JP2014511123A - フロー式粒子分析器の温度補償を含む流体システム - Google Patents
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Abstract
本発明は、システムを調節して温度変化により生じる流体粘度の変化を補償することのできるフローサイトメータまたは血液分析器等のフロー式粒子分析器のための改良された流体システムを提供する。
Description
本発明は、流体中の粒子を分析するための機器およびその使用に関する。
フローサイトメータ等のフロー式粒子分析器は、光散乱および蛍光等の光学パラメータに基づき、またはインピーダンス等の電気的特性により、粒子の特徴付けを可能にする周知の分析手段である。フローサイトメータでは、例えば、懸濁液中の分子、アナライト結合ビーズ、または個々の細胞等の粒子を、一般に1または複数のレーザからの励起光に粒子が晒される検出領域に通して、粒子の光散乱特性および蛍光特性を測定する。粒子または粒子成分を、一般に、検出しやすいように蛍光色素で標識付けし、スペクトル的に異なる蛍光色素を使用して異なる粒子または成分を標識付けすることにより、多様な異なる粒子または成分を同時に検出することができる。一般に、それぞれ異なる色素を検出する多様な光検出器を使用して、検出が行われる。フローサイトメータおよびスキャニングサイトメータは、例えば、BD Biosciences社(カリフォルニア州、サンノゼ)から市販されている。フローサイトメータの説明は、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献1およびこれに引用される文献に示される。
一般的なフローサイトメータでは、粒子を含む試料流体が、検出領域を通過するときに、試料流体と同軸の環状流を形成し且つ粒子を含まないシース流体によって囲まれる。これにより、粒子を含まないシース流体により囲まれた流体流の中心に、粒子を含む試料流体の流体力学的に集中した流れが生じる。一般に、試料流体に対するシース流体の割合は高く、試料流体は、検出領域を通る全流体流のわずかを占めるに過ぎない。
一般にフローサイトメータシステムは、試料流体およびシース流体が、検出領域を含むフローセルに、周囲気圧よりも高い圧力によって供給される圧力流体システムとして実施されている。圧力駆動流体システムの流量の変化は、フローセルに液体を注ぐ試料管および/またはシース流体リザーバの圧力を変化させることにより達成される。あるいは、フローサイトメータシステムは、真空ポンプがフローセルの下流へ真空を引き、試料流体およびシース流体が周囲気圧で保持される真空流体システムを使用して実施されている。
参照により本明細書に組み込まれている特許文献1は、圧力駆動フローサイトメータで使用される圧力制御システムを記載している。このシステムは、試料管およびシースリザーバの両方を加圧するポンプを備える。このポンプは、試料流体を試料管から、シース流体をシースリザーバから、細胞分析が行われるフローセルを通して押し出し、フローセル排水を開放廃棄物リザーバへ排出する。圧力調整器が試料管およびシースリザーバの相対圧力を制御することにより、試料流体およびシース流体の相対流量の制御を可能にする。
参照により本明細書に組み込まれている特許文献2は、フローサイトメータで使用される真空制御システムを記載している。このシステムは真空ポンプを備える。この真空ポンプは、開放供給リザーバから、細胞分析が行われるフローセルを通してシース流体を引き込み、フローセル排水を開放廃棄物リザーバへ排出する。供給リザーバからフローセルへつながる導管を通して圧力低下が生じることにより、粒子(例えば、細胞)懸濁液からなる試料を、開放試料槽からフローセル内へフローセルを通して吸引する。このシステムの流量は、フローセル出口の真空レベルを監視することにより調整される。真空センサに結合された制御回路は、真空ポンプモータに加えられた電力を調節して、フローセル出口の所定の真空レベルを維持する。
Shapiro, 2003, Practical Flow Cytometry, 4th ed. (John Wiley and Sons, Inc. Hoboken, NJ)
本発明は、システムを調節して温度変化により生じる流体粘度の変化を補償することのできるフローサイトメータまたは血液分析器等のフロー式粒子分析器のための改良された流体システムを、提供する。システムを調節することができるため、温度の変動が大きい世界の地域等の極端な環境において、温度制御された研究室内に機器を維持する必要なく、分析器を容易に使用することができる。
本発明の流体システムは、粒子の分析が行われるフローセル全体にわたって圧力差を生じさせることによって、分析すべき粒子を含む試料流体の流体力学的に集中した流れをフローセルに通過させる。圧力差は、流体システムが圧力駆動と呼ばれるフローセル上流の流体の圧力上昇、または流体システムが真空駆動と呼ばれるフローセル下流の圧力低下、によるものとすることができる。圧力源、一般にポンプは、システム圧力を所望の圧力レベルで維持するために、測定された圧力レベルおよび記憶された目標の所望の圧力レベルに応じてポンプを変調するフィードバック回路の制御によって、適切な圧力差を生じさせる。流体システムは、温度変化により生じる流体粘度の変化を補償するために、流体の温度を測定し、さらにポンプを変調するサーミスタ等の温度センサをさらに備える。一般に、温度変化に応じて目標の所望の圧力レベルを修正することにより調節が達成され、その後、フィードバック回路は、修正された所望の圧力レベルでシステム圧力を自動的に維持する。
