JP2014508290A - 結合分子を用いて微粒子または核酸を富化するための方法 - Google Patents

結合分子を用いて微粒子または核酸を富化するための方法 Download PDF

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Abstract

生物学的サンプルにおいて特定の微粒子タイプを富化するための方法が開示される。特定の実施形態において、上記富化されるべき微粒子は、胎児微粒子もしくは疾患特異的微粒子である。特定の実施形態において、上記方法は、生物学的サンプルを、胎児微粒子もしくは疾患特異的微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、および上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程を包含し、ここで上記結合分子を含む画分は、それぞれ、胎児微粒子もしくは疾患特異的微粒子について富化される。また開示されるのは、生物学的サンプルの一画分中の胎児微粒子を富化し、次いで上記富化された画分から核酸を単離することにより生物学的サンプルにおいて胎児核酸を富化するための方法である。胎児における染色体異常の出生前診断を促進するための方法もまた開示される。

Description

先の関連出願
本願は、2011年1月31日に出願した米国仮出願第61/437,768号に対する優先権を主張する。米国仮出願第61/437,768号の内容は、その全体がこれにより参考として援用される。
(分野)
本発明の実施形態は、微粒子、細胞、もしくは核酸の稀な集団を、複雑な混合物(例えば、血液)から、特異的結合分子を使用して富化するための方法に関する。
(背景)
胎児の健康を評価し、モニターすることは、妊娠の間に最高に重要なことである。医師および他の医療専門家は、妊娠の間に胎児および母親両方に対するリスクを最小限にするために、および生まれてくる健康な新生児の数を最適化するために、上記胎児の健康に関して利用可能な最も正確な情報を有している必要がある。当然のことであるが、生まれてくる子供の両親および親族もまた、上記胎児の健康および状態についての情報を心配している。上記両親が、妊娠および上記胎児が有し得る任意の有害な医学的状態に関して、情報に基づく決定をし得るように、この情報が可能な限り早く入手可能であることは、望ましいことである。
胎児の遺伝物質へのアクセスは、上記胎児の健康に関する重大な情報を提供し得る。例えば、任意の遺伝的欠陥(例えば、染色体異常)は、胎児DNAを分析することによって検出され得る。染色体異常としては、点置換、欠失、付加、転座、もしくは異常な染色体数もしくは異常な染色体セット数(異数性)が挙げられる。異数性の一例は、モノソミー(一対のうちの一方の染色体が失われているタイプの異数性)である。異数性の別のタイプは、トリソミー(ここで一対の代わりに、3コピーの染色体が存在する)である。異数性は、致死的であり得るか、またはいくつかの異なる遺伝的障害(ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)、およびターナー症候群(XXもしくはXYの代わりに、X)が挙げられる)のうちの1つを引き起こし得る。
これら状態の出生前診断に関しては、現在利用可能な手順は制限されており、一定の欠点を有する。1つの現在使用される手順は、羊水穿刺(胎児DNAを含む羊水を、胎児が発生中である羊膜腔から引き抜く医療手順)であり、次いで、上記胎児DNAは、任意の遺伝的異常について分析される。羊水穿刺は、通常、妊娠15週〜20週の間(すなわち、妊娠トリメスターのうちの第2期中)に行われる。羊水穿刺は、いくつかの重大な合併症(早産、胎児外傷、およびさらには胎児の流産が挙げられる)のリスクがある。上記試験は、妊娠トリメスターのうちの第2期までは信頼性をもって行うことができず、かつ上記手順と関連した重大なリスクがあるので、羊水穿刺は、多くの患者にとっては望ましい手順ではないかもしれない。現在使用されている別の手順は、絨毛膜絨毛採取(CVS)(ここで胎盤組織のサンプルが採取され、分析される)である。CVSは、羊水穿刺より早期に(すなわち、代表的には、妊娠の10〜12週の間に)行われ得るが、この手順もまた、感染、胎児外傷、羊水漏出、および流産の増大したリスクを伴う。CVSはまた、母体細胞が上記胎盤から完全には分離されない場合、母体細胞汚染を被る。従って、羊水穿刺およびCVSはともに、比較的侵襲性の手順でありかつ一定の健康上のリスクがあるので、これら手順は、多くの患者にとって適切でないかもしれない。
ある胎児物質もまた、母親の血流中に存在する。この物質は、胎盤細胞がアポトーシスもしくは細胞死の他の形態を受ける場合に主に形成される微粒子中に含まれる胎児DNA(小胞、微小胞、もしくはアポトーシス小体ともいわれる)を含む。形態的変化は、アポトーシスもしくは細胞死の他の形態(「細胞膜ブレビング(membrane blebbing)」として公知のプロセスが挙げられ、これは、上記細胞からこれら微粒子の形成および放出をもたらす)の間に起こる。これら微粒子は、上記細胞膜から形成されるので、上記微粒子は、それらが形成される上記細胞に対して特異的であるそれらの表面生体マーカーを有する。さらに、上記微粒子の内容物は、核物質(例えば、それらを放出した細胞に対して特異的である核酸)を含み得る。上記微粒子のサイズおよび上記母親の血流に存在する微粒子の量は、上記個体に基づいて、およびより少ない程度には、上記胎児の妊娠持続期間に基づいて、変動し得る。いくつかの場合において、存在する微粒子の量は、妊娠の間の有害な状態と相関させられ得る。一般に、上記微粒子の平均サイズは、約0.1〜約1μmの範囲に及ぶ。これらの微粒子は、上記母体の血流に非常に少量存在し得るに過ぎず、公知の方法を使用して、上記胎児DNAを上記母体DNAから区別することは、極めて難しい。しかし、上記胎児DNAが、単離もしくは精製され得るのであれば、上記母親にも上記胎児にも重大な健康上のリスクを負わせることなく、上記胎児の健康に関する価値ある情報(染色体異常もしくは遺伝的異常についての情報が挙げられる)が得られ得る。
微粒子の単離および富化は、他の適用もまた有する。例えば、微粒子はまた、癌細胞の活性化またはアポトーシスもしくは他のタイプの細胞死の間に、または特定の他の疾患における細胞の活性化またはアポトーシスもしくは他の細胞死の間に形成される。さらに、癌もしくは特定の他の疾患を有する患者において、微粒子は、細胞死の間のみならず、上記細胞によって意図的にも、例えば、癌の転移の間にも、上記細胞から放出される。これら疾患特異的微粒子は、上記患者の血流中に、または疾患細胞もしくは癌細胞と接触した状態になる他の体液中に循環して見いだされ得る。
従って、必要とされるものは、妊娠初期(すなわち、妊娠トリメスターのうちの第1期)の、胎児染色体異常もしくは胎児の他の遺伝的異常を検出するための、侵襲性がより低くかつ信頼性のある方法である。このような方法が、妊娠の間全体を通して正確でありかつ再現可能であることもまた、望ましい(例えば、妊娠の間全体を通して上記胎児の健康をモニターするため)。胎児微粒子および胎児DNAを母体物質から富化するための方法もまた、必要とされる。これら方法は、好ましくは、効率的であり、情報価値があり、そして安価である。また必要とされるものは、上記疾患、腫瘍、もしくは他の癌を検出し、モニターし、そして分析するために、疾患特異的微粒子(例えば、癌微粒子)もしくはこのような微粒子に含まれる核酸を富化するための方法である。
(要旨)
生物学的サンプル中の微粒子もしくは核酸の亜集団(subpopulation)を富化するための方法が提供される。特定の局面において、上記富化方法は、生物学的サンプルを、上記亜集団の微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、および上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、上記微粒子の亜集団について富化される工程を包含する。一実施形態において、上記微粒子の亜集団は、胎児微粒子である。上記生物学的サンプルは、例えば、母体の全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、もしくは他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、上記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである。一般に、上記結合分子は、胎児微粒子と特異的に結合するが、母体微粒子とは結合しない。いくつかの実施形態において、上記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、上記生物学的サンプルは、内因性抗体を除去するように処理される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、上記生物学的サンプルは、母体微粒子と結合する結合分子と合わせられて、上記生物学的サンプル中の母体微粒子を除去する。
他の局面において、生物学的サンプル中の胎児核酸(例えば、DNA)を富化するための方法が提供され、上記方法は、生物学的サンプルを、胎児微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、胎児微粒子について富化される工程、および核酸を、上記結合分子を含む上記画分から単離し、それによって、上記生物学的サンプル中の胎児核酸を富化する工程を包含する。上記富化された胎児核酸は、例えば、デジタルPCRを使用して分析され得る。上記生物学的サンプルは、例えば、母体の全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、もしくは他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、上記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである。一般に、上記結合分子は、胎児微粒子に特異的に結合するが、母体微粒子とは結合しない。いくつかの実施形態において、上記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離され得る。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、上記生物学的サンプルは、内因性抗体を除去するように処理される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、上記生物学的サンプルは、母体微粒子と結合する結合分子と合わされて、上記生物学的サンプル中の母体微粒子を除去する。
