JP2014510183A - 水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量の低減方法 - Google Patents

水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量の低減方法 Download PDF

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Abstract

水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量の低減方法は、a)水溶性セルロース誘導体の2重量%水溶液における非水溶性繊維の残留量が20重量ppm以上である、水溶性セルロース誘導体を提供する工程、b)50℃以上の温度を有し、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、35〜90%の含液率を有する湿潤水溶性セルロース誘導体を生成させるために、混合機内において、工程a)の水溶性セルロース誘導体を液体と混合する工程、及び、c)乾燥及び粉砕したセルロース誘導体を得るために、気流式衝撃型粉砕機内において工程b)の混合物を乾燥及び粉砕する工程を含む。

Description

本発明は、セルロースエーテルのような水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量を低減する方法に関する。
水溶性セルロースエーテルなどの水溶性セルロース誘導体は、分子内に結晶部分と非晶質部分とを有するセルロースを、結晶部分を非晶質部分に転化させてセルロース誘導体を水溶性とするために、エーテル化剤などの誘導体化剤で処理することによって得られる。
セルロースの結晶化度は、セルロース分子の骨格構造を構築する分子内のヒドロキシル基の間の水素結合に大きく起因するものと考えられる。この水素結合は、水中の水分子との水和を妨げるほど強いため、セルロースは非水溶性である。セルロースエーテルなどのセルロース誘導体の調製において、セルロースは、NaOHなどのアルカリ性水溶液により処理されて、結晶性を破壊するアルカリセルロースに転化され、そして、エーテル化剤などの誘導体化剤と反応し、誘導体化剤が前記セルロースのヒドロキシル基と置換されてセルロース誘導体を形成する。
セルロース誘導体は、透明な水溶液を形成するために、水に完全溶解できることが理想である。しかしながら、市販の水溶性セルロース誘導体は、前記アルカリセルロースにおいて結晶性が完全に消失していないため、濾過などによって水溶性セルロース誘導体から除去するのが難しく、除去に時間の掛かる非水溶性部分を、部分的に含み得るのである。しかしながら、所定残留量の非水溶性繊維は、多くの最終用途においては望ましくない。例えば、水溶性セルロース誘導体は、クリアシャンプー/リンス、ヘアコンディショナー、点眼薬、コンタクトレンズ洗浄剤用の増粘剤として、また、カプセル製造の際の浸漬溶液用製剤、クリアな錠剤コーティングのための製剤等として用いられている。これらの用途では、製品がクリアであることが望まれる。
水溶性セルロース誘導体の水性溶液中における実質的な量の非水溶性繊維が、透明性の低下をもたらす。また、ダウケミカル社から市販されているMETHOCELTMF4Mセルロースエーテル及びMETHOCELTMA4Mセルロースエーテルのような特定のセルロースエーテルは、触媒の担体又は排ガス処理用の触媒フィルターとして用いられる薄壁ハニカム構造体のようなセラミック形成材料用のバインダー/可塑剤として用いることができる。実質的な量の非水溶性繊維を有する水溶性セルロース誘導体が、薄壁ハニカム構造体のバインダー/可塑剤として使用されると、薄壁ハニカム構造体の安定性の低下やピンホール等の欠陥をもたらすこととなる。
日本の公開特許公報の特開平1−111770号公報には、0.1wt%水溶液の2cm3中に存在する、8〜200μmの径を有する未溶解繊維が1000個以下であるセルロース誘導体を、セラミック材料の成形用バインダーとして組み込むことが示唆されている。特開平1−111770号公報には、このセルロース誘導体を用いると、焼結後に細孔の形成されていない成形品が得られることが開示されている。
欧州特許出願公開第1375523号明細書には、使用する前に、セルロースエーテルの水溶液を濾過して、分子レベルで溶解しなかった部分を除去することが開示されている。しかしながら、欧州特許出願公開第1375523号明細書には、濾過工程においてフィルターが頻繁に目詰まりし、工業生産の妨げとなることも開示されている。この問題を解決するために、欧州特許出願公開第1375523号明細書は、25℃の0.1wt%水溶液中に、16〜200μmのサイズを有する未溶解繊維数が350個/2ml以下である、水溶性セルロースエーテルの選定方法が示唆されている。そのような選定された水溶性セルロースエーテルの水溶液は、63μm未満の開口を有する金属メッシュの目詰まりを最小限に抑えるとされている。
特開平1−111770号公報 欧州特許出願公開第1375523号明細書
