JP2024031730A - 廃棄物処理方法 - Google Patents

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Keiichi Okuyama
真司 樋口
Shinji Higuchi
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Lisak Grzegorz
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Abstract

Figure 2024031730000001
【課題】バイオマス炭の消費量を抑えて廃棄物を溶融する。
【解決手段】溶融炉内で少なくとも廃棄物の熱分解及びガス化を行なうことにより生じる灰分を溶融炉内で溶融する廃棄物処理方法であって、第1バイオマス炭と、廃棄物の処理に要する消費量が廃棄物の処理に要する第1バイオマス炭の消費量を超える第2バイオマス炭とを溶融炉内へ投入し、第1バイオマス炭により溶融炉内に火格子を形成して第1バイオマス炭を燃焼させ、火格子中または上面で第2バイオマス炭を燃焼させ、第1バイオマス炭及び第2バイオマス炭の燃焼による熱で灰分を溶融し、投入された第1バイオマス炭の重量と、投入された第2バイオマス炭の重量とを合算した重量に対する第1バイオマス炭の重量の割合を30%以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物処理方法に関する。
廃棄物を処理するガス化溶融炉においては、石炭を原料とするコークスが廃棄物とともに投入されている。この投入されたコークスは、炉下部に到達して燃焼し、コークス同士間の隙間により火格子を形成する。ガス化溶融炉に投入された廃棄物は、コークスの燃焼による高熱と高温ガスで熱分解及びガス化され、熱分解及びガス化後の灰分が炉下部に到達する。炉下部に到達した灰分は、コークスの燃焼による熱で溶融し、溶融したスラグと溶融した金属が生ずる。この溶融したスラグと溶融した金属は、コークスにより形成された火格子の隙間を降下し、出滓口から排出される。
このようなコークスを用いる処理方法に対し、ガス化溶融炉の運転による二酸化炭素の排出量を削減するため、ガス化溶融炉においてコークスに替えてバイオマスを用いて廃棄物を処理する発明がある。例えば特許文献1に開示された廃棄物の溶融処理方法は、バイオマス原料を加圧成形したバイオマス成形物と、バイオマス原料を炭化したバイオマス炭化物とをコークスに替えて使用している。この溶融処理方法においては、バイオマス炭化物は、火格子を形成するとともに灰分を溶融する熱源として機能する。また、この溶融処理方法では、バイオマス炭化物の投入量を少なくとも火格子を形成するのに必要な最小限量とし、灰分を溶融する熱量をバイオマス成形物の燃焼の熱量で補っている。
特許第6168287号公報
ガス化溶融炉でバイオマス炭を使用する場合、大量のバイオマス炭を使用する。しかしながら、同じ種類のバイオマス炭を大量に確保することが困難であるため、廃棄物を処理するガス化溶融炉では、複数のバイオマス炭工場の製品を使用する。複数のバイオマス炭工場の製品を使用する場合、バイオマス炭の性状は、バイオマス炭を製造する工場によって異なる。バイオマス炭の性状により、廃棄物を処理するために消費するバイオマス炭の量は大きく変化するため、使用するバイオマス炭によっては消費量が大きく増加してしまうことがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バイオマス炭の消費量を抑えて廃棄物を溶融することを目的とする。
本発明の一側面に係る廃棄物処理方法は、溶融炉内で少なくとも廃棄物の熱分解及びガス化を行なうことにより生じる灰分を前記溶融炉内で溶融する廃棄物処理方法であって、第1バイオマス炭と、前記廃棄物の処理に要する消費量が前記廃棄物の処理に要する第1バイオマス炭の消費量を超える第2バイオマス炭とを前記溶融炉内へ投入し、前記第1バイオマス炭により前記溶融炉内に火格子を形成して前記第1バイオマス炭を燃焼させ、前記火格子中または上面で前記第2バイオマス炭を燃焼させ、前記第1バイオマス炭及び前記第2バイオマス炭の燃焼による熱で前記灰分を溶融し、投入された前記第1バイオマス炭の重量と、投入された前記第2バイオマス炭の重量とを合算した重量に対する前記第1バイオマス炭の重量の割合を30%以上とする。
