発明の詳細な説明
〔分野〕
本開示は、被験者を画像処理することに関し、特に画像処理装置のための最適な画像取得処理に関する。
〔背景〕
この項目は、必ずしも先行技術ではない本開示に関する背景の情報を提供する。
人の患者のような被験者は、患者の組織を治すか良くするために外科的手術を行うことを選択または要求される。組織の改良は、骨の移動または改良、埋込装置の挿入または他の適切な手術のような様々な手術を含む。外科は、磁気共鳴映像(MRI)システム、コンピューター断層撮影(CT)システム、蛍光透視法(例えば、C−アーム画像システム)または他の適切な画像処理システムのような画像処理システムを使用することで取得された患者の画像を用いて、被験者に対して手術を行う。
患者の画像は、手術(手術を計画することを含む)を行うとき、外科医の役に立つ。外科医は、患者を示す2次元画像または3次元画像を選択できる。画像は、上層の組織(真皮組織および筋肉組織を含む)を除くことなく患者の組織を見ることによって、非侵襲的技術を用いて手術を行うときに外科医の役に立つ。
〔要約〕
この項目は、開示の一般的な要約を提供し、全範囲または全特徴の広範囲の開示ではない。
様々な実施形態において、画像処理システムを用いて、被験者の画像データを取得するためのシステムが提供される。そのシステムは、被験者の少なくとも一部を完全に環状に取り囲むガントリーを含む。そのシステムは、ガントリー内およびガントリーに関して移動可能に配置されるソースを含む。ソースは、少なくとも1つのパルスを出力するための信号に反応的である。システムは、ソースによって放出される少なくとも1つのパルスを検出するための、ガントリーおよびソース内およびガントリーおよびソースに関して移動可能に配置される検出器を含む。システムは、少なくとも1つのパルスで検出されたものに基づいて検出器のデータを設定する検出器制御モジュールと、ソースの信号を設定し、検出器のデータを受け取る画像取得制御モジュールとを含む。画像取得制御モジュールは、検出器のデータに基づいて画像データを再構成するよう動作可能である。信号は、ソースが単一のパルスまたは2つのパルスを出力するための信号を含む。
さらに、画像処理システムを用いて、被験者の画像データを取得する方法が提供される。方法は、被験者の少なくとも一部を完全に環状に取り囲むガントリーを、該ガントリー内に配置され、該ガントリーに対して移動可能なソースおよび検出器とともに配置するステップを含む。方法は、ソースについて出力の要求を規定する少なくとも1つのユーザ入力を受け取るステップと、ユーザ入力に基づいて、ソースについての出力のタイプを判定するステップとを含む。方法は、ソースを用いて、1つのパルスを出力する、または、実質的に同時に2つのパルスを出力するステップと、検出器を用いて、1つのパルスまたは2つのパルスを受け取るステップとを含む。また、方法は、検出器により受け取られた1つのパルスまたは2つのパルスに基づいて、被験者の画像データを再構成するステップを含む。
また、画像処理システムを用いて、被験者の画像データを取得するための方法が提供される。方法は、被験者物の少なくとも一部を完全に環状に取り囲むガントリーを、該ガントリー内に配置され、該ガントリーに対して移動可能なソースおよび検出器とともに配置するステップを含む。方法は、ソースを用いて、第1パルスレートを有する第1パルスを出力するステップと、第1パルスレートと異なる第2パルスレートを有する第2パルスを実質的に同時に出力するステップとを含む。方法は、検出器を用いて、第1パルスおよび第2パルスを受け取るステップと、検出器によって受け取られた第1パルスおよび第2パルスに基づいて、被験者の画像を再構成するステップとを含む。
ここに記載の図は、選択された実施形態だけの例示の目的であり、すべての可能な実施ではなく、本開示の範囲を限定することを意図していない。
図1は、手術室における典型的な画像システムを示す図である。
図2は、図1の画像システムを使用した典型的なコンピューターシステムの概略図である。
図3は、様々な実施形態において画像取得制御モジュールを実施するためのシステムを示す単純化したブロック図である。
図4は、図3の画像取得制御モジュールによって行われる典型的な制御システムを示すデータフロー図である。
図5は、画像取得制御モジュールによって行われる方法を示すフローチャートである。
図6は、図5のAの続きを示すフローチャートである。
図7は、図5のBの続きを示すフローチャートである。
図8は、図5のCの続きを示すフローチャートである。
図9は、図1の画像システムの2つのエネルギー出力についての概略的なタイミングチャートを示す。
〔詳細な説明〕
