JP4488882B2 - フローサイトメータおよびフローサイトメータを用いた測定方法 - Google Patents

フローサイトメータおよびフローサイトメータを用いた測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞などの被測定対象物を含む被測定流体に光ビームを照射し、被測定流体に含まれる被測定対象物からの蛍光や散乱光を測定し、被測定対象物についての各種分析を行なうフローサイトメータおよびフローサイトメータを用いた測定方法に関する。
現在、抗体が蛍光染色された細胞などのサンプル粒子を含むサンプル液を、シース液とともに細い流路に高速で流してサンプル流を形成し、このサンプル流にレーザ光を照射してサンプル粒子から放出される蛍光や散乱光を粒子1つ1つについて測定するフローサイトメータが実用化されている。
図7は、従来のフローサイトメータの一例について説明する図であり、サンプル流とサンプル流に対するレーザ光の照射部分を拡大して示す概略説明図である。図7の例では、サンプルとして細胞114を含むサンプル液がシース液に囲まれて内部を流れるフローセル102と、フローセル102にシース液を供給する、フローセル102と連続したシース液流管104と、シース液流管104内部に設けられた、フローセル102にサンプル液を供給するためのサンプル液流管106とを有して構成されている。
シース液流管104には、図7中の上側から下側に向けてシース液が流れ、図7中矢印で示すシース流を形成する。このシース流(シース液)はフローセル102に流入する。サンプル供給管106には、図7中の上側から下側に向けてサンプル液が流れ、このサンプル液が図中下側の開口端である吐出口108からシース液の流れの中に吐出されることで、シース流に囲まれたサンプル流110が形成される。
吐出口108からサンプル液が吐出された段階で、サンプル液にはシース流の影響による流体力学的絞り込みが生じ、シース流に包まれたサンプル流110の流径は非常に細くなり、サンプル流を流れる細胞114は1列に並ぶ。フローサイトメータでは、このように細胞114が1列となり、1個ずつ順番にフローセル102内部を流れて行くよう、シース液やサンプル液の供給圧力を調整する。このフローセル102には、図7の紙面に対して垂直方向にレーザ光112が照射されており、このレーザ光112を横切るようにして、サンプル流110に含まれる細胞114が1個づつ順番に流れる。
サンプル流110にレーザ光112が照射されると、レーザ光112がサンプル流110を流れる細胞114に当たって散乱し、また、抗体に付着された蛍光色素から蛍光が発生する。フローサイトメータでは、これらの蛍光や散乱光を測定して細胞に関する様々な情報を取得する。これらの散乱光や蛍光の強度は、細胞114に照射されるレーザ光112の光強度(単位時間に照射される光エネルギー総量)に依存する。蛍光や散乱光を効率的に検出したい場合、サンプル流110に照射するレーザ光の強度はなるべく強い方が好ましく、サンプル流110に照射するレーザ光のビーム径は、なるべく絞った方が好ましい。
サンプル流110に照射されるレーザ光112は、中心が最も明るく周辺は光が弱い、いわゆるガウシアンビームで、光の中心から強度が1%低下する半径はガウシアン半径の7%程度となり、例えばガウシアン直径が150(μm)になるようレーザ光を広げて設定しても、強度低下1%以内で使用するためには、サンプル流はレーザ光の中心に10μm程度の幅以内に精度を上げて流す必要がある。
従来のフローサイトメータでは、なるべく強くかつ均一な光強度のレーザ光をサンプル流に照射するために、レーザ光112のビーム径を充分に絞り、かつ、このレーザ光112の中心部分をサンプル流110が横切って流れるように、フローセル102とレーザ光112の照射位置との相対位置を高精度に位置合わせしていた。
例えば、細胞から発する蛍光を比較的高い分解能で測定する場合など、サンプル流110を流れる細胞114に対し、充分な強度のレーザ光を照射する必要がある。このためには、小さく絞ったレーザ光112の中心部分とサンプル流110とを、例えば数μm程度の位置精度で位置合わせする必要がある。従来は、このようなレーザ光112とサンプル流110とを高精度に位置合わせするために、フローセル102とレーザ光112の照射位置とを、数μm程度の位置精度で高精度に位置合わせしていた。
フローセル102内で、サンプル供給管106の吐出口108とシース液流管104との相対位置が高精度に位置決めされていたとしても、例えば、サンプルの粒径、シース液の粘度、気泡の発生、サンプルノズルの汚れ、気圧の変化、サンプル供給コンプレッサの圧力変動などによって、フローセル102内において、サンプル流110やシース流に変動が生じることがある。このような流れの変動が生じると、吐出口108から吐出されるサンプル流110とフローセル102との相対位置が変動してしまう。