また、本発明に係る廃棄物処理方法においては、前記第1バイオマス炭は、廃棄物の処理に要する消費量が異なる複数種類のバイオマス炭から成るものとしてもよい。
本発明に係る廃棄物処理方法においては、前記第1バイオマス炭は、見掛密度が0.9g/cm以上であり、1個あたりの重量が60g以上であり、揮発分が7乾wt%以下であり、低位発熱量が26MJ/kg以上であってもよい。
また、本発明に係る廃棄物処理方法においては、前記第2バイオマス炭は、廃棄物の処理に要する消費量が異なる複数種類のバイオマス炭から成るものとしてもよい。
本発明によれば、バイオマス炭の消費量を抑えて廃棄物を溶融することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係るガス化溶融炉1の構成を示す図である。 図2は、バイオマス炭の消費量の測定結果を示すグラフである。 図3は、バイオマス炭の消費量の測定結果を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。
[実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るガス化溶融炉1の構成を示す図である。ガス化溶融炉1は、シャフト炉式のガス化溶融炉である。本実施形態では、ガス化溶融炉1へ廃棄物とともに二種類のバイオマス炭を投入し、投入したバイオマス炭の燃焼による熱で廃棄物のガス化と溶融を行なう。
ガス化溶融炉1の上方には、都市ごみ等の廃棄物33、第1バイオマス炭31、第2バイオマス炭32、及び石灰石34を供給する供給装置が配設されている。なお、図1においては、供給装置の図示を省略している。石灰石34は、ガス化溶融炉1で生成されるスラグの成分調整材として使用される。
ガス化溶融炉1は、炉上部に投入口2が設けられている。廃棄物33、第1バイオマス炭31、第2バイオマス炭32、及び石灰石34は、供給装置から搬送コンベアにより搬送され、投入口2から炉内に投入される。なお、図1においては、搬送コンベアの図示を省略している。第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32は、それぞれ別のホッパに入れ、それぞれ所定量を切り出して供給装置に投入してもよい。また、予め第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32を混合して1つのホッパに入れ、1ヶ所から切り出して供給装置に投入してもよい。
ガス化溶融炉1の炉上部の側方には、ガス排出口3が設けられている。ガス排出口3は、炉内で発生したガスを二次燃焼室10へ排出するための排出口である。ガス排出口3には、二次燃焼室10が接続されている。二次燃焼室10には、二次燃焼のための空気を吹き込む送風口11が設けられている。二次燃焼室10では、ガス化溶融炉1において廃棄物33の熱分解及びガス化によって生成された可燃性ガスが燃焼する。
二次燃焼室10には、ボイラ12が隣接して設けられている。ボイラ12は、二次燃焼室10で可燃性ガスを燃焼して発生した熱を回収する。ボイラ12で熱を回収された排ガスは、ボイラ12に接続されている排ガス処理装置へ送られる。なお、図1においては、排ガス処理装置の図示を省略している。
ガス化溶融炉1は、内部空間が縦方向に3つの領域に大別されている。具体的には、内部空間は、下方から、下部シャフト部21、中部シャフト部22、フリーボード部23に大別されている。
下部シャフト部21は、炉内に投入されて堆積した第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32を燃焼させて高温燃焼帯を形成する領域である。下部シャフト部21に形成される高温燃焼帯上には、炉内に投入された廃棄物33が堆積して廃棄物層が形成される。下部シャフト部21の炉壁には、主羽口5が設けられている。主羽口5は、高温燃焼帯を形成するための酸素富化空気が吹き込まれる羽口である。また、下部シャフト部21には、出滓口4が設けられている。出滓口4は、廃棄物33の灰分が溶融したスラグと、廃棄物33にあって溶融した金属とを排出するための排出口である。
中部シャフト部22は、下部シャフト部21の上に位置する。中部シャフト部22は、高温燃焼帯上に形成された廃棄物層の廃棄物33を熱分解させる領域である。中部シャフト部22の炉壁には、副羽口6が設けられている。副羽口6は、投入されて堆積した廃棄物33を緩やかに流動させながら熱分解と燃焼をさせるための空気が吹き込まれる羽口である。