一態様において、本発明は、フローサイトメータまたは血液分析器等のフロー式粒子分析器のための改良された真空駆動流体システムを提供する。真空駆動流体システムは真空を発生させる真空ポンプを備える。真空ポンプは、粒子の分析が行われるフローセルを通じて、シース流体をシースリザーバから引き込み、分析すべき粒子を含む試料流体を試料管から引き込む。フローセルから流出した試料流体およびシース流体の混合物である廃液が、ポンプを通して引き込まれ、廃棄物リザーバへ排出される。圧力センサ(圧力トランスデューサ)は、本明細書で静圧低下と呼ばれる周囲気圧に対して真空ポンプにより引かれる真空を測定するように構成される。本明細書で静圧制御フィードバック回路と呼ばれる制御フィードバック回路が設けられ、この制御フィードバック回路は、測定された静圧低下に応じて真空ポンプモータに加えられる電力を制御することによって等、真空ポンプを変調することにより静圧低下を調整することができる。本発明の真空駆動流体システムは、試料流体および/またはシース流体の温度を測定するサーミスタ等の温度センサをさらに備える。温度変化により生じる流体粘度の変化を補償するために、流体の温度を使用して、真空ポンプモータをさらに変調することにより静圧低下を調節する。
別の態様において、本発明は、フローサイトメータまたは血液分析器等のフロー式粒子分析器のための改良された圧力駆動流体システムを提供する。圧力駆動流体システムは、試料流体およびシース流体を加圧する圧力源を備える。圧力源は、粒子の分析が行われるフローセルに、シースリザーバからシース流体を、試料管から分析すべき粒子を含む試料流体を、押し込む。フローセルから流出した試料流体およびシース流体の混合物である廃液が、廃棄物リザーバへ流入する。圧力センサ(圧力トランスデューサ)は、本明細書で静圧と呼ばれる周囲気圧に対してポンプにより生じる圧力を測定するように構成される。本明細書で静圧制御フィードバック回路と呼ばれる制御フィードバック回路が設けられ、この制御フィードバック回路は、測定された静圧に応じてポンプモータに加えられる電力を制御することによって等、真空ポンプを変調することにより静圧を調整することができる。本発明の圧力駆動流体システムは、試料流体の温度および/またはシース流体の温度を測定するサーミスタ等の温度センサをさらに備える。温度変化により生じる流体粘度の変化を補償するために、流体の温度を使用して、ポンプをさらに変調することにより静圧を調節する。
システム圧力は、フィードバック制御ループによりポンプを変調することによって所望の圧力レベルで一定に保持される。ポンプモータに供給される電力を変調することによって、ポンプの変調を簡便に達成することができる。あるいは、ポンプからの流体もしくはガスの流れを制限する1または複数の弁、あるいは他の流体抵抗器を使用して、ポンプにより供給される圧力を変調することができる。
以下の定義は明確にするために示されるものである。別段の指示がない限り、すべての用語は当技術で一般的な用語として使用される。本明細書で引用される上記および下記の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
「フロー式粒子分析器」は、本明細書において、粒子を1または複数の光学検出器に通過させることにより、流れる流体流中に懸濁している粒子を分析し、例えば、分析または分取フローサイトメータ、血液分析器、および細胞計数器を含む機器を指すために使用される。フロー式粒子分析器は少なくとも2つの流体源を含み、2つの流体が分析直前にシステムにより組み合わされる。例えば、本発明のフローサイトメータは、シース流体によって流体力学的に集中した試料流体中に懸濁している粒子を分析する。
本明細書で使用する場合、「システム」および「機器」は、ハードウェア(例えば、機械的および電子的)と、関連するソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム)コンポーネントとの両方を含むものである。
シース流体は、一般にフローサイトメータで実施されるような、粒子を含む試料流体を囲んで流体力学的な集中を達成させるために使用されるほぼ粒子のない流体を指す。
圧力測定に関連する「圧力センサ」、「圧力トランスデューサ」、「真空センサ」、「真空トランスデューサ」、および「トランスデューサ」という用語はすべて、本明細書で交換可能に使用される。
本明細書で使用される流体「ライン」は、流体を輸送するための流体導管またはチャネルを指す。一般に、試料流体ラインおよびシース流体ラインは、主に管の長さから構成されるが、ラインは弁および追加の流体抵抗器を含み得る。
本明細書で使用する場合、「関数関係の表示」は、対象の値の範囲にわたる入力変数の所与の値について出力変数の値を判定することができる表示を指す。この用語は、直線または多項式を経験的データに適合させることによって、または有限数のビンに分類された各入力値についての出力を記憶するルックアップテーブルを使用することによって、得られるもの等の真の関数関係の近似の表示を含むものとする。
圧力トランスデューサ
一般的な圧力センサは、圧力レベルまたは真空レベルに応じて歪められたときに、比例する電圧を発生させるピエゾ抵抗材料のダイヤフラムを組み込む。適切な圧力センサが当技術で知られており、例えば、Honeywell Corporation(ニュージャージー州、モリスタウン)から市販されている。例として、Honeywell 26PCおよび140PCシリーズの差圧真空センサおよびSensym SDX圧力センサがある。
一般的な圧力センサは、圧力レベルまたは真空レベルに応じて歪められたときに、比例する電圧を発生させるピエゾ抵抗材料のダイヤフラムを組み込む。適切な圧力センサが当技術で知られており、例えば、Honeywell Corporation(ニュージャージー州、モリスタウン)から市販されている。例として、Honeywell 26PCおよび140PCシリーズの差圧真空センサおよびSensym SDX圧力センサがある。