フローセル102に対するレーザ光112の照射位置が固定されている場合、サンプル流110とフローセル102との相対位置が変動すると、サンプル流110はレーザ光112の中心部分から外れてしまう。このように、サンプル流110がレーザ光112の中心部分から外れてしまうと、サンプル流110を流れる細胞114に充分な光強度を照射することができず、例えば、上述の比較的高い分解能の測定を行なうことができない。従来のフローサイトメータでは、フローセル102に対するレーザ光112の照射位置が固定されている場合、このように、計測環境などの変化によって、サンプル流110とフローセル102との相対位置が変動した場合、サンプル流と110ビーム照射位置との相対位置が変動し、測定毎に精度が一定化しないといった問題点があった。また、フローセル102に対するレーザ光112の照射位置を固定すること自体、初期の位置調整に時間や熟練が必要であり、定期的にも調整コストが発生するといった問題があった。
これに対し、例えば、下記特許文献1では、レーザ光112とサンプル流110との位置決めに関して、サンプル流110の幅よりも小さく絞ったレーザ光によって、フローセル102を流れるサンプル流110のエッジを検出してサンプル流110の中心を求め、このサンプル流110の中心にレーザ光が照射されるよう、フローセル102とレーザ光との相対位置を調整するフローセル位置決め方法およびフローセル位置調整可能なフローサイトメータが提案されている。特許文献1記載のフローサイトメータでは、フローセル102におけるサンプル流110自体の位置を検出してフローセル102の位置を移動させ、フローセル102を流れるサンプル流110とレーザ光112との相対位置を調整していた。特許文献1では、このような構成により、サンプル流110とフローセル102との相対位置が変動した場合であっても、測定の度にサンプル流110とレーザ光112との相対位置を高精度に調整している。
特開2004−257756号公報
しかし、特許文献1記載のフローサイトメータにおいて、サンプル流110がフローセル102内で中心から大幅に偏った場合(すなわち、サンプル流110がシース流管104に近接した位置を流れた場合)、サンプル流110の幅がシース流管104の内壁面の影響を受けて拡がってしまう。サンプル流110の幅が拡がると、サンプル流110を流れるサンプル114の流れる位置が空間的に広がり、レーザ光112の中心部分をサンプル114が通過しない場合が生じる。また、シース流管104に近接して流れるサンプル流110にレーザ光を照射した場合、シース流管104の影響で、エッジ検出のためのレーザ光や測定のためのレーザ光の散乱が大きくなり、サンプル流110およびサンプル114に照射されるレーザ光強度にばらつきが生じる。このような理由から、サンプル流110がフローセル102内で中心から大幅に偏った場合、サンプル流110とレーザ光112の位置を、充分な精度に調整することができないといった問題がある。また、たとえ、このサンプル流110とレーザ光112の位置を高精度に調整できたとしても、フローセル102内でサンプル流110が大幅に偏って流れていると、蛍光や散乱光の測定を充分な精度で行なうことはできないといった問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、フローセルにおけるサンプル流の位置を、測定毎に高精度に調整可能なフローサイトメータ、およびフローサイトメータを用いた測定方法を提供する。
上記問題を解決するために、本発明は、シース液が内部を一方向に流れる外部流管と、前記外部流管の内側領域に設けられ、被測定サンプルを含むサンプル液が内部を流れる内部流管とを備え、前記内部流管の開口端から前記サンプル液をシース液流の中に吐出させることで、前記シース液に囲まれて流れるサンプル液流を形成する液流形成手段と、前記サンプル液流に光ビームを照射する光ビーム照射手段と、前記光ビームの照射を受けて前記サンプル液流の被測定サンプルから発する散乱光および蛍光の少なくともいずれか一方を測定する測定光学系とを有するフローサイトメータであって、前記内部流管の外周面に貼付けられたバイモルフ圧電素子と、前記バイモルフ圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記電圧印加手段により前記バイモルフ圧電素子に電圧を印加して前記バイモルフ圧電素子を前記光ビームの照射方向および前記サンプル液流の流方向のいずれとも垂直な方向に歪曲させることで前記バイモルフ圧電素子とともに前記内部流管を歪曲させて、前記内部流管の吐出側開口端の位置を前記外部流管に対して変位させることにより、前記光ビームの照射位置に対する前記サンプル液流の位置を調整する吐出位置調整手段と、前記測定光学系によって測定される前記散乱光および前記蛍光の少なくともいずれか一方の強度が最も高くなるように前記バイモルフ圧電素子へ印加する印加電圧を制御して前記吐出位置調整手段による前記内部流管の吐出側開口端の位置調整を制御する制御手段とを有することを特徴とするフローサイトメータを提供する。
さらに、本発明は、上記のフローサイトメータを用い、所望の分析対象サンプルの蛍光または散乱光を測定する方法であって、前記バイモルフ圧電素子に印加する印加電圧を種々変更しつつ、テスト用サンプルを含むテストサンプル液を前記内部管路の吐出側開口端から吐出させてテストサンプル液流を形成し、前記測定光学系によって測定される前記テストサンプルからの前記散乱光および前記蛍光の少なくともいずれか一方の強度が最も高くなるように前記バイモルフ圧電素子へ印加する印加電圧を制御することにより、前記開口端の位置を制御する位置制御ステップと、前記内部管路の前記開口端を、前記位置制御ステップにおいて制御した状態で、前記内部管路の前記開口端から前記分析対象サンプルを含む分析対象サンプル液を吐出して分析対象サンプル液流を形成し、この分析対象サンプルに光ビームを照射して前記分析対象サンプルから発する散乱光および蛍光の少なくともいずれか一方を測定する測定ステップとを有することを特徴とする、フローサイトメータを用いた測定方法を提供する。
