JP2014505146A - 増強された応答を有するフォトクロミック組成物及びデバイス - Google Patents

増強された応答を有するフォトクロミック組成物及びデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、光制限デバイスに関し、さらに詳しくは、光制限受動デバイス、及び、従来の紫外光に対する応答に加えて赤外光に対する応答も有する新規フォトクロミック組成物の吸収の変化を用いてレンズ及び窓の光透過を制限するための方法に関する。この追加の応答は、紫外及び短波可視光がないか又は覆い隠されているような場所でのフォトクロミック組成物の使用を特徴付ける。例えば、フォトクロミックガラスを車のフロントガラスの内側に使用することができる。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
[0001]本願は、2011年1月19日出願の米国仮特許出願第61/424,024号の利益及び優先権を主張し、その内容はすべて引用によって本明細書に援用する。
技術分野
[0002]本発明は、光制限デバイス(optical power-limiting device)に関し、さらに詳しくは、光制限受動デバイス、及び、従来の紫外光に対する応答に加えて赤外光に対する応答も有する新規フォトクロミック組成物の吸収の変化を用いてレンズ及び窓の光透過(optical power transmission)を制限するための方法に関する。
[0003]フォトクロミック材料は、日光のスペクトル中の化学線に応答して光透過又は色の変化を示すことが知られている。入射放射線を除去すれば、これらの材料は元の透過状態に戻る。
[0004]そのようなフォトクロミック材料は、サングラス、製図、眼科用レンズ、日射調整用窓フィルム、セキュリティ及び真正性(authenticity)のラベル、及びその他多数の用途を有する。しかしながら、フォトクロミック材料の使用は、(a)UV光、特に短波長(<400ナノメートル、nm)UV光の持続暴露、吸収及び加熱による材料のフォトクロミック性の劣化、(b)暗化の長い立上がり及び立下がり時間(最大数分間)、(c)UV放射線がなければフォトクロミック反応もないこと、例えば車のフロントガラスの内側にはフォトクロミックガラスを使用できないこと、などのために非常に制限されている。
[0005]鉱物ガラス製の眼科用レンズはよく知られている。フォトクロミック顔料は鉱物ガラスと良好な適合性を有する。しかしながら、フォトクロミック鉱物ガラスレンズは重く、また、特に暗色から透明に変化する場合のフォトクロミック反応時間が遅い。
[0006]今日、大部分の眼鏡用レンズは様々なプラスチック又はプラスチック−ガラス複合材料から製造されている。最も使用されているプラスチックは、PMMA(例えば、Rohm and Haas社製Plexiglas、Plaskolite社製Perspex、Lucite、Altuglas及びOptiks)及びポリカーボネート(例えば、General Electric社製Lexan、Mobay Chemical Company社製MERLON、Bayer社製MAKROLON、及びTeijin Chemical Limited社製PANLITE)などである。
[0007]プラスチック製の眼科用レンズをフォトクロミックにすることにおけるそれなりの成功は、フォトクロミック鉱物ガラスの固体層を有機レンズ材料のバルク内に包埋することであった。例を挙げると、ガラス−プラスチック積層眼科用レンズ構造の製造法を教示している米国特許第5,232,637号(Dasherら)、及びレンズにフォトクロミック性を付与するためにフォトクロミック鉱物ガラスの少なくとも一つの層をその材料(mass)内に有する有機材料から製造された眼科用レンズを教示している米国特許第4,300,821号(Mignenら)などがある。
[0008]すべての公知フォトクロミック材料は、化学線に応答して、主に日光のスペクトル中のUV光のために、光透過又は色の変化を示す。UVを吸収する窓の内側など、UV光が存在しない多数の状況がある。大部分のガラス及び眼科用ポリマーは可視及び近IR領域では透明である。本発明の一態様は、透過する近IR光をUV及び短い可視波長にアップコンバージョンし、そのUVをフォトクロミック材料に適用することによって、日光のスペクトル又は他の光源のIR放射線に応答して光透過及び/又は色に変化を生じさせることを利用している。入射IR放射線を除去すれば、これらの材料は元の透過状態に戻る。
[0009]アップコンバージョン(UC)とは、中間の長寿命エネルギー状態を経由して2個以上のポンプ光子の連続吸収後、ポンプ波長より短い波長の出力放射線の放出を特徴とする非線形の光学的プロセスのことである。この一般的概念は、1960年代半ばに、Auzel、Ovsyankin、及びFeofilovによってそれぞれ独立に初めて認識され、定式化された(例えば、F.Auzel,Chem.Rev.,2004,104,139参照)。それ以来、赤外放射線の可視領域へのコンバージョンは、UC研究における大きな関心を呼び起こしている。これまでに得られた知識により、赤外量子カウンター検出器、温度センサー、及びコンパクト固体レーザーなどの有用な光学デバイスの開発が可能になった。