温度センサ
一般に約0〜45℃、より一般的には45℃未満の機器の動作温度範囲を超える流体温度を測定するのに適した温度センサが当技術で知られており、このような温度センサとして、例えば、サーミスタ、熱電対、および抵抗温度検出器または抵抗熱デバイス(RTD)とも呼ばれる抵抗温度計がある。好ましくは、温度センサが、負温度係数(NTC)タイプのサーミスタである。NTCサーミスタは、例えば、Betatherm Corporation(マサチューセッツ州、シュルーズベリー)、Keystone Thermometrics Corporation(ペンシルバニア州、セントメリーズ)、およびGE Sensing社(マサチューセッツ州、ビレリカ)を含むいくつかの製造業者から市販されている。
一般に約0〜45℃、より一般的には45℃未満の機器の動作温度範囲を超える流体温度を測定するのに適した温度センサが当技術で知られており、このような温度センサとして、例えば、サーミスタ、熱電対、および抵抗温度検出器または抵抗熱デバイス(RTD)とも呼ばれる抵抗温度計がある。好ましくは、温度センサが、負温度係数(NTC)タイプのサーミスタである。NTCサーミスタは、例えば、Betatherm Corporation(マサチューセッツ州、シュルーズベリー)、Keystone Thermometrics Corporation(ペンシルバニア州、セントメリーズ)、およびGE Sensing社(マサチューセッツ州、ビレリカ)を含むいくつかの製造業者から市販されている。
図面に基づく説明
図1
図1は、本発明の流体システムで有用な一般的フローサイトメータの要素を示す概略図である。フローセル100は、フローセルチャンバ106と、試料注入口108と、シース注入口110とを備える。試料注入口108およびシース注入口110は、粒子を含む流体試料および粒子を含まないシース流体をそれぞれフローセルチャンバ106内に供給するように構成される。フローセルチャンバ106は、キュベット102を通過するキュベットチャネル104に接合される開口に向かって収束する。
図1
図1は、本発明の流体システムで有用な一般的フローサイトメータの要素を示す概略図である。フローセル100は、フローセルチャンバ106と、試料注入口108と、シース注入口110とを備える。試料注入口108およびシース注入口110は、粒子を含む流体試料および粒子を含まないシース流体をそれぞれフローセルチャンバ106内に供給するように構成される。フローセルチャンバ106は、キュベット102を通過するキュベットチャネル104に接合される開口に向かって収束する。
使用時に、分析すべき粒子を含む試料流体を、試料注入口108を通してフローセル100に導入し、粒子を含まないシース流体を、シース注入口110を通してフローセルに導入する。流体はキュベットチャネル104を通って流出し、廃棄物容器(図示せず)に向けられる。フローセルは、シース流体が試料流体と同軸の環状流を形成するよう設計されるため、粒子を含まないシース流体により囲まれた流体流の中心に、粒子を含む試料流体の流体力学的に集中した流れが生じる。シース流体および試料流体からなる組み合わさった流体流は、本明細書で「試料流」、「フロー流」、または「粒子流」と呼ばれる。
試料流内の粒子の光学分析は、検出領域120内の試料流を1または複数の励起光源からの励起光に晒すことにより、かつ1または複数の光検出器(図示せず)を使用して検出領域120から放射される光を検出することにより、行われる。キュベット102は、少なくとも一部が、光学的励起および検出を可能にする光学的に透明な材料から構成される。図1は、2つの励起光源の使用を示す。励起光源118は、検出領域120内の第1の検査点における試料流にレンズ116により集束される第1の光ビームを放出する。励起光源119は、検出領域120内の第2の検査点における試料流にレンズ116により集束される第2の光ビームを放出する。第2の検査点は第1の検査点よりも距離122だけ下流にある。ミラーまたはビームスプリッタ117を使用して、検査点で第2のビームを第1のビームにほぼ平行に向け直す。
一般に、複数の励起光源のそれぞれについて、試料流中の粒子から放出される蛍光を検出する複数の検出器(図示せず)があり、各検出器は、規定された波長範囲内で放出された光を検出するように構成される。加えて、追加の検出器が、前方散乱光と呼ばれる励起ビームに対して小さい角度で粒子により散乱される少なくとも1つの励起光源からの励起光と、側方散乱光と呼ばれる励起ビームに対してほぼ直角で粒子により散乱される励起光と、を検出するように位置決めされる。フロー式粒子分析器で使用される適切な光検出器として、例えば、光電子倍増管(PMT)、アバランシェ光検出器、光検出器、または他の適切な光検出装置がある。
検査点の空間的分離により、粒子を異なる波長の励起光にそれぞれ別々に晒すことができる。粒子は、キュベットチャネル104を通って移動すると、第1の検査点で励起光源118からの励起光に最初に晒される。次に、粒子は第1の検査点から出て第2の検査点に入り、励起光源119からの励起光に晒される。粒子が第1の検査点から第2の検査点へ移動するのにかかる時間は、本明細書で「レーザ遅延」と呼ばれる。
レーザ遅延は、第1の励起光に晒された粒子の放出から得られた信号を第2の励起光に晒された同じ粒子の放出からの信号に電子的に一致させて、信号がすべて同じ粒子から発生していることが特定されるようにするために使用される、重要なパラメータである。検査点間の所与の距離122についてのレーザ遅延は、キュベットチャネル104を通る流量に完全に依存する。少なくともこの理由で、フローセルを通る流量を、試料粒子の分析中に一定に維持すべきである。
