JP2014237922A - 壁構造および増設壁の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐力壁として機能しつつ、低コストでひび割れを低減できる壁構造を提供すること。
【解決手段】壁構造1は、モルタルからなる層51〜57が複数積層され、壁厚方向の一部の層である第3中塗り層56には、非金属系繊維が混入されている。各層51〜57は、構築された後、層51〜57の表面が指触乾燥状態となるまでシート、板、あるいは蓋で覆われて湿潤養生されている。本発明によれば、この非金属系繊維を混入した第3中塗り層56では、ひび割れが発生しても、非金属系繊維がひび割れ面同士を繋ぎ止めて、ひび割れが増大するのを防止するから、ひび割れを低減できる。また、従来のようなひび割れ誘発目地を設ける必要がなくなるので、ひび割れ誘発目地による壁の断面欠損が生じないから、増設壁は耐力壁として機能する。
【選択図】図5

Description

本発明は、壁構造および増設壁の構築方法に関する。
従来より、既存建物の耐震補強を行うため、既存の壁の表面に沿って、新たに壁(以下、増設壁と呼ぶ)を増設する場合がある。この増設壁は、例えば、振動、騒音、粉塵の発生を抑制するため、既存の壁に補強壁鉄筋を配筋し、この補強壁鉄筋を内包するようにポリマーセメントモルタル(以下、PCMと呼ぶ)を塗り付けて構築される。
このPCMは、既設コンクリートに対する付着性がよく、また、普通コンクリートに比べて収縮ひずみが小さいので、補修材として用いられることが多い材料である。
しかしながら、増設壁にPCMを用いると、このPCMが乾燥収縮するため、増設壁にひび割れが発生する場合があった。
そこで、短繊維を混入したPCMからなるグラウト材を用いることで、ひび割れの発生をより確実に防止する方法が提案されている(特許文献1参照)この提案では、ポンプ圧送による注入工法により、壁厚方向に一層にて増設壁を設けている。
また、壁厚方向の一部のみに、短繊維を混入したPCMを塗布してPCM層を設け、このPCM層の上に高弾性特殊モルタル層を設けて、コンクリート構造体の劣化を抑制する補強方法が提案されている(特許文献2参照)。高弾性特殊モルタル層を設ける理由は、以下の通りである。この提案では、PCM層を壁厚方向にコテ塗りまたは吹付により複数積層させるため、各層の厚さが薄くなり、ひびわれが発生しやすくなる。高弾性特殊モルタル層は、PCMよりもひびわれ追従性に優れているため、高弾性特殊モルタル層を設けることで、ひび割れの発生を抑えるためである。
また、増設壁にひび割れ誘発目地を設けて、このひび割れ誘発目地にひび割れを集中させることで、全体としてひび割れの発生を低減する方法が提案されている(特許文献3、4参照)。
特開平5−345652号公報 特開2013−57203号 特開平6−248731号 特開2012−202039号
しかしながら、特許文献1の方法では、壁厚方向に注入工法にて一層の増設壁を設けるので、短繊維を混入したグラウト材として、流動性やブリージング率など施工性に優れたものを用いる必要があるうえに、ポンプ圧送など施工方法が大掛かりであった。
また、特許文献2の方法では、PCM層の上に異種材料である高弾性特殊モルタルを塗布するので、コストが高くなる、という問題があった。
また、特許文献3、4の方法では、増設壁に誘発目地を設けるので、増設壁全体の耐力壁としての機能が低下する、という問題があった。
本発明は、耐力壁として機能しつつ、低コストでひび割れを低減できる壁構造および増設壁の構築方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の壁構造(例えば、後述の壁構造1)は、コンクリートまたはモルタルからなる層(例えば、後述の第1壁部10,第2壁部20、層51〜57)が複数積層され、壁厚方向の一部の層(例えば、後述の第2壁部20、第3中塗り層56)には、非金属系繊維が混入されており、各層は、構築された後、当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生されていることを特徴とする。
請求項2に記載の壁構造は、既存壁(例えば、後述の既存壁41)と、当該既存壁に増打ちされた増設壁(例えば、後述の増設壁50)と、を備え、当該増設壁は、コテを用いた塗付けまたは吹付け装置を用いた吹付けにより形成された、コンクリートまたはモルタルからなる層が複数積層され、壁厚方向の一部の層には、非金属系繊維が混入されており、各層は、構築された後、当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生されていることを特徴とする。
