(詳細な説明)
本明細書に記載の開示を理解しやすくするために、いくつかの用語を以下に定義する。
一般に、本明細書で使用される命名法、並びに本明細書に記載される有機化学、医薬品化学、及び薬理学における検査法は、当技術分野で周知でありかつ一般に利用されるものである。特に定義されない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は全て、通常、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
用語「対象」は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含む、動物を指す。用語「対象」及び「患者」は、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒト対象、一実施態様において、ヒトに関して、本明細書で互換的に使用される。
用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療」は、障害、疾患、もしくは疾病、又は該障害、疾患、もしくは疾病と関連する症状の1つもしくは複数を緩和又は解消すること;或いは該障害、疾患、又は疾病自体の原因(複数可)を緩和又は根絶することを含むことが意図される。
用語「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防」は、障害、疾患、もしくは疾病、及び/又はその付随する症状の発症を遅延させ、及び/又は防止する方法;対象が障害、疾患、もしくは疾病に罹るのを阻止する方法;或いは対象が障害、疾患、もしくは疾病に罹るリスクを低下させる方法を含むことが意図される。
用語「治療的有効量」は、投与されたときに、治療されている障害、疾患、もしくは疾病の症状の1つもしくは複数の発生を予防するか、又はそれをある程度緩和するのに十分である化合物の量を含むことが意図される。用語「治療的有効量」は、研究者、獣医、医師、又は臨床医によって求められている、生体分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、もしくはDNA)、細胞、組織、系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発するのに十分である化合物の量も指す。
用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」は、医薬として許容し得る材料、組成物、又はビヒクル、例えば、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料を指す。一実施態様において、各々の構成要素は、医薬製剤の他の成分と適合性があり、かつ過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又は他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織又は器官と接触させて使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に見合うものであるという意味において「医薬として許容し得る」。レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy), 第21版, Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2005;医薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients), 第5版, Roweら編, The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;医薬添加物のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives), 第3版, Ash及びAsh編, Gower Publishing Company: 2007;医薬予備製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation), 第2版, Gibson編, CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2009を参照されたい。
用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、当業者によって決定される特定の値についての許容し得る誤差を意味し、これは、1つには、該値がどのようにして測定又は決定されるかによって決まる。ある実施態様において、用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。ある実施態様において、用語「約(about)」又は「約(approximately)」は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
用語「活性成分」及び「活性物質」は、障害、疾患、又は疾病の1以上の症状を治療、予防、又は改善するために、単独で、又は1以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合わせて対象に投与される化合物を指す。本明細書で使用されるように、「活性成分」及び「活性物質」は、本明細書に記載の化合物の光学活性異性体であり得る。
用語「薬物」、「治療剤」、及び「化学療法剤」は、障害、疾患、又は疾病の1以上の症状を治療、予防、又は改善するために対象に投与される、化合物又はその医薬組成物を指す。
用語「天然に存在する」又は「ネイティブな」は、生体材料、例えば、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞などとの関連で使用されるとき、天然に見出され、かつヒトによって操作されていない材料を指す。同様に、「非天然に存在する」又は「非ネイティブな」は、天然には見出されない材料、又はヒトによって構造修飾されたもしくは合成された材料を指す。
用語「PI3K」は、PIのイノシトール環をD-3位でリン酸化することができるホスホイノシチド3-キナーゼ又はその変異体を指す。用語「PI3K変異体」は、ネイティブなPI3Kと実質的に相同なタンパク質、すなわち、ネイティブなPI3Kのアミノ酸配列と比べて、1以上の天然又は非天然に存在するアミノ酸欠失、挿入、又は置換を有するタンパク質(例えば、PI3K誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図される。PI3K変異体のアミノ酸配列は、ネイティブなPI3Kと少なくとも約80%同一であるか、少なくとも約90%同一であるか、又は少なくとも約95%同一である。PI3Kの例としては、p110α、p110β、p110δ、p110γ、PI3K-C2α、PI3K-C2β、PI3K-C2γ、Vps34、mTOR、ATM、ATR、及びDNA-PKが挙げられるが、これらに限定されない。Fryの文献、Biochem. Biophys. Acta 1994, 1226, 237-268;Vanhaesebroeck及びWaterfieldの文献、Exp. Cell. Res. 1999, 253, 239-254;及びFryの文献、Breast Cancer Res. 2001, 3, 304-312を参照されたい。PI3Kは少なくとも4つのクラスに分類される。クラスIには、p110α、p110β、p110δ、及びp110γが含まれる。クラスIIには、PI3K-C2α、PI3K-C2β、及びPI3K-C2γが含まれる。クラスIIIには、Vps34が含まれる。クラスIVには、mTOR、ATM、ATR、及びDNA-PKが含まれる。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、p110α、p110β、p110δ、又はp110γである。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼの変異体である。ある実施態様において、PI3Kは、p110α突然変異体である。p110α突然変異体の例としては、R38H、G106V、K111N、K227E、N345K、C420R、P539R、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、Q546P、E453Q、H710P、I800L、T1025S、M1043I、M1043V、H1047L、H1047R、及びH1047Yが挙げられるが、これらに限定されない(Ikenoueらの文献、Cancer Res. 2005, 65, 4562-4567;Gymnopoulosらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci., 2007, 104, 5569-5574)。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIIキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3K-C2α、PI3K-C2β、又はPI3K-C2γである。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIIIキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、Vps34である。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、mTOR、ATM、ATR、又はDNA-PKである。
用語「PI3K媒介性の障害、疾患、又は疾病」及び「PI3Kによって媒介される障害、疾患、又は疾病」は、異常な又は無調節な、例えば、正常に満たない又は正常を超えるPI3K活性を特徴とする障害、疾患、又は疾病を指す。異常なPI3K機能活性は、例えば、PI3Kの突然変異によって引き起こされる、細胞内でのPI3K過剰発現、通常はPI3Kを発現しない細胞内でのPI3Kの発現、又は構成的活性化による調節異常の結果として生じ得る。PI3K媒介性の障害、疾患、又は疾病は、異常なPI3K活性によって完全に又は部分的に媒介され得る。特に、PI3K媒介性の障害、疾患、又は疾病は、PI3K活性の調節により、基礎にある障害、疾患、又は疾病に対する何らかの効果がもたされ、例えば、PI3K阻害剤により、治療されている患者の少なくとも一部においてある程度の改善がもたらされる、障害、疾患、又は疾病である。
用語「p110δ媒介性の障害、疾患、又は疾病」、「p110δによって媒介される障害、疾患、又は疾病」、「PI3Kδ媒介性の障害、疾患、又は疾病」、及び「PI3Kδによって媒介される障害、疾患、又は疾病」は、異常な又は無調節な、例えば、正常に満たない又は正常を超えるp110δ活性を特徴とする障害、疾患、又は疾病を指す。異常なp110δ機能活性は、例えば、p110δの突然変異によって引き起こされる、細胞内でのp110δ過剰発現、通常はp110δを発現しない細胞内でのp110δの発現、又は構成的活性化による調節異常の結果として生じ得る。p110δ媒介性の障害、疾患、又は疾病は、異常なp110δ活性によって完全に又は部分的に媒介され得る。特に、p110δ媒介性の障害、疾患、又は疾病は、p110δ活性の調節により、基礎にある障害、疾患、又は疾病に対する何らかの効果がもたされ、例えば、p110δ阻害剤により、治療されている患者の少なくとも一部においてある程度の改善がもたらされる、障害、疾患、又は疾病である。
用語「アルキル」は、線状又は分岐状飽和一価炭化水素ラジカルを指し、ここで、該アルキレンは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。特に規定されない限り、用語「アルキル」はまた、線状アルキルと分岐状アルキルの両方を包含する。ある実施態様において、アルキルは、1〜20個(C1-20)、1〜15個(C1-15)、1〜10個(C1-10)、もしくは1〜6個(C1-6)の炭素原子を有する線状飽和一価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素ラジカルである。本明細書で使用されるように、線状C1-6及び分岐状C3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも呼ばれる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(全ての異性体形態を含む)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル(全ての異性体形態を含む)、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル(全ての異性体形態を含む)、及びヘキシル(全ての異性体形態を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C1-6アルキルは、1〜6個の炭素原子の線状飽和一価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素ラジカルを指す。
用語「アルキレン」は、線状又は分岐状飽和二価炭化水素ラジカルを指し、ここで、該アルキレンは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。特に規定されない限り、用語「アルキレン」はまた、線状アルキレンと分岐状アルキレンの両方を包含する。ある実施態様において、アルキレンは、1〜20個(C1-20)、1〜15個(C1-15)、1〜10個(C1-10)、もしくは1〜6個(C1-6)の炭素原子を有する線状飽和二価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素ラジカルである。本明細書で使用されるように、線状C1-6及び分岐状C3-6アルキレン基は、「低級アルキレン」とも呼ばれる。アルキレン基の例としては、メチレン、エチレン、プロピレン(全ての異性体形態を含む)、n-プロピレン、イソプロピレン、ブチレン(全ての異性体形態を含む)、n-ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、ペンチレン(全ての異性体形態を含む)、及びヘキシレン(全ての異性体形態を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C1-6アルキレンは、1〜6個の炭素原子の線状飽和二価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素ラジカルを指す。
用語「ヘテロアルキレン」は、炭化水素鎖中に、O、S、及びNから各々独立に選択される1以上のヘテロ原子を含む線状又は分岐状飽和二価炭化水素ラジカルを指す。例えば、C1-6ヘテロアルキレンは、1〜6個の炭素原子の線状飽和二価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素ラジカルを指す。ある実施態様において、ヘテロアルキレンは、1〜20個(C1-20)、1〜15個(C1-15)、1〜10個(C1-10)、もしくは1〜6個(C1-6)の炭素原子を有する線状飽和二価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素ラジカルである。本明細書で使用されるように、線状C1-6及び分岐状C3-6ヘテロアルキレン基は、「低級ヘテロアルキレン」とも呼ばれる。ヘテロアルキレン基の例としては、-CH2O-、-CH2OCH2-、-CH2CH2O-、-CH2NH-、-CH2NHCH2-、-CH2CH2NH-、-CH2S-、-CH2SCH2-、及び-CH2CH2S-が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、ヘテロアルキレンはまた、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
用語「アルケニル」は、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの、別の実施態様において、1つの炭素-炭素二重結合を含む、線状又は分岐状一価炭化水素ラジカルを指す。アルケニルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。用語「アルケニル」は、当業者によって認識されるように、「シス」及び「トランス」配置、或いは「Z」及び「E」配置を有するラジカルも包含する。本明細書で使用されるように、用語「アルケニル」は、特に規定されない限り、線状アルケニルと分岐状アルケニルの両方を包含する。例えば、C2-6アルケニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和一価炭化水素ラジカルを指す。ある実施態様において、アルケニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状一価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状一価炭化水素ラジカルである。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、及び4-メチルブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルケニレン」は、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの、別の実施態様において、1つの炭素-炭素二重結合を含む、線状又は分岐状二価炭化水素ラジカルを指す。アルケニレンは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。同様に、用語「アルケニレン」は、「シス」及び「トランス」配置、或いは「Z」及び「E」配置を有するラジカルも包含する。本明細書で使用されるように、用語「アルケニレン」は、特に規定されない限り、線状アルケニルと分岐状アルケニルの両方を包含する。例えば、C2-6アルケニレンは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和二価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和二価炭化水素ラジカルを指す。ある実施態様において、アルケニレンは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状二価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状二価炭化水素ラジカルである。アルケニレン基の例としては、エテニレン、アリレン、プロペニレン、ブテニレン、及び4-メチルブテニレンが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ヘテロアルケニレン」は、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの、別の実施態様において、1つの炭素-炭素二重結合を含み、かつ炭化水素鎖中に、O、S、及びNから各々独立に選択される1以上のヘテロ原子を含む、線状又は分岐状二価炭化水素ラジカルを指す。ヘテロアルケニレンは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。用語「ヘテロアルケニレン」は、当業者によって認識されるように、「シス」もしくは「トランス」配置又はその混合物、或いは「Z」もしくは「E」配置又はその混合物を有するラジカルを包含する。例えば、C2-6ヘテロアルケニレンは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和二価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和二価炭化水素ラジカルを指す。ある実施態様において、ヘテロアルケニレンは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状二価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状二価炭化水素ラジカルである。ヘテロアルケニレン基の例としては、-CH=CHO-、-CH=CHOCH2-、-CH=CHCH2O-、-CH=CHS-、-CH=CHSCH2-、-CH=CHCH2S-、又は-CH=CHCH2NH-が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキニル」は、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの、別の実施態様において、1つの炭素-炭素三重結合を含む、線状又は分岐状一価炭化水素ラジカルを指す。アルキニルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。用語「アルキニル」は、特に規定されない限り、線状アルキニルと分岐状アルキニルの両方を包含する。ある実施態様において、アルキニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状一価炭化水素ラジカル、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状一価炭化水素ラジカルである。アルキニル基の例としては、エチニル(-C≡CH)及びプロパルギル(-CH2C≡CH)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C2-6アルキニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素ラジカル又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和一価炭化水素ラジカルを指す。
用語「シクロアルキル」は、環状飽和架橋及び/又は非架橋一価炭化水素ラジカルを指し、これは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。ある実施態様において、シクロアルキルは、3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、又は3〜7個(C3-7)の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、デカリニル、及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「シクロアルケニル」は、環状不飽和の、非芳香族架橋及び/又は非架橋一価炭化水素ラジカルを指し、これは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。ある実施態様において、シクロアルケニルは、3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜10個(C3-10)、又は3〜7個(C3-7)の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、又はシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アリール」は、少なくとも1つの芳香族炭化水素環を含む、単環式芳香族基及び/又は多環式一価芳香族基を指す。ある実施態様において、アリールは、6〜20個(C6-20)、6〜15個(C6-15)、又は6〜10個(C6-10)の環原子を有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニル、及びターフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。アリールは、環の1つが芳香族であり、かつ環のその他が、飽和、部分不飽和、又は芳香族であり得る二環式又は三環式炭素環、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニル、又はテトラヒドロナフチル(テトラリニル)も指す。ある実施態様において、アリールは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
用語「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、1以上のアリール基で置換された一価アルキル基を指す。ある実施態様において、アラルキルは、7〜30個(C7-30)、7〜20個(C7-20)、又は7〜16個(C7-16)の炭素原子を有する。アラルキル基の例としては、ベンジル、2-フェニルエチル、及び3-フェニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、アラルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。
