《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係る情報処理システムについて、図1〜図4に基づいて、詳細に説明する。図1には、第1の実施形態に係る情報処理システム1の構成がブロック図にて示されている。
図1に示すように、情報処理システム1は、電話機器10と、PC(Personal Computer)20とを備えている。情報処理システム1において、電話機器10とPC20は近距離通信や人体通信などにより通信し、連携して動作する。
(電話機器10)
電話機器10は、携帯電話やスマートフォンなどであり、通話機能のほか、電子メールの作成・送受信機能やインターネット接続機能、スケジュール管理機能などを有する。電話機器10は、図1に示すように、第1通信部11、第2通信部12、音声処理部13、表示部14、操作部15、記憶部16、GPS(Global Positioning System)モジュール17、制御部18等を備える。
第1通信部11は、無線通信回路やアンテナを有し、基地局からの無線チャネルを介して送信される信号をアンテナにより受信し、無線通信回路により周波数変換の処理を行い音声データとする。
第2通信部12は、例えばBluetooth(登録商標)、Felica(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)などの近接通信や、ユーザを介した人体通信などを行うものである。なお、本実施形態の第2通信部12は、電極部12aと、人体通信部12bとを有し、PC20(通信部21)との間で人体通信を行うものとする。
電極部12aは、信号電極とグラウンド電極とを有し、ユーザを介して人体通信を行うための電極である。この電極部12aは、ユーザの手に触れやすいように電話機器10の持ち手部分に設けられている。
人体通信部12bは、バンドパスフィルタを有する電気回路から構成される送信部を有し、送信するデータを変調して送信信号を生成する。なお、人体通信部に受信機能を持たせるようにしてもよい。本実施形態においては、ユーザが電話機器10により通話を行うタイミングで電話機器10とPC20との間の人体通信を成立させるものとする。
音声処理部13は、D/A変換や増幅を行うための回路を有し、不図示のスピーカから音声を出力する。また、ユーザの発話は、不図示のマイクロホンにより集音され、送信信号に変換されて音声処理部13に送信される。音声処理部13は送信信号の増幅やA/D変換を行ってデジタルデータとし、このデジタルデータを第1通信部11を介して基地局に送信する。
表示部14は、例えば液晶ディスプレイであり、例えば、日時の情報、Webの情報(Webページ)、スケジュールデータなどの各種情報を表示する。操作部15は、タッチパネルや仮想キーボードを含む。
記憶部16は、例えば不揮発性のフラッシュメモリを有し、各種プログラムのほか、電話番号のテーブルや、ユーザのスケジュールデータなどを記憶している。
GPSモジュール17は、電話機器10の位置(例えば緯度および経度)を検出するセンサである。
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、電話機器10全体を制御する。本実施形態においては、制御部18は、ユーザが通話を行うときに、制御部26に指示を出し、表示部14に表示されていた表示を表示部23に表示させたり、記憶部16に記憶されているデータ(例えば、スケジュールデータや、電話番号のテーブル)を表示部23に表示させたり、PC20に記憶されているスケジュールデータを表示部23に表示させたりする。
(PC20)
PC20は、デスクトップPCやノートPC、あるいはタブレット型PCなどであり、通信部21、表示部23、操作部24、記憶部25、および制御部26を有する。
通信部21は、近距離通信や人体通信により電話機器10と通信を行うものである。なお、本実施形態では、通信部21は、電極部21aと、人体通信部21bとを有しており、電話機器10との間で人体通信を行うものとする。
電極部21aは、信号電極とグラウンド電極とを有し、ユーザを介して人体通信を行うための電極である。この電極部21aは、ユーザの手に触れやすい位置、例えば、操作部24(キーボードやマウス)の一部に設けられているものとする。
人体通信部21bは、バンドパスフィルタを有する電気回路から構成される送信部を有し、送信するデータを変調して送信信号を生成する。なお、人体通信部は受信機能も有しているものとする。
