JP2014503789A - タイヤのトレッドデザインを形成する基本的パターンを識別すると共に規定する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、タイヤのトレッドの検査方法に関し、トレッドは、円周方向に並置されると共に同一形状の境界部によって互いに分離されている要素の集成体によって形成されたトレッドデザインを有し、これら要素は、正確且つ公知の仕方で順序付けられている減少した数の基本的パターンを有し、基本的パターンは、摩耗インジケータが設けられた少なくとも1つの基本的パターンを含み、摩耗インジケータには少なくとも1つの基本的パターンの特徴的箇所が関連しており、この方法では、検査されるべきタイヤトレッドの表面の画像を生じさせ、検査されるべきタイヤトレッドの画像上に存在する摩耗インジケータを識別し、摩耗インジケータを、摩耗インジケータを備えた基本的パターンに対応したサブセットの状態にグループ化してサブセットの各々の特徴的箇所を決定し、検査されるべきトレッド表面上で識別された摩耗インジケータのサブセットの各々の特徴的箇所相互間の距離を算出することによって一連の距離を求め、一連の距離が基本的パターンの特徴的箇所相互間の公知の一連の距離と一致するようにし、要素相互間の境界部の形状を要素の公知の配置順序に従って検査されるべきトレッド表面上に投影する。
Description
本発明は、検査されるべきタイヤの画像をこのタイヤの基準画像と比較するタイヤの目視(外観)検査分野に関する。
これら2つの画像の比較により、画像の所与の箇所における差異の分析によって、この箇所に割り当てられると共に一般にディジタル画像センサに由来する物理的大きさの値の変化を求めることができる。センサにより測定される物理的大きさは、三次元画像を作り出すことができる材料が用いられる場合、観察される物体の色、輝度、テキスチャ又は基準表面に対するこれらの箇所の高さに関連している場合がある。
これら変化をアルゴリズムの助けにより分析し、かかるアルゴリズムは、本発明の主題ではないが、かかるアルゴリズムは、検査されるべきタイヤの適合度を求めてこのタイヤを適合しているものとみなすことができるかどうか又はタイヤを処理センタ送りにしなければならないかどうかを判定するようになっている。
タイヤの場合、この技術は、剛性ダイを利用した成形によって得られるタイヤゾーン、例えばサイドウォール又はトレッドの検査に利用される。
国際公開第2009/077537号パンフレットは、トレッドパターンが円周方向に並置されると共に正確且つ公知の仕方で順序付けられている減少した数の基本的パターンを備えた要素の集成体によって形成されたタイヤトレッドの検査に特に適合した方法を記載している。
トレッドパターンの基本的パターンは、互いにほぼ同じ形状を有すると共にほぼ同じであるが、全体としては同一ではない寸法を有する。したがって、各形式の基本的パターンは、ケーシングのトレッドパターンの周囲上に数回見える。基本的パターンの寸法及び配置状態の選択は、走行時の振動又はノイズを減少させる目的で当業者には知られている賢明な仕方で実施される。
上述の国際公開パンフレットに記載されている方法の目的は、基本的パターンのみの基準画像をタイヤの周囲上に配置された実在の基本的パターンの画像と比較することにある。
したがって、異常が同一の基本的パターンを備えた要素の全てには生じそうもないと仮定すれば、基本的パターンの各々について画像の十分な集まりを得てこれら基本的パターンから基準画像をコンピュータ計算するためには単一のタイヤのトレッドの画像を収集することで十分である。
また、この方法の実施に先立って、トレッドパターンを形成する要素相互間の境界を識別してこれらの境界の存在場所を正確な仕方で突き止めることが必要である。
本発明の目的は、この課題を解決することができる方法を提案することにある。