しかしながら、未溶解繊維を低レベルで含有するセルロースエーテルを選定するだけでなく、水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量を低減する方法を見出すことが、強く求められている。
驚くべきことに、水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量を低減する方法が見出された。それは、以下の各工程、
a)水溶性セルロース誘導体の2重量%水溶液における非水溶性繊維の残留量が20重量ppm以上である、水溶性セルロース誘導体を提供する工程、
b)50℃以上の温度を有し、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、35〜90%の含液率を有する湿潤水溶性セルロース誘導体を生成させるために、混合機内において、工程a)の水溶性セルロース誘導体を液体と混合する工程、及び、
c)乾燥及び粉砕したセルロース誘導体を得るために、気流式衝撃型粉砕機(gas-swept impact mill)内において、工程b)の混合物を乾燥及び粉砕する工程、
を含む。
水溶性セルロース誘導体の2重量%水溶液における非水溶性繊維の残留量が20重量%ppm以上である水溶性セルロース誘導体が、本発明の方法の出発材料として使用される。2wt%の前記セルロース誘導体の脱イオン水溶液における、水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維の残存量は、Optical Control Systems社(ドイツ、Wullener Feld 46、D-58454 Witten)から入手可能であり、コンピュータシステム、電荷結合素子(CCD)カメラ及び1mmのフローセルからなる、光学制御システムLA−20液体分析器(Optical Control Systems LA-20 Liquid Analyzer)を用いた画像解析によって、室温で測定する。このシステムは、各画像又はフレームを解析し、それぞれの未溶解繊維の領域を測定し、次いで、相対的な総粒子面積を算出するために1500フレームに亘るデータを蓄積する。測定された相対的な総粒子面積から非水溶性繊維のppmを決定するために、1000ppm〜1ppmの濃度範囲の粉砕Cellunier−Fの木材パルプの一連の10種類の水性懸濁液を調製し、較正目的で、各懸濁液における前記木材セルロース繊維の前記相対的な総粒子面積を上記のように測定する。
20℃の2重量%水溶液中で測定される公称粘度の範囲が1.2mPa・s以上、20,000mPa・s未満である、水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維の残存量を測定するために、前記セルロース誘導体の2重量%水溶液を調製し、室温(20℃)において、残存するセルロース繊維の相対的な総粒子面積を上記のように測定する。非水溶性繊維のppmは、較正目的で使用した粉砕Cellunier−Fの木材パルプの一連の水性懸濁液を用いて決定する。20,000mPa・s以上の公称粘度を有するセルロース誘導体を調製し、1%(wt/wt)水溶液として測定する。報告された繊維含量を、1%溶液で得られた結果に基づいて、2%試料溶液の量として算出する。
好ましいセルロース誘導体は、セルロースエステル又はセルロースエーテルである。好適なセルロースエーテルは、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシ−C1−C3−アルキルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースなどのカルボキシ−C1−C3−アルキルヒドロキシ−C1−C3−アルキルセルロース、メチルセルロースなどのC1−C3−アルキルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はエチルヒドロキシエチルセルロースなどのC1−C3−アルキルヒドロキシ−C1-3−アルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシ−C1-3−アルキルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、又はアルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースであって、アルコキシ基が、直鎖又は分岐鎖であり、2〜8個の炭素原子を含有するものなどの混合ヒドロキシ−C1−C3−アルキルセルロースである。
