JP2014506673A - 歯垢を分析する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、歯垢の試料を得、キャピラリー電気泳動を用いてアンモニウムイオンおよび/またはカルシウムイオンを測定する方法とともに、歯垢の評価に基づく診断、処置およびスクリーニング方法を提供する。

Description

本発明は、歯垢中のアンモニア、カルシウムおよび酸をキャピラリー電気泳動を用いて検出する方法に関する。
う歯の初期の進行においては、口腔中のある種の細菌が糖類を代謝して、産物として有機酸を産生する。これらの有機酸の幾つかには、ギ酸、コハク酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸および乳酸が含まれる。この酸産生細菌は歯牙表面付近に存在し、酸と表面とが接触して最終的にエナメルの崩壊または脱灰を引き起こす。この産生の頻度およびエナメルとの接触が長くなればなる程、最終的にう蝕病斑に進行する脱灰の程度も大きくなる。歯垢をショ糖に曝露した後には特に乳酸が増加することから、歯牙の脱灰につき産生された多くの有害な酸のうちの1であることが示されている。
しかしながら、口腔内のすべての細菌がう蝕原性ないし損傷を与えるものではない。口腔内のある型のバイオフローラは、歯腔の発達および口腔の健康において一般的に重要な役割を演じている。例えば、アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸は、オーラルケアに使用することが提唱されており、歯腔の形成および歯牙の知覚過敏をなくすのに重要な利益を有すると考えられている。アルギニンの有利な効果における重要な要素は、アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸がある種の型の細菌、例えば、う触原性ではないが、S.mutansのようなう蝕原性細菌と歯牙上および口腔内の位置で競合するS.sanguis、によって代謝され得ることが仮定されている。アルギニン分解細菌はアルギニンおよび他の塩基性アミノ酸を使用してアンモニアを生成することができ、それによってその周囲のpHを上昇し、一方、う蝕原性細菌は糖類を代謝して乳酸を産生し、これは歯垢のpHを低下して歯牙を脱灰し、最終的に歯腔につながる。
オーラルケア様の新しい組成物および方法を開発することにおいては、すべての細菌を死滅させる方法を単純に用いるよりは損傷を引き起こす特にこれらの細菌を阻害し、破壊しまたは防止することに焦点を当て、および/または損傷性の酸を中和または分散させる方法に焦点を当てることが望ましい場合がある。
キャピラリー電気泳動、例えば、キャピラリーゾーン電気泳動は、電荷、摩擦力および流体力学半径によってイオン種を分離する。伝統的な電気泳動においては、荷電した分析物が電場の影響下で導電性液体媒体中を移動する。キャピラリー電気泳動は、電解質を充填した小さなキャピラリーの内部で、電荷に対する大きさに基づいてイオンを分離する。
キャピラリー電気泳動は歯垢中の酸を測定するために使用されている。例えば、Damen J.J.M.ら,Caries Research(2002)36:53−57を参照されたい。WO 2009/100262(出典明示して本明細書の一部とみなす)は、歯垢中の酸およびアンモニアの両方のモニターを開示しているが、血漿診断キットから応用したアンモニアを測定する方法は時間がかかり、完了するのに約一週間を要する。また、この方法はハイスループットの使用には適さない。
したがって、歯垢の形成および歯牙の腐食を研究する、およびオーラルケア用の新たな組成物および方法を開発することにおいては、アンモニア産生および所望により歯垢の酸産生をも測定する、単純で、迅速で、簡便に使用できる方法を有することが有用である。それにより、歯垢中の有益なものの存在またはその活性、所望によりう蝕原性細菌の存在および活性をも評価することができ、ならびに患者の疾病の状態、ならびにオーラルケア組成物および方法の有効性も評価することができる。また、それは、口腔内のバイオフローラの型をモニターする、例えば最適な処置を決定するおよび処置の有効性をモニターする、より有効な方法を有するのにも有効である。