本発明のフローサイトメータ、およびフローサイトメータを用いた測定方法によると、フローセルにおけるサンプル流の位置を、測定毎に微調整することができる。これにより、フローセル内のサンプル流を安定化させることができる。また、フローセル内を安定して流れるサンプル流と光ビームの照射位置との相対位置を、測定毎に高精度に調整することも可能となる。これにより、光ビームのビーム中心に対してサンプル流を高精度に位置合わせすることができ、サンプルからの蛍光や散乱光を高精度に測定可能となる。
以下、本発明のフローサイトメータについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。図1は、本発明のフローサイトメータの一例であるフローサイトメータ10の概略構成図である。フローサイトメータ10は、液流形成ユニット20、光学ユニット40、位置調整分析ユニット50、および各部の動作シーケンスを制御する制御装置70とを有して構成されている。
フローサイトメータ10では、測定対象とする細胞である分析サンプル12を含むサンプル液の流れ(サンプル流)にレーザ光を照射し、分析サンプル12中の抗体に付けられた蛍光色素の発する蛍光、およびレーザー光が分析サンプル12に当たった際の拡散光のいずれかを検出し、検出した光信号に各種の処理を施すことで、分析サンプル12について各種の分析を行なう。フローサイトメータ10では、このような分析サンプル12の分析に先がけて、所定の蛍光色素が付着した、予め用意されたテスト用サンプル14を含むテストサンプル液の流れ(テストサンプル流)にレーザ光を照射して、テスト用サンプル14から発する蛍光や拡散光の光信号を検出し、この検出した光信号に基づいてレーザ光の照射位置に対するテストサンプル流の形成位置を調整する。テストサンプル14については、後に詳述する。
液流形成ユニット20は、液体供給装置22と、流管部30とを有して構成されている。液体供給装置22と流管部30は、配管24によって接続されている。液体供給装置22内には、分析サンプル液を貯溜しておく分析サンプル液タンク25、テストサンプル液を貯溜しておくテストサンプル液タンク26、シース液を貯溜しておくシース液タンク27とを有している。流管部30は、サンプル液がシース液に囲まれて内部を流れるフローセル32と、フローセル32にシース液を供給するフローセル32と連続した外部管路34と、外部管路34の内部に設けられて、フローセル32にサンプル液を供給するサンプル流管36とを有している。サンプル液またはテストサンプル液が流れるサンプル流管36の管壁には、バイモルフ圧電フィルム60が設けられている。バイモルフ圧電フィルム60については、後に詳述する。液体供給装置22のサンプル液タンク26およびテスト液タンク27はサンプル流管36に、シース液タンク27は外部管路34に、配管24を介してそれぞれ接続されている。フローセル32の出口には、回収容器49が設けられている。フローサイトメータ10には、レーザ光の照射により短時間内に分析サンプル12中の特定細胞等を分離するためのセル・ソータを配置して別々の回収容器に分離するように構成することもできる。
この液体供給装置22は、図示しないエアポンプを各タンク毎に備えている。フローサイトメータ10では、シース液タンク27内部を図示しないエアポンプによって加圧することで外部管路34内部にシース液を供給し、外部管路34およびフローセル32内を図1中上側から下側に向けて流れるシース流を形成する。そして、サンプル液タンク25およびテストサンプル液タンク26のいずれか一方を、図示しないエアポンプによって加圧することで、サンプル流管36の内部にサンプル液またはテストサンプル液を供給し、サンプル流管36の図中下側の開口端である吐出口38から、シース液の流れの中にサンプル液またはテストサンプル液を吐出する。
液体供給装置22は制御装置70に接続されており、測定動作シーケンスに応じた制御装置からの指示により各エアーポンプが駆動されることで、サンプル液またはテストサンプル液のいずれか一方をサンプル流管36の内部に供給する。具体的には、分析サンプル12の分析の際には、サンプル液をサンプル流管36に供給する。そして、この分析サンプル12の分析に先がけて行なう、サンプル流管36の吐出口38の位置調整の際には、テスト用サンプル液をサンプル流管36に供給する。
フローセル32では、図7に示す従来例と同様に、サンプル液(またはテストサンプル液)は、シース液に吐出された段階で流体力学的絞り込みが生じ、シース流に囲まれたサンプル流(またはテストサンプル液の流れ)は非常に細くなり、分析サンプル12(またはテスト用サンプル14)が1列に並ぶ。フローセル32では、分析サンプル12(またはテスト用サンプル14)は1列となり、1個ずつ順番に所定の速さでフローセル32中を流れる。このフローセル32には、光学ユニット40のレーザ光照射装置42から出射されたレーザ光が照射されており、このレーザ光を横切るようにして分析サンプル12(またはテスト用サンプル14)は1個づつ順番に流れる。
