JP2014234309A - 糸継装置、巻取ユニット、繊維機械及び糸継方法 - Google Patents

糸継装置、巻取ユニット、繊維機械及び糸継方法 Download PDF

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Abstract

【課題】糸の解撚の不具合を検出できる糸継装置、巻取ユニット、繊維機械及び糸継方法を提供する。
【解決手段】糸継装置10は、分断された糸の糸端YA,YBのそれぞれを取り込んで解撚する第1解撚部40A及び第2解撚部40Bと、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bのそれぞれによって解撚された糸端YA,YB同士を撚り合わせる糸継部50と、を備え、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bのそれぞれには、糸端YA,YBの解撚状態を監視する解撚監視部が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、糸継装置、巻取ユニット、繊維機械及び糸継方法に関する。
自動ワインダ等の繊維機械に搭載される糸継装置においては、分断された糸の糸端を解撚部に取り込んで糸を解撚した後、糸端同士を継ぐ。糸を解撚する方法としては、圧縮空気を糸に作用させて糸を解撚するものがある。このとき、糸の解撚が不十分であると、糸端同士を継いだときに、糸の継ぎ目が弱くなるといった不具合が生じるおそれがある。
上記の糸の解撚方法において、糸の解撚が不十分となる一つの要因としては、糸を解撚する圧縮空気の供給の不具合が挙げられる。これについて、例えば特許文献1に記載の糸継装置では、糸を解撚する解撚部に圧縮空気を供給する管の圧力を圧力センサーで検出し、管内の圧力の低下を検出した場合には、圧縮空気の供給を制御する電磁弁に欠陥がある判断している。これにより、特許文献1の糸継装置では、糸の解撚が不十分となることを抑制している。
特許第4727918号公報
しかしながら、糸の解撚が不十分となる要因としては、必ずしも圧縮空気の供給によるものとは限らず、様々な要因が存在する。そのため、糸継装置においては、糸自体の解撚の不具合を検出することが求められている。
そこで、本発明は、糸の解撚の不具合を検出できる糸継装置、巻取ユニット、繊維機械及び糸継方法を提供することを目的とする。
本発明の糸継装置は、糸端同士を継ぐ糸継装置であって、分断された糸の糸端を取り込んで解撚する解撚部と、解撚部によって解撚された糸端同士を撚り合わせる糸継部と、を備え、解撚部には、糸端の解撚状態を監視する解撚監視部が設けられている。
この糸継装置では、解撚部に糸の解撚状態を監視する解撚監視部が設けられている。これにより、糸継装置では、糸自体の解撚状態を把握することができる。したがって、糸継装置では、糸の解撚の不具合を検出できる。その結果、糸継装置では、糸の継ぎ目に不具合が発生することを抑制できる。
一実施形態においては、解撚部は、糸端を取り込む空間を有し、当該空間に圧縮空気が供給され、解撚監視部は、空間内の糸端の解撚状態を監視してもよい。これにより、糸継装置では、糸端が解撚される位置で糸端の解撚状態を監視できる。したがって、糸継装置では、解撚作業の最中又は解撚作業の直後に、糸の解撚の不具合を検出できる。
一実施形態においては、解撚部には、空間に圧縮空気を噴射する噴射孔が設けられており、解撚監視部は、噴射孔から噴射される圧縮空気の流れ方向において、噴射孔よりも下流側に配置されていてもよい。これにより、糸継装置では、圧縮空気により、解撚監視部に繊維が付着したり堆積したりすることを抑制できる。したがって、糸継装置では、解撚監視部の糸端の検出精度の低下を抑制できる。
一実施形態においては、解撚監視部は、投光部と受光部とを備える光学式センサーであってもよい。これにより、糸継装置では、非接触で糸端の位置を検出できる。
一実施形態においては、投光部及び受光部は、解撚部における圧縮空気の流れ方向において、複数配置されていてもよい。糸端は、解撚部において圧縮空気により解撚されると、長さが長くなる。糸継装置では、投光部及び受光部が複数配置されているため、例えば糸端が解撚されていない未解撚状態、すなわち糸端が伸びてない状態や、糸端が解撚され過ぎた過剰解撚状態、すなわち糸端が伸び過ぎた状態を検出できる。したがって、糸継装置では、糸端の解撚の不具合を良好に検出できる。
