JP2022113132A - 極低温装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】極低温装置のユーザビリティを向上する。【解決手段】極低温装置10は、極低温冷凍機20と、受入凹部50を外側に有する真空容器30と、受入凹部50を覆うように真空容器30に取り付けられたカバー部材52と、を備える。極低温冷凍機20は、その一部分が真空容器30内に配置され、他の一部分がカバー部材52で覆われた真空容器30の受入凹部50内に配置されるようにして、真空容器30に設置されている。極低温装置10は、極低温冷凍機20に接続され、真空容器30に巻き取られたフレキシブル管をさらに備えてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、極低温装置に関する。
従来、極低温冷凍機と真空容器とを有する極低温装置が知られている。真空容器内には、例えば、超伝導コイルなどの超伝導機器、極低温環境で使用するその他の機器、さらにはこうした機器を冷却する極低温冷媒など、様々な被冷却物が収容され、極低温冷凍機は、被冷却物を冷却するために利用される。極低温冷凍機は、コールドヘッドとも呼ばれる冷媒ガスの膨張機を有し、コールドヘッドには、被冷却物を冷却するための低温部と、低温部に冷凍サイクルを繰り返し発生させるための駆動部が設けられる。低温部は真空容器の開口部から挿入されて真空容器内に配置され、駆動部は真空容器の外側に取り付けられる。
特開平6-132568号公報
本発明者は、上記の極低温装置について検討したところ、ユーザビリティの観点から、いくつかの問題を発見した。例えば、極低温冷凍機の運転中、コールドヘッドへの冷媒ガスの周期的な給排に伴う駆動音が、コールドヘッドやコールドヘッドを圧縮機に接続するフレキシブル管などの冷媒ガス配管から絶えず発生する。極低温装置が使用される現場で静粛さが望まれる場合には、この駆動音が耳障りに感じられるかもしれない。
冷媒ガス配管は、標準的に比較的長い(例えば10~20m)。これは圧縮機をコールドヘッドから遠方に配置するなど配置場所の自由度を高めることに役立つが、近接して配置する場合には余剰の配管が現場で邪魔になるかもしれない。しかし、配管の容積は極低温冷凍機の冷凍性能に影響するため、その長さだけを単純に現場で変更することは極低温冷凍機の設計上必ずしも許容されない。
コールドヘッドの駆動部は真空容器の壁面から外側に飛び出ているので、作業者が極低温装置の周囲で作業するとき障害となりうる。例えば、大型の極低温装置では真空容器上面を作業者が歩行することがあるが、このとき、真空容器上面から突き出したコールドヘッド駆動部に作業者がつまずく懸念がある。安全性をより高めることが好ましい。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、このようないくつかの問題のうち少なくとも1つに対処し、極低温装置のユーザビリティを向上することにある。
本発明のある態様によると、極低温装置は、複数の超伝導コイルと、複数の超伝導コイルが配置される真空領域を内部に定める中空筒型の真空容器と、駆動部と、複数の超伝導コイルの少なくとも1つを冷却する冷却ステージとを備え、駆動部が真空容器の外側にかつ冷却ステージが真空領域に配置されるように真空容器に設置されるコールドヘッドと、を備える。複数の超伝導コイルは、第1超伝導コイルと、真空容器の周方向に第1超伝導コイルから離れて配置される第2超伝導コイルとを備える。真空容器は、駆動部が配置される受入凹部を、周方向に第1超伝導コイルと第2超伝導コイルとの間に備える。
本発明のある態様によると、極低温装置は、極低温冷凍機と、受入凹部を外側に有する真空容器と、受入凹部を覆うように真空容器に取り付けられたカバー部材と、を備える。極低温冷凍機は、その一部分が真空容器内に配置され、他の一部分がカバー部材で覆われた真空容器の受入凹部内に配置されるようにして、真空容器に設置されている。
本発明のある態様によると、極低温装置は、極低温冷凍機と、真空容器と、を備える。極低温冷凍機は、その一部分が真空容器内に配置され、他の一部分が真空容器の外側に配置されるようにして、真空容器に設置されている。極低温装置は、極低温冷凍機に接続され、真空容器に巻き取られたフレキシブル管をさらに備える。
本発明によれば、極低温装置のユーザビリティを向上することができる。
実施の形態に係る極低温装置を模式的に示す図である。 実施の形態に係る極低温装置を模式的に示す図である。 他の実施の形態に係る極低温装置の一例を模式的に示す図である。 他の実施の形態に係る極低温装置の他の一例を模式的に示す図である。 更なる他の実施の形態に係る極低温装置を模式的に示す図である。 更なる他の実施の形態に係る極低温装置を模式的に示す図である。 更なる実施の形態に係る極低温装置を模式的に示す斜視図である。 図7に示される極低温装置を模式的に示す上面図である。 図7に示される極低温装置を矢印Aの方向から見たときの側面展開図を模式的に示す。 図10(a)から図10(c)は、コールドヘッドの駆動部の配置の他の例を模式的に示す図である。 図11(a)から図11(c)は、別の受入凹部を模式的に示す図である。 更なる実施の形態に係る極低温装置の他の例を模式的に示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1および図2は、実施の形態に係る極低温装置10を模式的に示す図である。図1には極低温装置10の内部構造を模式的に示し、図2には極低温装置10の外観を模式的に示す。
極低温装置10は、被冷却物12と、被冷却物12を冷却する極低温冷凍機20と、極低温冷凍機20が設置され、被冷却物12を収容する真空容器30とを備える。
詳細は後述するが、真空容器30は、受入凹部50を外側に有し、極低温装置10は、受入凹部50を覆うように真空容器30に取り付けられたカバー部材52を備える。極低温冷凍機20は、その一部分が真空容器30内に配置され、他の一部分がカバー部材52で覆われた真空容器30の受入凹部50内に配置されるようにして、真空容器30に設置されている。
