JP2014232658A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料発生部材の反応性を安定化させることができる燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムは、化学反応により燃料ガスを発生する燃料発生部材1と、酸化剤ガスと前記燃料発生部材から供給される前記燃料ガスとの反応により発電を行う固体酸化物型燃料電池部2と、燃料発生部材1と燃料電池部2との間で燃料ガスを含むガスを循環させるためのガス流路8と、前記ガス流路上に設けられ、燃料発生部材1と燃料電池部2との間でガスを強制的に循環させる循環器9と、燃料発生部材1の温度を検出するための温度センサ3と、温度センサ3の出力に応じて、循環器9によって強制的に循環させるガスの循環量を制御する制御部14とを備える。燃料電池部2のガス流出側と燃料発生部材1のガス流入側との間に、循環器9によって強制的に循環させるガスを冷却する冷却箇所13が設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、化学反応により燃料ガスを発生する燃料発生部材と、酸化剤ガスと当該燃料発生部材から供給される燃料ガスとの反応により発電を行う固体酸化物型燃料電池部とを備える燃料電池システムに関する。
固体酸化物型燃料電池は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)やランタンガレート系(例えば一般式LaSrMgGaOで表されるLSGM)を用いた固体酸化物電解質膜を、燃料極(アノード)と酸化剤極(カソード)とで両側から挟み込んだものを1つのセル構成としている。そして、燃料極に燃料ガス(例えば水素)を供給する燃料ガス流路と、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば酸素や空気)を供給する酸化剤ガス流路とが設けられ、これらの流路を介して燃料ガス、酸化剤ガスがそれぞれ燃料極、酸化剤極に供給されることにより発電が行われる。
固体酸化物型燃料電池は、固体高分子型燃料電池よりも動作温度を高くする必要があるものの、固体高分子型燃料電池よりも発電効率が高いという利点を有している。
特許文献1及び特許文献2には、固体酸化物型燃料電池と、酸化反応により水素を発生し、還元反応により再生可能な水素発生部材とを組み合わせた2次電池型燃料電池システムが開示されている。上記2次電池型燃料電池システムでは、システムの発電動作時に水素発生部材が水素を発生し、システムの充電動作時に水素発生部材が再生される。また、上記2次電池型燃料電池システムでは、固体酸化物型燃料電池が、システムの発電動作時に酸化剤ガスと水素発生部材から供給される水素(燃料ガス)との発電反応によって発電を行い、システムの充電動作時に水素発生部材から供給される水蒸気の電気分解反応によって水素を生成する。
上述した水素発生部材の酸化反応には温度依存性があり、水素発生部材の温度が低い場合には反応性が落ちる。その一方で、一般的に水素発生部材は、反応性を高くするために微粒子化されており、高温になることで粒子同士が凝集(シンタリング)して水素発生部材の表面積が減少してしまい性能(反応性)が劣化してしまう。つまり、水素発生部材の温度が高すぎても低すぎても水素発生部材の反応性に悪影響が及ぶ。
本発明は、上記の状況に鑑み、燃料発生部材の反応性を安定化させることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池システムは、化学反応により燃料ガスを発生する燃料発生部材と、酸化剤ガスと前記燃料発生部材から供給される前記燃料ガスとの反応により発電を行う固体酸化物型燃料電池部と、前記燃料発生部材と前記燃料電池部との間で前記燃料ガスを含むガスを循環させるためのガス流路と、前記ガス流路上に設けられ、前記燃料発生部材と前記燃料電池部との間でガスを強制的に循環させる循環器と、前記燃料発生部材の温度を検出するための温度センサと、前記温度センサの出力に応じて、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を制御する制御部とを備え、前記燃料電池部のガス流出側と前記燃料発生部材のガス流入側との間に、前記循環器によって強制的に循環させるガスを冷却する箇所が設けられている構成(第1の構成)とする。