フリーボード部23は、中部シャフト部22の上に位置する。フリーボード部23は、廃棄物33の燃焼により生成された可燃性ガスの一部を燃焼させる領域である。フリーボード部23の炉壁には、三段羽口7が設けられている。三段羽口7は、廃棄物33の熱分解によって生成された可燃性ガスの一部を燃焼させて炉内部を所定温度に維持するための空気が吹き込まれる。
次に、廃棄物33とともにガス化溶融炉1へ投入される第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32について説明する。本発明では、コークスに替えて炉内に第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32をガス化溶融炉1へ投入する。
本発明では、バイオマス炭の一例である第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32は、バイオマスを加圧成形して炭化処理した炭化物である。加圧成形方法としては、押出成形、型に充填して加圧成形などの方法を用いる。なお、第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32の原料自体は、各種存在するが、本発明ではバイオマス原料についての限定は特になく、どのような種類でもよい。炭化前のバイオマスは、適切な大きさに切断したものでもよく、また、破砕物を成形したものでも良い。
第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32は、廃棄物33の熱分解及びガス化により生じる灰分を溶融する熱源として機能する。また、第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32は、炉下部で火格子を形成する。即ち本発明では、第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32を用いることにより、火格子の機能と、灰分を溶融する熱源の機能が確保され、コークスを使用しなくても廃棄物33の溶融処理及びガス化処理が可能になる。
第1バイオマス炭31は、例えば1000kgの廃棄物33を処理するために消費するコークスの重量を100%とした場合、1000kgの廃棄物33を処理するために消費する重量が100%未満であるバイオマス炭である。換言すると、第1バイオマス炭31の一例は、廃棄物33を処理するための消費量がコークスより少ないバイオマス炭である。第1バイオマス炭31の形状は、例えば円筒状であるが、球状や直方体状であってもよい。
火格子を形成するためのコークスを第1バイオマス炭31で置き換えるためには、第1バイオマス炭31は、以下の性状のものを用いることが好ましい。具体的には、第1バイオマス炭31は、見掛密度が0.9g/cm以上、望ましくは、見掛密度が1.0g/cm以上であるのが好ましい。また、第1バイオマス炭31は、1個あたりの重量が60g以上、望ましくは、90g以上であるのが好ましい。また、第1バイオマス炭31は、揮発分が7乾wt%以下であるのが好ましい。また、第1バイオマス炭31は、低位発熱量が26MJ/kg以上であるのが好ましい。なお、このような性状を持つ第1バイオマス炭31は、バイオマスに長時間の炭化処理を施し最終的に高温に到達させ製造されたものであり、低温で短時間の条件下で生成する炭化物に比べて高密度で強度が高い。見掛密度が大きく、且つ、重量が重い第1バイオマス炭31は、炉内を速やかに下降して炉下部に到達し、炉下部に至る過程で燃焼される分が少ないため、火格子を良好に形成することができる。また、第1バイオマス炭31は、燃焼速度が遅く、炉内で長時間残留するため、同じ容積の火格子を形成するための投入量を低下させることができる。このため第1バイオマス炭31については、灰分を溶融する領域を維持するために投入する単位時間あたりの量を少なくすることができる。
第2バイオマス炭32は、例えば1000kgの廃棄物33を処理するために使用するコークスの重量を100%とした場合、1000kgの廃棄物33を処理するために消費する重量が100%以上であるバイオマス炭である。換言すると、第2バイオマス炭32の一例は、廃棄物33を処理するための消費量がコークス以上であるバイオマス炭である。第2バイオマス炭32の形状も、球状、円筒状、直方体状などのいずれであってもよい。第2バイオマス炭32としては、例えば、上述した第1バイオマス炭31として要求される性状を備えていないバイオマス炭を用いることができる。このような第2バイオマス炭32は、第1バイオマス炭31とともに燃焼して灰分を溶融する熱源として機能する。なお、第2バイオマス炭32は、下部シャフト部21に到達して灰分を溶融する熱源としての役目だけであれば、高い強度が必要とされるものではない。