用語「ヘテロアリール」は、一価単環式芳香族基又は少なくとも1つの芳香族環を含む一価多環式芳香族基を指し、ここで、少なくとも1つの芳香族環は、該環の中に、O、S、N、及びPから独立に選択される1以上のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基は、その芳香族環を介して分子の残りの部分に結合している。ヘテロアリール基の各々の環は、1個もしくは2個のO原子、1個もしくは2個のS原子、1〜4個のN原子、及び/又は1個もしくは2個のP原子を含むことができ、但し、各々の環のヘテロ原子の総数は4個以下であり、各々の環は、少なくとも1つの炭素原子を含む。ある実施態様において、ヘテロアリールは、5〜20個、5〜15個、又は5〜10個の環原子を有する。単環式ヘテロアリール基の例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニル、及びトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジル、及びチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリール基の例としては、アクリジニル、ベンゾインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、及びキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、ヘテロアリールはまた、本明細書に記載の通りに、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
用語「ヘテロシクリル」又は「複素環式」は、一価単環式非芳香族環系又は少なくとも1つの非芳香族環を含む一価多環式環系を指し、ここで、該非芳香族環原子のうちの1つ又は複数は、O、S、N、又はPから独立に選択されるヘテロ原子であり;残りの環原子は、炭素原子である。ある実施態様において、ヘテロシクリル又は複素環式基は、3〜20個、3〜15個、3〜10個、3〜8個、4〜7個、又は5〜6個の環原子を有する。ヘテロシクリル基は、その非芳香族環を介して分子の残りの部分に結合している。ある実施態様において、ヘテロシクリルは、単環式、二環式、三環式、又は四環式環系であり、該環系は、スピロであっても、縮合されていても、架橋されていてもよく、また、該環系において、窒素原子又は硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意に四級化されていてもよく、いくつかの環は、部分もしくは完全飽和、又は芳香族であってもよい。ヘテロシクリルは、安定な化合物の生成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で主構造に結合していてもよい。そのような複素環式基の例としては、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル、及び1,3,5-トリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、ヘテロシクリルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されていてもよい。
用語「ハロゲン」、「ハロゲン化物」、又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、及び/又はヨウ素を指す。
用語「任意に置換される」は、基又は置換基、例えば、アルキル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アルケニル、アルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-6アルキル、及びヘテロシクリル基が、1以上の置換基Qで置換され得ることを意味することが意図され、該1以上の置換基Qの各々は、例えば、(a)オキソ(=O)、ハロ、シアノ(-CN)、及びニトロ(-NO2);(b)その各々が、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの置換基Qaでさらに任意に置換されている、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C(NRa)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)NRbRc、-OC(=NRa)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(=NRd)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NRbRc、-NRaS(O)2NRbRc、-P(O)RaRd、-P(O)(ORa)Rd、-P(O)(ORa)(ORd)、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S(O)NRbRc、及び-S(O)2NRbRcから独立に選択され、ここで、各々のRa、Rb、Rc、及びRdは、独立に、(i)水素;(ii)その各々が、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つの置換基Qaで任意に置換されている、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rb及びRcは、それらが結合しているN原子と一緒に、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つの置換基Qaで任意に置換された、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルを形成する。本明細書で使用されるように、置換することができる全ての基は、特に規定されない限り、「任意に置換される」。
一実施態様において、各々のQaは、(a)オキソ、シアノ、ハロ、及びニトロ;及び(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)NRfRg、-C(NRe)NRfRg、-ORe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)NRfRg、-OC(=NRe)NRfRg、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)NRfRg、-OS(O)2NRfRg、-NRfRg、-NReC(O)Rh、-NReC(O)ORh、-NReC(O)NRfRg、-NReC(=NRh)NRfRg、-NReS(O)Rh、-NReS(O)2Rh、-NReS(O)NRfRg、-NReS(O)2NRfRg、-P(O)ReRh、-P(O)(ORe)Rh、-P(O)(ORe)(ORh)、-SRe、-S(O)Re、-S(O)2Re、-S(O)NRfRg、及び-S(O)2NRfRgからなる群から独立に選択され;ここで、各々のRe、Rf、Rg、及びRhは、独立に、(i)水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(ii)Rf及びRgは、それらが結合しているN原子と一緒に、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルを形成する。
ある実施態様において、「光学活性のある」及び「エナンチオマー的に活性のある」は、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上のエナンチオマー過剰を有する、分子の集合体を指す。ある実施態様において、該化合物は、当該ラセミ化合物の総重量に基づいて、約95%以上の所望のエナンチオマー及び約5%以下のあまり好ましくないエナンチオマーを含む。
光学活性化合物を記載する際、接頭辞R及びSを用いて、分子の絶対配置をそのキラル中心(複数可)に関して示す。(+)及び(-)を用いて、化合物の旋光度、すなわち、偏光面が光学活性化合物によって回転する方向を示す。(-)の接頭辞は、化合物が左旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を左又は反時計回りに回転させることを示す。(+)の接頭辞は、化合物が右旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を右又は時計回りに回転させることを示す。しかしながら、旋光度の記号である(+)及び(-)は、分子の絶対配置R及びSとは関連しない。
用語「同位体変種」は、そのような化合物を構成する原子の1つ又は複数において非天然の割合の同位体を含有する化合物を指す。ある実施態様において、化合物の「同位体変種」は、非天然の割合の1以上の同位体を含有し、該同位体としては、水素(1H)、ジューテリウム(2H)、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、及びヨウ素-131(131I)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、化合物の「同位体変種」は、安定型、すなわち、非放射性である。ある実施態様において、化合物の「同位体変種」は、非天然の割合の1以上の同位体を含有し、該同位体としては、水素(1H)、ジューテリウム(2H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、リン-31(31P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、及びヨウ素-127(127I)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、化合物の「同位体変種」は、不安定型、すなわち、放射性である。ある実施態様において、化合物の「同位体変種」は、非天然の割合の1以上の同位体を含有し、該同位体としては、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、フッ素-18(18F)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-35(35S)、塩素-36(36Cl)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-129(129I)、及びヨウ素-131(131I)が挙げられるが、これらに限定されない。当業者の判断によって実現可能である場合、本明細書で提供される化合物において、任意の水素は、例えば、2Hであることができ、又は任意の炭素は、例えば、13Cであることができ、又は任意の窒素は、例えば、15Nであることができ、又は任意の酸素は、例えば、18Oであることができることが理解されるであろう。ある実施態様において、化合物の「同位体変種」は、非天然の割合のジューテリウム(D)を含有する。
用語「溶媒和物」は、化学量論的又は非化学量論的量で存在する、1以上の溶質分子、例えば、本明細書で提供される化合物、及び1以上の溶媒分子によって形成される複合体又は凝集体を指す。好適な溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及び酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、溶媒は、医薬として許容し得るものである。一実施態様において、該複合体又は凝集体は、結晶性形態である。別の実施態様において、該複合体又は凝集体は、非結晶性形態である。溶媒が水である場合、溶媒和物は、水和物である。水和物の例としては、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、及び五水和物が挙げられるが、これらに限定されない。
語句「そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグ」は、語句「その中に言及される化合物のエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;又はその中に言及される化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグ;又はその中に言及される化合物のエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグ」と同じ意味を有する。
(化合物)
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、
X、Y、及びZは、各々独立に、N又はCR
Xであり、但し、X、Y、及びZのうちの少なくとも2つは、窒素原子であり;ここで、R
Xは、水素又はC
1-6アルキルであり;
R
1及びR
2は、各々独立に、(a)水素、シアノ、ハロ、もしくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、もしくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;ここで、各々のR
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、(i)水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)R
1b及びR
1cは、それらが結合しているN原子と一緒に、ヘテロシクリルを形成し;
R
3及びR
4は、各々独立に、水素もしくはC
1-6アルキルであるか;又はR
3及びR
4は連結して、結合、C
1-6アルキレン、C
1-6ヘテロアルキレン、C
2-6アルケニレン、もしくはC
2-6ヘテロアルケニレンを形成し;
R
5a及びR
5bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、C
3-10シクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し;
R
5cは、C
6-14アリール、ヘテロアリール、C
7-15アラルキル、又はヘテロアリール-C
1-6アルキルであり;かつ
R
6は、水素、C
1-6アルキル、-S-C
1-6アルキル、-S(O)-C
1-6アルキル、又は-SO
2-C
1-6アルキルであり;
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
X、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
5a、R
5b、及びR
5c中の各々のアルキル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アルケニル、アルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-アルキル、及びヘテロシクリルは、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つの置換基Qで任意に置換されており、ここで、各々の置換基Qは、(a)オキソ、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)その各々が、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つの置換基Q
aでさらに任意に置換されている、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(NR
a)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各々のR
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素;(ii)その各々が、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、もしくは4つの置換基Q
aでさらに任意に置換されている、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)R
b及びR
cは、それらが結合しているN原子と一緒に、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、もしくは4つの置換基Q
aでさらに任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各々のQ
aは、(a)オキソ、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(NR
e)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
h、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gからなる群から独立に選択され;ここで、各々のR
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)R
f及びR
gは、それらが結合しているN原子と一緒に、ヘテロシクリルを形成する)。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-N-(1-フェニルシクロプロピル)-ピリミジン-2-アミンではない。ある実施態様において、式I中、XがCHであり、かつR5a及びR5bが、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロプロピルを形成するとき、R5cは、フェニルではない。ある実施態様において、式I中、XがCHであり、R5a及びR5bが、それらが結合している炭素原子と一緒にC3-10シクロアルキルを形成するとき、R5cは、フェニルではない。ある実施態様において、R5cは、フェニルではない。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、シクロプロピルを形成しない。
別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、
X、Y、及びZは、各々独立に、N又はCRXであり、但し、X、Y、及びZのうちの少なくとも2つは、窒素原子であり;ここで、RXは、水素又はC1-6アルキルであり;
R1及びR2は、各々独立に、(a)水素、シアノ、ハロ、もしくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(NR1a)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、もしくは-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、各々のR1a、R1b、R1c、及びR1dは、独立に、(i)水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)R1b及びR1cは、それらが結合しているN原子と一緒に、ヘテロシクリルを形成し;
R3及びR4は、各々独立に、水素もしくはC1-6アルキルであるか;又はR3及びR4は連結して、結合、C1-6アルキレン、C1-6ヘテロアルキレン、C2-6アルケニレン、もしくはC2-6ヘテロアルケニレンを形成し;
R5a及びR5bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、C3-10シクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し;
R5cは、C6-14アリール又はヘテロアリールであり;かつ
R6は、水素、C1-6アルキル、-S-C1-6アルキル、-S(O)-C1-6アルキル、又は-SO2-C1-6アルキルであり;
ここで、R1、R2、R3、R4、R6、RX、R1a、R1b、R1c、R1d、R5a、R5b、及びR5c中の各々のアルキル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アルケニル、アルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つの置換基Qで任意に置換されており、ここで、各々の置換基Qは、(a)オキソ、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)その各々が、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、又は4つの置換基Qaでさらに任意に置換されている、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C(NRa)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)NRbRc、-OC(=NRa)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(=NRd)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NRbRc、-NRaS(O)2NRbRc、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S(O)NRbRc、及び-S(O)2NRbRcから独立に選択され、ここで、各々のRa、Rb、Rc、及びRdは、独立に、(i)水素;(ii)その各々が、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、もしくは4つの置換基Qaでさらに任意に置換されている、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rb及びRcは、それらが結合しているN原子と一緒に、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、3つ、もしくは4つの置換基Qaでさらに任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各々のQaは、(a)オキソ、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)NRfRg、-C(NRe)NRfRg、-ORe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)NRfRg、-OC(=NRe)NRfRg、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)NRfRg、-OS(O)2NRfRg、-NRfRg、-NReC(O)Rh、-NReC(O)ORh、-NReC(O)NRfRg、-NReC(=NRh)NRfRg、-NReS(O)Rh、-NReS(O)2Rh、-NReS(O)NRfRg、-NReS(O)2NRfRg、-SRe、-S(O)Re、-S(O)2Re、-S(O)NRfRg、及び-S(O)2NRfRgからなる群から独立に選択され;ここで、各々のRe、Rf、Rg、及びRhは、独立に、(i)水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rf及びRgは、それらが結合しているN原子と一緒に、ヘテロシクリルを形成する)。
一実施態様において、式Iの化合物は、式Iaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
5c、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式Iの化合物は、式Ibの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
5c、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式IIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、及びR
5cは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式IIの化合物は、式IIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、及びR
5cは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式IIの化合物は、式IIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、及びR
5cは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式IIIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、
R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、及びR
7eは、各々独立に、(a)水素、シアノ、ハロ、もしくはニトロ;(b)その各々が1以上の置換基Qで任意に置換されている、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、もしくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
互いに隣接しているR
7a、R
7b、R
7c、R
7d、及びR
7eのうちの2つは、1以上の置換基Qで各々任意に置換された、C
3-10シクロアルケニル、C
6-14アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを形成し;かつ
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
5a、R
5b、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式IIIの化合物は、式IIIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式IIIの化合物は、式IIIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式IVの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、及びR