次の記載は、単に典型的なものである。図において、対応する部材番号は、対応する部分および特徴を示す。上述のように、本技術は、ルーイビルに営業所を有する米国の「Medtronic Navigation」によって販売されているO−アーム(登録商標)画像処理システムのような、最適化された画像取得を画像処理装置に設けるようにしてもよい。しかしながら、本技術は、C−アーム画像処理装置のような適切な画像処理装置に適用可能である。さらに、ここに使用されるように、「モジュール」という用語は、計算装置によってアクセスされるコンピュータ読取可能な媒体、特定用途向け集積回路(ASIC)、電気回路、処理装置および1以上のソフトウエアまたはファームウエアプログラム、論理回路および/または他の適切なソフトウエア、ファームウエアプログラムまたは記載の機能を提供する構成要素を実行するメモリということができる。また、ここに提供される値は、単に典型的なキロボルト単位のパルスレート、ミリ秒単位のパルス幅であり、パルスレートおよびパルス幅は、小児科の患者の場合のように特定の患者および臨床の計画に基づいて変化する。
図1について、手術室10において、ユーザ12のようなユーザは、患者14に手術を行う。手術を行う際、ユーザ12は、手術を行うために、患者14の画像データを取得するために画像処理システム16を使用可能である。患者14から取得された画像データは、X線画像処理システム(ここに記載のものを含む)を用いて取得された2次元(2D)投影像を含む。しかしながら、ここに記載のように、体積モデルの2Dの前方の投影像が生成されると理解すべきである。
ある例において、モデルは、取得された画像データを使用することによって生成される。モデルは、ここに記載のように、代数的反復技術を含む様々な技術を使用して取得された画像データに基づく3次元(3D)体積モデルである。画像データ18は、ディスプレイ装置20に表示され、ここに詳細に記載されるように、画像処理計算システム32と連携してディスプレイ装置32aに表示される。表示される画像データ18は、2D画像、3D画像または時間変化のある4次元画像である。表示される画像データ18は、取得された画像データ、生成された画像データ、両方または両タイプの画像データの融合を含む。
患者14から取得された画像データは、例えばX線画像処理システムを用いて、2D投影像として取得される。2D投影像は、患者14の3D体積画像データを再構成するために使用される。また、理論上または前の2D投影像は、3D体積画像データから生成される。したがって、画像データは、2D投影像および3D体積モデルの一方、または、それら両方である。
ディスプレイ装置20は、計算装置22の一部である。計算装置22は、様々なコンピュータ読取可能な媒体を含む。計算システム22は、様々なコンピュータ読取可能な媒体を含む。コンピュータ読取可能な媒体は、計算システム22によってアクセスされる任意の利用可能な媒体であり、揮発性および不揮発性の記録媒体の両方、取り外し可能な媒体および固定媒体を含む。限定するものではないが、例として、コンピュータ読取可能な記録媒体は、コンピュータ記録媒体および通信媒体を含む。記録媒体は、限定するものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の記録技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスク記録装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記録装置または他の磁気記録装置、またはコンピュータ読取可能な指示、ソフトウエア、データ構造、プログラムモジュール、計算システム22によってアクセスされる他のデータを記録するために使用される他の媒体である。コンピュータ読取可能な媒体は、直接またはインターネットのようなネットワークを介してアクセスされる。
ある例において、計算システム22は、キーボードのような入力装置24、計算システム22と接続された1以上の処理装置26(1以上の処理装置は、マルチプロセッシングコアプロセッサー、マイクロプロセッサーなどを含む。)を含む。入力装置24は、タッチパッド、タッチペン、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジョイスティック、ワイヤレスマウスまたはこれらの組み合わせのような、計算システム22と接続することを可能にする任意の適切な装置を含む。さらに、計算システム22は、表示装置20とは独立して入力装置24を含むものとして、ここに記載および例示されているが、計算システム22は、タッチパッド型またはタブレット型計算装置を含んでもよく、さらに画像処理装置16と連携した画像処理計算システム32内に統合されるか、その一部であってもよい。
接続部28は、データ通信のために計算システム22とディスプレイ装置20との間に設けられ、ディスプレイ装置20を駆動して、画像データ18を表示させることを可能にする。
画像処理システム16は、ルーイビルに営業所を有する米国の「Medtronic Navigation」によって販売されているO−アーム画像処理システムを含む。選択された期間における使用において、O−アーム画像処理システムおよび他の適切な画像処理システムを含む画像処理システム16は、2009年5月13日出願の米国特許出願12/465,206の「System And Method For Automatic Registration Between An Image And A Subject」に記載され、ここに組み込まれる。O−アーム画像処理システムおよび他の適切な画像処理システムに関する追加の記載は、米国特許出願7,188,998、7,108,421、7,106,825、7,001,045および6,940,941に存在し、ここに組み込まれる。
