JP2014231941A - 廃棄物溶融処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物溶融炉における石炭コークスの使用量を従来に比し効果的に低減して二酸化炭素排出量を削減することができる廃棄物の溶融処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】廃棄物溶融炉1に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、燃焼し、炉下部で熱分解燃焼後の灰分を溶融する廃棄物溶融処理方法において、炉内へ石炭コークスを投入するとともに、廃棄物原料を炭化温度より低い温度に加熱しながら加圧成形した廃棄物成形物を投入し、該溶融炉1の下部に石炭コークスで高温火格子を形成し、石炭コークスの炉内への投入量は、少なくとも高温火格子を形成するのに必要な量とし、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補う。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物をシャフト炉式ガス化溶融炉内で熱分解、燃焼し、灰分を溶融する廃棄物溶融処理方法に関する。
都市ごみやシュレッダーダストなどの廃棄物を処理する技術として、廃棄物を熱分解、燃焼して、熱分解後の残渣(灰分)を溶融しスラグにして排出する廃棄物溶融処理が知られている。
この処理方法は、廃棄物を熱分解してガス化し可燃性ガスを燃焼することによりその燃焼熱を回収することができるとともに、熱分解、燃焼後の灰分を溶融してスラグとして排出した後に、埋立処分などで最終処分されるべき量を減容することができる利点を有している。このような溶融処理方法には幾つかの方式があるが、その一つとして、竪型をなすシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉による方法がある。
このシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉は、例えば、炉下部に堆積させたコークスを燃焼させ、この高温のコークス上へ廃棄物を投入して、熱分解及び部分酸化させてガス化するとともに灰分を溶融してスラグにする処理を行なう炉である(特許文献1参照)。
特許文献1のシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉においては、竪型筒状をなす炉体の機能が大別して縦(上下)方向で3つの領域に区分される。すなわち、炉下部にコークスを堆積させたコークス床を有する高温燃焼帯が形成され、この高温燃焼帯の上に廃棄物層が形成され、炉体の上部にて該廃棄物層の上方に大きな空間のフリーボード部をなしている。
かかるガス化溶融炉では、上記3つの領域のそれぞれでは酸素含有ガスの炉内への吹込みが行われる。炉下部における高温燃焼帯には主羽口が設けられていて、投入されて堆積された高温火格子を形成するコークス床のコークスを燃焼させて、廃棄物の熱分解後の残渣(灰分)を溶融する溶融熱源を得るために酸素富化空気が吹き込まれる。また、廃棄物層には副羽口が設けられ、投入されて堆積された廃棄物を緩やかに流動させると共に、廃棄物を熱分解及び部分酸化させるために空気が吹き込まれる。また、フリーボード部には三段目羽口が設けられ、廃棄物が熱分解されて生成した熱分解ガス(可燃性ガス)の一部を部分燃焼させて炉内部を所定温度に維持するために空気が吹き込まれる。
このようにシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉は、一つの炉で、廃棄物をその炉内での降下に伴い熱分解ガス化処理と溶融処理の両方を行うことのできる設備である。投入された廃棄物は熱分解され、ガスと残渣が生成される。主羽口からの酸素富化空気の送風によりコークス床のコークスが燃焼され高温燃焼帯が形成され、廃棄物の熱分解後の残渣が溶融され溶融スラグと溶融メタルとして排出される。コークス床では、コークス同士間に生ずる空隙により高温火格子が形成されていて、主羽口から送風された酸素富化空気とコークスの燃焼により発生した高温ガスとが上記空隙を上昇通気する通気の確保と、溶融スラグと溶融メタルが上記空隙を降下通流する通液の確保とが行われている。高温燃焼帯のコークス燃焼により発生した高温ガスが高温燃焼帯の上に形成された廃棄物層の廃棄物を加熱し、副羽口からの空気の送風により廃棄物は熱分解され、この熱分解により発生したガスは廃棄物層内を上昇し、フリーボード部を経て、炉内上部に設けられた排出煙道より、炉外の二次燃焼室へ排出される。熱分解ガスは可燃性ガスを多量に含んでいて、フリーボード部で三段目羽口からの空気の送風により一部が燃焼され、さらに、二次燃焼室で燃焼され、ボイラで熱回収され蒸気を発生させその蒸気が発電等に用いられる。ボイラから排出されたガスは、サイクロンで比較的粗いダストが除去され、さらに、減温装置で冷却され、有害物質除去剤との反応により有害ガスが除去され、集塵機で除塵処理されるなど排ガス処理された後、煙突から大気に放散される。
