JP2014502467A - 拡張された帯域幅を有する平面アンテナ - Google Patents

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Abstract

本発明は、拡張された帯域幅を有する平面アンテナ(201)に関する。当該平面アンテナは、接地面(215)の上方に離れて配置された少なくとも1つの第1の導電素子(211)と、直交する2つの異なる伝搬モードを励起すべく構成された、前記少なくとも第1の導電素子を励起する手段とを含み、前記少なくとも第1の導電素子(211)が、2GHzに対して10より大きい比透磁率を有する異方性材料の少なくとも1つの薄層を含む基板により実現される。本発明は、特に移動通信端末に適用される。

Description

本発明は拡張された帯域幅を有する平面アンテナに関する。これは特に移動通信端末に適用される。
本発明は、例えば、拡張された帯域幅を有するマイクロ波平面アンテナに適用される。
多くの機器、特に携帯電話は、柔軟で一体化が容易な構造のために、平面マイクロストリップ技術を採用したアンテナを使用している。
しかし、当該アンテナは、これらの機器に組み込むために、広帯域幅、大ゲイン、小寸法を有し、低コストである等、特定の基準を満たさなければならない。これらの基準は往々にして、特に帯域幅、高効率(大ゲイン)、および小寸法に関して同時に満たすことができない。特に、高効率を得るには、当該アンテナの帯域幅は一般に狭く、5%程度である。
アンテナの寸法を犠牲にして帯域幅を広げるための、アンテナの形状変更に基づくいくつかの技術が提案されている。他の技術は、損失性誘電基板の使用、放射素子へのスロットの挿入、近傍コンテキストの使用、および高インピーダンス面を有する材料の使用に依存する。
そのようなアンテナの例が、J. Anguera他により2004年に発表された論文「Stacked H−shaped microstrip patch antenna」(Antennas and Propagation、IEEE Transactions、983〜993頁)に記載されている。
上記論文には、接地面の上方に配置されていて同軸プローブにより基本モードで励起状される第1の放射素子、および第1の要素の上方に配置されていて、第1の放射素子内に電流が生じて第2の要素を励起させるように第1の放射素子により容量性結合により励起された第2の放射素子を含むパッチアンテナが記載されている。金属パッドは、導電層を互いに電気的に絶縁すべく誘電体として機能する空気の層により互いに分離された各種の層間の接続を可能にする。
上記論文において、2つの放射素子の大きさは同一ではなく、第2の放射素子は第1の放射素子より大きい。その結果、2つの異なる周波数帯域が生じる。
そのようなアンテナの帯域幅は従来の構造よりも広いが、アンテナの大きさが嵩張ることが短所である。このことから、この種のアンテナは、通信機器への一体化というニーズを満たすにはアンテナの厚さが比較的大きくなるため、一体化が極めて困難になる。
本発明の目的の一つは、従来技術の公知のアンテナに比べて帯域幅が広く同時に寸法が小さいアンテナを提案することにより、従来技術のアンテナの短所の全てまたはいくつかを軽減することである。
本発明の目的の一つは、効率の良い、換言すれば放射の効果が向上したアンテナを提案することである。
本発明の別の目的は、平坦化技術による薄層で作られ、同様にアンテナの配列または任意の通信システムに一体化可能なように寸法を小さくできるアンテナを提案することである。
本発明の別の目的は、デュアルモードアンテナ、換言すれば、簡単な給電/励起装置により得られる2つの近い共振周波数でアンテナ内を伝搬する電磁場の2つの偏波モードを有するアンテナを提案することである。
本発明の別の目的は、2つの互いに直交する偏波モードを有し、結果的に生じる電磁場の向きが周波数に応じて変化するアンテナを提案することである。
本発明の別の目的は、マイクロ波装置と正確に整合する入力インピーダンスを有するアンテナを提案することである。
本発明の別の目的は、大量生産に向いた低コスト且つ製造が簡単なアンテナを提案することである。
この目的のため、本発明の主題は、電磁波の発信または受信に適した平面アンテナであり、当該アンテナは、接地面の上方に離れて配置された少なくとも1つの第1の導電素子と、直交する2つの異なる伝搬モード(特に2つの共振モード)を励起すべく構成された、前記少なくとも第1の導電素子を励起する手段とを含み、前記少なくとも第1の導電素子が、2GHzに対して10より大きい比透磁率を有する異方性材料の少なくとも1つの薄層を含む基板により実現されることを特徴とする。
本発明によるアンテナの一実施形態によれば、少なくとも1つのスロットが接地面に形成され、少なくとも1本の伝送線により前記少なくとも1つの第1の導電素子への電磁結合による給電を可能にし、前記少なくとも1つのスロットが、当該伝送線の方向と30°〜60°の範囲の第1の角度をなす方向に延在する第1の開口部により、および第1の開口部の方向と−30°〜+30°の範囲の別の角度をなす方向に延在する第2の開口部により実現されることを特徴とする。
本発明によるアンテナの利点は、薄層異方性材料の存在および/または導電または放射素子のエッジおよびそれらの相互配置に関する開口部の配置により、アンテナの電磁場が、2つの別々だが近接して互いに直交する伝搬モードに従い強制的に伝搬されることにより、当該アンテナが公知のアンテナの帯域幅よりも広い帯域を1つだけ有し、アンテナの構造および寸法が複雑にならない、という事実にある。デュアルモードアンテナはこのように作成される。
当該平面アンテナの実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。すなわち、
− 各開口部は、前記少なくとも1つの第1の導電素子の隅に近接して、前記隅から、電磁波長のほぼ3分の1に等しく、有利には波長のほぼ4分の1に等しい最大距離に配置された点を含む、
− 当該近位点は実質的に、前記隅と前記少なくとも1つの第1の導電素子の反対側の隅を結ぶ対角線上に配置されている、