本発明のタイヤトレッドの検査方法は、タイヤのトレッドパターンが円周方向に並置されると共に同一形状の境界部によって互いに分離された要素の集成体によって形成されたタイヤのトレッドのケッさ向きであり、これら要素は、正確且つ公知の仕方で順序付けられている減少した数の基本的パターンを有し、基本的パターンは、トレッド摩耗インジケータが設けられた少なくとも1つの基本的パターンを含み、トレッド摩耗インジケータには少なくとも1つの基本的パターンの特徴的箇所が関連している。
この方法は、次のステップ、即ち、
‐検査されるべきタイヤトレッドの画像を生じさせまステップ、
‐検査されるべきタイヤトレッドの画像上に存在するトレッド摩耗インジケータを識別するステップ、
‐トレッド摩耗インジケータを、トレッド摩耗インジケータを備えた基本的パターンに対応したサブセットによってグループ化し、そしてサブセットの各々の特徴的箇所を決定するステップ、
‐検査されるべきトレッド表面上で識別されたトレッド摩耗インジケータのサブセットの各々の特徴的箇所相互間の距離をコンピュータ計算することによって一連の距離を求めるステップ、
‐一連の距離が基本的パターンの特徴的箇所相互間の公知の一連の距離と一致するようにするステップ、及び
‐要素相互間の境界部の形状を要素の公知の配置順序に従って検査されるべきトレッド表面上に投影するステップを有する。
‐検査されるべきタイヤトレッドの画像を生じさせまステップ、
‐検査されるべきタイヤトレッドの画像上に存在するトレッド摩耗インジケータを識別するステップ、
‐トレッド摩耗インジケータを、トレッド摩耗インジケータを備えた基本的パターンに対応したサブセットによってグループ化し、そしてサブセットの各々の特徴的箇所を決定するステップ、
‐検査されるべきトレッド表面上で識別されたトレッド摩耗インジケータのサブセットの各々の特徴的箇所相互間の距離をコンピュータ計算することによって一連の距離を求めるステップ、
‐一連の距離が基本的パターンの特徴的箇所相互間の公知の一連の距離と一致するようにするステップ、及び
‐要素相互間の境界部の形状を要素の公知の配置順序に従って検査されるべきトレッド表面上に投影するステップを有する。
この方法の価値は、この方法により検査されるべきタイヤトレッドパターンの要素の順序を確実に突き止めてこれに対応した基本的パターンを各要素に割り当てることが可能であるということにある。この方法は又、トレッドパターンの輪郭の距離を調節し又はかかる距離を最適化することによって重ね合わせる方法と比較して、コンピュータ計算時間を相当多く必要としないという利点を有する。
このステップがいったん完了すると、例えば国際公開第2009/077537号パンフレットに記載されている評価方法を問題なく実施することが可能である。
一般的に言って、トレッドパターンは、タイヤ摩耗インジケータを含む単一の基本的パターンを有する。
本発明の第1の実施形態によれば、トレッド摩耗インジケータの識別をトレッド摩耗インジケータの基準サムネイル画像に基づいて実施し、基準サムネイル画像は、検査されるべき寸法に適合している。
本発明の第2の実施形態によれば、トレッド摩耗インジケータの識別をタイヤトレッドパターンのデフィニション又は規定の基礎として用いられるディジタルモデルに基づいて実施する。
コンピュータ計算時間を短くすると共にサーチの信頼性を高めるために、トレッド摩耗インジケータに関するサーチを、トレッド摩耗インジケータが設けられたトレッドパターンの溝を実質的にフレーミングする細幅円周方向ストリップに制限することが可能である。
トレッド摩耗インジケータの識別の実施前に、ディジタルモデルのトレッド摩耗インジケータの画像を検査されるべきタイヤトレッドの画像を収集する手段の較正パラメータに従って変形させることが必要であると言える。
トレッド摩耗インジケータの形状に関するサーチを改善すると共にかかる形状の整合性を向上させるためには、アフィン変換を適用することによってディジタルモデルのトレッド摩耗インジケータの画像を変形させることが有用である場合がある。
また、この方法において、トレッド摩耗インジケータを備えた要素の特徴的箇所の横方向位置と長手方向との間の距離を評価してタイヤの周囲全体にわたってタイヤの振れ(ランアウト)を求めることが可能である。