上記第1の構成の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記燃料発生部材の温度が第1の所定値より大きい場合に、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を増加させ、前記燃料発生部材の温度が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値より小さい場合に、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を減少させる構成(第2の構成)としてもよい。
上記第1又は第2の構成の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記燃料電池部が発電を開始してから所定時間が経過すると、前記温度センサの出力に応じて、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を制御する制御動作を開始する構成(第3の構成)としてもよい。
上記第1〜第3のいずれかの構成の燃料電池システムにおいて、前記循環器は、前記冷却箇所と前記燃料発生部材のガス流入側との間に配置される構成(第4の構成)としてもよい。
本発明に係る燃料電池システムによると、燃料電池部のガス流出側と燃料発生部材のガス流入側との間に、循環器によって強制的に循環させるガスを冷却する箇所が設けられ、燃料発生部材の温度を検出するための温度センサの出力に応じて、循環器によって強制的に循環させるガスの循環量が制御されるので、低温状態で燃料発生部材に流入し燃料発生部材から熱を奪って燃料発生部材から流出するガスの流量が、燃料発生部材の温度に応じて制御される。これにより、燃料発生部材の温度変動を低減することができ、燃料発生部材の反応性を安定化させることができる。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。なお、本発明は、後述する実施形態に限られない。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を図1に示す。本実施形態に係る燃料電池システムは、化学反応により燃料ガスを発生する燃料発生部材1と、酸素を含む酸化剤ガスと燃料発生部材1から供給される燃料ガスとの反応により発電を行う固体酸化物型燃料電池部2(以下、燃料電池部2と称する)とを備えている。
本実施形態に係る燃料電池システムは、燃料発生部材1の温度を検出するための温度センサ3と、燃料発生部材1を加熱するヒーター4と、燃料電池部2を加熱するヒーター5と、燃料発生部材1、温度センサ3、及びヒーター4を収容する容器6と、燃料電池部2及びヒーター5を収容する容器7と、燃料発生部材1と燃料電池部2の間でガスを循環させるための循環用配管8と、燃料発生部材1と燃料電池部2の間でガスを強制的に循環させるポンプ9と、燃料電池部2の発電時に酸化剤極2Cに酸化剤ガスを供給するための酸化剤極入口側配管10と、酸化剤極2Cでの反応後のガスを排出するための酸化剤極出口側配管11と、断熱容器12と、第1の熱交換器13と、システム全体を制御するシステムコントローラ14とをさらに備えている。
なお、図が煩雑になることを防ぐため、電力を伝送する電力ラインや制御信号を伝送する制御ラインなどの図示を一部省略している。また、必要に応じて、燃料電池部2の周辺に温度センサ等を設けてもよい。
酸化剤極入口側配管10及び酸化剤極出口側配管11内のガスを図1中に示す細線矢印の方向に流すために、必要に応じてポンプやブロアなどを酸化剤極入口側配管10側あるいは酸化剤極出口側配管11側に設けてもよい。また、図1では燃料極2Bの長手方向と容器7に設けられる燃料ガス流通口の厚み方向とが直角であるが例えば平行であってもよく、図1では酸化剤極2Cの長手方向と容器7に設けられる酸化剤ガス流通口の厚み方向とが平行であるが例えば直角であってもよい。また、ポンプ9の代わりに、コンプレッサ、ファン、ブロア等の機械的なエネルギーを用いる他の循環器を用いても構わない。
断熱容器12は、容器内と容器外とを断熱する容器であって、容器6と、容器7と、循環用配管8の一部と、酸化剤極入口側配管10の一部と、酸化剤極出口側配管11の一部とを収容している。なお、第1の熱交換器13の一部を断熱容器12に収容するようにしてもよい。
