JP2014236469A - 電力増幅器および無線通信装置 - Google Patents

電力増幅器および無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の増幅回路を切り替えて使用する電力増幅器および無線通信装置において、回路構成の増加を抑制しつつ雑音を抑制する。
【解決手段】電力増幅器は、ハイバンド増幅用トランジスタPAHを含むハイバンド増幅回路120と、ローバンド増幅用トランジスタPALを含むローバンド増幅回路122と、を備える。ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112が、ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側にバイアスを供給する。スイッチSW1が、ハイバンド増幅用トランジスタPAHの信号入力側とハイバンド側バイアス回路111の間の接続点116またはローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側とローバンド側バイアス回路112の間の接続点117に、択一的にLC直列共振回路115aを接続させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、電力増幅器および無線通信装置に関する。
従来、例えば、特開2000−013150号公報に開示されているように、高周波信号の増幅に用いられる電力増幅器が知られている。典型的な高周波電力増幅器は、高周波信号用の増幅素子、この増幅素子にバイアスを供給するバイアス回路、および増幅素子の入力側と出力側にそれぞれ設けられた整合回路を備えている。上記公報にかかる電力増幅器は、入力側整合回路に直列共振回路を接続している。これにより、増幅素子の位相特性および歪特性を改善している。
特開2000−013150号公報 特開平11−234063号公報 特開2003−309489号公報 特開2010−200308号公報 特開平11−195932号公報
近年、無線通信分野で、複数の周波数バンドへの対応が求められている。これはマルチバンド化とも呼ばれており、電力増幅器もマルチバンド化に対応することが求められている。
複数の周波数バンドの間で周波数差が大きい場合には、それらの周波数バンドの信号増幅を1つの増幅回路でまかなうことは難しい。その対策として、使用周波数に応じて複数の増幅回路を切替可能な電力増幅器が知られている。このような電力増幅器では、それぞれの増幅回路に増幅素子が備えられており、それぞれの増幅素子の信号入力側にバイアス回路が接続している。本願発明者は、このバイアス回路が雑音発生源の一つとなり、バイアス回路から増幅素子の信号入力側へ雑音が入力されてしまうという問題に着目した。増幅素子においてこの雑音が高周波信号とミキシングされることにより、受信帯およびその他の周波数バンドに雑音が発生してしまう。
雑音抑制のためには、雑音除去用のフィルタを使用することが考えられる。しかし、上述した複数の増幅回路を備える電力増幅器に対し、単純に増幅回路ごとにフィルタを設けると、増幅回路の数に応じて回路構成が比例的に増加してしまうという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数の増幅回路を切り替えて使用する電力増幅器および無線通信装置において、回路構成の増加を抑制しつつ雑音を抑制することを目的とする。
本発明にかかる電力増幅器は、
第1増幅素子を含む第1増幅回路と、
第2増幅素子を含む第2増幅回路と、
前記第1増幅素子の信号入力側および前記第2増幅素子の信号入力側にそれぞれ供給すべきバイアスを生成する1つ又は複数のバイアス回路と、
前記バイアスを通過させる通過帯域と、前記通過帯域より高い周波数域に設けられた阻止帯域と、を備えたフィルタと、
前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間または前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間に、択一的に前記フィルタを接続させるスイッチと、
を備えることを特徴とする。
本発明にかかる無線通信装置は、
アンテナと、
第1増幅素子を含む第1増幅回路と、
第2増幅素子を含む第2増幅回路と、
前記第1増幅素子の信号入力側および前記第2増幅素子の信号入力側にそれぞれ供給すべきバイアスを生成する1つ又は複数のバイアス回路と、
前記バイアスを通過させる通過帯域と、前記通過帯域より高い周波数域に設けられた阻止帯域と、を備えたフィルタと、
前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間または前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間に、択一的に前記フィルタを接続させるスイッチと、
前記アンテナと前記第1増幅回路および前記第2増幅回路との間の接続を切り替える増幅回路切替スイッチと、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、回路構成の増加を抑制しつつ雑音を抑制することができる。
本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置の一部を拡大して示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器のLC直列共振回路の周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器の雑音除去動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器の雑音除去動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態2にかかる電力増幅器のRLC直列共振回路の周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態3にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態4にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態4にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態5にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態5にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器のLC並列共振回路の周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の形態7にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態8にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態9にかかる電力増幅器を示す回路図である。 本発明の実施の形態10にかかる電力増幅器を示す回路図である。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成および動作]
(無線通信装置)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置10の構成を示すブロック図である。無線通信装置10は、具体的には、図1の各ブロックを1つの筐体10a内に収めた携帯無線通信端末であり、より具体的には携帯電話として用いられる。無線通信装置10は、筐体10aの内部に、アンテナ12およびアンテナ14と、分波器16と、RF部20、ベースバンド部30と、アプリケーション部40と、インターフェース部50とを備えている。
アンテナ12、14は、分波器16と接続している。アンテナ12、14で電波の送受信が行われ、その送受信にかかる送信信号及び受信信号を分波器16が分波する。分波器16は、RF部20と接続している。RF部20は、電力増幅器21、周波数選局部22、および受信器23を備えている。
RF部20は、ベースバンド部30と接続している。ベースバンド部30は、変調器31、CODEC32、復調器33を備えている。CODEC32は、音声通信および画像通信の処理を行う集積回路であり、音声の符号化および復号化、ならびに画像の圧縮および伸張を行うことができる。
ベースバンド部30は、アプリケーション部40と接続している。アプリケーション部40は、制御部41、およびRAMおよびROMからなるメモリ42を備えている。制御部41には、演算処理装置(MPU)が内蔵されている。この演算処理装置(MPU)は、メモリ42との間でデータの授受を行い、モバイルオペレーティングソフトウェアおよび各種アプリケーションソフトウェアを実行する。
アプリケーション部40は、さらに、画像処理部43と、ゲーム部44と、撮影機能部45と、音源46と、GPS機能部47と、TV(テレビ)機能部48を備えている。ゲーム部44は、携帯電話アプリケーションゲームの記憶、実行を分担する。撮影機能部45は、カメラ(図示せず)と接続して画像撮影、動画撮影を行う。アプリケーション部40において上記各機能部がデータ通信を必要とする場合には、外部の基地局および他の無線通信端末などの他の装置との間で、ベースバンド部30およびRF部20を介して必要なデータ通信が実施される。
アプリケーション部40は、インターフェース部50と接続している。インターフェース部50は、マイク51、キーパッド52、スピーカ53および表示装置54を備えている。これらのインターフェースを用いることで、無線通信装置10を携帯電話、携帯音楽再生装置、および携帯動画再生装置として用いることができる。