7eは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式IVの化合物は、式IVaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、及びR
7eは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式IVの化合物は、式IVbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、及びR
7eは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式Vの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、
Vは、結合、-(CH
2)
r-、-O(CH
2)
r-、-S(CH
2)
r-、又は-N(R
8)(CH
2)
r-であり;
各々のR
8は、独立に、(a)水素;(b)その各々が1以上の置換基Qで任意に置換されている、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、もしくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
m及びrは、各々、0、1、又は2の整数であり;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の整数であり;かつ
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
5c、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式Vの化合物は、式Vaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
5c、V、X、Y、Z、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式Vの化合物は、式Vbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
5c、V、X、Y、Z、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式VIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
5c、V、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式VIの化合物は、式VIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
5c、V、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式VIの化合物は、式VIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
5c、V、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式VIIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、X、Y、Z、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式VIIの化合物は、式VIIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、X、Y、Z、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式VIIの化合物は、式VIIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、X、Y、Z、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式VIIIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
一実施態様において、式VIIIの化合物は、式VIIIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
別の実施態様において、式VIIIの化合物は、式VIIIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式IXの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、X、Y、及びZは、各々、本明細書で定義されている通りであり;かつkは、1、2、3、4、5、又は6の整数である)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
一実施態様において、式IXの化合物は、式IXaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、X、Y、Z、及びkは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
別の実施態様において、式IXの化合物は、式IXbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、X、Y、Z、及びkは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式Xの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、及びkは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
一実施態様において、式Xの化合物は、式Xaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、及びkは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
別の実施態様において、式Xの化合物は、式Xbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
5a、R
5b、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、及びkは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
さらに別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式XIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、X、Y、Z、k、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
一実施態様において、式XIの化合物は、式VIIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、X、Y、Z、k、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
別の実施態様において、式XIの化合物は、式XIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、X、Y、Z、k、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
また別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、式XIIの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグである:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、k、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
一実施態様において、式XIIの化合物は、式XIIaの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、k、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
別の実施態様において、式XIIの化合物は、式XIIbの構造:
もしくはその同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを有する;
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
8、R
7a、R
7b、R
7c、R
7d、R
7e、V、k、m、及びnは、各々、本明細書で定義されている通りである)。ある実施態様において、kは、1の整数である。
本明細書で提供される式、例えば、式I〜XII、Ia〜XIIa、及びIb〜XIIb中の基R1、R2、R3、R4、R6、R8、R5a、R5b、R5c、R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、V、X、Y、Z、k、m、n、及びrは、本明細書に記載の実施態様においてさらに定義されている。そのような基についての本明細書で提供される実施態様の組合せは全て、本開示の範囲内である。
ある実施態様において、R1は、水素である。ある実施態様において、R1は、シアノである。ある実施態様において、R1は、ハロである。ある実施態様において、R1は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R1は、ニトロである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-10シクロアルキルである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R1は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R1は、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R1は、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R2は、水素である。ある実施態様において、R2は、シアノである。ある実施態様において、R2は、ハロである。ある実施態様において、R2は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R2は、ニトロである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R2は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R2は、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R2は、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R2は、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R2は、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R3は、水素である。ある実施態様において、R3は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R3は、水素、メチル、エチル、又はプロピル(例えば、n-プロピル、イソプロピル、もしくは2-イソプロピル)である。
ある実施態様において、R4は、水素である。ある実施態様において、R4は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R4は、水素、メチル、エチル、又はプロピル(例えば、n-プロピル、イソプロピル、もしくは2-イソプロピル)である。
ある実施態様において、R3及びR4は連結して、結合を形成する。ある実施態様において、R3及びR4は連結して、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキレンを形成する。ある実施態様において、R3及びR4は連結して、本明細書に記載の1以上の置換基Qで各々任意に置換された、メチレン、エチレン、又はプロピレンを形成する。ある実施態様において、R3及びR4は連結して、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6ヘテロアルキレンを形成する。ある実施態様において、R3及びR4は連結して、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニレンを形成する。ある実施態様において、R3及びR4は連結して、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6ヘテロアルケニレンを形成する。
ある実施態様において、R6は、水素である。ある実施態様において、R6は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R6は、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、又は3つのハロで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R6は、1以上の、一実施態様において、1つ、2つ、又は3つのフルオロで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R6は、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、又はトリフルオロメチルである。ある実施態様において、R6は、ジフルオロメチルである。ある実施態様において、R6は、-S-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R6は、-S(O)-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R6は、-SO2-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。
ある実施態様において、R8は、水素である。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R8は、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R8は、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R8は、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R8は、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-10シクロアルキルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで各々任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたピペリジニルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたピペリジン-4-イルを形成する。ある実施態様において、R5a及びR5bは、それらが結合しているC原子と一緒に、N-メチル-ピペリジン-4-イルを形成する。
ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで各々任意に置換された、フェニル又はナフチルである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで各々任意に置換された、フェニル、ナフタ-1-イル、又はナフタ-2-イルである。ある実施態様において、R5cは、フェニル、4-クロロフェニル、4-メトキシフェニル、又はナフタ-2-イルである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基で任意に置換された単環式ヘテロアリールである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基で任意に置換された5員又は6員ヘテロアリールである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基で任意に置換された二環式ヘテロアリールである。
ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで各々任意に置換された、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロパル、又は4-フェニルブチルである。ある実施態様において、R5cは、ベンジル、フルオロベンジル、クロロベンジル、ブロモベンジル、又はメチルベンジルである。ある実施態様において、R5cは、ベンジル、2-フルオロベンジル、3-フルオロベンジル、4-フルオロベンジル、2-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-クロロベンジル、2-ブロモベンジル、3-ブロモベンジル、4-ブロモベンジル、2-メチルベンジル、3-メチルベンジル、又は4-メチルベンジルである。ある実施態様において、R5cは、本明細書に記載の1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリール-C1-6アルキルである。
ある実施態様において、R7aは、水素である。ある実施態様において、R7aは、シアノである。ある実施態様において、R7aは、ハロである。ある実施態様において、R7aは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R7aは、ニトロである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R7aは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R7aは、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R7aは、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R7aは、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7aは、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R7bは、水素である。ある実施態様において、R7bは、シアノである。ある実施態様において、R7bは、ハロである。ある実施態様において、R7bは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R7bは、ニトロである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R7bは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R7bは、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R7bは、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R7bは、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7bは、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R7cは、水素である。ある実施態様において、R7cは、シアノである。ある実施態様において、R7cは、ハロである。ある実施態様において、R7cは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R7cは、ニトロである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R7cは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R7cは、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R7cは、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R7cは、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7cは、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R7dは、水素である。ある実施態様において、R7dは、シアノである。ある実施態様において、R7dは、ハロである。ある実施態様において、R7dは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R7dは、ニトロである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R7dは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R7dは、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R7dは、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R7dは、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7dは、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R7eは、水素である。ある実施態様において、R7eは、シアノである。ある実施態様において、R7eは、ハロである。ある実施態様において、R7eは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである。ある実施態様において、R7eは、ニトロである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC1-6アルキルである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルケニルである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC2-6アルキニルである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-7シクロアルキルである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたC7-15アラルキルである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールである。ある実施態様において、R7eは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルである。
ある実施態様において、R7eは、-C(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-C(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-C(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-C(NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R1は、-O-C1-6アルキルであり、ここで、該アルキルは、本明細書に記載の1以上の置換基Qで任意に置換されている。ある実施態様において、R1は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、又は3-ジメチルアミノプロポキシである。ある実施態様において、R7eは、-OC(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OC(O)OR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OC(=NR1a)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OS(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OS(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-OS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、アミノ(-NH2)である。ある実施態様において、R7eは、-NR1aC(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aC(O)OR1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aC(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、R1c、及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aS(O)R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aS(O)2R1dであり、ここで、R1a及びR1dは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aS(O)NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-NR1aS(O)2NR1bR1cであり、ここで、R1a、R1b、及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-SR1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-S(O)R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-S(O)2R1aであり、ここで、R1aは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-S(O)NR1bR1cであり、ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、R7eは、-S(O)2NR1bR1cであり;ここで、R1b及びR1cは、各々、本明細書で定義されている通りである。
ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで各々任意に置換された、C3-10シクロアルケニル、C6-14アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-10シクロアルケニルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたシクロヘキセニルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたフェニルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7a及びR7bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロシクリルを形成する。
ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで各々任意に置換された、C3-10シクロアルケニル、C6-14アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-10シクロアルケニルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたシクロヘキセニルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたフェニルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7b及びR7cは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロシクリルを形成する。
ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで各々任意に置換された、C3-10シクロアルケニル、C6-14アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-10シクロアルケニルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたシクロヘキセニルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたフェニルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7c及びR7dは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロシクリルを形成する。
ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで各々任意に置換された、C3-10シクロアルケニル、C6-14アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC3-10シクロアルケニルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたシクロヘキセニルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたC6-14アリールを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたフェニルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロアリールを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された単環式ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された5員又は6員ヘテロシクリルを形成する。ある実施態様において、R7d及びR7eは、それらが結合している炭素原子と一緒に、1以上の置換基Qで任意に置換された二環式ヘテロシクリルを形成する。
ある実施態様において、Vは、結合である。ある実施態様において、Vは、-(CH2)r-であり、ここで、rは、本明細書で定義されている通りであり、かつアルキレン、すなわち、-(CH2)r-は、本明細書で定義されているような1以上の置換基R8で任意に置換されている。ある実施態様において、Vは、-O(CH2)r-であり、ここで、rは、本明細書で定義されている通りであり、かつアルキレンは、本明細書で定義されているような1以上の置換基R8で任意に置換されている。ある実施態様において、Vは、-O-である。ある実施態様において、Vは、-S(CH2)r-であり、ここで、rは、本明細書で定義されている通りであり、かつアルキレンは、本明細書で定義されているような1以上の置換基R8で任意に置換されている。ある実施態様において、Vは、-S-である。ある実施態様において、Vは、-N(R8)(CH2)r-であり、ここで、R8及びrは、各々、本明細書で定義されている通りであり、かつアルキレンは、本明細書で定義されているような1以上の置換基R8で任意に置換されている。ある実施態様において、Vは、-N(R8)-であり、ここで、R8は、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、Vは、-N(C1-6 アルキル)-であり、ここで、該アルキルは、本明細書で定義されているような1以上の置換基R8で任意に置換されている。ある実施態様において、Vは、-N(CH3)-である。
ある実施態様において、Xは、Nである。ある実施態様において、Xは、CRxであり、ここで、Rxは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、Xは、CHである。
ある実施態様において、Yは、Nである。ある実施態様において、Yは、CRxであり、ここで、Rxは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、Yは、CHである。
ある実施態様において、Zは、Nである。ある実施態様において、Zは、CRxであり、ここで、Rxは、本明細書で定義されている通りである。ある実施態様において、Zは、CHである。
ある実施態様において、X、Y、及びZは、Nである。ある実施態様において、X及びYは、Nであり、Zは、CHである。ある実施態様において、X及びZは、Nであり、Yは、CHである。ある実施態様において、Y及びZは、Nであり、Xは、CHである。
ある実施態様において、kは、1の整数である。ある実施態様において、kは、2の整数である。ある実施態様において、kは、3の整数である。ある実施態様において、kは、4の整数である。ある実施態様において、kは、5の整数である。ある実施態様において、kは、6の整数である。
ある実施態様において、mは、0の整数である。ある実施態様において、mは、1の整数である。ある実施態様において、mは、2の整数である。
ある実施態様において、nは、0の整数である。ある実施態様において、nは、1の整数である。ある実施態様において、nは、2の整数である。ある実施態様において、nは、3の整数である。ある実施態様において、nは、4の整数である。ある実施態様において、nは、5の整数である。ある実施態様において、nは、6の整数である。ある実施態様において、nは、7の整数である。ある実施態様において、nは、8の整数である。ある実施態様において、nは、9の整数である。ある実施態様において、nは、10の整数である。
ある実施態様において、rは、0の整数である。ある実施態様において、rは、1の整数である。ある実施態様において、rは、2の整数である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、以下から選択される化合物、並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグである:
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本明細書で提供される化合物は、特定の立体化学が規定されない限り、全ての可能な立体異性体を包含することが意図される。本明細書で提供される化合物が、アルケニル又はアルケニレン基を含む場合、該化合物は、幾何的なシス/トランス(もしくはZ/E)異性体のうちの1つ又は該異性体の混合物として存在し得る。構造異性体が相互変換可能である場合、該化合物は、単一の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えば、イミノ、ケト、もしくはオキシム基を含む化合物では、プロトン互変異性;又は芳香族部分を含む化合物では、いわゆる、原子価互変異性の形を取ることができる。したがって、単一の化合物が2種類以上の異性を示し得るということになる。
本明細書で提供される化合物は、エナンチオマー的に純粋なもの、例えば、単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーであってもよく、又は立体異性体の混合物、例えば、エナンチオマーの混合物、例えば、2つのエナンチオマーのラセミ混合物;もしくは2以上のジアステレオマーの混合物であってもよい。したがって、当業者であれば、インビボでエピマー化を受ける化合物について、その(R)型の化合物の投与は、その(S)型の化合物の投与と等価であることを認識するであろう。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術としては、好適な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラルな出発材料からの不斉合成、又はエナンチオマー混合物の分割、例えば、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、分割、ジアステレオマー塩形成、もしくはジアステレオマー付加物への誘導体化と、その後の分離が挙げられる。
本明細書で提供される化合物が酸性又は塩基性部分を含む場合、それを医薬として許容し得る塩として提供することもできる(Bergeらの文献、J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19;及び「医薬の塩、特性、及び使用の手引き(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)」, Stahl及びWermuth編;Wiley-VCH and VHCA, Zurich, 2002を参照されたい)。
医薬として許容し得る塩の調製において使用される好適な酸としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)-ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、L-グルタミン酸、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、過塩素酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、サッカリン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。
医薬として許容し得る塩の調製において使用される好適な塩基としては、無機塩基、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、又は水酸化ナトリウム;並びに有機塩基、例えば、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リジン、モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、第2級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンを含む、第1級、第2級、第3級、及び第4級の脂肪族及び芳香族アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で提供される化合物は、例えば、式Iの化合物の機能的誘導体であり、かつインビボで親化合物へと容易に変換されるプロドラッグとして提供することもできる。プロドラッグは、多くの場合、有用であるが、それは、プロドラッグが、時として、親化合物よりも投与しやすい場合があるからである。例えば、プロドラッグが経口投与によって生体利用可能であり得るのに対し、親化合物はそうではない。プロドラッグは、親化合物よりも医薬組成物中で高い溶解性を有する場合もある。プロドラッグは、酵素的過程及び代謝的加水分解を含む、様々な機構によって親薬物へと変換され得る。例えば、Harperの文献、Progress in Drug Research, 1962, 4, 221-294;「プロドラッグ及び類似体による生物薬剤学的特性の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs)」, Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci. 1977中のMorozowichらの文献;「薬物の設計、理論、及び適用における薬物中の生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)」, Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci. 1987;Bundgaardの文献、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」, Elsevier, 1985;Wangらの文献、Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287;Paulettiらの文献、Adv. Drug. Delivery Rev. 1997, 27, 235-256;Mizenらの文献、Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365;Gaignaultらの文献、 Pract. Med. Chem. 1996, 671-696;「医薬システムにおける輸送プロセス(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)」, Amidonら編, Marcell Dekker, 185-218, 2000中のAsgharnejadの文献;Balantらの文献、Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53;Balimane及びSinkoの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209;Browneの文献、Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12;Bundgaardの文献、Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39;Bundgaardの文献、Controlled Drug Delivery 1987, 17, 179-96;Bundgaardの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38;Fleisherらの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130;Fleisherらの文献、Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381;Farquharらの文献、J. Pharm. Sci 1983, 72, 324-325;Freemanらの文献、J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877;Friis及びBundgaardの文献、Eur. J. Pharm. Sci 1996, 4, 49-59;Gangwarらの文献、Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421;Nathwani及びWoodの文献、Drugs 1993, 45, 866-94;Sinhababu及びThakkerの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273;Stellaらの文献、Drugs 1985, 29, 455-73;Tanらの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151;Taylorの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148;Valentino及びBorchardtの文献、Drug Discovery Today 1997, 2, 148-155;Wiebe及びKnausの文献、Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80;及びWallerらの文献、Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507を参照されたい。
(合成方法)
本明細書で提供される化合物は、当業者に公知の任意の方法によって調製、単離、又は入手することができ、以下の実施例は、単に代表的なものに過ぎず、他の関連手順を排除するものではない。
例えば、式Iの化合物を、スキームIに示すように、トリハロ置換トリアジン又はピリミジンと化合物I-1との第1の芳香族置換反応を介して化合物I-2を形成させることによって調製することができ、これを、その後、化合物I-3との第2の芳香族置換反応を介して化合物I-4に変換することができる。その後、化合物I-3を、NH
2C(R
5aR
5bR
5c)との第3の芳香族置換反応を介して、式Iの化合物に変換することができる。
(医薬組成物)
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグ;及び医薬として許容し得る賦形剤、補助剤、担体、緩衝剤、又は安定化剤を含む、医薬組成物である。
一実施態様において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物、及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、経口投与用の剤形で提供される。経口投与用に製剤化される本明細書で提供される医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、又は液体形態であることができる。錠剤は、固体担体又は補助剤を含むことができる。液体医薬組成物は、通常、液体担体、例えば、水、石油、動物油もしくは植物油、鉱油、又は合成油を含む。生理食塩水溶液、デキストロース、もしくは他のサッカリド溶液、又はグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコールを含めることができる。カプセル剤は、固体担体、例えば、ゼラチンを含むことができる。
別の実施態様において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物、及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、非経口投与用の剤形で提供される。医薬組成物を静脈内、皮膚、又は皮下注射用に製剤化し得る場合、活性成分は、発熱物質を含まず、かつ好適なpH、等張性、及び安定性を有する、非経口的に許容し得る水溶液の形態となるであろう。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、又は乳酸加リンゲル注射液などの等張性のビヒクルを用いて、好適な溶液を調製することが十分にできる。必要に応じて、防腐剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び/又は他の添加剤を含めることができる。
また別の実施態様において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物、及び1以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、局所投与用の剤形で提供される。
医薬組成物は、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、パルス放出剤形、制御放出剤形、加速放出剤形、高速放出剤形、標的放出剤形、及びプログラム放出剤形、並びに胃内滞留剤形を含む、修飾放出剤形として製剤化することもできる。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製することができる(例えば、レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 上記;修飾放出薬物送達技術(Modified-Release Drug Delivery Technology), 第2版, Rathboneら編, Marcel Dekker社: New York, NY, 2008を参照されたい)。
本明細書で提供される医薬組成物は、単位剤形又は複数剤形で提供することができる。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト及び動物の対象への投与に好適で、かつ当技術分野で公知であるように個別に包装された、物理的に分離した単位を指す。各々の単位用量は、必要とされる医薬担体又は賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすのに十分な所定量の活性成分(複数可)を含む。単位剤形の例としては、アンプル、シリンジ、並びに個別に包装された錠剤及びカプセル剤が挙げられる。単位剤形は、その分数又は倍数で投与されてもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与されるように、単一の容器中に包装された複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤の瓶、又はパイントもしくはガロンの瓶が挙げられる。
本明細書で提供される医薬組成物は、1回で、又は時間間隔を置いて複数回で投与することができる。正確な投薬量及び治療期間は、治療されている患者の年齢、体重、及び状態によって異なり得、また、公知の試験プロトコルを経験的に用いて、或いはインビボもしくはインビトロ試験又は診断データからの推定によって決定され得ることが理解される。任意の特定の個体のために、具体的な投薬レジメンを、個々の必要性、及び製剤の投与を管理又は監督する人の専門的な判断によって、経時的に調整すべきであることがさらに理解される。
ある実施態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、本明細書で定義される1以上の化学療法剤をさらに含む。
(A.経口投与)
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、経口投与用の固体、半固体、又は液体剤形で提供することができる。本明細書で使用されるように、経口投与には、口腔内投与、舌投与、及び舌下投与も含まれる。好適な経口剤形としては、錠剤、ファストメルト、チュアブル錠、カプセル剤、丸剤、ストリップ剤、トローチ剤、舐剤、香錠、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、混合散剤、発泡性又は非発泡性の散剤又は顆粒剤、経口ミスト、液剤、乳剤、懸濁剤、ウエハー剤、スプリンクル剤、エリキシル剤、及びシロップ剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性成分(複数可)に加えて、該医薬組成物は、限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色素移動阻害剤、甘味剤、着香剤、乳化剤、懸濁化剤及び分散剤、防腐剤、溶媒、非水性液、有機酸、及び二酸化炭素源を含む、1以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含むことができる。