表示部23は、例えば液晶ディスプレイであり、記憶部25に記憶されているデータを表示するなど各種表示を行うものである。また、本実施形態においては、表示部23は、電話機器10に関連した表示を行う。操作部24は、キーボード、マウス、タッチパネルなどである。
記憶部25は、例えば不揮発性のフラッシュメモリを有し、各種プログラムのほか、ユーザのスケジュールデータなどの各種データも記憶している。
制御部26は、CPU、ROM、RAM等を有し、PC20全体を制御する。本実施形態においては、制御部26は、電話機器10との通信が成立している場合に、電話機器10の制御部18からの指示に応じて、表示部23の表示を制御する。
(処理・動作)
次に、情報処理システム1における処理・動作について図2のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
図2は、PC20の制御部26の処理と、電話機器10の制御部18の処理とを示すフローチャートである。制御部26の処理と、制御部18の処理は同時並行的に実行される処理である。
図2の処理では、ステップS10において、PC20の制御部26が、電話機器10との人体通信が成立するまで待機する。すなわち、ユーザが、図3に示すように電話機器10を保持するとともに、PC20の操作部24に触れた状態になるまで待機する。ユーザが図3の状態になると、制御部26は、ステップS12に移行する。
ステップS12に移行すると、制御部26は、電話機器10に対し、電話機器10の情報(識別情報)及び電話機器10の状態(通話中か否か)を確認する。一方、電話機器10の制御部18は、ステップS102において、制御部26からの確認があるまで待機しているため、該確認があった段階で、ステップS104に移行し、電話機器10の情報(識別情報)及び電話機器10の状態をPC20(制御部26)に向けて送信する。なお、制御部18は、ユーザが電話機器10を用いた通話を行っている場合には、第2通信部12を介して、電話機器10の識別情報と通話中であることを制御部26に送信する。
これに対し、PC20の制御部26は、制御部18から情報を受信した後に、ステップS14において、電話機器10で通話が行われているか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS12に戻り、ステップS12,S14の処理・判断を繰り返す。すなわち、ステップS12、S14では、制御部26は、制御部18に対して電話機器10において通話中となったか否かを確認し続けているといえる。一方、ステップS14の判断が肯定された場合には、制御部26は、ステップS16に移行する。
ステップS16に移行すると、制御部26は、表示部23の表示を変更する。具体的には、制御部26は、表示部23にユーザのスケジュールに関する表示を行う。
図4(a)には、表示部23の表示を変更する前の状態が示され、図4(b)には、表示部23の表示を変更した後の状態が示されている。図4(b)の変更後の例では、制御部26は、表示部23の左半分に通話開始以前に表示していた画面(例えば文書ファイルの画面(図4(a)参照))を表示し、右半分に記憶部25に記憶されているユーザのスケジュールデータを表示するようにしている。なお、通話においては、スケジュールの確認を行う状況が頻繁に発生するが、ユーザが電話機器10を使用する際に例えば利き手で電話機器10を保持したとするとパソコンの操作がしにくくなる。このため、本実施形態のように、ユーザの通話中に、ユーザのスケジュールデータを表示部23に自動的に表示するようにすることで、ユーザはストレスを感じることなく通話に対応することができる。なお、制御部26は、ステップS16の表示変更を行うかどうかをユーザに選択させた後、表示変更を実行する(又は実行しない)ようにしてもよい。また、ユーザは、通話相手に応じて、表示変更を行うかどうかを予め設定しておいてもよい。
なお、制御部26は、PC20の記憶部25に記憶されているスケジュールデータを表示する場合に限らず、電話機器10の記憶部16に記憶されているスケジュールデータを受け取って、表示部23に表示するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、PC20の記憶部25にビジネスに関するスケジュールデータが記憶されており、電話機器10の記憶部16にプライベートのスケジュールが記憶されているような場合でも、漏れなく自分のスケジュールを認識することができる。なお、いずれか一方のスケジュールデータを表示する場合には、ユーザがいずれのデータを表示するかを適宜選択してもよいし、通話相手ごとにいずれのデータを表示するかを予め定めておいてもよい。また、制御部26は、記憶部16に記憶されている電話番号のリスト(テーブル)やメールアドレスのリストなどを表示するようにしてもよい。このようにすることで、通話相手を待たせることなく、共通の知り合いの電話番号やメールアドレスなどを通話相手に口頭で知らせることが可能となる。