ここで、サンプル流管36に貼り付けられたバイモルフ圧電フィルム60について説明する。図2は、バイモルフ圧電フィルム60、およびバイモルフ圧電フィルム60の動作について説明する概略断面図である。この図2は、レーザ光の照射方向を紙面と垂直方向とした概略断面図である。フローサイトメータ10に用いられるバイモルフ圧電フィルム60は、分極方向の異なる圧電体フィルム61および62を貼り合せ、その両面に電極64、65を装着したバイモルフ圧電フィルムである(図中の矢印は分極の向きを示す)。圧電フィルム61、62は、例えばセラミックを材料とした公知の圧電体フィルムであって、電界と分極方向が同一の場合は圧電体は伸び、逆に互いに反対の場合は縮む。サンプル流管36の壁面には、2つのバイモルフ圧電フィルム60が、貼り付けられている。各バイモルフ圧電フィルム60は、後述する位置調整・分析ユニット40の電圧印加手段55に接続されている(図3参照)。電圧印加手段46から一対のバイモルフ圧電素子60に電界が印加されると、2枚の圧電体フィルム61および62のうち一方は伸び、一方は縮んでバイモルフ圧電フィルム60全体が屈曲する。サンプル流管36は金属製であり、比較的高い弾性を有する。バイモルフ圧電フィルム60が屈曲すると、それに応じてサンプル流管36が変形し、サンプル流管36の吐出口38の位置が移動する(図2(b)(c)参照)。
2つのバイモルフ圧電素子60は、サンプル流管36の中心線に対して略対称な位置に貼り付けられており、電圧が印加されることで、レーザ光の照射方向およびテストサンプル液流80の流方向のいずれとも垂直な方向に歪曲される。また、フローサイトメータ10においては、バイモルフ圧電フィルム60は、吐出口38から図の上側(すなわちサンプル流の上流側)へ充分離間した位置に貼り付けられている。このような位置にバイモルフ圧電フィルム60を貼り付けることで、バイモルフ圧電フィルム60をシース流やサンプル流に接触させることなく、シース流やサンプル流を安定した層流のまま、フローセル32内に流すことができる。また、吐出口38から充分に離間した位置にバイモルフ圧電素子が貼り付けられているので、バイモルフ圧電素子の少ない屈曲で、吐出口38の位置を大きく変位させることができる。これにより、少ない駆動電力で充分な距離だけ吐出口を変位させることができる。
本発明のフローサイトメータ10では、このように、サンプル流管36の壁面に設けられたバイモルフ圧電フィルム60が屈曲することで、サンプル流管36の位置を移動させることを特徴とする。
なお、本発明のフローサイトメータ10において用いられるバイモルフ圧電体フィルムは、分極方向の異なる圧電体フィルムを貼り合せた圧電体フィルムでなくてもよい。例えば、分極方向が同一で、貼り合せ面に電極を介在させて、その両面に電極を装着したバイモルフ圧電フィルムを使用してもよい。
光学ユニット40は、フローセル32にレーザ光を照射するレーザ光源部42と、フローセル32を流れる分析サンプル12またはテスト用サンプル14による散乱光を受光し、受光した散乱光に応じた信号を出力する受光部44と、フローセル32を流れる分析サンプル12またはテスト用サンプル14から発光した蛍光を受光し、受光した蛍光に応じた信号を出力する受光部46、とを有している。受光部44および46は位置調整・分析ユニット50に接続されており、出力された光信号は、位置調整・分析ユニット50に送られる。
レーザ光源部42は、フローセル32にレーザ光を出射する。フローサイトメータ10では、レーザ光源部42から出射されたレーザ光がフローセル32の中心位置に照射されるよう、レーザ光源部42から出射されるレーザ光の照射位置とフローセル32との位置が調整されて固定されている。なお、本発明のフローサイトメータでは、このようにレーザ光の照射位置とフローセルとの位置が固定されていることに限定されず、測定の度に、レーザ光の照射位置とフローセルとの相対位置を調整可能なように構成されていてもよい。レーザ光源部42から出射されるレーザ光は、分析サンプル12およびテスト用サンプル14に付着された特定の蛍光色素を励起させて特定範囲の蛍光を発生させる、特定波長のレーザ光である。レーザ光源部42には、レーザ光がフローセル32の所定の位置に集束するようにレンズ系が設けられている。レーザ光源部22としては、固体レーザーや半導体レーザーなどの、周知のレーザー装置を用いればよい。レーザ光源部22は、制御装置70と接続されており、制御装置70によってレーザ光の出射のオン/オフが制御される。
受光部44は、フローセル32を挟んでレーザ光源部42と対向するように配置されており、フローセル32を通過する分析サンプル12やテスト用サンプル14によるレーザー光の前方散乱光を検出し、検出した前方散乱光の強度に応じた信号を出力する。一方、受光部46は、レーザ光源部42から出射されるレーザ光の出射方向に対して垂直方向であって、かつ、外部管路30中の分析サンプル12の移動方向に対して垂直方向に配置されており、測定点にて照射された分析サンプル12が発する蛍光の光信号を検出して、検出した蛍光の強度に応じた信号を出力する。受光部44および受光部46における光検出には、PMT(photomultiplier tube)を用いればよい。