フローセルを通る流量を、各検査点で検出可能な試験粒子の試料を分析することにより測定することができる。各粒子について、第1の励起光に晒された粒子の放出から得られた信号と、第2の励起光に晒された粒子の放出からの信号との間の時間が測定される。検査点間の距離122は機器の設計からわかり、第1および第2の信号間の時間遅延により、検出領域120を通る流量の算出が可能になる。あるいは、特定の時間にわたってフローセル下流の流体の蓄積を測定することにより、流量を測定することができる。
図2
図2は、本発明の真空駆動流体システムの要素を示す概略図である。真空ポンプ211により、真空システムが発生する。真空ポンプ211は、光学分析が行われるフローセル100(光学素子は図示せず)を通して、シースリザーバ202からシース流体を引き込み、試料管201から分析すべき粒子を含む試料流体を引き込む。フローセルから流出した試料流体およびシース流体の混合物である廃液が、廃棄物リザーバ203へ排出される。
図2は、本発明の真空駆動流体システムの要素を示す概略図である。真空ポンプ211により、真空システムが発生する。真空ポンプ211は、光学分析が行われるフローセル100(光学素子は図示せず)を通して、シースリザーバ202からシース流体を引き込み、試料管201から分析すべき粒子を含む試料流体を引き込む。フローセルから流出した試料流体およびシース流体の混合物である廃液が、廃棄物リザーバ203へ排出される。
一般にダイヤフラムポンプである真空ポンプ211により発生した真空内の脈動は、パルセーションダンパとも呼ばれるアキュムレータ255により減衰される。アキュムレータは、真空ポンプのストロークボリュームの何倍(例えば、10〜1000倍)もの内部容積を有する密閉されたキャニスタとすることができる。
トランスデューサ231は、真空ポンプ211により生じた大気圧に対する圧力低下を測定する。この圧力低下は、本明細書で「静圧低下」と呼ばれる。好ましくは、安定した測定値が得られるように、静圧低下がアキュムレータ255の内部から測定される。
トランスデューサ231は、一般に、短管によりアキュムレータ255に接続されて、管内の圧力がアキュムレータ内の圧力と等しくなるようにする。トランスデューサ231およびアキュムレータ255を接続する管内にトランスデューサ近くに配置されたエアブリード(例えば、管内部を外部空気に接続する小さいオリフィス)を備えて、少量の空気を、管を通して管内に引き込むことができ、アキュムレータ内の真空により引き込むことができるようにすることが望ましい。管を通る空気流が静圧低下の測定に大きな影響を与えないように、エアブリードは十分に小さいものとすべきである。オリフィス(トランスデューサ近く)からアキュムレータに向かう方向に管を通る小さな空気流があるため、測定の精度に影響を与えるおそれがあり且つアキュムレータ内に存在し得る流体または気泡が、トランスデューサにつながる管に入ることが防止される。
試料流体が試料ライン220を通して引き込まれ、試料注入口108(図1に示す)を通してフローセル100に引き込まれる。
シース流体は、シース流体ライン222を通して、シース注入口110(図1に示す)を通して引き込まれる。シースラインは、以下に述べる所望の流量を得るための機器較正中または前に設定される流体抵抗R0を有する。一般に、抵抗は、シースライン220の長さを変えることによって変化する。
流量センサ235が、試料ライン220に位置決めされて、試料流体流量を直接測定する。毎分ナノリットルまでの測定範囲を有する適切な高精度液体流センサおよび液体流量計が、例えば、Sensirion Inc.(カリフォルニア州、ウエストレイクビレッジ)から市販されている。流量センサ235により、フローシステムの設定が容易になる。静圧低下を調節して所望の試料流体流量を提供し、流量センサは試料流体流量を独立して測定する。このセンサは任意選択である。あるいは、試料流体の流量を、濃度が知られた試験粒子を含む試料を分析することによる等、他の手段で測定することができる。試験粒子の検出速度を測定することにより、試料ライン220の流量を推測することができる。
システム弁253により、フローセルを通る流体流を完全に遮断することができる。これにより、システムを中断させて、例えば、各試料の分析後に新しい試料源に変えることができる。本システムでは、フローセルとポンプとの間の流体路に位置する弁を閉じることにより、流体流を中断させることができる。静圧低下フィードバックループにより、中断状態の間に静圧低下を一定レベルで維持することができる。
弁251により、シース流体流を完全に遮断することができる。試料流体をフローセル100に引き込むのにかかる時間を短縮するために、弁251を使用してシース流体流を一時的に停止し、試料管201を試料ライン220に接続した後に試料流体流量を一時的に上昇(増加)させる。試料流体がフローセルに到達すると、弁251が開き、シース流体の流れによって流体力学的に集中した流れが確立され、試料流体およびシース流体の流量が所望の分析速度に戻る。好ましくは、前記弁251を開く前にフローセルに真空を発生させることができるようにするため、弁251およびシステム弁253は協調して自動制御されて、弁251を開く所定時間前にシステム弁253を開くことができるようにする。
温度センサ232は、シースリザーバ202内のシース流体の温度を測定するように構成される。一般に、シース流体のレベルは、シースリザーバ202内へ延びるレベルセンサ(図示せず)を使用して監視される。好ましい実施形態では、温度センサ232およびレベルセンサが、シースリザーバ202内へ延びる単一構造に取り付けられる。