燃料発生部材1としては、例えば、金属を母材として、その表面に金属または金属酸化物が添加されており、酸化性ガス(例えば水蒸気)との酸化反応によって燃料ガス(例えば水素)を発生し、還元性ガス(例えば水素)との還元反応により再生可能なものを用いることができる。母材の金属としては例えば、Ni、Fe、Pd、V、Mgやこれらを基材とする合金が挙げられ、特にFeは安価で、加工も容易なので好ましい。また、添加される金属としては、Al、Rh、Pd、Cr、Ni、Cu、Co、V、Moが挙げられ、添加される金属酸化物としてはSiO2、TiO2が挙げられる。ただし、母材となる金属と、添加される金属は同一の材料ではない。なお、本実施形態においては、燃料発生部材1として、Feを主体とする燃料発生部材を用いる。また、図1では、燃料発生部材1を1つだけ設けた構造を図示しているが、燃料発生部材1を複数設けてもよい。
Feを主体とする燃料発生部材1は、例えば、下記の(1)式や(1)’式に示す酸化反応により、水蒸気を消費して水素を生成することができる。
4H2O+3Fe→4H2+Fe3O4 …(1)
Fe+H2O→FeO+H2 …(1)’
4H2O+3Fe→4H2+Fe3O4 …(1)
Fe+H2O→FeO+H2 …(1)’
上記の(1)式や(1)’式に示す鉄の酸化反応が進むと、鉄から酸化鉄への変化が進んで鉄の残量が減っていくが、上記の(1)式の逆反応すなわち下記の(2)式に示す還元反応や上記の(1)’式の逆反応すなわち下記の(2)’式に示す還元反応により、燃料発生部材1を再生することができる。なお、上記の(1)式や(1)’式に示す鉄の酸化反応及び下記の(2)式や(2)’式に示す還元反応は600℃未満の低い温度で行うこともできる。
4H2+Fe3O4→3Fe+4H2O …(2)
FeO+H2→Fe+H2O …(2)’
4H2+Fe3O4→3Fe+4H2O …(2)
FeO+H2→Fe+H2O …(2)’
燃料発生部材1においては、その反応性を上げるために単位体積当りの表面積を大きくすることが望ましい。燃料発生部材1の単位体積当りの表面積を増加させる方策としては、例えば、燃料発生部材1の主体を微粒子化し、その微粒子化したものを成型すればよい。微粒子化の方法は例えばボールミル等を用いた粉砕によって粒子を砕く方法が挙げられる。さらに、機械的な手法などにより微粒子にクラックを発生させることで微粒子の表面積をより一層増加させてもよく、酸処理、アルカリ処理、ブラスト加工などによって微粒子の表面を荒らして微粒子の表面積をより一層増加させてもよい。
燃料発生部材1としては、例えば、微粒子をペレット状の粒に形成してこの粒を多数空間内に埋める形態であってもよく、微粒子をガスが通過する程度の空隙を残して固めたものであってもよい。前者の一例を図2に示し、後者の一例を図3に示す。
図2では、燃料発生部材1は複数の球状ペレット15によって構成されており、容器5はガス流路を長くするための仕切板16を備えている。図2ではガスの流れを矢印で模式的に示している。なお、図2ではペレットの形状が球状であるが、他の形状であっても構わない。
図3では、燃料発生部材1はガス流路が形成されている成型体17によって構成されている。なお、図3の例ではガス流路の断面形状が正方形であるが、他の形状であっても構わない。例えばガス流路の断面形状を正六角形にすれば、ハニカム構造の成型体になる。
燃料電池部2は、図1に示す通り、固体酸化物電解質膜2Aの両面に燃料極2Bと酸化剤極2Cを接合したMEA構造(膜・電極接合体:Membrane Electrode Assembly)である。なお、図1では、MEAを1つだけ設けた構造を図示しているが、MEAを複数設けたり、さらに複数のMEAを積層構造にしたりしてもよい。
固体酸化物電解質膜2Aの材料としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やランタンガレード系(例えば一般式LaSrMgGaOで表されるLSGM)を用いることができる。
固体酸化物電解質膜2Aは、電気化学蒸着法(CVD−EVD法;Chemical Vapor Deposition - Electrochemical Vapor Deposition)等を用いて形成することができる。
燃料極2B、酸化剤極2Cはそれぞれ、例えば、固体酸化物電解質膜2Aに接する触媒層と、その触媒層に積層された拡散電極とからなる構成にすることができる。触媒層としては、例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの等を用いることができる。また、燃料極2Bの拡散電極の材料としては、例えば、Ni−Fe系サーメットやNi−YSZ系サーメット等を用いることができる。また、酸化剤極2Cの拡散電極の材料としては、例えば、La−Mn−O系化合物やLa−Co−Ce系化合物等を用いることができる。燃料極2B、酸化剤極2Cはそれぞれ、例えば蒸着法等を用いて形成することができる。
以下の説明では、燃料ガスとして水素を用いた場合について説明する。
