JP2014510734A - D−ガンマ−グルタミル−d−トリプトファンおよびd−ガンマ−グルタミル−l−トリプトファンのプロドラッグ - Google Patents

D−ガンマ−グルタミル−d−トリプトファンおよびd−ガンマ−グルタミル−l−トリプトファンのプロドラッグ Download PDF

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Abstract

本発明は、D−ガンマ−グルタミル−[D/L]−トリプトファンのプロドラッグを提供し、該プロドラッグは、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩であり、
【化1】
Figure 2014510734

式中、GはC−Cアルキルまたはベンジルであり、TはC−Cアルキルまたはベンジルであり、*は(R)または(S)配置のキラル炭素であり、但し、*が(R)配置の場合、GおよびTの少なくとも1つは、C−Cアルキルである。加えて、本発明は、医薬組成物中における式Iの化合物の使用を提供する。

Description

本発明は、ジペプチドのプロドラッグの分野に関し、より具体的には、D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン(H−D−Glu(D−Trp−OH)−OH)およびD−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン(H−D−Glu(L−Trp−OH)−OH)のジペプチドのプロドラッグの分野に関する。
プロドラッグは、投与した後に体内で変換され、活性薬を提供する化合物である。治療上の用途および投与の形態に依存して、プロドラッグは、経口、注射、鼻腔内、または肺組織に直接向けられる吸入剤形として使用することができる(Rautio et al.Nature ReviesDrug Discovery 7,255−270(2008年2月)。肺組織に直接向けられる吸入剤形でのプロドラッグの使用は、概説されている(Proceedings Of The American Thoracic Society Vol1 2004,How the Lung Handles Drugs, Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Inhaled Corticosteroids, Julia Winkler, Guenther Hochhaus, and Hartmut Derendorf 356−363; H.Derendofr et al.,Eur Respir J 2006;28:1042−1050)。
吸入ならびに鼻腔内の投与手段に関しては、吸収された活性薬の迅速な排除による、経口生物学的利用能および全身性副作用の最小化が、いくつかの薬物設計の検討事項である。経口投与のために設計されたプロドラッグは、動物に経口投与した時の経口生物学的利用能の向上、ならびに、pHが1.2(偽胃液として知られている)およびpHが5.8または6.8(偽腸液として知られている)の偽消化液における適切な化学的安定性を選ぶ。注射に使用されるプロドラッグにおいては、化合物の水溶解度が重要な検討事項である。
プロドラッグの選別基準は、その投与の形態に依存する。しかしながら、ヒトの血液中において、すぐに加水分解されて活性薬になりうるプロドラッグは、投与において有益な特性である。ヒト血液は、エステル誘導体を活性薬に生体内変換することができる、いくつかのエステラーゼを有している(Derek Richter and Phyllis Godby Croft,Blood Esterases,Biochem J.1942 December;36(10−12):746−757; Williams FM.Clinical significance of esterases in man. Clin Pharmacolinet.1985 Sep−Oct;10(5):392−403)。さらに、プロドラッグは、ヒト肝臓において、活性薬に生体内変換されてもよい(Baba et al.,The pharmacokinetics of enalapril in patients with compensated liver cirrhosis Br J Clin Pharmacol.1990 Jun;29(6):766−9)。したがって、投与の形態にかかわらず、ヒト肝細胞および血液の生体内変換の結果は、エステル型プロドラッグの評価に用いることができる。
D−イソグルタミル−D−トリプトファンまたはD−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン(H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHまたはApo805としても知られている)は、乾癬を含む自己免疫疾患の治療のために開発された、血液制御性の合成ジペプチドである(Sapuntsova,S.G.,et al.(May 2002),Bulletin of Experimental Biology and Medicine,133(5),488−490)。H−D−Glu(D−Trp−OH)−OH(サイモデプレッシン(thymodepressin))のナトリウム塩は、乾癬に対する効果的療法と考えられており(米国特許第5736519号)、ロシアにおいては、注射アンプルの形で入手できる。
D−イソグルタミル−L−トリプトファンまたはD−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン(H−D−Glu(L−Trp−OH)−OHまたはSCV−07としても知られている)は、患者の免疫系を調整するために有益であると報告されており(米国特許第5744452号)、肺がん(国際公開第2009/025830A1号)、結核(国際公開第2003/013572A1号)、性器ウイルス感染(国際公開第2006/076169号)、メラノーマ(国際公開第2007/123847号)、出血性ウイルス感染(国際公開第2006/047702号)、呼吸器ウイルス感染(国際公開第2005/112639号)、C型肝炎(国際公開第2010/017178号)、ならびに、疾患に起因する、粘膜の病変または損傷(国際公開第2008/100458号)の治療において有益である。SCV−07はまた、ワクチン・エンハンサーとしても報告されている(国際公開第2006/116053号)。
(概要)
本発明は、少なくとも一部は、D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン(Apo805)ならびにD−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン(SCV−07)のプロドラッグ、特には、Apo805ならびにSCV−07よりもより脂溶性であるプロドラッグ、の発見に基づいている。理論に縛られることなく、Apo805ならびにSCV−07よりもより脂溶性であるプロドラッグは、インビボにおいて、より迅速、かつ、より効率的に、それぞれ、Apo805ならびにSCV−07に変換されると信じられている。
本発明のプロドラッグ化合物の一例は、Apo804である。Apo804は、H−D−Glu(D−Trp−OMe)−O−CHPhのペプチド配列を有し、Apo805のプロドラッグである。Apo804は、安定な化学物質である。Apo804は、Apo805よりもより脂溶性であり、より高いlogD7.4を有する。ラットにおける薬物動態の研究において、Apo805と比較した際、Apo804は、向上された経口生物学的利用能を示す。凍結保存されたヒト肝細胞における、さらなる評価では、4時間の間、31%のApo805がApo804から形成されることが示された。
本発明の実施形態は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容できる塩を提供する。
Figure 2014510734
式中、
GはC−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;
Tは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;かつ
*は、(R)配置または(S)配置のいずれかであるキラル炭素であり、但し、*が(R)配置である際、GおよびTの少なくとも1つはC−Cアルキルである。
本発明の実施形態は、Gが、C−Cアルキルからなる群から選択される、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Tが、C−Cアルキルからなる群から選択される、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、イソアミルであり;Tが、イソアミルであり;かつ、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、イソアミルであり;Tが、イソアミルであり;かつ、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、ヘプチルであり;Tが、ヘプチルであり;かつ、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、ペンチルであり;Tが、ペンチルであり;かつ、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、ヘキシルであり;Tが、ヘキシルであり;かつ、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、イソアミルであり;Tが、ペンチルであり;かつ、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、イソアミルであり;Tが、ヘプチルであり;かつ、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、イソアミルであり;Tが、エチルであり;かつ、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、エチルであり;Tが、エチルであり;かつ、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、エチルであり;Tが、イソアミルであり;かつ、*が、(S)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、エチルであり;Tが、イソアミルであり;かつ、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、ベンジルであり;Tが、イソアミルであり;かつ、*が、(R)配置である、ここに記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、Gが、ベンジルであり;Tが、イソアミルであり;かつ、*が、(S)配置である、明細書に記載の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、ここに記載の化合物ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明の他の態様及び特徴は、添付される図と併せて、本発明の具体的な実施形態の下記の記述を概観することにより、当業者には明らかになるだろう。
(図面の簡単な説明)
図1は、酸およびアミン基の推定pKa値を用いた、ジペプチドH−D−Glu(D−Trp−OH)−OHのACD physchem 化学種同定計算を示す図である。HLおよびHLの化学構造を図の中に示す。HLはH−D−Glu(D−Trp−OH)−OHの双性イオン(zwitterion)種である。 図2は、酸およびアミン基の推定pKa値を用いた、ジペプチドH−D−Glu(D−Trp−OMe)−OHのACD physchem 化学種同定計算を示す図である。HLおよびHLの化学構造を図の中に示す。HLはH−D−Glu(D−Trp−OMe)−OHの双性イオン種である。 図3は、酸およびアミン基の推定pKa値を用いた、ジペプチドH−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルのACD physchem 化学種同定計算を示す図である。HLおよびHLの化学構造を図の中に示す。HLは、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルの中性種であり、HLは、アミノ基が正電荷を帯びているアミノ塩種である。 図4は、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル(Apo848)のおよびApo805モノカリウム塩(Apo805K1)をラットに経口投薬した後の、血漿中のApo805(H−D−Glu(D−Trp−OH)−OH)の平均濃度(n=5)を示しており、プロドラッグの向上した生物学的利用能を実証している図である。
(詳細な説明)
明細書中において使用する際、用語「アルキル」は、分岐または非分岐の飽和炭化水素鎖を意味する。非限定で、アルキル原子団の具体例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−プロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、ヘキシル、オクチルなどを含む。用語法「C−C」(式中、xおよびyは整数である。)を、アルキル原子団に対して使用する際には、その「C」はアルキル原子団中の炭素原子の数に関している。例えば、メチルは、Cアルキルとして表記され、イソブチルは、Cアルキルとして表記される。各範囲に包含される、すべての具体的な整数ならびに整数の範囲は、その広い範囲によって、明解に開示されている。例えば、C−Cは、具体的には、下記のものを包含している:C、C、C、C、C、C、C、C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、およびC−C。他の例としては、C−Cは、具体的には、C、C、C、C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、およびC−Cを包含している。