この場合、要素相互間の境界部の横方向位置をタイヤの周囲の横方向位置におけるタイヤの振れの値の関数として修正することが可能である。
以下の説明は、本発明及びその実施形態を良好に理解させることができると共に図1〜図12を参照して行われる。
図1により、それぞれA,B,C,Uで示された幾つかの形式の基本的パターンの存在が見えるタイヤトレッドの一部分が視覚化されている。これら形式の基本的パターンは、図2に個々に表されており、かかる基本的パターンは、例えば、長さが互いに異なる3つのパターンA,B,C及びトレッド摩耗インジケータを含む1つのパターンUから成る。これら4つの形式の基本的パターンは、タイヤの周囲に沿って全体的に正確な順序で繰り返される。
かくして、図1に示されたトレッド部分の順序は、ACBUBACCCで示された順序であり、このタイヤの所与の寸法範囲に関し、最終の順序は、複雑且つ公知の順序で配置され、ACBUBACCCで始まり、例えば、パターンBCAABUAABCBCBAAABBUCACAACBAACBBAU等と続くこれら4つの形式の基本的パターンの並置によって形成される。
一般的に言って、一寸法分は、1つから4つまでの基本的パターンを有するのが良く、トレッドは、直径に応じて、所望の順序で配置された80個から100個までの基本的パターンの繰り返しを有する。この結果、所与の形式の基本的パターン、例えば基本的パターンAは、トレッドパターンの寸法及び形式に応じて、トレッド1つ当たり10回〜40回用いられるであろう。
基本的パターンの形式の各々の横方向境界部の形状は、別の形式の任意の基本的パターンの横方向境界部に同じように良好に一致することができるようになっている。したがって、これら境界部の形状は、必要に応じて基本的パターンの順序を変更することができるようにするために問題の基本的パターンとは無関係に同一である。
図2に示されている基本的パターンは、トレッドの横方向幅全体を占める。この配置は、本発明を限定するものではなく、本発明の原理は、トレッドパターンが同一の横方向に配置された数種類の互いに異なる基本的パターンから成る状況にも拡張可能である。これは、非対称と呼ばれるトレッドパターンに関して特に言える。
Uで示された基本的パターンは、長手方向溝内に配置されたトレッド摩耗インジケータを含む。この特定の基本的パターンは、通常、1つしかなく、この特定の基本的パターンをトレッドパターンの基本的パターン順序中に必要に応じて何回も再現することができる。トレッド摩耗インジケータの存在がトレッドパターンの形式とは無関係に必須であることを更に考慮に入れた上でトレッドパターンの要素相互間の境界部を求めるために用いられるのは、この特定の特徴である。
したがって、実施される第1の作業では、検査されるべきタイヤのトレッド表面の画像を生じさせる。
「画像」という用語は、検査されるべきタイヤにより所与の箇所で反射される光に対して敏感な1つ又は2つ以上のセンサに由来する情報を意味している。この画像は、二次元、三次元、グレーレベル、白黒又はカラーである場合がある。この画像は、リニアカメラ、グレーレベルカメラ、カラーマトリックスカメラ又はレーザ三角測量センサ等から得られるのが良い。1つ又は2つ以上の物理的大きさの値が画像の各画素と関連する。したがって、画像は、測定される物理的大きさと同数のデータ表の形態を取っている。
次に、次のステップでは、検査されるべきタイヤのトレッドの画像中に存在するトレッド摩耗インジケータを識別する。
本明細書における説明は、この操作を実施するための2つの考えられる方法の説明に限定される。
二次元データの処理に特に好適な第1の方法では、基準タイヤであると考えられる同一サイズのタイヤのトレッド上に存在するトレッド摩耗インジケータの基準サムネイル画像を手動で収集する。例えば、これら基準サムネイル画像が同一範囲のタイヤに由来しているが、互いに異なる寸法を備えている場合、形状が検査されるべき寸法のトレッド摩耗インジケータの形状と同一であり又はこれに十分に近いトレッド摩耗インジケータのサムネイル又は3Dモデルを用いることが同じように可能である。次に、図3に示されているこれら画像をメモリに記憶させる。