この実施の形態では、極低温装置10は、超伝導磁石装置であり、被冷却物12は、超伝導コイルである。超伝導磁石装置は、例えば単結晶引き上げ装置、NMRシステム、MRIシステム、サイクロトロンなどの加速器、核融合システムなどの高エネルギー物理システム、またはその他の高磁場利用機器(図示せず)の磁場源として高磁場利用機器に搭載され、その機器に必要とされる高磁場を発生させることができる。なお、極低温装置10は、極低温環境を利用する様々な装置であってもよく、被冷却物12は、極低温環境で使用する例えばセンサなど様々な機器、さらにはこうした機器を冷却する例えばヘリウムなどの極低温冷媒であってもよい。
極低温冷凍機20は、冷媒ガス(たとえばヘリウムガス)の圧縮機(図示せず)と、コールドヘッドとも呼ばれる膨張機とを備え、圧縮機と膨張機により極低温冷凍機20の冷凍サイクルが構成され、それにより極低温冷却を提供する。極低温冷凍機20は、一例として、二段式のギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機である。極低温冷凍機20は、極低温に冷却される低温部として、第1冷却ステージ22aと第2冷却ステージ22bを備える。これら冷却ステージは、真空容器30の中に配置される。第1冷却ステージ22aおよび第2冷却ステージ22bは、例えば、銅などの金属材料またはその他の高い熱伝導率をもつ材料で形成される。
また、極低温冷凍機20は、第1シリンダ24aと、第2シリンダ24bと、駆動部26と、装着フランジ28とを備える。第1シリンダ24aは、装着フランジ28を第1冷却ステージ22aに接続し、第2シリンダ24bは、第1冷却ステージ22aを第2冷却ステージ22bに接続する。駆動部26は、第1シリンダ24aとは反対側で装着フランジ28に取り付けられている。
第1シリンダ24aと第2シリンダ24bは、一例として、円筒形状を有する部材であり、第2シリンダ24bが第1シリンダ24aよりも小径である。第1シリンダ24aと第2シリンダ24bは同軸に配置され、第1シリンダ24aの下端が第2シリンダ24bの上端に剛に連結されている。極低温冷凍機20がGM冷凍機である場合、第1シリンダ24aと第2シリンダ24bにはそれぞれ、蓄冷材を内蔵した第1ディスプレーサと第2ディスプレーサが収容されている。第1ディスプレーサと第2ディスプレーサは互いに連結され、それぞれ第1シリンダ24aと第2シリンダ24bに沿って往復動可能である。
駆動部26は、モータと、モータの出力する回転運動を第1ディスプレーサと第2ディスプレーサの往復動に変換するようにモータをこれらディスプレーサに連結する連結機構とを備える。また、駆動部26は、第1シリンダ24aと第2シリンダ24bの内部の圧力を高圧と低圧に周期的に切り替える圧力切替弁を備え、この圧力切替弁も同じモータによって駆動される。
なお、極低温冷凍機20は、単段式のGM冷凍機であってもよい。あるいは、極低温冷凍機20は、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機、またはそのほかのタイプの極低温冷凍機であってもよい。
真空容器30は、真空容器本体30aと、真空容器本体30aを床面16に支持する支持部30bとを備える。真空容器30は、例えばクライオスタットであってもよい。真空容器本体30a内には真空領域32が定められ、真空容器本体30aは、真空領域32を外部環境14から隔てるように構成される。外部環境14は、大気領域であってもよい。被冷却物12と極低温冷凍機20の低温部は、真空領域32に配置され、外部環境14から真空断熱される。断熱性能を高めるために、真空領域32を外部環境14から隔てる真空容器本体30aの壁部材の表面に沿って、または壁部材の内部に、断熱材料が設けられていてもよい。
一例として、真空容器本体30aは、円柱状の形状を有する気密容器であり、平面状の上端面および下端面と、これら2つの端面を接続する円筒状の側面とを有する。支持部30bは、真空容器本体30aに比べて径の小さい円柱状の台座であり、真空容器本体30aの下端面を床面16に接続する。ただし、真空容器本体30aは、このような特定の形状に限定されるものではなく、四角い箱形など他の形状を有してもよい。支持部30bも様々な形状をとりうる。
この実施の形態では、極低温冷凍機20が挿し込まれる真空容器本体30aの開口部は、真空容器本体30aの上端面に設けられている。この開口部から真空容器本体30aの内部に向かって埋設管54が延びている。埋設管54の上端が真空容器本体30aの開口部に取り付けられ、埋設管54の下端には極低温冷凍機20の装着フランジ28が取り付けられている。極低温冷凍機20の第1冷却ステージ22aおよび第2冷却ステージ22bなど低温部は、埋設管54を通じて真空容器本体30a内に挿入されている。装着フランジ28上の駆動部26は、埋設管54内に定められた受入凹部50内に配置される。カバー部材52は、受入凹部50に蓋をするようにして、埋設管54の上端に、または真空容器本体30aに取り付けられている。埋設管54は例えば円筒形状であり、カバー部材52は埋設管54の上端と概ね同径の円板形状であってもよい。
このようにして、極低温冷凍機20は、駆動部26がカバー部材52で覆われた真空容器30の外側の受入凹部50内に配置され、低温部が真空容器30内に配置されるようにして、真空容器30に設置されている。また、極低温冷凍機20は、駆動部26を上方に、低温部を下方に向けて、縦向きに真空容器30に設置されている。
