JP2014509333A - 多孔質ポリマーメンブレン - Google Patents

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Abstract

本発明は、本明細書内で定義されるナノ多孔質ポリマーメンブレンの製造方法、かかるメンブレンを得るために適した中間体、本願で定義されるポリマーメンブレン、かかるメンブレンを含有する成形物品、かかるメンブレン、成形物品および中間体の使用に関する。

Description

本発明は、多孔質ポリマーメンブレンの製造方法、かかるメンブレンを得るために適した中間体、本願で定義されるポリマーメンブレン、かかるメンブレンを含有する成形物品、かかるメンブレン、成形物品および中間体の使用に関する。
ナノ多孔質ポリマーメンブレンおよび相応の製造方法は既に公知である。典型的には、かかるメンブレンは相分離法によって、特定のポリマー箔を延伸することによって、またはテンプレートに基づく方法によって得られる。公知の方法は特定の欠点を示す。第一の方法が制御困難である一方で、第二の方法は特定の出発材料にのみ適用可能である。第三の方法はまだ工業的応用段階にない。
Johnson et al (Science 1999, vol.283,963ページ以降)は、テンプレートに基づく方法を開示しており、この方法においては、プレスされ且つ焼結されたシリカテンプレートを使用して、15〜35nmの範囲の孔を有する成形ポリマー物品が得られる。この方法は、ペレットを得るためには適しているが、メンブレンには適していない。
Mikos et al (US5514378号)は、生体適合性メンブレンを得るための方法に基づくテンプレートを開示している。開示された方法は、長い製造時間を必要とするので、産業用途および/または連続的な方法のために適さない。さらには、この方法によって得られたメンブレンの孔径は、450nm〜930nmの間の限定的な範囲内でのみ変化できる。
Eisen et al (WO2009/024973号)は、特定のポリスルホンメンブレンを製造するための多数の相分離法を開示している。1つの実施態様において、多段階の方法が開示されており、前記方法では、第一の段階において、溶剤およびポリスルホンを含有する溶液中に少量のFe23ナノ粒子を、磁場を使用してポリマーマトリックス内に導入する。その後、浸漬析出によって相分離が引き起こされて、多孔質メンブレンが作られる。最後の段階で、Fe23ナノ粒子が多孔質構造から除去されて、流量(flux)およびメンブレンの孔のアクセス可能性が高まる。この方法は、特定の装置を必要とし、且つ、特定の組み合わせの出発材料のみに適用可能である。
従って、ナノ多孔質ポリマーメンブレンのための追加的な/改善された製造方法を提供することについてのニーズがあり、有益な特性を有する新規のポリマーメンブレンについてのニーズもある。
従って、本発明の課題は、先行技術のそれらの欠点の少なくともいくつかを軽減することである。特に、本発明の目的は、多孔質ポリマーメンブレンのための改善された製造方法を提供することである。先進的な用途、例えば通気性のある布材料およびフィルターのために適したナノ多孔質ポリマーメンブレンを提供することがさらなる目的である。
本発明を以下でより詳細に記載する。この明細書内に提供される/開示される様々な実施態様、選択肢、および範囲を任意に組み合わせることができると理解される。さらには、特定の実施態様によっては、選択された定義、実施態様または範囲が適用されないことがある。さらに、本願において特定される全ての参考文献は、その全文が参照をもって開示されると理解される。
上記の課題は、請求項1に定義される製造方法を提供することによって解決される。本発明のさらなる態様は、明細書および独立請求項内に開示され、好ましい実施態様は、明細書および従属請求項内に開示される。本願で記載されるナノ多孔質ポリマーメンブレンの製造方法は、非常に汎用性があり、信頼性があり、制御が簡単であることが立証されている。この方法は、大面積のメンブレンの迅速且つ低コストの製造のために特に適している。本願に記載されるポリマーメンブレンは、以下に定義される用途において有用であることが立証されており、且つ、さらに、改善された物品の製造を可能にし、且つ/または以下に定義される物品の製造を容易にする。
この明細書を読めば明らかになるとおり、本発明は第一の態様においてポリマーメンブレンの製造方法に関し、第二の態様においてかかるポリマーメンブレンを製造するために適した中間体に関し、第三の態様において新規のポリマーメンブレンに関し、第四の態様において、かかるポリマーメンブレンを含む(即ち、含有するまたはそれらからなる)成形物品に関し、且つ、第五の態様においてかかるメンブレン、成形物品、および中間体の使用に関する。
さらには、本発明は、本発明の工程の模式図を示す図1を参照することによってより良く理解され、ここで、工程段階は本願で定義されるとおりであり、(1)は本発明の多孔質メンブレン(支持されていない、自立式)を表し、(2)は、基材(6)上で支持された本発明の多孔質材料を表し、(4)は、支持されていない(「自立式」)、または基材(6)上に支持されたポリマーと塩との共連続ナノ構造化ネットワークを表し、(5)は、溶解されたポリマー、希釈剤、および金属塩ナノ粒子を含む分散液を表す。
特段記載されない限り、以下の定義が本明細書において適用されるものとする:
「ナノ粒子」という用語は、当該分野において公知であり、且つ、結晶またはアモルファス材料を含む。ナノ粒子は、サブミクロンサイズの領域の直径を有する粒子である。一次粒径は好ましくは5〜400nmである。一次粒径を測定するために適した方法は、Limbach et alによる(Environmental Science & Technology, 2005. 39(23): 9370〜9376ページ)で見つけられる。ナノ粒子を、高温気相法(例えば火炎合成、レーザー法、およびプラズマ法)、および液相化学法(例えば析出、およびゾル−ゲル法)を含む製造方法の範囲から得ることができる。本発明に関して特に適したナノ粒子を、火炎溶射合成(FSP)法によって得ることができる。
「塩」という用語は、当該分野において公知である。塩は、酸と塩基との中和反応から形成される生成物として定義される。塩は、カチオンとアニオンとで構成されるイオン性化合物であるため、該生成物は電気的に中性である。塩の種類の例は、ハロゲン化物(塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、特にリン酸塩、炭酸塩およびハロゲン化物である。無機塩において、カチオンは金属イオンであり且つアニオンは非金属イオンであり、無機塩の具体的な例は、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウムを含む。本発明に関して、金属酸化物は塩としてはみなされない。さらには、塩は好ましくは乾燥工程、例えばFSPによって製造される。