この学習段階の間、同一の基本的パターンに関し、他の情報(図7に示されている)、例えば、
‐トレッド摩耗インジケータTU1,TU2,TU3の個々の位置、
‐トレッド摩耗インジケータ相互間の距離(A1,A2,D1,D2)、
‐トレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンに属するトレッド摩耗インジケータのサブセットの特徴的箇所Pの位置(なお、ここで、特徴的箇所は、タイヤサイズについて従来規定されると共にトレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンに属するトレッド摩耗インジケータのサブセットから容易に識別可能な有意な箇所である。特徴的箇所は、例えば、トレッド摩耗インジケータの表面の中心、これら表面の中心又はトレッド摩耗インジケータを含む上述の基本的パターンに属する単一の又は幾つかのトレッド摩耗インジケータの画像から得られる任意他の箇所であるのが良い)、
‐要素又は基本的パターンの境界部に対応した要素の切り欠き又は基本的パターンの形状及びトレッド摩耗インジケータ及び特徴的箇所に対するこれら境界部の相対的位置を記憶させることが同様に可能である。
‐トレッド摩耗インジケータTU1,TU2,TU3の個々の位置、
‐トレッド摩耗インジケータ相互間の距離(A1,A2,D1,D2)、
‐トレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンに属するトレッド摩耗インジケータのサブセットの特徴的箇所Pの位置(なお、ここで、特徴的箇所は、タイヤサイズについて従来規定されると共にトレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンに属するトレッド摩耗インジケータのサブセットから容易に識別可能な有意な箇所である。特徴的箇所は、例えば、トレッド摩耗インジケータの表面の中心、これら表面の中心又はトレッド摩耗インジケータを含む上述の基本的パターンに属する単一の又は幾つかのトレッド摩耗インジケータの画像から得られる任意他の箇所であるのが良い)、
‐要素又は基本的パターンの境界部に対応した要素の切り欠き又は基本的パターンの形状及びトレッド摩耗インジケータ及び特徴的箇所に対するこれら境界部の相対的位置を記憶させることが同様に可能である。
また、
‐トレッド摩耗インジケータTUを含む基本的パターンUを互いに隔てていて、トレッド摩耗インジケータを含む上述の基本的パターンUの特徴的箇所P相互間の円周方向距離に対応した円周方向距離(これら距離は、基本的要素の円周方向順序づけに対応した特定の順序の特徴である。というのは、トレッド摩耗インジケータを含む2つのパターン相互間の基本的パターンの分布状態は、既知だからである)、
‐実質的に基本的パターンの円周方向長さに一致した各要素の境界部相互間の円周方向距離を記憶させる。
‐トレッド摩耗インジケータTUを含む基本的パターンUを互いに隔てていて、トレッド摩耗インジケータを含む上述の基本的パターンUの特徴的箇所P相互間の円周方向距離に対応した円周方向距離(これら距離は、基本的要素の円周方向順序づけに対応した特定の順序の特徴である。というのは、トレッド摩耗インジケータを含む2つのパターン相互間の基本的パターンの分布状態は、既知だからである)、
‐実質的に基本的パターンの円周方向長さに一致した各要素の境界部相互間の円周方向距離を記憶させる。
検査されるべきタイヤの周囲の画像中のトレッド摩耗インジケータに関するサーチは、かかるサーチをトレッド摩耗インジケータを含む溝を実質的にフレーミングする細幅ストリップに向けることによって標的手法で且つ図4に一実施例として記載されているように(B1,B2,B3)実施される。各ストリップは、トレッドの周囲全体の画像とオーバーラップする。この標的サーチにより、画像を処理する時間を短縮すると共にエラーの恐れを減少させることができる。
