JP2014239144A - 熱伝導構造体、及び超伝導デバイス冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱ガスによる断熱真空槽の断熱性能の劣化を防ぐことができる熱伝導構造体及びこの熱伝導構造体を用いる超伝導デバイス冷却装置を提供する。
【解決手段】冷凍機3の極低温部31と、超伝導デバイス1を搭載する被冷却体2と、被冷却体2を収容する断熱真空槽4と、被冷却体2を断熱真空槽4の内壁に支持する断熱支持部材5と、極低温部31と被冷却体2とを熱結合する金属材料により、冷凍機3で生じる振動を吸収する熱伝導構造体6とを備える超伝導デバイス冷却装置において、熱伝導構造体6は、金属材料を断熱真空槽4中に収容することで発生するガスを吸着する特性を有する被覆材料で覆う。
【選択図】図1
【解決手段】冷凍機3の極低温部31と、超伝導デバイス1を搭載する被冷却体2と、被冷却体2を収容する断熱真空槽4と、被冷却体2を断熱真空槽4の内壁に支持する断熱支持部材5と、極低温部31と被冷却体2とを熱結合する金属材料により、冷凍機3で生じる振動を吸収する熱伝導構造体6とを備える超伝導デバイス冷却装置において、熱伝導構造体6は、金属材料を断熱真空槽4中に収容することで発生するガスを吸着する特性を有する被覆材料で覆う。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、レーダ及び通信システム等の電波を利用するシステムに用いられる熱伝導構造体、及び超伝導デバイス冷却装置に関する。
レーダ、通信システム、またはその他の電波を利用するシステムにあっては、急峻なフィルタ特性を実現する超伝導フィルタ等の超伝導デバイスが注目されている。この超伝導デバイスは、冷凍機等の冷却装置で、超伝導状態となる極低温に冷却されることにより、急峻な特性を実現している。
さて、上記超伝導デバイスを冷却する冷却装置は、超伝導デバイスを断熱真空槽に収容し、周囲を真空状態にすることにより断熱している。この断熱真空槽には、超伝導デバイスを極低温で冷却するための被冷却体と、この被冷却体を極低温に維持する極低温部が配置される。この極低温部は、断熱真空槽の外部に配置される駆動部と連結されて冷凍機を構成する。上記極低温部と被冷却体は、熱伝導性に優れた金属で形成される熱伝導構造体で熱結合される。
ところで、上記冷凍機は、駆動部の振動が断熱真空槽内の極低温部に伝わり、熱伝導構造体を伝って被冷却体上の超伝導デバイスまで伝わってしまう。そこで、上記熱伝導構造体は、例えば、板状またはワイヤー状の金属材料を複数束ねて形成することで、柔軟性を持たせている。このように、冷却装置は、装置内で生じる振動を吸収しつつ、超伝導デバイスを極低温で冷却する工夫がなされている。
ここで、熱伝導構造体は、板状またはワイヤー状の金属材料を複数束ねて形成するため、金属部の表面積が増加することになる。このような金属部の表面積の増加は、金属表面からの脱ガスの増加につながる。なお、脱ガスとは、真空状態の空間に金属を入れることにより、金属表面から水素ガス等のガスが発生する現象のことである。
以上のように、従来の冷却装置は、脱ガスの影響で、断熱真空槽の真空度が悪化し、断熱真空槽における断熱性能の劣化を招いている。
以上のように、従来の冷却装置は、脱ガスの影響で、断熱真空槽の真空度が悪化し、断熱真空槽における断熱性能の劣化を招く。
そこで、目的は、脱ガスによる断熱真空槽の断熱性能の劣化を防ぐことができる熱伝導構造体及びこの熱伝導構造体を用いる超伝導デバイス冷却装置を提供することにある。
本実施形態によれば、熱伝導構造体は、冷凍機の極低温部と、超伝導デバイスを搭載する被冷却体と、前記被冷却体を収容する断熱真空槽と、前記被冷却体を前記断熱真空槽内壁に支持する断熱支持部材とを備える超伝導デバイス冷却装置に用いられ、前記極低温部と前記被冷却体とを熱結合する金属材料により、前記冷凍機で生じる振動を吸収する熱伝導構造体において、前記金属材料を前記断熱真空槽中に収容することで発生するガスを吸着する特性を有する被覆材料で覆う。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る超伝導デバイス冷却装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す超伝導デバイス冷却装置は、超伝導フィルタ等の超伝導デバイス1を内包して、超伝導状態となるまで冷却する装置である。この超伝導デバイス冷却装置は、被冷却体2、冷凍機3、断熱真空槽4、断熱支持部材5及び熱伝導構造体6を備える。