請求項3に記載の壁構造は、前記一部の層は、前記増設壁の表面側から2番目の層であり、前記増設壁の壁厚方向中央付近の層(例えば、後述の第2中塗り層54)には、格子状に配筋された鉄筋(例えば、後述の壁鉄筋60)が内包されていることを特徴とする。
請求項4に記載の増設壁の構築方法は、既存壁に増設壁を増打ちする増設壁の構築方法であって、前記既存壁の表面に下地処理を行う工程(例えば、後述のステップS1)と、当該下地処理した既存壁の表面にコンクリートまたはモルタルを塗り付けて層を形成し、その後、当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生することを繰り返す工程(例えば、後述のステップS2〜S7)と、を順番に行い、前記コンクリートまたはモルタルを塗り付ける工程では、壁厚方向の一部の層に非金属系繊維を混入することを特徴とする。
ここで、モルタルには、ポリマーを配合したポリマーセメントモルタル(PCM)が含まれる。また、非金属系繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、合成繊維(ナイロン系繊維樹脂、ビニロン系繊維樹脂、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維)が挙げられる。
また、指触乾燥状態とは、指で表面を触っても、塗り付けた材料が指に付着しない状態を意味する。
本発明によれば、モルタルあるいはコンクリートを塗り付けた層を積層することで、増設壁を構築する。このとき、一部の層に非金属系繊維を混入する。
よって、この非金属系繊維を混入した層では、ひび割れが発生しても、非金属系繊維がひび割れ面同士を繋ぎ止めて、ひび割れが増大するのを防止するから、ひび割れを低減できる。
また、従来のようなひび割れ誘発目地を設ける必要がなくなるので、ひび割れ誘発目地による壁の断面欠損が生じないから、増設壁は耐力壁として機能する。
本発明では、コンクリートまたはモルタルを複数積層させて増設壁を構築するために、各層は薄い壁厚方向に対して広い壁面に備えている特徴がある。
各層内では、このような幾何学的な形状の影響により、乾燥収縮や地震時に発生するひびわれは、薄い壁厚方向には発生せず、壁表面に発生する。
したがって、本発明では、一部の層のみに非金属繊維を混入することで、壁面に生じるひびわれに抵抗できる。
また、複数の層のうち一部の層のみに非金属系繊維を混入したので、従来のように増設壁の全体に非金属系繊維を混入した場合に比べて、低コストとなる。
また、モルタルあるいはコンクリートを塗り付けた層を積層して増設壁を構築するので、コンクリート打設のような大掛かりな施工設備が不要となり、コテを用いた塗付け、あるいは、吹付装置を用いた吹付けなどの左官工事のみで増設壁を構築できる。よって、施工手間がかからず、低コストとなる。
また、各層を構築した後、層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生することで、各層のひび割れの発生を防止する。よって、従来のように異種の高弾性特殊モルタルを用いる必要がなく、低コストとなる。
また、増設壁の表面側から2番目の層に非金属系繊維を混入した場合、以下のような効果がある。すなわち、増設壁のひび割れは、内部側よりも表面側の方が発生しやすいため、なるべく表面側の層に非金属系繊維を混入するのが好ましい。しかしながら、増設壁の表面の層に非金属系繊維を混入すると、非金属系繊維が増設壁の表面に露出し、表面(仕上面)を均一に仕上げることが困難となる。そこで、増設壁の表面側から2番目の層に非金属系繊維を混入することで、仕上面を均一に仕上げつつ、ひび割れの発生を効果的に抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る壁構造の斜視図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る壁構造の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る壁構造の斜視図である。 前記実施形態に係る壁構造の横断面図である。 前記実施形態に係る増設壁の拡大横断面図である。 前記実施形態に係る増設壁に用いられる定着金物の斜視図である。 前記実施形態に係る増設壁の構築方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る壁構造1の斜視図である。