コントローラ261は、真空ポンプ211の動力を変調して、トランスデューサ231により測定された静圧低下を、記憶された所望の静圧低下と比較することにより、一定の静圧低下を提供する。所望の静圧低下は、機器動作温度を補償するように調節された非補償の所望の静圧低下PDsから得られる。非補償の所望の静圧低下PDsは、正常範囲のシース流体温度で動作しながら、フローセルを通る所望の流量で動作する機器に対応する測定された静圧低下である。その後、この非補償の所望の静圧低下PDsを、温度センサ232により測定されたシース流体温度に基づき、コントローラ263によって必要に応じて調節する。これにより、シース流体温度に基づいて静圧低下を調節するための1つの機構が提供される。所望の静圧低下および動作温度に基づいて一定の静圧低下を維持するために、真空ポンプ211の動力の変調を行う代替フィードバック回路を使用することができることが明らかであろう。例えば、コントローラ261およびコントローラ263の機能を、コントローラに所望の静圧低下を記憶させることによって、単一のコントローラで具体化することができる。
好ましくは、圧力低下フィードバック回路の(コントローラ261を介する)自動制御、および弁251、253の自動制御が、協調して行われる。
図3
図3は、本発明の圧力駆動流体システムの要素を示す概略図である。システム圧力がポンプ311により発生される。ポンプ311は、シースリザーバ302および試料管301を加圧し、光学分析が行われるフローセル100に流体を押し入れる(光学素子は図示せず)。フローセルから流出した試料流体およびシース流体の混合物である廃液が、廃棄物リザーバ203へ排出される。ポンプ311により与えられる圧力は、シースリザーバ302と試料管301との間の圧力配分を制御する圧力コントローラ312を最初に通過する。一般に、試料管に与えられる圧力は、シースリザーバに与えられる圧力よりもやや高い。
図3は、本発明の圧力駆動流体システムの要素を示す概略図である。システム圧力がポンプ311により発生される。ポンプ311は、シースリザーバ302および試料管301を加圧し、光学分析が行われるフローセル100に流体を押し入れる(光学素子は図示せず)。フローセルから流出した試料流体およびシース流体の混合物である廃液が、廃棄物リザーバ203へ排出される。ポンプ311により与えられる圧力は、シースリザーバ302と試料管301との間の圧力配分を制御する圧力コントローラ312を最初に通過する。一般に、試料管に与えられる圧力は、シースリザーバに与えられる圧力よりもやや高い。
圧力トランスデューサ331は、大気圧に対してポンプ311により発生した圧力を測定する。この圧力は、本明細書で「静圧」と呼ばれる。
試料流体は、試料ライン220を通して押し込まれ、試料注入口108(図1に示す)を通してフローセル100に押し込まれる。
シース流体は、シース流体ライン222を通して、シース注入口110(図1に示す)を通して押し込まれる。
流量センサ235が試料ライン220に位置決めされて、試料流体流量を直接測定する。任意選択の流量センサ235により、前述した真空駆動流体システムと同様に流体システムの設定が容易になる。
システム弁353により、フローセルを通る流体流を完全に遮断することができる。これにより、システムを中断させて、例えば、各試料の分析後に新しい試料源に変えることができる。圧力駆動システムでは、ポンプとシースリザーバと試料管との間の流体路に位置する弁を閉じることにより、流体流を中断させることができる。静圧フィードバックループにより、中断状態の間に静圧を一定レベルで維持することができる。
弁251により、シース流体流を完全に遮断することができる。試料流体をフローセル100に押し込むのにかかる時間を短縮するために、弁251を使用してシース流体流を一時的に停止し、試料管201を試料ライン220に接続した後に試料流体流量を一時的に上昇(増加)させる。試料流体がフローセルに到達すると、弁251が開き、シース流体の流れによって流体力学的に集中した流れが確立され、試料流体およびシース流体の流量が所望の分析速度に戻る。好ましくは、前記弁251を開く前に前記フローセルに圧力を発生させることができるようにするため、弁251およびシステム弁353は協調して自動制御されて、弁251を開く所定時間前にシステム弁353を開くことができるようにする。
コントローラ361が、ポンプ311の動力を変調して、トランスデューサ331により測定された静圧を記憶された所望の静圧と比較することにより一定の静圧を提供する。所望の静圧が、機器動作温度を補償するように調節された非補償の所望の静圧Psから得られる。非補償の所望の静圧Psは、正常範囲のシース流体温度で動作しながら、フローセルを通る所望の流量で動作する機器に対応する測定された静圧である。その後、この非補償の所望の静圧Psを、温度センサ232により測定されたシース流体温度に基づき、コントローラ363によって必要に応じて調節する。これにより、シース流体温度に基づいて静圧を調節するための1つの機構が提供される。所望の静圧および動作温度に基づいて一定の静圧を維持するために、ポンプ311の変調を行う代替フィードバック回路を使用することができることが明らかであろう。例えば、コントローラ361およびコントローラ363の機能を、コントローラに所望の静圧低下を記憶させることによって、単一のコントローラで具体化することができる。
好ましくは、圧力低下フィードバック回路の(コントローラ361を介する)自動制御、および弁251、353の自動制御が、協調して行われる。
システム較正
試料流量は、試料ラインおよびシース流体ラインの相対抵抗と、ポンプにより生じる圧力差との両方に依存する。試料ラインの抵抗、シース流体ラインの抵抗、および圧力低下の個々の値は、結果として得られる試料流量が所望の流量である限り、重要ではない。フロー式粒子分析器の初期のシステム較正が行われて、抵抗および圧力差を設定し、標準動作温度で所望の試料流量を得る。この初期のシステム較正は、前述したフローサイトメータを使用するときに行うことができる。較正されると、本発明のシステムは、流体温度の変化にかかわらず所望の試料流量を維持することができる。
