JP2014502339A - 移動体上の送信機および/または受信機の協調位置特定の方法および装置 - Google Patents

移動体上の送信機および/または受信機の協調位置特定の方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、無線手段によって信号の送信および/または受信を行うことが可能ないくつかのノードを備える第1の移動体(103)によって保有される第1のノード(131、132)の協調位置特定を行う方法およびデバイスに関し、前記第1のノードを第2の複数ノードから隔てている距離を測定するステップを含み、前記第2の複数ノードのそれぞれは、選択される、次のエンティティ、すなわち、
●第1の移動体(103)、
●前記移動体の送信レンジ内に共に位置する、離れた固定式装置と第2の移動体、
のいずれかによって保有されており、前記第2の複数ノードのすべてのうちの、前記距離測定に使用される少なくとも2つのノードが、別々のタイプの2つのエンティティによって、かつ/または、前記第2の移動体によって保有され、本方法は、前記測定値を利用して、少なくとも前記第1のノードの位置を、少なくとも前記第2の複数ノードのいくつかに対して特定することを可能にするステップを含むことを特徴とする。

Description

本発明は、移動体によって保有される送信機および/または受信機の協調位置特定を行う方法およびデバイスに関する。本発明は、特に、モーションキャプチャ、人の位置特定、身体ネットワークの自動配備、もしくはナビゲーション支援に適用される。
集積化および小型軽量化に関する近年の技術の進歩、ならびに、低ビットレートかつ超低消費電力の無線通信技術の発達により、無線身体ネットワーク、すなわち、BAN(「身体エリアネットワーク(Body Area Networks)」の頭字語)という名前の新しい応用分野が現れている。以下では、用語「身体ネットワーク」および用語「BAN」を区別なく用いる。この種の用途では、無線送信素子および/または無線受信素子は、人体上で、または人体に非常に近接して、ネットワークを形成することを意図されている。このようなネットワークの既知の用途として、特に、「分解端末」(exploded terminal)」(同じ場所にないスクリーン、キーボード、イヤホンなどを含む)、スポーツ装置(心臓周波数計、腕時計、靴上の歩数計)、または医療装置(たとえば、心臓、脳、および筋肉の活動の移動監視)がある。
BANを構成する無線デバイスの位置特定は、以下のような様々な用途で関心を持たれている。
●屋内のあちこちを移動する集団のナビゲーション、および地理的位置特定サービス。
●たとえば、スポーツの動きの追跡のための、または、娯楽やゲームの用途のためのモーションキャプチャ。
●たとえば、リハビリテーション、脆弱者や高齢者の追跡、被災環境で従事する人々(たとえば、燃え上がる建物の内部で従事する消防士)の監視などのための姿勢検出。
無線位置特定は、無線パーソナルネットワーク、すなわち、WPAN(「無線パーソナルエリアネットワーク」)、およびセンサのネットワーク、すなわち、WSN(「無線センサネットワーク」)の文脈で研究されてきており、協調位置特定に関しては、複数のソリューションが、衛星位置特定システムの代替または補足として提案されてきている。特に引き合いに出されうるのは、出版物のN. Patwari, J.N. Ash, S. Kyperountas, A.O. Hero, R.L. Moses, and N.S. Correal,「Locating the nodes: cooperative localization in wireless sensor networks」 Signal Processing Magazine, IEEE, vol. 22,2005年7月,54〜69頁である。これらの位置特定ソリューションは、一般に、各ノードペアのノード間距離の測定をベースとしており、各ノードの相対位置または絶対位置の推定を可能にする。
より最近では、無線身体ネットワーク、すなわち、WBANの枠組内の位置特定の問題を扱う技術が提案されてきている。
したがって、C.P. Figueiredo, N.S. Dias, and P.M. Mendes,「3D localization for biomedical wireless sensor networks using a microantenna」 Wireless Technology, 2008. EuWiT 2008. European Conference,2008年,45〜48頁によって提案された手順では、著者らは、身体上に配置された電極の位置特定の問題に関心を持っている。提案された手順は、身体によって引き起こされる減衰によりよく対処するための低周波無線技術の使用、ならびに、SPA(自己位置特定アルゴリズム)と呼ばれる位置特定アルゴリズムの使用をベースとしている。このアルゴリズムは、RSSI(受信信号強度指標)のメトリック、およびカンチレバー型MEMS(微小電気機械システム)マイクロアンテナの使用によって得られる、様々な電極の間の距離の測定をベースとしている。得られた測定値に基づいて、SPAアルゴリズムは、最小二乗手順を用いて、仮想座標系内の各電極の位置を推定する。しかしながら、この手順は、各オブジェクトペアのオブジェクト間距離の網羅的測定を実施する。さらに、位置特定は、完全に仮想的であり、ネットワークトポロジの自己組織化および自己検出を伴うタイプの用途に限定される。最後に、この手順は、RSSIのメトリック(やや不正確)をベースとしている。
C. Guo, J. Wang, R.V. Prasad, and M. Jacobsson,「Improving the Accuracy of Person Localization with Body Area Sensor Networks: An Experimental Study」 Consumer Communications and Networking Conference, 2009. CCNC 2009. 6th IEEE, 2009年,1〜5頁では、著者らは、屋内での無線身体ネットワークの位置特定の手順の提案および実験評価を行っている。アンテナは、一般には、完全には全方向性でないため、この著者らは、複数の無線オブジェクトを身体全体に分散させ、空間ダイバーシティを利用して、位置特定精度を上げる考えを提案している。距離の測定値は、無線身体ネットワークの各オブジェクトと外部装置(アンカーとも呼ばれる)との間で、RSSI(受信信号強度指標)のメトリックによって得られる。同一身体ネットワークに関して複数のRSSI値が得られるため、2つの位置特定手順が提案されている。第1の手順は、身体ネットワーク全体での平均RSSI値の計算をベースとしている。第2の手順は、各無線オブジェクトによって推定される様々な位置に基づいて得られる平均位置の計算をベースとしている。しかしながら、このソリューションが空間ダイバーシティを利用していても、複数の無線オブジェクトを身体全体に分散させることにより、距離の測定がオブジェクトとアンカーの間でのみ行われることから、協調スキームが限定され、このことから、精度および/またはカバレッジが不十分になることがある。
H. Ren, M.Q. Meng, and L. Xu,「Indoor Patient Position Estimation Using Particle Filtering and Wireless Body Area Networks」 Engineering in Medicine and Biology Society, 2007. EMBS 2007. 29th Annual International Conference of the IEEE, 2007年,2277〜2280頁では、著者らは、身体ネットワーク、すなわち、BANの位置特定を行う技術を提案しており、各BANは単一無線ノードからなる。この技術は、RSSIメトリックとパーティクルフィルタの使用とをベースとしており、これによって、1)アンカー、または通信レンジ内にある他のBANに基づいて得られたRSSIの測定値、ならびに、2)対応する送信電力を結びつけることが可能になって、各無線身体ネットワークの位置の推定が可能になる。しかしながら、この手順では、BANは、単一無線ノードのみで構成され、この場合、複雑な協調スキームを実施することはできない。最後に、使用されるメトリック(RSSI)は、やや不正確である。
C. Lee, H. Lee, and J. Kim,「Performance of a one−way ranging method for WBAN healthcare services」 Communications and Information Technology, 2009. ISCIT 2009. 9th International Symposium, 2009年,1460〜1463頁では、著者らは、TDOA(到達時間差)のメトリック、ならびに、単一無線ノードからなる身体ネットワークと、位置が既知であるアンカーのセットとの間の一方向測距方式の交換をベースとする位置特定技術の性能を評価している。その後、最小二乗手順を用いて、各身体ネットワークの位置を推定する。しかしながら、このソリューションは、位置特定中は協調スキームをまったく実施しない。
F. Chiti, R. Fantacci, F. Archetti, E. Messina, and D. Toscani,「An Integrated Communications Framework for Context Aware Continuous Monitoring with Body Sensor Networks」 IEEE Journal on Selected Areas in Communications, vol. 27, No. 4,2009年5月では、著者らは、医療用途のサポートのための「枠組」を提案している。このシステムは、複数のオブジェクトと、ノードCH(クラスタヘッド)と、現在置かれている環境のレベルで配備されたセンサのネットワークと、で構成される無線身体ネットワークをベースとしている。このセンサネットワークは、主としてノードCHによって使用されて、医療情報の交換および自身の位置特定が可能になる。位置特定は、ノードCHとセンサネットワークのノード群との間のメトリックDoA(到達方向)の推定によって行われる。これらの、送信電力と組み合わせられたDoAの測定値を、パーティクルフィルタおよび動的ベイジアンネットワークをベースとするアルゴリズムで用いて、ノードCHの位置を推定する。しかしながら、ここでも、この技術は、身体ネットワークの特質を利用しない。実際、BAN(クラスタヘッド)のノードのうちの1つだけが、インフラストラクチャ(この例ではセンサネットワーク)と対話することにより、自身の位置特定を行うことが可能になる。BAN内協調スキームも、BAN間協調スキームも使用されない。さらに、距離測定は、RSSIメトリックおよび到達方向に基づく。
いくつかの技術が、無線ネットワークにおける協調位置特定、より具体的には、無線身体ネットワーク、または人体上に配置されたノードの位置特定、追跡、およびモーションキャプチャに取り組んでいる。
第1の系列の技術は、主として、無線ネットワークにおける移動端末または固定端末の協調位置特定の課題を対象とする。特に引き合いに出されうるのは、米国特許出願公開第2008/0268873号という公開番号で参照される米国特許第出願、WO2004/095714という番号で公開されている国際特許出願、欧州特許出願公開第1207404号、および、米国特許出願公開第2007/0225016号、同第2008/0232281号、および同第2002/0055362号という番号で公開されている米国特許出願である。提案されている協調スキームは、主として、一方では、端末と、位置が既知であるアンカー(すなわち、基地局)との間の無線通信をベースとし、他方では、各種端末間の無線通信をベースとする。
第2の系列の技術は、より具体的には、屋内および/または屋外にいる人々の位置特定および/または追跡の課題、ならびに、身体上に配置されたデバイスによるモーションキャプチャを対象とする。
そこで、WO 2008/143379およびWO 2005/096568という番号で公開されている国際特許出願で紹介されている各技術は、非協調の追跡および位置特定の手順を実施する。屋外にいる監督対象者の追跡は、身体上に配置されたGPSモジュールおよびGSMモジュールによって行われる。屋内での位置特定は、人体上に配置されて、ローカルネットワークとリンクされた基地局と通信する無線モジュールによって行われる。しかしながら、これらの技術は、一般に、正確な位置特定および/または良好な位置特定カバレッジを実現することを可能にしない。
米国特許出願公開第2008/0077326号で紹介されている技術は、GPSが利用可能でないリスクがある現場で従事する人々の位置特定および追跡を可能にするシステムおよび手順からなる。特に、各人(またはBAN)に無線モジュールが装着されていて、基地局、または地理的に近接している他の人々との通信が可能になっている。BAN間距離の測定およびアンカーまでの距離の測定は、RSSIメトリックによって行われ、被災ゾーン内の人々の移動の位置特定および追跡を可能にする。