米国特許第5,232,637号明細書 米国特許第4,300,821号明細書
F.Auzel,Chem.Rev.,2004,104,139
[0010]UC材料の顕著な潜在的有用性にもかかわらず、UC材料の実用化は極端に制限されてきた。その制限は、強力なUCを示す微小ナノ結晶(50nm未満、可視光波長よりずっと小さい)の製造の困難さに起因するところが大きい。今日ではこの制限はもはや存在せず、効率的なUC材料をフォトクロミックデバイスに組み込むことができる。
[0011]例えばランタニドドープUCナノ結晶のナノスケール操作によって、励起状態動力学、放出プロフィール及びUC効率におけるそれらの光学的性質の重要な変更がもたらされる。例えば、粒径の縮小によって中間状態の寿命を変更する能力が提供される。ナノスコープ領域内におけるドーパントイオンの空間閉じ込めの制御によって、特定波長放出の顕著な増強がもたらされるほか、新しいタイプの放出を生ずることができる(例えば、J.W.Stouwdam及びF.C.J.M.van Veggel,Nano Lett.,2002,2,733参照)。
[0012]多くの用途においては、フォトクロミック材料を作動させるには不十分なUV及び短波可視光線しかない。UC材料を添加すると、UV及び/又は短波可視光の現場生成が可能になるので、こうした用途においては、それがフォトクロミック材料及びデバイスを始動できる。この追加の応答特徴は、紫外(UV)光及び短波可視光がないか又は覆い隠されているような場所でのフォトクロミック組成物の使用を可能にする。例えば、フォトクロミックガラスを車のフロントガラスの内側に使用することができる。
[0013]本開示はさらに、下記に限定されないが、窓、レンズ、コンタクトレンズ、マイクロレンズ、鏡及びその他の光学品の製造に関する。本開示はさらに、太陽による目眩まし(sun blinding)、フラッシュによる目眩まし、フラッシュの眩しさ、戦場での爆発に起因する閃光、溶接光、火事関連の目眩まし、及び太陽又はミサイル発射を直接見るカメラ用レンズ、及び可視光及び赤外(IR)放射線をスペクトル中に含有するその他の光輝放出源に対する保護専用光学素子にも関する。
[0014]本開示はさらに、ネットワーク、コンポーネントからの入力又は出力時におけるパワー調整のためのリミッタの使用にも関する。更なる用途は、光リミッタがサージ保護及び安全性適用のために使用されうる医療用、軍事用及び工業用レーザーの分野における使用である。
[0015]一態様において、UV又は短波可視光の適用の有無にかかわらず反応する(薄く色づく)フォトクロミック組成物を提供するために、マトリックスと、フォトクロミック色素と、光をアップコンバージョンするナノ粒子添加剤とを使用する。この組成物において、アップコンバージョンナノ粒子は、低エネルギー光子、例えば可視光及び近IR光を吸収する。これはUV又は短波可視光として系に再放出される。再放出されたUV光は、たとえUVが外部源から到達しなくても組成物中のフォトクロミック材料を活性化する。
[0016]別の態様において、マトリックスと、フォトクロミック色素と、光をアップコンバージョンするナノ粒子添加剤と、アップコンバージョンナノ粒子からの蛍光放出を増強する蛍光エンハンサー材料及び構造との組成物を提供する。アップコンバージョンナノ粒子からの蛍光の増強は、ホットスポット又は局所場効果(local field effect)としても知られるプラズモン結合を通じて達成される。
[0017]更なる態様において、マトリックスと、フォトクロミック色素と、光をアップコンバージョンするナノ粒子添加剤と、蛍光エンハンサー材料及び構造と、環境安定剤との組成物を提供する。
[0018]フォトクロミック組成物中のマトリックスは、有機系、例えば、ポリマーフィルム、重合性組成物、又は透明接着剤でも、無機系、例えば、鉱物ガラス、ゾル−ゲル、及び任意のその他の窓用材料でも、無機−有機複合材料でもよい。
[0019]具体的態様において、フォトクロミック組成物中に様々なUCナノ粒子を利用する。例えばLaF、NaYF、LuPO、YbPO、GdOF、La(MoO、YVO、ZrO、TiO、BaTiO、LuGa12、Gd又はLaSなどで、ドーピングイオンは、Yb、Er、Tm、Eu、Nd又はHoのようなランタニドを含む。
[0020]フォトクロミック組成物に使用できる様々なフォトクロミック材料は、有機及び無機フォトクロミクス及びそれらの混合物などであるが、これらに限定されない。有機フォトクロミック色素は、ピラン、オキサジン、フルギド、フルギミド、ジアリールエテン及びそれらの混合物でありうる。これらは、単一フォトクロミック化合物でも、フォトクロミック化合物の混合物でも、フォトクロミック化合物を含む材料、例えばモノマー性又はポリマー性非ゲル化溶液でも;及びフォトクロミック化合物が化学的に結合しているモノマー又はポリマーのような材料でもよい。無機フォトクロミクスは、ハロゲン化銀、ハロゲン化カドミウム及び/又はハロゲン化銅の微結晶でありうる。