下記の略語および/または省略表現も、明細書中で使用されている。
Figure 2014510734
Figure 2014510734
Figure 2014510734
本発明の化合物は、式Iによって記載される。
Figure 2014510734
式中、
Gは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;
Tは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;かつ
*は、(R)配置または(S)配置のいずれかであるキラル炭素であり、但し、*が(R)配置である際、GおよびTの少なくとも1つはC−Cアルキルである。
式Iの化合物は、式IAと呼ばれる部分集合を含んでいる:
Figure 2014510734
式中、
*は、(R)配置であり;
Gは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;
TはC−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;かつ、
GおよびTの少なくとも1つはC−Cアルキルである。
式IAの具体例には、それらに限定されるものではないが、Gがエチルであり、かつ、Tがイソアミルである;Gがイソアミルであり、かつ、Tがイソアミルである;Gがイソアミルであり、かつ、Tがエチルである;Gがイソアミルであり、かつ、Tがイソアミルである;Gがベンジルであり、かつ、Tがイソアミルである;ならびに、Gがイソアミルであり、かつ、Tがベンジルであるものが含まれている。
更に、式IAの化合物の非限定的な例には、下記のものが含まれる:
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−({(2R)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[(4−メチルペンチル)オキシ]−1−オキソプロパン−2−イル}アミノ)−5−オキソペンタン酸 エチル エステル 塩酸塩である、Gがエチルであり、かつ、Tがイソアミルである塩酸塩。別名は、ペプチド H−D−Glu−(D−Trp−O−イソアミル)−OEtの塩酸塩である;
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−1−エトキシ−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステル 塩酸塩である、Gがイソアミルであり、かつ、Tがエチルである塩酸塩。別名は、ペプチド H−D−Glu−(D−Trp−O−Et)−O−イソアミルの塩酸塩である;
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−{[(2R)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステルである、Gがイソアミルであり、かつ、Tがイソアミルであるエステル。別名は、D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン ジイソアミル エステル、ならびに、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル。この化合物の構造を以下に示す、
Figure 2014510734
式Iの化合物は、式IBと呼ばれる部分集合を含んでいる:
Figure 2014510734
式中、
*は、(S)配置であり;
Gは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;
Tは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択される。
式IBの化合物の非限定的な例には、下記のものが含まれる:
正式な名称は、塩化 (2R)−5−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−1−(3−メチルブトキシ)−1,5−ジオキソペンタン−2−アミニウムである、Gがイソアミルであり、かつ、Tがイソアミルである塩酸塩。この塩の別名には、D−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン ジイソアミル エステル 塩酸塩、ならびに、H−D−Glu−(L−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル・HClが含まれる;
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−1−(ヘプチルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ヘプチル エステル 塩酸塩である、Gがヘプチルであり、かつ、Tがヘプチルである塩酸塩。この塩の別名には、D−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン ジ−n−ヘプチル エステル 塩酸塩、ならびに、H−D−Glu−(L−Trp−O−ヘプチル)−O−ヘプチル・HClが含まれる;
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソ−1−(ペンチルオキシ)プロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ペンチル エステル 塩酸塩である、Gがペンチルであり、かつ、Tがペンチルである塩酸塩。この塩の別名には、D−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン ジ−n−ペンチル エステル 塩酸塩、ならびに、H−D−Glu−(L−Trp−O−ペンチル)−O−ペンチル・HClが含まれる;
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−({(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ヘキシル エステル 塩酸塩である、Gがヘキシルであり、かつ、Tがヘキシルである塩酸塩。この塩の別名には、D−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン ジ−n−ヘキシル エステル 塩酸塩、ならびに、H−D−Glu−(L−Trp−O−ヘキシル)−O−ヘキシル・HClが含まれる;
正式な名称は、(2R)−2−アミノ−5−({(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−[(4−メチルペンチル)オキシ]−1−オキソプロパン−2−イル}アミノ)−5−オキソペンタン酸 エチル エステル 塩酸塩である、Gがエチルであり、かつ、Tがイソアミルである塩酸塩。この塩の別名は、H−D−Glu−(L−Trp−O−エチル)−O−イソアミル・HClである。
式Iの化合物の一般的な調製方法
GおよびTが同じアルキル基である式Iの化合物は、下記の製法(製法Aおよび製法B)により調製することができる。
製法Aは、G=Tである式IAの化合物の調製に使用することができる。
Figure 2014510734
製法A
製法Aは、GおよびTが同じアルキルである、式IAの化合物の調製に使用される方法である。製法Aでは、ジペプチド Boc−D−Glu−(D−Trp−OH)−OHを、炭酸カリウムおよびT−Iで処理することで、ジエステル Boc−D−Glu−(D−Trp−O−G)−O−T(式中、GとTは同じアルキルである)が得られる。T−Iは、試薬 ヨウ化アルキルである。酢酸エチル、あるいは、ジオキサン等の不活性溶媒中における、HClによるBoc基の脱保護によって、GとTが同じである、式IAの化合物が得られる。あるいは、HClの存在下、H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHのアルコールT−OHとの反応によっても、GとTが同じである、式IAの化合物は調製される。T−OHは、アルカノールである。製法Aにおいて、式IAの化合物は、*が、(R)配置である、式Iの化合物である。
製法Aの例は、T−Iが3−ヨード−3−メチルブタンである、後述の例1において、更に、具体的に説明されている。DMF中における、炭酸カリウムの存在下、Boc−D−Glu−(D−Trp−OH)−OHと、T−I(Tは3−メチルブチルである)との間の反応により、G=T=イソアミルである、Boc−D−Glu−(D−Trp−O−G)−O−Tが得られる。ジクロロメタン中における、Boc−D−Glu−(D−Trp−O−T)−O−G中のBoc基のHCl脱保護によって、G=T=イソアミルである、式IAのHCl塩が得られる。例1中の式IAの化合物は、H−D−Glu−(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルである。
製法Bは、G=Tである、式IBの化合物の調製に使用できる。
Figure 2014510734
製法B
製法Bにおいては、式IBの化合物の調製に際して、D,Lジペプチド誘導体 Boc−D−Glu(L−Trp−OH)−OH、あるいはH−D−Glu(L−Trp−OH)−OHが使用されることを除いて、その反応条件は、製法Aと同じである。製法Bにおいて、式IBの化合物は、*が、(S)配置である、式Iの化合物である。
製法Bの例は、後述の例2においてさらに具体的に説明される。H−D−Glu(L−Trp−OH)−OHをT−OH(Tはn−ヘプチルである)を、HClと反応させることで、G=T=n−ヘプチルである、式IBの化合物のHCl塩が得られる。例2中の式IBの化合物は、H−D−Glu(L−Trp−O−n−ヘプチル)−O−n−ヘプチルである。
TおよびGが独立にC−Cアルキルまたはベンジルである、式Iの化合物は、製法Cおよび製法Dの少なくとも1の製法により調製することができる。
Figure 2014510734
製法Cにおいては、EDCIおよびHOBtの存在下、Boc−D−Glu−O−Gを、D−Trp−O−Tと連結することで、化合物Boc−D−Glu−(D−Trp−O−T)−O−Gが得られる。GとTは、式Iの化合物中と同義である。製法Aにおいて記述したように、HCl脱保護により、式IAの化合物が得られる。製法Cにおいて、式IAの化合物は、*が、(R)配置である、式Iの化合物である。
製法Cの例は、後述の例6 Eならびに6 F中に示されている。DMF中において、EDCIおよびHOBtGによって、イソアミルである、Boc−D−Glu−O−Gを、Tがn−ヘプチルである、D−Trp−O−Tと連結することで、Gが、イソアミルであり、かつ、Tが、n−ヘプチルである、化合物 Boc−D−Glu−(D−Trp−O−T)−O−Gが得られる。エーテル等の不活性有機溶媒中における、HCl脱保護により、Gが、イソアミルであり、かつ、Tが、n−ヘプチルである、式IAの化合物が得られ、そして、例6中の式IAの化合物は、H−D−Glu−(D−Trp−O−n−ヘプチル)−O−イソアミルである。
Figure 2014510734
製法D
製法Cと同様の手法で、製法Dでは、Boc−D−Glu−O−GをL−Trp−O−Tと連結して、Boc−D−Glu−(L−Trp−O−T)−O−を得、そして、不活性溶媒中において、HClで脱保護することで、式IBの化合物が得られる。製法Dにおいて、式IBの化合物は、*が、(S)配置である、式Iの化合物である。
製法Dの例は、後述の例12 Eならびに12 F中に示されている。DMF中において、EDCIおよびHOBtによって、Gが、エチルである、Boc−D−Glu−O−Gを、Tが、イソアミルである、L−Trp−O−Tと連結することで、Gが、エチルであり、かつ、Tが、イソアミルである、化合物 Boc−D−Glu−(L−Trp−O−T)−O−Gが得られる。エーテル等の不活性有機溶媒中における、HCl脱保護によって、Gが、エチルであり、かつ、Tが、イソアミルである、式IBの化合物が得られ、そして、実施例12中の式IBの化合物は、H−D−Glu−(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチルである。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、本発明の化合物中に存在する、酸性基または塩基性基の塩を含んでいる。薬学的に許容される酸付加塩は、それらに限定されるものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucuronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−bis−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))を含んでいる。適する塩基性塩は、それらに限定されるものではないが、アルミニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩およびジエタノールアミン塩を含んでいる。“Pharmaceutically acceptable salts”についての総論として、Berge et al.,66 J.Pharm.Sci.1−19(1977)を参照。
D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファンは、その化学構造中に、2つのカルボン酸と1つのアミノ基を有している。pHの尺度に対する、荷電および/または中性の化学種を表す化学種同定プロットは、ACD physchemソフトウエアを用いて数値計算することができる(Advanced Chemistry Development,Inc.,Toronto,Ontario,Canada)。図1に示すように、pH 5.8〜7.4における、主要の化学種は、HLであり、従って、ジペプチド D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファンは、負帯電したカルボン酸塩として存在している。