本発明の巻取ユニットは、上記の糸継装置と、糸を供給する給糸部と、糸を巻き取る巻取部と、給糸部側の糸端を捕捉し、当該糸端を糸継装置に案内する第1案内部と、巻取部側の糸端を捕捉し、当該糸端を糸継装置に案内する第2案内部と、を備える。
この巻取ユニットでは、上記の糸継装置を備えている。これにより、巻取ユニットでは、糸端の解撚に不具合が生じている状態で糸端同士が糸継ぎされることを防止できる。したがって、巻取ユニットでは、継ぎ目に不具合のある糸が巻取部に巻き取られることを防止できるため、巻取部で巻き取られる糸の品質を維持できる。
一実施形態においては、解撚部、糸継部、第1案内部及び第2案内部の動作を制御する制御部を備え、制御部は、解撚監視部の監視結果に基づいて糸端の解撚の成否を判断する判断部を有し、判断部により糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合には、糸継装置における糸継作業を停止させてもよい。これにより、巻取ユニットでは、解撚が不十分な糸端が糸継されることを防止できる。
一実施形態においては、判断部は、解撚を開始する前の糸端の長さと解撚を終了したときの糸端の長さとに基づいて、糸端の解撚の成否を判断してもよい。これにより、巻取ユニットでは、糸端の解撚の成否を精度良く判断できる。
一実施形態においては、判断部は、糸端の解撚を開始したときから糸端の解撚が終了するまでに飛散した糸の量に基づいて、糸端の解撚の成否を判断してもよい。これにより、巻取ユニットでは、糸端の解撚の成否を精度良く判断できる。
本発明の繊維機械は、上記の巻取ユニットと、巻取ユニットのそれぞれの制御部を統制する上位制御部と、巻取ユニットの動作状況を表示する表示部と、を備え、判断部によって糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合に、その旨を表示部に表示する。
この繊維機械では、判断部によって糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合には、その旨を表示部に表示する。これにより、繊維機械では、どの巻取ユニットの糸継装置において解撚の不具合が発生しているのかを容易に特定することができる。
本発明の糸継方法は、糸端同士を継ぐ糸継方法であって、分断された糸の糸端を取り込んで解撚する解撚工程と、解撚工程において解撚された糸端同士を撚り合わせる糸継工程と、解撚工程において糸端の解撚状態を監視する監視工程と、監視工程における糸端の解撚状態の監視結果に基づいて、糸端の解撚の成否を判断する判断する判断工程と、を含み、判断工程において糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合には、糸継作業を停止する。
この糸継方法では、監視工程における糸端の解撚状態の監視結果に基づいて、糸端の解撚の成否を判断する判断する判断工程を含み、糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合には糸継作業を停止する。これにより、糸継方法では、解撚が不十分な糸端が糸継ぎされることを防止できる。したがって、糸継方法では、継ぎ目の弱い糸や外観の悪い継ぎ目が巻き取られることを防止でき、品質の低下を防止できる。
一実施形態においては、判断工程では、解撚を開始する前の糸端の長さと解撚を終了したときの糸端の長さとに基づいて、糸端の解撚の成否を判断してもよい。これにより、糸継方法では、糸端の解撚の成否を精度良く判断できる。
一実施形態においては、判断工程では、糸端の解撚を開始したときから糸端の解撚が終了するまでに飛散した糸の量に基づいて、糸端の解撚の成否を判断してもよい。これにより、糸継方法では、糸端の解撚の成否を精度良く判断できる。
本発明によれば、糸の解撚の不具合を検出できる。
本発明の一実施形態の巻取ユニットの正面図である。 図1の糸継装置の縦断面図である。 解撚部の断面構成を示す図である。 糸巻ユニットの構成を示す図である。 解撚状態を示す図である。 他の実施形態に係る解撚部の断面構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[巻取ユニットの構成]
