JP2014503554A - 膀胱痛及び刺激性排尿の持続的治療の使用のためのリドカインレジメン - Google Patents

膀胱痛及び刺激性排尿の持続的治療の使用のためのリドカインレジメン Download PDF

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Abstract

膀胱痛及び/または刺激性排尿症状を有する患者を治療するための方法が提供される。本方法は、治療期間の終了を超えて持続される治療効果を得るのに有効な量で、24時間以上の治療期間にわたって連続してリドカインまたは別の麻酔薬を患者の膀胱に投与する工程を含む。

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、全体が参照により本明細書に援用される、2011年1月10日に出願された米国仮特許出願第61/431,334号、及び2011年10月26日に出願された米国仮特許出願第61/551,923号の利益を主張するものである。
本開示は、一般に、膀胱痛及び刺激性排尿症状を治療するための方法及びシステム、特に、以下に限定はされないが、膀胱中へのリドカインなどの薬物の局所的な膀胱内投与を用いたシステム及び方法、より具体的には、持続される治療効果のための方法及びシステムの分野に属する。
間質性膀胱炎(IC)は、疼痛、頻尿、及び尿意切迫を特徴とする泌尿器疾患である。この疾患は、様々な程度の尿失禁及び性機能障害にも関与し得る。IC及び膀胱痛症候群(PBS)は、感染症または尿路結石などの他の原因に起因しない排尿痛のある患者を含み、米国だけで約300〜800万人が罹患しているものと推定され、そのうちの大部分が女性である(Berry 2009)。ICは、満たされていない医学的必要性がある深刻な疾患である。
非IC患者の膀胱痛及び刺激性排尿症状を治療する必要性もある。このような非IC患者の例には、尿管ステントが挿入された患者または膀胱痛症状がある患者が含まれる。
膀胱痛の現在の治療には、抗ムスカリン薬、α遮断薬、三環系抗うつ薬、SSRI、エルミロン、及びガバペンチンなどの経口薬が含まれる。これらの薬物は、一部の患者には有効でないことがある。さらに、これらの経口薬物は、全身に送達され、それにより、望ましくない副作用を生じることがあり、許容される血漿中濃度にある場合、膀胱中の治療上有効なレベルを達成しないことがある。
別の現在の治療には、膀胱へ直接、薬物(例えば、リドカイン)溶液を点滴注入することが含まれる。ジメチルスルホキシド(DMSO)、抗ムスカリン薬、ヘパリンなどの他の点滴注入も公知である。別の利用可能な処置は、膀胱水圧拡張術(hydrodistention)である。これらの治療のいずれも、幅広く有効であることも持続的な治療効果を与えることも示されていない。
リドカインを用いた点滴処置のいくつかの研究が、近年行われている。Nickel et al.,BJU International,103:910−918(2008)には、IC及びPBSの患者を無作為プラセボ対照二重盲検法で試験した試験が開示されており、8日目(治療完了の3日後)及び15日目(治療完了の10日後)の膀胱痛及び刺激性排尿症状の有効性の指標に対する、リドカイン(200mg)のアルカリ化溶液の5日間の毎日の点滴注入の効果を評価している。8日目に改善を示した1つの有効性の指標(間質性膀胱炎症状指数即ちICSI)は、15日目に持続された改善を示さなかった。他の有効性の指標(膀胱痛、尿意切迫、排尿頻度)は、8日目及び15日目のいずれか(膀胱痛)または15日目のみ(尿意切迫、排尿頻度)に測定した場合、治療の後に改善を示さなかった。間質性膀胱炎問題指数(ICPI)と呼ばれる1つの有効性の指標は、8日目及び15日目の両方で改善を示したが、15日目における効果は、いくらか減少した。これらの知見は、膀胱へのリドカインの点滴注入が、毎日の点滴注入の積極的なスケジュールで投与した場合でさえ、治療の10日後まで持続される治療効果を示すことができなかったことを示唆している。
Parsons,Urology 65(1):45−48(2005)には、ICの患者を、単回の1時間の治療として膀胱へのアルカリ化リドカイン及びヘパリンの点滴注入で治療し、その後、効果持続期間を評価するために48時間にわたって追跡調査した試験が開示されている。この論文には、患者の94%が点滴注入の20分後の時点で、50%が4時間の時点で、28人の患者のうち3人(図1)または約10%が48時間の時点で症状が緩和されたことが記載されており、このことは、時間とともに効果が弱まることを示唆している。さらに、週に3回の点滴注入を2週間にわたって受けた一連の患者を、最後の治療の後48時間の時点で効果の持続性について評価したところ;80%が症状の緩和を報告し;さらなる追跡調査を行わない。これらの知見は、単回のリドカイン点滴注入の治療効果の持続性が、48時間の時点で約10%であることを示唆している。
Henry,et al.,J Urology 165:1900−03(2001)には、リドカイン点滴注入を、健常な被験者(薬物動態に関する目的で)及びIC患者に使用した試験が開示されている。単回のリドカイン点滴注入の後の疼痛の評価により、効果持続期間が約24時間であることが示された:治療の前の平均疼痛スコアは6.0であった。治療の直後に、これは1.8に減少した。翌日、平均疼痛は、3.7まで増加した。これは、2回目の点滴注入により1.2に再度減少した。これらの結果は、Parsons及びNickelの文献に見られるものを裏付けるものであり、リドカインの膀胱内溶液による治療効果の持続期間が、24〜48時間であることを示唆している。
膀胱痛及び刺激性排尿症状を患う患者を治療するための改良された方法を提供することが望ましいであろう。特に、数日間または数週間或いは有効治療期間をさらに超えて、持続される治療効果を提供するための手段を提供することが望ましいであろう。
膀胱痛及び/または刺激性排尿症状を有する患者を治療するための改良された方法が提供される。有効治療期間の終了を超えた膀胱痛及び刺激性排尿症状の持続される治療効果が、リドカインによる持続的な膀胱内治療を提供することによって達成可能であることが発見されたため、一実施形態において、本方法は、治療期間の終了を超えて持続される治療効果を得るのに有効な量で、24時間以上の治療期間にわたって連続してリドカインまたは別の麻酔薬を患者の膀胱に投与する工程を含む。24時間以上の治療期間にわたって連続して膀胱に治療上有効な量のリドカインを提供する限り、膀胱にリドカインを送達する実質的にあらゆる手段を使用することができる。数日間にわたる持続的なリドカイン治療は、膀胱粘膜異常(病理学的及び炎症性特徴)を改善するのにも有効である。この治療方法は、治療期間中の疼痛の緩和及び尿意切迫の減少を患者に提供するだけでなく、治療の終了をはるかに超えて延長された効果も意外にも提供する。別の態様において、少なくとも24時間の治療期間にわたって連続して、患者におけるリドカインの測定可能な血漿濃度を達成するのに有効な量で、患者にリドカインを投与する工程を含む、膀胱痛及び/または刺激性排尿症状を有する患者を治療する方法が提供される。
薬物送達装置の一実施形態の平面図である。 展開器具(deployment instrument)の内部の薬物送達装置を示す、図1に示される薬物送達装置の平面図である。 図1の線3−3に沿った、図1に示される薬物送達装置の断面図である。 膀胱三角領域の近似形と比較した薬物送達装置の一実施形態のサイズを示す図である。 薬物送達装置の留置フレーム(retention frame)の形状の例を示す。 少なくとも1つの薬物送達部分及び留置フレーム部分を有する薬物送達装置の構成の例を示す。 薬物送達装置を植え込む方法を示す。 展開器具を出て患者の膀胱に入る薬物送達装置を示す、男性患者の矢状断面図である。 薬物送達装置の一実施形態の詳細な断面平面図である。 薬物送達装置の別の実施形態の詳細な断面平面図である。 薬物送達装置の一実施形態によって達成される様々なベースライン改善スコアを示すグラフである。 薬物送達装置の一実施形態によって達成される様々な指数スコアを示すグラフである。 一実施形態に係る、治療期間にわたるリドカインの累積放出を示すグラフである。 一実施形態に係るリドカイン放出速度を示すグラフである。 一実施形態に係る、治療期間にわたるリドカインの累積放出を示すグラフである。 一実施形態に係るリドカイン放出を示すグラフである。
膀胱痛及び刺激性排尿症状の持続される治療効果が、24時間以上の期間にわたってリドカイン(或いは他のコカイン類似体または別の麻酔薬)による持続的な膀胱内治療を提供することによって達成可能であることが発見された。24時間以上の治療期間にわたって連続して膀胱に治療上有効な量のリドカインを提供する限り、膀胱にリドカインを送達する実質的にあらゆる手段を使用することができる。数日間にわたる持続的なリドカイン治療は、膀胱粘膜異常(病理学的及び炎症性特徴)を改善するのにも有効である。この治療方法は、治療期間中の疼痛の緩和及び尿意切迫の減少を患者に提供するだけでなく、治療の終了をはるかに超えて延長された効果も意外にも提供する。
本明細書において使用される際、治療手段のために治療上有効な量の薬物を患者に投与する作業に関する「持続的な」または「連続して」という用語は、リドカインまたは他の麻酔薬の非ゼロ血漿中濃度が、治療期間、例えば、少なくとも24時間にわたって維持される限り、一定の若しくは連続的放出または間欠的な放出を含み得る。本明細書において使用される際、「非ゼロ血漿中濃度」及び「測定可能な血漿濃度」という表現は、当該技術分野において公知の生物分析HPLC方法を用いた検出の下限を指す。
本明細書において使用される際、「治療期間の終了を超えて持続される治療効果を得るのに有効な量」、「持続される治療効果(sustained treatment effect)」、または「持続される治療効果(sustained therapeutic effect)」という表現は、治療期間の終了の7日以上後の以下:ベースライン膀胱痛、ベースライン膀胱尿意切迫、またはグローバル・レスポンス・アセスメント(Global Response Assessment)(GRA)試験において自身の症状を「中程度に改善された」または「著しく改善された」と採点した患者の数のうちの少なくとも1つの少なくとも20%の改善またはベースライン減少を指し、それらを含む。特定の実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱痛の少なくとも35%の減少が達成され得る。一実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱痛の少なくとも40%の減少が達成され得る。別の実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱痛の少なくとも45%の減少が達成され得る。さらなる実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱痛の少なくとも50%の減少が達成され得る。
特定の実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱尿意切迫の少なくとも45%の減少が達成され得る。一実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱尿意切迫の少なくとも50%の減少が達成され得る。別の実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱尿意切迫の少なくとも55%の減少が達成され得る。さらなる実施形態において、治療期間終了の7日以上後のベースライン膀胱尿意切迫の少なくとも60%の減少が達成され得る。
特定の実施形態において、患者の少なくとも35%が、治療期間終了の7日以上後に、GRA試験において自身の症状を「中程度に改善された」または「著しく改善された」と採点する。一実施形態において、患者の少なくとも40%が、治療期間終了の7日以上後に、GRA試験において自身の症状を「中程度に改善された」または「著しく改善された」と採点する。別の実施形態において、患者の少なくとも45%が、治療期間終了の7日以上後に、GRA試験において自身の症状を「中程度に改善された」または「著しく改善された」と採点する。さらなる実施形態において、患者の少なくとも50%が、治療期間終了の7日以上後に、GRA試験において自身の症状を「中程度に改善された」または「著しく改善された」と採点する。
一実施形態において、継続的な治療は、1日を超える期間、例えば2〜28日間、3〜21日間、または10〜14日間にわたって連続して膀胱にリドカインを放出することが可能な薬物送達装置を、患者の膀胱に展開することによって提供され得る。一実施形態において、本方法は、14日間の治療期間にわたって平均で1日当たり約10mg〜約15mgのリドカイン(FBE)(例えば、1日当たり約11mg、約12mg)を放出する工程を含む。
この実施形態の特定の一変形例において、14日間の期間にわたって連続して放出されるリドカイン(FBE)の累積量は、約130mgである。一実施形態において、この期間にわたって装置から膀胱に放出されるリドカイン(FBE)の速度は、最初の1〜4日間にわたって1日当たり15mg〜30mgであり、その後、例えば、有効治療期間の残りの期間にわたって1日当たり15mgから3mgの速度へと徐々に減速する。治療期間の終了時に、装置を、膀胱から回収することができる。
リドカインが投与される一実施形態において、リドカインの測定可能な血漿濃度は、例えば以下の実施例2に記載される650mgのリドカインの装置で、膀胱中のピークリドカイン曝露の時点で65ng/mlを超えない。より低い速度でリドカインを放出するより小さいペイロードの装置またはシステムでは、ピークリドカイン曝露の時点でのリドカインの測定可能な血漿濃度は、さらに低くなり得、例えば、50ng/ml、40ng/ml、25ng/ml、または15ng/mlを超えない。