壁構造1は、プレキャスト部材であり、コンクリートまたはモルタルからなる第1壁部10と、この第1壁部10の上に積層されて非金属系繊維(ビニロン短繊維樹脂、繊維長さ6mm程度)を混入したコンクリートまたはモルタルからなる第2壁部20と、を備える。
この壁構造1は、以下の手順で構築される。
すなわち、まず、プレキャストコンクリート製造工場にて、矩形状にプレキャスト用型枠30を建て込む。次に、このプレキャスト用型枠30の内部に、コンクリートまたはモルタルを打設して第1壁部10を構築し、その後、この第1壁部10の上面に、第2壁部20を構築する。この第2壁部20は、非金属系繊維(ビニロン短繊維樹脂、繊維長さ6mm程度)を混入したコンクリートまたはモルタルを、第1壁部10と同様に打設する、あるいは、コテ塗りすることで構築する。さらに、第2壁部20を、構築した直後からシート、板、あるいは蓋で覆って湿潤養生を行う。この湿潤養生の方法や、非金属系繊維の種別、混入量等は、第2実施形態と同様とし、ここでは説明を省略する。
図2は、本発明の第1実施形態の変形例に係る壁構造1Aの斜視図である。
第1実施形態では、壁構造1をプレキャスト部材として構築したが、これに限らず、壁構造1Aを現場で構築してもよい。この場合、壁構造1Aは、以下の手順で構築される。
まず、構造物の建設現場にて、鉄筋コンクリート造の一対の新設柱31を構築する。次に、これら一対の新設柱31の間に、一対の壁型枠32を建て込む。次に、これら一対の壁型枠32の間に、コンクリートまたはモルタルを打設して第1壁部10を構築する。その後、壁型枠32を解体する。そして、第1壁部10の表面上に、非金属系繊維(ビニロン短繊維樹脂、繊維長さ6mm程度)を混入したコンクリートまたはモルタルをコテ塗りまたは吹付けを行うことにより、第2壁部20を構築する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)非金属系繊維を混入したコンクリートまたはモルタルにより第2壁部20を構築したので、壁構造1、1Aにひび割れが発生しても、第2壁部20に混入された非金属系繊維がひび割れの増大を防止するから、ひび割れを低減できる。
また、従来のようなひび割れ誘発目地を設けないために、ひび割れ誘発目地による壁の断面欠損が生じないから、壁構造1は耐力壁として機能する。
また、第2壁部20のみに非金属系繊維を混入したので、従来のように増設壁の全体に非金属系繊維を混入した場合に比べて、低コストとなる。
また、第2壁部20を、構築した直後から第2壁部20の表面が指触乾燥状態となるまで、シート、板、あるいは蓋で覆って湿潤養生することで、各層のひび割れの発生を防止する。よって、従来のように異種の高弾性特殊モルタルを用いる必要がなく、低コストとなる。
〔第2実施形態〕
図3は、本発明の第2実施形態に係る壁構造1Bの斜視図である。図4は、壁構造1Bの横断面図である。
壁構造1Bは、鉄筋コンクリート造の既存建物40に設けられており、既存壁41と、この既存壁41に増打ちされた増設壁50と、を備える。
既存壁41は、既存建物40の既存柱42のほか、図示しない既存床梁および既存天井梁で囲まれている。
増設壁50は、既存壁41の表面の全面に亘って設けられている。
図5は、増設壁50の拡大横断面図である。
増設壁50は、既存壁41の表面に設けられてPCMからなる1層の下塗り層51と、この下塗り層の上に設けられてPCMからなる2層の第1中塗り層52、53と、これら第1中塗り層52、53の上に設けられてPCMからなる2層の第2中塗り層54、55と、これら第2中塗り層54、55の上に設けられて非金属系繊維を混入したPCMからなる1層の第3中塗り層56と、この第3中塗り層56の上に設けられてPCMからなる1層の上塗り層57と、を備える。
各層51〜57は、それぞれ、10mm程度の厚みであり、これにより、増設壁50の厚みは、70mm程度となっている。
また、各層51〜57に用いられるPCMには、高分子混和剤を混入させた無機質主材の微小紛体と、複合高分子エマルジョンと、が配合されている。