[0021]様々な蛍光増強材料が、アップコンバージョンナノ粒子からの蛍光放出を増強するためにフォトクロミック組成物に使用できる。アップコンバージョンナノ粒子からの蛍光の増強は、ホットスポット又は局所場効果としても知られるプラズモン結合を通じて達成される。例を挙げると、金属プラズモンナノ構造、例えば、スパイク入りナノ粒子(spiked nanoparticles)、中空ナノ粒子(hollow-shell nanoparticles)、ライス状ナノ粒子(rice-like nanoparticles)、非同心ナノシェルナノ粒子(nonconcentric-nanoshell nanoparticles)、三日月構造ナノ粒子(crescent-moon-structured nanoparticles)、誘電体コアと金属、誘電体、及び金属の交互層で構成されたナノシェル“ナノマトリョーシカ(nanomatryushka)”(例えば同心ナノシェル)などであるが、これらに限定されない。
[0022]フォトクロミック組成物に使用できる様々な安定剤は、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、UV吸収剤、熱安定剤、一重項酸素消去剤(quencher)、及び各種抗酸化剤などである。様々な安定剤は、一般的に、放射線誘導性分解反応がポリマー材料に発生するのを抑制することによって、フォトクロミック及びアップコンバージョン材料を収容しているマトリックス材料の有用寿命(耐用年数)を延長する。
[0023]フォトクロミック組成物に使用されるマトリックスの熱伝導性を増強するために使用される様々な熱伝導エンハンサーは、効果的に二つの目的を達成する。一つは、光の吸収時に光学素子に発生する熱が系内の他のエレメントにより容易に散逸できるので、マトリックス及びフォトクロミック色素両方の熱分解を効果的に削減する。第二に、ほとんどのフォトクロミック色素は、可視光の吸収によって及び熱によって着色形(色づき形)から無色形に変換されるので、熱エレメントの除去は着色分子及び無色分子の平衡を変えることになる。
[0024]一つの具体的態様において、ポリマーマトリックスの熱伝導性は、ナノ粒子、ナノロッド、ナノワイヤ、中空ナノ粒子、コアシェルナノ粒子、スパイク入り粒子、及び様々な形状のナノ粒子の添加によって達成される。これらは、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物のナノ粒子、及び炭素系ナノ材料、例えばナノダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及びそれらの官能化形、グラフェン、及び炭素鋼などでありうる。様々な組成物は、重合され、硬化され又は成形加工されて(fabricated)、ナノ粒子及び/又はミクロ粒子の形態にすることができる。ナノ粒子及び/又はミクロ粒子はさらに、窓、レンズ、ガラス、コンタクトレンズ、フィルター、マイクロレンズアレイ又は鏡を形成するのに適切な新規マトリックス中に分散させることができる。
[0025]フォトクロミック組成物の様々なナノ粒子及び/又はミクロ粒子はさらにコーティングで被覆又は被包化されてもよい。コーティングは、いくつかの機能、例えば酸化又は何らかの形態の分解からのコア組成物の保護、有害放射線の遮断、及び粒子の化学的性質(疎水性/親水性)の変更(従ってナノ粒子及び/又はミクロ粒子の分散性の変更)といった機能を果たすことができる。コーティングはさらに、アップコンバージョンナノ粒子から放出されるUV光を効果的に捕捉し、ナノ粒子及び/又はミクロ粒子内部のフォトクロミック色素の吸収を効果的に増強するUV反射層又は多層にもなりうる。コーティングは、有機、無機又は複合材料、及び、単層、多層又は多孔層の形態であってよい。
[0026]次に、本発明をより十分に理解できるよう、以下の例示的図面を参照しながら一定の好適な態様に関連して説明する。これから行う図面への詳細な具体的言及に関し、示された特別の事項は、例であって、本発明の好適な態様を例示的に解説することのみを目的としたものであり、最も有用であると考えられていること及び本発明の原理と概念的見地の容易に理解される説明を提供するために提示されていることは強調しておきたい。
[0027]図1は、フォトクロミック及びアップコンバージョンバルク材料の断面図を示す。 [0028]図2は、UV反射/遮断層を有する、フォトクロミック及びアップコンバージョンバルクで構成されたデバイスの断面図を示す。 [0029]図3は、UV反射/遮断層を入射及び出射側の両方に有する、フォトクロミック及びアップコンバージョンバルクで構成されたデバイスの断面図を示す。 [0030]図4は、UV反射器を入射及び出射側の両方に有する、フォトクロミック及びアップコンバージョン積層デバイスの断面図を示す。 [0031]図5は、フォトクロミック及びアップコンバージョン粒子の断面図を示す。 [0032]図6は、UV反射層で被覆されたフォトクロミック及びアップコンバージョン粒子の断面図を示す。 [0033]図7は、図3のフォトクロミックデバイスの断面図及びデバイス内部の光路の方向を示す。 [0034]図8は、バルク体積中のフォトクロミック及びアップコンバージョン粒子の断面図を示す。 [0035]図9は、バルク体積中のフォトクロミック及びアップコンバージョン粒子を試験するための実験室試験装置を示す。 [0036]図10は、バルク体積中のフォトクロミック及びアップコンバージョン粒子の実験結果を示す。
[0037]図1は、二つのバージョンのフォトクロミック及びアップコンバージョンバルク材料の断面図である。