図1に示されるように、巻取ユニット1は、給糸ボビンBからパッケージPに糸Yを巻き取る。給糸ボビンBは、前工程の精紡機で形成され、例えば、トレーにセットされた状態で精紡機から搬送される。なお、複数の巻取ユニット1が並設されることにより、繊維機械である自動ワインダが構成される。
巻取ユニット1には、ボビン支持部(給糸部)2、糸解舒補助装置3、プレクリアラ4、ゲート式テンサ5、テンションセンサ6、下糸捕捉装置(第1案内部)7、糸継装置10、カッター9、ヤーンクリアラ11、上糸捕捉装置(第2案内部)12及び巻取部13が、糸Yの走行経路である糸道に沿って上流側(ここでは、下側)からこの順序で設けられている。これらの各構成は、機台8に取り付けられている。
ボビン支持部2は、給糸ボビンBを直立させた状態で支持し、糸Yを供給する。糸解舒補助装置3は、給糸ボビンBの上方に配置された筒状部材によって、給糸ボビンBから解舒された糸Yのバルーンを制御する。ゲート式テンサ5は、櫛歯状の固定ゲート及び可動ゲートからなる一対のゲートによって糸Yをジグザグ状に保持することで、走行する糸Yに所定テンションを付与する。テンションセンサ6は、ゲート式テンサ5によって付与された糸Yのテンションを測定する。
プレクリアラ4は、糸道を挟んで所定間隔で配置された一対の規制部材によって、規定値よりも大きい糸欠点の通過を予め規制する。ヤーンクリアラ11は、糸Yの巻取中にスラブ等の糸欠点を検出する。カッター9は、プレクリアラ4によって糸欠点の通過が規制されたとき、或いはヤーンクリアラ11によって糸欠点が検出されたときに、糸Yを切断する。糸継装置10は、カッター9による糸Yの切断時、或いは糸Yの糸切れ時に、パッケージP側の糸端と給糸ボビンB側の糸端とを継ぐ。
下糸捕捉装置7は、軸線αを中心として回動可能に機台8に取り付けられており、その回動端には吸引口7aが設けられている。吸引口7aは、糸継装置10の上部とプレクリアラ4の下部との間で回動させられる。下糸捕捉装置7は、カッター9による糸Yの切断時、或いは糸Yの糸切れ時に、プレクリアラ4の下部側に吸引口7aを回動させて吸引口7aで下側の糸端を吸引し、その後、糸継装置10の上部側に吸引口7aを回動させて下側の糸端を糸継装置10に案内して引き渡す。
上糸捕捉装置12は、軸線βを中心として回動可能に機台8に取り付けられており、その回動端には吸引口12aが設けられている。吸引口12aは、糸継装置10の下部と巻取部13との間で回動させられる。上糸捕捉装置12は、カッター9による糸Yの切断時、或いは糸Yの糸切れ時に、巻取部13側に吸引口12aを回動させて吸引口12aで上側の糸端を吸引し、その後、糸継装置10の下部側に吸引口12aを回動させて上側の糸端を糸継装置10に案内して引き渡す。
巻取部13は、給糸ボビンBから解舒された糸YをパッケージPに巻き取って満巻のパッケージPを形成する。巻取部13は、ドラム溝14aが形成された巻取ドラム14、及びパッケージPを回転可能に支持するクレードル15を有している。クレードル15は、パッケージPの表面を巻取ドラム14の表面に対して適切な接圧で接触させる。巻取部13は、モータで巻取ドラム14を駆動回転させてパッケージPを従動回転させることにより、糸Yを所定幅で綾振りしつつ糸YをパッケージPに巻き取っていく。
機台8には、制御部16、入力部17及び表示部18が設けられている。制御部16は、巻取ユニット1の各構成を制御する。入力部17は、例えば操作ボタン等であり、オペレータが制御部16に対して種々の値を設定する際等に使用される。表示部18は、巻取ユニット1の動作状況等を表示する。なお、制御部16は、自動ワインダが備える上位制御部との間で、ワインディング動作に関する種々の情報を送受信する。上位制御部は、各巻取ユニット1の制御部16を統制し、自動ワインダの全体を制御する。
[糸継装置の構成]
次に、上述した糸継装置10の構成について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、パッケージP側を上側、給糸ボビンB側を下側、糸継装置10に対して糸道側を前側、その反対側を後側という。