更に、例えば、図4(c)に示すように、制御部26は、通話前に電話機器10の表示部14に表示されていた表示内容(例えばメニュー画面やWebページなど)を電話機器10側より受け取り、表示部23に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、電話機器10を耳に当てているため表示部14の表示を確認できない場合でも、表示部23を用いて電話機器10の表示を認識することができる。なお、電話機器10の表示部14に表示されていた表示内容がインターネット(Webページ)の表示である場合には、制御部26は、制御部18からそのURLを受け取り、不図示のインターネット回線を介してそのWebページの内容を取得し、表示部23に表示するようにすればよい。なお、PC20の表示部23に電話機器10の表示部14に表示されていた表示を行うときには、制御部18は、表示部14の表示を行わないこととする。すなわち、ユーザが通話中で、表示部14の表示を視認できないときには表示部14上に表示を行わないこととする。PC20の制御部26が電話機器10の記憶部16のデータを受け取ったり、表示部14の表示を表示部23に行う場合には、第2通信部12と、通信部21とによる人体通信や近接通信により行ってもよいし、無線通信を用いるようにしてもよい。
図2に戻り、PC20の制御部26は、ステップS16の後、ステップS18に移行し、操作代行が必要か否かを判断する。ここで、操作代行とは、電話機器10の操作部15の操作に代えて、PC20の操作部24による操作を行うことで、電話機器10における処理を実行させることを意味する。例えば、ユーザが通話前に電話機器10において電子メールを作成していた場合であれば、通話中に電子メールの作成操作をPC20の操作部24(キーボードやマウス)から行えるようにするものである。
なお、ステップS18では、制御部26は、例えば、表示部23にその旨の表示を行い、ユーザの意思を確認することで、操作代行が必要か否かを判断することとすればよい。ステップS18の判断が否定された場合(操作代行が不要な場合)には、制御部26は、ステップS28に移行するが、肯定された場合(操作代行が必要な場合)には、ステップS20に移行する。
ステップS20に移行すると、制御部26は、代行設定情報を電話機器10の制御部18に送信する。なお、代行設定情報とは、制御部26と制御部18とが連携するために必要な各種情報や指示の情報を意味する。そして、ステップS22では、制御部26は、代行処理を実行する。
一方、電話機器10の制御部18では、ステップS106において、代行設定情報を受信したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS112に移行するが、肯定された場合には、ステップS108に移行する。ステップS108に移行すると、制御部18は、代行処理を実行する。
ここで、ステップS22、S108の代行処理においては、制御部26と制御部18とが連携して、代行処理を実現する。例えば、図4(c)に示すように通話前に電話機器10の表示部14に表示されていた表示内容(例えばメニュー画面)が表示部23上に表示されている場合において、電子メールの作成アイコンがユーザによって選択された場合には、制御部18は、電子メールの作成プログラムを実行し、該プログラムの実行により生成される電子メールの作成画面を制御部26に送信する。そして、制御部26は、表示部23上に電子メールの作成画面を表示する。また、制御部26は、操作部24を介してユーザから電子メールの文面が入力されたり送信指示が出された段階で、入力された文面や送信指示を制御部18に送信する。この場合、制御部18は、インターネット回線を介して、指定された宛先に作成されたメールを送信する。
なお、代行処理は、電子メールの作成処理に限らず、種々の処理において適用することができる。例えば、電話の相手がコンピュータによる自動応答システムである場合、音声の後に番号を入力する必要がある場合がある。このような場合に、電話機器10の操作部15を用いた操作を行わなければならないとすると、電話機器10を耳から離す必要があり、操作を行いにくい。したがって、本実施形態では、このような場合に、PC20の操作部24(テンキーなど)における入力を操作代行として、操作部15への入力とする。これにより、入力の際に電話機器10を耳から離す必要がなくなるので、ユーザの利便性が向上する。