− 前記少なくとも1本の伝送線が各開口部と、当該開口部が延在する方向に、30°〜150°の範囲の角度で交差する、
− 前記少なくとも1つの第1の導電素子は、2つの直交方向(X、Y)で異なる寸法を有している、
− 前記少なくとも第1の導電素子は、2GHzに対して10より大きい比透磁率を有する異方性材料の少なくとも1つの薄層を含む基板により実現される、
− 基板は更に、2GHzに対して10より大きい比透磁率を有する誘電性材料の少なくとも1つの薄層を含み得る、
− 基板は、異方性材料で作られた少なくとも1つの薄層と誘電性材料で作られた少なくとも1つの薄層が交互に重なり合った積層を含むことができ、薄層の厚さはλ/500〜λ/300の範囲にある、
− 前記少なくとも第1の導電素子は、2つの直交方向X、Yにおいて等しい、有利には電磁波長の半分に等しい寸法を有している、
−アンテナは、前記少なくとも第1の導電素子の上方に、中間層により離されて配置された少なくとも1つの第2の導電素子を含み得る、
− 前記少なくとも1つの第1の導電素子および前記少なくとも1つの第2の導電素子は同一寸法を有している、
− 開口部が一体化されて1つのスロットだけを形成し、前記少なくとも1本の伝送線は当該スロットに対向して配置されることにより、第1の開口部を介して、且つ第2の開口部を介して前記少なくとも1つの第1および1つの第2の導電素子との電磁結合が生じる、
− 前記単一スロットは「L」字形をなしており、伝送線は前記「L」字の隅に対向して配置されることにより、前記少なくとも導電素子の平面内で、「L」字の2軸の各々と30°〜60°の範囲の角度、有利には45°の角度をなす。
これらの実施形態は、更に以下の利点をもたらす。すなわち、
− 発信または受信された電磁波長の3分の1、または実際には4分の1の距離に配置された2つの開口部を用いるか、または導電または放射素子のうち1つの隅に整列配置された「L」字形スロットを用いることにより、アンテナの電磁場の2つの伝搬モードを励起することが可能になる、
− 導電素子のうち1つに対し、比透磁率および特に2GHzに対して10より大きい比誘電率が調整可能な多重交代異方性磁気誘電複合基板を用いることにより、平面アンテナの帯域幅を増大させると同時に、その小型化を図ることが可能になる、
− 導電素子のうち1つの隅に整列配置された「L」字形スロットを用いることにより、製造が簡単な給電/励起装置が構成され、所望の種類の偏波を維持するために、アンテナの電磁場の直交する2つの伝搬モードを励起させるには1つの入口だけを有していればよいことが可能になる、
− 放射または導電素子を接地面から電気的に絶縁することにより、垂直パッドがこれらの素子を接地面に接触させることが回避できるようになるため、平面アンテナの製造が簡単になると共に、アンテナの小型化にも寄与する、
− 電磁場の偏波を、周波数に応じて、0°〜90°の範囲で変動し得る角度だけ回転させる。
他の特徴は、添付図面と合わせて、例示的に与えられる以下の非限定的な詳細説明を精査すれば明らかになろう。
本発明によるアンテナの第1の実施形態の透視図である。 本発明によるアンテナの第2の実施形態の透視図である。 本発明によるアンテナの第2の実施形態の断面図である。 アンテナの単一の方向に従う共振条件を変更するためのアンテナの導電素子の1つの形成に用いる異方性材料の複素透磁率の変化を周波数の関数として表す曲線である。 本発明によるアンテナの給電モードの例の簡略化された模式図である。 それぞれ、本発明によるアンテナの入力インピーダンスの実部および虚部である。 3種類の異なるアンテナを表す簡略図であり、図7aに示す第1の種類は従来技術で公知である。 図7a〜cに示すアンテナの種類について、反射係数を周波数の関数として表す曲線である。 図7cのアンテナの放射の有効性を周波数の関数として表す曲線である。 本発明によるアンテナ内を伝搬する電磁場の3つの各種切断面、および分布を表す図である。 電磁場の成分の軸率の変化を周波数の関数として示す。 切断面と電磁場の方向がなす角度αの変化を周波数の関数として示す。 アンテナの形状および当該アンテナのエッジに対するスロット(または開口部)の位置に応じた、本発明のアンテナの簡略化された模式図による例を示す。
表現の都合上、各図は、特に開口部の大きさだけでなく厚さに関しても原寸比率ではない。
本明細書の説明において、各図は、2つの直交する水平方向XとY、および垂直方向Yを含むXYZ基準フレーム関して配置されており、「上」/「下」、「上方」/「下方」、「直上」/「直下」という用語は方向Zに関して定義されている。
以下の説明において.当業者に公知の特徴および機能については詳細に記述しない。
図1に、本発明によるアンテナの第1の実施形態を透視図で表す。
本発明のアンテナ101は、波長λに対応する動作周波数fで電磁波の発信および/または受信が可能なマイクロストリップ平面アンテナである。典型的には、周波数fは100MHz〜100GHzの間、好適には1GHz〜10GHzの範囲にある。
平面アンテナ101は好適にはマイクロストリップ技術によるものであり、基本的に平面XY上方の半空間内で電磁波を発信する。ここで、発信/受信の主方向は平面XYに垂直でZ方向に一致する。
ここで、アンテナ101は、Z方向において、基本的に水平面内に延在する各種の層の積層を含んでいる。
積層は、接地面115の上方に配置された第1の導電または放射素子111、または接地機能を有する基板を含んでいる。ここで述べる特定の場合において、第1の導電素子は、水平プレートの形状、好適には略矩形または略正方形であるが、後述のように更に別の幾何的形状を有し得る。
本実施形態において、第1の導電素子111は、電磁放射に露出した水平前面を有している。
第1の導電素子111と接地面115を電気的に絶縁するために、これら両者は、例えば厚さが500〜700m程度である層に対応する高さhの誘電層または基板116により分離されている。