結合剤又は造粒剤は、錠剤が圧縮後に確実に原形を保つよう、錠剤に粘着性を付与する。好適な結合剤又は造粒剤としては、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン(例えば、STARCH 1500);ゼラチン;糖、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、及びラクトース;天然又は合成ゴム、例えば、アカシア、アルギン酸、アルギネート、アイリッシュモスの抽出物、パンワールゴム(panwar gum)、ガティガム(ghatti gum)、イサゴール外皮の粘液(mucilage of isabgol husks)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、粉末化トラガカント、及びグアーガム;セルロース、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社, Marcus Hook, PA);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物中の結合剤又は充填剤の量は、製剤の種類によって変わり、当業者には容易に認識できるものである。該結合剤又は充填剤は、本明細書で提供される医薬組成物中、約50〜約99重量%で存在することができる。
好適な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖が挙げられるが、これらに限定されない。ある種の希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、及びイノシトールは、十分な量で存在するとき、一部の圧縮錠に対して、咀嚼することにより口の中で崩壊することが可能になる特性を付与することができる。そのような圧縮錠は、チュアブル錠として使用することができる。本明細書で提供される医薬組成物中の希釈剤の量は、製剤の種類によって変わり、当業者には容易に認識できるものである。
好適な崩壊剤としては、寒天;ベントナイト;セルロース、例えば、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース;木製品;海綿;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム、例えば、グアーガム及びVeegum HV;シトラスパルプ;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロース;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン;架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びアルファ化デンプン;粘土;アライン(align);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって変わり、当業者には容易に認識できるものである。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって変わり、当業者には容易に認識できるものである。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%、又は約1〜約5重量%の崩壊剤を含むことができる。
好適な滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール、例えば、ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油を含む、硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;エチルラウリエート(ethyl laureate);寒天;デンプン;石松子;シリカ又はシリカゲル、例えば、AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace社, Baltimore, MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Boston, MAのCabot社);並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の滑沢剤を含むことができる。
好適な流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Boston, MAのCabot社)、及び石綿不含タルクが挙げられるが、これらに限定されない。好適な着色剤としては、認可され、保証された、水溶性FD&C色素、及びアルミナ白に懸濁された水不溶性FD&C色素、及びレーキ顔料のうちのいずれか、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。レーキ顔料は、水溶性色素を重金属の水和酸化物に吸着させることにより組み合わせて得られる、不溶性形態の色素である。好適な着香剤としては、植物、例えば、果実から抽出される天然フレーバー、並びに心地良い味覚を生じさせる化合物、例えば、ペパーミント及びサリチル酸メチルの合成ブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。好適な甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びに人工甘味料、例えば、サッカリン及びアスパルテームが挙げられるが、これらに限定されない。好適な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、並びに界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な懸濁化剤及び分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な防腐剤としては、グリセリン、メチルパラベン及びプロピルパラベン、安息香酸付加物(benzoic add)、安息香酸ナトリウム、並びにアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。好適な湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。好適な溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップが挙げられるが、これらに限定されない。乳剤中で利用される好適な非水性液の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な二酸化炭素の供給源としては、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
多くの担体及び賦形剤が、同じ製剤中でさえも、いくつかの機能を果たし得ることを理解すべきである。
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠、粉薬錠、チュアブル舐剤、速溶錠、多重圧縮錠、又は腸溶性コーティング錠、糖衣錠、もしくはフィルムコート錠として提供することができる。腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用には耐えるが腸の中で溶解又は崩壊し、その結果、活性成分を胃の酸性環境から保護する物質でコーティングされた圧縮錠である。腸溶性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、セラック、アンモニア化セラック、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。糖衣錠は、糖衣によって囲まれた圧縮錠であり、糖衣は、不快な味又は臭いを隠すのに、及び該錠剤を酸化から保護するのに有益であり得る。フィルムコート錠は、水溶性材料の薄い層又はフィルムで被覆されている圧縮錠である。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴を付与する。多重圧縮錠は、2回以上の圧縮サイクルによって作られる圧縮錠であり、これには、層錠、及びプレスコート錠又はドライコート錠が含まれる。
錠剤剤形は、単独で、又は結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/もしくは着色剤を含む、本明細書に記載の1以上の担体もしくは賦形剤と組み合わせて、粉末化形態、結晶性形態、又は顆粒形態の活性成分から調製することができる。着香剤及び甘味剤は、チュアブル錠及び舐剤の形成において特に有用である。
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、軟カプセル剤又は硬カプセル剤として提供することができ、該カプセル剤は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作ることができる。硬ゼラチンカプセル剤は、乾燥充填カプセル剤(DFC)としても知られており、これは、一方がもう一方の上に滑り込むことによって、活性成分を完全に封入している2つの部分からなる。軟カプセル剤(SEC)は、軟らかい、球状のシェル、例えば、ゼラチンシェルであり、これは、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化されている。軟ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するために防腐剤を含むことができる。好適な防腐剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸が含まれる。本明細書で提供される液体、半固体、及び固体剤形は、カプセルに封入することができる。好適な液体及び半固体剤形としては、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の液剤及び懸濁剤が挙げられる。そのような液剤を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載の通りに調製することができる。該カプセルは、活性成分の溶解を修飾又は維持するために、当業者に知られているようにコーティングすることもできる。
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、液体及び半固体剤形で提供することができ、これには、乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップ剤が含まれる。乳剤は、一方の液体がもう一方の液体の全体に小球の形態で分散している二相系であり、これは、水中油型又は油中水型であることができる。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び防腐剤を含むことができる。懸濁剤は、医薬として許容し得る懸濁化剤及び防腐剤を含むことができる。水性アルコール溶液は、医薬として許容し得るアセタール、例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール;並びに1以上の水酸基を有する水混和性溶媒、例えば、プロピレングリコール及びエタノールを含むことができる。エリキシル剤は、透明で、甘い、水アルコール性の溶液である。シロップ剤は、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤を含むこともできる。液体剤形については、例えば、投与用に好都合に測定されるように、ポリエチレングリコール中の溶液を、十分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば、水で希釈することができる。
他の有用な液体及び半固体剤形としては、本明細書で提供される活性成分(複数可)と、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量を指す)を含む、ジアルキル化されたモノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールとを含むものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの製剤は、1以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートをさらに含むことができる。
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、又はナノシステムの形態で提供することもできる。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載の通りに調製することができる。
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、液体剤形へと再構成される、非発泡性又は発泡性の顆粒剤及び散剤として提供することができる。該非発泡性の顆粒剤又は散剤中で使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤としては、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を挙げることができる。該発泡性の顆粒剤又は散剤中で使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤としては、有機酸、及び二酸化炭素の供給源を挙げることができる。
着色剤及び着香剤は、上記の剤形の全てにおいて使用することができる。
経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的放出形態、及びプログラム放出形態を含む、即時放出剤形又は修飾放出剤形として製剤化することができる。
(B.非経口投与)
本明細書で提供される医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、注入、又は埋込みにより、非経口的に投与することができる。本明細書で使用される非経口投与としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、膀胱内、及び皮下投与が挙げられる。
非経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、ミセル、リポソーム、マイクロスフェア、ナノシステム、及び液剤又は懸濁剤に好適な注射前の液体中の固体形態を含む、非経口投与に好適である任意の剤形で製剤化することができる。そのような剤形は、製薬科学の当業者に公知の従来法に従って調製することができる(レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。
非経口投与が意図される医薬組成物は、1以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含むことができ、これには、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗微生物剤又は防腐剤、安定化剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結防止剤、凍結保護剤、増粘剤、pH調整剤、並びに不活性ガスが含まれるが、これらに限定されない。
好適な水性ビヒクルとしては、水、食塩水、生理食塩水、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸加リンゲル注射液が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非水性ビヒクルとしては、植物起源の固定油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、並びにヤシ油、及びパーム核油の中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。好適な水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な抗微生物剤又は防腐剤としては、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びp-ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースが挙げられるが、これらに限定されない。好適な緩衝剤としては、リン酸塩及びクエン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な抗酸化剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。好適な局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられるが、これに限定されない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。好適な乳化剤は、本明細書に記載されているものであり、これには、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、及びオレイン酸トリエタノールアミンが含まれる。好適な金属イオン封鎖剤又はキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、これに限定されない。好適なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な錯化剤としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標), CyDex社, Lenexa, KS)を含む、シクロデキストリンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で提供される医薬組成物が、複数回投薬量投与用に製剤化される場合、複数回投薬量非経口製剤は、静菌又は静真菌濃度の抗微生物剤を含まなければならない。非経口製剤は全て、当技術分野で公知、かつ実施されているように、滅菌されていなければならない。
一実施態様において、非経口投与用の医薬組成物は、すぐに使用可能な滅菌液剤として提供される。別の実施態様において、該医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される、凍結乾燥粉末及び皮下注射用錠剤を含む、滅菌乾燥可溶性製品として提供される。また別の実施態様において、該医薬組成物は、すぐに使用可能な滅菌懸濁剤として提供される。また別の実施態様において、該医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される滅菌乾燥不溶性製品として提供される。さらに別の実施態様において、該医薬組成物は、すぐに使用可能な滅菌乳剤として提供される。
非経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的放出形態、及びプログラム放出形態を含む、即時放出剤形又は修飾放出剤形として製剤化することができる。
非経口投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、埋込み型デポーとして投与するために、懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロピック液として製剤化することができる。一実施態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、固体の内部マトリックスに分散しており、該マトリックスは、体液中では溶けないが、該医薬組成物中の活性成分を拡散させることができる外部高分子膜によって囲まれている。
好適な内部マトリックスとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、並びに架橋部分加水分解性ポリ酢酸ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な外部高分子膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
(C.局所投与)
本明細書で提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜に局所的に投与することができる。本明細書で使用される局所投与としては、皮膚(内)、結膜、角膜内、眼球内、眼、耳介、経皮、鼻腔、膣、尿道、呼吸器、及び直腸投与が挙げられる。
本明細書で提供される医薬組成物は、局所又は全身効果のための局所投与に好適である任意の剤形で製剤化することができ、これには、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、軟膏剤、粉剤、包帯剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁剤、チンキ剤、ペースト剤、フォーム剤、フィルム剤、エアゾール剤、灌注剤、スプレー剤、坐剤、絆創膏、及び皮膚パッチが含まれる。本明細書で提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、ナノシステム、及びこれらの混合物を含むこともできる。
本明細書で提供される局所製剤で使用するのに好適な医薬として許容し得る担体及び賦形剤としては、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対する抗微生物剤又は防腐剤、安定化剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、透過促進剤、凍結防止剤、凍結保護剤、増粘剤、並びに不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない。
該医薬組成物は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、又は極微針注射もしくは針無注射、例えば、POWDERJECT(商標)(Chiron社, Emeryville, CA)及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies社, Tualatin, OR)によって局所的に投与することもできる。
本明細書で提供される医薬組成物は、軟膏剤、クリーム剤、及びゲル剤の形態で提供することができる。好適な軟膏ビヒクルとしては、豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油、及び他の油、白色ワセリンを含む、油性ビヒクル又は炭化水素ビヒクル;乳化可能ビヒクル又は吸収ビヒクル、例えば、親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンスルフェート、及び無水ラノリン;水除去性ビヒクル、例えば、親水性軟膏;様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏ビヒクル;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、及びステアリン酸を含む、油中水型(W/O)乳剤又は水中油型(O/W)乳剤のいずれかの乳剤ビヒクルが挙げられる(レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。これらのビヒクルは、皮膚軟化剤であるが、通常、抗酸化剤及び防腐剤の添加を必要とする。
好適なクリーム基剤は、水中油型又は油中水型であることができる。好適なクリームビヒクルは、水洗い可能であり、かつ油相、乳化剤、及び水相を含むことができる。油相は、「内部」相とも呼ばれ、通常、ワセリンと、脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール又はステアリルアルコールとから構成される。水相は、通常、油相よりも容積が大きく、一般に、保湿剤を含むが、必ずしもそうである必要はない。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、又は両性の界面活性剤であることができる。
ゲル剤は、半固体の懸濁型の系である。単相ゲル剤は、液体担体の全体にわたって実質的に均一に分布した有機高分子を含む。好適なゲル化剤としては、架橋アクリル酸ポリマー、例えば、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、及びCARBOPOL(登録商標);親水性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、及びポリビニルアルコール;セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロース;ゴム、例えば、トラガカント及びキサンタンガム;アルギン酸ナトリウム;並びにゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。均一なゲル剤を調製するために、分散剤、例えば、アルコールもしくはグリセリンを添加することができるか、又はゲル化剤を、粉砕化、機械的混合、及び/もしくは撹拌によって分散させることができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、坐剤、ペッサリー剤、ブジー剤、湿布剤もしくはパップ剤、ペースト剤、散剤、包帯剤、クリーム剤、硬膏剤、避妊薬、軟膏剤、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン剤、ゲル剤、フォーム剤、スプレー剤、又は浣腸剤の形態で、直腸に、尿道に、膣に、又は膣周囲に投与することができる。これらの剤形は、レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)、上記に記載されているような従来法を用いて製造することができる。