特定の局面において、胎児における染色体異常の出生前診断を促進するための侵襲性のより低い方法が提供される。上記方法は、生物学的サンプルを妊娠女性から得る工程、上記生物学的サンプルを、胎児微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む上記画分は、胎児微粒子について富化される工程、核酸(例えば、DNA)を、上記結合分子を含む上記画分から単離する工程、および上記核酸を分析して、上記染色体異常の存在もしくは非存在を検出する工程を包含する。上記生物学的サンプルは、例えば、母体の全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、もしくは他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含み得る。特定の実施形態において、上記染色体異常は、第13染色体、第18染色体、第21染色体、もしくはX染色体の異数性である。他の実施形態において、上記染色体異常は、疾患と関連した変異である。あるいは、他の遺伝的異常が検出され得る。上記胎児核酸は、例えば、デジタルPCRを使用して分析され得る。特定の実施形態において、この侵襲性がより低い方法は、上記胎児の妊娠持続期間が約16週未満である場合に、妊娠女性から得られるサンプルについて信頼性がある。いくつかの実施形態において、上記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである。一般に、上記結合分子は、胎児微粒子と特異的に結合するが、母体微粒子とは結合しない。いくつかの実施形態において、上記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルは、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、内因性抗体を除去するように処理される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルは、母体微粒子と結合する結合分子と合わせられて、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、上記生物学的サンプル中の母体微粒子を除去する。
他の局面において、上記開示される方法はまた、疾患の検出に適用され得る。例えば、癌、または細胞活性化、細胞死、アポトーシスもしくは微粒子の放出(またはこれらの組み合わせ)と関連した別の疾患の診断を促進するための方法が提供される。上記方法は、患者から生物学的サンプルを得る工程、上記生物学的サンプルを、上記疾患細胞(例えば、癌細胞)に対して特異的な生体マーカーを含む微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、疾患特異的微粒子について富化される工程、DNAを、上記結合分子を含む上記画分から単離する工程、および上記DNAを分析して、上記疾患と関連する変異の存在もしくは非存在を検出する工程であって、ここで上記変異の存在は、上記患者が上記疾患を有することを示す工程を包含し得る。特定の実施形態において、上記疾患は、癌である。いくつかの実施形態において、上記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである。一般に、上記結合分子は、癌由来微粒子もしくは疾患特異的微粒子と特異的に結合するが、正常細胞由来微粒子とは結合しない。いくつかの実施形態において、上記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルは、上記生物学的サンプルを上記結合分子と合わせる前に、内因性抗体を除去するように処理される。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルを、上記癌特異的結合分子もしくは疾患特異的結合分子と合わせる前に、上記生物学的サンプルは、上記サンプル中に存在すると予測される細胞から形成される微粒子と結合する結合分子と合わせられて、上記生物学的サンプル中のこのような微粒子を除去する。上記生物学的サンプルは、例えば、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、他の血液画分サンプル、または癌細胞もしくは疾患細胞と接触した状態にあった任意の体液のサンプルのうちの少なくとも1つを含み得る。上記富化された核酸は、例えば、デジタルPCRを使用して分析され得る。上記生物学的サンプルを上記疾患特異的微粒子と結合する結合分子と合わせ、上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する(ここで上記結合分子を含む上記画分は、疾患特異的微粒子について富化される)ことによって、生物学的サンプル中の疾患特異的生体マーカーを含む微粒子を富化するための方法および上記疾患特異的核酸を富化するための方法もまた、提供される。
本発明の方法の非限定的実施形態は、以下の図面において例示される。
図1は、示されるように、種々の抗体で捕捉された微粒子中の総DNAのゲノム当量(genome equivalent)を示すグラフである。総DNAのゲノム当量を、β−グロビン遺伝子に対するプライマーを用いたデジタルPCRによって決定した。棒の各対の左の棒は、男子胎児を有する妊娠32週の患者から単離されたゲノム当量を示し、右の棒は、非妊娠女性コントロールから単離されたゲノム当量を示す。PLAPは、胎盤アルカリホスファターゼに結合する抗体を使用して、上記胎児微粒子を捕捉した場合に、上記結果が得られたことを示す。G233、G1、およびG9は、それら抗体の各々(これは、ヒト白血球抗原G(HLA−G)の異なるエピトープに結合する)を使用して、上記胎児微粒子を捕捉した場合に、上記結果が得られたことを示す。CD41は、上記結果が、CD41(血小板についてのマーカー)と結合する抗体を使用した場合に得られたことを示す。CD41の結果については、棒のその対の左の棒は、この図面においては認められない。Fas−Lは、Fas−L(Fasリガンド、アポトーシスのマーカー)と結合する抗体を使用した場合に上記結果が得られたことを示す。 図2は、示されるように、種々の生体マーカーを用いて捕捉された微粒子中の胎児DNAのゲノム当量を示すグラフである。胎児DNAのゲノム当量を、Y染色体特異的配列Y49a(DYS1)遺伝子に対するプライマーを用いたデジタルPCRによって決定した。棒の各対の左の棒は、男子胎児を有する妊娠32週の患者から単離されたゲノム当量を示し、右の棒は、非妊娠女性コントロールから単離されたゲノム当量を示す。各実験において微粒子捕捉のために使用した生体マーカーは、棒の各対の下に示される。胎児DNAの富化を、このサンプルについての微粒子捕捉のための上記抗PLAP抗体を使用して達成した。PLAPの結果については、対の棒のうちの右の棒は、この図面において認められない。G233の結果については、対の棒のうちの左の棒は、この図面において認められない。G1の結果については、対の棒のうちの左の棒は、この図面において認められない。G9の結果については、対の棒のうちの右の棒は、この図面において認められない。CD41の結果については、対の棒のうちの右の棒は、この図面において認められない。Fas−Lの結果については、対の棒のうちの右の棒は、この図面において認められない。 図3は、微粒子捕捉による富化の後およびデジタルPCRによって決定した場合のDNAのパーセント収率を示す。パネルAは、富化後の総DNAのパーセント収率を示すグラフであり、パネルBは、富化後の胎児DNAのパーセント収率を示すグラフである。上記収率は、微粒子捕捉前の母体血漿中に存在する量(すなわち、それぞれ、捕捉前の総DNAおよび胎児DNAについての1350ゲノム当量(GE)/mL血漿および194 GE/mL血漿)に対する総DNAもしくは胎児DNAの量である。棒の各対の左の棒は、男子胎児を有する妊娠32週の患者から単離されたゲノム当量を示し、右の棒は、非妊娠女性コントロールから単離されたゲノム当量を示す。各実験における微粒子捕捉のために使用される生体マーカーは、棒の各対の下に示される。 図3は、微粒子捕捉による富化の後およびデジタルPCRによって決定した場合のDNAのパーセント収率を示す。パネルAは、富化後の総DNAのパーセント収率を示すグラフであり、パネルBは、富化後の胎児DNAのパーセント収率を示すグラフである。上記収率は、微粒子捕捉前の母体血漿中に存在する量(すなわち、それぞれ、捕捉前の総DNAおよび胎児DNAについての1350ゲノム当量(GE)/mL血漿および194 GE/mL血漿)に対する総DNAもしくは胎児DNAの量である。棒の各対の左の棒は、男子胎児を有する妊娠32週の患者から単離されたゲノム当量を示し、右の棒は、非妊娠女性コントロールから単離されたゲノム当量を示す。各実験における微粒子捕捉のために使用される生体マーカーは、棒の各対の下に示される。 図4は、種々の生体マーカーでの捕捉後に得られた胎児DNAの富化を示すグラフである。上記富化倍数を、捕捉後の胎児DNA%を微粒子捕捉前の母体血漿中の胎児DNA%で割ることにより計算した(例えば、2倍富化は、胎児画分の倍増であり;1倍は、富化なしである)。この実験において使用した血漿サンプルは、男子胎児を有する妊娠32週の患者に由来した。各実験において微粒子捕捉のために使用した生体マーカーは、各棒の下に示される。