本例において、基板116は、比誘電率が3.55に等しく厚さが0.8mmに等しい、ブランドROGERS4003として市販されているROGERS型の誘電薄層とすることができる。接地面115は、銅製とすることができ、厚さが数マイクロメートル、例えば9μmから数mmの範囲とすることができる。
マイクロストリップ伝送線は、接地面115に設けられたスロット120を介して第1の導電または放射素子111に給電すべく接地面115の下に配置されている。
ここで、伝送線は、ROGERS4003型の基板に印刷されたマイクロストリップ線とすることができ、特性インピーダンスは50オームに等しい。この線の寸法は、基板の厚さと誘電率に基づいて画定することができ、例えば幅が1.2mm、長さが6cmとすることができる。
接地面115と伝送線117の間に、伝送線を当該平面の下に維持して後者から電気的に絶縁すべく、図示しない基板形成層を設けることも考えることができる。
接地面115は、放射素子111から伝送線117を絶縁してアンテナの放射パターンに対する寄生放射の干渉を制限するため、偏波が純粋になる。
公知の方法により、伝送線、電気パラメータ、およびアンテナを構成する様々な層の寸法およびスロットの大きさを用いてアンテナを最適化する。
本発明によれば、導電素子に対するスロット120の位置および形状は、後述のように、アンテナの性能、特にその帯域幅に影響を及ぼす。
本発明の第1の実施形態によれば、第1の導電または放射素子111は、透磁率および誘電率が共に調整可能な薄層異方性磁気誘電複合基板により実現される。
例えば欧州特許出願公開第2200051号明細書開示された材料を本発明の枠組みの範囲内で用いて導線素子111の共振条件を変更することができる。
より具体的には、第1の導電素子は、関心対象である周波数帯、例えば2GHzの周波数に対して10より大きい比透磁率を有する強磁性材料の少なくとも1個の層により実現され、当該層の厚さは当該強磁性材料の外皮厚より厳密に薄い。この厚さは、25〜80nm程度とすることができる。
当該強磁性材料層と接地面115の間に、当該層を接地面から電気的に絶縁すべく誘電層を設けることも考えることができる。
複合基板を、磁気および導電、誘電薄層の積層により実現することも可能である。当該積層は、層111により形成された導電層の共振条件を変更可能にする。
これらの層の磁気材料は、単独で用いることも反強磁性材料と組み合せた強磁性材料とすることもできる。
例えば、当該複合材料は、複数の細長い強磁性副層の第2の積層に自身が重ね合わされた絶縁細長副層に重ね合わされた複数の細長い強磁性副層の第1の積層を含んでいる。
細長い強磁性副層の積層は、例えば、第1の強磁性副層と誘電副層との界面を保証する第1の中間副層、強磁性副層、反強磁性副層、第2の強磁性副層、および第2の中間副層で構成され得る。
第1の中間副層は例えば、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、またはプラチナ(Pt)で作られている。その厚さは10nm未満とすることができる。
第1の強磁性副層の厚さは、強磁性材料の外皮厚の厚さより薄い、好適には当該外皮厚の半分または3分の1未満である。ここで、その厚さは100nm未満、好適には50または25nm未満である。強磁性副層の厚さをそのように選択することにより、材料の磁気損失が抑制される。
典型的に、当該副層は、鉄および/またはコバルトおよび/またはニッケル合金で作られている。特に、FeCo鉄コバルト合金またはFeCoB合金であってよい。ここではFe65Co35合金である。
反強磁性副層は例えば、マンガン合金、特にマンガンおよびニッケル合金で作られている。例えば、ここでは、ニッケルマグネシウム合金Ni50Mn50である。反強磁性層の存在により、材料が自動偏波され、従って人工的な外部磁場の存在を必要としないように交換結合の生起が可能になる。
典型的に、当該副層の厚さは、100nm未満、例えば50nm未満である。
第2の強磁性副層は、例えば第1の強磁性副層と同一である。同様に、第2の中間副層は、例えば第1の副層と同一である。
絶縁副層は、例えば2または3GHzにおいて、比誘電率が10より大きく、好適には関心対象の周波数帯において100より大きい誘電性材料で作られている。当該副層は典型的には、ストロンチウム(Sr)およびチタン(Ti)の酸化物を用いて作られている。例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)である。誘電副層の厚さは、10μm未満または1μm未満である。一般に強磁性副層および反強磁性副層よりも厚い。
第2の積層は、例えば第1の積層と同一であるため、より詳細には記述しない。
本実施形態の変型例によれば、導電素子111および当該素子を接地面から分離する誘電層を、高透磁率の異方性磁気材料で作られた薄層と、高誘電率誘電性材料で作られた薄層を交互に重ねたもので代替することができる。
薄層の典型的な厚さはλ/300〜λ/100の範囲にあるのが有利であり、λはアンテナにより発信または受信された波長で、例えば数10〜数100ナノメートルである。
互い違いの積層の数は約1〜10の間で変動し得る。
図2、3に示す第2の実施形態によれば、アンテナ201は、中間層212により分離された2つの導電素子211、213の積層、および当該積層を接地面215から分離する誘電層214を含んでいる。当該導電素子は、より効果的な放射に寄与する。
積層最上部の導電素子213は、例えば金を含み、電磁放射にさらされる水平前面を有している。その厚さは例えば2μmである。
中間層212は二酸化ケイ素で作られ、その役割は2つの導電素子間の電気絶縁である。その厚さは本例では1μmに等しいが、第1の導電素子211と第2の導電素子213の間隔は、所望のレベルのインピーダンス整合に応じてより大きくすることができる。
誘電層214は、基板、例えばガラスを含み得る。
導電素子211は第1の実施形態の導電素子と同一である。当該導電素子は、高導電率の導電材料で作られることも、または更に後述するように、透磁率と誘電率が共に調整可能な薄層異方性磁気誘電複合基板により実現することもできる。