直腸、尿道、及び膣用の坐剤は、身体の開口部に挿入するための固形体であり、これは、常温では固体であるが、体温では融解又は軟化して、該開口部の内部で活性成分(複数可)を放出する。直腸及び膣用の坐剤で利用される医薬として許容し得る担体としては、基剤又はビヒクル、例えば、本明細書で提供される医薬組成物とともに製剤化された場合に、体温に近い融点を生じさせる硬化剤;並びに亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されているような抗酸化剤が挙げられる。好適なビヒクルとしては、ココアバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白蝋及び黄蝋、脂肪酸のモノグリセリドとジグリセリドとトリグリセリドの適切な混合物、並びにヒドロゲル、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びポリアクリル酸が挙げられるが、これらに限定されない。様々なビヒクルの組合せを使用することもできる。直腸及び膣用の坐剤は、圧縮又は成形によって調製することができる。直腸及び膣用の坐剤の一般的な重量は、約2〜約3gである。
本明細書で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏剤、乳剤、ゲル形成液剤、液剤用散剤、ゲル剤、眼球インサート、及びインプラントの形態で、眼科的に投与することができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、鼻腔内に、又は気道への吸入により、投与することができる。該医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、例えば、電気流体力学を用いて微細な霧を生成させるアトマイザー、又はネブライザーを用いて、単独で、又は好適な噴射剤、例えば、1,1,1,2-テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンと組み合わせて送達されるエアゾール剤又は液剤の形態で提供することができる。該医薬組成物は、単独で、又は不活性担体、例えば、ラクトースもしくはリン脂質と組み合わせて吹送される乾燥散剤;及び点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用のために、該散剤は、キトサン又はシクロデキストリンを含む生体接着剤を含むことができる。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーで使用される液剤又は懸濁剤は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書で提供される活性成分を分散させるか、可溶化するか、もしくは該活性成分の放出を延長するための好適な代替薬;溶媒としての噴射剤;及び/或いは界面活性剤、例えば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又はオリゴ乳酸を含むように製剤化することができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、吸入による送達に好適なサイズ、例えば、約50マイクロメートル以下、又は約10マイクロメートル以下にまで微細化することができる。そのようなサイズの粒子は、当業者に公知の粉砕方法、例えば、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成させるための超臨界流体プロセシング、高圧ホモジナイゼーション、又は噴霧乾燥を用いて調製することができる。
吸入器又は吹送器で使用されるカプセル剤、ブリスター剤、及びカートリッジ剤は、本明細書で提供される医薬組成物の粉末混合物;好適な粉末基剤、例えば、ラクトース又はデンプン;及び機能調節剤、例えば、l-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムを含むように製剤化することができる。ラクトースは、無水、又は一水和物の形態であってもよい。他の好適な賦形剤又は担体としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロースが挙げられるが、これらに限定されない。吸入投与/鼻腔内投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、好適なフレーバー、例えば、メントール及びレボメントール;並びに/又は甘味料、例えば、サッカリン及びサッカリンナトリウムをさらに含むことができる。
局所投与用に本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、及びプログラム放出を含む、即時放出又は修飾放出となるように製剤化することができる。
(D.修飾放出)
本明細書で提供される医薬組成物は、修飾放出剤形として製剤化することができる。本明細書で使用されるように、用語「修飾放出」は、同じ経路で投与したとき、活性成分(複数可)の放出の速度又は場所が、即時剤形のものとは異なる剤形を指す。修飾放出剤形としては、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、拍動性放出剤形、制御放出剤形、加速及び高速放出剤形、標的放出剤形、プログラム放出剤形、並びに胃内滞留剤形が挙げられるが、これらに限定されない。修飾放出剤形の医薬組成物は、当業者に公知の種々の修飾放出デバイス及び方法を用いて調製することができ、これには、マトリックス制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶性コーティング、多層コーティング、マイクロスフェア、リポソーム、及びこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。活性成分(複数可)の放出速度は、該活性成分(複数可)の粒径及び多形を変化させることによって修飾することもできる。
修飾放出の例としては、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981号;第6,376,461号;第6,419,961号;第6,589,548号;第6,613,358号;及び第6,699,500号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1.マトリックス制御放出デバイス)
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス制御放出デバイスを用いて製造することができる(「制御薬物送達の百科事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」, 第2巻, Mathiowitz編, Wiley, 1999中のTakadaらの文献を参照されたい)。
ある実施態様において、修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化され、該デバイスは、限定されないが、合成ポリマー、並びに天然ポリマー及び誘導体、例えば、多糖及びタンパク質を含む、水膨潤性、浸食性、又は可溶性ポリマーである。
浸食性マトリックスを形成させるのに有用な材料としては、キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;寒天ゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラギーナン、ガティゴム、グアーガム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デンプン、例えば、デキストリン及びマルトデキストリン;親水性コロイド、例えば、ペクチン;ホスファチド、例えば、レシチン;アルギネート;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;セルロース誘導体、例えば、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC);ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標), Rohm America社, Piscataway, NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート);ポリ乳酸;L-グルタミン酸とエチル-L-グルタメートのコポリマー;分解性乳酸-グリコール酸コポリマー;ポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びに他のアクリル酸誘導体、例えば、ブチルメタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、及び塩化(トリメチルアミノエチル)メタクリレートのホモポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、非浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化される。活性成分(複数可)は、不活性マトリックスに溶解又は分散しており、ひとたび投与されると、主に、該不活性マトリックスを通した拡散によって放出される。非浸食性マトリックスデバイスとして使用するのに好適な材料としては、不溶性プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、及びシリコーンカーボネートコポリマー;親水性ポリマー、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋部分加水分解性ポリ酢酸ビニル;並びに脂肪族化合物、例えば、カルナウバ蝋、微結晶性蝋、及びトリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。
マトリックス制御放出系では、所望の放出動態を、例えば、利用されるポリマーの種類、ポリマーの粘度、ポリマー及び/又は活性成分(複数可)の粒径、活性成分(複数可)対ポリマーの比率、並びに該組成物中の他の賦形剤又は担体によって制御することができる。
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、直接圧縮、乾式又は湿式造粒の後の圧縮、及び溶融造粒後の圧縮を含む、当業者に公知の方法によって調製することができる。
(2.浸透圧制御放出デバイス)
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、浸透圧制御放出デバイスを用いて製造することができ、該デバイスには、1-チャンバーシステム、2-チャンバーシステム、非対称膜技術(AMT)、及び押出しコアシステム(ECS)が含まれるが、これらに限定されない。一般に、そのようなデバイスは、少なくとも2つの構成成分:(a)活性成分を含むコア;及び(b)該コアを封入する、少なくとも1つの送達ポートを備えた半透膜を有する。該半透膜は、該送達ポート(複数可)からの押出しによる薬物の放出を生じさせるように、使用の水性環境から該コアへの水の流入を制御する。
活性成分(複数可)に加えて、浸透圧デバイスのコアは、使用の環境から該デバイスのコアに水を輸送する推進力を生み出す浸透圧剤を任意に含む。浸透圧剤の1つのクラスは、「オスモポリマー」及び「ヒドロゲル」とも呼ばれる、水膨潤性親水性ポリマーである。浸透圧剤としての好適な水膨張性親水性ポリマーとしては、親水性ビニル及びアクリルポリマー、多糖、例えば、アルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、疎水性モノマー、例えば、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルとのPVA/PVPコポリマー、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、並びにデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
浸透圧剤の他のクラスは、オスモゲンであり、これは、水を吸収して、周囲のコーティングのバリアを隔てた浸透圧勾配に影響を及ぼすことができる。好適なオスモゲンとしては、無機塩、例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウム;糖、例えば、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトール;有機酸、例えば、アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸;尿素;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
異なる溶解速度の浸透圧剤を利用して、活性成分(複数可)がどのくらい迅速に剤形から最初に送達されるかに影響を及ぼすことができる。例えば、非晶質糖、例えば、MANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma社, Lewes, DE)を用いて、最初の数時間により速い送達をもたらし、所望の治療効果を速やかに生じさせ、かつ残りの量の放出を段階的かつ連続的に生じさせて、所望のレベルの治療又は予防効果を長期間にわたって維持することができる。この場合、活性成分(複数可)は、代謝され、排出される該活性成分の量を補うような速度で放出される。
コアは、剤形の性能を向上させるか、又は安定性もしくは処理を促進するための、本明細書に記載されているような多種多様な他の賦形剤及び担体を含むこともできる。
半透膜を形成させるのに有用な材料としては、生理的に関連するpHで水透過性及び水不溶性であるか、又は架橋などの化学的変化によって水不溶性にしやすい、様々な等級のアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体が挙げられる。コーティングを形成させるのに有用な好適なポリマーの例としては、可塑化、非可塑化、及び強化された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸CA、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、カルバミン酸エチルCA、CAP、カルバミン酸メチルCA、コハク酸CA、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、ジメチルアミノ酢酸CA、炭酸エチルCA、クロロ酢酸CA、シュウ酸エチルCA、スルホン酸メチルCA、スルホン酸ブチルCA、スルホン酸p-トルエンCA、酢酸寒天、三酢酸アミロース、酢酸βグルカン、三酢酸βグルカン、ジメチル酢酸アセトアルデヒド、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン-酢酸ビニル、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びポリ(アクリル)エステル並びにポリ(メタクリル)酸及びポリ(メタクリル)エステル並びにこれらのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルエステル及びポリビニルエーテル、天然ワックス、並びに合成ワックスが挙げられる。
半透膜は、疎水性微孔膜であることもでき、ここで、該孔は、米国特許第5,798,119号に開示されているように、実質的にガスで満たされており、水性媒体で湿らないが、水蒸気に透過性がある。そのような疎水性であるが水蒸気透過性である膜は、通常、疎水性ポリマー、例えば、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリハロゲン化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル及びポリビニルエーテル、天然ワックス、並びに合成ワックスから構成される。
半透膜の送達ポート(複数可)は、コーティング後に、機械的穿孔又はレーザー穿孔によって形成させることができる。送達ポート(複数可)は、水溶性材料のプラグの浸食によるか、又はコアのくぼみの上の、膜のより薄い部分の破裂によって、インサイチュで形成させることもできる。さらに、送達ポートは、米国特許第5,612,059号及び第5,698,220号に開示されているタイプの非対称膜コーティングの場合のように、コーティングプロセスの間に形成させることができる。
放出される活性成分(複数可)の総量、及び放出速度は、半透膜の厚み及び孔隙率、コアの組成、並びに送達ポートの数、サイズ、及び位置によって実質的に調節することができる。
浸透圧制御放出剤形の医薬組成物は、製剤の性能又は処理を促進するための、本明細書に記載されているような追加の従来の賦形剤又は担体をさらに含むことができる。
該浸透圧制御放出剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製することができる(レミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy), 上記;Santus及びBakerの文献、J. Controlled Release 1995, 35, 1-21;Vermaらの文献、Drug Development and Industrial Pharmacy 2000, 26, 695-708;Vermaらの文献、J. Controlled Release 2002, 79, 7-27を参照されたい)。
ある実施態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、AMT制御放出剤形として製剤化され、該剤形は、活性成分(複数可)及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする非対称浸透圧膜を含む。米国特許第5,612,059号及びWO 2002/17918号を参照されたい。AMT制御放出剤形は、直接圧縮法、乾式造粒法、湿式造粒法、及びディップコーティング法を含む、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って調製することができる。
ある実施態様において、本明細書で提供される医薬組成物は、ESC制御放出剤形として製剤化され、該剤形は、活性成分(複数可)、ヒドロキシエチルセルロース、及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含むコアをコーティングする浸透圧膜を含む。
(3.多粒子制御放出デバイス)
修飾放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、多粒子制御放出デバイスとして製造することができ、該デバイスは、直径が約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜約1mmの範囲の多数の粒子、顆粒、又はペレット含む。そのような多粒子は、乾式及び湿式造粒、押出し/球状化、ローラー圧縮、融解凝固、並びにスプレーコーティングシードコアによるものを含む、当業者に公知のプロセスによって作製することができる。例えば、多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery); Marcel Dekker: 1994;及び薬学的ペレット化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology); Marcel Dekker: 1989を参照されたい。
本明細書に記載の他の賦形剤又は担体を該医薬組成物とブレンドして、多粒子の処理及び形成を助けることができる。得られる粒子は、それ自体、多粒子デバイスを構成することができるか、又は様々なフィルム形成材料、例えば、腸溶性ポリマー、水膨張性、及び水溶性ポリマーによってコーティングすることができる。該多粒子は、カプセル剤又は錠剤としてさらに処理することができる。
(4.標的送達)
リポソーム、再封赤血球、及び抗体に基づく送達系を含む、本明細書で提供される医薬組成物は、治療すべき対象の身体の特定の組織、受容体、又はその他の部分を標的とするように製剤化することもできる。例としては、米国特許第6,316,652号;第6,274,552号;第6,271,359号;第6,253,872号;第6,139,865号;第6,131,570号;第6,120,751号;第6,071,495号;第6,060,082号;第6,048,736号;第6,039,975号;第6,004,534号;第5,985,307号;第5,972,366号;第5,900,252号;第5,840,674号;第5,759,542号;及び第5,709,874号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
(使用方法)
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、対象におけるPI3K媒介性の障害、疾患、又は疾病の1以上の症状を治療、予防、又は改善する方法であって、該対象に、治療的有効量の本明細書に開示される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグを投与することを含む、方法である。
ある実施態様において、PI3Kは、野生型PI3Kである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3K変異体である。
ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、又はPI3Kγである。ある実施態様において、PI3Kは、p110α、p110β、p110δ、又はp110γである。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼの変異体である。
ある実施態様において、PI3Kは、p110αである。ある実施態様において、PI3Kは、p110αの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、p110α突然変異体である。ある実施態様において、該p110α突然変異体は、R38H、G106V、K111N、K227E、N345K、C420R、P539R、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、Q546P、E453Q、H710P、I800L、T1025S、M1043I、M1043V、H1047L、H1047R、又はH1047Yである。ある実施態様において、該p110α突然変異体は、R38H、K111N、N345K、C420R、P539R、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、Q546P、I800L、T1025S、M1043I、H1047L、H1047R、又はH1047Yである。ある実施態様において、該p110α突然変異体は、C420R、E542K、E545A、E545K、Q546K、I800L、M1043I、H1047L、又はH1047Yである。
ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγの変異体である。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、PI3Kγを選択的に標的とする。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、PI3Kγの野生型を選択的に標的とする。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、PI3Kγの変異体を選択的に標的とする。
ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼの変異体である。ある実施態様において、PI3Kは、mTOR、ATM、ATR、又はDNA-PKである。ある実施態様において、PI3Kは、mTORである。
別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、対象における増殖性疾患の1以上の症状を治療、予防、又は改善する方法であって、該対象に、治療的有効量の本明細書に開示される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグを投与することを含む、方法である。
ある実施態様において、該対象は、哺乳動物である。ある実施態様において、該対象は、ヒトである。ある実施態様において、該対象は、ヒト以外の霊長類、ウシなどの家畜、スポーツ用動物、又はウマ、イヌ、もしくはネコなどのペットである。
ある実施態様において、該増殖性疾患は、癌である。ある実施態様において、該増殖性疾患は、血液癌である。ある実施態様において、該増殖性疾患は、炎症性疾患である。ある実施態様において、該増殖性疾患は、免疫障害である。