(RF無線回路)
図2は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置10の一部を拡大して示すブロック図である。アンテナ12、14を介して送受信される信号は分波器16で分波され、受信信号RXは受信器23を介して復調器33に入力される。復調器33は、その内部にA/D変換器33aを有し、受信信号RXのA/D変換および復調を行うことができる。復調後の受信信号は、CODEC32の処理を経てアプリケーション部40に入力される。
一方、アプリケーション部40側からのデータ信号はCODEC32で処理され、符号化等された送信信号が変調器31で変調される。このとき、変調器31は、その内部にD/A変換器31aを有し、送信信号のD/A変換および変調を行うことができる。変調器31で変調された送信信号TXが、電力増幅器21で増幅され、分波器16を介してアンテナ12、14から送信される。
周波数選局部22は、変調器31および復調器33と接続している。周波数選局部22は、変調器31における送信搬送波周波数と、復調器33における受信搬送波周波数と、を指定することができる。一例としては、周波数選局部22は、外部の基地局から周波数指定信号を受け、この周波数指定信号に従って周波数を指定することができる。
周波数選局部22は、電力増幅器21内の制御回路26と電気的に接続されている。電力増幅器21は、高周波信号増幅用の増幅回路を複数個備えている。電力増幅器21内の制御回路26は、周波数選局部22からの周波数指定信号に応じて、複数の増幅回路を切り替える。
(電力増幅器)
図3および図4は、本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器21を示す回路図である。具体的には、図3は電力増幅器21内の全体構成を図示しており、図4は図3において破線で囲った電力増幅器本体部100を拡大して示した回路図である。
図3に示すように、電力増幅器21は、電力増幅器本体部100と、増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2と、制御回路26とが、1つのパッケージに収められたものである。電力増幅器21は、入力信号端子24、出力信号端子25、および制御端子27を備えている。入力信号端子24は、変調器31と接続して、増幅すべき信号の入力を受ける。出力信号端子25は、分波器16と接続して、増幅後の信号(送信信号TX)を分波器16に出力する。
電力増幅器本体部100は、図4を用いて詳述するように、ハイバンド増幅回路120およびローバンド増幅回路122を備えている。使用周波数に応じて、これらの増幅回路を切り替えて択一的に使用することができる。ハイバンド増幅回路120で増幅する信号の周波数は、ローバンド増幅回路122で増幅する信号の周波数よりも高くされている。
制御端子27は、周波数選局部22と接続している。制御端子27は、ハイバンド増幅回路120とローバンド増幅回路122のいずれの高周波信号増幅パスを使用するかを指定する信号を制御回路26に入力するための端子である。
電力増幅器21の入力信号端子24と電力増幅器本体部100との間に増幅回路切替スイッチSWP1が介在しており、電力増幅器21の出力信号端子25と電力増幅器本体部100との間に増幅回路切替スイッチSWP2が介在している。制御回路26は、制御端子27に入力される制御信号に従って増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2を切り替えることにより、アンテナ12、14および分波器16とハイバンド増幅回路120およびローバンド増幅回路122との間の電気的接続を切り替える。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部100を示す回路図である。電力増幅器本体部100は、ハイバンド増幅回路120およびローバンド増幅回路122を備えている。
ハイバンド増幅回路120は、入力端子101、ハイバンド入力整合回路103、複数のハイバンド増幅用トランジスタPAH、ハイバンド出力整合回路107、および出力端子109が直列に接続されたものである。ハイバンド増幅回路120は、n個のハイバンド増幅用トランジスタPAH1、PAH2、・・・PAHnが接続した多段増幅回路である。なお、nは正の整数であり、2以上の値をとりうる。
ローバンド増幅回路122は、入力端子102、ローバンド入力整合回路104、複数のローバンド増幅用トランジスタPAL、ローバンド出力整合回路108、および出力端子110が直列に接続されたものである。ローバンド増幅回路122も、ハイバンド増幅回路120と同様に、n個のローバンド増幅用トランジスタPAL1、PAL2、・・・PALnが接続した多段増幅回路である。
電力増幅器本体部100は、ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112を備えている。ハイバンド側バイアス回路111は、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1の信号入力側と接続点116で接続し、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1にバイアスを供給する。ローバンド側バイアス回路112は、ローバンド増幅用トランジスタPAL1の信号入力側と接続点117で接続し、ローバンド増幅用トランジスタPAL1にバイアスを供給する。
ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALは、FET(Field Effect Transistor)またはバイポーラトランジスタ(Bipolar Transistor)を用いることができる。ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALがFETにより構成される場合は、ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112からそれぞれのFETのゲートにバイアス電圧を印加する。一方、ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALがバイポーラトランジスタにより構成される場合は、ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112からそれぞれのバイポーラトランジスタのベースにバイアス電流を供給する。なお、上記バイポーラトランジスタは、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)であってもよい。
電力増幅器本体部100は、LC直列共振回路115aおよびスイッチSW1を備えている。LC直列共振回路115aは、図6を用いて後述するように、ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112の雑音、具体的には「差周波」を持つ雑音を除去するためのフィルタである。ここでいう「差周波」とは、無線通信装置10で取り扱う送信帯と受信帯およびその他の周波数バンドとの差分の周波数である。以下、便宜上、差周波にfdの符号を付して説明する。
LC直列共振回路115aは、インダクタL1およびキャパシタC1が直列に接続されたものである。LC直列共振回路115aの一端は、グランドと接続すべきグランド端子GNDに接続している。
LC直列共振回路115aの他端は、スイッチSW1と接続している。スイッチSW1は、LC直列共振回路115aの一端を、接続点116とハイバンド側バイアス回路111との間または接続点117とローバンド側バイアス回路112の間に、択一的に接続させる。スイッチSW1の具体的構成は特に限定しないが、例えばSPnTスイッチやMEMSスイッチを用いても良く、この点は実施の形態2以降も同様である。
図5は、本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器のLC直列共振回路の周波数特性を示す図である。図5の縦軸は、グランド端子GNDをグランドに接続した場合にグランド側に流れる電流の大きさを示し、図5の横軸は周波数を示す。図5に示すように、LC直列共振回路115aは、共振周波数frsにピークを有する周波数特性を有している。
共振周波数は、下記の式(1)で定まる。
frs=1/(2π√(L1×C1)) ・・・(1)
式(1)において、frsは共振周波数、L1、C1は、インダクタL1のインダクタンス値、キャパシタC1のキャパシタンス値である。
本実施の形態では、LC直列共振回路115aの共振周波数frsが差周波fdの付近となるように、インダクタL1およびキャパシタC1の値を設定する。これにより、差周波fdにおけるLC直列共振回路115aのインピーダンスを低くする。図5に示すように共振周波数frsではグランドに流れる電流がピークとなるので、差周波fdを持つ雑音を選択的にグランドに流すことができる。従って、差周波fdをもつ雑音が、ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側(つまりゲートまたはベース)に入力されるのを抑制することができる。
また、共振周波数frsは差周波fdの付近に位置するものの、それ以外の周波数ではLC直列共振回路115aのインピーダンスは高くなる。直流であるバイアスについては、LC直列共振回路115aを介してグランドへは流れずに、接続点116、117へと供給される。このように、LC直列共振回路115aの周波数特性は、阻止すべき差周波fdの雑音をグランドへ通過させ、バイアスは通過させないという周波数特性を有する。従って、バイアス供給も適切に行うことができる。