(詳細な説明)
本発明の実施形態は、複雑な混合物中の微粒子、細胞、もしくは核酸の稀な集団を富化および定量するための方法を提供する。上記方法は、微粒子もしくは細胞の特定の集団の捕捉のため、およびそれによるこれら微粒子もしくは細胞内の核酸の富化のための生体マーカーの使用を伴う。これら方法はまた、当業者に公知の感度の高い方法(例えば、一分子計数法(single molecule counting methods))を使用して、これら核酸の定量を伴う。なぜなら、単離される核酸の量が非常に低く高純度であると予測され、そしてより従来的な定量法(例えば、分光光度法、色素インターカレーション(dye intercalation)、もしくは定量的PCR(qPCR)に関して検出限界未満であり得るからである(しかしこのような従来の定量法は、いくつかの場合においては適切であり得る)。上記開示される富化方法は、胎盤細胞のアポトーシスの間に微粒子中に封入された胎児DNAの単離、富化、および検出のための特定の適用を有する。これら胎児DNA含有微粒子は、妊娠期間の間中ずっと母体血漿中に循環していることが公知である。上記開示される富化方法はまた、稀な疾患細胞(例えば、癌細胞)もしくは血中に循環している疾患特異的微粒子(例えば、癌微粒子)における変異の同定において適用を有する。
(定義および略語)
用語「微粒子」、「アポトーシス小体」、「微小胞」、および「小胞」とは、例えば、アポトーシスもしくは他のタイプの細胞死の間に、それらが由来する細胞の遺伝物質および表面生体マーカーを含み得る膜結合した粒子を言うために、本明細書において交換可能に使用される。本明細書で使用される場合、用語「生体マーカー」とは、特定の細胞タイプ上もしくは細胞中に存在する分子(例えば、胎児細胞の表面にある胎盤アルカリホスファターゼタンパク質)を言う。「胎児微粒子」、「胎児由来微粒子」、「胎児関連微粒子」などは、胎児細胞のアポトーシスに主に起因して、生まれてくる子供の母親の血流もしくは他の生物学的サンプルにおいて見いだされ得る微粒子である。胎児微粒子は、胎児特異的生体マーカーをそれらの表面に有し得、胎児DNAを含み得る。「疾患微粒子」、「疾患特異的微粒子」、「疾患関連微粒子」などは、特定の疾患に対して特異的な生体マーカーを有する微粒子である。癌微粒子は、それらの表面に腫瘍特異的もしくは癌特異的なマーカーを有し得る。「癌微粒子」、「癌細胞由来微粒子」、「癌関連微粒子」などは、癌細胞のアポトーシスもしくは他のタイプの細胞死、または癌細胞からの他の放出に起因して、癌を有する患者の血流もしくは他の体液中に見いだされ得る微粒子である。癌微粒子は、それらの表面に腫瘍特異的もしくは癌特異的なマーカーを有し得る。
本明細書で使用される場合、用語「生物学的サンプル」とは、稀な細胞、稀な微粒子、もしくは稀な核酸が、他の細胞、微粒子、もしくは核酸とともに同じサンプルに存在する、本発明の方法において使用するために適した生物学的供給源から得られる任意のサンプルを包含する。生物学的サンプルとしては、非限定的例によれば、全血、血清、血漿、他の血液画分、羊水、培養細胞、および/もしくは絨毛膜絨毛が挙げられ得る。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、任意の他の血液画分サンプル、もしくはこれらの組み合わせである。生物学的サンプルは、当業者に公知の任意の方法によって個体から得られ得、直接的に(例えば、上記個体からの静脈穿刺によって血液サンプルを得る)得てもよいし、間接的に(例えば、上記患者から生物学的サンプルを直接得たヘルスケア提供者、病院、もしくは実施者から上記生物学的サンプルを得る)得てもよい。
本明細書で使用される場合、用語「被験体」とは、ヒトもしくは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、もしくは霊長類)を言うために使用される。好ましくは、上記被験体はヒトである。被験体は、「患者」であり得、患者は、ある状態もしくは疾患のための診断、処置、もしくはケアについての医療提供者に紹介されるヒトをいう。用語「患者」および「個体」は、本明細書で交換可能に使用され得る。一実施形態において、上記患者もしくは個体は、女性であり、彼女の状態は、彼女が妊娠していることである。いくつかの実施形態において、被験体は、疾患もしくは障害に罹患していてもよいし、またはこれに罹りやすくてもよいが、上記疾患もしくは障害の症状を示してもよいし、示さなくてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「アポトーシス」とは、プログラムされた細胞死の形態を言う。アポトーシスは、細胞の表面に形態的変化を引き起こし、しばしば、細胞膜の「ブレビング」を生じ、これは、微粒子が形成する原因となる。上記微粒子は細胞膜から形成されるので、それらは、本来の細胞もまた発現した任意の膜特異的マーカーを有する(例えば、胎児特異的マーカー、疾患特異的マーカー、もしくは腫瘍特異的マーカー)。一例において、アポトーシスは、妊娠の間に、胎盤細胞もしくは胎児細胞に天然に起こる。
用語「富化」とは、複雑な混合物からの稀な微粒子、細胞、もしくは核酸の濃縮(例えば、母体の血液サンプル中の胎児微粒子の富化)を言うために本明細書において使用される。用語「免疫富化」とはまた、抗体、抗体フラグメント、もしくは特異的結合分子が、稀な微粒子、細胞もしくは核酸を複雑な混合物から捕捉するために使用される富化方法を言うために使用され得る。本明細書で使用される場合、用語「結合分子」とは、複雑な混合物中の、目的の稀な粒子、細胞、もしくは核酸と特異的に結合する分子を言うために使用される。一実施形態において、上記結合分子は、上記目的の稀な粒子、細胞、もしくは核酸と特異的に結合する、抗体、抗体フラグメント、タンパク質レセプター、もしくは他のタンパク質である。別の実施形態において、上記結合分子は、「生体マーカー」であって、上記生体マーカーは、上記目的の稀な粒子、細胞、もしくは核酸と特異的に相互作用するタンパク質を言う。富化は、標的物質(例えば、胎児微粒子)の、捕捉が行われた後の上記サンプル中の他の物質に対する量の比と、上記標的物質の、捕捉前の最初のサンプル中の他の物質に対する比とを比較することによって決定される。富化は、上記標的物質を検出することに関して、上記捕捉された物質の質の増大(すなわち、標的物質の、存在する他の物質に対する比の増大)を生じる。
用語「染色体異常」とは、染色体と関連した欠陥の任意の種類(単一もしくは複数の塩基対の欠失、付加、および置換;転座;または完全な染色体の数もしくは染色体セットの欠陥が挙げられる)を言うために本明細書で使用される。用語「異数性」とは、1個以上の染色体が失われているか、または正常なコピー数より多く存在する場合を言う。異数性は、多くの疾患もしくは症候群と関連し、これらとしては、ダウン症候群、エドワーズ症候群、パトウ症候群、およびターナー症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
「ポリメラーゼ連鎖反応」もしくは「PCR」とは、少量の核酸(例えば、DNA)を増幅し(その濃度を増大させ)そして/または定量するために使用される分子生物学技術を言う。特定の目的に特化されている多くの形態のPCRが存在する(例えば、デジタルPCRもしくはリアルタイムPCR)。例えば、デジタルPCRは、個々の核酸分子を別個の領域に分割することによって、核酸の絶対的定量化をよりよく提供し得る独創的なPCR技術の改善である。種々の他のPCR技術(本明細書に記載されるもの(例えば、定量的リアルタイムPCR、エマルジョンPCR、マルチプレックスPCR、およびデジタルPCR)が挙げられる)は、当業者に周知であり、特定のサンプルに存在する核酸の量に依存して、本発明の方法において使用され得る。
(複雑な組成物中の胎児微粒子の富化方法)
いくつかの実施形態において、本発明は、生物学的サンプルと、胎児微粒子と結合する結合分子とを合わせる工程、および上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、胎児微粒子について富化される工程によって、生物学的サンプル中の胎児微粒子を富化するための方法を提供する。特定の実施形態において、上記生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、および他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含む。微粒子は、それらが由来した細胞の表面生体マーカーおよび核酸(例えば、DNA)を含むので、微粒子の捕捉および富化は、元の細胞の表面特異的生体マーカーを使用することによって達成され得る。例えば、胎児DNA富化に関しては、胎児特異的タンパク質(例えば、ヒト白血球抗原G(HLA−G;組織適合性抗原、クラスI、G)、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、もしくは胎児フィブロネクチン、またはこれらの組み合わせ)に結合する結合分子は、母体血漿中に循環する上記胎児微粒子を同定および捕捉するために使用され得る。