別の実施形態において、継続的な治療は、治療期間にわたって連続してまたは脈動的に尿道カテーテルを通して膀胱にリドカイン溶液を注入する工程を含み得る。患者が、期間の終了の前に吸収されていないリドカインを排尿する可能性があり得るため、1日当たりのリドカインの単回の点滴注入(ボーラス投与)が、24時間の期間にわたって継続的な治療を提供することが予想されないであろうことが留意される。さらに別の実施形態において、コーティング物質が、膀胱の壁に局所的に塗布されてもよく、このコーティング物質は、リドカインと、膀胱の壁に対するコーティング物質の付着性を促進する1つ以上の賦形剤材料とを含み、治療期間にわたってリドカインの連続的な制御放出を提供する。
いくつかの実施形態において、コーティング物質は、粘膜付着性の製剤である。粘膜付着性の製剤の例としては、以下に限定はされないが、ゲル、軟膏、クリーム、フィルム、乳剤ゲル、錠剤、ポリマー、またはそれらの組合せが挙げられる。粘膜付着性の製剤のポリマーとしては、ヒドロゲルまたは親水性ポリマー、ポリカルボフィル(即ちCarbopolsなど)、キトサン、ポリビニルピロリドン(PVP)、レクチン、ポリエチレングリコール化ポリマー、セルロース、またはそれらの組合せが挙げられる。好適なセルロースとしては、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、またはそれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態において、コーティング物質は、透過促進剤であるかまたはそれを含み得る。透過促進剤の非限定的な例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)、脂質、界面活性剤、またはそれらの組合せが挙げられる。
他の実施形態において、本方法は、治療期間にわたってより多いまたはより少ない累積量のリドカインを放出または注入する工程を含み得る。
持続される治療効果を得るために、24時間以上にわたって、IC及び/または刺激性排尿の治療を必要とする患者に、リドカインまたは他の麻酔薬を局部的にまたは全身的に連続して送達するのに経皮貼布などの局所的な持続放出系が使用され得ることも想定される。
本明細書に開示される装置及び方法は、参照により本明細書に援用される、2010年6月28日に出願された米国特許出願第12/825,215号明細書(TB 101);2010年6月28日に出願された米国特許出願第12/825,238号明細書(TB 102);2010年8月5日に出願された米国特許出願第12/851,494号明細書(TB 108);及び2010年12月17日に出願された米国特許出願第12/972,364号明細書(TB 112)に記載されるものを踏まえたものである。
「患者」という用語は、男性かまたは女性か、成人かまたは小児かにかかわらずヒトを指し、獣医用途または家畜用途などの他の哺乳動物をさらに含み得る。
植込み型薬物送達装置
薬物送達装置100の一実施形態が、図1に示される。装置100は、薬物リザーバ部分102及び留置フレーム部分104を含む。図1において、装置100は、体内に保持するのに適した比較的拡張した形状で示され、図2において、装置100は、膀胱鏡または他のカテーテルなどの、展開器具のチャネル200を通して展開するための比較的低プロファイルの形状で示される。体内に展開した後、装置100は、体腔または管腔中に薬物送達装置を保持するために比較的拡張した形状を取り得る。
本開示の趣旨では、「比較的拡張した形状」、「比較的高プロファイルの形状」、または「留置形状」などの用語は、一般に、膀胱内に装置を保持するのに適した図1に示されるプレッツェル形状を含むがそれに限定されない、目的とする植込み位置に装置を保持するのに適した任意の形状を表す。同様に、「比較的低プロファイルの形状」または「展開形状」などの用語は、一般に、カテーテル、膀胱鏡、または尿道などの身体の管腔内に配置される他の展開器具のワーキングチャネルを通して装置を展開するのに適した図2に示される直線形状または細長い形状を含む、薬物送達装置を体内に展開するのに適した任意の形状を表す。実施形態において、薬物送達装置は、元々は比較的拡張した形状を取っていてもよく、手作業でまたは外部装置を用いて、体内に挿入するために比較的低プロファイルの形状へと変形されてもよい。展開後、装置は、体内に保持するために最初の比較的拡張した形状へと自発的にまたは自然に戻り得る。
図示される実施形態において、薬物送達装置100の薬物リザーバ及び留置フレーム部分102、104は、長手方向に整列され、それらの長さに沿って互いに連結されているが、他の構成が可能である。例えば、薬物リザーバ部分102は、個別の箇所で留置フレーム部分104に取り付けられ得るが、或いは、留置フレーム部分104と別個であるか留置フレーム部分104と離間され得る。
特に、薬物送達装置100は、薬物リザーバルーメン108及び留置フレームルーメン110を画定する弾性または可撓性の装置本体106を含む。薬物リザーバルーメン108は、いくつかの固体薬物錠剤112などの薬物製剤を収容して、薬物リザーバ部分102を形成するように設計される。留置フレームルーメン110は、留置フレーム114を収容して、留置フレーム部分104を形成するように設計される。図示されるルーメン108、110は、互いに個別であるが、他の構成が可能である。
図3の断面図に示されるように、装置本体106は、薬物リザーバルーメン108を画定する管または壁122ならびに留置フレームルーメン110を画定する管または壁124を含む。管122、124及びルーメン108、110は、ほぼ円筒形であり得、薬物リザーバルーメン108は、留置フレームルーメン110より比較的長い直径を有するが、例えば、送達される薬物の量、留置フレームの直径、及び展開器具の内径などの展開についての考慮事項に基づいて、他の構成を選択することができる。装置本体106は、成形または押出しなどによって一体成形されてもよいが、管122、124の別個の構成及び組立体が可能である。図示されるように留置フレームルーメン110が薬物リザーバルーメン108と同じ長さを有するように、留置フレームルーメン110を画定する壁124は、薬物リザーバルーメン108を画定する壁122の全長に沿って延在してもよいが、他の実施形態において、一方の壁が、他方の壁より短くてもよい。さらに、図示される実施形態において、2つの壁122、124は、装置の全長に沿って取り付けられるが、断続的な取付けを用いることができる。
開口部118が、薬物リザーバルーメン108を画定する壁124を通して形成され得る。開口部118は、以下にさらに記載されるように、薬物リザーバルーメン108から薬物を放出するための経路を提供し得る。しかしながら、開口部118は、いくつかの実施形態において省略されてもよい。
図1に示されるように、薬物リザーバルーメン108には、連続した配置でいくつかの薬物単位112が充填される。例えば、約30〜約70個の薬物単位112、またはより具体的には約50〜60個の薬物単位112などの約10〜約100個の薬物単位112が充填され得る。しかしながら、任意の数の薬物単位が使用されてもよい。薬物リザーバルーメン108は、薬物リザーバルーメン108の両端に比較的円形の開口部として示される入口130及び出口132を含む。入口130は、加圧ガスの流れなどによって、装置の充填及び組立て中に薬物リザーバルーメン108に入れられる薬物単位112用の入口を提供し、その場合、出口132は、薬物リザーバルーメン108から流出する加圧ガスの流れ用の出口を提供する。薬物単位112が充填されると、少なくとも2つの末端プラグ120が、入口130及び出口132を閉塞する。末端プラグ120は、入口130及び出口132に挿入される円筒形のプラグであってもよく、プラグが入口130及び出口132を十分に閉じ、所定の位置に緊密に保持されるように、薬物リザーバルーメン108の内径より僅かに大きい外径をそれぞれが有する。場合によっては、いくつかの末端プラグ120が、入口130または出口132に配置され得る。末端プラグ120は、シリコーンプラグであってもよい。末端プラグ120はまた、省略されてもよく、その場合、入口130及び出口132は、接着剤などの材料で閉鎖されてもよく、接着剤などの材料は、加工可能な形態(workable form)で薬物リザーバルーメン108に入れられ、その中で硬化する。
いくつかの実施形態において、薬物錠剤112は、薬物リザーバルーメン108全体を充填しなくてもよい。このような実施形態において、充填材が、薬物リザーバルーメン108の残りの部分を充填するのに使用され得る。例えば、薬物錠剤112は、薬物リザーバルーメン108の中心部分に充填されてもよく、充填材は、薬物リザーバルーメン108の残りの末端部分に充填されてもよい。ルーメンに薬物錠剤112が充填された後、充填材は、薬物リザーバルーメン108の末端部分に挿入され得る。充填材は、ポリマー材料であり得る。ポリマー材料は、加工可能な形態で薬物リザーバルーメン108に入れられてもよく、その中で硬化し得る。好適なポリマー材料は、室温でまたは熱などの外部刺激に反応して硬化し得る。場合によっては、充填材は、入口130及び出口132を閉じてもよく、その場合、末端プラグ120は、提供されてもまたは提供されなくてもよい。充填材はまた、薬物リザーバルーメン108の末端部分に挿入されるいくつかの末端プラグ120であってもよい。
薬物単位112が充填されると、間隙116または切れ目が、隣接する薬物単位112間で形成され得る。間隙または切れ目116は、装置100の変形または移動に対応する緩衝部として働き得る一方、個々の薬物単位112が、保管及び展開の際に固体形態を保持できるようにする。従って、各薬物単位112が、隣接する薬物単位112に対して移動可能であり得るため、薬物送達装置100は、固体薬物が充填されるにもかかわらず比較的可撓性または変形可能であり得る。薬物単位112は、装置の薬物リザーバルーメン108の長さに沿って、同じ組成を有してもよくまたは組成が異なっていてもよく、場合によっては、異なる組成の薬物単位112が、薬物リザーバルーメン108の長さに沿って、軸方向または半径方向に、分けられた個別のリザーバに入れられていてもよい。
留置フレームルーメン110には、弾性ワイヤであり得る留置フレーム114が充填される。留置フレーム110は、図示される「プレッツェル」形状または別のコイル形状などの留置形状に自発的に戻るように構成され得る。特に、留置フレーム114は、装置100を、膀胱内などの体内に保持し得る。例えば、留置フレーム114は、装置100を、比較的低プロファイルの形状で体内に導入することを可能にし、体内に入ったら装置100を比較的拡張した形状に戻すことを可能にし、装置が、排尿筋の収縮及び排尿に伴う流体力学的力などの予想される力に反応して、体内で比較的低プロファイルの形状を取らないようにする弾性限界及び弾性率を有し得る。従って、装置100は、一旦植え込まれると体内に保持され、偶発的に排出されることが抑制または防止され得る。
装置本体106を形成するのに使用される材料は、装置100が、展開形状と留置形状との間で移行することができるように弾性または可撓性であり得る。装置が留置形状にあるとき、留置フレーム部分104は、図示されるように薬物リザーバ部分102の内側にある傾向にあり得るが、他の場合、留置フレーム部分104は、薬物リザーバ部分102の内側、外側、またはその下に配置され得る。以下に記載されるように、可撓性材料は、薬物充填の際に薬物リザーバルーメン108を通る加圧ガスの流れに反応して、装置本体106が外側に撓み、または円周方向に拡張することも可能にする。装置本体106を形成するのに使用される材料はまた、装置が植え込まれてから、可溶化流体が薬物リザーバ部分102に入って、薬物単位112を可溶化することができるように、透水性または多孔質であり得る。例えば、シリコーンまたは別の生体適合性エラストマー材料が、使用されてもよい。
薬物送達装置100が、膀胱に植え込まれるように設計される一実施形態において、薬物送達装置100は、経膀胱鏡的に(cystoscopicly)尿道を通して膀胱に挿入される(及び任意選択的に膀胱から回収される)ように設計される。従って、装置は、カテーテルまたは膀胱鏡などの展開器具の狭い管状流路を通って適合するサイズ及び形状にされ得る。
薬物送達装置が、膀胱に植え込まれるように設計される一実施形態において、薬物送達装置は、経膀胱鏡的に尿道を通して膀胱に挿入されるように設計される。従って、装置は、カテーテルまたは膀胱鏡などの展開器具の狭い管状流路を通って適合するサイズ及び形状にされ得る。
典型的に、成人用の膀胱鏡は、約5〜7mmの外径、及び約2.4mm〜約2.6mmの内径を有するワーキングチャネルを有する。他の実施形態において、膀胱鏡が、4mm以上の内径などの、より大きい内径を有するワーキングチャネルを有する。ここで、装置は、サイズが比較的小さくてもよい。例えば、装置が、比較的低プロファイルの形状に弾性変形される場合、成人患者用の装置は、約2.6mm以下などの約3.75mm以下の全外径を有し得る。小児患者の場合、装置の寸法は、より小さいことが予想される。装置の比較的小さいサイズは、挿入を可能にすることに加えて、患者の不快感及び膀胱への外傷も軽減し得る。
参照により本明細書に援用されるCima et al.への米国特許出願公開第2011/0152839 A1号明細書に記載されるように、装置の全体構成は、好ましくは、装置が、生体内に展開されながら、患者にとって確実に耐容可能であるように設計される。装置の幾何学形状は、切迫感に結び付く望ましくない接触力及び圧力を回避し、または最小限に抑えるようにカスタマイズされ得る。留置形状にある装置が占める3次元空間内で、任意の方向における装置の最大寸法は、10cm未満であり、これは、充填時の膀胱の直径に近似する。いくつかの実施形態において、任意の方向における装置の最大寸法は、約8cm、7cm、6cm、5cm、4.5cm、4cm、3.5cm、3cm、2.5またはそれ以下などの、約9cm未満であり得る。特定の実施形態において、任意の方向における装置の最大寸法は、約6cm、5cm、4.5cm、4cm、3.5cm、3cm、2.5cmまたはそれ以下などの、約7cm未満である。好ましい実施形態において、任意の方向における装置の最大寸法は、約6cm未満またはそれ以下である。