電力増幅器本体部100は、切替端子S1を備えている。切替端子S1はスイッチSW1と接続しており、切替端子S1を介してスイッチSW1の接続を切り替えることができる。すなわち、スイッチSW1が接続点116側に操作されると、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1、接続点116、LC直列共振回路115aの一端、およびハイバンド側バイアス回路111が電気的に接続した回路が形成される。
一方、スイッチSW1が接続点117側に操作されると、ローバンド増幅用トランジスタPAL1、接続点117、LC直列共振回路115aの一端、およびローバンド側バイアス回路112が電気的に接続した回路が形成される。これにより、スイッチSW1は、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1の信号入力側とハイバンド側バイアス回路111の間またはローバンド増幅用トランジスタPAL1の信号入力側とローバンド側バイアス回路112の間に、択一的にLC直列共振回路115aの一端を接続させる。
切替端子S1は、図3に示す制御回路26と接続している。前述したように、制御回路26は、制御端子27に入力される制御信号に従って増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2を切り替える。制御回路26は、さらに、スイッチSW1の切替と増幅回路切替スイッチSWP1の切替とを連動させる。
「連動」とは、具体的には、先ず、制御端子27に対してハイバンド増幅回路120を接続すべき制御信号が与えられているときには、制御回路26は、増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2をハイバンド増幅回路120側に切り替えるとともに、スイッチSW1を接続点116側に切り替える。これにより、ハイバンド増幅回路120側にLC直列共振回路115aを接続することができる。
逆に、制御端子27に対してローバンド増幅回路122を接続すべき制御信号が与えられているときには、制御回路26は、増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2をローバンド増幅回路122側に切り替えるとともに、スイッチSW1を接続点117側に切り替える。これにより、ローバンド増幅回路122側にLC直列共振回路115aを接続することができる。
以上説明したように、実施の形態1では、ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112からの雑音に着目し、この雑音を除去するためのフィルタであるLC直列共振回路115aが設けられている。
電力増幅器21では、このLC直列共振回路115aを、ハイバンド増幅回路120およびローバンド増幅回路122という2つの増幅回路の間で共用することができる。これにより、2つの増幅回路に対して、1組のインダクタおよびキャパシタで雑音除去を行うことができ、回路素子の個数を抑制することができる。従って、回路構成が増加することを抑制しつつ、ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALへ雑音が入ることを抑制することができる。
[実施の形態にかかるフィルタの動作説明]
図6および図7は、本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器21の雑音除去動作を説明するための図である。図6は、図4に示した電力増幅器本体部100のハイバンド増幅回路120に相当する回路図である。ここではハイバンド増幅回路120側について説明するが、ローバンド増幅回路122でも下記の原理は同様である。前述したLC直列共振回路115aは、原理的には図6(a)に示すフィルタ60に相当する。
図7は、フィルタ60の周波数特性を模式的に示す図である。フィルタ60は、いわゆる帯域阻止フィルタである。帯域阻止フィルタは、ある周波数帯域を大きく減衰させ、それ以外の帯域はほぼ一様に伝送するフィルタである。帯域阻止フィルタは、バンドリジェクションフィルタ、帯域消去フィルタ(バンドエリミネーションフィルタ)などとも呼ばれる。
フィルタ60の周波数特性には、中心周波数fcおよび遮断周波数f1、f2が備えられている。フィルタ60は、遮断周波数f1以上かつ遮断周波数f2以下の周波数域の信号は通過させ、遮断周波数f1未満の周波数域および遮断周波数f2を超える周波数域の信号を阻止する。
一般に、遮断周波数f1以上かつ遮断周波数f2以下の周波数域は、「阻止帯域」とも称される。また、遮断周波数f1未満の周波数域および遮断周波数f2を超える周波数域は、「通過帯域」とも称される。中心周波数fcおよび遮断周波数f1、f2はフィルタの回路構成に応じて決定されるパラメータである。
この中心周波数fcを差周波fd付近の周波数に定めることとし、阻止すべき差周波fdが阻止帯域内に含まれるようにフィルタ60を決定する。そのようにすることで、差周波fdを選択的に除去しつつ、ハイバンド増幅用トランジスタPAHに必要なバイアスを供給することができる。特に、ハイバンド増幅回路120側で除去すべき高域側差周波fdhとローバンド増幅回路122側で除去すべき低域側差周波fdlの両方が、阻止帯域内に含まれるようにフィルタ60が設計されることが好ましい。
図6(a)と対比して実施の形態1にかかる電力増幅器本体部100におけるフィルタ60の具体的構成を図示すると、図6(b)のようになる。LC直列共振回路115a自体は、共振周波数frsで低インピーダンスとなるバンドパスフィルタBPFである。しかし、実施の形態1ではLC直列共振回路115aをフィルタ60として用いており、図6(b)の破線枠内のようにバンドパスフィルタBPFの一端がグランドに接続し、他端がハイバンド側バイアス回路111と接続点116との間に接続させている。これにより、LC直列共振回路115aは、機能的には、ハイバンド側バイアス回路111から接続点116側への雑音を阻止する帯域阻止フィルタとなっている。
なお、後述する実施の形態6以降では、図6(c)に示す帯域阻止フィルタ215のごとく帯域阻止フィルタを直列に挿入させるタイプの回路構成となっている。図6(b)、(c)ではフィルタの接続の仕方は異なっているものの、ハイバンド側バイアス回路111側からの所定周波数域の雑音を除去するという点で図6(b)、(c)のいずれのフィルタも図6(a)のフィルタ60に相当する。
[実施の形態1の変形例]
図8は、本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器21の変形例を示す回路図である。図8に示す変形例では、LC直列共振回路115aに代えて、LC直列共振回路115bが設けられている。LC直列共振回路115bではキャパシタC1がグランド端子GNDに近い側に設けられており、キャパシタC1とインダクタL1の位置関係がLC直列共振回路115aとは逆である。このように、LC共振回路として動作する限りは、キャパシタおよびインダクタの電気回路上の位置関係を交換してもよい。
図9は、本発明の実施の形態1にかかる電力増幅器21の変形例を示す回路図である。図9に示す変形例にかかる電力増幅器21は、n個の高周波信号増幅パスを有している。図では省略しているが、ハイバンド増幅回路120とローバンド増幅回路122の間に、中帯域の高周波信号を増幅するための中帯域増幅回路134を複数個(具体的には、n−2個)備えている。
中帯域増幅回路134では、入力端子131および出力端子135の間に、中帯域側入力整合回路132、n個のミドルバンド増幅用トランジスタPAM1〜PAMn、中帯域側出力整合回路137が直列に接続されている。ミドルバンド増幅用トランジスタPAM1の信号入力側と中帯域側バイアス回路133は、接続点136で接続している。この接続点126は、スイッチSW11に接続している。
実施の形態1では、ハイバンド増幅回路120およびローバンド増幅回路122という2つの高周波信号増幅パスで、LC直列共振回路115aを共用している。図9にかかる変形例では、LC直列共振回路115aを、さらに多数のn個の高周波信号増幅パスで共用する。
つまり、図9に示すように、スイッチSW11が、切替端子S11からの信号に従って、各増幅用トランジスタ(PAH1、PAM1、・・・PAL1)の信号入力側と各バイアス回路(ハイバンド側バイアス回路111、中帯域側バイアス回路133、またはローバンド側バイアス回路112)との間に、択一的に、LC直列共振回路115aの一端を接続してもよい。
実施の形態1では、LC直列共振回路115aの一端をスイッチSW1に接続し、他端をグランド端子GNDに接続することで、差周波fdを持つ雑音をグランド側に流している。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
LC直列共振回路115aは、単体で見れば、差周波fdを含むように通過帯域を設計した「バンドパスフィルタ」に相当している。そこで、公知の各種バンドパスフィルタを、LC直列共振回路115aに代えて用いても良い。例えば、いわゆるアクティブフィルタを用いても良い。アクティブフィルタとは、アンプ等の能動素子を含む周波数フィルタである。また、MEMSキャパシタやMEMSインダクタを組み合わせたMEMSフィルタを用いてもよい。