制御部26は、ステップS22の後は、ステップS24に移行する。ステップS24では、制御部26は、操作代行が終了したか否かを判断する。制御部26は、例えば、操作代行を終了するためのアイコンを表示部23に表示しておき、このアイコンがユーザによって選択された場合に、操作代行終了と判断するなどすることができる。ステップS24の判断が否定された場合には、ステップS22に戻るが、肯定された場合には、ステップS26に移行する。ステップS26では、制御部26は、代行処理終了通知を電話機器10の制御部18に対して送信する。
これに対し、制御部18では、ステップS110において、代行終了通知があったか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS108に戻るが、肯定された場合には、ステップS112に移行する。そして、ステップ112では、制御部18は、ユーザによる通話が終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS106に戻るが、肯定された場合には、ステップS114に移行する。
ステップS114に移行すると、制御部18は、通話終了をPC20の制御部26に対して通知する。以上により図2の制御部18の全処理が終了する。
一方、制御部26では、ステップS28において、電話機器10における通話が継続しているか否かを判断する。この場合、電話機器10の制御部18から通話終了が通知されていれば(ステップS114が行われた後であれば)、ステップS28の判断は否定される。ステップS28の判断が肯定された場合には、ステップS18に戻るが、ステップS28の判断が否定された場合には、ステップS30に移行する。
ステップS30では、制御部26は、表示部23の表示を変更する。具体的には、制御部26は、表示部23の表示をステップS16の表示変更が行われる前の表示(図4(a)参照)に戻す。以上により、図2の制御部26の全処理が終了する。
なお、図2の処理では、操作代行が終了する前に通話が終了する場合もある。このような場合には、制御部26は、ステップS22、S24のループの処理を行っている最中でも、ステップS30の処理を実行して、図2の全処理を終了するようにしてもよく、ステップS22,S24のループ処理を優先するようにしてもよい。
以上、説明したように、本第1の実施形態によると、PC20は、電話機器10をユーザが保持したことに応じて電話機器10と近接通信又は人体通信を行う通信部21と、電話機器10との通信時に表示部23に電話機器10に関連した情報(例えば、電話機器10を用いた会話において頻繁に利用されるスケジュールデータなどや電話機器10で直前に表示していた画面など)を表示する制御部26と、を備えている。これにより、電話機器10を使用した通話時に電話機器10に関連した情報が表示部23に表示されることで、ユーザによる電話機器10を用いた通話時の利便性を向上することができる。
また、本実施形態では、PC20は、スケジュールデータなどのデータを記憶する記憶部25を備え、制御部26は、表示部23に記憶部25に記憶されてるデータに関する表示を行う。このように、電話機器10を用いた通話時にPC20が保持するデータを自動的に表示することで、ユーザの利便性を向上することができる。なお、PC20がデスクトップPCの場合には、表示部23を複数台(例えば2台)とし、複数台の表示部23を用いて上述の表示を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、通信部21は、電話機器10の記憶部16に記憶されたデータを受信し、制御部26は、表示部23に記憶部16に記憶されているデータに関する表示を行うので、電話機器10を用いた通話時に電話機器10が保持するデータを自動的に表示することで、ユーザの利便性を向上することができる。この場合、通話中のユーザは、電話機器10の表示部14を見ることができないため、PC20の表示部23に情報を表示することで、通話中のユーザの利便性を向上することができる。また、本実施形態では、通話中には電話機器10の表示部14への表示を行わないこととしているため、電話機器10の電池の消耗を抑制することができる。
