JP2014510286A - 配向独立測定のための差動磁場センサ構造 - Google Patents

配向独立測定のための差動磁場センサ構造 Download PDF

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Abstract

センサ−物標配向に独立した動作を可能にする差動磁場センサを紹介する。この差動磁場センサには、少なくとも2つの差動チャネルが設けられている。各差動チャネルは、1対の磁場検知エレメントを含み、これらの磁場検知エレメントによって定められるそれぞれの検知軸を有する。これらの検知軸は、互いに一直線状にはなっていない。一方の検知軸は、物標プロファイルの基準軸に対して位置付けられ、この検知軸と基準軸との間に配向角度を定める。差動磁場センサは、差動チャネルと関連する差動信号を生成し、これらの差動信号を用いて、配向角度に独立した振幅を有する単一差動信号を生成する回路を含む。
【選択図】図4B

Description

本発明は、一般的には、磁場センサに関し、更に特定すれば、差動磁場センサに関する。
従来技術
物標の回転運動を検知する磁場センサは周知である。物標は、磁性体物標または鉄含有物標とすることができる。このようなセンサは、回転する物標のプロファイル、例えば、鉄含有ギアといった物標の歯/谷、またはリング・マグネットのような磁性体物標の北極/南極の特徴を検出する。
物標のプロファイルに伴う磁場を、ホール・エレメントまたは磁気抵抗(MR)エレメントというような磁場検知エレメントによって検知する。物標が検知エレメントを通過すると、検知エレメントが受ける磁場は物標のプロファイルに関係して変化する。検知エレメントは、検知した磁場に比例する信号を供給する。センサはこの磁場信号を処理して、出力、例えば、磁場信号が閾値を交差する毎に状態を変化させる信号を生成する。このような出力は、回転速度情報を提供するために用いることができる。更に、回転方向検出のための出力を生成するために、第2検知エレメントも使用することができる。
センサの中には差動センサと呼ばれるものがあり、これは差動配置に構成された2つの検知エレメントを内蔵している。差動磁場センサでは、2つの検知エレメントによって供給される信号間の差を用いて、物標の特徴における遷移を示す差動磁場信号を生成する。差動磁場センサは磁場強度の変化にしか応答しないので、干渉に対しては比較的影響を受けない。3つ以上の検知エレメントを内蔵する差動センサは、回転速度および方向情報を提供するために用いることができる。
差動検知型以外の磁場センサとは異なり、差動磁場センサは、物標に対して配向(orientation)に依存する。つまり、差動磁場センサが回転物標の速度(または方向)を測定するために用いられる場合、最適な性能発揮のためには、1対の検知エレメントが物標のプロファイルの中心に据えられなければならない。物標のプロファイルに対して検知エレメントが位置ずれすると、ピーク−ピーク差動信号が小さくなる。このため、センサの物標に対する(sensor-to-target)位置合わせを制御できない用途では、通常、差動検知型以外のセンサを採用する。
総じて、1つの態様において、本発明は差動磁場センサを対象とする。この差動磁場センサは、第1差動チャネルと、第2差動チャネルとを含む。第1差動チャネルは、第1対の磁場検知エレメントを含み、この第1対の磁場検知エレメントによって定められた第1検知軸と関連付けられている。第2差動チャネルは、第2対の磁場検知エレメントを備えており、第2対の磁場検知エレメントによって定められた第2検知軸と関連付けられている。第2検知軸は、第1検知軸に対して一直線状になっていない。第1検知軸は、物標プロファイルの基準軸に対して位置付けられ、第1検知軸と基準軸との間に配向角度を定める。
差動磁場センサは、更に、磁場検知エレメントに結合されており、配向角度に独立である振幅を有する単一差動信号を出力として生成する回路を含む。
本発明の実施形態は以下の特徴の内1つ以上を含むことができる。
磁場検知エレメントの対の各々における磁場検知エレメントの内一方を、第1および第2差動チャネルによって共有することができる。あるいは、磁場検知エレメントはいずれも、第1および第2差動チャネルによって共有されなくてもよい。第2検知軸は、第1検知軸に対してある角度をなし、角度が実質的に90度にすることができる。磁場検知エレメントの対をなす各磁場検知エレメント間の間隔は、実質的に同じにすることができる。差動磁場センサは、更に、第1および第2対の磁場検知エレメントを含む少なくとも2対の磁場検知エレメントを含むことができ、少なくとも2対の磁場検知エレメントにおける磁場検知エレメントの数は、3よりも多くすることができる。磁場検知エレメントの各々は、ホール効果エレメント、磁気抵抗エレメント、またはその他の種類の磁場検知エレメントのから選択された1つとすることができる。検知エレメントの各々を実現するために用いられる材料は、IV−型半導体材料、またはIII−V型半導体材料から選択された1つとすることができる。
前述の回路は、第1差動チャネルと関連する第1差動信号と、第2差動チャネルと関連する第2差動信号とを生成する回路を含むことができ、この回路は、更に、第1および第2差動信号を入力として受け取り、出力として単一差動信号を生成する差動信号生成器を含むことができる。第1および第2差動信号は、配向角度に依存する振幅を有する。第1差動信号が第1振幅を有し第2差動信号が第2振幅を有する場合、差動信号生成器は、第1振幅の絶対値が第2振幅の絶対値よりも大きいとき、第1差動信号を単一差動信号として選択するように動作することができ、差動信号生成器は、第1振幅の絶対値が第2振幅の絶対値よりも大きくないとき、第2差動信号を単一差動信号として選択するように動作することができる。また、この回路は、第1検知エレメントと関連する第1磁場検知出力信号と、第2検知エレメントと関連する第2磁場検知出力信号と、第3検知エレメントと関連する第3磁場検知出力信号とを入力として受け取る回路をも含むことができる。差動信号生成器は、第1磁場検知出力信号、第2磁場検知出力信号、第3磁場検知出力信号、第1差動信号、および第2差動信号の内いずれか2つ以上を数学的に組み合わせることによって、単一差動信号を生成するように動作することができる。
更に、差動磁場センサは、第3差動チャネルと、第4差動チャネルとを含むことができる。第3差動チャネルは、第3対の磁場検知エレメントを含み、第3対の磁場検知エレメントによって定められた第3検知軸を有する。第4差動チャネルは、第4対の磁場検知エレメントを含み、第4対の磁場検知エレメントによって定められた第4検知軸を有する。第3検知軸は、第1検知軸と一直線状となって第1単一検知軸を形成し、第4検知軸は、第2検知軸と一直線状となって第2単一検知軸を形成する。第1および第2単一検知軸の各々と関連する2対の磁場検知エレメントは、少なくとも3つの磁場検知エレメントを含む。差動磁場センサは、更に、磁場検知エレメントに結合され、第3および第4差動チャネルに対して、配向角度に独立した振幅を有する第2単一差動信号を、第2出力として生成するために使用可能である回路を含むことができる。この出力は、回転速度情報を提供するために使用可能であり、第2出力が回転物標についての回転方向情報を生成するために使用可能である。
他の態様では、本発明は、物標プロファイルを有する回転物標と、物標プロファイルに近接して位置付けられた差動磁場センサとを含むシステムを対象とする。差動磁場センサは、第1差動チャネルと、第2差動チャネルとを含む。第1差動チャネルは、第1対の磁場検知エレメントを含み、この第1対の磁場検知エレメントによって定められた第1検知軸と関連付けられている。第2差動チャネルは、第2対の磁場検知エレメントを備えており、第2対の磁場検知エレメントによって定められた第2検知軸を有する。第2検知軸は、第1検知軸に対して一直線状になっていない。第1検知軸は、物標プロファイルの基準軸に対して位置付けられ、第1検知軸と基準軸との間に配向角度を定める。差動磁場センサは、更に、磁場検知エレメントに結合されており、配向角度に独立である振幅を有する単一差動信号を出力として生成する回路を含む。
本発明の実施形態は以下の特徴の内1つ以上を含むことができる。
磁場検知エレメントの対の各々における磁場検知エレメントの内一方を、第1および第2差動チャネルによって共有することができる。あるいは、磁場検知エレメントはいずれも、第1および第2差動チャネルによって共有されなくてもよい。第2検知軸は、第1検知軸に対してある角度をなし、角度が実質的に90度にすることができる。磁場検知エレメントの対をなす各磁場検知エレメント間の間隔は、実質的に同じにすることができる。差動磁場センサは、更に、第1および第2対の磁場検知エレメントを含む少なくとも2対の磁場検知エレメントを含むことができ、少なくとも2対の磁場検知エレメントにおける磁場検知エレメントの数は、3よりも多くすることができる。磁場検知エレメントの各々は、ホール効果エレメント、磁気抵抗エレメント、またはその他の種類の磁場検知エレメントのから選択された1つとすることができる。検知エレメントの各々を実現するために用いられる材料は、IV−型半導体材料、またはIII−V型半導体材料から選択された1つとすることができる。