被冷却体2は、断熱真空槽4の内部に配置され、上記超伝導デバイス1を超伝導状態とするものである。
冷凍機3は、上記極低温部31及び当該極低温部31を冷却するための動力部32を有する。極低温部31は、断熱真空槽4の内部において、被冷却体2から熱伝導構造体6を介して伝導される熱を吸収する。動力部32は、断熱真空槽4の外部に配置され、両者は冷媒が通る配管によって連結される。このようにして、断熱真空槽4の外部に配置される動力部32で圧縮された冷媒の効果により、断熱真空槽4の内部に配置される極低温部31を極低温となるまで冷却する。
上記断熱真空槽4は、極低温の効率的な維持を目的として、内部に超伝導材を配置した状態で、周囲を真空状態にすることで断熱するための容器である。断熱真空槽4は、超伝導デバイス1、被冷却体2及び極低温部31を収容する。これにより、断熱真空槽4は、外部からの熱を遮断して極低温状態を維持し、槽内に収容する超伝導デバイス1、被冷却体2及び極低温部31の断熱及び極低温での保温を行う。
断熱支持部材5は、超伝導デバイス1に対する被冷却体2及び極低温部31からの熱流入を遮断して、断熱真空槽4の内壁に被冷却体2を支持する。断熱支持部材5は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastic)やサスペンション等を用いる。また、断熱支持部材5の強度は、超伝導デバイス1等の重量により決定する。なお、断熱支持部材5による被冷却体2の支持方法は、固定支持や回転支持等、いずれの支持方法を用いてもよい。
熱伝導構造体6は、被冷却体2と極低温部31とを熱結合する。熱伝導構造体6は、例えば、ワイヤー状または薄い板状の金属材料で形成する。熱伝導構造体6は、ワイヤー状または薄い板状の金属材料を複数束ねて形成することにより、柔軟性を持たせている。これにより、熱伝導構造体6は、動力部32で生じる振動を吸収し、その振動が超伝導デバイス1に伝達しないようにする。なお、金属材料は、熱伝導性に優れた銅、銀及び銅と、銀との組み合わせで作成される合金のうち、少なくともいずれかである。
また、熱伝導構造体6は、金属材料の表面の一部または全体を被覆材料で覆う。この被覆材料は、優れたガス吸着特性を有する。なお、被覆材料は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムと、チタンと、ジルコニウムとの組み合わせで作成される合金のうち、少なくともいずれかである。熱伝導構造体6は、金属材料の表面の一部または全体を被覆材料で覆うことにより、金属材料を断熱真空槽4中に収容することで発生するガスを吸着する。
また、熱伝導構造体6と被冷却体2との接続、及び熱伝導構造体6と極低温部31との接続は、接触面積を増やすために、インジウム等の柔らかく熱伝導性の良い材料を挟んで固定する。
図2は、図1に示す超伝導デバイス冷却装置の一例を示す図である。
熱伝導構造体6は、図2に示す網目構造、または図示しないヨリ線構造を用いてもよい。
上記構成によれば、超伝導デバイス冷却装置は、図1における冷凍機3と断熱真空槽4との間に設置する熱伝導構造体6により、冷凍機3で生じる振動が、断熱真空槽4から被冷却体2及び断熱支持部材5を介して超伝導デバイス1に伝達することを抑制することが可能となる。また、超伝導デバイス冷却装置は、熱伝導構造体6をアルミニウム、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムと、チタンと、ジルコニウムとの組み合わせで作成される合金等の被膜材料で覆うことにより、金属材料の表面で生じる脱ガスを抑制することが可能となる。また、超伝導デバイス冷却装置は、上記被膜材料で覆うことにより、発生するガスを吸着することが可能となる。
しかしながら、被覆材料にガスが吸着すると表面が不活性化し、ガスの吸着効果が失われるという課題がある。このため、ガス吸着特性に優れた清浄表面を順次作り出す必要がある。そこで、隣接する熱伝導構造体6の被覆材料表面を接触させ、隣接する熱伝導構造体6の被覆材料表面が冷凍機3の振動で擦れるようにする。これにより、熱伝導構造体6は、被覆材料の清浄表面を出すことが可能となり、新たなガスの吸着効果を生じさせることが可能となる。この結果、超伝導デバイス冷却装置は、発生するガスを熱伝導構造体6の被覆材料で吸着し、真空度を改善することが可能となる。
したがって、本実施形態の超伝導デバイス冷却装置は、脱ガスによる断熱真空槽4の断熱性能の劣化を防ぐことができる。また、超伝導デバイス冷却装置は、冷凍機3等の冷却装置で生じる振動の伝達を熱伝導構造体6により防ぎ、振動による超伝導デバイス1への影響を低減することができる。