他の実施形態において、上記胎児特異的タンパク質は、以下からなる群より選択される:胎盤ラクトゲン、21番染色体オープンリーディングフレーム105、アデュシン1(α)(adducin 1(alpha))、ビオチニダーゼ、クローディン6(claudin 6)、凝固因子II(トロンビン)、凝固因子VIII凝固促進成分、主要組織適合遺伝子複合体クラスII DR β4、ラクトトランスフェリン、MAS1癌遺伝子、タイチン、バソヒビン1、絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン1、絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン2、絨毛性ソマトマンモトロピンホルモン様1、インスリン様増殖因子結合タンパク質1、妊娠特異的β−1糖タンパク質1、H19、組織因子経路インヒビター2、妊娠特異的β−1糖タンパク質3、妊娠特異的β−1糖タンパク質9、妊娠特異的β−1糖タンパク質6、インスリン様増殖因子2、δ様1ホモログ、プロテオグリカン2、EFハンドドメインファミリーメンバーD1、妊娠特異的β−1−糖タンパク質7、ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼドメイン12、フィブロネクチン1、パパライシン1(pappalysin 1)、コルチコトロピン放出ホルモン、インスリン様増殖因子結合タンパク質3、セマフォリン3B(semaphorin 3B)、コラーゲンIV型α1、妊娠特異的β−1−糖タンパク質5、妊娠特異的β−1−糖タンパク質2、アミロリド結合タンパク質1、S100カルシウム結合タンパク質P、増殖分化因子15、内皮PASドメインタンパク質1、CD59抗原、成長ホルモン2、シンデカン1(syndecan 1)、セリンプロテアーゼインヒビタークレードEメンバー2、コラーゲン、タイプIII、α−1、コラーゲン4型α2、ホスホリパーゼA2 グループIIA、ヒドロキシ−δ−5−ステロイドデヒドロゲナーゼ3β1、エプスタイン・バー・ウイルス誘導遺伝子3、KiSS−1転移抑制因子、KISS1−R(レセプター)、シトクロームP450ファミリー19 subA1、フィビュリン1(fibulin 1)、ケラチン18、ポリドム(polydom)、トランスグルタミナーゼ2、サイクリン依存性キナーゼインヒビター1、アドレノメデュリン、プロテアーゼセリン11、メタロプロテイナーゼ組織インヒビター2、フォリスタチン様1、ヒドロキシステロイド(17−β)デヒドロゲナーゼ1、メタロプロテイナーゼ組織インヒビター3、上皮増殖因子レセプター、糖タンパク質nmb、絨毛性ゴナドトロピンβポリペプチド7、絨毛性ゴナドトロピンβポリペプチド8、絨毛性ゴナドトロピンβポリペプチド2、ディスエーブルドホモログ2(disabled homolog 2)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子2、FLJ14146、ファミリーウィズシークエンスシミラリティー46メンバーA(family with sequence similarity 46 member A)、シトクロームp450ファミリー11 subf Aポリペプチド1、ヒドロキシステロイド(17−β)デヒドロゲナーゼ2、セリンプロテアーゼインヒビタークレードEメンバー1、コラーゲンI型α1、熱ショック22kDaタンパク質8、マンノシダーゼαクラス1Cメンバー1、グリピカン3(glypican 3)、胎盤特異的1、新規MAFF様タンパク質、カルパイン6(calpain 6)、G抗原ファミリーC1、Rho関連BTBドメイン含有3、コラーゲン6型α1、腫瘍抑制因子候補3、EGF様ドメインマルチプル6、タキキニン3(tachykinin 3)、タキキニン3レセプター、分泌型ホスホプロテイン1、RAS p21タンパク質アクチベーター、レクチンガラクトシド結合可溶性14(ppl13)、テンシン(tensin)様SH2ドメイン含有1、システインリッチ運動ニューロン1、フィブリリン2(fibrillin 2)、マトリクスメタロプロテイナーゼ11、絨毛性ゴナドトロピンβ ポリペプチド、絨毛性ゴナドトロピンβポリペプチド5、トロンボスポンジン(trombosponding)1型ドメイン3、父親性発現10(paternally expressed 10)、ビグリカン(biglycan)、コラーゲンXV型α1、セリンプロテイナーゼインヒビタークレードBメンバー2、デス関連プロテインキナーゼ1(death−associated protein kinase 1)、転写因子AP−2α、トランスゲリン(transgelin)、胎盤増殖因子、ミクロフィブリラー関連タンパク質5(microfibrillar associated protein 5)、パパライシン2(pappalysin 2)(plac3)、リン脂質転移タンパク質、プレクストリン相同性−1様ドメイン(pleckstrin homology−like domain)、ファミリーA(family A)、メンバー2(member 2)、ケラチン8、プロテインキナーゼインヒビターβ、インスリンレセプター、ディスクスラージホモログ5(discs large homolog 5)、ヒドロキシステロイド(11−β)デヒドロゲナーゼ 2、骨形態形成タンパク質1、T−box 3、妊娠特異的β−1−糖タンパク質 11、グリア細胞ミッシングホモログ1(glial cells missing homolog 1)、アルカリホスファターゼ胎盤様 2、アンギオテンシンIIレセプター1型、カドヘリン5 2型、frizzled関連タンパク質(frizzled−related protein)、インスリン様4(胎盤)、インヒビンβ A(アクチビンA)、COBL様 1、トランスホーミング増殖因子βレセプターIII、組織因子経路インヒビター、レチノイン酸刺激遺伝子ホモログ(stimulated by retinoic acid gene 6 homolog)、結合接着分子2(junctional adhesion molecule 2)、dickkopfホモログ1(dickkopf homolog 1)、vestigial様1(vestigial like 1)、rho関連BTBドメイン含有1、脳特異的タンパク質、インターロイキン1レセプター1型、ステロイドスルファターゼ、セリンプロテイナーゼインヒビタークレードHメンバー1、Gタンパク質共役レセプター126、およびレクチンガラクトシド結合可溶性13。あるいは、アポトーシスに特異的な生体マーカー(例えば、アネキシンVもしくはFasリガンド(FasL)、またはこれらの組み合わせ)が使用され得る。さらに、胎児特異的マーカーおよびアポトーシスマーカーの組み合わせが使用され得る。
特定の実施形態において、上記使用される結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである。他の実施形態において、上記結合分子は、上記所望の生体マーカーと特異的に結合するレセプターもしくは他のタンパク質である。好ましくは、上記結合分子は、胎児微粒子と結合し得るが、母体微粒子とは結合しない。特定の実施形態において、上記抗体もしくは抗体フラグメントは、PLAP、HLA−G、もしくはFas−Lに結合する。HLA−Gと結合する抗体の例としては、G1、G9、およびG233が挙げられる。
いくつかの実施形態において、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは他の結合分子は、上記微粒子の直接的検出のための検出可能な標識を有し得る。検出可能な標識の例としては、当業者に公知の蛍光色素、放射活性タグ、比色タグなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「標識」および「タグ」は、上記結合分子もしくは二次抗体タンパク質に結合される部分を言うために交換可能に使用される。あるいは、上記結合分子/微粒子複合体は、間接的に検出される。いくつかの実施形態において、検出可能な標識を有し、かつ上記微粒子特異的抗体、抗体フラグメント、もしくは他の結合分子に結合し得る二次抗体は、微粒子の所望の集団を間接的に検出するために使用され得る。
特定の実施形態において、微粒子の所望の集団は、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは他の結合分子での免疫富化の前もしくは後にさらに富化される。例えば、対比染色(例えば、DAPI、ヨウ化プロピジウム、Hoechst、もしくは特定の細胞条件下で核酸にも結合する当業者に公知の別の染料)は、核酸を含む微粒子についてさらに細分画(subfractionate)しかつ富化するために使用され得る。他の実施形態において、上記生物学的サンプルは、母体生体マーカーに対して特異的な結合分子を使用することによって、母体微粒子が選択的に除去される。検出および富化は、次いで、免疫富化を介して達成され得、ここで固体支持体が、上記抗体/微粒子および/もしくは生体マーカー/微粒子複合体を、上記血漿の残りから分離するために使用される。フローサイトメトリーはまた、サイズ、形状、および蛍光シグナルによって、上記標識された微粒子をえり分ける(sort)ソために、免疫富化の前に使用され得る。
特定の実施形態において、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは生体マーカーは、富化の前に、固体支持体に直接結合される。あるいは、上記結合分子/微粒子複合体は、最初に形成され得、次いで、直接的か、もしくは固体支持体に結合体化された二次抗体を介して間接的かのいずれかでの単離のために、固体支持体に結合され得る。さらに、上記抗体/微粒子および/もしくは生体マーカー/微粒子複合体の形成の前に、上記サンプル中の内因性抗体は、当業者に公知の方法によって除去され得る。なぜなら、上記内因性抗体は、免疫富化の間に上記固体支持体に非特異的に結合し得、それによって、上記プロセスの効率を低下させ得るからである。
いくつかの実施形態において、上記固体支持体は、ポリスチレンのビーズもしくは樹脂である。上記固体支持体としての樹脂に結合される、上記結合分子として抗体を使用する免疫沈降のための方法の一例は、PIERCE DIRECT IP KIT(Thermo Scientific,Rockford,IL)である。他の実施形態において、上記固体支持体は、カラム、プレート、ウェル、チューブなどであり得る。他の固体支持体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:磁性のビーズもしくは樹脂、アガロースのビーズもしくは樹脂、およびポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミド樹脂。上記生物学的サンプルを2つ以上の画分へと分離することは、例えば、上記サンプルをフローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮に供することによって行われ得る。