なお、実施の形態1では、制御回路26が、スイッチSW1の切替と増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2の切替とを連動させた。しかしながら、スイッチSW1の切替と増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2の切替とを連動させる「回路」は、内部で演算処理を行ったりするような制御回路に限られるものではない。
例えば各スイッチがトランジスタをスイッチング素子として用いたものである場合、各スイッチのトランジスタの制御端子(ゲート又はベース)を「共通配線」で接続して1つ又は複数の制御端子を設ければ、一括して複数のスイッチの切り替えを行うことができる。このような「共通配線」も、「スイッチSW1の切替と増幅回路切替スイッチSWP1、SWP2の切替とを連動させる回路」に含まれる。
なお、多段増幅器の場合には、いずれかの増幅段、もしくは全ての増幅段について、ハイバンド側バイアス回路111とハイバンド増幅用トランジスタPAHの間、および、ローバンド増幅用トランジスタPALとローバンド側バイアス回路112の間に、スイッチSW1およびLC直列共振回路115aを設けてもよい。
特に1段目の増幅用トランジスタに入力される雑音は、後段の増幅用トランジスタで増幅されるので、出力される帯域外雑音への影響が大きい。よって、1段目の増幅用トランジスタにLC直列共振回路115aを接続可能とした電力増幅器21によれば、帯域外雑音レベルfboutの低減効果が大きく、また、LC直列共振回路115aの個数を節減できるので電力増幅器21の小型化が可能である。
一方、多段増幅器の最終段は、高効率を実現するためにバックオフの小さな出力で使用される。このため、歪みが大きくなりミキシングによる帯域外雑音が発生しやすい。よって、最終段のハイバンド増幅用トランジスタPAHn、ローバンド増幅用トランジスタPALnに対してスイッチSW1およびLC直列共振回路115aを設けても良い。この場合にも帯域外雑音レベルfboutの低減効果は大きく、また、スイッチSW1およびLC直列共振回路115aの数を節減できるため、電力増幅器21の小型化が可能である。
なお、本発明は必ずしも多段増幅器に限られない。ハイバンド増幅回路120とローバンド増幅回路122がそれぞれ1つの増幅素子を備えた、1段の増幅器であってもよい。
インダクタL1にスパイラルインダクタを用いてもよく、これにより小型化が可能となる。一方、インダクタL1にチップインダクタを用いてもよく、この場合には低損失なので送信帯利得の低下を抑制する効果が得られる。
キャパシタC1については、必要な容量値が小さい場合にはMIMキャパシタを用いることが好ましく、これにより小型化が可能となる。一方、キャパシタC1にチップコンデンサを用いてもよく、この場合には大きなキャパシタンスを実現できるため差周波fdが低い場合にも対応が可能となる。
LC直列共振回路115aは、インダクタL1のインダクタンスの値とキャパシタC1のキャパシタンスの値の少なくとも一方が段階的又は連続的に可変であってもよい。電力増幅器21においては、LC直列共振回路およびLC並列共振回路のインダクタを可変インダクタとしたりキャパシタを可変キャパシタとしたりしてもよく、MEMS可変キャパシタやMEMS可変インダクタを用いてもよい。これにより、LC直列共振回路115aを阻止帯域または通過帯域を可変なフィルタとして用いることができる。「可変」とは、中心周波数をシフトさせるものと帯域幅を変化させるもののいずれか一方または両方であってもよい。
なお、実施の形態1ではLC直列共振回路115aを用いているが、LC直列共振回路においては下記の式(2)および式(3)を満たすことがさらに好ましい。
2π・fRF1・L1 > Rintr1 ・・・(2)
2π・fRF2・L1 > Rintr2 ・・・(3)
ここで、上記の式(2)および(3)では、LC直列共振回路115aにおけるインダクタL1のインダクタンスをL1[H]、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1が増幅する高周波信号の周波数をfRF1[Hz]、ローバンド増幅用トランジスタPAL1が増幅する高周波信号の周波数をfRF2[Hz]、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1の入力インピーダンスをRintr1[Ω]、ローバンド増幅用トランジスタPAL1の入力インピーダンスをRintr2[Ω]としている。
このようにすることで、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1およびローバンド増幅用トランジスタPAL1の入力インピーダンスに対して、LC直列共振回路115aのインピーダンスを十分高く設定することができる。その結果、送信帯の信号がLC直列共振回路115aを介してグランドへ流れるのを抑制することができる。なお、上記式(2)、(3)における不等号>を不等号>>で表してもよく、左辺の値は右辺の値よりも相当に大きい。
なお、下記に説明する実施の形態2乃至10に対しても、適宜に、上記説明した実施の形態1の各変形を適用してもよい。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2にかかる電力増幅器21が備える電力増幅器本体部100aを示す回路図である。実施の形態2にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部100aを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部100a以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
電力増幅器本体部100aは、RLC直列共振回路115cを備えている。RLC直列共振回路115cは、スイッチSW1側からインダクタL1、抵抗R1、およびキャパシタC1が直列に接続され、キャパシタC1がグランド端子GNDに接続した回路である。
図11は、本発明の実施の形態2にかかる電力増幅器21のRLC直列共振回路115cの周波数特性を模式的に示す図である。一般に、共振の鋭さを表す量にQ値(Quality Factor)が用いられる。Q値は、下記の式(4)で決まる値である。
Q = (1/R)×(√L/√C) ・・・(4)
Rは抵抗値、Lはインダクタンス値、Cはキャパシタンス値である。
図11(a)ではQ=Q1、図11(b)ではQ=Q2、図11(c)ではQ=Q3の場合を示しており、Q1>Q2>Q3である。Q値が小さくなるにつれて共振の鋭さが低下している。抵抗R1を大きくすることにより、Q値(共振の鋭さ)が抑えられる。その結果、RLC直列共振回路115cを介してグランド側に流す雑音の周波数帯域を広く取ることができ、広い周波数帯域で雑音を抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、周波数の近い複数の差周波が生じる場合には、それらの複数の差周波の中間周波数付近に共振周波数が位置するようにインダクタL1およびキャパシタC1の値を設定することが好ましい。これにより、異なる複数の差周波に対してRLC直列共振回路115cのインピーダンスを低くすることができる。
図12は、本発明の実施の形態2にかかる電力増幅器本体部100aの変形例である電力増幅器本体部100a1を示す回路図である。図11とは、RLC直列共振回路115dにおける抵抗、インダクタ、キャパシタの順番が異なっている。スイッチSW1側から、抵抗R1、キャパシタC1、およびインダクタL1が直列に接続している。このように抵抗、インダクタ、キャパシタの順番は任意に定めてよい。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部100bを示す回路図である。実施の形態3にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部100bを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部100b以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
電力増幅器本体部100bは、可変バイアス回路111vを備えている点を除き、電力増幅器本体部100と同様の構成を備えている。可変バイアス回路111vは、バイアス制御端子BCを備えている。バイアス制御端子BCへの制御信号によりバイアスの大きさが変更可能である。つまり、電力増幅器本体部100では、ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側に供給すべきバイアスを、複数のバイアス回路を設けて別々に生成している。これに対し、実施の形態2では、1つの可変バイアス回路111vのみで、ハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側に供給すべきバイアスを生成している。
可変バイアス回路111vは、切替端子SBを備えたバイアス回路スイッチSWBと接続している。バイアス回路スイッチSWBは、可変バイアス回路111vを、ハイバンド増幅用トランジスタPAHの信号入力側またはローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側に択一的に接続する。
ハイバンド増幅用トランジスタPAHとローバンド増幅用トランジスタPALに供給すべきバイアスの大きさは通常は異なる。このため電力増幅器本体部100ではハイバンド側バイアス回路111とローバンド側バイアス回路112を個別に設けている。この点、可変バイアス回路111vによれば、バイアス回路を共用でき、バイアス回路の個数を節減することができる。
実施の形態4.