D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン H−D−Glu(D−Trp−OMe)−OHのモノアルキルエステルの化学種同定プロットを、図2に示す。電気的に中性であるHL双性イオン種の割合は、pH依存性を示し、pH7.4では、より多くの負に帯電しているHL種(1負電荷)が存在している。例えば、重要なpHにおける、H−D−Glu(D−Trp−OMe)−OHについて、数値計算された化学種の分布を、以下の表に示す。
Figure 2014510734
*化学種合計 = 1.0 (ACD physchem v11.03)。例として、 表中の0.09 と 0.91 は、pH6.0の溶液中に、 H2L と H3L 化学種が、 それぞれ、9%と91%存在することを意味する。
モノアルキルエステル H−D−Glu(D−Trp−OMe)−OHの場合、腸内吸収に利用できる化学種は、pH 6.0〜7.4の範囲における、負電荷のHLと電気的に中性な双性イオン種HLの混合物である。
プロドラッグが、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルのような、D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン ジアルキルエステルである場合、中性な化学種は、HLである。重要なpHにおける、化学種の同定結果は、下記のとおりである、
Figure 2014510734
* 化学種合計 = 1.0 (ACD physchem v11.03)。 例として、表中の 0.12 と 0.88 は、pH6.0の溶液中に、 H2L と H3L 化学種が、 それぞれ、12%と88%存在することを意味する。
pH 6とpH 7.4の間においては、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルは、HLとHLの混合物であり、HLが、中性化学種である。
D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン ジアルキル エステル、特に、少なくとも1つのC−Cアルキル エステルを有する、D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファンは、D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン C−Cジアルキル エステルと比較すると、脂溶性の向上を示す。pH7.4における実験的なlogDの比較を以下に示す。
Figure 2014510734
ジイソアミルエステルの使用により、H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHのlogD値が10倍を超える向上がなされる。プロドラッグは、体内の複数の部位において、親の薬剤へと生体内変換される。体内のそのような部位の例には、腸の一部、血液、および肝臓を含む。ジアルキル エステル プロドラッグについて、生体内変換の1つの可能性のある部位は肝臓である。より脂溶性の化合物は、腸内吸収の後、ヒト肝細胞に到達した該化合物の、親薬物であるH−D−Glu(D−Trp−OH)−OHへの生体内変換を促進させる。上記の通り、化合物H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルは、ジメチル エステル H−D−Glu(D−Trp−O−Me)−O−Me、またはモノメチルエステル H−D−Glu(D−Trp−O−Me)−OHよりも、より脂溶性である。
H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHのジイソアミル エステルおよびジメチル エステルを、ヒト肝細胞において試験した際、ヒト肝細胞内で生成された、より高い割合のH−D−Glu(D−Trp−OH)−OHが、4時間にわたって形成されることを、生物学的評価のデータが裏付けている。
Figure 2014510734
ヒト肝細胞を用いる選別方法を同様に適用すると、2.9時間の間に、50%のエナラプリルがエナラプリル塩(enalaprilate)に生体内変換される。Br.J.Clin.Pharmacol.(1990),29,766−769に、ヒト患者の肝臓においてエナラプリルのエナラプリル塩への生体内変換が報告されている。従って、Apo848は、エナラプリルからエナラプリル塩への過程と同様に、3時間以内に、ヒト肝細胞において、H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHへと生体内変換するという、類似のプロファイルを有している。
ラットの薬物動態学研究において、Apo848を試験したところ、H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHと比較して、向上した経口被曝を示し、この研究の結果を、図4および後述の例16に示す。
本発明の化合物またはその塩は、医薬製剤に処方される。本発明の多くの化合物は、一般に水溶性であり、塩として形成される。その際、本発明かかる医薬組成物は、かかる化合物の塩、好ましくは、当該分野で知られている、生理学的に許容される塩を含むことができる。通常、医薬調製物は、注射、吸入、外用投与、灌注、あるいは、選択される治療に適したその他の形態など、該調製物の投与の形態において許容される、1または複数の担体を含んでいる。適する担体は、かかる投与の形態における使用が、当該技術分野において公知のものである。
適する医薬組成物は、当該技術分野において公知の手段で製剤され、また、投与の形態および用量は、熟練の開業医によって決定される。非経口投与では、化合物は、滅菌水、生理食塩水、あるいは、ビタミンKに用いられるような、非水溶性化合物の投与に使用される薬学的に許容される担体に溶解される。経腸投与では、化合物は、錠剤、カプセル剤により、あるいは、液体に溶解した上で、投与される。錠剤またはカプセル剤は、腸溶被覆、または徐放性製剤が可能である。放出される化合物を封入するポリマーまたはタンパク質微量粒子、外用又は局所的に化合物を投与するために用いることができる、軟膏、ペースト、ゲル、ヒドロゲルまたは溶液を初めとする、多くの適当な剤形が公知である。徐放パッチまたはインプラントは、長期にわたる放出を提供するために採用することができる。当業者に公知の多くの手法が、Remington:the Science & Practice of Pharmacy by Alfonso Gennaro,20th ed.,Lippencott Williams & Wilkins,(2000)に記載されている。非経口投与のための製剤は、例えば、賦形剤、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物由来の油、または水素添加ナフタレンを含む。生体適合性の、生分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリド・コポリマー、あるいは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン・コポリマーは、化合物の放出を制御するために使用することができる。修飾された化合物に対する、他の潜在的に役立つ非経口送達システムには、エチレン−酢酸ビニル・コポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み型注入システム、ならびに、リポソームが含まれる。吸入のための製剤は、ラクトース等の賦形剤、あるいは、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコール酸塩を含む水溶液とすることができ、また、点鼻剤の剤形もしくはゲルとしての投与に対する、油性溶液とすることもできる。
本発明にかかる、あるいは、本発明における用途の化合物または医薬組成物は、インプラント、移植、プロテーゼ、ステント等の医療装置または器具を利用して投与することができる。また、インプラントは、前記化合物または組成物を含み、放出することを意図して考案される。一例は、ある期間にわたる化合物の放出に適合する、ポリマー材料で作製されている、インプラントである。
本発明にかかる医薬組成物の「有効量」は、治療的有効量または予防的有効量を含む。「治療的有効量」は、必要とされる投薬ならびに期間において、PASI値、あるいは当業者に公知の他の適当な臨床的指標の改善等の、所望の治療効果を達成するために有効な量を指す。患者の病状、年齢、性別、および体重、ならびに、患者において所望の応答を導き出す化合物の能力などの因子に依って、化合物の治療的有効量は変化する。投薬計画は、最適な治療反応を提供するために調節される。治療的有効量は、また、化合物の如何なる毒性または有毒な効果を、治療の有益な効果が上回っている量でもある。「予防的有効量」は、必要とされる投薬ならびに期間において、望ましいPASI値(乾癬の拡がりおよび重篤度の指数)、あるいは、当業者に公知の他の適当な臨床的指標等、望ましい予防結果を達成するために有効な量を指す。典型的には、予防的投与は、疾患の発症前または初期段階の対象者に使用されるので、予防的有効量は、治療的有効量よりも少なくすることができる。
投薬量は、緩和すべき病状の重篤度に依って変えることができることに留意すべきである。如何なる特定の患者に対して、特定の投薬計画は、個々の必要性、ならびに組成物の投与を管理する、あるいは、指揮する人の専門的な判断に従って、経時的に調節することができる。本明細書中に明記されている投与範囲は、単なる例示に過ぎず、内科の医師により選択される投与範囲を限定するものではない。組成物中の活性化合物の量は、例えば、患者の病状、年齢、性別および体重等の因子に従って、変えることができる。投薬計画は、最適な治療応答を提供するために調節することができる。例えば、大丸薬で単回投与することができ、数回に分割した薬量を、時間をかけて投与することもでき、さらには、治療状況の緊急性の要求に従って、投薬量を比例して減少または増加することができる。投与の容易性および投薬量の均質性のために、単位投薬量の形態に非経口組成物を製剤することが有利である。
一般的に、本発明の化合物は、実質的な毒性を引き起こさない範囲で使用すべきである。本発明の化合物の毒性は、標準的な方法、例えば、細胞培養または実験動物において試験し、治療指数、すなわち、LD50(集団の50%の致死量)とLD100(集団の100%の致死量)の比の測定により決定することができる。しかしながら、ある状況下、例えば、重篤な病状においては、実質的に過剰の組成物を投与することが必要となる可能性がある。
本明細書中において使用される際、「患者」は、ヒト、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、等である。患者は、乾癬、および/またはアトピー性皮膚炎、および/または、免疫系を調整する際、薬剤を使用する、内科的症状を有すると疑われる、または有する危険性がある。乾癬、アトピー性皮膚炎、ならびに、免疫調節化合物が使用される、様々な疾患に対する診断方法、ならびに、これらの病状の臨床的な兆候の診断は、当業者には公知である。
以下の例は、明細書に記載の本発明の実施態様のいくつかを例証するものである。これらの例は、如何なる意味でも、本発明の技術思想または技術的範囲を限定するものではない。
(例1)
(2R)−2−アミノ−{[(2R)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステル 塩酸塩(Apo848・HCl)、H−D−Glu(D−Trp−イソアミル)−O−イソアミル・HClの調製
Figure 2014510734
ステップ1:Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルの調製
氷水浴で冷却されたN−(tert−ブトキシカルボニル)−D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン(Boc−D−Glu(D−Trp−OH)−OH、Apo806、4.00g、9.23mmol)のDMF(30mL)溶液に、無水炭酸カリウム(5.10g、36.9mmol)と、引き続き、10分間をかけて、1−ヨード−3−メチルブタン(4.90mL,36.9mmol)のDMF(10mL)溶液を滴下した。混合物を放置して、室温に戻し、そして、18時間撹拌した。反応混合物を脱イオン水(150mL)中に注ぎ、固体が析出するまで30分間撹拌した。ヘキサン(150mL)を加え、混合物を10分間撹拌した。デカンテーションにより、ヘキサンと水を除去し、そして、新たな脱イオン水(100mL)とヘキサン(150mL)を加えた。混合物をさらに15分間撹拌した。固体を吸引濾過により回収し、ヘキサン(25mL、5回)で洗浄し、真空オーブンで乾燥して、(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−{[(2R)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステル(Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル)を茶色の個体として得た(4.50g)。収率85.1%。
1H NMR (DMSO-D6, 90 MHz) d ppm : 10.84 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 6.94 - 7.54 (m, 6H), 3.73 - 4.64 (m, 6H), 3.10 (s, 2H), 1.97 - 2.38 (m, 2H), 1.23 - 1.45 (m, 17H), 0.65 - 0.97 (m, 12H);
MS-ESI (m/z): 575 [M+1]+