本発明では、炉内へ投入される第1バイオマス炭31の重量と、炉内へ投入される第2バイオマス炭32の重量を合算した重量は、コークスのみを投入するときより少ない重量となるように、それぞれ所定の割合で投入する。例えば、第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32を混合して炉内へ投入する場合、第1バイオマス炭31の混合率は30%以上、望ましくは40%以上がよく、より望ましくは50%であるのが好ましい。ここで第1バイオマス炭31の混合率とは、投入した第1バイオマス炭31の重量と、投入した第2バイオマス炭32の重量とを合算した重量に対する第1バイオマス炭31の重量の割合である。ここで、第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32を混合して使用する場合、灰分を溶融するために必要なバイオマス炭の合算量は、各バイオマス炭単独での使用量を混合率で重み付けした単純平均よりも少なくなる。第1バイオマス炭31の混合率が50%以上であれば、第1バイオマス炭31のみを炉内へ投入した場合と同等の重量での運転が可能となる。なお、第1バイオマス炭31の混合率が30%以上であれば、性状が異なる複数種類の第2バイオマス炭32を混合してガス化溶融炉1に投入してもよい。また、第1バイオマス炭31についても、混合率が30%以上となるのであれば、性状が異なる複数種類の第1バイオマス炭31を混合してガス化溶融炉1に投入してもよい。
次に、ガス化溶融炉1における廃棄物33のガス化溶融処理について説明する。供給装置から供給される廃棄物33、第1バイオマス炭31、第2バイオマス炭32、及び石灰石34は、それぞれ所定量ずつ投入口2から炉内へ投入される。炉内には主羽口5から酸素富化空気が吹き込まれる。また、炉内には副羽口6、及び三段羽口7から空気が吹き込まれる。
投入口2から投入された廃棄物33は、炉内で中部シャフト部22に堆積して廃棄物層を形成する。この廃棄物層は、下部シャフト部21の高温燃焼帯から上昇してくる高温ガス及び副羽口6から吹き込まれる空気によって乾燥され、次いで熱分解される。廃棄物33の熱分解により生成された可燃性ガスは、フリーボード部23にて、一部が三段羽口7から吹き込まれる空気により燃焼されて850℃以上の温度に保たれ、有害ガスとタール分を分解させる処理が施されてから炉外に設けられた二次燃焼室10へ送られる。二次燃焼室10では、送風口11から空気が吹き込まれ、ガス排出口3から供給される可燃性ガスが燃焼する。二次燃焼室10で可燃性ガスを燃焼して発生した熱は、ボイラ12で回収される。
第1バイオマス炭31は、下部シャフト部21に下降し、第1バイオマス炭31同士の隙間により空気の通過及び液体の通過が可能な火格子を形成する。第2バイオマス炭32は、下部シャフト部21に下降して第1バイオマス炭31で形成される火格子上に至り燃焼する。第2バイオマス炭32は、第1バイオマス炭31より弱い火格子形成能力を有するので火格子内に入り込むが、火格子下部に到達する前に燃焼で消費される。なお、第1バイオマス炭31で形成される火格子の層は、その上面が主羽口5よりも上方に位置している。主羽口5から吹き込まれる酸素富化空気は、第1バイオマス炭31同士の隙間を上昇し、第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32を燃焼させる。第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32が燃焼することにより、廃棄物33の灰分や不燃物を溶融するための熱源となる高温燃焼帯が形成される。
