JP2014239348A - 端末装置,及び移動通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外部記憶装置の利用によって端末の借用時に生じた料金を借用者に課金可能な技術を提供する。
【解決手段】基地局を用いて通信を行う端末装置であって、外部記憶装置との無線通信を通じて当該外部記憶装置に記憶された課金用情報を取得する通信装置と、基地局とネットワークを介して接続され、端末装置が基地局を用いて行う通信に係る課金に使用する元の課金用情報を記憶し、外部記憶装置に記憶された課金用情報が受信されたときに、前記元の課金用情報を受信された課金用情報に一時的に切り替える課金装置へ向けて、外部記憶装置から取得された課金用情報を送信する処理を行う制御装置とを含む。
【選択図】図2

Description

本開示は、端末装置及び移動通信システムに関する。
移動通信システムでは、端末装置(「移動端末」、「無線端末」と呼ばれる。以下、「端末」と表記)の所有者(ユーザ)は、端末装置を用いて音声通話やデータ通信のような通信サービスの提供を受けるために、通信サービスを提供する通信事業者(オペレータ)に料金(使用料)を支払う。例えば、通信サービスに係る情報量(通信量)を基に料金を決定する方法は、従量課金と呼ばれる。
また、使用料の支払いに関して、事前に支払われた料金の範囲で通信サービスを使用可能とするプリペイド方式,使用量に応じた使用料を銀行口座から支払う方法,或いはカード会社から発行されたクレジットカードを用いたカード決済が用いられている。
銀行口座決済やカード決済が利用される場合、ユーザは、銀行の口座番号やクレジットカードのカード番号を事前にオペレータに申請する。口座番号やカード番号は使用料を課金するための情報として登録される。このとき、複数の銀行口座や複数のカード番号を登録することは通常行われていない。すなわち、端末は、特定の銀行口座番号やカード番号に関連づけられている。
移動通信システムにおいて、ユーザ以外の或る者が、ユーザの所有する端末を使用する場合を考える。例えば、或る者が端末を所有していない場合、及び或る者が端末を所有しているが或る時点で所持していない場合を考える。
このような場合、公衆電話の利用が考えられる。しかし、移動通信システムの普及に伴い、公衆電話の数が減少しているため、公衆電話の利用に困難を伴うことが少なくない。従って、或る者は、他者の所有する端末を一時的に借りて通信を行うことが考えられる。この場合、通信(通話,データ通信)に係る料金は、端末の所有者に対して課金される。このため、借用者は、何らかの方法で端末の所有者に料金を支払う。
端末を貸し出す技術に係る関連技術として、以下のものがある。例えば、個人電話番号を有する者が借用携帯電話端末を用いて通信を行うために、番号読み取り回路でクレジットカードの番号が読みとられて回線制御部に送出される。回線制御部は、クレジットカードの番号に対応する個人電話番号を借用携帯電話端末に送出する。端末は、送出された個人電話番号を内部の個人電話番号記憶部に書き込んで、個人電話番号を変更する(例えば、特許文献1)。
特開平4−342324号公報
借用によって生じた料金を算出し端末所有者に支払うことには困難、又は煩雑さが伴う。このため、上記した特許文献1に係る先行技術では、借用携帯電話端末の電話番号を借用者の個人電話番号に変更することによって、借用携帯電話端末を借用者の所有する端末と同じ状態にする。これによって、上記課金に係る問題を解決している。
しかしながら、上記の先行技術には、以下の問題があった。第1に、上記の先行技術は、借用者が個人電話番号を有していることを前提としている。このため、個人電話番号を有しない者は、借用携帯電話端末を利用できない。
第2に、上記の先行技術では、個人電話番号を借用携帯電話端末に送り、借用携帯電話端末が個人電話番号を変更することで、借用携帯電話端末を利用可能としている。しかしながら、現在の端末の一般的な仕様は、端末が電話番号と電話番号を特定するための固有IDとを記憶したSIMカード(Subscriber Identity Module Card)を含み、固有ID
と電話番号とが強固に結びつけられている。また、SIMカードとして使用されるICカードの物理的形状(例えば、端子構成)は、記憶された電話番号の変更を前提に形成されていない。これらの理由から、電話番号を変更可能とすることは考えにくい。
本開示の目的は、上記問題に鑑みなされたものであり、外部記憶装置の利用によって端末の借用時に生じた料金を借用者に課金可能な技術を提供することである。
本開示は、基地局を用いて通信を行う端末装置であって、
外部記憶装置との無線通信を通じて当該外部記憶装置に記憶された課金用情報を取得する通信装置と、
前記基地局とネットワークを介して接続され、前記端末装置が前記基地局を用いて行う通信に係る課金に使用する元の課金用情報を記憶し、前記外部記憶装置に記憶された課金用情報が受信されたときに、前記元の課金用情報を受信された課金用情報に一時的に切り替える課金装置へ向けて、前記外部記憶装置から取得された課金用情報を送信する処理を行う制御装置とを含む。
本開示によれば、外部記憶装置の利用によって端末の借用時に生じた料金を借用者に課金可能な技術を提供することができる。
図1は、移動通信システムの構成例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る動作例(課金方法)を例示するシーケンス図である。 図3は、端末の構成例を示す。 図4は、コアネットワーク装置,課金装置として機能可能な情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 図5は、外部記憶装置の一例である外部ICチップを内蔵したカードと、端末との無線通信例を示す図である。 図6は、第2実施形態に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。 図7は、課金装置における、課金用情報への切替後に、外部ICチップと端末との無線通信が切断された場合の動作例(動作例1)を示すシーケンス図である。 図8は、課金装置における、課金用情報への切替後に、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信が切断された場合の動作例(動作例2)を示すシーケンス図である。 図9は、動作例3を示すシーケンス図である。 図10は、動作例4を示すシーケンス図である。 図11は、外部ICチップと端末とが無線通信を行っている間に、基地局を用いた通信が切断された場合における動作例(動作例5)を示すシーケンス図である。 図12は、基地局を用いたデータ通信が行われる場合の動作例(動作例6)を示すシーケンス図である。 図13は、基地局3を用いたデータ通信が行われる場合の動作例(動作例7)を示すシーケンス図である。 図14は、基地局3を用いたデータ通信が行われる場合の動作例(動作例7)を示すシーケンス図である。 図15は、データベースの例を示す。 図16は、動作例8を示すシーケンス図である。 図17は、端末がWeb決済を行う場合の動作例(動作例9)を示すシーケンス図である。 図18は、動作例10(借用者端末への課金額通知)を示すシーケンス図である。 図19は、動作例10にて使用されるデータベースの例を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〔第1実施形態〕
<システム構成>
図1は、移動通信システムの構成例を示す図である。図1において、移動通信システムは、外部記憶装置1と、端末装置(端末2)と、端末2と無線通信を行う基地局3と、基地局3に接続された上位装置(コアネットワーク装置)4と、コアネットワーク装置4とネットワークを介して接続された課金装置(課金制御装置)5とを含む。
外部記憶装置1は、端末2との無線通信機能を有し、端末2と無線通信を行うことができる。外部記憶装置1は、図示しない無線通信回路と、記憶装置を含む。記憶装置は、外部記憶装置1の所有者が他者の端末2を借用する際に、端末2に送信すべき課金のための情報(課金用情報)を記憶する。
外部記憶装置1として、例えば、IC(Integrated Circuit)チップを含むカード又は装置を適用することができる。ICチップは、ICカードと、非接触型ICカードとを含む。ICカードは、ISO7816のような様々な規格に従った端子を備える。非接触型ICカ
ードは、少なくとも、ISO10536,ISO14443,ISO15693のような様々な規格に従った非接触型ICカードを含む。非接触型ICカードは、RFID(RFタグ)を含む。
さらに、ICチップは、近距離無線通信(「近接型通信」とも呼ばれる)の規格であるNear Field Communication(NFC)に従うICチップを含む。NFCに従う通信方式として、例えば、“FeliCa”(登録商標)がある。FeliCa(登録商標)を利用した共通乗車カード及び/又は電子マネーには、例えば、“Suica (登録商標)(Super Urban Intelligent Card)”や“Edy(登録商標)”がある。
外部記憶装置1は、無線通信、例えば、上記したICチップが有する非接触通信規格、或いは近距離無線通信規格に従った無線通信によって、端末2に対して少なくとも課金用情報を送信することができる。外部記憶装置1は、他の近距離無線通信規格、例えば、端末2とブルートゥース(Bluetooth (登録商標))通信を行うBluetooth 端末であっても良い。
課金用情報は、課金装置5において課金対象、すなわち移動通信システムを用いた通信サービスの使用料を含む様々な料金の徴収先(課金先)を特定する情報である。課金用情
報は、例えば、端末2の所有者が通信サービスの料金を決済するために使用するクレジットカード番号、又は銀行口座番号である。
以下、外部記憶装置1の例示として、Felica(登録商標)に従った近距離無線通信機能と、課金用情報の一例であるクレジットカード番号を記憶した記憶装置を含むICチップを含んだ、ICチップ付きクレジットカードについて説明する。以下の説明において、ICチップ付きクレジットカードを、「外部ICチップ」と呼ぶこともある。
