵ブロスの形態、又は部分的又は完全に単離若しくは精製された形態の成分酵素を合わせることにより調製される組成物、(2)1以上の成分酵素を発現するように改変された生物により産生される組成物(特定の実施形態では、1以上の成分酵素を発現させるために用いられる生物は、1以上の遺伝子が欠失するように改変することができ、特定の他の実施形態では、1以上の成分酵素を発現させるために用いられる生物は、キシラン加水分解、ヘミセルロース加水分解及び/又はセルロース加水分解に影響するタンパク質を更に含みうる)、(3)糖化又は発酵反応の際に各構成酵素を、同時に、別々に、又は順次合わせることにより調製される組成物、(4)例えば糖化又は発酵反応の際にインサイチュで調製される酵素混合物、(5)上記(1)〜(4)のいずれか又はすべてに従って調製される組成物のことを指す。
本明細書で使用するところの「発酵ブロス」なる用語は、発酵後の回収及び/又は精製をまったく行わないか又は最小限に留めた、発酵によって調製された酵素調製物のことを指す。例えば、微生物の培養を飽和状態まで増殖させ、炭素制限条件下でインキュベートしてタンパク質を合成させる(例えば酵素を発現させる)。この後、酵素が細胞培地中に分泌された時点で発酵ブロスを使用することができる。本開示の発酵ブロスは、発酵終了時に誘導された、分画されていないか又は分画された発酵物質の含有物を含みうる。例えば、本発明の発酵ブロスは分画されず、使用済みの培地、及び微生物細胞(例えば糸状菌細胞)が発酵過程を行った後に存在する細胞破片を含む。発酵ブロスは、好適には、使用済みの細胞培地、細胞外酵素、及び生きた又は殺された微生物細胞を含みうる。また、発酵ブロスは、微生物細胞を除去するために分画してもよい。このような場合、発酵ブロスは例えば、使用済みの細胞培地及び細胞外酵素を含みうる。
本明細書において提供されるセルラーゼ組成物などの酵素組成物は、カルコフロールアッセイによって求めた場合に、少なくとも0.1(例えば0.1〜0.4)の生成率(fraction product)を得ることが可能である。使用した化学物質はすべて分析グレードのものである。Avicel PH−101は、エフ・エム・シー・バイオポリマー社(FMC BioPolymer)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)より購入した。セロビオース及びカルコフロールホワイトは、シグマ社(Sigma)(ミズーリ州セントルイス)より購入した。リン酸膨潤セルロース(PASC)は、Walseth,TAPPI 1971,35:228及びWood,Biochem.J.1971,121:353〜362の適合プロトコールを用いてAvicel PH−101から調製した。簡単に述べると、Avicelを濃リン酸に溶解してから冷たい脱イオン水を用いて沈殿させた。セルロースを回収し、更なる水で洗浄してpHを中和した後、50mM酢酸ナトリウム(pH5)中で1%固形分となるまで希釈した。酵素希釈液はすべて、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)中で調製した。GC220セルラーゼ(ダニスコ・ユー・エス社、ジェネンコア(Danisco US Inc., Genencor))を、2.5、5、10及び15mgのタンパク質/G PASCとなるまで希釈し、直線の検量線を得た。試験する試料を、検量線の範囲内に収まるように希釈した(すなわち、0.1〜0.4の生成率(fraction product)を得た)。150μLの冷たい1% PASCを、96穴マイクロタイタープレート中で20μLの酵素溶液に加えた。プレートをカバーし、Innovaインキュベーター/シェーカー中、50℃、200rpmで2時間インキュベートした。100mMのグリシン緩衝液に加えた100μLの50μg/mLカルコフロール(pH10)で反応を停止させた。蛍光マイクロプレートリーダー(モレキュラー・デバイス社(Molecular Devices)のSpectraMax M5)上で、励起波長Ex=365nm、放射波長Em=435nmで蛍光を読み取った。結果を、下式に基づき生成率(fraction product)として表す。すなわち、
FP=1−(Fl試料−Flセロビオースを含む緩衝液)/(Fl酵素なし−Flセロビオースを含む緩衝液)
式中、FP=生成率(fraction product)であり、FI=蛍光単位である。
本明細書で具体的に述べられる酵素のいずれかを、本明細書に述べられる酵素のいずれか1以上のものと、又は他の任意の入手可能な好適な酵素と組み合わせることによって、適当な多酵素ブレンド/組成物を調製することができる。本開示は、以下に示す特定の例示的な組み合わせに制限されるものでも、限定されるものでもない。
例示的組成物
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む非天然組成物を提供する。本発明はまた、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む全セルラーゼ(例えばエンドグルカナーゼIVなどのGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを濃縮化した全セルラーゼ(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド濃縮化全セルラーゼ))を含む非天然組成物も提供する。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書で提供されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有する任意のポリペプチドであってよい。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体である。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の変異体は、上記に示される変異体のいずれであってもよい。
図面を含む本開示においては、エンドグルカナーゼを互換可能に「Eg」又は「Egl」と呼ぶ。
本明細書で使用するところの「天然組成物」なる用語は、1以上の酵素成分又は活性を有する、天然に存在する供給源によって産生される組成物のことを言い、各成分又は活性のそれぞれは、天然に存在する供給源によって産生される比及び濃度で、自然に、人の手によって触れられず、改変されない状態のままで見出される。したがって、天然組成物とは、例えば、セルロース分解性又はヘミセルロース分解性酵素に関して改変されていない生物によって産生されることにより、成分酵素の比又は濃度が天然の生物によりその天然の環境において産生されるものから変化していない組成物である。これに対して、「非天然組成物」とは、(1)成分であるセルロース分解性又はヘミセルロース分解性酵素を、天然の存在比又は天然の存在比ではない、すなわち改変された比で組み合わせるか、又は(2)1以上の内因性又は外因性酵素を発現、過剰発現、若しくは過小発現するように生物を改変するか、又は(3)少なくとも1つの内因性酵素が欠失するように生物を改変することによって生成される組成物のことを指す。「非天然組成物」とはまた、天然に存在し、改変されていないが、その生物の天然の環境とは異なる人工培地又は環境中で培養された生物によって産生される組成物のことも指し、こうした組成物中の各酵素の量は、その天然の生息環境中で増殖された天然の生物によって産生される組成物中に存在する酵素の量と異なっている。
GH61エンドグルカナーゼポリペプチド又はその変異体のいずれか1つを、本明細書に述べられる組成物のいずれかにおいて使用することができる。好適なGH61エンドグルカナーゼは、本開示の図1に示されるポリペプチドの1つを含みうる。好適なGH61エンドグルカナーゼとしては、GenBankアクセッション番号CAB97283.2、CAD70347.1、CAD21296.1、CAE81966.1、CAF05857.1、EAA26873.1、EAA29132.1、EAA30263.1、EAA33178.1、EAA33408.1、EAA34466.1、EAA36362.1、EAA29018.1、及びEAA29347.1によって表されるもの、又は、S.サーモフィラム(S. thermophilum)24630に由来するSt61、S.サーモフィラム(S. thermophilum)23839cに由来するSt61A、S.サーモフィラム(S. thermophilum)46583に由来するSt61B、S.サーモフィラム(S. thermophilum)80312に由来するSt61D、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu3g03870に由来するAfu61a(NCBI参照番号:XP_748707)、A.フミガタス(A. fumigatus)Afu6g09540に由来するNCBI参照番号:XP_750843.1のエンドグルカナーゼ、A.フミガタス(A. fumigatus)EDP47167のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)16380のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)155418のエンドグルカナーゼ、T.テレストリス(T. terrestris)68900のエンドグルカナーゼ、C.グロボサム(C. globosum)に由来するCg61A(EAQ86340.1)、T.リーゼイ(T. reesei)Eg7、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、及び、A.フミガタス(A. fumigatus)Af293に由来するGenBankアクセッション番号:XP_752040のエンドグルカナーゼが挙げられる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば単離ポリペプチド)は、GH61エンドグルカナーゼ又はEG IVの変異体である。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)は、配列番号1〜29及び148のいずれか1つを含むもの、又は配列番号1〜29及び148のいずれか1つと少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%の配列同一性を有するポリペプチドを含むものである。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)は、配列番号84〜91から選択される少なくとも1個のモチーフ(少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8個のいずれか)を含みうる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号85、88、及び89、(7)配列番号84、88、及び90、(8)配列番号85、88及び90、(9)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91からなる群から選択される1以上の配列モチーフを含みうる。
本明細書に述べられる組成物又は方法のいずれか1つの一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(GH61エンドグルカナーゼの変異体を含む)は、配列番号27の残基22〜344と少なくとも約60%(例えば、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、又は99%のいずれか)の配列同一性を有しうる。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232のうちの少なくとも約5個の残基(例えば、少なくとも約6、7、8、9、10、11、又は12個のいずれか)に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のH22、D61、G63、C77、H107、R177、E179、H184、Q193、C198、Y195、及びY232に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343のうちの少なくとも5個の残基(例えば、少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19個のいずれか)に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、配列番号27のG313、Q314、C315、G316、G317、S321、G322、P323、T324、C326、A327、T331、C332、N336、Y338、Y339、Q341、C342、及びL343に相当する残基を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、CBMドメイン(例えば機能性CBMドメイン)を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、触媒ドメイン(例えば機能性触媒ドメイン)を有する。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は単離される。一部の態様では、ポリペプチド又はその変異体は、エンドグルカナーゼ活性を有する。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、エンドグルカナーゼIV、例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体である。例えば、本開示は、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含む非天然組成物を提供する。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体は、本明細書に述べられるT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチドの変異体のいずれであってもよい。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、配列番号27のアミノ酸配列又は配列番号27の残基22〜344を含む。
一部の態様では、グリコシルヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)/エンドグルカナーゼ活性を有する単離された(又は実質上精製された)ポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物が提供される。ポリペプチドを製造する方法、ポリペプチドを回収する方法、及びポリペプチドを単離又は精製する方法は、当業者には周知のものである。
本明細書に述べられる組成物又は方法のいずれかの一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドをコードした核酸が遺伝子操作により導入された宿主細胞により発現される。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを発現する宿主細胞とは異種である。
本開示は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含み、更に少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチド、又はこれらの混合物を含む組成物を提供する。一部の態様では、組成物は、少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のセルラーゼポリペプチドを含む。一部の態様では、セルラーゼポリペプチドは、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、又はβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドである。一部の態様では、組成物は、少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のヘミセルラーゼポリペプチドを含む。一部の態様では、ヘミセルラーゼポリペプチドは、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、又はL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドである。一部の態様では、組成物は、少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のセルラーゼポリペプチド及び少なくとも1種類(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、又は8種類)のヘミセルラーゼポリペプチドを更に含む。本明細書で提供される組成物中に含まれる各ポリペプチドの異なる量を、下記の「組成物中の各成分の量」の項に示す。
本開示の方法及び組成物に基づいて使用するためのセルラーゼ及びヘミセルラーゼは、とりわけ以下の生物の1以上から得るか、又は組換えによって産生させることができる。すなわち、クリニペリス・スカペラ(Crinipellis scapella)、マクロフォミナ・ファゼオリナ(Macrophomina phaseolina)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ソルダリアフィミコラ(Sordaria fimicola)、ボルテラ・コッレトトリコイド(Volutella colletotrichoides)、チエラビア・テレストリス(Thielavia thermophila)、アクレモニウムsp.(Acremonium sp.)、ヒメキクラゲ(Exidia glandulosa)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius)、スポンジペリスsp.(Spongipellis sp.)、リゾフリクティス・ロゼア(Rhizophlyctis rosea)、リゾムコール・プシラス(Rhizomucor pusillus)、サイコマイセス・ニテウス(Phycomyces niteus)、ケトスチラム・フレセニイ(Chaetostylum fresenii)、ディプロディア・ゴシピナ(Diplodia gossypina)、ウロスポラ・ビルグラミ(Ulospora bilgramii)、サッコボルス・ジルテルス(Saccobolus dilutellus)、ペニシリウム・ベルクロサム(Penicillium verruculosum)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicilliumchrysogenum)、サーモマイセス・ヴェルコサス(Thermomyces verrucosus)、ディアポルテ・シンゲネシア(Diaporthe syngenesia)、コレトトリカム・ラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium)、ニグロスポラsp.(Nigrospora sp.)、キシラリア・ヒポキシロン(Xylaria hypoxylon)、ネクトリア・ピネア(Nectria pinea)、ソルダリア・マクロスポラ(Sordaria macrospora)、チエラビア・サーモフィラ(Thielavia thermophila)、ケトミウム・モロラム(Chaetomium mororum)、ケトミウム・ビレッセンス(Chaetomium virscens)、ケトミウム・ブラジリエンシス(Chaetomium brasiliensis)、ケトミウム・クニコロラム(Chaetomium cunicolorum)、シスパトスポラ・ボニネンシス(Syspastospora boninensis)、クラドリナム・フォエクンジシマム(Cladorrhinum foecundissimum)、スシタリジウム・サーモフィラ(Scytalidium thermophila)、グリオクラジウム・カテヌラタム(Gliocladium catenulatum)、フザリウム・オキシスポラムssp.リコペリシシ(Fusarium oxysporum ssp. lycopersici)、フザリウム・オキシスポラムssp.パシフローラ(Fusarium oxysporum ssp. passiflora)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・アンギオイド(Fusarium anguioides)、フザリウム・ポアエ(Fusarium poae)、フミコラ・ニグレッセンス(Humicola nigrescens)、フミコラ・グリセア(Humicola grisea)、パナエオラス・レチルギス(Panaeolus retirugis)、トラメテス・サンジーナ(Trametes sanguinea)、シゾフィラム・コミューン(Schizophyllum commune)、トリコテシウム・ローゼウム(Trichothecium roseum)、ミクロスフェロプシスsp.(Microsphaeropsis sp.)、アクソボラス・スチクトイデス(Acsobolus stictoideus spej.)、ポロニア・パンクタタ(Poronia punctata)、ノズリスポラムsp.(Nodulisporum sp.)、トリコデルマsp.(Trichoderma sp.)(例えば、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei))及びシリンドロカルポンsp.(Cylindrocarpon sp.)である。
本開示では、セルラーゼ又はヘミセルラーゼは、セルロース系材料を加水分解可能な酵素の発現につながる任意の周知の微生物培養方法によって調製することができる。発酵としては、セルラーゼの発現又は単離を可能とする好適な培地中及び条件下で行われる、フラスコ振盪培養法、実験用又は工業用発酵槽中での連続培養、回分培養、流加培養、又は固体発酵などの小規模又は大規模発酵を挙げることができる。一般的に微生物は、セルロース系材料を加水分解可能な酵素の産生に適した細胞培地中で培養される。培養は、当該技術分野では周知の手順を用い、炭素及び窒素源並びに無機塩を含む適当な栄養培地中で行われる。増殖及びセルラーゼ産生に適した培地、温度範囲及び他の条件は、当該技術分野では周知のものである。非限定的な例として、T.リーゼイ(T. reesei)がセルラーゼを産生する通常の温度範囲は24℃〜28℃である。
本開示は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド及びその変異体などのエンドグルカナーゼIVポリペプチド)を含む非天然組成物であって、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、グルコシダーゼ活性(例えばβ−グルコシダーゼ)を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、キシラナーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、キシロシダーゼ活性(例えばβ−キシロシダーゼ)を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、及び/又は、アラビノフラノシダーゼ活性(例えばL−α−アラビノフラノシダーゼ)を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)を更に含む組成物を提供する。本明細書で提供される組成物中に含まれる各ポリペプチドの異なる量を、下記の「組成物中の各成分の量」の項に示す。
本開示は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む全セルラーゼ(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体などのエンドグルカナーゼIVポリペプチドを濃縮化した全セルラーゼ)を含む非天然組成物であって、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、グルコシダーゼ活性(例えばβ−グルコシダーゼ)を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、キシラナーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、キシロシダーゼ活性(例えばβ−キシロシダーゼ)を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)、及び/又は、アラビノフラノシダーゼ活性(例えばL−α−アラビノフラノシダーゼ)を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4又は5種類のポリペプチド)を更に含む非天然組成物を提供する。本明細書で提供される組成物中に含まれる各ポリペプチドの異なる量を、下記の「組成物中の各成分の量」の項に示す。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びキシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)を含む。一部の態様では、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3である。組成物は、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、及び/又はTn3B)を更に含みうる。組成物は、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、及び/又はこれらの変異体)を更に含みうる。組成物は、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を含みうる。組成物は、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1(又はその変異体)及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)EG2(又はその変異体))を更に含みうる。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含む。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びセロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(又は少なくとも2種類のポリペプチド)(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)を含みうる。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更にエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(又は少なくとも2種類のポリペプチド)(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1(又はその変異体)及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)EG2(又はその変異体))を含みうる。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びβ−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(又は少なくとも2種類のポリペプチド)(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)Bxl1)を含みうる。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びβ−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(又は少なくとも2種類のポリペプチド)(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、及び/又はこれらの変異体)を含みうる。組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、及びL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(又は少なくとも2種類のポリペプチド)(例えばAf43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)を含みうる。
一部の態様では、本明細書に述べられるポリペプチドのいずれ(例えば、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、グルコシダーゼ活性(例えばβ−グルコシダーゼ)を有するポリペプチド、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、キシロシダーゼ活性(例えばβ−キシロシダーゼ)を有するポリペプチド、又はアラビノフラノシダーゼ活性(例えばL−α−アラビノフラノシダーゼ)を有するポリペプチド)も、本明細書に述べられる全セルラーゼなどの全セルラーゼの成分でありうる。本明細書に述べられるポリペプチドはいずれも、対応するポリペプチドをコードした内因性又は外因性の遺伝子を発現させることによって製造することができる。ポリペプチドは、状況によって、過剰発現又は過小発現させることができる。
上記に述べた組成物のすべてに関し、組成物中に含まれるポリペプチドの異なる量を、下記の「組成物中の各成分の量」の項に示す。
エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド
エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドには、内部のβ−1,4結合の切断を触媒するポリペプチドが含まれる。エンドグルカナーゼ(「EG」)は、EC 3.2.1.4.として分類されるセルラーゼ酵素群のことを指す。EG酵素は、セルロースの内部のβ−1,4グルコシド結合を加水分解する。EGは、セルロース、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース)、リケニンの1,4−β−D−グルコシド結合、穀類のβ−D−グルカン又はキシログルカンなどのβ−1,3グルカン混合物、及びセルロース成分を含有する他の植物性材料のβ−1,4結合の内部加水分解を触媒する。EG活性は、Ghose,1987,Pure and Appl.Chem.59:257〜268の方法に従って、カルボキシメチルセルロース(CMC)加水分解を用いて測定することができる。一部の態様では、エンドグルカナーゼを有する少なくとも1種類のポリペプチドには、T.リーゼイ(T. reesei)EG1(GenBankアクセッション番号HM641862.1)及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)EG2ポリペプチド(GenBankアクセッション番号ABA64553.1)が含まれる。
熱安定性を有するT.テレストリス(T. terrestris)エンドグルカナーゼ(Kvesitadazeら、Applied Biochem.Biotech.1995,50:137〜143)が、別の例において、本開示の方法及び組成物で使用される。更に、T.リーゼイ(T. reesei)EG3(GenBankアクセッション番号AAA34213.1)(Okadaら、Appl.Environ.Microbiol.1988,64:555〜563)、EG5(GenBankアクセッション番号AAP57754)(Saloheimoら、Molecular Microbiology 1994,13:219〜228)、EG6(図89A)(米国特許出願公開第20070213249号)、又はEG7(GenBankアクセッション番号AAP57753)(米国特許出願公開第20090170181号)、A.セルロリティカス(A. cellulolyticus)EIエンドグルカナーゼ(Swiss−Prot登録番号P54583.1)(米国特許第5,536,655号)、H.インソレンス(H. insolens)エンドグルカナーゼV(EGV)(蛋白質構造バンク登録番号4ENG)、S.ココスポラム(S. coccosporum)エンドグルカナーゼ(図89B)(米国特許出願公開第20070111278号)、A.アクリータス(A. aculeatus)エンドグルカナーゼF1−CMC(Swiss−Prot登録番号P22669.1)(Ooiら、Nucleic Acid Res.1990,18:5884)、A.カワチイ(A. kawachii)IFO4308エンドグルカナーゼCMCアーゼ−1(Swiss−Prot登録番号Q96WQ8.1)(Sakamotoら、Curr.Genet.1995,27:435〜439)、E.カロトボーラ(E. carotovara)エンドグルカナーゼCelS(GenBankアクセッション番号AAA24817.1)(Saarilahtiら、Gene 1990,90:9〜14)、又はA.サーモフィラム(A. thermophilum)ALKO4245エンドグルカナーゼ(米国特許出願公開第20070148732号)を使用することもできる。更なる好適なエンドグルカナーゼが例えば、国際特許出願公開第WO 91/17243号、同第WO 91/17244号、同第WO 91/10732号、米国特許第6,001,639号に述べられている。エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書に示されるエンドグルカナーゼのいずれか1つの変異体であってよい。
セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド
セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドには、セルロース、セロテトリオース、又はβ−1,4−結合したグルコースを含むあらゆるポリマー内の1,4−β−D−グルコシド結合の加水分解を触媒し、鎖の末端からセロビオースを放出させる、1,4−D−グルカンセロビオヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.91)活性を有するポリペプチドが含まれる。本発明の目的では、セロビオヒドロラーゼ活性は、Leverら、1972,Anal.Biochem 47:273〜279のPHBAH法によって測定されるように、セルロースからの水溶性の還元糖の放出によって測定することができる。セロビオヒドロラーゼのエキソグルカナーゼ型の攻撃と、エンドグルカナーゼ型の攻撃との区別は、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロースなどの置換セルロースからの還元糖の放出を同様に測定することによって行うことができる(Ghose,1987,Pure & Appl.Chem.59:257〜268)。真のセロビオヒドロラーゼは、置換セルロースに対して非置換のセルロースに極めて高い活性比を有している(Baileyら、1993,Biotechnol.Appl.Biochem.17:65〜76)。
好適なCBHは、A.ビスポラス(A. bisporus)CBH1(Swiss Protアクセッション番号Q92400)、A.アクリータス(A. aculeatus)CBH1(Swiss Protアクセッション番号O59843)、A.ニデュランス(A. nidulans)CBHA(GenBankアクセッション番号AF420019)又はCBHB(GenBankアクセッション番号AF420020)、A.ニガー(A. niger)CBHA(GenBankアクセッション番号AF156268)又はCBHB(GenBankアクセッション番号AF156269)、C.パープレア(C. purpurea)CBH1(Swiss Protアクセッション番号O00082)、C.カルボナラム(C. carbonarum)CBH1(SwissProtアクセッション番号Q00328)、C.パラシティカ(C. parasitica)CBH1(Swiss Protアクセッション番号Q00548)、F.オキシスポラム(F. oxysporum)CBH1(Cel7A)(Swiss Protアクセッション番号P46238)、H.グリセア(H. grisea)CBH1.2(GenBankアクセッション番号U50594)、H.グリセアvar.サーモイデア(H. grisea var. thermoidea)CBH1(GenBankアクセッション番号D63515)、CBHI.2(GenBankアクセッション番号AF123441)、又はexo1(GenBankアクセッション番号AB003105)、M.アルボマイセス(M. albomyces)Cel7B(GenBankアクセッション番号AJ515705)、N.クラッサ(N. crassa)CBHI(GenBankアクセッション番号X77778)、P.フニクロサム(P. funiculosum)CBHI(Cel7A)(GenBankアクセッション番号AJ312295)(米国特許出願公開第20070148730号)、P.ジャンチネラム(P. janthinellum)CBHI(GenBankアクセッション番号S56178)、P.クリソスポリウム(P. chrysosporium)CBH(GenBankアクセッション番号M22220)、又はCBHI−2(Cel7D)(GenBankアクセッション番号L22656)、T.エメルソニイ(T. emersonii)CBH1A(GenBankアクセッション番号AF439935)、T.ビリデ(T. viride)CBH1(GenBankアクセッション番号X53931)、又はV.ボルバセア(V. volvacea)V14 CBH1(GenBankアクセッション番号AF156693)から選択することができる。セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書に示されるCBHのいずれか1つの変異体であってよい。
一部の態様では、セロビオヒドロラーゼを有する少なくとも1種類のポリペプチドには、T.リーゼイ(T. reesei)CBH 1(Swiss−Prot登録番号P62694.1)(又はその変異体)及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)CBH2(Swiss−Prot登録番号P07987.1)(又はその変異体)のポリペプチド(Shoemakerら、Bio/Technology 1983,1:691〜696を参照、また、Teeriら、Bio/Technology 1983,1:696〜699も参照)、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1のホモログである、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B;T.リーゼイ(T. reesei)CBH2のホモログである、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体が含まれる。
グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド
グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドには、セロビオースの加水分解を触媒してβ−D−グルコースを放出させるβ−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.21)活性を有するポリペプチドが含まれる。本発明の目的では、β−グルコシダーゼ活性は、例えばHPLCなどの当該技術分野では周知の方法によって測定することができる。グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドには、これらに限定されるものではないが、セロビオースの加水分解を触媒してβ−D−グルコースを放出させるGHファミリー1、3、9又は48のメンバーを含む特定のGHファミリーのメンバーが含まれる。グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドには、組換え手法によって多くの微生物から得られるか又は販売元から購入されるβ−グルコシダーゼなどのβグルコシダーゼが含まれる。微生物に由来するβ−グルコシダーゼの例としては、これらに限定されるものではないが、細菌及び真菌類に由来するものが挙げられる。例えば、β−グルコシダーゼは好適には糸状菌から得られる。一部の態様では、グルコシダーゼ活性(例えばβ−グルコシダーゼ活性)を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)のBgl1ポリペプチドである。
β−グルコシダーゼは、特にA.アクリータス(A. aculeatus)(Kawaguchiら、Gene 1996,173:287〜288)、A.カワチイ(A. kawachi)(Iwashitaら、Appl.Environ.Microbiol.1999,65:5546〜5553)、A.オリザエ(A. oryzae)(国際特許出願公開第WO 2002/095014号)、C.ビアゾテア(C. biazotea)(Wongら、Gene,1998,207:79〜86)、P.フニクロサム(P. funiculosum)(国際特許出願公開第WO 2004/078919号)、S.フィブリゲラ(S. fibuligera)(Machidaら、Appl.Environ.Microbiol.1988,54:3147〜3155)、S.ポムベ(S. pombe)(Woodら、Nature 2002,415:871〜880)、又はT.リーゼイ(T. reesei)(例えば、β−グルコシダーゼ1(米国特許第6,022,725号)、β−グルコシダーゼ3(米国特許第6,982,159号)、β−グルコシダーゼ4(米国特許第7,045,332号)、β−グルコシダーゼ5(米国特許第7,005,289号)、β−グルコシダーゼ6(米国特許出願公開第20060258554号)、β−グルコシダーゼ7(米国特許出願公開第20060258554号))から得るか、又は組換えによって産生させることができる。β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書に示されるβ−グルコシダーゼのいずれか1つの変異体であってよい。
β−グルコシダーゼは、β−グルコシダーゼをコードした内因性又は外因性遺伝子を発現させることにより産生させることもできる。例えば、β−グルコシダーゼは、グラム陽性菌(例えば、バチルス(Bacillus)又はアクチノマイセス(Actinomycetes))、又は真核生物宿主(例えば、トリコデルマ(Trichoderma)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、又はピチア(Pichia))によって細胞外空間に分泌させることができる。β−グルコシダーゼは、状況によって、過剰発現又は過小発現させることができる。
β−グルコシダーゼは販売元から入手することもできる。使用に適した市販のβ−グルコシダーゼ調製物の例としては、例えば、Accellerase(登録商標)BG(ダニスコ・ユー・エス社、ジェネンコア(Danisco US Inc., Genencor))中のT.リーゼイ(T. reesei)β−グルコシダーゼ;NOVOZYM(商標)188(A.ニガー(A. niger)由来のβ−グルコシダーゼ);アグロバクテリウムsp.(Agrobacterium sp.)のβ−グルコシダーゼ、及びMegazyme(メガザイム・インターナショナル・アイルランド社(Megazyme International Ireland Ltd.)(アイルランド))より得られるT.マリティマ(T. maritima)β−グルコシダーゼが挙げられる。
β−グルコシダーゼ活性は、Chenら、Biochimica et Biophysica Acta 1992,121:54〜60に述べられるアッセイなどの、当該技術分野では周知の多くの適当な手段によって測定すること可能であり、当該アッセイでは、1pNPGは、50℃(122°F)及びpH 4.8で、4−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドから1μmoLのニトロフェノールが10分間に遊離することを示す。
キシラナーゼ活性を有するポリペプチド
キシラナーゼ活性は、比色アゾ−バーチウッドキシランアッセイ(S−AXBL、メガザイム・インターナショナル・アイルランド社(Megazyme International Ireland Ltd.)(アイルランド))を使用して測定することができる。
キシラナーゼ活性を有するポリペプチドとしては、例えばXyn、Xyn2、AfuXyn2、及び/又はAfuXyn5ポリペプチド、又はこれらの変異体から選択されるグループAのキシラナーゼが挙げられる。
本明細書に述べられる組成物のいずれも、以上のグループAキシラナーゼに加えて、又はそれに代えて1以上のキシラナーゼを必要に応じて含みうる。更なる1以上のキシラナーゼとして、任意のキシラナーゼ(EC 3.2.1.8)を使用することができる。好適なキシラナーゼとしては、例えばC.サッカロリティカム(C. saccharolyticum)キシラナーゼ(Luthiら、1990,Appl.Environ.Microbiol.56(9):2677〜2683)、T.マリティマ(T. maritima)キシラナーゼ(Winterhalter & Liebel,1995,Appl.Environ.Microbiol.61(5):1810〜1815)、サーマトガSp.株(Thermatoga Sp. Strain)FJSS−B.1キシラナーゼ(Simpsonら、1991,Biochem.J.277,413〜417)、B.サーキュランス(B. circulans)キシラナーゼ(BcX)(米国特許第5,405,769号)、A.ニガー(A. niger)キシラナーゼ(Kinoshitaら、1995,Journal of Fermentation and Bioengineering 79(5):422〜428)、S.リビダンス(S. lividans)キシラナーゼ(Shareckら、1991,Gene 107:75〜82;Morosoliら、1986 Biochem.J.239:587〜592;Kluepfelら、1990,Biochem.J.287:45〜50)、B.サブティリス(B. subtilis)キシラナーゼ(Bernierら、1983,Gene 26(1):59〜65)、C.フィミ(C. fimi)キシラナーゼ(Clarkeら、1996,FEMS Microbiology Letters 139:27〜35)、P.フルオレセンス(P. fluorescens)キシラナーゼ(Gilbertら、1988,Journal of General Microbiology 134:3239〜3247)、C.サーモセラム(C. thermocellum)キシラナーゼ(Dominguezら、1995,Nature Structural Biology 2:569〜576)、B.プミラス(B. pumilus)キシラナーゼ(Nuyensら、Applied Microbiology and Biotechnology 2001,56:431〜434;Yangら、1998,Nucleic Acids Res.16(14B):7187)、C.アセトブチリカム(C. acetobutylicum)P262キシラナーゼ(Zappeら、1990,Nucleic Acids Res.18(8):2179)、又はT.ハルジアナム(T. harzianum)キシラナーゼ(Roseら、1987,J.Mol.Biol.194(4):755〜756)が挙げられる。キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書に示されるキシラナーゼのいずれか1つの変異体であってよい。
キシロシダーゼ(β−キシロシダーゼ)活性を有するポリペプチド
キシロシダーゼ(例えばβ−キシロシダーゼ)活性は、発色性基質である4−ニトロフェニルβ−D−キシロピラノシド(pNPX、シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)N2132)を使用して測定することができる。
キシロシダーゼ(例えばβ−キシロシダーゼ)活性を有するポリペプチドは、グループ1のβ−キシロシダーゼ酵素(例えばFv3A又はFv43A)又はグループ2のβ−キシロシダーゼ酵素(例えば、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)でありうる。一部の態様では、本明細書で提供される組成物のいずれも、1以上のグループ1のβ−キシロシダーゼ及び1以上のグループ2のβ−キシロシダーゼを好適に含みうる。
本開示の酵素ブレンド/組成物のような、本明細書で提供される組成物のいずれのものも、上記のグループ1及び/又はグループ2のβ−キシロシダーゼに加えて、又はこれに代えて1以上のβ−キシロシダーゼを必要に応じて含みうる。更なるβ−キシロシダーゼとして、任意のβ−キシロシダーゼ(EC 3.2.1.37)を使用することができる。好適なβ−キシロシダーゼとしては、例えば、T.エメルソニイ(T. emersonii)Bxl1(Reenら、2003,Biochem Biophys Res Commun.305(3):579〜85)、G.ステアロサーモフィラス(G. stearothermophilus)β−キシロシダーゼ(Shallomら、2005,Biochemistry 44:387〜397)、S.サーモフィラム(S. thermophilum)β−キシロシダーゼ(Zanoeloら、2004,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.31:170〜176)、T.リグノラム(T. lignorum)β−キシロシダーゼ(Schmidt,1998,Methods Enzymol.160:662〜671)、A.アワモリ(A. awamori)β−キシロシダーゼ(Kurakakeら、2005,Biochim.Biophys.Acta 1726:272〜279)、A.ベルシカラー(A. versicolor)β−キシロシダーゼ(Andradeら、2004,Process Biochem.39:1931〜1938)、ストレプトマイセスsp.(Streptomyces sp.)β−キシロシダーゼ(Pinphanichakarnら、2004,World J.Microbiol.Biotechnol.20:727〜733)、T.マリティマ(T. maritima)β−キシロシダーゼ(Xue and Shao,2004,Biotechnol.Lett.26:1511〜1515)、トリコデルマsp.(Trichoderma sp.)SY β−キシロシダーゼ(Kimら、2004,J.Microbiol.Biotechnol.14:643〜645)、A.ニガー(A. niger)β−キシロシダーゼ(Oguntimein and Reilly,1980,Biotechnol.Bioeng.22:1143〜1154)、又はP.ウォートマニイ(P. wortmanni)β−キシロシダーゼ(Matsuoら、1987,Agric.Biol.Chem.51:2367〜2379)が挙げられる。キシロシダーゼ(例えばβ−キシロシダーゼ)活性を有するポリペプチドは、本明細書に示されるキシロシダーゼのいずれか1つの変異体であってよい。
アラビノフラノシダーゼ活性は、発色性基質である4−ニトロフェニル−α−L−アラビノフラノシド(pNPA、シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)N3641)により測定することができる。
本開示の酵素ブレンド/組成物のような、本明細書で提供される組成物のいずれのものも、例えばL−α−アラビノフラノシダーゼなどのアラビノフラノシダーゼ活性(例えばL−α−アラビノフラノシダーゼ活性)を有する少なくとも1種類のポリペプチドを好適に含みうる。L−α−アラビノフラノシダーゼは、例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体であってよい。
本開示の酵素ブレンド/組成物は、上記のL−α−アラビノフラノシダーゼに加えて、又はこれに代えて1以上のL−α−アラビノフラノシダーゼを必要に応じて含みうる。更なるL−α−アラビノフラノシダーゼとして、任意の適当な生物に由来するL−α−アラビノフラノシダーゼ(EC 3.2.1.55)を使用することができる。好適なL−α−アラビノフラノシダーゼとしては、例えば、A.オリザエ(A. oryzae)(Numan & Bhosle,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2006,33:247〜260)、A.ソジャエ(A. sojae)(Oshimaら、J.Appl.Glycosci.2005,52:261〜265)、B.ブレビス(B. brevis)(Numan & Bhosle,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2006,33:247〜260)、B.ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)(Kimら、J.Microbiol.Biotechnol.2004,14:474〜482)、B.ブレビ(B. breve)(Shinら、Appl.Environ.Microbiol.2003,69:7116〜7123)、B.ロンガム(B. longum)(Margollesら、Appl.Environ.Microbiol.2003,69:5096〜5103)、C.サーモセラム(C. thermocellum)(Taylorら、Biochem.J.2006,395:31〜37)、F.オキシスポラム(F. oxysporum)(Panagiotouら、Can.J.Microbiol.2003,49:639〜644)、F.オキシスポラムf.sp.ディアンチ(F. oxysporum f. sp. dianthi)(Numan & Bhosle,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2006,33:247〜260)、G.ステアロサーモフィルス(G. stearothermophilus)T−6(Shallomら、J.Biol.Chem.2002,277:43667〜43673)、H.ブルゲア(H. vulgare)(Leeら、J.Biol.Chem.2003,278:5377〜5387)、P.クリソゲニウム(P. chrysogenum)(Sakamotoら、Biophys.Acta 2003,1621:204〜210)、ペニシリウムsp.(Penicillium sp.)(Rahmanら、Can.J.Microbiol.2003,49:58〜64)、P.セルローサ(P. cellulosa)(Numan & Bhosle,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2006,33:247〜260)、R.プシラス(R. pusillus)(Rahmanら、Carbohydr.Res.2003,338:1469〜1476)、S.シャルトロイシス(S. chartreusis)、S.サーモビオラカス(S. thermoviolacus)、T.エタノリカス(T. ethanolicus)、T.キシラニリティカス(T. xylanilyticus)(Numan &Bhosle,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2006,33:247〜260)、(T.フスカ)(T. fusca)(Tuncer and Ball,Folia Microbiol.2003,(Praha)48:168〜172)、T.マリティマ(T. maritima)(Miyazaki,Extremophiles 2005,9:399〜406)、トリコデルマsp.(Trichoderma sp.)SY(Jungら、Agric.Chem.Biotechnol.2005,48:7〜10)、A.カワチイ(A. kawachii)(Kosekiら、Biochim.Biophys.Acta 2006,1760:1458〜1464)、F.オキシスポラムf.sp.ディアンチ(F. oxysporum f. sp. dianthi)(Chacon−Martinezら、Physiol.Mol.Plant Pathol.2004,64:201〜208)、T.キシラニリティカス(T. xylanilyticus)(Debecheら、Protein Eng.2002,15:21〜28)、H.インソレンス(H. insolens)、M.ギガンテウス(M. giganteus)(Sorensenら、Biotechnol.Prog.2007,23:100〜107)、又は、R.サティバス(R. sativus)(Kotakeら、J.Exp.Bot.2006,57:2353〜2362)のL−α−アラビノフラノシダーゼが挙げられる。アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドは、本明細書に述べられるアラビノフラノシダーゼのいずれか1つの変異体でありうる。
本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、エンドグルカナーゼ活性を有する1種類のポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)EG1(又はその変異体)及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)EG2(又はその変異体)を含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、セロビオヒドロラーゼ(「CBH」)活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体を含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、及び/又はTn3Bを含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、及び/又はこれらの変異体を含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、及び/又はAfuXyn5を含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、及び/又はこれらの変異体を含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、グループ1のβ−キシロシダーゼ又はグループ2のβ−キシロシダーゼであり、ただし、グループ1のβ−キシロシダーゼは、Fv3A、Fv43A、又はこれらの変異体を含み、グループ2のβ−キシロシダーゼは、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体を含む。一部の態様では、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、F.バーディシロイデス(F. verticillioides)Fv3A、F.バーディシロイデス(F. verticillioides)Fv43D、又はこれらの変異体を含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、及び/又はFv51Aを含む。本明細書に述べられる組成物のいずれか1つの一部の態様では、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドは、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、及び/又はこれらの変異体を含む。
全セルラーゼ
本開示の酵素ブレンド/組成物などの、本明細書で提供される組成物のいずれも、全セルラーゼを含みうる。
本明細書で使用するところの「全セルラーゼ」とは、(1)エンドグルカナーゼ、(2)セロビオヒドロラーゼ、及び(3)β−グルコシダーゼの少なくとも3つの異なる種類の酵素を含むか、又は、(1)内部のβ−1,4結合の切断を触媒し、より短鎖のグルコオリゴ糖を生じるエンドグルカナーゼ活性、(2)セロビオース単位(β−1,4グルコース−グルコースの二糖)の「エキソ」型の放出を触媒するセロビオヒドロラーゼ活性、及び(3)短鎖のセロオリゴ糖(例えばセロビオース)からのグルコースモノマーの放出を触媒するβ−グルコシダーゼ活性の少なくとも3つの異なる酵素活性を有する、天然又は非天然のセルラーゼ含有組成物のいずれかのことを指す。全セルラーゼは、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、EG2(又はその変異体)及び/又はEG4(又はその変異体))、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、CBH1(又はその変異体)及び/又はCBH2(又はその変異体))、及び、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えばBgl1又はその変異体)を含みうる。
「天然セルラーゼ含有」組成物とは、1以上のセロビオヒドロラーゼ型の成分又は活性、1以上のエンドグルカナーゼ型の成分又は活性、及び1以上のβ−グルコシダーゼ型の成分又は活性含む、天然の供給源によって産生される組成物のことであり、これらの成分又は活性のそれぞれは、人の手が加えられていない自然界で生じる比及び濃度で見出される。したがって、天然セルラーゼ含有組成物とは、例えば、セルロース分解酵素に関する改変が行われていない微生物によって産生されることにより、自然界において天然の微生物により産生されるものと成分酵素の比又は濃度が変化していない組成物である。「非天然セルラーゼ含有組成物」とは、(1)セルロース分解成分酵素を天然の存在比、若しくは非天然、すなわち改変された比のいずれかで合わせること、又は(2)1以上のセルロース分解酵素を過剰発現若しくは過小発現するように微生物を改変すること、又は(3)少なくとも1つのセルロース分解性酵素が欠失するように微生物を改変することによって生成される組成物を指す。「非天然セルラーゼ含有」組成物とは、天然の微生物が非天然条件下で増殖して、濃度又は比が変化した酵素を産生するように天然微生物の培養条件を調整することで得られる組成物のことも指す場合がある。したがって、一部の実施形態では、本開示の全セルラーゼ調製物は、1以上のEG及び/又はCBH及び/又はβ−グルコシダーゼが欠失及び/又は過剰発現されている。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体などのエンドグルカナーゼIVポリペプチド)を含む非天然組成物、又はGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体などのエンドグルカナーゼIVポリペプチドが濃縮化された全セルラーゼ)を含む非天然組成物が提供され、ただしその組成物は、全セルラーゼ、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、グルコシダーゼ(例えばβ−グルコシダーゼ)活性を有する少なくとも1種類(例えば、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類(例えば、キシラナーゼ活性を有する少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、キシロシダーゼ(例えばβ−キシロシダーゼ)活性を有する少なくとも1種類(例えば、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチド、及び/又は、アラビノフラノシダーゼ(例えばL−α−アラビノフラノシダーゼ)活性を有する少なくとも1種類(例えば、L−α−アラビノフラノシダーゼを有する少なくとも2、3、4、又は5種類)のポリペプチドを更に含む。異なる酵素活性を有するこれらのポリペプチドについては、上記に述べた。
一部の態様では、全セルラーゼは、T.リーゼイ(T. reesei)EG1、T.リーゼイ(T. reesei)EG2、又はこれらの変異体などのエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドを含む。一部の態様では、全セルラーゼは、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、又はこれらの変異体などのセロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドを含む。一部の態様では、全セルラーゼは、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体などのβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドを含む。
本開示では、全セルラーゼ調製物は、セルロース系材料を加水分解可能な任意の微生物由来のものでありうる。一部の実施形態では、全セルラーゼ調製物は、真菌又は細菌の全セルラーゼである。例えば、全セルラーゼ調製物は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、エメリセラ(Emericella)、フザリウム(Fusarium)、フミコラ(Humicola)、ムコール(Mucor)、マイセリオフトラ(Myceliophthora)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、スシタリジウム(Scytalidium)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トリコデルマ(Trichoderma)属、又は酵母種由来のものでありうる。