燃料電池部2では、燃料電池システムの発電時に、燃料極2Bにおいて下記の(3)式の反応が起こる。
H2+O2-→H2O+2e- …(3)
H2+O2-→H2O+2e- …(3)
上記の(3)式の反応によって生成された電子は、外部負荷(不図示)を通って、酸化剤極2Cに到達し、酸化剤極2Cにおいて下記の(4)式の反応が起こる。
(1/2)O2+2e-→O2- …(4)
(1/2)O2+2e-→O2- …(4)
そして、上記の(4)式の反応によって生成された酸素イオンは、固体酸化物電解質膜2Aを通って、燃料極2Bに到達する。上記の一連の反応を繰り返すことにより、燃料電池部2が発電動作を行うことになる。また、上記の(3)式から分かるように、燃料電池システムの発電動作時には、燃料極2B側においてH2が消費されH2Oが生成されることになる。
上記の(3)式及び(4)式より、燃料電池システムの発電動作時における燃料電池部2での反応は下記の(5)式の通りになる。
H2+(1/2)O2→H2O …(5)
H2+(1/2)O2→H2O …(5)
一方、燃料発生部材1は、上記の(1)式や(1)’式に示す酸化反応により、燃料電池システムの発電時に燃料電池部2の燃料極2B側で生成されたH2Oを消費してH2を生成する。
上記の(1)式や(1)’式に示す鉄の酸化反応が進むと、鉄から酸化鉄への変化が進んで鉄残量が減っていくが、上記の(2)式や(2)’式に示す還元反応により、燃料発生部材1を再生することができ、燃料電池システムを充電することができる。
燃料電池部2では、2次電池型燃料電池システムの充電時に、上記の(5)式の逆反応である下記の(6)式に示す電気分解反応が起こり、燃料極2B側においてH2Oが消費されH2が生成され、燃料発生部材1では、上記の(2)式や(2)’式に示す還元反応が起こり、燃料電池部2の燃料極2B側で生成されたH2が消費されH2Oが生成される。
H2O→H2+(1/2)O2 …(6)
H2O→H2+(1/2)O2 …(6)
第1の熱交換器13は、循環用配管8内の燃料極2Bから排出されポンプ9に流入するまでのガスと酸化剤極入口側配管10内のガスとの間で熱交換する。本実施形態では、燃料電池部2が600℃程度に加熱されているため、燃料極2Bから循環用配管8に排出されるガスの温度も600℃程度である。一方、酸化剤極入口側配管10が外気あるいは空気ボンベや酸素ボンベ等からガスを取り入れて酸化剤極2Cにガスを供給するため、酸化剤極入口側配管10が取り入れるガスは概ね常温である。したがって、第1の熱交換器13での熱交換により、循環用配管8内の燃料極2Bから排出されポンプ9に流入するまでのガスが冷却され、酸化剤極入口側配管10内のガスが加熱される。
上記の通りポンプ9に流入するガスが冷却されるので、ポンプ9が高温になることを防止することができ、ポンプ9の耐久性の劣化を抑えることができる。また、上記の通り第1の熱交換器13での熱交換により、循環用配管8内の燃料極2Bから排出されポンプ9に流入するまでのガスが冷却され、酸化剤極入口側配管10内のガスが加熱されるので、ポンプ9に流入するガスの冷却および酸化剤極2Cに供給されるガスの加熱に用いられるエネルギーを低減することができ、本実施形態に係る燃料電池システムの発電時には発電効率を高くすることができ、本実施形態に係る燃料電池システムの充電時には充電効率を高くすることができる。
ポンプ9に流入するガスの冷却温度はポンプ9の耐熱性に適合した温度に設定するとよいが、より低温に設定する方がポンプ9の耐久性の劣化をより抑えることができるため好ましい。ただし、循環用配管8内のガスは水素と水蒸気の混合ガスであるため、結露が発生しない範囲でポンプ9に流入するガスの冷却温度をより低温にすることが好ましい。例えば、循環用配管8内のガスの全圧が1気圧である場合、ポンプ9に流入するガスの冷却温度を100℃〜120℃にすれば、結露が発生せず、かつ、ポンプ9に流入するガスの冷却温度を十分低温にすることができる。ここで、十分低温とは、ポンプ9等の循環器として高耐熱性の特殊な循環器を使用する必要がなく、汎用的な循環器を使用することができる温度を意味している。
第1の熱交換器13は、例えば図4Aに示すように循環用配管8と酸化剤極入口側配管10とを間隔を狭くして配置する構成とすることができる。また、熱交換可能な配管距離を長くするために、第1の熱交換器13は、例えば図4Bに示すように循環用配管8と酸化剤極入口側配管10の少なくとも一方がらせん形状である構成であってもよく、例えば図4Cに示すように循環用配管8と酸化剤極入口側配管10の少なくとも一方が蛇行形状である構成であってもよい。第1の熱交換器13内における循環用配管8及び酸化剤極入口側配管10の周囲は空間でもよいが、金属などの熱伝導率が高い材質で周囲を覆う方がより熱交換の効率が高くなるため好ましい。