より具体的には、装置が占める3次元空間は、3つの垂直方向によって画定される。これらの方向のうちの1つに沿って、装置は、その最大寸法を有し、2つの他の方向に沿って、装置は、より小さい寸法を有し得る。例えば、2つの他の方向におけるより小さい寸法は、約3.5cm、3cm、またはそれ以下などの、約4cm未満であり得る。好ましい実施形態において、装置は、これらの方向の少なくとも1つにおける寸法が3cm未満である。
装置の全体形状により、装置が、膀胱壁とのその係合または接触を軽減するように膀胱内でその位置を直すことが可能になり得る。例えば、装置の全体外形は、湾曲していてもよく、装置の外面または露出された表面の全てまたは大部分が、実質的に丸みを帯びていてもよい。また、装置には、鋭い縁部が実質的になくてもよく、その外面は、膀胱壁との摩擦接触が軽減された材料から形成され得る。このような構成により、装置が膀胱壁により低い接触圧をかけるように、装置は、空の膀胱内でその位置を直すことが可能になる。言い換えると、装置は、より少ない圧縮を受ける位置へと、膀胱壁に対して摺動または回転し得る。実施形態において、装置は、膀胱内の1つの位置に固定されなくてもよく、即ち、装置は、膀胱内で自由に移動してもよく、このことは、いかなる特定の理論に制約されるものではないが、少なくともある程度、ヒトの膀胱内で耐容可能或いは認識不可能であるという装置の品質に寄与するものと考えられる。
これらの特性を一般に満たす装置の一例が、図1、9、及び10に示される。特に、図示される装置は、装置が3次元空間を占めるにもかかわらず形状がほぼ平面である。このような装置は、その周りで装置がほぼ対称である短軸と、短軸にほぼ垂直な長軸とを画定し得る。装置は、約6cmを超えない、特定の実施形態において、約4.5cm、約4cm、約3.5cm、約3cm、またはそれ以下などの、5cm未満の、長軸の方向の最大寸法を有し得る。装置は、約4.5cmを超えない、特定の実施形態において、約3.5cm、約3cm、またはそれ以下などの、4cm未満の、短軸の方向の最大寸法を有し得る。装置は、長径断面及び短径断面の両方において、実質的に全外周の周りで湾曲している。言い換えると、装置の全体外形が湾曲しており、装置の断面形状は丸みを帯びている。従って、装置には、2つの平坦な端部の縁部を除いて実質的に縁部がなく、この平坦な端部は、装置が平面にある場合、装置の内部内で完全に保護される。これらの特性により、装置が、空の膀胱内にあるときに、その位置を減少した圧縮の位置へと直すことが可能になる。
装置はまた、留置形状中で、膀胱内での移動性を可能にするのに十分に小さくてもよい。特に、展開されたときの装置は、膀胱充満のほとんどの条件下で膀胱全体にわたって自由に移動するかまたは妨げられないなど、膀胱内を移動するのに十分小さくてもよく、それにより、装置の患者耐容性が促進される。装置の自由な移動は、放出オリフィスの近傍に位置する特定の膀胱位置とは対照的に、膀胱全体にわたる均一な薬物送達も促進する。しかしながら、膀胱内で本来なら自由に移動する装置は、膀胱が空である場合、自由に移動するのを妨げられ得るが、装置は、上記のように十分に圧縮可能である場合、耐容性を保ち得る。
装置は、浮くのを促進するように選択される密度も有し得る。装置は、乾燥した非充填状態で最小密度を有し、これは、装置に薬物が充填されていないこと及び流体が装置壁またはルーメン中に存在しないことを意味する。装置の密度はまた、装置が湿潤状態にあるときに増加し、これは、流体が装置壁及びルーメン中に存在することを意味する。装置は、膀胱に植え込まれると、装置が尿で囲まれるため湿潤状態になる。使用中、装置に最大薬物ペイロードが充填され、壁及びルーメン中に存在する空気が液体に置き換わる場合、装置は、植込み後に最大密度を有し得る。その後、装置の密度は、実質的に同じままであるかまたは薬物が可溶化され、放出され、尿に置き換わるにつれて減少し得る。
一般に、乾燥した充填状態の装置は、約0.7g/mL〜約1.3g/mLなどの、約0.5g/mL〜約1.5g/mLの範囲の密度を有し得る。いくつかの実施形態において、乾燥した充填状態の装置は、約1g/mL未満の密度などの、水の密度より低い密度を有する。このような密度により、膀胱内の浮力及び移動が促進される。より高い密度の薬物または装置中の他のペイロードを補償するために、必要に応じてより軽いまたはより低い密度の材料が装置に組み込まれてもよく、それによって、耐容性のために浮力を促進する全体密度が維持される。さらに、空気または別の気体が、全体密度を減少させるために装置の部分に閉じ込められ得る。例えば、留置フレームルーメン中で空気ポケットが弾性ワイヤの周りに形成されるように、留置フレームルーメンの壁を、不透水性にしてもよい。コーティングまたはシースが、透水性を低下させるために、壁の内側または外側のいずれかに塗布され得る。
装置の一例は、充填されていない場合、約0.40グラム以下の質量及び約0.7g/mL以下の密度を有し得る。装置には、約275mg以下の質量を有する薬物が充填され得る。このような実施形態において、充填したときの装置は、約0.675グラム以下の質量及び約1.1g/mL以下の密度を有し得る。このような装置は、膀胱内で良好な耐容性を示し得る。より小さい質量及び密度の装置が、同様に良好な耐容性を示すであろう。また、例えば、実施例3において以下に記載されるL650装置といった装置は、いくらかより大きくてもよい。
膀胱内薬物送達装置の正確な構成及び形状は、展開/植込みの具体的な部位、挿入の経路、薬物、投薬レジメン、及び装置の治療用途を含む様々な要因に応じて選択され得る。装置のこの設計により、治療上有効な用量の薬物を、患者の組織部位(例えば、尿路上皮組織)に局所的に送達しながら、患者の疼痛及び不快感が最小限に抑えられ得る。
植込み型薬物送達装置は、薬物製剤の放出の後に、装置の摘出、または回収が必要なくなるように、完全にまたは部分的に生体侵食性にされ得る。本明細書において使用される際、「生体侵食性」という用語は、装置、またはその部品が、溶解、酵素加水分解、侵食、吸収、またはそれらの組合せによって、生体内で分解することを意味する。一実施形態において、この分解は、装置からの目的とする薬物放出動態を妨げない時点で起こる。例えば、薬物製剤が実質的にまたは完全に放出された後まで、装置のそれほどの侵食は起こらなくてもよい。別の実施形態において、装置は、侵食性であり、薬物製剤の放出は、少なくともある程度、侵食性の装置本体の分解または侵食特性によって制御される。
或いは、植込み型薬物送達装置は、少なくとも部分的に非生体侵食性であってもよい。いくつかの実施形態において、装置は、医療グレードのシリコーン、天然ラテックス、PTFE、ePTFE、PLGA、PGS、ステンレス鋼、ニチノール、エルジロイ(elgiloy)(非強磁性金属合金)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、またはそれらの組合せなどの、泌尿器用途に適した材料から形成される。薬物製剤の放出の後、装置及び/または留置フレームは、実質的に完全な形態のまままたは複数の部分で取り出され得る。いくつかの実施形態において、装置は、装置が、部分的な侵食の際に、壊れて膀胱から排出されるのに十分に小さい非侵食性の破片になるように、部分的に生体侵食性である。別の実施形態において、装置は、薬物放出の後に折り畳み可能であってもよく、それによって、実質的に完全な形態での装置の排出が容易になる。有用な生体適合性の侵食性及び非侵食性構成材料は、当該技術分野において公知である。
好ましい実施形態において、薬物送達装置は、装置が製造され/組み立てられた後でかつ装置が植え込まれる前などに滅菌される。場合によっては、装置は、装置が包装された後に、パッケージをγ線照射またはエチレンオキシドガスに曝すことなどによって、滅菌されてもよい。
薬物リザーバ部分
一実施形態において、装置の薬物リザーバ部分は、細長い管を含む。管の内部は、1つ以上の薬物リザーバを画定してもよく、薬物製剤が、薬物リザーバ中に収容され得る。別の実施形態において、薬物リザーバ部分は、管以外の形態である。
薬物リザーバ部分からの薬物の放出速度は、一般に、以下に限定はされないが、特に、薬物リザーバ部分の材料、寸法、表面積、及び開口部、ならびに具体的な薬物製剤及び薬物ペイロードの総質量を含む、装置構成要素の組合せの設計によって制御される。
このような薬物リザーバ部分の一例が、図1〜3に示される。図示されるように、薬物リザーバ部分102は、エラストマー管122から形成される本体を含み得る。管122は、いくつかの薬物錠剤112を含むリザーバ108を画定する。管122の端部は、密閉構造120で密閉され得る。少なくとも1つの開口部118が、管122に配置され得る。開口部118が設けられる場合、開口部118は、リザーバからの薬物製剤の放出の開始を制御し得る分解性時限膜(timing membrane)によって閉鎖され得る。場合によっては、管の浸透圧性の表面積を減少させるかまたは管壁を通した拡散を減少させることなどによって、放出速度を制御または低下させるために、管122の少なくとも一部の周りにシースまたはコーティングが、配置され得る。簡単にするために、分解性時限膜及びシースまたはコーティングは図示されていない。
一実施形態において、薬物リザーバ部分は、浸透圧ポンプとして動作する。このような実施形態において、管は、シリコーンなどの透水性材料から形成されてもよく、または管は、多孔質構造を有してもよく、或いはその両方であってもよい。植込み後、水または尿が、管の壁、管を通して形成される1つ以上の開口部、または多孔質の管を通して形成される1つ以上の透過孔を透過する。水は、リザーバに入り、薬物製剤によって吸収される。可溶化された薬物は、リザーバ中の浸透圧によって駆動されて、1つ以上の開口部を通してリザーバから制御された速度で分注される。浸透圧ポンプの送達速度及び総合的性能は、要因の中でも特に、管の表面積;管を形成するのに使用される材料の液体に対する透過性;開口部の形状、サイズ、数及び配置;ならびに薬物製剤の溶解プロファイルなどの装置パラメータによって影響される。送達速度は、例えば、Theeuwes,J.Pharm.Sci.,64(12):1987−91(1975)に記載される周知の原理に従って、特定の薬物送達系を規定する物理化学パラメータから予測され得る。いくつかの実施形態において、装置は、最初にゼロ次放出速度を示し、次に、低下した非ゼロ次放出速度を示してもよく、その場合、全体の薬物放出プロファイルは、最初のゼロ次放出速度及び総ペイロードによって決定され得る。浸透圧ポンプ設計の代表例、及びこのような設計を選択するための式が、米国特許出願公開第2009/0149833号明細書に記載されている。
代替的な実施形態において、装置は、本質的に、(i)管の壁に形成される1つ以上の個別の開口部、若しくは多孔質管の壁に形成される透過孔を通した、または(ii)薬物に対して透過性であり得る管自体の壁を通した、或いは(iii)それらの組合せを通した、管からの薬物の拡散によって動作し得る。拡散が壁を通して起こる実施形態において、開口部または透過孔は、含まれなくてもよい。さらに他の実施形態において、装置は、浸透圧と拡散との組合せによって動作し得る。
薬物リザーバ部分は、エラストマー材料から形成されてもよく、それにより、例えば、膀胱鏡またはカテーテルなどの展開器具を通して展開する際、装置を、患者に挿入するために弾性変形することが可能になる。以下にさらに詳細に記載されるように、例えば、管は、膀胱内に植え込むために留置フレームとともに弾性変形され得る。
好ましい実施形態において、薬物リザーバ部分は、エラストマー性かつ透水性である材料から形成される。エラストマー性かつ透水性である1つの材料はシリコーンであるが、他の生体適合性材料が使用されてもよい。
管の長さ、直径、及び厚さは、特に、含まれる薬物製剤の容積、管からの薬物の所望の送達速度、体内での装置の目的とする植込み部位、装置の所望の機械的完全性、所望の放出速度または水及び尿に対する透過性、初期放出の開始前の所望の誘導時間、ならびに体内への所望の挿入方法または経路に基づいて選択され得る。管壁が薄過ぎると十分な機械的完全性を有さないことがある一方、管壁が厚過ぎると、装置からの初期薬物放出に望ましくないほど長い誘導時間がかかり得るため、管壁の厚さは、管材料の機械的特性及び透水性に基づいて決定され得る。
一実施形態において、装置本体は、非吸収性である。装置本体は、当該技術分野において公知の医療グレードのシリコーン管材料で形成され得る。好適な非吸収性材料の他の例としては、ポリ(エーテル)、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ウレタン)、セルロース、酢酸セルロース、ポリ(シロキサン)、ポリ(エチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)及び他のフッ素化ポリマー、ポリ(シロキサン)、それらのコポリマー、及びそれらの組合せから選択される合成ポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態において、装置本体は生体侵食性である。生体侵食性装置の一実施形態において、本体の管は、生分解性または生体吸収性ポリマーで形成される。好適なこのような材料の例としては、ポリ(アミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(無水物)、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、擬似ポリ(アミノ酸)、ポリ(グリセロール−セバシン酸)(PGS)、それらのコポリマー、及びそれらの混合物から選択される合成ポリマーが挙げられる。好ましい実施形態において、吸収性合成ポリマーは、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(カプロラクトン)、及びそれらの混合物から選択される。他の硬化性の生体吸収性エラストマーとしては、ポリ(カプロラクトン)(PC)誘導体、アミノアルコール系ポリ(エステルアミド)(PEA)及びポリ(オクタン−ジオールシトレート)(POC)が挙げられる。PC系ポリマーは、エラストマー特性を得るために、リジンジイソシアネートまたは2,2−ビス(ε−カプロラクトン−4−イル)プロパンなどのさらなる架橋剤を必要とし得る。