全セルラーゼ調製物は、例えば、アスペルギルス・アクリータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フォエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillusjaponicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、又はアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)の全セルラーゼでありうる。更に、全セルラーゼ調製物は、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイド(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイド(Fusarium trichothecioides)、又はフザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)の全セルラーゼ調製物でありうる。全セルラーゼ調製物は、クリソスポリウム・ラックノウエンス(Chrysosporium lucknowence)、フミコラ ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・パープロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、スシタリジウム・サーモフィラム(Scytalidium thermophilum)、又はチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)の全セルラーゼ調製物でもあってもよい。全セルラーゼ調製物は、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)(例えば、RL−P37(Sheir−Neiss Gら、Appl.Microbiol.Biotechnology,1984,20,pp.46〜53)、QM9414(ATCC No.26921)、NRRL 15709、ATCC 13631、56764、56466、56767)、又はトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)(例えば、ATCC 32098及び32086)の全セルラーゼ調製物であってもよい。
全セルラーゼ調製物は、組み込み株であるT.リーゼイ(T. reesei)H3A又はH3A/Eg4#27(本明細書の実施例で述べる)調製物であってもよい。
全セルラーゼ調製物は、好適には、American Type Culture Collectionより、T.リーゼイ(T. reesei)ATCC 56765として入手可能なT.リーゼイ(T. reesei)RutC30全セルラーゼ調製物でありうる。例えば、全セルラーゼ調製物は、好適には、American Type Culture Collectionより、P.フニクロサム(P. funiculosum)ATCC番号:10446として入手可能なP.フニクロサム(P. funiculosum)の全セルラーゼであってもよい。
全セルラーゼ調製物は販売元から入手することもできる。本開示の方法及び組成物における使用に適した市販のセルロース調製物の例としては、例えば、CELLUCLAST(商標)及びCellic(商標)(ノボザイム社(Novozymes A/S))、並びにLAMINEX(商標)BG、IndiAge(商標)44L、Primafast(商標)100、Primafast(商標)200、Spezyme(商標)CP、Accellerase(登録商標)1000、及びAccellerase(登録商標)1500(ダニスコ・ユー・エス社、ジェネンコア(Danisco US Inc., Genencor))が挙げられる。
好適な全セルラーゼ調製物は、セルロース系材料を加水分解可能な酵素の発現につながる、任意の公知の微生物培養法、特に発酵を用いて調製することができる。本明細書で使用するところの「発酵」なる用語は、セルラーゼ及び/又は対象とする酵素の発現及び/又は単離を可能とする好適な培地中及び条件下で行われる、フラスコ振盪培養法、実験用又は工業用発酵槽中での連続培養、回分培養、流加培養、又は固体発酵などの小規模又は大規模発酵のことを指す。一般的に微生物は、セルロース系材料を加水分解可能な酵素の産生に適した細胞培地中で培養される。培養は、周知の方法及び変法を用いて、炭素源及び窒素源並びに無機塩類を含む栄養培地中で行なわれる。増殖及びセルラーゼ産生用の培地、温度範囲及び他の条件は周知のものである。非限定的な例として、T.リーゼイ(T. reesei)がセルラーゼを産生する一般的な温度範囲は24℃〜28℃である。
全セルラーゼ調製物は、回収及び/又は精製をまったく行わないか又は最小限に留めて、発酵により産生されたものをそのまま使用することができる。この意味では、全セルラーゼ調製物を全ブロス配合物に用いることができる。例えば、細胞培地にセルラーゼが分泌された後、セルラーゼを含有する細胞培地を直接使用することができる。全セルラーゼ調製物は、使用済み細胞培地、細胞外酵素及び細胞を含む、発酵材料の未分画含有物を含みうる。その一方で、全セルラーゼ調製物は、例えば、沈殿、遠心分離、アフィニティクロマトグラフィー、濾過などの多くの通常行われる工程で更なる処理を行うこともできる。例えば全セルラーゼ調製物は、濃縮した後、更なる精製を行わずに使用することができる。全セルラーゼ調製物は、例えば発酵後の細胞生存率を低下させるか又は細胞を死滅させる特定の化学物質を含むように配合することができる。細胞は、例えば周知の方法を用いて溶解又は透過処理することができる。
全セルラーゼ調製物のエンドグルカナーゼ活性は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を基質として用いて測定することができる。好適なアッセイでは、1単位を毎分1μmoLの生成物を遊離する酵素の量として、酵素混合物がCMCに対して作用することで生成される還元末端の生成量を測定する(Ghose,T.K.Pure & Appl.Chem.1987,59,pp.257〜268)。
全セルラーゼは、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを濃縮化した、例えば、EG IV濃縮化(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を濃縮化した)セルラーゼとすることができる。EG IV濃縮化全セルラーゼは、EG IVポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体)及び全セルラーゼ調製物を一般的に含む。EG IV濃縮化全セルラーゼ組成物は、組み換え手段によって生成することができる。例えば、このような全セルラーゼ調製物は、全セルラーゼを産生することが可能な微生物中でEG IVを発現させることで得ることができる。EG IV濃縮化全セルラーゼ組成物は、例えば全セルラーゼ調製物及びEG IV(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体)を含んでもよい。例えば、EG IV濃縮化(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を濃縮化した)全セルラーゼ組成物は、好適には、そのブレンド/組成物中のタンパク質の全重量に対して少なくとも0.1重量%、1重量%、2重量%、5重量%、7重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%、かつ最大で25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は50重量%のEG IVを含みうる。
全セルラーゼは、β−グルコシダーゼ濃縮化セルラーゼであってもよい。β−グルコシダーゼ濃縮化全セルラーゼは一般的に、β−グルコシダーゼ及び全セルラーゼ調製物を含む。β−グルコシダーゼ濃縮化全セルラーゼ組成物は、組み換え手法により生成することができる。例えばこのような全セルラーゼ調製物は、全セルラーゼを産生することが可能な微生物中でβ−グルコシダーゼを発現させることで得ることができる。β−グルコシダーゼ濃縮化全セルラーゼ組成物は、例えば全セルラーゼ調製物及びβ−グルコシダーゼを一般的に含んでもよい。例えばβ−グルコシダーゼ濃縮化全セルラーゼ組成物は、好適には、そのブレンド/組成物中のタンパク質の総重量に対して少なくとも0.1重量%、1重量%、2重量%、5重量%、7重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%、かつ最大で25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は50重量%のβ−グルコシダーゼを含みうる。
ある種の真菌は、エキソセロビオヒドロラーゼ又はCBH型セルラーゼ、エンドグルカナーゼ又はEG型セルラーゼ、及びβ−グルコシダーゼ又はBG型セルラーゼを含む完全セルラーゼ系を産生する(Schulein,1988)。しかしながら、時としてこれらの系はCBH型セルラーゼを含んでおらず、例えば、細菌セルラーゼも一般的にCBH型セルラーゼをほとんど又はまったく含んでいない。更に、EG成分及びCBH成分は、相乗的に相互作用することでセルロースをより効率的に分解することが示されている。(例えば、Wood,1985を参照)異なる成分、すなわち多成分又は完全セルラーゼ系中の異なるエンドグルカナーゼ及びエキソセロビオヒドロラーゼは、一般的に、例えば等電点、分子量、グリコシル化度、基質特異性及び酵素の作用パターンなどの異なる特性を有している。
一部の態様では、セルラーゼは、回収及び/又は精製をまったく行わないか又は最小限に留め、発酵により産生されたものがそのまま使用される。例えば、細胞により細胞培地中にセルラーゼが分泌された後、このセルラーゼを含有する細胞培地を使用することができる。一部の態様では、全セルラーゼ調製物は、細胞培地、細胞外酵素及び細胞を含む、発酵材料の未分画の含有物を含みうる。また、全セルラーゼ調製物は、例えば沈殿、遠心分離、親和性、濾過、又は当該技術分野では周知の他の任意の方法などの任意の便宜のよい方法によって処理することもできる。一部の態様では、全セルラーゼ調製物は、例えば濃縮した後、更なる精製を行うことなく使用することができる。一部の態様では、全セルラーゼ調製物は、細胞生存率を低下させるか、又は細胞を死滅させる化学物質を含む。一部の態様では、当該技術分野では周知の方法を用いて細胞を溶解又は透過処理することができる。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含む組成物であって、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが、そのセルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドを発現する宿主細胞とは異種である、組成物が提供される。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含む組成物であって、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが宿主細胞により発現され、かつ、セルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドが宿主細胞に内因性のものである、組成物が提供される。セルラーゼポリペプチドは、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG1又はその変異体、T.リーゼイ(T. reesei)EG2又はその変異体)、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、A.フミガタス(A. fumigatus)7A、7B、C.グロボサム(C. globosum)7A、7B、T.テレストリス(T. terrestris)7A、7B、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、T.テレストリス(T. terrestris)6A、S.サーモファイル(S. thermophile)6A、6B、又はこれらの変異体)、又はβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含みうる。ヘミセルラーゼポリペプチドは、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)、又はL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)を含みうる。
一部の態様では、組成物は発酵ブロスから得られる。組成物は、ある株の発酵ブロスから得られるものであってよく、その場合、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)EG4又はその変異体)をコードした核酸は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを発現する(例えば、株に組み込まれるか又は宿主株内のベクターにより発現される)宿主細胞とは異種である。組成物は、組み込み株(例えば、実施例に示されるH3A/Eg4、#27)の発酵ブロスから得られるものであってもよい。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物は、全セルラーゼを含んでもよい。したがって、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4(又はその変異体)、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1(又はその変異体)、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3(又はその変異体)、Fv3A(又はその変異体)、Fv43D(又はその変異体)、及びFv51A(又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)が提供される。
一部の態様では、組成物は単離されたT.リーゼイ(T. reesei)Eg4を含む。一部の態様では、組成物は、単離されたT.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、単離されたT.リーゼイ(T. reesei)xyn3、単離されたFv3A、単離されたFv43D、及び単離されたFv51Aのうちの少なくとも1つ(少なくとも2、3、4、又は5つ)を含む。
一部の態様では、組成物は発酵ブロスから得られる。一部の態様では、組成物は、組み込み株(例えば、本明細書の実施例に示されるH3A/Eg4、#27)の発酵ブロスから得られる。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はT.リーゼイ(T. reesei)Eg4をコードした核酸は、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を発現する宿主細胞とは異種であってよい。T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3、Fv3A、Fv43D、Fv51A、又はこれらの変異体をコードした少なくとも1つの核酸は、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を発現する宿主細胞などの宿主細胞と異種であってよい。一部の態様では、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3、Fv3A、Fv43D、Fv51A、又はその変異体をコードした少なくとも1つの核酸が、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を発現する宿主細胞などの宿主細胞に内因性である。
上記に述べた組成物のすべてに関し、組成物中に含まれるポリペプチドの異なる量を、下記の「組成物中の各成分の量」の項に述べる。
組成物中の各成分の量
本明細書において提供されるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む非天然組成物(又はGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む全セルラーゼを含む非天然組成物)は、本明細書に述べられるような異なる成分を含みうるものであり、各成分は組成物中に異なる量で存在する。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つの一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、バイオマス材料の加水分解から得られる発酵性糖の収率を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)の非存在下での収率と比較して高める(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれか)うえで充分な量で組成物中に存在する。本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つでは、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、バイオマス材料の加水分解の際のバイオマス混合物の粘度を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)の非存在下での加水分解の際のバイオマス混合物の粘度と比較して低下させる(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれか)うえで充分な量で組成物中に存在しうる。組成物は、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、キシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、及び/若しくは全セルラーゼ、又はこれらの混合物を更に含みうる。エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの量、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドの量、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの量、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドの量、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドの量、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの量、又は全セルラーゼの量は、バイオマス材料の加水分解から得られる発酵性糖の収率を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド、又は全セルラーゼの非存在下での収率と比較して高める(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれか)うえで充分な量である。一部の態様では、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの量、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドの量、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの量、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドの量、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドの量、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの量、又は全セルラーゼの量は、バイオマス材料の加水分解の際のバイオマス混合物の粘度を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド、又は全セルラーゼの非存在下でのバイオマス混合物の粘度と比較して低下させる(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれか)うえで充分な量である。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物中など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の少なくとも約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかの量で存在しうる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかを超えない量で存在しうる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、上限値及び下限値を有する範囲を有する量で存在しうる。例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの下限値は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.01重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかである。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの上限値は、組成物中のタンパク質の全重量の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、又は70重量%のいずれかである。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかの量で存在しうる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、組成物中のタンパク質の全重量の約10重量%又は12重量%で存在しうる。組成物は、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも2種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4、T.リーゼイ(T. reesei)Eg1、及び/若しくはT.リーゼイ(T. reesei)Eg2、又はこれらの変異体)を有してもよく、その場合、エンドグルカナーゼを有するポリペプチドの全量は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約45重量%、約1〜約30重量%、約2〜約20重量%、約5〜約20重量%、又は約8〜約15重量%)である。GH61/エンドグルカナーゼを有するポリペプチドは、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを発現する宿主細胞と異種であっても、宿主細胞に内因性のものであってもよい。組成物中に含まれるGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、単離されてもよい。
一部の態様では、本明細書に述べられる酵素組成物(例えば酵素組成物)は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む全セルラーゼ組成物である。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、全セルラーゼの全重量の少なくとも約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかの量で存在しうる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、全セルラーゼの全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかを超えない量で存在しうる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、全セルラーゼの全重量の約0.01重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかの下限値と、全セルラーゼの全重量の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、又は70重量%のいずれかの上限値とを有する量で存在しうる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、全セルラーゼの全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかの量で存在しうる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えばT.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体を含むEG IVなど)は、全セルラーゼの全重量の約10重量%又は12重量%の量で存在する。
一部の態様では、本明細書において提供される組成物のいずれも、T.リーゼイ(T. reesei)Eg1若しくはその変異体、及び/又はT.リーゼイ(T. reesei)Eg2若しくはその変異体を含む、エンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドを(GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド以外に)含みうる。一部の態様では、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の少なくとも約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%の量で存在しうる。一部の態様では、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかを超えない量で存在しうる。一部の態様では、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、上限値及び下限値を有する範囲を有する量で存在しうる。例えば、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量の下限値は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.01重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかである。エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量の上限値は、組成物中のタンパク質の全重量の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、又は70重量%のいずれかである。一部の態様では、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかの量で存在しうる。
一部の態様では、本明細書において提供される組成物のいずれも、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、グルコシダーゼ(例えばβ−グルコシダーゼ)活性を有するポリペプチド、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、及び/又はアラビノフラノシダーゼを有するポリペプチドなどの異なる酵素活性を有する1以上のポリペプチドを含みうる。一部の態様では、同じ酵素活性を有する複数のポリペプチドが存在しうる。上記に述べたポリペプチドのそれぞれ(又は特定の酵素活性を有するポリペプチドの全量、例えば、セロビオヒドロラーゼ活性、グルコシダーゼ(β−グルコシダーゼ)活性、キシラナーゼ活性、キシロシダーゼ活性、又はアラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の少なくとも約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかの量で存在しうる。一部の態様では、上記に述べたポリペプチドのそれぞれ(又は特定の酵素活性を有するポリペプチドの全量、例えば、セロビオヒドロラーゼ活性、グルコシダーゼ(β−グルコシダーゼ)活性、キシラナーゼ活性、キシロシダーゼ活性、又はアラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量)は、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかを超えない量で存在しうる。上記に述べたポリペプチドのそれぞれ(又は特定の酵素活性を有するポリペプチドの全量、例えば、セロビオヒドロラーゼ活性、グルコシダーゼ(β−グルコシダーゼ)活性、キシラナーゼ活性、キシロシダーゼ活性、又はアラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、上限値及び下限値を有する範囲を有する量で存在しうる。例えば、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量の下限値は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.01重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のいずれかである。上限値は、組成物中のタンパク質の全重量の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、又は70重量%のいずれかである。一部の態様では、上記に述べたポリペプチドのそれぞれ(又は特定の酵素活性を有するポリペプチドの全量、例えば、セロビオヒドロラーゼ活性、グルコシダーゼ(β−グルコシダーゼ)活性、キシラナーゼ活性、キシロシダーゼ活性、又はアラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量)は、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、又は80重量%のいずれかの量で存在しうる。