セルロース誘導体は水溶性であり、ここで、水溶性とは、25℃、1気圧における蒸留水100gに対して、一般に1g以上、より好ましくは2g以上、最も好ましくは5g以上の溶解度を有することを意味する。最も好ましい水溶性セルロースエーテルは、置換基のメチル化度(DSmethyl)が1.2〜2.2、好ましくは1.5〜2.0のメチルセルロース、DSmethylが0.9〜2.2、好ましくは1.1〜2.0で、MShydroxypropylが0.02〜2.0、好ましくは0.1〜1.2のヒドロキシプロピルメチルセルロース、DSmethylが1.15〜2.3、好ましくは1.15〜2.2で、MShydroxyethylが0.03〜1.0、好ましくは0.05〜0.9のヒドロキシエチルメチルセルロース、又はMShydroxyethylが1.2〜3.0、好ましくは1.45〜2.2のヒドロキシエチルセルロースである。エーテル側基、すなわち、DSmethyl、MShydroxyethyl及びMShydroxypropylの測定は、K.L. Ketterer, W.E. Kester, D.L. Wiederrich, and J.A. Grover, Determination of Alkoxyl Substitution in Cellulose Ethers by Zeisel-Gas Chromatographie, Analytical Chemistry(Vol. 51, No. 13, Nov 1979, 2172-76)に記載された手段により実施することができる。
水溶性セルロース誘導体の粘度は、広範囲に亘って変えることができる。本発明の一態様では、セルロース誘導体の粘度は、150mPasより大きく、好ましくは500〜200,000mPas、より好ましくは500〜100,000mPas、最も好ましくは1000〜80,000mPas、特に1000〜60,000mPasであり、この場合の粘度は、20℃、剪断速度2.55s-1、コーン・プレートジオメトリー(CP−60/2°)を備えたHaake RS600 レオメーターを用いて、20℃の1.5重量%水溶液中で測定されるものである。また、本発明の別の態様では、セルロース誘導体の粘度は、1.2〜200mPas、好ましくは2〜100mPas、更に好ましくは2.5〜50mPas、特に3〜30mPasであり、この場合の粘度は、ASTM D2363−79(2006年再承認)に従って、20℃の2重量%水溶液中で測定されるものである。このような低粘度セルロース誘導体は、高粘度セルロース誘導体の部分分解を利用した公知の方法によって製造することができる。
水溶性セルロース誘導体は、公知の方法で製造することができる。第一の工程i)において、セルロースが、アルカリセルロースを生成させるために、アルカリ金属水酸化物で処理される。工程i)は、所定のアルカリ金属セルロースを得るために、通常、混合機内において、粉砕されたセルロースの水溶液、好ましくは35〜60wt%水溶液と、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムとの均質混合によって行われる。公知の方法としては、好適な混合装置内における噴霧アルカリ化処理があり、これは、前記混合装置内において、粉砕セルロースにアルカリ金属水酸化物の溶液を噴霧するものである。或いは、粉砕セルロースを懸濁媒体中に懸濁させ、アルカリ金属水酸化物を添加するという方法もある。スラリーアルカリ化処理は、セルロースを水酸化ナトリウム水溶液中に懸濁させた後、過剰の水酸化ナトリウムを除去するために、スクリュー圧縮又はふるいドラム圧縮を通過させるものである。アルカリ金属水酸化物の水溶液による前記セルロースの処理は、時折、前記セルロースの結晶性を排除しきれない。セルロースをアルカリセルロースに完全に変換することが望ましいが、製造工程における制約によって、未反応セルロースが残留し得る。例えば、セルロース(パルプ)の粉砕方法が、アルカリ化反応中に、反応しない、反応容器のデッドゾーンを形成する又は水酸化ナトリウムを不均一に分散させる、望ましくない過大サイズの粒子を生じ得るというように、反応条件が未反応セルロース量の増加をもたらすことは、当業者にとって既知である。
更なる工程ii)において、前記アルカリセルロースを、水溶性セルロース誘導体を生成させるために、誘導体化剤と反応させる。好ましい誘導体化剤は、エステル化剤又はエーテル化剤であり、例えば、塩化メチルなどのハロゲン化アルキル、及び/又は、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドなどのヒドロキシアルキル化剤である。
更なる工程iii)において、生成された水溶性セルロース誘導体は、通常、副生成物を除去するために、洗浄される。好ましい洗浄液は、セルロース誘導体の種類に依存し得るが、好ましい洗浄液は、一般に、水、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン又は食塩水である。より好ましい洗浄液は、一般的に水や食塩水である。セルロース誘導体は、一般的に20〜120℃、好ましくは65〜95℃の温度で洗浄する。洗浄工程及び洗浄液からセルロース誘導体を分離する分離工程の後に、溶剤に湿潤した、好ましくは水に湿潤した濾過ケーキが得られる。洗浄工程後のセルロース誘導体は、一般的に、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して30〜60%、通常は45〜55%の含液率を有する。この湿潤セルロース誘導体は、以下に更に説明するように、工程b)における追加量の液体と混合することができる。