図3は、フローサイトメータ10の位置調整ユニット50について説明する概略構成図である。位置調整・分析ユニット50は、スイッチ部52と、位置制御部54と、分析部56と、各部の動作を制御する制御部58とを有している。位置制御部54は、データ処理・調整手段53および電圧印加手段55を備えている。位置調整・分析ユニット50は、受光部44および受光部46から出力された受光信号を解析して、分析サンプル12について分析を行なう。また、このような分析に先がけて、分析サンプル12からの蛍光や散乱光が最も効率的に検出できるように、サンプル流管36の吐出口38の位置調整も行なう。位置調整・分析ユニット50は、制御装置70と接続されており、分析動作に応じて、分析サンプル12の分析、または吐出口38の位置調整を行なう。
スイッチ部52は、受光部44および受光部46それぞれから出力された蛍光および散乱光に応じた受光信号を受信し、この受光信号を分析動作に応じた送信先へ出力する。
具体的には、分析サンプル12の分析の際には、受光信号を分析部56に出力する。そして、この分析サンプル12の分析に先がけて行なう吐出口38の位置調整の際には、受光信号を位置制御部54のデータ処理・調整手段53に送信する。
位置制御部54のデータ処理・調整手段53は、電圧印加手段55と接続されており、電圧印加手段55は、1対の(すなわち2枚の)バイモルフ圧電フィルム60にそれぞれ接続されている。電圧印加手段55は、バイモルフ圧電フィルム60に電圧を印加することで、バイモルフ圧電フィルム60の歪曲の大きさを調整することで、サンプル流管36の吐出口38の位置を変動させる。電圧印加手段55による印加電圧は、データ処理・調整手段53によって制御されている。データ処理・調整手段53は、電圧印加手段55に指示したバイモルフ圧電フィルム60への現在の印加電圧と、スイッチ部52から受け取った、この現在の印加電圧における受光信号との関係に基づき、バイモルフ圧電フィルム60への印加電圧を調整して吐出口38の位置を制御する。吐出口38の位置調整については、後に詳述する。
一方、分析サンプル12の分析の際は、スイッチ部52は、受光信号を分析部56に送信する。分析部56は、例えば図示しないA/D変換器やデータ処理装置等を備えており、スイッチ部52を経由して受信した受信信号に基づいて、分析サンプル12からの蛍光や散乱光についての各種の分析を行ない、分析結果を出力する。
フローサイトメータ10は、以上のような構成となっている。
以下、フローサイトメータ10を用いて行なわれる、分析サンプル12の蛍光解析方法について、以下詳細に説明する。図4は、フローサイトメータ10を用いて行う、分析サンプル12の蛍光解析方法の一例のフローチャート図である。
まず、図示しない入力手段によって、制御装置70に蛍光解析開始の指示が入力されて、フローサイトメータ10を用いた蛍光解析が開始される(ステップS100)。蛍光解析が開始された時点では、電圧印加手段55によってバイモルフ圧電フィルム60に印加される電圧はゼロである。すなわち、蛍光解析が開始された段階では、バイモルフ圧電フィルム60の電極64および65の電位は、同電位となっている。
まず、テスト用サンプル14を用い、フローセル32に対する吐出口38の位置調整が行なわれる(ステップS102)。図5(a)〜(c)は、ステップS102における吐出口38の位置調整について説明する概略図である。また、図6は、このようなステップS102においてバイモルフ圧電フィルム60に印加される電圧の大きさと、受光部46から出力される受光信号との相関を表すグラフである。
本発明におけるテスト用サンプルとは、フローサイトメータ10の装置状態を把握するための被測定サンプルであり、例えば特定の蛍光色素が所定量付着されたビーズなどである。同一の蛍光色素が同一量付着された複数のテスト用サンプル14に、同一の光強度のレーザ光を照射した場合、それぞれのテスト用サンプル14からは、ほぼ同じ程度の光強度の蛍光が発生する。例えば、それぞれ異なる複数の測定条件下でこのテスト用サンプル14から発生する蛍光を測定したところ、各測定条件毎に蛍光の光強度が異なっていた場合、それぞれの測定条件下ではテスト用サンプル14に照射されるレーザ光の光強度が異なっていると判断できる。なお、本発明では、テスト用サンプルとして、実際に測定する分析用サンプルを用いてもよい。本発明のテスト用サンプルは特に限定されない。
ステップS102では、測定条件(吐出口38の位置)を種々変更して、テスト用サンプル14から発生する蛍光の光強度を測定することで、テスト用サンプル14に最も強くレーザ光が照射される測定条件(吐出口38の位置)を探索する。
ステップS102では、液体供給装置22によって、外部流管34にシース液が供給されてシース流が形成される。これとともに、分析サンプル液およびテストサンプル液のうちテストサンプル液が選択され、サンプル流管36にテストサンプル液が供給される。これにより、フローセル32にテストサンプル流80が形成される。