図14は、本発明の実施の形態4にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部100cを示す回路図である。実施の形態4にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部100cを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部100c以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
図14に示すように、電力増幅器本体部100cは、LC直列共振回路115eを備えている。LC直列共振回路115eは、キャパシタC11およびキャパシタC12を備えている。キャパシタC11とキャパシタC12は、異なるキャパシタンス値を有している。キャパシタC11の一端は、ハイバンド増幅用トランジスタPAHの信号入力側に接続している。キャパシタC12の一端は、ローバンド増幅用トランジスタPALの信号入力側に接続している。インダクタL1の一端は、グランド端子GNDに接続している。
スイッチSW1は、キャパシタC11の他端と、キャパシタC12の他端と、インダクタL1の他端との間に設けられている。スイッチSW1は、キャパシタC11の他端とキャパシタC12の他端のどちらか一方を、インダクタL1の他端に接続する。これにより、スイッチSW1は、キャパシタC11とキャパシタC12のうち一方を、選択的に、インダクタL1に直列接続する。
このような構成によれば、インダクタL1に対してキャパシタC11、C12とを択一的に組み合わせることでLC直列共振回路のキャパシタンス値を変更し、共振周波数を変更することができる。ハイバンドとローバンドとで、送信帯域と受信帯域間の周波数差が異なる場合がある。このような場合でも、本実施の形態によれば、周波数バンドごとに問題となる差周波に合わせて共振周波数を変更することができる。
図15は、本発明の実施の形態4にかかる電力増幅器本体部100cの変形例を示す回路図である。この変形例は、LC直列共振回路115fを備えている。LC直列共振回路115fでは、インダクタL1に、スイッチSW2が接続されている。スイッチSW2は、インダクタL2の一端と、第2グランド端子GND2のいずれかに選択的に接続する。インダクタL2の他端は、第1グランド端子GND1に接続している。
スイッチSW2は、切替端子S2への制御信号に従って、インダクタL2の他端と第2グランド端子GND2のいずれか一方を選択的にインダクタL1に接続する。スイッチSW2もスイッチSW1と同様に制御回路26で制御される。これらのスイッチSW1、SW2は連動して制御されてもよい。
図15の変形例によれば、スイッチSW1、SW2を制御することで、「キャパシタC11およびインダクタL1の直列回路」、「キャパシタC11およびインダクタL1、L2の直列回路」、「キャパシタC12およびインダクタL1の直列回路」、「キャパシタC12およびインダクタL1、L2の直列回路」という、4つの直列回路を択一的に形成することができる。これにより、多段階に共振周波数を変更することができる。
なお、図14において、インダクタとキャパシタを交換して配置しても良い。つまり、キャパシタC11、C12に代えて互いにインダクタンス値の異なるインダクタをそれぞれ配置し、インダクタL1に代えてキャパシタを配置しても良い。
実施の形態5.
図16は、本発明の実施の形態5にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部100dを示す回路図である。実施の形態5にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部100dを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部100d以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
電力増幅器本体部100dは、LC直列共振回路115gを備えている。LC直列共振回路115gは、図8に示す実施の形態1の変形例にかかるLC直列共振回路115bにおいて、キャパシタC1に対してキャパシタC11を並列に接続した回路である。インダクタL1とキャパシタC1の接続点に、スイッチSW3を介して、キャパシタC11の一端が接続する。キャパシタC11の他端はグランド端子GNDに接続する。
スイッチSW3のオンオフにより、キャパシタC1に対するキャパシタC11の並列接続の有無を切り替えることができる。これによりLC直列共振回路のキャパシタンス値を変化させ、周波数バンドごとに問題となる差周波に合わせて共振周波数を変更することができる。また、付加的にキャパシタを並列接続しているので、異なる大きさの2つのキャパシタを切り替える場合に比べてキャパシタを小型なもので済ませることができる。
図17は、本発明の実施の形態5にかかる電力増幅器本体部100dの変形例を示す回路図である。この変形例では、LC直列共振回路115gに代えて、LC直列共振回路115hを設けている。LC直列共振回路115hは、キャパシタC1に対してキャパシタC11とともにキャパシタC12も並列に設けて、スイッチSW3により、キャパシタC11とキャパシタC12のどちらか一方をキャパシタC1に並列接続するようにしたものである。
実施の形態6.