O−アーム画像処理システム16は、画像処理計算システム32を含む移動カート30とソースユニット36および検出器38が配置される画像処理ガントリー34とを含む。図2に関して、図は、本開示の手引きと組み合わせて使用される、画像処理計算システム32の典型的な実施形態いくつかまたは全ての構成要素を示すために提供される。画像処理計算システム32は、様々なコンピュータ読取可能な媒体を含む。コンピュータ読取可能な媒体は、画像処理計算システム32によってアクセスされる任意の利用可能な媒体であり、揮発性媒体、不揮発性媒体、取り外し可能な媒体および固定の媒体を含む。例えば、限定するものではないが、コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ記録媒体および通信媒体を含む。記録媒体は、限定するものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の記録技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスク記録装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記録装置または他の磁気記録装置またはコンピュータ読取可能な指示、ソフトウエア、データ構造、プログラムモジュール、計算システム22によってアクセスされる他のデータを記録するために使用される他の媒体である。コンピュータ読取可能な媒体は、直接またはインターネットのようなネットワークを介してアクセスされる。
ある例において、画像処理計算システム32は、ディスプレイ装置32およびシステムユニット32bを含む。例示のように、ディスプレイ装置32aは、コンピュータビデオスクリーンまたはモニターを含む。画像処理計算システム32は、少なくとも1つの入力装置32cを含む。システムユニット32bは、分解図の100において示されるように、処理装置102およびメモリ104を含み、メモリ104はソフトウエア106およびデータ108を含む。
この例において、少なくとも1つの入力装置32cは、キーボードを含む。しかしながら、少なくとも1つのユーザ入力装置32cは、タッチパッド、タッチペン、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジョイスティック、ワイヤレスマウスまたはこれらの組み合わせのような、画像処理計算システム32と接続することを可能にする任意の適切な装置であると理解されるべきである。さらに、画像処理計算システム32は、ディスプレイ装置32aとともにシステムユニット32bを含むものとして、ここに例示および記載されているが、画像処理計算システム32はタッチパッドまたはタブレット計算装置を含んでもよい。
図3−9について述べられているように、画像処理計算システム32は、ソース36および検出器38を制御して、メモリ104に記憶され、処理装置102によってアクセスされる画像取得制御モジュール110を介して画像データの取得を最適化する。接続は、データ通信のために処理装置102とディスプレイ装置32aとの間に設けられ、ディスプレイ装置32aを駆動して、画像データ18を表示させることを可能にする。
図1について、移動カート30は、ある手術室から他の手術室に移動させられ、ガントリー34は、ここに記載のように移動カート30に対して移動可能である。これにより、画像処理システム16は、多くの資本支出または固定の画像処理システム専用の空間を必要とすることなく、多くの位置において、および、多くの手術に用いることができる。
ソースユニット36は、検出器38によって検出されるように、患者14に対してX線を放射することが可能である。当業者であれば理解できるように、ソース36によって放射されるX線は、円錐状に放射され、検出器38によって検出される。ソース36/検出器38は、一般的にガントリー34内において、対向している。また、ガントリー34は、患者14に対して、矢印40の方向に等しく揺れ動く、または、弧を描くように動く(ここでは、揺れ動くものとして記載されている。)ことが可能であり、患者の支持またはテーブル15に配置される。ガントリー34は、矢印42のように患者14に対して傾き、患者14および移動カート30に対して線44に沿って長さ方向に移動し、移動カート30に対して線46に沿って、患者14に対して横に上下に移動し、患者14に対して矢印48の方向に垂直に移動し、患者14に対して任意の好ましい位置においてソース36/検出器38の配置が可能となる。