本発明は、歯垢試料中のアンモニアおよび/またはカルシウム、および所望により酸を測定する単純で、簡便に使用できる方法を提供する。当該方法は、改善されたオーラルケア製品の開発におけるハイスループット使用、ならびに診断および治療方法に有用である。当該方法には、歯垢の試料を得、キャピラリー電気泳動を用いてアンモニアおよび/またはカルシウム、および所望により酸を測定することが含まれる。例えば、1つの実施形態において、方法(方法1)には、
a.歯垢の試料を得;
b.試料を水で希釈し;
c.例えば、殺菌し、かつイオンを溶液に放出させるのに十分に試料を加熱し;
d.例えば、遠心および/または濾過を用いて試料の液体画分を単離し;
e.液体画分と
i.カルシウムイオンからマグネシウムイオンを電気泳動分離することができる剤、例えば、ヒドロキシイソ酪酸、
ii.アンモニウムイオンからカリウムイオンを電気泳動分離することができる剤、
例えば、18クラウン6エーテル、
iii.塩基性の剤、例えばイミダゾールと、酸性の剤(所望により錯体形成剤iおよびiiの1つと同じものでもよい、例えば液体をpH4−5、例えば約4.3に緩衝化する例えばヒドロキシイソ酪酸)とを含む緩衝液
とを合し;
f.工程eの生成物を、キャピラリー管の1つの端部と管を通るイオンの電気泳動流を誘導するのに十分なもう1つの端部との間に電位が存在するキャピラリー管に通し;
g.例えば、UV吸収またはUV−可視光吸収、質量分析、表面励起ラマン分光法または他の検出手段を用いて、キャピラリー管の少なくとも一部分を通過した液体中のアンモニウムイオンおよび/またはカルシウムイオンを検出する
工程が含まれる。
したがって、方法1には以下の方法が含まれる
1.1 工程aで歯垢をヒト患者から得る方法1;
1.2 工程bで歯垢を約0.01−0.1mg歯垢/ml水、例えば、約0.03−0.04mg歯垢/ml水の濃度まで希釈する方法1または1.1;
1.3 工程cで試料を60−95℃、例えば約80℃まで加熱し、ついで10℃未満、例えば約4℃まで冷却する前記のいずれかの方法;
1.4 工程dで試料を遠心し、かく得た上清を取り出し、ついで上清を濾過することによって液体画分を単離する前記のいずれかの方法;
1.5 工程eでカルシウムイオンからマグネシウムイオンを電気泳動分離することができる剤が、ヒドロキシイソ酪酸、乳酸、マロン酸および酒石酸から選択される前記のいずれかの方法;
1.6 工程eでカルシウムイオンからマグネシウムイオンを電気泳動分離することができる剤がヒドロキシイソ酪酸である前記のいずれかの方法;
1.7 工程eでアンモニウムイオンからカリウムイオンを電気泳動分離することができる剤が中性クラウンエーテルおよびシクロフラクタンから選択される前記のいずれかの方法;
1.8 工程eでアンモニウムイオンからカリウムイオンを電気泳動分離することができる剤が18クラウン6エーテルである前記のいずれかの方法;
1.9 工程eで緩衝液が有機塩基を含む前記のいずれかの方法;
1.10 工程eで緩衝液がイミダゾールを含む前記のいずれかの方法;
1.11 工程eで液体画分を、イミダゾール(例えば約5−7mM、例えば約6mM)、ヒドロキシイソ酢酸(例えば約1−2mM、例えば約2.5mM)、および18クラウン6エーテル(例えば約2−3mM、例えば約2.5mM)と合する前記のいずれかの方法;
1.12 工程eの生成物でpHが約4−5、例えば約4.3である前記のいずれかの方法;
1.13 工程fで電位が約5−30kVである前記のいずれかの方法;
1.14 工程gで検出の方法がUV−可視光吸収である前記のいずれかの方法。
方法1は、所望により、さらに歯垢試料中の酸を測定することを提供してもよく、例えば、方法1は、キャピラリー電気泳動を用いて歯垢試料中の酸を測定するさらなる工程を含み;例えば、方法1は以下のさらなる工程を含む:
