JP2014240452A - 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形品、及びメッキ層付樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形品の外観を維持しつつ、樹脂成形品の表面に適切にメッキを形成できる、ガラス繊維を含む熱可塑性樹脂組成物の提供。【解決手段】示差走査熱量測定(DSC)による融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤20〜40重量部と、ガラス繊維10〜150重量部を含む熱可塑性樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに、該熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品および、この樹脂成形品の表面に、メッキ層を形成したメッキ層付樹脂成形品の製造方法に関する。
近年、スマートフォンを含む携帯電話の開発に伴い、携帯電話の内部にアンテナを製造する方法が種々検討されている。特に、携帯電話に3次元設計ができるアンテナを製造する方法が求められている。このような3次元アンテナを形成する技術の1つとして、レーザーダイレクトストラクチャリング(以下、「LDS」ということがある)技術が注目されている。LDS技術は、例えば、LDS添加剤を含む樹脂成形品の表面にレーザーを照射し、レーザーを照射した部分のみを活性化させ、該活性化させた部分に金属を適用することによってメッキ層を形成する技術である。この技術の特徴は、接着剤などを使わずに、樹脂基材表面に直接にアンテナ等の金属構造体を製造できる点にある。かかるLDS技術は、例えば、特許文献1〜4に開示されている。
特表2000−503817号公報 特表2004−534408号公報 国際公開WO2009/141800号パンフレット 国際公開WO2012/128219号パンフレット
ここで、LDS用の熱可塑性樹脂組成物に、LDS添加剤を多く配合するとメッキ性が向上することが期待できる。しかしながら、樹脂成形品中における樹脂の割合が減るため、樹脂成形品の外観が劣りやすい。特に、ガラス繊維を配合する処方においては、樹脂成形品の外観が問題となりやすい。本発明は、かかる問題点を解決することを目的としたものであって、樹脂成形品の外観を維持しつつ、樹脂成形品の表面に適切にメッキを形成できる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、結晶化温度の高い結晶性熱可塑性樹脂を使ってもLDS添加剤の量を適正化することで、ガラス繊維を入れた処方においても、樹脂成形品の外観を良好にでき、メッキ性に優れた樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<12>により、上記課題は解決された。
<1>示差走査熱量測定(DSC)による融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤20〜40重量部と、ガラス繊維10〜150重量部を含む熱可塑性樹脂組成物。
<2>前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の配合量が前記結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、20重量部を超え40重量部以下である、<1>に記載の熱可塑性樹脂組成物。
<3>前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、銅とクロムを含む酸化物を含む、<1>または<2>に記載の熱可塑性樹脂組成物。
<4>さらに、タルクを含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<5>前記結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、<1>〜<4>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
<7>さらに、表面にメッキ層を有する、<6>に記載の樹脂成形品。
<8>携帯電子機器部品である、<6>または<7>に記載の樹脂成形品。
<9>前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、<7>または<8>に記載の樹脂成形品。
<10><1>〜<5>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<11>前記メッキ層が銅メッキ層である、<10>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<12><10>または<11>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
樹脂成形品の外観を維持しつつ、樹脂成形品の表面に適切にメッキを形成できる、ガラス繊維を含む熱可塑性樹脂組成物を提供可能になった。
樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(以下、単に、「本発明の組成物」ということがある)は、示差走査熱量測定(DSC)による融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤20〜40重量部と、ガラス繊維10〜150重量部を含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、樹脂成形品の外観を維持しつつ、樹脂成形品の表面に適切にメッキを形成することが可能になる。以下、本発明の組成物の詳細について、説明する。
<示差走査熱量測定(DSC)による融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂>