一部の態様では、本明細書において提供される組成物のいずれも、全セルラーゼを更に含みうる。全セルラーゼは、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の少なくとも約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は95重量%のいずれかの量で存在しうる。全セルラーゼは、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は95重量%のいずれかを超えない量で存在しうる。全セルラーゼは、本明細書に述べられるいずれかの組成物(本明細書において提供されるいずれかの酵素ブレンド/組成物など)中に、組成物中のタンパク質の全重量の約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は95重量%のいずれかの量で存在しうる。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つの一部の態様では、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、又はこれらの変異体)は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約70重量%(例えば、約0.5〜約60重量%、約5〜約70重量%、約10〜約60重量%、約20〜約50重量%、又は約30〜約50重量%)の量で存在する。一部の態様では、組成物は、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも2種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1(又はその変異体)及びT.リーゼイ(T. reesei)CBH2(又はその変異体))を有し、その場合、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約70重量%(例えば、約0.5〜約60重量%、約5〜約70重量%、約10〜約60重量%、約20〜約50重量%、又は約30〜約50重量%)である。セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。一部の態様では、組成物中に含まれるセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドは単離される。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つの一部の態様では、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約40重量%、約1〜約30重量%、約2〜約20重量%、約5〜約20重量%、又は約8〜約15重量%)の量で存在する。一部の態様では、組成物は、β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも2種類のポリペプチドを有し、その場合、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約40重量%、約1〜約30重量%、約2〜約20重量%、約5〜約20重量%、又は約8〜約15重量%)である。β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。一部の態様では、組成物中に含まれるβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドは単離される。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つでは、キシラナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約40重量%、約1〜約40重量%、約4〜約30重量%、約5〜約20重量%、又は約8〜約15重量%)の量で存在しうる。組成物は、キシラナーゼ活性を有する少なくとも2種類のポリペプチドを有してもよく、その場合、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約40重量%、約1〜約40重量%、約4〜約30重量%、約5〜約20重量%、又は約8〜約15重量%)である。キシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。組成物中に含まれるキシラナーゼ活性を有するポリペプチドは、単離されてもよい。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つでは、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)は、組成物中の酵素の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約45重量%、約1〜約40重量%、約2〜約30重量%、約4〜約20重量%、又は約5〜約15重量%)の量で存在しうる。組成物は、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも2種類のポリペプチドを有してもよく、その場合、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約45重量%、約1〜約40重量%、約2〜約30重量%、約4〜約20重量%、又は約5〜約15重量%)である。L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞とは異種の核酸から発現させることができる。組成物中に含まれるL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドは、単離されてもよい。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つでは、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)は、組成物中の酵素の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約45重量%、約1〜約40重量%、約4〜約35重量%、約5〜約25重量%、又は約5〜約20重量%)の量で存在しうる。組成物は、β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも2種類のポリペプチドを有してもよく、その場合、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約50重量%(例えば、約0.5〜約45重量%、約1〜約40重量%、約4〜約35重量%、約5〜約25重量%、又は約5〜約20重量%)である。β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現させることができる。組成物中に含まれるβ−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドは、単離されてもよい。
本明細書において提供される組成物又は方法のいずれか1つでは、組成物中の全セルラーゼは、組成物中のタンパク質の全重量の約0.1〜約100重量%(例えば、約1〜約95重量%、約5〜約90重量%、約10〜約85重量%、約20〜約80重量%、又は約30〜約75重量%)でありうる。全セルラーゼは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現されるエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体、T.リーゼイ(T. reesei)Eg1又はその変異体、T.リーゼイ(T. reesei)Eg2又はその変異体など)を含みうる。全セルラーゼは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現されるセロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1又はその変異体、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2又はその変異体)を含みうる。全セルラーゼは、宿主細胞とは異種の、又は宿主細胞に内因性の核酸から発現されるβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含みうる。
一部の態様では、本発明の組成物は、バイオマス材料を発酵性糖(例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、及び/又はセロビオース)に変換することが可能である。一部の態様では、組成物は、カルコフロールアッセイによって求めた場合に、少なくとも0.1(例えば0.1〜0.4)の生成率(fraction product)を得ることが可能である。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含み、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)と、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドとは、バイオマス材料との接触の前に互いに混合される。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含み、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)と、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドとは、異なる時点でバイオマス材料に加えられる(例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドは、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドがバイオマス材料に加えられる前又は後でバイオマス材料に加えられる)。
一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物は、バイオマス材料を含む混合物であり、例えば組成物は、加水分解混合物、発酵混合物、又は糖化混合物である。このような混合物は、発酵性糖を更に含みうる。
他の成分
本開示の酵素組成物は、好適には、1以上のアクセサリータンパク質を更に含みうる。アクセサリータンパク質の例としては、これらに限定されるものではないが、マンナナーゼ(例えばエンドマンナナーゼ、エキソマンナナーゼ、及びβ−マンノシダーゼ)、ガラクタナーゼ(例えば、エンド型及びエキソ型ガラクタナーゼ)、アラビナーゼ(例えばエンド型アラビナーゼ及びエキソ型アラビナーゼ)、リグニナーゼ、アミラーゼ、グルクロニダーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼ(例えば、フェルラ酸エステラーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、クマリン酸エステラーゼ又はペクチンメチルエステラーゼ)、リパーゼ、他のグリコシドヒドロラーゼ、キシログルカナーゼ、CIP1、CIP2、スウォレニン、エクスパンシン、及びセルロース破壊タンパク質が挙げられる。例えば、セルロース破壊タンパク質はセルロース結合モジュールである。
方法及びプロセス
本開示は、本開示の酵素、酵素ブレンド/組成物を使用したバイオマス糖化のための方法及びプロセスを提供する。詳細には、本開示は、本明細書において提供されるポリペプチド又は組成物のいずれか1つを用いて、バイオマス材料を加水分解するための方法及びプロセスを提供する。更に、本開示は、本明細書において提供されるポリペプチド又は組成物のいずれか1つを用いて、バイオマス混合物(例えば、糖化プロセスにおいてバイオマス基質及び酵素を含むバイオマス混合物)の粘度を低下させるための方法を提供する。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む非天然組成物とバイオマス材料とを接触させることを含む、バイオマス材料を加水分解する方法が提供される。一部の態様では、ポリペプチドは、バイオマス材料を加水分解するうえで充分な量である。
本明細書で使用するところの「バイオマス」なる用語は、セルロース及び/又はヘミセルロース(リグノセルロースバイオマス材料中のリグニンを含む)を含む任意の組成物のことを指す。本明細書で使用するところのバイオマスとしては、これらに限定されるものではないが、種子、穀粒、塊茎、植物性廃棄物、又は食品加工若しくは工業プロセスの副生成物(例えば茎)、トウモロコシ(例えば穂軸、茎葉など)、草類(例えば、ソルガストラム・ニュータンス(Sorghastrum nutans)などのインディアングラス;又はスイッチグラス、例えばパニカム・バーガタム(Panicum virgatum)などのパニカム種など)、多年生イネ科植物(例えばダンチク(giant reed))、木材(例えばウッドチップ、加工廃材)、紙(古紙など)、パルプ、及び再生紙(例えば新聞紙、プリンター用紙など)が挙げられる。他のバイオマス材料としては、これらに限定されるものではないが、ジャガイモ、大豆(例えば菜種)、大麦、ライ麦、オート麦、小麦、ビーツ、及びサトウキビバガスが挙げられる。好適なリグノセルロースバイオマス材料としては、これらに限定されるものではないが、種子、穀粒、塊茎、食品加工又は工業プロセスの植物性廃棄物若しくは副生成物(例えば茎)、トウモロコシ(例えば穂軸、茎葉など)、草類(例えば、ソルガストラム・ニュータンス(Sorghastrum nutans)などのインディアングラス;又はスイッチグラス、例えばパニカム・バーガタム(Panicum virgatum)などのパニカム種など)、多年生イネ科植物(例えばダンチク(giant reed))、木材(例えばウッドチップ、加工廃材)、紙、パルプ、再生紙(例えば新聞紙)、ウッドパルプ、又はおがくずが挙げられる。草類の例としては、これらに限定されるものではないが、インディアングラス及びスイッチグラスが挙げられる。アシ類の例としては、これらに限定されるものではないが、ダンチク(giant reed)などの特定の多年生イネ科植物が挙げられる。古紙の例としては、これらに限定されるものではないが、廃棄された又は使用済みのコピー用紙、コンピュータのプリンター用紙、ノートブック用紙、ノートバッド用紙、タイプライター用紙、新聞紙、雑誌、ボール紙、紙を使用した包装材が挙げられる。
糖化されたバイオマスは、例えば微生物発酵及び/又は化学合成などのプロセスにより、多くのバイオ製品に転換することができる。本明細書で使用するところの「微生物発酵」とは、適当な条件下で発酵微生物を増殖及び収穫するプロセスのことを指す。発酵微生物は、バイオ製品を製造するための望ましい発酵プロセスで使用するのに適した任意の微生物でありうる。好適な発酵微生物としては、これらに限定されるものではないが、糸状菌類、酵母、及び細菌が挙げられる。糖化されたバイオマスは、例えば、発酵及び/又は化学合成によって燃料(例えばバイオエタノール、バイオブタノール、バイオメタノール、バイオプロパノール、バイオディーゼル、ジェット燃料など)に転換することができる。糖化されたバイオマスは、例えば、発酵及び/又は化学合成によってコモディティーケミカル(例えば、アスコルビン酸、イソプレン、1,3−プロパンジオール)、脂質、アミノ酸、タンパク質、及び酵素に転換することもできる。
バイオマス材料は、セルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物を含みうる。例えばバイオマス材料は、グルカン及び/又はキシランを含みうる。
一部の態様では、バイオマス混合物の粘度を低下させる方法であって、そのバイオマス混合物を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む非天然組成物と接触させることを含む、方法が提供される。ポリペプチドは、粘度を低下させるうえで充分な量である。バイオマス混合物は、バイオマス材料(例えば前処理されたバイオマス材料)を含みうる。バイオマス混合物は、本明細書において提供されるいずれかの酵素組成物などの酵素組成物、又はそれらの混合物を含みうる。
一部の態様では、本明細書において提供されるいずれかのポリペプチド、組成物を使用して、バイオマス材料などの基質を加水分解するか、又は糖化プロセスにおける基質/酵素混合物の粘度を低下させることができる。基質は、バイオマス材料であってよい。基質は、単離されたセルロース又は単離されたヘミセルロースであってよい。基質は、グルカン及び/又はキシランであってよい。一部の態様では、バイオマス材料は前処理されたバイオマス材料である。
バイオマス材料の前処理
糖化に先立って、バイオマス材料を1以上の前処理工程に供することにより、キシラン、ヘミセルロース、セルロース、及び/又はリグニン材料と酵素との接触性を高めるか又は酵素の作用を受けやすくし、これにより本開示の酵素及び/又は酵素ブレンド/組成物による加水分解をより受けやすくすることが好ましい。
前処理には、化学的、物理的、及び生物学的前処理が含まれうる。例えば、物理的前処理の方法としては、これらに限定されるものではないが、各種の粉砕処理、破砕処理、蒸気処理/蒸気爆発、放射線照射、及び熱加水分解が挙げられる。化学的前処理の方法としては、これらに限定されるものではないが、希釈酸、アルカリ、有機溶媒、アンモニア、二酸化硫黄、二酸化炭素、及びpH調整熱加水分解が挙げられる。生物学的前処理の方法としては、これに限定されるものではないが、リグニン可溶化微生物を適用することが挙げられる。前処理は、約1時間〜約120時間など、数分〜数時間にわたって行うことができる。
一部の態様では、本明細書において提供される方法又はプロセスのいずれも、バイオマスを酸又は塩基で前処理することなど、バイオマス材料を前処理することを更に含みうる。酸又は塩基は、アンモニア、水酸化ナトリウム、又はリン酸であってよい。本方法は、バイオマス材料をアンモニアで前処理することを更に含みうる。前処理は、蒸気爆発、パルプ化、粉砕、酸加水分解、又はこれらの組み合わせであってよい。
一実施形態では、前処理は、高温、及び、希釈酸、濃縮酸、又は希釈アルカリ溶液のいずれかを添加することによるものでもよい。前処理溶液は、ヘミセルロース成分を少なくとも一部加水分解するのに充分な時間加えた後で中和することができる。
例示的な一実施形態では、前処理において、バイオマス材料を反応器中で強酸の希釈溶液及び金属塩を含む触媒に接触させることを行う。バイオマス材料は、例えば未加工材料又は乾燥材料であってもよい。この前処理により、セルロース加水分解の活性化エネルギー又は温度を低下させ、最終的に発酵性糖の収率をより高めることが可能となる。例えば、米国特許第6,660,506号、同第6,423,145号を参照されたい。
別の例示的な前処理の方法では、水性媒質中で、セルロースをグルコースに大きく脱重合させることなく、主としてヘミセルロースの脱重合が行われるように選択された温度及び圧力で第1の加水分解工程にバイオマス材料を供することにより、バイオマスを加水分解することを行う。この工程により、液体水相にヘミセルロースの脱重合から生じた単糖が溶解し、固体相がセルロース及びリグニンを含むスラリーが得られる。次いでこのスラリーを、セルロースの大部分が脱重合されるような条件下で第2の加水分解工程に供することで、セルロースの溶解した/可溶性の脱重合生成物を含む液体水相が得られる。例えば、米国特許第5,536,325号を参照されたい。
本方法の更なる一例では、約0.4%〜約2%の強酸を使用した1以上の希釈酸加水分解の段階によりバイオマス材料を処理した後、酸加水分解された材料の未反応の固体リグノセルロース成分をアルカリ脱リグニン化によって処理することを行う。例えば、米国特許第6,409,841号を参照されたい。
前処理の方法の別の例は、予備加水分解反応器中でバイオマス(例えばリグノセルロース材料)を予備加水分解することと、固体リグノセルロース材料に酸性の液体を加えて混合物とすることと、その混合物を反応温度にまで加熱することと、リグノセルロース材料が、少なくとも約20%のリグノセルロース材料に由来するリグニンを含む可溶化部分と、セルロースを含む固体画分とに分画されるだけの充分な時間にわたって反応温度を維持することと、可溶化部分を固体画分から分離し、可溶化部分が反応温度か又はそれに近い温度にある間に可溶化部分を除去することと、可溶化部分を回収することと、を含む。固体画分中のセルロースは、酵素による消化をより受けやすくする。例えば、米国特許第5,705,369号を参照されたい。
更なる前処理の方法では、過酸化水素Hを使用することができる。Gould,1984,Biotech,and Bioengr.26:46〜52を参照されたい。
前処理はまた、バイオマス材料を化学量論的な量の水酸化ナトリウム及び水酸化アンモニウムと極めて低濃度で接触させることも含みうる。Teixeiraら、1999,Appl.Biochem.and Biotech.77〜79:19〜34を参照されたい。前処理はまた、リグノセルロースを、pH約9〜約14、穏やかな温度、圧力及びpHで化学物質(例えば、炭酸ナトリウム又は水酸化カリウムなどの塩基)と接触させることも含みうる。国際特許出願公開第WO2004/081185号を参照されたい。
前処理の方法においてアンモニアを使用することもできる。こうした前処理の方法は、バイオマス材料を高固形分の条件下で低濃度のアンモニアに曝露することを含む。例えば、米国特許出願公開第20070031918号、国際特許出願公開第WO 06110901号を参照されたい。
糖化プロセス及び粘度の低下
本開示は、バイオマス混合物の粘度を低下させる方法であって、バイオマス混合物を、バイオマス混合物の粘度を低下させるうえで充分な量のグリコシルヒドロラーゼファミリー61(「GH61」)エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物(例えば非天然組成物)と接触させることを含む、方法を提供する。一部の態様では、バイオマス混合物は、バイオマス材料と、発酵性糖と、全セルラーゼと、セルラーゼ活性を有するポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物とを含む。一部の態様では、粘度は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4ポリペプチド又はその変異体)の非存在下でのバイオマス混合物の粘度と比較して、少なくとも約5%(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれか)低下させられる。本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、バイオマス材料は、ヘミセルロース、セルロース、又はこれらの混合物を含む。一部の態様では、バイオマス物質は、グルカン、キシラン、及び/又はリグニンを含む。
本明細書において提供される方法及びプロセスは、様々な条件下で行うことができる。例えば、本明細書において提供されるいずれの方法も、約3.5〜約7.0のpHの範囲、例えば約4.0〜約6.5のpH、約4.4〜約6.0のpH、約4.8〜約5.6のpH、又は約4.5〜約5.5で行うことができる。バイオマス材料を含む糖化混合物は、当業者には周知の任意の方法に従って、塩基又は酸(硫酸など)を使用して所望のpHに調整することができる。例えば、前処理したバイオマス材料に、塩基又は酸(硫酸など)を加えることによって糖化に望ましいpHとすることができる。バイオマス材料を加水分解するための、又はバイオマス混合物の粘度を低下させるためのいずれの方法も、約4.8〜約5.6のpH(例えば、約4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、又は5.6のいずれかのpH)で行うことができる。一部の態様では、本方法は更に、バイオマス混合物のpHを約4.0〜約6.5のpH(例えば約4.5〜約5.5のpH)に調整することを含む。
本明細書において提供される方法及びプロセスは、例えば、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、10日間、14日間、3週間、又は4週間などの任意の長さの時間にわたって行うことができる。本明細書に述べられるいずれかの糖化時間の後では、発酵性糖の量は増加し、かつ/又は糖化混合物の粘度が低下する。一部の態様では、本方法は、約2時間〜約7日間(例えば約4時間〜約6日間、約8時間〜約5日間、又は約8時間〜約3日間)にわたって行われる。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)を、バイオマス材料を前処理した後に加えることができる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)は、別の酵素組成物(ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、又は全セルラーゼを含む酵素組成物など)をバイオマス材料に加える前又は後でバイオマス材料に加えることができる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)は、(a)バイオマス材料及び/又は発酵性糖、並びに(b)酵素(ヘミセルラーゼ、又は全セルラーゼを含むセルラーゼなど)を含むバイオマス混合物に加えることができる。一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)は、一定時間(約5分間、10分間、30分間、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、又は5日間のいずれかなど)加水分解されたバイオマス混合物に加えられる。
GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)は、糖化の際にバイオマス材料に加えることができる。GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む全セルラーゼを含む組成物(例えば非天然組成物)を、糖化の際にバイオマス材料に加えることができる。
本方法のいずれか1つにおいて使用されるバイオマス材料は、液体形態、固体形態、又はこれらの混合物であってよい。本方法のいずれか1つにおいて使用されるバイオマス材料は、湿潤形態、乾燥形態、異なる含水量を有する材料、又はこれらの混合物であってよい。本方法のいずれか1つにおいて使用されるバイオマス材料は、乾燥固体形態(開始物質としての乾燥固体形態など)であってよい。バイオマス材料は、当業者には周知の任意の方法に従って、以下の形態、すなわち、湿潤形態、乾燥形態、固体形態、液体形態、又はこれらの混合物のいずれかに加工処理することができる。
本方法のいずれかにおいて使用されるバイオマス材料は、加水分解混合物又は糖化混合物の全重量の少なくとも約0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、又は60重量%のいずれかの量で糖化混合物中に存在しうるものであり、その場合、バイオマス材料の量とは、固体状態のバイオマス材料(又は乾燥状態、乾燥固体状態、天然の状態、若しくは未処理の状態のバイオマス材料)の重量のことを指す。バイオマス材料は、バイオマス材料を含む加水分解混合物の約0.5重量%〜約55重量%、1重量%〜約40重量%、5重量%〜約60重量%、約10重量%〜約55重量%、約10重量%〜約50重量%、約15重量%〜約50重量%、約15重量%〜約40重量%、約15重量%〜約35重量%、約15重量%〜約30重量%、約20重量%〜約35重量%、又は約20重量%〜約30重量%の量であってもよく、その場合、バイオマス材料の量とは、固体状態のバイオマス材料(又は乾燥状態、乾燥固体状態、天然の状態、若しくは未処理の状態のバイオマス材料)の重量のことを指す。本方法のいずれかにおいて使用されるバイオマス材料は、加水分解混合物又は糖化混合物の全重量の約0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、又は60重量%のいずれかの量で糖化混合物中に存在してもよく、その場合、バイオマス材料の量とは、固体状態のバイオマス材料(又は乾燥状態、乾燥固体状態、天然の状態、若しくは未処理の状態のバイオマス材料)の重量のことを指す。
加水分解混合物又は糖化混合物には、バイオマス材料、酵素(例えば、本明細書において提供されるいずれか1つのポリペプチド)、酵素組成物(例えば、本明細書において提供される組成物のいずれか1つ)、及び/又は糖化に必要な成分などの他の成分が含まれる。
上記の「例示的組成物」の項に示した組成物のいずれか1つなどの、本明細書において提供されるいずれの組成物も、本明細書に述べられる方法において使用することができる。本明細書において提供されるいずれか1つの方法において使用される、本明細書に述べられるいずれかの組成物の量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が約0.05mg〜約50mg、約0.1mg〜約40mg、約0.2mg〜約30mg、約0.5mg〜約25mg、約1mg〜約25mg、約2mg〜約25mg、約5mg〜約25mg、又は約10mg〜約25mgとなる範囲であってよい。バイオマス材料を加水分解するための方法及び/又はバイオマス混合物の粘度を低下させるための方法のいずれか1つにおいて使用される、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む非天然組成物は、バイオマス材料などの基質中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が約0.05mg〜約50mg、約0.1mg〜約40mg、約0.2mg〜約30mg、約0.5mg〜約25mg、約1mg〜約25mg、約2mg〜約25mg、約5mg〜約25mg、又は約10mg〜約25mgであってよい。
一部の態様では、バイオマス材料を加水分解するための方法及び/又はバイオマス混合物の粘度を低下させるための方法のいずれかにおいて使用される、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む非天然組成物は、バイオマス材料などの基質中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が少なくとも約0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、7.5mg、10mg、12mg、14mg、15mg、16mg、17.5mg、18mg、20mg、22.5mg、25mg、27.g mg、30mg、35mg、40mg、45mg、又は50mgのいずれかとなる量である。一部の態様では、バイオマス材料を加水分解するための方法及び/又はバイオマス混合物の粘度を低下させるための方法のいずれかにおいて使用される、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む非天然組成物は、バイオマス材料などの基質中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が約0.1mg、0.2mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、7.5mg、10mg、12mg、14mg、15mg、16mg、17.5mg、18mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5gmg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、75mg、又は100mgのいずれかを超えない量である。一部の態様では、バイオマス材料を加水分解するための方法及び/又はバイオマス混合物の粘度を低下させるための方法のいずれかにおいて使用される、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む非天然組成物は、バイオマス材料などの基質中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が約0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、7.5mg、10mg、12mg、14mg、15mg、16mg、17.5mg、18mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg、30mg、35mg、40mg、45mg、又は50mgのいずれかとなる量である。バイオマス材料などの基質中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物の量は、当業者には周知の任意の方法を用いて計算することができる。バイオマス材料は、グルカン、キシラン、及び/又はリグニンを含みうる。
本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物の量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たりのタンパク質が約0.1mg〜約50mg(例えば、約0.2mg〜約40mgのタンパク質、約0.5mg〜約30mgのタンパク質、約1mg〜約20mgのタンパク質、又は約5mg〜約15mgのタンパク質)となる量である。本明細書に述べられるタンパク質の量とは、組成物中の全タンパク質の重量のことを指す。タンパク質には、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)が含まれ、組成物中のセルラーゼポリペプチド及び/又はヘミセルラーゼポリペプチドなどの他の酵素も含まれる。
本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)の量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約1mg〜約5mgのタンパク質)である。
本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)及びエンドグルカナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg1、T.リーゼイ(T. reesei)Eg2、及び/又はこれらの変異体)を含み、その場合、エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドの全量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約1mg〜約5mgのタンパク質)である。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)及びセロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、及び/又はこれらの変異体)を含み、その場合、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドの量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約1mg〜約5mgのタンパク質)である。