端末2は、例えば、3GPP, LTE(Long Term Evolution), LTE−Advance等の様々な携帯電話(例えば、セルラーフォン,スマートフォン)の通信規格に従って無線通信を行い、移動通信システムによる通信サービスを享受し得る。さらに、端末2は、セルラーフォンの通信規格だけでなく、種々の無線LAN(Local Area Network)規格に従って無線LAN通信を行う無線LAN端末(例えば、タブレット型端末)も含むことができる。
端末2は、外部記憶装置1と無線通信を行うための無線通信回路(以下、通信回路)を含み、外部記憶装置1から受信された課金用情報を基地局3を介してコアネットワーク装置4に送信する。無線通信回路は、通信装置の一例である。
コアネットワーク装置4は、基地局3の上位装置に相当する、端末2に通信サービスを提供するための様々な処理を行う装置である。例えば、コアネットワーク装置4は、端末2との通信(通話(音声通信),データ通信)の呼処理(接続処理、切断処理等),コアネットワークと外部ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットのような様々なIPネットワーク)との接続処理を行う回線制御装置として機能する。コアネットワーク装置は、ネットワーク装置の一例である。
コアネットワーク装置4は、端末2から基地局3を介して受信された課金用情報を課金装置に転送する。なお、コアネットワーク装置4は、上記した機能を実現するための1つの装置、又はコアネットワークに含まれる複数の装置の集合体である。
課金装置5は、コアネットワーク装置4と通信回線を介して接続されている。課金装置5は、例えば、課金サーバや、公衆網における交換機のような公衆網を形成する装置を含むことができる。
課金装置5は、移動通信システムを使用する各端末の識別情報(端末ID)と、各端末に関連する課金用情報(決済のための情報)と記憶している。端末IDは、例えば、電話番号である。但し、端末IDは、端末2を一意に識別できる情報であれば良い。課金用情報は、上記したクレジットカード番号や、銀行口座番号である。課金装置5は、元の(オリジナルの)課金用情報として、端末2の所有者が登録した課金用情報と端末IDとを関連づけて記憶している。
課金装置5は、コアネットワーク装置4で計測される、端末2の通信サービスに係る料金を算出するための数値(課金量と称する)を受け取り、当該数値に応じた料金を算出する。数値(課金量)は、例えば、通話時間やパケット数である。
課金装置5は、端末2と関連づけられた課金用情報を用いて、端末2に係る課金処理を行う。通常、課金装置5は、端末2の端末ID(電話番号)と、料金算出のための数値(「課金量」と称する)とを受信すると、電話番号に対する課金用情報に基づく課金処理を行う。すなわち、課金装置6は、課金用情報と課金額とを関連づける。そして、所定期間の間に課金用情報と関連づけられた課金額の合計が、課金用情報(口座番号やカード番号
)を用いて決済される。
これに対し、課金装置5は、コアネットワーク装置4から外部記憶装置1に記憶された課金用情報を受信した場合には、元の課金用情報(以下、「課金用情報(1)」と表記することもある)を、外部記憶装置1に記憶された課金用情報(以下、「課金用情報(2)」と表記することもある)に一時的に切り替える。換言すれば、端末2を用いた通信料金の課金に使用する情報として、課金用情報(2)を適用する。これによって、端末2を利用した通信サービスに係る料金は、切り替えられた課金用情報(2)に基づき課金される。
このことは、課金の対象者(課金先)が、端末2の所有者(ユーザ)から、端末2の借用者、すなわち外部記憶装置1の利用者に切り替えられることを意味する。換言すれば、外部記憶装置1の利用者が、他者の端末2を借用する場合、当該借用に係る料金は、借用者の課金用情報(2)に基づき借用者に課金される。その後、課金された料金は、クレジットカード会社からの支払い、或いは銀行口座からの引き落としによって、徴収される。このように、実施形態によれば、外部記憶装置1を用いた課金用情報の切替によって、端末2の借用時に生じた料金を借用者から自動的に徴収することが可能となる。
なお、「端末2の所有者(ユーザ)」は、端末2の占有者、管理者などの、端末2の使用によって生じた課金に対する一次的な支払い責任を持つ者(課金装置5に初期登録された元の課金用情報を有する者)を含む。また、「外部記憶装置1の利用者」は、外部記憶装置の所有者,占有者、所持者等、外部記憶装置1に記憶された課金用情報に基づく課金に対する支払い責任を有する者を含む。
<システムにおける動作例>
図2は、第1実施形態に係る動作例(課金方法)を例示するシーケンス図である。図2において、外部記憶装置1を有する借用者Aが端末2の所有者Bから端末2を一時的に借用し、通信サービスを利用する場合を仮定する。
借用者Aは、外部記憶装置1を端末2に接近又は接触させることで、外部記憶装置1と端末2との無線通信路が確立される(図2<1>)。このとき、外部記憶装置1に記憶された課金用情報(2)が端末2へ送信される(図2<2>)。課金用情報(2)は、外部記憶装置1を特定可能な情報(識別情報)として機能することができる。例えば、外部記憶装置1がクレジットカードである場合、課金用情報(2)であるクレジットカード番号は、クレジットカードの識別情報として機能する。
その後、借用者Aが、端末2に対し、通信(音声通信又はデータ通信)を開始するための操作を行う(図2<3>)。すると、端末2とコアネットワーク装置4との間で、基地局3を用いた通信の接続手順が実行され、端末2とネットワークとの通信が開始される(図2<4>)。
端末2は、課金用情報(2)を基地局3経由でコアネットワーク装置4へ送る(図2<5>)。コアネットワーク装置4は、課金用情報(2)を課金装置5へ送る(図2<6>)。課金装置5は、課金装置5が有する記憶装置上に予め記憶された端末2に対応する元の課金用情報(所有者Bの課金用情報(1))を、コアネットワーク装置4から受信された借用者Aの課金用情報(2)に切り替える(図2<7>)。
その後、端末2がコアネットワーク装置4を介して接続された通信相手との通信を開始する(図2<8>)。この通信に係る課金量を示す情報は、コアネットワーク装置4から課金装置5へ送信される。課金装置5は、端末2に関連づけられた借用者Aの課金用情報
(2)に基づいて課金する。
その後、借用者Aが、通信の切断操作を行うと、端末2とコアネットワーク装置4との間で通信の切断手順が実行される(図2<9>)。通信の切断により、端末2と外部記憶装置1との無線通信も切断される(図2<10>)。
一方、切断手順の際に、コアネットワーク装置4は、課金装置5に切断通知を送る(図2<11>)。すると、課金装置5は、端末2と関連する課金用情報(2)を所有者Bの課金用情報(1)に切り替える(課金用情報(1)を適用する)ことによって、課金対象を元に戻す(図2<12>)。
その後、借用者Aから端末2を返却された所有者Bが通信開始操作を行い(図2<13>)、ネットワークとの通信が開始されると、その通信に係る料金は、課金装置5にて、所有者Bの課金用情報(1)に基づき、所有者Bに対して課金される(図2<15>)。
<第1実施形態の作用効果>
以上のように、第1実施形態によれば、外部記憶装置1を用いることで、借用者Aの端末2を用いた通信に係る料金と、所有者Bの端末2を用いた通信に係る料金とを切り分けて課金することができる。
従来であれば、端末2の本来の課金先(所有者Bの銀行口座やクレジットカード)の利用明細書や請求書を用いて、例えば月毎の端末の通信料を基に、借用者Aの通信料の清算を行うことが考えられる。
しかし、この場合、月毎(または数ヶ月に1度)に発行される請求書や利用明細書を基に清算を行う場合には、次の請求書又は利用明細書を所有者Bが受け取るまで、清算を行うことができない。また、単なる通信料の請求書では、利用の内訳が不明であるため、借用者Aの端末2の利用で発生した料金を特定することができない。
また、端末によっては、通信料の概算を算出及び出力する機能を有する場合があるが、概算金額であるため、正確な通信料を算定することはできない。このように、実際の料金が不明であるため、借用にあたってはかなり気をつかってしまっていた。
第1実施形態によれば、端末2の貸与時(借用時)に、課金対象(課金先)が一時的に借用者Aに変更される。これによって、借用者が指定した課金先への課金が可能となり、借用者Aと所有者(貸与者)Bとの間で通信料を清算することを回避することができる。このため、借用者Aの借用に係る精神的負担が軽減される。
また、第1実施形態では、課金のための情報(課金用情報)を端末2から課金装置(課金制御装置)5に通知する方法を、端末2と基地局3間の通信状態によって異ならせることができる。
外部記憶装置1と端末2とが無線通信にて接続した後、音声/データ通信が実施されていない場合には、音声/データ通信を制御情報(3GPPにおけるC-Plane(Control - plane))として確立する際に、外部記憶装置1に記憶された課金用情報をネットワーク側へ通知することができる。これに対し、既に音声/データ通信が行われている場合には、外部記憶装置1に記憶された課金用情報を含むパケットデータを送信する。このような動作によって、課金先を切り替えることができる。
また、課金用情報(1)が課金用情報(2)に切り替えられた後に、課金用情報(2)
を課金用情報(1)に切り替える(切り戻す)手段がなければ、所有者Bの端末2の利用に係る料金が、借用者Aに課金される虞がある。
このため、図2に示す例では、端末2の基地局2を用いた通信の切断時に、課金装置5において、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられる。これによって、端末2の返却後における所有者Bの端末2の利用料金が、借用者Aに課金されるのを回避することができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態として、図1に示した移動通信システムの詳細について説明する。