O−アーム画像処理装置16は、画像処理計算システム32によって正確に制御され、患者14の正確な画像データを生成するように、患者14に対してソース36/検出器38を移動させる。また、画像処理システム16は、有線接続、無線接続または画像処理システム16から処理装置26への転送のための物理的媒体を含む接続部50を介して処理装置26と接続される。したがって、画像処理システム16を用いて集められた画像データは、案内、表示、再構成などのために、画像処理計算システム32から計算システム22に転送される。
具体的に、様々な実施形態において、画像処理システム16は、案内のない手術または案内された手術で使用される。案内された手順において、光学ローカライザー60および電磁気ローカライザー62の一方または両方を含むローカライザーは、磁場を生成するため、または、患者14に対して案内領域において信号を送受信するために使用される。患者14に関する案内空間または案内領域は、画像データ18として記憶され、案内空間内に定められた案内空間および画像データ18によって定められた画像空間の記憶を可能にする。患者追跡部または動的参照フレーム64は、患者14に接続され、画像データ18について、患者14の動的な記憶および記録の保持を可能とする。
器具66は、患者14に対してトレースされ、案内された手術を可能にする。器具66は、光学追跡装置68および/または電磁気追跡装置70を含み、光学ローカライザーおよび電磁気ローカライザーの一方または両方を用いて器具66の追跡が可能となる。器具66は、ナビゲーションインターフェース装置74とともに通信ライン72を含む。通信ライン74,78それぞれを使用することによって、プローブインターフェース74は、通信ライン80を用いて処理装置26と通信することができる。通信ラインまたは接続部28,50,76,78,80のうち任意のものが、有線、無線、物理的伝送媒体または他の適切な通信である。なお、適切な通信システムは、それぞれのローカライザーが設けられ、患者14に対して器具66の追跡を可能にし、手術を行うために、画像データ18について器具66の追跡された位置の表示が可能となる。
器具66は、挿入器具および/またはインプラントであると理解されるだろう。インプラントは、心室ステント、血管ステント、脊椎インプラントまたは神経ステントなどを含む。器具66は、神経刺激装置、切除装置または他の適切な器具のような挿入器具である。器具66の追跡は、記憶された画像データ18を用い、患者14内を器具66で直接見ることなく、器具66の位置を見ることを可能にする。
さらに、画像処理システム16は、光学追跡装置82または電磁気追跡装置84のような追跡装置を含み、光学ローカライザー60または電磁気ローカライザー62それぞれを用いて追跡される。追跡装置は、ソース36、検出器38、ガントリー34または画像処理システム16のうち他の部分と直接接続され、選択されたフレームについて、検出器38の位置を決定する。例示のように、追跡装置82,84は、ガントリー34のハウジングの外面に配置される。したがって、画像処理システム16は、患者14に対して追跡され、器具66が患者14の初期記憶、自動記憶または継続的な記憶を可能にする。記憶および案内された手術は、上述の米国特許出願12/465,206に記載されている。
さらに、図1について、手術室10は、ゲート装置、心電図またはECG112を選択的に含み、皮膚電極を介して患者に接着され、画像処理システム32と通信する。したがって、画像は、生理的信号が引き金となり、タイムゲートの基準に基づいて画像処理システム16から取得される。例えば、ECGまたはEGM信号は、皮膚電極、器具66を含む検出電極または独立した基準プローブ(図示せず)から取得される。心室脱分極または心房性脱分極と関連したR波ピークまたはP波ピークのような信号の特性は、画像処理計算システム32のための引き金となる出来事として使用され、ソース36を駆動する。画像データ18の取得をタイムゲートすることによって、画像データ18は、ここに詳細に記載されるように、特定の段階において、関心の臓器の3D映像を提供するよう再構成される。
案内された手術において、ECG112は、ナビゲーションデータをタイムゲートするための使用が可能である。これに関して、心室脱分極または心房性脱分極と関連したR波ピークまたはP波ピークのような信号の特性は、電磁気ローカライザー62におけるコイルを駆動するための引き金となる出来事として使用される。さらに、ナビゲーションデータのタイムゲートに関する詳細は、2002年11月19日出願の米国特許出願7,599,730の「Navigation System for Cardiac Therapies」に記載され、ここに組み込まれる。
図3における単純なブロック図は、様々な実施形態において、画像取得制御モジュール110を実施するための典型的なシステム114を示す。ある例において、画像取得制御モジュール110は、入力装置32cからユーザの入力を受ける。なお、表示装置は、ディスプレイ装置32aを含むものとしてここに例示および記載されているが、画像処理計算システム32は、ディスプレイ装置20に画像データ18を出力することも可能である。