「ポリマー」という用語は、当該分野において公知である。該用語は、繰り返しの構造単位(モノマー)の材料を示し、特に、合成ポリマー(合成モノマーを含む)を示す。従って、該用語はホモポリマー、コポリマーおよびそれらのブレンドを含む。該用語はさらに、オリゴマーを含む。ポリマーは架橋されていてよい。典型的には、アモルファスポリマーは可溶性である一方で、結晶性ポリマーはそうではない。
本願において記載される材料の「比表面積」は、ポリマーの質量あたりの空気とポリマーとの界面の面積の合計である。これは、BET法を使用した窒素吸着によって測定できる(Janssen et al, Journal of Applied Polymer Science 52, 1913, 1994による)。BET法は界面科学において、ガス分子(例えば窒素分子)の物理吸着によって固体の表面積を計算するために幅広く使用されている。該測定の基本原理は、大きな表面積を有する材料はより多くの分子状窒素をその表面上に吸着できることである(単分子層を想定)。
本願で記載される材料の「多孔度」は、材料全体の孔の容積パーセントである。多孔度は、ポロシメトリーによって、外見上の材料密度を測定することによって、BET分析によって、顕微鏡像によって測定できる。
本願に記載される材料の「透過性」は、材料の連続孔を通じた流体(即ち、液体媒体または気体媒体)の流量として定義される。透過性は、圧力を印加して、定義されたメンブレンの面積を定義された時間で通る液体または気体の容積を測定することによって測定できる。この流量の典型的な測定は、平方センチメートルあたり、1bar且つ1分あたりのミリリットルである(ml/(cm2・bar・分))。
概して、本発明は、第一の態様において、多孔質ポリマーメンブレン(1)の製造方法であって、
(a) (i) 1つ以上の希釈剤、
(ii) そこに溶解された1つ以上のポリマー、
(iii) そこに分散された1つ以上の金属塩ナノ粒子、
(iv) 随意に、そこに溶解された1つ以上の添加剤
を含有する分散液(5)を提供する段階、
(b) 基材(6)を前記分散液で被覆する段階、
(c) 得られた材料(4)を乾燥段階に供する随意の段階、
(d) そのように得られた材料を重合または架橋段階に供する随意の段階、
(e) 前記1つ以上の金属塩粒子を溶解段階によって除去する段階、
(f) 得られたポリマーメンブレンを前記支持材料(6)から取り外す随意の段階
を含む前記方法に関する。この方法は、図1の左側に図示されている。
希釈段階(e)が該製造方法のキーとなる要素であり、且つ、本発明のポリマーメンブレンを得るためのキーとなる要素でもあると考えられる。先行技術が、出発材料としてポリマー、溶剤、および非溶剤の組み合わせを使用している一方で、本発明は出発材料としてポリマー、溶剤、および金属塩ナノ粒子を使用し、且つ、選択的に金属塩を除去して、多孔質ポリマーメンブレンを得る。これは、金属塩およびポリマーの化学特性が著しく異なり、幅広い選択肢の組み合わせと工程段階を可能にするので、有利であるとみなされる。本願で記載される製造方法は、個々の段階a)〜f)が産業において公知であり、且つ既に商業的に使用されているので、有利であるとみなされる。さらには、上述の方法は非常に迅速であり、且つ、連続的な工程で実施できる。意外なことに、ナノ粒子状金属塩の使用は、一方ではメンブレン中に適した孔をもたらし且つ他方では改善された製造速度をもたらす、改善された方法をもたらすことが判明した。これは予想外であり、なぜなら、(i)当業者は、ポリマー膜からのナノ粒子材料の溶解を予想しないからであり、その理由は、ナノ粒子が個々にポリマーによって被覆され、従って溶解から保護されていると予想されるからである。
本発明のこの態様を、以下でさらに詳細に説明し、その際、工程段階を初めに記載し、適した材料を後に記載する:
段階a) 金属塩ナノ粒子、希釈剤、ポリマー、および随意に添加剤の混合物を含有する分散液(5)をまず準備する。典型的には、希釈剤の量は、分散液の少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%、最も好ましくは少なくとも90質量%である。そのような比較的多量の溶剤により、低い粘度が確実になり、ひいては被覆段階の間の薄膜の形成が確実になる。典型的には、ポリマー:ナノ粒子の比(質量%)は、2:1〜0.2:1、好ましくは1.25:1〜0.25:1、最も好ましくは1.1:1〜0.7:1の範囲である。そのような比較的多量のナノ粒子により、製造されたメンブレン内での適正な孔の形成が確実になる。理論に縛られるわけではないが、量がより少ないと、連続したネック部が提供されない一方で、量がより多いと、コーティングの崩壊を引き起こすと考えられる。意外なことに、本発明の方法は、分散液(5)に添加物を添加せずに(特に界面活性剤を添加せずに)、非常に良好な結果をもたらすことが判明した。従って、有利な実施態様においては、添加剤(特に界面活性剤)は分散液(5)に添加されない。1つの実施態様において、分散液(5)は、金属塩ナノ粒子、希釈剤、およびポリマーからなる。
段階b: 段階a)の分散液を、例えば通常の印刷または被覆方法を使用して基材に塗布する。これにより、前記基材(6)上に、金属塩/ポリマーナノ複合膜(4)が得られる。適した方法は当該技術分野において公知であり、且つ、噴霧、ロール・ツー・ロール法、ディップコーティングを含む。
段階c: その後、例えばより迅速に溶剤を蒸発させるために、ナノ複合膜を熱処理(例えば乾燥)に供して、ナノ粒子を含有するポリマー膜を得ることができる。温度および処理時間は出発材料(特に希釈剤)によって変化でき、且つ、典型的には200℃未満且つ好ましくはポリマーの融点未満である。
段階d: 段階b)で被覆された材料を、重合および/または架橋段階に供することができる。この段階は随意であり、且つ、適正な出発材料が使用される場合に適用される。特に、ポリマーが、随意に開始剤の存在下で重合できるオリゴマーおよび/またはモノマーを含む場合(重合)、または、ポリマーが随意に架橋剤の存在下で架橋できる基を含む場合(架橋段階)である。段階d)および段階c)を、同時または連続して行うことができる。
段階e: かかるナノ複合メンブレン内での連続的な塩の層を溶解し、それによってナノ多孔質ポリマー膜(多孔質ポリマーメンブレン)が基材上に得られる。特に水性溶剤、例えば水または酸性水溶液が適している。溶剤の選択は、特に、使用される金属塩の種類に依存する。段階e)における溶剤は、ポリマーを溶解せずに金属塩ナノ粒子を確実に溶解するように選択される。