また、第1の熱交換器13は、例えば図4Dに示すように循環用配管8と冷媒18との間で熱交換し、酸化剤極入口側配管10と冷媒18との間で熱交換し、冷媒18が環状の閉空間内で流動可能となっており、冷媒18が循環することで循環用配管8内のガスが冷却され、酸化剤極入口側配管10内のガスが加熱される構成であってもよい。
また、第1の熱交換器13は、例えば図4Eに示すように循環用配管8及び酸化剤極入口側配管10の一方の配管内に他方の配管を通す構成であってもよい。この場合、熱交換可能な配管距離を長くするために、一方の配管内を通る他方の配管を、図4B又は図4Cと同様にらせん形状又は蛇行形状にしてもよい。
なお、第1の熱交換器13において、循環用配管8内を流れるガスの向きと酸化剤極入口側配管10内を流れるガスの向きとは、互いに逆向きである対向流、同一方向である並流、互いに直交する直交流、その他の方向関係のいずれであってもよいが、熱交換の効率を向上させる観点からは対向流が好ましい。
さらに、図5に示す本実施形態に係る燃料電池システムの変形例のように、ポンプ9によるガスの循環を制御するためのガス循環制御部19と、ガスの状態を検知するためのガス状態検知部20とを設け、第1の熱交換器13によって熱交換され、その後加熱されていないガスがガス循環制御部19及びガス状態検知部20に流入するようにしてもよい。この場合、ガス循環制御部19及びガス状態検知部20の耐久性の劣化も抑えることができる。ガス循環制御部19としては例えばガスの流量を制御することができるマスフローコントローラを挙げることができ、ガス状態検知部20としては例えば流量計、圧力計、露点計、温度計などを挙げることができる。なお、ガス循環制御部19及びガス状態検知部20のうちいずれか一方のみを設けても構わない。
また、図6に示す本実施形態に係る燃料電池システムの変形例のように、第2の熱交換器21を追加してもよい。
第2の熱交換器21は、循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスと酸化剤極出口側配管11内のガスとの間で熱交換する。本実施形態では、燃料電池部2が600℃程度に加熱されているため、酸化剤極2Cから酸化剤極出口側配管11に排出されるガスの温度も600℃程度である。一方、循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスは600℃程度から第1の熱交換器13によって冷却されており低温である。したがって、第2の熱交換器21での熱交換により、酸化剤極出口側配管11内のガスが冷却され、循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスが加熱される。
なお、第2の熱交換器21は第1の熱交換器13と同様に様々の構成を用いることができる。
このような構成によると、上記の通り酸化剤極出口側配管11内のガスが冷却されるので、酸化剤極出口側配管11から外部への排熱を抑えることができ、燃料電池システムから外部へ無駄なエネルギーを排出することを抑えることができる。また、上記の通り第2の熱交換器21での熱交換により、循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスが加熱されるので、低温のガスが燃料発生部材1及び燃料極2Bに供給されることを防止できる。
また、図7に示す本実施形態に係る燃料電池システムの変形例のように、第2の熱交換器21に加えて第3の熱交換器22を追加してもよい。
第3の熱交換器22は、循環用配管8内の燃料極2Bから排出され第1の熱交換器13に流入するまでのガスと循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスとの間で熱交換する。本実施形態では、燃料電池部2が600℃程度に加熱されているため、燃料極2Bから循環用配管6に排出されるガスの温度も600℃程度である。一方、循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスは600℃程度から第1の熱交換器13によって冷却されており低温であり、第2の熱交換器21により加熱された後も燃料極2Bから循環用配管8に排出されるガスよりも低温であるものとする。したがって、第3の熱交換器22での熱交換により、燃料極2Bから循環用配管8に排出されるガスが冷却され、循環用配管8内のポンプ9から流出され第2の熱交換器21を通過して断熱容器12の内部に到達するまでのガスが加熱される。