米国特許出願公開第2008/0223131号で紹介されている手順は、超音波ベースのシステムを用いて、移動している人物またはオブジェクトの動きをキャプチャする。人に装着された超音波送信機および超音波受信機自体が、ケーブルによって中央装置とリンクされる。距離測定値は、送信機および受信機の間のやりとりによって得られる。これらの測定値は、その後、慣性センサから発生するデータによって精緻化され、最終的に、人の動きをキャプチャすること、または特定の姿勢を検出することを可能にする。しかしながら、この紹介されている手順は、距離測定を網羅的に行うため、多数回の信号送信が必要である。さらに、この手順は、カバレッジおよび/または精度に関して不十分であることがわかる場合がある。
WO 2007/093641という番号で公開されている国際特許出願で紹介されている発明は、少なくとも2つのソリッド要素と、これら2つの要素をリンクしている少なくとも1つの関節と、からなる関節チェーンの動きを表す情報を確定する自律システムに関する。このシステムは、デバイス間距離を測定する少なくとも2つのデバイスを含んでおり、これらのデバイスは、上記関節チェーンの2つの別個の要素に固定的に装着されて、得られた測定値を送信するように適合されている。さらに、このシステムは、計算手段を含んでおり、この計算手段は、上記関節チェーンに装着されて、上記関節チェーンの動きを表す情報を、測定値に基づいて計算するように適合されている。しかしながら、このシステムは、デバイス間の直線距離に重点を置いており、関節の動きを特定するために、非常に限定されたスポットにデバイスを配置するという制約があり、用途がモーションのキャプチャまたは再現に限定されている。
このように、無線身体ネットワークの位置特定用途の文脈では、既存のソリューションのほとんどが、単一無線オブジェクトからなるネットワークと、かなりシンプルな協調スキームとに基づいている。実際、同一BANネットワークのオブジェクト間の協調(BAN内協調)は存在せず、各種BANネットワーク間の協調(BAN間協調)は、概してクラスタヘッドまたはコーディネータノードとして選択される2つの無線オブジェクトの間の距離測定に限定されている。
さらに、自己組織化タイプまたはモーションキャプチャタイプの用途の文脈では、協調スキームは、同一BANの各無線オブジェクトペアのオブジェクト間距離の網羅的測定を実施することに基づいている。さらに、BAN間協調は存在せず、これらのオブジェクトの位置特定は、一般に仮想型である。
以上の分析から明らかなこととして、無線身体ネットワークの位置特定、自己組織化、またはモーションキャプチャの文脈で提案されているソリューションのほとんどは、過度に単純化されたBAN間協調スキーム(たとえば、2つのノードのみのノード間距離の測定)か、MAC層の性能面をまったく考慮せずに網羅的距離測定を行うBAN内協調スキームしか実施しない。さらに、既存のソリューションのうち、様々なタイプのBAN内測定、BAN間測定、およびアンカー−BAN測定の同時併用を可能にするものはない。
本発明の目的は、移動体上に配置された送信機デバイスおよび/または受信機デバイスを高信頼性および高精度で位置特定する方法を提案することである。移動体は、たとえば、関節を有する移動生体(人体や動物体など)または無機体(ロボットや自動誘導車両など)である。この目的のための本発明の対象は、無線手段によって信号の送信および/または受信を行うことが可能ないくつかのノードを備える第1の移動体によって保有される複数のノードの協調位置特定方法であり、本方法は、前記複数ノードのうちの少なくとも1つの第1のノードについて、前記第1のノードを第2の複数ノードから隔てている距離を、前記無線手段を用いて測定するステップを含み、前記第2の複数ノードのそれぞれは、選択により、次の別々のタイプのエンティティ、すなわち、
●第1の移動体、
●前記移動体の送信レンジ内に離れて位置する固定式装置、
●第1の移動体の送信レンジ内に離れて位置する第2の移動体、
のいずれかによって保有されており、前記第2の複数ノードのすべてのうちの、前記距離測定に使用される少なくとも2つのノードが、別々のタイプの2つのエンティティによって、かつ/または、前記第2の移動体によって保有され、本方法は、前記測定値を利用して、少なくとも前記第1のノードの位置特定を、少なくとも前記第2の複数ノードのサブセットに対して行うステップを含み、本方法はさらに、移動体によって保有される前記複数ノードの少なくとも1つの他ノードの位置特定を、この他ノードを第3のノードから隔てている距離の少なくとも1つの測定値を利用して行うステップを含み、この第3のノードは前記第1のノードであることが可能であることを特徴とする。
本発明による方法は、用語の最も一般的な意味において、位置特定の、任意の(すべての)有用な目的(すなわち、相対位置特定、絶対位置特定、または単純な、追加の相対距離情報アイテムの取得)のために、特定の数の(たとえば、超広帯域(UWB)無線技術に基づく)無線リンク、および特定の数の(最先端ではない協調スキームによる)距離測定値を結集することを可能にする。
移動体上に配置された無線オブジェクトは、無線周波数で通信することが好ましいが、音響リンクまたは光リンクも可能である。UWBの場合、通信しているエンティティのペアのエンティティ同士を隔てている距離を推定するために利用される無線メトリックは、飛行時間(TOF)である。この飛行時間を、空気中の電磁波の速度の知識と組み合わせることにより、これら2つのエンティティの間の距離を算出することが可能になる。これらの距離測定値をアルゴリズムで利用することにより、身体上のオブジェクトの絶対位置または相対位置を推定することが可能になり、最終的に、屋内環境にある身体の全地球位置を推定することが可能になる。UWB技術およびTOF型のメトリックが本発明のための優先的な手段のように見えるが、他の無線位置特定メトリックも適用可能であり、たとえば、(たとえば、Zigbeeなどの)狭帯域無線技術の場合は信号の受信電力(RSSI)に依存する無線位置特定メトリックも適用可能である。
本発明による協調位置特定方法の一実装によれば、第1のノードと、第1の移動体から離れたエンティティによって既に位置特定および保有されている第2のノードとの間の距離を測定する第1のステップが実行され、前記測定値に基づいて前記第1のノードの位置を推定する第2のステップが実行され、第2のステップの完了時点で、前記第1のノードの位置を所望の精度で特定することが可能になっていない場合に第3のステップが実行され、第3のステップは、第1のノードと、第1の移動体によって保有されていて第1のステップの完了時点で位置特定されている少なくとも1つの他ノードとの間の距離の少なくとも1つの測定を行うことを含み、その後、前記第1のノードの位置は、第1のステップおよび第3のステップから得られる距離測定値に基づいて推定される。この実装により、第3のステップが実行されない場合はエネルギの節約が可能になる。計算リソースの使用を制限するために、距離測定は選択的である。言い換えると、位置特定が可能になっていないノードだけが、他の、既に位置特定されているオブジェクトとの距離の測定を非協調様式で実施する。
本発明による協調位置特定方法の別の実装によれば、第1のステップが、第1のノードと第2のノードとの間の距離の測定値を取得することを含み、少なくとも1つの第2のノードが、第1の移動体によって保有され、少なくとも1つの他の第2のノードが、第1の移動体から離れたエンティティによって保有され、本方法は、前記距離測定値に基づいて第1のノードの位置を推定する第2のステップを実行する。この実装は、正確な位置特定の達成に有利である。この場合は、BAN間測定、BAN内測定、およびアンカー−BAN測定をすべて同時に行うことが可能である。
本発明による協調位置特定方法の別の実装によれば、第1のノードと第2のノードとの間で送信される超広帯域信号の間接経路の飛行時間の少なくとも1つの測定が行われ、前記経路は、第1のノードと第2のノードとの間での、第1のノードを含む移動体の外部にある面からの1回の反射によって発生し、第2のノードは、選択によって、
○第1の移動体、
○前記移動体の送信レンジ内に離れて位置する固定式装置、
○第1の移動体の送信レンジ内に離れて位置する第2の移動体
に属し、前記飛行時間測定値を利用して、少なくとも第2のノードを基準とする第1のノードの位置を特定する。
本発明による方法のこの実装により、位置特定システムは、反射(たとえば、地面からの反射)に関連付けられたさらなる測定の恩恵を受けることが可能になる。
本発明による協調位置特定方法の別の実装によれば、距離測定は、第1のノードと第2のノードとが同期されている場合に第1のノードと第2のノードとの間で送信される信号の到達時間を測定すること、または、第1のノードと第2のノードとが同期されていない場合に第1のノードと第2のノードとの間で送信される信号のやりとりの到達時間を測定することによって行われる。このメトリックは、特に、精度に関して有利である。
本発明はまた、移動体の協調位置特定方法に関し、本方法は、前記移動体のいくつかのノードについて、前記ノードの位置を推定するために、上述のような協調ノード位置特定方法を実行する第1のステップと、前記位置を利用して前記移動体の位置を特定する第2のステップと、を含む。たとえば、移動体の位置は、複数ノードの位置の組み合わせの結果であることが可能である。したがって、本発明による方法によって、たとえば、既に存在する身体センサネットワークを流用してノードの位置を特定することが可能になる。
本発明はまた、上述のような協調ノード位置特定方法の実装に適したシステムに関し、本システムは、いくつかのノードを含む第1の移動体を含み、このいくつかのノードのうちの少なくとも1つのノードが信号を送信することが可能であり(たとえば、超広帯域無線周波数送信機)、前記ノードは、前記送信機によって送信された信号を受信することが可能な受信機を含む少なくとも1つの第2のノードの送信レンジ内にあり、第1の移動体は、送信機ノードの位置を計算する手段を備える。
上述のような協調ノード位置特定方法の実装に適したシステムの別の実施形態によれば、本システムは、いくつかのノードを含む第1の移動体を含み、このいくつかのノードのうちの少なくとも1つのノードが信号を受信することが可能であり(たとえば、超広帯域無線周波数受信機)、前記ノードは、信号の送信機を含む少なくとも1つの第2のノードの送信レンジ内にあり、本システムは、受信機ノードの位置を計算する手段を備える。
本発明による方法は、複数の用途の対象を形成することが可能である。これにより、BANのいくつかのノードの位置を特定するにあたっては、BANに関連付けられたローカル基準面を基準とすること、または、周囲のインフラストラクチャに拘束された基準面を基準とすること、または、最初のBANの地理的近傍で動いている別のBANに拘束された基準面を基準とすることが可能になる。これは、移動BANのグループのナビゲーションを支援することが可能であり、各ノードの、他ノードを基準とする相対位置または絶対位置に応じた、ノードの自己組織化、自己構成を可能にする。本発明による方法を用いて、身体ネットワークの完全性をチェックしたり、人体の特定の姿勢を検出したりすることが可能である。より一般的には、本方法を用いて、任意選択で、おそらくは身体ネットワークの各ノードに既に組み込まれている慣性タイプのセンサの支援を受けながら、人体または特定の手足の動きを再構築することが可能である。
この後に続く、添付図面と関連して与えられる非限定的な実施例によって提供される詳細説明を読むことにより、他の特徴が明らかになるであろう。
運用状況での、本発明による一例示的デバイスを示す図である。 本発明によるデバイスのアーキテクチャを示す図である。 本発明による方法の各ステップを示す概略図である。 先行技術による一例示的身体ネットワーク(BAN)を示す図である。 本発明によるデバイスのBAN内の仮想アンカーの使用を示す図である。 別々の移動体上に位置する2つのBANの間の「1対1」型のシンプルな協調の一例を示す図である。 別々の移動体上に位置するいくつかのBANの間の協調リンクの使用例を示す図である(図4bは「1対N」BAN間協調であり、図4cは「N対N」BAN間協調である)。 本発明によるデバイスの、いくつかの可能な構成を示す図である。 本発明によるデバイスの第1の実施形態を示す図である。 本発明によるデバイスの第2の実施形態を示す図である。 本発明によるデバイスの第3の実施形態を示す図である。 本発明による第1の例示的方法の配置/構成(8a)および各ステップ(8b)を示す図である。 本発明による第2の例示的方法の配置/構成(9a)および各ステップ(9b)を示す図である。 本発明による第3の例示的方法の配置/構成(10a)および各ステップ(10b)を示す図である。 本発明による第4の例示的方法の配置/構成を示す図である。 BAN内協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによって達成される、BANのノードの位置特定精度の向上を示すカーブである。 BAN内協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによる、BANのノードの位置特定の成功率の向上を示すカーブである。 BAN内の協調リンクの選択を用いる、本発明によるデバイスによる、BANの各ノードの位置特定に必要な時間の低減を示すカーブである。 1つ以上の近接BANにある協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによって達成される、BANのノードの位置特定率の向上を示すカーブである。 1つ以上の近接BANにある協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによる、BANのノードの位置特定の成功率の向上を示すグラフである。 間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の一実装の2つのフェーズを示す概略図である。 間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法によって実装される超広帯域受信機の一実施形態を示す図である。 地面からの反射に起因する一例示的間接経路を示す図である。 間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第1の実装を示す図である。 間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第2の実装を示す図である。 間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第3の実装を示す図である。 間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第4の実装を示す図である。
