JP2014509370A - アイソレータ・デカプラ - Google Patents

Abstract

プーリ内側面（３００）を有するプーリ（３０）と、径方向に延びるアーム（２１）を有するハブ（２０）と、プーリ内側面に摺動可能に係合される摩擦面（２１１）を有する径方向に延びるアームと、プーリに固定されるバネ（４１）とを備え、バネが径方向に延びるアームに一時的に係合可能であり、バネと径方向に延びるアームの間に配置されるエラストマ部材（６１）を備え、径方向に延びるアームがプーリ停止部（３０１）に一時的に係合可能であるアイソレータ・デカプラ。

Description

本発明は、プーリ内側面に摺動可能に係合される摩擦面を有するアームと、アームとの一時的な係合を有するバネと、プーリ停止部に一時的に係合可能な径方向に延びるアームとを有するアイソレータ・デカプラに関する。

比較的良好な燃費のメリットにより、乗用車に使用されるディーゼルエンジンが増加している。さらに、燃料効率を改善するため、ガソリンエンジンは圧縮比を上昇させている。その結果、ディーゼルとガソリンのエンジンの補機駆動システムは、エンジンにおける上記変更に起因するクランク軸からの比較的大きな振動を克服する必要がある。

クランク軸振動の増加に加え、高い加速率／減速率とオルタネータの大きな慣性のために、エンジン補機駆動システムは、頻繁にベルトの滑りに起因するベルト異音を発生している。これはまたベルトの動作寿命を減少させる。

クランク軸のアイソレータ／デカプラとオルタネータのデカプラ／アイソレータは、エンジン動作速度範囲における振動を除去するため、高い角振動を有するエンジンに対して広く使用されてきた。しかしながら、クランク軸のアイソレータはエンジン運転速度範囲では非常に良好に機能し得るが、アイソレータ自体の固有振動に起因してエンジンの始動時または停止時に依然として問題を示す。

オルタネータのデカプラ／アイソレータは、オルタネータプーリにおけるベルトの滑りを解消することはできるが、クランク軸プーリで発生するベルトの滑りを解決することができない。いくつかのエンジンでは、クランク軸のアイソレータ／デカプラとオルタネータのデカプラ／アイソレータは共に使用される必要がある。残念ながら、これは補機駆動システムにコストを大幅に追加する可能性がある。

従来技術の代表的なものは米国特許第６０４４９４３号明細書であり、この明細書は、取り付けハブと、取り付けハブに回転自在に取り付けられたプーリと、プーリ内に取り付けられた環状キャリアと、それらの間に取り付けられた付勢装置と、環状キャリアとプーリとの間に取り付けられた一方向クラッチとを備えるクランク軸デカプラを開示する。付勢装置はベルト駆動におけるクランク軸からの衝撃力を緩和させ、ベルトシステムの回転共振周波数を低下させる。一方向クラッチは、エンジンの始動／停止またはエンジンの突然の減速に起因する駆動中の突発的なベルト張力の反転を防止し、反転モードでのテンショナの不適切な出力の結果である、瞬間的に逆方向へ滑るベルトの甲高い音を防止する。一方向クラッチは、伝達される可能性があるトルクの最大値を制限し、瞬間的な過負荷の間におけるベルトの滑りを防止する。

要求されていることはプーリ内側面に摺動可能に係合される摩擦面を有するアームと、アームとの一時的な係合を有するバネと、プーリ停止部に一時的に係合可能な径方向に延びるアームとを有するアイソレータ・デカプラである。本発明はこの要求を満たす。

本発明の第１の特徴は、プーリ内側面に摺動可能に係合される摩擦面を有するアームと、アームとの一時的な係合を有するバネと、プーリ停止部に一時的に係合可能な径方向に延びるアームとを有するアイソレータ・デカプラである。

本発明の他の特徴は、本発明の以下の説明と添付図面によって示され、明らかにされる。

本発明は、プーリ内側面を有するプーリと、径方向に延びるアームを有するハブと、プーリ内側面に摺動可能に係合される摩擦面を有する径方向に延びるアームと、プーリに固定されるバネを備え、そのバネが径方向に延びるアームに一時的に係合可能であり、バネと径方向に延びるアームの間に配置されるエラストマ部材を備え、径方向に延びるアームがプーリ停止部に一時的に係合可能なアイソレータ・デカプラである。