画像取得制御モジュール110は、ソース36にソース出力信号116を送る。記載のように、ソース出力信号116は、特定のパルスレートおよびパルス幅で、1以上のX線パルス118a...118nを出力および放射するためにソース36のための信号を含む。
画像取得制御モジュール110は、移動信号120をソース36に出力して、ガントリー34内のソース36の位置を移動させ、画像取得制御モジュール110は、移動信号122を検出器38に出力して、ガントリー34内の検出器38の位置を移動させる。一般的に、ソース36および検出器38は、ガントリー34において、患者14の長軸14Lの周りに約360°移動することが可能である。患者14に対する検出器38およびソース36の動きは、画像処理システム16が、患者14に対して複数の選択された位置および方向で、画像データを取得することを可能にする。
これに関して、2D投影画像データは、最適な位置に、患者14の周りに移動するソース36/検出器38の位置によって、患者14周りのソース36/検出器38の実質的に環状または360°の動きによって取得される。また、ガントリー34の動きによって、ソース36/検出器38は、真円で移動する必要はなく、螺旋状に動いてもよく、他の回転の動きでもよい。また、経路は、ガントリー34およびソース36/検出器38を含む画像処理システム16の動きに基づく、実質的に非対称および/または非線形であってもよい。すなわち、経路は、次の最適な経路において、ソース36/検出器38が止まることができ、来た方向に戻る(例えば、振動)ことなどが可能である点において、連続している必要はない。したがって、ソース36/検出器38は、ガントリー34が傾くか、または、移動し、ソース36/検出器38が停止し、通過した方向に戻るように、患者14の周りを完全に360°移動する必要はない。さらに、ソース36および検出器38の動きについての詳細は、2003年3月18日出願の米国特許出願7,108,421の「System and Method for Imaging Large Field−of−View Objects」に記載され、ここに組み込まれる。
再び図3において、パルス118a...118nは、検出器38によって受け取られる。検出器38は、画像取得制御モジュール110に、受信されたパルスに関する信号120を送信することができる。検出器38から受信された信号120に基づいて、画像取得制御モジュール110は、ディスプレイ装置32aまたはディスプレイ装置20において画像データ18を生成することができる。
これに関して、画像取得制御モジュール110は、患者14の関心領域における初期の3次元モデルの自動的な再構成を行うことができる。3次元モデルの再構成は、代数技術または代数最適化の使用のような任意の適切な方法で行われる。適切な代数技術は、当業者であれば理解できるように、期待値最大化法(EM)、サブセット化による期待値最大化法(OS−EM)、同時の代数的再構成法(SART)、全変動最小化法を含む。2D投影像に基づく3D体積再構成を行うアプリケーションは、効率的かつ完全な体積再構成を可能にする。
一般的に、代数技術は、画像データ18として表示するために、患者14の再構成を行うための反復のプロセスを含む。例えば、理論上の患者の図または定型モデルに基づく、または、生成されたもののような理論上の画像データの投影像は、理論上の投影像が患者14から取得された2D投影画像データに合うまで反復的に変化される。そして、モデルは、患者14の取得された2D投影画像データから適切に3D体積再構成モデルに変換され、案内、診断または計画のような外科的介入において使用される。理論モデルは、理論モデルを再構成するために理論上の画像データに関連づけられている。このように、モデルまたは画像データ18は、画像処理システム14を用いて、患者14から取得された画像データに基づいて作成される。画像取得制御モジュール110は、画像データ18をディスプレイ装置32aまたはディスプレイ装置20に出力する。
図4におけるデータフロー図は、画像取得制御モジュール110において搭載されている画像取得制御システムの様々な構成要素を示す。画像取得制御モジュール110は、画像処理システム16を制御して、ディスプレイ装置32aおよび/またはディスプレイ装置20への表示のための画像データ18を生成する。本開示における画像取得制御システムの様々な実施形態は、画像取得制御モジュール110内に搭載される任意の数のサブモジュールを含む。示されているサブモジュールは、画像データ18を生成するように組み合わせられる、および/または、配分される。さらに、画像取得制御モジュール110は、処理装置108において動作する、非一時的な機械可読コードで表現された1以上のソフトウエアモジュールを含む。システムへの入力は、入力装置32c、入力装置24から受け取る、または、計算システム22または画像処理システム32内の他の制御モジュール(図示せず)から受け取る、および/または、画像取得制御モジュール110(図示せず)内の他のサブモジュール(図示せず)によって決定される。