これらストリップ中のトレッド摩耗インジケータに関するサーチは、例えばサムネイル画像のグレーレベルとトレッド表面の画像のグレーレベルに相関関係があるかどうかを調べることによって実施される。この方法は、モントリオール・エコール・ポリテクニーク(Montreal Ecole Polytechnique)社による刊行物“ELE 3700 Analyse des signaux”(英訳“ELE 3700 Signal Analysis”)に詳細に記載されている。
また、三次元のトレッド表面の画像の状況に好適な別の方法を利用すると、トレッド摩耗インジケータのレリーフの細部が既知である場合、トレッド摩耗インジケータを識別することができる。
これを行うため、トレッドのレリーフを規定するために用いられるディジタルモデルから抽出されたデータが用いられる。このモデルは、例えば、硬化モールドを製造するために用いられるCADディジタルモデルによって形成できる。
次に、トレッド摩耗インジケータの輪郭の形状を求める。ここでは、図5に示されているようにトレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンのCADモデルのトレッド摩耗インジケータの形状は、リムに取り付けられてインフレートされたタイヤ上に現れているときのトレッド摩耗インジケータの形状に正確には一致していないことが観察されよう。したがって、CAD画像に由来するトレッド摩耗インジケータの輪郭と基準タイヤ上で得られた現実の画像のトレッド摩耗インジケータの輪郭との間の距離の差を最適にすることができるアフィン変換のパラメータを探すことによってこのモデルを変形させることが有用な場合がある。次に、このアフィン変換を記憶させ、そして開始箇所と同一の寸法のタイヤの全てについて利用するのが良い。しかしながら、検査されるべき各タイヤに応じて必要ならばこの変換を更に改善することが可能である。
上述したような変換を行った後の基本的パターンのトレッド摩耗インジケータの形状を図6に示されているように再びトレッドの画像上に投影し、そしてこれら輪郭が再現される検査されるべきタイヤトレッドの画像のゾーンを探すことによってトレッド摩耗インジケータを検出する。上述したのと同一の相関法を用いるが、この時点では、基準として輪郭を用いることによってこのサーチを実施するのが良い。
トレッド上のトレッド摩耗インジケータを識別した後、トレッド摩耗インジケータをサブセットによって互いにグループ化する。サブセットは、トレッド摩耗インジケータを含む基本的パターン(U)上に存在するトレッド摩耗インジケータの数及び配置状態によって決定される。
したがって、トレッド摩耗インジケータを発見する可能性が高い所与の寸法の且つ前もって知られたゾーンを特定することが可能である。そして、検出されたトレッド摩耗インジケータの各々に関し、所定の形状のゾーンのすぐ近くに位置したトレッド摩耗インジケータ及びかかるゾーン内に位置したトレッド摩耗インジケータの数及び予想位置が存在することに関して保証が得られる。この操作の目的は、基本的パターンとしてトレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンを有する要素に属するトレッド摩耗インジケータを互いにグループ化することにある。
観察されるように、トレッド摩耗インジケータを識別する第2の方法が選択される場合、このグループ化は、事実上瞬時である。というのは、トレッド摩耗インジケータを含む基本的パターン中のかかるトレッド摩耗インジケータの正確な配置状態に対応したマスクを用いることによってサーチが実施されているからである。
トレッド摩耗インジケータを含む2つの基本的パターンが互いに並んで位置している場合、或る特定の困難が生じる場合がある。この場合、サブセットによるトレッド摩耗インジケータのグループ化は、不正確なグループ化を阻止するために追加のステップを必要とする。