[0038]図1aは、マトリックス12、フォトクロミック材料14、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16及び環境安定剤18を含むフォトクロミック及びアップコンバージョンバルク材料2の断面図を描いている。光学素子は、それに衝突する光線4の一部を吸収し、UV部分はフォトクロミック材料14に吸収され、可視及び/又は近IR部分はアップコンバージョンナノ粒子添加剤16に吸収されてUV光にアップコンバージョンされ、それがフォトクロミック材料14に吸収されると、バルクの色及び透明度を変化させ、光6の一部のみを効果的に透過させる。入射光4のパワーが減退すると、透明度が回復し、出射光線6は入射光4とほぼ同じ強度になる。材料2は、UV光及び/又は可視光及び/又は近IR光に別個に又は同時に暴露されるとバルクの色及び透明度を変える。
[0039]図1bは、マトリックス12、フォトクロミック材料14、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16、蛍光エンハンサー17及び環境安定剤18を含むフォトクロミック及びアップコンバージョンバルク材料3の断面図を描いている。光学素子は、それに衝突する光線4の一部を吸収し、UV部分はフォトクロミック材料14に吸収され、可視及び/又は近IR部分はアップコンバージョンナノ粒子添加剤16に吸収されてUV光にアップコンバージョンされ、それがフォトクロミック材料14に吸収されると、バルクの色及び透明度を変化させ、光6の一部のみを効果的に透過させる。蛍光エンハンサー17は、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16からの蛍光放出を増強する。アップコンバージョンナノ粒子16からの蛍光の増強は、ホットスポット又は局所場効果としても知られるプラズモン結合を通じて達成される。入射光4のパワーが減退すると、透明度が回復し、出射光線6は入射光4とほぼ同じ強度になる。材料3は、UV及び/又は可視及び/又は近IRに別個に又は同時に暴露されるとバルクの色及び透明度を変える。
[0040]図2は、UV反射層及びUV遮断層を備えた二つのバージョンのフォトクロミックアップコンバージョン光学デバイスの断面図を示す。
[0041]図2aは、組成物2(図1aとの関連で上記した通り)、UV反射層10、及びUV遮断層11を含むフォトクロミックアップコンバージョンバルク材料5の断面図を示す。光学素子5は、それに衝突する光線4の一部を吸収し、UV部分はフォトクロミック材料14に吸収され、可視及び/又は近IR部分はアップコンバージョンナノ粒子添加剤16に吸収されてUV光にアップコンバージョンされ、それがフォトクロミック材料14に吸収されると、バルクの色及び透明度を変化させ、光6の一部のみを効果的に透過させる。入射光4のパワーが減退すると、透明度が回復し、出射光線6は入射光4とほぼ同じ強度になる。材料2は、UV光及び/又は可視及び/又は近IR光に別個に又は同時に暴露されるとバルクの色及び透明度を変える。光の出射時、可視及び近IR領域において透明なUV反射器10は二つの目的を果たす。(a)材料2の中に吸収されなかった残留UV光を反射して効率を増強する。(b)出射光6からUV光をフィルタリングすることによって、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。UV遮断層11は、UV光を吸収して、出射光6への何らかのUVの漏洩を防止する。
[0042]図2bは、組成物3(図1bとの関連で上記した通り)、UV反射層10、及びUV遮断層11を含むフォトクロミックアップコンバージョン光学デバイス7の断面図である。光学素子7は、上記光学素子5と同様に機能するほか、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16からの蛍光放出を増強する蛍光エンハンサー17を有する。アップコンバージョンナノ粒子16からの蛍光の増強は、ホットスポット又は局所場効果としても知られるプラズモン結合を通じて達成される。
[0043]図3は、組成物2又は3の入射及び出射側の両方にUV反射層10及びUV遮断層11を備えた二つのバージョンのフォトクロミック及びアップコンバージョン光学デバイスの断面図である。
[0044]図3aは、組成物2及び組成物2の入射及び出射側の両方にUV反射器10及びUV遮断器11を含むフォトクロミック及びアップコンバージョンバルク材料19の断面図を描いている。光学素子19は、それに衝突する光線4の一部を吸収し、UV部分は層11に遮断され、可視及び/又は近IRは組成物2内のアップコンバージョンナノ粒子添加剤16に吸収されてUV光にアップコンバージョンされ、それがフォトクロミック材料14に吸収されると、バルクの色及び透明度を変化させ、光の一部のみを効果的に透過させる。入射光4のパワーが減退すると、透明度が回復し、出射光線6は入射光4とほぼ同じ強度になる。材料2は、近IR光に暴露されるとバルクの色及び透明度を可視光に変える。光の入射4及び出射6時、二つのUV反射層10は可視及び近IR光の両方に透明で、二つの目的を果たす。(a)アップコンバージョン材料から放出されたUV光を捕捉し、吸収されるまでそれを前後に効果的に跳ね返すことによって効率を増強し、そして(b)出射光6からUV光をフィルタリングすることによって、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。二つのUV遮断層11は、入射及び出射側の両方に位置し、これも二つの目的を果たす。(a)UV光がデバイスに入るのを防止することによって、組成物2内のフォトクロミック材料の劣化を低減し、そして(b)出射光6からUV光をさらにフィルタリングして、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。