この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
アイソレータ・デカプラの正面斜視図である。 アイソレータ・デカプラの正面分解図である。 アイソレータ・デカプラの背面分解図である。 減衰部材の断面図である。 アイソレータ・デカプラの正面図である。

図１はアイソレータ・デカプラの正面斜視図である。この装置は軸１０を備える。軸１０は本装置をエンジンのクランク軸に連結するために使用される（図示せず）。トルクはクランク軸から軸１０を介してハブ２０に伝達される。軸１０は軸１０とハブ２０が共に回転するようにハブ２０に圧入されてもよい。

ハブ２０は径方向に延びるアーム２１、２２、２３を備える。径方向の延在は軸１０の回転軸Ａ−Ａに対するものである。図２参照。アーム２１、２２、２３の好ましい数は３つであるが、径方向に延びるアームは本装置の同等の効果があればいくつ使用されてもよい。本装置の動作範囲はアームの数と相関関係がある。３つの径方向に延びるアームはハブ２０とプーリ３０の間の大体１２０°の相対的動作範囲を許容する。径方向に延びる４つのアームでは相対的動作範囲は大体９０°となる等である。

各アームの端部は摩擦板部材２１０、２２０、２３０を備える。摩擦部材２１１、２１２、２１３は摩擦板部材２１０、２２０、２３０のそれぞれの端部に固定される。各摩擦部材はプーリ３０の内側面３００に摩擦して接触する。内側面３００は円筒部である。各摩擦板部材２１０、２２０、２３０は内側面３００に係合するために弓形の形状を備える。

摩擦板部材は分断と再連結の間にプーリと軸の間の相対的動作を許容する。プーリ３０はベルトに接触するためのベルト係合面３１を備える。ベルト係合面３１は示されるように複数リブ形状を備えてもよいし、または歯付き、平または単一のＶ溝のような従来公知の他のいずれかの形状を備えてもよい。

バネ部材４１、４２、４３はそれぞれ取り付け部材３０１、３０２、３０３から延びる。各バネ部材４１、４２、４３は径方向に延びるアーム２１、２２、２３にそれぞれ係合する。各バネ部材４１、４２、４３は実質的に片持ち梁の様式で負荷を与えられる。各取り付け部材３０１、３０２、３０３はまた動作時に径方向に延びる各アームの回転を停止する停止部として作動する。

径方向に延びる各アームが動作時にそれぞれのバネに係合することによりエンジンが動作中にクランク軸からプーリへのトルクの伝達を許容する。バネ部材４１、４２、４３はエンジン振動を緩和、減衰し、エンジン振動をプーリから隔絶することによりベルト駆動システムの台から隔絶する。

例えば、軸１０駆動方向Ｄ１において摩擦板部材２１０は取り付け部材３０１に接触する。軸駆動方向Ｄ２において摩擦板部材２１０は取り付け部材３０２に接触する。駆動方向Ｄ１は一般的にエンジンの減速に関係する。駆動方向Ｄ２は一般的にエンジンの加速に関係する。

各バネ部材は片持ち梁の屈曲モードで屈曲するアーム４１ａ、４２ａ、４３ａを備える。各バネ部材はまた、圧縮モードで使用される蛇腹状に折り曲げられた形状、または複数の屈曲を有する端部４１ｂ、４２ｂ、４３ｂを備える。

各バネ部材の形状は変更されてもよい。それは蛇腹状に折り曲げられた領域に異なる数の圧縮ひだを有することによるものでもよく、同様に屈曲領域４１ａ、４２ａ、４３ａに異なる曲面を備えるものでもよい。バネ部材の設計における柔軟性は、エンジンの振動の隔絶が与えられたどのようなエンジンの要求に対しても設計、調整されることを許容する。バネ部材がその屈曲、圧縮領域に有する多くの形状に加え、その厚さも要求されるようにバネ定数を調節するために変化されてもよい。バネの厚さを変化させる最も単純な方法は要求された領域の厚さを２倍または３倍にすることである。

図２はアイソレータ・デカプラの正面分解図である。摩擦リング５０はハブ２０に対するプーリ３０の相対的な動作を減衰する。摩擦リング５０は従来公知の材質である。

径方向に延びる各アーム２１、２２、２３は板４００に取り付けられ、また、その板が本装置の内部を囲む目的を果たすことにより本装置を異物から防御する。

図３はアイソレータ・デカプラの背面分解図である。摩擦リング５１はハブ２０に対するプーリ３０の相対的動作を減衰する。摩擦リング５０は従来公知の材質である。

図３ａは減衰部材の断面図である。減衰部材６１、６２、６３は各バネ部材４１、４２、４３と径方向に延びる各アーム２１、２２、２３の間の衝撃を緩和する。下の層６０１は径方向に延びる各アームに取り付けられ、「ノッキング」の音と衝撃を防止するための従来公知のエネルギ吸収材料であり、第２（上）の層６００はバネ部材の端部に接触し、また従来公知の摩耗抵抗エラストマやポリマである。