上記生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、もしくは任意の他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含み得、上記サンプルは、当業者に公知の任意の方法によって上記患者から得られ得る。全血サンプルを2つ以上の血液画分サンプルに分離するための種々の方法は、当業者に周知である。一実施形態において、全血サンプルは、静脈穿刺によって個体から得られ、次いで、血漿画分を残りの血液画分から分離するために、低速遠心分離を使用して、遠心分離される。
(胎児核酸を富化するための方法)
生物学的サンプル中の胎児核酸(例えば、DNA)を富化するための方法もまた、提供され、上記方法は、生物学的サンプルを、胎児微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、胎児微粒子について富化される工程、およびDNAを、上記結合分子を含む上記画分から単離し、それによって、上記生物学的サンプル中の胎児DNAを富化する工程を包含する。上記生物学的サンプルは、例えば、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、もしくは他の血液画分サンプルであり得る。上記結合分子は、胎児微粒子と結合し、母体微粒子とは結合せず、例えば、抗体、抗体フラグメント、レセプター、もしくは他の特異的結合タンパク質であり得る。いくつかの実施形態において、上記結合分子は、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、ヒト白血球抗原G(HLA−G)、もしくはFasリガンド(Fas−L)に結合する。HLA−Gに特異的に結合する抗体の例は、G1、G9、およびG233である。他の実施形態において、上記結合分子は、前の節において列挙された上記胎児特異的タンパク質のうちの1つと結合する。
上記DNA富化方法の特定の実施形態において、上記結合分子は、検出可能な標識を有する。例えば、上記結合分子は、蛍光タグ、放射活性標識、もしくは比色標識を有し得る。上記結合分子は、直接的か、もしくは固体支持体に結合体化される二次抗体を介して間接的かのいずれかで、富化のために固体支持体に結合され得る。いくつかの実施形態において、上記固体支持体は、ポリスチレンのビーズもしくは樹脂である。他の実施形態において、上記固体支持体は、カラム、プレート、ウェル、チューブなどである。他の実施形態において、上記固体支持体は、磁性のビーズもしくは樹脂、アガロースのビーズもしくは樹脂、またはポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミド樹脂であり得る。
上記生物学的サンプルを2つ以上の画分へ分離することは、上記サンプルをフローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮に供することによって行われ得る。特定の実施形態において、微粒子の所望の集団は、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは他の結合分子での免疫富化の前もしくは後に、さらに富化される。例えば、上記抗体/微粒子および/もしくは生体マーカー/微粒子複合体の形成の前に、上記サンプル中の内因性抗体は、当業者に公知の方法によって除去され得る。なぜなら、上記内因性抗体は、免疫富化の間に上記固体支持体に非特異的に結合し得、それによって、上記プロセスの効率を低下させ得るからである。さらに、対比染色(例えば、DAPI、ヨウ化プロピジウム、Hoechst、もしくは特定の細胞条件下で核酸にも結合する当業者に公知の他のもう一つの染色)は、核酸を含むそれら微粒子についてさらに細分画および富化するために使用され得る。他の実施形態において、上記生物学的サンプルは、最初に、母体生体マーカーに対して特異的な結合分子を使用することによって、母体微粒子を選択的に枯渇させられる。検出および富化は、次いで、免疫富化を介して達成され得る。ここで固体支持体は、上記抗体/微粒子および/もしくは生体マーカー/微粒子複合体を残りの血漿から分離するために使用される。フローサイトメトリーはまた、サイズ、形状、および蛍光シグナルによって、上記標識された微粒子をえり分けるために、免疫富化の前に使用され得る。特定の実施形態において、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは生体マーカーは、富化の前に、固体支持体に直接結合される。
上記富化された微粒子画分から核酸を単離することは、当業者に周知の1つ以上の方法によって行われ得る。例えば、上記微粒子は、標準的な分子生物学技術を使用して、固体支持体上で直接可溶化され得る。このような方法の例は、上記微粒子を溶解もしくはばらばらにするために、界面活性剤もしくはカオトロピック塩の使用を含む。DNA抽出法の一例は、QIAAMP Circulating Nucleic Acidキット(Qiagen)とともに使用される方法である。あるいは、いくつかの場合においては、上記サンプルは、400rpmにおいて振盪しながら、プロテイナーゼKとともに、30分間にわたって56℃においてインキュベートされ得、続いて、95℃において20分間にわたって熱非働化され得、5,000gにおいて5分間にわたって遠心分離され得、そしてさらなる分析のために砕片から上清が取り出され得る。種々の改変がまた、いくつかの実施形態において、抽出のために適切であり得る。さらに、DNA抽出のための他の適切な方法は、当業者に周知である。
胎児核酸の量は、感度の高い方法(例えば、リアルタイムPCRもしくはデジタルPCR)によって各画分において決定され得る。次いで、上記胎児核酸はまた、任意の遺伝的欠陥もしくは染色体異常について試験され得る。いくつかの実施形態において、マルチプレックスPCRが使用され得る(すなわち、1つより多くの胎児遺伝子が、単一のPCR反応において同時に増幅され得る)。あるいは、上記胎児核酸は、当業者に公知の配列決定法によって分析され得る。上記標的分子が増幅され得る他の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全ゲノム増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、リガーゼ連鎖増幅、およびマルチプルPCR法(定量的リアルタイムPCR、エマルジョンPCR、およびデジタルPCRが挙げられる)。上記増幅される標的は、蛍光(例えば、プローブ、色素、もしくはヌクレオチド);ケミルミネッセンス;放射活性;キャピラリー電気泳動;マイクロアレイ;配列決定;質量分析;およびナノストリング技術が挙げられるが、これらに限定されない方法で検出され得る。上記開示される富化方法は、妊娠トリメスター第1期程度の早期に行われ得、発育中の胎児の健康をモニターし続けるために上記妊娠の間を通じて反復され得る。
(胎児の健康の出生前診断のための侵襲性のより低い方法)
胎児における染色体異常の出生前診断を促進するための侵襲性のより低い方法が提供され、上記方法は、生物学的サンプルを妊娠女性から得る工程、上記生物学的サンプルを胎児微粒子と結合する結合分子とを合わせる工程、上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、胎児微粒子について富化される工程、核酸を、上記結合分子を含む上記画分から単離する工程、および上記単離された核酸を分析して、上記染色体異常の存在もしくは非存在を検出する工程を包含する。
一実施形態において、上記染色体異常は、疾患と関連する変異である。特定の局面において、上記染色体異常は、13番染色体、18番染色体、21番染色体、もしくはX染色体の異数性であり得る。特定の他の局面において、上記染色体異常は、父性で制御される対立遺伝子である。特定の他の局面において、上記染色体異常は、点変異である。いくつかの実施形態において、上記侵襲性のより低い方法は、上記胎児の妊娠持続期間が約16週未満である場合に妊娠女性から得られるサンプルに対して信頼性がある。一実施形態において、上記非侵襲的な方法は、妊娠のトリメスター第1期の間に妊娠女性から得られるサンプルについて信頼性がある。
いくつかの実施形態において、上記結合分子は、胎児微粒子と結合し、母体微粒子とは結合せず、例えば、抗体、抗体フラグメント、レセプター、もしくは他の特異的結合タンパク質であり得る。いくつかの実施形態において、上記結合分子は、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、ヒト白血球抗原G(HLA−G)、もしくはFasリガンド(Fas−L)に結合する。HLA−Gに特異的に結合する抗体の例は、G1、G9、およびG233である。上記に列挙される胎児特異的結合タンパク質のうちの1つに結合する他の結合分子が使用され得る。