本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)及びβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3C、Pa3D、Fv3G、Fv3D、Tr3A、Tr3B、Te3A、An3A、Fo3A、Gz3A、Nh3A、Vd3A、Pa3G、Tn3B、又はこれらの変異体)を含み、その場合、β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドの量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約0.5mg〜約5mgのタンパク質)である。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)及びキシラナーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2、AfuXyn2、AfuXyn5、又はこれらの変異体)を含み、その場合、キシラナーゼ活性を有するポリペプチドの量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約0.5mg〜約5mgのタンパク質)である。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)及びβ−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Fv3A、Fv43A、Pf43A、Fv43D、Fv39A、Fv43E、Fo43A、Fv43B、Pa51A、Gz43A、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1、又はこれらの変異体)を含み、その場合、β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドの量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約0.5mg〜約5mgのタンパク質)である。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)及びL−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド(例えば、Af43A、Fv43B、Pf51A、Pa51A、Fv51A、又はこれらの変異体)を含み、その場合、L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの量は、バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、又はセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg(例えば、約0.2mg〜約20mgのタンパク質、約0.5mg〜約10mgのタンパク質、又は約0.5mg〜約5mgのタンパク質)である。
本明細書において提供されるいずれか1つの方法では、バイオマス混合物の粘度を、本明細書において提供される酵素組成物の非存在下でのバイオマス混合物の粘度と比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%のいずれかだけ低下させることができる。例えば、バイオマス混合物の粘度を低下させる方法であって、そのバイオマス組成物を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む非天然組成物と接触させることを含み、粘度が、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)の非存在下でのバイオマス混合物の粘度と比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%のいずれかだけ低下させられる方法が提供される。一部の態様では、粘度は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)の非存在下でのバイオマス混合物の粘度と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%のいずれかだけ低下させられる。本明細書に述べられる粘度の低下は、一定時間の糖化の後に見られる。例えば、粘度の低下は、30分間、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、又は5日間の糖化の後に見られる。粘度の測定方法は当該技術分野では周知のものである。例えば粘度は肉眼で測定することが可能であり、あるいはBrookfield粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング社(Brookfield Engineering, Inc))などの粘度計によって測定することもできる。例えば糖化反応混合物の粘度は、アンモニアで前処理したトウモロコシの穂軸を基質として用いて、粘度計を使用して測定することができる。粘度計は、スラリー中でスピンドルを一定の速度で回転させるために必要とされる抵抗(トルク)を測定することができる。
本明細書において提供される方法は、糖化に適した温度で実施することができる。例えば、本明細書に述べられるいずれか1つの方法は、約20℃〜約75℃、約25℃〜約70℃、約30℃〜約65℃、約35℃〜約60℃、約37℃〜約60℃、約40℃〜約60℃、約40℃〜約55℃、約40℃〜約50℃、又は約45℃〜約50℃で行うことができる。一部の態様では、本明細書に述べられるいずれか1つの方法は、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約37℃、約40℃、約45℃、約48℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、又は約75℃で行うことができる。
本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、その方法は、発酵性糖を製造することを含み、発酵性糖の量が、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)の非存在下で製造される発酵性糖の量と比較して、少なくとも約5%(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれか)増加する。
更に本明細書では、バイオマス材料の加水分解においてGH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む組成物(例えば非天然組成物)を使用することにより、発酵性糖の量を増加させる(及び/又は、グルカン変換率などの、バイオマス材料から発酵性糖への変換率を増大させる)方法も提供される。これらに限定されるものではないが、グルコース、キシロース、及び/又はセロビオースなどの様々な発酵性糖がバイオマス材料の加水分解により製造される。一部の態様では、バイオマス材料の加水分解により製造される発酵性糖の量は、本明細書において提供される酵素組成物の非存在下での発酵性糖の量と比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%のいずれかだけ増加させられる。例えば、発酵性糖の量を増加させる方法であって、バイオマス材料を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)を含む非天然組成物と接触させることを含み(糖化プロセスを開始又は更に進行させるため)、糖化による発酵性糖の量が、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)の非存在下での糖化による発酵性糖の量と比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%のいずれかだけ増加する方法が提供される。一部の態様では、糖化による発酵性糖の量は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4などのEG IV又はその変異体)の非存在下での糖化による発酵性糖の量と比較して、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%のいずれかだけ増加する。本明細書に述べられるバイオマス材料の加水分解による発酵性糖の量の増加は、一定時間の糖化の後に見られる。例えば、発酵性糖の量の増加は、30分間、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、又は5日間の糖化の後に見られる。発酵性糖の量及び/又はグルカン変換率の測定方法は、当業者には周知のものである。
糖化混合物の粘度の低下は、所望の発酵性糖の収率の改善と相関していると考えられる。
一部の態様では、本方法は、バイオマス材料を、全セルラーゼを含む組成物と接触させる工程を更に含む。一部の態様では、バイオマス材料を、全セルラーゼを含む組成物と接触させる工程は、バイオマス材料を、グリコシルヒドロラーゼ61(「GH61」)エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物と接触させる前、後、又は同時に行われる。
本明細書に述べられるいずれかの方法の一部の態様では、本方法は、バイオマス材料を、セルラーゼ活性を有するポリペプチド、及び/又はヘミセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物と更に接触させる工程を含む。一部の態様では、バイオマス材料を、セルラーゼ活性を有するポリペプチド、及び/又はヘミセルラーゼ活性を有するポリペプチドを含む組成物と更に接触させる工程は、バイオマス材料を、グリコシルヒドロラーゼ61(「GH61」)エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物と接触させる前、後、又は同時に行われる。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含み、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)と、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドとは、バイオマス材料を、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含む組成物と接触させる前に互いに混合される。
一部の態様では、組成物は、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)を含み、更に、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドを含み、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)と、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドとは、異なる時点でバイオマス材料に加えられる(例えば、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)Eg4又はその変異体)は、少なくとも1種類のセルラーゼポリペプチド及び/又は少なくとも1種類のヘミセルラーゼポリペプチドがバイオマス材料に加えられる前又は後に加えられる)。
例えば以下の米国特許出願公開第20050054039号、同第20050037459号、同第20060205042号、同第20050048619A1号、及び同第20060218671号のいずれか1つに述べられるように、CBHポリペプチドを使用し、より高い温度で高いセルロース変換率を実現することができる。β−グルコシダーゼを過剰発現させる方法は当該技術分野では周知のものである。例えば、米国特許第6,022,725号を参照されたい。また、例えば米国特許出願第20050214920号も参照されたい。
本開示の方法は、微生物用の化学発酵原料、並びに、タンパク質、有機生成物、化学物質及び燃料、プラスチック、並びに他の製品又は中間体の製造用の誘引物質としての単糖類、二糖類、及び多糖類の製造に使用することができる。詳細には、セルロース又はヘミセルロースを部分的又は完全に可溶化することにより、加工処理残渣(乾燥した醸造用穀物、醸造より生ずる使用済み穀物、サトウキビバガスなど)の価値を高めることができる。エタノール以外に、セルロース及びヘミセルロースから製造することが可能な化学物質としては、アセトン、アセテート、グリシン、リシン、有機酸(例えば乳酸)、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、グリセロール、エチレングリコール、フルフラール、ポリヒドロキシアルカノエート、シス,シス−ムコン酸、動物用飼料及びキシロースが挙げられる。
商業的方法
本開示のセルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼ組成物は、工業的及び/又は商業的な状況で更に使用することができる。したがって、本発明の非天然セルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼ組成物を製造、販売、又は商業化する方法もまた、想到されるものである。
特定の実施形態では、例えば本明細書に述べられる1以上のGH61エンドグルカナーゼ又はその変異体を含む、本発明の非天然セルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼ組成物は、特定のエタノール(バイオエタノール)精錬所又は他のバイオケミカル若しくはバイオ材料の製造業者に供給又は販売することができる。第1の例では、非天然セルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼ組成物は、工業的規模での酵素の製造を専門に行う酵素製造施設において製造することができる。この後、非天然セルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼ組成物は包装されるか、又は酵素製造業者の顧客に販売される。このような操業手法を、本明細書では「商業的酵素供給モデル」と呼ぶ。
別の操業手法では、本発明の非天然セルラーゼ及びヘミセルラーゼ組成物は、バイオエタノール精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造業者に位置するか若しくはその近くに位置する場所(「オンサイト」)に酵素製造業者によって建設される最新の酵素製造システムで製造することができる。一部の実施形態では、酵素製造業者と、バイオエタノール精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造業者とにより、酵素供給の取り決めが行われる。酵素製造業者は、本明細書に述べられる宿主細胞、発現、及び製造方法を用いてオンサイトで酵素製造システムを設計、制御、及び稼働して、非天然セルラーゼ及び/又はヘミセルラーゼ組成物を製造する。特定の実施形態では、好ましくは本明細書に述べられるような適当な前処理を行った適当なバイオマスを、バイオエタノール精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造施設若しくはその近くにおいて、本明細書に述べられる糖化方法並びに酵素及び/又は酵素組成物を用いて加水分解することができる。次いで得られた発酵性糖を、同じ施設又は近くの設備において発酵に供することができる。このような操業手法を、本明細書では「オンサイトバイオ精錬モデル」と呼ぶ。
オンサイトバイオ精錬モデルは、例えば、商業的酵素供給業者からの酵素の供給に対する依存度が最小限に留められるような自給自足型の操業が可能となるなど、商業的な酵素供給モデルと比較して所定の利点を与えるものである。これにより、バイオエタノール精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造業者が、リアルタイム又はほぼリアルタイムの需要に基づいて酵素の供給をより効果的に調整することが可能となる。特定の実施形態では、互いに近くに位置する2箇所又は2箇所以上のバイオエタノール精錬所及び/又はバイオケミカル/バイオ材料製造業者の間でオンサイト酵素製造施設を共有して、酵素の輸送及び保管のコストを低減することが考えられる。更に、これによって、オンサイトでの酵素製造施設における「ドロップイン」技術の速やかな改善が可能となり、発酵性糖、ひいてはバイオエタノール又はバイオケミカルの収率を高めるような酵素組成物の改良の間のタイムラグが短縮される。
オンサイトバイオ精錬モデルは、本開示のセルラーゼ及び非天然ヘミセルラーゼ組成物ばかりでなく、デンプン(例えばトウモロコシ)を処理することでデンプンのバイオエタノール又はバイオケミカルへのより効率的かつ効果的な直接変換を可能とする酵素及び酵素組成物を製造、供給及び生産するために使用することができるという点で、バイオエタノール及びバイオケミカルの工業的生産及び商業化におけるより一般的な応用性を有するものである。こうしたデンプン処理酵素は、特定の実施形態では、オンサイトのバイオ精錬所において製造した後、バイオエタノール精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造施設に速やかかつ容易に取り入れて、バイオエタノールを製造することができる。
したがって、特定の態様では、本発明は、本明細書に述べられる酵素(例えば、特定のGH61エンドグルカナーゼ及びその変異体)、細胞、組成物(例えば、適当なGH61エンドグルカナーゼ又はその変異体を含む)、及びプロセスを、特定のバイオエタノール、バイオ燃料、バイオケミカル、又は他のバイオ材料の製造及び販売に適用する特定の商業的方法にも関するものである。一部の実施形態では、本発明は、オンサイトバイオ精錬モデルにおけるこのような酵素、細胞、組成物及びプロセスの適用に関する。他の実施形態では、本発明は、商業用酵素供給モデルにおけるこのような酵素、細胞、組成物及びプロセスの適用に関する。
これに関連して、本開示は、商業的状況における本発明の酵素及び/又は酵素組成物の使用を提供する。例えば、本開示の酵素及び/又は酵素組成物は、酵素及び/又は組成物の一般的又は好ましい使用方法の説明書とともに、適当な市場で販売することができる。したがって、本開示の酵素及び/又は酵素組成物は、商業的酵素供給者モデルにおいて使用又は商業化することが可能であり、その場合、本開示の酵素及び/又は酵素組成物は、燃料又はバイオ製品の業界におけるバイオエタノールの製造業者、燃料精錬所、又はバイオケミカル若しくはバイオ材料の製造業者に販売される。一部の態様では、本開示の酵素及び/又は酵素組成物は、オンサイトバイオ精錬モデルを用いて販売又は商業化することが可能であり、その場合、酵素及び/又は酵素組成物は、燃料精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造業者の施設又はこれに近い施設において製造又は調製され、本発明の酵素及び/又は酵素組成物は、燃料精錬所又はバイオケミカル/バイオ材料製造業者の具体的なニーズに合わせて、リアルタイムに調整される。更に、本開示は、所望のバイオ製品(例えばバイオ燃料、バイオケミカル、バイオ材料など)の製造及び販売を可能とするように、酵素及び/又は酵素組成物を使用するためのテクニカルサポート及び/又は使用説明書をこれらの製造業者に提供することに関する。
以下に、本発明の方法及び組成物の実施例を示す。上記に示した一般的な説明を考慮することで、他の異なる実施形態も実施可能である点は理解されるであろう。
実施例1:アッセイ/方法
以下のアッセイ/方法を、下記に述べる実施例において一般的に使用した。下記に示すプロトコールからのすべての変更点は、具体的な実施例に示す。
A.バイオマス基質の前処理
国際特許出願公開第WO06110901A号に述べられる方法及び処理範囲に従って(特に断らないかぎり)、酵素加水分解に先立ってトウモロコシの穂軸、トウモロコシの茎葉、及びスイッチグラスの前処理を行った。前処理に関するこれらの参照文献は、米国特許出願公開第20070031918−A1号、同第20070031919−A1号、同第20070031953−A1号、及び/又は同第20070037259−A1号の開示内容にも含まれている。
アンモニア繊維爆発処理(AFEX)したトウモロコシ茎葉を、ミシガン・バイオテクノロジー・インスティテュート・インターナショナル社(Michigan Biotechnology Institute International)(MBI)より入手した。トウモロコシ茎葉の組成は、米国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)(NREL)の手法であるNREL LAP−002を用い、MBI(Teymouri,Fら、Applied Biochemistry and Biotechnology,2004,113:951〜963)により決定されている。NRELの手順は、http://www.nrel.gov/biomass/analytical_procedures.htmlにおいて入手可能である。
FPPパルプ及び紙基質を、スマーフィット・カッパ・セルロース・ド・パン社(SMURFIT KAPPA CELLULOSE DU PIN)(フランス)より入手した。
蒸気膨張サトウキビバガス(SEB)を、サン・オプタ社(SunOpta)より入手した(Glasser,WGら、Biomass and Bioenergy 1998,14(3):219〜235;Jollez,Pら、Advances in thermochemical biomass conversion,1994,2:1659〜1669)。
B.バイオマスの組成分析
「バイオマス中の構造性炭水化物及びリグニンの測定(Determination of structural carbohydrates and lignin in the biomass)」、(National Renewable Energy Laboratory,Golden,CO 2008 http://www.nrel.gov/biomass/pdfs/42618.pdf)に述べられる2工程の酸加水分解法を用いてバイオマス基質の組成物を測定した。この方法を用いて、酵素加水分解の結果を、基質の開始時のグルカン及びキシラン含量からの理論的収率に対する変換率(%)として本明細書に報告した。
C.全タンパク質アッセイ
BCAタンパク質アッセイは、分光光度計によってタンパク質濃度を測定する比色分析アッセイである。BCAタンパク質アッセイキット(ピアース・ケミカル社(Pierce Chemical)、製品番号23227)を製造者の指示に従って使用した。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5)を使用して、酵素希釈液を試験チューブ中で調製した。希釈した酵素溶液(0.1mL)を、1mLの15%トリクロロ酢酸(TCA)が入った2mLのエッペンドルフ遠心チューブに加えた。チューブをボルテックスにかけ、氷浴中に10分間置いた。次いで、各試料を14,000rpmで6分間遠心した。上清を捨て、ペレットを1mLの0.1N NaOHに再懸濁し、ペレットが溶解するまでチューブをボルテックスした。BSA標準溶液を2mg/mLのストック溶液から調製した。BCA作用溶液を、0.5mLの試薬Bを25mLの試薬Aと混合することにより調製した。0.1mLの酵素再懸濁試料を3本のエッペンドルフ遠心チューブに加えた。2mLのPierce BCA作用溶液を、各試料及びBSA標準エッペンドルフチューブに加えた。すべてのチューブを37℃の水浴中で30分間インキュベートした。次いで各試料を室温にまで冷却し(15分間)、分光光度計で562nmの吸光度を測定した。
各標準についてタンパク質吸光度の平均値を計算した。このタンパク質の標準の平均値を、X軸上に吸光度を、Y軸上に濃度(mg/mL)をとってプロットした。各点を下記の直線の式にあてはめた。すなわち、
y=mx+b
酵素試料の非処理濃度を、吸光度をXの値に代入することによって計算した。全タンパク質濃度を、希釈係数を掛けることによって計算した。
精製された試料の全タンパク質を、A280(Pace,CNら、Protein Science,1995,4:2411〜2423)によって求めた。
発酵産物の全タンパク質含量は、ケルダール法(アールテック・ラボラトリーズ社(rtech laboratories)、www.rtechlabs.com)又はデュマ(DUMAS)法によりインハウスで(トゥルースペック・シー・エヌ社(TruSpec CN)、www.leco.com)、燃焼、放出される窒素の捕捉及び測定により全窒素としてしばしば測定されている(Sader,A.P.O.ら、Archives of Veterinary Science,2004,9(2):73〜79)。例えば発酵ブロスなどの複雑なタンパク質含有試料の場合には、平均で16%のN含有率、タンパク質への窒素の変換係数として6.25を用いた。場合により、全沈殿タンパク質を測定して、干渉する非タンパク質性の窒素を除外した。12.5%の最終TCA濃度を用い、タンパク質含有TCAペレットを0.1M NaOHに再懸濁した。
場合により、Coomassie Plus−the Better Bradfordアッセイ(サーモ・サイエンティフィック社(Thermo Scientific)、イリノイ州、ロックフォード、製品番号23238)を、製造者の推奨するところに従って使用した。また、場合により、ワイクセルバウム(Weichselbaum)及びゴルナール(Gornall)によりウシ血清アルブミンを検量物質として使用して改変されたビウレット法を用いて、全タンパク質を測定した(Weichselbaum,T.Amer.J.Clin.Path.1960,16:40;Gornall,A.ら、J.Biol.Chem.1949,177:752)。
D.ABTSを用いたグルコースの測定
グルコース測定用のABTS(2,2’−アジノ−ビス(3−エチレンチアゾリン−6)−スルホン酸)アッセイは、Oの存在下では、グルコース酸化酵素が、化学量論的な量の過酸化水素(H)を生成しながらグルコースの酸化を触媒するという原理に基づいたものである。この反応の後に、Hの濃度と線形の相関を示す、ABTSの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)により触媒される酸化を行う。酸化型ABTSの生成は、405nmのODにおいて定量される緑色の呈色によって示される。ABTS粉末(シグマ社(Sigma)、#A1888−5g、2.74mg/mL)、0.1U/mLのHRP(100U/mL、シグマ社(Sigma)、#P8375)、及び1U/mLのグルコースオキシダーゼ(OxyGO(登録商標)HP L5000、5000U/mL、ダニスコ・ユー・エス・エー社ジェネンコア部門(Genencor Division, Danisco USA))の混合物を、50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)中で調製し、暗所で保管した(基質)。グルコース標準溶液(0、2、4、6、8、10nmol)を50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)中で調製し、10μLの各標準溶液を96穴平底MTP中に3重で加えた。10μLの連続希釈した試料もMTPに加えた。100μLのABTS基質溶液を各ウェルに加え、プレートを分光光度プレートリーダー上に置いて、ABTSの酸化を405nmで5分間、速度論的に読み取った。
また、15〜30分間のインキュベート後に、2% SDSを含む50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)によって反応を停止させた後で405nmの吸光度を測定した。
E.HPLCによる糖の分析
透明な不溶性物質が得られるまで遠心し、0.22μmのナイロンフィルター(Spin−X遠心チューブフィルター、コーニング社(Corning Incorporated)、ニューヨーク州コーニング)に通して濾過し、蒸留水で適当な濃度の可溶性糖にまで希釈することによって、バイオマス糖化からの試料を調製した。モノマー糖は、6×50mmのSH−1011Pガードカラムを備えたShodex Sugar SH−G SH1011、8×300mm(www.shodex.net)で測定した。溶媒は、0.01NのHSOを0.6mL/分で流した。カラム温度は50℃とし、屈折率により検出を行った。また、Waters 2410屈折率検出器を備えたBiorad Aminex HPX−87Hカラムを使用して、糖の分析を行った。分析時間は20分間であり、注入体積は20μLの希釈試料であり、移動相は、0.2μmで濾過し、脱気した0.01N硫酸であり、流速は0.6mL/分であり、カラム温度は60℃であった。グルコース、キシロース、及びアラビノースの外部標準を各試料群とともに流した。
オリゴマー糖を、Tosoh Biosep G2000PWカラム、7.5mmx60cm(www.tosohbioscience.de)を使用し、HPLC中でサイズ排除クロマトグラフィーによって分離した。溶媒は0.6mL/分の蒸留水であり、カラムは室温で操作した。サイズの較正に使用した六炭素糖の標準物質は、スタキオース、ラフィノース、セロビオース及びグルコースであり、五炭素糖は、キシロヘキソース、キシロペントース、キシロテトロース、キシロトリオース、キシロビオース及びキシロースであった。キシロ−オリゴマーは、メガザイム社(Megazyme)より入手した(www.megazyme.com)。検出は屈折率により行い、定量的に報告されている場合、結果は、ピーク面積単位又は相対ピーク面積(%)である。
全可溶性糖を、上記に述べた遠心分離及びフィルターで清澄化した試料の加水分解により測定した。清澄化した試料を0.8NのHSOにより1:1で希釈し、得られた溶液を、キャップしたバイアル中で1時間の全サイクル時間にわたって121℃でオートクレーブした。結果は、加水分解の間のモノマー糖の損失について補正せずに報告した。
F.穂軸からのオリゴマーの調製及び酵素アッセイ
トウモロコシ穂軸のT.リーゼイ(T. reesei)Xyn3による加水分解によるオリゴマーを、グルカン及びキシラン1g当たり8mgのT.リーゼイ(T. reesei)Xyn3と、乾燥重量で250gの希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸とを、50mM、pH 5.0の酢酸ナトリウム緩衝液(1N硫酸によりpHを調整したもの)中でインキュベートすることにより調製した。反応は、48℃で72時間、180rpmで回転振盪を行って進行させた。上清を9,000×Gで遠心した後、0.22μmのNalgeneフィルターに通して濾過して可溶性糖を回収した。その後の酵素アッセイを行うため、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3オリゴマーを含む上清の100μLのアリコートを、1μg/μLのT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A、1μg/μLのT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4#27、又はコントロールとしての水とともに、エッペンドルフチューブ中、48℃で2.5時間インキュベートした。次に上清を氷冷したMilliQ水で4倍に希釈し、濾過して、オリゴマーからの糖の放出についてHPLCにより分析した。
G.トウモロコシ穂軸の糖化アッセイ
本明細書における一般的な実施例では、特定の実施例により具体的に述べられないかぎりは、トウモロコシ穂軸の糖化は、以下の手順に従ってマイクロタイタープレートのフォーマットで行った。例えば希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸のようなバイオマス基質を、水で薄め、硫酸でpHを調整してpH 5の7%セルローススラリーとした後、これを更なる処理を行わずにアッセイにおいて直接使用した。酵素試料を、基質(例えばトウモロコシ穂軸)中のセルロース1g当たりの全タンパク質のmg数(例えば上記の実施例1Aにおいて述べた方法を用い、従来の組成分析法によって決定される)に基づいてロードした。次いで各酵素を50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)に希釈して、所望のローディング濃度を得た。40μLの酵素溶液を、70mgの希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸に、7%セルロース/ウェルとなるように加えた(4.5%セルロース/ウェルの最終濃度に相当)。各アッセイプレートにアルミニウムのプレートシーラーを被せ、室温で混合し、50℃、200rpmで3日間(「3d」)インキュベートした。インキュベーション時間の最後に、各ウェルに100μLの100mMグリシン緩衝液(pH10.0)を加えることにより糖化反応を停止させた。プレートを3,000rpmで5分間遠心した。次いで10μLの上清を、96穴HPLCプレート中で200μLのMilliQ水に加え、HPLCにより可溶性糖を測定した。