別の方法によれば、洗浄後の湿潤水溶性セルロース誘導体を、直接、工程b)の追加量の液体と混合せずに、洗浄後の湿潤水溶性セルロース誘導体を乾燥工程に供してから、液体と混合する。
工程b)の前に、洗浄後の水溶性セルロース誘導体を部分乾燥又は完全乾燥することは、例えば、工程b)で使用される液体と異なる液体でセルロース誘導体を洗浄するため、又は、例えば、工程iii)の洗浄工程が異なる場所で行われるなどの製造工程における制約のために異なる洗浄液が使用されるとしても、有用である。
湿潤セルロース誘導体の総重量に対する含液率が、一般に30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、特に5%未満である水溶性セルロース誘導体を得るために、洗浄後のセルロースエーテルは、公知の方法、例えば、ルイビルドライヤー社(米国ルイビル)から市販されている蒸気管乾燥機のような接触乾燥機、又は、クラウス・マッフェイ(ドイツ)から市販されているプレートドライヤーなどを使用することにより、乾燥することができる。
しかしながら、水溶性セルロース誘導体が本発明の方法の工程b)に供される前に、任意に乾燥した水溶性セルロース誘導体は、ボールミルによる粉砕工程に供されないことが好ましい。更に好ましくは、前記水溶性セルロース誘導体が本発明の方法の工程b)に供される前に、水溶性セルロース誘導体は、いかなる粉砕工程にも供されないことが好ましい。驚くべきことに、前記水溶性セルロース誘導体が粉砕工程に供されていない場合、特に、前記水溶性セルロース誘導体がボールミルによる粉砕工程に供されていない場合に、本発明の方法は、非水溶性繊維量をより効果的に除去することができることが判明した。
本発明の方法の工程a)において、前記セルロース誘導体の2重量%脱イオン水溶液における非水溶性繊維の残存量が、20ppm以上、一般的には50ppm以上、典型的には100ppm以上、更に典型的には150ppm以上、特には200ppm以上、更に特には300ppm以上、最も特には500ppm以上である水溶性セルロース誘導体が提供される。前記水溶性セルロース誘導体は、非水溶性繊維の残存量が、典型的には5000ppm以下、より典型的には2000ppm以下、最も典型的には1000ppm以下である。製造した水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維の残存量は、上記のように測定することができる。
このような水溶性セルロースエーテルを出発物質として使用した場合、非水溶性繊維量の大幅な削減を達成することができる。この非水溶性繊維量の低減は、通常15%以上、典型的には30%以上、多くの場合には50%、最適な条件下では85%以上達成することができる。
工程a)において供給される水溶性セルロース誘導体の含液率及び温度は、広い範囲で変えることができる。水溶性セルロース誘導体の含液率は、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、一般に1〜60%、典型的には2〜55%である。水溶性セルロース誘導体の温度は、一般に10℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上であり、一般に95℃以下、好ましくは85℃以下、より好ましくは75℃以下である。工程a)において供給される水溶性セルロース誘導体の含液率及び温度は、上記のように、一般的に工程iii)に依存する。
本発明の工程b)において、工程a)で供給された前記水溶性セルロース誘導体を、50℃以上の温度を有し、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、35〜90%の含液率を有する湿潤水溶性セルロース誘導体を生成させるために、混合機内で液体と混合させる。
有用な液体としては、例えば、水、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、食塩水などが挙げられる。最も好ましくは、水が使用される。水溶性セルロース誘導体に添加する液体の量は、工程a)において供給されるセルロース誘導体の含液率を基にして調整する。湿潤水溶性セルロース誘導体における湿潤セルロース誘導体の総重量に対する含液率が、35%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、90%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは75%以下となるように、工程b)において十分な量の液体が添加される。
本発明の方法の工程b)において、前記水溶性セルロース誘導体の温度を、50℃以上、好ましくは55℃以上、更に好ましくは58℃以上に調整することが不可欠である。実用的な理由から、湿潤水溶性セルロース誘導体の温度は、一般に95℃以下、好ましくは85℃以下、更に好ましくは75℃以下、最も好ましくは70℃以下に調整される。好ましくは、水溶性セルロース誘導体の温度を、上記範囲内で、10秒〜5分間、より好ましくは30分〜180分間維持する。湿潤水溶性セルロース誘導体の温度は、その温度に応じた液体の温度を選択することによって、及び/又は、例えば、ジャケットが設けられた混合機などの温度制御が可能な混合機を用いることによって、調整することができる。