段階f: 多孔質材料から基材を、例えば((1)を得るために)剥離によって、または((1)を得るために)他の基材に移すことによって容易に除去することができる。この除去段階を、(上記に概説したとおり)洗浄段階(e)の後、または(以下で概説するとおり)洗浄段階(e)の前に行うことができる。段階(f)を、自体公知の方法を使用して実施できる。除去段階f)は、支持されていない多孔質材料(1)を得るために基材(6)を除去すること、または多孔質材料を他の支持材料に移して被覆物品を得ることを目的としている。選択的な実施態様において、本発明は、図1の右側に図示されるとおり、前記段階(f)が段階(e)の前に実施される、本願で記載される方法を提供する。従って、本発明は、ポリマーメンブレン(1)の製造方法であって、(a) 本願で記載される分散液(5)を提供する段階、(b) 基材(6)を前記分散液で被覆する段階、(c) 得られた材料(4)を乾燥段階に供する随意の段階、(d) そのように得られた材料を重合または架橋段階に供する随意の段階、(f) 得られた材料(4)を前記支持材料(6)から除去する段階、(e) 前記1つ以上の金属塩粒子を、溶解段階によって除去し、それによってポリマーメンブレン(1)を得る段階を含む前記方法にも関する。
適した溶剤を、広範な公知の溶剤およびそれらの組み合わせから選択できる。例は、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、ハロゲンアルカン、アルカン、シクロアルカン、スルホキシド、アミド、ピロリドン、ラクタムからなる群から選択される有機溶剤を含む。
適したポリマーを、広範な公知のポリマーおよびそれらの組み合わせから選択できる。有利な実施態様において、ポリマーは、アモルファスポリマーの群から選択される。従って、適したポリマーは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリアリーレート、およびポリウレタンを含む。本発明は、コポリマーおよびポリマーの混合物(ブレンド)の使用も含む。
適した金属塩ナノ粒子を、広範な公知の金属塩およびそれらの組み合わせから選択できる。好ましくは、金属塩粒子は、炭酸塩(炭酸水素塩を含む)、硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、およびリン酸塩からなる群から選択され、好ましくは炭酸塩である。例は、CaCO3、BaCO3、SrCO3、Na2CO3、K2CO3、NaClを含む。好ましくは、金属塩粒子は粒径5〜400nm、好ましくは15〜200nmを有する。好ましくは、金属塩粒子は、乾燥法、特にFSP法によって製造される。好ましくは、金属塩は段階a)の前に、別途の工程において調製される。従って、本発明は、ナノ粒子がin−situで調製されない、本願で記載される方法にも関する。好ましくは、金属塩粒子は炭酸塩(炭酸水素塩を含む)からなる群から選択され、且つ、方法は連続的な方法である(以下に記載される)。意外なことに、出発材料としてかかる炭酸塩を使用する場合、多孔質メンブレンの連続的な製造方法を実現できることが判明した。これは、特に迅速な溶解および水溶液(または酸性溶液)中での炭酸塩の完全な除去に起因し得る。
適した添加剤は、広範な公知の添加剤およびそれらの混合物から選択でき、且つ当該技術分野で公知である。
適した基材は広範な公知の基材から選択できる。基材は、製造方法と適合性のある任意の支持材であってよく、特に、それは使用される溶剤に対して不活性である必要がある。製造の間、コーティングが基材に付着しており、且つ、製造後に除去できればさらに有益である。基材用に適した材料は、ポリマー材料(好ましくは半晶質または結晶質)、ガラス、金属、およびセラミックス(各々、被覆されているか、または被覆されていない)を含む。
適した分散液を、公知の技術を使用して上記の出発材料から調製することができる。好ましい分散液は、50〜99質量%の希釈剤、および/または1〜20質量%のポリマー、および/または0.5〜40質量%の金属塩粒子、および/または0〜5質量%の添加剤を、本願に定義されるとおりに含有する。該成分を強力に撹拌することによって、および/または該成分を超音波処理に供することによって、出発材料を混合することが適していることが判明した。
さらなる実施態様において、本発明の方法は相分離工程/相分離段階を使用することなく、ポリマーメンブレンを製造するための工程を提供する。かかる相分離は、特定のポリマーに限定され、且つ、相応の孔の形成は、様々な工程パラメータ(例えば温度、湿度、時間)に非常に敏感であり、それらを慎重に同時に制御する必要がある。かかる工程は、迅速且つ大規模な商業用の製造のためには不利であることが明らかである。従って、本発明は、相分離段階を必要しない、本願内で記載される方法も提供する。本発明に関して、相分離段階とは、特定の装置を必要とする製造方法における別途の段階とみなされる。相分離は、限定的な数のポリマー/ポリマーの組み合わせについてのみ観察されることも注記される。本発明はかかる特定のポリマーまたはそれらの組み合わせには限定されず、従ってよりいっそう汎用性があるとみなされる。
さらなる実施態様において、本発明の方法は延伸工程/延伸段階を使用することなく、ポリマーメンブレンを製造するための方法を提供する。かかる延伸は、特定のポリマーに限定され、且つ、典型的にはメンブレンを得るために箔に適用される。かかる追加的な段階は制御が困難であり、従って商業用の製造のためには不利である。従って、本発明は、延伸段階を必要しない、本願内で記載される方法も提供する。
さらなる実施態様において、本発明は、本願内で記載されるポリマーメンブレン(1)の製造方法であって、(基材(6)およびコーティングを含有する)成形物品を溶解段階(e)に供し、且つ、そのように得られた成形物品から前記支持材を随意に除去すること(段階f)を含む、前記方法を提供する。上記で概説したとおり、溶解段階(e)は、全てまたは本質的に全ての塩材料を前記物品から除去することを目的としている。上記で概説したとおり、除去段階(f)は、支持されていない多孔質材料(1)を得るために基材(6)を除去すること、または多孔質材料を他の支持材料に移して被覆物品を得ることを目的としている。
さらなる実施態様において、本発明は、本願で記載されるポリマーメンブレン(1)の製造方法であって、(a) 本願で記載される分散液(5)を提供する段階、(b) 基材(6)を前記分散液で被覆する段階、(c) 得られた材料(4)を、(希釈剤を除去するために)乾燥段階に供する段階、(e) 得られた材料を(1つ以上の金属塩粒子を除去するために)溶解段階に供する段階、(f) 得られたポリマーメンブレンを、(多孔質ポリマーメンブレンを得るために)前記支持材料(6)から除去する段階からなる前記方法を提供する。