実施例2:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の組み込み発現株の構築
T.リーゼイ(T. reesei)β−グルコシダーゼ遺伝子bgl1、T.リーゼイ(T. reesei)エンドキシラナーゼ遺伝子xyn3、F.バーティシリオイデス(F. verticillioides)β−キシロシダーゼ遺伝子fv3A、F.バーティシリオイデス(F. verticillioides)β−キシロシダーゼ遺伝子fv43D、及びF.バーティシリオイデス(F. verticillioides)α−アラビノフラノシダーゼ遺伝子fv51Aの5つの遺伝子を同時発現するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の組み込み発現株を構築した。
これらの異なる遺伝子の発現カセットの構築、及びT.リーゼイ(T. reesei)の形質転換について以下に述べる。
A.β−グルコシダーゼ発現ベクターの構築
天然β−グルコシダーゼ遺伝子bgl1のN末端部分を、ディーエヌエー2.0社(DNA 2.0)(メンローパーク、米国)によりコドン最適化した。この合成された部分は、コーディング領域の最初の447個の塩基からなるものであった。このフラグメントを、プライマーとしてSK943及びSK941を用いてPCR増幅した。天然bgl1遺伝子の残りの領域は、プライマーとしてSK940及びSK942を用いて、T.リーゼイ(T. reesei)株RL−P37(Sheir−Neiss,Gら、Appl.Microbiol.Biotechnol.1984,20:46〜53)から抽出したゲノムDNA試料からPCR増幅した。bgl1遺伝子のこれら2つのPCRフラグメントを、プライマーとしてSK943及びSK942を用いて融合PCR反応で互いに融合した。
順方向プライマーSK943:(5’−CACCATGAGATATAGAACAGCTGCCGCT−3’)(配列番号121)
逆方向プライマーSK941:(5’−CGACCGCCCTGCGGAGTCTTGCCCAGTGGTCCCGCGACAG−3’)(配列番号122)
順方向プライマー(SK940):(5’−CTGTCGCGGGACCACTGGGCAAGACTCCGCAGGGCGGTCG−3’)(配列番号123)
逆方向プライマー(SK942):(5’−CCTACGCTACCGACAGAGTG−3’)(配列番号124)
得られた融合PCRフラグメントをGateway(登録商標)EntryベクターpENTR(商標)/D−TOPO(登録商標)にクローニングし、大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))に形質転換することにより、中間体ベクターpENTR−TOPO−Bgl1−(943/942)を得た(図8A)。挿入されたDNAのヌクレオチド配列を決定した。インビトロジェン社(Invitrogen)により概略が示されるLRクロナーゼ(登録商標)反応プロトコールを用い、正しいbgl1配列を有するpENTR−943/942ベクターとpTrex3gとの組換えを行った。このLRクロナーゼ反応混合物を大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))に形質転換することにより、最終的な発現ベクターとしてpTrex3g 943/942を得た(図8B)。このベクターは、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換の選択マーカーとしてアセトアミダーゼをコードしたアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のamdS遺伝子を更に含むものである。この発現カセットを、プライマーとしてSK745及びSK771を用いてPCRにより増幅して、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換用の産物を生成した。
順方向プライマーSK771:(5’−GTCTAGACTGGAAACGCAAC−3’)(配列番号125)
逆方向プライマーSK745:(5’−GAGTTGTGAAGTCGGTAATCC−3’)(配列番号126)
B.エンドキシラナーゼ発現カセットの構築
天然T.リーゼイ(T. reesei)エンドキシラナーゼ遺伝子xyn3を、xyn3F−2及びxyn3R−2をプライマーとして用いて、T.リーゼイ(T. reesei)から抽出したゲノムDNA試料からPCR増幅した。
順方向プライマーxyn3F−2:(5’−CACCATGAAAGCAAACGTCATCTTGTGCCTCCTGG−3’)(配列番号127)
逆方向プライマー(xyn3R−2):(5’−CTATTGTAAGATGCCAACAATGCTGTTATATGCCGGCTTGGGG−3’)(配列番号128)
得られたPCRフラグメントをGateway(登録商標)EntryベクターpENTR(商標)/D−TOPO(登録商標)にクローニングし、大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞に形質転換した(図8C)。挿入されたDNAのヌクレオチド配列を決定した。インビトロジェン社(Invitrogen)により概略が示されるLRクロナーゼ(登録商標)反応プロトコールを用い、正しいxyn3配列を有するpENTR/Xyn3ベクターとpTrex3gとの組換えを行った。このLRクロナーゼ反応混合物を大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))に形質転換することにより、最終的な発現ベクターとしてpTrex3g/Xyn3を得た(図8D)。このベクターは、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換の選択マーカーとしてアセトアミダーゼをコードしたアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のamdS遺伝子を更に含むものである。この発現カセットを、プライマーとしてSK745及びSK822を用いてPCRにより増幅して、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換用の産物を生成した。
順方向プライマーSK745:(5’−GAGTTGTGAAGTCGGTAATCC−3’)(配列番号129)
逆方向プライマーSK822:(5’−CACGAAGAGCGGCGATTC−3’)(配列番号130)
C.β−キシロシダーゼFv3A発現ベクターの構築
F.バーティシリオイデス(F. verticillioides)β−キシロシダーゼfv3A遺伝子を、プライマーとしてMH124及びMH125を用いてF.バーティシリオイデス(F. verticillioides)のゲノムDNAから増幅した。
順方向プライマーMH124:(5’−CAC CCA TGC TGC TCA ATC TTC AG−3’)(配列番号131)
逆方向プライマーMH125:(5’−TTA CGC AGA CTT GGG GTC TTG AG−3’)(配列番号132)
PCRフラグメントをGateway(登録商標)EntryベクターpENTR(商標)/D−TOPO(登録商標)にクローニングし、大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))に形質転換することにより、中間体ベクターpENTR−Fv3Aを得た(図8E)。挿入されたDNAのヌクレオチド配列を決定した。インビトロジェン社(Invitrogen)により概略が示されるLRクロナーゼ(登録商標)反応プロトコールを用い、正しいfv3A配列を有するpENTR/Fv3AベクターとpTrex6g(図8F)との組換えを行った。このLRクロナーゼ反応混合物を大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))に形質転換することにより、最終的な発現ベクターとしてpTrex6g/Fv3Aを得た(図8G)。このベクターは、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換の選択マーカーとしてその天然のプロモーター及びターミネーターとともに使用される、alsRと呼ばれる天然のT.リーゼイ(T. reesei)アセトラクテートシンターゼ(als)遺伝子のクロリムロンエチル耐性突然変異体を更に含むものである(国際特許出願公開第WO2008/039370 A1号)。この発現カセットを、プライマーとしてSK1334、SK1335及びSK1299を用いてPCRにより増幅して、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換用の産物を生成した。
順方向プライマーSK1334:(5’−GCTTGAGTGTATCGTGTAAG−3’)(配列番号133)
順方向プライマーSK1335:(5’−GCAACGGCAAAGCCCCACTTC−3’)(配列番号134)
逆方向プライマーSK1299:(5’−GTAGCGGCCGCCTCATCTCATCTCATCCATCC−3’)(配列番号135)
D.β−キシロシダーゼFv43D発現カセットの構築
F.バーティシリオイデス(F. verticillioides)β−キシロシダーゼFv43D発現カセットを構築するため、fv43D遺伝子産物を、プライマーとしてSK1322及びSK1297を用いてF.バーティシリオイデス(F. verticillioides)のゲノムDNA試料から増幅した。エンドグルカナーゼ遺伝子egl1のプロモーターの領域を、プライマーとしてSK1236及びSK1321を用い、株RL−P37から抽出したT.リーゼイ(T. reesei)のゲノムDNA試料からPCRによって増幅した。次に、これら2つのPCR増幅したDNAフラグメントを、プライマーとしてSK1236及びSK1297を用いて融合PCR反応で互いに融合した。得られた融合PCRフラグメントをpCR−Blunt II−TOPOベクター(インビトロジェン社(Invitrogen))にクローニングして、プラスミドTOPO Blunt/Pegl1−Fv43D(図8H)を得て、このプラスミドを用いて大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))を形質転換した。複数の大腸菌クローンからプラスミドDNAを抽出し、制限酵素で消化して確認した。
順方向プライマーSK1322:(5’−CACCATGCAGCTCAAGTTTCTGTC−3’)(配列番号136)
逆方向プライマーSK1297:(5’−GGTTACTAGTCAACTGCCCGTTCTGTAGCGAG−3’)(配列番号137)
順方向プライマーSK1236:(5’−CATGCGATCGCGACGTTTTGGTCAGGTCG−3’)(配列番号138)
逆方向プライマーSK1321:(5’−GACAGAAACTTGAGCTGCATGGTGTGGGACAACAAGAAGG−3’)(配列番号139)
この発現カセットを、プライマーとしてSK1236及びSK1297を用い、TOPO Blunt/Pegl1−Fv43DからPCR増幅してT.リーゼイ(T. reesei)の形質転換用の産物を生成した。
E.α−アラビノフラノシダーゼ発現カセットの構築
F.バーティシリオイデス(F. verticillioides)のα−アラビノフラノシダーゼ遺伝子fv51Aの発現カセットを構築するため、fv51A遺伝子産物を、プライマーとしてSK1159及びSK1289を用いてF.バーティシリオイデス(F. verticillioides)のゲノムDNA試料から増幅した。エンドグルカナーゼ遺伝子egl1のプロモーターの領域を、プライマーとしてSK1236及びSK1262を用い、株RL−P37から抽出したT.リーゼイ(T. reesei)のゲノムDNA試料からPCRによって増幅した。次に、これら2つのPCR増幅したDNAフラグメントを、プライマーとしてSK1236及びSK1289を用いて融合PCR反応で互いに融合した。得られた融合PCRフラグメントをpCR−Blunt II−TOPOベクター(インビトロジェン社(Invitrogen))にクローニングしてプラスミドTOPO Blunt/Pegl1−Fv51A(図8I)を得て、このプラスミドを用いて大腸菌One Shot(登録商標)TOP10化学コンピテント細胞(インビトロジェン社(Invitrogen))を形質転換した。
順方向プライマーSK1159:(5’−CACCATGGTTCGCTTCAGTTCAATCCTAG−3’)(配列番号140)
逆方向プライマーSK1289:(5’−GTGGCTAGAAGATATCCAACAC−3’)(配列番号141)
順方向プライマーSK1236:(5’−CATGCGATCGCGACGTTTTGGTCAGGTCG−3’)(配列番号142)
逆方向プライマーSK1262:(5’−GAACTGAAGCGAACCATGGTGTGGGACAACAAGAAGGAC−3’)(配列番号143)
この発現カセットを、プライマーとしてSK1298及びSK1289を用いてPCRにより増幅して、T.リーゼイ(T. reesei)の形質転換用の産物を生成した。
順方向プライマーSK1298:(5’−GTAGTTATGCGCATGCTAGAC−3’)(配列番号144)
逆方向プライマーSK1289:(5’−GTGGCTAGAAGATATCCAACAC−3’)(配列番号145)
F.β−グルコシダーゼ及びエンドキシラナーゼのT.リーゼイ(T. reesei)発現カセットの同時形質転換
RL−P37より誘導し(Sheir−Neiss,Gら、Appl.Microbiol.Biotechnol.1984,20:46〜53)、高いセルラーゼの産生量について選択したトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)突然変異株に、PEG媒介形質転換法(Penttila,Mら、Gene 1987,61(2):155〜64)を用いて、β−グルコシダーゼ発現カセット(cbh1プロモーター、T.リーゼイ(T. reesei)β−グルコシダーゼ1遺伝子、cbh1ターミネーター、及びamdSマーカー)及びエンドキシラナーゼ発現カセット(cbh1プロモーター、T.リーゼイ(T. reesei)xyn3、及びcbh1ターミネーター)を同時形質転換した。多数の形質転換体が単離され、これらをβ−グルコシダーゼ及びエンドキシラナーゼの産生について調べた。T.リーゼイ(T. reesei)株#229と呼ばれる形質転換体を、他の発現カセットとともに形質転換に使用した。
G.2種類のβ−キシロシダーゼ及びα−アラビノフラノシダーゼの発現カセットによるT.リーゼイ(T. reesei)株#229の同時形質転換
T.リーゼイ(T. reesei)株#229に、エレクトロポレーション(例えば国際特許出願公開第WO 08153712号を参照)を用いて、β−キシロシダーゼfv3A発現カセット(cbh1プロモーター、fv3A遺伝子、cbh1ターミネーター、及びalsRマーカー)、β−キシロシダーゼfv43D発現カセット(egl1プロモーター、fv43D遺伝子、天然fv43Dターミネーター)、及びfv51Aα−アラビノフラノシダーゼ発現カセット(egl1プロモーター、fv51A遺伝子、fv51A天然ターミネーター)を同時形質転換した。形質転換体を、クロリムロンエチル(80ppm)を含むフォーゲル(Vogels)寒天平板培地上で選択した。フォーゲル寒天は、1L当たりにつき以下のように調製した。
Figure 2014511673
多数の形質転換体が単離され、これらをβ−キシロシダーゼ及びL−α−アラビノフラノシダーゼの産生について調べた。形質転換体は、実施例1(前出)において述べたトウモロコシ穂軸糖化アッセイに従ってバイオマス変換効率についてもスクリーニングした。本明細書に述べられるT.リーゼイ(T. reesei)組み込み発現株の例は、H3A、39A、A10A、11A、及びG9Aであり、これらは、T.リーゼイ(T. reesei)β−グルコシダーゼ1、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、Fv3A、Fv51A、及びFv43Dの遺伝子のすべてを異なる比で発現するものである。他の組み込みT.リーゼイ(T. reesei)株としては、T.リーゼイ(T. reesei)β−グルコシダーゼ1、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、Fv3A、Fv51A、及びFv43Dの遺伝子の多くが異なる比で発現されたものが含まれる。例えば、あるものは過剰発現されたT.リーゼイ(T. reesei)Xyn3を欠き、別のものはウェスタンブロットにより測定した場合にFv51Aを欠き、他の2つのものはFv3Aを欠き、また1つのものは過剰発現されたBgl1を欠いている(例えば株H3A−5)。
H.T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aの組成物
T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aの発酵により以下のタンパク質、すなわち、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3、T.リーゼイ(T. reesei)Bgl1、Fv3A、Fv51A、及びFv43Dが、本明細書に述べられ、図9に示されるようにして測定した比で生成する。
I.HPLCによるタンパク質分析
液体クロマトグラフィー(LC)及び質量分析(MS)を行って、発酵ブロス中に含まれる酵素を分離、同定、及び定量した。酵素試料を、S.プリカタス(S. plicatus)(例えばNEB P0702L)から組換えにより発現されたendoHグリコシダーゼで最初に処理した。endoHは、1μgの試料の全タンパク質当たり0.01〜0.03μgのendoHタンパク質となる比で使用し、37℃、pH 4.5〜6.0で3時間インキュベートすることにより、HPLC分析に先立ってN結合型グリコシル化を酵素的に除去した。次いで、Agilent 1100 HPLCシステムをHICフェニルカラム及び35分間にわたる高〜低塩勾配とともに使用して、約50μgのタンパク質を疎水性相互作用クロマトグラフィーを行うために注入した。この勾配は、高塩濃度緩衝液A(20mMリン酸カリウムを含む4M硫酸アンモニウム、pH 6.75)及び低塩濃度緩衝液B(20mMリン酸カリウム、pH 6.75)を用いて得た。ピークは222nmの紫外線により検出し、分画を回収し、質量分析により同定を行った。タンパク質の濃度は、試料の全積分面積に対する各ピークの面積の比率(%)として報告した。
J.T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aの発酵ブロスへの精製タンパク質の添加が、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化に対して与える効果
精製タンパク質(及び1種類の非精製タンパク質)をストック溶液から連続希釈し、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aの発酵ブロスに加えることにより、前処理したバイオマスの糖化に対する効果を調べた。希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を、マイクロタイタープレート(MTP)の各ウェルに20%固形分(w/w)(1ウェル当たり約5mgのセルロース)(pH 5)となるようにロードした。H3Aタンパク質(発酵ブロスの形態)を、20mgタンパク質/セルロース1gとなるように各ウェルに加えた。希釈したタンパク質のそれぞれ(図10)の10、5、2及び1μLの量を、個々のウェルに加え、各ウェルへの液体の添加量が全体で10μLとなるように水を加えた。参照ウェルには、10μLの水又は更なるH3A発酵ブロスの希釈液を加えた。MTPをホイルでシールし、Innovaインキュベーターシェーカー中で200RPMで振盪しながら50℃で3日間インキュベートした。各試料を、100μLの100mMグリシン、pH 10で反応停止した。反応停止させた試料をプラスチックシールで覆い、3000RPMで5分間、4℃で遠心した。反応停止させた反応液のアリコート(5μL)を100μLの水で希釈し、反応液中に生成したグルコースの濃度をHPLCを用いて測定した。グルコースのデータを、20mg/gのH3Aに加えたタンパク質濃度の関数としてプロットした(タンパク質の添加濃度は、異なる開始濃度及び添加体積のために異なりうる)。結果を図11A〜11Dに示す。
実施例3:T.リーゼイ(T. reesei)株の構築
A.T.リーゼイ(T. reesei)株H3A/EG4#27の構築及びスクリーニング
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)に由来するT.リーゼイ(T. reesei)egl1(「Cel 7B」とも称される)プロモーター、T.リーゼイ(T. reesei)eg4(「TrEG4」又は「Cel 61A」とも称される)オープンリーディングフレーム、及びcbh1(Cel 7A)ターミネーター配列を含む発現カセット(図12A)、並びにアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)に由来するsucA選択マーカー(Boddyら、Curr.Genet.1993,24:60〜66を参照)を、pCR Blunt II TOPO(インビトロジェン社(Invitrogen))にクローニングした(図12B)。
この発現カセットPegl1−eg4−sucAを以下のプライマーを用いてPCRにより増幅した。すなわち、
SK1298:5’−GTAGTTATGCGCATGCTAGAC−3’(配列番号146)
214:5’−CCGGCTCAGTATCAACCACTAAGCACAT−3’(配列番号147)
Pfu Ultra II(ストラタジーン社(Stratagene))をPCR反応のポリメラーゼとして使用した。PCR反応の生成物を、QIAquick PCR精製キット(キアゲン社(Qiagen))を用い、製造者のプロトコールに従って精製した。次いでPCR反応の生成物を、スピードバックを使用して1〜3μg/μLにまで濃縮した。形質転換(H3A)しようとするT.リーゼイ(T. reesei)宿主株を、ポテトデキストロース寒天プレート上で5日間、28℃で完全な胞子形成が見られるまで増殖させた。2個のプレートからの胞子をMiliQ水を用いて収穫し、40μMセルストレーナー(ビー・ディー・ファルコン社(BD Falcon))に通して濾過した。胞子を50mLの円錐チューブに移し、50mLの水で繰り返し遠心することにより3回洗浄した。1.1Mソルビトール溶液により最終的な洗浄を行った。この胞子を、1.1Mソルビトール溶液を用いて小さい体積(ペレットの体積の2倍以下)に再懸濁した。次いで、この胞子懸濁液を氷上に維持した。胞子懸濁液(60μL)を10〜20μgのDNAと混合し、エレクトロポレーションキュベット(E−shot、インビトロジェン社(Invitrogen)より販売される0.1cm標準エレクトロポレーションキュベット)に移した。胞子を、16kV/cm、25μF、400Ωに設定したBiorad Gene Pulser Xcellを用いてエレクトロポレートした。エレクトロポレーションの後、1mLの1.1Mソルビトール溶液を胞子懸濁液に加えた。胞子懸濁液を、炭素源として2%スクロースを含むフォーゲル寒天(実施例2Gを参照)上にプレートした。
これらの形質転換プレートを、30℃で5〜7日間インキュベートした。この最初の形質転換体を、スクロースを含む二次フォーゲル寒天プレート上に再ストリークし、30℃で更に5〜7日間増殖させた。次いで二次選択プレート上で増殖したシングルコロニーを、国際特許出願公開第WO/2009/114380号に述べられる方法を用いてマイクロタイタープレートのウェル中で増殖させた。上清をSDS−PAGEで分析して、糖化効率についてスクリーニングを行う前に発現レベルを確認した。
全部で94個の形質転換体が、株H3AにおいてEG4を過剰発現していた。2個のH3Aコントロール株を、H3A/EG4株とともにマイクロタイタープレートで増殖させた。EG4タンパク質を発現しているT.リーゼイ(T. reesei)株の効率についてのスクリーニングを、アンモニア前処理したトウモロコシ穂軸を使用して行った。希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を水に懸濁し、硫酸でpH 5.0に調整して7%セルロースとした。スラリーを平底96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社(Nunc)269787)に分注し、3,000rpmで5分間遠心した。
トウモロコシ穂軸の糖化反応を、1ウェルの基質当たり20μLのH3A又はH3A/EG4株の培養ブロスを加えることにより開始させた。トウモロコシ穂軸の糖化反応液をアルミニウム(イー・アンド・ケー・サイエンティフィック社(E&K scientific))でシールし、650rpm、24℃で5分間混合した。次いで、プレートを50℃、200rpmで72時間、Innovaインキュベーター内に置いた。72時間の糖化終了時に、100μLの100mMグリシン(pH 10.0)を加えることにより反応を停止した。次いで、プレートを十分に混合して3,000rpmで5分間遠心した。上清(10μL)をHPLC 96穴マイクロタイタープレート(アジレント社(Agilent)、5042−1385)中で200μLの水に加えた。グルコース、キシロース、セロビオース、及びキシロビオースの濃度を、ガードカラムを予め取り付けたAminex HPX−87Pカラム(300mm×7.8mm、125−0098)を使用し、てHPLCにより測定した。
トウモロコシ穂軸でのスクリーニングにより、以下のH3A/EG4株、すなわち1、2、3、4、5、6、14、22、27、43、及び49がH3Aコントロール株と比較して、高いグルカン及びキシラン変換率を有するものとして同定された(図13)。
選択されたH3A/EG4株を振盪フラスコ中で再増殖させた。全体で30mLのタンパク質培養濾過物を振盪フラスコ1個当たり、株1個当たり回収した。培養濾過物を、10kDa膜遠心濃縮器(ザルトリウス社(Sartorious)、VS2001)を使用して10倍に濃縮し、全タンパク質濃度を実施例1Cに述べるようにしてBCAにより測定した。トウモロコシ穂軸の糖化反応を、セルロース1g当たり、トウモロコシ穂軸基質1ウェル当たり2.5、5、10、又は20mgのH3A/EG4株の試料から得たタンパク質を用いて行った。14Lの発酵スケールで産生されたH3A株、及び振盪フラスコスケールで産生された予め同定された低効率試料(H3A/EG4株#20)をコントロールとして含めた。実施例4(下記)に述べられるようにして糖化反応を行った。タンパク質の用量の増加にともなうグルカン変換率の増大が、EG4発現株のすべての培養上清で認められた(図14)。T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4#27を更なる糖化反応において使用し、この株を、シングルコロニーをポテトデキストロースプレート上にストリークし、このプレートからシングルコロニーを単離することによって単離した。
実施例4:希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化効率を高めるT.リーゼイ(T. reesei)EG4の濃度範囲
好ましい用量を決定するため、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸(25%固形分、8.7%セルロース、7.3%キシラン)の加水分解を、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27、又は精製したEG4を反応混合物に加えたH3A株から得られた発酵ブロスを用いてpH 5.3で行った。T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27又はH3Aの全体のロード量は、グルカン(G)及びキシラン(X)1g当たり14mgのタンパク質とした。
反応混合物(全質量5g)を、図15、17A及び17Bの用量チャートに従って、20mLシンチレーションバイアル中に5mLの全反応体積となるようにロードした。
実験1の条件を図15に示す。MilliQ水及び6N硫酸を円錐チューブ中で混合し、それぞれのバイアルに加え、バイアルを回転させて内容物を混合した。各酵素試料をバイアルに加え、バイアルを50℃で6日間インキュベートした。異なる時点において、100μLの試料をバイアルから取り出し、900μLの5mM硫酸で希釈し、ボルテックスにかけてから遠心し、上清を使用してHPLCにより可溶性糖の濃度を測定した。グルカン及びキシラン変換率の結果を図16A及び16Bにそれぞれ示す。
実験2の条件を図17Aに示す。好ましいEG4の濃度を更に決定するため、希アンモニアトウモロコシ穂軸(25%固形分、8.7%セルロース、7.3%キシラン)の糖化を、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27、又は精製したEG4を反応混合物に加えた(0.05〜1.0mgの範囲のタンパク質/g(G+X))H3Aから得られた発酵ブロスを用いてpH 5.3で行った。T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27又はH3Aの全体のロード量は、14mgのタンパク質/g(グルカン+キシラン)とした。実験結果を図18Aに示す。
実験3の条件を図17Bに示す。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の好ましい濃度範囲を更に絞り込むため、希アンモニアトウモロコシ穂軸(25%固形分、8.7%セルロース、及び7.3%キシラン)を、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27、又は精製したEG4を0.1〜0.5mgのタンパク質/g(G+X)の範囲の濃度で加えたH3Aを用いてpH 5.3で加水分解した。T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27又はH3Aの全体のロード量は、グルカン及びキシラン1g当たり14mgのタンパク質とした。
結果を図18Bに示す。
実施例5:異なる固形物ロード量の希アンモニアで前処理したトウモロコシ茎葉の糖化に対するT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果
希アンモニアで前処理したトウモロコシ茎葉を、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A又はH3A/EG4#27(14mgのタンパク質/g(グルカン及びキシラン))から得られた発酵ブロスと、7、10、15、20及び25%の固形分(%S)で3日間、50℃、pH 5.3でインキュベートした(20mLバイアル中、全体で5gの湿潤バイオマス)。反応は、上記実施例4で述べたようにして行った。グルコース及びキシロースをHPLCにより分析した。結果を図19に示す。固形分が20%以下の試料はいずれも1日目に、視認できる程度に液化した。
実施例6:希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の加水分解に対するT.リーゼイ(T. reesei)EG4の過剰発現の効果
希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化に対する、株H3AにおけるT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の過剰発現の効果を、株H3A/EG4 # 27及びH3Aから得られた発酵ブロスを用いて試験した。3gのスケールのトウモロコシ穂軸の糖化を、以下のようにして20mLガラスバイアル中で行った。酵素調製物、1N硫酸、及び50mM(pH 5.0)酢酸ナトリウム緩衝液(0.01%アジ化ナトリウム及び5mM MnClを含む)を加え、酵素のロード量が1gのグルカン+キシラン当たり1.7〜21.0mgの全タンパク質の範囲で変化する、全体で3gの反応液として最終的なスラリーを得た(乾燥固形分22%、pH 5.0)。糖化バイアルはすべて、48℃で180rpmの回転速度でインキュベートした。72時間後、12mLの濾過したMilliQ水を各バイアルに加えて糖化反応液全体を5倍に希釈した。各試料を14,000×gで5分間遠心してから0.22μmナイロンフィルター(Spin−X遠心チューブフィルター、コーニング社(Corning Incorporated)、ニューヨーク州コーニング)に通して濾過し、濾過したMilliQ水で更に4倍に希釈して最終的に20倍の希釈液とした。20μLの注入液をHPLCにより分析して、放出された糖を測定した。