試料流量は、試料ラインおよびシース流体ラインの相対抵抗と、ポンプにより生じる圧力差との両方に依存する。試料ラインの抵抗、シース流体ラインの抵抗、および圧力低下の個々の値は、結果として得られる試料流量が所望の流量である限り、重要ではない。フロー式粒子分析器の初期のシステム較正が行われて、抵抗および圧力差を設定し、標準動作温度で所望の試料流量を得る。この初期のシステム較正は、前述したフローサイトメータを使用するときに行うことができる。較正されると、本発明のシステムは、流体温度の変化にかかわらず所望の試料流量を維持することができる。
一般に、システム較正は繰り返し行われ、所望の設定が得られるまで、他の定数を保持しながら1つのパラメータを調節する。一般的なフローサイトメータでは、シース流体流量が試料流体流量よりもかなり大きい。例えば、一般的なフローサイトメータは、約15ml/分のシース流体流量および約90μl/分の試料流体流量で動作することができる。この流量の不一致のため、所望のシース流体流量およびポンプ動力レベルを最初に設定し、次にシース流体ラインの抵抗を調節して所望の試料流体流量を得ることが好ましい。
試料流体ラインの抵抗は、一般に、特定の機器の初期設計により決定され、後で変更されることはない。シース流体ラインの抵抗およびポンプを調節することにより、最終的な試料流体流量が決定されるため、正確な値は重要でない。管の呼び長さがシース流体ラインについて選択され、これによりシース流体ラインの初期抵抗を設定する。ポンプの動力を調節して、所望のシース流量を得る。このステップでの圧力差を測定してシステムに記憶させ、機器動作中にフィードバックコントローラによって使用されるようにすることができる。その後、シース流体ラインの管の長さを変更して、所望の試料流体流量が得られるまで、シース流体ラインの抵抗を調節する。このシース流体ラインの抵抗の最終的な調節により圧力差がわずかに変化するが、この変化は一般にごくわずかであるため、この最終的な調節の直前に測定された圧力差をフィードバックコントローラで使用することができる。あるいは、試料流体流量の設定後に測定された圧力差をシステムに記憶させて、機器動作中にフィードバックコントローラにより使用する。
システムを知られた時間動作させて、排出される流体の量を測定することにより、シース流量を測定することができる。あるいは、容積が知られた短管を、シース流体リザーバとシース流体ラインとの間に一列に配置する。システムの動作中に、管をリザーバから取り外し、管が空になるまでの時間を測定する。ガラス等の透明材料の短管を使用することにより、管内の流体が容易に観察されるため、この測定が容易になる。試料流量は、試料流体ラインに沿って流量計を使用して、またはシース流体ラインと同様に所与の時間にラインを通って流れる量を測定することにより測定される。
好ましくは、システムは、システムが最も頻繁に使用される温度、またはシステムが使用される温度範囲のほぼ中間点の温度、に対応する室温等の所望の標準動作温度での動作中に較正される。この標準動作温度は、温度によって生じた粘度変化を補償するための圧力差の調節を必要としない動作温度である。言い換えると、所望の標準動作温度で較正される図2の真空に基づくシステムでは、システムに記憶された静圧低下PDsが、ポンプ動力を調節して所望の流量を得た後にトランスデューサ231により測定される静圧低下である。同様に、所望の標準動作温度で較正される図3の圧力に基づくシステムでは、システムに記憶された静圧Psが、ポンプ動力を調節して所望の流量を得た後にトランスデューサ331により測定される静圧である。
システムを、所望の標準動作温度よりも高いまたは低い温度で較正することもできる。例えば、真空に基づくシステムでは、較正温度と標準動作温度との温度差を補償するように調節した後に、測定された静圧低下を生じさせるPDsを算出することにより、非補償の所望の静圧低下PDsが得られる。補償は、流量を維持するために必要な温度とポンプ動力との所定の関係に基づいており、この関係は、コントローラ263または263(以下でさらに説明する)により使用されるようシステムに記憶される。
システム動作状態
システムの動作中に、フィードバック回路がポンプ動力を変調して、記憶された値(PDsまたはPs)で圧力差を維持し、この値はさらに修正されて、温度変化によって生じる試料流体およびシース流体の粘度の変化を補償する。
システムの動作中に、フィードバック回路がポンプ動力を変調して、記憶された値(PDsまたはPs)で圧力差を維持し、この値はさらに修正されて、温度変化によって生じる試料流体およびシース流体の粘度の変化を補償する。
温度変化を補償するための記憶された圧力差の修正は、一定の流量を維持するのに必要な温度と圧力差との関数関係の判定に基づく。一般に、通常は大部分が水であるシース流体について、一定の流量を維持するのに必要な温度と圧力差との関数関係は、線形またはほぼ線形である。したがって、関係は、線形関数により十分に近似される。
PDiff=C1・T+C2
PDiff=C1・T+C2
ここで、PDiffは圧力差、Tは流体温度、C1およびC2は、直線を経験的に決定されたデータに適合させることによって決まる一定係数である。この関係の表示は、システムのファームウェアコンポーネントまたはソフトウェアコンポーネントに記憶され、この表示を使用して、ポンプコントローラに対する入力である記憶された圧力差値(PDsまたはPs)を調節する。関数関係の記憶された表示は、線形関数を規定する定数のみを記録する、すなわち値C1、C2のみを記憶することにより簡略化され得る。