さらなる実施態様において、本発明は、段階a)〜f)の1つ以上、好ましくは全てが、連続的な工程、例えばロール・ツー・ロール工程(R2R工程)に適合されている、本願で記載される方法を提供する。
さらなる実施態様において、工程段階a)を繰り返すことがある。この手段は、金属塩ナノ粒子の完全な除去を確実にする。従って、段階e)は多数回の洗浄および乾燥も含む。多段階の手順を使用する場合、同一または異なる溶剤を使用でき、例えば、まず希釈された水性酸を使用し、次に水を使用することができる。
上記の製造方法は、事実上、大きさが制限されない多孔質材料を提供する。製造段階a)〜e)は、材料の大きさに関する限定をもたらさないので(使用装置を除く)、長さおよび幅の点で大きなシート状材料を得ることができる。従って、本発明は、ポリマーメンブレンが100cm2より大きい、好ましくは400cm2より大きい面積を有する、本願に開示される方法も提供する。
金属塩粒子(大きさおよび量)を適切に選択することによって、および、工程パラメータ(例えば被覆物の厚さ、乾燥時間)を選択することによって、多孔度および孔径分布を広い範囲にわたって変化させることができる。従って、本発明は、ポリマーメンブレンが10〜90%、好ましくは25%より上、例えば28%の多孔度を有する、本願で開示される方法も提供する。従って、本発明は、ポリマーメンブレンが5〜400nm、好ましくは15〜200nmの孔径を有する、本願で開示される方法も提供する。
本発明は、第二の態様において、本願に記載される製造方法において有用である中間体または出発材料に関する。本発明のこの態様については、以下でさらに詳細に説明される:
1つの実施態様において、本発明は、40〜99質量%の希釈剤、1〜20質量%のポリマー、0.5〜40質量%の金属塩ナノ粒子、および0〜5質量%の添加剤を含む(即ち、含有する、またはそれらからなる)分散液(5)に関する。かかる分散液は、以下に記載されるとおり、本発明の方法のために適した出発材料である。本発明の分散液の個々の成分は自体公知であり、適した成分は「第一の態様」に関連して上記で特定されている。特に適した成分は以下で特定される:
希釈剤: ナノ粒子を分散し且つポリマーを溶解するために適した任意の液体担体を使用でき、上記で特定された希釈剤が好ましい。希釈剤の量を、意図される次の製造段階(例えば噴霧、被覆または印刷)に依存して、広い範囲にわたって変化させることができる。
ポリマー: 適したポリマーは、上記で特定された希釈剤中で可溶性であるポリマー、例えば本願で記載されるアモルファスポリマー、架橋可能なポリマー、重合可能なオリゴマーを含む。
金属塩ナノ粒子: 広義において、任意の金属塩ナノ粒子を本発明の分散液中で使用できる。予め製造されたナノ粒子を使用することが有利である一方で、ナノ粒子のin−situ形成があまり好ましくないことが判明した。適したナノ粒子の製造は、当該技術分野において公知である。乾燥法、例えばFSP法によって製造されたナノ粒子が特に適していることが判明した。
添加剤: 添加剤を、界面活性剤、重合開始剤、安定剤、架橋剤、湿潤剤からなる群から選択できる。
特定の実施態様において、分散液(5)は、特にナノ粒子が希釈剤から分離するので、1日未満の貯蔵寿命を有することが判明した。それにもかかわらず、該分散液は本発明の方法に適しているが、しかし使用に先立って(例えば音波処理によって)前処理してもよい。従って、本発明は、本願で定義される分散液と、要素のキットとの両方に関し、ここで、第一の部分は本願で記載される金属塩ナノ粒子を含み(即ち、含有する、またはそれらからなる)、且つ、前記第二の部分は、本願で記載される希釈剤、ポリマーおよび添加剤を含む(即ち、含有する、またはそれらからなる)。
さらなる実施態様において、本発明は、基材(6)およびコーティングを含む材料(4)であって、(i) 前記コーティングが、各々、本願で定義される金属塩ナノ粒子、ポリマー、希釈剤、および随意に添加剤を含有し、(ii) 前記ナノ粒子が、前記コーティング中にランダムに分散しており、(iii) 前記コーティングが0.05〜50μmの厚さ(d)を有する、前記材料(4)に関する。材料(4)を、懸濁液(5)を基材(6)上に被覆/印刷し、随意に次に上述の分散媒体を除去することによって得ることができる。
本発明は、第三の態様において、新規のポリマーメンブレンに、および、かかるポリマーメンブレンを含む成形物品に関し、本発明のこの態様については、以下でさらに詳細に説明される。
1つの実施態様において、本発明はポリマーメンブレンに関し、前記ポリマーは(i) 有機溶剤中で可溶性のポリマーおよびそれらの架橋ポリマーからなる群から選択され、(ii) 5〜400nmの直径を有する孔を有し、(iii) 0.05〜50μmの厚さを有する。本願で概説される独自の製造方法により、本発明は、有機ポリマーについて特定の多孔度と厚さとを兼備したナノ多孔質メンブレンを提供する。
有利なポリマーおよび本発明のメンブレンの特徴は、下記で概説される:
ポリマー: 上記で概説したとおり、広範なポリマーを本発明のメンブレンのために使用できる。このことは有利であるとみなされ、なぜなら、現在公知のポリマーメンブレンは、材料の適性および/または孔の特徴の観点で制限されるからである。適したポリマーは、有機溶剤中で可溶性のポリマーの群から選択でき、且つ、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリシロキサン、例えばPSU、PES、PPSU、PC、PMMA、PS、PDMSを含む。
孔: 上記で概説したとおり、本発明の材料は多孔質である。本発明の材料は、存在する孔の大きさ、種類、および量によって特徴付けられる。孔の大きさおよび種類および量は、出発材料、金属塩ナノ粒子:ポリマーの比、製造方法によって影響され得る。
大きさ: 本発明のメンブレンの孔径は(塩ナノ粒子の直径によって定義される)、ナノスケールの範囲であり、典型的には5nm〜400nm、好ましくは15〜200nmである。孔の大きさを顕微鏡によって測定できる。さらには、使用される出発材料によって、孔径分布を正確に調節することができる。
量: 多孔度、即ち、メンブレン全体の容積に対する孔の容積は、広い範囲で変化できる。本発明の材料は、10〜90容積%、好ましくは20〜90容積%の範囲、より好ましくは25容積%より上、例えば28容積%の多孔度を示す。多孔度はBETによって測定できる。
種類: 材料の孔を、該材料が透過性、部分透過性、または不透性であるように整えることができる。本質的に材料の全ての孔が閉じた端を有する場合、該材料は不透性である。これに対して、本質的に材料の全ての孔が開放端を有する場合、該材料は透過性であるとみなされる。従って、一部の孔が閉じた端を有する場合、該材料は部分透過性であるとみなされる。有利な実施態様において、本発明は前記孔の少なくとも90%が相互接続しているポリマーメンブレンを提供する。