薬物リザーバ部分管の管は、ほぼ直線状であってもよく、場合によっては、円形断面を有してほぼ円筒形であってもよいが、特に、四角形、三角形、六角形、及び他の多角形断面形状が使用され得る。
管の端部は、密閉構造または他の密閉手段などを用いて、薬物の漏出を抑制するように密閉されてもよい。密閉構造は、図1に示されるシリンダ120、球、ディスクなどの、管の端部を栓塞または閉鎖するのに適した任意の形状を有し得る。いくつかの実施形態において、管が伸張して密閉構造の周りに緊密に適合することで、管が閉鎖され、密閉構造が所定の位置に保持されるように、密閉構造は、管の内径より大きい直径を有していてもよい。密閉構造は、特に、ステンレス鋼などの金属、シリコーンなどのポリマー、セラミック、サファイア、または接着剤、或いはそれらの組合せを含む生体適合性材料から形成されてもよい。材料は生分解性または生体侵食性であり得る。また、医療グレードのシリコーン接着剤または他の接着剤が、加工可能な形態で管に充填されてもよく、次に、管内で硬化して、端部を密閉してもよい。
いくつかの実施形態において、管は、複数のリザーバを有し得る。各リザーバが、管の内面の一部及び少なくとも1つの仕切りによって画定され得る。仕切りは、特に、シリンダ、球体、またはディスクなどの、管に挿入された仕切り構造またはプラグであってもよく、その場合、仕切り構造は、管より大きい断面を有してもよく、仕切り構造が所定の位置に固定され、隣接するリザーバを分離する。例えば、管の端部を閉鎖する図1の円筒形のプラグ120が、代わりに、管の長さに沿って互いに隣接して配置された2つのリザーバを分離する仕切り構造として機能してもよい。仕切りは、非多孔質または半多孔質、非吸収性または吸収性であってもよく、円筒形のプラグ120に関して上述された材料で形成され得る。仕切りはまた、成形などによって管に形成され得る。例えば、図6の例J〜Lに示されるように、管の長さに沿って延在する軸方向リザーバを分離する1つ以上のウェブが、管の中をその長さに沿って延在してもよい。仕切りはまた、図6の例M〜Oに示されるように、別個のリザーバとして機能する2つの異なる管を結合する構造であってもよい。
複数のリザーバにより、2つ以上の異なる薬物製剤を異なるリザーバに分離すること、単一の薬物を異なるリザーバから異なる速度若しくは植込み後の異なる時点で送達すること、またはそれらの組合せが可能になる。例えば、2つの異なるリザーバは、特に、異なる材料、異なる透過性、開口部の異なる数または配置(または開口部がない)、開口部における異なる時限膜、或いはそれらの組合せなどの異なる構成を有し得る。2つの異なるリザーバはまた、同じかまたは異なる薬物製剤を同じかまたは異なる形態(液体、半固体、及び固体など)でまたはそれらの組合せで収容し得る。2つの異なるリザーバは、開口部を通した浸透圧及び開口部が完全になくてもよい薬物リザーバ壁を通した拡散などによって、異なる放出機構によって薬物を放出するようにさらに構成され得る。コーティングまたはシースも、単一の薬物リザーバの異なる部分に沿って或いは同じかまたは異なる薬物製剤を収容する異なる薬物リザーバに沿って提供され得る。所望の薬物の所望の放出プロファイルを実現するために、これらの実施形態を、組み合わせて、変形することができる。
例えば、異なるリザーバにおける2つの用量の放出の開始は、管における、異なるリザーバを画定する部分に異なる材料を使用すること、異なるリザーバの開口部を異なる時限膜と連係させること、異なる溶解度の薬物をリザーバに入れること、または即時放出用の液体形態及び放出前に可溶化される固体形態などの異なる形態の薬物をリザーバに入れることなどによって、装置を適宜構成することによって段階的に行うことができる。従って、装置は、ある薬物を植込み後に比較的速く放出することができる一方、他の薬物は、放出を開始する前に誘導時間を経ることができる。
一実施形態において、リザーバ(または組み合わされたリザーバ)の総容積は、単一の治療の過程にわたって局所的送達に必要な全ての薬物を含むのに十分であり、特定の病態を治療するのに必要な処置の回数が減少される。
開口部
いくつかの実施形態において、装置は、特に、浸透圧、拡散、またはそれらの組合せなどによって、薬物を分注するための1つ以上の開口部またはオリフィスを含む。開口部は、薬物製剤を放出するための経路を提供するために管に沿って間隔を空けて配置され得る。開口部またはオリフィスは、管の側壁または端部を通して配置され得る。開口部は、1つ以上のリザーバと流体連通していてもよい。開口部118の実施形態が、図1及び3の薬物リザーバ部分に示される。
開口部は、薬物リザーバ部分の中央の周りに位置してもまたはその出口に隣接して位置してもよく、それは、以下に記載されるように、薬物リザーバ部分への固体薬物単位の充填し易さに影響を与え得る。開口部の分解性膜が裂けるのを抑制するために、開口部は、管における、挿入の際に折り畳まれる部分から離れて配置されてもよい。
図3に示される実施形態などの、装置が、薬物リザーバ及び留置フレームルーメンの両方を画定する装置本体を含む実施形態において、以下にさらに記載されるように、1つまたは複数の開口部は、留置フレームルーメンの壁に対して、薬物リザーバルーメンの壁における様々な位置を有し得る。
開口部のサイズ、数、及び配置は、薬物の制御された放出速度を提供するように選択され得る。浸透圧ポンプとして主に動作する装置が、開口部を通した薬物の拡散を減少させるのに十分小さいが、管における静水圧の上昇を減少させるのに十分大きいサイズの、管に沿って適切に間隔を空けて配置された1つ以上の開口部を有し得る。これらの制約の範囲内で、所定の放出速度を得るために、単一の装置(またはリザーバ)の開口部のサイズ及び数を変更することができる。例示的実施形態において、開口部の直径は、約25μm〜約300μm、より具体的には約30μm〜約200μmなどの、約20μm〜約500μmである。特定の一例において、開口部は、約150μmなどの、約100μm〜約200μmの直径を有する。装置が主に拡散によって動作する実施形態において、開口部は、これらの範囲内またはそれ以上であってもよい。単一の装置が、2つ以上の異なるサイズの開口部を有していてもよい。開口部は、円形であってもよいが、他の形状が可能であり、想定され、形状は、典型的に、製造上の考慮事項に応じて決まる。開口部を形成するための方法の例としては、機械的な打抜き、レーザー穿孔、レーザーアブレーション、及び成形が挙げられる。開口部は、管の外部から内部に向かって僅かに細くなってもよく、開口部は、薬物が管に充填される前または後のいずれかに形成され得る。開口部はまた、例えば、Bird Precision Orifices,Swiss Jewel Companyからのルビーまたはサファイア精密オリフィス構造などの、管の端部に配置されるオリフィス構造として形成され得る。
いくつかの実施形態において、薬物リザーバ部分は、開口部を全く有さなくてもよく、その場合、薬物は、薬物リザーバ部分の壁を通した拡散などの、浸透圧以外の放出機構によって放出され得る。同様に、複数の個別の薬物リザーバを有する薬物リザーバ部分が、薬物リザーバの全てと連係するか、一部と連係するか、またはいずれとも連係しない開口部を有してもよく、その場合、異なる薬物リザーバからの放出が、異なる放出機構によって起こり得る。
一実施形態において、薬物製剤の放出の開始を制御するために、分解性膜、即ち、時限膜が、開口部の上にまたは開口部中に(例えば、開口部と位置を合わせて)配置される。分解性膜は、管の外面の全てまたは一部を覆うコーティングであっても、或いは開口部の上または開口部中の個別の膜であってもよい。また、2つ以上の分解性膜が、1つの開口部からの放出を制御するのに使用され得る。膜は、例えば、吸収性合成ポリマー(ポリエステル、ポリ(無水物)、またはポリカプロラクトンなど)或いは吸収性生体材料(コレステロール、他の脂質及び脂肪など)で形成され得る。さらなる詳細が、米国特許出願公開第2009/0149833号明細書に記載されている。
薬物製剤及び固体薬物単位
薬物製剤は、体腔若しくは管腔へ局所的に送達するかまたは体腔若しくは管腔の周りに局部的に送達するのに有用であろうものなどの、実質的にあらゆる治療剤、予防剤、または診断剤を含み得る。薬物製剤は、薬物のみからなってもよく、または1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が含まれていてもよい。薬物は、生物学的なものであってもよい。薬物は、代謝産物であってもよい。本明細書において使用される際、本明細書に記載される任意の特定の薬物に関連する「薬物」という用語は、塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態、及び水和物などの、その代替的な形態を含む。薬学的に許容される賦形剤は、当該技術分野において公知であり、潤滑剤、粘度調整剤、表面活性剤、浸透圧剤、希釈剤、及び薬物の取り扱い、安定性、分散性、湿潤性、及び/または放出動態を促進することを目的とした製剤の他の非活性成分を含み得る。
好ましい実施形態において、薬物製剤は、薬物製剤の総容積を減少させ、それによって、装置のサイズを減少させることで、植込みを容易にするために、固体または半固体である。半固体形態は、例えば、乳剤または懸濁液;ゲルまたはペーストであり得る。多くの実施形態において、薬物製剤は、望ましくは、容積/サイズを最小限に抑えるという同じ理由のために、賦形剤を全く含まないかまたは最少量の賦形剤を含む。
いくつかの実施形態において、薬物は、高溶解度薬物である。本明細書において使用される際、「高溶解度」という用語は、37℃で水のmL当たり約10mgを超える溶解度を有する薬物を指す。他の実施形態において、薬物は、低溶解度薬物である。本明細書において使用される際、「低溶解度」という用語は、37℃で水のmL当たり約0.01mg〜水のmL当たり約10mgの溶解度を有する薬物を指す。薬物の溶解度は、少なくともある程度はその形態に影響され得る。例えば、水溶性塩の形態の薬物が、高溶解度を有し得る一方、塩基形態の同じ薬物は、低溶解度を有し得る。一例はリドカインであり、これは、塩酸リドカイン一水和物、水溶性塩の形態である場合、約680mg/mLの高溶解度を有するが、リドカイン塩基の形態である場合、約8mg/mLの低溶解度を有する。高溶解度薬物は、装置壁を通した1つ以上の開口部または透過孔などを介した浸透圧勾配による放出に適し得る一方、低溶解度薬物は、例えば、装置壁を直接通した或いは装置壁の1つ以上の開口部または透過孔を通した拡散による放出に適し得る。従って、薬物は、目的とする放出形態に応じて高溶解度または低溶解度を有するように製剤化され得る。一実施形態において、薬物は、膀胱内における尿へのその見かけの溶解度などの、植込み環境におけるその見かけの溶解度を向上させるように製剤化される。
特定の実施形態において、装置は、患者に疼痛の緩和を提供する。様々な麻酔薬、鎮痛薬、及びそれらの組合せが使用され得る。実施形態において、装置は、1つ以上の局所麻酔薬を送達する。局所麻酔薬は、コカイン類似体であり得る。特定の実施形態において、局所麻酔薬は、アミノアミド、アミノエステル、またはそれらの組合せである。アミノアミドまたはアミド系の麻酔薬の代表例としては、アルチカイン、ブピバカイン、カルチカイン、シンコカイン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ロピバカイン、及びトリメカインが挙げられる。アミノエステルまたはエステル系の麻酔薬の代表例としては、アミロカイン、ベンゾカイン、ブタカイン、クロロプロカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジメトカイン、ヘキシルカイン、ラロカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、オルトカイン、ピペロカイン、プロカイン、プロパラカイン、プロポキシカイン、プロキシメタカイン、リソカイン(risocaine)、及びテトラカインが挙げられる。これらの局所麻酔薬は、典型的に、弱塩基であり、塩酸塩などの塩として製剤化されて、水溶性にされ得るが、麻酔薬は、遊離塩基または水和物の形態で使用することもできる。ロントカイン(lontocaine)などの他の麻酔薬も使用されてもよい。薬物はまた、オキシブチニンまたはプロピベリンなどの、麻酔効果を示す抗ムスカリン化合物であり得る。麻酔薬は、参照により本明細書に援用される、Cima,et al.への米国特許出願公開第2011/0152839 A1号明細書に記載されるものなどの、他の薬物と組み合わせて提供され得る。
鎮痛薬は、麻酔薬または非麻酔薬であり得る。鎮痛薬の代表例としては、アセトアミノフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、メタドン、モルヒネ、ニコモルフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、ペチジン、プロポキシフェン、ピリジウム(pyridium)(フェナゾピリジン)、テバイン、トラマドールが挙げられる。