前述の回路は、第1差動チャネルと関連する第1差動信号と、第2差動チャネルと関連する第2差動信号とを生成する回路を含むことができ、この回路は、更に、第1および第2差動信号を入力として受け取り、出力として単一差動信号を生成する差動信号生成器を含むことができる。第1および第2差動信号は、配向角度に依存する振幅を有する。第1差動信号が第1振幅を有し、第2差動信号が第2振幅を有する場合、差動信号生成器は、第1振幅の絶対値が第2振幅の絶対値よりも大きいとき、第1差動信号を単一差動信号として選択するように動作することができ、差動信号生成器は、第1振幅の絶対値が第2振幅の絶対値よりも大きくないとき、第2差動信号を単一差動信号として選択するように動作することができる。また、この回路は、第1検知エレメントと関連する第1磁場検知出力信号と、第2検知エレメントと関連する第2磁場検知出力信号と、第3検知エレメントと関連する第3磁場検知出力信号とを入力として受け取る回路をも含むことができる。差動信号生成器は、第1磁場検知出力信号、第2磁場検知出力信号、第3磁場検知出力信号、第1差動信号、および第2差動信号の内いずれか2つ以上を数学的に組み合わせることによって、単一差動信号を生成するように動作することができる。
回転物標は、磁性体物標とすることができ、物標プロファイルが交互する磁極を含むことができる。回転物標は、鉄含有物標とすることができ、物標プロファイルが歯および谷の構造を含むことができる。
更に、差動磁場センサは、第3差動チャネルと、第4差動チャネルとを含むことができる。第3差動チャネルは、第3対の磁場検知エレメントを含み、第3対の磁場検知エレメントによって定められた第3検知軸を有する。第4差動チャネルは、第4対の磁場検知エレメントを含み、第4対の磁場検知エレメントによって定められた第4検知軸を有する。第3検知軸は、第1検知軸と一直線状となって第1単一検知軸を形成し、第4検知軸は、第2検知軸と一直線状となって第2単一検知軸を形成する。第1および第2単一検知軸の各々と関連する2対の磁場検知エレメントは、少なくとも3つの磁場検知エレメントを含む。差動磁場センサは、更に、磁場検知エレメントに結合され、第3および第4差動チャネルに対して、配向角度に独立した振幅を有する第2単一差動信号を、第2出力として生成するために使用可能である回路を含むことができる。この出力は、回転速度情報を提供するために使用可能であり、第2出力が回転物標についての回転方向情報を生成するために使用可能である。
この配向角独立差動検知解決手段は、回転運動する物標を有するシステムにおける使用に非常に適しているが、直線運動のシステム(特に、工業用途、例えば、ラック・レールおよび磁気ルーラ)にも応用可能である。
本発明自体のみならず、本発明の以上の特徴は、以下の図面の詳細な説明から一層深く理解することができるであろう。
図1Aは、回転運動検出磁場センサと、物標の回転プロファイルとが一直線上にある場合におけるセンサの配置を示す図である。 図1Bは、回転運動検出磁場センサと、物標の回転プロファイルとが一直線上にない場合におけるセンサの配置を示す図である。 図2Aは、極によって定められる物標プロファイルを示す図である。 図2Bは、交互になっているギア・ホイールの歯/谷によって定められる物標プロファイルを示す図である。 図3Aは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図3Bは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図3Cは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図3Dは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図3Eは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図3Fは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図3Gは、配向独立差動検知を可能にするように構成された3つの検知エレメントを含む磁場検知構造の一例を示す図である(図3では、回転速度および方向検出能力を支援するために、追加の検知エレメントを有する構造例を示す)。 図4Aは、3つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、3つの検知エレメントに基づいて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図4Bは、3つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、3つの検知エレメントに基づいて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図4Cは、3つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、3つの検知エレメントに基づいて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図4Dは、3つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、3つの検知エレメントに基づいて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図4D−1は、3つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、3つの検知エレメントに基づいて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図4D−2は、3つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、3つの検知エレメントに基づいて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図5Aは、配向独立差動検知を可能にするように構成された4つの検知エレメントを含む磁場検知構造例を示す図である。 図5Bは、配向独立差動検知を可能にするように構成された4つの検知エレメントを含む磁場検知構造例を示す図である。 図5Cは、配向独立差動検知を可能にするように構成された4つの検知エレメントを含む磁場検知構造例を示す図である。 図6は、4つの検知エレメントおよび差動信号生成器を含み、検知エレメントの対によって形成される差動チャネルからの差動信号を用いて1つの差動信号を生成する磁場センサの機能ブロック図である。 図7Aは、0、22.5、および45度を含む種々の配向角度に合わせて検知エレメント対を用いて得られた差動信号を示す。 図7Bは、0、22.5、および45度を含む種々の配向角度に合わせて検知エレメント対を用いて得られた差動信号を示す。 図7Cは、0、22.5、および45度を含む種々の配向角度に合わせて検知エレメント対を用いて得られた差動信号を示す。 図7Dは、0、22.5、および45度を含む種々の配向角度に合わせて検知エレメント対を用いて得られた差動信号を示す。 図7Eは、0、22.5、および45度を含む種々の配向角度に合わせて検知エレメント対を用いて得られた差動信号を示す。 図7Fは、0、22.5、および45度を含む種々の配向角度に合わせて検知エレメント対を用いて得られた差動信号を示す。 図8Aは、差動信号の振幅と配向角度との関係を示すグラフである。 図8Bは、差動信号の振幅と配向角度との関係を示すグラフである。 図9Aは、図4Aから図4Dおよび図6の差動信号生成器の代わりの動作例を示す流れ図である。 図9Bは、図4Aから図4Dおよび図6の差動信号生成器の代わりの動作例を示す流れ図である。 図9Cは、図4Aから図4Dおよび図6の差動信号生成器の代わりの動作例を示す流れ図である。 図10は、配向独立差動磁場センサ(図4Aから図4Dおよび図6に示したもののような)を採用した、自動車における応用例の機能ブロック図である。
図1Aを参照すると、検知装置(sensing arrangement)10が示されており、磁場センサ12は、回転する物標のプロファイル14に対して放射検知位置に配置されている。回転軸を矢印15で示す。回転物標のプロファイル14の運動方向を矢印16で示す。1つの方向で示すが、運動は逆方向でもまたは双方向でも可能である。物標のプロファイル14は、幅「W」17を有し、磁場センサ12の「前面」に面している。面幅の中間点を中心線18で示し、ここでは物標プロファイルの基準軸と呼ぶ。磁場センサ12は、差動検知デバイスであり、したがって、物標プロファイル14に対する位置における磁場強度の変化に応答する差動信号を生成するために2つの検知エレメント20aおよび20bを含む。この位置は、差動チャネル(図示せず)に対応する。この差動チャネルには、検知エレメント20a、20bの配置によって定められる検知軸22が関連付けられている。
図1Aの例示では、磁場センサ12は、検知軸22が物標プロファイルの側縁にほぼ平行に位置し、基準線18と一直線状になるように、物標プロファイル14上でその中央に据えられている。検知軸22は、「一直線状である」と見なされるために、中心線18上で正確に中央に据えられる必要はない(図に示すように)。即ち、検知軸22は、中心線18から多少ずれていても、これと平行であればよい。しかしながら、幅Wは、検知エレメント20a、20bの位置付けが物標プロファイルの側縁に近づきすぎないように、十分に大きくしなければならない。何故なら、このエリアには磁束歪みがあるからである。
差動動作モードでは、この一直線状整列(alignment)を達成するために、センサ12を注意深く調節する必要がある。用途の中には、物標に対するセンサの位置合わせを補償できない場合もある。通例、センサ−物標配向ずれまたは位置ずれは、設置時に発生する。即ち、センサを物標の近くに設置するときに発生する。例えば、センサをねじ込み筐体に装着し、この筐体を設置位置にねじ込むという場合があり得るが、この設置プロセスは、トルクのみを監視することによって制御される場合がある。あるいは、センサまたはこれが収容される筐体を、センサと物標プロファイルとの間に位置ずれが起こるような方法で、設置位置における表面に装着することもある。