厚さ: 本発明のメンブレンの厚さを、広い範囲にわたって変化させることができる。本発明のメンブレンは、50nm〜50000nm、好ましくは300nm〜10000nm、例えば1000nmの厚さを示す。かかるメンブレンは、「シート状材料」または「多孔質箔」とも呼ばれ、これらの用語は、該材料が、該材料の厚さよりも少なくとも1桁(magnitude)大きい、(好ましくは2桁大きい)長さおよび幅を有することを示す。
さらなる実施態様において、本発明は、生物材料、例えば細菌、ウィルス、細胞に対して不透性である、および/またはナノ粒子を含む無機材料に対して不透性である、本願で記載されるポリマーメンブレンに関する。さらなる実施態様において、本発明は、液体(水を含む)、気体(空気を含む)、および溶解された材料(金属イオンおよびタンパク質を含む)に対して透過性である、本願で記載されるポリマーメンブレンに関する。典型的には、本発明のメンブレンのカットオフは、5〜400nmの範囲、例えば20nmである。典型的には、本発明のポリマーメンブレンの流れは、1barで0.01〜100ml/分/cm2の範囲、例えば1barで0.2ml/分/cm2である。
さらなる実施態様において、本発明は、本願で記載される方法によって得ることができる、特に本願で記載されるポリマーメンブレンに関する。
さらなる実施態様において、本発明は、本願で記載される方法によって得られた、特に本願で記載されるポリマーメンブレンに関する。
本発明は、第四の態様において、本願で記載されるポリマーメンブレンを含む成形物品に関する。広範な物品が、本発明の多孔質材料を備えることができる。本発明のこの態様については、以下でさらに詳細に説明される:
1つの実施態様において、本発明は、(i) フィルター(好ましくは、前記メンブレンは支持されているかまたは支持されていない)、(ii) 織布または不織布(前記メンブレンは前記布上に積層されている)からなる群から選択される、本願で記載される成形物品に関する。
さらなる実施態様において、成形物品は支持材およびコーティング、好ましくはトップコーティングを含み、ここで、前記コーティングは本願で定義される多孔質材料からなる。
さらなる実施態様において、本発明は、本願で記載される方法によって得ることができる、または得られた物品に関する。
本発明は、第五の態様において、本願で記載される、メンブレン、成形物品および中間体の使用/使用方法に関する。
メンブレン:
1つの実施態様において、本発明は、フィルター装置における、または織布または不織布の一部としての、本願で記載されるメンブレンの使用に関する。本発明のメンブレンは、フィルター材料および布材料を含む多数の用途において有用であると立証されている。本発明のこの態様については、以下でさらに詳細に説明される。本発明のメンブレンは自己支持式(「自立式」)である。従って、それらは、支持材上での類似した厚さおよび多孔度の公知のメンブレンから識別される。しかしながら、本発明の材料は、適切な支持材を被覆するために適している。特定の支持材から独立して、かかるメンブレンを製造する可能性により、それは非常に汎用性が高くなる。本発明のメンブレンは、例えば公知の方法を使用して、精密ろ過、限外ろ過、および/またはナノろ過において使用できる。精密ろ過は、100〜1000nmの粒子、例えば細菌を分離するために使用され、限外ろ過は、10〜100nmの粒子、例えばウィルス、タンパク質およびコロイドを分離するために使用され、ナノろ過は、1〜10nmの粒子、例えば塩、殺虫剤、糖を分離するために使用される。
成形物品:
一般に、本発明の成形物品は、本願で定義されるポリマーメンブレンの有益な特性を保持しており、従って、かかるメンブレンに適用可能な全ての用途のために適しており、これは特に、本願で開示される用途、例えば精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過(例えば滅菌ろ過またはウィルスろ過、または生物分子(例えばタンパク質)の濃縮)を含む。さらなる実施態様において、本発明は、本願で定義される物品の、(i)フィルターにおける、(ii)布材料における使用に関する。
中間体/出発材料:
本発明の中間体を、本願で記載されるメンブレンの製造方法において使用することができる。
ポリマーメンブレンの製造工程を示す図である。
本発明をさらに説明するために、以下の例を提供する。これらの例を、本発明の範囲を制限するという意図はなく提供する。
I. 出発材料の調製
塩ナノ粒子の調製は、WO2005/087660号内に記載されている。炭酸カルシウム(CaCO3と記す)、炭酸バリウム(BaCO3と記す)、炭酸ストロンチウム(SrCO3と記す)、炭酸カリウム(K2CO3と記す)、および炭酸ナトリウム(Na2CO3と記す)ナノ粒子の合成について、以下で簡単に記載し、WO2005/087660内に記載されるFSP装置を使用する。
a) CaCO3ナノ粒子の調製: 2−エチルヘキサン酸中のCa−2−エチルヘキサノエート(Molekula)を、テトラヒドロフラン(THF)で希釈して、最終的なCa含有率3.9質量%にした。この前駆体を、噴霧ノズルに供給し(9ml/分、HNP Mikrosysteme、マイクロ環状ギアポンプ mzr−2900)、酸素(9l/分、PanGas Tech.)によって分散させ、且つ、予め混合されたメタン−酸素火炎(CH4、1.2l/分; O2、2.2l/分)によって点火する。そのオフガスを、ガラス繊維フィルター(Whatman Ltd.、米国)を通じて、真空ポンプ(Busch S.A.、スイス)によってろ過する。得られる粉末をガラス繊維フィルター上で収集し、且つ、スパチュラによって除去する。
b) BaCO3ナノ粒子の調製: 2−エチルヘキサン酸中のBa−2−エチルヘキサノエート(AlfaAesar)を、テトラヒドロフラン(THF)で希釈して、最終的なBa含有率4.6質量%にした。この前駆体を、噴霧ノズルに供給し(5ml/分、HNP Mikrosysteme、マイクロ環状ギアポンプ mzr−2900)、酸素(5l/分、PanGas Tech.)によって分散させ、且つ、予め混合されたメタン−酸素火炎(CH4、1.2l/分; O2、2.2l/分)によって点火する。そのオフガスを、ガラス繊維フィルター(Whatman Ltd.、米国)を通じて、真空ポンプ(Busch S.A.、スイス)によってろ過する。得られる粉末をガラス繊維フィルター上で収集し、且つ、スパチュラによって除去する。