特開平09−060830
特許文献1の廃棄物ガス化溶融炉では、炉底部に石炭コークスを堆積させたコークス床が高温火格子を形成し、この高温火格子を形成する石炭コークスが燃焼して熱分解後の残渣(灰分)の溶融熱源となっているが、近年、化石燃料に由来する石炭コークスの使用量を低減して二酸化炭素排出量を削減することが要望されている。石炭コークスの代替燃料としてバイオマス炭化物を投入することなどが試みられているが、石炭コークスの使用量を効果的に低減することのできる廃棄物の溶融処理方法が見出されていない。また、石炭コークスの代替燃料としてこれまで開発されたものは、高価なバイオマスを原料としたり、高温で炭化する高コストの製造方法で製造される高価な炭化物などが用いられており、安価で入手容易な燃料を使用する廃棄物の溶融処理方法が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑み、廃棄物溶融炉における石炭コークスの使用量を従来に比し効果的に低減して二酸化炭素排出量を削減することができる廃棄物の溶融処理方法を提供することを課題とする。
本発明に係る廃棄物溶融方法では、廃棄物溶融炉に廃棄物を投入して廃棄物を熱分解、燃焼し、熱分解燃焼後の灰分を炉下部で溶融する。
かかる廃棄物溶融処理方法において、本発明では、炉内へ石炭コークスを投入するとともに、廃棄物原料を炭化温度より低い温度に加熱しながら加圧成形した廃棄物成形物を投入し、該溶融炉の下部に石炭コークスで高温火格子を形成し、石炭コークスの炉内への投入量は、少なくとも高温火格子を形成するのに必要な量とし、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補うことを特徴としている。
このような構成の本発明では、廃棄物を熱分解燃焼した後の灰分を溶融するため、廃棄物を加圧成形した廃棄物成形物も石炭コークスとともに炉内へ投入される。通常、都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物にはプラスチック類が混入している。廃棄物の種類によっては、当初プラスチック類が含まれていない廃棄物もあるが、各種の廃棄物が収集されて廃棄物処理施設のピットに一緒に貯留されると、ピット内全体の廃棄物としてはプラスチック類が混入されている状態となる。したがって、このような廃棄物から成形物を作ると、そこにはプラスチック類が少なからず混入している。廃棄物成形物の成形時には、廃棄物が加熱された状態で加圧されるので、廃棄物に含まれるプラスチック類は、昇温して軟化溶融し、他の廃棄物同士間の結合材となり結合を強くして成形物の形状を強固に維持するとともに、圧縮を受けて狭くなった廃棄物原料粒子の隙間に軟化溶融プラスチックが行きわたり、成形物に空隙が生じにくくなり、空隙を起点として成形物が崩壊することがなく、崩壊により比表面積が大きくなり一気に揮発分が気散することを抑制するため、成形物から揮発分が気散しにくい性状となる。したがって、廃棄物成形物は炉内で加熱されても、形状を維持し炉下部に到達し、また、炉下部に至るまでの間に廃棄物の保有揮発分が表面から出て気散してしまうことが抑制される。炉下部に至る前に揮発分を放出する廃棄物成形物の場合には、炉下部で揮発分の熱量を供給できず、熱分解されずに残された固定炭素の熱量だけで灰分を溶融するためには、大量の廃棄物成形物の投入が必要となる。揮発分は廃棄物成形物の60wt%以上を占めるため、この揮発分熱量を利用できないことは非効率的である。
廃棄物を原料として炭化温度より低い温度に加熱しながら加圧成形した廃棄物成形物は、揮発分を含有しており、炉下部に至るまでの間に廃棄物の保有揮発分が気散してしまうことが抑制されているため、本発明では、この廃棄物成形物を石炭コークスの一部の代替として投入し、溶融炉下部の石炭コークスの高温火格子で燃焼して溶融熱源とすることにより、廃棄物原料が保有する揮発分の燃焼熱を有効に利用することができる。