第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32の燃焼により生じる燃焼ガスは、廃棄物層へ上昇して廃棄物33を熱分解及びガス化させる。中部シャフト部22の廃棄物層で熱分解及びガス化した廃棄物33の灰分は下降し、高温燃焼帯が形成されている下部シャフト部21に達する。下部シャフト部21では、第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32が燃焼し、この燃焼の熱によって灰分は溶融したスラグおよび溶融した金属になる。また、溶融したスラグと溶融した金属は、火格子を形成する第1バイオマス炭31同士の隙間を下降して出滓口4から排出される。炉外に排出されたスラグと金属は、炉外に設けられた水砕装置に供給されて冷却固化されて回収される。
[実施例]
本発明の発明者は、図1に示したガス化溶融炉1を用いた操業試験を行った。操業試験に際し、ガス化溶融炉1に投入するバイオマス炭A~Fについて性状を測定した。表1にバイオマス炭A~Fの性状を示す。また、操業試験においては、表1に示す性状のバイオマス炭A~Fについて、それぞれのバイオマス炭のみをガス化溶融炉1に投入したときの廃棄物1000kgあたりの消費量を測定した。なお、それぞれのバイオマス炭のみを投入したときの廃棄物1000kgあたりの消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1に投入したときのコークスの重量を100%とし、1000kgの廃棄物33を処理するために投入した重量をコークスの重量に対する相対値で示している。
Figure 2024031730000002
表1に示す性状のバイオマス炭A、バイオマス炭B及びバイオマス炭Cは、廃棄物1000kgあたりの消費量が100%未満となり、第1バイオマス炭31に相当する。また、バイオマス炭A、バイオマス炭B、及びバイオマス炭Cは、上述した第1バイオマス炭31の性状に合致している。
表1に示す性状のバイオマス炭D、及びバイオマス炭Eは、廃棄物1000kgあたりの消費量が100%以上であり、第2バイオマス炭32に相当する。なお、バイオマス炭Fについては、炉内で崩壊しやすく高温燃焼帯が十分に形成されないため、溶融したスラグが出滓口4から排出されず、ガス化溶融炉1の運転を継続できなくなったため、廃棄物1000kgあたりの消費量については測定ができなかった。バイオマス炭Fも第2バイオマス炭32に相当する。
また、操業試験においては、第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32の割合を変えてガス化溶融炉1に投入し、第1バイオマス炭31の消費量と第2バイオマス炭32の消費量とを合算した消費量を測定した。図2は、第1バイオマス炭31に相当するバイオマス炭Bと第2バイオマス炭32に相当するバイオマス炭Dとの混合の割合を変えてガス化溶融炉1に投入したときのバイオマス炭B及びバイオマス炭Dの合算の消費量の測定結果を示すグラフである。なお、測定した消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1に投入したときのコークスの重量を100%とし、バイオマス炭Bとバイオマス炭Dを炉内へ投入したときのバイオマス炭Bの重量とバイオマス炭Dの重量の合計をコークスの重量に対する相対値で示している。図2のグラフにおいて横軸は、投入したバイオマス炭Bの混合率であり、縦軸は、コークスに対するバイオマス炭B及びバイオマス炭Dの合算の消費量である。
図2に示すように、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭Bの混合率が30%以上である場合、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭B及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Dの合算の消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1へ投入したときのコークスの消費量未満となる。即ち、第1バイオマス炭31の混合率が30%以上である場合、炉内へ投入する第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32について、コークスより少ない重量で廃棄物33を処理することができる。また、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭B及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Dの合算の消費量は、単純平均値、すなわち図2においてバイオマス炭Bの混合率が0%と100%である点を結んだ直線よりも下方に位置する。