本明細書で提供される化合物で治療可能な障害、疾患、又は疾病としては、(1)炎症性疾患又はアレルギー性疾患、例えば、全身アナフィラキシー及び過敏性疾患、アトピー性皮膚炎、じんましん、薬物アレルギー、虫刺されアレルギー、食物アレルギー(セリアック病などを含む)、並びに肥満細胞症;(2)炎症性腸疾患、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎、及び腸炎;(3)血管炎、及びベーチェット症候群;(4)乾癬及び炎症性皮膚疾患、例えば、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんましん、ヒトパピローマウイルス、HIV、又はRLV感染に由来するものを含むウイルス性皮膚病変、細菌性、真菌性、及び他の寄生虫性皮膚病変、並びに皮膚エリテマトーデス;(5)喘息及び呼吸器アレルギー疾患、例えば、アレルギー性喘息、運動誘発性喘息、アレルギー性鼻炎、中耳炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患;(6)自己免疫疾患、例えば、関節炎(リウマチ性及び乾癬性を含む)、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、重症筋無力症、多発性硬化症、グレーブス病、並びに糸球体腎炎;(7)移植片拒絶反応(同種移植片拒絶反応及び移植片対宿主病を含む)、例えば、皮膚移植片拒絶反応、固形臓器移植拒絶反応、骨髄移植拒絶反応;(8)発熱;(9)心血管障害、例えば、急性心不全、低血圧、高血圧、狭心症、心筋梗塞、心筋症、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化、冠動脈疾患、再狭窄、及び血管狭窄;(10)脳血管障害、例えば、外傷性脳損傷、脳卒中、虚血再灌流傷害、及び動脈瘤;(11)乳房、皮膚、前立腺、子宮頸部、子宮、卵巣、精巣、膀胱、肺、肝臓、喉頭、口腔、結腸、及び消化管(例えば、食道、胃、膵臓)、脳、甲状腺、血液、並びにリンパ系の癌;(12)線維症、結合組織病、及びサルコイドーシス、(13)生殖器及び生殖疾患、例えば、勃起不全;(14)消化器障害、例えば、胃炎、潰瘍、悪心、膵炎、及び嘔吐;(15)神経障害、例えば、アルツハイマー病;(16)睡眠障害、例えば、不眠、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、及びピックウィック症候群;(17)疼痛;(18)腎障害;(19)眼障害、例えば、緑内障;並びに(20)感染症、例えば、HIVが挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、本明細書で提供される方法で治療可能な癌としては、(1)白血病、例えば、限定されないが、急性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、例えば、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、赤白血病性白血病、及び骨髄異形成症候群又はその症状(例えば、貧血、血小板減少症、好中球減少症、二血球減少症、又は汎血球減少症)、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)、過剰芽球を伴うRA(RAEB)、移行期のRAEB(RAEB-T)、前白血病、並びに慢性骨髄単球性白血病(CMML)、(2)慢性白血病、例えば、限定されないが、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、及び有毛細胞白血病;(3)真性赤血球増加症;(4)リンパ腫、例えば、限定されないが、ホジキン病及び非ホジキン病;(5)多発性骨髄腫、例えば、限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞白血病、孤立性形質細胞腫、及び髄外性形質細胞腫;(6)ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;(7)意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症;(8)良性単クローン性ガンマグロブリン血症;(9)重鎖病;(10)骨及び結合組織の肉腫、例えば、限定されないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma)(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移性癌、神経鞘腫、横紋筋肉腫、及び滑膜肉腫;(11)脳腫瘍、例えば、限定されないが、神経膠腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、脳室上衣腫、乏突起膠腫、非グリア系腫瘍、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽腫、及び原発性脳リンパ腫;(12)乳癌、例えば、限定されないが、腺癌、小葉(小細胞)癌、管内癌、髄様乳癌、粘液乳癌、管状乳癌、乳頭状乳癌、原発性癌、パジェット病、及び炎症性乳癌;(13)副腎癌、例えば、限定されないが、褐色細胞腫及び副腎皮質癌;(14)甲状腺癌、例えば、限定されないが、乳頭状又は濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌、及び未分化甲状腺癌;(15)膵臓癌、例えば、限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、及びカルチノイド又は島細胞腫瘍;(16)下垂体癌、例えば、限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、末端肥大症、及び尿崩症;(17)眼癌、例えば、限定されないが、眼内黒色腫、例えば、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、及び毛様体黒色腫、並びに網膜芽腫;(18)膣癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌、腺癌、及び黒色腫;(19)外陰癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫、及びパジェット病;(20)子宮頸癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌及び腺癌;(21)子宮癌、例えば、限定されないが、子宮内膜癌及び子宮肉腫;(22)卵巣癌、例えば、限定されないが、卵巣上皮癌、境界腫瘍、胚細胞腫瘍、及び間質性腫瘍;(23)食道癌、例えば、限定されないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、いぼ状癌、及び燕麦細胞(小細胞)癌;(24)胃癌、例えば、限定されないが、腺癌、菌状発育性(ポリープ様)、潰瘍性、表在拡大型、びまん性拡大型の悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、及び癌肉腫;(25)結腸癌;(26)直腸癌;(27)肝臓癌、例えば、限定されないが、肝細胞癌及び肝芽腫;(28)胆嚢癌、例えば、限定されないが、腺癌;(29)胆管癌、例えば、限定されないが、乳頭状、結節性、及びびまん性;(30)肺癌、例えば、限定されないが、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、及び小細胞肺癌;(31)精巣癌、例えば、限定されないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化癌、古典的(定型)癌、精母細胞癌、非精巣上皮腫、胎生期癌、奇形腫癌、及び絨毛癌(卵黄嚢腫瘍);(32)前立腺癌、例えば、限定されないが、腺癌、平滑筋肉腫、及び横紋筋肉腫;(33)陰茎癌(penal cancer);(34)口腔癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌;(35)基底癌;(36)唾液腺癌、例えば、限定されないが、腺癌、粘膜表皮癌、及び腺様嚢胞癌;(37)咽頭癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌及びいぼ状;(38)皮膚癌、例えば、限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、及び黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、悪性黒子黒色腫、並びに末端黒子性黒色種;(39)腎臓癌、例えば、限定されないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、及び移行上皮癌(腎盂及び/又は尿管);(40)ウィルムス腫瘍;(41)膀胱癌、例えば、限定されないが、移行上皮癌、扁平上皮細胞癌、腺癌、及び癌肉腫;並びにその他の癌、例えば、限定されないが、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、及び乳頭腺癌が挙げられるが、これらに限定されない(Fishmanらの文献、1985, 医学(Medicine), 第2版, J.B. Lippincott社, Philadelphia、及びMurphyらの文献、1997, インフォームド・ディシジョン:癌の診断、治療、及び回復のコンプリートブック(Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery), Viking Penguin, Penguin Books U.S.A.社, United States of America)。
治療すべき障害、疾患、又は疾病、及び対象の状態に応じて、本明細書で提供される化合物又は医薬組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内(intracistemal)への注射もしくは注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入、鼻腔、膣、直腸、舌下、或いは局所(topical)(例えば、経皮又は局所(local))の投与経路によって投与することができ、単独で、又は好適な投薬量単位で各々の投与経路に適切な医薬として許容し得る賦形剤、担体、補助剤、及びビヒクルとともに、製剤化することができる。また提供されるのは、活性成分が所定の期間にわたって放出される、デポー製剤中での本明細書で提供される化合物又は医薬組成物の投与である。
本明細書に記載の障害、疾患、又は疾病の1以上の症状の治療、予防、又は改善において、適切な投薬量レベルは、通常、1日に対象の体重1kg当たり約0.001〜100mg(mg/kg/日)、約0.01〜約75mg/kg/日、約0.1〜約50mg/kg/日、約0.5〜約25mg/kg/日、約1〜約20mg/kg/日の範囲であり、これは、単回用量又は複数回用量で投与することができる。この範囲内で、投薬量は、約0.005〜約0.05、約0.05〜約0.5、約0.5〜約5.0、約1〜約15、約1〜約20、又は約1〜約50mg/kg/日の範囲であることができる。
経口投与について、本明細書で提供される医薬組成物は、治療すべき患者に対する投薬量の対症調整のために、約1.0〜約1,000mgの活性成分、一実施態様において、約1、約5、約10、約15、約20、約25、約50、約75、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約750、約800、約900、及び約1,000mgの活性成分を含む錠剤の形態で製剤化することができる。該医薬組成物は、1日に1回、2回、3回、及び4回を含む、1日に1〜4回のレジメンで投与することができる。
しかしながら、特定の患者のための具体的な用量レベル及び投薬頻度は変えることができ、それらは、利用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全般的な健康、性別、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の疾病の重症度、並びに療法を受ける宿主を含む、種々の因子によって決まることが理解されるであろう。
また本明細書で提供されるのは、PI3K活性を調節する方法であって、PIK3酵素を、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグと接触させることを含む、方法である。一実施態様において、PIK3酵素は、細胞内にある。
ある実施態様において、PI3Kは、野生型PI3Kである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3K変異体である。
ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、又はPI3Kγである。ある実施態様において、PI3Kは、p110α、p110β、p110δ、又はp110γである。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIキナーゼの変異体である。
ある実施態様において、PI3Kは、p110αである。ある実施態様において、PI3Kは、p110αの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、p110α突然変異体である。ある実施態様において、p110α突然変異体は、R38H、G106V、K111N、K227E、N345K、C420R、P539R、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、Q546P、E453Q、H710P、I800L、T1025S、M1043I、M1043V、H1047L、H1047R、又はH1047Yである。ある実施態様において、p110α突然変異体は、R38H、K111N、N345K、C420R、P539R、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、Q546P、I800L、T1025S、M1043I、H1047L、H1047R、又はH1047Yである。ある実施態様において、p110α突然変異体は、C420R、E542K、E545A、E545K、Q546K、I800L、M1043I、H1047L、又はH1047Yである。
ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγである。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγの変異体である。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、PI3Kγを選択的に標的とする。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、PI3Kγの野生型を選択的に標的とする。ある実施態様において、本明細書で提供される化合物は、PI3Kγの変異体を選択的に標的とする。
ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼである。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼの野生型である。ある実施態様において、PI3Kは、クラスIVキナーゼの変異体である。ある実施態様において、PI3Kは、mTOR、ATM、ATR、又はDNA-PKである。ある実施態様において、PI3Kは、mTORである。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグ;は、PI3K及びその変異体に対する阻害活性を示す。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグ;は、PI3Kの野生型に対する阻害活性を示す。ある実施態様において、PI3Kは、PI3Kγである。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグ;は、PI3K変異体に対する阻害活性を示す。ある実施態様において、PI3K変異体は、p110α突然変異体である。ある実施態様において、p110α突然変異体は、C420R、E542K、E545A、E545K、Q546K、I800L、M1043I、H1047L、又はH1047Yである。
本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグ;は、本明細書で提供される化合物が有用である障害、疾患、又は疾病、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、発熱、敗血症、全身性エリテマトーデス、糖尿病、関節リウマチ、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、移植片拒絶反応、炎症性腸疾患、癌、感染性疾患、及び本明細書で言及されるそれらの病態の1以上の症状の治療、予防、又は改善において有用な他の薬剤又は療法と組み合わせるか、又はそれらと併用することもできる。
好適な他の治療剤としては、(1)αアドレナリン作動薬;(2)抗不整脈剤;(3)抗アテローム性動脈硬化剤、例えば、ACAT阻害剤;(4)抗生物質、例えば、アントラサイクリン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、及びプリカマイシン;(5)抗癌剤及び細胞毒性剤、例えば、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、エチレンイミン、及びトリアゼン;(6)抗凝固剤、例えば、アセノクマロール、アルガトロバン、ビバリルジン、レピルジン、フォンダパリヌクス、ヘパリン、フェニンジオン、ワルファリン、及びキシメラガトラン;(7)抗糖尿病剤、例えば、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、インスリン、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリド、及びグリピジド)、チアゾリジンジオン(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾン、及びピオグリタゾン)、並びにPPAR-γ作動薬;(8)抗真菌剤、例えば、アモロルフィン、アムホテリシンB、アニデュラファンギン、ビホナゾール、ブテナフィン、ブトコナゾール、カスポファンギン、シクロピロックス、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、フィリピン、フルコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミカファンギン、ミコナゾール、ナフチフィン、ナタマイシン、ナイスタチン、オキシコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、リモシジン、セルタコナゾール、スルコナゾール、テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、及びボリコナゾール;(9)抗炎症薬、例えば、非ステロイド性抗炎症剤、例えば、アセクロフェナク、アセメタシン、アモキシプリン(amoxiprin)、アスピリン、アザプロパゾン、ベノリラート、ブロムフェナク、カルプロフェン、セレコキシブ、サリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、エトリコキシブ、ファイスラミン(faislamine)、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、ルミラコキシブ、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メタミゾール、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、ナブメトン、ナプロキセン、ニメスリド、オキシフェンブタゾン、パレコキシブ、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸サリチル、スリンダク、スルフィンピラゾン、スプロフェン、テノキシカム、チアプロフェン酸、及びトルメチン;(10)代謝拮抗物質、例えば、葉酸拮抗薬、プリン類似体、及びピリミジン類似体;(11)抗血小板剤、例えば、GPIIb/IIIa遮断薬(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド、及びチロフィバン)、P2Y(AC)拮抗薬(例えば、クロピドグレル、チクロピジン、及びCS-747)、シロスタゾール、ジピリダモール、並びにアスピリン;(12)抗増殖薬、例えば、メトトレキサート、FK506(タクロリムス)、及びミコフェノレートモフェチル;(13)抗TNF抗体又は可溶性TNF受容体、例えば、エタネルセプト、ラパマイシン、及びレフルニミド(leflunimide);(14)aP2阻害剤;(15)βアドレナリン作動薬、例えば、カルベジロール及びメトプロロール;(16)胆汁酸隔離剤、例えば、クエストラン;(17)カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ベシル酸アムロジピン;(18)化学療法剤;(19)シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤、例えば、セレコキシブ及びロフェコキシブ;(20)シクロスポリン;(21)細胞毒性薬、例えば、アザチオプリン及びシクロホスファミド;(22)利尿薬、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンゾチアジド、エタクリン酸、チクリナフェン、クロルタリドン、フロセニド(furosenide)、ムゾリミン、ブメタニド、トリアムテレン、アミロライド、及びスピロノラクトン;(23)エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、例えば、ホスホラミドン;(24)酵素、例えば、L-アスパラギナーゼ;(25)第VIIa因子阻害剤及び第Xa因子阻害剤;(26)ファルネシル-タンパク質転移酵素阻害剤;(27)フィブラート;(28)成長因子阻害剤、例えば、PDGF活性の調節因子;(29)成長ホルモン分泌促進物質;(30)HMG CoA還元酵素阻害剤、例えば、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、NK-104(別名、イタバスタチン、ニスバスタチン(nisvastatin)、又はニスバスタチン(nisbastatin))、及びZD-4522(別名、ロスバスタチン、アタバスタチン(atavastatin)、又はビサスタチン(visastatin));中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;(31)ホルモン剤、例えば、グルココルチコイド(例えば、コルチゾン)、エストロゲン/抗エストロゲン、アンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチン、及び黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗薬、並びに酢酸オクトレオチド;(32)免疫抑制薬;(33)鉱質コルチコイド受容体拮抗薬、例えば、スピロノラクトン及びエプレレノン;(34)微小管攪乱剤(microtubule-disruptor agent)、例えば、エクチナサイジン;(35)微小管安定化剤、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、及びエポチロンA-F;(36)MTP阻害剤;(37)ナイアシン;(38)ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えば、PDE III阻害剤(例えば、シロスタゾール)、及びPDE V阻害剤(例えば、シルデナフィル、タダラフィル、及びバルデナフィル);(39)植物由来産物、例えば、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、及びタキサン;(40)血小板活性化因子(PAF)拮抗薬;(41)白金配位錯体、例えば、シスプラチン、サトラプラチン、及びカルボプラチン;(42)カリウムチャネル開口薬;(43)プレニル-タンパク質転移酵素阻害剤;(44)タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;(45)レニン阻害剤;(46)スクアレン合成酵素阻害剤;(47)ステロイド、例えば、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、プレドニゾロン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、及びトリアムシノロン;(48)TNF-α阻害剤、例えば、テニダップ;(49)トロンビン阻害剤、例えば、ヒルジン;(50)血栓溶解剤、例えば、アニストレプラーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)、組換えtPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、及びアニソイル化プラスミノゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体(APSAC);(51)トロンボキサン受容体拮抗薬、例えば、イフェトロバン;(52)トポイソメラーゼ阻害剤;(53)バソペプチターゼ阻害剤(二重NEP-ACE阻害剤)、例えば、オマパトリラト及びゲモパトリラト;並びに(54)他の種々の薬剤、例えば、ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、及び金化合物を挙げることもできるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物と組み合わせて使用し得る他の療法としては、外科手術、内分泌療法、生物応答修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、及び腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法及び凍結療法、並びに有害作用を弱める薬剤(例えば、制吐薬)が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、本明細書で提供される化合物と組み合わせて使用し得る他の治療剤としては、アルキル化薬(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、及びイホスファミド)、代謝拮抗薬(シタラビン(別名、シトシンアラビノシド又はAra-C)、HDAC(高用量シタラビン)、及びメトトレキサート)、プリン拮抗薬及びピリミジン拮抗薬(6-メルカプトプリン、5-フロオロウラシル、シタルビン(cytarbine)、及びゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、及びトポテカン)、抗生物質(ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、及びマイトマイシン)、ニトロソ尿素(カルムスチン及びロムスチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、並びにホルモン剤(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド、及びメゲストロール)、イマチニブ、アドリアマイシン、デキサメタゾン、並びにシクロホスファミドが挙げられるが、これらに限定されない。最新の癌療法についてのより包括的な議論については;http://www.nci.nih.gov/と、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmのFDA承認抗癌剤のリストと、メルクマニュアル(The Merck Manual)、第17版、1999年とを参照されたく、これらの内容全体は、引用により本明細書中に組み込まれる。