ステップ2:H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル・HClの調製
(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−5−{[(2R)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステル(Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル)(1.10g、1.92mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、その溶液を氷水浴で冷却した。その冷却溶液の中に、HClガスを2時間吹き込んだ。次いで、反応混合物を放置して、室温に戻し、そして、窒素ガスを30分間吹き込んだ。減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて、揮発性物質を除去した。次いで、残留固形分物を真空オーブン中で乾燥することで、題記化合物を得た(0.67g)。収率69.5%。
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) d ppm : 10.92 (br. s, 1H), 8.47 - 8.62 (m, 4H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.07 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.96 - 7.03 (m, 1H), 4.45 - 4.52 (m, 1H), 4.12 - 4.22 (m, 2H), 3.94 - 4.04 (m, 3H), 3.01 - 3.17 (m, 2H), 2.24 - 2.40 (m, 2H), 1.97 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 1.61 - 1.71 (m, 1H), 1.42 - 1.55 (m, 3H), 1.28 - 1.39 (m, 2H), 0.89 (d, J = 7.1 Hz, 6H), 0.77 - 0.85 (m, 6H);
MS-ESI (m/z): 475 [M+1]+

(例2)
ガンマ−D−グルタミル−L−トリプトファン ジヘプチル エステル 塩酸塩、あるいは(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−1−(ヘプチルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ヘプチル エステル 塩酸塩(Apo874塩酸塩)H−D−Glu(L−Trp−O−ヘプチル)−O−ヘプチル・HClの調製
Figure 2014510734
CHCl(60mL)中のD−ガンマ−グルタミル−L−トリプトファン(4.0g、12mmol)とヘプタノール(7.0g、60mmol)の氷冷懸濁液中に、HClガスを吹き込んだ。HPLCにより、反応の進行を監視した:HPLCカラム:XTerra MS,C18,5μm,4.6×250mm; 移動相: A=水相:4mMのTris,2mMのEDTA,pH7.4; B=有機相:CHCN; 方法 勾配:時間(分)−B%:0−5%、15−90%、25−90%; 流速=1mL/分; 注入量=5μL; λ:222、254、280、450nm; 出発物質の保持時間(RT)=5.6分; Apo874のRT=18.6分。氷冷温度において2時間経過後、HPLCによる反応混合物の分析(曲線下面積、AUC)は、約31%の出発物質の存在を示した。反応混合物を放置し、周囲温度に戻し、終夜撹拌した。反応混合物を、再び氷冷し、1−ヘプタノール(7.0g、60mmol)を加えた。次いで、混合物中に、HClガスを吹き込み、得られる混合物をさらに6時間撹拌した。その反応混合物中に、窒素ガスを吹き込み、そして、混合物を真空中において蒸発乾固させることで、題記化合物を得た。イソプロパノールとジクロロメタンとの混合物からなる溶媒勾配(7から100%)を用いて、シリカゲル上のフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにより精製した後、Apo874塩酸塩のサンプル(1.3g)を単離した;280nmで測定される、HPLC(AUC)純度=98.4%。
1H NMR (DMSO-D6) d ppm: 10.92 (s, 1H), 8.55 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.20-8.50 (br., 3H), 7.47 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.06 (t, J= 7.4 Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.46 - 4.47 (m, 1H), 4.11 - 4.14 (m, 2H), 3.92 - 3.99 (m, 3H), 3.01 - 3.15 (m, 2H), 2.30 - 2.40 (m, 1H), 2.20 - 2.30 (m, 1H), 1.90 - 2.10 (m, 2H), 1.50 - 1.70 (m, 2H), 1.40 - 1.50 (m, 2H), 1.10 - 1.40 (m, 16H), 0.80 - 0.90 (m, 6H);
MS-ESI (m/z): 530 [M - HCl +1]+ (free base)

(例3)
(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステル 塩酸塩、Apo871・HCl、H−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル・HClの調製
Figure 2014510734
例2に記載と同様の方法により、H−D−Glu(L−Trp−OH)−OHのイソアミルアルコールの混合物中に、HClガスを吹き込むことにより、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(3−メチルブトキシ)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 3−メチルブチル エステル 塩酸塩、Apo871塩酸塩を調製した。サンプルを、イソプロパノールとジクロロメタンとの混合物からなる溶媒勾配(10から100%)を使用して、シリカゲル上のフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーにより精製した。例2に記載のHPLC方法を使用した。280nmで測定される、HPLC(AUC)純度=99.2%。
1H NMR (DMSO-D6) d ppm: 10.91 (s, 1H), 8.50 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.2-8.2 (br., 3H), 7.47 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.07 (t, J= 7.4 Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.45-4.47 (m, 1H), 4.13-4.17 (m, 2H), 3.96-3.99 (m, 2H), 3.83-3.86 (m, 1H), 3.01-3.15 (m, 2H), 2.33-2.35 (m, 1H), 2.23-2.25 (m, 1H), 1.87-1.94 (m, 2H), 1.64-1.67 (m, 1H), 1.46-1.52 (m, 3H), 1.29-1.34 (m, 2H), 0.87-0.89 (m, 6H), 0.79-0.82 (m, 6H);
MS-ESI (m/z): 474 [M -HCl +1]+ (free base)

(例4)
ガンマ−D−グルタミル−L−トリプトファン ジペンチル エステル 塩酸塩、あるいは、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソ−1−(ペンチルオキシ)プロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ペンチル エステル 塩酸塩、Apo876塩酸塩またはH−D−Glu(L−Trp−O−ペンチル)−O−ペンチル・HClの調製
Figure 2014510734
例2に記載と同様な方法により、n−ペンタノール中において、H−D−Glu(L−Trp−OH)−OHをHClと反応させ、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソ−1−(ペンチルオキシ)プロパン−2−イル)]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ペンチル エステル 塩酸塩、Apo876塩酸塩を得る。280nmで測定される、HPLC(AUC)純度=99.2%。
1H NMR (DMSO-D6) d ppm: 10.85 (s, 1H), 8.29 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.33 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.06 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.98 (t, J= 7.4 Hz, 1H), 4.43-4.49 (m, 1H), 3.99-4.06 (m, 2H), 3.92-3.95 (m, 2H), 3.24-3.28 (m, 1H), 2.99-3.14 (m, 2H), 2.14-2.24 (m, 2H), 1.75-1.83 (m, 2H), 1.53-1.58 (m, 3H), 1.41-1.44 (m, 2H), 1.26-1.30 (m, 3H), 1.06-1.25 (m, 4H), 0.81-0.88 (m, 6H);
MS-ESI (m/z): 474 [M -HCl +1] + (free base)

(例5)
ガンマ−D−グルタミル−L−トリプトファン ジヘキシル エステル 塩酸塩、あるいは、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ヘキシル エステル 塩酸塩、またはH−D−Glu(L−Trp−O−ヘキシル)−O−ヘキシル・HCl(Apo881塩酸塩)
Figure 2014510734
例2に記載と同様の方法で、ヘキサノール中で、H−D−Glu(L−Trp−OH)−OHをHClと反応させことで、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 ヘキシル エステル 塩酸塩、Apo881塩酸塩、あるいは、ガンマ−D−グルタミル−L−トリプトファン ジヘキシル エステル 塩酸塩が得られる。280nmで測定される、HPLC(AUC)純度=95.0%。
1H NMR (DMSO-D6) d ppm: 10.91 (s, 1H), 8.46 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.80-7.80 (br., 3H), 7.48 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.06 (t, J= 7.4 Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.43-4.49 (m, 1H), 4.07-4.11 (m, 2H), 3.93-3.96 (m, 2H), 3.72-3.73 (m, 1H), 3.03-3.14 (m, 2H), 2.30-2.40 (m, 1H), 2.20-2.30 (m, 1H), 1.90-2.00 (m, 1H), 1.80-1.90 (m, 1H), 1.50-1.60 (m, 2H), 1.40-1.50 (m, 2H), 1.10-1.40 (m, 12H), 0.70-0.90 (m, 6H);
MS-ESI (m/z): 502 [M -HCl +1]+ (free base)

(例6)
H−D−Glu(D−Trp−O−ヘプチル)−O−イソアミル 塩酸塩(Apo922・HCl)の調製
Figure 2014510734
A.Boc−D−Trp−O−ヘプチルの調製
ジクロロメタン(100mL)およびDMF(100mL)の中に、Boc−D−Trp−OH(10.0g、32.8mmol)、ヘプタノール(3.82g、32.8mmol)、EDCI(6.93g、36.1mmol)、HOBt水和物(5.53g、36.1mmol)およびDIPEA(4.24g、32.8mmol)を混合した。反応混合物を、室温で終夜撹拌し、次いで、ジクロロメタンを除去するため、ロータリーエバポレーターを用いて留去することにより、濃縮した。酢酸エチル中に残渣を溶出し、次いで、順次、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水、1N HCl溶液、水、および食塩水により洗浄し、その後、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過後、有機溶液を濃縮乾固させ、ヘキサンにより残渣を研和することで、白色固形物として、Boc−D−Trp−O−ヘプチル(7.89g)が得られた。収率60%。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) d (ppm): 8.05 (br. s, 1H), 7.57 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.07 - 7.15 (m, 1H), 7.02 (s, 1H), 5.07 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.56 - 4.69 (m, 1H), 3.95 - 4.12 (m, 2H), 3.29 (br. s, 2H), 1.48 - 1.63 (m, 5H), 1.15 - 1.46 (m, 14H), 0.88 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
MS-ESI (m/z): 403 [M+1]+

B.H−D−Trp−O−ヘプチル 塩酸塩の調製
氷水浴による冷却下、撹拌しながら、Boc−D−Trp−O−ヘプチル(7.40g、18.4mmol)の酢酸エチル(75mL)およびエーテル(75mL)中の溶液に、TLCによって観察した際、残留した出発物質が見出されなくなるまで、2時間、HClガスをゆっくりと吹き込んだ。真空下、反応混合物を濃縮し、その後、水(10mL)およびアセトニトリルと混合させた。混合物を再度濃縮し、エーテルにより残渣を研和することで、オフホワイト色の固形物として H−D−Trp−O−ヘプチル 塩酸塩(5.43g)が得られた。収率87%。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d(ppm): 11.10 (br. s, 1H), 8.58 (br. s, 3H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.10 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.95 - 7.06 (m, 1H), 4.21 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 3.88 - 4.10 (m, 2H), 3.15 - 3.37 (m, 2H), 1.35 - 1.50 (m, 2H), 1.03 - 1.31 (m, 8H), 0.86 (m, 3H);
MS-ESI (m/z): 303 [M+1]+ (free base)

C.Boc−D−Glu(OBzl)−O−イソアミルの調製
Boc−D−Glu(O−Bzl)−OH(5.48g、16.2mmol)、炭酸カリウム(4.48g、32.5mmol)およびDMF(30mL)の懸濁液中に、室温で、1−ヨード−3−メチルブタン(6.43g、32.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、固形物を濾別し、酢酸エチルで洗浄した。ロータリーエバポレーターを用いた留去により濾液を濃縮し、残渣を水と混合した。ヘキサン中に、得られた固形物を溶出させ、有機溶液を水(2×)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥して、そして、濾過処理した。ロータリーエバポレーターを用いた留去により濾液を濃縮することで、白色固形物として、Boc−D−Glu(O−Bzl)−O−イソアミル(6.64g)が、定量的収率で得られた。
1H NMR (CDCl3, 90 MHz) d ppm: 7.03 - 7.56 (m, 5H), 5.12 (s, 3H), 3.87 - 4.50 (m, 3H), 2.25 - 2.63 (m, 2H), 1.83 - 2.20 (m, 2H), 1.23 - 1.75 (m, 12H), 0.91 (d, J = 5.85 Hz, 6H)

D.Boc−D−Glu(OH)−O−イソアミルの調製
酢酸エチル(80mL)中で、上述のBoc−D−Glu(O−Bzl)−O−イソアミル(6.20g、15.2mmol)および10%のPd/C(含水、0.62g)を混合した。Parrの装置を用い、水素圧40psiの水素ガス雰囲気下、4.5時間、反応混合物に水素化を行った。Celite(登録商標)を通して混合物を濾過し、また、濾塊を酢酸エチルで完全に洗浄した。ロータリーエバポレーターを用いた留去により濾液を濃縮することで、粘着性の透明な油状物として、題記化合物Boc−D−Glu(OH)−O−イソアミルが定量的収率(5.50g)で得られた。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) d ppm: 5.18 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.35 (br. s, 1H), 4.18 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.38 - 2.54 (m, 2H), 2.12 - 2.27 (m, 1H), 1.84 - 2.04 (m, 1H), 1.63 - 1.81 (m, 1H), 1.50 - 1.63 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 0.93 (d, J = 6.1 Hz, 6H)