また、実施形態に係る熱伝導デバイス冷却装置では、熱伝導構造体6を形成する金属材料として、銅、銀及び銅と、銀との組み合わせで作成される合金のうち、少なくともいずれかを使用しているが、これに限定されない。熱伝導デバイス冷却装置は、例えば、熱伝導構造体6の一部を、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムと、チタンと、ジルコニウムとの組み合わせで作成される合金のいずれかで形成してもよい。これにより、熱伝導デバイス冷却装置は、熱伝導構造体6の表面に合金皮膜を作製した場合と比較して、簡便な方法でガスの吸着効果を得ることが可能となる。
以上、実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…超伝導デバイス、2…被冷却体、3…冷凍機、31…極低温部、32…動力部、4…断熱真空槽、5…断熱支持部材、6…熱伝導構造体。
Claims (4)
- 冷凍機の極低温部と、
超伝導デバイスを搭載する被冷却体と、
前記被冷却体を収容する断熱真空槽と、
前記被冷却体を前記断熱真空槽の内壁に支持する断熱支持部材とを備える超伝導デバイス冷却装置に用いられ、
前記極低温部と前記被冷却体とを熱結合する金属材料により、前記冷凍機で生じる振動を吸収する熱伝導構造体において、
前記金属材料を前記断熱真空槽中に収容することで発生するガスを吸着する被覆材料で、前記金属材料の表面を覆う熱伝導構造体。 - 前記金属材料の形状は、複数ある板状またはワイヤー状であり、
前記金属材料の表面を覆う前記被覆材料の少なくとも一部が互いに接する請求項1記載の熱伝導構造体。 - 冷凍機の極低温部と、
超伝導デバイスを搭載する被冷却体と、
前記被冷却体を収容する断熱真空槽と、
前記被冷却体を前記断熱真空槽の内壁に支持する断熱支持部材と、
前記極低温部と前記被冷却体とを熱結合する金属材料により、前記冷凍機で生じる振動を吸収する熱伝導構造体とを備える超伝導デバイス冷却装置において、
前記熱伝導構造体は、前記金属材料を前記断熱真空槽中に収容することで発生するガスを吸着する被覆材料で、前記金属材料の表面を覆う超伝導デバイス冷却装置。 - 前記金属材料の形状は、複数ある板状またはワイヤー状であり、
前記金属材料の表面を覆う前記被覆材料の少なくとも一部が互いに接する請求項3記載の超伝導デバイス冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013120705A JP2014239144A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | 熱伝導構造体、及び超伝導デバイス冷却装置 |
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Publications (1)
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JP2013120705A Pending JP2014239144A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | 熱伝導構造体、及び超伝導デバイス冷却装置 |
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JP (1) | JP2014239144A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019163207A1 (ja) | 2018-02-26 | 2019-08-29 | 三菱重工業株式会社 | 固体レーザ装置 |
-
2013
- 2013-06-07 JP JP2013120705A patent/JP2014239144A/ja active Pending
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WO2019163207A1 (ja) | 2018-02-26 | 2019-08-29 | 三菱重工業株式会社 | 固体レーザ装置 |
US11322903B2 (en) | 2018-02-26 | 2022-05-03 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Solid state laser apparatus |
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