本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂は、示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上であることを特徴とし、融点が255℃以上であることが好ましい。上限は特に定めるものではないが、通常、350℃以下である。このような樹脂を採用することにより、リフローハンダ工程時の製品寸法がより効果的に保持される。しかしながら、結晶化温度の高い熱可塑性樹脂を使い、ガラス繊維を配合した処方においては、樹脂成形品の外観が劣ったりする場合がある。特に、LDS添加剤は、メッキ性を発揮させるには必要な物質であるが、LDS添加剤を配合することによって、他の性能に影響を与えやすい。本発明では、結晶化温度の高い結晶性熱可塑性樹脂を使ってもLDS添加剤の量を適正化することで、ガラス繊維を入れた処方においても、樹脂成形品の外観を良好にでき、メッキ性に優れた樹脂組成物を得ることができた点で価値が高い。
結晶性熱可塑性樹脂とは、明確に結晶構造または結晶化可能な分子構造を有し、非ガラス様特性を示す熱可塑性樹脂であり、測定可能な融解熱を有し明確な融点を示すものをいう。融点および融解熱は、示差走査熱量測定装置、例えば、パーキン・エルマー(PERKIN-ELMER)社製、DSC−IIを用いて測定することができる。すなわち、この装置を用いて測定される融解熱が、1カロリー/グラム以上のものを、結晶性熱可塑性樹脂と定義する。融点は、示差走査熱量測定装置を用いて、1分間当り10℃の昇温速度で、試料を予測される融点以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃の速度で降温し、20℃まで冷却し、そのまま約1分間放置した後、再び1分間当り10℃の速度で加熱昇温することにより測定することができる。以下特に述べない限り、本明細書における結晶性熱可塑性樹脂は、「示差走査熱量測定(DSC)による融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂」を意味する。
本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマーなどが挙げられ、ポリアミド樹脂が好ましい。結晶性熱可塑性樹脂は、単独でも2種類の樹脂の混合物であってもよい。
ポリエステル樹脂としては、特開2010−174223号公報の段落番号0013〜0016の記載を参酌することができる。
ポリアセタール樹脂としては、特開2003−003041号公報の段落番号0011、特開2003−220667号公報の段落番号0018〜0020の記載を参酌することができる。
ポリアミド樹脂としては、特開2011−132550号公報の段落番号0011〜0013の記載を参酌することができる。好ましくは、ジアミン構成単位(ジアミンに由来する構成単位)の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂である。ジアミンの50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸と重縮合されたキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。
好ましくは、ジアミン構成単位の70モル%以上、より好ましくは80モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特には80モル%以上が、炭素原子数が好ましくは4〜20の、α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂である。4〜20のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸は、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸などが好適に使用できる。
本発明では特に、分子内に芳香環を含み、芳香環を構成する炭素原子のポリアミド樹脂分子中に対する割合が30モル%以上であるポリアミド樹脂が好ましい。このような樹脂を採用することにより、吸水率の減少し、結果として、吸水寸法変化がより効果的に抑えられる。
本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂のガラス転移点は、40〜180℃であることが好ましく、60〜130℃であることがより好ましい。
本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂の数平均分子量は、5000〜45000であることが好ましく、10000〜25000であることがより好ましい。
本発明の組成物中における結晶性熱可塑性樹脂の配合量は、10〜80重量%であることが好ましく、30〜70重量%であることがより好ましい。
<ガラス繊維>
本発明の組成物は、ガラス繊維を含む。本発明で好ましく使用されるガラス繊維は、平均直径が20μm以下のものが好ましく、さらに1〜15μmのものが、物性バランス(強度、剛性、耐熱剛性、衝撃強度)をより一層高める点、並びに成形反りをより一層低減させる点で好ましい。また、通常断面形状が円形のガラス繊維が一般的に用いられることが多いが、本発明では、特に限定はなく、例えば断面形状がまゆ形、楕円形、矩形の形状においても同様に使用できる。
ガラス繊維の長さは特定されるものでなく、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)等から選択して用いることができる。この場合の集束本数は、100〜5000本程度であることが好ましい。また、本発明の組成物を混練した後の組成物中のガラス繊維の長さが平均0.1mm以上で得られるならば、いわゆるミルドファイバー、ガラスパウダーと称せられるストランドの粉砕品でもよく、また、連続単繊維系のスライバーのものでもよい。原料ガラスの組成は、無アルカリのものも好ましく、例えば、Eガラス、Cガラス、Sガラス等が挙げられるが、本発明では、Eガラスが好ましく用いられる。
ガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等で表面処理されていることが好ましく、その付着量は、通常、ガラス繊維重量の0.01〜1重量%である。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウンム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
