JP2014237595A - 乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、モノアルキルグリセリルエーテル又はモノアルケニルグリセリルエーテル、(2)高級脂肪酸、(3)レシチン及び/又はセラミド、及び(4)多価アルコールを含有することを特徴とする、乳化組成物。水中油型乳化組成物であって、油相が乳化組成物全体の1〜40質量%含有する。更に(5)各脂肪酸の炭素数が8〜22の極性トリグリセリドを含有する。
【選択図】なし
Description
かかる状況に鑑み、安定性が高く、かつ肌への適用にも適する使用感に優れた乳化組成物を得ることを本発明の課題とする。
[1](1)炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、グリセリルエーテル又はモノアルケニルグリセリルエーテル、(2)高級脂肪酸、(3)レシチン及び/又はセラミド、及び(4)多価アルコールを含有することを特徴とする、乳化組成物。
[2]前記(1)成分、(2)成分及び(3)成分が、水相中でαゲル構造を形成することを特徴とする、[1]に記載の乳化組成物。
[3]水中油型乳化組成物であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の乳化組成物。
[4]油相が乳化組成物全体の1〜40質量%含有されることを特徴とする、[1]〜[3]の何れかに記載の乳化組成物。
[5]さらに、(5)各脂肪酸の炭素数が8〜22の極性トリグリセリドを含有することを特徴とする、[1]〜[4]の何れかに記載の乳化組成物。
[6]皮膚外用剤である、[1]〜[5]の何れかに記載の乳化組成物。
上記(1)〜(4)成分を含有することにより、本発明の乳化組成物は安定性に優れたものとなる。特に、増粘剤等の安定助剤を含有しなくても安定性を保つことができるため、pHや塩等の制限なく他の成分を含有させることができ、処方の自由度を高くすることができる。また、本発明の乳化組成物は乳化滴を細かく調製することができるため、べたつかずさっぱりとした感触となり、また引っかかりやきしみを感じることなくのばすことができ、優れた使用感を得ることができる。
アルキル基又はアルケニル基の炭素数が7以下のモノアルキルグリセリルエーテル又はモノアルケニルグリセリルエーテルの多くは低温(100℃以下)で揮発性を示し、また低粘度の液状となるため、乳化剤組成物の調製が困難になり、均一な混合物が得られなくなる。また、皮膚への刺激性があるため、本発明の組成物を皮膚外用剤へ適用するのに好ましくない。さらに、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が7以下のモノアルキルグリセリルエーテル又はモノアルケニルグリセリルエーテルでは、後述するαゲル構造を形成することができない。
飽和の脂肪酸を指し、例えば、オクタン酸、イソオクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸等が好ましく挙げられる。これらのうち、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が特に好ましい。
本発明における(3)セラミドとしては、セラミドタイプ1、セラミドタイプ2、セラミドタイプ3、セラミドタイプ4、セラミドタイプ5、セラミドタイプ6、セラミドタイプ7等のセラミド類を挙げることができる。
本発明における(5)各脂肪酸の炭素数が8〜22の極性トリグリセリドとしては、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸・ミリスチン酸・ステアリン酸)グリセリル等が好ましく挙げられる。
また、本発明において(1)成分と(2)成分の合計と(3)成分の質量比は、[(1)成分+(B)成分]:(3)成分=99.5:0.5〜40.0:60.0が好ましく、より好ましくは99.0:1.0〜40.0:60.0、さらに好ましくは98.0:2.0〜50.0:50.0である。質量比をこの範囲とすることにより、乳化組成物が均一かつ安定なものとなる。
また、本発明において(1)成分と(2)成分と(3)成分の合計と(4)成分の質量比は、[(1)成分+(B)成分+(3)成分]:(4)成分=1.0:99.0〜50.0:50.0が好ましく、より好ましくは2.0:98.0〜40.0:60.0、さらに好ましくは5.0:95.0〜30.0:70.0である。質量比をこの範囲とすることにより、乳化組成物が均一かつ安定なものとなる。
また、本発明において(5)成分は、乳化組成物全体の0.001〜40.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜40.0質量%、さらに好ましくは0.01〜30.0質量%である。
類等が挙げられる。
本発明の乳化組成物において、油相の含有量は、乳化組成物全体の1.0〜40.0質量%であることが好ましく、より好ましくは3.0〜30.0質量%、さらに好ましくは5.0〜30.0質量%である。油相の含有量がこの範囲であることにより、乳化組成物が均一かつ安定なものとなる。また、皮膚外用剤とした場合にべたつかずさっぱりとした感触が得られやすくなる。