図2に示されるように、糸継装置10は、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bと、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bの前側に配置された糸継部50と、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bを挟むように旋回する一対の糸寄せレバー81と、糸継部50を挟むように旋回する一対の撚り止めレバー82と、を備えている。糸継装置10は、その各構成を支持するフレーム体を介して機台8に取り付けられている。
第1解撚部40A及び第2解撚部40Bの上側及び下側には、糸継部50を挟んで対向するように第1ガイド板21及び第2ガイド板22がそれぞれ配置されている。第1ガイド板21には、ガイド溝21a及びガイド溝21bが形成されており、第2ガイド板22には、ガイド溝22a及びガイド溝22bが形成されている。第1ガイド板21のガイド溝21aは、上下方向において第2ガイド板22のガイド溝22aと対向しており、第1ガイド板21のガイド溝21bは、上下方向において第2ガイド板22のガイド溝22bと対向している。
上下方向において対向するガイド溝21a及びガイド溝22aには、糸寄せレバー81によって引き寄せられた上側の糸端YA(すなわち、上糸捕捉装置12によって案内された上側の糸端YA)が導入される。一方、上下方向において対向するガイド溝21b及びガイド溝22bには、糸寄せレバー81によって引き寄せられた下側の糸端YB(すなわち、下糸捕捉装置7によって案内された下側の糸端YB)が導入される。
第1ガイド板21の上側には、第1把持部60Aが設けられており、第2ガイド板22の上側には、第1切断部70Aが設けられている。第1把持部60Aは、ガイド溝21aに導入された上側の糸端YAを第1把持位置69Aで把持する。第1切断部70Aは、第1把持部60Aによって上側の糸端YAが把持された状態で、ガイド溝22aに導入された上側の糸端YAを第1切断位置79Aで切断する。
更に、第2ガイド板22の下側には、第2把持部60Bが設けられており、第1ガイド板21の下側には、第2切断部70Bが設けられている。第2把持部60Bは、ガイド溝22bに導入された下側の糸端YBを第2把持位置69Bで把持する。第2切断部70Bは、第2把持部60Bによって下側の糸端YBが把持された状態で、ガイド溝21bに導入された下側の糸端YBを第2切断位置79Bで切断する。
以上により、第1ガイド板21は、第1把持部60Aと第1切断部70Aとの間に配置されることになり、第1把持部60Aと第1切断部70Aとが対向する方向(すなわち、糸道に沿った方向)に垂直な第1方向(ここでは、左右方向)への上側の糸端YAの移動を規制する。また、第2ガイド板22は、第2把持部60Bと第2切断部70Bとの間に配置されることになり、第2把持部60Bと第2切断部70Bとが対向する方向(すなわち、糸道に沿った方向)に垂直な第2方向(ここでは、左右方向)への下側の糸端YBの移動を規制する。
第1解撚部40Aは、第1把持部60Aによって上側の糸端YAが把持された状態で、第1切断部70Aによって切断された上側の糸端YAを取り込んで解撚する。図2及び図3に示すように、第1解撚部40Aには、糸端YAが解撚される解撚空間Sに連通する噴射孔44が設けられている。噴射孔44は、第1解撚部40Aにおける糸端YAの導入口40Aa側(図示右側)に配置されている。噴射孔44は、例えば導入口40Aaから5mm程度入り込んだ位置に配置されている。噴射孔44は、解撚用エアー(圧縮空気)を解撚空間Sに噴射する。噴射孔44には、図示しないエアー供給源が接続されている。
第2解撚部40Bは、第2把持部60Bによって下側の糸端YBが把持された状態で、第2切断部70Bによって切断された下側の糸端YBを取り込んで解撚する。図2及び図3に示すように、第2解撚部40Bには、糸端YBが解撚される解撚空間Sに連通する噴射孔44が設けられている。噴射孔44は、第2解撚部40Bにおける糸端YBの導入口40Ba側に配置されている。
図3に示すように、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bのそれぞれには、解撚監視部である第1センサー90及び第2センサー92が設けられている。第1センサー90は、光学式センサーであり、投光部90aと、受光部90bと、を備えている。投光部90a及び受光部90bは、解撚空間Sを挟んで互いに対向する位置に配置されている。第2センサー92は、光学式センサーであり、投光部92aと、受光部92bと、を備えている。投光部92a及び受光部92bは、解撚空間Sを挟んで互いに対向する位置に配置されている。第1解撚部40Aと第2解撚部40Bとは、同様の構成を有している。以下では、第1解撚部40Aを一例に説明する。