この第2の実施形態の積層は、本例では、長さLが35mmに等しく、幅Wも同じで高さHが500μmに等しく、基板層216(本例では厚さが0.8mmに等しい上述のROGERS4003型の基板)の上に接地面を形成する金属層215に配置された直角平行六面体を形成する。
更に後述するように、これらの寸法により、基本モードTM100の場合のアンテナの共振周波数は2.1GHzである。
第1の実施形態と同様に、接地面215に設けられたスロット220を介してアンテナに給電すべくマイクロストリップ伝送線217(図3)が基板層216(図3)の下に配置されている。
SMAコネクタを用いて伝送線217の終端を介してアンテナに給電することができる。
導電または放射素子は例えば、導電率が100S/mより大きい、好適には1000S/mまたは1MS/mより大きい導電材料で作られている。ここで、共振素子14の導電率は5MS/m以上である。
拡張された帯域幅を有するアンテナを設計するために、2つの導電素子は金属製であり、自身のXおよびY方向への寸法は等しくない。従って アンテナは、自身の寸法に非対称性を有すると言われる。
しかし、当該アンテナの寸法は(正方形のアンテナの場合)同一にすることもでき、金属製材料から導電素子213を、および異方性複合基板から導電元素211を製造することにより拡張された帯域幅を有することができる。
図4に、異方性磁気複合材料の複素透磁率をアンテナに給電する信号の周波数の関数として曲線で示す。第1の曲線401はアンテナの平面内の第1の軸に沿った透磁率の周波数の関数としての変化を表し、第2の曲線402は曲線401の第1の軸に垂直な軸に沿った材料の透磁率の周波数の関数としての変化を表し、2軸共に導電層の平面内にある。
薄層をなす材料の異方性が、上述の2軸に沿って異なる無線電気的特性が存在することで露わになることは明らかであり、第1の軸に沿った比透磁率が周波数2GHzで200程度である一方、第2の軸に沿った比透磁率は1に近い。
従って、アンテナの導電層の一方を構成するのにそのような材料を用いることにより、同一の物理的長さを有する(2つの層が各々XおよびY方向に沿って等しい寸法を有する)が、帯域幅を広げるべく電気的長さが異なる、2つの重なり合った正方形の導電層(層211および層213。図2を参照するに、層211が接地面に最も近い導電素子211であり、層213が電磁波を受信する導電素子213である)を得ることが可能になる。電磁放射側にある導電または放射素子213が、導電素子211とは異なる寸法を有していてよいことに注意されたい。
更に上記から、異方性複合材料は、アンテナが小型であって一体性が高いというニーズを満たすといえる。
図5a、5bに、本発明によるアンテナの2つの給電モードを下側から見た様子を簡略化して模式的に示す。
これらの図を見易くするために、導電素子111または211だけを示す。
図5a、5bによれば、アンテナ500は、4つのエッジを有するパッチの形式で導電素子511を含んでいるが、同図には当該エッジの1つだけを示す。
図5aにおいて、結合による第1の給電モードを示す。
細長矩形の形状を有する第1の開口部512aおよび第2の開口部512bが接地面551に設けられている。
第1の開口部512aは、導電素子511の1つのエッジ520と30°〜60°の範囲の角度をなす方向に延在している。有利には、前記開口部512aは、当該エッジと45°の角度をなす。
第2の開口部512bは、第1の開口部の512aの方向と−30°〜+30の範囲の角度をなす方向に延在している。
好適には、2つの開口部は各々、導電素子511の隅522から電磁波長の3分の1または実際には4分の1に等しい最大距離に配置されている。これらは両方とも同一の隅の近傍にあることも、各々異なる隅の近傍にあることもできる。
2つの開口部512aおよび512bは実質的に、導電素子2つの反対側の隅を結ぶ対角線上に配置されている。これらは同一対角線上にあり得、同一の隅の近傍にあることも、各々が互いに反対側の近傍にあることもできる。これらはまた、2つの異なる反対側の隅を結ぶ2本の異なる対角線上に、且つ放射または導電素子511の同一のエッジ520の近傍に配置することも、各々が導電素子511の2つの反対側のエッジの近傍でこれら2本の対角線上に配置することもできる。
2つの開口部はまた、導電素子511の隅522の近傍で交差して中点512cを形成することができる。
このように、アンテナ内で伝播される電磁場の2つの伝搬モードが強制される。
これら2つの開口部の配置は、接地面に設けられたこれらの開口部が導電素子の中心に向かって、またはアンテナにより発信または受信された電磁波長の半分に等しい距離に配置されている従来技術による開口部の配置とは反対であるため、単一の伝搬モードの、または2つの統合された伝搬モードが存在する場合はそれらの励起を生じさせる。
マイクロストリップ型の伝送線505が、導電素子511に給電すべく接地面551の下側に斜めに配置されている。当該線は、開口部が延在する方向と30°〜150°の角度で各開口部と交差し、角度が90°より大きく広がっているほど、より長い開口部が選択される。この長さは、放射素子の幅の6分の1〜2分の1の範囲とすることができる。
図5bに、第2の好適な給電の態様を示す。
2つの開口部は一体化されて、接地面551に形成されてパッチ501の隅522の近傍に配置される「L」字形スロット503を形成する。
伝送線505は、結合によりアンテナを励起して、直交する2つの別々の伝搬モードを生起させるように、パッチの下側に「L」字の各分岐513a,513bと約45°の角度で斜めに配置されている。
伝送線505は、アンテナのインピーダンス整合を保証すべく、「L」字の角度のレベルでスロット503と交差して、無視できない長さにわたり張り出す。典型的に、この張し出しの長さはλ/20より大きくすることができる。
伝送線505は、2つのモードの各々が充分に給電されるように、2つの分岐513a、513bの一方となす角度が45°とは異なるが好適には30°〜60°の範囲で、スロット503と交差することができる。