本発明の組成物における、ガラス繊維の配合量は、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、10〜150重量部であり、好ましくは10〜130重量部であり、より好ましくは20重量部以上100重量部未満である。
本発明の組成物では、通常、結晶性熱可塑性樹脂とガラス繊維で、全成分の60重量%以上を占める。
<レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤>
本発明の組成物は、LDS添加剤を含む。
本発明におけるLDS添加剤は、後述する実施例で合成している樹脂(1)(PAP10)樹脂100重量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を4重量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力10W、周波数80kHz、速度3m/sにて照射し、その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製M−Copper85のメッキ槽にて実施し、該レーザー照射面に金属を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品はLDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。公知のLDS添加剤は、黒色のものが多かったが、本発明では、黒色でないLDS添加剤も広く採用できるので、樹脂成形品に色をつけることが可能になる。
本発明の組成物における、LDS添加剤の配合量は、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、20〜40重量部であり、好ましくは20重量部を超え40重量部以下であり、より好ましくは25〜40重量部であり、特に好ましくは30重量部を超え40重量部以下であり、より特に好ましくは32〜40重量部である。LDS添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
以下に、本発明で用いるLDS添加剤の好ましい実施形態を述べる。このような実施形態のLDS添加剤を用いることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明で用いるLDS添加剤の第一の実施形態は、銅を含むLDS添加剤である。第一の実施形態で用いるLDS添加剤は、銅を含む酸化物であることが好ましく、銅とクロムを含む酸化物(銅クロム酸化物)であることがより好ましい。このようなLDS添加剤としては、例えば、CuCr24やCu3(PO42Cu(OH)2が挙げられ、特にCuCr24が好ましい。このように、銅を含む酸化物をLDS添加剤として用いることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。第一の実施形態で用いるLDS添加剤における銅の含有量は、20〜95質量%であることが好ましい。
第一の実施形態で用いるLDS添加剤のモース硬度は、5.5以上であることが好ましく、5.5〜6.5であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、樹脂成形品の機械的強度をより向上させることができる。
第一の実施形態で用いるLDS添加剤は、平均粒子径が0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましい。このような平均粒子径とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明で用いるLDS添加剤の第二の実施形態は、アンチモンおよび/または錫を含むLDS添加剤である。金属成分として、アンチモンまたは錫の一方のみを含むLDS添加剤中の金属成分のうちアンチモンまたは錫の含有量は、それぞれ、1〜95重量%であることが好ましく、1.5〜60重量%がより好ましい。アンチモンと錫の両方を含む態様では、LDS添加剤の金属成分中、アンチモンと錫の合計量が90重量%以上であることが好ましく、90〜100重量%がより好ましい。
LDS添加剤の第二の実施形態では、アンチモンと錫を含むLDS添加剤が好ましく例示される。本実施形態では、アンチモンと錫の両方を含み、かつ、アンチモンよりも錫の含有量の方が多い態様がより好ましく、アンチモンと錫の両方を含み、かつ、酸化アンチモンおよび/または酸化錫を含み、かつ、アンチモンよりも錫の含有量の方が多い態様がさらに好ましい。
本発明で用いられるLDS添加剤として、アンチモンがドープされた錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化アンチモンがドープされた酸化錫が例示できる。
<アルカリ>
本発明の組成物はアルカリを含んでいてもよい。本発明で用いるLDS添加剤が酸性物質(例えば、pH6以下)の場合に、組み合わせによって自身が還元することで色目がまだら模様となるケースがあるが、アルカリを添加することにより、得られる樹脂成形品の色あいをより均一にすることができる。アルカリの種類は特に定めるものではなく、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。アルカリは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。例えば、上述の銅を含むLDS添加剤(Cu3(PO42Cu(OH)2)が酸性物質のLDS添加剤に該当する。
本発明の組成物における、アルカリの配合量は、LDS添加剤の種類及びアルカリの種類にもよるが、LDS添加剤の配合量の、好ましくは0.01〜3重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。アルカリは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<無機顔料>