好ましくは、一定の流量を維持するのに必要な温度と圧力差との関係は、経験的に決定される。機器は、熱的に制御された環境またはそれに相当する環境に配置されて、流体の温度を制御する。システムは、最初に所望の標準動作温度で較正されて、所望の流量に対応する初期基準圧力差(PDsまたはPs)を得る。動作温度範囲にわたって及び各変化温度で温度が変化し、同一の所望の流量を得るために必要な圧力差が測定される。
システムの中断および再開
弁253を閉じることにより、真空に基づくシステムを停止させる(すなわち、システムを中断させる)ことができる。静圧フィードバックループは、流れを中断させる直前に存在した一定値で静圧低下を維持する。流れが停止すると、これにより真空ポンプ211の動力がいくらか低下する。真空駆動システムを再開するために、システム弁253を開き、真空ポンプ211がフローセルを通して真空を引くことができるようにする。ポンプに与える動力を調節して、設定時に決められた値で静圧低下を維持し、フローセルを通る所望の流量を提供する。
弁253を閉じることにより、真空に基づくシステムを停止させる(すなわち、システムを中断させる)ことができる。静圧フィードバックループは、流れを中断させる直前に存在した一定値で静圧低下を維持する。流れが停止すると、これにより真空ポンプ211の動力がいくらか低下する。真空駆動システムを再開するために、システム弁253を開き、真空ポンプ211がフローセルを通して真空を引くことができるようにする。ポンプに与える動力を調節して、設定時に決められた値で静圧低下を維持し、フローセルを通る所望の流量を提供する。
同様に、弁353を閉じることにより、圧力に基づくシステムにおいてフローセルを通る流体の流れを停止させる(すなわち、システムを中断させる)ことができる。静圧フィードバックループは、流れを中断させる直前に存在した一定値で静圧低下を維持する。流れが停止すると、これによりポンプ311の動力がいくらか低下する。圧力駆動システムを再開するために、システム弁353を開き、ポンプ311が試料管およびシースリザーバを加圧できるようにする。ポンプに与える動力を調節して、設定時に決められた値で静圧を維持し、フローセルを通る所望の流量を提供する。
システムを定期的に中断させて、試料管を交換できるようにする。再開時に、新しい試料管からの試料流体を、フローセルに到達する前に試料流体ラインを通して引き込む(または押し込む)必要がある。試料流体ラインが新しい管からの試料流体で満たされるまで、この初期の試料流を加速(増加)することが望ましい。最大の試料流体流は、弁251を閉じることによりシース流体流を遮断することによって達成される。システムを再開するときには、弁251を開く前に試料ラインを通ってフローセルに入る試料流体の流れを生じさせるために、弁251を開く前に、流量および試料流体ラインの容積に基づく所定の時間、システム弁253または353を開く。
2つの温度システム
図2および3で前述した例示的なシステムは、シース流体の温度を測定する温度センサを含む。一般に、シース流体および試料流体の温度は同一であり、通常、周囲温度である。しかし、一部の適用では、異なる温度で試料を使用することが望ましいとされ得る。例えば、分析前に試料を周囲温度まで加温することなく、低温で保管された試料を流すことが望ましいとされ得る。
図2および3で前述した例示的なシステムは、シース流体の温度を測定する温度センサを含む。一般に、シース流体および試料流体の温度は同一であり、通常、周囲温度である。しかし、一部の適用では、異なる温度で試料を使用することが望ましいとされ得る。例えば、分析前に試料を周囲温度まで加温することなく、低温で保管された試料を流すことが望ましいとされ得る。
シース流体温度に対する試料流体温度の変化により、試料流体ラインおよびシース流体ラインの相対抵抗が変化するため、シース流体に対する試料流体の相対流が決定される。本発明の代替形態では、試料流体の温度を測定するためのセンサとシース流体の温度を測定するためのセンサとの2つの温度センサを使用して、試料流体温度とシース流体温度との独立した変化を補償することができる。好ましくは、試料流体温度センサを試料管の外側に位置決めして、試料の汚染または試料による汚染を避けることができる。
図2に示すような真空に基づくシステムについて、試料流体温度センサは、ポンプの動力を変調するコントローラ261に(直接またはコントローラ263を介して)接続される。2つの流体の温度に基づく適切な補償が、試料流体ラインおよびシース流体ラインの相対抵抗の算出された又は経験的に予め決定された変化に基づいて、コントローラにより決定される。コントローラ261は、ポンプの動力を変調して、試料流量が維持されるように試料流とシース流との組み合わさった流れを調節する。
真空に基づくシステムでは、シース流体温度から独立した試料流体温度の変化を補償するためのシステムの変調により、フローセルを通る全流体流量が変化する。これは、シース流体に対する試料流体の割合が一定であるため、試料流体およびシース流体が等しい温度(共に変化し得る)で維持され、試料流量を維持するフィードバック回路がフローセルを通るすべての流れも維持するシステムとは対照的である。一般に、良好な分析結果のためには一定の試料流量を維持することが望ましいが、シース流体流量の不変性が分析結果に与える影響は、あったとしてもごくわずかである。
図3に示すような圧力に基づくシステムについて、試料流体温度センサおよびシース流体温度センサは、シースリザーバ302と試料管301との間の圧力配分を制御する圧力コントローラ312に動作可能に接続されたコントローラ(コントローラ361または別の協調コントローラ)に接続される。コントローラは、ポンプの動力(すなわち、全圧力)と圧力配分との両方を協調して制御する。シースリザーバ302と試料管301との間の圧力配分の適切な変調は、算出された又は経験的に予め決定された試料流体ラインおよびシース流体ラインの相対抵抗の変化に基づいて、コントローラにより決定される。