[0045]図3bは、組成物3(図1bとの関連で上記した通り)、デバイスの入射及び出射側の両方にUV反射器10及びUV遮断器11の両方を含むフォトクロミックアップコンバージョン光学デバイス20の断面図を描いている。光学素子20は、図3aの素子19と同様に機能するが、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16からの蛍光放出を増強するために組成物3に追加の蛍光エンハンサー17を有する。アップコンバージョンナノ粒子16からの蛍光の増強は、ホットスポット又は局所場効果としても知られるプラズモン結合を通じて達成される。
[0046]図4は、UV反射層10及びUV遮断層11の両方をデバイスの入射及び出射側の両方に有するフォトクロミック及びアップコンバージョン積層デバイス9の断面図を描いている。異なる材料の三層22、24及び26が二つのUV反射層10の間に配置されて積層光学デバイス9を完成している。層22はフォトクロミック材料14を含有し、層24はアップコンバージョンナノ粒子添加剤16を含有し、層26は蛍光エンハンサー17を含有する。層22、24及び26はすべて、さらに環境安定剤18を含有することもできる。デバイス19に入る光線4中のUV光は、層10及び11によって吸収されるか又は反射され、入射光線4の可視及び/又は近IR部分は、ナノ粒子添加剤16によってUV光にアップコンバージョンされる。アップコンバージョンされたUV光は層22中のフォトクロミック材料14によって吸収され、バルクの色及び透明度を変化させ、光の一部のみを効果的に透過させる。入射光4のパワーが減退すると、透明度が回復し、出射光線6は入射光4とほぼ同じ強度になる。積層光学デバイス9は、近IR光に暴露されるとバルクの色及び透明度を変える。なぜならば、可視及び近IRのみがUV反射層10を透過できるからである。二つのUV反射層10は二つの目的を果たす。(a)層22、24及び26によって吸収されなかった残留UVを吸収されるまで前後に跳ね返すことによって反射して効率を増強し、そして(b)出射光6からUV光をフィルタリングすることによって、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。二つのUV遮断層11も二つの目的を果たす。(a)UV光がデバイスに入るのを防止することによって、組成物2内のフォトクロミック材料の劣化を低減し、そして(b)出射光6からUV光をさらにフィルタリングして、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。この構成は、反射層10又はUV遮断層11がなくても作動できるが、効率は低下する。
[0047]図5は、単一フォトクロミック及びアップコンバージョンナノ粒子又はミクロ粒子32又は33の断面図を描いている。図5aは、図1aとの関連で上記した通りの組成物2を含む単一ナノ粒子又はミクロ粒子32の断面図を描いている。組成物2は、マトリックス12、フォトクロミック材料14、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16及び環境安定剤18を含む。図5bは、図1aとの関連で上記した通りの組成物3を含む単一ナノ粒子又はミクロ粒子33の断面図を描いている。組成物3は、マトリックス12、フォトクロミック材料14、アップコンバージョンナノ粒子添加剤16、蛍光エンハンサー17及び環境安定剤18を含む。粒子32及び33は、数ナノメートル〜数マイクロメートルの大きさであり得、フォトクロミック及びアップコンバージョンナノ粒子の両方を含有する。光が粒子32又は33に衝突すると、光のUV部分はフォトクロミック材料14に吸収され、光の可視及び/又は近IR部分はアップコンバージョンナノ粒子添加剤16に吸収されてUV光にアップコンバージョンされ、それがフォトクロミック材料14に吸収されると、バルクの色及び透明度を変化させる。入射光のパワーが切られると、透明度が回復する。粒子32又は33中の材料は、UV光及び/又は可視光及び/又は近IR光に別個に又は同時に暴露されると、バルクの色及び透明度を変える。粒子32又は33は、任意の透明物質中に包埋することができ、そのバルクがフォトクロミック材料として機能する。