図1Bは、センサ配置10’によるこのような位置ずれを示す。センサ配置10’は、磁場センサ12の配向が物標プロファイル14に対して配向角度α24だけずれていることを除いて、図1Aの検知装置10と同一である。言い換えると、検知軸22がもはや基準軸18と一直線状になっておらず、代わりに配向角度α24だけ基準軸18に対してずれている。この例示では、装着軸25を中心に、例えば、設置の間に、センサの移動またはその他の位置決めのずれが起こる可能性があるが、装着軸25は軸22に沿って2つの検知エレメント20a、20bから等距離で中央に据えられている。このセンサの位置ずれによって、センサの性能に劣化が生ずる。何故なら、センサ12によって生成される差動信号のピーク−ピーク振幅が最大値にならないからである。用途の観点からは、差動信号のピーク−ピーク振幅が小さくなる結果、最大エア・ギャップ距離(air gap range)が縮小する。
図2Aおよび図2Bは、2つの異なる物標プロファイルの例を示す。図2Aは、図1Aおよび図1Bに示した物標プロファイルの同じ「面」の図(face view)を示すが、図1Aからの物標プロファイル14は、交互に並ぶ南および北の磁極26および28のそれぞれによって定められている。図2Bでは、物標プロファイル14(ここでは、物標プロファイルの特徴を一層明確に示すために側面図になっている)は、隆起構造(例えば、歯)30およびそれに続く、通例では谷または窪みと呼ばれる、ギャップ32の交互パターンによって定められている。歯またはその他の形式の隆起構造は、設計要件に基づいて種々の形状、例えば、正方形、三角形またはその他を有することができる。図2Aおよび図2Bにおけるこれらのパターンは、回転物標、例えば、リング・マグネットのような永久磁石、または他の何らかの種類の多極磁石、あるいは図1Aおよび図2Aに示すように放射状に(即ち、ホイールまたはリング・マグネットとの外縁または側縁に沿った)または軸に沿って(図示せず)歯付きギア・ホイールのような鉄含有物体の円周に沿って設けられることがある。リング・マグネットとの軸方向検知配置では、交互する極の物標プロファイルは、代わりに、リング・マグネットの広い表面上に定められる。
センサ12のような差動センサは、磁場の磁束密度差を測定することによって、回転する鉄または磁性体物標の運動を検出する。戻って図2Bを参照すると、鉄含有物標を検出するためには、バック・バイアシング永久磁石(back biasing permanent magnet)34によって磁場を設けなければならない。例えば、磁石34の南極または北極をセンサ12の「背面」、即ち、図示のように、物標プロファイル14に面しない側に取り付ける(またはその近くに位置付ける)とよい。
図1Bにおいて図示した類型の位置ずれは、防止することができるが、労働集約的な監視または特別に設計された構造体によってのみ防止することができる。本明細書において紹介する新たな検知方式は、このような位置ずれに強い。つまり、この新たな方式を組み込んだ差動センサ・デバイスは、配向角度αがゼロ度(完全に一直線状)であっても、ゼロ度よりも大きい何らかの不規則な角度であっても、効果的に動作する。
図3Aから図3G、図4Aから図4D、図5Aから図5C、および図6は、多数の磁場検知エレメント(または、単に「検知エレメント」)を利用して多数の異なるチャネルを実現する配置(arrangement)を示す。これらの配置によって、配向に独立した(物標プロファイルに対する配向)差動センサを得ることができる。これについて以下で更に詳しく論ずる。
一実施形態例では、そして図3Aから図3Fを参照すると、3つの検知エレメントの使用に基づく配置が示されている。図3Aから図3Fに示すように、磁場検知構造40は、差動磁場センサにおいて用いるための3つの検知エレメント42a、42b、42c(それぞれ、「SE1」、「SE2」、および「SE3」とも呼ぶ)の構成(configuration)を有する。検知エレメント42a、42b、42cは、ある固定距離だけ離間されている。検知エレメント42a、42b、42cを物標の近くに物理的に据えることによって、これらの検知エレメントを用いて、その物標のプロファイル(図1A、図2A〜図2Bの物標プロファイル14のような)に対するそれぞれの位置における磁場強度の変化に応答する多数の差動信号を生成することが可能になる。これらの位置は、図4Aおよび図4Bに示し後に更に詳しく説明する、差動チャネルに対応する。
図3Aから図3Cを参照すると、第1検知軸44が検知エレメント42a、42b(または第1対の差動検知エレメント)の配置によって定められ、第2検知軸46が検知エレメント42a、42c(または第2対の差動検知エレメント)によって定められている。つまり、図示する例では、3つの検知エレメントは、例えば、センサ・ダイ(その輪郭は破線で示されている)の表面上に空間的に配置され、2本の検知軸、即ち、第1検知軸44および第2検知軸46を定める。これらの検知エレメントは、2本の検知軸44、46がダイ表面の平面において互いに一直線状にならないように配置されている。好ましくは、これらは互いに対して約90度の角度をなす。しかしながら、異なる角度を用いることもできることは言うまでもない。図3A〜図3Cおよび図4Aに示す配置では、第1および第2対の差動検知エレメントが検知エレメント42aを共有する。各対における検知エレメントのエレメント間の間隔は、同じである(またはほぼ同じである)ことが好ましいが、異なることも可能である。
これより図3Aを参照すると、第1検知軸44が物標プロファイルと一直線状になると(即ち、再度図1を参照すると、物標プロファイルの基準軸18と一直線状になる)、第1検知エレメント対42a、42bによって生成される差動信号「D1」が最大値(「D1max」)である振幅を有し、第2検知エレメント対42a、42cによって生成される差動信号「D2」はゼロ(「D2zero」)である振幅を有する。基準軸に沿った検知エレメントSE1およびSE2間の距離「L1」は、この配向では最大となる(「L1max」48として示す)。基準軸に沿った検知エレメントSE1およびSE2間の距離「L2」はゼロになる。図3Bを参照すると、第1検知軸44が物標プロファイルの基準軸に対して90度の角度で位置付けられるとき、第1差動信号D1の信号振幅はゼロ(「D1zero」)となり、第2差動信号D2の信号振幅は最大(「D2max」)となる。配向を90度ずらすと、基準軸に沿った検知エレメントSE1およびSE3間の距離「L2」は最大になり(「L2max」50として示す)、距離「L1」はこの場合ゼロになる。図3Cを参照すると、第1検知軸44と物標プロファイルの基準軸との間で配向角度α52を不規則にすると、第1差動信号D1および第2差動信号D2の信号振幅は、この配向角度とともに変化する。図示した配向では、距離L1はL1max×cosαに等しく(参照番号54で示す)、距離L2はL2max×sinαに等しくなる(参照番号56によって示す)。尚、D1maxはD1の最大振幅、即ち、αが0度であるときのD1の振幅であり、D2maxはD2の最大振幅、即ち、αが90度であるときのD2の振幅であることは認められよう。つまり、これらの最大振幅は、D1についてはD1maxおよびD1α=0として表すことができ、D2についてはD2maxおよびD2α=90として表すことができる。1つの差動信号の振幅が配向角度αとは独立である場合、本明細書では、これを配向角独立差動信号と呼び、この差動信号をD1およびD2から決定することができる。これについては、図4Aを参照して更に詳しく論ずる。「配向角独立差動信号」という用語は、本明細書において用いる場合、この1つの差動信号の振幅が、配向角度の変化に対して完全にまたは相対的に独立であることを意味する。「相対的に配向角度に独立」とは、配向角度による振幅の残余変化(residual change)が存在する可能性があるが限定的であることを意味する。実施形態の中には、後に説明するように、配向角度による振幅の残余変化は、センサ回路において補償することができる。
図3D〜図3Fに示すように、第3検知軸58が、検知エレメント42b(「SE2」)、42c(「SE3」)の配置によって定められている。この第3対の検知エレメントは、第3差動信号「D3」を生成するために用いることができる。実施形態の中には、例えば、図4Bに示すように、配向角独立差動信号をD1、D2、およびD3から生成できる場合もある。
各軸に沿って追加のエレメントを設けると、回転速度および方向双方の情報を提供するためにこれらを用いることができる。図3Gに示すように、構造40’として示す構造は、3つの検知エレメント、即ち、検知エレメント42a、検知エレメント42b、および追加の検知エレメント(「SE4」)42dを有し、これらは、検知軸44’として示す第1単独検知軸を形成するように、一直線状に並べられている。更に、構造40’には、3つの検知エレメント、即ち、検知エレメント42a、検知エレメント42c、および追加の検知エレメント(「SE5」)42eも設けられており、第2単独検知軸46’を形成するように一直線状に並べられている。
図4Aは、図3A〜図3Cに示した磁場検知構造40を組み込んだ磁場センサ60の機能図を示す。センサ60は、3つの検知エレメント42a、42b、42c(この場合も検知エレメントSE1、SE2、SE3として示す)を含む。検知エレメント42a〜42cにはインターフェース回路62が結合されている。インターフェース回路62は、第1差動増幅器64aおよび第2差動増幅器64b、ならびに差動信号生成器66を含む。更に、インターフェース回路62は出力生成回路68も含む。