そして、フローセル32の測定位置にレーザ光源部22によってレーザ光が照射されて、この測定位置を通過するテストサンプル流に含まれるテスト用サンプル14にレーザ光が照射される。図5(a)〜(c)では、紙面に対して垂直方向にレーザ光が照射されており、図5(a)〜(c)において示す点線で囲まれた領域は、レーザ光の断面(ビーム断面形状)を示している。フローサイトメータ10では、上述のように、予めレーザ光源部42から出射されるレーザ光の照射位置とフローセル32との位置が調整されて固定されており、レーザ光源部42から出射されたレーザ光はフローセル32の中心位置に照射される。このレーザ光によってテストサンプル流を流れるテスト用サンプル14から蛍光が発生し、この蛍光は受光ユニット46の受光面に入射する。受光ユニット46からは、蛍光に応じた強度の受光信号が出力されて、位置制御・分析ユニット50に出力される。
ステップS102では、位置調整・分析ユニット50のスイッチ手段52によって受光信号の経路が選択されて、受光信号がデータ処理・調整手段53に送られる。データ処理・調整手段53では、電圧印加手段55によるバイモルフ圧電フィルム60に対する現在の印加電圧と、現在の印加電圧における受光信号の強度の情報を記憶する。
ステップS102において、データ処理・調整手段53は、電圧印加手段55によるバイモルフ圧電フィルム60への印加電圧を種々変更し、各印加電圧における受光信号の強度の情報を取得して記憶する。そして、各印加電圧と受光信号の強度との相関から、受光信号の強度の情報が最も大きくなる際の印加電圧(バイモルフ圧電フィルム60への印加電圧)を探索し、この印加電圧を最適印加電圧として抽出する。そして、電圧印加手段55によって、バイモルフ圧電フィルム60に、この最適印加電圧を印加することで、サンプル流管36の吐出口38の位置を調整する。
ステップS102において吐出口38の位置調整が開始された時点、すなわち、バイモルフ圧電フィルム60の両電極64および65が同電位の状態(図5(a)に示す状態)では、バイモルフ圧電フィルム60は歪曲していない。
この状態(バイモルフ圧電フィルム60の両電極64および65が同電位の状態)で、サンプル流管36からテストサンプル液を吐出し、フローセル32内部にテストサンプル流80を形成する。この際、図5(a)に示すように、形成したテストサンプル流80が、フローセル32の中心位置に対して、ビーム照射方向と垂直な方向に若干ずれているとする。この場合、レーザ光の中心部分(図中の×印)よりもビーム照射方向と垂直な方向に若干ずれることになる。このずれは数μm程度のずれであり、サンプル流管36の内部状態や外部流管34の内部状態、液体供給装置22における各液体の供給圧力の乱れなどを原因としたすれであり、測定毎に度々生じるものである。このようなずれは、測定のたびにずれ量やずれる方向が変動する可能性がある。
バイモルフ圧電フィルム60の両電極64および65が同電位の状態(印加電圧V=0の状態)では、フローセル32をテストサンプル流80が通過しても、テストサンプル流80は、フローセル32の中心部(レーザ光の中心部)を通過せず、レーザ光の比較的外側の領域を通過する。フローセル32に照射するレーザ光は、光強度に空間分布を有するガウシアンビームであり、光強度はレーザ光の中心部(フローセル32の中心部)が最も強く、周辺部分にいくにしたがって弱い。すなわち、テストサンプル流80は比較的低い光強度の位置を通過することとなり、テストサンプル流80を流れるテスト用サンプル14に照射される光強度は比較的弱い。このため、テスト用サンプル14から発生する蛍光の光強度(単位時間に発生する蛍光のエネルギーの総量)も比較的弱くなっている。
このため、バイモルフ圧電素子の両電極64、65間の電位が等しい(印加電圧V=0)状態では、受光部46で受光される蛍光の光強度は、テストサンプル流を流れる複数のテスト用サンプル14全体で比較的低い。当然、受光部46から出力される受光信号も比較的低い(図6参照)。また、レーザ光の周辺部分では空間的な光強度分布が急峻であるため、テストサンプル流80自体の位置の微小な変動、またはテストサンプル流80におけるテスト用サンプル14の流れる位置の微小な変動に対し、サンプル14に照射される光強度の変動は比較的大きい。このため、発生する蛍光の光強度のばらつきも比較的大きくなり、受光部46から出力される受光信号のばらつき(図6中Δで示す)も比較的大きい。
フローサイトメータ10を用いた蛍光の測定方法では、高い精度での蛍光解析を実現するために、ステップS102において、レーザ光に対するテストサンプル流80の位置を調整する。具体的には、データ処理・調整手段53が、所定の電圧範囲でバイモルフ圧電フィルム60に印加する電圧を種々変更し、サンプル流路36の吐出口38の位置を変動させる(図5(b)に示す状態)。そして、各印加電圧において受光部46の受光面が受光した光強度の情報を取得し、図6に示すような印加電圧と受光信号の強度との相関を得る。そして、データ処理・調整手段では、図6に示すグラフに基づき、最も強い受光信号の強度が得られ電圧V=Vを最適位置調整電圧として抽出する。そして、電圧印加手段55によって、この最適位置調整電圧Vをバイモルフ圧電フィルム60に印加する。