再度図4において、画像取得制御モジュール110は、画像制御モジュール130、ソース制御モジュール132および検出器制御モジュール134を含む。画像制御モジュール130は、ユーザ入力データ136の入力を受け取ることが可能である。ユーザ入力データ136は、入力装置32cまたは入力装置22から受けた入力を含む。ユーザ入力データは、特定の形式の画像処理を行うための画像システム16の要求を含む。他の例において、ユーザ入力データ136は、2重エネルギー画像処理または単一エネルギー画像処理を行うための画像処理システム16の要求を含む。ユーザ入力データ136に基づいて、画像制御モジュール130は、ソース制御モジュール132のためのソースデータ138を設定することができる。ソースデータ138は、画像処理システム16を起動するための信号、画像処理システム16の電源を切るための信号、ゲート画像処理を行うための信号、2重エネルギー画像処理を行うための信号および単一エネルギー画像処理を行うための信号を含む。
画像制御モジュール130は、検出器のデータ140の入力を受け取ることができる。検出器のデータ140は、検出器38によって受信されたパルス118a−118nからのエネルギーを含む。検出器のデータ140に基づいて、画像制御モジュール130は、ソース制御モジュール132のための移動データ142と、検出器制御モジュール134のための移動データ144とを設定する。移動データ142は、患者14についての追加の画像データを取得するために、ガントリー34内の所定の角張った位置に移動されるようソース36のための信号を含む。移動データ144は、患者14についての追加の画像データを取得するために、ソース36に対して、ガントリー34内の所定の角張った位置に移動されるよう検出器38のための信号を含む。画像制御モジュール130は、検出器のデータ140に基づいて、画像データ18を出力することができる。画像データ18は、患者について再構成された3D画像を含む。
再度図4について、ソース制御モジュール132は、画像制御モジュール130からソースデータ138および移動データ142の入力を受け取ることができる。移動データ142に基づいて、ソース36は、ガントリー34内の所望の位置に移動することが可能である。ソースデータ38に基づいて、ソース36はパルスデータを出力することができる。パルスデータ146は、ここに詳細に記載されるように、少なくとも1つのX線パルスを含み、いくつかの例において、1以上のX線パルスを含む。
検出器制御モジュール134は、移動データ144および検出器のデータ140の入力を受け取る。移動データ144に基づいて、検出器138は、ガントリー34において、ソース36の位置に対して所望の位置に移動することが可能である。検出器制御モジュール134は、画像制御モジュール130のための検出器のデータ140を設定することが可能である。
図5におけるフローチャートは、画像取得制御モジュール110によって行われる典型的な方法を示す。図5−8に記載されているフローチャートは、画像取得制御モジュール110が画像データ18を好ましい順序またはユーザが要求する順序で生成するときの、単に典型例である。図5の判定ブロック200において、方法は、起動要求信号が入力装置32cを介して受け取られたかどうか判定する。起動要求信号が入力装置32cを介して受け取られるまでループする。起動要求信号が受け取られると、判定ブロック202に進む。
判定ブロック202において、方法は、画像処理システム16のソース36についてのエネルギー出力のタイプが特別であるかどうか判定する。ソース36の出力のタイプが特別であるならば、方法は判定ブロック204に進む。そうでなければ、方法はループする。判定ブロック204において、方法は、ソース36の出力のタイプがゲート画像取得かどうか判定する。ソース36の出力のタイプがゲート画像取得であるならば、方法は図6のAに進む。そうでなければ、方法は判定ブロック206に進む。
判定ブロック206において、方法は、ソース36についての出力のタイプが単一エネルギー出力であるかどうか判定する。ソース36の出力が単一エネルギーの画像処理出力であるならば、方法は図7のBに進む。そうでなければ、方法は判定ブロック208に進む。判定ブロック208において、方法は、ソース36についての出力が2重エネルギー出力であるかどうか判定する。ソース36についての出力が2重エネルギー出力であるならば、方法は図8のCに進む。そうでなければ判定ブロック202にループする。
図6のブロック300において、方法は、少なくとも1つの生理学的信号を取得する。そして、判定ブロック302において、方法は、引き金となる出来事が生じているかどうか判定する。引き金となる出来事が生じているならば、方法はブロック304に進む。そうでなければ、方法は引き金となる出来事が生じるまでループする。ブロック304において、方法は第1パルスレートで第1パルス118aを出力する。そして、ブロック306において、方法は、第1パルス118aのための検出器のデータ140を取得する。判定ブロック308において、方法は、他の引き金となる出来事が生じているかどうか判定する。他の引き金となる出来事が生じているならば、方法はブロック310に進む。そうでなければ方法はループする。