工程a)において供給されるセルロース誘導体によっては、工程b)の温度制御において冷却又は加熱を要する。例えば、溶媒湿潤、好ましくは含水セルロース誘導体が、製造後に、例えば、65〜95℃の温度の加熱洗浄液を用いて前記セルロース誘導体を直接洗浄して得られたものであり、工程a)における出発物質として使用される場合は、前記セルロース誘導体を、50℃未満の温度とならないように冷却する。工程a)における出発物質が50℃未満の温度を有する場合は、工程b)において50℃以上となるように加熱する。
驚くべきことに、工程b)における水溶性セルロース誘導体の温度が50℃以上に調整されている場合、特に、前記水溶性セルロース誘導体が本発明の方法の工程b)に供される前に、前記水溶性セルロース誘導体が、ボールミルによる粉砕工程に供されていない場合は、概して非水溶性セルロース繊維量のより効率的な低減が達成されることが判明した。50℃という温度は、セルロース誘導体の熱凝集点よりも十分高い温度である。この知見は、熱凝集点を有するセルロース誘導体、好ましくはセルロースエーテルが、繊維状構造体が大幅に失われるようにその凝集点未満の温度まで冷却されることによって、濡れた状態又は溶液状態とされた後、前記セルロースエーテルが、過熱水蒸気によって乾燥・粉砕装置内で変換されるという米国特許第6320043号明細書における教示と反するものである。
工程b)で使用される混合機は、徹底した強力な混合ができるものが好ましい。有用な混合機は、例えば、造粒機、混練機、押出機、圧縮機又はローラーミルであり、前記セルロース誘導体及び液体の混合物は、二軸スクリュー混合機のように剪断力及び混合が適用されることによって均一化する。また、混合機は、共回転機も逆回転機も用いることができる。二軸混合機の場合のように互いに深く噛み合い、相互剥離作用を生じさせる2つの水平に配置された攪拌翼を備えた、いわゆる分割トラフ混練機(divided trough kneaders)が特に好適である。
好適な単軸連続混練機としては、いわゆるReflector(商標)が含まれ、これは、加熱冷却可能なマルチパート混合シリンダーと、片側に取り付けられたブレードミキサーとから成る、モジュール構造の高性能ミキサーである(製造業者:Lipp、ドイツ)。また、いわゆるピンシリンダー押出機やStiftconvert(商標)押出機(製造業者:Berstorff、ドイツ)も好適である。ハウジング内に組み込まれたピンは、混練材料が軸と共に回転するのを防止する橋台(abutment)として機能する。
いわゆるダブルブレードシグマ攪拌機(製造業者:FIMA、ドイツ)を横組み装備した混練ミキサーが、特に適している。各ブレードは異なる速度で動作し、それらの回転方向を反転させることもできる。また、垂直に配置された撹拌軸を備える撹拌容器も、混練物が攪拌軸と共に回転するのを防ぐのに適したフローバッフルが、前記容器の壁に取り付けられて集中的な混合作用が混練材料に付与されるような場合には、好適である(製造業者:バイエル社(Bayer AG))。さらに、遊星式撹拌機(planetary stirrer)とインラインホモジナイザーとを備えた二重壁混合容器も好適である。
工程b)で得られる混合物は、通常、湿潤した顆粒状、湿潤した塊状及び/又は湿潤したペースト状の湿潤セルロース誘導体である。工程c)において、前記セルロース誘導体は、気流式衝撃型粉砕機、好ましくは空気流衝撃型粉砕機内で乾燥及び粉砕工程にかけられ、衝撃及び/又は剪断応力に曝される。好ましい気流式衝撃型粉砕機は、ウルトラローターミル(Altenburger Maschinen Jaeckering、ドイツ)又はTurbofiner PLMミル((PALLMANN Maschinenfabrik GmbH & Co. KG、ドイツ)である。また、Hosokawa Alpine Air Classifierミル−ZPS Circoplex(ホソカワミクロン社、イギリス、チェシャー州)などのガス分別ミル(Gas classifier mills)なども、気流衝撃型粉砕機として有用である。
欧州特許出願第0954536号明細書(米国特許第6320043号明細書に相当)及び欧州特許出願第1127910号明細書(米国特許第7259257号明細書に相当)により詳細に記載されているように、過熱された蒸気、蒸気/不活性ガス混合物、又は、蒸気/空気混合物などの過熱された溶媒蒸気は、伝熱ガス及び搬送ガスとして用いることができる。
本発明の方法の工程c)の乾燥及び粉砕工程において、前記セルロース誘導体の含液率は、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、通常1〜20%、好ましくは1〜10%、更に好ましくは1〜5%減少する。乾燥及び粉砕装置の周速は、好ましくは35〜140m/s、更に好ましくは45〜110m/s、最も好ましくは55〜105m/sの範囲内に制御される。