真空容器本体30aの開口部とこの開口部に取り付けられた埋設管54の上端との間には、真空領域32を外部環境14から封止する第1シール56aが設けられている。また、極低温冷凍機20の装着フランジ28とこれに取り付けられた埋設管54の下端との間には、真空領域32を外部環境14から封止する第2シール56bが設けられている。第1シール56aおよび第2シール56bは、例えばOリングなど適宜のシール部材であってもよい。こうして、埋設管54は、真空容器本体30aとともに真空領域32を定める。したがって、埋設管54の内部に定められる受入凹部50は、真空領域32ではなく、外部環境14となる。
真空領域32には、極低温冷凍機20の低温部および被冷却物12とともに、輻射熱シールド40が配置される。輻射熱シールド40は、第1冷却ステージ22aと熱的に結合され第1冷却温度に冷却される。輻射熱シールド40は、第1冷却ステージ22aに直接取り付けられ、第1冷却ステージ22aと熱的に結合される。あるいは、輻射熱シールド40は、可撓性または剛性をもつ伝熱部材を介して第1冷却ステージ22aに取り付けられてもよい。輻射熱シールド40は、例えば銅などの金属材料またはその他の高い熱伝導率をもつ材料で形成される。輻射熱シールド40は、第2冷却温度に冷却される被冷却物12、極低温冷凍機20の第2冷却ステージ22b、およびその他の低温部を囲むように配置され、外部からの輻射熱からこれら低温部を熱的に保護することができる。
被冷却物12は、伝熱部材42を介して第2冷却ステージ22bと熱的に結合され第2冷却温度に冷却される。伝熱部材42は、可撓性または剛性をもつ伝熱部材であってもよく、例えば銅などの金属材料またはその他の高い熱伝導率をもつ材料で形成される。被冷却物12は、第2冷却ステージ22bに直接取り付けられてもよい。
極低温冷凍機20の運転中、第1冷却ステージ22aは、第1冷却温度、例えば30K~80Kに冷却され、第2冷却ステージ22bは、第1冷却温度よりも低い第2冷却温度、例えば3K~20Kに冷却される。輻射熱シールド40は、第1冷却ステージ22aによって第1冷却温度に冷却される。被冷却物12は、第2冷却ステージ22bによって第2冷却温度に冷却される。
ところで、既存の極低温装置の設計では多くの場合、極低温冷凍機の駆動部が真空容器の外側に露出され、真空容器の壁面から外側に飛び出ている。一般に、極低温冷凍機は、運転中、冷媒ガスの吸排気音を発生させる。この音は、主に、駆動部内の圧力切替弁による高圧と低圧の周期的な圧力切替に伴う冷媒ガス流れに起因する。このような極低温冷凍機の駆動音は、圧力切替の周波数(例えば約1Hz程度)で継続的に発生する。極低温装置が使用される現場で静粛さが望まれる場合には、この音が耳障りに感じられることが懸念される。加えて、真空容器の壁面から飛び出た部分は、作業者が極低温装置の周囲で作業するとき障害となりうる。
実施の形態に係る極低温装置10によると、騒音源となる極低温冷凍機20の一部分がカバー部材52で覆われている。カバー部材52による防音効果によって、極低温冷凍機20の駆動音を低減することができる。とくに、極低温冷凍機20の駆動部26がカバー部材52で覆われているので、駆動部26から発生する音が周囲に聞こえるのを効果的に低減することができる。極低温装置10の静粛性を向上することができる。
また、実施の形態に係る極低温装置10によると、極低温冷凍機20の一部分が受入凹部50内に配置されている。そのため、真空容器30からの極低温冷凍機20の飛び出し部を小さくし、または無くすことができる。こうして、飛び出し部を作業者の邪魔となりにくくすることができる。大型の極低温装置10では真空容器30の上面を作業者が歩行することがあるが、真空容器上面からの飛び出し部が小さいことにより、作業者がこれにつまずくリスクも小さくなり、安全性を高めることができる。
とくに、この実施の形態では、図2に示されるように、真空容器30は、カバー部材52が取り付けられた状態で全体として円筒形状を有する。カバー部材52が取り付けられた真空容器本体30aの上端面は、ほぼ平坦となり、カバー部材52の厚さ程度の僅かな段差を有しうるにすぎない。真空容器本体30aの上端面に飛び出し部が存在しないものとみなすことができ、作業者が歩行の際につまずくリスクを最小にすることができる。
また、実施の形態に係る極低温装置10によると、真空容器30に極低温冷凍機20を埋没させることにより、そうではない既存設計に比べて、極低温冷凍機20の低温部を真空容器30のより内側に、すなわち被冷却物12により近づけて配置することが容易になる。これは、極低温冷凍機20の低温部から被冷却物12への伝熱経路を短くして、被冷却物12を効率的に冷却することにつながりうる。
極低温冷凍機20の駆動部26は、運転中に発熱しうる。極低温冷凍機20で駆動部26を覆うことにより、受入凹部50内に熱がこもるかもしれない。そこで、図1に例示するように、受入凹部50内において極低温冷凍機20の放熱対策が取られてもよい。極低温装置10は、受入凹部50に配置された極低温冷凍機20の一部分をカバー部材52と熱的に結合するように受入凹部50に配置された伝熱要素60を備えてもよい。
伝熱要素60は、カバー部材52と極低温冷凍機20の一部分(例えば駆動部26)に挟み込まれるようにして受入凹部50に配置されてもよい。あるいは、伝熱要素60は、埋設管54と極低温冷凍機20の一部分に挟み込まれるようにして受入凹部50に配置されてもよい。カバー部材52を埋設管54に固定することによって、伝熱要素60は、受入凹部50内に配置された極低温冷凍機20の一部分の上面、側面、またはその他の面に押し付けられてもよい。
伝熱要素60は、カバー部材52と極低温冷凍機20の間で圧縮されるばねとして働くように高熱伝導材料(例えば銅などの金属材料)で形成された弾性伝熱部材であってもよい。あるいは、伝熱要素60は、カバー部材52と極低温冷凍機20の間に挟み込まれるシート状の伝熱部材であってもよく、高熱伝導ゴムなど高熱伝導の樹脂材料またはその他の高熱伝導材料で形成されてもよい。
放熱を促進するために、カバー部材52の外面に放熱フィンが形成されてもよい。