圧力に基づくシステムでは、シース流体温度から独立した試料流体温度の変化を補償するためのシステムの変調は、フローセルを通る全流体流量の変化を生じさせる必要がない。これは、試料の圧力とシース容器の圧力とを独立して制御することができるからである。例えば、冷蔵された試料を補償するために、試料管に与える圧力を増加させて、試料流体の粘度増加を補償することにより、シース流体流量に影響を与えることなく試料流量を維持することができる。
Claims (5)
- a)試料注入口、
シース流体注入口、
出口、および
キュベット
を有し、前記キュベットは流入端および流出端を有するキュベットチャネルを含み、前記流入端は前記試料注入口および前記シース流体注入口と流体連通し、前記流出端は前記出口と流体連通するフローセルと、
b)前記試料注入口と流体連通する試料ラインであって、試料流体容器から粒子を含む試料流体を供給するための試料ラインと、
c)前記シース流体注入口と流体連通するシース流体ラインであって、シース流体リザーバからシース流体を供給するためのシース流体ラインと、
d)前記出口と流体連通する出口ラインと、
e)制御可能な動力レベルを有し、前記出口と前記シース流体注入口と前記試料注入口との間に圧力差を生じさせて、前記フローセルを通る前記試料流体およびシース流体の流れを生じさせるように構成されたポンプと、
f)前記圧力差を測定するように構成された圧力センサと、
g)前記圧力差および目標圧力値に応じて前記ポンプの動力を調整するように構成された制御フィードバック回路と、
h)前記試料流体または前記シース流体の温度を測定するように構成された温度センサと、
i)前記温度センサにより測定された温度に応じて前記目標圧力値を修正するためのコントローラと、
を備えるフロー式粒子分析器のための流体システム。 - a)試料注入口、
シース流体注入口、
出口、および
キュベット
を有し、前記キュベットは流入端および流出端を有するキュベットチャネルを含み、前記流入端は前記試料注入口および前記シース流体注入口と流体連通し、前記流出端は前記出口と流体連通するフローセルと、
b)前記試料注入口と流体連通する試料ラインであって、試料流体容器から粒子を含む試料流体を供給するための試料ラインと、
c)前記シース流体注入口と流体連通するシース流体ラインであって、シース流体リザーバからシース流体を供給するためのシース流体ラインと、
d)前記出口と流体連通する出口ラインと、
e)制御可能な動力レベルを有し、前記出口ラインと真空連通し、前記出口ラインに真空を引くことにより、前記フローセルを通して前記試料流体およびシース流体を引き込むように構成された真空ポンプと、
f)前記キュベット出口と大気圧との圧力差を測定するように構成された圧力センサと、
g)前記圧力差および目標圧力値に応じて前記真空ポンプの動力を調整するように構成された制御フィードバック回路と、
h)前記試料流体または前記シース流体の温度を測定するように構成された温度センサと、
i)前記温度センサにより測定された温度に応じて前記目標圧力値を修正するためのコントローラと、
を備えるフロー式粒子分析器のための真空駆動流体システム。 - a)試料注入口、
シース流体注入口、
出口、および
キュベット
を有し、前記キュベットが流入端および流出端を有するキュベットチャネルを含み、前記流入端が前記試料注入口および前記シース流体注入口と流体連通し、前記流出端が前記出口と流体連通するフローセルと、
b)前記試料注入口と流体連通する試料ラインであって、試料流体容器から粒子を含む試料流体を供給するための試料ラインと、
c)前記シース流体注入口と流体連通するシース流体ラインであって、シース流体リザーバからシース流体を供給するためのシース流体ラインと、
d)前記出口と流体連通する出口ラインと、
e)制御可能な動力レベルを有し、前記試料流体容器および前記シース流体リザーバと連通し、前記試料流体容器および前記シース流体リザーバに上昇した圧力を発生させることにより、前記フローセルに前記試料流体およびシース流体を押し込むように構成されたポンプと、
f)前記ポンプにより供給された前記上昇圧力と大気圧との圧力差を測定するように構成された圧力センサと、
g)前記圧力差および目標圧力値に応じて前記ポンプの動力を調整するように構成された制御フィードバック回路と、
h)前記試料流体または前記シース流体の温度を測定するように構成された温度センサと、
i)前記温度センサにより測定された温度に応じて前記目標圧力値を修正するためのコントローラと、
を備えるフロー式粒子分析器のための圧力駆動流体システム。 - a)前記シース流体ラインに沿って位置決めされた第1の弁であって、前記フローセルに流入する前記シース流体の流れを制御するように構成された第1の弁と、
b)前記出口ラインに沿って位置決めされた第2の弁であって、前記フローセルから流出する前記シース流体の流れを制御するように構成された第2の弁と、
c)前記第1の弁および前記第2の弁に動作可能に接続された弁コントローラと、
をさらに備える請求項2に記載の流体システム。 - a)前記シース流体ラインに沿って位置決めされた第1の弁であって、前記フローセルに流入する前記シース流体の流れを制御するように構成された第1の弁と、
b)前記ポンプにより供給された圧力を制御するように構成された第2の弁と、
c)前記第1の弁および前記第2の弁に動作可能に接続された弁コントローラと、
をさらに備える請求項3に記載の流体システム。
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