また、第2中塗り層54には、格子状に配筋された壁鉄筋60が内包されている。この壁鉄筋60は、鉛直方向に延びる複数本の縦筋61と、水平方向に延びる複数本の横筋62と、を備える。縦筋61および横筋62は、それぞれ、所定間隔おきに互いに略平行に設けられる。
また、上塗り層57のPCMには、非金属系繊維が混入されていない。これは、非金属系繊維が上塗り層57の表面に現れると、表面(仕上面)を均一に仕上げることが困難となるためである。
また、既存柱42、既存床梁、および既存天井梁の増設壁50に接するコンクリート躯体面5には、定着金物70が所定間隔おきに取り付けられている。
図6は、定着金物70の斜視図である。
この定着金物70は、コンクリート躯体面43に接着される平板状の基部71と、この基部71に略垂直に設けられた棒状の定着部72と、を備える。
壁鉄筋60の縦筋61および横筋62の端部は、この定着金物70の定着部72に重ね継手により接合されている。
次に、上述の増設壁50の構築方法を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、既存壁41の表面に下地処理を行う。具体的には、不純物やレイタンス等の汚れがないかを確認し、汚れがある場合には、この汚れをワイヤーブラシ等で除去した後に水洗いしたり、ブロアー、ハケ、掃除機などで除去したりする。
ステップS2では、下地処理した既存壁41の表面にPCMを塗り付けて、下塗り層51を形成する。
ステップS3では、下塗り層51の上にPCMを2回塗り付けて、第1中塗り層52、53を形成する。
ステップS4では、第1中塗り層53の上に定着金物70を接着材で貼り付けて、壁鉄筋60を配筋する。
ステップS5では、第1中塗り層53の上に、壁鉄筋60の上からPCMを2回塗り付け、第2中塗り層54、55を形成する。
ステップS6では、第2中塗り層55の上に非金属系繊維を混入したPCMを1回塗り付けて、第3中塗り層56を形成する。
ステップS7では、第3中塗り層56の上にPCMを1回塗り付けて、上塗り層57を形成する。
以上のステップS2、S3、S5〜S7のPCMを塗り付ける作業では、コテを用いて人手でPCMを塗り付けてもよいし、吹付装置を用いてPCMを吹き付けてもよい。
また、S2、S3、S5〜S7のPCMを塗り付ける作業では、PCMを塗り付けた直後から当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、シート、板、あるいは蓋で覆って湿潤養生する。
[実施例]
定着金物:ヘッドバー(VSLジャパン株式会社製)、基部:PL−9×70×140(SS400)、定着部:D13(SD295A)、L=500
定着金物の接着材:エポキシ樹脂系モルタル(ショーボンド#101)ショーボンド化学株式会社製
PCM:多機能特殊ポリマーセメントモルタル(マグネライン)、前田工繊株式会社製
マグネラインタイプI:マグネエマルジョンとマグネコンパウンド(6号)とを、1:3.5±0.5の重量比で調合したもの
マグネラインタイプII:マグネエマルジョンとマグネコンパウンド(3号)とを、1:7.0±1.0の重量比で調合したもの
下塗り:マグネラインタイプIをローラーまたは吹付けで1mm程度塗布する。これにより、既存コンクリートの給水調整やプライマー処理を行う。
中塗り:マグネラインタイプIをローラーまたは吹付けで0.5mm〜1mm塗布する。次に、マグネラインタイプIIをコテで10.0mm〜10.5mm塗り付ける。マグネラインタイプIを塗布することにより、既存コンクリートや硬化したマグネラインタイプIIの表面と、塗り付けするマグネラインタイプIIとの付着性を確保する。
上塗り:マグネラインタイプIをローラーで1mm程度塗布した後、コテで均す。
非金属系繊維:ビニロン短繊維樹脂(φ27μm×6mm)
非金属系繊維を混入した中塗り:マグネラインタイプIIにビニロン短繊維樹脂を混入する。1m当たりの配合割合は、マグネコンパウンド1742kg、マグネエマルジョン258kg、ビニロン短繊維樹脂1.74kgとする。調合は、容器にマグネエマルジョンを入れた後に、ビニロン短繊維樹脂を入れて攪拌する。十分混合されたところで、マグネコンパウンド(3号)を入れて攪拌する。
また、増設壁の下塗り、中塗り、上塗り作業は、外気温が5℃以上で実施することを原則とし、下地(躯体)温度も同様とする。
また、各塗込み工程間では、保温・湿潤養生を実施する。保温養生とは、外気温が5℃未満の場合に、施工壁面より50cm程度の空間を確保して、ブルーシートまたは防炎シートで施工壁面を覆い、シート内部では10℃程度の温度を保つものとする。