以下では、「協調BAN位置特定」という表現は、同一人体上に位置する移動オブジェクトと、この同じ人体上、または、ある集団の人体上、またはインフラストラクチャのレベルに位置する他のオブジェクトとの間の距離の測定を実施する位置特定の一タイプを意味する。
「絶対位置」という表現は、所与の基準面内で計算されたノード位置を意味し、たとえば、GPS型の位置、あるいは、(位置がアプリオリに既知であるアンカーを含む)インフラストラクチャを基準として計算される位置を意味する。
「相対位置」という表現は、絶対基準面を基準とせずに、他の(場合によっては移動しうる)エンティティ(BAN、オブジェクト、その他)、あるいは、環境内の要素(たとえば、階層、部屋)を基準として定義されたノード位置を意味する。
第1のBAN「に地理的に近接しているBAN」、または第1のBAN「から離れているBAN」という表現は、第1のBANの通信レンジ内にあるBANを意味するものと理解されたい。
以下では、本発明による一例示的デバイスを、具体的かつ非限定的な文脈で、図1aと併せて説明する。移動人体103が、身体ネットワーク130を形成している複数の通信ノード131、132、133を含んでおり、身体ネットワーク130は、身体ネットワーク(Body Area Networks)を意味するBAN130という名前でも呼ばれる。これらのノード131、132、133は、それぞれ無線オブジェクトであり、これらは、送信機、受信機、または両者を一緒にしたものであってよい。この無線オブジェクトは、移動体の内部に、たとえば、インプラント形式で、固定することによって、あるいは、移動体の表面に、たとえば、人の手足のいずれかに直接接触させる形で、または人の衣服と一体化させる形で、固定することによって、同一BANの各ノードが互いに対して可動であるようにしてよく、かつ、生体力学レベルの関係(たとえば、ノードが手に接触配置されていて、手は必然的に、手の動きの程度を制限する腕を介して人体にリンクされている)、または、これらのノードの移動度を管理する力学レベルの関係が存在するようにしてよく、これらの関係は、任意選択的に、本発明の枠組の範囲内で可動性である。本発明によるデバイスは、カバレッジを拡大して、BAN130の1つ以上のノードの位置を正確に特定することを可能にしており、これは、特に、以下のノード間での協調位置特定方法を一緒に実装することによる、すなわち、
◆同一BAN130のノード間。このタイプの協調方法を、以下では「BAN内」協調方法と称する。
◆通信レンジ内に位置するBANに属するノード間。この実施例では、BAN130に含まれる少なくとも1つのノードと、地理的に近接しているBAN150、170、190に含まれる少なくとも1つのノードとの間。このタイプの協調方法を、以下では「BAN間」協調方法と称する。
したがって、BAN130の各ノードの位置は、次のように特定される、すなわち、
◆任意選択で、既知の位置を有するか、特定可能になっている位置を有する、同一BAN130のノードとの関連で、
◆周囲のBAN150、170、190のノードとの関連で。
BAN内測定またはBAN間測定に役立っていた、周囲のBAN150、170、190に属するノード、または同一BAN130の他のノードの絶対位置が特定されていない場合でも、複数の距離測定を行い、これらの測定値を組み合わせることにより、たとえば、1つのノードの、周囲の他ノードに対する相対位置(または相対距離)を示すことが可能になる。
たとえば、モーションキャプチャや、ネットワーク内の情報中継による送信の最適化のように、用途によっては、相対位置を特定すれば十分な場合がある。一方、絶対位置、すなわち、既知の地理的基準面(たとえば、WGS84測地基準面)内に配置可能な位置を得るために、本発明によるデバイスは、BAN130のノード131、132、133とアンカー111、112、113、114(これらは、地理的位置が既知である、周囲の基地局である)との間の協調を実施することも可能である。
本発明による方法は、BANの各ノードの部分的位置特定にも、完全位置特定にも、同様に良好に適用される。「部分的位置特定」という表現は、本発明による方法が、BANの第1のノードの絶対位置、および、この第1のノードに対する、同BANの他ノードの相対位置(または相対距離)を特定することを可能にするが、それらの他ノードの絶対位置を特定することができない状況を意味する。
図1aの実施例は、3つのノード131、132、133からなるBAN103を示している。第1のノード131は、身体103の上部(たとえば、肩)に位置し、第1のアンカー111および第2の移動体105の通信レンジ内(たとえば、超広帯域無線ネットワークの場合には数十メートル以内)にある。第2のノード132は、身体103の中央付近(たとえば、腰)に位置し、第3の移動体107の通信レンジ内にある。第3のノード133は、身体103の下部(たとえば、足)に位置し、第2のアンカー112、第2の移動体105、および第4の移動体109の通信レンジ内にある。第2、第3、および第4の移動体105、107、109は、それぞれBAN150、170、190を含んでおり、これらも、本発明による方法を実施して、それぞれのノードの位置を特定することが可能である。言い換えると、本発明による複数のデバイス同士が協調することが可能であり、各BAN130、150、170、190にあるノードは、同一BANの他ノードまたは近接BANのノードと対話することが可能である。
本発明による方法およびデバイスは、選択的測定を行うことにより、媒体アクセス層、すなわち、MAC(「媒体アクセス制御」)層の性能に対する影響が小さくなるように構成可能である。
図1bは、本発明によるデバイスのアーキテクチャを図示している。デバイス101は、N個の通信ノードX、X、…、Xを備えた第1のBAN130を含んでいる(Nは2以上)。デバイス101は、M個の通信ノードY、Y、…、Yを備えた少なくとも1つのリモート装置102(Mは1以上)の通信レンジ内に位置しており、このリモート装置102は、たとえば、固定アンカー、自身のBANを含む、本発明による別のデバイス、または、単一通信ノードを備えた移動体である。
図1bのデバイスは、アンカーとBANとの間の測定、BAN内測定、およびBAN間測定のうちから少なくとも2タイプの距離測定の併用に依存する2つのフェーズで動作する。第1のフェーズでは、第1のBAN130の複数のノードX、X、…、Xが、このノードと、第1のBAN130または装置102のいずれかに属する第2のノードとの間の距離を少なくとも1回測定する。これは、行われるすべての距離測定のうち、少なくとも1回の測定が、リモート装置102に属する第2のノードY、Y、…、Yと行われるようにする。これらの距離測定が行われた後、本デバイスは、第2のフェーズでこれらの距離測定値を用いて、第1のBAN130の通信ノードX、X、…、Xの位置を特定し、任意選択で、その特定結果から、第1のBAN130の位置を、装置102との関連で推定する。
図2は、本発明による方法の各ステップの概略図である。本発明による方法は、2つの主フェーズ201、202を含む。第1のフェーズ201は、距離を測定するフェーズであり、第2のフェーズ202は、これらの測定値を利用するフェーズである。これらの目的は、1つ以上の用途203a、203b、203cで必要になる情報を提供することであり、それらの用途は、移動体の位置特定、および任意選択で、その移動体の時間経過追跡と、動きまたは姿勢のキャプチャと、身体ネットワークの自己組織化と、であり、言い換えると、身体ネットワークの自動配備を支援して、これを手動で構成することを不要にすることである。
第1のフェーズ201は、同一BANのノード間の距離測定、異なるBANのノード間の距離測定、および任意選択で、BANの少なくとも1つのノードと1つ以上のアンカーとの間の距離測定を含む。2つのノード間の距離測定は、これらのノード間での信号のやりとり、または2つのノード間での信号の、少なくとも1回の送信によって行うことが可能であり、様々なメトリックを用いて、ノード同士を隔てている距離を推定することが可能である。
2つの無線装置の間の距離の推定は、一般に、(頭字語TOFで呼ばれることもある)飛行時間の計算に基づき、かつ、空気中の波(たとえば、無線送信の場合の電磁波や音波)の速さの知識に基づく。飛行時間は、送信機と受信機とを隔てている距離を波が伝搬するのに要する時間を示す。有利には、超広帯域型の無線技術を用いることにより、TOFを非常に正確に測定することが可能になる。これは、信号分解能特性と、チャネル微細同期または時間表現機能とによるものである。
以下は、位置特定を行うために特に用いられうる時間的無線メトリック(temporal radio metrics)である、すなわち、
◆TOFの値が、アプリオリに非同期である複数のデバイス(ノード)の間でのいくつかの信号(またはパケット)のやりとりに続く到達時間(TOA)の測定によって決定される到達時間(TOA)メトリック。これらの技術は、「2方向レンジング」、「3方向レンジング」、または「両面2方向レンジング」という用語で知られている。
◆TOFの値が、同期しているデバイスのペアのデバイス間での信号の送信に続く到達時間(TOA)の測定によって決定される到達時間(TOA)メトリック。この技術は、「1方向レンジング」という用語で知られ、2つの無線デバイスの間の同期は、当業者には知られている手順を用いて行われ、たとえば、ケーブルまたは追加無線リンクでこの2つの無線デバイスと物理的にリンクされたクロックおよび/または1つ以上のリモートトリガを用いて行われ、かつ、同じこれらの手段により2つの無線デバイスに同期「ピップ」を伝達することによって行われ、かつ/または、2つの無線デバイスのそれぞれに搭載されたGPS受信機の存在などによって行われる。
◆到達時間差(TDOA)メトリック。TDOAは、実際の送信時点に関係なく等時性と見なされる(すなわち、同じ時間基準を共有する)複数の受信機による「1方向レンジング」の技術に従って到達時間(TOA)の差を測定することによって得られる。
したがって、2つの装置の間の距離の測定値は、受信信号電力のようなタイプのメトリック(すなわち、RSSI(「受信信号強度指標」))を用いても得られる。しかしながら、受信信号電力に基づく距離推定は簡単ではない。特に、主にマスキング効果および高速フェージング現象によって無線送信チャネルが大きく変動する無線身体ネットワークに適用される場合には簡単ではない。さらに、RSSIメトリックを使用する場合は、以下の知識が必要になる、すなわち、
◆一方では、送信機と受信機との間を電波が伝搬する距離と、その関数としての、送信される電力の減衰量(「経路損失」と呼ばれることもある)との関係を確立するモデル(たとえば、いわゆる「自由空間」伝搬の場合の平均減衰量のモデル)の知識、および、
◆他方では、この同じモデルに関する十分に正確なパラメータの知識(たとえば、減衰係数(すなわち、「経路損失指数」)、マスキング(すなわち、「シャドウイング」)および/または高速フェージング(すなわち、「小規模フェージング」)の各現象に関連する変動の標準偏差、基準距離での減衰量または受信された電力、または、実際には、送信電力、送信アンテナおよび受信アンテナの利得。これらのパラメータのほとんどは、主に伝搬環境に依存し、特に、距離測定が屋内で行われるか、屋外で行われるか、静止オブジェクトに対して行われるか、移動オブジェクトに対して行われるか、測定時に無線リンクの障害物があるかどうか、に依存する。結果として、本発明の枠組内では、最初の2つのメトリックTOAおよびTDOAが好ましい。
本発明による方法の第2のフェーズ202は、上述の様々な協調方法(BAN内、BAN間、アンカー−BAN)に従って第1のフェーズ201の間に得られた距離測定値を利用して、1つのBANまたは複数のBANの1つ以上のノードの相対位置または絶対位置を特定するフェーズである。
距離測定値に基づく位置特定に用いられるアルゴリズムとして、たとえば、非線形最適化法、線形化最小二乗行列手順、マルチラテレーションおよびトライラテレーション手順、カルマンフィルタ、パーティクルフィルタ(協調パーティクルフィルタを含む)などの既知アルゴリズムがある。このアルゴリズムは、入力として、利用可能な、かつ/または、選択された様々な距離測定値を取得し、出力として、所与の用途(たとえば、ナビゲーション、BANの位置特定、モーションキャプチャ)に用いられる相対位置(たとえば、同一BANの全移動ノード間の相対距離)、絶対位置などの、必要とされる様々な情報を返す。