h.工程dによって得た液体画分を第1の部分および第2の部分に分離し、
i.第1の部分に対して工程e、fおよびgを行い、
j.第2の部分と、緩衝剤、例えば2,6ピリジンジカルボン酸および臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムとを合して、例えば約pH5−6、例えば約pH5.66とし;
k.前記工程の生成物を、キャピラリー管の1つの端部と管を通るイオンの電気泳動流を誘導するのに十分なもう1つの端部との間に電位が存在するキャピラリー管に通し;
l.例えば、UV吸収またはUV−可視光吸収、質量分析、表面励起ラマン分光法または他の検出手段を用いて、キャピラリー管の少なくとも一部分を通過した液体中の酸アニオン、例えば乳酸、コハク酸、酢酸および/またはプロピオン酸のアニオン、例えば、乳酸イオンを検出する。
1つの実施形態において、本発明は歯垢アンモニア産生レベルを測定して、アルギニン分解細菌の相対的集団を決定し、さらに、所望により、歯垢の乳酸レベルを測定してう蝕原性細菌の相対的集団を測定する。
もう1つの実施形態において、本発明は、例えば、WO 2009/100262(出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載されているような以下の技術の1つまたはそれを超えるものを用いて、少なくとも1種のアルギニン分解細菌、例えばS.sanguis、および所望により、少なくとも1種のう蝕原性細菌、例えばS.mutansのレベルを定量化する:
a.口腔中、例えば、歯垢または唾液中の、バイオフローラを特徴付けするための、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えば定量性リアルタイムPCR;
b.口腔中、例えば、歯垢または唾液中の、バイオフローラを特徴付けするための逆転写PCR(RT−PCR);および/または
c.抗体プローブ、例えば蛍光抗体プローブを用いて口腔中、例えば歯垢または唾液中の、バイオフローラを特徴付けする。
もう1つの実施形態において、患者からの歯垢試料を前記の方法およびそれに従って処方する処置のうちの1つを用いて患者からの歯垢試料を評価する。例えば、本発明の方法は、特に、歯垢の生態における潜在的な損傷変化を検出し、測定し得るまたは顕著な脱灰または損傷が歯牙に存在する前に矯正的な処置を許容するのに特に有用である。
したがって、本発明は、例えば、口腔組織を介した全身感染の可能性を減じ;う蝕原性細菌およびその効果に対して歯牙を免疫化し;歯牙および口腔を清浄しおよび/または歯牙の侵食を減じることによって、口腔の健康を高める、例えば歯垢の蓄積を減少する;口腔乾燥を処置、軽減または減少する;歯牙を白くする;心血管の健康を含む全身の健康を高める、ための方法を提供し、当該方法には、例えばいずれかの前記方法、例えば方法1(以下のもの参照)を用いて口腔のバイオフローラを測定し、ついで示された場合に、有効量の塩基性アミノ酸またはその塩、例えばアルギニンを含むオーラルケア製品を投与することが含まれる。
本発明は、さらに、本発明に係る方法、例えば方法1(以下のもの参照)により測定して、口腔バイオフローラが高いレベルのう蝕原性細菌および/または高い乳酸レベル、および/または低いレベルのアルギニン分解細菌および/または低いレベルの歯垢アンモニア産生の対象における口腔健康を高める薬物を製造するための、遊離または塩の形態の塩基性アミノ酸の使用を提供する。
さらに、本発明は、口腔を美容的に高める方法(かかる美容的に高めることには、例えば、歯牙をより白くするおよび/または口臭を減じることが含まれ得る)を提供し、当該方法には、本発明に係る方法、例えば、方法1(以下のもの参照)を用いて口腔のバイオフローラを測定し、高いレベルのう蝕原性細菌および/または高い乳酸レベルの存在、および/または低いレベルのアルギニン分解細菌および/または低いレベルの歯垢アンモニア産生の存在が示された場合に、遊離または塩の形態の塩基性アミノ酸を含むオーラルケア製品を投与することが含まれる。