第1センサー90は、第1解撚部40Aにおける糸端YAの導入口40Aa側に配置されている。第1センサー90は、噴射孔44よりも解撚空間Sにおける解撚用エアーの流れ方向の下流側に配置されている。第2センサー92は、第1センサー90よりも解撚用エアーの流れ方向の下流側に配置されている。すなわち、第1解撚部40Aでは、噴射孔44、第1センサー90及び第2センサー92が、導入口40Aa側からこの順に配置されている。
第1センサー90及び第2センサー92は、糸端YAを検出する。第1センサー90は、投光部90aと受光部90b(投光部92aと受光部92b)との間に糸端YAが位置すると、検出信号を出力する。第1センサー90及び第2センサー92は、検出信号を制御部16の判断部19に出力する。
図4に示すように、制御部16は、判断部19を有している。判断部19は、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bにおける糸端YA,YBの解撚の成否を判断する。判断部19は、第1センサー90及び第2センサー92から出力された検出結果(監視結果)を受け取ると、この検出結果に基づいて、糸端YA,YBの解撚の成否を判断する。具体的には、判断部19は、糸端YA,YBの解撚を開始する前の長さと、糸端YA,YBの解撚を終了したときの長さとに基づいて、糸端YA,YBの解撚の成否を判断する。
判断部19は、図5(b)に示すように、第1センサー90により糸端YA,YBが検出され、且つ、第2センサー92により糸端YA,YBが検出されない場合に、糸端YA,YBの解撚が異常無く実施されていると判断する。一方、判断部19は、図5(a)に示すように、第1センサー90により糸端YA,YBが検出されない場合には、糸端YA,YBが解撚されていない未解撚(すなわち解撚に不具合が発生している)であると判断する。また、判断部19は、図5(c)に示すように、第2センサー92により糸端YA,YBが検出された場合には糸端YA,YBが過剰解撚(すなわち解撚に不具合が発生している)であると判断する。なお、判断部19は、第2センサー92により所定時間連続して糸端YA,YBが検出された場合に、糸端YA,YBが過剰解撚であると判断する。すなわち、判断部19は、第2センサー92により単発的且つ所定時間未満で糸端YA,YBが検出された場合には、例えば糸端YA,YBから飛散した繊維であると判断する。
また、判断部19は、第2センサー92により所定時間連続して糸端YA,YBが検出された後、第1センサー90にのみ糸端YA,YBが検出された場合には、糸端YA,YBの先端が飛散したと判断して過剰解撚であると判断する。
判断部19は、糸端YA,YBの解撚に不具合が生じていると判断した場合には、表示部17にその旨を示す警告信号を出力する。表示部17は、判断部19から出力された警告信号を受け取ると、糸端YA,YBの解撚に不具合が発生している(解撚状態が良好でない)旨を示す表示を行う。このとき、表示部17の表示に合わせて、警告音を鳴らしてもよい。また、制御部16は、判断部19から警告信号が出力された場合には、糸継装置10における糸継作業を停止させる。
図2に戻って、糸継部50は、第1把持部60Aによって上側の糸端YAが把持され、かつ第2把持部60Bによって下側の糸端YBが把持された状態で、第1解撚部40Aによって解撚された上側の糸端YAと、第2解撚部40Bによって解撚された下側の糸端YBとを撚り合わせる。糸継部50において糸端YAと糸端YBとを撚り合わせる際には、糸寄せレバー81によって糸端YA及び糸端YBが第1解撚部40A及び第2解撚部40Bから引き出され、撚り止めレバー82によって糸端YA及び糸端YBの先端部分が糸継部50の近傍において押さえられる。
[糸継装置の動作]
次に、上述した糸継装置10の動作(すなわち、糸継装置10において実施される糸継方法)について説明する。