図3aは、先行技術による一例示的BANを表しており、これを用いて、既知のBANにおいて遭遇される問題点を示す。距離の測定が、人体300上に位置するBANの無線ノード301、302、303、304と、周囲空間内に位置する4つのアンカー311、312、313、314との間で行われる。距離測定値は、無線ノード間での信号のやりとりを経て得られるが、人体の動きによって誘起される高速フェージングおよびマスキング効果の現象は、これらの信号のやりとりを妨害することがあり、したがって、測定を妨害することがある。さらに、アンカー311、312、313、314に対する人体300の向きによっては、得られる距離測定値は、不完全なものになることがあり、これは、たとえば、以下の理由による、すなわち、
◆ネットワークのトポロジの動的特性が特定の無線リンクの一時的消滅を引き起こすため。
◆非常に高いパケットエラーレート(PER)が存在するため(このPERは、復調エラーおよび/または同期エラーの後に送信されるデータパケットが失われる確率を表す)。これは、位置特定に有用なパケット(距離の測定値、および/または、(クロック「タイマ」の形での)距離または座標の測定または推定された量などの情報の送信)が失われることを意味する。
◆人体を通過する信号の減衰が大きいため。
◆送信電力が小さいことから、1つ以上のノードがアンカー311、312、313、314のレンジから外れるため。
一般に、(たとえば、トライラテレーション手法を用いて)ノードの3次元の非協調位置特定を行う場合は、ノード当たり4つの距離測定値が必要であり、2次元の位置特定を行う場合は、3つの測定値が必要である。したがって、図3aに示したように、トライラテレーションアルゴリズムを用いた場合は、2つのノード301、302の位置特定のみが可能である。第1のノード301の2次元の位置は、この第1のノード301と3つのアンカー311、312、313との間で距離測定を行うことによって特定可能であり、第2のノード302の3次元の位置は、この第2のノード302と4つのアンカー311、312、313、314との間で距離測定を行うことによって特定可能である。得られる測定値の数が過度に少ない(3つより少ない)場合には、これらのアンカーの基準面内にある他の2つのノード303、304の絶対位置を特定することはできない。たとえば、身体300上にある4つのノード301、302、303、304のうちの2つのノード303、304の位置を特定できないことは、このBANの位置を推定することに影響を及ぼす。これは、BANの位置の推定が、たとえば、アンカーと関連するリンクに基づいて単独で位置特定することが可能になっている複数のノードの座標の重心を計算することによって行われる場合である。
図3aのBANの上述の弱点を改善するための第1の手法として、アンカーと関連して既に存在するリンクと関連した、BAN内型の協調方法がある。この協調方法は、BAN内距離の測定、すなわち、同一BANに属するノード間の距離の測定を実施する。
さらに、MAC層の性能に対する影響(特に、ビットレート、エネルギ、レイテンシに関する影響)を制限する場合は、ノード間の無線リンクを、網羅的な形では考慮しない。実際、距離測定の第1のフェーズ201(図2を参照)の間は、無線リンクのサブセットだけを考慮する。このサブセットの一部を形成する無線リンクを選択するための十分な条件は、位置特定が可能になっていないノードと、位置特定が可能になっているノードと、の間のリンクだけを選択することである。したがって、(アンカーとの距離の測定によって)既に位置特定されているノードは、その後、「仮想アンカー」、すなわち、BANから離れた装置の形で既に存在するアンカーと同様に、それぞれの順番において基準フレームとして使用可能なオブジェクトと見なされる。したがって、これらの仮想アンカーは、同じBANに属する特定ノードが、各自の位置を特定できるように使用することが可能になる。本発明による方法に従う別のソリューションは、前の協調方法の場合と厳密に同じ測定値を用いるが、すべての移動ノードの同時位置特定を確実に行う。これは、仮想アンカーの位置の中間的計算に頼らずに、使用可能な、かつ/または、選択された測定値を、位置特定または追跡の単一アルゴリズムステップに与えることにより、行う。
図3bは、本発明によるデバイスのBAN内での仮想アンカーの使用(言い換えると、BAN内型の協調方法)を示す。BAN350は、3つのノード351、352、353を含んでおり、4つのアンカー361、362、363、364に囲まれている。第1のノード351を第1のアンカー361、第2のアンカー362、および第4のアンカー364から隔てている各距離を測定することにより、この第1のノード351の位置を特定できるようにすることが可能になっている。一方、第2および第3のノード352、353を、それらのアンカーと関連するリンクだけで位置特定することはできない。これは、それらを第3および第4のアンカー363、364からそれぞれ隔てている各距離だけを測定することが可能になっているためである。
したがって、第2および第3のノード352、353の位置を特定するためには、図3bにおいて実線矢印で表されている、第1のノード351までの距離の測定を実施する。実際、第1のノード351の位置が特定されると、この第1のノード351は、他のノード352、353からは、追加アンカーと見なされる。アンカー363、364について既に得られた距離測定値、ならびに、第1のノード351からなる「仮想」アンカーまでの距離の追加測定値を合わせることにより、第2および第3のノード352、353の位置の推定を可能にするのに十分な数の測定値が利用可能になる。利用可能な測定値の数が、第2および第3のノード352、353の位置の推定を可能にするのには不十分な場合でも、追加で得られる距離測定値により、これらのノード352、353が位置しがちな地理的ゾーンを空間的に制限することが可能になる。
有利には、1つ以上の「仮想」アンカーに頼ることが必要になるのは、BAN350に近接する装置で構成されるアンカー361、362、363、364との距離の測定値では位置特定が可能になっていないノードの場合だけである。したがって、本方法は、同一BANのノード間の距離の選択的測定を伴う。この、BAN内協調の方法は、無線ノードの空間ダイバーシティを利用することにより、各ノードペアのノード間距離の網羅的測定に頼らずに、したがって、媒体アクセス制御(MAC)の実施への影響を抑えて、BANの位置特定のカバレッジおよび精度を最大化する。
図3aのBANの上述の弱点を改善するための第2の手法として、異なる複数のBANに属するノード間の距離測定を実施する、BAN間型の協調方法がある。先行技術において提案されているソリューションは、一般に、非常に限定されたノードペアのノード間の距離測定を実施することで間に合わせている。こうした従来のケースでは、BANは、単一無線ノードで形成されていると見なされるか、または、BANを形成しているノードのうちの(「クラスタヘッド」と呼ばれることもある)1つだけが、距離測定を実施することを認められている(または実施することが可能である)。
図4aは、「1対1」型のシンプルな協調を示しており、これは、先行技術において既に用いられているソリューションと同様である。2つのBAN401、402が、互いに近接しながら、あちこち移動する。各BAN401、402において、それぞれのノードのうちの1つがリーダノード405、406(すなわち、「クラスタヘッド」)として選択され、通信レンジ内にあるリーダノード405、406の間でのみ、距離測定が実施される。この協調方法は、空間ダイバーシティおよび情報冗長性を考慮することを可能にしない点で限定的であり、これらの考慮は、身体上に複数のノードが存在することで可能になる。
本発明による方法の第1のフェーズ201は、複数のBANの間での協調スキームの実施に好適であり、第1のBANの第1のノードと第2のBANの第2のノードとの間のシンプルな関係を用いるのではなく、それらのBANの複数のノードの間の距離の測定値を用いる。本発明による方法によれば、第1のBANの各ノードは、以下のものとの距離の測定を実施することが可能である、すなわち、
●地理的に近接している、言い換えると、第1のBANの通信レンジ内にある、複数のBANに位置する他ノード。
●周囲のインフラストラクチャ、すなわち、固定されたセンサネットワークの複数のアンカーまたはノードに属するノード。
図4b、4cは、別々の移動体上に位置する複数のBANの間での協調リンクの使用を示す図である。図4bは、「1対n」型の協調を示している。各BAN411、412では、ノードの1つ415が、地理的に近接しているBANに含まれている他のすべてのノード416、417、418との距離の測定を実施することが可能になる。図4cは、「n対n」型の協調を示している。同一BAN421のすべてのノード423、424、425が、地理的に近接しているBAN422に含まれているノード426、427、428との距離の測定を実施することが可能である。
したがって、近接BANの1つ以上のノードを用いて、相補的な距離測定を実施することが可能である。BAN間協調により、アンカーまたは基地局のレンジ外にいると考えられる人々は、これらの、地理的に近接している他のBANとの距離の測定値を利用することにより、自身の位置を特定することが可能になる。これらのBAN、または、これらのBANを形成しているノードは、たとえば、仮想アンカーの役割を果たすことが可能であり、これによって、位置特定カバレッジを増やすことが可能になる。なお、相補型距離測定の実施に使用可能であるように、ノードを仮想アンカー(すなわち、位置が特定されているノード)にすることは必須ではない。
図4−1、4−2、4−3、4−4、4−5は、本発明によるデバイスの、いくつかの可能な構成を示す図である。BANを形成しうる複数のノードをそれぞれが含んでいる移動体が卵形で表されており、アンカーが四角形で表されており、×印はノードを表しており、直線は、距離の測定を目的とする通信リンクを表している。
図4−1では、第1の移動体441が2つのノード441a、441bを含んでおり、第1のノード441aは、アンカー443との距離の測定を実施し、第2のノード441bは、第1の移動体441と近接しながらあちこち移動する第2の移動体442のノード442aとの距離の測定を実施する。
図4−2では、移動体451が2つのノード451a、451bを含んでおり、第1のノード451aは、アンカー453との距離の測定を実施し、第2のノード451bは、移動体451の第1のノード451aとの距離の測定を実施する。
図4−3では、第1の移動体461が2つのノード461a、461bを含んでおり、第1のノード461aは、第1の移動体461から離れている第2の移動体462のノード462aとの距離の測定を実施し、第1の移動体461の第2のノード461bは、同じ移動体461の第1のノード461aとの距離の測定を実施する。
図4−4では、第1の移動体471が2つのノード471a、471bを含んでおり、第1のノード471aは、第1の移動体471から離れている第2の移動体472の第1のノード472aとの距離の測定を実施し、第1の移動体471の第2のノード471bは、第2の移動体472の第2のノード472bとの距離の測定を実施する。
図4−5では、第1の移動体481が2つのノード481a、481bを含んでおり、第1のノード481aは、第1の移動体481から離れている第2の移動体482のノード482aとの距離の測定を実施し、第1の移動体481の第2のノード481bは、最初の2つの移動体481、482から離れてあちこち移動する第3の移動体484のノード484aとの距離の測定を実施する。
図4−6では、第1の移動体491が2つのノード491a、491bを含んでおり、第1のノード491aは、第1の移動体491から離れた第2の移動体492の第1のノード492aとの距離の測定を実施し、さらに、第2の移動体492の第2のノード492bとの距離の測定を実施する。
図4−7では、第1の移動体491が2つのノード491a、491bを含んでおり、第1のノード491aおよび第2のノード491bは、それぞれが、第1の移動体491から離れた第2の移動体492の第1のノード492aとの距離の測定を実施し、さらに、第2の移動体492の第2のノード492bとの距離の測定を実施する。
図4−8では、第1の移動体491が2つのノード491a、491bを含んでおり、第1のノード491aおよび第2のノード491bは、それぞれが、第1の移動体491から離れた第2の移動体492の第1のノード492aとの距離の測定を実施し、さらに、第2の移動体492の第2のノード492bとの距離の測定を実施し、第1のノード491aおよび第2のノード491bは、それぞれが、第1の移動体491から離れた第3の移動体493の第1のノード493aとの距離の測定を実施し、さらに、第3の移動体493の第2のノード493bとの距離の測定を実施する。
上述のケースのそれぞれにおいて、異なる複数の要素に属するノードに対して行う距離測定を組み合わせることにより、第1の移動体441、451、461、471、481、491が保有するノードの位置特定のカバレッジおよび精度を向上させることが可能になる。
次に、本発明によるデバイスの非限定的な実施形態をいくつか紹介する。選択されるモードに応じて、各ノードは、送信機とすることも、受信機とすることも、同時に両方とすることもでき、距離メトリックは、様々とすることができ、たとえば、TOA、TDOA、またはRSSIであり得る。さらに、本発明による方法の第2のフェーズ202(図2を参照)の間に、第1のフェーズ201の間に取得される距離測定値に基づいて実施される位置の計算は、集中化すること、すなわち、(たとえば、BAN内のノードにある)単一の計算ユニットで実施することが可能であり、あるいは、分散化すること、言い換えると、分散しているいくつかの計算ユニット(たとえば、BANのいくつかのノードにまたがって分散している複数の計算ユニット)で実施することが可能である。