c) SrCO3ナノ粒子の調製: 2−エチルヘキサン酸中のSr−2−エチルヘキサノエート(Strem Chemicals)を、テトラヒドロフラン(THF)で希釈して、最終的なSr含有率4.7質量%にした。この前駆体を、噴霧ノズルに供給し(5ml/分、HNP Mikrosysteme、マイクロ環状ギアポンプ mzr−2900)、酸素(5l/分、PanGas Tech.)によって分散させ、且つ、予め混合されたメタン−酸素火炎(CH4、1.2l/分; O2、2.2l/分)によって点火する。そのオフガスを、ガラス繊維フィルター(Whatman Ltd.、米国)を通じて、真空ポンプ(Busch S.A.、スイス)によってろ過する。得られる粉末をガラス繊維フィルター上で収集し、且つ、スパチュラによって除去する。
d) K2CO3ナノ粒子の調製: 20質量%のK−2−エチルヘキサノエート(AlfaAesar)を、2−エチルヘキサン酸中で溶解させ、且つ、さらにテトラヒドロフラン(THF)で希釈して、最終的なK含有率3.5質量%にした。この前駆体を、噴霧ノズルに供給し(5ml/分、HNP Mikrosysteme、マイクロ環状ギアポンプ mzr−2900)、酸素(5l/分、PanGas Tech.)によって分散させ、且つ、予め混合されたメタン−酸素火炎(CH4、1.2l/分; O2、2.2l/分)によって点火する。そのオフガスを、ガラス繊維フィルター(Whatman Ltd.、米国)を通じて、真空ポンプ(Busch S.A.、スイス)によってろ過する。得られる粉末をガラス繊維フィルター上で収集し、且つ、スパチュラによって除去する。
e) Na2CO3ナノ粒子の調製: 20質量%のNa−2−エチルヘキサノエート(Aldrich Fine Chemicals)を、2−エチルヘキサン酸中で溶解させ、且つ、さらにテトラヒドロフラン(THF)で希釈して、最終的なNa含有率2.4質量%にした。この前駆体を、噴霧ノズルに供給し(5ml/分、HNP Mikrosysteme、マイクロ環状ギアポンプ mzr−2900)、酸素(5l/分、PanGas Tech.)によって分散させ、且つ、予め混合されたメタン−酸素火炎(CH4、1.2l/分; O2、2.2l/分)によって点火する。そのオフガスを、ガラス繊維フィルター(Whatman Ltd.、米国)を通じて、真空ポンプ(Busch S.A.、スイス)によってろ過する。得られる粉末をガラス繊維フィルター上で収集し、且つ、スパチュラによって除去する。
II. ポリマーメンブレンの調製
ポリマーメンブレンは一般に、多段階工程において製造される(図1参照):
段階a) (適切な溶剤中に予め溶解された)可溶性ポリマー、および金属塩ナノ粒子からなる分散液を調製する。この分散液は、成分を手動で混合し、良好に分散された塩ナノ粒子を得るためにさらに超音波処理することによって達成される。
段階b) 前記分散液を基材(例えばガラス)上に、スピンコーティングまたはロールコーティングを使用して塗布し、その後、乾燥させる。塗布された膜をより速く乾燥させるために、随意に、加熱段階を適用する(溶剤の蒸発; 段階c))。
段階e) テンプレートの塩ナノ粒子を、適した酸を使用してポリマーマトリックスから除去(溶解)し、多孔質構造が現れる。その後、該膜を脱イオン水およびエタノール中で洗浄し、且つ、空気で乾燥させる。種々のポリマー、塩、および溶剤を使用するポリマーメンブレンのための特定の調製手順を以下に示し、且つ、表1に要約する。
a) 多孔質ポリスルホンメンブレン(多孔質PSUメンブレン)
a1) ジクロロメタン(DMと記す)中に溶解されたPSU
DM (J.T. Baker、NL)中に溶解されたPSU (Dolder AG、Udel P−1700)を、CaCO3、K2CO3またはNa2CO3ナノ粒子のいずれかと混合する。ポリマーの塩に対する質量割合は、52.5%〜47.5%である。ポリマー/塩の溶剤に対する質量割合は、6%〜94%である。この混合物を1分間、400Wで音波処理し(Hielscher ultrasonics、UP400s)、ナノ粒子を分散させる。その後、該分散液をガラス基材上にスピンコーティング(Laurell Technologies Corp.、WS−650SZ)、またはロールコーティング(Zehntner GmbH、ZAA 2300)を使用して塗布し、均質な厚さの膜を達成する。スピンコーティングについては、ほぼ500μlの液滴を基材上にピペットで取り、その後、10秒間、1000rpmおよび加速度1000rpm/秒でスピンする。ロールコーティングについては、コーティングナイフは50μmのスロットを有し、前進速度は18mm/秒に設定される。分散液1mlを使用して、約10×10cm2の面積の膜を作る。最終的に、塩ナノ粒子が1Mの塩酸(HClと記す)中で3分間溶解されて、多孔質構造が現れる。その後、膜を脱イオン水(Millipore、電気抵抗>18MΩcm)およびエタノール中で洗浄し、そして空気で2時間乾燥させる。
a2) ジメチルアセトアミド(DMACと記す)中に溶解されたPSU
DMAC中(Fluka、CH)に溶解されたPSU (Dolder AG、Udel P−1700)を、SrCO3ナノ粒子と混合する。ポリマーの塩に対する質量割合は、40.0%〜60.0%である。ポリマー/塩の溶剤に対する質量割合は、20.0%〜80.0%である。この混合物を1分間、400Wで音波処理し(Hielscher ultrasonics、UP400s)、ナノ粒子を分散させる。その後、該分散液をガラス基材上にスピンコーティング(Laurell Technologies Corp.、WS−650SZ)、またはロールコーティング(Zehntner GmbH、ZAA 2300)を使用して塗布し、均質な厚さの膜を得る。スピンコーティングについては、ほぼ500μlの液滴を基材上にピペットで取り、その後、30秒間、1000rpmおよび加速度1000rpm/秒でスピンする。ロールコーティングについては、コーティングナイフは50μmのスロットを有し、前進速度は18mm/秒に設定される。分散液1mlを使用して、約10×10cm2の面積の膜を作る。次に、残留している溶剤を迅速に蒸発させるために、1分間、120℃で、通常のラボ用オーブン(Memmert GmbH)内での加熱が必要である。最終的に、塩ナノ粒子を1Mの塩酸(HClと記す)中で3分間溶解して、多孔質構造が現れる。その後、膜を脱イオン水(Millipore、電気抵抗>18MΩcm)およびエタノール中で徹底的に洗浄し、そして空気で2時間乾燥させる。
b) 多孔質ポリエーテルスルホンメンブレン(多孔質PESメンブレン)
b1) DMAC中に溶解されたPES