図3は、他の実施の形態に係る極低温装置10の一例を模式的に示す図である。この実施の形態では、真空容器30は受入凹部50を有しないので、極低温冷凍機20の駆動部26が真空容器本体30aの上端面から飛び出ている。
駆動部26には、高圧の冷媒ガスを受け入れる高圧ポート62aと、低圧の冷媒ガスが送出される低圧ポート62bとが設けられている。高圧ポート62aには高圧冷媒ガス配管64aが接続され、低圧ポート62bには低圧冷媒ガス配管64bが接続される。この実施の形態では、高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、フレキシブル管であり、可撓性を有する。高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bはそれぞれ、圧縮機18の吐出口と吸入口に接続される。
高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、比較的長い(例えば10~20m)。上述のように、これは圧縮機18をコールドヘッドから遠方に配置するなど配置場所の自由度を高めることに役立つが、近接して配置する場合には余剰の配管が現場で邪魔になるかもしれない。しかし、冷媒ガス配管の容積は極低温冷凍機20の冷凍性能に影響するため、その長さだけを単純に現場で変更することは極低温冷凍機20の設計上必ずしも許容されない。また、冷媒ガス配管は極低温冷凍機20とともに高圧ガス容器を構成することから、冷媒ガス配管の途中で簡単に切断しがたい。
そこで、極低温冷凍機20に接続されたフレキシブル管、つまり高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bが、真空容器30に巻き取られている。図示されるように、高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、真空容器30の支持部30bの外周にその円筒形状を利用してリールのように巻き付けられている。これらフレキシブル管を収める凹みが支持部30bの外周に設けられていてもよい。このようにして、余分なフレキシブル管を収納することができる。
あるいは、高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、真空容器本体30aの側面に、または端面(例えば下端面)に巻き取られてもよい。これらフレキシブル管を収める凹み65が真空容器本体30aの表面に設けられていてもよい。
真空容器30に巻き取られたフレキシブル管を覆うように真空容器30に取り付けられたフレキシブル管カバー66が設けられてもよい。図3に示される例では、フレキシブル管カバー66は、真空容器30の支持部30bに巻き取られたフレキシブル管に沿ってその全周を覆うように支持部30bに取り付けられている。これにより、フレキシブル管カバー66による防音効果によって、高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bから発生する騒音を抑制し、極低温装置10の静粛性を向上することができる。
また、真空容器30に巻き取られたフレキシブル管を保持するために、保持部68が設けられてもよい。保持部68は、例えば、真空容器30の表面に取り付けられたフックであってもよい。あるいは、保持部68は、真空容器30の表面に取り付けられ、フレキシブル管を把持する可撓性の把持具であってもよい。保持部68は、真空容器30の表面にねじ留めされてフレキシブル管を固定する固定具であってもよい。保持部68は、様々な形態をとりうる。フレキシブル管は、その内部を通る冷媒ガスの圧力変動により僅かに膨張と収縮を繰り返すので、保持部68とフレキシブル管の間に緩衝材を挟んでもよい。
図4は、他の実施の形態に係る極低温装置10の他の一例を模式的に示す図である。図4に示されるように、極低温装置10は、複数台の極低温冷凍機20を備えてもよい。真空容器30は、円筒状の真空容器本体30aと、この真空容器本体30aを床面16に支持する支持部30bを備えてもよい。複数台の極低温冷凍機20は、円柱状の真空容器本体30aの上面で周方向に等間隔に設置されている。支持部30bは、複数本の支持脚であってもよい。この例では、4台の極低温冷凍機20が設けられている。また、4本の支持脚が設けられている。
極低温冷凍機20ごとにフレキシブル管(高圧冷媒ガス配管64a、低圧冷媒ガス配管64b)の巻き取りスペースが分けられてもよい。例えば、図4に示されるように、極低温冷凍機20ごとに異なる支持脚がフレキシブル管の巻き取りに使用されてもよい。このようにすれば、複数台の極低温冷凍機20のフレキシブル管を同じ巻き取りスペースに巻き取る場合に比べて、ある1台の極低温冷凍機20を真空容器30から取り外す際にその極低温冷凍機20のフレキシブル管だけを取り外すことが容易になる。
また、同じ極低温冷凍機20について高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bに別の巻き取りスペースが設けられてもよい。これは、図3に示される実施の形態に適用することもできる。
なお、図3および図4の実施の形態では、極低温冷凍機20の駆動部26が真空容器30から飛び出している(受入凹部50が真空容器30に設けられていない)が、図1および図2に示される実施の形態と同様に、駆動部26は、カバー部材52で覆われた真空容器30の受入凹部50に配置されてもよい。
図1および図2の実施の形態のように受入凹部50が真空容器30の一つの面に形成されることは、必須ではない。図5に例示するように、受入凹部50は、真空容器30の隣接する二面からなる角部に切り欠き部として形成されてもよい。
図5および図6は、更なる他の実施の形態に係る極低温装置10を模式的に示す図である。図5には極低温装置10の内部構造の一部を模式的に示し、図6には極低温装置10の外観の一部を模式的に示す。