T.リーゼイ(T. reesei)Eg4の過剰発現又は添加により、H3A単独の場合と比較して、キシロース及びグルコースモノマーの放出量が高められた(図20及び21)。異なる用量でH3A/EG4#27を添加することにより、株H3Aと比較して、又はEg4+一定の1.12mgのXyn3/g(グルカン+キシラン)の場合と比較して、キシロースの収率が向上した(図20)。
異なる用量でH3A/EG4#27を添加することにより、株H3Aと比較して、又はEg4+一定の1.12mgのXyn3/g(グルカン+キシラン)の場合と比較して、グルコースの収率が向上した(図21)。
組み込み株H3A/EG4#27又はH3Aによる全発酵性モノマー(キシロース、グルコース、及びアラビノース)の放出量に対するT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果を、図22に示す。H3A/EG4# 27組み込み株により、組み込み株H3Aと比較して、又はEg4+1.12mgのXyn3/g(グルカン+キシラン)と比較して、全発酵性モノマーの放出量は増大した。
実施例7:精製されたT.リーゼイ(T. reesei)EG4は、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸中のグルコースの放出を生じる
放出される糖の濃度に対する精製されたT.リーゼイ(T. reesei)Eg4の効果について、1.05gの希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を、0.53mgのXyn3/g(グルカン+キシラン)の存在下又は非存在下で使用して試験した。各実験は、実施例6で述べたようにして行った。結果を図23に示す。これらのデータは、精製されたT.リーゼイ(T. reesei)Eg4は、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びβ−グルコシダーゼなどの他のセルラーゼの作用がなくとも、グルコースモノマーの放出を生じることを示している。
精製したEg4を単独で加えた(Xyn3を加えない)、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を使用して、更に糖化実験を行った。3.3μLの精製したEg4(15.3mg/mL)を、872μLの50mM(pH 5.0)酢酸ナトリウム緩衝液(0.01%アジ化ナトリウム及び5mM MnClを含む)、165mgの希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸(67.3%乾燥固形分、111mgの乾燥固形分を加えたもの)及び16.5μLの1N硫酸に5mLバイアル中で加えた。各バイアルを48℃でインキュベートし、180rpmで回転させた。一定周期で20μLのアリコートを取り、フィルター滅菌した二重蒸留水で10倍に希釈し、ナイロンフィルターを通して濾過してから、Dionexイオンクロマトグラフィーシステムで放出グルコースの分析を行った。信頼性の高いグルコース溶液を外部標準として使用した。図24に示される結果は、精製したEg4を添加することにより、他のセルラーゼ又はエンドキシラナーゼの非存在下で48℃で72時間にわたるインキュベーションにおいて、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸からグルコースモノマーが放出されることを示している。
実施例8:異なる基質に対するT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及びH3A/EG4 #27の糖化効率
この実験では、14mgのタンパク質/g(グルカン+キシラン)の用量で用いた、T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A又はH3A/EG4#27より得た発酵ブロスを、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸、洗浄した希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸、アンモニア繊維膨張トウモロコシ茎葉(AFEX CS)、蒸気膨張サトウキビバガス(SEB)、並びにクラフト前処理した紙パルプFPP27(脱リグニン化した針葉樹工業用未漂白パルプ−κ 13.5、グルカン81.9%、キシラン8.0%、クラーソンリグニン1.9%)、FPP−31(脱リグニン化した広葉樹未漂白パルプ−κ 10.1、グルカン75.1%、キシラン19.1%、クラーソンリグニン2.2%)及びFPP−37(空気乾燥した針葉樹未漂白パルプ−κ 82、グルカン71.4%、キシラン8.7%、クラーソンリグニン11.3%)を含む異なる基質に対する糖化効率について試験した。
糖化反応は、25mLガラスバイアル中で、0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)中10gの最終質量となるように調整し、50℃、200rpmで6日間インキュベートした。6日目の最後に100μLのアリコートを5mM硫酸で1:10に希釈し、各試料をHPLCにより分析してグルコース及びキシロースの生成量を測定した。結果を図25に示す。
実施例9:酸で前処理したトウモロコシ茎葉の糖化に対するT.リーゼイ(T. reesei)EG4の効果
酸で前処理したトウモロコシ茎葉の糖化に対するEg4の効果について試験を行った。希硫酸で前処理したトウモロコシ茎葉(Schell,DJら、Appl.Biochem.Biotechnol.2003,105(1〜3):69〜85)を、NRELより入手し、20%固形分に調整し、ソーダ灰溶液を加えてpH 5.0に調整した。前処理した基質の糖化を、20%全固形分を用いてマイクロタイタープレート中で行った。発酵ブロス中の全タンパク質は、ビウレットアッセイ(上記実施例1を参照)により測定した。T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A/EG4 #27及びH3Aより得た発酵ブロスの基質への添加量を増やし、50℃、5日間、200RPMの振盪でのインキュベーション後の糖化効率を測定した。グルコースの生成量(mg/g)をHPLCにより測定した。結果を図26に示す。
実施例10:希アンモニアで前処理したトウモロコシ葉、茎、及び穂軸に対するT.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及びH3A/EG4#27の糖化効率
T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3A及びH3A/EG4#27の糖化効率を、希アンモニアで前処理したトウモロコシ葉、茎、又は穂軸で比較した。前処理は、国際特許出願公開第WO06110901A号に述べられるようにして行った。5gの全質量(7%固形分)を、20mLバイアル中、pH 5.3(6N HSOによりpHを調整した)で、14mgのタンパク質/g(グルカン+キシラン)を使用して加水分解した。糖化反応は50℃で行い、試料は4日目に放出されたグルコース及びキシロースについてHPLCにより分析した。結果を図27に示す。
実施例11:T.リーゼイ(T. reesei)からの過剰発現EG4に応じた希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸に対する糖化効率
希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を用いて、3gのスケールの糖化反応を行った。充分な前処理を行った穂軸調製物を、20mLガラスバイアル中に0.75g乾燥固形分となるように計量して入れた。酵素調製物、1N硫酸及び50mM(pH 5.0)酢酸ナトリウム緩衝液(0.01%アジ化ナトリウムを含むもの)を加えて、全体で3gの反応液として最終的なスラリーを得た(25%乾燥固形分、pH 5.0)。T.リーゼイ(T. reesei)組み込み株H3Aから得た細胞外タンパク質(発酵ブロス)を14mgのタンパク質/g(グルカン+キシラン)となるように加え、更に5%の14mgのタンパク質ロードを、Eg4を過剰発現するT.リーゼイ(T. reesei)株(Δcbh1 Δcbh2 Δeg1 Δeg2)(国際特許出願公開第WO 05/001036号を参照)より得た未精製の培養上清として加えるか、又は加えなかった。糖化反応液は、50℃で72時間インキュベートした。インキュベーションの後、反応内容物を3倍に希釈し、濾過し、グルコース及びキシロース濃度についてHPLCにより分析した。結果を図28に示す。Eg4を過剰発現するT.リーゼイ(T. reesei)株より得た細胞外タンパク質の形態のEg4タンパク質をH3Aに加えることにより、モノマーグルコースの放出量が大幅に増加し、モノマーキシロースの放出量はわずかに増加した。
実施例12:アンモニアで前処理したスイッチグラスに対する株H3A/EG4#27の糖化効率
タンパク質の用量を増やした場合のアンモニアで前処理したスイッチグラスに対する株H3A/EG4#27の糖化効率(国際特許出願公開第WO06110901A号)を、株H3A(18.5%固形分)の糖化効率と比較した。前処理したスイッチグラス調製物を、0.925gの乾燥固形分となるように20mLガラスバイアル中に計量して入れた。1N硫酸及び50mM(pH 5.3)酢酸ナトリウム緩衝液(0.01%アジ化ナトリウムを含むもの)を加えて、全体で5gの反応液として最終的なスラリーを得た。試験したH3Aの酵素の用量は、14、20、及び30mg/g(グルカン+キシラン)であり、H3A−EG4#27の用量は、5、8、11、14、20、及び30mg/g(グルカン+キシラン)であった。反応液を50℃で3日間インキュベートした。インキュベーションの後、反応内容物を3倍に希釈し、濾過し、グルコース及びキシロース濃度についてHPLCにより分析した。グルカン及びキシランの変換率を、スイッチグラス基質の組成に基づいて計算した。結果(図29)は、H3A−EG4#27の効率は、同じ酵素用量のH3Aよりもグルカンの変換においてより効果的であることを示している。
実施例13:トウモロコシ穂軸の糖化並びにCMC及びセロビオースの加水分解に対するT.リーゼイ(T. reesei)EG4の添加の効果
A.トウモロコシ穂軸の糖化
希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を、20%固形分、7%セルロースに調整し、マイクロタイタープレートの1ウェル当たり65mgを分注した。T.リーゼイ(T. reesei)CBH1を5mgのタンパク質/g(グルカン)(最終濃度)で、関連酵素(CBH1又はEg4)を0、1、2、3、4及び5mg/g(グルカン)の最終濃度で含む35μLの50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)緩衝液を加えることにより、糖化反応を開始した。Eg4コントロールには同じ用量のEG4のみを加えたため、これらのウェルでは全体のタンパク質の添加量はより少なかった。各マイクロタイタープレートを、アルミニウムプレートシール(イー・アンド・ケー・サイエンティフィック社(E&K scientific))でシールし、600rpm、24℃で2分間混合した。次いでプレートを、50℃、200rpmで72時間、Innovaインキュベーター内に置いた。
72時間の糖化終了時に、100μLの100mMグリシン(pH 10.0)を加えることによりプレートの反応を停止した。次いで、プレートを3000rpmで5分間遠心した。上清(20μL)をHPLC 96穴マイクロタイタープレート(アジレント社(Agilent)5042−1385)中で100μLの水に加えたグルコース及びセロビオースの濃度を、ガードカラムを予め取り付けたAminex HPX−87Pカラム(300mm×7.8mm、125−0098)を使用してHPLCにより測定した。グルカンの変換率(%)を、100×(セルロースのmg数+グルコースのmg数)/(基質中の全グルカン)によって計算した(図30)。
B.CMCの加水分解:
カルボキシメチルセルロース(CMC、シグマ社(Sigma)C4888)を、50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)で1%に希釈した。EG4、EG1及びCBH1の3種類のT.リーゼイ(T. reesei)の精製酵素のそれぞれを、20、10、5、2.5、1.25及び0mg/gの最終濃度で100μLの1% CMCに96穴マイクロタイタープレート(ヌンク社(NUNC)#269787)中で別々に加えることにより、加水分解反応を開始した。酢酸ナトリウム(pH 5.0、50mM)を、各ウェルに150μLの最終体積となるように加えた。このCMC加水分解反応液を、アルミニウムプレートシール(イー・アンド・ケー・サイエンティフィック社(E&K scientific))でシールし、600rpm、24℃で2分間混合した。次いでプレートを、50℃、200rpmで30分間、Innovaインキュベーター内に置いた。
30分間のインキュベーション終了時に、プレートを氷水に10分間入れて反応を停止させ、各試料をエッペンドルフチューブに移した。各チューブに375μLのジニトロサリチル酸(DNS)溶液を加えた(下記を参照)。次いで各試料を10分間沸騰させ、SpectraMAX 250(モレキュラー・デバイシーズ社(Molecular Devices))により540nmのO.Dを測定した。結果を図31に示す。
DNS溶液:
40g 3.5−ジニトロサリチル酸(シグマ社(Sigma)、D0550)
8gフェノール
2g亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)
800g Na−K酒石酸塩(ロッシェル塩)
上記のものすべてを2Lの2% NaOHに加える。
一晩攪拌し、アルミニウム箔で覆う。
蒸留した脱イオン水を4Lの最終体積となるように加える。
これをよく混ぜる。
暗ビン中で冷蔵保管する。
C.セロビオースの加水分解
セロビオースを、50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)で5g/Lに希釈した。EG4及びBGL1の2種類の酵素のそれぞれを、20、10、5、2.5及び0mg/gの最終濃度で100μLの5g/Lセロビオース溶液に別々に加えることにより、加水分解反応を開始した。酢酸ナトリウム(pH 5.0)を120μLの最終体積にまで各ウェルに加えた。反応プレートをアルミニウムプレートシール(イー・アンド・ケー・サイエンティフィック社(E&K scientific))でシールし、600rpm、24℃で2分間混合した。次いでプレートを、50℃、200rpmで2時間、Innovaインキュベーター内に置いた。
2時間の加水分解工程終了時に、100μLの100mMグリシン(pH 10.0)を加えることによりプレートの反応を停止した。次いで、プレートを3000rpmで5分間遠心した。グルコース濃度を、ABTS(2,2’−アジノ−ビス−3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)アッセイ(実施例1)により測定した。10μLの上清を、96穴マイクロタイタープレート(Corning costar 9017 EIA/RIAプレート、96穴平底、中度結合性)中で90μLのABTS溶液に加えた。SpectraMAX 250(モレキュラー・デバイス社(Molecular Devices))によりOD 420nmを測定した。結果を図32に示す。
実施例14:精製したEG4は、異なるセルラーゼ混合物と混合されると希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸からのグルコース産生を向上させる
精製したEg4と精製した各セルラーゼ(T.リーゼイ(T. reesei)EG1、EG2、CBH1、CBH2、及びBgl1)との組み合わせの、放出される糖の濃度に対する効果について、1gのグルカン+キシラン当たり0.53mgのT.リーゼイ(T. reesei)Xyn3の存在下で、1.05gの希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を使用して試験した。1.06gの反応液を、0.111gの乾燥穂軸固形分(10.5%固形分)が入った5mLバイアル中で調製した。酵素調製物(図33)、1N硫酸、及び50mM(pH 5.0)酢酸ナトリウム緩衝液(0.01%アジ化ナトリウム及び5mM MnClを含んだもの)を加えて、最終的な反応重量とした。反応バイアルを、48℃で180rpmの回転速度でインキュベートした。72時間後、濾過したMilliQ水を加えて各糖化反応を5倍に希釈した。各試料を14,000×gで5分間遠心してから0.22μmナイロンフィルター(Spin−X遠心チューブフィルター、コーニング社(Corning Incorporated)、ニューヨーク州コーニング)に通して濾過し、濾過したMilliQ水で更に4倍に希釈して最終的に20倍の希釈液とした。20μLの注入液をHPLCにより分析して、放出された糖(グルコース、セロビオース、及びキシロース)を測定した。
図34は、それぞれの組み合わせにより生成したグルコース(A)、グルコース+セロビオース(B)、又はキシロース(C)を示す。精製したEg4は、個々のセルラーゼ及び混合物の効率を高めた。精製したセルラーゼのすべてが存在する場合、1gの(グルカン+キシラン)当たり0.53mgのEg4を加えることにより、変換率は約40%向上した。Eg4をCBH1、Egl1及びBgl1の組み合わせに加えた場合にも改善が認められた。個々のセルラーゼが穂軸とともに存在する場合、全グルコース放出の絶対量は、セルラーゼの組み合わせが穂軸とともに存在する実験から得られるものよりも大幅に低かったが、それぞれの場合で、Eg4の存在下での改善率(%)は有意であった。T.リーゼイ(T. reesei)Eg4を精製セルラーゼに加えることにより、全グルコース放出量には以下のような改善率(%)が認められた。すなわち、Bgl1(121%)、Egl2(112%)、CBH2(239%)及びCBH1(71%)。このことは、Eg4は、バイオマスに対するセルラーゼの効率を向上させる有意かつ幅広い効果を有することを示している。
実施例15:EG4をCBH1、CBH2及びEG2と混合した場合に認められた効果(基質:希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸)
希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化反応液を、96穴MTP(ブイ・ダブリュ・アール社(VWR))中で以下のようにして酵素混合物をトウモロコシ穂軸(65mg/ウェル(20%固形分、7%セルロース))に加えることによって調製した。80μLの50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)、1mgのBgl1/g(グルカン)、及び0.5mgのXyn3/g(グルカンバックグランド)もすべてのウェルに加えた。
Eg4をCBH1、CBH2及びEG2と個別に混合した場合の効果を試験するため、それぞれのウェルに、CBH1、CBH2及びEG2のそれぞれを、0、1.25、2.5、5、10及び20mg/g(グルカン)で加え、EG4を、20、18.75、17.5、15、10及び0mg/g(グルカン)の濃度で加えて、個々のウェル中の全タンパク質を20mg/g(グルカン)とした。コントロールウェルには、CBH1又はCBH2又はEG2又はEG4のみを同じ用量で加えたことにより、これらのウェル中の全添加タンパク質は20mg/gよりも少なくなっている。
セルラーゼの組み合わせに対するEg4の効果を試験するため、CBH1、CBH2及びEG2の異なる比の混合物(図35を参照)を、0、1.25、2.5、5、10及び20mg(タンパク質)/g(グルカン)で加え、これらの混合物にEG4を、20、18.75、17.5、15、10及び0mg(タンパク質)/g(グルカン)の濃度で加えることにより、個々のウェル中の全タンパク質を20mg(タンパク質)/g(グルカン)とした。上記と同様、コントロールウェルには1種類のタンパク質のみを加えたことにより、全タンパク質添加量は20mg(タンパク質)/gよりも少なくなっている。
トウモロコシ穂軸の各糖化反応液をアルミニウムプレートシール(イー・アンド・ケー・サイエンティフィック社(E&K scientific))でシールし、600rpm、24℃で2分間混合した。次いでプレートを、50℃、200rpmで72時間、Innova 44インキュベーターシェーカー(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック社(New Brunswick Scientific))内に置いた。72時間の糖化工程終了時に、100μLの100mMグリシン(pH 10.0)を加えることによりプレートの反応を停止した。次いでプレートを、3000rpmで5分間遠心した(Rotanta 460R遠心分離機、ヘティヒ・ゼントリフューゲン社(Hettich Zentrifugen))。20μLの上清を、HPLC 96穴マイクロタイタープレート(アジレント社(Agilent)、5042−1385)中で100μLの水に加えた。グルコース及びセロビオースの濃度を、Aminex HPX−87Pカラム(300mm×7.8mm、125−0098)及びガードカラム(バイオラド社(BioRad))を使用して、HPLCにより測定した。
結果を図36の表に示したが、表中、グルカン変換率(%)は、100×(グルコース+セロビオース)/全グルカンとして定義されている。
この実験は、Eg4がCBH1、CBH2及び/又はEG2に加えられた場合、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の糖化効率を高めるうえで効果的であることを示している。更に、Eg4と他の酵素(CBH1、CBH2又はEG2)を糖化混合物に等量で加えた場合に最も高い改善率が認められた。また、Eg4の効果は、CBH1とCBH2との混合物に対して顕著であることも観察された。CBH1及びCBH2に対するEg4の量が1:1である場合に、Eg4による最適な改善効果が認められた。
実施例16:EG4は異なるセルラーゼ組成物の糖化効率を向上させる
市販のセルラーゼ酵素調製物であるSpezyme(登録商標)CP、Accellerase(登録商標)1500、及びAccellerase(登録商標)DUET(ダニスコ・ユー・エス社ジェネンコア部門(Genencor Division, Danisco US))の全タンパク質濃度を、改変ビウレットアッセイ(本明細書に述べられる)によって測定した。
精製したT.リーゼイ(T. reesei)EG4を各酵素調製物に加え、次いでアンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸の25%固形分のロードを使用し、1gのグルカン及びキシラン基質当たり14mgの全タンパク質となる用量(1gのグルカン及びキシラン当たり5mgのEG4+1gのグルカン及びキシラン当たり9mgの全セルラーゼ)で、糖化効率について各試料をアッセイした。糖化反応は、20mLバイアル中、pH 5で5gの全反応混合物を使用して行い、200rpmに設定したロータリーシェーカー中、50℃で7日間インキュベーションを行った。各糖化試料は5mM硫酸で10倍に希釈し、0.2μmフィルターに通して濾過してからHPLCに注入した。バイオラド社(BioRad)のAminex HPX−87Hイオン排除カラム(300mm×7.8mm)を使用して、HPLC分析を行った。
図40に示されるように、精製したEG4を全セルラーゼに置換することにより、試験を行ったすべてのセルラーゼ産物においてグルカン変換率が向上した。図41に示されるように、キシラン変換率にはEg4の置換による影響は見られなかった。
実施例17:バイオマス糖化における粘度の低下
本実験で使用したバイオマスは、以下の組成(表2)を有するInbiconで酸性化し蒸気膨張で前処理した麦わらである。すなわち、
Figure 2014511673
前処理した麦わらを水に希釈して硫酸でpH5.0に調整し、その10.5%の固形分濃度を、第1の試料では、T.リーゼイ(T. reesei)H3A株(図9)の発酵ブロスと、50℃で20.5mg(タンパク質)/g(バイオマス基質中のセルロース)の全タンパク質濃度で、又は第2の試料では、T.リーゼイ(T. reesei)H3A(図9)の発酵ブロスと、18.5mg(タンパク質)/g(バイオマス基質中のセルロース)の全タンパク質濃度で、更に2mg/g(セルロース)の精製したT.リーゼイ(T. reesei)Eg4と混合した。粘度の低下は、粘度変化を最大で約6時間監視するブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング社(Brookfield Engineering, Inc))を使用して測定した。結果を図42に示す。
実施例18:バイオマス糖化における粘度の低下
本実験で使用したバイオマスは、NRELより入手した希釈酸で前処理したトウモロコシ茎葉(未洗浄PCS)である。
未洗浄で前処理したトウモロコシ茎葉を、50℃の温度、pH 5.0、及び乾燥固形分20%の固形分濃度で、第1の試料では、T.リーゼイ(T. reesei)H3A株(図9)の発酵ブロスと20mg/g(バイオマス基質中のセルロース)の全タンパク質濃度で、第2の試料では、T.リーゼイ(T. reesei)H3A/Eg4 #27組み込み株の発酵ブロスとやはり20mg/g(セルロース)で混合した。粘度の低下は、粘度変化を最大で約160時間以上にわたって監視するブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング社(Brookfield Engineering, Inc))を使用して測定した。結果を図43に示す。
実施例19:バイオマス糖化における粘度の低下
本実験で使用したバイオマスは、希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸である。
希アンモニアで前処理したトウモロコシ穂軸を、乾燥固形分25%及び乾燥固形分30%の2つの固形分ローディング条件で酵素組成物と混合した。具体的には、前処理したバイオマスを、50℃、pH 5.0で、T.リーゼイ(T. reesei)H3A(図9)又はH3A/Eg4 #27株のいずれかの発酵ブロスからの14mg(タンパク質)/g(セルロース)と混合した。粘度の低下は、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング社(Brookfield Engineering, Inc))を使用して測定した。結果を図44に示す。
実施例20:糖化プロセスにおける粘度低下及びグルコース産生に対する異なるセルラーゼの効果の判定
本実験では、糖化プロセスにおいて、OPTIMASH(商標)BG、OPTIMASH(商標)TBG、OPTIMASH(商標)VRなどの異なる粘度低下酵素、又はAccellerase(登録商標)BGなどのβ−グルコシダーゼを、Accellerase(登録商標)DUETの存在下で使用し、グルコース産生及び粘度低下におけるこれらの粘度低下酵素の効果を判定した。H3A/EG4組み込み株#27から産生された酵素組成物も含まれた。Accellerase(登録商標)1500、Accellerase(登録商標)DUET、Accellerase(登録商標)BG、OPTIMASH(商標)BG、OPTIMASH(商標)TBG、及びOPTIMASH(商標)VRは、ダニスコ・ユー・エス社ジェネンコア(Danisco US Inc., Genencor)より販売される製品である。
上記に述べたような前処理した麦わらを使用した。組成分析を行い、表2に示した(実施例17参照)。
糖化プロセスは、前処理した麦わら(25%乾燥物質)を異なる酵素と反応チャンバ内でインキュベートすることによって行った。Larsenら、The IBUS Process−Lignocellulosic Bioethanol Close to A commercial Reality,(2008)Chem.Eng.Tech.31(5):765〜772を参照されたい。実験条件を表3及び4に示す。各チャンバ内の全質量は10kgとした。麦わらの初期のpHは約3.50であり、NaCOを加えることによりpH 5.0に調整した。グルコース濃度を経時的に測定して、セルロース変換率を計算した。
Figure 2014511673
Figure 2014511673
実験条件1〜6は、初日(「1日目」)に行い、実験条件7〜12は翌日(「2日目」)に行った。
各実験条件について、6時間の糖化後にグルコース濃度を測定した。0.25mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)DUETでは、6時間の糖化後に40.8g/kgのグルコースが得られた。図45を参照されたい。Accellerase(登録商標)DUET+OPTIMASH BG(又はTBG)(0.15+6)(すなわち0.15mLのAccellerase(登録商標)DUET/g(セルロース)+6gのOPTIMASH BG(又はTBG)/kg(乾燥物質))の場合のグルコース濃度は、0.22mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)1500の場合のグルコース濃度と同様であった。図45を参照されたい。0.15+6(すなわち0.15mLのAccellerase(登録商標)DUET/g(セルロース)+6gのAccellerase BG/kg(乾燥物質))のAccellerase(登録商標)DUET+Accellerase BGの場合のグルコース濃度は、0.22mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)1500の場合のグルコース濃度と同様であり、0.15mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)DUETの場合のグルコース濃度よりも高かった。図45を参照されたい。高濃度のAccellerase(登録商標)BGは、糖化反応混合物の粘度を低下させることができた。0.15mL/g(セルロース)の量の発酵中のH3A/EG4 #27により産生される酵素組成物によって、6時間の糖化後に37.5g/kgのグルコースが生成したが、これは、0.22mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)1500及び0.15mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)DUETの場合のグルコース産生量よりも大幅に高かった。図45を参照されたい。
1日目の実験の異なる実験条件におけるグルコース濃度を、24時間の糖化後に再び測定した。図46を参照されたい。2日目の実験の実験条件7〜12については、グルコース濃度及びセルロース変換率を経時的に測定し、結果を図47及び48に示す。
1日目の実験では、粘度を6時間の糖化後に肉眼で観察し、これを表6にまとめた。「+」の数が多いほど、より粘度の低い糖化反応混合物を示す。一般的に、粘度の低い糖化反応混合物(例えばより薄いスラリー)は、より多いグルコースの産生量と相関している。
Figure 2014511673
2日目の実験では、異なるチャンバ内の糖化反応混合物の粘度を、各チャンバ内の金属部品の視認性に関して肉眼で観察した。50℃で6日間の糖化の後、チャンバ3内の糖化混合物(実験条件9、0.15mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)DUET)は、チャンバ1(実験条件7)又は2内の糖化混合物(実験条件8、0.22mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)1500)よりもより粘度が高かった。チャンバ3内の金属部品は視認できなかった。チャンバ4内の糖化混合物(実験条件10、0.15mL/g(セルロース)のAccellerase DUET(登録商標)+0.1g/kg(乾燥物質)のAccellerase(登録商標)BG)の粘度は、チャンバ3内の糖化混合物(0.15mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)DUET)の粘度と比較して低下していた。チャンバ5内の糖化混合物(実験条件11、0.15mL/g(セルロース)のAccellerase DUET(登録商標)+6g/kg(乾燥物質)のAccellerase(登録商標)BG)の粘度は、チャンバ4内の糖化混合物(0.15mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)DUET+0.1g/kg(乾燥物質)のAccellerase(登録商標)BG)の粘度と比較して更に低下していた。高量のAccellerase BGを含む場合であっても、糖化混合物(チャンバ5、0.15mL/g(セルロース)のAccellerase DUET(登録商標)+6g/kg(乾燥物質)のAccellerase BG)は、0.22mL/g(セルロース)のAccellerase(登録商標)1500(チャンバ1及び2)よりも高い粘度を依然示した。しかしながら、発酵中のH3A/EG4 #27から産生された酵素組成物を加えた場合では、糖化混合物(チャンバ6)の粘度は、チャンバ4又は5内の糖化混合物の粘度と比較して、大幅に低下していることが期せずして明らかとなった。チャンバ6内の金属部品は視認することができた。