このように、電圧印加手段55によって、バイモルフ圧電フィルム60に電圧V(最適位置調整電圧)を印加することでサンプル流路36の吐出口38の位置が設定される。これにより、図5(c)に示すように、テストサンプル流路80が、レーザ光の中心部分(フローセル32の中心部)を通過するようになる。このようなレーザ光の中心部分では、光強度が充分強く、測定に適した充分な強度の蛍光が発生する。また、光強度の空間分布が比較的穏やかであるため、テストサンプル流80の位置やテストサンプル流80における分析サンプルの位置の変動に起因した、蛍光の光強度のばらつき(図6中Δで示す)を低レベルに抑えることができる。また、テストサンプル流80がフローセル32の中心を通過することで、テストサンプル流の幅の大きさや流速の変動が抑えられ、サンプル流80がレーザ光の中心部分を安定して通過する。本実施形態では、図6に示すような印加電圧と受光信号の強度との相関から、最適位置調整電圧Vを抽出したが、本発明のフローサイトメトリー法における位置調整アルゴリズムは特に限定されない。
ステップS102において吐出口38の位置が調整されると、吐出口38の位置をこの位置(調整位置)に設定した状態で、分光サンプル12の蛍光解析が開始される(ステップS104)。
ステップS104においても、ステップS102に引き続き、液体供給装置22によって、外部流管34にシース液が供給されている。ステップS104では、液体供給装置12において、分析サンプル液およびテストサンプル液のうち分析サンプル液が選択され、サンプル流管36に分析サンプル液を供給する。これにより、フローセル32に分析サンプル流90が形成される。この際、分析サンプル液の供給圧はテストサンプル液の供給圧と同一とし、シース液供給圧もステップS102における供給圧と同一とする。
分析サンプル液供給圧をテストサンプル供給圧と同一とし、シース液供給圧および吐出口38の位置を同一とした場合、フローセル32内の分析サンプル流90の位置や流径は、ステップS102で設定されたテストサンプル流80の位置や流径とほぼ同一となる。すなわち、吐出口38の位置を調整位置に設定した状態では、分析サンプル流90は、テストサンプル流80と同様にフローセル32の中心位置、すなわちレーザ光の中心部分を通過する。このような、フローセルの中心部分では、分析サンプル流90の幅や流速の変動がほとんど生じることなく、分析サンプル90は安定して流れる。またレーザ光の中心部分では、レーザ光の光強度が充分強く、測定に適した充分な強度の蛍光が発生する。また、光強度の空間分布が比較的穏やかであるため、分析サンプル流90の位置や分析サンプル流90における分析サンプルの位置の変動に起因した、蛍光の光強度のばらつきを低レベルに抑えることができる。
このレーザ光によって分析サンプル流を流れる分析サンプル12から発生した、測定に適した充分な強度の蛍光は、受光ユニット46の受光面に入射する。受光ユニット46からは、蛍光に応じた強度の受光信号が出力されて、位置制御・分析ユニット50に出力される。ステップS104では、位置調整・分析ユニット50のスイッチ手段52によって受光信号の経路が選択されて、受光信号は分析部56に送られる。
分析部56では、受光信号について各種のデータ処理を施し、所望の蛍光解析が行なわれ、分析結果を出力する(ステップS106)。そして、所望の分析結果が得られた段階で分析を終了する(ステップS108)。受光ユニット46によって検出されて分析部56に送信される受光信号は、測定に適した充分な強度の蛍光に応じた、充分な強度の受光信号である。このような受光信号を用いることで高精度な分析が可能である。また、分析サンプル流90における分析サンプル12の位置の変動に起因した誤差を殆ど含んでいない。本発明のフローサイトメータ10を用いた蛍光の測定方法では、このような誤差を殆ど含んでいない充分な強度の受光信号によって解析を行なうので、解析部56において高精度な蛍光解析を行なうことができる。
本実施形態では、サンプル12から発生する蛍光を測定してサンプル12の分析を行なう蛍光分析、および蛍光分析における位置調整の例について説明した。本発明のフローサイトメータ10では、サンプル12による散乱光を測定して分析サンプル12の分析を行なう散乱光分析を行なってもよい。この場合、受光部44によってテスト用サンプル14の散乱光を検出し、蛍光分析における位置調整と同様、位置調整部54による吐出口38の位置調整を行なうのが好ましい。
本実施形態では、レーザ光をフローセル32の中心位置に調整し、かつ、このフローセル32の中心位置をサンプル流が通過するよう、フローセル32に対するサンプル供給管の吐出口の位置を調整した。本発明のフローサイトメータでは、このように、フローセルの中心位置をサンプル流が通過するよう、フローセルに対するサンプル供給管の吐出口の位置を調整することに限定されない。しかし、サンプル流がフローセルの中心位置を通過することで、サンプル流の流径や流速が安定化するといった効果がある。本発明のフローサイトメータでは、このように、フローセルの中心位置をサンプル流が通過するよう、フローセルに対するサンプル供給管の吐出口の位置を調整することが好ましい。