界面活性剤としては、HLB8以下の親油性界面活性剤が特に好ましい。具体的には、ショ糖ジステアリン酸エステル等のショ糖エステル、モノステアリン酸グリセリンエステル、モノカプリン酸グリセリンエステル等の脂肪酸グリセリンエステル、モノステアリン酸ジグリセリンエステル、モノオレイン酸テトラグリセリンエステル、トリイソステアリン酸デカグリセリンエステル、ペンタステアリン酸デカグリセリンエステル等の脂肪酸ポリグリセリンエステル、モノステアリン酸ソルビタンエステル等の脂肪酸ソルビタンエステル、モノステアリン酸ジエチレングリコールエステル等の脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレンヒマシ油及び硬化ヒマシ油等が挙げられる。
高級アルコールとしては、イソオクタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、コレステロール等が挙げられる。
活性成分としては、具体的には、美白成分である、アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のビタミンC誘導体、アルブチン、コウジ酸等、又、抗酸化成分であるビタミンE及びその誘導体又はカテキン等のポリフェノール類、カロチノイド等、又、抗炎症成分である、ε−アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、ビタミンA、ビタミンD、ニコチン酸アミド類、パントテン酸カルシウム、アラントイン、γ−オリザノール等、又、皮膚栄養剤であるビタミンE、γ−リノレン酸等が好適に使用できる。また、セラミド類、スフィンゴ脂質類も好適に使用できる。
保湿成分としては、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸等の多糖類、ピロリドンカルボン酸等のアミノ酸類等が挙げられる。
抗菌、防腐成分としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
粘度調整剤、外観調整剤としては、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、高級脂肪酸エチレングリコールエステル等のパール剤等が挙げられる。
(1)成分、(2)成分及び(3)成分が水相中で形成するαゲル構造は、油相との相性が良く、乳化組成物の調製の際に油相を水相に合わせた場合に油相が水相に均一かつ細かい滴で入り込みやすい。また、乳化組成物の高粘度かつ安定性が高いものとなる。また、乳化組成物の感触を優れたものとすることができる。
ながらDSCで測定すれば、吸熱ピークが認められ、これは水相がαゲル構造を形成していることを示している。
さらに剤形としては、乳化剤形であれば特に限定されず、ローション、乳液、エッセンス、クリーム等が挙げられ、特にクリームが好ましい。
表1の処方に従って本発明の乳化組成物を調製した。具体的には、まず成分(イ)を70℃に加熱し、均一に溶解させた。次いで、成分(ロ)を70℃に均一溶解させたものを、温度を保ちながら、攪拌下、成分(イ)に徐々に添加し、その後、成分(イ)及び(ロ)の混合物をホモミキサーを用いて強制攪拌し、乳化を完了した。この乳化物を攪拌下、冷却し、40℃の時点で、成分(ハ)を均一溶解させたものを添加し、その後室温まで冷却して実施例1〜6及び比較例1〜4のクリームを得た。
実施例1〜6及び比較例1〜4の各クリームについて、デジタルカードメーター(Curdmeter・MAX I.techno Engineering社製)を用いて硬度を測定した。測定は調製直後と、及び各クリームを40℃に3ヶ月間保存した後に20℃に一日放置した後とにそれぞれ行った。結果を表2に示す。
ボランティアのパネラーの前腕内側部を水洗し、乾燥後、テバメーター(Tewameter TM210 Courage+Khazaka社製)を用いて経皮水分蒸散量(TEWL)を測定した。その後、SLS0.5%水溶液で処理し、実施例1〜6又は比較例1〜4の各クリームを塗布し、翌日同一部位のTEWLを測定した。SLS処理前のTEWLを100とした場合のクリーム塗布部位の値を求め、回復率とした。結果を表3に示す。数字が100に近いほど、TEWLが回復していることを意味する。
熟練評価者5名により、実施例1〜6及び比較例1〜4の各クリームを塗布した場合の使用感(べたつきのなさ、及び伸びの滑らかさ)についての官能評価を以下の評価基準に基づいて行った。
使用感が比較例4と比較して:
かなり良い 5点
やや良い 4点
同等 3点
やや悪い 2点
かなり悪い 1点
5名の平均値を求めそのクリームの評点とした結果を表4に示す。
Claims (6)
- (1)炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する、モノアルキルグリセリルエーテル又はモノアルケニルグリセリルエーテル、(2)高級脂肪酸、(3)レシチン及び/又はセラミド、及び(4)多価アルコールを含有することを特徴とする、乳化組成物。
- 前記(1)成分、(2)成分及び(3)成分が、水相中でαゲル構造を形成することを特徴とする、請求項1に記載の乳化組成物。
- 水中油型乳化組成物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳化組成物。
- 油相が乳化組成物全体の1〜40質量%含有されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の乳化組成物。
- さらに、(5)各脂肪酸の炭素数が8〜22の極性トリグリセリドを含有することを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の乳化組成物。
- 皮膚外用剤である、請求項1〜5の何れか一項に記載の乳化組成物。
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