<端末の構成例>
図3は、端末2の構成例を示す。端末2は、制御装置21と、制御装置21と接続された記憶装置22と、制御装置22と接続されたICチップ通信回路23とを含む。制御装置21は、バス(内部伝送路)Bを介して、ベースバンド(BB)処理部24及び入出力(I/O)デバイス26と接続されている。BB処理部24は、無線部25と接続され、無線部25はアンテナ30に接続されている。I/Oデバイス26は、入力装置27,液
晶ディスプレイ(LCD)28及びスピーカ29と接続されている。
記憶装置22は、制御装置21の作業領域として使用される主記憶装置(メインメモリ)を含む。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)によって形成される。また、記憶装置22は、補助記憶装置を含む。補助記憶装置は、制御装置21によって実行される各種のプログラム,及び各プログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。補助記憶装置は、例えば、不揮発性記録媒体であり、例えば、ハードディスク,フラッシュメモリ,EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の少なくとも1つを用いて形成することができる。記憶
装置22は、記録媒体の一例である。
ICチップ通信回路23は、外部記憶装置1の一例である外部ICチップ(例えば、ICチップを内蔵したカード)1Aと、外部ICチップに実装された無線通信方式に従った通信を行い、外部ICチップ1Aとの間でデータの送受信を行うことができる。ICチップ通信回路は、外部記憶装置1との無線通信を行う通信回路の一例であり、外部記憶装置1が備える無線通信方式に応じた通信回路が用意される。例えば、外部記憶装置1がBluetooth(登録商標)端末であれば、Bluetooth(登録商標)通信用の通信回路が用意される。
制御装置21は、プロセッサの一例であり、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)を含む。制御装置21は、記憶装置2
2に記憶された様々なプログラムを実行することによって、端末2とネットワーク(通信相手)との接続及び切断処理や、外部ICチップ1Aから得た課金用情報をネットワーク側へ送る処理等を行う。また、制御装置21は、様々なアプリケーションプログラムの実行によって、アプリケーションの目的に応じた機能を実現することができる。例えば、制御装置21は、ショートメールや電子メールに係る処理を行うメーラ機能や、Webブラウザ機能を備える。
入力装置27は、端末2のユーザから入力される情報(データ)を受け付けて、I/Oデバイス26を介して制御装置21に送る。入力装置27は、ボタンやキーの他、音声入力用のマイクロフォンを含む。LCD28は、制御装置21からI/Oデバイスを介して受け取る情報(データ)に基づく情報を表示する。スピーカ29は、制御装置21の制御下で音声を出力する。LCD28及びスピーカ29のそれぞれは出力装置の一例である。
BB処理部24は、制御装置21から受け取るデータに対する符号化処理,変調処理等を行い、ベースバンド信号を生成する。また、BB処理部24は、無線部25から受け取るベースバンド信号に対する復調処理や復号処理を行い、データを制御装置21へ送ることができる。BB処理部24は、例えば、DSP,DSPとPLD(プログラマブルロジックデバイス,例えばFPGA(Field Programmable Gate Array))との組み合わせに
よって形成される。
無線部25は、BB処理部24からのベースバンド信号に対するディジタル−アナログ(DA)変換,アップコンバート及び増幅処理を行い、無線電波をアンテナ30から送信することができる。電波は基地局3で受信される。一方、無線部25は、基地局3からアンテナ30で受信された電波の増幅,ダウンコンバート,アナログ−ディジタル(AD)変換を行い、これらによって得られたベースバンド信号をBB処理部24に送る。無線部25は、電気・電子回路によって形成される。
<情報処理装置のハードウェア構成例>
次に、コアネットワーク装置4,課金装置5として機能することが可能な情報処理装置(コンピュータ)のハードウェア構成例について説明する。コアネットワーク装置4,課金装置5が、それぞれ単一の筐体に収容された装置として実現される場合には、これらのハードウェア構成として、パーソナルコンピュータ(PC),ワークステーション,専用又は汎用のサーバマシンが有する既存のハードウェアアーキテクチャを適用することができる。但し、上述した様に、コアネットワーク装置4,課金装置5は、相互に通信可能な2以上のコンピュータの組み合わせで形成される場合もあり得る。
図4は、情報処理装置50のハードウェア構成例を示す図である。図4において、情報処理装置50は、例として、CPU51と、メモリ52と、補助記憶装置53と、通信インタフェース(I/F)回路54とを備える。CPU51,メモリ52,補助記憶装置53,I/Oデバイス54は、バスB1を介して相互に接続されている。
メモリ52は、CPU51の作業領域として使用されるメインメモリとして機能する。メインメモリは、例えば、RAM及びROMによって形成される。補助記憶装置53は、CPU51によって実行される各種のプログラム,及び各プログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。補助記憶装置53は、例えば、不揮発性記録媒体であり、例えば、ハードディスク,フラッシュメモリ,EEPROMの少なくとも1つを用いて形成することができる。メモリ52及び補助記憶装置53のそれぞれは、記録媒体の一例である。
通信I/F回路54は、通信を司る回路であり、例えば、既存のネットワーク・カードやネットワーク・インタフェース・カード(NIC)と呼ばれるLocal Area Network(LAN)接続用のインタフェース装置を適用することができる。通信I/F回路54は、通信装置の一例である。
また、情報処理装置50は、図示しないI/Oデバイスを含み、キーボード,ボタン,ポインティングデバイス,タッチパネルのような入力装置や、ディスプレイ装置のような出力装置を接続することができる。出力装置及び入力装置は、管理者及び作業者(オペレータ)が情報を入力、或いは情報を取得するためのユーザインタフェース(UI)を提供する。
CPU51は、補助記憶装置53にインストールされたプログラムをメモリ52にロードして実行することにより、コアネットワーク装置4,或いは課金装置5としての機能を発揮することができる。CPU51は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)や制御装置の
一例である。CPU51の代わりに、DSPを使用することもできる。
<外部記憶装置と端末との無線通信例>
図5は、外部記憶装置1の一例である外部ICチップを内蔵したカード(以下「外部ICチップ」と表記)1Aと、端末2との無線通信例を示す図である。例として、外部ICチップ1Aと端末2とがFeliCa(登録商標)の規格に従った無線通信を行う場合が図示されている。但し、Bluetooth(登録商標)のような他の通信規格に従った無線通信でも良
い。
最初に、端末2は、外部ICチップ1Aとの接続手順を行う。すなわち、端末2のICチップ通信回路23から、ポーリング(Polling)コマンドが送信される(01)。外部
ICチップ1Aと端末2との距離が、無線通信可能な距離である場合には、外部ICチップ1Aは、ポーリングコマンドを受信する。ポーリングコマンドを受信した外部ICチップ1Aは、ポーリングコマンドに対する応答メッセージを返信する(02)。応答メッセージがICチップ通信回路23で受信されると、制御装置21は、応答メッセージに含まれる外部ICチップ1Aの識別情報に基づき、外部ICチップ1Aを識別する(03)。このようにして、外部ICチップ1Aと端末2とが接続される。
次に、外部ICチップ1Aと端末2とがサービス確認手順を行う。すなわち、端末2は、Request Serviceコマンドを送信する(04)。外部ICチップ1Aは、Request Serviceコマンドに対する応答メッセージを端末2へ返信する(05)。端末2の制御装置21は、応答メッセージを受信することで、接続先(外部ICチップ1A)のサポートするサービス内容を確認するとともに、予め保持された鍵情報を取得する(06)。
次に、端末2は、鍵情報を用いた認証手順を行う。すなわち、端末2は、認証要求メッセージであるAuthentication1/2コマンドを外部ICチップ1Aに送信する(07)。当
該Authentication1/2コマンドは、鍵情報のような認証用情報を含む。外部ICチップ1
Aは、Authentication1/2に含まれる認証用情報に基づく認証処理を行い、認証結果を含
む応答メッセージ(認証応答)を送信する(08)。応答メッセージを受信した端末2では、制御装置21が、認証結果がOKか否かを確認する(09)。このとき、認証結果がOKであれば、手順が先に進み、認証結果がNGであれば、外部ICチップ1Aとの切断処理が行われる。このような認証手順により、その後の通信では、鍵情報を用いた暗号化通信が行われる。よって、端末2と外部ICチップ1Aとの間の通信のセキュリティ(秘匿性)が確保される。なお、このような認証手順(破線で囲った07〜09の処理)は省略可能である。
次に、外部ICチップ1Aに対するデータアクセス処理の1つとして、課金用情報の送受信処理が行われる。すなわち、端末2は、Read/Writeコマンドとして、外部ICチップ1Aに記憶された課金用情報(例:クレジットカード番号)の読み出しを指示するコマンド(Readコマンド)を外部ICチップ1Aに送る(10)。外部ICチップ1Aは、コマンドに応じて課金用情報を含むRead/Writeコマンド(Readコマンド)の応答メッセージを生成し、端末2に送る(11)。これによって、端末2の制御装置21は、課金用情報(例:クレジットカード番号)を、外部ICチップ1Aから取得することができる(12)。