E.Boc−D−Glu(D−Trp−O−ヘプチル)−O−イソアミルの調製
氷水浴による冷却下、Boc−D−Glu(OH)−O−イソアミル(952mg、3.0mmol)、H−D−Trp−O−ヘプチル 塩酸塩(1.02g、3.0mmol)、EDCI(933mg、3.3mmol)、HOBt水和物(505mg、3.3mmol)のDMF(10mL)溶液中に、DIPEA(426mg、3.3mmol)を加えた。反応混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして、有機相を、順次、水、1N HCl溶液、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水、および食塩水で洗浄した。有機相を、シリカゲルとともに、ロータリーエバポレーターを用いた留去により濃縮し、ヘキサン中に酢酸エチル(20から30%)を混合した液によりシリカゲル上カラムクロマトグラフィーで残渣を精製することで、淡黄色の粘着性のオイルとして、Boc−D−Glu(D−Trp−O−ヘプチル)−O−イソアミル(1.60g)が得られた。収率83%。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) d (ppm): 8.15 (br. s, 1H), 7.53 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 7.15 - 7.23 (m, 1H), 7.06 - 7.15 (m, 1H), 7.03 (br. s, 1H), 6.24 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 3.91 - 4.33 (m, 5H), 3.20 - 3.47 (m, 2H), 2.08 - 2.32 (m, 3H), 1.90 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 1.36 - 1.72 (m, 14H), 1.26 (br. s, 8H), ), 0.79 - 1.02 (m, 9H);
MS-ESI (m/z): 602 [M+1]+

F.H−D−Glu(D−Trp−O−ヘプチル)−O−イソアミル 塩酸塩の調製
室温で、Boc−D−Glu(D−Trp−O−ヘプチル)−O−イソアミル(1.56g、2.6mmol)を、2M HClのエーテル溶液(15mL)と混合し、終夜撹拌した。減圧下、ロータリーエバポレーターを用いた留去により、反応混合物を濃縮した。残渣を飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルの間で分液した。有機相を、MgSO上で乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターを用いた留去により濃縮乾固し、粘着性のオイルを得た。エーテル中に得られたオイルを溶出し、2M HClエーテル溶液(1.5mL)によって酸性化した。再び、ロータリーエバポレーターを用いた留去により、得られる懸濁液を濃縮することで、オフホワイト色の泡状物質として、H−D−Glu(D−Trp−O−ヘプチル)−O−イソアミル 塩酸塩(750mg)が得られた。収率46%。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 11.01 (br. s, 1H), 8.75 (br. s, 3H), 8.56 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.20 (br. s, 1H), 7.05 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.90 - 7.00 (m, 1H), 4.38 - 4.56 (m, 1H), 4.13 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.79 - 4.03 (m, 3H), 2.94 - 3.25 (m, 2H), 2.18 - 2.46 (m, 2H), 1.88 - 2.12 (m, 2H), 1.64 (dt, J = 12.4, 6.4 Hz, 1H), 1.35 - 1.54 (m, 4H), 1.05 - 1.30 (m, 8H), 0.70 - 0.95 (m, 9H);
MS-ESI (m/z): 502 [M+1]+ free base

(例7)
H−D−Glu(D−Trp−O−ペンチル)−O−イソアミル塩酸塩(Apo921.HCl)の調製
Figure 2014510734
A.Boc−D−Trp−O−ペンチルの調製
上記例6 Aの記載と同様な手順で、ジクロロメタン(100mL)およびDMF(100mL)中における、Boc−D−Trp−OH(10.0g、32.8mmol)、ペンタノール(2.90g、32.8mmol)と、HOBt水和物(5.53g、36.1mmol)およびEDCI(6.93g、3.61mmol)との、室温、終夜の反応によって、Boc−D−Trp−O−ペンチル(7.49g、収率61%)を調製した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) d (ppm): 8.07 (br. s, 1H), 7.57 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.08 - 7.15 (m, 1H), 7.01 (s, 1H), 5.08 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.57 - 4.70 (m, 1H), 3.95 - 4.14 (m, 2H), 3.20 - 3.38 (m, 2H), 1.50 - 1.61 (m, 2H), 1.15 - 1.47 (m, 13H), 0.87 (t, J = 7.1 Hz, 3H)

B.H−D−Trp−O−ペンチル 塩酸塩の調製
上記例6 Bの記載と同様な手順で、氷水浴による冷却下、エーテル(75mL)および酢酸エチルの溶媒混合物中における、HClガスを用いた、Boc−D−Trp−O−ペンチル(5.64g、13.6mmol)の脱保護により、H−D−Trp−O−2−ペンチル 塩酸塩(4.68g、収率75%)を調製した。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d(ppm): 11.12 (br. s, 1H), 8.64 (br. s, 3H), 7.52 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.06 - 7.17 (m, 1H), 6.93 - 7.06 (m, 1H), 4.19 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 3.86 - 4.10 (m, 2H), 3.15 - 3.38 (m, 2H), 1.32 - 1.52 (m, 2H), 1.14 - 1.28 (m, 2H), 1.01 - 1.13 (m, 2H), 0.82 (m, 3H);
MS-ESI (m/z): 275 [M+1]+ (free base)

C.Boc−D−Glu(D−Trp−O−ペンチル)−O−イソアミルの調製
上記例6 Eの記載と同様な手順で、室温、DMF(10mL)中における、H−D−Trp−O−ペンチル 塩酸塩(932mg、3.0mmol)、EDCI(933mg、3.3mmol)、HOBt水和物(505mg、7.9mmol)、DIPEA(426mg、3.3mmol)、およびBoc−D−Glu(OH)−O−イソアミル(952mg、3.0mmol)の反応により、Boc―D−Glu(D−Trp−O−ペンチル)−O−イソアミル(1.44g、収率88%)を調製した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) d (ppm): 8.15 (br. s, 1H), 7.53 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.06 - 7.15 (m, 1H), 7.02 (br. s, 1H), 6.24 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.85 - 4.98 (m, 1H), 3.93 - 4.28 (m, 5H), 3.21 - 3.42 (m, 2H), 2.10 - 2.32 (m, 3H), 1.82 - 1.98 (m, 1H), 1.62 - 1.74 (m, 1H), 1.47 - 1.62 (m, 4H), 1.43 (s, 9H), 1.15 - 1.37 (m, 4H), 0.82 - 0.97 (m, 9H);
MS-ESI (m/z): 574 [M+1]+

D.H−D−Glu(D−Trp−O−ペンチル)−O−イソアミル 塩酸塩の調製
上記例6 Fの記載と同様の手順で、2M HClのエーテル溶液(15mL)による、Boc−D−Glu(D−Trp−O−ペンチル)−O−イソアミル(1.41g、2.4mmol)の脱保護により、H−D−Glu(D−Trp−O−ペンチル)−O−イソアミル塩酸塩(900mg、収率58%)が得られた。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d(ppm): 10.99 (br. s, 1H), 8.72 (br. s, 3H), 8.55 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.04 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.92 - 7.01 (m, 1H), 4.40 - 4.54 (m, 1H), 4.08 - 4.23 (m, 2H), 3.83 - 4.02 (m, 3H), 2.98 - 3.22 (m, 2H), 2.21 - 2.45 (m, 2H), 1.91 - 2.09 (m, 2H), 1.58 - 1.73 (m, 1H), 1.35 - 1.54 (m, 4H), 1.05 - 1.29 (m, 4H), 0.75 - 0.93 (m, 9H);
MS-ESI (m/z): 474 [M+1]+ (free base)

(例8)H−D−Glu(D−Trp−O−Et)−O−イソアミル 塩酸塩(Apo918・HCl)の調製
Figure 2014510734
A.Boc−D−Glu(D−Trp−O−Et)−O−イソアミルの調製
上記例6 Eの記載と同様の手順で、室温、DMF(10mL)中における、H−D−Trp−O−Et 塩酸塩(806mg、3.0mmol)、EDCI(933mg、3.3mmol)、HOBt水和物(505mg、7.9mmol)、DIPEA(426mg、3.3mmol)、およびBoc−D−Glu−O−イソアミル(952g、3.0mmol)の反応により、Boc−D−Glu(D−Trp−O−Et)−O−イソアミル(870mg、収率54%)を調製した。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) d (ppm): 8.18 (br. s, 1H), 7.53 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.06 - 7.15 (m, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.24 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.81 - 5.00 (m, 1H), 4.00 - 4.29 (m, 5H), 3.22 - 3.43 (m, 2H), 2.06 - 2.34 (m, 3H), 1.81 - 1.97 (m, 1H), 1.57 - 1.76 (m, 1H), 1.48 - 1.56 (m, 2H), 1.43 (s, 9H),1.22 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 5.1 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 532 [M+1]+

B.H−D−Glu(D−Trp−O−Et)−O−イソアミル 塩酸塩の調製
例6 Fの記載と同様の手順で、1M HClエーテル溶液(12mL)による、Boc−D−Glu(D−Trp−O−Et)−O−イソアミル(515mg、1.0mmol)の脱保護により、H−D−Glu(D−Trp−OEt)−O−イソアミル 塩酸塩(Apo918.HCl、240mg、収率55%)が得られた。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 10.85 (br. s, 1H), 8.27 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.06 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.93 - 7.02 (m, 1H), 4.37 - 4.54 (m, 1H), 3.89 - 4.12 (m, 4H), 3.17 - 3.26 (m, 1H), 3.07 - 3.17 (m, 1H), 2.93 - 3.07 (m, 1H), 2.19 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.37 - 1.87 (m, 7H), 1.07 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 7.1 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 432 [M+1]+ (free base)

(例9)
H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Et 塩酸塩(Apo923・HCl)の調製
Figure 2014510734
A.Boc−D−Trp−O−イソアミルの調製
例6 Aの記載と同様の手順で、DMF(250mL)中における、Boc−D−Trp−OH(25.00g、82.2mmol)、3−メチルブタン−1−オール(7.97g、90.4mmol)、EDCI(18.90g、98.9mmol)、HOBt水和物(12.58g、82.2mmol)、およびEtN(18.29g、180.7mmol)の反応により、白色固形物として、Boc−D−Trp−O−イソアミル(18.58g)を調製した。収率60%。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 10.86 (br. s, 1H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.03 - 7.11 (m, 1H), 6.94 - 7.03 (m, 1H), 4.13 - 4.24 (m, 1H), 3.92 - 4.08 (m, 2H), 2.90 - 3.16 (m, 2H), 1.44 - 1.62 (m, 1H), 1.34 (s, 10H), 1.24 (br. s, 1H), 0.82 (t, J = 6.6 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 375 [M+1]+