また、本発明のフローサイトメータおよびフローサイトメータを用いた測定方法における、フローセルに対するレーザ光の照射位置、およびレーザ光に対するサンプル流の調整位置は特に限定されない。しかし、レーザ光の照射位置をフローセルの中心位置に調整することで、レーザ光の散乱を抑制することができる。この状態でサンプル流をフローセルの中心位置に調整するとで、フローセルを安定して流れるサンプル流に対し、余分な散乱光成分を含まない安定したレーザ光を照射することが可能である。本発明のフローサイトメータおよびフローサイトメータを用いた測定方法では、レーザ光をフローセル32の中心位置に調整し、かつ、このフローセル32の中心位置をサンプル流が通過するよう、フローセル32に対するサンプル供給管の吐出口の位置を調整することが好ましい。
以上、本発明のフローサイトメータおよびフローサイトメータを用いた測定方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明のフローサイトメータの一例であるフローサイトメータ10の概略構成図である。 フローサイトメータ10におけるバイモルフ圧電フィルムの構造、およびバイモルフ圧電フィルムの動作について説明する概略断面図である。 フローサイトメータ10における位置調整ユニットについて説明する概略構成図である。 本発明のフローサイトメータを用いて行う測定方法の一例である、分析サンプルの蛍光解析方法の一例のフローチャート図である。 (a)〜(c)は、分析サンプルの蛍光解析方法におけるサンプル流管の吐出口の位置調整について説明する概略図である。 サンプル流管の吐出口の位置調整において、バイモルフ圧電フィルムに印加される電圧の大きさと、受光部から出力される受光信号との相関を表すグラフである。 従来のフローサイトメータにおける、サンプル流とサンプル流に対するレーザ光の照射部分について説明する図である。
符号の説明
10 フローサイトメータ
12 分析サンプル
14 テスト用サンプル
20 液流形成ユニット
22 液体供給装置
24 配管
25 分析サンプル液タンク
26 テストサンプル液タンク
27 シース液タンク
30 流管部
32、102 フローセル
34 外部管路
36 サンプル流管
38、108 吐出口
40 光学ユニット
42 レーザ光源部
44、46 受光部
50 位置調整・分析ユニット
52 スイッチ部
53 データ処理・調整手段
55 電圧印加手段
54 位置制御部
56 分析部
58 制御部
60 バイモルフ圧電フィルム
61、62 圧電体フィルム
64,65 電極
70 制御装置
80 テストサンプル流
90 分析サンプル流
104 シース液供給管
106 サンプル液供給管
114 細胞114

Claims (2)

  1. シース液が内部を一方向に流れる外部流管と、前記外部流管の内側領域に設けられ、被測定サンプルを含むサンプル液が内部を流れる内部流管とを備え、前記内部流管の開口端から前記サンプル液をシース液流の中に吐出させることで、前記シース液に囲まれて流れるサンプル液流を形成する液流形成手段と、前記サンプル液流に光ビームを照射する光ビーム照射手段と、前記光ビームの照射を受けて前記サンプル液流の被測定サンプルから発する散乱光および蛍光の少なくともいずれか一方を測定する測定光学系とを有するフローサイトメータであって、
    前記内部流管の外周面に貼付けられたバイモルフ圧電素子と、前記バイモルフ圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、前記電圧印加手段により前記バイモルフ圧電素子に電圧を印加して前記バイモルフ圧電素子を前記光ビームの照射方向および前記サンプル液流の流方向のいずれとも垂直な方向に歪曲させることで前記バイモルフ圧電素子とともに前記内部流管を歪曲させて、前記内部流管の吐出側開口端の位置を前記外部流管に対して変位させることにより、前記光ビームの照射位置に対する前記サンプル液流の位置を調整する吐出位置調整手段と、
    前記測定光学系によって測定される前記散乱光および前記蛍光の少なくともいずれか一方の強度が最も高くなるように前記バイモルフ圧電素子へ印加する印加電圧を制御して前記吐出位置調整手段による前記内部流管の吐出側開口端の位置調整を制御する制御手段と
    を有することを特徴とするフローサイトメータ。
  2. 請求項1記載のフローサイトメータを用い、所望の分析対象サンプルの蛍光または散乱光を測定する方法であって、
    前記バイモルフ圧電素子に印加する印加電圧を種々変更しつつ、テスト用サンプルを含むテストサンプル液を前記内部管路の吐出側開口端から吐出させてテストサンプル液流を形成し、前記測定光学系によって測定される前記テストサンプルからの前記散乱光および前記蛍光の少なくともいずれか一方の強度が最も高くなるように前記バイモルフ圧電素子へ印加する印加電圧を制御することにより、前記開口端の位置を制御する位置制御ステップと、
    前記内部管路の前記開口端を、前記位置制御ステップにおいて制御した状態で、前記内部管路の前記開口端から前記分析対象サンプルを含む分析対象サンプル液を吐出して分析対象サンプル液流を形成し、この分析対象サンプルに光ビームを照射して前記分析対象サンプルから発する散乱光および蛍光の少なくともいずれか一方を測定する測定ステップと
    を有することを特徴とする、フローサイトメータを用いた測定方法。
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