また、本実施形態では、通信部21は、電話機器10に設けられた表示部14の表示に関連するデータ(たとえば、通話直前に表示していた画面の情報)を受信し、制御部26は、表示部23に表示部14の表示(通話直前に表示していた画面など)に応じた表示を行うので、ユーザは通話中でも表示部14の表示に関連するデータ(たとえば、通話直前に表示していた画面の情報)をPC20の表示部23上で確認することができる。
また、本実施形態では、PC20は、操作部24と、電話機器10を保持した際に電話機器10と近接通信又は人体通信を行う通信部21と、通信部21を介した電話機器10との通信時に、ユーザによる操作部24の操作に応じて電話機器10を動作させる制御部26と、を備えている。これにより、ユーザは、電話機器10内で動作するソフトウェアに対する操作(メーラ上でのメール作成などの操作)や、自動応答システムに対する操作などを、操作部24を用いて行うことができる。したがって、本実施形態では、従前、電話機器10を用いた通話中などにおいて実行することが困難であった操作を、操作部24を用いて簡易に行うことができる。
なお、上記実施形態では、PC20と電話機器10との間の人体通信が成立し、かつユーザが通話中の場合に、表示変更や操作代行を行う場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、PC20と電話機器10との間の人体通信が成立し、かつユーザが電話機器10において通話以外の操作を行っている場合にも、表示変更や操作代行を行うこととしてもよい。この場合、制御部26は、電話機器10の操作内容に応じて、表示部23の表示変更を行うこととすればよい。例えば、ユーザが電話機器10においてメールアドレスのリストを閲覧している場合には、PC20の記憶部16内に記憶されているメールアドレスのリストを表示部23に表示するなどしてもよい。また、ユーザが電話機器10においてスケジュールデータを閲覧している場合には、PC20の記憶部16内に記憶されているスケジュールデータを表示部23に表示するなどしてもよい。更に、ユーザが電話機器10においてWebぺージを閲覧している場合に、PC20において同一のWebページ(又は電話機器10において閲覧しているWebページに対応するPC用のWebページ)を表示するなどしてもよい。
なお、上記実施形態のPC20は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末(電話機器)であってもよい。また、表示部23や操作部24は、ユーザが着用するメガネの一部に設けられていてもよい。
(変形例)
なお、上記第1の実施形態では、電話機器10が携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末である場合について説明したが、これに限らず、電話機器10は固定電話であってもよい。この場合、図2のステップS22、S108の代行処理としては、例えば、ユーザが電話を転送したい場合に、PC20の操作部24のテンキーを代用することなどが挙げられる。
また、上記のように電話機器10が固定電話の場合、ユーザは、オフィスの近隣の座席のユーザにかかってきた内線電話に応対する場合がある。このような場合には、制御部26は、電話機器10から近隣の座席のユーザの情報を受信し、当該情報に基づいて、近隣の座席のユーザのスケジュールデータを不図示のサーバ(スケジュールを管理しているサーバ)から取得し、PC20の表示部23上に表示するようにすればよい。このように、制御部26は、ユーザが電話機器10を他の特定のユーザのために使用する場合に、表示部23に当該他の特定のユーザに関連する情報(スケジュールなど)を表示することで、ユーザは、適切な応対を行うことができる。
なお、ユーザが利用する電話機器10には、携帯端末と固定電話の両方が含まれていてもよい。この場合、図2のステップS12では、制御部26は、電話機器10の種別(携帯端末と固定電話のいずれか)を確認し、ステップS22の代行処理において、電話機器の種別に基づいた制御を行うようにすればよい。
《第2の実施形態》
以下、第2の実施形態に係る情報処理システムについて、図5〜図8に基づいて、詳細に説明する。図5には、第2の実施形態に係る情報処理システム1’の構成がブロック図にて示されている。
図5に示す情報処理システム1’は、電話機器110と、腕時計120と、を備える。電話機器110の構成は、第1の実施形態の電話機器10と同様であるので、その説明は省略するものとする。なお、操作部15には、電話機器110の側面(例えば長辺側の両側面)に設けられたセンサ(例えば圧力センサ)も含まれるものとする。