図5は、本発明によるデバイスの第1の実施形態を示す。この、本発明によるデバイスは、図中で文字「E」で表されている、送信機であるノードで形成された移動BAN501を含んでいる。移動BAN501の通信レンジ内には、アンカー511、512、513、514と別の移動式装置502とがあり、それぞれは、図中で「R」で表されている、受信機の形の通信ノード、または、図中で「E/R」で表されている、送受信機の形の通信ノードを含んでおり、「送受信機」という表現は、信号の送信および受信が可能なノードを意味する。受信に適したこれらのノードは、移動BAN501との無線周波数リンクを確保することを可能にし、最終的には、この移動BAN501の送信機ノードの位置特定を可能にする。矢印付きダッシュ(arrowed dashes)は、送信機によって送信される信号を表す。
図5の実施形態については、いくつかの位置特定メトリックが使用可能である。考えられる第1のメトリックは、TDOA手順であり、これは、「受信機」ノードおよび/または「送受信機」ノードを同期させることが必要である。第2のメトリックは、TOAメトリックである。これは、一方の側の送信機と、他方の側の受信機および/または送受信機とが、外部手段(たとえば、GPSまたは有線リンク)によって同期される場合に実施可能である。適用可能な第3のメトリックは、受信される無線電力(たとえば、RSSIメトリック)に関連しており、当該環境のレベルに存在するデバイスを位置特定目的で同期させることをまったく必要としない(ただし、送信機と、受信機または送受信機との間での通信のための粗同期を除く)。この実施例では、移動BAN501の各ノードの位置の計算は、集中方式で、かつ、インフラストラクチャのレベルで(すなわち、たとえば、アンカー511、512、513、514のレベルで)実施することが好ましい。
図6は、本発明によるデバイスの第2の実施形態を示す。この、本発明によるデバイスは、図中で文字「R」で表されている、受信機であるノードで形成された移動BAN601を含んでいる。移動BAN601の通信レンジ内には、アンカー611、612、613、614と別の移動式装置602とがあり、それぞれは、図中で「E」で表されている、受信機の形の通信ノード、または、図中で「E/R」で表されている、送受信機の形の通信ノードを含んでいる。送信に適したこれらのノードは、移動BAN601との無線周波数リンクを確保することを可能にし、最終的には、この移動BAN601の受信機ノードの位置特定を可能にする。矢印付きダッシュは、送信機によって送信される信号を表す。
図6の実施形態については、2つの主要な位置特定メトリックが使用可能である。考えられる第1のメトリックは、時間型のメトリックであり、たとえば、TOAメトリックまたはTDOAメトリックである。これらは、「送信機」ノードおよび/または「送受信機」ノードを同期させることを必要とする。第2のメトリックは、受信される無線電力(たとえば、RSSIメトリック)に関連しており、当該環境のレベルに存在するデバイスを位置特定目的で同期させることをまったく必要としない(ただし、送信機と、受信機または送受信機との間での通信のための粗同期を除く)。この実施例では、移動BAN601の各ノードの位置の計算は、移動BAN601のレベルに埋め込まれた計算モジュール(図示せず)により、(ノードのレベルで集中化された方式で、または、BAN601のいくつかのノードに分散した計算で)実施可能である。BAN601の各ノードの位置の計算は、たとえば、移動BAN601の受信機ノードのレベルで実施される距離測定の結果が、他の無線通信手段によってインフラストラクチャに伝達される場合にも、インフラストラクチャのレベルで実施可能である。
図7は、本発明によるデバイスの第3の実施形態を示す。この、本発明によるデバイスは、図中で文字「E/R」で表されている、送受信機であるノードで形成された移動BAN701を含んでいる。移動BAN701の通信レンジ内には、アンカー711、712、713、714と別の移動式装置702とがあり、それぞれは、図中で「E/R」で表されている、送受信機の形の通信ノードを含んでいる。TOA、TDOA、およびRSSIの各メトリックは、この実施形態に使用可能であり、BAN701の各ノードの位置の計算は、移動BAN701のレベルで(ノードのレベルで集中化された方式で、または、BAN701のいくつかのノードに分散した計算で)の実施と、インフラストラクチャのレベルでの実施とが同等に可能である。
さらに、図5、図6、および図7に示された実施例を組み合わせて、BANが、たとえば、送信機ノードと受信機ノードとを含むようにすることが可能である。BANの構成は、特に、目的となる用途、および、その用途に関係する制約(たとえば、消費電力やノードの同期)に応じて選択される。
本発明による方法の、さらに別の実施態様は、目的とする用途に応じた変形形態を形成することが可能である。使用される協調スキームの観点での可能な適応、ならびに、これらが用いられる順序を示すための、他のいくつかの非限定的な実施例を、以下の図において示す。
図8aおよび8bは、本発明による第1の例示的方法におけるネットワーク構成およびステップを示しており、本方法では、インフラストラクチャを基準とする位置特定に加えて、BAN内型の協調を利用することにより、エネルギ消費の制約が重要である状況において、BAN801の各ノードの絶対位置を特定する。距離測定値は、ノード間の信号送信によって取得されるので、エネルギ消費を抑えるためには、これらの送信の回数を最小限にすることが妥当である。したがって、距離測定の実施順序が重要である。
図8aおよび8bの実施例では、第1のステップ811で、アンカー805、806、807、808とBANの各ノードとの間で距離測定を実施して、これらのノードの、インフラストラクチャを基準とする位置を特定する。この第1のステップが完了した時点では、BAN801の特定ノード821、822のみが位置特定することができ、他のノード823、824の位置を特定することは可能になっていない。これは、特に、無線チャネルのレベルにおいて、特に、衝突および干渉によって、あるいは、信号対ノイズ比が悪すぎるために発生した損失によるものである。
第2のステップ812は、構成811によって特徴付けられている第1のステップが完了した時点でBANの特定ノードの位置特定が可能になっていない場合のみ実行され、このステップでは、網羅的に、ではなく、選択的に、距離測定を実施する。より正確に言えば、図8aにおいて破線で表された、BAN内距離の測定を、第1のステップ811の間に位置特定が可能になっていない第1のノード823、824と、アンカーとの距離の測定によって既に位置特定されている第2のノード821、822との間で実施する。信号のやりとりを制限してエネルギ消費を抑えるために、いくつかの協調リンクを意図的に犠牲にする。
任意選択の第3のステップでは、BANの全地球位置を推定する。これは、たとえば、位置が推定済みであるノードの座標の重心を計算することによって行う。
より正確に言えば、図8bは、この第1の実施例による位置特定方法のフローを示している。
まず、851において、BAN801(図8aを参照)の各ノードと、周囲のアンカー805、806、807、808との間で、距離測定を実施する。距離測定は、たとえば、BAN801の各ノードと各アンカーとの間で無線周波数信号を送信またはやりとりする第1のステップ851aと、送信またはやりとりされた信号に基づいて、上述の無線位置特定メトリックのいずれかを用いて距離を評価する第2のステップ851bとを含んでいる。これらの距離測定を実施した後、これらの距離測定値を組み合わせることにより、BAN801の各ノードの位置を推定するステップ852を実行する。この推定ステップ852が完了した時点で、テスト853を実行して、BANのすべてのノードの位置特定が可能になっているかどうかを確認する。BAN801のすべてのノードが位置特定されている場合は、各ノードの推定済みの位置を組み合わせることにより、BAN801の全地球位置を推定するステップ860を実行することが可能である。これに対し、BAN801のいくつかのノードの位置特定が可能になっていない場合は、854において、BAN801内でBAN内測定を実施する。その後、各ノードの位置を推定する前ステップ852の間に位置特定されていなかったノードの位置を推定する補足的ステップ855を実行する。この補足的推定ステップ855が完了した時点で、BAN801の全地球位置を推定するステップ860を実行することが可能であり、これは、補足的推定ステップ855の間に、特に、BAN801の、より正確な全地球的推定位置を得るように、各ノード位置が特定されることから恩恵を得ている。
図9aおよび9bは、本発明による第2の例示的方法におけるネットワーク構成およびステップを示しており、本方法では、インフラストラクチャを基準とする位置特定に加えて、BAN内型の協調およびBAN間型の協調を一緒に利用することにより、エネルギ消費の制約が重要である状況において、BAN901の各ノードの絶対位置を特定する。図8a、8bの第1の実施例と同様に、エネルギ消費を制限するためには、距離測定の実施順序が重要である。
第1のステップ911は、図8aの第1のステップ811と同じである。BAN901のノード921、922、923、924と周囲のアンカー905、906、907、908との間で距離測定を実施して、これらのアンカー905、906、907、908からなるインフラストラクチャとの関連で、いくつかのノードの位置を特定する。
第2のステップ912では、2タイプの距離測定を同時に実施する。第1のタイプの測定は、図9aにおいて破線で表されており、これは、図8に示されたBAN内協調と同様の方式でBAN901のノード間で測定を行うことを必要とする。第2のタイプの測定は、第1のBAN901と第2のBAN902との間の実線で表されており、これは、第1のステップ901の間に位置特定が可能になっていない、第1のBAN901のノード923、924と、第1のBAN901の通信レンジ内にある別のBAN902のノード931、932、933との間で、BAN間型の距離測定を行うことを必要とする。これらのBAN内協調およびBAN間協調を組み合わせて、BAN901の位置特定済みノードの数を最大化し、BAN901の各ノードの位置の推定を精緻化する。
より正確に言えば、図9bは、この第2の実施例による位置特定方法のフローを示している。
まず、951において、第1のBAN901(図9aを参照)の各ノードと、周囲のアンカー905、906、907、908との間で、距離測定を実施する。距離測定は、たとえば、第1のBAN901の各ノードと各アンカーとの間で無線周波数信号を送信する第1のステップ951aと、上述のメトリックのいずれかを用いて距離を評価する第2のステップ951bとを含んでいる。これらの距離測定を実施した後、これらの距離測定値を組み合わせることにより、BAN901の各ノードの位置を推定するステップ952を実行する。この推定ステップ952が完了した時点で、テスト953を実行して、BANのすべてのノードの位置特定が可能になっているかどうかを確認する。第1のBAN901のすべてのノードが位置特定されている場合は、各ノードの推定済みの位置を組み合わせることにより、第1のBAN901の全地球位置を推定するステップ960を実行することが可能である。これに対し、第1のBAN901のいくつかのノードの位置特定が可能になっていない場合は、954において、BAN901内でBAN内測定を実施する。並行して、第1のBAN901と第2のBAN902との間で、BAN間測定954’を実施する。その後、各ノードの位置を推定する前ステップ952の間に位置特定されていなかったノードの位置を推定する補足的ステップ955を実行する。この補足的推定ステップ955が完了した時点で、BAN801の全地球位置を推定するステップ960を実行することが可能であり、これは、補足的推定ステップ955の間に、特に、第1のBAN901の、より正確な全地球的推定位置を得るように、各ノード位置が特定されることから恩恵を得ている。
図10aおよび10bは、本発明による第3の例示的方法におけるネットワーク構成およびステップを示しており、本方法では、インフラストラクチャを基準とする位置特定に加えて、BAN内型の協調およびBAN間型の協調を一緒に利用することにより、精度の制約が重要である状況において、BAN1001の各ノードの絶対位置を特定する。そして、実施可能なすべての距離測定を考慮に入れる。
したがって、距離測定は、BAN1001の各ノードと以下のものとの間で、同時に、網羅的に、かつ、達成可能な送信リンクの限界において(すなわち、制限された接続性の条件下で)実施する、すなわち、
◆通信レンジ内にあるすべてのアンカー1005、1006、1007、1008、
◆BAN1001のすべての他ノード(BAN内協調)。これらの距離測定は、図10aでは破線で表されている、
◆通信レンジ内にあるBAN1002、1003に含まれるすべてのノード(BAN間協調)。
本発明による方法をこのように実施する場合、測定の実行順序は重要ではない。これは、各ノードの位置を推定するためにすべての測定値を同時に利用するためである。この実施例では、エネルギ消費に弊害があっても位置特定の精度を上げるために、すべての協調リンク(BAN内、BAN間、およびアンカー1005、1006、1007、1008を一緒に考慮する。
図10bは、より正確にこの第3の実施例による位置特定方法のフローを示している。