DMAC(Fluka、CH)中に溶解されたPES (Dolder AG、Veradel A−201)を、BaCO3またはSrCO3ナノ粒子のいずれかと混合する。ポリマーのBaCO3に対する質量割合は、20.0%〜80.0%である。ポリマー/BaCO3の溶剤に対する質量割合は、40%〜60%である。ポリマーのSrCO3に対する質量割合は、40.0%〜60.0%である。ポリマー/SrCO3の溶剤に対する質量割合は、20%〜80%である。これらの混合物を1分間、400Wで音波処理し(Hielscher ultrasonics、UP400s)、ナノ粒子を分散させる。その後、該分散液をガラス基材上にスピンコーティング(Laurell Technologies Corp.、WS−650SZ)、またはロールコーティング(Zehntner GmbH、ZAA 2300)を使用して塗布し、均質な厚さの膜を得る。スピンコーティングについては、ほぼ500μlの液滴を基材上にピペットで取り、その後、30秒間、1000rpmおよび1000rpm/秒の加速でスピンする。ロールコーティングについては、コーティングナイフは50μmのスロットを有し、前進速度は18mm/秒に設定される。分散液1mlを使用して、約10×10cm2の面積の膜を作る。次に、残留している溶剤を迅速に蒸発させるために、1分間、120℃で、通常のラボ用オーブン(Memmert GmbH)内での加熱が必要である。最終的に、塩ナノ粒子が1Mの塩酸(HClと記す)中で3分間溶解して、多孔質構造が現れる。その後、膜を脱イオン水(Millipore、電気抵抗>18MΩcm)およびエタノール中で徹底的に洗浄し、そして空気で2時間乾燥させる。
b2) ジメチルスルホキシド(DMSOと記す)中に溶解されたPES
DMSO(Fluka、CH)中に溶解されたPES (Dolder AG、Varadel A−201)を、CaCO3ナノ粒子と混合する。ポリマーの塩に対する質量割合は、52.5%〜47.5%である。ポリマー/塩の溶剤に対する質量割合は、6.0%〜94.0%である。この混合物を1分間、400Wで音波処理し(Hielscher ultrasonics、UP400s)、ナノ粒子を分散させる。その後、該分散液をガラス基材上にスピンコーティング(Laurell Technologies Corp.、WS−650SZ)、またはロールコーティング(Zehntner GmbH、ZAA 2300)を使用して塗布し、均質な厚さの膜を得る。スピンコーティングについては、ほぼ500μlの液滴を基材上にピペットで取り、その後、1分間、1000rpmおよび加速度1000rpm/秒でスピンする。ロールコーティングについては、コーティングナイフは50μmのスロットを有し、前進速度は18mm/秒に設定される。分散液1mlを使用して、約10×10cm2の面積の膜を作る。次に、残留している溶剤を迅速に蒸発させるために、1分間、120℃で、通常のラボ用オーブン(Memmert GmbH)内での加熱が必要である。最終的に、塩ナノ粒子を1Mの塩酸(HClと記す)中で3分間溶解して、多孔質構造が現れる。その後、膜を脱イオン水(Millipore、電気抵抗>18MΩcm)およびエタノール中で徹底的に洗浄し、そして空気で2時間乾燥させる。
c) 多孔質ポリカーボネートメンブレン(多孔質PCメンブレン)
DM(J.T. Baker、NL)中に溶解されたPC (Bayer Material Science、Makrolon OD2015)をCaCO3ナノ粒子と混合する。ポリマーの塩に対する質量割合は、52.5%〜47.5%である。ポリマー/塩の溶剤に対する質量割合は、6%〜94%である。この混合物を1分間、400Wで音波処理し(Hielscher ultrasonics、UP400s)、ナノ粒子を分散させる。その後、該分散液をガラス基材上にスピンコーティング(Laurell Technologies Corp.、WS−650SZ)、またはロールコーティング(Zehntner GmbH、ZAA 2300)を使用して塗布し、均質な厚さの膜を得る。スピンコーティングについては、ほぼ500μlの液滴を基材上にピペットで取り、その後、10秒間、1000rpmおよび加速度1000rpm/秒でスピンする。ロールコーティングについては、コーティングナイフは50μmのスロットを有し、前進速度は18mm/秒に設定される。分散液1mlを使用して、約10×10cm2の面積の膜を作る。最終的に、塩ナノ粒子を1Mの塩酸(HClと記す)中で3分間溶解して、多孔質構造が現れる。その後、膜を脱イオン水(Millipore、電気抵抗>18MΩcm)およびエタノール中で洗浄し、そして空気で2時間乾燥させる。
d) 多孔質ウレア−ポリジメチルシロキサンメンブレン(多孔質ウレア−PDMSメンブレン)
2−プロパノール(Fluka、CH)中に溶解されたウレア−PDMS (Wacker Chemie AG、Geniomer 200)をCaCO3ナノ粒子と混合する。ポリマーの塩に対する質量割合は、52.5%〜47.5%である。ポリマー/塩の溶剤に対する質量割合は、6%〜94%である。この混合物を1分間、400Wで音波処理し(Hielscher ultrasonics、UP400s)、ナノ粒子を分散させる。その後、該分散液をガラス基材上にスピンコーティング(Laurell Technologies Corp.、WS−650SZ)、またはロールコーティング(Zehntner GmbH、ZAA 2300)を使用して塗布し、均質な厚さの膜を得る。スピンコーティングについては、ほぼ500μlの液滴を基材上にピペットで取り、その後、10秒間、1000rpmおよび加速度1000rpm/秒でスピンする。ロールコーティングについては、コーティングナイフは50μmのスロットを有し、前進速度は18mm/秒に設定される。分散液1mlを使用して、約10×10cm2の面積の膜を作る。最終的に、塩ナノ粒子を1Mの塩酸(HClと記す)中で3分間溶解して、多孔質構造が現れる。その後、膜を脱イオン水(Millipore、電気抵抗>18MΩcm)およびエタノール中で洗浄し、そして空気で2時間乾燥させる。
表1: メンブレン調製物の仕様の要約
Figure 2014509333
*NPサイズ: X線回折によって測定された平均ナノ粒子結晶の大きさ
III. デキストラン阻止プロファイル試験
ろ過の目的について、本願で記載されたメンブレンの実用可能性を、PSUメンブレン(例1、テンプレートナノ粒子としてCaCO3)において試験した。このために、デキストラン阻止試験を行って分子量カットオフを測定した (MWCOと記す、詳細については、G. Tkacik, S. Michaels, Nature Biotechnology. 9:941〜946, 1991を参照)。例えば、1000kDaの巨大分子の少なくとも90%を阻止できるメンブレンは、1000kDAのMWCOを有すると分類することができる。種々のデキストラン標準(5kDa、25kDa、80kDa、150kDa、270kDa、410kDa、670kDa、1400kDa) (Fluka、CH)の0.1質量%の混合物を、0.1Mの硝酸ナトリウム(NaNO3と記す)緩衝液中で調製した。個々の標準液を等しい量で混合した。該混合物を、高真空ポンプ(Edwards Vacuum Ltd)を使用して、メンブレンを通じてろ過した(正流(direct flow))。透過物および混合物を、ゲル透過クロマトグラフィーを使用して比較した。