乾燥及び粉砕されたセルロース誘導体は、通常、後述するようにガス分級に供されることが好ましい。微粉化した固体材料は、最終生成物として、乾燥及び粉砕装置の粉砕領域から搬送ガスと共に排出される。存在している可能性のある粗粒子含有物(grit content)は、微細物質から分離することができる。この粗粒子含有物は、乾燥及び粉砕装置の粉砕領域に戻してもよい。微粉化した固体粒子は、気流式衝撃型粉砕機の下流に配置された分離器によってガス流から分離されることが好ましい。前記分離器は、空気分級のような気体分級を行うように設計されているものが好ましい。例えば、サイクロン又はふるいのようなフィルタリング分離器などの遠心分離器を用いることができる。或いは、気流式衝撃型粉砕機の構造によっては、ガスの分級を気流式衝撃型粉砕機で行うこともできる。搬送ガスは、前記気流式衝撃型粉砕機に再循環させることができるが、搬送ガス中に残留する非水溶性繊維を除去するために、濾過することが好ましい。
乾燥及び粉砕工程後のセルロース誘導体は、好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上のメジアン粒子径DOP(50,3)を有している。前記セルロース誘導体は、好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、最も好ましくは50μm以下のメジアン粒子径DOP(50,3)を有している。この粒子径は、DOPと呼ばれている。このDOPは、好ましくは、粒径と形状解析とを組み合わせた高速画像解析システムにより測定される。この特定の画像解析法については、W. Witt, U. Kohler, J. List, Current Limits of Particle Size and Shape Analysis with High Speed Image Analysis(PARTEC 2007)に記載されている。
メジアン粒子径DOP(50,3)は、次のように定義される。すべての粒子サイズ分布、例えば、DOPは、数字(0)、長さ(1)、面積(2)又は容積(3)の分布として表示及び適用することができる。DOPの体積分布は、累積分布Q3として算出される。粒子径値DOP50,3内の体積分布は、カンマの後の数字3によって表記されている。メジアン値を反映する、50という表記は、粒子径分布の50%が所定値(μm)よりも小さく、50%が大きいことを意味する。この50%DOP値は、画像解析ソフトウェアによって算出される。
高速画像解析システムは、動的画像分析(DIA)システムQICPICTMとしてシンパテック社(ドイツ、クラウスタール=ツェラーフェルト)から市販されている。このシステムは、粒子の形状を分析し、粒子の縮みの可能性も考慮する。これは、他の方法よりも正確な真の粒子サイズの測定を提供するものである。動的画像分析(DIA)システムQICPICTMについては、Witt, W. , Kohler, U. , List, J.: Direct Imaging of very fast Particles Opens the Application of Powerful (dry) Dispersion for Size and Shape Characterization(PARTEC 2004、ドイツ、ニュルンベルク)により、更に詳細に説明されている。
乾燥及び粉砕工程後のセルロース誘導体は、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上、最も好ましくは100μm以上のメジアン粒子長を有する。また、前記セルロース誘導体は、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1500μm以下、最も好ましくは1000μm以下のメジアン粒子長を有する。
粒子長は、粒子輪郭の両端を結ぶ最長の直線距離として定義され、LOP(粒子長)と称される。ここで、「直線」とは、湾曲(loops)や分岐(branches)がないことを意味する。LOPは、好ましくは、粒径と形状解析とを組み合わせた高速画像解析システムにより測定される。この特定の画像解析法については、W. Witt, U. Kohler, J. List, Current Limits of Particle Size and Shape Analysis with High Speed Image Analysis(PARTEC 2007)に記載されている。
LOP(50,3)は、メジアン長さであり、以下のように定義される。 すべての粒子サイズ分布は、例えば、LOPは、数字(0)、長さ(1)、面積(2)又は容積(3)の分布として表示及び適用することができる。好ましくは、LOPの体積分布は、累積分布Q3として算出される。粒子長値LOP50,3内の体積分布は、カンマの後の数字3によって表記されている。メジアン値を反映する、50という表記は、粒子長分布の50%が所定値(μm)よりも小さく、50%が大きいことを意味する。この50%LOP値は、画像解析ソフトウェアによって算出される。高速画像解析システムは、上記したように、動的画像分析(DIA)システムQICPICTMとしてシンパテック社(ドイツ、クラウスタール=ツェラーフェルト)から市販されている。