本発明の組成物は無機顔料を含んでいてもよい。本発明では、無機顔料を添加することにより、樹脂成形品を着色することが可能になる。無機顔料としては、CIELabにおけるL*値が80以上、かつ、モース硬度が5.0以下の無機顔料が好ましい。L*値は、50〜100がより好ましい。
本発明の組成物における無機顔料の配合量は、本発明の組成物100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、0.5〜12重量部であることがさらに好ましい。1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<タルク>
本発明の組成物は、タルクを含んでいても良い。本発明では、タルクを配合することにより、樹脂成形品のメッキ特性をより良好にすることができ、樹脂成形品に適切なメッキを形成することができる。タルクは、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン類およびオルガノポリシロキサン類から選択される化合物の少なくとも1種で表面処理されたものを用いてもよい。この場合、タルクにおけるシロキサン化合物の付着量は、タルクの0.1〜5重量%であることが好ましい。
本発明の組成物における、タルクの配合量は、本発明で用いる結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜8重量部であることがより好ましく、1.0〜5重量部であることがさらに好ましい。また、タルクがシロキサン化合物で表面処理されている場合には、シロキサン化合物で表面処理されたタルクの配合量が、上記範囲内であることが好ましい。タルクは、1種類のみでもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<離型剤>
本発明の組成物は、離型剤をさらに含有していてもよい。離型剤は、主に、本発明の組成物の成形時の生産性を向上させるために使用されるものである。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸アミド系、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの離型剤の中では、特に、カルボン酸アミド系化合物が好ましい。
脂肪族カルボン酸アミド系としては、例えば、高級脂肪族モノカルボン酸および/または多塩基酸とジアミンとの脱水反応によって得られる化合物が挙げられる。
高級脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数16以上の飽和脂肪族モノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸が好ましく、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
カルボン酸アミド系化合物としては、ステアリン酸とセバシン酸とエチレンジアミンを重縮合してなる化合物が好ましく、ステアリン酸2モルとセバシン酸1モルとエチレンジアミン2モルを重縮合させた化合物がさらに好ましい。また、N,N'−メチレンビスステアリン酸アミドやN,N'−エチレンビスステアリン酸アミドのようなジアミンと脂肪族カルボン酸とを反応させて得られるビスアミド系化合物の他、N,N'−ジオクタデシルテレフタル酸アミド等のジカルボン酸アミド化合物も好適に使用し得る。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族又は脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、脂肪族炭化水素の数平均分子量は好ましくは5000以下である。
離型剤の含有量は、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上であり、また、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1.5重量部以下である。離型剤の含有量を、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.001重量部以上とすることによって、離型性を良好にすることができる。また、離型剤の含有量を、結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対して、2重量部以下とすることによって、耐加水分解性の低下を防止することができ、また、射出成形時の金型汚染を防止することができる。離型剤は、1種類のみでもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、難燃剤、酸化チタン、アルカリ、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。これらの成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
<熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法としては、任意の方法を採用することができる。例えば、結晶性熱可塑性樹脂と、LDS添加剤と、ガラス繊維をV型ブレンダー等の混合手段を用いて混合し、一括ブレンド品を調整した後、ベント付き押出機で溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。あるいは、二段階練込法として、予め、ガラス繊維以外の成分等を、十分混合後、ベント付き押出機で溶融混練りしてペレットを製造した後、そのペレットとガラス繊維を混合後、ベント付き押出機で溶融混練りする方法が挙げられる。
さらに、ガラス繊維以外の成分等を、V型ブレンダー等で十分混合したものを予め調整しておき、この混合物をベント付き二軸押出機の第一シュートより供給し、ガラス繊維は押出機途中の第二シュートより供給して溶融混練、ペレット化する方法が挙げられる。
押出機の混練ゾーンのスクリュー構成は、混練を促進するエレメントを上流側に、昇圧能力のあるエレメントを下流側に配置されることが好ましい。