特定の実施形態において、薬物送達装置は、間質性膀胱炎、放射線膀胱炎、膀胱痛症候群、前立腺炎、尿道炎、術後疼痛、及び腎臓結石などの炎症性疾患を治療するのに使用される。特定の一実施形態において、薬物送達装置は、尿管ステント留置に起因する疼痛、尿意切迫または頻尿を治療するためなどの、尿管ステントの留置と関連して使用される。
薬物製剤の賦形剤は、リザーバからの薬物の放出速度を調節または制御するように選択されるマトリックス材料であってもよい。一実施形態において、マトリックス材料は、吸収性または非吸収性ポリマーであってもよい。別の実施形態において、賦形剤は、脂質(例えば、脂肪酸及び誘導体、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール及びステロイド誘導体、油、ビタミン及びテルペン)などの疎水性または両親媒性化合物を含む。薬物製剤は、時間的に調節された放出プロファイルまたはより持続的なまたは一貫した放出プロファイルを提供し得る。他の薬物及び賦形剤が、他の治療に使用され得る。
いくつかの実施形態において、薬物製剤は、固体形態である。例えば、薬物製剤は、薬物リザーバ部分に充填される固体薬物単位へと成形される。薬物単位のそれぞれは、(送達装置が、組立て、保管、及び植込み前の取り扱いの際に通常曝され得る温度及び圧力条件で)選択的に付与された形状を実質的に保持する固体の個別の物体である。薬物単位は、錠剤、カプセル剤、ペレット、またはビーズの形態であってもよいが、他の構成が可能である。例えば、図1及び2は、薬物送達装置100の薬物リザーバルーメン108に充填される植込みに適したいくつかの固体薬物単位112を示す。
固体薬物単位は、直接圧縮打錠法、成形法、または医薬品分野において公知の他の方法によって作製され得る。固体薬物単位は、錠剤またはカプセル剤であり得る。錠剤は、任意選択的に、錠剤の取り扱い、装置の組立て及び保管中の酸素または湿気への破壊的な曝露から錠剤を保護するため;装置の充填を容易にするため;審美性のため;または生体内での溶解及び薬物放出特性を促進、遅延、若しくは他の方法で制御するための、当該技術分野において公知の1つ以上の材料で被覆され得る。薬物製剤はまた、加工可能な形態で薬物リザーバ中に充填されてもよく、その中で硬化し得る。その後、固化された薬物は、薬物リザーバの長さに沿って分割されて、装置の変形を可能にする間隙または切れ目が形成され得る。例えば、薬物製剤が溶融され、固化されるように構成される実施形態において、薬物製剤は、溶融され、溶融された形態で薬物リザーバ中に注入され、薬物リザーバ中で固化され、装置の変形または移動に対応するように薬物リザーバ中で小さく分割され得る。薬物製剤はまた、薬物リザーバとともに押し出されてもよく、薬物リザーバ中で硬化してもよく、続いて、装置の変形に対応するためにリザーバの長さに沿って分割され得る。別の形態において、薬物単位は、半固体形態であり得る。
薬物錠剤は、薬物含有分を含み、賦形剤含有分を含み得る。薬物含有分は、1つ以上の薬物または医薬品有効成分(API)を含む一方、賦形剤含有分は、1つ以上の賦形剤を含む。「賦形剤」という用語は、当該技術分野において公知であり、本発明の薬物単位に有用な賦形剤の代表例は、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、崩壊剤、着色剤、充填剤または希釈剤、コーティング及び防腐剤などの成分、ならびに薬物単位の製造、保管、または投与を容易にするための他の成分を含み得る。
所定の(小さい)サイズの所与の薬物送達装置に保管され、それから放出され得る薬物の量を最大限にするために、錠剤の製造ならびに装置の組立て及び使用の考慮事項に必要とされるように、薬物単位は、好ましくは、減少したまたは低い重量分率の賦形剤とともに、高い重量分率の薬物またはAPIを含む。本開示の趣旨では、薬物、またはAPIに関する「重量分率」、「重量パーセント(weight percentage)」、及び「重量パーセント(percentage by weight)」などの用語は、塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態、または水和物形態などの、用いられる形態の薬物またはAPIを指す。例えば、塩形態の90重量%の薬物を有する薬物錠剤は、遊離塩基形態の90重量%未満の当該薬物を含み得る。
一実施形態において、薬物錠剤は、50重量%を超える薬物である。好ましい実施形態において、薬物錠剤の75重量%以上が薬物であり、重量の残りは、薬物錠剤の作製を容易にする潤滑剤及び結合剤などの賦形剤を含む。本開示の趣旨では、薬物またはAPIに関する「高い重量分率」という用語は、賦形剤が、薬物錠剤の25重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、さらにより好ましくは10重量%未満を占めることを意味する。場合によっては、薬物含有分は、薬物錠剤の約75重量%以上を占める。より具体的には、薬物含有分は、薬物錠剤の約80重量%以上を占め得る。例えば、薬物含有分は、薬物錠剤の約85重量%〜約99.9重量%を占め得る。いくつかの実施形態において、賦形剤含有分は、完全に省略され得る。
一実施形態において、薬物及び賦形剤は、水溶性であるように選択され、錠剤に製剤化され、それによって、薬物錠剤は、装置が膀胱内に位置するときに、固化された薬物を放出するために可溶化され得る。好ましい実施形態において、薬物錠剤は、薬物錠剤の化学的組成または物理的組成の実質的なまたは有害な変化を伴わずに、薬物送達装置内または薬物送達装置の外側のいずれかで、滅菌可能であるように製剤化される。このような薬物錠剤は、従来の薬物錠剤とは全く異なっていてもよく、従来の薬物錠剤は、典型的に、薬物錠剤含有分の50重量%未満を占める活性成分を含み、薬物錠剤の残りは、多くの場合不溶性であり及び/または従来の滅菌に適していないことがある賦形剤を含む。さらに、本発明の薬物錠剤は、植込み型薬物送達装置とともに使用するようなサイズ及び形状にされ得る。例えば、薬物錠剤は、従来の錠剤よりはるかにサイズが小さい「ミニ錠剤」であってもよく、それにより、尿道などの管腔を通って膀胱などの体腔に薬物錠剤を挿入するのが可能になり得る。膀胱内への挿入または他の生体内での植込みのための固体薬物錠剤112の一実施形態が、図1〜3に示される。好ましい実施形態において、薬物錠剤は、80%を超える塩酸リドカイン一水和物を含むミニ錠剤である。
1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が含まれる実施形態において、賦形剤は、装置への固体薬物単位の充填を容易にし得る。例えば、賦形剤は、薬物単位が薬物リザーバ部分の内部ルーメン壁に対して摺動することができるように、薬物単位の潤滑性を向上させ得る。賦形剤はまた、1つまたは複数の治療剤を、薬物リザーバ部分中に充填することが可能な固体薬物錠剤へと成形するのを容易にし得る。賦形剤はまた、薬物単位の溶解度または溶解速度を上昇または遅延させることなどによって、装置からの薬物放出の動態に影響を与え得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、薬物放出速度は、管の厚さ及び水または尿に対する透過性などの、薬物リザーバの特性によって主に制御される一方、薬物単位の賦形剤含有分は、比較的高い重量分率の薬物を含む固体の薬物単位の確実な生産を可能にするように主に選択される。
個々の薬物単位は、装置に適合する実質的にあらゆる所定の形状及び寸法を有し得る。一実施形態において、薬物単位は、薬物リザーバ部分が、所定の数の薬物単位によって実質的に充填されるようなサイズ及び形状にされる。各薬物単位は、薬物リザーバ部分の断面形状にほぼ対応する断面形状を有し得る。例えば、薬物単位112は、図1に示されるほぼ円筒形の薬物リザーバルーメン108を配置するために、図1及び3に示されるように、形状がほぼ円筒形である。薬物単位112は、充填されると、薬物リザーバルーメン108を実質的に充填し、薬物リザーバ部分102を形成する。
薬物単位は、薬物リザーバ部分の内寸とほぼ同じか、それより僅かに小さいか、またはそれを僅かに超える外寸を有し得る。図1〜3に示される薬物単位112は、図3に示される薬物リザーバルーメン108の内径を僅かに超える外径を有する。このような薬物単位112は、薬物リザーバルーメン108を通って軸方向に移動し得るように、薬物リザーバ壁122を半径方向に拡張させる加圧ガスの流れ下でルーメン108に充填され得、加圧ガスの流れが取り除かれると、壁122は、図1に示されるように、ルーメン108の長さに沿って所定の軸方向位置に薬物単位112を保持するように戻り得る。
実施形態において、薬物単位は、薬物リザーバ中に収容されるときに一列に整列するような形状にされる。各薬物単位は、薬物リザーバの断面形状に対応する断面形状を有し、各薬物単位は、隣接する薬物単位の端面に対応する端面形状を有し得る。従って、薬物錠剤が薬物リザーバに充填されると、一連のまたは一列の薬物錠剤が、隣接する薬物単位間に間隙または切れ目が形成された薬物リザーバを実質的に充填し得る。間隙または切れ目は、展開中などの、装置の変形または移動に対応する一方、個々の薬物単位にその固体形態を保持させる。従って、各薬物単位が、隣接する薬物単位に対して移動され得るため、薬物送達装置は、固体薬物が充填されるにもかかわらず、比較的可撓性または変形可能であり得る。
一例が、図1〜3に示され、これらの図は、円形の平坦な端面及び円筒形の側壁を有する薬物単位112を示す。ここで、薬物単位112は、図1及び2に示されるように、円筒形の薬物リザーバルーメン108に充填されるように他の薬物単位112と一列に整列され得る。そのように充填される場合、薬物単位112は、変形または移動に対応するために間隙または切れ目116が間に形成された薬物リザーバルーメン108を実質的に充填する。平坦な端面は、装置の区分的可撓性を可能にする一方、間隙または切れ目116に当てられる薬物リザーバ部分内の容積または空間を制限する。従って、装置は、その可撓性を保持しながら、固体薬物を実質的に充填することができる。サイズ及び形状が比較的均一な薬物錠剤などのいくつかの薬物錠剤112を装置に充填することで、植込み中及び植込み後に予想される力に対して予想どおりに働き、かつ植え込まれると予想される薬物放出特性を示す装置の製造を有利にも可能にする。即ち、錠剤の均一性により、医療製品の製造の際の再現性を有利にも可能にし、それによって、一般に、確実な、再現性のある薬物放出特性を提供する。
固体薬物錠剤が、図1〜3を参照して上述されるタイプの装置などの薬物送達装置によって、膀胱などの、体内の管腔または体腔への挿入または植込みのために設計される実施形態において、薬物錠剤は、尿道などの身体の天然の管腔を通して挿入するのに好適なサイズ及び形状の「ミニ錠剤」であってもよい。本開示の趣旨では、「ミニ錠剤」という用語は、一般に、比較的平面状のまたは平坦な端面及びほぼ円筒形の側面を有する、ほぼ円筒形の形状の固体薬物錠剤を示す。ミニ錠剤の一例が、図1に示される。ミニ錠剤112は、約1.5〜約3.1mmなどの、約1.0〜約3.2mmの範囲内の、端面に沿って延在する直径を有する。ミニ錠剤は、約2.0mm〜約4.5mmなどの、約1.7mm〜約4.8mmの範囲内の、側面に沿って延在する長さを有する。錠剤の摩損度は、約2%未満であり得る。固体薬物錠剤ならびにそれを作製するシステム及び方法の実施形態が、参照により本明細書に援用される米国特許出願を参照して以下にさらに記載される。
好ましい実施形態において、薬物錠剤は、リドカインを含む。主にリドカインを含む薬物錠剤を有する薬物送達装置が、特に、間質性膀胱炎、神経因性膀胱、または疼痛の治療を必要とする患者の膀胱に完全に展開され得る。他の疾病または病態も、この装置を用いて治療され得る。他の実施形態において、他の薬物が、単独でまたはリドカインと組み合わせて、間質性膀胱炎、或いは膀胱、尿道、または前立腺を評価し、診断し、または治療するのに使用される任意の様々な処置に関連する及びそれらの後に伴う、膀胱及び尿道の疼痛、膀胱及び尿道のけいれん、ならびに排尿筋不安定及び頻尿及び夜間頻尿を含む、膀胱に関与する他の疾病及び病態を治療するのに使用され得る。別の実施形態において、本明細書に記載される治療方法は、処置後の症状の緩和を提供するのに使用される。
固体薬物錠剤が形成されてから、薬物錠剤は、薬物送達装置中に充填され得る。装置が充填された後、装置は滅菌されるのが好ましい。選択される滅菌法は、固体薬物錠剤または装置の他の構成要素の物理的組成または化学的組成を望ましくないほど変化させないものである。好適な滅菌法の例としては、γ線照射またはエチレンオキシド滅菌が挙げられるが、他の滅菌法が使用されてもよい。例えば、約25KGyなどの、約8KGy〜約40KGyの強度におけるγ線照射を用いることができる。その代わりにまたはそれに加えて、組み立てられ、充填された装置が、無菌性の製造方法を用いて作製され得る。
さらに、薬物錠剤は、薬物送達装置への充填/組立ての前または後に滅菌することができ、薬物錠剤は、商業的に妥当な有効期間を有する。植込み後、薬物錠剤の組成は、目的とする投与経路に適しており、酸性条件下で安定しており、予め選択された、再現性のある薬物放出動態を提供する。例えば、薬物錠剤は、膀胱内で可溶化されて、長期間にわたって好適に安定した速度で薬物を連続して放出し得る。
ミニ錠剤及び他の固体薬物錠剤は、高い重量分率の薬物またはAPI及び低い重量分率の賦形剤を有するものとして上述されるが、特に、錠剤が、特に、極めて強力な薬物、安定剤、または薬物の溶解度を増加させる薬剤、或いはそれらの組合せを含む場合、固体薬物錠剤は、任意の重量分率の薬物を有していてもよい。
留置フレーム部分