図18は、本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部200を示す回路図である。実施の形態6にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部200を備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部200以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
実施の形態1乃至5にかかる電力増幅器21は、LC直列共振回路の一端を増幅用トランジスタの信号入力側とバイアス回路の間に接続し、LC直列共振回路の他端をグランドに接続するというものである。これに対し、実施の形態6およびこれ以降の実施の形態7乃至10では、増幅用トランジスタの信号入力側とバイアス回路の間に、LC並列共振回路215aを直列に挿入するものである。
すなわち、図18に示すように、LC並列共振回路215aは、インダクタL1およびキャパシタC1が並列接続されたものである。LC並列共振回路215aの一端にはスイッチSW21が接続し、LC並列共振回路215aの他端にはスイッチSW22が接続している。スイッチSW21は、切替端子S21に入力される信号に応じて、接続点116側とローバンド側バイアス回路112側のどちらか一方に、LC並列共振回路215aの一端を接続する。スイッチSW22は、切替端子S22に入力される信号に応じて、接続点117側とハイバンド側バイアス回路111側のどちらか一方に、LC並列共振回路215aの他端を接続する。
これにより、接続点116、LC並列共振回路215a、およびハイバンド側バイアス回路111を接続した第1接続状態と、接続点117、LC並列共振回路215a、およびローバンド側バイアス回路112を接続した第2接続状態とを、切り替えることができる。なお、切替端子S21、S22は制御回路26に接続している。制御回路26は、実施の形態1でスイッチSW1等を増幅回路切替スイッチSWP1,SWP2と連動させたのと同様に、スイッチSW21,SW22を増幅回路切替スイッチSWP1,SWP2と連動させる。
原理的には、実施の形態6にかかる電力増幅器21は、図6(c)に示すように帯域阻止フィルタ215を直列に挿入させることで雑音を除去するものである。ハイバンド側バイアス回路111側からの所定周波数域の雑音を除去するという点で、LC並列共振回路215aも図6(a)のフィルタ60に相当している。
図19は、本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器のLC並列共振回路の周波数特性を示す図である。一般に、LC並列共振回路は、図19に示すように共振周波数frpで電流の大きさが最小値となる周波数特性を有している。つまり、共振周波数frpでのインピーダンスがピーク値となる。そこで、実施の形態1と同様に、共振周波数frpを差周波fd付近に定めることにより、差周波fdをもつ雑音がハイバンド増幅用トランジスタPAHおよびローバンド増幅用トランジスタPALへ入力されるのを抑制することができる。
図20は、本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器21の変形例を示す回路図である。図20に示す変形例は、スイッチSW21、SW22の接続の仕方が異なっている点を除き、図18と同様である。すなわち、本変形例にかかる電力増幅器本体部200では、スイッチSW21が、接続点116および接続点117のどちらか一方に、LC並列共振回路215bの一端を接続する。また、スイッチSW22が、ハイバンド側バイアス回路111およびローバンド側バイアス回路112のどちらか一方に、LC並列共振回路215bの他端を接続する。
図21は、本発明の実施の形態6にかかる電力増幅器21の変形例を示す回路図である。図21の変形例は、実施の形態6にかかる電力増幅器21に対して、実施の形態1における図9の変形例と同様の変形を施したものである。すなわち、本変形例でも、ハイバンド増幅回路120とローバンド増幅回路122の間に中帯域の高周波信号を増幅するための中帯域増幅回路134を複数個備えることで、n個の高周波信号増幅パスを設けている。
図9の変形例と異なるのは、LC直列共振回路115aおよびスイッチSW11の代わりに、LC並列共振回路215aおよびスイッチSW23、SW24を設けたことである。スイッチSW23、SW24は、スイッチの切替点数がn個であるほかは、実施の形態1のスイッチSW21、SW22と同様の構成、機能を有する。切替端子S23、S24によりスイッチSW23、SW24を切り替えることで、LC並列共振回路215aを、さらに多数のn個の高周波信号増幅パスで共用することができる。
実施の形態7.
図22は、本発明の実施の形態7にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部200aを示す回路図である。実施の形態7にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部200aを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部200a以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
電力増幅器本体部200aは、LC並列共振回路215bを備えている。LC並列共振回路215bは、インダクタL1およびキャパシタC1の並列回路に対して、抵抗R1が直列に接続したものである。
これにより、実施の形態2において図11を用いて述べたのと同様に共振の鋭さを低下させることができ、LC並列共振回路215bのインピーダンスをより広い周波数帯域に渡って高い値とすることができる。その結果、阻止可能な雑音の周波数帯域を広く取ることができ、実施の形態2にかかるRLC直列共振回路115cと同様に広い周波数帯域で雑音を抑えることができる。
実施の形態8.
図23は、本発明の実施の形態8にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部200bを示す回路図である。実施の形態8にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部200bを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部200b以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
実施の形態8は、実施の形態3と同様に、可変バイアス回路111vを用いて、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1とローバンド増幅用トランジスタPAL1とでバイアス回路を共通化したものである。すなわち、可変バイアス回路111vは、LC並列共振回路215aの一端と接続している。LC並列共振回路215aの他端は、スイッチSW23に接続している。
スイッチSW23は、LC並列共振回路215aの他端を、接続点116側または接続点117側に択一的に接続することができる。スイッチSW23の切替を行うための切替端子S23は、切替端子S21、S22と同様に、制御回路26と接続している。
以上説明した実施の形態8によれば、可変バイアス回路111vを共用してバイアス回路の個数を節減することができる。
実施の形態9.
図24は、本発明の実施の形態9にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部200cを示す回路図である。実施の形態8にかかる電力増幅器および無線通信装置は、電力増幅器本体部100に代えて電力増幅器本体部200cを備える点を除き、実施の形態1と同様のハードウェア構成を備えている。従って、電力増幅器本体部200c以外の構成及び動作は実施の形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
電力増幅器本体部200cは、LC並列共振回路215cを備えている。LC並列共振回路215cは、n個のLC並列回路が直列に接続した回路である。それぞれのLC並列回路を構成するインダクタL1〜LnおよびキャパシタC1〜Cnを異なる値として、それらの複数個のLC並列回路を直列接続している。このようにすることで、異なる複数の共振周波数frp1〜frpnを有するLC共振回路を実現することができる。
これにより異なる複数の差周波に対してLC並列共振回路215cのインピーダンスを高くすることができる。その結果、異なる差周波を持つ複数種類の雑音をそれぞれ高いインピーダンスで阻止することができる。
実施の形態10.
図25は、本発明の実施の形態10にかかる電力増幅器21の電力増幅器本体部200dを示す回路図である。電力増幅器本体部200dは、LC並列共振回路215dを備えている。LC並列共振回路215dは、1つのインダクタL1に対して、n個のキャパシタC1〜Cnが並列に接続している。
ただし、それぞれのキャパシタC1〜Cnは、スイッチSWC1〜SWCnと直列接続している。切替端子SCに制御信号を入力することにより、スイッチSWC1〜SWCnのオンオフを互いに独立に行うことが可能となっている。LC並列共振回路215dによれば、スイッチSWC1〜SWCnのオン/オフを切り替えてキャパシタC1〜Cnのうち1つ以上の所望のキャパシタをインダクタL1に並列接続することができる。これにより、共振周波数frpを可変にすることができる。