このような構成における本発明によると、高温火格子を形成する石炭コークスは元来有しているその塊状形状により、石炭コークス同士間に生ずる空隙で通気確保と通液確保とが確実に行われる高温火格子とする機能と、溶融するための熱源としての機能とをもつ。一方、廃棄物成形物は、その高温強度に係りなく使用可能であり、石炭コークスの溶融熱量を補足する溶融熱源としての機能をもつ。したがって、石炭コークスは高温火格子を形成するに必要な最小限の量で足り、溶融熱源として不足する分は上記廃棄物成形物で補うことができ、両者で十分な溶融熱源を確保しつつ、最小の石炭コークスで高温火格子層の形成を可能とする。
このようにして、石炭コークスで高温火格子を形成するとともに、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補うこととすると、この石炭コークスと廃棄物成形物が主羽口からの酸素富化空気により燃焼してその燃焼ガスが高温火格子を良好に上昇通気して廃棄物を加熱して熱分解、燃焼し、そして残渣(灰分)が石炭コークスと廃棄物成形物の燃焼熱により溶融し、溶融物が良好に上記高温火格子を降下通液する。その際、本発明において、廃棄物成形物は、プラスチック類が混入している廃棄物原料を加熱加圧成形していることにより、溶融炉内で成形物内部まで昇温されて熱分解が進むまでは、形状を強固に維持するとともに、表面から揮発分が気散しにくい性状となっているので、廃棄物成形物は溶融炉内に投入された後、形状を維持し炉下部の石炭コークスの高温火格子に到達し、炉下部に至るまでの間、揮発分の熱分解、燃焼が抑制された状態とすることができ、廃棄物原料が固定炭素とともに保有する揮発分の燃焼熱を溶融熱源として有効に利用することができる。
本発明において、廃棄物成形物は、廃棄物原料を120〜300℃の温度に加熱しながら10MPa以上の圧力で加圧成形した成形物であることが好ましい。廃棄物原料を120〜300℃の温度に加熱しながら加圧成形することにより、炉下部に至るまでの間、廃棄物原料が保有する揮発分を残存させた廃棄物成形物を得ることができ、廃棄物原料が保有する揮発分の燃焼熱を有効に利用することができる。
また、本発明において、廃棄物成形物は、重量が100g以上であることが好ましく、200g以上であることがより好ましい。廃棄物成形物の重量が100g以上、より好ましくは200g以上であると、廃棄物成形物は比表面積が小さく揮発分の気散が少なく残留しやすく、また、短時間で炉下部に到達するため、炉下部に達するまでに消費される分が少ない。このように、高重量の廃棄物成形物はより効率的に炉下部での溶融熱源として寄与できる。
本発明は、以上のように、シャフト炉式ガス化溶融炉で廃棄物を溶融処理する際に、石炭コークスと廃棄物成形物とを投入することとし、石炭コークスの炉内への投入量は、少なくとも高温火格子を形成するのに必要な量とし、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補うこととしたので、炉内では石炭コークスにより高温火格子が形成されて、燃焼ガスの上昇通気、溶融物の降下通流が良好に保たれるとともに、石炭コークスの使用量を低減して二酸化炭素排出量を削減することができ、また、廃棄物原料が有する揮発分の燃焼熱を有効に利用でき、さらに、安定した操業ができる廃棄物の溶融処理方法を提供することができる。
本発明の一実施形態装置の概要構成を示す図である。
以下、添付図面の図1にもとづき、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、シャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉に、石炭コークスと廃棄物成形物を燃料として供給することを特徴としているが、これらの特徴についての説明に先立ち、このシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉の概要構成を説明する。
図1に示される本発明の一実施形態のシャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉には、ガス化溶融炉1の炉上部に、処理対象物としての廃棄物、燃料としての石炭コークス及び廃棄物成形物、スラグの成分調整材としての石灰石を炉内へ投入するための投入口2が設けられ、また、上部側方には炉内のガスを炉外へ排出するためのガス排出口3が設けられている。また、ガス化溶融炉1の炉下部には溶融スラグと溶融金属を排出するための出滓口4が設けられている。