上記したように、また、後述する実施例によって示されているように、本発明の方法によって、一般に15%以上、典型的には30%以上、多くの場合50%以上、最適な条件下では85%以上の非水溶性繊維の低減を達成することができる。本発明の方法によって製造された水溶性セルロース誘導体は、非水溶性繊維の残留量が低いため、透明な水溶液を調製することができる。したがって、本発明の方法によって製造された水溶性セルロース誘導体は、パーソナルケア用途、特に、クリアシャンプー/リンス、ヘアコンディショナー、点眼薬、コンタクトレンズ洗浄剤などの高いクリア性又は透明性を有する流体パーソナルケア組成物における増粘剤として、又は、カプセル製造用の浸漬溶液若しくはクリア錠剤コーティング用の配合物などのヘルスケア用途における補助剤として、非常に有用である。ヘルスケア用途などにおける水溶性セルロース誘導体は、好ましくは、本発明の方法によって製造され、ASTM D2363−79(2006年再承認)に従って、20℃の2重量%水溶液中で測定される粘度が、2〜200mPa・s、より好ましくは2〜100mPa・s、最も好ましくは2.5〜50mPa・s、特には3〜30mPa・sである水溶性セルロースエーテル、更に好ましくはメチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
ヘルスケア用途などにおいて、特に好ましくは、METHOCELTM A15 プレミアムLV メチルセルロース、METHOCELTM E5 プレミアムLV ヒプロメロース、METHOCELTM E15プレミアム ヒプロメロース、又はK3プレミアムLV ヒプロメロースという市販品として製造されているセルロースエーテルであり、製造後に粉砕工程にかけられず、直接本発明の方法に供される。クリアなカプセル又は透明性の高い錠剤コーティングを製造することができる。
さらに、本発明の方法によって製造され、20℃、剪断速度2.55s-1、コーン・プレートジオメトリー(CP−60/2°)を備えたHaake RS600 レオメーターを用いて、20℃の1.5重量%水溶液中で測定される粘度が、150mPa・sより大きく、好ましくは500〜200,000mPa・s、更に好ましくは1000〜80,000である水溶性セルロース誘導体、好ましくは水溶性セルロースエーテル、更に好ましくはメチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースは、触媒の担体や排ガス処理用の触媒フィルターなどに使用される薄壁ハニカム構造体のようなセラミック形成材料におけるバインダー/可塑剤として、特に有用である。そのようなセラミック形成材料におけるバインダー/可塑剤として、特に好ましくは、METHOCELTM F4M セルロースエーテル又はMETHOCELTM A4M セルロースエーテルという市販品として製造されているセルロースエーテルであり、製造後に粉砕工程にかけられず、直接、本発明の方法に供される。そのような水溶性セルロース誘導体をバインダー/可塑剤として用いることにより、高い安定性を有し、ピンホール等の欠陥が非常に少ない薄壁ハニカム構造体を製造することができる。
以下の実施例は、例証のみを目的としており、本発明の範囲を限定するものではない。特に断らない限り、すべての部及び%は重量基準である。
例1〜7
供給原料である乾燥したMETHOCELTM E10M セルロースエーテルに水を添加するために、市販の加熱及び冷却ジャケット付きの連続混合機を使用した。METHOCELTM E10M セルロースエーテルは、メトキシル基置換度が28〜30%であり、ヒドロキシプロポキシル基置換度が7〜12%であり、20℃の2%水溶液中で測定される粘度が10,000mPa・sであり、湿潤レベルが3%未満である。
例1〜5のセルロースエーテルは、市販のMETHOCELTM E10M セルロースエーテルと同様に製造したが、製造後に粉砕せずに、例1〜5において使用した。例6及び7のセルロースエーテルは、市販のMETHOCELTM E10M セルロースエーテルと同様に製造し、製造後にボールミルで粉砕した。
混合機ジャケットには、−10℃〜80℃の流体を供給した。前記セルロースエーテルは、30kg/hの供給速度で、連続的に前記混合機へと供給した。0℃〜60℃の温度の水を、33〜71kg/hの速度で、連続的に前記混合機内へ添加し、約54〜72%の湿潤レベルとした。湿潤生成物を、搬送ベルトを介して粉砕機供給部(Altenburger Maschinen Jaeckering社、ドイツ、ハム)に連続的に搬送した。撹拌槽の底刃により、ペーストを槽の底部に装着された単一の螺旋状スクリューに押し込んだ。第一及び第二の粉砕ステージの間に、湿潤した生成物を、Ultrarotor II S 衝撃型粉砕機(Altenburger Maschinen Jaeckering社、ドイツ、ハム)側に向けて多孔板を強制的に通過させた。この粉砕機には、7つの粉砕ステージが装備されている。下の3つの粉砕ステージが、標準粉砕バーに装備されている。ターボバーは、上の4つの粉砕ステージに設置されている。12枚の刃を有する共回転フィンガーふるいホイール(co-rotating finger sifter wheel)が、第7粉砕ステージの上面に設置されている。粉砕機ジャケットの内部には、標準アルテンブルガー(Altenburger)波形静止粉砕プレートが備えられている。