腕時計120は、通信部121と、時計回路122と、表示部123と、操作部124と、記憶部125と、制御部126とを備える。
通信部121は、第1の実施形態の通信部21と同様、近距離通信や人体通信により電話機器110と通信を行うものであるものとする。なお、本実施形態では、通信部21は、電極部121aと、人体通信部121bとを有し、電話機器110との間で人体通信を行うものとする。
電極部121aは、信号電極とグラウンド電極とを有し、ユーザを介して人体通信を行うための電極である。本実施形態では、電極部121aは、ユーザの手に触れやすい位置、例えば、腕時計本体部の裏面(電池が存在する位置)やバンドに設けられるものとする。
人体通信部121bは、バンドパスフィルタを有した電気回路から構成される送信部を有し、送信するデータを変調して送信信号を生成する。なお、人体通信部は、受信機能を有しているものとする。
時計回路122は、分周回路や発振回路を備え現在の時刻を計時するものである。表示部123は、例えば液晶ディスプレイであり、腕時計本体部(文字盤部分)に設けられ、時計回路122が計時した時刻や、記憶部125に記載された内容などの各種情報表示を行うものである。また、本実施形態においては、表示部123は、電話機器110に関連した表示を行う。操作部124は、表示部123の周囲に設けられた複数のスイッチ(操作ボタン)である(図8(a)等参照)。
記憶部125は、例えば不揮発性のフラッシュメモリを有し、各種プログラムや各種データも記憶している。
制御部126は、CPU、ROM、RAM等を有し、腕時計120全体を制御する。本実施形態においては、制御部126は、電話機器110との間の人体通信が成立している場合に、表示部123上に表示する内容を制御したり、電話機器110の操作部15に対するユーザ操作を自己に対する操作として受信したりする(操作代行)。
(処理・動作)
次に、情報処理システム1’における処理・動作について図6のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
図6は、腕時計120の制御部126の処理と、電話機器110の制御部18の処理を示すフローチャートである。制御部126の処理と、制御部18の処理は同時並行的に実行される処理である。なお、図6の処理が開始される前においては、腕時計120の表示部123には、図8(a)に示すような表示(アナログ時計表示とデジタル時計表示)がなされているものとする。
図6の処理では、腕時計120の制御部126は、ステップS202において、電話機器110との通信が成立するまで待機する。すなわち、制御部126は、図7に示すように、腕時計120を装着しているユーザが片手に電話機器110を保持するまで待機する。
ユーザが図7のような状態になり、ステップS204に移行すると、制御部126は、電話機器110に対して、電話機器110の情報(識別情報)及び電話機器110の状態(通話中か否か)を確認する。一方、電話機器110の制御部18は、ステップS302において、制御部26からの確認があるまで待機しているため、確認があった段階で、ステップS304に移行し、電話機器110の情報(識別情報)及び電話機器110の状態を腕時計120(制御部126)に向けて送信する。
これに対し、腕時計120の制御部126は、制御部18から情報を受信した後に、ステップS206において、電話機器110で通話が行われているか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS204に戻り、ステップS204,S206の処理・判断を繰り返す。すなわち、ステップS204、S206では、制御部126は、制御部18に対して電話機器110において通話中となったか否かを確認し続けているといえる。一方、ステップS206の判断が肯定された場合には、制御部126は、ステップS208に移行する。
ステップS208に移行すると、制御部126は、ユーザが腕時計の表示部123を視認しながら表示部123の操作ができるように、電話機器110の操作部15に対する設定情報(代行設定情報)を、制御部18に対して送信する。そして、ステップS210では、制御部126は、自己に対する代行設定を実行する。
一方、電話機器110の制御部18は、ステップS306において代行設定情報を受信するまで待機しているので、制御部126においてステップS208の処理が行われた段階で、ステップS308に移行する。ステップS308に移行すると、制御部18は、受信した代行設定情報に基づいて、代行設定を行う。