まず、1011において、距離測定のステップ1051、1052、1053を、並行して、または順次的に、ただし網羅的に、実施する。ステップ1051は、BAN1001とアンカー1005、1006、1007、1008との間の測定に関連し、別の、実施されるステップ1052は、BAN内測定に関連し、さらに別の、実施されるステップは、BAN1001と、他のBAN1002、1003との間のBAN間測定に関連する。これらの距離測定ステップ1051、1052、1053が完了した時点で、BAN1001の各ノードの位置を推定するステップ1055を実行し、次に、BAN1001の全地球位置を推定する、任意選択のステップ1060を実行する。
図11は、図10a、10bに示された第3の実施例による方法の複数使用を示す。本方法では、インフラストラクチャを基準とする位置特定に加えて、BAN内型の協調およびBAN間型の協調を一緒に利用することにより、精度の制約が非常に重要である状況において、いくつかのBAN1101、1102、1103の各ノードの絶対位置を同時に特定する。
上述の第3の実施例の各ステップが、BAN1101、1102、1103のそれぞれによって実行され、各BANが網羅的測定を同時に行うことによって、それぞれのノードの位置を推定する。
したがって、高精度であることが必要なのか、低エネルギ消費および低レイテンシであることが必要なのかに応じて、絶対位置特定が必要なのか、相対位置特定が必要なのか、に応じて、実施すべき距離測定が網羅的であるか選択的であるか、組み合わせるべき協調スキームのタイプ(BAN内とBAN間、アンカー−BANとBAN間、アンカー−BANとBAN間、アンカー−BANとBAN内とBAN間)、ならびに、これらのスキームの実施順序を様々に選択する。
まとめると、特に、以下のように実施モードを決定することが可能である、すなわち、
●低エネルギ消費が必要な場合は、選択的モードの距離測定を選択することが好ましく、かつ、
○絶対位置特定が必要な場合は、アンカーとの距離の測定を最初に伴う協調スキームを選択し、
○相対位置特定が必要な場合は、BAN内スキームとBAN間スキームとの組み合わせを選択する。
●高精度が必要な場合は、網羅的モードの距離測定を選択し、かつ、
○絶対位置特定が必要な場合は、順序に関係なく、使用可能なすべての協調スキーム(アンカー−BANとBAN内とBAN間)を含み、
○相対位置特定が必要な場合は、BAN内スキームとBAN間スキームとの組み合わせを選択する。
図12aおよび12bは、BAN内の協調リンク、言い換えると、BAN内型の協調方法を用いて、本発明によるデバイスによって達成された位置特定精度の向上を表すカーブを示す。この実施例において想定されているのは、リアルな移動性モデルに従って屋内のあちこちを移動する無線身体ネットワーク(すなわち、BAN)である。
このBANは、可変個数の無線センサで構成され、各センサは、アンカーとの距離の測定を実施することに加えて、次の3つの位置特定プロトコルを実装する。
●第1のプロトコルは、人体上に位置する複数のセンサの空間ダイバーシティを利用するが、BAN内協調を実施しない(センサ間の距離を測定しない)。
●第2のプロトコルは、選択的距離測定を伴うBAN内協調スキームを実施する(複数のセンサのサブセットのセンサ間の距離を測定する)。
●第3のプロトコルは、すべての可能なセンサペアのセンサ間距離の網羅的測定を伴うBAN内協調スキームを実施する。
この実施例では、BANの全地球位置の推定は、身体ネットワークを構成する各ノードの推定された座標の重心を計算することによって行われる。
より正確に言えば、図12aは、BAN当たりのセンサ個数(2個から16個)に対するBANの位置特定の平均誤差を示しており、図12bは、飛行時間の推定誤差(1cmから15m)に対するBANの位置特定の平均誤差を示している。実線のカーブ1211、1221は、BANがBAN内型の協調方法から恩恵を受けていない場合を示しており、破線のカーブ1212、1222は、BANが網羅的BAN内型の協調方法から恩恵を受けている場合を示しており、カーブ1213、1223は、BANが選択的BAN内型の協調方法から恩恵を受けている場合を示している。網羅的アプローチは、使用可能なすべての距離測定値を考慮することになり、ノードの位置特定のために選択されたアルゴリズムがすべてのノードに適用される。言い換えると、網羅的アプローチの場合は、距離測定値の数が不十分な(たとえば、平面内で2個以下である)ノードであっても位置特定され、これが誤差につながることがある。これに対し、選択的アプローチの場合は、距離測定値の数が十分である(たとえば、平面内で3個以上である)ノードだけが位置特定され、そうでないノードは位置特定されない。したがって、選択的アプローチは、網羅的アプローチに比べて、より高精度の位置特定の達成を可能にする。
図12aに示されたように、BANのセンサ数が多いほど、身体ネットワークの位置特定誤差は小さい。さらに、図12aおよび図12bによれば、選択的BAN内型または網羅的BAN内型の協調は、BANの全地球的位置特定の精度をかなり向上させることを可能にする。この向上は、特に、多様な距離測定値により、空間ダイバーシティおよび情報冗長性をよりよく利用することによって達成される。この冗長性は、様々な(ただし、1つ以上の同じノードを含む)リンクに関連付けられた複数の距離測定値がこれらのノードの位置に関する多量の相互情報を含んでいる(すなわち、同一位置が複数の距離で存在しうる)という事実によるものである。空間ダイバーシティは、移動体当たり複数のオブジェクト(送信機および/または受信機)を分散させて、それぞれが異なる伝搬状態を示す、統計的に独立した複数の無線リンクを確保することにより(すなわち、1つのノードから複数の近接ノードへのリンク、または複数のノードから同一近接ノードへのリンクの場合に)、必然的に達成される。したがって、たとえば、オブジェクトの1つが、アンカーから見てマスクされている場合には、この同じアンカーから見て可視である別のオブジェクトが存在して、そのアンカーとの距離の測定値が得られるようにすることが可能である。したがって、身体当たりのオブジェクト数が多いほど、距離測定の成功率は高い。
図12cは、BAN内で協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによる、BANのノードの位置特定の成功率の向上を表すカーブを示す。ノードの位置特定が成功と見なされるのは、位置特定誤差が、目的の用途に応じて定義された特定の閾値より小さい場合である(図12cの実施例では、閾値は2mに定義されている)。第1のカーブ1231は、協調方法を用いないBANの場合を示しており、第2のカーブ1232は、選択的な協調方法を用いたBANの場合を示しており、第3のカーブ1233は、網羅的な協調方法を用いたBANの場合を示している。図12cによれば、BAN内型の協調は、特に飛行時間推定誤差が50cmを超える場合のカバレッジ率の向上を可能にする。
図12dは、用いられる手順ごとの、BANのノードの位置特定に必要な遅延を表すカーブを示す。図12dの実施例は、「3方向レンジング」タイプのやりとり、および、802.15.4「ビーコン対応」タイプのプロトコル層または「媒体アクセス制御」(MAC)のやりとりに相当する。なお、ここでは、位置特定に必要な距離測定値の取得に関連する遅延のみを考慮しており、アルゴリズムおよび計算プラットフォームの選択に依存する処理時間は考慮に入れていない。このタイプのプロトコル層は、コーディネータノードの存在を前提としており、コーディネータノードは、周期的に「ビーコン」(言い換えると、特定のシグナリングおよび同期パケット)を送信することにより、ベースノードのスーパフレームの(このビーコンと同期された後の)開始範囲を定め、このスーパフレーム内で各ノードの送信を調整する。ビーコン対応型のMAC層は、特に、M. Maman, F. Dehmas, R. D'Errico, and L. Ouvry,「Evaluating a TDMA MAC for Body Area Networks Using a Space−time Dependent Channel Model」 The 20th Personal, Indoor and Mobile Radio Communications Symposium (PIMRC 2009),日本,東京,2009年9月の主題になっている。
距離測定値は、信号(またはパケット)のノード間送信によって得られるため、位置特定プロトコルは、媒体アクセス制御(OSIモデルの第2層)のレベルで達成される性能に対して無視できない影響を及ぼし、特に、無線位置特定メトリックの測定値の使用可能性(たとえば、「2方向レンジング」型のプロトコルスキームにおいてやりとりされるパケットのTOAの推定に基づく、ポイントツーポイント距離測定のためのリソースの割り当て)および/またはそれらの同じ測定値のリフレッシュレートに関して、無視できない影響を及ぼす。
第1のカーブ1241は、協調方法を用いないBANの場合を示しており、第2のカーブ1242は、選択的な協調方法を用いたBANの場合を示しており、第3のカーブ1243は、網羅的な協調方法を用いたBANの場合を示している。図12dによれば、網羅的なBAN内協調の場合、データ取得遅延が非常に長く、「歩行者ナビゲーション」タイプのリアルタイム用途では禁止的になる可能性すらある。これに対し、本発明による、選択的BAN内協調の実施は、限られたリソース(すなわち、専用時間間隔の割り当てによって有効になる、いくらかの無線リンクまたは測定値)を、これらのリソースが必要になった場合のみ結集することにより、エネルギの節約が可能になるという点で、本質的に節約的である。このアプローチにより、ここでの実施例では、遅延の半減が達成可能になる。
図13aおよび図13bは、1つ以上の近接BANにある協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによって達成される、BANのノードの位置特定率の向上を表すカーブを示す。これらの実施例では、リアルな移動性モデルに従って屋内環境内のあちこちを移動する無線身体ネットワークの一群が想定されている。
図13aのケースでは、飛行時間推定誤差は3cmに等しいと想定しており、図13bのケースでは、飛行時間推定誤差は3mに等しいと想定している。縦座標軸は、自身の位置特定に成功していないBANのパーセンテージを表しており(位置特定誤差の最大閾値は考慮していない)、横座標軸は、群当たりのBANの数(2から16の範囲)を表している。
第1のカーブ1311、1321は、協調方法を用いないBANの場合を示しており、第2のカーブ1312、1322は、「1対n」型の協調方法を用いたBANの場合を示しており、第3のカーブ1313、1323は、「n対n」型の協調方法を用いたBANの場合を示している。図13a、13bからわかるように、BAN間協調を用いない場合の位置特定の失敗率は、平均で25%に等しい。BAN間協調スキームを実施した場合、この率は、「1対1」型の協調では20%未満まで減少し、「n対n」型の協調では10%未満まで減少する。
図13cおよび図13dは、1つ以上の近接BANにある協調リンクを用いる、本発明によるデバイスによる、BANのノードの位置特定の成功率の向上を表すグラフを示す。縦座標軸は、達成される位置特定率を表しており、横座標軸は、群当たりのBANの数を表している。図13cのケースでは、飛行時間推定誤差は3cmに等しいと想定しており、図13dのケースでは、飛行時間推定誤差は3mに等しいと想定している。
第1のヒストグラム1331、1341は、「1対n」型の協調方法を用いたBANの場合を示しており、第3のカーブ1332、1342は、「n対n」型の協調方法を用いたBANの場合を示している。図13cおよび図13dは、位置特定成功率に関して、BAN間協調によって達成される向上を、BAN間協調を用いない場合と対比して目立たせている。これらのBAN間協調スキームによって達成可能な向上は、協調を用いない場合に比べて、10%から90%の範囲で様々である。この向上は、特に、群当たりのBANの数と、協調モードが「1対1」か「n対n」かによって変わる。
本発明による方法の一実装によれば、本方法はさらに、BANの第1のノードと第2のノードとの間で送信される超広帯域信号の間接経路の飛行時間を測定するステップを含んでおり、上記経路は、第1のノードと第2のノードとの間にある、BANをサポートしている移動体の外部にある面での単一反射によって発生しており、第2のノードは、選択により、以下のいずれかに属する、すなわち、
○第1のノードを擁するBAN
○上記身体から離れている固定式装置
○第2のBAN
1つ以上の間接経路時間測定を実施することの利点は、反射に関連する追加測定によって、位置特定システムが、特に以下に示される恩恵を、より低コストで得られることである、すなわち、
◆距離測定が不十分な場合に現れうる幾何学的曖昧さが排除される、
◆得られる測定値の冗長性および豊富さによって位置特定の精度が向上する、または、
◆身体の幾何学的制約および/または生体力学的制約に応じた相対的位置特定が可能である。
ここで、この後に用いるいくつかの用語および表現を定義しておく。「単純反射」という表現は、連続して何度も反射した信号ではなく、1回の反射を意味するものと理解されたい。「時間再現可能(time−reproducible reflection)」という表現は、さらにすべてのものが等しい場合に、反射信号が再送信された場合には必ず、時間が経過してもまったく同じ再現が可能な反射を意味するものと理解されたい。「空間再現可能」という表現は、信号が再送信された場合には必ず、(要素移動性(element mobility)に従って)空間的にまったく同じ再現が可能な反射を意味するものと理解されたい。これは、特に、床または天井からの反射に関する場合である。この再現性はさらに、バウンドの可能性、または波伝搬路の受信の時点(または一時的な期間)を予測する可能性を含む。「追跡アルゴリズム」という表現は、たとえば、時間の経過に対する位置(または1つ以上の経路、または速度、または加速度)の追跡(たとえば、動的位置特定)を可能にするアルゴリズムを意味するものと理解されたい。そのようなアルゴリズムの一例が、カルマンフィルタである。