この実施の形態では、受入凹部50が真空容器本体30aの上端面と側面がなす角部に形成される。L字状のカバー部材52が、この受入凹部50を覆うように真空容器本体30aに取り付けられている。受入凹部50には、極低温冷凍機20の駆動部26が配置される。図1および図2の実施の形態とは異なり、図5の実施の形態では、埋設管54を設けるのではなく、カバー部材52と真空容器30の表面との間に受入凹部50が形成される。
カバー部材52には、2つの配管取出部70と、配線取出部72が設けられてもよい。これら取出部は、カバー部材52に形成された貫通穴などの開口部であってもよい。高圧ポート62aと低圧ポート62bはそれぞれ、受入凹部50内において駆動部26からカバー部材52に向かって延びている。高圧ポート62aは、一方の配管取出部70を通じて受入凹部50の外へと取り出され、低圧ポート62bは、他方の配管取出部70を通じて受入凹部50の外へと取り出される。また、駆動部26に接続される電気配線が配線取出部72を通じて受入凹部50の外へと引き出される。図示の例では、配管取出部70と配線取出部72は、真空容器本体30aの側面と隣接するカバー部材52の面に設けられている。これに代えて、配管取出部70と配線取出部72が真空容器本体30aの上端面と隣接するカバー部材52の面に設けられてもよい。
なお、こうした配管取出部70と配線取出部72は、図1および図2に示されるカバー部材52に設けられてもよい。
高圧ポート62aと低圧ポート62bにはそれぞれ、高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bが接続される。高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、フレキシブル管カバー66で覆われていてもよい。説明の便宜上、図6では、高圧冷媒ガス配管64a、低圧冷媒ガス配管64b、フレキシブル管カバー66は省略されている。
高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、図3に示される実施の形態と同様に、真空容器30に巻き取られていてもよい。
図7は、更なる実施の形態に係る極低温装置10を模式的に示す斜視図である。図8は、図7に示される極低温装置10を模式的に示す上面図である。図9は、図7に示される極低温装置10を矢印Aの方向から見たときの側面展開図を模式的に示す。図8、図9では、理解を容易にするために、図7に示されるカバー部材52を真空容器30から取り外した状態が示される。また、図8、図9では、真空容器30の内部に配置された構成要素の一部が破線で示されている。
極低温装置10は、この実施の形態では超伝導磁石装置であり、複数の超伝導コイル74と、超伝導コイル74を冷却する極低温冷凍機のコールドヘッド76と、コールドヘッド76が設置され、超伝導コイル74を収容する真空容器30とを備える。単結晶引き上げ装置において坩堝内の融液の対流制御を目的として融液に磁場を印加するMCZ(Magnetic field applied Czochralski)法が知られており、極低温装置10は、こうした単結晶引き上げ装置の磁場発生源として利用されうる。単結晶引き上げ装置は、例えば、シリコン単結晶引き上げ装置であってもよい。
真空容器30は、中空筒型の形状を有し、その内部に複数の超伝導コイル74が配置される真空領域を定める。この真空領域は、真空容器30を取りまく周囲環境から隔離される。真空容器30は、例えばクライオスタットであってもよく、極低温装置10の動作中、真空容器30の内部空間には超伝導コイル74を超伝導状態とするのに適する極低温真空環境が提供される。真空容器30は、周囲圧力(たとえば大気圧)に耐えるように、例えばステンレス鋼などの金属材料またはその他の適する高強度材料で形成される。真空容器30には、内部に真空領域を定める真空容器本体30aを床面16に支持する支持部30bが設けられている。支持部30bは、複数本(例えば4本)の支持脚であってもよい。
真空容器30は、内側に中心空洞78を定める。中心空洞78の外側で中心空洞78を囲むようにして、超伝導コイル74が配置される。極低温装置10が単結晶引き上げ装置に搭載されたとき、中心空洞78には、単結晶材料の融液を収容する坩堝を含む単結晶引き上げ炉が配置される。中心空洞78は、真空容器30を取りまく周囲環境の一部であり(すなわち真空容器30の外にあり)、真空容器30に囲まれた例えば円柱状の空間である。
複数の超伝導コイル74は、2つの第1超伝導コイル74aと2つの第2超伝導コイル74bを備える。2つの第1超伝導コイル74aは周方向に隣接して配置され、2つの第2超伝導コイル74bは周方向に隣接して配置される。第2超伝導コイル74bは、真空容器30の周方向に第1超伝導コイル74aから離れて配置される。第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bとは、中心空洞78を挟んで互いに反対側に配置される。各超伝導コイル74は、同じ形状および同じサイズを有し、この例では、同径の円形コイルである。
これら超伝導コイル74は、各々がその中心軸を真空容器30の径方向(真空容器30の中心軸に垂直な方向)に向けるように配置され、径方向に磁場を発生させる。超伝導コイル74が発生させる合成磁場は、中心空洞78に水平方向(床面16に平行な方向)の磁場であってもよい。この場合、極低温装置10は、MCZ法の一例として知られるHMCZ(Horizontal-MCZ;横磁場型のMCZ)単結晶引き上げ装置の磁場発生源として利用できる。
この実施の形態では、極低温装置10は、4つの超伝導コイル74を有するが、これより少数の超伝導コイル74を有してもよい。例えば、極低温装置10は、1つの第1超伝導コイル74aと1つの第2超伝導コイル74bを備えてもよい。この場合、第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bは、中心空洞78を挟んで互いに反対側に配置される鞍型コイルであってもよい。あるいは、極低温装置10は、より多くの超伝導コイル74を有してもよく、3つ(またはそれより多数)の第1超伝導コイル74aと3つ(またはそれより多数)の第2超伝導コイル74bを備えてもよい。