図2に示されるように、糸寄せレバー81が第1解撚部40A及び第2解撚部40B側に旋回することにより、上糸捕捉装置12によって案内された上側の糸端YA、及び下糸捕捉装置7によって案内された下側の糸端YBが、第1解撚部40A及び第2解撚部40B側に引き寄せられる。これにより、上側の糸端YAは、第1ガイド板21のガイド溝21a、第2ガイド板22のガイド溝22a、及び糸継部50の糸継ノズル51に導入される。同様に、下側の糸端YBは、第1ガイド板21のガイド溝21b、第2ガイド板22のガイド溝22b、及び糸継部50の糸継ノズル51に導入される。なお、上側の糸端YA及び下側の糸端YBは、糸継ノズル51への導入において、ガイド傾斜部53を介して収容部52に配置される。
続いて、第1ガイド板21のガイド溝21aに導入された上側の糸端YAは、ガイド溝21a近傍において第1把持部60Aによって把持される。同様に、第2ガイド板22のガイド溝22bに導入された下側の糸端YBは、ガイド溝22b近傍において第2把持部60Bによって把持される。続いて、第2ガイド板22のガイド溝22aに導入された上側の糸端YAは、第1把持部60Aによって把持された状態で、ガイド溝22a近傍において第1切断部70Aによって切断される。同様に、第1ガイド板21のガイド溝21bに導入された下側の糸端YBは、第2把持部60Bによって把持された状態で、ガイド溝21b近傍において第2切断部70Bによって切断される。
続いて、第1解撚部40Aが解撚ノズル43内に噴射孔44から解撚用エアーを噴射することにより、第1切断部70Aによって切断された上側の糸端YAは、第1把持部60Aによって把持された状態で、第1解撚部40Aによって取り込まれて解撚される(解撚工程)。同様に、第2解撚部40Bが解撚ノズル43内に噴射孔44から解撚用エアーを噴射することにより、第2切断部70Bによって切断された下側の糸端YBは、第2把持部60Bによって把持された状態で、第2解撚部40Bによって取り込まれて解撚される(解撚工程)。
このとき、糸端YA,YBが、第1センサー90及び第2センサー92により検出される(監視工程)。判断部19は、第1センサー90及び第2センサー92から出力される検出結果に基づいて、糸端YA,YBの解撚の成否を判断する(判断工程)。判断部19により糸端YA,YBの解撚が良好に行われていると判断された場合には、作業を続行する。一方、判断部19により糸端YA,YBの解撚に不具合が発生していると判断された場合には、表示部17に警告が表示される。これと同時に、制御部16により糸継装置10における糸継作業が停止される。
第1解撚部40A及び第2解撚部40Bにより糸端YA,YBの解撚が行われると、糸寄せレバー81が第1解撚部40A及び第2解撚部40B側に更に旋回することにより、上側の糸端YAが第1解撚部40Aから引き出されると共に、下側の糸端YBが第2解撚部40Bから引き出される。そして、糸寄せレバー81と共に旋回した撚り止めレバー82によって、上側の糸端YAの先端部分及び下側の糸端YBの先端部分が糸継部50近傍において押さえられる。続いて、糸継部50が収容部52内に噴射孔54から糸継用エアーを噴射することにより、第1解撚部40Aによって解撚された上側の糸端YAと、第2解撚部40Bによって解撚された下側の糸端YBとが撚り合わされる(糸継工程)。このとき、上側の糸端YAは、第1把持部60Aによって把持された状態にあり、下側の糸端YBは、第2把持部60Bによって把持された状態にある。
続いて、糸寄せレバー81及び撚り止めレバー82が逆方向に旋回すると共に、第1把持部60A及び第2把持部60Bが把持を開放する。これにより、上側の糸端YAと下側の糸端YBとが継がれることで繋ぎ合わされた糸Yは、糸継装置10の前側の糸道上に復帰する。
[作用及び効果]
以上説明したように、糸継装置10では、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bのそれぞれに、第1センサー90及び第2センサー92が配置されている。第1センサー90及び第2センサー92は、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bの解撚空間Sのおける糸端YA,YBの位置を検出する。判断部19は、第1センサー90及び第2センサー92の検出結果に基づいて、糸端YA,YBの解撚状態、すなわち糸端YA,YBの解撚の成否を判断する。これにより、糸継装置10では、糸端YA,YBの解撚の不具合を検出できる。