検知エレメントSE1 42aおよびSE2 42bは、第1差動増幅器64aに結合され、それぞれ、磁場検知出力信号70aおよび70bを第1差動増幅器64aに供給する。検知エレメントSE1 42aおよびSE3 42cは、第2差動増幅器64bに結合され、ぞれぞれ、磁場検知出力信号70aおよび70cを第2差動増幅器64bに供給する。各差動増幅器64a、64bの出力は、それが結合されている2つの検知エレメント間の磁束密度の差のみを表す。第1差動増幅器64aは、その出力として、第1差動信号(以前に「D1」と呼んだ)72を供給し、第2差動増幅器64bは、その出力として、第2差動信号(以前に「D2」と呼んだ)74を供給する。差動増幅器64a、64bは、差動信号生成器66に結合されている。差動信号72および74は、入力として、差動信号生成器66に供給され、差動信号生成器66は、出力として、第3差動信号(「D4」)76を生成する。差動信号生成器66は、D1およびD2に基づいてD4を生成するように動作する。
結果的に得られた差動信号D4の振幅は、先に述べたように、配向角度αに独立であると言う。つまり、差動信号D4の振幅は、いずれかの差動チャネルが物標プロファイルの基準軸18と一直線状である場合に見られる差動信号のそれと全く同じである。したがって、最適な性能は、一方のチャネルまたは他方のチャネルが物標プロファイルの基準軸と一直線状であることに左右されない。
差動信号生成器66の出力76は、出力生成回路68に結合されている。出力生成回路68は、用途の必要性に合わせるために既知の技法および設計にしたがって実現すればよい。通例、そして図示のように、回路68はピーク検出器または比較器78、および出力段80を含む。ピーク検出器は、検出器に供給される信号を追跡し、固定レベルでまたは入力信号のピークに関係するレベルで切り替える。閾値検出は、切り替えを誘発するためにはその信号が通過しなければならない1つ以上のレベルを適用する。閾値は、ピーク−ピーク振幅のある比率として定められる。
第3差動信号D4 76は、検出器78に入力として供給される。出力82として示される検出器出力は、出力段80に供給される。出力段80は、センサ出力(OUT)84に、検出した物標プロファイルの遷移(先端および/または後端の歯縁または磁気極の変化というような遷移)を示すセンサ出力信号86を供給する。出力段80は、トーテム・ポール・プッシュ・プルまたはオープン・ドレイン、オープン・コレクタ出力構成として実現することができる。この種の構成は典型的な構成である。このような出力を有するデバイスを、「三線」デバイスと呼ぶこともある。あるいは、出力段80は、電流源出力構造として実現することもでき、この電流源出力構造は、センサの2つのディジタル出力状態を表す2つのレベルの電流を供給する。出力電流が電源/接地ライン上に供給されるので、電流源出力構造を用いることによって、出力84の必要性を解消する。電流出力構造を有するデバイスを、「二線」デバイスと呼ぶこともある。あるいは、集積回路間(IC)、シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)、シングル・エッジ・ニブル送信(SENT)、あるいは自動車、工業、または消費者向け用途において用いられる他のプロトコルというようなプロトコルで、出力を符合化することもできる。
外部電源電圧をセンサのVCC端子または入力88に供給することができる。インターフェース回路62および検知エレメント42a〜42cは、VCC入力88にVCCバス90を通じて結合され、更に内部GND接続94を介して接地(GND)端子92に接続されている。
先に述べたように、差動チャネルは、物標プロファイルに対する1対の検知エレメントによって差動信号を生成する位置に対応する。差動チャネルは、1対の検知エレメントと、この対と関連のある他の回路とを内蔵する。図示した実施形態では、センサ60は第1差動チャネル96と、第2差動チャネル98とを含む。第1差動チャネル96は検知エレメント42a、42bと共に、第1差動増幅器64aを含み、第1差動信号72を生成する。第2差動チャネル98は、検知エレメント42a、42c、および第2差動増幅器64bを含み、第2差動信号D2 74を生成する。各差動チャネルは、そのそれぞれの検知エレメント対によって定められる、それぞれの検知軸が関連付けられている。第1差動チャネル96は、検知軸44として、図3A〜図3Cに示した検知軸が関連付けられている。第2差動チャネル98は、検知軸46として、図3A〜図3Cに示した検知軸が関連付けられている。
また、差動信号を処理する回路は、差動チャネルの一部と見なすこともできる。つまり、第1差動チャネル96は、検知エレメント42a、42bおよび差動増幅器64a(差動信号72を生成するため)に加えて、差動信号72(D1)を処理するインターフェース回路62の回路も含むことができる。同様に、第2差動チャネル98は、検知エレメント42a、42cおよび差動増幅器64bに加えて、差動信号74(D2)を処理するインターフェース回路62の回路も含むことができる。図4Aに示す実施態様では、ユニット66および68は、第1および第2差動チャネル、即ち、第1差動チャネル96および第2差動チャネル98によって共有される。
図示しない磁場センサ60の他の態様は、既知の技法および設計にしたがって実現すればよい。実施態様は、アナログ、ディジタル、または混合信号とすることができる。尚、インターフェース回路62は、検知エレメントの磁場信号からセンサ出力を生成するために集合的に動作する種々の他の回路を内蔵するのでもよいことは言うまでもない。例えば、増幅器および他の回路を、各検知エレメントとその対応する差動増幅器との間に結合して磁場を増幅し、任意に、動的なずれの打ち消し(即ち、チョッパ安定化)、自動利得制御(AGC)、およびずれの調節というような他の機能(feature)を実現することもできる。代わりに、または加えて、このような機能は、どこにでも設けることができ、例えば、差動増幅器と差動信号生成器との間(図4Dに示すように)であってもよい。
センサ60は、種々の回路エレメントが形成される半導体基板を内蔵する集積回路(IC)の形態で設けることもできる。ICは、VCC入力または端子88、GND端子92、そして出力段の実施態様に応じて、出力(OUT)84の各々に対応する少なくとも1つのピンを有する。尚、ICの機能、即ち、その内部に収容される回路エレメントは、個々の用途に合わせるために様々に変更できることは認められよう。検知エレメント42a〜42cおよびインターフェース回路62は、同じダイ上でも別個のダイ上にでも設けることができる。
図4Bは、図4Aのセンサ60と同様の実施態様を有するセンサを示す。図4Bにおけるセンサは、センサ60’として示し、図4Aのセンサ60と相違するのは、センサ60’が、図4Aからのセンサ対42a、42bおよび42a、42cに加えて、第3検知エレメント対42b、42c(図3D〜図3Fに示したような)も利用することである。図4Bに示す実施形態では、センサ60’は第3差動チャネル100を含む(図4Aには示すが簡略化のために図4Bからは省略されている、第1差動チャネル96および第2差動チャネル98に加えて)。第3差動チャネル100は、検知エレメント42b、42cと共に、第3差動増幅器64cを含み、先に「D3」と呼び参照番号102で示した第3差動信号を生成する。第3差動チャネル100は、検知軸58として、図3D〜図3Fに示した検知軸が関連付けられている。
差動増幅器64a、64b、64cは、ここでは差動信号生成器66’として示す、差動信号生成器に結合されている。差動信号72、74、および102が、入力として、差動信号生成器66’に供給され、差動信号生成器66’は、出力として、第4差動信号(「D4」)76’を生成する。差動信号生成器66’は、D1、D2、およびD3に基づいてD4 76’を生成するように動作する。結果的に得られる差動信号D4 76’の振幅は、図4Aからの差動信号D4 76に関して先に論じたように、配向角度αとは独立であると言う。
差動信号生成器66’の出力76’は、出力生成回路68に結合されている。図4Bのその他の詳細は、図4Aについて記載したのと同一である。
差動信号D4 76’は、入力として、検出器78に供給される。出力82として示す、検出器出力が出力段80に供給される。出力段80は、センサ出力(OUT)84に、検出された物標プロファイルの遷移(先端および/または後端の歯縁または磁気極の変化というような遷移)を示すセンサ出力信号86を供給する。
更に他の代替実施態様では、そしてこれより図4Cを参照すると、この図においてセンサ60”として示すセンサは、インターフェース62”を含む。インターフェース62”は、入力として、それぞれの検知エレメント42a〜42cから信号70a〜70cを受け取る。インターフェース62”は、ここではD4 76”として示す、配向角独立差動信号D4を生成するために、配向角独立差動信号生成器66”を含む。差動信号生成器66(図4Aから)および66’(図4Bから)とは異なり、差動信号生成器66”は、内部に差動増幅器64(図4Aおよび図4Bから)、およびこれらの差動増幅器64の出力(即ち、差動信号D1、D2、D3)および/または検知エレメントの出力70a、70b、70cを数学的に組み合わせる機能を含む。更に、組み合わせ機能に結合した信号処理能力も含み、真に配向角度に独立となるように、組み合わせ信号を正規化する。この信号処理能力は、少なくともAGCブロックを含むことができる。プログラマブル・メモリ(例えば、EEPROM)およびマイクロプロセッサを含ませることによって、差動信号生成器66”は、様々な形式の信号処理だけでなく、異なる組み合わせも実行するように構成することができる。他の機能は、図4Aおよび図4Bに関して既に説明した通りである。