超伝導コイル74は、真空容器30内に配置される支持構造によって真空容器30に支持される。支持構造は、例えば、第1支持部材80a、第2支持部材80b、および第3支持部材80cを備える。第1支持部材80aは、真空容器30の周方向に沿って真空容器30の全周にわたって延在するリング状の部材である。第2支持部材80bは、超伝導コイル74ごとに設けられたコイル位置決め用のプレートである。第2支持部材80bは、対応する超伝導コイル74の端面に固定され、第1支持部材80aの定められた場所に取り付けられる。第3支持部材80cは、第2支持部材80bを真空容器30に固定する。第3支持部材80cは、例えば、第2支持部材80bの下部を真空容器30の底面に固定する。
コールドヘッド76は、駆動部26と、複数の超伝導コイル74の少なくとも1つを冷却する冷却ステージ(例えば、図1に示される第2冷却ステージ22b)とを備え、駆動部26が真空容器30の外側にかつ冷却ステージが真空領域に配置されるように真空容器30に設置される。冷却ステージが超伝導コイル74と熱的に結合され、コールドヘッド76は超伝導コイル74を冷却することができる。コールドヘッド76は、上述の実施の形態と同様に、例えば、二段式のギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機の膨張機であってもよい。
この実施の形態では、真空容器30に2つのコールドヘッド76が設置され、一方のコールドヘッド76が第1超伝導コイル74aを冷却し、他方のコールドヘッド76が第2超伝導コイル74bを冷却する。このように、1つのコールドヘッド76が2以上の超伝導コイル74を冷却してもよい。あるいは、超伝導コイル74ごとにコールドヘッド76が設けられ、1つのコールドヘッド76が対応する1つの超伝導コイル74を冷却してもよい。
真空容器30は、受入凹部50を外側に有し、極低温装置10は、受入凹部50を覆うように真空容器30に取り付けられたカバー部材52を備える。コールドヘッド76は、駆動部26がカバー部材52で覆われた真空容器30の外側の受入凹部50内に配置され、低温部が真空容器30内に配置されるようにして、真空容器30に設置されている。コールドヘッド76は、駆動部26を上方に、低温部を下方に向けて、縦向きに真空容器30に設置されている。カバー部材52には、図5および図6を参照して述べた実施の形態と同様に、配管取出部及び/または配線取出部が設けられてもよい。
受入凹部50は、真空容器30の周方向に第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bとの間に位置する。よって、この実施の形態では、受入凹部50は二箇所に設けられ、これら受入凹部50は中心空洞78を挟んで互いに反対側に位置する。受入凹部50は、真空容器30の上部に形成されている。第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bとの間の空所の一部を受入凹部50として利用することにより、極低温装置10をコンパクトにすることができる。
このようにして、実施の形態に係る極低温装置10によると、コールドヘッド76の駆動部26が受入凹部50内に配置されている。そのため、真空容器30からのコールドヘッド76の飛び出し部を小さくし、または無くすことができる。こうして、飛び出し部を作業者の邪魔となりにくくすることができる。大型の極低温装置10では真空容器30の上面を作業者が歩行することがあるが、真空容器上面からの飛び出し部が小さいことにより、作業者がこれにつまずくリスクも小さくなり、安全性を高めることができる。
とくに、この実施の形態では、真空容器30は、カバー部材52が取り付けられた状態で全体として円筒形状を有する。カバー部材52が取り付けられた真空容器本体30aの上端面は、ほぼ平坦となり、カバー部材52の厚さ程度の僅かな段差を有しうるにすぎない。真空容器本体30aの上端面に飛び出し部が存在しないものとみなすことができ、作業者が歩行の際につまずくリスクを最小にすることができる。
コールドヘッド76の駆動部26だけでなく、受入凹部50には、典型的な極低温装置の真空容器表面から外側に突出しうる他の機器類が収められてもよい。例えば、受入凹部50には、超伝導コイル74への電流導入端子82aが配置されてもよい。また、受入凹部50には、真空容器の内部機器への配線や配管が接続されるポート82bが配置されてもよい。このようにしても、真空容器30からのコールドヘッド76の飛び出し部を小さくし、または無くすことができる。
また、受入凹部50には、磁気シールド83が設けられてもよい。磁気シールド83は、例えば鉄などの磁性材料で形成される。磁気シールド83は、コールドヘッド76の駆動部26の少なくとも一部を囲むように、受入凹部50内に配置されてもよい。図8に示されるように、例えば、磁気シールド83は、駆動部26に対して内周側と周方向両側を囲むように配置されてもよい。このようにすれば、超伝導コイル74が中心空洞78に発生させる強い磁場が駆動部26の動作に及ぼす磁気的な影響を効果的に低減することができる。磁気シールド83に加えて、または磁気シールド83に代えて、カバー部材52が、磁性材料で形成され、磁気シールド83の一部を形成してもよい。
なお、真空容器30の内部には、超伝導コイル74とコールドヘッド76の低温部を囲むようにして輻射シールド(例えば図1に示される輻射熱シールド40)が設けられてもよい。この輻射シールドは、真空容器30の形状に合わせて円筒状の形状を有し、受入凹部50に合わせた位置に凹みを有してもよい。このような輻射シールドの凹み部では、輻射シールドの高さが小さくなるので、輻射シールドの上下に生じうる温度差を小さくすることができる。