実施例21:糖化プロセスにおける粘度低下及びグルコース産生に対する異なるセルラーゼの効果の判定
Inbiconで前処理した麦わら(25%乾燥物質)を異なる酵素と反応チャンバ内でインキュベートすることによって、糖化プロセスを行った。実験条件を表7に示す。各チャンバ内の全質量は10kgとした。麦わらの初期のpHは約3.50であり、NaCOを加えることによりpH 5.0に調整した。Accellerase(登録商標)1500、Accellerase(登録商標)DUET、Accellerase(登録商標)BG、Optimash(商標)BG、及びPrimafast(登録商標)LUNAは、ジェネンコア社(Genecor)より販売される製品である。
Figure 2014511673
グルコース濃度を、6時間、24時間、50時間、及び6日間の糖化後に測定した。糖化反応混合物の粘度を肉眼で観察し、6時間、24時間、50時間、及び6日間の糖化後に、当業者には周知の方法を用いて粘度計により測定した。
実験条件3〜16のそれぞれのグルコース産生量は、実験条件1のグルコース産生量と比較して増加したことが分かった。更に、実験条件3〜16のそれぞれの粘度は、実験条件1の粘度と比較して低下したことが分かった。
この実験では、上記と同じ実験条件で、ただしより長時間の予備加水分解時間の後(6時間、9時間、12時間、24時間など)に、糖化プロセスにおけるグルコース産生量及び粘度の低下を更に調べた。
実施例22:CBH1及びEG4によるアビセル(Avicel)の加水分解に対するアスコルビン酸の効果
図39Aに示したように、精製したT.リーゼイ(T. reesei)CBH1(最終濃度5mg/g)、精製したT.リーゼイ(T. reesei)Eg4(最終濃度10mg/g)、アスコルビン酸(50mMストック、最終濃度8.8g/L)、及びマンガン溶液(最終濃度10mM)の組み合わせを互いに混合することにより、結晶性セルロース(50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)に加えた10%アビセル(Avicel)の溶液50μL)の反応を開始させた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)を、各試料に300μLの最終体積となるように加えた。
反応用エッペンドルフチューブをボルテックスにかけてから、50℃、200rpmでInnova 44インキュベーター(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック社(New Brunswick Scientific))内に置いた。各チューブから50μLの試料を3つの時点(2.5、4.5、24時間)で取り、50μLの100mMグリシン緩衝液(pH 10.0)により反応を停止させた。各試料を3000rpmで5分間遠心し(Rotanta 460R遠心分離機、ヘティヒ・ゼントリフューゲン社(Hettich Zentrifugen))、上清(20μL)を、HPLC 96穴マイクロタイタープレート(アジレント社(Agilent)、5042−1385)中で100μLの水に加えた。グルコース及びセロビオースの濃度を、ガードカラムを予め取り付けたAminex HPX−87Pカラム(300mm×7.8mm、125−0098)を使用して、HPLCにより測定した。結果を図37に示す。
次に、CBH2及びEG4によるアビセルの加水分解に対するアスコルビン酸の効果を測定した。図39Bに示されるように、精製したT.リーゼイ(T. reesei)CBH2(最終濃度5mg/g)、精製したT.リーゼイ(T. reesei)Eg4(最終濃度10mg/g)、アスコルビン酸(50mMストック、最終濃度8.8g/L)、及びマンガン溶液(最終濃度10mM)の組み合わせを互いに混合することにより、結晶性セルロース(50mM酢酸ナトリウム(pH 5.0)に加えた10%アビセル(Avicel)の溶液80μL)の反応を開始させた。50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)を、各試料に500μLの最終体積となるように加えた。
反応用エッペンドルフチューブをボルテックスにかけてから、50℃、200rpmでInnova 44インキュベーター(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック社(New Brunswick Scientific))内に置いた。各チューブから50μLの試料を3つの時点(5、24、48時間)で取り、50μLの100mMグリシン緩衝液(pH 10.0)により反応を停止させた。各試料を3000rpmで5分間遠心し(Rotanta 460R遠心分離機、ヘティヒ・ゼントリフューゲン社(Hettich Zentrifugen))、上清(20μL)を、HPLC 96穴マイクロタイタープレート(アジレント社(Agilent)、5042−1385)中で100μLの水に加えた。グルコース及びセロビオースの濃度を、ガードカラムを予め取り付けたAminex HPX−87Pカラム(300mm×7.8mm、125−0098)を使用して、HPLCにより測定した。結果を図38に示す。

Claims (43)

  1. バイオマス糖化混合物であって、
    a.バイオマス材料と、
    b.エンドグルカナーゼ活性を有するグリコシルヒドロラーゼファミリー61の酵素を含む酵素組成物であって、前記酵素組成物が、
    i.配列番号1〜29及び148のいずれか1つと少なくとも65%の配列同一性を有するか、
    ii.配列番号27の残基22〜344と少なくとも65%の配列同一性を有するか、
    iii.配列番号84〜91からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列モチーフを有するか、
    iv.(1)配列番号84及び88、(2)配列番号85及び88、(3)配列番号86、(4)配列番号87、(5)配列番号84、88及び89、(6)配列番号84、88及び91、(10)配列番号85、88及び91、(11)配列番号84、88、89及び91、(12)配列番号84、88、90及び91、(13)配列番号85、88、89及び91、並びに(14)配列番号85、88、90及び91からなる群から選択される1以上の配列モチーフを有するか、
    v.配列番号30と少なくとも65%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列又はその相補体によりコードされるか、又は、
    vi.配列番号30又はその相補体と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列によりコードされる、酵素組成物と、を含み、
    前記バイオマス糖化混合物が、グリコシルヒドロラーゼファミリー61の酵素を含まないバイオマス糖化混合物よりも低い粘度を有し、かつ/又は、グリコシルヒドロラーゼファミリー61の酵素を含まないか若しくはより低い濃度で含む混合物中の糖化度と比較して、前記混合物中の糖化度を高めることが可能である、バイオマス糖化混合物。
  2. 前記糖化度が、前記バイオマスの糖化を生じるだけの充分な時間にわたって前記混合物がインキュベートされた後に、発酵性糖の収率によって測定される、請求項1に記載のバイオマス糖化混合物。
  3. 前記グリコシルヒドロラーゼファミリー61の酵素が、糸状菌に由来する、請求項1又は2に記載のバイオマス糖化混合物。
  4. 前記糸状菌が、トリコデルマ(Trichoderma)、フミコラ(Humicola)、フザリウム(Fusarium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アクリャ(Achlya)、ポドスポラ(Podospora)、エンドチア(Endothia)、ムコール(Mucor)、コクリオボルス(Cochliobolus)、ピリキュラリア(Pyricularia)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、クリソスポリウム・ラックノウエンス(Chrysosporium lucknowense)、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイド(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイド(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ブジェルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブローサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブバーミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルストゥス(Coriolus hirsutus)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ニューロスポラ・インターメディア(Neurospora intermedia)、ペニシリウム・パープロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・カネスセンス(Penicillium canescens)、ペニシリウム・ソリタム(Penicillium solitum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジエート(Phlebia radiate)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビローサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、ゲオスミチア・エメルソニイ(Geosmithia emersonii)、又はG.ステアロサーモフィルス(G. stearothermophilus)からなる群から選択されるものである、請求項3に記載のバイオマス糖化混合物。
  5. 前記酵素組成物が、セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチド、及びβ−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  6. 前記セロビオヒドロラーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドが、T.リーゼイ(T. reesei)CBH1、Af7A(配列番号150)、Af7B(配列番号151)、Cg7A(配列番号152)、Cg7B(配列番号153)、Tt7A(配列番号154)、Tt7B(配列番号155)、T.リーゼイ(T. reesei)CBH2、Tt6A(配列番号156)、St6A(配列番号157)、St6B(配列番号158)、又はこれらと少なくとも90%の配列同一性を有するこれらの変異体をコードするポリペプチドである、請求項5に記載のバイオマス糖化混合物。
  7. 前記β−グルコシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリペプチドが、
    a.Fv3C(配列番号100)、Pa3D(配列番号94)、Fv3G(配列番号96)、Fv3D(配列番号98)、Tr3A(配列番号102)、Tr3B(配列番号104)、Te3A(配列番号106)、An3A(配列番号108)、Fo3A(配列番号110)、Gz3A(配列番号112)、Nh3A(配列番号114)、Vd3A(配列番号116)、Pa3G(配列番号118)、Tn3B(配列番号119)、若しくはこれらと少なくとも90%の配列同一性を有するこれらの変異体をコードするポリペプチド、又は、
    b.(1)配列番号99、93、95、97、101、103、105、107、109、111、113、115、若しくは117と少なくとも90%の配列同一性を有するか、(2)配列番号99、93、95、97、101、103、105、107、109、111、113、115、若しくは117、又はこれらの相補体と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドである、請求項5又は6に記載のバイオマス糖化混合物。
  8. 前記酵素組成物が、(1)キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、(2)β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、及び(3)L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドの1以上又はすべてを更に含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  9. 前記キシラナーゼ活性を有するポリペプチドが、
    a.T.リーゼイ(T. reesei)Xyn3(配列番号76)、T.リーゼイ(T. reesei)Xyn2(配列番号77)、AfuXyn2(配列番号58)、及びAfuXyn5(配列番号60)、若しくはこれらと少なくとも90%の配列同一性を有するこれらの変異体をコードするポリペプチド、又は、
    b.(1)配列番号75、57、若しくは59と少なくとも90%の配列同一性を有するか、又は(2)配列番号75、57、若しくは59、又はこれらの相補体と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである、請求項8に記載のバイオマス糖化混合物。
  10. 前記β−キシロシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリヌクレオチドが、
    a.Fv3A(配列番号36)、Fv43A(配列番号44)、Pf43A(配列番号38)、Fv43D(配列番号62)、Fv39A(配列番号42)、Fv43E(配列番号40)、Fo43A(配列番号52)、Fv43B(配列番号46)、Pa51A(配列番号48)、Gz43A(配列番号50)、T.リーゼイ(T. reesei)Bxl1(配列番号78)、若しくはこれらと少なくとも90%の配列同一性を有するこれらの変異体をコードするポリペプチド、又は、
    b.(1)配列番号35、43、37、61、41、39、51、45、47、49、若しくは159と少なくとも90%の配列同一性を有するか、(2)配列番号35、43、37、61、41、39、51、45、47、49、159、若しくはこれらの相補体と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである、請求項8に記載のバイオマス糖化混合物。
  11. 前記L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有する少なくとも1種類のポリヌクレオチドが、
    a.Af43A(配列番号54)、Fv43B(配列番号46)、Pf51A(配列番号56)、Pa51A(配列番号48)、Fv51A(配列番号66)、若しくはこれらと少なくとも90%の配列同一性を有するこれらの変異体をコードするポリペプチド、又は、
    b.(1)配列番号53、45、55、47、若しくは65と少なくとも90%の配列同一性を有するか、(2)配列番号53、45、55、47、若しくは65、又はこれらの相補体と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである、請求項8に記載のバイオマス糖化混合物。
  12. 前記酵素組成物が、(1)前記酵素組成物中のタンパク質の全重量に対して約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約20重量%、約5重量%〜約15重量%の、前記GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチド、又は(2)前記バイオマス材料中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、若しくはセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、若しくは約1mg〜約5mgの、前記GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  13. 前記酵素組成物が、(1)前記酵素組成物中のタンパク質の全重量に対して約0.1重量%〜約80重量%、約5重量%〜約70重量%、約10重量%〜約60重量%、約20重量%〜約50重量%、若しくは約25重量%〜約50重量%、又は(2)前記バイオマス糖化混合物中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、若しくはセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、若しくは約0.5mg〜約5mgの量のセロビオヒドロラーゼ(cellulobiohydrolase)を含み、更に(1)前記酵素組成物中のタンパク質の全重量に対して約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約30重量%、約2重量%〜約20重量%、約5重量%〜約20重量%、若しくは約8重量%〜約15重量%、又は(2)前記バイオマス糖化混合物中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、若しくはセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、若しくは約0.5mg〜約5mgの量のβ−グルコシダーゼを含む、請求項5〜12のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  14. 前記酵素組成物が、(1)前記酵素組成物中のタンパク質の全重量に対して約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約40重量%、約4重量%〜約30重量%、約5重量%〜約20重量%、若しくは約8重量%〜約15重量%の、前記キシラナーゼ活性を有するポリペプチド、又は(2)前記バイオマス糖化混合物中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、若しくはセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、若しくは約0.5mg〜約5mgの、前記キシラナーゼ活性を有するポリペプチドを含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  15. 前記酵素組成物が、(1)前記酵素組成物中のタンパク質の全重量に対して約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約40重量%、約2重量%〜約30重量%、約4重量%〜約20重量%、若しくは約5重量%〜約15重量%の、前記β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチド、又は(2)前記バイオマス糖化混合物中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、若しくはセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、若しくは約0.5mg〜約5mgの、前記β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドを含む、請求項8〜14のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  16. 前記酵素組成物が、(1)前記酵素組成物中のタンパク質の全重量に対して約0.1重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約40重量%、約2重量%〜約30重量%、約4重量%〜約20重量%、若しくは約5重量%〜約15重量%の、前記L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチド、又は(2)前記バイオマス糖化混合物中に含まれるセルロース、ヘミセルロース、若しくはセルロースとヘミセルロースとの混合物1g当たり約0.2mg〜約30mg、約0.2mg〜約20mg、約0.5mg〜約10mg、若しくは約0.5mg〜約5mgの、前記L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドを含む、請求項8〜15のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  17. 前記酵素組成物が、全セルラーゼ組成物である、請求項1〜16のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  18. 前記全セルラーゼ組成物が、GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現する宿主細胞に由来する、請求項17に記載のバイオマス糖化混合物。
  19. 前記GH61ファミリー酵素活性を有するポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが、前記宿主細胞とは異種のものである、請求項18に記載のバイオマス糖化混合物。
  20. 前記全セルラーゼ組成物が、セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びβ−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを更に発現する宿主細胞に由来する、請求項17〜19のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  21. 前記セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチド、及び/又は前記β−グルコシダーゼを有するポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが、前記宿主細胞とは異種のものである、請求項20に記載のバイオマス糖化混合物。
  22. 前記全セルラーゼ組成物が、(1)β−キシロシダーゼ活性を有するペプチドをコードするポリヌクレオチド、(2)キシラナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及び(3)L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリヌクレオチドペプチドの1以上又はすべてを発現する宿主細胞に由来する、請求項17〜21のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  23. 前記β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチド、前記キシラナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチド、又は前記L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが、前記宿主細胞とは異種のものである、請求項22に記載のバイオマス糖化混合物。
  24. 前記酵素組成物が、全ブロス配合物である、請求項17〜23のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  25. (1)前記GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、(2)前記セロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、(3)前記β−グルコシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、(4)前記β−キシロシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、(5)前記キシラナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、及び(6)前記L−α−アラビノフラノシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の1以上又はすべてが、前記宿主細胞の遺伝物質に組み込まれる、請求項1〜24のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  26. 前記宿主細胞が、細菌宿主細胞、酵母宿主細胞、又は真菌宿主細胞である、請求項18〜25のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  27. 前記宿主細胞が、糸状菌宿主細胞である、請求項26に記載のバイオマス糖化混合物。
  28. 前記糸状菌宿主細胞が、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、クリソスポリウム・ラックノウエンス(Chrysosporium lucknowense)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイド(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・サルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコテシオイド(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ブジェルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パンノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブローサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サブバーミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルストゥス(Coriolus hirsutus)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、マイセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ニューロスポラ・インターメディア(Neurospora intermedia)、ペニシリウム・パープロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ペニシリウム・カネスセンス(Penicillium canescens)、ペニシリウム・ソリタム(Penicillium solitum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジエート(Phlebia radiate)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビローサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、又はトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)の細胞から選択されるものである、請求項27に記載のバイオマス糖化混合物。
  29. 前記糖化混合物が、前記GH61/エンドグルカナーゼ活性を有するポリペプチドを含む前記酵素組成物を最初にブレンドした後、前記酵素組成物を前記バイオマスと混合することにより調製される、請求項1〜28のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  30. 前記バイオマス材料が、ヘミセルロース、セルロース、又はヘミセルロースとセルロースとの混合物を含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  31. 前記バイオマス材料が、グルカン、キシラン、及び/又はリグニンを含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  32. 前記バイオマス材料が、種子、穀粒、塊茎、植物性廃棄物、食品加工又は工業プロセスの副生成物、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ茎葉、草類、ソルガストラム・ニュータンス(Sorghastrum nutans)、スイッチグラス、多年生イネ科植物、木材、ウッドチップ、加工廃材、おがくず、紙、古紙、パルプ、及び再生紙、ジャガイモ、大豆、大麦、ライ麦、オート麦、小麦、ビーツ、サトウキビバガス、及び麦わらから選択される、請求項1〜30のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  33. 前記バイオマス材料が、酸又は塩基による前処理に供される、請求項1〜32のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  34. 前記前処理されたバイオマスが、前記酵素組成物と混合される前に約4.0〜6.5のpHに調整される、請求項33に記載のバイオマス糖化混合物。
  35. 前記バイオマス材料が、前記混合物の全重量に対する固体状態のバイオマス材料の量として、約5重量%〜約60重量%、約10重量%〜約50重量%、約15重量%〜約40重量%、約15重量%〜約30重量%、又は約20重量%〜約30重量%の量で前記混合物中に存在する、請求項1〜34のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物。
  36. バイオマス材料を加水分解するための方法であって、請求項1〜35のいずれか一項に記載のバイオマス糖化混合物を、該バイオマス糖化混合物中の前記バイオマス材料を加水分解するのに適した条件下で、充分な長さの時間にわたってインキュベートすることを含む、方法。
  37. 前記バイオマス糖化混合物中の前記バイオマス材料を加水分解するのに適した条件が、(1)約3.5〜約7.0のpH、(2)約2時間以上の時間の長さ、及び/又は(3)約25℃〜約75℃の温度を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記充分な長さの時間が、約8時間〜約72時間の長さの時間を含む、請求項36又は37に記載の方法。
  39. 2時間以上の任意の所定の時間において、前記バイオマス糖化混合物により産生される発酵性糖の量が、同じ量及び種類のバイオマス材料、並びに同じ酵素成分の組成を有するが、GH61/エンドグルカナーゼを含まないコントロールバイオマス糖化混合物によって産生される発酵性糖の量と比較して少なくとも約5%増加する、請求項36〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記バイオマス糖化により産生される発酵性糖の量が、前記コントロールバイオマス糖化混合物により産生される発酵性糖と比較して少なくとも約10%増加する、請求項39に記載の方法。
  41. 前記バイオマス材料が、固体状態で約10重量%〜約50重量%の量で存在する、請求項36〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記バイオマス糖化混合物の粘度が、同じ量及び種類のバイオマス材料、並びに同じ酵素成分の組成を有するが、GH61/エンドグルカナーゼを含まない前記コントロールバイオマス糖化混合物の粘度と比較して、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、又はそれ以上低下する、請求項41に記載の方法。
  43. バイオマス材料を、商業的酵素供給モデル又はオンサイトバイオ精錬モデルにおいて発酵性糖に変換するための、請求項1〜35のいずれか一項に記載の組成物の使用方法。
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