B.H−D−Trp−O−イソアミル 塩酸塩の調製
例6 Bの記載と同様の手順で、氷水浴下で冷却下、Boc−D−Trp−O−イソアミル(18.00g、48.1mmol)の酢酸エチル(100mL)溶液と、エーテル(100mL)の混合物中に、2時間、HClガスの吹き込みを行った後、オフホワイトの固形物として、H−D−Trp−O−イソアミル 塩酸塩(12.0g)が得られた。収率80%。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 11.09 (br. s, 1H), 8.47 (br. s, 3H), 7.50 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.10 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.96 - 7.06 (m, 1H), 4.23 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.95 - 4.13 (m, 2H), 3.18 - 3.31 (m, 2H), 1.36 - 1.52 (m, 1H), 1.24 - 1.36 (m, 2H), 0.79 (d, J = 5.1 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 275 [M+1]+(free base)

C.Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Etの調製
例6 Eの記載と同様の手順で、DMF(25ml)中における、Boc−D−Glu(OH)−O−エチルジクロロヘキシルアミン(2.94g、6.4mmol)、H−D−Trp−O−イソアミル塩酸塩(2.00g、6.4mmol)、EDCI(1.48g、7.7mmol)、HOBt水和物(0.99g、6.4mmol)およびEtN(2.28g、22.5mmol)の反応によって、Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Etを調製した。収率58%。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 10.86 (br. s, 1H), 8.29 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.08 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.99 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.44 - 4.54 (m, 1H), 4.02 - 4.15 (m, 3H), 3.98 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.98 - 3.19 (m, 2H), 2.20 (br. s, 2H), 1.90 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 1.64 - 1.81 (m, 1H), 1.43 - 1.52 (m, 1H), 1.39 (s, 8H), 1.33 (br. s, 3H), 1.18 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.81 (t, J = 6.6 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 532 [M+1]+

D.H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Et 塩酸塩(Apo923・HCl)の調製
例6 Fの記載と同様の手順で、2M HClエーテル溶液(10mL)による、Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Et(0.60g、1.1mmol)の脱保護によって、オフホワイトの泡状物質として、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Et 塩酸塩(Apo923・HCl)が得られた。収率47%。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 10.94 (br. s, 1H), 8.59 (br. s, 3H), 8.51 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.07 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.99 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 4.48 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 3.89 - 4.03 (m, 3H), 2.98 - 3.18 (m, 2H), 2.21 - 2.42 (m, 2H), 1.93 - 2.03 (m, 2H), 1.41 - 1.54 (m, 1H), 1.28 - 1.36 (m, 2H), 1.21 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.81 (t, J = 6.6 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 432 [M+1]+(free base)

(例10)
H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl 塩酸塩(Apo924・HCl)の調製
Figure 2014510734
A.Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Bzlの調製
上記例6 Eの記載と同様の手順で、室温、DMF(25mL)中における、H−D−Trp−O−イソアミル 塩酸塩(2.00g、3.0mmol)、EDCI(1.48g、7.7mmol)、HOBt水和物(0.99g、6.4mmol)、EtN(2.28g、22.5mmol)およびBoc−D−Glu(OH)−O−Bzl(2.17g、6.4mmol)の反応により、Boc―D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl(3.2g、収率83%)を調製した。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 10.86 (br. s, 1H), 8.29 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.29 - 7.39 (m, 7H), 7.13 (s, 1H), 7.06 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 5.05 - 5.19 (m, 2H), 4.41 - 4.51 (m, 1H), 4.03 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.96 - 3.15 (m, 2H), 2.11 - 2.29 (m, 2H), 1.84 - 1.97 (m, 1H), 1.74 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 1.40 - 1.50 (m, 1H), 1.38 (br. s, 8H), 1.22 - 1.34 (m, 4H), 0.78 (t, J = 6.6 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z): 594 [M+1]+

B.H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl 塩酸塩(Apo924・HCl)の調製
上記例6 Fの記載と同様の手順で、2M HClエーテル溶液(18mL)による、Boc−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl(1.2g、2.0mmol)の脱保護により、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl 塩酸塩(0.59g、収率55%)が得られた。
1H NMR (DMSO-D6, 400MHz) d (ppm): 10.92 (s, 1H), 8.57 (br. s, 3H), 8.49 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.32 - 7.42 (m, 6H), 7.16 (s, 1H), 7.07 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 5.12 - 5.31 (m, 2H), 4.48 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 3.91 - 4.01 (m, 2H), 2.99 - 3.19 (m, 2H), 2.24 - 2.43 (m, 2H), 1.89 - 2.08 (m, 2H), 1.38 - 1.52 (m, 1H), 1.24 - 1.36 (m, 2H), 0.74 - 0.84 (m, 6H);
MS-ESI (m/z): 494 [M+1]+ (free base)

(例11)
ガンマ−D−グルタミル−L−トリプトファン ジエチル エステル 塩酸塩、あるいは、(2R)−2−アミノ−5−{[(2S)−1−(エトキシ)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−オキソプロパン−2−イル]アミノ}−5−オキソペンタン酸 エチル エステル 塩酸塩、H−D−Glu(L−Trp−O−エチル)−O−エチル 塩酸塩、Apo870塩酸塩の調製
Figure 2014510734
例2の記載と同様の手順で、エタノール中において、H−D−Glu(L−Trp−OH)−OHをHClと反応させ、ガンマ−D−グルタミル−L−トリプトファン ジエチル エステル 塩酸塩を得た。例2に記載のHPLC法を用いた。HPLC Rt=11.3分;280nmで測定される、HPLC(AUC)純度=96.8%。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) d ppm: 10.91 (s, 1H), 8.51 (d, J= 7.3 Hz, 1H), 7.80 - 8.40 (br, m 3H), 7.49 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.07 (t, J= 7.4 Hz, 1H), 6.99 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.44 - 4.47 (m, 1H), 4.16 - 4.21 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.99 - 4.05 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.91 - 3.95 (m, 1H), 3.01-3.16 (m, 2H), 2.33 - 2.39 (m, 1H), 2.21 - 2.25 (m, 1H), 1.90 - 1.98 (m, 2H), 1.22 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.08 (t, J = 7.0 Hz, 3H);
MS-ESI (m/z) 390 [M+1]+(free base)

(例12)
(R)−5−((S)−3−(1H−インドール−3−イル)−1−(イソペンチルオキシ)−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−2−アミノ−5−オキソペンタン酸 エチル エステル 塩酸塩、あるいは、H−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチル 塩酸塩(Apo914・HCl)の調製
Figure 2014510734
A.Boc−L−Trp−O−イソアミルの調製
DMF(100mL)中で、Boc−D−Trp−OH(10.0g、32.8mmol)、3−メチル−1−ブタノール(7.1mL、65.7mmol)、EDCI(8.2g、42.7mmol)、HOBt(5.3g、39.4mmol)、およびDIPEA(7.4mL、42.7mmol)を混合した。得られる混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、撹拌しながら、ビーカー中の冷水(100mL)に注ぎ、そして、得られる懸濁液を5℃(氷浴)で20分間撹拌した。吸引濾過により、白色固形物として、Boc−L−Trp−O−イソアミルが得られ、終夜風乾した(10.8g)。収率88%。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) d ppm: 10.86 (br. s., 1H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.07 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.99 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.12 - 4.24 (m, 1H), 3.93 - 4.09 (m, 2H), 3.05 - 3.15 (m, 1H), 2.95 - 3.05 (m, 1H), 1.48 - 1.59 (m, 1H), 1.31 - 1.41 (m, 11H), 0.82 (t, J= 6.6 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z) 375 [M+1]+

B.H−L−Trp−O−イソアミル 塩酸塩の調製
Boc−L−Trp−O−イソアミル(10.52g、28.1mmol)の150mL EtOAc懸濁液中に、HClガスを1.5時間吹き込んだ。懸濁液を5℃(氷浴)で20分間撹拌した。吸引濾過により固形の生成物を回収し、EtOAc(3×15mL)で洗浄することで、白色の固形物として、H−L−Trp−O−イソアミル塩酸塩(7.83g)が得られた。収率90%。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) d ppm: 11.13 (br. s., 1 H), 8.66 (br. s., 2 H), 7.52 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.38 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.25 (s, 1 H), 7.09 (t, J = 7.6 Hz,1 H), 7.01 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.19 (t, J = 6.6 Hz, 1 H), 3.94 - 4.08 (m, 2 H), 3.33 (d, J = 5.1 Hz, 1 H), 3.20 - 3.29 (m, 1 H), 1.36 - 1.48 (m, 1 H), 1.23 - 1.33 (m, 2 H), 0.78 (d, J = 5.1 Hz, 6 H);
MS-ESI (m/z) 275 [M+1]+(free base)

C.Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−Bzlの調製
氷水浴による冷却下、Boc−D−Glu−O−Bzl(8.3g、24.6mmol)、H−L−Trp−O−イソアミル 塩酸塩(7.65g、24.6mmol)、EDCI(5.67g、29.5mmol)、およびHOBt(3.5g、25.8mmol)のDMF(100mL)溶液中に、DIPEA(8.6mL、49.2mmol)を添加した。得られる混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、撹拌しながら、ビーカー中の冷水(250mL)に注いだ。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、順次、10%のクエン酸溶液(30mL)、飽和NaHCO(50mL)、および食塩水(50mL)で洗浄し、その後、MgSO上で乾燥した。真空下、溶媒を除去した後、淡黄色を帯びたオイルとして、Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−bzlが得られた(13.5g)。収率93%。
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) d ppm: 10.87 (br. s., 1 H), 8.30 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.27 - 7.40 (m, 7 H), 7.15 (br. s., 1 H), 7.07 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 6.91 - 7.03 (m, 1 H), 5.04 - 5.19 (m, 2 H), 4.48 (d, J = 6.1 Hz, 1 H), 3.97 (t, J = 6.1 Hz, 3 H), 3.12 (dd, J = 14.1, 6.1 Hz, 1 H), 3.02 (dd, J = 14.1, 8.1 Hz, 1 H), 2.14 - 2.29 (m, 2 H), 1.93 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 1.67 - 1.83 (m, 1 H), 1.41 - 1.55 (m, 2 H), 1.28-1.38 (m, 10 H), 0.80 (t, J = 6.1 Hz, 6 H);
MS-ESI (m/z) 594 [M+1]+