[0048]図6は、それぞれUV反射層10で被覆された単一フォトクロミック及びアップコンバージョンナノ粒子又はミクロ粒子35(図6a)及び37(図6b)の断面図を描いている。粒子35及び37は、図5に記載のような組成物2(図6a)又は組成物3(図6b)に基づく中心部、外部UV反射層10、及び外部UV遮断層11を有する。UV反射層10は可視及び近IR領域において透明で、二つの目的を果たす。(a)組成物2又は3によって吸収されなかった残留UVを組成物2又は3内のフォトクロミック材料に十分吸収されるまで前後に跳ね返すことによって反射して効率を増強し、そして(b)出射光からUV光をフィルタリングし、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。UV遮断層11も二つの目的を果たす。(a)UV光がデバイスに入るのを防止することによって、組成物2又は3内のフォトクロミック材料の劣化を低減し、そして(b)出射光6からUV光をさらにフィルタリングして、例えば材料が眼鏡のレンズに使用される場合、UV放射線から眼を保護する。
[0049]図7は、図3及び6に図示されたフォトクロミックデバイスの断面図と、デバイス内部の光路の方向を描いている。図7aは、衝突光4の可視及び近IR部分を受光する図3aのデバイス19を示す。アップコンバージョン粒子16から放出されたアップコンバージョンされたUVは、UV反射層10によって粒子内部に捕捉され、フォトクロミック粒子14に吸収されるまで方向36に進む。図7bは、衝突光4の可視及び近IR部分を受光する図6aのデバイス35を示す。アップコンバージョン粒子16から放出されたアップコンバージョンされたUV光は、UV反射層34によって粒子内部に捕捉され、フォトクロミック粒子14に吸収されるまで方向36に進む。
[0050]図8は、マトリックス30に分散された、図5及び6との関連で上記したフォトクロミック及びアップコンバージョンナノ粒子及び/又はミクロ粒子32、33、35又は37を含有するバルクエレメント28の断面図を描いている。マトリックス30は、フォトクロミック及びアップコンバージョン粒子を収容できる任意の透明材料でよいので、フォトクロミック及びアップコンバージョンに効率的でない多数の透明又はフィルム材料、例えばガラスの使用が可能になる。光学バルクエレメント28は、それに衝突する光線4の一部を吸収する。光線4のUV部分はフォトクロミック粒子に吸収され、可視及び/又は近IR部分はアップコンバージョンナノ粒子添加剤に吸収されてUV光にアップコンバージョンされ、それがナノ粒子及び/又はミクロ粒子中のフォトクロミック材料に吸収されると、バルクの色及び透明度を変化させ、光の一部のみを効果的に透過させる。入射光4のパワーが減退すると、透明度が回復し、出射光線6は入射光4とほぼ同じ強度になる。32中の材料は、UV光及び/又は可視光及び/又は近IR光に、別個に、同時に、IRのみに、可視光のみに又は可視及びIRに暴露されるとバルクの色及び透明度を変える。
[0051]図9は、バルク体積中のフォトクロミック及びアップコンバージョン粒子を試験するための実験室試験装置34を示す。装置は、0.5ワットの出力及び980nmの波長を有するレーザー光源36を含み、レーザー光は、4[mg/ml]の濃度のトルエン42中アップコンバージョン粒子40を充填された試験管38に衝突し、試験管38の内容物に光を当てる。アップコンバージョン粒子40は、例えばVoxtel Inc.社から購入したNP−FAFA−980−AA−L30G5O1という粒子で、980nmの波長で吸収し、二重エネルギー移動を通じてUV領域に放出するように設計されている。アップコンバージョンされた光は、積分球46(例えばOceanOptics,Inc.社製、製品名FOIS−1)によって集められ、分光器48に入るレーザー光の強度を低減するために使用されるフィルター50(例えばBG40フィルター)を通って光学分光器48(OceanOptics,Inc.社製、製品名USB4000)に導かれる。光は光ファイバー52を通って移動する。分光器48によって得られた結果を図10に示す。
[0052]図10は、バルク体積中のアップコンバージョン粒子の実験結果を示す。図10aは、試験管に液体トルエンしか入っていない場合の分光器への光スペクトルを示し、図10bは、試験管が図9に記載の通りアップコンバージョン粒子を含有する場合の分光器への光スペクトルを示す。結果は、予想通り、スペクトルの500nm領域にアップコンバージョンされた光を示している。この部分の光(すなわち、およそ500nmの波長のアップコンバージョンされた光)は、本開示に記載のフォトクロミック材料のいくつかを活性化するのに有効である。
[0053]従って、本明細書中に記載の通り、フォトクロミック色素材料からフォトクロミック応答を生じることが通常不可能な光による光暴露に応答してフォトクロミック応答が可能になるレンズなどの光学デバイスを製造することができる。典型的には、不十分に低いエネルギーレベル(すなわち十分低くない波長)を有する光に暴露されたフォトクロミック材料は作動しない。例えば、UV又は短波可視光に応答して作動するフォトクロミック材料は、近IR光に暴露されている間は典型的には作動しないままである(例えば透明)。しかしながら、フォトクロミック色素のほかにアップコンバージョンナノ材料を配合することによって、それ自体はフォトクロミック材料にフォトクロミック応答を生じない比較的低波長の光がアップコンバージョンナノ材料に吸収され、より高エネルギーレベルの光がアップコンバージョンナノ材料から再放出される。再放出された光は、フォトクロミック色素材料からフォトクロミック応答を作動させるために十分高いエネルギーレベルを有している。アップコンバージョンナノ材料及び/又はフォトクロミック色素は、光学デバイスに、光学デバイスに適用された層として、光学デバイスの層として、又は光学デバイス内のバルク材料として、又はこれらのいくつかの組合せとして組み込むことができる。従って、フォトクロミック応答は、今や相当量のUV又は短波可視光に暴露されない領域においても可能である。例えば、UV光に応答して暗化するように構成されたフォトクロミック光学補正レンズは、UV光が車の客室に入るのを防止するために被覆及び/又は処理された窓を有する車の室内で作動させることができる。