従って、伝送線が、アンテナの平面に垂直且つ「L」字の外角と「L」字の内角の中点514を通る軸の回りをピボット回転した場合、各々の分岐513a、513bの長さは同時に45°と異なる角度により生じたアンバランスを補償すべく適合されていなければならない。例えば、分岐513a、513bの一方と伝送線505がなす角度が減少した場合、当該分岐に起因する伝搬モードを向上させるべく当該分岐の長さを増大すべきである。
この第2の給電モードの利点は、伝送線505に導電素子511を励起させるために1つの励起入口しか必要でないという事実にある。これにより、給電/励起装置の製造が簡単になる。
本発明とは対照的に、互いに異なる2つのモードを励起するために、従来技術のアンテナは2つの励起ポートのいずれかを必要とし、各々のポートにより別々の伝送線が導電素子を励起させることができる。公知のアンテナは1本の伝送線だけを有していればよいこともあるが、この場合、2つのモードおよびより大きい給電回路を有するために2つの励起入口が必要である。
本発明によるアンテナの更に別の実施形態によれば、給電は同軸プローブとの接触により実行される。アンテナは、接地面上の基板の表面に配置された放射素子を含むことができる。同軸プローブの中核は好適には、アンテナの放射素子の第1の対称軸(但しその中心ではなく)に接続されている一方、第2の同軸プローブの中核は、2つの異なる直交モードを励起すべくアンテナの放射素子の第2の対称軸(但しその中心ではない)に接続されている。
本発明によるアンテナの給電の更に別のモードによれば、放射素子はマイクロストリップ線との接触により直接給電される。
本発明によるアンテナの給電の更に別のモードによれば、後者は、プローブ、マイクロストリップ線、または共振スロットの使用を含む異なる給電の手段の組合せを用いて給電される。
図6a、6bは各々、本発明によるアンテナの入力インピーダンスの実部のおよび虚部の周波数に応じた挙動を示す。
本発明のアンテナの高共振周波数を表す周波数2.1GHzの第1の共振611、および当該アンテナの低共振周波数を表す周波数2.04GHzの第2の共振612が入力インピーダンスの実部を示す曲線601に見られる。
これら2つの低および高共振周波数は、いくつかのパラメータ、例えば導電素子の寸法、放射素子内を伝搬する電磁場の伝搬の2つの互いに直交して異なる基本モードを励起可能にするスロットの形状と位置により得られる。
本発明のアンテナの最適な動作は、これら全てのパラメータ間の最適な妥協から得られる。
スロットが矩形で放射素子の中央に向かって配置されている場合、単一のモードが励起されるか、またはいくつかの異なるモードが存在できるが一体化される。換言すれば、これら各種のモードの励起は制御されない。
図5a、5bに関して述べたような、自身の導電素子要素への給電モードを有するアンテナを設計する本発明の発想により、所望の伝搬モードを制御することが可能になる。
更に、導電素子の構成の寸法および組成により、2つの伝搬モードは、後述するように、動作周波数の1つの帯域だけを形成すべく互いに適切に配置された2つの異なる共振周波数を生成する。
図7a、7bおよび7cは、3種類の異なる平面アンテナを図示する。図7bおよび7cは本発明によるアンテナの簡略図を表す。W、H、L、Msは、導電素子の幅、長さ、高さであり、Msは電磁場の伝搬軸の一つである。
図7aに示す従来技術から公知の第1の種類のアンテナは、正方形の導電素子701および実質的に当該素子の中心に向かって配置されて接地面に設けられた矩形のスロット711を含んでいる。
スロットは、アンテナが使用する中心波長の約4分の1に等しい長さ、および当該波長の約10分の1に等しい幅を有している。アンテナに給電する伝送線は、アンテナの放射素子を励起すべくスロット711を切断する。直交する2つの伝搬モードが存在する場合、帯域幅が僅か約1%に等しくなるように一体化される(図8参照)。
図7bに示す本発明による第2の種類のアンテナの場合、導電素子は矩形をなし、スロットは放射素子702の隅722の近傍に配置された「L」字形スロット712である。
「L」字形スロット712は、放射素子の長さに平行な「L」字の第1の分岐712a、および第1の分岐712aに垂直な「L」字712bの第2の分岐712bを含んでいる。
「L」字の隅712cは放射素子の隅722の近傍で、実質的に当該隅722と放射素子の対反対側の隅724を結ぶ対角線上に配置されている。
更に、第1の分岐712aは、放射素子の2つの隣接する辺の長さの比L/Wにほぼ等しい比に従い、第2の分岐712bよりも長い。換言すれば、放射素子の分岐に垂直なアンテナの辺が長いほど、当該分岐の長さがより長く選択される。
本例では、アンテナ702は自身の導電層の1つに異方性材料を一切含んでいない。放射素子の寸法が非対称であることと、「L」字形スロット2つの分岐の寸法が等しくないこととが相まって、図8に示すように、周波数が近い直交する2つの別々の伝搬モードを生成し、従ってアンテナの−6dBの帯域幅を広げることが可能になり、当該アンテナの−6dBの帯域幅は約2.6%に等しい。
アンテナの隅722に近接する「L」字形スロットの点(本例では「L」字の外側の隅712c)を放射素子702の中心の近くに移動させることができるが、2つの直交モードの周波数が一体化するまで互いに接近して2つのモードの周波数分離の有利な効果が失われないように、当該素子の前記隅から電磁波長の3分の1を超える距離までは遠ざからないことに注意されたい。
有利には、以下ではスロットの「中心点」と呼ぶ「L」字の外角と「L」字の内角との中点は、放射素子の2つの反対側の隅を結ぶ対角線上で電磁波長の4分の1にほぼ等しい距離に配置されている。
図7cに示す本発明による第3の種類のアンテナは、導電素子703の隅の近傍に配置された「L」字形スロット713を含む正方形の放射素子703を含んでいる。当該素子703の辺は電磁波長の約半分に等しい。
当該導電素子703は、異方性複合材料、例えば図1〜3に関して述べた材料の基板として実現されているため、放射素子の物理的な長さではなく、当該素子の平面内の方向における当該素子の電気的長さを変更することが可能になる。