なお、第3の熱交換器22は第1の熱交換器13や第2の熱交換器21と同様に様々の構成を用いることができる。
このような構成によると、図6に示す変形例に比べて、第3の熱交換器22によってポンプ9に流入するガスがより一層冷却され、循環用配管8内のポンプ9から流出され断熱容器12の内部に到達するまでのガスがより一層加熱される。
なお、酸化剤極出口側配管11内のガスが燃料極2Bから循環用配管8に排出されるガスよりも高温である場合には、図8に示すように循環用配管8内のポンプ9から流出されたガスが第3の熱交換器22、第2の熱交換器21の順で第3の熱交換器22、第2の熱交換器21を通過するようにすればよい。
次に、本実施形態及びその変形例に係る2次電池型燃料電池システムの発電動作時において実施されるガス循環量の制御動作について図9のフローチャートを参照して説明する。
システムコントローラ14の制御によってヒーター4による燃料発生部材1の予備加熱及びヒーター5による燃料電池部2の予備加熱が完了すると、燃料電池部2の発電反応が発熱反応であるので、システムコントローラ14は、ヒーター5への通電を停止してから、システムの発電動作を開始する。
まず、システムコントローラ14は、温度センサ3の出力を読み取り、燃料発生部材1の温度を検出する(ステップS10)。
ステップS10に続くステップS20において、システムコントローラ14は、燃料発生部材1の温度が第1の所定値より大きいか否かを確認する。なお、ステップS20で用いる第1の所定値の設定値はシステムコントローラ14の内蔵メモリに格納すればよい。
燃料発生部材1の温度が第1の所定値より小さければ、システムコントローラ14は、ステップS30に進んで、燃料発生部材1の温度が第2の所定値より大きいか否かを確認する。なお、ステップS30で用いる第2の所定値の設定値はシステムコントローラ14の内蔵メモリに格納すればよい。第2の所定値は第1の所定値より小さい値である。
一方、燃料発生部材1の温度が第1の所定値より小さくなければ、燃料発生部材1の温度が高すぎるので、システムコントローラ14は、循環用配管8内を流れるガスの第1の熱交換器13による冷却を増大させるために循環用配管8内を流れるガスの流量(ガス循環量)を所定量増加させ(ステップS40)、その後ステップS10に戻る。
ステップS30における確認の結果、燃料発生部材1の温度が第2の所定値より大きければ、燃料発生部材1の温度が適性範囲であるので、システムコントローラ14は、循環用配管8内を流れるガスの流量を変化させずにステップS10に戻る。
一方、燃料発生部材1の温度が第2の所定値より大きくなければ、燃料発生部材1の温度が低すぎるので、システムコントローラ14は、循環用配管8内を流れるガスの第1の熱交換器13による冷却を減少させるために循環用配管8内を流れるガスの流量を所定量減少させ(ステップS50)、その後ステップS10に戻る。
システムの発電動作が行われている期間中、上述した図9に示すガス循環量の制御動作が実施される。上述した図9に示すガス循環量の制御動作により、燃料発生部材1の温度変動を低減することができ、燃料発生部材1の反応性を安定化させることができる。なお、循環用配管8内を流れるガスの流量の増減は、例えばシステムコントローラ14が、ポンプ9の出力を制御したり、マスフローコントローラ等のガス循環制御部19を制御したりすることで実現することができる。
また、システムの発電動作開始直後は燃料発生部材1の温度変動が小さいため、上述した図9に示すガス循環量の制御動作の代わりに、図10に示すガス循環量の制御動作を実施するようにしてもよい。
図10に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートにステップS1を追加したものである。ステップS1の処理はステップS10の処理の前に行われる。ステップA1において、システムコントローラ14は、システムの発電動作開始から所定時間が経過したか否かを確認し、システムの発電動作開始から所定時間が経過した後、ステップS10に移行する。なお、ステップS1で用いる所定時間の設定値はシステムコントローラ14の内蔵メモリに格納すればよい。
<その他>
また、上述した実施形態では、燃料電池部2の燃料ガスを水素にしているが、一酸化炭素や炭化水素など水素以外の還元性ガスを燃料電池部2の燃料ガスとして用いても構わない。
また、上述した実施形態では、燃料電池部2の燃料ガスを水素にしているが、一酸化炭素や炭化水素など水素以外の還元性ガスを燃料電池部2の燃料ガスとして用いても構わない。