[0054]さらに、アップコンバージョンナノ材料の蛍光効果は蛍光エンハンサーを含めることによってさらに増強でき、応答時間は熱伝導エンハンサーを含めることによって低減できる(その結果フォトクロミック作動はより迅速に起こる)。
[0055]例示目的のために、本開示に従って、光学デバイスなどのフォトクロミック材料の製造に使用されるいくつかの組合せ例を次にまとめる。製造される材料が、マトリックス、マトリックスに添加されたフォトクロミック色素及びアップコンバージョンナノ粒子を含む一部の態様において、フォトクロミック色素の量はマトリックスの重量(“質量”)の0.5%〜10%になるように選択でき;アップコンバージョンナノ粒子の量はマトリックスの重量の0.5%〜10%になるように選択できる。
[0056]製造される材料が、マトリックス、マトリックスに添加されたフォトクロミック色素、アップコンバージョンナノ粒子、及び蛍光エンハンサー材料及び/又は構造を含む一部の態様において、フォトクロミック色素の量はマトリックスの重量(“質量”)の0.5%〜10%になるように選択でき;アップコンバージョンナノ粒子の量はマトリックスの重量の0.5%〜10%になるように選択でき;蛍光エンハンサー材料及び/又は構造の量はマトリックスの重量の0.5%〜5%になるように選択できる。
[0057]製造される材料が、マトリックス、マトリックスに添加されたフォトクロミック色素、アップコンバージョンナノ粒子、蛍光エンハンサー材料及び/又は構造、及び環境安定剤を含む一部の態様において、フォトクロミック色素の量はマトリックスの重量(“質量”)の0.5%〜10%になるように選択でき;アップコンバージョンナノ粒子の量はマトリックスの重量の0.5%〜10%になるように選択でき;蛍光エンハンサー材料及び/又は構造の量はマトリックスの重量の0.5%〜5%になるように選択でき;環境安定剤の量は安定剤によってマトリックスの重量の0.1%〜2−5%になるように選択できる。
[0058]製造される材料が、マトリックス、マトリックスに添加されたフォトクロミック色素、アップコンバージョンナノ粒子、蛍光エンハンサー材料及び/又は構造、環境安定剤、及び熱伝導エンハンサーを含む一部の態様において、フォトクロミック色素の量はマトリックスの重量(“質量”)の0.5%〜10%になるように選択でき;アップコンバージョンナノ粒子の量はマトリックスの重量の0.5%〜10%になるように選択でき;蛍光エンハンサー材料及び/又は構造の量はマトリックスの重量の0.5%〜5%になるように選択でき;環境安定剤の量は安定剤によってマトリックスの重量の0.1%〜2−5%になるように選択でき;熱伝導エンハンサーの量はマトリックスの重量の0.1%〜20%になるように選択できる。
[0059]本明細書において、近赤外(“近IR”)は一般的に、電磁スペクトルの近赤外スペクトル領域の放射線、例えば約750nm〜約2500nmの波長を有する放射線のことを言う。可視光は一般的に、電磁スペクトルの可視領域の放射線、例えば約390nm〜約750nmの波長を有する放射線のことを言う。短波可視光は一般的に、可視領域内又はほぼ可視領域内の、可視領域の最長波長よりも可視領域の最小波長に近い波長を有する放射線、すなわち750nmよりも390nmに近い波長を有する放射線のことを言う。また、短波可視光は、可視領域内又はほぼ可視領域内の、領域を規定しているおよその波長未満の波長、例えばおよそ500nm未満、又はおよそ450nm未満の波長を有する放射線と言うこともできる。紫外(“UV”)は一般的に、電磁スペクトルの紫外領域の放射線、例えば約10nm〜約400nmの波長を有する放射線のことを言う。一般的に、UV光も短波可視光も、フォトクロミック材料を作動するのに十分な、従ってフォトクロミック材料の透明度を変化させるのに十分な波長を有する放射線のことである。
[0060]本発明は前述の例示された態様の詳細に限定されないこと、そして本発明はその精神又は本質的特性から逸脱することなく他の特定の形態でも具現化できることは、当業者には明白であろう。従って、本態様はすべての点において制限的ではなく例示的と見なされ、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。それ故、特許請求の範囲の意味及び等価の範囲内に入るすべての変形はそれに包含されるものとする。
2 バルク材料
3 バルク材料
4 入射光
5 光学素子
6 出射光
7 光学素子
9 積層デバイス
10 UV反射層
11 UV遮断層
12 マトリックス
14 フォトクロミック材料
16 アップコンバージョンナノ粒子添加剤
17 蛍光エンハンサー
18 環境安定剤
19 光学素子
20 光学素子