さらに、本発明は、方法1(以下のもの参照)の方法を用いて歯垢中のアンモニウムのレベルを測定することを含む、アルギニン分解細菌を促進し、所望によりう蝕原性細菌を阻害することにおけるオーラルケア組成物の効力を評価する方法を提供する。
図1は、糖類曝露し、カチオン、例えばアンモニウムおよびカルシウムを測定した後の歯垢の試料のUV吸収スペクトルである。
図2は、糖類曝露および対照し、酸アニオンを測定した後の歯垢の試料のUV吸収スペクトルである。
アルギニンをアンモニアに変換する歯垢の能力は、アルギニン分解活性のマーカーである。ある種の細菌は、ある種の細菌が糖類を酸に変換し得るのと同じように、アルギニンをアンモニアに変換する能力を有する。アルギニン分解種の相対濃度を増大することが有利である。これらの細菌は、酸性条件を好みかつう蝕リスクを増大するう蝕原性細菌の増殖に好ましくない条件を創製するためである。アルギニンの日常的な使用は糖類の頻繁な消費が酸産生細菌を支持する条件を創製するのと同様にして、アルギニン分解細菌を支持する歯垢の生態におけるシフトを創製することが期待される。アンモニアは、酸を中和することができ、中性の歯垢pHを維持することを助ける塩基である。中性pH条件は、非病原性細菌によって好まれる。アンモニア産生の測定は、アルギニンをアンモニアに変換することができるすべての細菌からの貢献を測定している。したがって、この方法は、幾つかの点において、選択したアルギニン分解細菌の濃度を測定し、代謝的に活性(生)および不活性(死滅)の細菌の間を区別しないリアルタイムPCR法(以下にさらに記載する)のような、歯垢バイオフローラを評価する他のアプローチよりも優れている。
アンモニアのレベルの測定がアルギニン分解細菌のレベルを測定するプロキシとして作用するのと同様に、乳酸はう蝕原性細菌のレベルを測定するプロキシとして作用する。したがって、同一の試料からのアンモニウムおよび乳酸の両方を測定することは興味深いものとなり得る。
キャピラリー電気泳動で使用する主要な分離様式には、キャピラリーゾーン電気泳動、ミセル動電キャピラリークロマトグラフィー、キャピラリー等速電気泳動、キャピラリーゲル電気泳動、およびキャピラリー等電点電気泳動が含まれる。特定の実施形態において、本発明はキャピラリーゾーン電気泳動を用いる。一般的に、キャピラリー中の流れはアノードからカソードであり、したがって、カチオンは電気浸透流よりも迅速にキャピラリーを通って移動する傾向があり、一方、アニオンはその電荷によって遅くなり、よりゆっくりと通り抜ける。同様の荷電および大きさを有する分析物は、他のものよりも1つのイオンとより強力に錯体形成する傾向があるより大きな化合物を用いて分離することができ、それによって分離が許容される。
例えば、カリウムおよびアンモニウムは、イミダゾール電解質系において同様の電気泳動移動度を有する。しかしながら、中性クラウンエーテル、例えば18クラウン6エーテル、またはシクロフラクタンを用いることで分離が可能である。かかる化合物は、カリウムと錯体を形成し、そのサイズが増大し、その移動時間を鈍化する。これは、アンモニウムおよびカリウムに対して2の異なる移動時間を生じ、アンモニウムのピークの同定および定量化を許容する。
カルシウムおよびマグネシウムは、ヒドロキシイソ酪酸(HIBA)のような弱いキレート剤も同時移動し、これらのイオンの分離を許容する。また、HIBAは、ナトリウムおよびカルシウムの移動順序を変化させる。HIBAを添加しない場合、ナトリウムはカルシウムの前に移動する。錯化剤を添加した場合、この順序は逆転する。ナトリウムが速く移動し、高濃度の場合、それがカルシウムのピークと重複して、カルシウムのピークが検出されないため、このことは有利である。図1の電気泳動図を参照されたい。したがって、これは、カルシウムがオーラルケア製品から送達される、または反対に、カルシウムが脱灰における歯牙ミネラルによって失われているかを検出する有用なツールおよび方法でもある。