別の実施態様において、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種、或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグを、以下のもの:アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン);代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート及び5-FU);抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン及びブレオマイシン);抗腫瘍植物アルカロイド(例えば、タキソール及びエトポシド);抗腫瘍ホルモン剤(例えば、デキサメタゾン及びタモキシフェン);抗腫瘍免疫剤(例えば、インターフェロンα、β、及びγ);放射線療法;並びに外科手術から選択される1以上の化学療法剤及び/又は療法の投与と組み合わせて投与することを含む。ある実施態様において、1以上の化学療法剤及び/又は療法は、本明細書で提供される化合物の投与の前、投与の間、又は投与の後に、対象に投与される。
そのような他の薬剤、又は薬物は、そのために一般に使用される経路及び量で、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグと同時に又は連続的に投与することができる。本明細書で提供される化合物が1以上の他の薬物と同時に使用される場合、本明細書で提供される化合物の他に、そのような他の薬物を含む医薬組成物を利用することができるが、必須ではない。したがって、本明細書で提供される医薬組成物には、本明細書で提供される化合物の他に、1以上の他の活性成分又は治療剤も含むものが含まれる。
本明細書で提供される化合物と第二の活性成分との重量比は変えることができ、それは、各成分の有効用量によって決まる。一般に、各々の有効用量が使用される。したがって、例えば、本明細書で提供される化合物をNSAIDと組み合わせる場合、該化合物とNSAIDとの重量比は、約1,000:1〜約1:1,000、又は約200:1〜約1:200の範囲であることができる。本明細書で提供される化合物と他の活性成分との組合せも、通常、上述の範囲内となるであろうが、どの場合も、各活性成分の有効用量が使用されるべきである。
本明細書で提供される化合物は、当業者に周知の包装材料を用いて製品として提供することもできる。例えば、米国特許第5,323,907号;第5,052,558号;及び第5,033,252号を参照されたい。医薬包装材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、並びに選択された製剤と意図される投与及び治療の様式とに好適な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本明細書で提供されるのは、医師が使用するときに、対象への適量の活性成分の投与を簡単にすることができるキットである。ある実施態様において、本明細書で提供されるキットは、容器と、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグの剤形とを含む。
ある実施態様において、該キットは、本明細書で提供される化合物、例えば、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2以上のジアステレオマーの混合物、もしくは同位体変種;或いはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、又はプロドラッグの剤形を含む容器を;本明細書に記載の1以上の他の治療剤を含む容器中に含む。
本明細書で提供されるキットは、活性成分を投与するために使用される装置をさらに含むことができる。そのような装置の例としては、シリンジ、無針注射器、点滴バッグ、パッチ、及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供されるキットは、活性成分の投与のためのコンドームを含むこともできる。
本明細書で提供されるキットは、1以上の活性成分を投与するために使用し得る医薬として許容し得るビヒクルをさらに含むことができる。例えば、活性成分が、非経口投与のために再構成しなければならない固体形態で提供される場合、キットは、活性成分を溶解させて、非経口投与に好適な無粒子滅菌溶液を形成させることができる好適なビヒクルの密封容器を含むことができる。医薬として許容し得るビヒクルの例としては:水性ビヒクル、例えば、限定されないが、注射用水USP、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースと塩化ナトリウムの注射液、及び乳酸加リンゲル注射液;水混和性ビヒクル、例えば、限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール;並びに非水性ビヒクル、例えば、限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示は、以下の非限定的な実施例によってさらに理解されるであろう。
(実施例)
本明細書で使用されるように、これらのプロセス、スキーム、及び実施例で使用される記号及び慣例は、特定の略語が具体的に定義されているかどうかを問わず、同時代の科学文献、例えば、Journal of the American Chemical Society又はthe Journal of Biological Chemistryにおいて使用されるものと一致している。具体的に、限定されないが、以下の略語を、実施例中で、及び本明細書の全体を通じて使用することができる:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);eq.(当量);mmol(ミリモル);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);hr又はhrs(時間(hour)又は時間(hours));min(分);及びMS(質量分析法)。
以下の実施例の全てについて、当業者に公知の標準的な後処理方法及び精製方法を利用することができる。特に示されない限り、温度は全て、℃(セ氏温度)で表される。特に言及されない限り、反応は全て室温で行なわれる。本明細書で示される合成方法は、具体的な実施例の使用を通じて適用可能な化学を例示することを意図するものであって、本開示の範囲を示すものではない。
実施例1
4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-N-(1-フェニルシクロプロピル)-1,3,5-トリアジン-2-アミンA1の合成
化合物A1をスキーム1に従って調製し、該スキーム1では、化合物1の(1-[4-クロロ-6-(4-モルホリニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンズイミダゾール)を、その開示がその全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第2007/244110号に記載の手順に従って合成した。
ジオキサン(15mL)中の化合物1(184mg、0.502mmol)と1-フェニルシクロプロパンアミン塩酸塩(170mg、1.00mmol)と炭酸カリウム(276mg、2.00mmol)の混合物を18時間還流させた。揮発性物質を真空中で除去し、残渣を水及び酢酸エチルで分離した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLCで精製すると、60mg(26%収率)の化合物A1が白色の固体として生じた: 98.5%純度(HPLC); MS m/z: 464.1(M+1);
実施例2
4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-N-(1-フェニルシクロペンチル)-1,3,5-トリアジン-2-アミンA3の合成
化合物A3を、1-フェニルシクロプロパンアミン塩酸塩の代わりに1-フェニルシクロペンチルアミンを用いて、化合物A1についての手順に従って合成した。粗生成物を分取HPLCで精製すると、125mg(51%収率)の化合物A3が白色の固体として生じた: 98.6%純度(HPLC); MS m/z: 492.3(M+1);
実施例3
4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-N-(1-フェニルシクロヘキシル)-1,3,5-トリアジン-2-アミンA4の合成
化合物A4を、1-フェニルシクロプロパンアミン塩酸塩の代わりに1-フェニルシクロヘキシルアミンを用いて、化合物A1についての手順に従って合成した。粗生成物を分取HPLCで精製すると、184mg(73%収率)の化合物A4が生じた:>99.5%純度(HPLC); MS m/z: 506.2(M+1);
実施例4
N-(1-ベンジルシクロプロピル)-4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA5の合成
ジオキサン(10mL)中の1-ベンジルシクロプロパンアミン(73mg、0.50mmol)と化合物1(92mg、0.25mmol)と炭酸カリウム(69mg、0.50mmol)の混合物を2時間還流させた。揮発性物質を真空下で除去し、残渣を分取HPLCで精製すると、化合物A5(41mg、34%収率)が白色の固体として生じた: 99.2%純度(HPLC); MS m/z: 478.2(M+1);
実施例5
N-(1-(4-ブロモベンジル)シクロヘキシル)-4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA6の合成
ジオキサン(20mL)中の化合物1(100mg、0.273mmol)と1-(4-ブロモベンジル)シクロヘキサンアミン(130mg、0.485mmol)を一晩還流させた。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.5%重炭酸アンモニウム中の10%アセトニトリル)で精製すると、化合物A6(61mg、37%収率)が白色の固体として生じた:純度:>99.5%純度(HPLC); MS m/z: 598.2(M+1), 600.2(M+3);
実施例6
N-(1-ベンジルシクロペンチル)-4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA7の合成
氷酢酸(3mL)中の1-ベンジルシクロペンタノール(0.10g、0.47mmol)と2-クロロアセトニトリル(72mg、0.95mmol)の混合物を氷浴中で冷却した。濃硫酸(0.1mL)を添加し、反応液を65℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。混合物を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させると、N-(1-ベンジルシクロペンチル)-2-クロロアセトアミド(81mg、68%収率)が黄色の油状物として生じ、これをさらに精製することなく使用した: MS m/z: 251(M+1)。
ジオキサン(10mL)中の該粗アセトアミド(80mg、0.32mmol)の混合物に塩酸(6N、10mL)を添加し、該混合物を一晩還流させた。冷却後、反応混合物を真空下で濃縮した。該反応混合物のpHを水酸化ナトリウム(2M)で10〜11に上昇させ、酢酸エチルで分配した。合わせた有機画分を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮すると、粗1-ベンジルシクロペンタンアミン(42mg、74%収率)が褐色の油状物として生じ、これを次の工程で直接使用した。MS m/z: 177(M+1)。
ジオキサン(25mL)中の該粗アミン(42mg、0.24mmol)と化合物1(100mg、0.27mmol)の混合物を一晩還流させた。揮発性物質を真空下で除去し、残渣を分取HPLCで精製すると、化合物A7(30mg、21%収率)が白色の固体として生じた: 98.6%純度(HPLC); MS m/z: 506.2(M+1);
実施例7
4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-(1-(2-メチルベンジル)シクロプロピル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA8の合成
ジオキサン(10mL)中の化合物1(184mg、0.502mmol)と1-(2-メチルベンジル)-シクロプロパンアミン塩酸塩(198mg、1.00mmol)と炭酸カリウム(207mg、1.50mmol)の混合物を一晩還流させた。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣を10%水酸化ナトリウムの溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.01%重炭酸アンモニウム中の0〜70%アセトニトリル)で精製すると、化合物A8(160mg、65%収率)が白色の固体として生じた:>99.5%純度(HPLC); MS m/z: 492.3(M+1);
実施例8
4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-(1-(3-メチルベンジル)シクロプロピル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA9の合成
化合物A9を、1-(2-メチルベンジル)シクロプロパンアミン塩酸塩の代わりに1-(3-メチルベンジル)シクロプロパンアミン塩酸塩を用いて、化合物A8についての手順に従って合成した。生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.01%重炭酸アンモニウム中の0〜70%アセトニトリル)で精製すると、化合物A9(152mg、62%収率)が白色の固体として生じた:>99.5%純度(HPLC); MS m/z: 492.3(M+1);
実施例9
N-(1-(2-クロロベンジル)シクロプロピル)-4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA10の合成
臭化エチルマグネシウム(エーテル中3M、4.7mL、14mmol)を2-クロロベンジルシアニド(1.0g、6.6mmol)及びチタン(IV)イソプロポキシド(2.3mL、7.7mmol)のエーテル(30mL)溶液に-78℃で添加し、その温度で10分間撹拌した。反応混合物を1時間かけて室温に温めた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.8mL、14mmol)を添加し、反応液をもう1時間撹拌した。得られた混合物に、塩酸(1M、15mL)、エーテル(20mL)、及び10%水酸化ナトリウム水溶液(25mL)を連続的に添加した。反応混合物をエーテル中に分配し、合わせた有機画分を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.01%トリフルオロ酢酸水溶液中の0〜50%アセトニトリル)で精製すると、1-(2-クロロベンジル)シクロプロパンアミントリフルオロアセテート(187mg)が白色の固体として生じた: MS m/z: 182.3(M+1)。
化合物A10を、1-(2-メチルベンジル)シクロプロパンアミン塩酸塩の代わりに1-(2-クロロベンジル)シクロプロパンアミントリフルオロアセテートを用いて、A8についての手順に従って合成した。生成物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0.01%重炭酸アンモニウム水溶液中の0〜65%アセトニトリル)で精製すると、化合物A10(2工程で214mg、14%収率)が白色の固体として生じた: 99.2%純度(HPLC); MS m/z: 512.2(M+1);
実施例10
4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-N-(1-ベンジルシクロブチル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンA11の合成
リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン中2.0M、2.2mL、4.4mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)中のイソ酪酸エチル(562mg、4.39mmol)の混合物に-78℃で添加し、この温度で1時間撹拌した。その後、臭化ベンジル(500mg、2.92mmol)を滴加し、反応混合物を-78℃でもう1時間撹拌した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応を水の添加によりクエンチし、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、エチル1-ベンジルシクロブタンカルボキシレート(620mg)が黄色の油状物として生じ、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
エタノール(30mL)及び水酸化ナトリウム(2N、10mL)中の該粗エステル(600mg、2.75mmol)の混合物を一晩加熱還流させた。冷却後、反応混合物を真空下で濃縮した。該水溶液を塩酸(2N)でpH 3〜4に酸性化し、その後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させると、1-ベンジル-シクロブタンカルボン酸(340mg、65%収率)が褐色の油状物として生じ、これを次の工程で直接使用した: MS m/z: 189(M-1)。
0℃のアセトン(30mL)及び水(3mL)中の該酸(300mg、1.58mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.33mL)、次いで、クロロギ酸メチル(194mg、2.05mmol)を添加した。該混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、アジ化ナトリウム(154mg、2.37mmol)の水(1mL)溶液を滴加した。室温でもう1時間撹拌した後、得られた混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、1-ベンジルシクロブタンカルボニルアジド(160mg、47%収率)が黄色の油状物として生じ、これをさらに精製することなく使用した。
該粗アシルアジド(160mg、0.74mmol)をトルエン(20mL)中で一晩還流させた。溶媒を真空下で除去すると、1,3-ビス(1-ベンジルシクロブチル)尿素(122mg、95%収率)が褐色の油状物として生じ、これを次の工程で直接使用した: MS m/z: 347(M-1)。
エチレングリコール(5mL)中の該尿素(122mg、0.35mmol)と水酸化カリウム(39mg、0.70mmol)の混合物を2時間還流させた。冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させると、1-ベンジルシクロブタンアミン(110mg、97%収率)が褐色の油状物として生じ、これをさらに精製することなく使用した: MS m/z: 162(M+1)。
該粗アミン(110mg、0.68mmol)及び化合物1(192mg、0.52mmol)をジオキサン(25mL)中で一晩還流させた。溶媒を真空下で除去し、残渣を分取HPLCで精製すると、化合物11(60mg、41%収率)が白色の固体として生じた:>99.5%純度(HPLC); MS m/z: 492.2(M+1);
実施例I
ルシフェラーゼに基づく発光アッセイ
PI3Kは、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸(PIP2)とATPからホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)とADPへの変換を触媒する。PI3K酵素活性は、キナーゼ反応後に消費されるATPの量を、ルシフェラーゼに基づく発光アッセイ(Kinase GLO(登録商標), Promega社, Madison, WI, USA)を反応バッファー中で用いて測定することにより決定した。反応バッファーは、50mM HEPES、pH 7.5、3mM MgCl2、1mM EGTA、100mM NaCl、0.03%CHAPS、及び2mM DTTを含んでいた。試験用化合物を100%DMSOに溶解させて、連続希釈し(合計10種の濃度)、その後、1:25で該反応バッファーに希釈した。PI3K酵素溶液は、PI3Kα(Invitrogen社, Carlsbad, CA, USA)又はPI3Kδ(Millipore社, Billerica, MA, USA)を反応バッファー中で4×最終アッセイ濃度に希釈することにより調製した。酵素の最終濃度は、PI3Kα及びPI3Kδについて、それぞれ1.65nM及び6.86nMであった。基質溶液は、PIP2及びATPを反応バッファー中で2×最終アッセイ濃度に混合することにより調製した。最終濃度は、PIP2及びATPについて、それぞれ、50μM及び25μMであった。白色の低容量384ウェルアッセイプレートの個々のウェルに、各々2.5μlの化合物及びキナーゼ混合物を添加し、その後、振盪させた。反応は、1ウェル当たり5μlの基質混合物を添加し、振盪させることにより開始した。アッセイプレートにカバーを掛け、反応を1時間(PI3Kα)又は2時間(PI3Kδ)進行させておき、その後、10μlのKinase GLO(登録商標)試薬を添加した。これらのプレートを短時間遠心分離し、10分間インキュベートし、その後、FlexStationプレートリーダー(Molecular Devices社, Sunnyvale, CA, USA)を用いて、発光を測定した。Graphpad Prismソフトウェア(Graphpad Software社, La Jolla, CA, USA)を用いたカーブフィッティングにより、IC50値を決定した。
生物学的結果を表1にまとめる。表中、Aは、100nM以下の値を表し、Bは、100nM超、200nM未満の値を表し、Cは、200nM以上、500nM以下の値を表し、Dは、500nM超の値を表し;表中、A'は、8を超える比を表し、B'は、4以上、8以下の比を表し、C'は、2を超えるが、4未満の比を表し、D'は、2以下の比を表す。
表1において、α/δ比は、ある化合物のPK3Kαに対するIC50値と、同じ化合物のPK3Kδに対するIC50値との比であり;かつ参照1は、N-ベンジル-4-(2-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-アミンである。
上記の実施例は、特許請求された実施態様の作製及び使用方法の完全な開示及び説明を当業者に与えるために提供されており、本明細書に開示されるものの範囲を限定することが意図されるものではない。当業者に明白である変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。本明細書に引用される刊行物、特許、及び特許出願は全て、あたかも各々のそのような刊行物、特許、又は特許出願が、引用により本明細書中に組み込まれることが具体的かつ個別に示されるように、引用により本明細書中に組み込まれる。