以上説明したように、実施の形態1乃至10にかかる電力増幅器21およびこれを備えた無線通信装置10によれば、ハイバンド増幅回路120およびローバンド増幅回路122という2つの増幅回路の間でフィルタを共用することができる。従って、回路構成の増加を抑制しつつ雑音を抑制することができる。
上述した各実施の形態では、図6(a)のフィルタ60に相当するフィルタが、いずれもLC共振回路であった。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。LC共振回路に代えて、例えば、いわゆるアクティブフィルタを用いても良い。アクティブフィルタとは、アンプ等の能動素子を含む周波数フィルタである。また、MEMSキャパシタやMEMSインダクタを用いたMEMSフィルタを用いてもよい。
さらにフィルタ60として用いるフィルタは阻止帯域または通過帯域を可変なものであってもよく、具体的には帯域をシフトさせたり帯域幅を変化させたりするものであってもよい。つまり、電力増幅器21においては、LC直列共振回路およびLC並列共振回路のインダクタを可変インダクタとしたりキャパシタを可変キャパシタとしたりしてもよく、MEMS可変キャパシタやMEMS可変インダクタを用いてもよい。
なお、帯域阻止フィルタの1つにノッチフィルタがある。ノッチフィルタとは、周波数応答特性に鋭い切り込み(ノッチ)を有するフィルタである。フィルタ60としてノッチフィルタを用いても良く、共振の鋭さQが十分に大きい場合(図11(a)等)には、LC直列共振回路115aおよびLC並列共振回路215aはともにノッチフィルタに相当する。
なお、上述した実施の形態6乃至10にかかるLC並列共振回路215a〜215dは、共振周波数frpを中心周波数fcとする阻止帯域を有し、この阻止帯域よりも低周波数域および高周波数域に通過帯域を有している。このような周波数特性は、ノッチフィルタ若しくは帯域阻止フィルタに相当している。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、バイアス回路のバイアスを通過させる通過帯域と、バイアス回路からの雑音を阻止する阻止帯域とを備えるフィルタであればよい。例えば、直流バイアスを通過させる通過帯域を低周波数域に有するローパスフィルタを、図6(c)の帯域阻止フィルタ215或いはLC並列共振回路215a〜215dに代えて用いてもよい。ローパスフィルタはRCフィルタ、アクティブフィルタ等、公知のフィルタを用いればよい。
なお、上記の各実施の形態にかかる電力増幅器21は、特に、差周波を持つ雑音による悪影響を抑制するという効果を発揮する。この点について具体的に説明する。
携帯端末用高周波電力増幅器においては、送信時における受信帯雑音レベルに対する規定がある。また、携帯端末の多機能化に伴い、受信帯以外にもDTV(Digital Television)帯やGPS(Global Positioning System)帯、ISM(Industrial Scientific Medical)帯など複数の周波数バンドにおいて、低い雑音レベルが求められている。
一般的に、高周波電力増幅器から出力される帯域外雑音レベルは、下記の式(5)によって表される。
fbout = Nin×Gbout + Nnl ・・・(5)
ここで、fboutは、帯域外雑音レベルである。Ninは、入力雑音レベルである。Gboutは、帯域外利得である。Nnlは、非線形雑音レベルである。
送信帯、受信帯、およびその他の周波数バンドが、それぞれの帯域における利得を独立に変えられる程度に離れている場合がある。この場合であれば、送信帯利得を低下させずに帯域外利得Gboutを低減することにより帯域外雑音レベルfboutを低減することが可能である。上記の式(5)の右辺第1項からわかるように、Gboutを低下させれば帯域外雑音レベルfboutを低減できるからである。
しかしながら、送信帯、受信帯、およびその他の周波数バンドが互いに十分に離れてはいない場合がある。この場合、それぞれの帯域における利得を独立に変えることができない。具体的には、送信帯と受信帯が近い場合や、送信帯と他の周波数バンドとが近い場合である。他にも、マルチバンド電力増幅器において、複数の送信帯の間に受信帯やその他の周波数バンドが存在する場合もある。マルチバンド電力増幅器とは、広帯域な周波数特性を実現することにより複数の周波数バンドを共通の高周波信号増幅用トランジスタで増幅する増幅器をいう。これらの場合のように複数の周波数バンドが近いと、送信帯利得を低下させずに帯域外利得Gboutのみを低下させて帯域外雑音レベルfboutを低下させることは困難である。
ここで、上記の式(5)の右辺第2項にある非線形雑音レベルNnlについては、雑音発生源の一つであるバイアス回路に着目することができる。バイアス回路では受信帯およびその他の帯域の周波数成分をもつ雑音が発生する他に、送信帯と受信帯およびその他の周波数バンドとの差分の周波数をもつ雑音が発生する。複数の周波数バンドの差分の周波数のことを「差周波」ともいう。上記の各実施の形態にかかる電力増幅器21は、バイアス回路からの差周波を持つ雑音を低減することに着目したものである。
上記の各実施の形態にかかる電力増幅器21では、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1の信号入力側とハイバンド側バイアス回路111との間およびローバンド増幅用トランジスタPAL1とローバンド側バイアス回路112との間それぞれに、LC直列共振回路115a〜115gおよびLC並列共振回路215a〜215dそれぞれを接続することができる。これにより、差周波fdをもつ雑音が、ハイバンド増幅用トランジスタPAH1およびローバンド増幅用トランジスタPAL1へ入力されるのを抑制することができる。このように、電力増幅器21によれば、送信帯利得を低下させることなく帯域外雑音を抑制することができる。
なお、前述したように、「差周波」とは、無線通信装置10で取り扱う送信帯と受信帯その他の周波数バンドとの差分の周波数である。フィルタ60の阻止帯域の定め方、言い換えれば、中心周波数fc、遮断周波数f1、f2の定め方は、除去すべき差周波の範囲に合致させることが必要である。具体的には、共振周波数frs、frpが差周波fdの付近となるように、LC直列共振回路およびLC並列共振回路を設計することが必要である。
例えば、高周波数帯についてみると、ある1つの周波数帯割り当てが、送信周波数帯1920〜1940[MHz]と受信周波数帯2110〜2130[MHz]と定められる。この場合、送信帯と受信帯との間の差分は、170〜210[MHz]である。また、海外通信規格の1つによれば、高周波数帯割り当てが、送信周波数帯1710〜1720[MHz]と受信周波数帯2110〜2120[MHz]と定められる。この場合、送信帯と受信帯との間の差分は、390〜410[MHz]である。
従って、高周波数帯における差周波fd(高域側差周波fdh)を除去する観点からは、阻止帯域が170〜210[MHz]と390〜410[MHz]の一方又は両方を含むフィルタを用いることが好ましい。LC直列共振回路およびLC並列共振回路の共振周波数が、170〜210[MHz]又は390〜410[MHz]の範囲内、特に高域側差周波fdhの近傍となるように、インダクタおよびキャパシタを選定することが好ましい。
また、低周波数帯についてみると、ある1つの周波数帯割り当ては、送信周波数帯830〜845[MHz]と受信周波数帯875〜890[MHz]と定められる。この場合、送信帯と受信帯との間の差分は、30〜50[MHz]である。また、他の1つの低周波数帯割り当ては、送信周波数帯825〜830[MHz]と受信周波数帯870〜875[MHz]と定められる。この場合、送信帯と受信帯との間の差分は、40〜50[MHz]である。
従って、低周波数帯における差周波fd(低域側差周波fdl)を除去する観点からは、阻止帯域が30〜50[MHz]と40〜50[MHz]の一方又は両方を含むフィルタを用いることが好ましい。LC直列共振回路およびLC並列共振回路の共振周波数が、30〜50[MHz]又は40〜50[MHz]の範囲内、特に低域側差周波fdlの近傍となるように、インダクタおよびキャパシタを選定することが好ましい。
また、中周波数帯についてみると、ある1つの周波数帯割り当ては、送信周波数帯1764.9〜1784.9[MHz]と受信周波数帯1859.9〜1879.9[MHz]と定められる。この場合、送信帯と受信帯との間の差分は、75〜95[MHz]である。また、他の1つの低周波数帯割り当ては、送信周波数帯1754.9〜1759.9[MHz]と受信周波数帯1849.9〜1854.9[MHz]と定められる。この場合、送信帯と受信帯との間の差分は、90〜100[MHz]である。
従って、中帯域周波数における差周波fd(中帯域側差周波fdm)を除去する観点からは、阻止帯域が75〜100[MHz]、75〜95[MHz]、および90〜100[MHz]のうち1つ或いは複数の帯域を含むフィルタを用いることが好ましい。LC直列共振回路およびLC並列共振回路の共振周波数が、75〜100[MHz]の範囲内、特に中帯域側差周波fdmの近傍となるように、インダクタおよびキャパシタを選定することが好ましい。