電気的長さという用語は、物理的な長さを材料の有効透磁率と有効誘電率の積の二乗根で除算したものと理解されたい。
Figure 2014502467
有効透磁率(または誘電率)は、特定の透磁率(または誘電率)との比が比透磁率(または誘電率)を与える量である。
換言すれば、図7bのように導電素子の物理的な長さを変更するのではなく、放射素子の1つに含まれる材料の有効透磁率がアンテナの平面内の各軸上で別々調整される。
材料の異方性特性を利用することにより、正方形および同様の寸法の導電素子の各々が異なる共振周波数をもたらし、アンテナの帯域幅が広がるように2つの周波数が互いに充分近づけられる。
従って、L字形スロットの分岐713a、713bの寸法、すなわちその垂直成分713bおよび水平成分713aは、L字の分岐に対応する各方向への当該材料の透磁率の関数として、更に、導電素子の寸法、すなわちそれらの幅および長さの関数として選択される。
同様に、スロットの各要素713a、713bの寸法もまた、図5a、5bに関して上で述べたように、アンテナに向けて励起信号を導電させる伝送線の位置に依存する。
当該アンテナの−6dB帯域幅は約4.3%に等しい。
帯域幅の幅が、アンテナの2つの導電層211、213(図2参照)の(すなわち2つの放射素子の)間隔の調整、スロットまたはスロット群の寸法の選択、および異方性材料の透磁率の選択を介して調整可能であることに注意されたい。
第2および第3分の種類のアンテナの利点は、放射素子を励起するために各々1つの入口しか必要としないためアンテナの回路への一体化が容易になる点である。実際、追加的な回路なしに1本の伝送線が必要とされる。
これらのアンテナの別の利点は、電磁場の直交する2つの伝搬モードを励起するために単一の給電入口を用いることにより、2つの伝搬モードの間に位相シフトが生じない限り、直線的偏波を維持することが可能になる点である。
図11a、11bに更に示すこれらのアンテナの別の利点は、アンテナ内を伝搬する電磁場の偏波が、信号の周波数に応じて変化する点である。
第3の種類のアンテナの利点は、放射素子の電気的長さの変更に成功するためにその寸法を増大させる必要がもはやないため(図7b参照)、材料の透磁率による2つの導電層の一方の電気的長さの減少がアンテナの小型化に寄与する点である。
更に、渦電流を除去するために2つの導電層間に薄い絶縁しか必要としないため、厚さが極めて薄い、従って寸法が小さいアンテナを得ることが可能になる。
その結果、目標とするアプリケーションに狭い帯域で充分な場合、アンテナの帯域幅を広げることを有利に用いてアンテナの物理的な長さを減らすことができる。
図8は、図7a、7b、7cに示すアンテナの種類について、反射係数を周波数の関数として各種の曲線で表す。
第1の曲線801は、図7aに示す第1の種類のアンテナのS11と表記する反射係数の絶対値の変化を周波数の関数として表す。2つの伝搬モードが一体化された時点から単一の負のスパイク811が出現しており、伝搬条件はアンテナの2軸で同一である。
第2の曲線802は、図7bに示す第2の種類のアンテナの反射係数の絶対値の変化を周波数の関数として表す。当該第2の曲線802には2つの負のスパイク821、822が出現することに注意されたい。
第2のスパイク822とは分離された第1のスパイク821の出現は、アンテナの寸法の1つが長くなったことによるものである。これらのスパイク821、822の各々は電磁波の伝搬モードに対応する。従って直交する2つの伝搬モードが、図7bのアンテナの異なる物理的な寸法を考慮して、周波数において分離されている。
これら2つの別々の直交モードの出現により、−6dB帯域幅は、図7aの第1のアンテナの場合よりも顕著に広い。
アンテナのパラメータ、例えばスロットの寸法、アンテナの寸法、2つの導電層間の間隔が、2つのモードの周波数が離れ過ぎないように選択されていることが必要であり、さもなければ帯域幅は2つのスパイク821、822に対応する2つの別々の部分に分割される。
第3の曲線803は、図7cに示す第3の種類のアンテナの反射係数の絶対値の変化を周波数の関数として表す。第2の曲線802と同様に、当該第3の曲線803に2つの負のスパイク831、832が出現することに注意されたい。
第2のスパイク832とは分離された第1のスパイク831の出現は、アンテナの方向における共振条件を変更する異方性磁気材料の使用に起因する。
当該異方性材料を用いることにより、直交する2つの伝搬モードは従って、周波数において分離されている。これら2つの別々の直交モードの出現により、当該第3のアンテナの−6dBの帯域幅は依然として図7bの第2のアンテナ702の場合よりも広い。
しかし、この特定の場合において、導電素子に関する励起の位置(スロット、伝送線)により、スパイク811の値に関するスパイク822、832の値の減少が見られる。
2本の曲線802、803は、2GHzに近く、−6dBである周波数周辺で平坦域を示す。当該平坦域は、導電または放射素子の組成および寸法、スロットおよび伝送線の相互配置並びに各々の幾何学的形状、および放射素子の1つの隅に対するスロットの配置等のパラメータを変化させることにより、−6dBより低い値、例えば−10dB(特定の通信標準の帯域幅の値に対応する)まで下げることができる。
本発明によるアンテナの性能を評価するために、図9に、図7cのアンテナの放射の効果を当該アンテナの励起信号の周波数の関数として表す曲線901を示す。図9のアンテナが、周波数に応じて強い不均衡を示すことが明らかである。異方性材料の導電率は、当該材料から作られた導電素子の品質に応じて異なる有効性が得られるため、アンテナの性能において重要な役割を果たす。
この有効性が、異方性材料により起動されないモードに対応する高共振周波数において極めて良いことに注意されたい。これはしかし、低共振周波数に向かうにつれて顕著でなくなる。これは、電磁場の時間経過に伴う変動より導電層で生じる渦電流に起因する材料の抵抗損失によるものである。