図4Dは、センサ60’”として示す、センサの更に他の実施形態例を示し、図3Aから図3Cに示したような、3−SE構造を組み込んでいる。この特定の実施態様は、ディジタル・ドメインにおける処理を可能にするディジタル・サブシステムを特徴とする。図4A〜図4Cに示したセンサと同様に、センサ60’”も検知エレメント42a〜42cを含む。センサ60’”は、図4Cからのセンサ60”と同じ上位機能ブロックを有し、参照番号66’”で示す配向角独立差動信号生成器と、参照番号68’で示す出力生成回路とを含む。差動信号生成器66’”は、アナログ・フロント・エンド100とディジタル・サブシステム102とを含む。アナログ・フロント・エンド100は、2つの差動増幅器64a、64b(図4Aおよび図4Bにも示した)を含む。この特定の実施態様において示すのは、種々の信号調整回路であり、オフセット調節(「オフセット・アジャスト」)回路103a、103b、自動利得制御(AGC)回路104a、104b、チョッパ安定化回路105a、105b、ロー・パス・フィルタ106a、106b、およびアナログ/ディジタル変換器(A/D)107a、107b(纏めて、A/D108)を含む。クロック生成器110は、タイミング信号をA/D108(クロック・ライン111を通じて)およびディジタル・サブシステム102(クロック・ライン112を通じて)に供給する。回路64a、103a、104a、105a、106a、および107aは、検知エレメント対42a、42bと関連する第1差動チャネルの一部である。回路64b、103b、104b、105b、106b、および107bは、検知エレメント対42a、42cと関連する第2差動チャネルの一部である。
更に図4を参照すると、出力生成回路68’は出力段80’とディジタル・サブシステム102とを含む。つまり、ブロック66’”および68’はディジタル・サブシステム102を共有する。図示する実施形態では、ディジタル・サブシステム102は、制御部(「ディジタル制御」)114と処理部(「ディジタル処理」)116とを含む。制御部114および処理部116は、図示のような不揮発性メモリ117、例えば、EEPROMにそれぞれメモリ・バス・ライン118および119を通じて結合されている。EEPROM117は、制御および処理部114、116の機能をプログラミングするために用いられる。即ち、処理部116によって実行されるプログラム・コードおよび動作パラメータを格納するために用いられる。例えば、制御部114は、A/D、AGC、およびオフセット調節回路を制御ライン120を通じて制御し、更に、例えば、静止電源電流検査(IDDQ:Quiescent supply current test)および境界走査走査経路(boundary scan scanpath)のような検査モードの検査機能を設定または制御するように構成することができる。ディジタル処理部116は、例えば、図9Aを参照して説明するプロセスにしたがってD4判定を実行する、またはD4切り替え点判定だけでなく他のプロセスも実行するようにプログラミングすることができる。ディジタル・サブシステムの出力、即ち、出力121は、出力段80’に供給される。出力段80’は、トランジスタ、例えば、MOSFET122と、MOSFET122とディジタル・サブシステム出力121との間に接続されている電流制限回路123とによって実現されていることが示されている。
デバイスの外部接続/端子は、以前のセンサの図、図4A〜図4Cにおけると同一である。即ち、VCC端子88が電源電圧への接続を設け、GND端子92が接地への接続を可能にし、OUT端子84がセンサ出力を、この出力を用いる外部デバイスに供給することを可能にする。また、この図には、内部電圧レギュレータも示されている。内部電圧レギュレータは、規制電源電圧をディジタル・システム102に(ライン124を通じて)供給するディジタル・レギュレータ123と、規制電源電圧をアナログ・フロント・エンド100に(ライン126を通じて)供給するアナログ・レギュレータ125とを含む。
図4A〜図4Dには示されていないが、図3Gに示したような検知エレメント対42b、42dおよび42c、42eと関連する追加のチャネルをサポートするための回路も、方向検出をサポートする追加の出力段と共に(既存の出力段が速度情報を提供するために用いられる)、センサに含ませることもできることは認められよう。
センサ(例えば、図4Aのセンサ60、図4Bからのセンサ60’、図4Cからのセンサ60”、または図4Dからのセンサ60’”)が物標の移動を示す出力信号を供給する動作は、例えば、センサの設置が、物標プロファイルの面に直交する軸(図1Bに示した軸25のような)を中心とするセンサの移動を伴うとき、センサが物標に対して位置付けられる(設置時)および/または維持される(設置後)角度にはほぼ不感応となるように設計されている。更に具体的には、センサは、センサの第1検知軸44の物標プロファイルの基準軸18(図1Aに示す)に対する配向角度には関係なく、同じ(または殆ど同じ)差動信号D4を供給するように動作することができる。このような配向角度の耐性によって、センサの設置および維持を著しく簡素化することができる。何故なら、センサ−物標位置合わせ指定を満たすために必要となる製造手順および/またはパッケージング設計が不要になるからである。
用途の中には、センサ・ダイの中心に対して対称的な構造を有すると有利な場合もある。これは、偶数の検知エレメント、例えば、4つを図5A〜図5Cに示すような対称レイアウトで用いることによって達成することができる。
代替実施形態例では、そして図5A〜図5Cを参照すると、4つの検知エレメントの使用に基づく配置が示されている。図5A〜図5Cに示すように、磁場検知構造130は、差動磁場センサにおいて用いるために、4つの検知エレメント132a、132b、132c、および132d(それぞれ「SE1」、「SE2」、「SE3」、および「SE4」とも呼ぶ)の構成を有する。これらの検知エレメントは、ある固定距離だけ離間されている。検知エレメントの各対、即ち、検知エレメント132a、132b(第1対)および検知エレメント132c、132d(第2対)が、物標プロファイル(図1A、図2Aおよび図2Bの物標プロファイル14のような物標プロファイル)に対する位置における磁場強度の変化に応答して差動信号を生成するために用いられる。
更に図5A〜図5Cを参照すると、検知エレメント132a、132bの配置によって第1検知軸134が定められており、検知エレメント132c、132dの配置によって第2検知軸136が定められている。つまり、この図示する例では、4つの検知エレメントが、例えば、センサ・ダイ(その輪郭が破線で示されている)の表面上に空間的に配置され、2本の検知軸134、136を定めている。この実施形態では、これらの検知エレメントは、2本の検知軸134、136がダイ表面の平面において互いに一直線状にならず、互いに直交するように配置されている。好ましくは、これらは互いに対して約90度の角度をなす。各対における検知エレメントのエレメント同士の間隔は、同じ(またはほぼ同じ)であることが好ましいが、異なっていても可能である。
これより図5Aを参照すると、第1検知軸134が物標プロファイルと一直線状になっているとき(即ち、再度図1Aを参照すると、物標プロファイルの基準軸18と一直線状になっている)、第1対132a、132bによって生成された差動信号「D1」は最大(「D1max」)である振幅を有し、第2対132c、132dによって生成された差動信号「D2」はゼロ(「D2zero」)となる。図5Bを参照すると、第1検知軸134が物標プロファイルの基準軸に対して90度の角度で位置付けられると、第1差動信号D1の信号振幅はzero(「D1zero」)となり、第2差動信号の信号振幅は最大(「D2max」)となる。図5Cを参照すると、検知軸134と物標プロファイルの基準軸との間における不規則な配向角度α138に対して、第1差動信号D1および第2差動信号D2の信号振幅は、角度変化と共に変化する。振幅が配向角度α138とは独立である差動信号は、D1およびD2から、または更に一般的に、SE1、SE2、SE3、およびSE4のいずれかの数学的組み合わせから決定することができる。
図6は、図5A〜図5Cにおいて示した磁場検知構造を含む磁場センサ140の機能図を示す。センサ140は、4つの検知エレメント132a〜132d(この場合も、検知エレメントSE1、SE2、SE3、SE4として示す)を含む。ここではインターフェース142として示す、インターフェース回路の機能は、インターフェース回路62(図4Aから)のそれと全く同じである。同様のエレメントは、同様の参照番号で識別する。唯一の相違は、インターフェース回路142が4つの別個の信号を検知エレメントから受け取ることである。つまり、差動増幅器64aは、入力として、検知エレメント132aから信号144aおよび検知エレメント132bから信号144bを受け取り、差動増幅器64bは、入力として、検知エレメント132cから信号144c、および検知エレメント132dから信号144dを受け取る。
図6に示す実施形態では、センサ140は、第1差動チャネル146と第2差動チャネル148とを含む。第1差動チャネル146は、検知エレメント132a、132bと共に、第1差動増幅器64aを含み、第1差動信号D1 72を生成する。第2差動チャネル148は、検知エレメント132c、132d、および第2差動増幅器64bを含み、第2差動信号D2 74を生成する。各差動チャネルは、そのそれぞれの検知エレメント対によって定められる検知軸が関連付けられている。即ち、それぞれの検知軸を有する。差動チャネル146は、検知軸134として、図5A〜図5Cに示す検知軸が関連付けられている。第2差動チャネル148は、検知軸136として、図5A〜図5Cに示す検知軸が関連付けられている。