この実施の形態においても、図1を参照して述べた実施の形態と同様に、極低温装置10は、受入凹部50に配置され、コールドヘッド76の駆動部26をカバー部材52と熱的に結合する伝熱要素60を備えてもよい。
図10(a)から図10(c)は、コールドヘッド76の駆動部26の配置の他の例を模式的に示す図である。受入凹部50は、図7から図9を参照して述べた実施の形態と同様に、真空容器30の上部に形成され、真空容器30の周方向に第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bとの間に位置する(なお図10(a)から図10(c)では第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bの図示は省略される)。
図10(a)に示されるように、コールドヘッド76は、真空容器30に横向きに設置されてもよく、この場合にも、コールドヘッド76の駆動部26は、受入凹部50に配置されてもよい。また、図10(b)に示されるように、コールドヘッド76は、真空容器30に斜めの向きに設置されてもよい。このように、コールドヘッド76が横向きまたは斜めに真空容器30に設置される場合、コールドヘッド76が縦向きの場合に比べて、コールドヘッド76の冷却ステージを超伝導コイル74(図示省略)の近くに配置し、伝熱経路を短くして効率的な冷却が可能となりうる。
図10(c)に示されるように、複数(例えば2つ)のコールドヘッド76が1つの受入凹部50に設置されてもよい。2つのコールドヘッド76はそれぞれ、受入凹部50において周方向の端部に配置されてもよい。この構成は、図7から図9を参照して述べた実施の形態(2つの受入凹部50それぞれにコールドヘッド76を配置する)の代替例として用いられてもよい。
図11(a)から図11(c)は、別の受入凹部51を模式的に示す図である。受入凹部51は、真空容器30の下部に形成されてもよい。下部の受入凹部51も、真空容器30の周方向に第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bとの間に位置する(なお図11(a)から図11(c)では第1超伝導コイル74aと第2超伝導コイル74bの図示は省略される)。
図11(a)に示されるように、上部の受入凹部50にコールドヘッド76が設置され、下部の受入凹部51に電流導入端子82aとポート82bが配置されてもよい。あるいは、逆に、上部の受入凹部50に電流導入端子82aとポート82bが設置され、下部の受入凹部51にコールドヘッド76が配置されてもよい。
図11(b)に示されるように、下部の受入凹部51には、コールドヘッド76に作動ガスを供給する圧縮機18が配置されてもよい。圧縮機18は床面16に設置され、圧縮機18の上部が受入凹部51内に収められてもよい。圧縮機18は、コールドヘッド76とともに極低温冷凍機を構成する。高圧冷媒ガス配管64aが圧縮機18の吐出口を駆動部26の高圧ポート62aに接続し、低圧冷媒ガス配管64bが圧縮機18の吸入口を駆動部26の低圧ポート62bに接続する。高圧冷媒ガス配管64aと低圧冷媒ガス配管64bは、フレキシブル管であり、可撓性を有する。
また、図11(c)に示されるように、コールドヘッド76と圧縮機18がともに、下部の受入凹部51に配置されてもよい。コールドヘッド76と圧縮機18を接続するフレキシブル管(例えば、高圧冷媒ガス配管64a、低圧冷媒ガス配管64b)も、受入凹部51内に収められてもよい。フレキシブル管は、例えば受入凹部51内で、真空容器に巻き取られていてもよい。なお、真空容器30の下部に受入凹部51が設けられる場合、真空容器30の上部の受入凹部50は省略することもできる。
図12は、更なる実施の形態に係る極低温装置10の他の例を模式的に示す斜視図である。真空容器30の上面の内周側には、落下防止壁84が設けられてもよい。落下防止壁84は、真空容器30の中心空洞78を全周にわたり囲むように設けられている。上述のように、真空容器30の上面を作業者が歩行したり、作業したりすることがある。落下防止壁84は、作業者が作業工具を中心空洞78(または中心空洞78に配置される単結晶引き上げ炉と中心空洞78との隙間)に落としたり、作業者が中心空洞78に落下することを防ぐことに役立つ。なお、落下防止壁84は、真空容器30の上面の内周側に加えて、またはこれに代えて、真空容器30の上面の外周側に設けられてもよい。
また、作業者が真空容器30の上面を歩行するときの安全性を高めるために、真空容器30の上面(及び/またはカバー部材52)には、例えば、縞鋼板を装着する、ゴムマット塗装を施す等、滑り止め部が設けられてもよい。こうした滑り止め部は、真空容器30の上面全体に設けられてもよいし、真空容器30の上面の外周縁(または内周縁)のみに設けられてもよい。作業者に注意を喚起するために、滑り止め部は、他の部位とは異なる色で塗装されてもよい。また、滑り止め部は、真空容器30の上面に設けられる細かい凹凸(例えば、ボルト頭やザグリ穴)を覆うように設けられてもよい。これは、これら凹凸に塵等が溜まるのを防ぐことに役立つ。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
真空容器30は、真空容器本体30aの少なくとも一部を囲む磁気シールドを備えてもよい。受入凹部50は、この磁気シールドに形成され、カバー部材52は、磁気シールドに取り付けられてもよい。
極低温冷凍機20の駆動部26を囲む磁気シールドが形成されてもよい。カバー部材52は、磁性材料で形成され、磁気シールドの一部を形成してもよい。受入凹部50を定める他の部材(例えば、埋設管54、または真空容器30の壁面)が磁性材料で形成され、磁気シールドの一部を形成してもよい。
防音性を高めるために、吸音材が、受入凹部50内、例えばカバー部材52の内側に設けられてもよい。同様に、フレキシブル管カバー66の内側に吸音材が設けられてもよい。