薬物送達装置は、留置フレーム部分を含み得る。留置フレーム部分は、薬物リザーバ部分と連係し、膀胱内などの体内への薬物リザーバ部分の留置を可能にする。留置フレーム部分は、比較的拡張した形状と比較的低プロファイルの形状との間で変形可能な留置フレームを含み得る。例えば、留置フレームは、自然に比較的拡張した形状を取ってもよく、体内に挿入するために比較的低プロファイルの形状へと操作されてもよく、体内に挿入されてから比較的拡張した形状に自発的に戻ってもよい。比較的拡張した形状の留置フレームは、体腔内に留置するための形状であってもよく、比較的低プロファイルの形状の留置フレームは、カテーテルまたは膀胱鏡などの展開器具のワーキングチャネルを通して体内に挿入するための形状であってもよい。このような結果を得るために、留置フレームは、植え込まれてから装置が比較的低プロファイルの形状を取ることを妨げるように選択される、弾性限界、弾性率、及び/またはばね定数を有し得る。このような構成により、装置が予想される力で身体から偶発的に排出されることが抑制または防止され得る。例えば、装置は、排尿中または排尿筋の収縮中に膀胱内に保持され得る。
好ましい実施形態において、留置フレームは、弾性ワイヤを含むかまたはそれからなる。一実施形態において、弾性ワイヤは、Langer et al.に付与された米国特許第6,160,084号明細書に記載されるような生体適合性の形状記憶材料または生分解性の形状記憶ポリマーを含み得る。弾性ワイヤは、比較的低い弾性率のエラストマーも含んでもよく、それにより、膀胱または他の植込み部位を刺激したり、またはその中で潰瘍を生じさせたりする可能性が比較的低くなり得、また、弾性ワイヤは、装置を取り出す必要がないように生分解性であり得る。低弾性率エラストマーの例としては、ポリウレタン、シリコーン、スチレン系熱可塑性エラストマー、及びポリ(グリセロール−セバシン酸)(PGS)が挙げられる。弾性ワイヤは、シリコーン、ポリウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、Silitek、Tecoflex、C−flex、及びPercuflexの1つ以上から形成されるコーティングなどの生体適合性ポリマーで被覆されてもよい。
例えば、図1〜2に示される実施形態において、留置フレーム114は、ニチノールなどの超弾性合金から形成され、かつ留置フレームルーメン310の壁124によって囲まれる弾性ワイヤであり、この壁124は、留置フレーム114の周りの保護シースとなる。ここで、壁124は、シリコーンなどのポリマー材料から形成され得る。他の実施形態において、留置フレームは、ニチノールなどの超弾性合金から形成され、シリコーンシースなどのポリマーコーティングで被覆され、かつ薬物リザーバ部分に取り付けられる弾性ワイヤであり得る。
いくつかの実施形態において、留置フレームルーメン110は、留置フレーム114と、ポリマー充填材などの充填材とを含み得る。充填材の一例は、Nusil Technology LLC製のMED3−4213などのシリコーン接着剤であるが、他の充填材が使用されてもよい。充填材は、留置フレーム114の周りの留置フレームルーメン110の空隙を充填し得る。例えば、充填材は、留置フレーム114の周りの留置フレームルーメン110に注入されてもよく、その中で硬化し得る。充填材により、薬物リザーバルーメン108が、留置フレーム114に沿って伸張したり、またはその周りで捩れたり、または回転したりする傾向が低下され得る一方、薬物リザーバルーメン108が留置フレーム114に対して所定の配向に維持される。しかしながら、充填材は必須ではなく、省略されてもよい。
留置フレームが、図1に示されるコイル形状などの比較的拡張した形状である場合、装置は、膀胱からの排出を妨げるのに適した寸法を有する空間を占め得る。留置フレームが、図2に示される細長い形状などの比較的低プロファイルの形状である場合、装置は、展開器具のワーキングチャネルなどを通して、体内に挿入するのに適した領域を占め得る。弾性ワイヤの特性により、装置はばねとして機能し、圧縮荷重を受けて変形するが、荷重が取り除かれると自発的に最初の形状に戻る。ポリマーコーティングにより、留置フレームの外面は比較的平滑で軟質になり、膀胱または他の植込み部位の刺激が軽減され得る。
プレッツェル形状を取る留置フレームが、圧縮力に対して比較的高い抵抗性を有し得る。プレッツェル形状は、本質的に2つの小円(sub−circle)を含み、それぞれの小円がそれ自体のより小さい弧を有し、共通のより大きい弧を共有する。プレッツェル形状がまず圧縮されると、大きい方の弧が圧縮力の大部分を吸収し、変形を開始するが、圧縮が持続されると、小さい方の弧が重なり、続いて、全ての3つの弧が圧縮力に抵抗する。全体としての装置の圧縮に対する抵抗性は、2つの小円が重なると増加し、膀胱が排尿中に収縮する際の装置の圧潰及び排出を妨げる。
留置フレームが形状記憶材料を含む実施形態において、フレームを形成するのに使用される材料は、比較的拡張した形状を「記憶」することができ、膀胱に入って体温に曝されたときなど、装置に熱が加えられると、自発的に比較的拡張した形状を取り得る。
留置フレームは、装置を膀胱などの体腔内に保持するのに十分に高いばね定数を有する形態であり得る。高弾性率材料が使用されても、または低弾性率材料が使用されてもよい。特に、低弾性率材料が使用される場合、留置フレームは、それがなければ排尿の力でフレームが著しく変形し得るばね定数を提供する直径及び/または形状を有し得る。例えば、留置フレームは、特に、約3N/m〜約60N/mの範囲、またはより具体的には、約3.6N/m〜約3.8N/mの範囲のばね定数などの望ましいばね定数を得るように設計された、1つ以上の巻き、コイル、らせん、またはそれらの組合せを含み得る。このようなばね定数は、以下の技術:フレームを形成するのに使用される弾性ワイヤの直径を増加させること、弾性ワイヤの1つ以上の巻きの曲率を増加させること、及び弾性ワイヤにさらなる巻きを追加することのうちの1つ以上によって実現され得る。フレームの巻き、コイル、またはらせんは、いくつかの構成を有し得る。例えば、フレームは、1つ以上のループ、湾曲または小円を含む湾曲構成であり得る。弾性ワイヤの端部は、軟質にする、鈍端にする、内側に向ける、結合する、またはそれらの組合せなどによって、組織の刺激及び瘢痕を回避するように構成され得る。
例が図5に示される。留置フレームは、平面に限定される2次元構造、楕円体の内部を占める構造などの3次元構造、またはそれらのいくつかの組合せを有し得る。特に、例A〜Gは、直線的にまたは半径方向に連結され、同じまたは互い違いの方向に曲がり、重なっているかまたは重なっていない、1つ以上のループ、湾曲、または小円を含むフレームを示す。例H〜Nは、2次元または3次元の構成の1つ以上の円または楕円を含むフレームを示し、これらの円または楕円は、閉環状かまたは開環状かのいずれかであり、同じかまたは異なるサイズを有し、重なっているかまたは重なっておらず、1つ以上の連結点で結合される。留置フレーム部分はまた、球面空間、扁長楕円体形状を有する空間、または扁平楕円体形状を有する空間などの、楕円体形状の空間の周りを占めるかまたはその周りを巻回するような形状の3次元構造であり得る。例O〜Rは、球面空間の周りを占めるかまたはその周りを巻回するような形状の留置フレーム部分を示し、上に示される各留置フレーム部分は、球におけるフレームを表す。留置フレーム部分は、一般に、例Oに示されるような異なる平面にある2つの交差する円、例Pに示されるような内側に湾曲した端部を有する異なる平面にある2つの交差する円、例Qに示されるような異なる平面にある3つの交差する円、または例Rに示されるような球状のらせんの形状を取り得る。これらの例のいずれにおいても、留置フレーム部分は、展開器具によって展開するための直線形状に伸張され得る。留置フレーム部分は、球面空間、または他の楕円体形状の空間の周りをまたはそれを通して、様々な他の方法で巻回し得る。留置フレーム及び留置ハウジングの一方または両方が省略されてもよく、その場合、留置部分は、留置形状を取り得るかまたは留置形状へと変形され得る薬物部分自体の構成要素であってもよく、または留置部分は、薬物部分と連係されるアンカーであってもよい。代替的な構成の例が、参照により本明細書に援用される米国特許出願に記載される。
他の装置機構
装置は、植込みまたは回収処置の一環としての医師による装置の検出または視認(例えば、X線画像化または蛍光透視法による)を容易にするための少なくとも1つの放射線不透過性の部分または構造を含み得る。
装置は、薬物製剤の放出後の、体腔からの装置の取り出し、例えば非吸収性装置本体の取り出しを容易にする構造などの回収機構を含み得る。回収機構の一例は、生体適合性材料で形成されたストリングである。ストリングは、薬物送達装置の中央部分または末端部分に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、ストリングは、膀胱から尿道に沿って体外まで延在するサイズであり、その場合、装置が膀胱内に配置されると、ストリングの近位端は、体外に配置され得る。ストリングはまた、サイズがより短くてもよく、それによって、装置が膀胱内に配置されると、ストリングの近位端は、尿道において医師が到達可能な位置に配置される。いずれの場合も、装置は、ストリングを係合して、尿道を通して装置を引き抜くことによって、膀胱から取り出され得る。他の実施形態において、ストリングは、装置とともに膀胱内に完全に植え込まれるサイズであり、その場合、ストリングは、膀胱鏡またはカテーテルなどの、尿道に配置された取り出し器具を用いた膀胱内の装置の配置及び把持を容易にする。
米国特許出願公開第2009/0149833号明細書に記載されるように、薬物リザーバ部分は、装置本体の浸透圧または拡散表面積を減少させるかまたは変更するために、実質的に不透水性であるかまたは薬物リザーバ部分より水に対する透過性が比較的低くてもよいコーティングまたはシースを含み得る。
構成要素の組合せ
薬物リザーバ部分及び留置フレーム部分は、互いに連係して、薬物送達装置を形成する。様々な異なる連係が想定される。例えば、薬物リザーバ部分及び留置フレーム部分は、少なくとも部分的に整列され得る。言い換えると、薬物リザーバ部分は、留置フレーム部分と実質的に平行にまたはそれと一致して、留置フレーム部分の一部または全長に沿って延在し得る。このような一実施形態の一例が、図1〜3に示される。図6はまた、いくつかの代替的な実施形態を断面図で示す。例F、G、H、及びIに示されるように、留置フレームワイヤは、薬物リザーバ壁の外面に沿って、薬物リザーバ壁の内面に沿って、薬物リザーバ壁を通して、または壁の内側若しくは外側の補強された領域内のいずれかで延在し得る。例J、K、及びLに示されるように、弾性ワイヤはまた、管を複数の区画に仕切り得るウェブによって支持される管の内部に配置されてもよい。ウェブは、区画が互いに連通するように有孔であるかまたは他の形で非連続的であってもよく、或いはウェブは、区画が互いに分離されて、異なる薬物製剤を保持するのに適し得る異なるリザーバを形成するように、比較的連続的であってもよい。ウェブは、管と同じ材料から形成されてもよく、または実施形態に応じて、水または尿に対する異なる透過性を有する材料から形成されてもよい。例M、N、及びOに示されるように、弾性ワイヤは、管に沿ってまたは管の間に延在する複数の管と連係されてもよい。弾性ワイヤは、複数の個別の管を結合する補強領域に埋設され得る。管は、同じかまたは異なる薬物製剤を保持してもよく、また、同じ構成材料或いは、尿または他の水性流体若しくは体液に対する透過性が異なる材料などの異なる構成材料から形成されてもよい。
他の実施形態において、薬物リザーバ部分は、留置フレームの部分のみに取り付けられてもよい。薬物リザーバ部分は、留置フレームの一部に取り付けられる第1及び第2の末端部分を有し得る。薬物リザーバの末端部分は、留置フレームで終端してもよく、末端部分は、留置フレームに重なってもよく、またはそれらの組合せであってもよい。薬物リザーバ部分は、留置フレーム部分の周囲の中に、留置フレーム部分の周囲を越えて、またはそれらの組合せで位置するように、留置フレーム部分に対して配向され得る。さらに、いくつかの薬物リザーバ部分が、単一の留置フレーム部分と連係されてもよい。図6の例A〜Eが、このような実施形態を示す。
他の実施形態において、薬物リザーバ部分及び留置フレーム部分は、いくつかの実施形態において同じ構成要素であってもよい。そのような場合、装置は、上述されるように、装置を体内に保持するのに十分なばね定数を有する構成で形成される管を含み得る。また、薬物リザーバ部分は、留置フレーム部分の周りに、1回または任意の回数だけ巻回され得る。本明細書に記載される実施形態は、本開示の範囲内に含まれる他の薬物送達装置を製造するように、組み合わせられ、変形され得る。例えば、薬物リザーバ部分は、任意の方法で留置フレーム部分の任意の部分に取り付けられ得る。複数の薬物リザーバ部分が提供されてもよく、単一の薬物リザーバ部分が仕切られてもよく、またはそれらの組合せであってもよく、それにより、体内への複数の異なる薬物の送達、体内への異なる形態の薬物の送達、体内への様々な速度での薬物の送達、またはそれらの組合せが容易になり得る。
図4に示される装置400が、図1に示される装置100と僅かに異なる形状及び構成を有することが留意される。例えば、装置400の端部は、装置100の端部より比較的直線的である。装置400の留置フレームが比較的直線的な末端部分を有するため、より直線的な端部が生じ得る一方、装置100の留置フレームは、比較的湾曲した末端部分を有する。比較的直線的な末端部分を有する留置フレームが、充填中及び充填後に装置本体の壁を穿刺する可能性は低く、植込み後の装置の故障のリスクが低減される。しかしながら、いずれの留置フレーム形状が使用されてもよい。