22 フォトクロミック材料を含有する層
24 アップコンバージョンナノ粒子添加剤を含有する層
26 蛍光エンハンサーを含有する層
28 バルクエレメント
30 マトリックス
32 粒子
33 粒子
34 実験室試験装置
35 被覆粒子
36 方向、レーザー光源
37 被覆粒子
38 試験管
40 アップコンバージョン粒子
42 トルエン
46 積分球
48 光学分光器
50 フィルター
52 光ファイバー

Claims (18)

  1. フォトクロミック材料であって、
    紫外光への暴露に応答して変化した透明度を有するフォトクロミック色素と、
    可視光又は近赤外光を吸収し、フォトクロミック色素に向かって紫外光を再放出するアップコンバージョンナノ粒子と、そして
    アップコンバージョンナノ粒子及びフォトクロミック色素を収容するためのマトリックス材料と
    を含むフォトクロミック材料。
  2. アップコンバージョンナノ粒子からの蛍光放出を増強するために、マトリックス内に収容された蛍光増強ナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
  3. マトリックス材料の放射線誘導性分解を制御するための環境安定剤をさらに含む、請求項2に記載のフォトクロミック材料。
  4. マトリックス材料の熱応答時間を低減するための熱伝導エンハンサーをさらに含む、請求項3に記載のフォトクロミック材料。
  5. フォトクロミック色素及びアップコンバージョンナノ粒子がマトリックス材料内に分散されている、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
  6. フォトクロミック色素又はアップコンバージョンナノ粒子の少なくとも一つがマトリックス材料に隣接して層を形成している、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
  7. アップコンバージョンナノ粒子が、LaF、NaYF、LuPO、YbPO、GdOF、La(MoO、YVO、ZrO、TiO、BaTiO、LuGa12、Gd又はLaSから選ばれる少なくとも一つのナノ粒子を含み、ドーピングイオンは、Yb、Er、Tm、Eu、Nd又はHoから選ばれるランタニドを含む、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
  8. アップコンバージョンナノ粒子からの蛍光放出を増強するために、マトリックス材料内に収容された蛍光増強金属プラズモンナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
  9. マトリックス材料の熱応答時間を低減するための熱伝導エンハンサーをさらに含む、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
  10. 熱伝導エンハンサーがナノ粒子又はミクロ粒子を含み、熱伝導エンハンサー、アップコンバージョンナノ粒子及びフォトクロミック色素がマトリックス材料内に分散されている、請求項9に記載のフォトクロミック材料。
  11. 熱伝導エンハンサーが、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、又は炭素系ナノ材料で構成されるナノ粒子、ナノロッド、ナノワイヤ、中空ナノ粒子、コアシェルナノ粒子、又はスパイク入りナノ粒子の少なくとも一つを含む、請求項9に記載のフォトクロミック材料。
  12. フォトクロミック組成物であって、
    マトリックスと、バルク材料、コーティング、又は積層物の異なる層(区別された層)の形態のフォトクロミック色素とを含む実質的に透明な材料(前記フォトクロミック色素は紫外光に暴露されると変色し透明度が低くなる)、及び
    前記実質的に透明な材料に衝突する可視及び近赤外光を紫外又は短波可視光に変換するためのアップコンバージョン材料の層
    を含むフォトクロミック組成物。
  13. 蛍光増強ナノ粒子をさらに含む、請求項12に記載のフォトクロミック材料。
  14. 前記蛍光増強ナノ粒子が金属プラズモンナノ構造である、請求項13に記載のフォトクロミック材料。
  15. 前記金属プラズモンナノ構造が、スパイク入りナノ粒子、不規則形状の金属ナノ粒子、中空ナノ粒子、ライス状ナノ粒子、非同心ナノシェルナノ粒子、三日月構造ナノ粒子、又は誘電体コアと金属、誘電体及び金属の交互層で構成されたナノシェルからなる群から選ばれる、請求項13に記載のフォトクロミック材料。
  16. 紫外光を反射する材料の層を含む、請求項12に記載のフォトクロミック材料。
  17. 前記アップコンバージョン材料が、LaF、NaYF、LuPO、YbPO、GdOF、La(MoO、YVO、ZrO、TiO、BaTiO、LuGa12、Gd又はLaSからなる群から選ばれる少なくとも一つのタイプのナノ粒子を含む、請求項12に記載のフォトクロミック材料。
  18. 前記アップコンバージョン材料が、Yb、Er、Yb、Tm、Eu、Nd及びHoからなる群から選ばれる少なくとも一つのランタニドを含む、請求項12に記載のフォトクロミック材料。
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