あるいは、カバー部材52は、受入凹部50を塞ぐ板に代えて、受入凹部50を完全には塞がない例えば金網などの部材であってもよい。この場合、カバー部材52の防音効果は下がるが、冷媒ガス配管や電気配線の取り出しは容易になる。
真空容器30の受入凹部50への極低温冷凍機20の取り付け(つまり挿し込み)、および、受入凹部50からの極低温冷凍機20の取り外し(つまり引き抜き)を容易にするために、極低温冷凍機20の駆動部26に取っ手が設けられていてもよい。
上述の実施の形態では、極低温冷凍機20が真空容器30に縦向きに設置されているが、極低温冷凍機20は、他の向きで真空容器30に設置されてもよい。例えば、極低温冷凍機20は、真空容器30に横向きに設置されてもよく、この場合、受入凹部50は、真空容器30の側面に設けられてもよい。あるいは、図5の実施の形態のように、受入凹部50が真空容器30の角部に設けられてもよい。
上述の実施の形態では、極低温冷凍機20の駆動部26の全高が受入凹部50に収まるように受入凹部50の深さが定められている。これに代えて、受入凹部50はより浅くてもよく、駆動部26の高さの一部(例えば半分)が受入凹部50に収まるように受入凹部50の深さが定められてもよい。つまり、カバー部材52は、真空容器30に取り付けられた状態で、カバー部材52の周囲の真空容器30の壁面からいくらか飛び出ていてもよい。この場合でも、駆動部26の全体が真空容器30から飛び出ている既存設計に比べて、飛び出し部を小さくする(低くする)ことができる。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
10 極低温装置、 20 極低温冷凍機、 22a 第1冷却ステージ、 22b 第2冷却ステージ、 26 駆動部、 30 真空容器、 50 受入凹部、 52 カバー部材、 54 埋設管、 60 伝熱要素、 64a 高圧冷媒ガス配管、 64b 低圧冷媒ガス配管、 66 フレキシブル管カバー。

Claims (12)

  1. 複数の超伝導コイルと、
    前記複数の超伝導コイルが配置される真空領域を内部に定める中空筒型の真空容器と、
    駆動部と、前記複数の超伝導コイルの少なくとも1つを冷却する冷却ステージとを備え、前記駆動部が前記真空容器の外側にかつ前記冷却ステージが前記真空領域に配置されるように前記真空容器に設置されるコールドヘッドと、を備え、
    前記複数の超伝導コイルは、第1超伝導コイルと、前記真空容器の周方向に前記第1超伝導コイルから離れて配置される第2超伝導コイルとを備え、
    前記真空容器は、前記駆動部が配置される受入凹部を、前記周方向に前記第1超伝導コイルと前記第2超伝導コイルとの間に備えることを特徴とする極低温装置。
  2. 前記受入凹部は、前記真空容器の上部または下部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の極低温装置。
  3. 前記真空容器は、前記コールドヘッドに作動ガスを供給する圧縮機が配置される別の受入凹部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の極低温装置。
  4. 前記受入凹部を覆うように前記真空容器に取り付けられたカバー部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の極低温装置。
  5. 前記受入凹部に配置され、前記駆動部を前記カバー部材と熱的に結合する伝熱要素をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の極低温装置。
  6. 前記コールドヘッドに接続され、前記真空容器に巻き取られたフレキシブル管をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の極低温装置。
  7. 極低温冷凍機と、
    受入凹部を外側に有する真空容器と、
    前記受入凹部を覆うように前記真空容器に取り付けられたカバー部材と、を備え、
    前記極低温冷凍機は、その一部分が前記真空容器内に配置され、他の一部分が前記カバー部材で覆われた前記真空容器の前記受入凹部内に配置されるようにして、前記真空容器に設置されていることを特徴とする極低温装置。
  8. 前記真空容器は、前記カバー部材が取り付けられた状態で全体として円筒形状を有することを特徴とする請求項7に記載の極低温装置。
  9. 前記受入凹部に配置され、前記極低温冷凍機の前記他の一部分を前記カバー部材と熱的に結合する伝熱要素をさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の極低温装置。
  10. 前記極低温冷凍機に接続され、前記真空容器に巻き取られたフレキシブル管をさらに備えることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の極低温装置。
  11. 前記真空容器に巻き取られた前記フレキシブル管を覆うように前記真空容器に取り付けられたフレキシブル管カバーをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の極低温装置。
  12. 極低温冷凍機と、真空容器と、を備え、
    前記極低温冷凍機は、その一部分が前記真空容器内に配置され、他の一部分が前記真空容器の外側に配置されるようにして、前記真空容器に設置され、
    前記極低温冷凍機に接続され、前記真空容器に巻き取られたフレキシブル管をさらに備えることを特徴とする極低温装置。
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WO2024089996A1 (ja) * 2022-10-27 2024-05-02 住友重機械工業株式会社 極低温装置

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