上記の高域側差周波fdh、中帯域側差周波fdm、および低域側差周波fdlのうち複数の差周波を1つのフィルタで阻止しようとする場合には、その複数の差周波の中間周波数付近にフィルタ115の中心周波数fc(実施の形態では、LC直列共振回路およびLC並列共振回路の共振周波数)を設けることが好ましい。
なお、上述した各実施の形態によれば、電力増幅器21およびこれを備えた無線通信装置10が提供される。ここで、電力増幅器21を含む無線通信装置10内の一部のブロックを、1つの高周波集積回路としてパッケージ化し、提供しても良い。
高周波用集積回路として提供される単位は様々である。例えば、電力増幅器21および周波数選局部22を1つの集積回路として提供してもよい。あるいは、RF部20(電力増幅器21、周波数選局部22、受信器23)を1つの集積回路として提供してもよく、これらにさらに分波器16を加えたものを1つの集積回路として提供しても良い。
なお、上述した各実施の形態では、電力増幅器21を、主として携帯電話または携帯通信端末として用いられる無線通信装置10に搭載している。しかしながら本発明はこれに限られない。携帯電話および携帯通信端末に限られず、電力増幅器21をパーソナルコンピュータ、移動体通信装置、または衛星通信システム等の無線通信部に搭載しても良い。
より詳細には、衛星通信装置、マイクロ波通信装置、レーダ装置、GPS(全地球測位システム)装置、自動車等に搭載する移動体通信装置、基地局、携帯電話、データ通信装置、WiMAX(登録商標)に用いられる固定無線通信装置、または測定器が備える無線通信部に、電力増幅器21を搭載しても良い。
10 無線通信装置、12、14 アンテナ、16 分波器、20 RF部、21 電力増幅器、22 周波数選局部、23 受信器、24 入力信号端子、25 出力信号端子、26 制御回路、27 制御端子、30 ベースバンド部、31 変調器、31a D/A変換器、32 CODEC、33 復調器、33a A/D変換器、40 アプリケーション部、41 制御部、42 メモリ、43 画像処理部、44 ゲーム部、45 撮影機能部、46 音源、47 GPS機能部、48 TV機能部、50 インターフェース部、51 マイク、52 キーパッド、53 スピーカ、54 表示装置、60 フィルタ、100、100a、100b、100c、100d 電力増幅器本体部、101、102、131 入力端子、103 ハイバンド入力整合回路、104 ローバンド入力整合回路、107 ハイバンド出力整合回路、108 ローバンド出力整合回路、109、110、135 出力端子、111 ハイバンド側バイアス回路、111v 可変バイアス回路、112 ローバンド側バイアス回路、115 フィルタ、115a、115b、115c、115e、115f、115g LC直列共振回路、116、117、136 接続点、120 ハイバンド増幅回路、122 ローバンド増幅回路、133 中帯域側バイアス回路、134 中帯域増幅回路、200、200a、200b、200c、200d 電力増幅器本体部、215 帯域阻止フィルタ、215a、215b、215c、215d LC並列共振回路、BC バイアス制御端子、GND グランド端子、PAH ハイバンド増幅用トランジスタ、PAL ローバンド増幅用トランジスタ、SW1、SW11、SW2、SW21、SW22、SW23、SW3 スイッチ、SWB バイアス回路スイッチ、SWP1,SWP2 増幅回路切替スイッチ、TX 送信信号、RX 受信信号

Claims (12)

  1. 第1増幅素子を含む第1増幅回路と、
    第2増幅素子を含む第2増幅回路と、
    前記第1増幅素子の信号入力側および前記第2増幅素子の信号入力側にそれぞれ供給すべきバイアスを生成する1つ又は複数のバイアス回路と、
    前記バイアスを通過させる通過帯域と、前記通過帯域より高い周波数域に設けられた阻止帯域と、を備えたフィルタと、
    前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間または前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間に、択一的に前記フィルタを接続させるスイッチと、
    を備えることを特徴とする電力増幅器。
  2. 増幅すべき信号を受ける入力信号端子と、
    前記入力信号端子に対して、前記第1増幅回路の信号入力側と前記第2増幅回路の信号入力側を択一的に接続する増幅回路切替スイッチと、
    前記スイッチの切替と前記増幅回路切替スイッチの切替とを連動させる回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力増幅器。
  3. 前記フィルタは、阻止帯域が可変であることを特徴とする請求項1または2に記載の電力増幅器。
  4. 前記フィルタは、一端が前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間または前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間に択一的に接続し他端がグランドに接続するバンドパスフィルタを、含み、
    前記バンドパスフィルタは、前記阻止帯域の信号を前記グランドへ通過させかつ前記通過帯域の信号を通過させない周波数特性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力増幅器。
  5. 前記バイアス回路が、バイアスの大きさを変更可能な可変バイアス回路を含み、
    前記可変バイアス回路を前記第1増幅素子の信号入力側または前記第2増幅素子の信号入力側に択一的に接続するバイアス回路スイッチを、
    さらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力増幅器。
  6. 前記フィルタは、インダクタおよびキャパシタが接続されたLC共振回路を、含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力増幅器。
  7. 前記LC共振回路は、前記インダクタおよび前記キャパシタが直列に設けられたLC直列共振回路を、含み、
    前記スイッチは、前記LC直列共振回路の一端を、前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路との間または前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路との間に択一的に接続させ、
    前記LC直列共振回路の他端がグランドと接続することを特徴とする請求項6に記載の電力増幅器。
  8. 前記LC共振回路は、前記インダクタおよび前記キャパシタが並列に設けられたLC並列共振回路を、含み、
    前記スイッチは、前記第1増幅素子および前記第2増幅素子それぞれの信号入力側を、択一的に、前記LC並列共振回路を介して前記バイアス回路に直列接続することを特徴とする請求項6または7に記載の電力増幅器。
  9. 前記フィルタは、抵抗、インダクタ、およびキャパシタが接続されたRLC共振回路を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電力増幅器。
  10. アンテナと、
    第1増幅素子を含む第1増幅回路と、
    第2増幅素子を含む第2増幅回路と、
    前記第1増幅素子の信号入力側および前記第2増幅素子の信号入力側にそれぞれ供給すべきバイアスを生成する1つ又は複数のバイアス回路と、
    前記バイアスを通過させる通過帯域と、前記通過帯域より高い周波数域に設けられた阻止帯域と、を備えたフィルタと、
    前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間または前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路の間に、択一的に前記フィルタを接続させるスイッチと、
    前記アンテナと前記第1増幅回路および前記第2増幅回路との間の接続を切り替える増幅回路切替スイッチと、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  11. 前記アンテナを介して受信信号を受信する受信器をさらに備え、
    前記第1増幅回路および前記第2増幅回路は、前記アンテナを介して送信すべき送信信号を増幅し、
    前記阻止帯域内に、
    前記受信信号の周波数と前記第1増幅回路で増幅する送信信号の周波数との差分の周波数である第1差周波と、
    前記受信信号の周波数と前記第2増幅回路で増幅する送信信号の周波数との差分の周波数である第2差周波と、
    の両方が含まれることを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
  12. 前記第1増幅回路が前記アンテナと接続するときに前記第1増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路との間に前記フィルタを接続させ、前記第2増幅回路が前記アンテナと接続するときに前記第2増幅素子の信号入力側と前記バイアス回路との間に前記フィルタを接続させるように、前記スイッチと前記増幅回路切替スイッチとを連動させる回路を、
    さらに備えることを特徴とする請求項10または11に記載の無線通信装置。
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