湿潤養生では、各モルタル層を塗込み後、モルタルのひび割れを防止するために、モルタル層の表面に散水したり噴霧器で水を噴霧したりすることで、モルタル層の表面に湿度を与えた後、シートで施工壁面を覆い、シート内部の湿度を60%以上とする。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(2)モルタルを塗り付けた層51〜57を積層することで、増設壁50を構築する。このとき、第3中塗り層56に非金属系繊維を混入する。
よって、この非金属系繊維を混入した第3中塗り層56では、ひび割れが発生しても、非金属系繊維がひび割れ面同士を繋ぎ止めて、ひび割れが増大するのを防止するから、ひび割れを低減できる。
また、従来のようなひび割れ誘発目地を設けないために、ひび割れ誘発目地による壁の断面欠損が生じないから、増設壁50は耐力壁として機能する。
また、第3中塗り層56のみに非金属系繊維を混入したので、従来のように全ての層に非金属系繊維を混入した場合に比べて、低コストとなる。
また、モルタルを塗り付けた層51〜57を積層して増設壁50を構築するので、コンクリート打設のような大掛かりな施工設備が不要となり、コテを用いたモルタル塗付け、あるいは、吹付装置を用いたモルタル吹付けなどの左官工事のみで増設壁50を構築できる。よって、施工手間がかからず、低コストとなる。
また、層51〜57を構築した直後からこれら層51〜57の表面が指触乾燥状態となるまで、シート、板、あるいは蓋で覆って湿潤養生することで、層51〜57のひび割れの発生を防止する。よって、従来のように異種の高弾性特殊モルタルを用いる必要がなく、低コストとなる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、非金属系繊維が混入されたPCM層を、増設壁50の壁厚方向の内部(第3中塗り層56)に設けたが、これに限らず、表層にも設けてもよい。このように、非金属系繊維を壁厚方向の全てのPCM層に亘って混入させなくても、表層あるいは壁厚内の一部の層に、非金属系繊維を混入させるだけで、乾燥収縮に起因する増設壁のひびわれを低減する効果がある。
1、1A、1B…壁構造
10…第1壁部
20…第2壁部
30…プレキャスト用型枠
31…新設柱
32…壁型枠
40…既存建物
41…既存壁
42…既存柱
43…コンクリート躯体面
50…増設壁
51…下塗り層
52…第1中塗り層
53…第1中塗り層
54…第2中塗り層
55…第2中塗り層
56…第3中塗り層
57…上塗り層
60…壁鉄筋
61…縦筋
62…横筋
70…定着金物
71…基部
72…定着部

Claims (4)

  1. コンクリートまたはモルタルからなる層が複数積層され、
    壁厚方向の一部の層には、非金属系繊維が混入されており、
    各層は、構築された後、当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生されていることを特徴とする壁構造。
  2. 既存壁と、当該既存壁に増打ちされた増設壁と、を備え、
    当該増設壁は、コテを用いた塗付けまたは吹付け装置を用いた吹付けにより形成された、コンクリートまたはモルタルからなる層が複数積層され、
    壁厚方向の一部の層には、非金属系繊維が混入されており、
    各層は、構築された後、当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生されていることを特徴とする壁構造。
  3. 前記一部の層は、前記増設壁の表面側から2番目の層であり、
    前記増設壁の壁厚方向中央付近の層には、格子状に配筋された鉄筋が内包されていることを特徴とする請求項2に記載の壁構造。
  4. 既存壁に増設壁を増打ちする増設壁の構築方法であって、
    前記既存壁の表面に下地処理を行う工程と、
    当該下地処理した既存壁の表面にコンクリートまたはモルタルを塗り付けて層を形成し、その後、当該層の表面が指触乾燥状態となるまで、乾燥を抑制するように養生することを繰り返す工程と、を順番に行い、
    前記コンクリートまたはモルタルを塗り付ける工程では、壁厚方向の一部の層に非金属系繊維を混入することを特徴とする増設壁の構築方法。
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