シャフト炉式廃棄物ガス化溶融炉は、そのガス化溶融炉1の内部空間が縦方向で3つの領域に大別されていて、下方から、炉下部に形成された下部シャフト部I、その上に位置する中部シャフト部II、上部に形成されたフリーボード部IIIを有する領域となっている。これらの各部I,II,IIIは、それぞれ次のような機能を有する領域となっている。すなわち、下部シャフト部Iは、堆積された石炭コークス及び廃棄物成形物を燃焼させて高温燃焼帯を形成する領域、中部シャフト部IIは、この高温燃焼帯上に投入された廃棄物の堆積により形成された廃棄物層の廃棄物を熱分解させる領域、フリーボード部IIIは、生成した可燃性ガスを部分燃焼させる領域である。
廃棄物ガス化溶融炉1の上方には、都市ごみ等の廃棄物、石炭コークス、廃棄物成形物、生成するスラグの成分調整材として使用する石灰石をそれぞれ供給する供給装置(図示せず)が配設されており、この供給装置から供給された廃棄物、石炭コークス及び廃棄物成形物、石灰石は搬送コンベア(図示せず)により搬送され炉上部の上記投入口2から炉内に投入される。
廃棄物ガス化溶融炉に形成された上記下部シャフト部I、中部シャフト部II、フリーボード部IIIの各部に対して、それぞれ酸素含有ガスを吹き込む羽口が炉壁に設けられている。すなわち、下部シャフト部Iには、堆積された石炭コークス及び廃棄物成形物を燃焼させて高温燃焼帯を形成し、熱分解残渣を溶融するための酸素富化空気を吹き込む主羽口5が設けられ、中部シャフト部IIには、投入されて堆積された廃棄物を部分燃焼させると共に廃棄物を緩やかに流動させながら熱分解、燃焼させるための空気を吹き込む副羽口6が設けられ、フリーボード部IIIには、廃棄物が熱分解して生成した可燃性ガスの一部を燃焼させて炉内部を所定温度に維持するための空気を吹き込む三段羽口7が設けられている。
ガス排出口3に二次燃焼室10が接続して設けられており、廃棄物を熱分解して生成した可燃性ガスを燃焼する。二次燃焼のための空気を吹き込む空気送風口11が設けられている。また、この二次燃焼室10には、該二次燃焼室10で可燃性ガスを燃焼した燃焼ガスから熱回収するボイラ12が隣接して設けられている。
次に、上述の廃棄物ガス化溶融炉1へ石炭コークスとともに、炉内へ投入される廃棄物成形物について説明する。
廃棄物成形物は廃棄物を乾燥、破砕し、破砕した廃棄物を加熱加圧成形して製造する。原料となる廃棄物にはプラスチック類が含まれていることが好ましい。また、原料となる廃棄物にバイオマスが含まれていてもよい。原料廃棄物を、水分が3〜25wt%となるように乾燥し、20mm以下、より望ましくは5mm以下に破砕した後、その破砕したものを加熱圧縮成形機に投入し、成形機内の廃棄物原料を炭化温度より低い温度に、すなわち、120〜300℃、望ましくは180〜300℃、より望ましくは230〜250℃になるよう加熱しながら、該廃棄物原料に10MPa以上の圧力をかけて成形する。
廃棄物成形物は、見掛密度が1.2g/cm以上、望ましくは1.3g/cm以上であることが好ましい。見掛密度が高いものほど熱分解を受ける前の強度が高く、炉下部に至るまで崩壊しにくい。また、廃棄物成形物は、1個当りの重量が100g以上、望ましくは200g以上であることが好ましい。上記の温度と圧力の加熱加圧成形方法で製造した廃棄物成形物は、見掛密度が1.2g/cm以上、または1.3g/cm以上となる。廃棄物成形物の形状は球状、円筒状、直方体状などいずれでもよい。
廃棄物成形物の原料廃棄物にプラスチック類が含まれていることにより、廃棄物成形物の加熱加圧成形時に、プラスチック類は昇温して軟化溶融し、他の廃棄物同士間の結合材となり結合を強くして成形物の形状を強固に維持するとともに、この成形物から揮発分が気散しにくい性状とする。したがって、廃棄物成形物は炉内で加熱されても、形状を維持し炉下部に到達し、また、炉下部に至るまでの間に廃棄物の保有揮発分が気散することを抑制する。
廃棄物を原料として炭化温度より低い温度に加熱しながら加圧成形した廃棄物成形物は、揮発分を含有しており、炉下部に至るまでの間に廃棄物の保有揮発分が気散してしまうことが抑制されているため、この廃棄物成形物を石炭コークスの一部の代替として投入し、溶融炉下部の石炭コークスの高温火格子で燃焼して溶融熱源とすることにより、廃棄物原料が保有する揮発分の燃焼熱を有効に利用することができる。廃棄物成形物は揮発分が多く、また炉内で廃棄物成形物が乾留され生成した廃棄物炭化物も反応性が高いため、炉下部での高温火格子を形成する石炭コークスよりも先に溶融熱源として消費される。