上記核酸富化方法の特定の実施形態において、上記結合分子は、検出可能な標識を有する。例えば、上記結合分子は、蛍光タグ、放射活性標識、もしくは比色標識を有し得る。上記結合分子は、直接的か、または固体支持体に結合体化された二次抗体を介して間接的かのいずれかで、富化のための固体支持体に結合され得る。いくつかの実施形態において、上記固体支持体は、ポリスチレンのビーズもしくは樹脂である。他の実施形態において、上記固体支持体は、カラム、プレート、ウェル、チューブなどである。他の実施形態において、上記固体支持体は、磁性のビーズもしくは樹脂、アガロースのビーズもしくは樹脂、またはポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミド樹脂である。上記生物学的サンプルを2つ以上の画分へ分離することは、上記サンプルを、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮に供することによって行われ得る。特定の実施形態において、微粒子の所望の集団は、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは他の結合分子での免疫富化の前もしくは後に、さらに富化される。例えば、上記抗体/微粒子および/もしくは生体マーカー/微粒子複合体の形成の前に、上記サンプル中の内因性抗体は、当業者に公知の方法によって除去され得る。なぜなら、上記内因性抗体は、免疫富化の間に上記固体支持体に非特異的に結合し得、それによって、上記プロセスの効率を低下させ得るからである。さらに、対比染色(例えば、DAPI、ヨウ化プロピジウム、Hoechst、もしくは特定の細胞条件下で核酸にも結合する、当業者に公知の別の染料)は、核酸を含む微粒子をさらに細分画および富化するために使用され得る。他の実施形態において、上記生物学的サンプルは、最初に、母体生体マーカーに対して特異的な結合分子を使用することによって、母体微粒子が選択的に除去される。次いで、検出および富化は、固体支持体を使用して、上記抗体/微粒子および/もしくは生体マーカー/微粒子複合体を残りの血漿から分離する免疫富化を介して達成され得る。フローサイトメトリーをまた、免疫富化の前に使用して、サイズ、形状、および蛍光シグナルによって、上記標識された微粒子をえり分けし得る。特定の実施形態において、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは生体マーカーは、富化の前に、固体支持体に直接結合される。
上記富化された微粒子画分からの核酸単離は、当業者に周知の1つ以上の方法によって行われ得る。例えば、上記微粒子は、標準的な分子生物学技術を使用して、固体支持体上に直接可溶化され得る。このような方法の例は、上記微粒子を可溶化またはばらばらにするために、界面活性剤もしくはカオトロピック塩の使用を含む。DNA抽出法の一例は、QIAAMP Circulating Nucleic Acidキット(Qiagen)とともに使用される方法である。あるいは、いくつかの場合において、上記サンプルは、プロテイナーゼKとともに、30分間にわたって56℃で、400rpmにおいて振盪しながらインキュベートされ得、続いて、95℃において20分間にわたる熱非働化、5,000gにおいて5分間にわたる遠心分離、およびさらなる分析のための砕片から上清の取り出しが行われ得る。これら抽出法の種々の改変はまた、いくつかの実施形態において、抽出のために適切であり得る。さらに、核酸抽出の他の適切な方法は、当業者に周知である。
胎児核酸の量は、感度の高い方法(例えば、リアルタイムPCRもしくはデジタルPCR)によって、各画分において決定され得る。次いで、上記胎児核酸は、任意の遺伝的欠陥もしくは染色体異常についても試験され得る。いくつかの実施形態において、マルチプレックスPCRが使用され得る(すなわち、1つより多くの胎児遺伝子が、単一のPCR反応において同時に増幅され得る)。あるいは、上記胎児核酸は、当業者に公知の配列決定法によって分析され得る。上記標的分子が増幅され得る他の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全ゲノム増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、リガーゼ連鎖増幅、およびマルチプルPCR法(定量的リアルタイムPCR、エマルジョンPCR、およびデジタルPCRが挙げられる)。上記増幅された標的は、蛍光(例えば、プローブ、色素、もしくはヌクレオチド);ケミルミネッセンス;放射活性;キャピラリー電気泳動;マイクロアレイ;配列決定;質量分析;およびナノストリング技術が挙げられるが、これらに限定されない方法で検出され得る。上記開示される富化方法は、上記妊娠のトリメスター第1期と同程度に早く行われ得、上記発育中の胎児の健康をモニターし続けるために上記妊娠の間を通じて、反復され得る。
(疾患特異的微粒子を富化するための方法)
上記開示される方法はまた、疾患に対して特異的な微粒子の検出に適用され得る。例えば、複雑な混合物中の癌微粒子もしくは他の疾患特異的微粒子を富化するための方法、ならびに癌、もしくは細胞死およびアポトーシスと関連した他の疾患の診断を促進するための方法が提供される。上記富化方法および診断方法はともに、生物学的サンプルを、疾患特異的微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、および上記生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで上記結合分子を含む画分は、疾患特異的微粒子について富化される工程を包含する。癌のような疾患の診断のために、核酸は、次いで、上記結合分子を含む上記画分から単離され、上記疾患(例えば、癌)と関連した変異の存在もしくは非存在を検出するために分析される(ここで上記変異の存在は、上記個体が上記疾患を有することを示す)。上記生物学的サンプルは、血液サンプル、血漿サンプル、他の血液画分サンプル、または癌もしくは疾患細胞と接触した状態にあった任意の体液のサンプル(例えば、胆汁、尿、粘液、脳脊髄液、腹膜液、リンパ液など)であり得る。上記結合分子は、疾患微粒子と結合し、正常細胞由来の微粒子とは結合しない、抗体、抗体フラグメント、レセプター、または他の特異的結合タンパク質であり得る。
これら方法の特定の実施形態において、上記結合分子は、検出可能な標識(例えば、蛍光タグ、放射活性標識、もしくは比色標識)を有する。上記結合分子は、直接的か、もしくは固体支持体に結合体化される二次抗体を介して間接的かのいずれかで、富化のために固体支持体に結合され得る。いくつかの実施形態において、上記固体支持体は、ポリスチレンのビーズもしくは樹脂である。他の実施形態において、上記固体支持体は、カラム、プレート、ウェル、チューブなどである。他の実施形態において、上記固体支持体は、磁性のビーズもしくは樹脂、アガロースのビーズもしくは樹脂、またはポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミド樹脂である。上記生物学的サンプルを2つ以上の画分へと分離することは、上記サンプルを、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮に供することによって行われ得る。特定の実施形態において、癌微粒子の所望の集団は、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは他の結合分子を用いた免疫富化の前もしくは後に、さらに富化される。例えば、上記結合分子/微粒子複合体の形成の前に、上記生物学的サンプル中の内因性抗体は、当業者に公知の方法によって除去されて、免疫富化の間に上記内因性抗体が上記固体支持体に非特異的に結合することを除去もしくは低下させ得る。さらに、対比染色(例えば、DAPI、ヨウ化プロピジウム、Hoechst、もしくは特定の細胞条件の下で核酸にも結合する、当業者に公知の他の別の染料)は、核酸を含む微粒子について細分画および富化するために使用され得る。他の実施形態において、上記生物学的サンプルは、上記特定の生物学的サンプルにおいて予測される細胞タイプによって生成される微粒子が、それら細胞に存在する生体マーカーに対して特異的な結合分子を使用することによって、選択的に除去される。次いで、検出および富化は、固体支持体が、上記結合分子/微粒子複合体を残りのサンプルから分離するために使用される免疫富化を介して達成され得る。フローサイトメトリーはまた、免疫富化の前に使用されて、上記標識された微粒子を、サイズ、形状、および蛍光シグナルによってえり分けし得る。特定の実施形態において、上記抗体、抗体フラグメント、もしくは生体マーカーは、富化の前に、固体支持体に直接結合される。
上記富化された微粒子画分からの核酸の単離は、当業者に周知の1つ以上の方法によって行われ得る。核酸の量は、感度の高い方法(例えば、リアルタイムPCRもしくはデジタルPCR)によって、各画分において決定され得る。いくつかの実施形態において、マルチプレックスPCRが使用され得る(すなわち、1つより多くの遺伝子が、単一のPCR反応において同時に増幅され得る)。あるいは、上記核酸は、当業者に公知の配列決定法によって分析され得る。上記標的分子が増幅され得る他の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全ゲノム増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、リガーゼ連鎖増幅、およびマルチプルPCR法(定量的リアルタイムPCR、エマルジョンPCR、およびデジタルPCRが挙げられる)。上記増幅された標的は、蛍光(例えば、プローブ、色素、もしくはヌクレオチド);ケミルミネッセンス;放射活性;キャピラリー電気泳動;マイクロアレイ;配列決定;質量分析;およびナノストリング技術が挙げられるが、これらに限定されない方法で検出され得る。
前述は、本発明の特定の実施形態に関連し、多くの変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることは理解されるべきである。本発明は、以下の実施例によってさらに例示され、以下の実施例は、その範囲に対して限定を課すとは如何様にしても解釈されるべきではない。反して、種々の他の実施形態、改変、およびその等価物が含まれねばならないこともあることは明らかに理解されるべきである。これは、本明細書の説明を読めば、本発明の趣旨および/もしくは添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者にそれを連想させ得る。