第1差動チャネル146は、検知エレメント132a、132b、および差動信号72を生成する差動増幅器64aに加えて、差動信号72を処理するためのインターフェース回路142の回路も含むことができる。同様に、第2差動チャネル148は、検知エレメント132c、132d、および差動信号74を生成する差動増幅器64bに加えて、差動信号74を処理するためのインターフェース回路142の回路も含むことができる。尚、図6に示す4つのSEによる設計は、差動増幅器64と差動信号生成器66(3つのSEによる設計について図4Cにおいて示した実施形態に関して説明したものと同様)とを組み合わせるために変更できることは認められよう。
一般に、3つ以上の検知エレメントがある実施形態はいずれも(図3A〜図3G、図4A〜図4D、図5A〜図5C、および図6に示した実施形態例を含む)、差動チャネルにおける検知エレメントのエレメント間の間隔は、同一である必要はなく、これらのチャネルと関連する検知軸間の角度は、90度でなくても可能である。必要であれば、もっと多くの検知エレメントを磁気検知構造に追加することができる。検知エレメントの総数は、最少でも3つは必要であり、偶数でも奇数でもよい。図3A〜図3Fおよび図4A〜図4Dに示すように3つの検知エレメントを用いる代わりに、または図5A〜図5Cおよび図6に示すように4つの検知エレメントを用いる代わりに、磁気検知構造はリング構成に配置した検知エレメントで実現することもできる。あるいは、リング全体が検知エリアになることもできる。
尚、検知エレメントは、ホール効果エレメント(または、ホール・プレート)とするとよく、または磁気抵抗(MR)エレメントのような、ホール効果エレメント以外の形態を成すのでもよいことは言うまでもない。MRエレメントは、いずれの種類のMRデバイスからでも作ることができ、異方性磁気抵抗(AMR)デバイス、巨大磁気抵抗(GMR)デバイス、トンネリング磁気抵抗(TMR)デバイスを含むが、これらに限定されるのではない。検知エレメントは、1つのエレメントを含むのでもよく、または、代わりに、2つ以上のエレメントを種々の構成で、例えば、半ブリッジまたは全(ホイートストーン)ブリッジに配置して含むのでもよい。
検知エレメントは、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)のようなIV型半導体材料、あるいは砒化ガリウム(GaAs)またはインディウム化合物、例えば、アンチモン化インジウム(InSb)のようなIII−V型半導体材料で作られたデバイスであってもよい。別個の検知ダイを用いる場合、検知ダイは、異なる技術、例えば、GaAs、Ge、AMR、GMR、TMR、およびその他で作ることができる。
図7A〜図7Fは、三SE配置について、配向角度αの差動信号振幅に対する影響を示す。図7Aおよび図7B は、ゼロ度の配向角度αに対応する。図7Cおよび図7Dは、22.5度の配向角度αに対応する。図7Eおよび図7Fは、45度の配向角度αに対応する。明確化のために、物標は正弦波磁気プロファイルを生成すると仮定する。図7B、図7D、および図7Fは、振幅対時間のグラフであり、振幅は相対的な単位で与えられる。図7B、図7D、および図7Fから分かるのは、差動信号の振幅および位相が、配向角度の増加と共に変化するということである。
図7Aは、検知装置150の上面図を示す。この検知装置150では、3つの検知エレメントSE1 42a、SE2 42b、およびSE3 42c(図示しないセンサ・パッケージ内にある)が物標152に近接して配置されている。物標152は、交互の極(磁性体物標の場合)または鉄分を含むギアという物標の構造、例えば、歯/谷を有する。検知エレメントの基準位置は、ゼロ度の配向角度に対して取られる。この図では、隆起部分または南極が参照番号154によって示され、一方窪み部分または北極が参照番号156によって示されている。SE1 42aとSE2 42bとの間の間隔、およびSE1 42aとSE3 42cとの間の間隔は、距離T/2に対応する。ここで、T(参照番号158によって示す)は、物標の周期である。図7Bは、差動信号D1、D2、およびD3について、振幅対時間のグラフ160を示す。差動信号D1、D2、およびD3の波形は、それぞれ、参照番号162、164、および166によって示されている。これらの差動信号は、物標を検知エレメントの前で回転させることによって生成される。また、参照番号168で示す物標プロファイルも示されている。差動信号D1 162およびD3 166の信号振幅は等しい最大振幅および逆極性を有することが分かる。また、差動信号D1およびD3の信号ピークは物標プロファイルにおける遷移(例えば、北極から南極への推移)に対応することも分かる。また、図7Bに示すように、ゼロ度の配向角度では、結果的に得られる差動信号D2 164(SE1およびSE3によって形成されたチャネルによって生成される)の振幅は常にゼロになる。
図7Cは、検知エレメントの基準位置が22.5度の配向角度α172に対して取られた検知装置170を示す。他の詳細は、図7Aに示した通りである。図7Dは、図7Cに示した基準位置、即ち、22.5度の配向角度αに対する差動信号D1、D2、およびD3のグラフ180を示す。差動信号D1、D2、およびD3の波形は、それぞれ、参照番号182、184、および186によって示されている。物標プロファイルは、ここでは、参照番号188によって示されている。図7Dでは、差動信号の全てがここではゼロでない振幅を有することが分かる。D3の振幅は、配向角度がゼロ度のとき(図7Bに示したような)よりも多少小さくなっており、D2の振幅は、D1およびD3の振幅よりもかなり小さくなっている。
図7Eは、検知エレメントの基準位置が45度の配向角度192に対して取られた検知装置の例190を示す。他の詳細は、図7A(および図7C)において示した通りである。図7Fは、図4Eに示した基準位置に対する、差動信号D1、D2、およびD3のグラフ200を示す。差動信号D1、D2、およびD3の波形は、それぞれ、参照番号202、204、および206によって示されている。また、物標プロファイルも図示されており、参照番号208で示されている。ここでは、D1およびD2の振幅は等しく(しかし、図7Bに示すように、ゼロ度の角度に対するD1およびD3の振幅よりは小さい)、D3の振幅はD1およびD2の振幅よりも小さい。図7Eと合わせて再度図7Bを参照すると、差動信号間の位相も、配向角度の変化と共に変化していることが分かる。
図8Aは、配向角度αの関数として、差動信号D1、D2、およびD3のピーク−ピーク振幅のグラフ210(一実施形態について)を示す。ピーク−ピーク振幅は、相対的な単位で与えられている。D1のピーク−ピーク振幅は参照番号212で示され、D2のピーク−ピーク振幅は参照番号214で示され、D3のピーク−ピーク振幅は参照番号216で示されている。可能な一実施形態では、図9Aを参照して説明するが、差動信号D4は、配向角度αに基づいて、D1またはD2のいずれかとして選択することができる。このような選択によって、ピーク−ピーク振幅の変動(配向角度の増大による)を有する差動信号D4が生成される。この変動は、ある角度範囲、例えば、0度から22.5度では全ピーク−ピーク振幅の約1%に抑えられ、他の角度範囲、例えば、22.5度から67.5度では全ピーク−ピーク振幅の約10%に抑えられる。つまり、0度から45度の角度範囲(または「ゾーン」)および315度から360度の角度範囲(「ゾーンA」)218aおよび135度から225度の角度範囲(「ゾーンC」)218cでは、D1を選択することができる。差動信号D2は、他の角度範囲に対して、即ち、45度から135度(「ゾーンB」)218b、および225から315度(「ゾーンD」)218dに対して選択することができる。図示する例では、これらの角度範囲またはゾーンの各々において、差動信号D4は配向角度に独立であることが分かる(変動は第1および第4四半ゾーンでは約10%に抑えられ、第2および第3四半ゾーンでは約1%に抑えられる)。
図8Bは、配向角度αの関数として差動信号D1、D2、およびD3の特定の数学的組み合わせから得られた信号のピーク−ピーク振幅についてのグラフ220を示す。ピーク−ピーク振幅は、相対的な単位で与えられる。グラフ220は、差動信号D1、D2、D3間、または更に一般的には、検知エレメントSE1、SE2、およびSE3間で定めることができる多くの可能な異なる数学的組み合わせの内の2つのみを示す。図示するのは、差動信号D1およびD2の数学的組み合わせ「D1+D2」に基づく、参照番号222で示す、差動信号「D4」のピーク−ピーク振幅と、D2およびD3の数学的組み合わせ「D2+D3」に基づく、参照番号224で示す、差動信号のピーク−ピーク振幅である。
図9Aを参照すると、D4信号生成器の動作例、即ち、動作230は信号D1およびD2の受信から開始する(ブロック232において)。信号毎に正および負のピークを得るために、少なくとも1周期にわたってD1およびD2の値を取り込む。この動作では、例えば、D1信号振幅の絶対値がD2信号振幅の絶対値よりも大きいか否か判断することによって、D1およびD2の振幅を比較する(ブロック236)。この比較によって真の結果が得られた場合、D4として用いるためにD1を選択する(ブロック238)。それ以外の場合、D4として用いるためにD2を選択する(ブロック240)。この結果をD4として供給することによって、この動作は終了する(ブロック242において)。