また、Writeコマンドのやりとりにより、端末2は、外部ICチップに所望の情報を書
き込むこともできる。なお、Read/Writeコマンドでやり取りするデータ部に対してHushのような暗号化をさらに施し、安全性を高めることができる。また、暗号化キーは、SIMのMSN(電話番号)や、端末本体のIMEISV(端末シリアル番号)などを用いることができる。
<課金用情報の切替に係る動作例>
図6は、第2実施形態に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。図6において、或る者(借用者)が、他者の所有する端末2を借用して通話(音声通信)を行う場合を仮定する。
この場合、借用者は、外部ICチップ1を端末2に十分に近づける、或いは外部ICチップ1Aを端末2と接触させる。これによって、外部ICチップ1Aと端末2との間で、図5の01〜09のような、近距離通信接続手順が行われ(001)、外部ICチップ1Aに記憶された課金用情報(課金用情報(2))が端末2に送信される(002)。これによって、端末2(制御装置21)は、課金用情報(2)を受信及び取得することができる。
その後、端末2と基地局3との間で無線回線の確立手順(例えば、LTEシステムにおけるランダムアクセス手順(Random Access Procedure))が実行される(003)。無線
回線が確立されると、端末2は、基地局3を介してコアネットワーク装置4との間で通信接続を行うための手順(メッセージ交換)を行う。メッセージ交換において、例えば、移動通信システムにおける、端末の仮の識別番号の発行及び受信が行われる。
図6では、例として、W−CDMAの規格に準じた通信接続手順におけるメッセージ交換が図示されている。メッセージ交換では、メッセージを含んだ制御信号が交換される。当該手順では、呼設定要求信号であるセットアップ(Setup)信号がコアネットワーク装
置4へ送られると(004)、コアネットワーク装置4から、呼設定受付信号であるCall-proceeding信号(008),Notify信号(009),着信先(通信相手)の呼び出し信
号であるAlerting信号(009),及び呼設定確認信号であるSetup-confirm信号(01
0)が制御信号として送受信される。このようなメッセージの送受信を経て、端末2と通信相手との通信回線(呼)が確立され(011)、両者間での通信(通話)が行われる(012)。
端末2からコアネットワーク装置4へ信号が送信される場合、端末2の制御装置21にて、信号に乗せる情報(データ)が生成され、BB処理部24及び無線部25でデータを含んだ無線信号が生成され、アンテナ30から送信される。基地局3では、無線信号からデータが取り出され、ネットワークを通じてコアネットワーク装置4へデータが転送される。コアネットワーク装置4では、通信I/F回路54(図4)で受信されたデータがCPU51に送られる。
コアネットワーク装置4のCPU51は、データの内容に応じた処理をプログラムに従って実行する。このとき、CPU51は、所定の宛先(端末2や課金装置5)に向けられた情報(データ)を生成し、当該データを含む信号が通信I/F回路54から送信される。端末2向けの信号は、基地局3で無線信号に変換され、端末2へ送信される。端末2は、無線信号からデータを取り出すことで、コアネットワーク装置4からの情報(データ)を取得することができる。また、コアネットワーク装置4から送信された、課金装置5向けの信号は、課金装置5の通信I/F回路54で受信され、信号中のデータがCPU51に与えられる。これによって、課金装置5のCPU51は、プログラムに従って、得られたデータに対する処理を行うことができる。
002によって端末2で得られた課金用情報(2)は、上記したような、呼設定に係るメッセージ(呼設定用信号)への相乗りによって、コアネットワーク装置4へ転送することができる。図6に示す例では、課金用情報(2)は、呼設定要求信号であるSetup信号
に含まれてコアネットワーク装置4へ転送されている(004)。但し、相乗り対象の信号は、無線アクセス方式や通信種別によって異なる。また、課金用情報を転送するための
専用のメッセージで転送が行われても良い。
コアネットワーク装置4では、課金用情報(2)を受信すると(005)、課金用情報(2)を端末2の識別情報(例えば、電話番号)とともに課金装置5へ通知(転送)する(006)。コアネットワーク装置4から課金装置5への課金用情報の転送方法として、例えば、コアネットワーク装置4で算出される課金量(通信時間やパケット数)を課金装置5へ伝達するために使用される既存の伝達手法と同様の伝達手法を適用することができる。
課金装置5のCPU51は、課金用情報(2)を受信した場合に、以下のような処理を行う。すなわち、課金装置5の補助記憶装置53は、課金制御情報として、端末2の識別情報(例えば電話番号)と、電話番号に対応する課金用情報(課金先)との関連を記憶している。関連は、例えば、電話番号と課金用情報との関連を示すテーブル中のエントリとして管理されることができる。
CPU51は、コアネットワーク装置4から課金用情報(2)及び電話番号を受信した場合に、受信された電話番号を記憶したエントリを特定し、当該エントリに記憶された元の課金用情報(1)を、受信された課金用情報(2)に切り替える。このとき、元の課金用情報(1)は、切り戻し可能に、所定の記憶領域に一時的に退避(保存)された状態となる。或いは、エントリ中に、課金用情報(2)が登録され、フラグ設定によって、アクティブな課金用情報が課金用情報(1)と課金用情報(2)とのいずれであるかを設定可能にされる。例えば、フラグが設定された課金用情報が、アクティブな課金用情報として扱われる。
そして、課金装置5は、切り替えられた課金用情報(2)に基づく課金を開始する(013)。すなわち、通話によって生じた料金は、切り替えられた課金用情報(2)に 基づき、借用者に対して課金される。
図6に示した例では、課金先の切替が通信確立開始時点で行われる例を示した。これに対し、通信確立後に、外部ICチップ1A(外部記憶装置1)に記憶された課金用情報(2)を端末2がコアネットワーク装置4を介して課金装置5に送ることができ、課金装置5が課金先を切替えることもできる。
この場合、課金用情報(2)は、例えば、SMS(Short Message Service)システムや電子メールシステムにおけるメールサーバを用いて課金装置5に伝達することができる。或いは、SMSや電子メールの代わりに、課金用情報(2)を、例えばパケット通信を用いて、通常のユーザデータや制御信号として転送することも可能である。
<動作例1:外部記憶装置と端末との無線通信切断時>
図7は、移動通信システムにおける動作例1、すなわち、課金装置5における、課金用情報(2)への切替後に、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信が切断された場合の動作例を示すシーケンス図である。
端末2を用いた通信中(通信接続状態:015)において、例えば、外部ICチップ1Aと端末2との距離が、無線通信を継続できない程度に大きくなったたり、外部ICチップ1Aに障害が発生したりすると、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信は切断される(016)。
端末2の制御装置21は、通信回路23を監視することによって、外部ICチップ1Aとの無線通信を監視する。例えば、制御装置21は、無線通信の切断時に通信回路23か
ら入力される信号によって、外部ICチップ1Aとの無線通信が切断されたことを検出することができる(017)。
すると、端末2の制御装置21は、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信の切断を示す情報(切断通知)を含むショートメール(SMSで使用されるメール)を生成する。ショートメールの宛先として、例えば、切断通知の送信用の特別番号(例:0120-***-***)が設定される。ショートメールの内容(切断通知)には、課金用情報が含まれる。
ショートメールは、基地局3へ送信される。基地局3及びコアネットワーク装置4は、コアネットワークに接続されたメールサーバ6の伝送路として機能し、ショートメールは、最終的にメールサーバ6に到着する(019)。
メールサーバ6は、図4に示したような、CPU51,主記憶装置52,補助記憶装置53,通信I/F回路54を含む情報処理装置50のハードウェア構成を有している。メールサーバ6のCPU51が、補助記憶装置53に記憶された各種のプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、以下のような動作(処理)が行われる。
メールサーバ6では、通信I/F回路54でショートメールが受信されたときに、CPU51が、ショートメールの宛先が特別番号であるか否かを判定する(020)。宛先が特別番号でなければ、メールサーバ6のCPU51は、ショートメールの宛先へ向けてショートメールを転送するための処理を行う(020,No)。
これに対し、ショートメールの宛先が特別番号であるときには、メールサーバ6のCPU51は、ショートメールの内容、すなわち、課金用情報(2)を含む切断通知を抜き出して、コアネットワーク装置4宛てのショートメールを生成する(021)。ショートメールは、通信I/F回路54から送信され、コアネットワーク装置4に到達する(022)。
コアネットワーク装置4では、CPU51が、通信I/F回路54を介してショートメールを受信すると、ショートメール中の課金用情報(2)を含む切断通知を課金装置5へ送信する処理を行う(023)。
課金装置5のCPU51は、切断通知を受信すると、切断通知に含まれる課金用情報(2)が記憶されたテーブル中のエントリを特定し、当該エントリ中の課金用情報(2)を、一時的に退避した元の課金用情報(1)に切り替える(課金用情報(1)をアクティブにする)。