廃棄物成形物が高密度・高重量(好ましくは、既述のごとく見掛密度1.3g/cm以上、重量200g以上)の場合には、廃棄物成形物は、石炭コークスよりも短時間で炉下部に到達するので、高密度・高重量の廃棄物成形物は炉下部に達するまでに消費される分が少ない。その結果、従来溶融熱源分として供給されていた供給量の石炭コークスが供給する熱量と、等量の熱量を供給するために必要な廃棄物成形物の供給量の計算値より少ない供給量で、炉下部にて石炭コークスのみ使用時と同等の灰分溶融状態、すなわち同等の灰分溶融スラグ温度を得ることができる。このように、高密度・高重量の廃棄物成形物は、より効率的に炉下部での溶融熱源として寄与できる。
このように構成される本実施形態装置では、廃棄物のガス化溶融処理は次の要領で行われる。
供給装置からの廃棄物、石炭コークス及び廃棄物成形物、石灰石がガス化溶融炉1の上部に設けられた投入口2を経て、それぞれ所定量ずつ炉内へ投入され、主羽口5、副羽口6、及び三段羽口7から、それぞれ酸素富化空気又は空気が炉内へ吹き込まれる。上記投入口2から投入された廃棄物は、炉内で中部シャフト部IIに堆積して廃棄物層を形成し、下部シャフト部Iの高温燃焼帯から上昇してくる高温ガス及び副羽口から吹き込まれる空気によって乾燥され、次いで熱分解される。熱分解により生成した可燃性ガスは、フリーボード部IIIにて、三段羽口から吹き込まれる空気により燃焼して850℃以上の温度に保たれ、有害ガスとタール分を分解させる処理が施されてから炉外に設けられた二次燃焼室へ送られ、その燃焼ガスがボイラで熱回収される。石炭コークスは下部シャフト部Iに下降し、廃棄物成形物は途中で揮発分が熱分解、燃焼されることが抑制されながら、下部シャフト部Iに下降し、石炭コークス及び廃棄物成形物が燃焼する高温燃焼帯が形成される、中部シャフト部IIの廃棄物層で廃棄物が熱分解した残渣(灰分)は下降し、石炭コークス及び廃棄物成形物が燃焼されている高温燃焼帯が形成されている下部シャフト部Iに達し、該下部シャフト部Iにて、廃棄物成形物中の揮発分と、石炭コークス及び廃棄物成形物中の固定炭素が燃焼し、その燃焼熱により灰分が溶融し溶融スラグと溶融金属になる。溶融スラグと溶融金属は出滓口4から排出され、炉外に設けられた水砕装置に供給され冷却固化され、冷却固化された水砕スラグと水砕金属が回収される。
廃棄物ガス化溶融炉に石炭コークスと廃棄物成形物を投入し、ガス化溶融炉1の下部に石炭コークスで高温火格子を形成し、石炭コークスと廃棄物成形物を燃焼して、廃棄物の熱分解残渣(灰分)を溶融する溶融熱源とする。石炭コークスの炉内への投入量は、高温火格子を形成することに必要な量とし、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補うこととし、それぞれ所定量を投入する。
このような廃棄物のガス化溶融処理過程において、燃料としての石炭コークスと廃棄物成形物のうち、石炭コークスは炉内への投入当初から塊状をなしており、下部シャフト部Iの高温燃焼帯で、石炭コークス同士間での隙間により、高温火格子を形成する。この高温火格子の層は、その上面が主羽口5よりも上方に位置しており、主羽口5からの酸素富化空気が上記隙間を上昇通気し、石炭コークスと廃棄物成形物の燃焼が良好に行われその十分なる燃焼ガスが廃棄物層へ到達する。一方、高温燃焼帯で廃棄物の灰分が、石炭コークスと廃棄物成形物の燃焼による熱量により十分に溶融して、溶融スラグと溶融金属が生ずる。溶融スラグと溶融金属は、上記高温火格子の隙間を良好に降下通流し、出滓口4に達する。
このような廃棄物のガス化溶融処理方法によると、高温火格子を形成する石炭コークスは元来有しているその塊状形状により、石炭コークス同士間に生ずる空隙で通気確保と通液確保とが確実に行われる高温火格子とする機能と、溶融するための熱源としての機能とをもつ。一方、廃棄物成形物は、その高温強度に係りなく使用可能であり、石炭コークスの溶融熱量を補足する溶融熱源としての機能をもつ。したがって、石炭コークスは高温火格子を形成するに必要な最小限の量で足り、溶融熱源として不足する分は上記廃棄物成形物で補うことができ、両者で十分な溶融熱源を確保しつつ、最小の石炭コークスで高温火格子層の形成を可能とする。廃棄物成形物は、溶融熱の供給源、すなわち溶融熱源としての役目だけであれば、高い高温強度は必要とされない。したがって、低価格の廃棄物成形物を使用することができ、廃棄物溶融炉の運転費を低減することができる。