本実施形態では、第1センサー90及び第2センサー92は、解撚用エアーの流れ方向において、解撚用エアーを噴出する噴射孔44よりも下流側に配置されている。これにより、糸継装置10では、解撚用エアーにより投光部90a,92a及び受光部90b,92bに繊維が付着したり堆積したりすることを抑制できる。したがって、糸継装置10では、糸端YA,YBの検出精度の低下を抑制できる。
また、本実施形態では、糸継装置10は、第1センサー90及び第2センサー92を備え、第1センサー90と第2センサー90とは、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bにおける糸端YA,YBの導入口40Aa,40Ba側からこの順に配置されている。これにより、巻取ユニット1の判断部19では、糸端YA,YBが第1センサー90により検出されない場合には、糸端YA,YBが未解撚であると判断し、糸端YA,YBが第2センサー92により検出された場合には、糸端YA,YBが過剰解撚であると判断する。したがって、巻取ユニット1では、糸端YA,YBの解撚の成否を良好に判断できる。
本実施形態では、判断部19は、糸端YA,YBの解撚に不具合が生じていると判断した場合には、表示部17にその旨を示す警告信号を出力し、表示部17は、糸端YA,YBの解撚に不具合が発生している(解撚状態が良好でない)旨を示す表示を行う。これにより、糸継装置10を備える自動ワインダでは、どの巻取ユニット1の糸継装置10において解撚の不具合が発生しているのかを容易に特定することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、解撚監視部として第1センサー90及び第2センサー92を配置しているが、センサーはいずれか一方だけが設けられた構成であってもよい。センサーを一つだけ配置する構成では、第1センサー90の位置に配置する場合には、糸端YA,YBが未解撚であるか否かを検出でき、第2センサー92の位置に配置する場合には、過剰解撚であるか否かを検出できる。
また、上記実施形態に加えて、第3センサーを配置する構成であってもよい。第3センサーは、第2センサー92よりも更に解撚用エアーの流れ方向の下流側に配置する。第3センサーは、解撚により飛散した繊維を検出する。判断部は、第2センサー92により所定時間連続して糸端YA,YBが検出された後、第3センサーにより繊維の飛散が検出され、且つ、第1センサー90にのみ糸端YA,YBが検出された場合には、糸端YA,YBの先端が飛散したと判断して過剰解撚であると判断する。
また、糸継装置は、第3センサーのみを有する構成であってもよい。このとき、判断部は、糸端YA,YBの解撚を開始したときから糸端YA,YBの解撚の終了するまでに飛散した糸(繊維)の量に基づいて、糸端YA,YBの解撚の成否を判断する。判断部19は、例えば、全く繊維の飛散が検出されない場合には、糸端YA,YBが未解撚であると判断する。判断部19は、繊維の飛散が検出された場合には、糸端YA,YBが解撚されていると判断する。更に、判断部19は、繊維の飛散が例えば所定回数以上検出された場合には、糸端YA,YBが過剰解撚であると判断する。
上記実施形態では、第1センサー90及び第2センサー92として透過型の光学式センサーを採用しているが、解撚監視部は、例えば反射型の光学式センサー等であってもよい。
上記実施形態では、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bの解撚空間S内における糸端YA,YBの位置を検出して解撚状態を判断しているが、例えば第1解撚部40A及び第2解撚部40Bの解撚空間S内に取り込まれた糸端YA,YBの画像又は映像を取得し、その画像又は映像に基づいて糸端の解撚状態を判断してもよい。
上記実施形態では、第1解撚部40A及び第2解撚部40Bのそれぞれに、解撚用エアーを噴射する噴射孔44が設けられている構成を一例に説明したが、解撚用エアーの噴射形態は他の形態であってもよい。図6は、他の実施形態に係る解撚部の断面構成を示す図である。図6に示すように、解撚部41には、解撚パイプ43Aの導入口41Aa側からエアー噴射部Aにより解撚用エアーが噴射される。解撚用エアーの噴射の形態は特に限定されない。