図1に示される実施形態において、例えば、薬物送達装置100は、膀胱に薬物を送達するのに適している。薬物リザーバルーメン108は、約1.5〜約3.1mmなどの約1.3〜約3.3mmの内径、約1.9〜約3.4mmなどの約1.7〜約3.7mmの外径、及び約14〜16cmなどの約12〜21cmの長さを有し得る。薬物リザーバルーメン108は、約10〜100個の円筒形の薬物錠剤(ミニ錠剤など)を保持し得る。ミニ錠剤はそれぞれ、約1.5〜約3.1mmなどの約1.0〜約3.3mmの直径、及び約2.0〜約4.5mmなどの約1.5〜約4.7mmの長さを有し得る。このようなミニ錠剤は、約3.0〜約40.0mgのリドカインペイロードを有し得る。ミニ錠剤の1つの特定の例は、約1.52mmの直径、約2.0〜2.2mmの長さ、及び約4.0〜4.5mgのリドカインの質量を有し得る。ミニ錠剤の別の特定の例は、約2.16mmの直径、約2.9〜3.2mmの長さ、及び約11.7〜13.1mgのリドカインの質量を有し得る。ミニ錠剤のさらに別の特定の例は、約2.64mmの直径、約3.5〜3.9mmの長さ、及び約21.3〜23.7mgのリドカインの質量を有し得る。ミニ錠剤のなお別の特定の例は、約3.05mmの直径、約4.1〜4.5mmの長さ、及び約32.7〜36.9mgのリドカインの質量を有し得る。しかしながら、他の直径、長さ、及び質量が使用され得る。
これらの範囲内で、装置は、約200mg、約400mg、約600mg、または約800mgのリドカインなどの、約150mg〜1000mgのリドカインを膀胱に送達するように設計され得る。例えば、より小さいペイロードが、より小さい装置からまたはより少ない錠剤が充填された装置から送達され得、装置の空間の残りには、スペーサまたは充填材が充填される。
一実施形態において、装置は、塩酸リドカイン一水和物の50mgのペイロードを有する。装置は、治療期間にわたって(例えば、膀胱への挿入後の3日または4日の時点で)1日当たり最大で約5mgの放出速度を提供し得る。
いくつかの実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも50mgである。他の実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも100mgである。特定の実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも150mgである。一実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも200mgである。別の実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも300mgである。さらなる実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも400mgである。さらに別の実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも500mgである。さらに他の実施形態において、所望の治療効果を得るのに有効な麻酔薬または鎮痛薬の量は、48時間以上にわたって連続して放出される少なくとも600mgである。これらの実施形態のいずれにおいても、麻酔薬または鎮痛薬は、リドカインを含む。
上記の特定の構成は、当業者が本開示を読んで作製し得る装置のタイプの可能性に過ぎない。例えば、いくつかの実施形態において、薬物リザーバ部分は、完全に省略されてもよく、留置フレーム部分は、膀胱などの体内に留置するための別の構成要素と連係されてもよい。他の構成要素の例としては、特に、診断機器、試験材料、ならびにカメラ及びセンサなどの小型の電子装置が挙げられる。
装置を作製する方法
植込み型薬物送達装置を作製する方法の一実施形態は、薬物送達装置を形成する工程と、いくつかの薬物錠剤を形成する工程と、薬物錠剤を薬物送達装置中に充填する工程とを含み得る。実施形態において、薬物送達装置を形成する工程は、以下のサブ工程:装置本体を形成する工程、留置フレームを形成する工程、装置本体を留置フレームと連係させる工程、及び装置本体に1つ以上の開口部を形成する工程のうちの1つ以上を含み得る。好適な方法が、例えば、参照により本明細書に援用される、Daniel,et al.への米国特許出願公開第2010/0330149号明細書;Lee et al.への米国特許出願公開第2010/0331770号明細書、及びLee et al.への米国特許出願公開第2011/0060309号明細書に記載される。
装置の使用及び応用
装置は、体腔または管腔に植え込まれてもよく、続いて、1つ以上の病態を治療するための1つ以上の薬物を、展開部位における1つ以上の組織に局所的に及び/または展開部位から遠位の他の組織に局部的に放出し得る。放出は、長期間にわたって制御され得る。その後、装置は、取り出されるか、吸収されるか、排出されるか、またはそれらのいくつかの組合せであり得る。
一例において、装置は、薬物送達装置を展開器具に挿通し、展開器具から装置を体内へと解放することによって植え込まれる。装置が膀胱などの体腔内で展開される場合、装置が展開器具から出て体腔内に入ると、装置は、拡張した形状または高プロファイルの形状などの留置形状を取る。一例が、図7に示され、図7は、展開器具702を出るにつれて留置形状を取る装置700を示す。展開器具702は、カテーテル、尿道カテーテル、または膀胱鏡などの任意の好適なルーメン装置であってもよい。これらの用語は、特に明示されない限り、本明細書において同義的に使用される。展開器具1102は、市販の装置であっても、または本発明の薬物送達装置に特別に適合された装置であってもよい。
植込み後、装置は、薬物を放出し得る。装置は、所望の所定の期間にわたって、所望の量の薬物の長時間の、持続的な、間欠的な、または定期的な放出を提供し得る。実施形態において、装置は、12時間、24時間、5日間、7日間、10日間、14日間、または20、25、30、45、60、若しくは90日間、またはそれ以上などの長期間にわたって、所望の用量の薬物を送達し得る。薬物の送達速度及び投与量は、送達される薬物及び治療される疾病または病態に応じて選択され得る。
装置が固体形態の薬物を含む実施形態において、装置からの薬物の溶出が、装置内における薬物の溶解の後に起こる。体液が装置に入り、薬物と接触し、薬物を可溶化し、その後、溶解された薬物は、装置から拡散し、または浸透圧下で若しくは拡散によって装置から流れる。例えば、装置が膀胱に植え込まれる場合、薬物は、尿との接触により可溶化され得る。
続いて、装置が非吸収性であるかまたは他の形で取り出される必要がある場合などに、装置は、身体から回収され得る。このための回収装置が当該技術分野において公知であり、または特別に製造され得る。装置全体が吸収されるかまたは装置が排尿中に膀胱から排出されるのに十分に分解される際、装置は、完全にまたは部分的に生体吸収性であってもよく、従って、回収が不要である。装置は、薬物の一部、または好ましくは薬物のほとんど若しくは全てが放出されるまで、回収または吸収されなくてもよい。必要に応じて、その後、薬物が充填された新たな装置が、回収と同じ処置中またはその後に、植え込まれてもよい。
図8は、膀胱への装置800の植込みを示し、ここで、成人男性の解剖学的構造が例として示される。展開器具802が、尿道を通して膀胱へと挿入されてもよく、装置800は、例えばスタイレットまたは潤滑剤若しくは他の流体の流れによって推進されて、膀胱中に出るまで、展開器具802に挿通され得る。このように、装置は、成人または小児のいずれかの、治療を必要とする男性または女性のヒト患者の膀胱に植え込まれる。
装置は、独立した処置でまたは別の泌尿器科的処置若しくは他の処置若しくは手術と組み合わせて、他の処置の前、その間、またはその後のいずれかで、患者の膀胱内に展開され得る。装置は、周術期、術後、またはその両方のいずれかに、治療または予防のために局所及び/または局部組織に送達される1つ以上の薬物を放出し得る。
一実施形態において、自蔵式薬物ペイロードを有する植込み型装置は、膀胱内で完全に展開されて、少なくとも1つの薬物の局所的な持続的送達が有効量で膀胱に局所的に提供される。装置の生体内での展開の後、薬物のペイロードの少なくとも一部が、治療を提供するかまたは患者の膀胱機能を改善するのに有効な量で、尿路上皮及び場合により近接する組織に、長期間にわたって実質的に連続して装置から放出される。好ましい実施形態において、装置は、膀胱に存在して、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、またはそれ以上などの所定の期間にわたって薬物を放出する。
このような場合、装置を用いて、間質性膀胱炎、放射線膀胱炎、骨盤痛、過活動膀胱症候群、膀胱癌、神経因性膀胱、神経障害性若しくは非神経障害性の膀胱括約筋機能障害、感染症、術後痛、処置後(前立腺、尿道、膀胱)痛及びけいれん、刺激性排尿症状(尿意切迫感、頻尿、夜間頻尿)或いは膀胱に送達される薬物で治療される他の疾病、疾患、及び病態を治療し得る。装置は、膀胱容量、コンプライアンス、及び/または無抑制収縮の頻度などの膀胱機能を改善し、膀胱若しくは他の近接する領域における疼痛及び不快感を軽減し、または他の効果を有し、或いはそれらの組合せである薬物を送達し得る。膀胱で展開される装置はまた、治療上有効な量の1つ以上の薬物を、特に、腎臓の一方若しくは両方、尿道、尿管の一方若しくは両方、陰茎、精巣、精嚢の一方若しくは両方、輸精管の一方若しくは両方、射精管の一方若しくは両方、前立腺、腟、子宮、卵巣の一方若しくは両方、または卵管の一方若しくは両方、或いはそれらの組合せを含む、身体の泌尿器または生殖器系内の他の箇所などの、体内の他の泌尿生殖器部位に送達し得る。例えば、膀胱内薬物送達装置は、疾病、疾患、及び病態の中でも特に、腎臓結石または腎線維症、勃起障害の治療に使用され得る。
いくつかの実施形態において、膀胱内薬物送達装置は、1つ以上の近接する泌尿生殖器部位への局部的な薬物送達のために患者の膀胱内に展開される。装置は、薬物を膀胱に局所的に及び膀胱に近接する他の部位に局部的に放出し得る。このような送達は、望ましくない副作用を伴うかまたは薬物のバイオアベイラビリティが不十分となり得る全身投与の代替手段を提供し得る。
一実施形態において、膀胱内薬物送達装置は、泌尿生殖器組織における疾病または疾患などの任意の原因に起因する疼痛及び/または刺激性排尿症状(尿意切迫、頻尿、夜間頻尿)、或いは特に、手術、カテーテル処置、アブレーション、医療機器の植込み、または結石若しくは異物の除去などの任意の膀胱処置から生じる疼痛を管理するための局所麻酔薬を局所的に送達するために膀胱内に植え込まれる。例えば、局所麻酔薬が、尿管内若しくは尿管を通した医療機器の通過に関連する術後痛または膀胱から離れた部位における他の術後痛などの、任意の原因に起因する近接する疼痛を管理するために、近接する部位への局部的送達のために膀胱内に放出され得る。
特定の一実施形態において、リドカインのペイロードを有する装置が、膀胱に送達されてもよく、リドカインが、長期間にわたって装置から連続して放出されてもよい。一実施形態において、膀胱の尿路上皮へのリドカインの局所送達が、点滴注入によって長期間にわたって得られるであろう濃度を超えるが、点滴注入で観察される高い初期ピークはなく、著しい全身濃度のない、持続されるレベルのリドカインを実現するように、膀胱内に展開された本開示の装置から提供される。それによって、小さいペイロードが植え込まれてもよく、装置の故障時の全身的影響のリスクが低減される。固体形態のリドカインを植え込むことにより、装置のサイズをさらに減少させることができ、膀胱の刺激及び患者の不快感が軽減される。リドカインは、尿のpHにかかわらず送達され得る。一実施形態において、装置は、異なる時点で放出されるリドカインの2つのペイロードを有し得る。第1のペイロードは、比較的急速に放出されるように構成されてもよい一方、第2のペイロードは、より持続的に放出されるように構成されてもよい。例えば、第1のペイロードは、液体形態であってもよく、または比較的薄い壁を有するシリコーン管などの比較的即効性の浸透圧ポンプに収容されてもよい一方、第2のペイロードは、固体形態であってもよく、または比較的厚い壁を有するシリコーン管などの、放出前に初期遅延または誘導時間を経る浸透圧ポンプに収容されてもよい。従って、本方法は、初期の急性期の間及び維持期の間に膀胱にリドカインを継続的に放出し得る。このような方法は、装置の初期の誘導時間を補償し得る。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに理解され得る。
実施例1:薬物リザーバの壁を通した薬物の拡散
拡散による薬物リザーバの壁を通した薬物の送達の実現可能性を判断するための試験を行った。約0.060インチの内径、0.076インチの外径、及び約3cmの長さを有するシリコーン管から装置を形成した。装置に、総ペイロードが約60mgになるように、リドカインの固体薬物錠剤を充填した。装置のいくつかは、150μmの直径を有する、管壁を通して形成された開口部を備えていた。これらの装置に、塩酸リドカイン一水和物または塩酸リドカイン一水和物とリドカイン塩基との組合せのいずれかの固体錠剤を充填した。他の装置は、開口部を備えておらず、この装置に、リドカイン塩基の固体薬物錠剤を充填した。装置を、水中約37℃で、インビトロで試験した。放出プロファイルデータにより、開口部のないシリコーン壁を通した拡散によって薬物を送達することが実現可能であることが実証された。放出速度は、約4日間の期間にわたって比較的ゼロ次であり、その後徐々に減速し、放出速度は装置によって異なった。