本発明は、以下の非限定的実施例を参照することによってよりよく理解され得る。
(実施例1:母体血液サンプル中の胎児DNAの富化)
全血サンプルを、妊娠32週の男子胎児を有する妊娠女性から、または妊娠していないコントロール女性から得た。その血液サンプルを、1600gにおいて10分間にわたって、22〜23℃で遠心分離にかけて、血漿画分を分離した。次いで、その血漿サンプルを、3500gにおいてさらに10分間、22〜23℃で遠心分離して、細胞砕片および血小板を除去した。ポリスチレンビーズを、胎児生体マーカーHLA−G、PLAP、もしくはFasLに対して作製した抗体と架橋した。次いで、上記血漿サンプルを、数時間にわたって4℃において上記抗体架橋ビーズとともにインキュベートして、記胎児微粒子を捕捉した。捕捉後、上記微粒子を、標準的な分子生物学方法を使用して(例えば、界面活性剤もしくはカオトロピック塩を使用して)、上記ビーズ上で直接可溶化し、そのDNAを、胎児DNAに対して特異的な標的および総DNAに対して特異的な標的を使用して、デジタルPCRによって特徴付けおよび定量した。
図1および図2は、このデジタルPCR分析の結果を示す。総DNAの上記ゲノム当量を、β−グロビン遺伝子に対するプライマーでのデジタルPCRによって決定した。図1における棒の各対の左の棒は、上記男性胎児を有する32週の妊娠患者から単離したゲノム当量を示し、右の棒は、上記非妊娠女性コントロールから単離したゲノム当量を示す。PLAPは、胎盤アルカリホスファターゼに結合する抗体を、上記胎児微粒子を捕捉するために使用した場合に結果が得られたことを示す。G233、G1、およびG9は、それら抗体の各々(これは、ヒト白血球抗原G(HLA−G)の異なるエピトープに結合する)を、上記胎児微粒子を捕捉するために使用した場合に結果が得られたことを示す。CD41は、CD41(血小板のマーカー)と結合する抗体を使用した場合に結果が得られたことを示す。Fas−Lは、Fas−L(アポトーシスのマーカーであるFasリガンド)と結合する抗体を使用した場合に結果が得られたことを示す。図1は、上記抗体架橋ビーズが、DNAを含む微粒子を捕捉し得ることを実証する。
図2は、捕捉された微粒子中の胎児DNAのゲノム当量を示すグラフである。胎児は男性であったので、上記胎児DNAのゲノム当量を、DYS1遺伝子に対するプライマーを用いたデジタルPCRによって決定した。あるいは、父親によって与えられることが公知の特異的配列もまた、胎児DNAの検出のために使用され得た。図2における棒の各対の左の棒は、上記男子胎児を有する32週の妊娠患者から単離されたゲノム当量を示し、右の棒は、上記非妊娠女性コントロールから単離されたゲノム当量を示す。各実験における微粒子捕捉のために使用した生体マーカーは、棒の各対の下に示される。胎児DNAの富化を、このサンプルについての微粒子捕捉のために抗PLAP抗体を使用して達成した。図2は、抗体架橋ビーズが、DNAを含む胎児微粒子を捕捉および富化し得ることを実証する。
図3は、この同じ実験からのDNAの収率%を示す(微粒子捕捉による富化後で、およびデジタルPCRによって決定される場合)。パネルAは、富化後の総DNAの収率%を示すグラフであり、パネルBは、富化後の胎児DNAの収率%を示すグラフである。上記収率は、微粒子捕捉前の母体血漿中に存在する量(すなわち、捕捉前に、総DNAおよび胎児DNAについて、それぞれ、1350ゲノム当量(GE)/mL血漿および194 GE/mL血漿)に対する総DNAもしくは胎児DNAの量である。棒の各対の左の棒は、男子胎児を有する32週の妊娠患者から単離されたゲノム当量を示し、右の棒は、非妊娠女性コントロールから単離されたゲノム当量を示す。各実験における微粒子捕捉のために使用される生体マーカーは、棒の各対の下に示され、抗PLAPを富化のために使用した。図3は、上記抗体架橋ビーズが、DNAを含む胎児微粒子を捕捉および富化し得ることをさらに実証する。PLAPは、妊娠後期マーカー(later gestational age marker)であるので、捕捉および富化のためのこのマーカーの使用は、妊娠後期スクリーニングのために有用であり得る。他の妊娠早期マーカー(earlier gestational age marker)は、より早期の出生前診断のために有用である。
図4は、この同じ実験における種々の生体マーカーでの捕捉後に得られた胎児DNAの富化を示すグラフである。上記富化倍数を、微粒子捕捉前の母体血漿中の胎児DNA%で割った富化後の胎児DNA%として計算した(例えば、2倍富化は、上記胎児画分の倍増であり;1倍は、富化されていない)。この実験において使用した上記血漿サンプルは、妊娠32週の男子胎児を有する患者に由来した。各実験における微粒子捕捉のために使用した生体マーカーは、棒の各対の下に示される。図4は、上記抗体架橋ビーズが、DNAを含む胎児微粒子を首尾良く捕捉および富化し得ることをさらに実証する。
(実施例2:胎児染色体異常の出生前診断)
全血サンプルを、妊娠12週において胎児の染色体状態を決定することを望んでいる妊娠女性患者から得て、上記サンプルを、1600gにおいて10分間にわたって22〜23℃で遠心分離にかけて、上記血漿画分を分離する。次いで、上記血漿画分を、3500gおよび22〜23℃においてさらに10分間遠心分離して、細胞砕片および血小板を除去する。胎児生体マーカーHLA−Gに対して作製した抗体に架橋したポリスチレンビーズを、上記血漿画分に添加し、数時間にわたって4℃においてインキュベートして、上記胎児微粒子を捕捉する。捕捉後、上記微粒子を、標準的分子生物学方法を使用して、上記ビーズ上で直接可溶化する。上記DNAを、標準的な分子生物学技術を使用して特徴付けて、異数性もしくは他の特定の染色体異常を検出する。染色体異常が検出されず、この情報は、上記患者に提供される。
(実施例3:血液サンプル中の癌微粒子の富化)
全血サンプルを、リンパ腫を有すると疑われる患者から得る。上記全血サンプルを、1600gにおいて10分間にわたって22〜23℃で遠心分離にかけて、血漿画分を分離し、次いで、上記血漿画分を、3500gおよび22〜23℃においてさらに10分間遠心分離して、細胞砕片および血小板を分離する。癌細胞生体マーカーに対して作製した抗体に架橋したポリスチレンビーズを、上記血漿画分に添加し、4℃において数時間インキュベートして、上記患者の血中を循環している癌微粒子もしくは細胞を捕捉する。捕捉後、上記微粒子を、標準的分子生物学方法を使用して、上記ビーズ上で直接可溶化する。上記DNAを、標準的な分子生物学技術を使用して特徴付けて、上記リンパ腫と関連した変異を検出する。関連する変異が検出され、この情報は、提唱される処置選択肢とともに上記患者に提供される。
本発明は、その特定の実施形態を参照しながら記載されかつ例示されてきたものの、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更、改変および置換が本発明において行われ得ることを認識する。本明細書で言及される全ての特許、公開特許出願、および他の非特許文献は、それらの全体において本明細書に参考として援用される。
Figure 2014508290

Claims (59)

  1. 生物学的サンプル中の微粒子の亜集団を富化するための方法であって、該方法は、
    生物学的サンプルを、該亜集団に由来する微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、および
    該生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで該結合分子を含む画分は、該微粒子の亜集団について富化される、工程
    を包含する、方法。
  2. 前記生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、および他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記結合分子は、胎児微粒子と結合し、母体微粒子と結合しない、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、ヒト白血球抗原G(HLA−G)、もしくはFasリガンド(Fas−L)に結合する、請求項3に記載の方法。
  6. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、HLA−Gに結合する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、G1、G9、もしくはG233である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、検出可能な標識を有する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、固体支持体に結合されている、請求項3に記載の方法。
  10. 前記固体支持体は、ポリスチレン、磁性物質、アガロース、およびポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミドのうちの少なくとも1種を含む、ビーズもしくは樹脂である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記固体支持体は、カラムである、請求項9に記載の方法。
  12. 前記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記生物学的サンプルを前記結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプルは、内因性抗体を除去するように処理される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記生物学的サンプルを前記胎児特異的結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプルは、母体微粒子と結合する結合分子と合わされて、該生物学的サンプル中の母体微粒子を除去する、請求項1に記載の方法。