また、サブセットのトレッド摩耗インジケータの全ての識別が正確に実施されなかった場合又は前段落で説明した状況にある場合、検査されるべきトレッドの画像中に存在するトレッド摩耗インジケータをサブセットの状態にグループ化するこのステップを実施しようとした後、不正確な検出又は検出が実施されないこと及び不正確なグループ化をなくす目的で1回又は2回以上の確認作業を実施することが有用な場合がある。
したがって、所与のサブセットに関し、図7に示されているようにトレッド摩耗インジケータのそれぞれの位置を表す距離(A1,A2,D1,D2)をコンピュータ計算する。
これら距離のうちの1つ又は2つ以上が基本的パターンのトレッド摩耗インジケータの位置に基づいて定められると共に上述したように記憶されている基準距離に一致しない場合、検出エラーがあったと疑って詳細サーチを実施することが可能である。
図8は、トレッド摩耗インジケータ(TU3′)が不正確な場所で検出された場合を示している。この状況では、このトレッド摩耗インジケータが存在すべきゾーンの分析を図9に示されているように低い許容度で再開始する。同じことは、トレッド摩耗インジケータが論理的に存在することが予想されるゾーン内でこれが検出されなかった場合に当てはまる。
トレッド摩耗インジケータをサブセットの状態にグループ化するこのステップ後、サブセットの各々に関し、上述したように与えられたデフィニションに従って特徴的箇所の位置をコンピュータ計算することが可能である。次に、これら特徴的箇所の位置を知って、これら特徴的箇所を2つずつ隔てる円周方向距離をコンピュータ計算することが可能である。
この場合、本発明の方法の実施形態の次のステップでは、検査されるべきトレッド表面の画像上で測定される距離順序を既知であると共に図10に示されているように記憶されている円周方向距離順序に一致させ、この場合、2つの順序を正確に一致させるためにこの順序を4つのピッチだけずらすことが適切である。この結果、トレッド摩耗インジケータを含むトレッドパターンの要素全ての特徴的箇所の整合が得られる。
次に、本発明の方法の実施形態の最後のステップでは、要素の互いに対する位置決めの既知の順序に従って要素相互間の境界部の形状を投影する。
まず最初に、トレッド摩耗インジケータを備えた要素の境界部をこれら要素の各々の特徴的箇所に対して位置決めする。次に、基本的パターンの既知の位置決め順序及びこれらパターンの各々の円周方向長さを用いることによって、検査されるべきトレッドのトレッドパターンを形成する要素の各々相互間の境界部を図11に示されているように位置決めする。
上述の方法は、境界部の横方向位置を調節する可能性をも提供する。具体的に説明すると、プレスから出る際に、具体的に言えばリムに取り付けられたタイヤの加圧の際、ベルトを形成する補強プライの変形により、円周方向振れと通称されているトレッドの横方向運動が生じる。
検査されるべきタイヤのトレッドの画像は、長手方向に対するこれらの僅かな運動を再現する。したがって、特に検査されるべきタイヤのトレッドの検査がリムに取り付けられてインフレートされたタイヤに基づいて実施される場合、この現象を考慮に入れながら境界部の横方向位置を変更すべきである。
したがって、トレッド摩耗インジケータを含む基本的パターンの各々の特徴的箇所の横方向位置と長手方向に差し向けられた直線との間の距離を評価する。これら距離の値から、これらトレッド摩耗インジケータを含む要素の境界部の横方向位置を修正する。連続して位置するトレッド摩耗インジケータを含む2つの基本的パターン相互間に位置した基本的要素の境界部の位置の横方向修正は、例えば、図12に示されているようにトレッド摩耗インジケータを含むこれら2つの基本的要素の横方向距離の差に比例する仕方で外挿より行われる。
基本的要素相互間の境界部を決定するこのステップ後、トレッド表面の画像をトレッドパターン中に存在する要素と同数の要素ゾーンの状態に切断することによって同一の基本的パターンを表す画像の集まりを形成することができる。
この場合、注目されるべきこととして、この方法を境界部の形状が1つの基本的パターンと別の基本的パターンとでは異なるトレッドパターンの場合のように境界部相互間の限度が全て、同一の形状を有するトレッドパターンの場合(これは、より頻繁に見受けられる場合である)に区別なく利用できる。この場合、トレッド摩耗インジケータの位置を知ることによって、上記において説明した仕方と同様な仕方で、所定形状の境界部を一致が得られた位置に配置することができる。