CaCO3に基づく例a1(表1)のPSUメンブレンは、1400kDaのデキストラン標準分子について最低95%の阻止を示した。従って、試験されたメンブレンについてのMWCOを、1400kDaとして分類できる。このMWCOは数回立証され、そのことは、このメンブレンの製造方法が安定であり且つ再現可能であることを示す。

Claims (15)

  1. 孔径5〜400nmを有する多孔質ポリマーメンブレン(1)の製造方法であって、
    a) 以下
    ・ 少なくとも50質量%の量の1つ以上の希釈剤、
    ・ そこに溶解された1つ以上のポリマー、
    ・ そこに分散された1つ以上の金属塩ナノ粒子、
    ・ 随意に、そこに溶解された1つ以上の添加剤
    を含み、ポリマー:ナノ粒子の比が2:1〜1:5の範囲である分散液(5)を提供する段階、
    b) 基材(6)を前記分散液(5)で被覆する段階、
    c) 得られた材料(4)を乾燥段階に供する随意の段階、
    d) そのように得られた材料を重合または架橋段階に供する随意の段階、
    e) 前記1つ以上の金属塩粒子を溶解段階によって除去する段階、
    f) 得られたポリマーメンブレンを前記支持材料(6)から除去する随意の段階
    を含む前記方法。
  2. 相分離段階を必要としない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記段階(f)が段階(e)の前に実施される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 段階a)〜f)の1つ以上、好ましくは段階a)〜f)の全てが連続して実施される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記金属塩粒子が、金属の炭酸塩および金属の炭酸水素塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記希釈剤が、200℃未満の沸点を有する有機溶剤からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ポリマーが、アモルファスポリマーである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ポリマーが、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリアリーレート、およびポリウレタンからなる群から選択されるか、または、前記ポリマーが、重合可能なオリゴマーまたは架橋可能なポリマーからなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. a) 前記ポリマーメンブレンが、
    ・ 50nm〜50000nmの厚さを有する、および/または
    ・ 10容積%〜90容積%の多孔度を有する、および/または
    ・ 5nm〜400nmの孔径を有する、および/または
    b) 前記金属塩粒子が、
    ・ 5nm〜400nmの粒径を有する、および/または
    ・ 乾燥法、特にFSP法によって製造される、および/または
    c) 前記分散液が、
    ・ 50〜99質量%の希釈剤、
    ・ 1〜20質量%のポリマー、
    ・ 0.5〜40質量%の金属塩粒子、
    ・ 0〜5質量%の添加剤
    を含有する、および/または
    d) 前記支持材料が、結晶質ポリマー、半晶質ポリマー、金属、セラミックスおよびガラスからなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. a) 前記被覆段階(b)が、噴霧、ロール・ツー・ロール法、ディップコーティングからなる群から選択される、および/または
    b) 前記溶解段階(e)が、5分以下で実施される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. ・ 好ましくは、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、スルホキシド、アミド、ピロリドン、ラクタム、ハロゲンアルカン、アルカン、およびシクロアルカンからなる群から選択される、50〜99質量%の希釈剤、
    ・ 好ましくは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリアリーレート、およびポリウレタンからなる群から選択される、1〜20質量%のポリマー、および
    ・ 好ましくは、金属の炭酸塩および金属の炭酸水素塩からなる群から選択される、0.5〜40質量%の金属塩ナノ粒子、
    ・ 0〜5質量%の添加剤、好ましくは添加剤を有さない、
    を含む分散液(5)。
  12. 請求項11に記載の分散液を製造するための要素のキット。
  13. ポリマーメンブレン(1)であって、
    a) 請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法によって得られる、または得られたこと、および/または
    b) ・ 50nm〜50000nmの厚さdを有すること、および/または
    ・ 5〜400nmの直径を有する孔を有すること、および/または
    ・ 10容積%〜90容積%の多孔度を有すること、および/または、
    を特徴とする、ポリマーメンブレン(1)。
  14. 請求項13に記載のポリマーメンブレンを含む成形物品であって、特に
    a) フィルター(好ましくは、前記メンブレンは支持されているか、または支持されていない)、
    b) 織布または不織布(好ましくは、前記メンブレンは前記布上に積層されている)
    からなる群から選択される前記成形物品。
  15. 多孔質ポリマーメンブレンの製造方法における、特に請求項1から10までのいずれか1項に記載の多孔質ポリマーメンブレンの製造方法における、請求項11に記載の分散液の使用、または請求項12に記載のキットの使用。
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