混練を促進するエレメントとしては、順送りニーディングディスクエレメント、直交ニーディングディスクエレメント、幅広ニーディングディスクエレメント、および順送りミキシングスクリューエレメント等が挙げられる。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常180〜360℃の範囲から適宜選択することができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる場合がある。そのため、剪断発熱等を考慮したスクリュー構成を選定することが望ましい。また、混練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する観点から、酸化防止剤や熱安定剤を使用してもよい。
樹脂成形品の製造方法は、特に限定されず、熱可塑性樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
<メッキ層付樹脂成型品の製造方法>
次に、本発明のメッキ層付樹脂成型品の製造方法、具体的には、本発明の組成物を成形した樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を図1に従って説明する。
図1は、レーザーダイレクトストラクチャリング技術によって、樹脂成形品1の表面にメッキを形成する工程を示す概略図である。図1において、樹脂成形品1は、平坦な基板となっているが、必ずしも平坦な基板である必要はなく、一部または全部が曲面している樹脂成形品であってもよい。また、樹脂成形品1には、最終製品に限定されず、各種部品も含まれる。
本発明における樹脂成形品1としては、携帯電子機器部品が好ましい。携帯電子機器部品は、高い耐衝撃特性と剛性、優れた耐熱性を併せ持つうえ、異方性が小さく、反りが小さいという特徴を有し、電子手帳、携帯用コンピューター等のPDA、ポケットベル、携帯電話、PHSなどの内部構造物及び筐体として極めて有効である。特に、成形品がリブを除く平均肉厚が1.2mm以下(下限値は特に定めるものではないが、例えば、0.4mm以上)である平板形状の携帯電子機器用部品に適しており、中でも筐体として特に適している。
レーザー2は、特に限定されるものではなく、YAGレーザー、エキシマレーザー、電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、特にYGAレーザーが好ましい。また、レーザー2の波長も特に限定されるものではない。好ましいレーザー2の波長範囲は、200nm〜1200nmであり、特に好ましくは800〜1200nmである。
レーザー2が樹脂成型品1に照射されると、レーザー2が照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。このように活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀およびパラジウムの少なくとも1種が配合されているものが好ましく、銅がより好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に限定されないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品1は、レーザー2を照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回線間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。かかる回路は携帯電子機器部品のアンテナとして好ましく用いられる。すなわち、本発明の樹脂成形品1の好ましい実施形態の一例として、携帯電子機器部品の表面に設けられたメッキ層が、アンテナとしての性能を保有する樹脂成形品が挙げられる。
さらには、本発明の方法では、レーザー照射によって付与される単位面積当たりのエネルギー量が2000〜100000Wμs/mm2、さらには、4000〜10000Wμs/mm2としても、適切にメッキを形成できる。すなわち、本発明の組成物は、メッキを形成できるレーザー照射条件が広いという利点を有する。この結果、角部を有する成形品など、均一なレーザー照射が難しい領域にも、適切にメッキを形成できる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2011−219620号公報、特開2011−195820号公報、特開2011−178873号公報、特開2011−168705号公報、特開2011−148267号公報の記載を参酌することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<製造例1>
(樹脂(1)(MP10)の合成)
セバシン酸(伊藤製油製)を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミンのモル比が7:3の混合ジアミンを、ジアミンとジカルボン酸とのモル比が1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を上昇させた。滴下終了後、所定の粘度になるまで攪拌、反応を続けた後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミド樹脂(MP10)を得た。融点は、253℃であった。
<製造例2>
(樹脂(2)(MP6)の合成)
アジピン酸(ローディア製)を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミンのモル比が4:6の混合ジアミンを、ジアミンとジカルボン酸とのモル比が1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を上昇させた。滴下終了後、所定の粘度になるまで攪拌、反応を続けた後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミド樹脂(MP6)を得た。融点は、269℃であった。
PAMXD6:ポリアミドPAMXD6樹脂、三菱瓦斯化学製、融点243℃