別の実施形態では、減衰部材６１、６２、６３に覆われた径方向に延びる各アームとバネの接点の先端は永久磁石を用いて磁化される。この特徴はシステムを常に連結された状態に保持する。磁化の量はシステムに要求される分断力で分断を可能にするように調整されてもよい。分断力は磁力を越え、径方向に延びるアームを各接点から分離する必要がある。例えば、この特徴はエンジンが停止される時や、微小な分断力による不要な分断と再連結を減少させる。

図４はアイソレータ・デカプラの正面図である。アームの数の４倍の数である金属同士の接触領域は全て、少なくとも２層のエラストマまたはポリマにより覆われている。この結果として、円滑な分断動作が生じる。

エンジンが減速すると、アームとバネは単純に互いに分離し、アームはプーリの内径における摩擦板の接点を逆向きに移動させる。これは非常に単純かつ効果的な分断を引き起こす。ほとんどのエンジンは分断に約１５度を必要とするので、本装置は要求よりも非常に大きな分断角度を提供する。

本発明の構成がここに記載されたが、ここに記載した本発明の精神および範囲から逸脱することなく、構造や各部品の関係において変更することは、当業者にとって自明である。

Claims (12)

1. プーリ内側面（３００）を有するプーリ（３０）と、
   径方向に延びるアーム（２１）を有するハブ（２０）と、
   前記プーリ内側面に摺動可能に係合される摩擦面（２１１）を有する前記径方向に延びるアームと、
   前記プーリに固定されるバネ（４１）とを備え、
   前記バネが前記径方向に延びるアームに一時的に係合可能であり、
   前記バネと前記径方向に延びるアームの間に配置されるエラストマ部材（６１）を備え、
   前記径方向に延びるアームがプーリ停止部（３０１）に一時的に係合可能であるアイソレータ・デカプラ。
2. 更に、３つの径方向に延びるアームを備え、
   径方向に延びる各アームが前記プーリ内側面に摺動可能に係合された摩擦面を備える請求項１に記載のアイソレータ・デカプラ。
3. 前記バネが片持ち梁の屈曲部と折り曲げ部を備える請求項１に記載のアイソレータ・デカプラ。
4. 更に、前記プーリと前記ハブの間に配置される摩擦リングを備える請求項１に記載のアイソレータ・デカプラ。
5. 更に、３つのバネを備え、
   各バネは径方向に延びるアームに係合される請求項２に記載のアイソレータ・デカプラ。
6. 更に、径方向に延びる各アームと各バネの間に配置される減衰部材を備える請求項５に記載のアイソレータ・デカプラ。
7. 更に、径方向に延びる各アームと前記プーリの間に配置される減衰部材を備える請求項５に記載のアイソレータ・デカプラ。
8. 前記プーリ内側面が円筒部を備える請求項１に記載のアイソレータ・デカプラ。
9. 前記摩擦面が弓形である請求項８に記載のアイソレータ・デカプラ。
10. 円筒部を表すプーリ内側面（３００）を有するプーリ（３０）と、
    ３つの径方向に延びるアーム（２１、２２、２３）を有するハブ（２０）と、
    前記プーリ内側面に摺動可能に係合される弓形の摩擦面（２１１、２２１、２３１）を有する径方向に延びる各アームと、
    前記プーリに固定される３つのバネ（４１、４２、４３）とを備え、
    各バネの１つが径方向に延びる各アームの１つに一時的に係合可能であり、
    各バネと径方向に延びる各アームの間に配置されるエラストマ部材（６１、６２、６３）を備え、
    径方向に延びる各アームがプーリ停止部（３０１、３０２、３０３）に一時的に係合可能であるアイソレータ・デカプラ。
11. 更に、前記ハブと前記プーリの間に配置される摩擦リング部材を備える請求項１０に記載のアイソレータ・デカプラ。
12. 更に、前記ハブに取り付けられる軸を備える請求項１０に記載のアイソレータ・デカプラ。

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