再度図8Aに示したグラフを参照すると、差動信号D1がゾーンAおよびCにおいて選択され、差動信号D2がゾーンBおよびDにおいて選択される。このように信号間で選択することによって、センサによって用いられる差動信号(即ち、D4として選択される信号)の信号振幅は、一定の閾値未満には決して減少しないことが可能になる(これによって、配向角度によって信号振幅が変動する可能性がある量を最少に抑える)。図8Aに示す例では、振幅は決して3.6未満にはならない(ゾーン遷移、即ち、45度、135度、225度、および315度における、相対的な単位とした、双方の信号の振幅の絶対値)。ゾーンの数は、用いる検知エレメント対の数を増加することによって増やすことができる。ゾーンが増える程、差動信号の信号振幅が配向角依存になる振幅範囲が一層制限される。動作236を実行する信号生成器は、周知の設計技法(アナログおよび/またはディジタル)にしたがって、例えば、オペ・アンプまたは電圧比較器のような比較回路を用いて差動信号D1およびD2の振幅(電圧値)を比較することによって実現することができる。
D4を生成する他の実施形態例を、図4Cと関連付けて図9Bに示す。図9Bにおいて動作250として示す動作は、D1、D2、およびD3の受信から開始する(ブロック252において)。この動作では、D1、D2、およびD3の振幅をSE1、SE2、およびSE3から決定する(ブロック254)。この動作は、D1、D2、およびD3、および/またはSE1、SE2、およびSE3のいずれかの数学的組み合わせの関数としてD4を決定する(ブロック256)。次いで、この動作は、配向角度およびエア・ギャップとは独立となるように、D4を正規化する(ブロック257)。正規化されたD4は、D4として差動信号生成の出力に供給される(ブロック258)。一旦動作250がD4を決定したなら、動作250は終了する(ブロック259)。
更に他の代替実施形態では、図9Cに示すように、D4を生成する動作は、配向角度の決定を伴う。図9Cを参照すると、図9Cにおいて動作260として示す動作は、入力としてD1、D2、およびD3の受信から開始し(ブロック262)、D1、D2、およびD3の振幅を判定する(ブロック264)。次いで、動作260はこれらの振幅を用いて配向角度αを決定する(ブロック266)。動作260は、配向角度αを出力として供給し(ブロック268)、終了する(ブロック270)。
尚、D4信号生成器、例えば、差動信号生成器66、66’、66”、または66’”(図4A〜図4Dから)あるいは66(図6から)の機能は、図9Aから図9Cの動作において示したように、既知の回路設計技法にしたがって、ハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせで実現することができる。
先に注記したように、検知エレメントは、差動チャネルのそれぞれの検知軸間の角度が90度以外となるように配置すればよい。この角度は、用途の必要性を満たすように選択することができる。
例示した図は遷移に基づくピーク検出を示したが、差動信号D1およびD2がプロファイル構造の中央を交差するとき、例えば、鉄含有物標では歯と谷の中間、また磁性体物標では北極と南極の中間(図7B、図7D、および図7Fにおいて見ることができるように)を交差するとき、遷移に基づかない検出が、この信号交差を用いて可能であることは認められよう。このような検出方式は、一部の用途では有利である。
前述のように、検知エレメントをマルチチャネルに配置した、センサ60、60’、60”、または60’”(図4A〜図4D)あるいはセンサ140(図6)のような配向独立磁場センサは、種々の用途において用いることができる。これは、特にアンチロック制動システム(ABS)、トランスミッションおよびクランクシャフトというような自動車用途において、とりわけ、回転速度検出およびタイミング制御に用いるのに非常に適している。例えば、センサによって生成された回転速度情報を、速度計、回転計、車載コンピュータ、タコグラフ(クロノタコグラフとしても知られている)等によって用いることができる。図10に示すような、自動車用途の一例では、自動車用途280がタコグラフにおいてセンサ出力を用いる。
本明細書において説明した形式の配向独立差動センサは、タコグラフ・システムの要望に唯一非常に適している。道路の安全性の理由のために、こん日では、ある種の車両、特に、バスやトラックというような商用車両の運転手の運転時間が一部の国や領域において規制の対象となっている。タコグラフ(または同等の電子記録装置)は、運転手の労働状態、即ち、運転時間および休憩期間を監視して、しかるべき運転の休憩(driving break)が取られていることを確認するために用いることができる。しかしながら、タコグラフは、通例、一エレメント・センサを用いており、一エレメント・センサは改ざんされ易い。例えば、センサの付近に強い磁場を発生させてエレメントを磁気的に飽和させ、センサが切り替わらないように(したがって、回転を適正に示さない)することも可能であり、こうしてタコグラフを「偽造」して、運転者情報の偽の記録を与えて、運転手がより長時間運転できるようにする。
この特定の種類のタコグラフ・システム改ざんに対する解決策の1つは、差動磁場センサを用いることである。差動センサは磁場強度の変化のみに応答するので、外部の磁場(および機械の振動)の影響を比較的受けにくい。一エレメント・センサとは異なり、以前の差動センサは、先に注記したように、適正に動作するためには、物標の特別なプロファイルを基準としてセンサを正しく位置付けることが必要であった。センサ60(図4Aから、あるいは図4B〜図4Dまたは図6に示した他のセンサの実施形態)のような配向独立センサは、以前の差動センサの欠点に取り組み、差動動作モードおよび使用の容易さ(設置および維持について)という双方の効果を受けることができるタコグラフ・システムおよびその他の用途に非常に適するものにした。特に、一部の自動車用途(例えば、トラックにおけるABSセンサに対する強制的交換間隔)のように、頻繁なセンサの交換を必要とする用途には有利である。タコグラフは速度を記録するので、この技法は、ある種の商用車両において最大速度を制御する速度制限システムにおいても有用であると考えられる。
これより図10に移ると、用途280は検知装置282を含む。検知装置282では、センサ60(図4から、あるいは図4B、図4C、図4D、および図6からのセンサ60’、60”、60’”、または140のそれぞれ)のようなセンサが、図示のように、リング・マグネット283のような物標の近くに配置されている。このセンサは、車両速度で回転するリンク・マグネットに近接して装着(設置)されている。センサ60は、回転する物標のプロファイルに伴う磁場変化284を検知する。センサ60は、物標283についての回転指示出力286を生成し、この出力をタコグラフ・システム288に供給する。図示する例では、タコグラフ・システム288は、タコグラフ292に結合された制御モジュール290を含む。制御モジュール290は、センサ出力286を受け取り、このセンサ出力を物標(この場合、ホイール)の速度294に変換する。
検知装置282は、駆動軸、ギア、またはホイールのハブ上に配置することができる。1つの検知装置のみを示すが、多数の検知装置(例えば、車両のホイール毎に1つずつ)を用いることもできることは認められよう。
先に論じたように、配向独立磁場検知構造の主な利点は、物標に対するセンサの配向を正確に制御できない用途において、この構造が最終ユーザにセンサ装着について高い設計の柔軟性を提供することである。例えば、センサをねじ切りキャニスタに装着することができ、そしてこのねじ切りキャニスタを物標の前面にある対応するねじ切り孔の中に単にねじ込むことができる。この種の構造は、トラックのABS用途のような、一部のアプリケーションに要求されるセンサ・モジュールの定期的な交換を大幅に簡略化することができる。
自動車以外における他の可能な用途には、モータ、工業、および組み立てが含まれる。また、本明細書では配向角独立技法および設計について回転検知を参照しながら例示したが、これらは直線的な移動の検知にも応用可能である。配向角度が決定されたなら、角度情報をフィードバックとしてユーザに提供すること(位置ずれ状態を示すため)、あるいは補償、較正、またはその他の目的で他の回路または処理エレメントに供給することもできる。本明細書において説明した配向角独立技法および設計は、磁気ノイズが多い環境において用いるのに適していると考えられる。何故なら、これらは物標に対するセンサの角度に独立し、更にDC磁気摂動に独立した綺麗な信号を可能にするからである。
本明細書において引用した引例は全て、引用したことによってその内容全体が本願にも含まれるものとする。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、その概念を組み込んだ他の実施形態も使用してもよいことは当業者には今や明白であろう。したがって、これらの実施形態は開示した実施形態に限定されるのではなく、添付した請求項の主旨および範囲によってのみ限定されてしかるべきであると考える。

Claims (28)

  1. 差動磁場センサであって、
    第1対の磁場検知エレメントを備えており、前記第1対の磁場検知エレメントによって定められた第1検知軸と関連付けられている第1差動チャネルと、
    第2対の磁場検知エレメントを備えており、前記第2対の磁場検知エレメントによって定められた第2検知軸と関連付けられている第2差動チャネルと、
    を備えており、前記第2検知軸が、前記第1検知軸に対して一直線状になっておらず、前記第1検知軸が、物標プロファイルの基準軸に対して位置付けられ、前記第1検知軸と前記基準軸との間に配向角度を定め、
    前記磁場検知エレメントに結合されており、前記配向角度に独立である振幅を有する単一差動信号を出力として生成する回路を備えている、差動磁場センサ。
  2. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記磁場検知エレメントの対の各々における前記磁場検知エレメントの内一方が、前記第1および第2差動チャネルによって共有される、差動磁場センサ。