LDS添加剤:銅クロム酸化物(CuCr24)、Black1G、シェファードジャパン製
ガラス繊維(1):Eガラス、03T−286GH、円形断面、日本電気硝子製
ガラス繊維(2):Eガラス、 3PA−810S、扁平断面、日東紡績製
タルク:ミクロンホワイト5000S、林化成製
離型剤:モンタン酸カルシウム、CS−8CP、日東化成工業製
<コンパウンド>
後述する下記表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、ガラス繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、ガラスフィラーをサイドフィードして樹脂ペレットを作成した。押出機の温度設定は、290℃とした。
<プレートの成形>
得られたペレットを80℃で12時間乾燥した後、成形機(ファナック社製、100iα、型締め圧100t)を使用し、シリンダー温度300℃、金型温度130℃の条件で100mm×100mm×2mm厚で1辺からフィルムゲートで流動させ、射出成形した。また、充填時間を0.5秒、保圧は600kg/cm2、保圧時間は10秒、冷却時間12秒で実施した。
<プレート外観>
上記で得られたプレートを目視にて判断した。
A:均一で光沢感のある表面を確認
B:若干フィラー浮きが確認された(実用レベル)
C:フィラーが多く浮いており、荒れている様子を確認
<メッキ性(Plating外観)>
金型として60×60mmで厚みの2mmのキャビティに、一辺60mmが1.5mm厚みのファンゲートから樹脂を充填して成形を行った。ゲート部分をカットし、プレート試験片を得た。
得られたプレート試験片の10×10mmの範囲に、SUNX(株)製LP-Z SERIESのレーザー照射装置(波長1064nmのYAGレーザー最大出力13W)を用い、表に示す出力(単位:%)およびパルス周期(単位:μ秒)で、速度4m/sにて照射した。その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製 MIDCopper100XB Strikeを用い、60℃のメッキ槽にて実施した。メッキ性能は、下記表に示す時間にメッキされた銅の厚みを目視にて判断した。
以下の通り評価した。
<<メッキ性>>
A:一面にメッキが乗っており良好な外観を確認
B:部分的なメッキの乗りだが実用レベル
C:全くメッキが乗っていない、もしくは部分的なメッキの乗りであり実用レベルではない
<ハンダ耐熱性>
126x12.6mmx0.8mmtの試験片を作製し、230℃のハンダ浴を用い、試験片を45度の角度で端から30mmの長さを30秒浸漬し、変形の度合いを目視にて確認した。以下の通り評価した。
A:変形がなく良好な外観である
B:若干試験片に変形が見られる
C:試験片が確実に変形した、もしくは部分的に溶融した
Figure 2014240452
上記結果から明らかなとおり、本発明の組成物は、ガラス繊維を配合した樹脂成形品において、その外観を維持しつつ、樹脂成形品の表面に適切にメッキを形成できた(実施例1〜3)。これに対し、LDS添加剤の配合量が結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し20重量部よりも少ない場合(比較例1〜3)、メッキ性が劣った。一方、LDS添加剤の配合量が結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、40重量部よりも多い場合(比較例4)、樹脂成形品の外観が劣っていた。また、用いる熱可塑性樹脂の融点が250℃未満(243℃)の場合、ハンダ耐熱性が劣っていた。ガラス繊維の配合量が結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し150重量部を超えている場合(比較例6)、コンパウンド出来なかった。
さらに、本発明の組成物を用いた場合、メッキを形成できるレーザー条件が広いことが分かった。特に、LDS添加剤の配合量を結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、30重量部を超える量とすることにより、低出力で短い時間でも適切にメッキを形成できることが分かった。
1 樹脂成形品、2 レーザー、3 レーザーが照射された部分、4 メッキ液、5 メッキ層

Claims (12)

  1. 示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度10℃/分にて測定した融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤20〜40重量部と、ガラス繊維10〜150重量部を含む熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤の配合量が前記結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対し、20重量部を超え40重量部以下である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤が、銅とクロムを含む酸化物を含む、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. さらに、タルクを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
  7. さらに、表面にメッキ層を有する、請求項6に記載の樹脂成形品。
  8. 携帯電子機器部品である、請求項6または7に記載の樹脂成形品。
  9. 前記メッキ層がアンテナとしての性能を保有する、請求項7または8に記載の樹脂成形品。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  11. 前記メッキ層が銅メッキ層である、請求項10に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法を含む、アンテナを有する携帯電子機器部品の製造方法。
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