薬物リザーバの壁を通した装置から及び薬物リザーバの壁の開口部からの薬物の送達の実現可能性を調べるための別の試験を行った。約3cmの長さを有するシリコーン管から装置を形成した。装置に、総ペイロードが約60mgになるように、リドカイン塩基の固体薬物錠剤を充填した。5つの装置が、約0.060インチの内径及び0.076インチの外径を有していた。第1の装置は、約150μmの直径を有する1つの開口部を有し、第2の装置は、約360μmの直径をそれぞれ有する2つの開口部を有し、第3の装置は、約360μmの直径をそれぞれ有する30個の開口部を有し、第4の装置は、約360μmの直径をそれぞれ有する60個の開口部を有し、第5の装置は、開口部を有さなかった。第6の装置は、約0.062インチの内径、0.095インチの外径を有し、開口部を有さなかった。装置を、水中約37℃でインビトロで試験した。放出プロファイルデータにより、リドカイン塩基を、開口部のないシリコーン管から放出することができ、装置に開口部を加えることによって、放出速度を上昇させることができることが示された。
実施例2:リドカインの毎日の点滴注入と比較した装置の有効性
装置の安全性、耐容性、及び限られた薬物動態学的特性を調べるために、非盲検、漸増用量、積極的治療コホート試験を行った。間質性膀胱炎(IC)に罹患した16人の非ヒスパニック系白人女性患者の膀胱に、装置を経膀胱鏡的に挿入した(2人の患者を両方のコホートで治療した)。各コホート中の9人の患者に、それぞれ200mg及び650mgのリドカインを含有する装置を入れた。200mg及び650mgの装置は、それぞれ246mg及び801mgの塩酸リドカイン一水和物を含有していた。200mgの装置は、シリコーンエラストマー管材料、ニチノールワイヤ、及びサファイア(アルミニウムオキシド)球を含んでいた。650mgの装置は、サファイア球の代わりにシリコーンスペーサ及びシリコーン接着剤を用いた以外、同じ構成要素を含んでいた。
試験の1日目に、200mgまたは650mgの装置を、各患者の膀胱に挿入した。14±1日目に、装置を、膀胱鏡検査によって取り出した。21±2日目及び28±2日目に、各患者に、追跡検査を受けさせた。
装置の挿入前に、参加者に、自身の膀胱痛及び尿意切迫を、10cmの線上の「0〜10」の目盛りで採点させ、0及び10はそれぞれ、「疼痛または尿意切迫なし」及び「想像できる限り最悪の疼痛または尿意切迫」を表す。ベースライン結果が、24時間当たりのベースライン排尿頻度、ベースライン夜間頻尿、間質性膀胱炎症状指数(ICSI)、及び間質性膀胱炎問題指数(ICPI)とともに表1に示される。
Figure 2014503554
試験の1日目、2日目、3日目、7日目、10日目、14±1日目、21±2日目、及び28±2日目に表1のスコアを再評価するよう患者に求めた。それらの同じ日に、血液及び尿試料を採取し、別の有効なLC−MS/MSアッセイを用いてリドカイン及びその代謝産物−2,6−キシリデン−について分析した。アッセイの結果が、表2、3、及び4に示される。200mgの装置のコホートの2人の患者は、PK評価可能の定義を満たさなかったため、除外したが(従って、n=9−2=7)、650mgの装置のコホートの全てを評価した(従って、n=9)。
Figure 2014503554
Figure 2014503554
Figure 2014503554
表2、3、及び4中の尿中回収及び観察された血漿濃度に基づいて、リドカインを、挿入後の最初の14日間の間に各試験において回収した。これは、薬物を、全期間中に継続的に放出したことを示唆する。
14日目に装置を取り出した後、血液及び尿試料中のリドカインの量は、すぐに減少した。表2及び3は、平均5.08μg及び0.00μgのリドカインを、それぞれ試験の21日目及び28日目に回収したことを示す。これらの値の両方は、0.00%の最初のリドカイン用量を示していた。表4は、リドカインの血漿濃度が、14日目に装置を取り出した後、21及び28日間でゼロまで減少したことを示す。
14日目の装置の取り出しと、その後の血液及び尿試料からのリドカインの減少にかかわらず、患者には、試験の14日目を超えて、より弱い疼痛及び尿意切迫を含む持続された治療効果があった。
図11は、200mgの装置を受け入れた患者についての、試験全体を通して生じた膀胱痛の持続された減少を示す。「0」の線は、7.3±1.4のベースライン疼痛スコアを表す。−4.9±1.89のベースラインからの最大変化が10日目に生じたが、約−3.6±3及び約−3.8±3の減少が、それぞれ21及び28日目に生じた。14日後のベースライン疼痛スコアの持続された減少は、リドカインの治療効果が治療期間を超えて延長されたことを示唆していた。図11のデータは、5日間にわたって毎日(1時間)の場合のリドカイン膀胱点滴注入の効果を試験した試験と対照的であった。毎日の点滴注入試験は、僅か−2.38±2.67の膀胱痛の最大ベースライン減少を示した(Nickel,J.Curtis et al.“Intravesical alkalinized lidocaine(PSD597)offers sustained relief from symptoms of interstitial cystitis and painful bladder symdrome”,Journal Compilation,BJU International 103,2008,910−918)(以後、「Plethora」)。
ベースライン尿意切迫スコアの持続された減少も観察された。図12は、200mgの装置を受け入れた患者について、試験全体を通して生じた尿意切迫の持続された減少を示す。「0」の線は、7.7±1.0のベースライン尿意切迫スコアを表す。−7.0±1.08のベースラインからの最大変化が14日目に生じたが、約−4.4±3.6及び約−5.2±3の減少が、それぞれ21及び28日目に生じた。再び、図12のデータは、僅か−2.09±2.14の尿意切迫の最大減少を示したPlethoraの毎日の点滴注入試験を上回る著しい改善を表していた。
図13に示されるように、排尿の頻度も、装置展開のほぼ直後に減少し、14日目の装置の取り出し後に持続した。「0」の線は、19±5.5のベースライン排尿頻度を表す。3日目から28日目に、装置は、14日目の装置の取り出しにもかかわらず、約−8.0±3.9だけ平均排尿頻度を減少させた。これに対し、Plethoraの毎日の点滴注入試験では、僅か−1.69±7.62だけ排尿頻度が減少された。
装置はまた、14日で平均約3±2.2だけベースライン夜間頻尿を減少させた。図14に示されるように、装置は、展開の直後に夜間頻尿を減少させ、14日目のその取り出し後に持続された効果を維持した。夜間頻尿のデータは、Plethora試験で収集しなかった。
Plethora試験は、リドカイン点滴注入によるICSIのベースライン減少が、治療の完了後に持続しなかったことを示した。Plethora試験のベースラインICSIは、13.67±2.99及び13.60±3.09であった。本発明の試験のベースライン(「0」の線)ICSIは、14±3.24であり、これは、重篤な疾病と一致し、Plethora試験のベースラインと類似していた。しかしながら、Plethora試験の毎日の点滴注入と異なり、200mgの装置は、装置を膀胱から取り出した後、ベースラインICSIの持続された減少をもたらした。試験全体を通したICSIのベースライン減少が、図15に示される。図16は、各時点におけるコホートの「ICSIレスポンダ(ICSI Responder)」の割合を示す。「ICSIレスポンダ」を、ベースラインスコアからの30%以上の改善を有する患者として定義した。
同様に、200mgの装置は、14日目の装置の取り出し後を含め、試験全体を通してICPIの持続された減少をもたらした。ベースライン(「0」の線)ICPIは、12.3±3.04であり、これは、図17中の「0」の線として示される。図17に示されるように、200mgの装置によって引き起こされるICPIの平均ベースライン減少は、3日目から28日目に平均して約−4を超えた。各時点におけるコホートの「ICPIレスポンダ」の割合が、図18に示される。「ICPIレスポンダ」を、ベースラインスコアからの30%以上の改善を有する患者として定義する。これに対し、Plethora試験は、12.09±2.50及び12.22±2.28のベースラインICPIを有していたが、8及び15日目の平均ベースライン減少は、それぞれ僅か−3.82±3.61及び−3.36±3.90であった。
グローバル・レスポンス・アセスメント(GRA)試験も、2日目、3日目、7日目、10日目、14日目、21日目、及び28日目で患者に行った。GRAは、7項目のリッカート尺度であり、ここで、患者は、自身の全体的な反応を、(1)著しく悪化した、(2)中程度に悪化した、(3)やや悪化した、(4)変化なし、(5)やや改善された、(6)中程度に改善された、または(7)著しく改善されたと報告する。「レスポンダ」は、「中程度に」または「著しく改善された」のいずれかの反応を有する患者である。各時点における「レスポンダ」のパーセントが、図19に示され、3〜28日目に平均して約50%以上であった。Plethora試験において、リドカインの点滴注入は−5日間にわたって毎日投与した場合でさえ−同様の非盲検設計で試験した場合、IC患者の44〜63%の「中程度の」または「著しい」全体的改善という反応を引き起こした。
実施例3:装置からのリドカインの放出速度
実施例2の200mg及び650mgの装置からのリドカインの放出速度を、膀胱条件をシミュレートすることによってインビトロで測定した。表5及び6は、14日間にわたる平均リドカイン放出速度(mg遊離塩基当量(FBE)/日)を示す。
Figure 2014503554
Figure 2014503554
200mg及び650mgの装置についての累積リドカイン放出速度及びリドカイン放出速度が、図20及び21、ならびに図22及び23にそれぞれプロットされる。
本明細書に引用される文献及びそれらが引用される資料が、参照により特に援用される。本明細書に記載される方法及び装置の変更及び変形は、上記の詳細な説明から当業者に明らかであろう。このような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。

Claims (20)

  1. 治療期間の終了を超えて持続される治療効果を得るのに有効な量で、24時間以上の治療期間にわたって連続投与することによって、膀胱痛及び/または刺激性排尿症状を治療するのに使用するためのリドカインを含む薬剤。
  2. 1日当たり約10mg〜約30mgのリドカイン(FBE)の平均量で患者の膀胱に連続投与することによって使用するための、請求項1に記載の薬剤。
  3. 連続的放出の持続期間が、10〜14日間である、請求項1に記載の薬剤。
  4. 前記治療期間にわたって連続して放出されるリドカイン(FBE)の累積量が、約20mg〜約400mgである、請求項1に記載の薬剤。
  5. 膀胱に放出されるリドカイン(FBE)の速度が、前記治療期間の最初の1〜4日間にわたって1日当たり15mg〜30mgであり、その後、前記治療期間の残りの期間にわたって1日当たり15mgから3mgの速度へと徐々に減速する、連続投与によって使用するための、請求項1に記載の薬剤。
  6. リドカインの測定可能な血漿濃度が、前記膀胱中のピークリドカイン曝露の時点で65ng/mlを超えない、請求項5に記載の薬剤。
  7. 膀胱に放出されるリドカイン(FBE)の速度が、前記治療期間の最初の1〜6日間にわたって1日当たり25mg〜60mgであり、その後、前記治療期間の残りの期間にわたって1日当たり25mgから10mgの速度へと徐々に減速する、連続投与によって使用するための、請求項1に記載の薬剤。
  8. リドカインの測定可能な血漿濃度が、前記膀胱中のピークリドカイン曝露の時点で65ng/mlを超えない、請求項7に記載の薬剤。
  9. 前記治療効果が、前記治療期間の終了を48時間より長く超えて持続される、連続投与によって使用するための、請求項1に記載の薬剤。
  10. 前記膀胱に挿入されるとリドカインを放出するように構成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬剤を含む薬物送達装置。
  11. 2〜28日間、好ましくは3〜21日間、連続してリドカインを放出するように構成される、請求項10に記載の薬物送達装置。
  12. 10〜14日間、連続してリドカインを放出するように構成される、請求項10に記載の薬物送達装置。
  13. リドカインまたは他の麻酔薬を前記膀胱に放出するための、前記治療期間中に患者の前記膀胱中に完全に展開されるように構成される、請求項10に記載の薬物送達装置。
  14. 前記膀胱への前記リドカインの連続投与が、前記治療期間中に前記膀胱中に展開される尿道カテーテルを通して前記膀胱に注入することによって行われる、請求項1に記載の薬剤。
  15. 前記膀胱に投与される前記リドカインまたは他の麻酔薬の連続投与が、前記膀胱の壁に経尿道的に塗布されるコーティング物質からの放出によって行われ、前記コーティング物質が、リドカインと、前記膀胱の壁に対する前記コーティング物質の付着性を促進する1つ以上の賦形剤材料とを含み、前記治療期間にわたって前記リドカインの連続的な制御放出を提供する、請求項1に記載の薬剤。
  16. 治療期間の終了を超えて持続される治療効果を得るのに有効な量で、24時間以上の治療期間にわたって、麻酔薬または鎮痛薬を連続投与することによって、膀胱痛及び/または刺激性排尿症状を治療するのに使用するための麻酔薬または鎮痛薬を含む薬剤。
  17. 前記麻酔薬または鎮痛薬がリドカインである、請求項16に記載の薬剤。
  18. 少なくとも24時間の治療期間にわたって連続して、患者における麻酔薬または鎮痛薬の測定可能な血漿濃度を得るのに有効な量で、前記患者に前記麻酔薬または鎮痛薬を連続投与することによって、膀胱痛及び/または刺激性排尿症状を治療するのに使用するための麻酔薬または鎮痛薬を含む薬剤。
  19. 前記麻酔薬または鎮痛薬がリドカインである、請求項18に記載の薬剤。
  20. 前記リドカインが、2〜14日間にわたって前記膀胱に連続して放出される、請求項19に記載の薬剤。
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