1…巻取ユニット、2…ボビン支持部(給糸部)、7…下糸捕捉装置(第1案内部)、10…糸継装置、12…上糸捕捉装置(第2案内部)、13…巻取部、16…制御部、18…表示部、19…判断部、40A…第1解撚部、40B…第2解撚部、44…噴射孔、50…糸継部、90…第1センサー(解撚監視部)、90a…投光部、90b…受光部、92…第2センサー(解撚監視部)、92a…投光部、92b…受光部、S…解撚空間。

Claims (13)

  1. 糸端同士を継ぐ糸継装置であって、
    分断された糸の前記糸端を取り込んで解撚する解撚部と、
    前記解撚部によって解撚された前記糸端同士を撚り合わせる糸継部と、を備え、
    前記解撚部には、前記糸端の解撚状態を監視する解撚監視部が設けられている、糸継装置。
  2. 前記解撚部は、前記糸端を取り込む空間を有し、当該空間に圧縮空気が供給され、
    前記解撚監視部は、前記空間内の前記糸端の解撚状態を監視する、請求項1記載の糸継装置。
  3. 前記解撚部には、前記空間に前記圧縮空気を噴射する噴射孔が設けられており、
    前記解撚監視部は、前記噴射孔から噴射される前記圧縮空気の流れ方向において、前記噴射孔よりも下流側に配置されている、請求項2記載の糸継装置。
  4. 前記解撚監視部は、投光部と受光部とを備える光学式センサーである、請求項2又は3記載の糸継装置。
  5. 前記投光部及び前記受光部は、前記解撚部における前記圧縮空気の流れ方向において、複数配置されている、請求項4記載の糸継装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の糸継装置と、
    糸を供給する給糸部と、
    前記糸を巻き取る巻取部と、
    前記給糸部側の糸端を捕捉し、当該糸端を前記糸継装置に案内する第1案内部と、
    前記巻取部側の糸端を捕捉し、当該糸端を前記糸継装置に案内する第2案内部と、を備える、巻取ユニット。
  7. 前記解撚部、前記糸継部、前記第1案内部及び前記第2案内部の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記解撚監視部の監視結果に基づいて前記糸端の解撚の成否を判断する判断部を有し、
    前記判断部により前記糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合には、前記糸継装置における糸継作業を停止させる、請求項6記載の巻取ユニット。
  8. 前記判断部は、解撚を開始する前の前記糸端の長さと解撚を終了したときの前記糸端の長さとに基づいて、前記糸端の解撚の成否を判断する、請求項7記載の巻取ユニット。
  9. 前記判断部は、前記糸端の解撚を開始したときから前記糸端の解撚が終了するまでに飛散した糸の量に基づいて、前記糸端の解撚の成否を判断する、請求項7記載の巻取ユニット。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項記載の巻取ユニットと、
    前記巻取ユニットのそれぞれの前記制御部を統制する上位制御部と、
    前記巻取ユニットの動作状況を表示する表示部と、を備え、
    前記判断部によって前記糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合に、その旨を前記表示部に表示する、繊維機械。
  11. 糸端同士を継ぐ糸継方法であって、
    分断された糸の前記糸端を取り込んで解撚する解撚工程と、
    前記解撚工程において解撚された前記糸端同士を撚り合わせる糸継工程と、
    前記解撚工程において前記糸端の解撚状態を監視する監視工程と、
    前記監視工程における前記糸端の解撚状態の監視結果に基づいて、前記糸端の解撚の成否を判断する判断する判断工程と、を含み、
    前記判断工程において前記糸端の解撚に不具合が発生していると判断された場合には、糸継作業を停止する、糸継方法。
  12. 前記判断工程では、解撚を開始する前の前記糸端の長さと解撚を終了したときの前記糸端の長さとに基づいて、前記糸端の解撚の成否を判断する、請求項11記載の糸継方法。
  13. 前記判断工程では、前記糸端の解撚を開始したときから前記糸端の解撚が終了するまでに飛散した糸の量に基づいて、前記糸端の解撚の成否を判断する、請求項11記載の糸継方法。
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