このようにして、石炭コークスで高温火格子を形成すると、この高温火格子の石炭コークスと高温火格子に堆積した廃棄物成形物が主羽口からの酸素富化空気により燃焼してその燃焼ガスが高温火格子を良好に上昇通気して廃棄物を加熱して熱分解、燃焼し、そして石炭コークスと廃棄物成形物の燃焼熱により灰分を溶融し、溶融物が良好に上記高温火格子を降下通液する。
このように、高温火格子では、燃焼ガスの上昇通気そして溶融スラグと溶融金属の降下通流を良好に維持しつつ、燃料としての石炭コークスと廃棄物成形物が燃焼される。石炭コークスは高温火格子の形成に必要な量だけで良く、廃棄物のガス化溶融に必要な熱量として不足する分は、廃棄物成形物で補われる。さらに、廃棄物成形物を高温火格子上で燃焼することにより、廃棄物原料が有する揮発分の燃焼熱を溶融熱源として有効に利用することができる。
かくして、高価格な原料を用いず原料の入手が容易な廃棄物の成形品を用いて、石炭コークスの使用量を極力抑制することができ、一方、廃棄物成形物に関しては、その高温強度に係りなく投入することができ、低価格の廃棄物成形物でも燃料として使用することができるようになる。このようにして、石炭コークスの使用量を低減して二酸化炭素排出量を削減すると共に、廃棄物溶融炉の運転費を低減することができ、安定した操業ができる廃棄物の溶融処理ができる。
廃棄物成形物として、上記のような加熱条件、加圧条件や寸法形状に成形することが好ましいが、廃棄物原料の揮発分を有効に残存させる条件であれば、その他の条件で加熱加圧成形してもよい。
<実施例>
図1の廃棄物ガス化溶融炉を用い操業試験を行った。操業状態の指標として炉下部の溶融スラグ温度を計測し、石炭コークスのみを投入する操業で溶融スラグが円滑に排出され安定した操業状態における溶融スラグ温度を好ましい所定範囲とした。溶融スラグ温度を計測し所定範囲となるように、石炭コークス投入量を減少するとともに廃棄物成形物投入量を増加し、表1に示す石炭コークスと廃棄物成形物の使用率の条件で操業試験を行った。
表1にて、石炭コークス使用率とは、石炭コークス使用量(kg/t−廃棄物)/石炭コークスのみ使用する運転時の石炭コークス使用量(kg/t−廃棄物)の比率であり、廃棄物成形物使用率とは、廃棄物成形物使用量(kg/t−廃棄物)/石炭コークスのみ使用する運転時の石炭コークス使用量(kg/t−廃棄物)の比率であり、石炭コークス削減率とは、石炭コークス使用量削減量(kg/t−廃棄物)/石炭コークスのみ使用する運転時の石炭コークス使用量(kg/t−廃棄物)の比率である。表1に示すように石炭コークス使用率を減少するとともに廃棄物成形物使用率を増加して、石炭コークス削減率66wt%にまで、石炭コークスの使用量を低減することができた。石炭コークスの使用量を高温火格子形成に必要な最小限とし、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補う操業を実現できることを確認した。
Figure 2014231941
1 ガス化溶融炉

Claims (3)

  1. 廃棄物溶融炉に廃棄物を投入し廃棄物を熱分解、燃焼し、炉下部で熱分解燃焼後の灰分を溶融する廃棄物溶融処理方法において、炉内へ石炭コークスを投入するとともに、廃棄物原料を炭化温度より低い温度に加熱しながら加圧成形した廃棄物成形物を投入し、該溶融炉の下部に石炭コークスで高温火格子を形成し、石炭コークスの炉内への投入量は、少なくとも高温火格子を形成するのに必要な量とし、溶融熱源として必要な熱量を廃棄物成形物により補うことを特徴とする廃棄物の溶融処理方法。
  2. 廃棄物成形物は、廃棄物原料を120〜300℃の温度に加熱しながら、10MPa以上の圧力で加圧成形した成形物であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の溶融処理方法。
  3. 廃棄物成形物は、重量が100g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物の溶融処理方法。
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