  15. 生物学的サンプル中の胎児核酸を富化するための方法であって、該方法は、
    生物学的サンプルを、胎児微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、
    該生物学的サンプルの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで該結合分子を含む画分は、胎児微粒子について富化される、工程、および
    核酸を、該結合分子を含む該画分から単離し、それによって、該生物学的サンプル中の胎児核酸を富化する工程、
    を包含する、方法。
  16. 前記生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、および他の血液画分サンプルのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、胎児微粒子と結合し、母体微粒子と結合しない、請求項17に記載の方法。
  19. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、ヒト白血球抗原G(HLA−G)、もしくはFasリガンド(Fas−L)に結合する、請求項17に記載の方法。
  20. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、HLA−Gに結合する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、G1、G9、もしくはG233である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、検出可能な標識を有する、請求項17に記載の方法。
  23. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、固体支持体に結合されている、請求項17に記載の方法。
  24. 前記固体支持体は、ポリスチレン、磁性物質、アガロース、およびポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミドのうちの少なくとも1つを含む、ビーズもしくは樹脂である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記固体支持体は、カラムである、請求項23に記載の方法。
  26. 前記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される、請求項15に記載の方法。
  27. 前記生物学的サンプルを前記結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプルは、内因性抗体を除去するように処理される、請求項15に記載の方法。
  28. 前記生物学的サンプルを前記胎児特異的結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプルは、母体微粒子と結合する結合分子と合わされて、該生物学的サンプル中の母体微粒子を除去する、請求項15に記載の方法。
  29. 胎児の染色体異常の出生前診断を促進するための方法であって、該方法は、
    生物学的サンプルを妊娠女性から得る工程、
    該生物学的サンプルを、胎児微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、
    該生物学的サンプルのうちの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで該結合分子を含む画分は、胎児微粒子について富化される、工程
    核酸を、該結合分子を含む該画分から単離する工程、および
    該核酸を分析して、該染色体異常の存在もしくは非存在を検出する工程、
    を包含する、方法。
  30. 前記染色体異常は、異数性である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記異数性は、第13染色体、第18染色体、もしくは第21染色体のものである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記染色体異常は、疾患と関連した変異である、請求項29に記載の方法。
  33. 前記生物学的サンプルは、前記胎児の妊娠持続期間が約16週未満である場合に、前記女性から得られる、請求項29に記載の方法。
  34. 前記生物学的サンプルを前記結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプルは、内因性母体抗体を除去するように処理される、請求項29に記載の方法。
  35. 前記生物学的サンプルは、全血サンプルもしくは血漿サンプルである、請求項29に記載の方法。
  36. 前記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである、請求項29に記載の方法。
  37. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、胎児微粒子と結合し、母体微粒子と結合しない、請求項36に記載の方法。
  38. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、ヒト白血球抗原G(HLA−G)、もしくはFasリガンド(Fas−L)に結合する、請求項36に記載の方法。
  39. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、HLA−Gに結合する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、G1、G9、もしくはG233である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、検出可能な標識を有する、請求項36に記載の方法。
  42. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、固体支持体に結合されている、請求項36に記載の方法。
  43. 前記固体支持体は、ポリスチレン、磁性物質、アガロース、およびポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミドのうちの少なくとも1つを含む、ビーズもしくは樹脂である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記固体支持体は、カラムである、請求項42に記載の方法。
  45. 前記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される、請求項29に記載の方法。
  46. 前記DNAは、デジタルPCRを使用して分析される、請求項29に記載の方法。
  47. 前記生物学的サンプルを該胎児特異的結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプルは、母体微粒子と結合する結合分子と合わされて、該生物学的サンプル中の母体微粒子を除去する、請求項29に記載の方法。
  48. 癌の診断を促進するための方法であって、該方法は、
    生物学的サンプルを患者から得る工程、
    該生物学的サンプルを、癌細胞由来微粒子と結合する結合分子と合わせる工程、
    該生物学的サンプルの2つ以上の画分を分離する工程であって、ここで該結合分子を含む画分は、癌細胞由来微粒子について富化される、工程、
    核酸を、該結合分子を含む該画分から単離する工程、および
    該核酸を分析して、癌と関連した変異の存在もしくは非存在を検出する工程であって、ここで該変異の存在は、該患者が癌を有することを示す、工程、
    を包含する、方法。
  49. 前記生物学的サンプルは、該生物学的サンプルを前記結合分子と合わせる前に、内因性抗体を除去するように処理される、請求項48に記載の方法。
  50. 前記生物学的サンプルは、該生物学的サンプル中に存在すると予測される細胞から形成される微粒子と結合する結合分子と合わされて、該生物学的サンプルを該癌特異的結合分子と合わせる前に、該生物学的サンプル中のそのような微粒子を除去する、請求項48に記載の方法。
  51. 前記生物学的サンプルは、全血サンプル、血漿サンプル、血清サンプル、他の血液画分サンプル、もしくは癌細胞もしくは疾患細胞と接触した状態にあった任意の体液のサンプルのうちの少なくとも1つを含む、請求項48に記載の方法。
  52. 前記結合分子は、抗体もしくは抗体フラグメントである、請求項48に記載の方法。
  53. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、癌由来微粒子と結合し、正常細胞由来微粒子と結合しない、請求項52に記載の方法。
  54. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、検出可能な標識を有する、請求項52に記載の方法。
  55. 前記抗体もしくは抗体フラグメントは、固体支持体に結合されている、請求項52に記載の方法。
  56. 前記固体支持体は、ポリスチレン、磁性物質、アガロース、およびポリアクリルアミド/ビス−アクリルアミドのうちの少なくとも1つを含む、ビーズもしくは樹脂である、請求項55に記載の方法。
  57. 前記固体支持体は、カラムである、請求項55に記載の方法。
  58. 前記2つ以上の画分は、フローサイトメトリー、サイズ排除濾過、もしくは磁性粒子濃縮によって分離される、請求項48に記載の方法。
  59. 前記DNAは、デジタルPCRを使用して分析される、請求項48に記載の方法。
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