ブロック310において、方法は、異なるパルス幅、パルス高さの第2パルスレートで、第2パルス118bを出力する。第2パルスレートの幅および/または高さは、第1パルスレートの幅および/または高さより、大きい、小さいまたは等しい。例えば、第2パルスレートは、第2キロボルト(kV)値、ミリ秒単位(ms)の第2幅値を有し、第1パルスレートは、第1キロボルト(kV)値、ミリ秒単位(ms)の第1幅値を有し、それらは互いに等しい、または、等しくない。ある例において、第1キロボルト(kV)値は、約100kV〜約120kVであり、例えば110kVであり、第2キロボルト(kV)値は、約70kV〜約90kVである。第1幅値は約5msから約15msであり、例えば約10msであり、第2幅値は約10ms〜約20msであり、例えば15msである。
ブロック312において、方法は、第2パルス118bのための検出器のデータ140を取得する。ブロック314において、判定ブロック314において、方法はソース36および検出器38を移動させる。そして、判定ブロック316において、方法は、十分な画像データが患者14から取得されたかどうか判定する。これに関して、方法は、ソース36/検出器38が、関心領域における3D再構成を可能にするために適切な数の画像データのフレームを集めたかどうか判定する。ある例において、ソース36/検出器38は、約180〜240フレームの画像を取得し、ソース36/検出器38が患者14の周りを完全に360°取り囲んでいない、または、移動していないとしても、約360°相当の画像データを集めることに等しい。集められた画像データに基づいて、画像取得制御モジュール110は、関心領域における自動的な再構成を行うことができる。さらに、画像取得技術に関する情報は、2010年10月20日出願の米国特許出願12/908,186の「Selected Image Acquisition Technique to Optimize Model Construction」に記載され、ここに組み込まれる。
十分な画像データが再構成のために取得されると、方法はブロック318に進む。そうでなければ、方法は判定ブロック302にループする。ブロック318において、方法は、検出器のデータ140をコンパイルする。ブロック320において、方法は、3D再構成を使用して、検出器のデータ140を画像データ140に再構成する。ブロック322において、方法は、画像データ18をディスプレイ装置32aに出力する。判定ブロック324において、方法は、パワーダウン要求が入力装置32cを介して受け取られたかどうか判定する。パワーダウン要求が受け取られたならば、終了する。そうでなければ、方法は図5のDに進む。
図7のブロック400において、方法は、パルス118を出力する。パルス118は、単一パルスのエネルギーを含み、キロボルト(kV)値を有し、約80kV〜約125kVであり、パルス118についてのパルス幅は約5ms〜約15msの範囲である。したがって、パルス118は、小さい電流値の幅広いパルスであり、大きさの大きい電流パルスに代えて使用される。
ブロック402において、方法は、そのパルス404について、検出器のデータ140を取得する。ブロック404において、方法は、ソース36および検出器38を移動させる。判定ブロック406において、方法は、十分な画像データが患者14について取得されたかどうか判定する。十分な画像データが患者14について取得されたならば、方法はブロック408に進む。そうでなければ、方法はブロック400に進む。ブロック408において、方法は、検出器のデータ140をコンパイルする。ブロック410において、方法は、3D再構成を使用して、検出器のデータ140を画像データ18に再構成する。ブロック412において、方法は、画像データ18をディスプレイ装置32aに出力する。判定ブロック414において、方法は、パワーダウン要求が入力装置32cを介して受け取られたかどうか判定する。パワーダウン要求が受け取られたならば、方法は終了する。そうでなければ、図5のDに進む。
図8,9のブロック500において、方法は、第1幅および高さを有する第1パルスレートの第1パルス118aを出力し、第2幅および高さを有する第2パルスレートで第2パルス118bを出力する。第2パルスレートの幅および/または高さは、第1パルスレートの幅および/または高さより大きい、小さいまたは等しい。例えば、図9において、第1パルス118aは、第1キロボルト(kV)値550、ミリ秒単位(ms)の第1幅値554を有する。第2パルス118bは、第2キロボルト(kV)値556、ミリ秒単位(ms)の第2幅値560を有する。
ある例において、第1キロボルト(kV)値550は、約90kV〜約120kVであり、例えば110kVであり、第2キロボルト(kV)値556は、約70kVから約90kVであり、例えば80kVである。第1パルスの幅556は、約5ms〜約15msであり、例えば10msである。一方、第2パルスの幅560は、約10ms〜約20msの範囲であり、例えば15msである。