バイオマス炭Bの混合率を30%とした場合、単純に混合率で重みづけした場合の消費量は、87%×0.3+130%×0.7=117%であるが、図2によれば101%であり、10%以上の有意な削減効果がみられる。第1バイオマス炭31であるバイオマス炭Bの混合率が50%以上である場合、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭B及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Dの合算の消費量は、バイオマス炭Bのみをガス化溶融炉1へ投入したときの消費量から大きく増加せず、4%未満の増加であった。バイオマス炭Bの混合率が40%なら8%の増加、30%なら16%の増加であった。
また、図3は、第1バイオマス炭31に相当するバイオマス炭Cと、第2バイオマス炭32に相当するバイオマス炭Fとの混合の割合を変えてガス化溶融炉1に投入したときのバイオマス炭C及びバイオマス炭Fの合算の消費量の測定結果を示すグラフである。なお、測定した消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1に投入したときのコークスの重量を100%とし、バイオマス炭Cとバイオマス炭Fを炉内へ投入したときのバイオマス炭Cの重量とバイオマス炭Fの重量の合計をコークスの重量に対する相対値で示している。図3のグラフにおいて横軸は、投入したバイオマス炭Cの混合率であり、縦軸は、コークスに対するバイオマス炭C及びバイオマス炭Fの合算の消費量である。第1バイオマス炭31であるバイオマス炭Cの混合率が50%以上である場合、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭C及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Fの合算の消費量は、バイオマス炭Cのみをガス化溶融炉1へ投入したときの消費量から大きく増加せず、10%未満の増加であった。バイオマス炭Cの混合率が40%なら22%の増加、30%なら39%の増加であったが、バイオマス炭Cの混合率が30%未満となる領域での運転継続は不可能であった。
図3に示すように、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭Cの混合率が30%以上であっても、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭C及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Fの合算の消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1へ投入したときのコークスの消費量以上となる場合がある。この場合、図3に示されているように、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭Cの混合率を50%以上とすると、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭C及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Fの合算の消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1へ投入したときのコークスの消費量未満となる。また、バイオマス炭Bとバイオマス炭Dとを混合した場合においても、図2に示されているように第1バイオマス炭31であるバイオマス炭Bの混合率が50%以上である場合、第1バイオマス炭31であるバイオマス炭B及び第2バイオマス炭32であるバイオマス炭Dの合算の消費量は、コークスのみをガス化溶融炉1へ投入したときのコークスの消費量未満となっている。即ち、第1バイオマス炭31の種類と第2バイオマス炭32の種類を替えても、第1バイオマス炭31の混合率を50%以上とすると、コークスより少ない消費量で廃棄物33を処理することができる。また、第1バイオマス炭31を50%以上混合すると第2バイオマス炭32の影響は現れにくくなり、第2バイオマス炭32の種類によらず第1バイオマス炭31に近い消費量での運転が可能になる。