このように、課金装置5で外部ICチップ1Aに記憶された課金用情報(2)への切替が行われた後、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信が切断されたときに、端末2は、課金装置5が課金用情報(2)を元の課金用情報(1)に切り替えるための情報を送信する。そして、課金装置5は、メールサーバ6を介して切断通知を受け取り、切断通知に含まれる課金用情報(2)に基づき、元の課金用情報(1)への切替を行う。当該切替は、端末2が通信中であるか否かに関わらず行われる。
図7を用いて説明した動作例、すなわち、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信切断を契機とする元の課金用情報(1)への切替動作によって得られる利点について説明する。例えば、端末2の所有者が他者に端末2を貸与し、他者は通信(音声会話やデータ通信)を行う場合を仮定する。
通信において、他者にとって必要な情報の送受信が終了した後に、所有者(ユーザ)が
端末2の返却を受けて通信の継続を所望する場合がある。この場合に、外部ICチップ1Aを端末2から遠ざけるといった操作によって無線通信を切断することで、課金装置5における端末2の課金用情報を元の課金用情報(2)に戻すことができる。
上記のような、端末2の返却を受けた所有者(ユーザ)が通信を継続して行った場合でも、その継続時における通信料金が他者(借用者)に課金されることが回避される。このような、1回の通信が借用者とユーザとに跨がる場合でも、課金先を変更することができ、通信料の清算を適正に行うことができる。
なお、上記した図7に係る説明では、端末2から切断通知のショートメールが送信される例について示した。ショートメールの代わりに、電子メール(E-mail)を適用することもできる。ショートメール及び電子メールのそれぞれは、「メール」の一例である。
ショートメールの代わりに電子メールが適用される場合には、端末2の制御装置21は、切断通知専用の特別な電子メールアドレス(例:kakin@ddd.jp)が宛先アドレスに設定された、切断通知(課金用情報(2)を含む)を含む電子メールを生成する。電子メールは、端末2から基地局4及びコアネットワーク装置4を経て、メールサーバ6(電子メールのメールサーバとして機能する)に到着する(018,019)。メールサーバ6は、電子メールの宛先アドレスが特別な電子メールアドレスである場合に、当該電子メールに含まれた切断通知を抜き出し、コアネットワーク装置4へ送信する(020)。そして、コアネットワーク装置4は、切断通知を課金装置5へ送信する。
以上のように、端末2は、ショートメールや電子メールを用いて課金用情報(2)を含む切断通知を課金装置5へ伝達することができる。移動通信システムがW−CDMAやLTEのようなセルラーフォン用の移動通信システムである場合に、切断通知を課金装置5へ伝達するための仕様は現在のところ用意されていない。このため、上記したようなショートメールや電子メールを用いた伝達手法を適用することで、切断通知を課金装置5へ伝達することができる。
<動作例2:外部記憶装置と端末との無線通信切断時>
図8は、移動通信システムにおける動作例2、すなわち、課金装置5における、課金用情報への切替後に、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信が切断された場合の動作例を示すシーケンス図である。
図8において、端末2では、外部ICチップ1Aとの無線通信が切断された場合には、基地局を用いた通信を自動的に切断する設定が行われる(031)。当該設定は、例えば、入力装置27を用いた端末2の操作によって行うことができる。
その後、基地局3を用いた通信の確立手順が行われ(032)、通信が確立(接続)される(033)。032及び033は、図6に示した001〜011の動作を簡略化して示すものであるので、説明を省略する。
通信確立(接続)によって、端末2は、通信状態となり(034)、課金装置5は、課金用情報(2)に基づく課金を行う状態となる(035)。034及び035は、図6の012及び013の動作と同じである。
その後、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信が切断されると(035)、当該切断が端末2で検知される(036)。035及び036は、図7の016及び017と同じ動作である。すると、図7に示した018〜024の動作と同じ動作が行われ(038)、課金装置5において、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられる。
無線通信の切断を検出(検知)した端末2の制御装置21は、切断通知を含むメールの送信に続いて、基地局3を用いた通信の切断処理を開始する(039)。すなわち、端末2は、切断信号であるDisconnect 信号を基地局3経由でコアネットワーク装置4に送る
(040)。コアネットワーク装置4では、Disconnect 信号に基づく切断処理が行われ
、通信用リソースの解放を指示するRelease信号が基地局3経由で端末2に送られる(0
41)。
Release信号の受信で、基地局3を用いた通信の切断処理が完了する(042)。一方
、Disconnect 信号を受信したコアネットワーク装置4は、切断に係る端末IDを含む切
替要求メッセージを課金装置5へ送信する。
切替要求メッセージを受信した課金装置5のCPU51は、切替要求メッセージに含まれる端末IDに対応するエントリを特定し、当該エントリに関して課金用情報(1)をアクティブにする(課金用情報(2)を課金用情報(1)に切り替える)(043)。このようにして、課金対象を元の課金用情報(1)に戻すことができる。
なお、上記のような切断要求メッセージの利用に代えて、Disconnect 信号に対し、課
金用情報(2)を相乗り(多重)することができる。この場合、Disconnect 信号を受信
したコアネットワーク装置4は、Disconnect 信号に含まれた課金用情報(2)を課金装
置5に転送する。そして、課金装置5では、024(図7)と同様の、課金用情報(2)を元の課金用情報(1)に戻す処理が行われる(043)。
図8に示す動作例では、038と043の双方で、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられる処理が実行されている。これは、無線通信の切断と、基地局3を用いた通信の切断との両方の契機で、元の課金用情報(1)への切替を可能とするためである。但し、038の処理は省略可能である。また、038の処理が実行される場合に、043の処理が省略されるようにしても良い。
動作例2によれば、外部ICチップ1Aと端末2との無線通信の切断時には、基地局3を用いた通信も切断され、課金装置5において、元の課金用情報(1)が端末2と関連づけられる。これによって、動作例1の場合よりも明確に、通信料金が所有者(ユーザ)と借用者との間で切り分けられることとなる。
<動作例3>
図9は、動作例3を示すシーケンス図である。動作例3は、図8に示した動作例2の変形例の一つである。図9に示す動作例3では、037a及び037bの処理が、037と039との間に挿入されている。037aでは、外部ICチップ1Aと端末2との切断が検知されると、端末2の制御装置21が、LCD28を制御して、基地局3を用いた通信を切断するか否かを問い合わせる情報をLCD28に表示する。
上記表示に対し、入力装置27を用いて、切断を許可するか否かを入力することができる。制御装置21は、切断の許可(OK)が入力されたか、切断の不許可(NG)が入力されたかを判定する(037b)。切断のOKが入力された場合(037b,YES)に
は、処理が039に進み、図8と同様の039〜043の動作が行われる。これに対し、切断のNGが入力された場合(037b,NO)には、図7に示した018以降の動作が
行われる。すなわち、動作例1と同様の動作が行われる。
このように、図9に示す変形例では、無線通信が切断されたときに、端末2の操作者が、端末2の操作を通じて、動作例1の動作を行うか、動作例2の動作を行うかを選択する
ことができる。なお、図9の変形例においては、031のような自動切断設定を省略することができる。
<動作例4>
図10は、動作例4を示すシーケンス図である。動作例4は、図8に示した動作例2の変形例の他の一つである。図10に図示した、033〜038までの動作は、図8と同様であるので、説明を省略する。
038によって、端末2が基地局3を用いた通信中であり、且つ端末2に関連づけられた課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられた状態において、外部ICチップ1Aと端末2とが無線通信を再開した仮定する(051)。
この場合、外部ICチップ1Aから端末2に対し、課金用情報(2)が送信される(052)。すると、端末2の制御装置21は、課金用情報(2)を含んだショートメール又は電子メールを生成し、基地局3へ送信する。この場合、図7の018〜023に示した手順及び手法とほぼ同様の手法及び手順によって、課金用情報(2)がメールサーバ6によってコアネットワーク装置4へ転送され、コアネットワーク装置4が課金用情報(2)を課金装置5へ転送する(052)。そして、課金装置5は、受信された課金用情報(2)を用いて、端末2に関連する課金用情報(1)を再び課金用情報(2)に切り替え、課金用情報(2)に基づく課金を開始する(053)。
上記の説明では、051にて無線通信を行う外部ICチップ1Aが、036で切断された外部ICチップ1Aと同じ場合を前提としている。但し、051にて無線通信を行う外部ICチップは、036で切断された外部ICチップ1Aと異なる外部ICチップであっても良い。
<動作例5>
図11は、動作例5として、外部ICチップ1Aと端末2とが無線通信を行っている間に、基地局3を用いた通信が切断された場合における動作例を示すシーケンス図である。図11に示すように、外部ICチップ1Aと端末2とが無線通信中であり(060)、且つ端末2が基地局3を用いた通信中であり(034)、さらに、課金装置5で、課金用情報(2)に基づく課金が行われる状態(035)であると仮定する。