この後に示す実施例は、人体に関する例示であるが、他のタイプの有機体や無機体(ロボットや自動誘導式の乗り物など)も用いてよい。
図14は、間接経路時間の測定値を利用する、本発明による方法の2つの主要フェーズ1501、1502を示す概略図である。
第1のフェーズ1501は、多経路チャネルのイメージを再現することが可能な(言い換えると、波伝搬チャネルのインパルス応答を推定することが可能な)UWB受信機を利用し、単純反射、時間再現可能反射、および空間再現可能反射(たとえば、床、天井、あるいは、壁や家具からの反射)によって発生する少なくとも1つの経路の到達時間を推定するアルゴリズムを実行する。したがって、第1のフェーズ1501は、ノードによって受信される無線電気信号1511に基づいて、それぞれが波伝搬路(間接(または二次)経路であるこれらの経路のうちの少なくとも1つの経路)に対応する1つ以上の到達時間推定値TOA、…、TOAを与える。
その後、第2のフェーズ1502は、位置特定および/または追跡アルゴリズムを通して、到達時間推定値TOA、…、TOAを利用して、位置特定されるべきノードを、相対的または絶対的に追跡または位置特定する。
以下、第1のフェーズ1501について詳述する。UWB信号の受信に関しては、コヒーレント受信および非コヒーレント受信という2つの技術カテゴリを区別することが可能である。
コヒーレント受信技術では、スライディング相関に依存することが可能である。これによって、準最適性能が達成可能になる。パルスの到達時点に応じて、非常に短い観察窓を配置し、受信された信号とパターン(すなわち、送信された信号の推定)との間の相関率の計算を実施する。この技術は、場合によっては、かなり複雑になる可能性があり、かなり強い同期制約を必要とし、これはエネルギ制約のあるシステムにはあまり適していない。
非コヒーレント受信技術では、受信された信号のエンベロープの振幅を所与の閾値と比較することにより、その信号のエネルギを検出する。この技術は、信号電力の積分間隔に応じて、少なくとも2つの変形形態が可能である。第1の変形形態によれば、積分は、チャネルのインパルス応答の多経路の時間的広がり(RMS遅延スプレッドとも呼ばれる)(すなわち、屋内で約20から80ns)の期間にわたって行われる。第2の変形形態によれば、積分は、送信されたUWBパルスの規模(すなわち、約数ns)で行われる。第1の変形形態は、エネルギの最大値を復元することを可能にするため、通信用途に、より適しており、一方、第2の手順は、UWB信号の高時間分解能をよりよく利用することを可能にするため、チャネルを位置特定または推定する用途に、より適している。
送信機ノードとUWB受信機ノードとの間の無線リンクが解析可能であるためには、UWB受信機のレベルでの多経路伝搬チャネルのイメージの再構築が十分正確であることが重要である。したがって、どの技術を採用する場合でも、この、無線電気信号1511を受信する第1のステップの最後において、UWB受信機ノードは、2つのUWB送受信機ノードの間で想定される無線リンクに対応する多経路チャネルのイメージをベースバンドで有しなければならず、直接経路および再現可能反射に関連する経路にそれぞれ対応する到達時間を抽出することが可能でなければならない。
図15は、間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する方法によって実装される超広帯域受信機の一実施形態を示す。受信機1600は、第1の増幅モジュール1601を含んでおり、これは、受信された信号を増幅し、ベースバンドへの変換を行うモジュール1602へ供給する。モジュール1602は、受信され周波数置換された信号をアナログデジタル変換器1603に与える。アナログデジタル変換器1603は、その信号を少なくともナイキスト周波数でサンプリングする。アナログデジタル変換器1603は、変換結果を、一方でインパルス応答を推定するモジュール1604に供給し、他方でRAKE受信機1605に供給する。RAKE受信機(またはフィンガ型受信機)は、一方で、受信したいくつかのエコーを位相結合することによって多経路の影響を打ち消すことを可能にし、他方で信号対ノイズ比(SNR)を向上させることによって、信号の検出性/同期/復調を改善する(チャネルに適合されたフィルタを含む)最適受信機である。RAKE受信機から発生する信号は、その後、ブロック1607で、送信されていた有用データを復元するためにデコードされる。並行して、アナログデジタル変換器1603は、変換結果を、チャネルインパルス応答を推定するモジュール1604にも供給し、その推定結果は、経路を抽出するモジュール1606によって利用される。
直接経路および一連の再現可能間接経路(床、天井などからの反射)に対応する到達時間を抽出するステップ1606は、特に、障害物がある状況(すなわち、NLOS状況)における非常に高いレートの無線リンクによって特徴付けられる無線身体ネットワークの文脈においては、困難である可能性がある。
直接経路に関して到達時間を推定することは、既知のアルゴリズムによって可能である。特に、J. Hogborn,「Aperture Synthesis with a Non−Regular Distribution of Interferometer Baselines」 Astron. and Astrophys. Suppl. Ser, vol. 15, 1974年で発表されたCLEANアルゴリズムに基づく一般化最大尤度(GML)アルゴリズムが挙げられる。
さらに、単純反射および再現可能反射によって発生する経路の抽出を容易にすることが可能であり、これは、たとえば、(利用可能な最後の位置または同期に基づく)直接経路の時間的位置の知識に基づいて、かつ/または、環境の幾何学的形状のアプリオリな知識に基づいて、かつ/または、幾何学的制約および生体力学的制約(たとえば、身体上の送信機ノードおよび/または受信機ノードの配置、ならびに、地面に対する身体の高さ)に基づいて、窓形成または経路追跡を適用することにより可能である。窓形成は、チャネルのインパルス応答の一部分だけを選択することである。実際、移動体(または無線ノード)の高さの知識、および反射の性質(床、天井、その他)の知識によって、そのような反射経路によってトラバース可能な最大距離が算出される。この後、無関係な経路を排除するために、チャネルのインパルス応答に時間窓形成を適用することが可能である。単純反射によって発生する二次経路の抽出も、追跡アルゴリズムによって実施することが可能であり、追跡アルゴリズムは、これらの経路の(既に推定されている)直前の時間的位置の知識に基づいて、これらの経路の現在位置を推定する。
なお、経路を抽出するステップの間に、LOS状況とNLOS状況との弁別を容易にするために、かつ/または、位置特定アルゴリズムを支援してその精度を上げるために、無線メトリック(たとえば、「RMS遅延スプレッド」など)を活用しようとすることも可能である。この「遅延スプレッド」メトリックは、多経路に関連する、遅延の有意な時間的広がり(すなわち、拡散)を評価することを可能にする。この広がりは、無線リンクに障害物がある状況(すなわち、NLOS状況)において増える傾向があり、チャネル状態を決定するツールを構成する。
第2のフェーズ1502(図14を参照)では、第1のフェーズ1501で発生した、直接経路、ならびに、一連の単純反射、時間再現可能反射、および空間再現可能反射に対応する到達時間測定値TOA、…、TOAを利用して、1つ以上の移動体ネットワークの各ノードを位置特定または追跡する。
非限定的な例示として、この後に想定する到達時間は、直接経路と、地面からの反射によって発生する経路とに関連する到達時間であるが、他のタイプの経路を考慮に入れてもよく、たとえば、天井からの反射や、(各ノードが環境の事前知識を有していると仮定して)他の障害物(壁や周囲の物体など)に関連する反射をを考慮に入れてもよい。
図16は、地面からの反射に起因する一例示的間接経路を示す。送信機ノード1701から受信機ノード1702へ、無線電気信号が送信される。2つのノード1701、1702の間の第1の経路1711は、直接経路であり、言い換えると、2つのノードをリンクする直線セグメントである。図16において一点鎖線で表されている第2の経路1712は、地面1720からの反射によって発生した間接経路である。地面に対する第2の経路1712の入射角Θ1と反射角Θ2は等しいことを思い出されたい。
上述のようにUWB受信機を使用することにより、受信機ノード1702は、チャネルのインパルス応答の少なくとも一部分を推定すること、ならびに、直接経路1711および間接経路1712にそれぞれ対応する到達時間TOAおよびTOAを抽出することが可能である。
3次元基準系で表される座標を考えることにより、かつ、各ノードが同期されていると仮定することにより、到達時間と、各ノードの距離および座標との関係を、次式のように表すことが可能である。
Figure 2014502339
ただし、
●Dは、送信機1701と受信機1702との間の地上距離を表す。
●Dは、直接経路1711の長さを表す。
●Rは、間接経路1712の長さを表す。
●cは、電磁波の速度を表す。
●TOAおよびTOAは、第1の経路1711および第2の経路1712に沿って伝搬する各信号の飛行時間に相当する到達時間の測定値である。
●hおよびhは、送信機1701および受信機1702がそれぞれ位置している高さである。
この実施例は、非同期系のケースに拡張することが可能であり、そのケースでは、到達時間の推定に加えて、飛行時間が、N方向レンジング型のプロトコル(たとえば、D. Macagnano and Al.,「MAC Performance for Localization and Tracking in Wireless Sensor Networks」, In Proceedings of the 4th Workshop on Positioning, Navigation and Communication (WPNC),2007年3月で発表されているものなど)によって推定される。
この局面で、受信機ノード1702は、これら2つの距離測定値を利用して、送信機ノード1701と関連する、受信機ノード1702の絶対位置または相対位置の計算を精緻化することが可能である。
この位置特定および/または追跡アルゴリズムは、様々な距離測定値および関連するメトリックを入力として取得し、所与の用途(たとえば、ナビゲーション、位置特定、モーションキャプチャ)に必要な情報(たとえば、相対位置、絶対位置)を出力として提供する。受信機ノード1702の位置特定または追跡を実施するために使用可能なアルゴリズムはいくつかあり、特に、非線形最適化アルゴリズム、線形化最小二乗手順、トライラテレーション手順、カルマンフィルタ(拡張カルマンフィルタ(EKF)を含む)、およびパーティクルフィルタが使用可能である。
次に、間接経路時間の測定値を利用する、本発明による方法のいくつかの実装を、制限的でなく網羅的でもない様式で例示する。簡略化するために、以下では、間接経路は地面からの反射によるものとする。
図17aおよび図17bは、間接経路時間の測定値を利用する、本発明による方法の第1の実装を示しており、この実装では、身体に装着された第2のノード1802の位置特定を、同じ身体に装着された第1のノード1801との関連で実施する。
この実施例では、ノード1801、1802は、動いている人体1800に装着されている。第1のノード1801の位置は、身体に対してローカルな基準面において、または、既存の任意の基準面との関連で、既知であるものとする。第1のノード1801は、第2のノード1802へ信号を送信する。第2のノード1802は、一方では直接経路の長さDを推定し、他方では地面1840からの反射の結果である間接経路の長さRを推定することにより、本発明による方法を実行する。
この実施例では、地面1840からの反射に対応する間接経路Rの長さの測定値は、第1のノード1801の高さの約2倍に相当する。そして、第2のノード1802は、第1のノード1801を通る水平面に近接して位置していると推定することが可能である。さらに、直接経路の長さDの測定値が身体の股関節部の幅より大きいことから、第2のノード1802は、第1のノード1801の右にある手首の高さに位置していると推定することが可能である。
したがって、図17aに示されたように、直接経路の長さDの測定値だけでは、第2のノード1802を位置特定することは可能にならない。これは、第2のノード1802が、図18aに破線で表された、第1のノード1801を中心とする、半径Dの球1811の表面上に位置していると考えられるためである。同じ無線リンクに関して、地面からの反射による、追加の飛行時間測定値を考慮することにより、第2のノード1802は、幾何学的かつ/または生体力学的な関係および制約によって、自身の相対位置または絶対位置を推定するために利用可能な情報をさらに有する。図17bに示されたように、第2のノード1802は、第1のノード1801を中心とする、半径Dの第1の球1811と、地面1840上の反射点1850を中心とする第2の球1812との交点に位置する。各経路(直接および間接)の飛行時間の測定値の数が多いほど、第2のノード1802の位置特定の精度に関しては好ましいことは明らかであろう。
なお、本発明による方法の別の実装によれば、第1のノード1801に信号を送信するのが第2のノード1802であり、そして、経路に関連付けられた飛行時間を、別の通信リンクから第2のノード1802へ再送信することが可能である。