図8におけるブロック502において、方法は、第1パルス118aおよび第2パルス118bについて、検出器のデータ140を取得する。ブロック504において、方法は、所定量、ソース36および検出器38を移動させる。判定ブロック506において、方法は、十分な画像データが患者14から取得されたかどうか判定する。これに関して、方法は、図6に記載のように、関心領域における3D再構成を可能にするために、ソース36/検出器38が適切な数のフレームの画像を収集したかどうか判定する。
十分な画像データが患者14について取得されたならば、方法はブロック508に進む。そうでなければ、ブロック510に進む。ブロック510において、方法は、ブロック500にループする前に、アフターグロー効果のための所定期間待機する。
これに関して、ソース36によって放射されたそれぞれのパルス118は、パルス118が放射された後の期間に、検出器38により光を放つ(「残光」)。第1パルス118aおよび第2パルス118bが同じパルスレートである場合、パルス118a,118bに関する残光は、第1パルス118aを除いてほぼ同じである(すなわち、同じ期間において、同じキロボルト、同じミリアンペアである。)。残光がそれぞれの画像について同じであるならば、残光の効果は、処理の間、画像データ18から除去され、それにより実質的に歪みのない画像データ18を生じる。しかしながら、第1パルス118aが異なるパルスレートを有する場合、それぞれのパルスに関する残光は、変化し、残光の効果は、画像データ18から容易に除去することができない。したがって、他の第1パルス118aおよび第2パルス118bを放射する前の所定期間を待つことにより、検出器38は、グローを停止し、残光の効果を実質的に軽減することができる。図9において、他の第1パルス118aおよび第2パルス118bの放射の間の所定期間は、部材番号562で例示されている。
図8のブロック508において、方法は、検出器のデータ140をコンパイルする。ブロック512において、方法は、3D再構成を使用して、検出器のデータ140を画像データ18に再構成する。ブロック514において、方法は、画像データ18をディスプレイ装置32aに出力する。判定ブロック516において、方法は、パワーダウン要求が入力装置32cを介して受け取られたかどうかを判定する。パワーダウン要求が受け取られたならば、方法は終了する。そうでなければ方法は図5のDに進む。
したがって、画像取得制御モジュール110は、画像処理システム16によって画像データ18の取得を最適化する。さらに、ゲート画像取得間においてソース36からの単一エネルギー出力および2重エネルギー出力をユーザが選択可能することにより、画像取得は、特定の患者14に合わせられる。ゲート画像取得において、特定の生理的出来事について画像取得をゲートするための能力は、特定の段階で関心の選択された臓器をユーザが見ることを可能にする。低電流の幅広いパルスの単一エネルギー出力の使用は、高いパワーの発生器として同じ質および解像度で画像データ18を取得するために、移動カート30に関連付けられているもののような低いパワーの発生器で可能にする。2重エネルギー出力の使用は、患者14によって受け取られた放射線量を増加させることなく、高い解像度の画像処理を提供することによって、画像データの取得を最適化する。さらに、画像取得制御モジュール110は、ソース36を制御して、独立したソース36、検出器38およびガントリー34に要求することなく、2重エネルギーパルス118を放射する。
特定の例が図および明細書に記載されているが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、同等の構成要素を代えることが理解されるだろう。さらに、様々な例において特徴、要素および/または機能の組み合わせは、記載がないとしても、当業者が、ある例の特徴、要素および/または機能が他の例と適切に組み込まれることが本開示から解釈されるように考えられる。さらに、多くの変更は、実質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材質を本開示に適合させるようになされる。したがって、本開示は、図および明細書に記載および例示される特定の例に限定されないが、本開示の範囲は、上述の記載内において漏れている任意の実施形態を含む。
手術室における典型的な画像システムを示す図である。
図1の画像システムを使用した典型的なコンピューターシステムの概略図である。
様々な実施形態において画像取得制御モジュールを実施するためのシステムを示す単純化したブロック図である。
図3の画像取得制御モジュールによって行われる典型的な制御システムを示すデータフロー図である。
画像取得制御モジュールによって行われる方法を示すフローチャートである。
図5のAの続きを示すフローチャートである。
図5のBの続きを示すフローチャートである。
図5のCの続きを示すフローチャートである。
図1の画像システムの2つのエネルギー出力についての概略的なタイミングチャートを示す。