この状態において、例えば、端末2の入力装置27の操作によって、基地局3を用いた通信の切断が入力されると、端末2の制御装置21は、切断処理を開始する(039)。その後は、図8で説明したのと同様の、040〜043の動作が行われる。これによって、課金装置5において、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられる。
このように、動作例5によると、外部ICチップ1Aと端末2の無線通信中であっても、端末2の基地局3を用いた通信が切断された場合には、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられる。なお、040〜043の処理は、Disconnect信号に基づく切替要求メッセージの通知による課金装置5の切替処理であっても、Disconnect信号に相乗りされた課金用情報(2)を用いた課金装置5の切替処理であっても良い。
動作例5の利点は、次の通りである。例えば、端末2と外部ICチップ1Aとの通信状態を維持する為に、粘着テープや輪ゴムで端末2と外部ICチップ1Aとを密着させた状態にすると、端末2の基地局3を用いた通信終了後も外部ICチップ1Aとの無線通信状態が維持される。
この場合、課金装置5における課金用情報が切り替えられなければ、次回における、基
地局3を用いた通信時も意図せずに課金用情報(2)に基づく課金が実行されてしまう。動作例5によれば、外部ICチップ1Aと端末2と通信状態に関わらず、基地局3を用いた通信の切断を契機として、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に切り替えられる。これによって、意図しない課金用情報(2)に基づく課金が実行されることを回避することができる。また、課金先を一時的に課金用情報(2)に変更する際の安全性(課金用情報(1)への確実な復帰可能性)が高くなる。
<動作例6:データ通信>
動作例1〜5は、端末2が基地局3を用いた音声通信(通話)を行う場合について説明した。図12は、基地局3を用いたデータ通信が行われる場合の動作例(動作例6)を示すシーケンス図である。
図12において、端末2が外部ICチップ1Aとの無線通信により課金用情報(2)を取得した場合(061)に、データ通信中でなければ(062,No)、端末2の制御装
置21は、取得された課金用情報(2)を保持する。そして、端末2の操作によってデータ通信が開始される場合に送信される、データ通信開始のための制御信号(図12の例では、SMREG-PDP-activate-req 信号に、課金用情報(2)を含めてネットワーク側へ送信
する。
制御信号が基地局3を経由してコアネットワーク装置4に到着すると、コアネットワーク装置4は、課金用情報(2)を課金装置5へ転送する。課金装置5では、端末2に関連づけられている課金用情報(1)が課金用情報(2)に切り替えられる(067)。
コアネットワーク装置4は、制御信号を受けて、データ通信確立のための処理を行い、制御信号に対する応答信号(SMREG-PDP-activate-cnf信号)が端末2へ送信される。端末2が当該応答信号を受信することによって、データ通信が確立され、端末2は、通信相手との間でデータ通信を行うことができる。このときのデータ通信に係る料金に係る情報(課金量:例えばパケット量)は、課金装置5へ通知され、課金装置5は、課金量に応じた金額を、課金用情報(2)について課金する。これによって、データ通信に係る料金が、端末2の借用者に課金される。
一方、課金用情報(2)が取得された時点で、既にデータ通信が行われている(データ通信が確立されている)場合(062,Yes)には、ショートメール又は電子メールを用いて課金用情報(2)を課金装置5に伝達するための動作が行われる。
すなわち、図12に示すように、課金用情報(2)を含むショートメール又は電子メールが基地局3及びコアネットワーク装置4を介してメールサーバ6に送られる(067A,068)。メールサーバ6は、ショートメール又は電子メールの宛先アドレスが、特別なアドレスか否かを判定する(069)。このとき、宛先アドレスが特別なアドレスである場合には(069,Yes)、ショートメール又は電子メールから抜き出された課金用情報(2)がコアネットワーク装置4へ転送され(070)、コアネットワーク装置4は、課金用情報(2)を課金装置5へ送信する(071)。そして、課金装置5が、課金用情報(1)を課金用情報(2)に切り替える。
このように、データ通信中であっても、課金用情報(1)を課金用情報(2)に切り替えることができる。すなわち、データ通信に係る課金を、端末2の所有者(ユーザ)から借用者に変更することができる。
なお、067〜072の処理は、音声通信(通話)中に、課金用情報(2)が取得された場合における動作として適用することができる。
<動作例7:外部ICチップ1Aの端末2での認証>
図13及び図14は、基地局3を用いたデータ通信が行われる場合の動作例(動作例7)を示すシーケンス図である。動作例7では、外部ICチップ1A(外部記憶装置1)の認証が行われる場合の動作例である。
図13における061〜064までの動作は、図12に示した061〜064までの動作と同じである。067において、課金用情報(2)を受信した課金装置5は、課金用情報(1)を課金用情報(2)に切り替えて、課金用情報(2)に基づく課金を開始する状態となる。
続いて、課金装置5は、課金用情報(2)から、課金用情報(2)に対応する端末の割り出しを行う(認証用情報を取得する)(081)。例えば、課金装置5は、補助記憶装置53(図4)において、課金用情報(2)に関連する認証用情報を記憶したデータベース(DB)を記憶している。
図15は、データベースの例を示す。図15において、外部ICチップ1Aに記憶された課金用情報(2)は、カード番号であり、カード番号に対応する電話番号及びネットワーク(NW)暗唱番号が認証用情報として記憶されている。但し、認証用情報は、電話番号とNW暗唱番号の一方でも良く、或いはこれらと異なる暗唱番号(パスワード)でも良い。
081において、課金装置5のCPU51は、課金用情報(2)に対応する認証用情報(電話番号及びNW暗唱番号)をDBから取得すると、これらをコアネットワーク装置4に転送する(082)。コアネットワーク装置4は、SMREG-PDP-activate-req信号の応答信号であるSMREG-PDP-activate-cnf信号に、電話番号及びNW暗唱番号を含めて、端末2に送信する(083)。
端末2では、SMREG-PDP-activate-cnf信号に含まれた電話番号及びNW暗唱番号を取得すると、制御装置21が、LCD28に認証用情報の入力画面を表示させる。端末2の借用者は、入力画面に表示された案内に従って、電話番号及びNW暗唱番号を入力装置27を用いて入力する。
端末2の制御装置21は、入力された電話番号及びNW暗唱番号が、NW側から取得された電話番号及びNW暗唱番号と一致するか否かを確認する(085)。このとき、両者が一致する場合(085,OK)であれば、データ通信が確立する(086)。
これに対し、電話番号及びNW暗唱番号が一致しない場合(085,NG)であれば、端末2は、データ通信の切断処理を行い(087)、切断メッセージであるSMREG-PDP-Deactivate-req信号を基地局3経由でコアネットワーク装置4へ送信する。コアネットワーク装置4では、データ通信の切断処理を行うとともに、データ通信の切断通知(端末2の識別情報含む)を課金装置5へ送信する(089)。課金装置5は、切断通知を受信すると、端末2の識別情報に基づいて、課金用情報(2)を元の課金用情報(1)に戻す(090)。
一方、図13の062にて、データ通信中であると判定された場合には、端末2は、端末ID及び課金用情報(2)を含むショートメール(電子メールでも良い)を生成し、ショートメールの宛先アドレスを特別番号(特別アドレス)に設定して、コアネットワーク装置4へ送信する(図14、091)。
図7に示した切断通知と同様に、ショートメールは、基地局4及びコアネットワーク装置4を経て、メールサーバ6に到着する(092)。メールサーバ6は、ショートメールの宛先アドレスが特別アドレスであれば(093,Yes)、ショートメールから端末ID及び課金用情報(2)を抜き出して、コアネットワーク装置4へ送る(094)。
コアネットワーク装置4は、端末ID及び課金用情報(2)を受信すると、端末ID及び課金用情報(2)を課金装置5へ転送し(094A)、課金装置5は、端末IDに基づいて、課金用情報(1)を課金用情報(2)に切り替える(095)。
その後、図13に示した動作と同様の動作が行われる(図14、081〜090)。但し、コアネットワーク装置4から端末2へ電話番号及びNW暗唱番号が転送時に、電話番号及びNW暗唱番号はショートメール(又は電子メール)に含まれて送信される。
動作例7によれば、データ通信前、データ通信中のそれぞれにおいて、外部ICチップ1Aに記憶された課金用情報(2)をNW側へ送信するに当たり、外部ICチップ1Aの認証処理が行われる。外部ICチップ1Aの認証(外部ICチップ1Aの所持者の本人確認)が成功したときに、データ通信及び課金用情報(2)に基づく課金が正常に行われる。認証に失敗した(不成功の)場合には、データ通信が切断され、課金用情報(2)が元の課金用情報(1)に戻される。
動作例7に示した認証機能によれば、例えば、外部記憶装置(外部ICチップ1A)の盗用により、盗用者が外部記憶装置(外部ICチップ1A)を用いて行った通信に係る料金が、外部ICチップ1Aの正当な所持者に課金されることを回避することができる。すなわち、外部ICチップ1Aの不正利用を防止することができる。
上記したように、認証処理では、電話番号、或いはNW暗唱番号のような認証番号、或いは認証コードと呼ばれる認証用情報の一致、不一致を以て認証が行われる。動作例7のような、認証用情報の直接入力に代えて、所定の情報の入力に応じて、外部記憶装置(外部ICチップ1A)に記憶された認証用情報が端末2に取得され、NW側から得られた認証用情報との照合が行われるようにしても良い。