  3. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記第2検知軸が、前記第1検知軸に対してある角度をなし、前記角度が実質的に90度である、差動磁場センサ。
  4. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記磁場検知エレメントの対をなす各磁場検知エレメント間の間隔が、実質的に同じである、差動磁場センサ。
  5. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記磁場検知エレメントがいずれも、前記第1および第2差動チャネルによって共有されない、差動磁場センサ。
  6. 請求項1記載の差動磁場センサであって、更に、前記第1および第2対の磁場検知エレメントを含む少なくとも2対の磁場検知エレメントを備えており、前記少なくとも2対の磁場検知エレメントにおける磁場検知エレメントの数が、3よりも多い、差動磁場センサ。
  7. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記磁場検知エレメントの各々が、ホール効果エレメント、磁気抵抗(MR)エレメント、またはその他の種類の磁場検知エレメントのから選択された1つである、差動磁場センサ。
  8. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記検知エレメントの各々を実現するために用いられる材料が、IV−型半導体材料、またはIII−V型半導体材料から選択された1つである、差動磁場センサ。
  9. 請求項1記載の差動磁場センサにおいて、前記回路が、前記第1差動チャネルと関連する第1差動信号と、前記第2差動チャネルと関連する第2差動信号とを生成する回路を備えており、前記回路が、更に、前記第1および第2差動信号を入力として受け取り、出力として前記単一差動信号を生成する差動信号生成器を備えている、差動磁場センサ。
  10. 請求項9記載の差動磁場センサにおいて、前記第1および第2差動信号が、前記配向角度に依存する振幅を有する、差動磁場センサ。
  11. 請求項9記載の差動磁場センサにおいて、前記第1差動信号が第1振幅を有し、前記第2差動信号が第2振幅を有し、前記差動信号生成器が、前記第1振幅の絶対値が前記第2振幅の絶対値よりも大きいとき、前記第1差動信号を前記単一差動信号として選択するように動作可能であり、前記差動信号生成器が、前記第1振幅の絶対値が前記第2振幅の絶対値よりも大きくないとき、前記第2差動信号を前記単一差動信号として選択するように動作可能である、差動磁場センサ。
  12. 請求項9記載の差動磁場センサにおいて、前記回路が、更に、前記第1検知エレメントと関連する第1磁場検知出力信号と、前記第2検知エレメントと関連する第2磁場検知出力信号と、前記第3検知エレメントと関連する第3磁場検知出力信号とを入力として受け取る回路を備えており、前記差動信号生成器が、前記第1磁場検知出力信号、前記第2磁場検知出力信号、前記第3磁場検知出力信号、前記第1差動信号、および前記第2差動信号の内いずれか2つ以上を数学的に組み合わせることによって、前記単一差動信号を生成するように動作可能である、差動磁場センサ。
  13. 請求項1記載の差動磁場センサであって、更に、
    第3対の磁場検知エレメントを備え、前記第3対の磁場検知エレメントによって定められた第3検知軸を有する第3差動チャネルと、
    第4対の磁場検知エレメントを備え、前記第4対の磁場検知エレメントによって定められた第4検知軸を有する第4差動チャネルと、
    を備えており、
    前記第3検知軸が、前記第1検知軸と一直線状となって第1単一検知軸を形成し、前記第4検知軸が、前記第2検知軸と一直線状となって第2単一検知軸を形成し、前記第1および第2単一検知軸の各々と関連する前記2対の磁場検知エレメントが、少なくとも3つの磁場検知エレメントを含み、
    前記回路が、前記磁場検知エレメントに結合され、前記第3および第4差動チャネルに対して、配向角度に独立した振幅を有する第2単一差動信号を、第2出力として生成するために使用可能であり、
    前記出力が、回転速度情報を提供するために使用可能であり、前記第2出力が回転物標についての回転方向情報を生成するために使用可能である、差動磁場センサ。
  14. システムであって、
    物標プロファイルを有する回転物標と、
    前記物標プロファイルに近接して位置付けられた差動磁場センサと、
    を備えており、前記差動磁場センサが、
    第1対の磁場検知エレメントを備えており、前記第1対の磁場検知エレメントによって定められた第1検知軸と関連付けられている第1差動チャネルと、
    第2対の磁場検知エレメントを備えており、前記第2対の磁場検知エレメントによって定められた第2検知軸を有する第2差動チャネルと、
    を備えており、
    前記第2検知軸が、前記第1検知軸に対して一直線状になっておらず、前記第1検知軸が、物標プロファイルの基準軸に対して位置付けられ、前記第1検知軸と前記基準軸との間に配向角度を定め、
    前記磁場検知エレメントに結合されており、前記配向角度に独立である振幅を有する単一差動信号を出力として生成する回路を備えている、システム。
  15. 請求項14記載のシステムにおいて、前記磁場検知エレメントの対の各々における前記磁場検知エレメントの内一方が、前記第1および第2差動チャネルによって共有される、システム。
  16. 請求項14記載のシステムにおいて、前記第2検知軸が、前記第1検知軸に対してある角度をなし、前記角度が実質的に90度である、システム。
  17. 請求項14記載のシステムにおいて、前記磁場検知エレメントの対をなす各磁場検知エレメント間の間隔が、実質的に同じである、システム。
  18. 請求項14記載のシステムにおいて、前記磁場検知エレメントがいずれも、前記第1および第2差動チャネルによって共有されない、システム。
  19. 請求項14記載のシステムであって、更に、前記第1および第2対の磁場検知エレメントを含む少なくとも2対の磁場検知エレメントを備えており、前記少なくとも2対の磁場検知エレメントにおける磁場検知エレメントの数が、3よりも多い、システム。
  20. 請求項14記載のシステムにおいて、前記磁場検知エレメントの各々が、ホール効果エレメント、磁気抵抗(MR)エレメント、またはその他の種類の磁場検知エレメントのから選択された1つである、システム。
  21. 請求項14記載のシステムにおいて、前記検知エレメントの各々を実現するために用いられる材料が、IV−型半導体材料、またはIII−V型半導体材料から選択された1つである、システム。
  22. 請求項14記載のシステムにおいて、前記回路が、前記第1差動チャネルと関連する第1差動信号と、前記第2差動チャネルと関連する第2差動信号とを生成する回路を備えており、前記回路が、更に、前記第1および第2差動信号を入力として受け取り、出力として前記単一差動信号を生成する差動信号生成器を備えている、システム。
  23. 請求項22記載のシステムにおいて、前記第1および第2差動信号が、前記配向角度に依存する振幅を有する、システム。
  24. 請求項14記載のシステムにおいて、前記第1差動信号が第1振幅を有し、前記第2差動信号が第2振幅を有し、前記差動信号生成器が、前記第1振幅の絶対値が前記第2振幅の絶対値よりも大きいとき、前記第1差動信号を前記単一差動信号として選択するように動作可能であり、前記差動信号生成器が、前記第1振幅の絶対値が前記第2振幅の絶対値よりも大きくないとき、前記第2差動信号を前記単一差動信号として選択するように動作可能である、システム。
  25. 請求項16記載のシステムにおいて、前記回路が、更に、前記第1検知エレメントと関連する第1磁場検知出力信号と、前記第2検知エレメントと関連する第2磁場検知出力信号と、前記第3検知エレメントと関連する第3磁場検知出力信号とを入力として受け取る回路を備えており、前記差動信号生成器が、前記第1磁場検知出力信号、前記第2磁場検知出力信号、前記第3磁場検知出録信号、前記第1差動信号、および前記第2差動信号の内いずれか2つ以上を数学的に組み合わせることによって、前記単一差動信号を生成するように動作可能である、システム。
  26. 請求項14記載のシステムにおいて、前記回転物標が磁性体物標であり、前記物標プロファイルが交互する磁極を備えている、システム。
  27. 請求項14記載のシステムにおいて、前記回転物標が鉄含有物標であり、前記物標プロファイルが歯および谷の構造を備えている、システム。
  28. 請求項14記載のシステムにおいて、前記差動磁場センサが、更に、
    第3対の磁場検知エレメントを備え、前記第3対の磁場検知エレメントによって定められた第3検知軸を有する第3差動チャネルと、
    第4対の磁場検知エレメントを備え、前記第4対の磁場検知エレメントによって定められた第4検知軸を有する第4差動チャネルと、
    を備えており、
    前記第3検知軸が、前記第1検知軸と一直線状となって第1単一検知軸を形成し、前記第4検知軸が、前記第2検知軸と一直線状となって第2単一検知軸を形成し、前記第1および第2単一検知軸の各々と関連する前記2対の磁場検知エレメントが、少なくとも3つの磁場検知エレメントを含み、
    前記回路が、前記磁場検知エレメントに結合され、前記第3および第4差動チャネルに対して、配向角度に独立した振幅を有する第2単一差動信号を、第2出力として生成するために使用可能であり、
    前記出力が、回転速度情報を提供するために使用可能であり、前記第2出力が回転物標についての回転方向情報を生成するために使用可能である、システム。
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