同一形式の基本的パターンの画像の細かい再設定を実施して上述したように識別したパターン、特徴的箇所、例えば輪郭要素又はゾーン境界部をできるだけ現実に重ね合わせるようにすることが有用であることが分かる場合がある。この再設定は、これらパターン、これら輪郭要素又はこれらゾーン境界部を互いに一致させるために局所変換によって実施される。
この場合、画像のこれら集まりの各々に属する画像をこれら画像に取り付けられた基本的パターンの基準画像と比較することが可能である。この基準画像は、トレッドパターンのCADモデルに由来する画像又は国際公開第2009/077537号パンフレットに記載されているように基本的パターンの画像の集まりに基づいてコンピュータ計算された平均画像であるのが良い。
Claims (9)
- タイヤのトレッドの検査方法であって、前記タイヤのトレッドパターンは、円周方向に並置されると共に同一形状の境界部によって互いに分離された要素の集成体によって形成され、前記要素は、正確且つ公知の仕方で順序付けられている減少した数の基本的パターンを有し、前記基本的パターンは、トレッド摩耗インジケータが設けられた少なくとも1つの基本的パターンを含み、前記トレッド摩耗インジケータには前記少なくとも1つの基本的パターンの特徴的箇所が関連しており、
‐検査されるべきタイヤトレッドの画像を生じさせ、
‐前記検査されるべきタイヤトレッドの前記画像上に存在するトレッド摩耗インジケータを識別し、
‐前記トレッド摩耗インジケータを、前記トレッド摩耗インジケータを備えた前記基本的パターンに対応したサブセットによってグループ化し、そして前記サブセットの各々の特徴的箇所を決定し、
‐検査されるべきトレッド表面上で識別されたトレッド摩耗インジケータのサブセットの各々の前記特徴的箇所相互間の距離をコンピュータ計算することによって一連の距離を求め、
‐前記一連の距離が前記基本的パターンの前記特徴的箇所相互間の公知の一連の距離と一致するようにし、
‐前記要素相互間の境界部の形状を前記要素の公知の配置順序に従って前記検査されるべきトレッド表面上に投影する、検査方法。 - 単一の基本的パターンが複数のトレッド摩耗インジケータを含む、請求項1記載の検査方法。
- 前記トレッド摩耗インジケータの前記識別を前記トレッド摩耗インジケータの基準サムネイル画像に基づいて実施し、前記基準サムネイル画像は、検査されるべき寸法に適合している、請求項1記載の検査方法。
- 前記トレッド摩耗インジケータの前記識別を前記タイヤトレッドパターンのデフィニションの基礎として用いられるディジタルモデルに基づいて実施する、請求項1記載の検査方法。
- 前記トレッド摩耗インジケータに関するサーチは、前記トレッド摩耗インジケータが設けられた前記トレッドパターンの溝を実質的にフレーミングする細幅円周方向ストリップに制限される、請求項1記載の検査方法。
- 前記ディジタルモデルの前記トレッド摩耗インジケータの画像を前記検査されるべきタイヤトレッドの前記画像を収集する前記手段の較正パラメータに従って変形させる、請求項4記載の検査方法。
- アフィン変換を適用することによって前記ディジタルモデルの前記トレッド摩耗インジケータの前記画像を変形させる、請求項4記載の検査方法。
- 前記トレッド摩耗インジケータを備えた前記要素の前記特徴的箇所の横方向位置と長手方向との間の距離を評価して前記タイヤの周囲全体にわたって前記タイヤの振れを求める、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の検査方法。
- 前記要素相互間の前記境界部の横方向位置を前記タイヤの周囲の前記横方向位置における前記タイヤの振れの値の関数として修正する、請求項7記載の検査方法。
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