<動作例8:外部ICチップ1Aの課金装置での認証>
図16は、動作例8を示すシーケンス図である。動作例8は、動作例7の変形例であり、課金装置5にて認証処理が行われる場合を示す。
図16において、外部ICチップ1Aから課金用情報(2)が端末2にて取得されると(091A)、端末2の制御装置21は、LCD28に、認証用情報(例えば、電話番号及びNW暗唱番号)の入力画面を表示する。入力画面及び入力装置27を用いて認証用情報が入力されると(092A)、端末2は、課金用情報(2)及び認証用情報を含むデータ通信開始のための制御信号(SMREG-PDP-active-req信号)をコアネットワーク装置4に送信する(093A)。
SMREG-PDP-active-req信号を受信したコアネットワーク装置4は、課金用情報(2)及び認証用情報を端末2の端末IDとともに、課金装置5へ送る(094A)。課金装置5は、図15に示したようなデータベース(DB)を有しており、課金用情報(2)と認証用情報との組がDBに登録されているか否かを確認することによって認証処理を行う(095A)。
課金装置5は、認証結果(OK又はNG)をコアネットワーク装置4へ送る(096A)とともに、認証結果がOKかNGかを判定する(097A)。認証結果がNGの場合に
は、課金用情報(2)への切替は行われず、元の課金用情報(1)に基づく課金が継続される(098A)。これに対し、認証結果OKの場合には、元の認証用情報(1)から認証用情報(2)への切替が行われ。認証用情報(2)に基づく課金が行われる状態となる(099A)。
一方、コアネットワーク装置4でも、認証結果がOKかNGかが判定される(100)。認証結果がOKの場合には、コアネットワーク装置は、データ通信を確立させて、データ通信開始のための制御信号に対する応答信号(SMREG-PDP-activate-cnf信号)を送る(102)。
096において、認証結果とともにDBから読み出された電話番号及びNW暗唱番号(認証用情報)がコアネットワーク装置4へ送信され、応答信号には、電話番号及びNW暗唱番号が含まれる。応答信号を受信した端末2において、制御装置21は、応答信号に含まれた電話番号及びNW暗唱番号を確認する(103)。これによって、端末2は、NW側で実行された認証の成功を認識することができる。
なお、応答信号中の認証用情報と、092で入力された認証用情報との照合を行い、両者が一致しなければ、端末2は、データ通信の切断通知を送信することができる。このようにして、NW側と端末側との2回の認証処理によって、セキュリティ向上を図ることができる。
ところで、100にて認証結果がNGと判定された場合には、コアネットワーク装置4は、データ通信の確立を拒否することを決定し(104)、データ通信開始拒否の為の制御信号(SMREG-PDP-activate-rej信号)を送信する(105)。以上説明した動作例7及び8における制御信号及び制御信号の応答信号は、回線確立信号(call-confirmation signal)信号の一例である。
なお、動作例8では、課金装置5にて認証処理が行われているが、課金装置5と異なる認証装置がネットワークに接続され、課金装置5からの認証用情報と、端末2からの認証用情報とが認証装置に送られ、認証装置が認証結果を課金装置5及びコアネットワーク装置4へ送るようにしても良い。
また、動作例7及び8において、認証用情報は、暗号化されて伝送されても良い。なお、動作例7及び8では、データ通信を例として説明したが、音声通信(通話)の場合に認証が行われるようにしても良い。
また、図16では、データ通信確立時に、認証用情報が課金用情報(2)とともに制御信号に含まれて送信される例について示した。データ通信中であれば、入力された認証用情報と課金用情報(2)とがこれまでに説明したメールを用いた手法で、課金装置5へ送られ、095以降の処理が実行される。なお、認証成功時には、102の代わりに、認証用情報がメールを用いて端末2に通知される。
<動作例9:Web決済>
ワールドワイドウェブ(WWW)におけるWebサイトで商品やサービスをクレジットカードで購入する場合には、通常、ユーザがクレジットカード番号を入力する。クレジットカード番号は、10以上の数字で形成されているため、入力の手間や誤入力の虞がある。また、いわゆるスキミング等によって、クレジットカード番号が不正利用されてしまう虞がある。
動作例9では、借用された端末2を用いたデータ通信で、Webサイトにアクセスし、
商品又はサービスを購入した場合において、外部記憶装置(外部ICチップ1A)に記憶された課金用情報(2)(クレジットカード番号)が取得され、商品又はサービスの代金の決済情報入力画面に対する入力の一部として使用される。通信に係る料金は、動作例7及び8と同様に、課金用情報(2)に基づき借用者に課金される。
具体的には、課金用情報(2)が、事前にNW側に登録されている情報と合致するか否かが確認される。両者が合致する場合には、Webサイトでの決済時に、課金用情報(2)が決済用情報の一部として使用される。これによって、借用者によるクレジットカード番号の入力を回避することができる。

上記のような、クレジットカード番号の自動入力機能によって、Webサイトでの決済時の利便性が向上するとともに、入力の一部として扱われる課金用情報(2)(クレジットカード番号)が、画面に表示されない(すなわち、内部情報として取り扱われる、或いは、伏せ字で表示される)ようにすることで、決済に係るセキュリティの向上を図ることができる。
図17は、端末2がWeb決済を行う場合の動作例(動作例9)を示すシーケンス図である。図17に示す動作例は、上述した動作例7又は動作例8における手順によって、端末2の借用者の課金用情報(2)に基づく通信に係る料金の課金が行われる状態になっており、且つデータ通信が確立した状態となっている(110)。
借用者は、端末2を用いて、通信販売(オンラインショッピング)用のWebサイト(オンラインショッピングサイト)7にアクセスし、Webサイト7で商品又はサービスの購入を決定し、決済情報入力画面に進んだ(決済情報入力画面がLCD28に表示された)と仮定する(111)。Webサイト7は、Webサイト7を提供するWebサーバ装置で管理されており、Webサーバ装置はコアネットワーク装置4とネットワークを介して接続されている。Webサーバ装置は、決済装置の一例である。
決済情報入力画面において、借用者が課金用情報(2)(クレジットカード番号)を用いたWebサイト7での決済を決定した場合には、以下のようなネゴシエーションが、端末2とWebサイト7との間で行われる(112,113)。
すなわち、端末2とWebサイト7とは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)
通信によって、Webサイト7へのアクセスが、外部ICチップ1Aを使用した通信であることをネゴシエーションする。ネゴシエーションにおいて、端末2が外部ICチップ1Aから取得した課金用情報(2)(クレジットカード番号)がWebサイト7へ伝達される。 Webサイト7では、外部ICチップ情報としての課金用情報(2)が記憶される(114)。
借用者は、決済情報入力画面及び入力装置27を用いて、氏名、住所、郵便番号等の決済用情報を入力する。但し、クレジットカード番号は、決済用情報として入力すべき情報に含まれない。従って、借用者によるクレジットカード番号の入力が省略される。決済用情報の入力が完了すると、端末2は、決済用情報をWebサイトへ送信する(115,116)。
Webサイト7では、決済用情報を受信すると、決済処理を開始する(117)。すなわち、Webサイト7は、カード情報、すなわちクレジットカード番号(課金用情報(2))による決済を、クレジットカード会社のデータベースサーバ8に依頼する。データベースサーバ8は、与信処理のような決済承認の確認処理を行う(119)。クレジットカ
ード番号の正当性、良好な与信結果が得られた場合には、データベースサーバは、決済を承認する旨の結果をWebサイト7に通知する(120)。
決済OKの結果をデータベースサーバ8から受信したWebサイト7は、決済を完了し(121)、決済結果(OK)をHTTP通信により端末2に送信する(122,123)。端末2では、クレジットカードによる決済が承認されたことを、LCD28での画面表示で知ることができる。
上記した動作例9では、外部ICチップ1Aに記憶された課金用情報(2)であるクレジットカード番号は、内部情報として扱われ、Web画面には表示されない。このため、借用者の入力の手間を省くことができ、且つスキミングによる盗用を回避することが可能となる。
<動作例10>
動作例10として、借用者の通信終了後、借用者に課金された通信料を、借用者の端末へ通知する場合の動作について説明する。具体的には、借用者の端末2を用いた通信の終了や外部ICチップ1Aと端末2との無線通信の切断のような、課金用情報(2)を元の課金用情報(1)へ切り替える事象が発生すると、課金装置5は、課金用情報(2)に基づいてなされた課金額を、借用者の端末宛てに送信する。
当該機能の付加によって、借用時の課金額を、借用者自身の端末を用いて知ることが可能となる。これによって、借用時の通信料金の実態把握が可能となり、利便性向上につながる。
図18は、動作例10(借用者端末への課金額通知)を示すシーケンス図である。外部ICチップ1Aと端末2との無線通信の切断(例えば動作例1〜3(図7〜9))、端末2の基地局3を用いた通信の切断(例えば動作例5(図11)、動作例7(図13))のような、課金用情報(2)を元の課金用情報(1)に切り替えるイベントが発生すると、課金装置5において、元の課金用情報(1)への切り替えが行われる(131)。
すると、課金装置5(のCPU51)は、課金用情報(2)の関連情報を取得する(132)。すなわち、課金装置5は、元の課金用情報(1)への切り替えが行われる迄に、課金用情報(2)に基づいて借用者に課金された通信料金の金額(課金額)を取得する。さらに、補助記憶装置53に予め記憶された、図19に示すようなデータベースを参照し、課金用情報(2)(図19の例ではカード番号)と関連づけられた情報を取得する。図19に示す例では、課金用情報(2)(カード番号)に対して、借用者の端末(端末2A)の電話番号,NW暗唱番号,及び端末2Aで使用される電子メールアドレスが記憶されている。