また、上述した実施形態では、酸化剤ガスに空気を用いているが、空気以外の酸化剤ガスを用いても構わない。
また、上述した実施形態及びその変形例では、第1の熱交換器13が、循環用配管8内の燃料極2Bから排出されポンプ9に流入するまでのガスと、酸化剤極入口側配管10内のガスとの熱交換を行ったが、第1の熱交換器13の代わりに、循環用配管8内の燃料極2Bから排出されポンプ9に流入するまでのガスを単に冷却するだけの冷却器を設けるようにしてもよい。
1 燃料発生部材
2 燃料電池部
2A 固体酸化物電解質膜
2B 燃料極
2C 空気極
3 温度センサ
4、5 ヒーター
6、7 容器
8 循環用配管
9 ポンプ
10 酸化剤極入口側配管
11 酸化剤極出口側配管
12 断熱容器
13 第1の熱交換器
14 システムコントローラ
15 ペレット
16 仕切板
17 成型体
18 冷媒
19 ガス循環制御部
20 ガス状態検知部
21 第2の熱交換器
22 第3の熱交換器
2 燃料電池部
2A 固体酸化物電解質膜
2B 燃料極
2C 空気極
3 温度センサ
4、5 ヒーター
6、7 容器
8 循環用配管
9 ポンプ
10 酸化剤極入口側配管
11 酸化剤極出口側配管
12 断熱容器
13 第1の熱交換器
14 システムコントローラ
15 ペレット
16 仕切板
17 成型体
18 冷媒
19 ガス循環制御部
20 ガス状態検知部
21 第2の熱交換器
22 第3の熱交換器
Claims (4)
- 化学反応により燃料ガスを発生する燃料発生部材と、
酸化剤ガスと前記燃料発生部材から供給される前記燃料ガスとの反応により発電を行う固体酸化物型燃料電池部と、
前記燃料発生部材と前記燃料電池部との間で前記燃料ガスを含むガスを循環させるためのガス流路と、
前記ガス流路上に設けられ、前記燃料発生部材と前記燃料電池部との間でガスを強制的に循環させる循環器と、
前記燃料発生部材の温度を検出するための温度センサと、
前記温度センサの出力に応じて、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を制御する制御部とを備え、
前記燃料電池部のガス流出側と前記燃料発生部材のガス流入側との間に、前記循環器によって強制的に循環させるガスを冷却する冷却箇所が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御部は、
前記燃料発生部材の温度が第1の所定値より大きい場合に、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を増加させ、
前記燃料発生部材の温度が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値より小さい場合に、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記制御部は、
前記燃料電池部が発電を開始してから所定時間が経過すると、
前記温度センサの出力に応じて、前記循環器によって強制的に循環させるガスの循環量を制御する制御動作を開始することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記循環器は、前記冷却箇所と前記燃料発生部材のガス流入側との間に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013113271A JP2014232658A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013113271A JP2014232658A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014232658A true JP2014232658A (ja) | 2014-12-11 |
Family
ID=52125920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013113271A Pending JP2014232658A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014232658A (ja) |
-
2013
- 2013-05-29 JP JP2013113271A patent/JP2014232658A/ja active Pending
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