図18aおよび図18bは、間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第2の実装を示す。この実施例では、3つのノード1901、1902、1903が、人体1900に装着されている。第1のノード1901および第3のノード1903は、位置が既知である。この方法は、第1および第3のノード1901、1903を基準とする第2のノード1902の位置を特定するために用いられる。
第1のノード1901は、第2のノード1902へ信号を送信し、第3のノード1903も、第2のノード1902へ信号を送信する。その後、第2のノード1902は、第1のノード1901と第2のノード1902との間の直接経路の長さDと、地面1940からの反射の結果である、第1のノード1901と第2のノード1902との間の間接経路の長さRと、第3のノードと第2のノード1902との間の直接経路の長さDと、を推定することにより、本発明による方法を実行する。
図18aに示されたように、直接経路DおよびDの長さの測定値だけでは、第2のノード1902の位置を正確に推定することは可能にならない。これは、特定の幾何学的曖昧さが残っているためである。図18aの実施例では、第1のノード1901を中心とする、半径D1の第1の球1911と、第3のノード1903を中心とする、半径D3の第2の球1912との交点をマーキングしている点の高さで、第2のノード1902を位置特定することが可能である。間接経路の長さRの追加測定値により、特定の幾何学的曖昧さを排除して、第2のノード1902をより正確に位置特定することが可能である。これは、地上の反射点1950を中心とする第3の球1913の表面という形で新たな位置特定制約が追加されるためである。
図19は、間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第3の実装を示しており、この実装では、同一身体に装着されていて、それぞれの位置がアプリオリに未知である一連のノードを、相対的に位置特定する。
この実施例では、3つのノード2001、2002、2003が、人体2000に装着されている。この方法は、各ノードの位置特定を、他の2つを基準にして行う。この実施例では、各ノードペアのノード間で信号を送信し、以下のように経路長を測定する、すなわち、
●第2のノード2002と第3のノード2003との間で、直接経路の長さD、および地面2040から反射された間接経路の長さRを推定する。
●第1のノード2001と第3のノード2003との間で、直接経路の長さDを推定する(この実施例では、これら2つのノードの間で間接経路の測定を行わない)。
●第1のノード2001と第2のノード2002との間で、地面2040から反射された間接経路の長さRを推定する(この実施例では、これら2つのノードの間で直接経路の測定を行わない)。
(特に地面からの反射に関連付けられた経路長R、Rの測定値を考慮することによる)UWBチャネルの多経路ダイバーシティの利用により、直接経路に関連付けられた測定値のみに依存する場合に発生しうる幾何学的曖昧さを最小限に抑えることが可能になる。したがって、各ノードの位置特定を、互いを基準にして相対的に再構築することが可能である。
このタイプの完全に相対的な位置特定は、様々な用途に有用となる可能性があり、たとえば、人の動きの再構築、人へのノード装着の確認、これらのノードによって形成されるネットワークの完全性の検証などの用途に有用となる可能性がある。
図20aおよび図20bは、間接経路時間の少なくとも1つの測定値を利用する、本発明による方法の第4の実装を示しており、この実装では、移動ノード2102の位置特定を、通信レンジ内に位置する他のノード2101、2103との関連で実施する。
図20aの実施例では、第1のノード2101および第2のノード2102が第1の人体2110上に位置しており、第3のノード2103が、第2のノード2102の通信レンジ内の第2の人体2120上に位置している。第1のノード2101および第3のノード2103の位置は既知である。目的は、第2のノード2102の位置を特定することである。そこで、経路長の測定を、以下のように実施する、すなわち、
●第1のノード2101と第2のノード2102との間で、直接経路の長さD、および地面2140から反射された間接経路の長さRを推定する(BAN内測定)。
●第3のノード2103と第2のノード2102との間で、直接経路の長さD、および地面2140から反射された間接経路の長さRを推定する(BAN間測定)。
図20aの実施例で行われるすべての測定は、同一身体ネットワーク(第1の人体2110に関連付けられたBAN)内のノード間での信号送信によるものである。これらの測定値D、R、D、Rは、BAN内測定値と呼ばれ、第2のノード2102の位置特定に利用される。
図20bの実施例では、第1のノード2101、第2のノード2102、および第3のノード2103が、第1の身体2110上に位置しており、第1の身体2110は、「アンカー」とも呼ばれる固定基地局2130の通信レンジ内を動き回る。基地局2130は、ノード2104を含んでいる。目的は、第2のノード2102の絶対位置を特定することである。そこで、経路長の測定を、以下のように実施する、すなわち、
●第1のノード2101と第2のノード2102との間で、直接経路の長さD、および地面2140から反射された間接経路の長さRを推定する(BAN内測定)。
●第3のノード2103と第2のノード2102との間で、直接経路の長さD、および地面2140から反射された間接経路の長さRを推定する(BAN内測定)。
●アンカー2130のノード2104と第2のノード2102との間で、直接経路の長さD4、および地面2140から反射された間接経路の長さR4を推定する(アンカー−BAN測定)。
この場合も、第2のノード2102は、位置特定または追跡アルゴリズム(たとえば、トライラテレーション手順、最小二乗手順、フィルタリング)を用い、間接経路の長さR、R、Rの測定値を利用して、自身の位置特定の精度を上げることが可能である。
本発明による方法およびデバイスは、たとえば、コストや消費電力が制約要因にならない軍事用途、セキュリティ用途、またはレスキュー用途で用いることが可能である。より一般的には、本発明による方法およびデバイスは、一般大衆向けに、たとえば、モーションキャプチャ、姿勢検出、ナビゲーション、オブジェクトのペアのオブジェクト間のポイントツーポイントリンクを必要とする拡張ソーシャルネットワーク、および地理的位置特定サービスに向けて、企図されたデバイスにおいて使用可能である。たとえば、本発明によるデバイスは、衛星位置特定デバイスが使用できない建物、たとえば、商業地区、空港、博物館、工場地区、または役所など、の中を動き回る移動集団の位置特定を可能にすることができる。これによって、ユーザが、あるゾーンに位置して、たとえば、関心のある行程を決定したり、強化されたリアリティ技術の恩恵を受けたりすることが可能となるようにできる。

Claims (8)

  1. 無線手段によって信号の送信および/または受信を行うことが可能ないくつかのノードを備える第1の移動体によって保有される複数のノード(441a、441b、451a、461a、471a、471b、481a、481b、491a、491b)の協調位置特定方法であって、前記方法は、前記複数ノードのうちの少なくとも1つの第1のノードについて、前記第1のノードを第2の複数ノード(451b、453、461b、462a、492a、492b、493a、493b)から隔てている距離を、前記無線手段を用いて測定するステップを含み、前記第2の複数ノードのそれぞれは、選択により、次の別々のタイプのエンティティ、すなわち、
    ●前記第1の移動体(451、461)、
    ●前記移動体の送信レンジ内に離れて位置する固定式装置(443、453)、
    ●前記第1の移動体の送信レンジ内に離れて位置する第2の移動体(442、462、472、482、484、492、493)
    のいずれかによって保有されており、前記第2の複数ノードのすべてのうちの、前記距離測定に使用される少なくとも2つのノードが、別々のタイプの2つのエンティティによって、かつ/または、前記第2の移動体(472、492)によって保有され、前記方法は、前記測定値を利用して、少なくとも前記第1のノードの位置特定を、少なくとも前記第2の複数ノードのサブセットに対して行うステップを含み、前記方法はさらに、前記移動体によって保有される前記複数ノード(441a、441b、451a、461a、471a、471b、481a、481b、491a、491b)の少なくとも1つの他ノード(451b、461b、491b)の位置特定を、この他ノードを第3のノード(451a、461a、492a、492b、493a、493b)から隔てている距離の少なくとも1つの測定値を利用して行うステップを含み、この第3のノードは前記第1のノードであることが可能であることを特徴とする方法。
  2. 前記第1のノードと、前記第1の移動体から離れたエンティティによって既に位置特定および保有されている第2のノードとの間の距離を測定する第1のステップ(851)が実行され、前記測定値に基づいて前記第1のノードの位置を推定する第2のステップ(852)が実行され、前記第2のステップ(852)の完了時点で、前記第1のノードの位置を所望の精度で特定することが可能になっていない場合に第3のステップ(854)が実行され、前記第3のステップ(854)は、前記第1のノードと、前記第1の移動体によって保有されていて前記第1のステップ(851)の完了時点で位置特定されている少なくとも1つの他ノードとの間の距離の少なくとも1つの測定を行うことを含み、その後、前記第1のノードの位置は、前記第1のステップ(851)および前記第3のステップ(854)から得られる距離測定値に基づいて推定される、請求項1に記載の協調位置特定方法。
  3. 第1のステップ(1051、1052、1053)が、前記第1のノードと前記第2のノードとの間の距離の測定値を取得することを含み、少なくとも1つの第2のノードが、前記第1の移動体によって保有され、少なくとも1つの他の第2のノードが、前記第1の移動体から離れたエンティティによって保有され、前記方法は、前記距離測定値に基づいて前記第1のノードの位置を推定する第2のステップ(1055)を実行する、請求項1に記載の協調位置特定方法。
  4. 前記第1のノード(1802、1902、2002、2102)と第2のノード(1801、1901、1903、2001、2003、2101、2103、2004)との間で送信される超広帯域信号の間接経路の飛行時間の少なくとも1つの測定が行われ、前記経路は、前記第1のノードと前記第2のノードとの間での、前記第1のノードを含む前記移動体の外部にある面(1840、1940、2040、2140)からの1回の反射によって発生し、前記第2のノードは、選択によって、
    ○前記第1の移動体(1800、1900、2000、2110)、
    ○前記移動体の送信レンジ内に離れて位置する固定式装置(2130)、
    ○前記第1の移動体の送信レンジ内に離れて位置する第2の移動体(2120)
    に属し、前記飛行時間測定値を利用して、少なくとも前記第2のノードに対する前記第1のノードの位置を特定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の協調位置特定方法。
  5. 前記距離測定は、前記第1のノードと第2のノードとが同期されている場合に前記第1のノードと前記第2のノードとの間で送信される信号の到達時間を測定すること、または、前記第1のノードと第2のノードとが同期されていない場合に前記第1のノードと前記第2のノードとの間で送信される信号のやりとりの到達時間を測定することによって行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の協調位置特定方法。
  6. 移動体の協調位置特定方法であって、前記移動体のいくつかのノードについて、前記ノードの位置を推定するために、請求項1〜6のいずれか一項に記載の、ノードの協調位置特定を行う第1のステップと、前記位置を利用して前記移動体の位置を特定する第2のステップと、を含む方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法の実装に適したシステムであって、前記システムは、いくつかのノードを含む第1の移動体(501、701)を含み、前記いくつかのノードのうちの少なくとも1つのノード(E、E/R)が信号を送信することが可能、たとえば、超広帯域無線周波数送信機、であり、前記ノード(E、E/R)は、前記送信機によって送信された信号を受信することが可能な受信機を含む少なくとも1つの第2のノード(511、512、513、514、711、712、713、714)の送信レンジ内にあり、前記第1の移動体は、前記送信機ノードの位置を計算する手段を備える、システム。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法の実装に適したシステムであって、前記システムは、いくつかのノードを含む第1の移動体(501、701)を含み、前記いくつかのノードのうちの少なくとも1つのノード(R、E/R)が信号を受信することが可能、たとえば、超広帯域無線周波数受信機、であり、前記ノード(R、E/R)は、信号の送信機を含む少なくとも1つの第2のノード(611、612、613、614、711、712、713、714)の送信レンジ内にあり、前記システムは、前記受信機ノードの位置を計算する手段を備える、システム。
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