前記衝撃型粉砕機のロータを80〜114m/sの周速度で運転した。高温ガス流、すなわち窒素を、1000〜1400m3/hの速度で粉砕機の底部に供給した。前記窒素から乾燥した生成物を分離するために、サイクロンを使用した。最終生成物の水分は、1.1〜2.3重量%未満であった。
製造条件及び水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量を、以下の表1に示す。表1の結果は、水溶性セルロース誘導体が、本発明の方法の工程b)及びc)に供される前に、ボールミルによる粉砕工程に供されていない場合(例1〜5)は、ボールミルによる中間体が粉砕されている場合(例6及び7)よりも、効果的に繊維の低減が達成されることを示している。水溶性セルロース誘導体がボールミルによる粉砕工程に供されていない場合に(例1〜5)、本発明の工程c)の乾燥及び粉砕前の湿潤水溶性セルロース誘導体が、50以上の温度を有すると、かなり効果的に繊維の低減が達成されている。なお、すべての実施例及び比較例において、繊維の低減が達成されている。
Figure 2014510183

Claims (10)

  1. 水溶性セルロース誘導体中の非水溶性繊維量の低減方法であって、該方法は、
    a)水溶性セルロース誘導体の2重量%水溶液における非水溶性繊維の残留量が20重量ppm以上である、水溶性セルロース誘導体を提供する工程、
    b)50℃以上の温度を有し、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、35〜90%の含液率を有する湿潤水溶性セルロース誘導体を生成させるために、混合機内において、工程a)の水溶性セルロース誘導体を液体と混合する工程、及び、
    c)乾燥及び粉砕したセルロース誘導体を得るために、気流式衝撃型粉砕機内において、工程b)の混合物を乾燥及び粉砕する工程、
    を含む、前記方法。
  2. 工程a)に先立って、
    i)アルカリセルロースを生成させるために、セルロースをアルカリ金属水酸化物で処理する工程、
    ii)水溶性セルロース誘導体を生成させるために、前記アルカリセルロースを誘導体化剤と反応させる工程、及び、
    iii)水溶性セルロース誘導体を、後の乾燥工程の有無にかかわらず、副生成物を除去するために洗浄する工程、
    を行い、ボールミルによる粉砕工程は行わない、請求項1に記載の方法。
  3. 工程iii)において、前記水溶性セルロース誘導体が、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、30〜60%の含液率となるように、洗浄液によって洗浄され、そして、工程b)において、液体と混合される、請求項2に記載の方法。
  4. 工程iii)において、前記水溶性セルロース誘導体が、洗浄液によって洗浄され、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、30%未満の含液率となるように乾燥され、そして、工程b)において、液体と混合される、請求項2に記載の方法。
  5. 工程iii)において、前記水溶性セルロース誘導体が水によって洗浄される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記水溶性セルロース誘導体が、150ppm以上の残留量の非水溶性繊維を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程a)における前記水溶性セルロース誘導体が、工程b)において、湿潤セルロース誘導体の総重量に対して、50〜75%の含液率の湿潤水溶性セルロース誘導体となるように、混合機内で液体と混合される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程a)の前記水溶性セルロース誘導体が、55℃以上の温度の湿潤水溶性セルロース誘導体となるように、工程b)において、混合機内で液体と混合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程b)において、水性液体が使用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 乾燥及び粉砕されたセルロース誘導体が、ガス分級に供される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
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