1つの実施形態において、アンモニウムおよびカルシウムのレベルのキャピラリー電気泳動分析に使用した緩衝剤系には、イミダゾール、ヒドロキシイソ酪酸および18クラウン6エーテルが含まれる。したがって、この系には2種の錯化剤が含まれ、分離ピークの移動を最適化する。
実施例1−歯垢中のアンモニウムおよびカルシウム
朝の口腔衛生をせず、前日の夕方から飲食していない対象から歯垢を採取した。対象を10%ショ糖溶液で2分間濯がせた。8分後に、歯牙表面(または複数)を掻き取ることによって歯垢を採取する。歯垢試料は、氷中で予め重量測定したチューブに採取し、歯垢重量を決定する。濃度は超純粋を用いて正規化する。歯垢はほぼ0.03−0.04mg歯垢/mL水の最終的なほぼ正確な濃度に希釈し、水中、4℃にて30秒間遠心沈殿する。ついで、歯垢を溶液にボルテックス攪拌し、ついで、80℃にて5分間加熱して殺菌し、イオンを溶液に放出させる。ついで、その歯垢を氷/水浴にさらに5分間置いた。ついで、歯垢溶液を4℃、13,000rpmで15分間遠心する。上清を素早く取り出し、4℃、12,000pmで3分間、0.2ミクロンNylon遠心フィルターで濾過した。ついで、上清をキャピラリー電気泳動によって分析するかまたは−80℃にて保存する。キャピラリー電気泳動分析に使用した緩衝系は、10mMのイミダゾール、6.0mMのヒドロキシイソ酪酸、2.5mMの18クラウン6エーテル、pH4.3である。
図1は、この方法を用いた糖類曝露後の歯垢のキャピラリー電気泳動分析の一例である。
実施例2−歯垢中の酸
歯垢試料は実施例1と同様にして調製した。使用した緩衝系は異なる:
20mMの2,6ピリジンジカルボン酸および0.5mMの臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、pH5.66。図2は、本発明の方法を用いた歯垢、対照および糖類曝露の後のキャピラリー電気泳動分析の一例である。
歯垢中の乳酸を測定することに加え、この方法では、歯垢中のコハク酸、酢酸およびプロピオン酸も測定する。これらの有機酸も、う蝕の過程およびその後の病斑形成において重要である。有機酸はUV吸収をほとんどまたは全く有していないため、検出はバックグラウンド電解質(BGE)として2,6−ピリジンジカルボン酸を用いて行った。この間接的な検出方法においては、BGEは強力なUV吸収特性を有し、UV検出器における高いバックグラウンド吸収を生じる。非−吸収性の分析物が存在しない場合、バックグラウンドシグナルは一定である。イオン性分析物が導入された場合、それは電荷―電荷ベースでUV吸収性の添加したイオンを置き換え、高いUV吸収ベースラインに対してマイナスのピークを生じる。この分析では、0.5psiにて10秒間の圧力によって試料を注入する。分離は−25kVで行い、キャピラリーは25℃に定温化した。間接的UV検出の波長は254nmを選択し、マイナスのピークを有するシグナルを逆転してより馴染み易い電気泳動図を得て、積算および処理する。注入誤差を較正するために、各試料を1.5mMの硝酸ナトリウム内部標準を添加して行い、乳酸ナトリウム標準(Sigma社,St.Louis,MO,USA)を用いて較正曲線を構築した。(乳酸/硝酸)ピーク面積の比および初期歯垢重量に基づいて、歯垢試料中に存在する乳酸の濃度を決定する。
この方法の妥当性を試験するために、臨床実験も行った。実験の目的は、プラークを公知の酸還元剤、クロルヘキシジンに曝露することによって歯垢試料中の酸の産生を測定するために開発した方法を評価することである。この実験は単項的設計である。含まれる/含まれない基準を満たす6人の対象をこの実験に登録する。登録後、対象にはColgate MaxFreshを一週間使用させる。洗い落とし期間の後に、ベースライン評価のために対象を水で30秒間濯がせた。30分間経過した後に、対象を10%ショ糖溶液で2分間濯がせ、つづいて8分後に歯垢を収集した。この工程を24時間繰り返す。結果は、クロルヘキシジンの濯ぎに曝した歯垢中に産生する乳酸が顕著に少ないことを示した(処理1についてp=0.002および処理2についてp=0.05)。結果は、乳酸産生を測定し、それを酸産生のマーカーとして用いる方法の妥当性を確認した。