動作例10では、課金装置5のCPU51は、データベースから、課金用情報(2)に対応する電話番号及び電子メールアドレスを取得する。そして、課金額,電話番号,及び電子メールアドレスを関連情報として、コアネットワーク装置4へ転送する(133)。
コアネットワーク装置4では、関連情報を受信すると、課金額を含む電子メールを生成し、電子メールの宛先アドレスに関連情報に含まれた電子メールアドレスを設定して送信する(134)。
電子メールアドレスは、ネットワークを介してメールサーバ6に到着する。メールサーバ6は、端末2Aへ電子メールを転送する(135)。電子メールは、図18では省略されているが、移動通信網(コアネットワーク装置4,及び端末2Aが在圏するセルの基地
局3)を経由して、端末2Aにて受信される。
端末2Aは、例えば、図3に示した構成を有し、制御装置21は、メーラ機能を有している。制御装置21は、借用者の操作に応じて、電子メールの内容をLCD28に表示する(136)。これによって、端末2Aにて、端末2の借用時における課金額を借用者が知ることができる。また、メールは、借用により生じた料金の請求案内又は請求書として使用することができる。また、関連情報には、課金額に加えて、課金装置5が生成・管理する課金の内訳(通話(音声通信)料金額、データ通信料金額のような詳細)を含むこともできる。
なお、上記した例では、電子メールが送信される例について示したが、課金額を含むショートメールが送信されるようにしても良い。また、コアネットワーク装置4にてメールが生成される例について説明したが、課金装置5が課金額を少なくとも含むメールを生成するようにしても良い。
1・・・外部記憶装置
1A・・・外部ICチップ内蔵カード
2・・・端末装置(端末)
3・・・基地局
4・・・コアネットワーク装置
5・・・課金装置
21・・・制御装置
22・・・記憶装置
23・・・ICチップ通信回路
24・・・BB処理部
25・・・無線部
30・・・アンテナ
50・・・情報処理装置(コンピュータ)
51・・・CPU
52・・・主記憶装置
53・・・補助記憶装置

Claims (20)

  1. 基地局を用いて通信を行う端末装置であって、
    外部記憶装置との無線通信を通じて当該外部記憶装置に記憶された課金用情報を取得する通信装置と、
    前記基地局とネットワークを介して接続され、前記端末装置が前記基地局を用いて行う通信に係る課金に使用する元の課金用情報を記憶し、前記外部記憶装置に記憶された課金用情報が受信されたときに、前記元の課金用情報を受信された課金用情報に一時的に切り替える課金装置へ向けて、前記外部記憶装置から取得された課金用情報を送信する処理を行う制御装置と
    を含む端末装置。
  2. 前記課金用情報が前記外部記憶装置から取得されたときに前記端末装置が前記基地局を用いた通信が行われていない場合には、前記制御装置は、前記課金用情報は、前記基地局を用いた通信を確立するための信号に相乗りした前記課金用情報を送信する処理を行う
    請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記課金装置で前記課金用情報への切替中に、前記外部記憶装置との無線通信が切断されたときに、前記制御装置は、前記課金装置が前記課金用情報を前記元の課金用情報に切り替えるための情報の送信処理を行う
    請求項1又は2に記載の端末装置。
  4. 前記外部記憶装置との無線通信が切断されたときに、前記端末装置が前記基地局を用いた通信中であれば、前記制御装置は、前記基地局を用いた通信を切断するための信号の送信処理を行う
    請求項3に記載の端末装置。
  5. 前記外部記憶装置との無線通信が切断されたときに、前記端末装置が前記基地局を用いた通信中であれば、前記基地局を用いた通信の切断可否の入力を促す画面を表示する表示装置と、
    前記切断可否の入力を行う入力装置とをさらに含み、
    前記制御装置は、前記入力装置によって切断を許可する入力がなされたときに、前記基地局を用いた通信を切断するための信号の送信処理を行う
    請求項4に記載の端末装置。
  6. 前記外部記憶装置との無線通信中において、前記端末装置の前記基地局を用いた通信が切断されたときに、前記制御装置は、前記課金装置が前記課金用情報を前記元の課金用情報に切り替えるための情報の送信処理を行う
    請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置。
  7. 前記制御装置は、前記情報を含むメールの送信処理を行い、
    前記メールは、当該メールを受信したメールサーバが当該メールに含まれた前記情報を前記ネットワーク経由で前記課金装置へ転送するための動作を行うトリガとなる特別アドレスを宛先アドレスとして含む
    請求項3から6のいずれか1項に記載の端末装置。
  8. 前記制御装置は、前記基地局を用いた通信中において、前記外部記憶装置から前記課金用情報が取得されたときには、前記課金用情報を含むメールの生成及び送信処理を行い、前記メールは、当該メールを受信したメールサーバが当該メールに含まれた前記情報を前記ネットワーク経由で前記課金装置へ転送するための動作を行うトリガとなる特別アドレ
    スを宛先アドレスとして含む
    請求項1から7のいずれか1項に記載の端末装置。
  9. 前記制御装置は、前記課金用情報の送信後に、前記基地局から受信される認証用情報を用いた認証処理を実行し、認証が不成功のときに、前記課金装置が前記課金用情報を前記元の課金用情報に切り替えるための情報の送信処理を行う
    請求項1から8のいずれか1項に記載の端末装置。
  10. 前記制御装置は、前記課金用情報とともに、当該課金用情報の認証用情報を前記基地局へ送信する処理を行い、前記ネットワーク側で前記認証用情報を用いた認証処理が成功した場合には成功を示す情報を受信し、認証処理が不成功の場合には通信の確立の拒否を示す信号を受信する
    請求項1から8のいずれか1項に記載の端末装置。
  11. 前記課金装置で前記課金用情報への切替が行われた後、前記基地局を用いた通信でオンラインショッピングに係る決済が行われるときに、前記制御装置は、前記基地局と前記ネットワークを通じて接続された決済装置に対し、前記課金用情報を含む決済用情報を送信する
    請求項1から10のいずれか1項に記載の端末装置。
  12. 端末装置が外部記憶装置との無線通信によって取得した課金用情報を当該端末装置から受信する基地局と、
    前記基地局と接続され、前記端末装置の前記基地局を用いた通信を確立するための処理を行う装置と、
    前記端末装置の前記基地局を用いた通信に係る課金に使用する元の課金用情報を記憶した記憶装置,前記装置からネットワークを通じて前記課金用情報を受信する通信装置,及び前記元の課金用情報を前記受信装置で受信された課金用情報に一時的に切り替える制御装置を含む課金装置と
    を含む移動通信システム。
  13. 前記装置は、前記端末装置の前記基地局を用いた通信を確立するための信号に含まれた前記課金用情報を受信し、前記課金装置へ転送する
    請求項12に記載の移動通信システム。
  14. 前記装置は、前記課金装置で前記課金用情報を用いた課金が行われる状態において、前記端末装置と前記外部記憶装置との無線通信が切断されたことを示す情報を受信したときに、当該情報を前記課金装置へ転送し、
    前記課金装置は、前記情報に基づいて、前記課金用情報を前記元の課金用情報に切り替える
    請求項12又は13に記載の移動通信システム。
  15. 前記装置は、前記端末装置と前記外部記憶装置との無線通信が切断されたことを示す情報を受信したときに、前記端末装置が前記基地局を用いた通信中であれば、当該通信の切断処理を行う
    請求項14に記載の移動通信システム。
  16. 前記装置は、前記端末装置から前記基地局を用いた通信を切断するための信号を受信したときに、前記課金装置に、前記課金用情報を前記元の課金用情報に切り替えるための情報を送信する
    請求項12から15のいずれか1項に記載の移動通信システム。
  17. 前記装置は、前記課金用情報の認証用情報を前記端末装置へ送信し、前記認証用情報を用いた認証が不成功のときに前記端末装置から受信される、前記課金用情報を前記元の課金用情報に切り替えるための情報を前記課金装置へ転送する
    請求項12から16のいずれかに記載の移動通信システム。
  18. 前記装置は、前記端末装置から受信される前記課金用情報と当該課金用情報の認証用情報とを前記課金装置又は認証処理を行う認証装置へ転送し、前記課金装置又は認証装置から前記認証用情報を用いた認証処理の結果を受信し、前記結果が認証成功を示すときには、認証成功を示す情報を前記端末装置へ送信し、前記結果が認証不成功を示すときには、前記端末装置の前記基地局を用いた通信の確立を拒否する信号を送信する
    請求項12から16のいずれか1項に記載の移動通信システム。
  19. 前記課金装置で前記課金用情報に基づく課金が行われる状態において、前記端末装置が前記基地局を用いた通信でオンラインショッピングに係る決済を行うときに、前記装置は、前記ネットワークを通じて接続された決済装置に、前記課金用情報を含む決済用情報を転送する
    請求項12から18のいずれか1項に記載の移動通信システム。
  20. 前記課金装置で、前記課金用情報が前記元の課金用情報に切り替えられる場合に、前記課金用情報に基づいて課金された課金額が、前記外部記憶装置と関連づけられた前記端末装置と異なる端末装置へ送信される
    請求項12から19のいずれか1項に記載の移動通信システム。
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