これに対し、ステップS210において代行設定を行った制御部126は、ステップS212に移行し、表示変更有無確認画面(図8(b)参照)を表示部123上に表示する。ここで、表示変更有無確認画面とは、表示部123の画面表示を電話機器110に関連する情報を表示する画面に変更するか否かをユーザに問う画面である。なお、ユーザは、表示部123上に表示変更有無確認画面が表示されたことに気づかない場合もあるので、制御部126は、時計120が有する不図示のバイブレータを振動させることにより、表示変更有無確認画面を表示したことをユーザに報知するようにしてもよい。
一方、電話機器110の制御部18は、ステップS310において、表示変更有無確認画面に対する操作があるまで待機している。ここで、図7に示すように、例えばユーザが右手で電話機器110を保持した状態では、左手の腕時計120の操作部124を操作することができない。したがって、本実施形態では、制御部18は、通話中において、操作部15(電話機器110の側面の圧力センサ)のうち、ユーザが所定圧力以上の力で触れた位置を検出し、検出された位置に応じた操作があったと判定する。ステップS310の判断が肯定されると、ステップS312に移行し、制御部18は、操作情報を制御部126に対して送信する。
制御部18から操作情報を受信した腕時計120の制御部126は、ステップS214において、表示変更を行うか否かを判断する。例えば、電話機器110の右側面の上方の圧力センサにYES機能が割り当てられ、右側面の下方の圧力センサにNO機能が割り当てられているとする。この場合、制御部126は、ユーザによる圧力センサに対する操作に基づいて、表示変更を行うか否かを判断することができる。例えば、制御部18から送信されてきた操作情報が、右側面上部の圧力センサが所定圧力以上の力で所定時間(1〜2秒)押下されたという情報であった場合には、電話機器110の制御部18は、ユーザの操作がYES操作であると判断する。一方、制御部18から送信されてきた操作情報が、右側面下部の圧力センサが所定圧力以上の力で所定時間(1〜2秒)押下されたという情報や、所定時間(例えば5秒〜10秒)操作が無いという情報であった場合には、制御部18は、ユーザの操作がNO操作であったと判断する。
なお、本実施形態では、YES機能及びNO機能のほか、右側面の圧力センサに選択機能を割り当てることとしてもよい。また、右側面を下から上に撫でる操作は、上方へのスクロール操作であるものとし、右側面を上から下に撫でる操作は、下方へのスクロール操作であるものとする。
ステップS214の判断が否定された場合(表示変更を行わない場合)には、制御部126は、ステップS226に移行して、代行設定を解除し、図6の全処理を終了するが、ステップS214の判断が肯定された場合(表示変更を行う場合)には、制御部126は、ステップS216に移行する。
ステップS216に移行すると、制御部126は、表示部123の表示変更を実行する。具体的には、制御部126は、電話機器110の記憶部16に記憶されているスケジュールデータを表示するため、図8(c)に示すような表示を行う。なお、腕時計120の表示部23の表示領域は、電話機器110の表示部14の表示領域に比べて小さいため、スケジュールデータを全て表示できない場合がある。このような場合、制御部26は、スケジュールデータを分割して表示(スクロール可能な状態で表示)する。
一方、電話機器110の制御部18は、ステップS314において、ユーザによる操作(右側面の圧力センサの操作)があったか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS318に移行するが、肯定された場合には、ステップS316に移行する。
ステップS316に移行した場合、制御部18は、ユーザによって行われた操作の情報(例えばスクロール操作の情報)を制御部126に対して送信し、ステップS318に移行する。ステップS318では、制御部18は、電話機器110における通話が終了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、制御部18は、ステップS314に戻るが、肯定された場合には、制御部18は、ステップS320において通話終了を制御部126に通知するとともに、代行設定を解除した後、図6の全処理を終了する。