上で言明したように、本発明の、より具体的には伝送線用に単一の励起入口を備えた第2の実施形態によるアンテナの利点の一つは、本発明によるアンテナ内を伝搬する電磁場の偏波が、周波数の関数としての変化すると共に、0°〜90°の範囲の角度に応じて変動するという事実にある。
従来技術において、2つの励起入口は、電磁場の2つの異なる偏波をもたらす。本発明により、すなわち偏波の励起入口および2つの直交モードを有することにより、回動偏波が得られることがわかる。
この現象を理解するために、図10〜12を説明する。
図10a、10bに、本発明のアンテナの3つの各種切断面、および当該アンテナ内を伝搬する電磁場の分布の簡略図を示す。
平面P1、P2およびP3は、偏波の変動を周波数の関数として強調する基準として定義される。平面P1がX方向の平面に一致し、平面P3がY方向の平面に一致し、平面P2はこれら2平面の間に配置されている。
より具体的には、電磁場が公知の極または円柱座標系で画定されている場合、平面P1とP2が両者の間で角度φに等しい角度を画定し、平面P3とZ方向の平面が角度θに等しい角度を画定する。平面P1ではφ=0°であり、平面P2ではφ=45°、平面P3ではφ=90°である。
電磁場、より具体的には当該電磁場の成分Eは2つの成分を有し、水平面に沿ったEφは角度φを含み、垂直面に沿ったEθは角度θを含んでいる。
本例で選択した電磁場の偏波のモードは直線偏波である。例えば楕円偏波または円偏波等、他の偏波も考えることができる。
平面P1内において異方性材料を含むアンテナ内を伝搬する電磁場の伝搬モードに対応するアンテナの低共振周波数が見られることに注意されたい。平面P3内において異方性材料の影響(一方向だけに介入する)を受けないアンテナ内を伝搬する電磁場の伝搬モードに対応するアンテナの高共振周波数が見られる。平面P2内において電磁場の2つの伝搬モードが共存する。
公知の方法で、楕円偏波の場合、当該楕円の短軸に対する当該楕円の長軸間の比である軸率が定義される。楕円偏波が直線偏波で近似される場合、この比は0または無限大に等しく、関与する軸に全て依存する。
図11a〜12bに、本発明によるアンテナ内を伝搬する電磁場の軸率の周波数の関数としての変化を示す。
アンテナの共振周波数が高い場合は平面P1の軸率が低く、次いでアンテナの共振周波数が低くなるにつれて増大することに注意されたい。
逆に、周波数が高共振周波数から低共振周波数へ減少するにつれて平面P3の軸率が少する。
平面P1およびP3の2つの軸率の間に共通の点が存在し、当該軸率がゼロである点に対応する。この点は、2つの成分EθとEφが等しい2つの周波数の間に存在する。当該共通点は角度φ=45°に対応している。
図11bにおいて、fでは低共振周波数EθがEφより大きいため、本発明のアンテナの材料の異方性の影響が顕著であることに注意されたい。f1ではEθがEφに等しく、材料の異方性は無関係である高共振周波数に対応しているf2の場合、EθはEφより小さくなる。
図12a、12bにおいて、角度αの変化を周波数の関数として示している。この角度αは、平面P1と電磁場Eの方向がなす角度、換言すれば電磁場の伝搬の方向に垂直な第1の軸1211およびアンテナ内を伝搬される信号の電電磁場の軸1221に沿ってにより定義される(図12b)。
図12aに、角度αの変化を周波数の関数として示すことにより、当該電磁場の偏波の変化を周波数の関数として示す。2.04GHzに等しい低共振周波数fにおいて、角度αは約20°に等しく、次いで角度αはf=2,07GHzで約45°に、高共振周波数f=2.1GHzでほぼ90°に増大することに注意されたい。
図13a〜13iに、本発明によるアンテナの実施形態の変型例を示す。これらの変型例は、図5a、5bおよび7b、7cに関して部分的に記述されている。
ここで、アンテナ内を伝搬する電磁場の直交する2つの伝搬モードを励起するべく2つの異なる別々の開口部および2つの互いに直交する方向に沿って配置された2本の伝送線か、あるいは両方のモードを励起する単一の伝送線を有する単一スロットのいずれかが存在する。
2つの開口部が図13aに示すような単一の「T」字形スロットを、または分岐712a、713aおよび712b、713bが図7b、7cに示すスロットの分岐に関して対称である図13dに示すような「L」字形スロットを生成すべく互いに接近できることに発明者らは注目する。
また、図13eに示すように、隣接する辺が導電素子の隅と整列している三角形のスロットを得ることが可能であることに注意されたい。
直交する2つの伝搬モードを励起させるべく、図13hに示すような2つの開口部を必要とする円形の放射素子を用いることも可能である。しかし、発明者らは図13b、13c、13fおよび13gの構成が円形の放射素子に適用できることに注目する。
図13iに示すような楕円形の放射素子の幾何学的形状により、直交モードの励起のために1つのスロットだけを有していればよいことが可能となる。実際に、ここで楕円は、2つの異なる寸法(長軸および短軸)を有しているため、2つの開口部の代わりに1つのスロットだけを有していればよいことが可能である。当該スロットは、本発明のスロットの位置に準拠していれば任意の幾何学的形状とすることができる。図13iの例において、当該スロットは弧状である。
他の多くの実施形態が可能である。
各放射素子は多くの形状が可能である。例えば、ダイヤモンドまたはダイポールの形状をなす正方形または直交パッチであってよい。一般に、この形状は、当該放射素子の本質的部分が延在する平面に垂直な軸に関する対称軸を有している。
簡素化された実施形態において、放射素子111、211の第2の積層および誘電副層は省略されている。更に簡素化された実施形態において、導電または放射素子は、当該強磁性材料の外皮厚よりも厚さが薄い強磁性材料の単一の細長い副層からなる。
変型例として、誘電体として他の材料を用いてもよい。例えば、バリウム(Ba)およびチタン(Ti)の酸化物、特にチタン酸バリウムBaTiO、ハフニウム(Hf)の酸化物、特にHfO、またはタンタル(Ta)の酸化物、特にTa(強誘電性の)であってよい。上記にもかかわらず、例えばBaTiOまたはSrTiO等、より高い比誘電率(バリウムまたはハフニウムの酸化物の場合2または3GHzで100対10程度)を有する灰チタン石が好適である。