D.Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−OHの調製
圧力45psiの水素雰囲気下、Parrの装置内で、エタノール(250mL)中のBoc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−ベンジル(12.35g、20.8mmol)および1.5gの10%Pd担持活性炭(湿)の混合物を、室温で2時間振盪した。Celite(登録商標)を用いて、Pd触媒を濾別し、そして、減圧下、濾液を蒸散させ、ピンク色のオイルを得、その後、真空下で乾燥させることで、ピンク色の泡状固形物として、Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−OH(9.1g)が得られた。収率87%。
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) d ppm: 10.87 (s, 1 H), 8.30 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 7.48 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 7.03 - 7.12 (m, 2 H), 6.93 - 7.03 (m, 1 H), 4.41 - 4.54 (m, 1 H), 3.98 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 3.82 - 3.92 (m, 1 H), 3.39 - 3.50 (m, 2 H), 3.07 - 3.18 (m, 1 H), 2.97 - 3.07 (m, 1 H), 2.18 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.90 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 1.70 (dd, J = 13.6, 7.6 Hz, 1 H), 1.47 (dq, J = 13.3, 6.7 Hz, 1 H), 1.26 - 1.41 (m, 9 H), 1.07 (t, J = 6.6 Hz, 1 H), 0.75 - 0.84 (m, 6 H);
MS-ESI (m/z) 504 [M+1]+

E.Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチルの調製
室温で、Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−OH(1.25g、2.48mmol)のDMF(35mL)溶液に、順次、ヨードエタン(0.6mL、7.45mmol)と炭酸カリウム(0.69g、4.96mmol)を添加した。得られる混合物を室温で終夜撹拌した。水(25mL)で、反応混合物にクエンチ処理を施し、その後、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を、順次、10%クエン酸溶液(20mL)、飽和NaHCO溶液、および食塩水(25mL)で洗浄し、そして、有機相をNaSO上で乾燥した。真空下、溶媒を除去した後、ピンク色を帯びた褐色のオイルとして、Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチル(1.12g)が得られた。収率85%。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) d ppm: 10.86 (s, 1 H), 8.29 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 7.96 (s, 1 H), 7.48 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.14 (s, 1 H), 7.07 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 6.99 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.47 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 4.03 - 4.16 (m, 2 H), 3.98 (t, J = 7.1 Hz, 2 H), 3.91 (d, J = 5.1 Hz, 1 H), 3.07 - 3.16 (m, 1 H), 3.04 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 2.18 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.79 - 1.97 (m, 1 H), 1.63 - 1.78 (m, 1 H), 1.43 - 1.54 (m, 1 H), 1.27-1.38 (m, 10 H), 1.18 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 0.81(t, J = 6.6 Hz, 6 H);
MS-ESI (m/z) 532[M+1]+

F.H−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチル 塩酸塩(Apo914・HCl)の調製
Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチル(1.05g、1.98mmol)の35mLのジクロロメタン溶液中に、HClガスを2時間吹き込んだ。反応混合物を蒸発乾固し、そして、粗生成物を、溶離液として、イソプロパノールとジクロロメタンの混合溶媒(1/1比、v/v)を使用して、シリカゲル上でフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製した。得られる粘着性の泡状固形物を、2M HCl EtO溶液中に溶解し、室温で30分間撹拌した。減圧下、揮発性物質を留去した後、茶−ピンク色を帯びた泡状固形物として、H−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−エチル 塩酸塩(Apo914・HCl)が得られた(0.81g)。収率88%。
1H NMR (DMSO-d6, 400MHz) d ppm: 10.90 (br. s., 1H), 8.43 (d, J = 7.07 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.08 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.08 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.03 - 7.11 (m, 1H), 6.94 - 7.02 (m, 1H), 4.47 (q, J = 7.07 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 7.07 Hz, 2H), 4.08 - 4.20 (m, 2H), 3.94 - 4.03 (m, 2H), 3.57 - 3.68 (m, 1H), 3.13 (dd, J = 6.06, 14.15 Hz, 1H), 3.03 (dd, J= 8.59, 14.65 Hz, 1H), 2.12 - 2.37 (m, 2H), 1.82 - 1.95 (m, 1H), 1.68 - 1.82 (m, 1H), 1.48 (dt, J = 6.57, 13.14 Hz, 1H), 1.26 - 1.38 (m, 2H), 1.21 (t, J = 7.07 Hz, 3H), 0.75 - 0.86 (m, 6H);
MS-ESI (m/z) 432[M+1]+(free base)

(例13)
H−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl 塩酸塩(Apo927・HCl)の調製
Figure 2014510734
(例12 Cの記載に沿って調製された)Boc−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl(0.97g、1.63mmol)を、4M HCl ジオキサン溶液 10mL中で、室温で30分間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、そして、残渣オイルをアセトニトリル中に溶出した。再度、混合物を蒸発乾固し、そして、残渣の泡状固形物を、真空下、4時間乾燥した。それにより、H−D−Glu(L−Trp−O−イソアミル)−O−Bzl 塩酸塩(0.80g)が、収率92%で得られた。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) d ppm: 9.12 (br. s., 1H), 8.03 (s, 1H), 7.47 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.27 - 7.34 (m, 2H), 7.24 (br. s., 3H), 7.19 (br. s., 2H), 6.98 - 7.12 (m, 2H), 4.90 - 5.06 (m, 2H), 4.80 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 3.97 - 4.09 (m, 3H), 3.75 - 3.82 (m, 1H), 3.62 - 3.70 (m, 1H), 3.22 - 3.31 (m, 1H), 3.11 - 3.21 (m, 1H), 2.46 (br. s., 1H), 2.33 - 2.42 (m, 1H), 2.26 (br. s., 1H), 2.18 (br. s., 1H), 1.60 (dt, J = 13.1, 6.6 Hz, 1H), 1.40 - 1.50 (m, 2H), 0.87 (d, J = 6.1 Hz, 6H);
MS-ESI (m/z) 494[M+1]+(free base)