これに対し、腕時計120の制御部126は、ステップS218において、操作情報を受信したか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS220に移行し、制御部126は、受信した操作情報に応じて表示を制御する。例えば、ユーザが圧力センサを撫でた場合には、その撫でた方向に応じて、スケジュールデータをスクロールする操作を実行する。これにより、ユーザはスケジュールデータのうち、所望の日時のデータを確認することができる。
ステップS220を経た後、又はステップS218の判断が否定された後は、ステップS222に移行し、制御部126は、通話が継続しているか否かを判断する。すなわち、制御部126は、制御部18においてステップS320の処理が実行されていないか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS218に戻り、ステップS218〜S222の処理・判断を繰り返す。一方、ステップS222の判断が否定された場合には、ステップS224に移行する。
ステップS224では、制御部126は、表示部123の表示変更を実行する。具体的には、図8(c)の表示から、図8(a)の表示に変更する(元に戻す)。その後は、制御部126は、ステップS226に移行し、代行設定を解除した後、図6の全処理を終了する。
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、腕時計120は、表示を行う表示部123と、操作部15を備えた電話機器110をユーザが保持したことに応じて電話機器110と近接通信又は人体通信を行う通信部121と、通信部121を介した電話機器110との通信時に、ユーザによる操作部15の操作に応じて表示部123の表示を制御する制御部126と、を備えている。これにより、ユーザは、電話機器110の操作部15を操作することで、表示部123の表示を制御することができるので、電話機器110を通話のために保持しており、腕時計120の操作部124の操作をできないときに、簡易に表示部123の表示を操作することができる。これにより、ユーザの使い勝手を向上することができる。
なお、上記実施形態では、腕時計120の表示部123にスケジュールデータを表示する場合について説明したが、これに限らず、スケジュールデータに加えて、図8(d)に示すように、通話前に電話機器110の表示部14に表示されていた内容を表示することとしてもよい。この場合、制御部26は、スケジュールデータを分割して表示(スクロール可能な状態で表示)する。このようにすることで、腕時計120の表示部123のように表示領域が小さい場合でも、ユーザのスクロール操作により、通話前に電話機器110の表示部14に表示されていた内容全体を確認することが可能となる。
なお、上記第2の実施形態では、表示部123上に、通話前に電話機器110の表示部14に表示されていた内容のみを表示することとしてもよいし、スケジュールデータや表示部14に表示されていた内容以外の情報を表示部123上に表示することとしてもよい。また、上記第2の実施形態では、表示部123上に、アナログ時計表示を常時表示する場合について説明したが、これに限らず、デジタル時計表示を常時表示するようにしてもよい。また、表示部123の右半分に時計表示を行い、左半分にスケジュールデータ等を表示するようにしてもよい。
なお、上記第2の実施形態のステップS216では、図8(c)に示すような表示を自動的に行う場合について説明したが、これに限らず、複数の表示態様のいずれかをユーザに選択させるようにしてもよい。例えば、制御部126は、所定時間ごとに、図8(c)や図8(d)に示す画面を交互に表示し、電話機器110の右側面上部の圧力センサが押下されたタイミングで表示されていた画面がユーザによって選択されたと判断してもよい。また、制御部126は、右側面下部の圧力センサが所定時間(1〜2秒)押下された場合には、表示されている画面とは異なる画面が選択されたと判断してもよい。
なお、上記第2の実施形態では、圧力センサに対するユーザによる操作に応じて腕時計の表示を変更する場合について説明したが、これに限らず、表示部14に設けられたタッチパネルに対するユーザによる操作(指の動き)に応じて腕時計の表示を変更することとしてもよい。
なお、上述した第1の実施形態においても、上記第2の実施形態と同様、電話機器10の操作部15の操作により、PC20の表示部23の表示変更などの各種操作が実行できるようにしてもよい。
なお、上記各実施形態で説明した処理の手順は一例である。すなわち、図2や図6の各処理の順を適宜変更することとしてもよい。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。