このように本発明においては、第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32を混合して投入することにより、火格子を形成する第1バイオマス炭31の消費量を抑えることができる。また、本発明においては、灰分を溶融する熱量として第1バイオマス炭31で不足する熱量は、第2バイオマス炭32で補うことができる。即ち、本発明においては、灰分を溶融する熱量を第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32で確保しつつ、第1バイオマス炭31の消費量を抑えて火格子を形成することができる。また、本発明では、第1バイオマス炭31及び第2バイオマス炭32を用い、コークスよりも消費量を抑えて廃棄物33の溶融処理を行うことができるため、二酸化炭素の排出量を削減すると共に、ガス化溶融炉1の運転費を低減することができ、ひいては安定した操業を行なうことができる。
また、ガス化溶融炉1で一種類のバイオマス炭のみを投入する場合、バイオマス炭の種類を変更することで消費量が変動する。例えば、ガス化溶融炉1の運転中に投入するバイオマス炭を一種類のみとし、投入するバイオマス炭をバイオマス炭Bからバイオマス炭Eに替えた場合には、バイオマス炭の消費量が大きく増加してしまう。一方、本発明では、所定の割合で第1バイオマス炭31と、第2バイオマス炭32とを混合して用いることにより、第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32の種類を替えてもコークスのみを炉内へ投入したときより消費量を抑えることができる。また、第1バイオマス炭31のみを使用したときに近い消費量で運転を継続することができるため、一種類のバイオマス炭のみを投入して種類を変更することで生じる消費量の変動を抑制することができる。
さらに本発明では、第1バイオマス炭31と第2バイオマス炭32を混合して投入しても、消費量は、単純に第1バイオマス炭31のみを用いたときの消費量と、第2バイオマス炭32のみを用いたときの消費量との平均値ではなく、第1バイオマス炭31のみを投入するときの消費量に近い消費量で運転を行うことが可能になる。これより、第2バイオマス炭32を投入しても燃料の消費量の増加を抑制することができ、確保したバイオマス炭を用いて廃棄物33の処理量を最大化することが可能になる。また、単独で使用すると消費量の多い第2バイオマス炭32は、消費量の少ない第1バイオマス炭31と共に用いることにより、第1バイオマス炭31に近い消費量に抑えて廃棄物33の処理を行うことが可能になる。
また、バイオマス炭Fのように揮発分が多いバイオマス炭のみを炉内へ投入した場合、高温燃焼帯が十分に形成されないため、溶融したスラグが出滓口4から排出されず、ガス化溶融炉1の運転ができなくなるが、本発明ではバイオマス炭Fを第1バイオマス炭31と混合して使用することにより、廃棄物33の処理を行うことができる。
また、廃棄物33を処理するための消費量がコークスに対する相対値で多い第2バイオマス炭32のみを大量に投入すると、灰分の溶融に必要な熱量以上の熱量が生ずることになり、貴重なバイオマスエネルギーを無駄に消費することになる。また、廃棄物33を処理するための消費量がコークスに対する相対値で多い第2バイオマス炭32のみを大量に投入すると、全量が燃焼によって熱に変換されず、高温の二酸化炭素とバイオマス炭との反応により吸熱しながらガス化されるため、バイオマスエネルギーが灰分の溶融に使われることなく無駄に消費される。一方、本発明では、廃棄物33を処理するための消費量がコークスに対する相対値で少ない第1バイオマス炭31を混合して炉内へ投入するため、第2バイオマス炭32を大量に投入することがなく、更に第2バイオマス炭の消費効率も向上させることにより、灰分の溶融に必要な熱量以上の熱量が生じないため、熱を無駄にすることがない。
なお、第1バイオマス炭31は、廃棄物33を処理するための消費量がコークスより少ないものに限定されず、例えば、廃棄物33を処理するための消費量が第2バイオマス炭32より少ないものとしてもよい。また、第2バイオマス炭32についても、廃棄物33を処理するための消費量がコークス以上であるものに限定されず、例えば、廃棄物33を処理するための消費量が第1バイオマス炭31より多いものとしてもよい。
3種類以上のバイオマス炭を炉内へ投入する場合は、単独で使用したときに廃棄物33を処理するための消費量が最も少ないバイオマス炭を第1バイオマス炭31として規定し、他のバイオマス炭を第2バイオマス炭32として規定してもよい。