Claims (13)

  1. 歯垢の試料を得、ついでキャピラリー電気泳動を用いて歯垢中のアンモニウムイオンおよびカルシウムイオンを測定することを含む、試料中のアンモニアおよび/またはカルシウムを測定する方法。
  2. a.歯垢の試料を得;
    b.試料を水で希釈し;
    c.殺菌し、かつイオンを溶液に放出するのに十分に試料を加熱し;
    d.試料の液体画分を単離し;
    e.液体画分と、
    i.カルシウムイオンからマグネシウムイオンを電気泳動分離することができる剤、
    ii.アンモニウムイオンからカリウムイオンを電気泳動分離することができる剤、および
    iii.所望によりイオンを分離することができる剤iまたはiiのうちの1つと同じものであってもよい、塩基性の剤と酸性の剤とを含む、緩衝液
    とを合し;
    f.工程eの生成物を、キャピラリー管の1つの端部と管を通るイオンの電気泳動流を誘導するのに十分なもう1つの端部との間に電位が存在するキャピラリー管に通し;
    g.キャピラリー管の少なくとも一部分を通した合した液体画分中のアンモニウムイオンおよび/またはカルシウムイオンを検出する
    工程を含む、請求項1記載の方法。
  3. 工程bにおいて歯垢を約0.01−0.1mg歯垢/ml水の濃度まで希釈する、請求項2記載の方法。
  4. 工程cにおいて試料を60−95℃まで加熱する、請求項2または3に記載の方法。
  5. 工程eにおいてカルシウムイオンからマグネシウムイオンを分離することができる剤が、ヒドロキシイソ酪酸、乳酸、マロン酸および酒石酸から選択される、請求項2から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程eにおいてカルシウムイオンからマグネシウムイオンを分離することができる剤がヒドロキシイソ酪酸である、請求項5記載の方法。
  7. 工程eにおいてアンモニウムイオンからカリウムイオンを分離することができる剤が、中性クラウンエーテルおよびシクロフラクタンから選択される、請求項2から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程eにおいてアンモニウムイオンからカリウムイオンを分離することができる剤が18クラウン6エーテルである、請求項2から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程eにおいて液体画分をイミダゾール、ヒドロキシイソ酪酸および18クラウン6エーテルと合する、請求項2から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. さらに、歯垢試料中の酸をキャピラリー電気泳動を用いて測定することを含む、請求項1記載の方法。
  11. 請求項1記載の方法を用いて歯垢アンモニア産生レベルを測定し、ついで所望により、さらに歯垢の乳酸レベルを測定してう蝕原性細菌の相対的集団を測定することを含む、歯垢中のアルギニン分解細菌の相対的集団を測定する方法。
  12. 口腔の健康を高めて、歯垢の蓄積を減少する;口腔乾燥を処置、軽減または減少する;歯牙を白くする;心血管の健康を含む全身の健康を高める;う蝕原性細菌およびその効果に対して歯牙を免疫化する;歯牙および口腔を清浄する、および/または、歯牙の侵食を減じる方法であって、請求項1記載の方法によって患者における歯垢アンモニアレベルを測定し、ついで示された場合に、有効量の塩基性アミノ酸またはその塩を含むオーラルケア製品を患者に投与することを含む該方法。
  13. 請求項1記載の方法を用いて歯垢中のアンモニウムのレベルを測定することを含む、アルギニン分解細菌を促進し、所望によりう蝕原性細菌を阻害することにおける、オーラルケア組成物の効力を評価する方法。
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