(例14)
分配係数の決定、D7.4
MOPSバッファー(50mM、pH 7.4)および1−オクタノールを、それぞれ、水相および有機相として使用した。MOPSバッファーと1−オクタノールを混合し、使用前に、互いに、事前飽和処理を施した。
典型的な試験では、Apo848塩酸塩(H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル HCl)の水溶液は、化合物を2mg秤量して、5mLのメスフラスコに入れ、次いで、MOPSバッファー(50mM、pH 7.4)を定量まで加えることで、調製した。得られる混合物を、超音波処理し、そして、ボルテックスをすることで、完全な溶解を確保した。HPLC(カラム:XTerra MS C18,5μM,4.6×250nm;移動相:A=4mMのTris、2mMのEDTA、pH 7.4水相、B=アセトニトリル;勾配方法:時間(分)−B(%)(5)0−5、15−55、25−55、25.05−5、30−5;流速:1mL/分;注入量=2μL;検出器波長:282nm)により、得られる溶液を分析し、ピーク高さ(Haqu )を求めた。
この水溶液1mLを別の10mL試験管にピペットで取り、1mLの1−オクタノールと混合した。この混合物を、1時間ボルテックスし、次いで、4000rpmで15分間遠心分離した。2相に分離した。水相および有機相の両方をHPLCで分析し、ピーク高さHaqu とHorg とを得た。分配係数「D7.4」を、下記の式の一方、または両方を用いて、算定した:D7.4=(Haqu −Haqu )/Haqu 、またはD7.4=Horg /Haqu
Apo848のD7.4は、127であり、従って、logD7.4は、2.1と計算された。同様にして、下記の化合物のlogD7.4も決定した:H−D−Glu(D−Trp−O−Me)−O−Me(0.57)、H−D−Glu(D−Trp−O−Me)−OH(−0.89)、H−D−Glu(D−Trp−OH)−OH(−3.22)。
(例15)
ヒト肝細胞における式Iの化合物の生体内変換の研究
基本手順:
LiverPool(商標)凍結保存ヒト肝細胞(10人の男性ドナーから集められた)をCelsis In Vitro Technologiesから入手した。肝細胞は、使用するまで液体窒素中で保存した。アッセイの直前に、肝細胞を37℃で素早く解凍し、100×gで10分間遠心分離した。培地を除去し、細胞をPBS中に。4×10細胞数/mLの密度で再懸濁した。式Iの化合物(100μM)を、50μL容中の0.1×10肝細胞とともにインキュベートした。インキュベーションの10、20、60、120、および240分後に、等容量の5%(w/v)TCAを添加することにより、反応をクエンチした。「時間0」のサンプルは、試験化合物の添加前にTCAを添加することにより作製した。短時間のボルテックスおよび氷上での10分のインキュベーションの後、サンプルを遠心分離し(16000×g、10分)、そして、上清を、UV検出を用いて、HPLCにより分析した。
SGF、SIF、血漿、および肝細胞サンプル中のプロドラッグのHPLC分析:アジレント(Agilent) 1100シリーズHPLCシステムを用いて、HPLC分析を行った。該システムは、以下で構成される;プログラム可能のマルチチャネルポンプ、自動注入器、脱気装置、およびデータ収集および分析のためのアジレント(Agilent) HPLC218Chem Station Rev.A.09.03ソフトウエアによって制御されているHP検出器。傾斜法は、すべてのプロドラッグおよびApo805を含むそれらの加水分解生成物の特定のために、以下のクロマトグラフ条件、Agilent Eclipse XDB,C18カラム(part#963967−902、150×4.6mm、3.5μm)で行われた:
温度:周囲温度
移動相:A=水相:10mMのTris−HCl,2mMのEDTA,pH 7.4
B=有機相:アセトニトリル
傾斜法: 時間:0分 5%B、25分 50%B、35分 80%B、45分 5%B、50分 5%B
移動相流速:1.0mL/分
注入量:50μL
データ収集時間:30分
検出波長:280nm、4nmバンド幅、参照360nm,4nmバンド幅。
λ=280nmにおいて、クロマトグラムを分析した。ピーク面積(mAUs)を、プロドラッグ、中間体、およびH−D−Glu(D−Trp−OH)−OH(Apo805)の定量に使用した。
G=T=イソアミルである、式IAの化合物:Apo848の生物変換を、ヒト凍結保存肝細胞を用いたインキュベーションによって、インビトロで調査したところ、インキュベーション混合物のHPLC分析により、3時間後に45%のApo805の形成が確認された。同じ肝細胞系において、3時間後、Apo805へ30%の変換を起こす、別の化合物 Apo804(H−D−Glu(D−Trp−OMe)−O−CHPh)を上回る、顕著な向上を、Apo848は示している。
(例16)
ラットにおける式Iの化合物の薬物動態研究
動物への投薬のための基本手順
1投薬群あたり、体重250から300gの5匹の雄のSprague−Dawleyラットを使用した。投薬の1日前に、静脈カテーテルと動脈カテーテル(長さ20cmのポリウレタン製のコイル管で作製されており、100ユニット/mLのヘパリンを含む生理食塩水で満たされている)を、各ラットの頸静脈および頸動脈にしっかりと挿入した。経口投薬前、ラットは、終夜絶食させ、そして、投薬の約2時間後に給餌した。すべての投薬と血液サンプリングは、完全に意識のあるラットで実施した。被験化合物は、水溶液として経口的に胃管投与、または、0.9%の塩化ナトリウム溶液、最終pHは7.0であり、5mg/kg(Apo805換算)に相当する用量で静脈注射(Apo805K1のみ)を行った。投与後30時間まで、血液(0.3mL)を各動物の頸動脈からサンプリングした。各サンプリングの後、等量の未処理の血液による置換を行った。血液サンプルは、すぐに遠心分離し(4300×g、5分、4℃)、LC/MS/MS分析をするまで、−80℃で凍結した。
血漿中薬物濃度のLC−MS/MS分析のための基本手順
メタノール(200μL)を、血漿サンプル(50μL)に加えて、血漿タンパク質を沈殿させた。短いボルテックスと遠心分離の後、上清(200μL)を除去し、窒素気流下、40℃で乾燥させた。サンプルを、水(300μL)により戻した上で、20μLを分析のために注入した。
Ionics EP10+およびHSIDを備え付けた、Sciex API 365 LC/MS/MS分光光度計を使用した。キラルカラム(Supelco−Astec CHIROBIOTEC(商標登録)TAG)、100×2.1mm、5μmを、周囲温度で使用した。移動相は、(A)0.1% ギ酸水溶液および(B)0.1% ギ酸アセトニトリル溶液、混合比率 88:12(A:B、v/v)からなり、流速は、0.6mL/分であった。分析には、MRMモードにおいて、陽イオンエレクトロスプレーイオン化(ESI+)を使用した。Apo805の濃度について、サンプルを分析した。
ラット中における、Apo848およびApo805(H−D−Glu(D−Trp−OH)−OH)の経口生物学的利用能
G=T=イソアミルである、式IAの化合物である、プロドラッグApo848の絶対的経口生物学的利用能を、Apo805K1(H−D−Glu(D−Trp−OH)−OHのカリウム塩)の値と、雄のSprague−Dawleyラットにおいて比較した。各群当たり、5匹の成体動物に対して、5mg/kgのApo805K1、Apo848、またはApo838を経口投与し、また、5mg/kgのApo805K1を静脈内投与した。ラットの血液中において、Apo848は、即時的にApo805へと変換されるので、投与後、様々な時間間隔において、採取した血漿中の、Apo805のレベルのみを測定した。
PK分析
WinNonlin5.2ソフトウエアを使用して、個々の動物のデータについて、非コンパートメント分析を実施した。生物学的利用能は、被験化合物の経口投与の後のAUCINF_Dと、Apo805K1のIV投与の後のAUCINF_Dとの比として、算出した。
図4は、Apo848またはApo805K1の経口投与の後のApo805の血漿中濃度を示す。経口投与後の時間−血漿中濃度曲線下の面積(AUC)と、静脈内投与の後のAUCの比として計算された、絶対的経口生物学的利用能は、Apo848に対しては、48%であった。Apo805K1の絶対的生物学的利用能は、12%でしかなかった。従って、プロドラッグの生物学的利用能は、Apo805K1と比較して、大いに向上されている。
(例17)
式Iの化合物のCaco−2細胞透過性評価
式Iの化合物のヒトの腸内吸収の可能性を、caco−2細胞透過性アッセイにおいて推定した。
細胞培養
本来、ATCCから入手されたcaco−2細胞を、90000細胞/播種の密度で、0.9cmのPETフィルター(Becton Dickinson)上に播種した。培養条件は、21から28日間、非必須アミノ酸で強化したイーグルス最少必須培地を含有する20%ウシ胎仔血清中に維持した。細胞単層の完成度は、Lucifer Yellow 傍細胞見かけ透過性係数(Papp)の測定を介して評価した。
輸送実験
被験化合物の添加の前に、成長培地を除去し、37℃で、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)を用いて、単層を2度リンスした。細胞単層を含むフィルター装入物を、下のチャンバーにHBSS又は被験化合物の溶液を含有させている、独立した12ウェルの細胞培養皿に移した。すべての薬物輸送試験は、37℃で、pH 7.4、50μMの被験化合物のHBSS溶液を使用して行った。上のチャンバーの培地容量は1mLであり、下のチャンバーの培地容量は2mLであった。すべての実験において、被験化合物溶液は、上のチャンバー(頂端部から基底部への輸送、A>B)または下のチャンバー(基底部から頂端部への輸送、B>A)に加えられ、時間とともに、加えられたチャンバーと反対のチャンバー中における、該被験化合物の出現を監視した。100μLのサンプルを、被験化合物を添加した後すぐに供与チャンバーから取り出し、被験化合物の初期濃度を確認した(C)。30、60、90、および120分において、100μLの上清サンプルを、受容チャンバーから取り除き、100μLの予め温めたバッファーを補充添加した。120分では、100μLの上清サンプルを、供与チャンバーから取り出し、試験終了時に残っている化合物の濃度を特定した。サンプルは、LC−MS/MSによって分析した。実験の間に、部分的加水分解を受けるプロドラッグの場合は、プロドラッグおよびすべての加水分解生成物の濃度について、そのサンプルを分析した。
透過性の算出
時間と共に受容チャンバー中に出現する被験化合物の蓄積した量、dQ/dt、を使用して、下記の式を用いて、見かけ透過性を算出した。Papp=dQ/dt×1(A×C)、式中、Aは、フィルターの面積(0.9cm)であり、Cは、供与チャンバー内の被験化合物の初期濃度である。実験中に部分的に加水分解が起こっている被験化合物には、輸送物質の総量(モル単位)を計算に用いた。各被験化合物において、A>BおよびB>Aの両方の方向のPapp値をそれぞれの方向における定常状態速度定数dQ/dtの傾斜を用いて計算した。その値が1.0×10cm/sと同じかより高い場合は、高い吸収の可能性がPapp(A>B)から見込まれる。比Papp(B>A)/Papp(A>B)が2.5と同じかそれより高い場合には、流出プロファイルが示唆される。
結果
GおよびTがイソアミルである、式IAの化合物:Apo848のヒトの腸内吸収の可能性は、caco−2透過性アッセイにより推定された。見かけ透過性は、Apo848において2.87×10−6cm/sであり、高い透過性の可能性を示している。
本発明の様々な実施形態が明細書中に開示されているが、多くの修正や変更を、当業者の共通の一般知識にしたがって、本発明の技術的範囲内で行うことができる。そのような変更には、実質的に同じ方法で、同じ結果を得るために、本発明の如何なる面において公知の均等物の置換を含む。数値範囲は、その範囲を定義している数字を含む。さらに、数値範囲は、列挙された範囲において具体的にその範囲が欠落すると述べられた範囲内の個々の値に加えて列挙されるように提供される。表現「含有している(comprising)」は、明細書において、外縁を定めない用語として用いられ、実質、「含むが、それに限定されない(including,but not limited to)」と同じであり、用語「含有する(comprises)」は、対応する意味を持つ。明細書に記載の通り、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈において明確に違うことが明示されない限り、複数形を含む。したがって、例えば、「もの(a thing)」は、1より多くのものを含む。明細書中の参考文献の引用は、そのような参考文献が、本発明の先行技術であることを認めるものではない。さらに、明細書の背景の項中に登場する物質は、そのような物質が本発明の先行技術であることを認めるものではない。参照により、明細書中に組み込まれるべき、個々の優先権書類は、具体的かつ個々に表示されているように、かつ、明細書中に完全に明記されているように、如何なる優先権書類も、参照により明細書中に組み込まれる。本発明は、すべての実施形態、ならびに、例および図面を参照して、実質的に明細書内に記載されている、変形をも包含している。
図1は、酸およびアミン基の推定pKa値を用いた、ジペプチドH−D−Glu(D−Trp−OH)−OHのACD physchem 化学種同定計算を示す図である。HLおよびHLの化学構造を図の中に示す。HLはH−D−Glu(D−Trp−OH)−OHの双性イオン(zwitterion)種である。 図2は、酸およびアミン基の推定pKa値を用いた、ジペプチドH−D−Glu (D−Trp−OH)−OMeのACD physchem 化学種同定計算を示す図である。HLおよびHLの化学構造を図の中に示す。HLはH−D−Glu(D−Trp−OH)−OMeの双性イオン種である。 図3は、酸およびアミン基の推定pKa値を用いた、ジペプチドH−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルのACD physchem 化学種同定計算を示す図である。HLおよびHLの化学構造を図の中に示す。HLは、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミルの中性種であり、HLは、アミノ基が正電荷を帯びているアミノ塩種である。 図4は、H−D−Glu(D−Trp−O−イソアミル)−O−イソアミル(Apo848)のおよびApo805モノカリウム塩(Apo805K1)をラットに経口投薬した後の、血漿中のApo805(H−D−Glu(D−Trp−OH)−OH)の平均濃度(n=5)を示しており、プロドラッグの向上した生物学的利用能を実証している図である。
Figure 2014510734
D−ガンマ−グルタミル−D−トリプトファン H−D−Glu(D−Trp−OH)−OMeのモノアルキルエステルの化学種同定プロットを、図2に示す。電気的に中性であるHL双性イオン種の割合は、pH依存性を示し、pH7.4では、より多くの負に帯電しているHL種(1負電荷)が存在している。例えば、重要なpHにおける、H−D−Glu(D−Trp−OH)−OMeについて、数値計算された化学種の分布を、以下の表に示す。

Claims (19)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2014510734
    (式中、
    Gは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;
    Tは、C−Cアルキルおよびベンジルからなる群から選択され;ならびに
    *は、(R)配置または(S)配置であるキラル炭素であり;
    但し、*が(R)配置の場合は、GおよびTの少なくとも1つは、C−Cアルキルである)
    または、薬学的に許容されるその塩。
  2. 前記Gが、C−Cアルキルからなる群から選択される
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記Tが、C−Cアルキルから選択される
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 前記Gがイソアミルであり、前記Tがイソアミルであり、かつ、前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記Gがイソアミルであり、前記Tがイソアミルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記Gがヘプチルであり、前記Tがヘプチルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記Gがペンチルであり、前記Tがペンチルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  10. 前記Gがヘキシルであり、前記Tがヘキシルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記Gがイソアミルであり、前記Tがペンチルであり、かつ、前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  12. 前記Gがイソアミルであり、前記Tがヘプチルであり、かつ、前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  13. 前記Gがイソアミルであり、前記Tがエチルであり、かつ、前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  14. 前記Gがエチルであり、前記Tがエチルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  15. 前記Gがエチルであり、前記Tがイソアミルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  16. 前記Gがエチルであり、前記Tがイソアミルであり、かつ、前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  17. 前記Gがベンジルであり、前記Tがイソアミルであり、かつ、前記*が(R)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  18. 前記Gがベンジルであり、前記Tがイソアミルであり、かつ、前記*が(S)配置である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
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