合金PtMnまたはIrMn、あるいはより一般的にマンガンを用いた任意の合金、また更には鉄、コバルト、ニッケルの酸化物等、他の材料もまた反強磁性層として利用可能である。
強磁性層として、合金CoFeB、FeNおよびCoFeNが好ましいが、他の材料、特に、鉄、コバルトおよびニッケルから選択された2元素または3元素を関連付けるあらゆる合金も可能である。これらの合金には、任意選択的に、例えばホウ素または窒素を添加してもよい。また、Al、Si、Ta、Hf、Zr等の他の元素に関連付けられていてもよい。
放射導体213は簡単な導線とすることができる。
更に、本発明による少なくとも2つのアンテナは、アンテナの放射の効果並びにゲインを向上させるべく任意の種類の通信システム用のアンテナの配列にグループ化することができる。

Claims (13)

  1. 電磁波の発信または受信に適した平面アンテナ(201)であって、前記アンテナが、接地面(215)の上方に離れて配置された少なくとも1つの第1の導電素子(211、511)と、直交する2つの異なる伝搬モードを励起すべく構成された、前記少なくとも第1の導電素子を励起する手段(505、565、575、585、589)とを含む平面アンテナ(201)において、前記少なくとも第1の導電素子(211、511)が、2GHzに対して10より大きい比透磁率を有する異方性材料の少なくとも1つの薄層を含む基板により実現されることを特徴とする平面アンテナ。
  2. 前記基板が、2GHzに対して10より大きい比透磁率を有する誘電性材料の少なくとも1つの薄層を含んでいる、請求項1に記載の平面アンテナ。
  3. 前記基板が、異方性材料で作られた少なくとも1つの薄層と誘電性材料で作られた少なくとも1つの薄層が交互に重なり合った積層を含み、前記薄層の厚さがλ/300〜λ/100の範囲にある、請求項1または2に記載の平面アンテナ。
  4. 前記少なくとも第1の導電素子(211)が、2つの直交方向(X、Y)で等しい、有利には案内された電磁波長の半分に等しい寸法を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
  5. 前記少なくとも1つの第1の導電素子(211、511、702)が、2つの直交方向(X、Y)で異なる寸法を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の平面アンテナにおいて、前記少なくとも第1の導電素子(211、511、702、703)の上方に、中間層(212)により離されて配置された少なくとも1つの第2の導電素子(213)を含んでいることを特徴とする平面アンテナ。
  7. 前記少なくとも1つの第1の導電素子(211、511、702、703)および前記少なくとも1つの第2の導電素子(213)が同一寸法を有している、請求項6に記載の平面アンテナ。
  8. 少なくとも1つのスロット(120、220)が前記接地面(115、215、501)に形成され、少なくとも1本の伝送線(117、217、505)により少なくとも1つの第1の導電素子(111、211)が電磁結合により給電されるべく構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の平面アンテナにおいて、前記少なくとも1つのスロット(120、220)が、前記伝送線(505)と30°〜60°の範囲の角度をなす方向に延在する第1の開口部(512a、513a、712a、713a)により、および前記第1の開口部の方向と−30°〜+30の範囲の別の角度をなす方向に延在する第2の開口部(512b、513b、712b、713b)により実現されることを特徴とする平面アンテナ。
  9. 各開口部(512a、513a、712a、713a;512b、513b、712b、713b)が、前記少なくとも1つの第1の導電素子(111、211、511、702、703)の隅(522、722)に、前記隅から前記電磁波長3分の1に等しく、有利には前記電磁波長の4分の1に等しい最大距離に実質的に配置された近位点(512c、712c)を含んでいる、請求項8に記載の平面アンテナ。
  10. 前記近位点(512c、712c)が実質的に、前記隅と前記少なくとも1つの第1の導電素子(111、211、511、702、703)の反対側の隅(524、724)を結ぶ対角線上に配置されている、請求項9に記載の平面アンテナ。
  11. 前記少なくとも1本の伝送線(117、217、505)が各開口部と、前記開口部が延在する方向に、30°〜150°の範囲の角度で交差する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
  12. 前記開口部(513a、712a、713a;513b、712b、713b)が一体化されて、前記少なくとも1つの第1の導電素子の隅(522、722)に整列された1つのスロット(512、712、713)だけを形成し、前記少なくとも1本の伝送線(505)が前記スロットに対向して配置されることにより、前記第1の開口部(513a、712a、713a)を介して、且つ前記第2の開口部(513b、712b、713b)を介して前記少なくとも1つの第1および1つの第2の導電素子(211、511、702、703;213)との電磁結合が生じる、請求項8〜11のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
  13. 前記1つのスロットが「L」字(512、712、713)を形成し、前記伝送線(505)が前記「L」字の隅に対向して配置されていることにより、前記少なくとも導電素子(211、511、702、703;213)の平面内で、前記「L」字の2軸の各々と30°〜60°の範囲の角度をなし、有利には前記軸と45°の角度をなす、請求項12に記載の平面アンテナ。
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