また、本発明においては、一定の基準を満たす複数種類のバイオマス炭を混合したものを、炉内へ投入する第1バイオマス炭31として規定してもよい。見掛密度が0.9g/cm以上であり、1個あたりの重量が60g以上であり、揮発分が7乾wt%以下であり、低位発熱量が26MJ/kg以上である複数種類のバイオマス炭を混合したものを、炉内へ投入する第1バイオマス炭31として規定してもよい。例えば、前述のバイオマス炭A、バイオマス炭B及びバイオマス炭Cのうちの二つを混合したものを第1バイオマス炭31として炉内へ投入してもよく、三つを混合したものを第1バイオマス炭31として炉内へ投入してもよい。なお、見掛密度が0.9g/cm以上であり、1個あたりの重量が60g以上であり、揮発分が7乾wt%以下であり、低位発熱量が26MJ/kg以上との性状をわずかに外れるものも第1バイオマス炭31に含めるようにしてもよい。
また、本発明においては、見掛密度が0.9g/cm以上であり、1個あたりの重量が60g以上であり、揮発分が7乾wt%以下であり、低位発熱量が26MJ/kg以上である、との条件を満たさない複数種類のバイオマス炭を混合したものを、炉内へ投入する第2バイオマス炭32として規定してもよい。例えば、前述のバイオマス炭D、バイオマス炭E及びバイオマス炭Fのうちの二つを混合したものを第2バイオマス炭32として炉内へ投入してもよく、三つを混合したものを第2バイオマス炭32として炉内へ投入してもよい。
また、上述した実施形態においては、ガス化溶融炉1は、廃棄物33の熱分解、燃焼及びガス化を行なう構成であるが、この構成に限定されるものではない。例えば、ガス化溶融炉1は、廃棄物層を下げて副羽口6が廃棄物層の上に出た状態としてもよい。この構成のガス化溶融炉1は、廃棄物層が副羽口6から吹き込まれる空気により流動しないため、廃棄物33は下部シャフト部21から上昇してくる高温ガスにより廃棄物33の熱分解とガス化が行われ、燃焼が行われない構成となる。廃棄物33の熱分解によって生成された可燃性ガスの一部は、副羽口6から吹き込まれる空気により燃焼する。また、廃棄物層を下げる構成に替えて、副羽口6を備えていない構成としてもよい。この構成でも、廃棄物層が副羽口6から吹き込まれる空気により流動しないため、下部シャフト部21から上昇してくる高温ガスにより廃棄物33の熱分解とガス化が行われ、燃焼が行われない構成となる。
1 ガス化溶融炉
2 投入口
3 ガス排出口
4 出滓口
5 主羽口
6 副羽口
7 三段羽口
10 二次燃焼室
11 送風口
12 ボイラ
21 下部シャフト部
22 中部シャフト部
23 フリーボード部
31 第1バイオマス炭
32 第2バイオマス炭
33 廃棄物
34 石灰石

Claims (4)

  1. 溶融炉内で少なくとも廃棄物の熱分解及びガス化を行なうことにより生じる灰分を前記溶融炉内で溶融する廃棄物処理方法であって、
    第1バイオマス炭と、前記廃棄物の処理に要する消費量が前記廃棄物の処理に要する第1バイオマス炭の消費量を超える第2バイオマス炭とを前記溶融炉内へ投入し、
    前記第1バイオマス炭により前記溶融炉内に火格子を形成して前記第1バイオマス炭を燃焼させ、
    前記火格子中または上面で前記第2バイオマス炭を燃焼させ、
    前記第1バイオマス炭及び前記第2バイオマス炭の燃焼による熱で前記灰分を溶融し、
    投入された前記第1バイオマス炭の重量と、投入された前記第2バイオマス炭の重量とを合算した重量に対する前記第1バイオマス炭の重量の割合を30%以上とする
    廃棄物処理方法。
  2. 前記第1バイオマス炭は、廃棄物の処理に要する消費量が異なる複数種類のバイオマス炭から成る
    請求項1に記載の廃棄物処理方法。
  3. 前記第1バイオマス炭は、見掛密度が0.9g/cm以上であり、1個あたりの重量が60g以上であり、揮発分が7乾wt%以下であり、低位発熱量が26MJ/kg以上である
    請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理方法。
  4. 前記第2バイオマス炭は、廃棄物の処理に要する消費量が異なる複数種類のバイオマス炭から成る
    請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理方法。
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