JP2014231706A - 梁の継手構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】柱に接合された、ウェブとフランジを有するブラケットと、ブラケットと同一断面の梁部材を両者に跨るフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートを用いて接合する上で、両継手プレートの露出を回避し、ウェブに関してフランジの片側の、互いに対向する面側にのみフランジ用継手プレートを配置しながらも、ブラケットと梁部材間での十分な応力伝達を可能にする。
【解決手段】ブラケット2と梁部材3をウェブ21、31の中心に関して各フランジ22、23、32、33の幅方向両側の幅が相違する断面形状に形成し、フランジ用継手プレート4をブラケット2及び梁部材3のフランジ22、23、32、33の幅が大きい側の、互いに対向する面側に配置し、ウェブ用継手プレート5をブラケット2及び梁部材3のウェブ21、31の、フランジ用継手プレート4に面する側に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は柱に接合された、ウェブとフランジを有するブラケットと、ブラケットと同一断面の梁部材を両者に跨るフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートを用いて接合した梁の継手構造に関するものである。
柱に接合されたブラケットと梁部材を現場でボルトを用いて接合する場合、両者のフランジ間とウェブ間にそれぞれフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートを跨設し、各継手プレートとフランジ及びウェブにボルトを挿通させることにより、ブラケットと梁部材間で曲げモーメントとせん断力の伝達が可能な状態に両者の接合が行われる(特許文献1、2参照)。
継手プレートが跨るブラケットと梁部材の突き合わせ部(継手位置)は長期荷重による曲げモーメントが小さくなる箇所に設定されるが、ブラケットと梁部材間で曲げモーメントが確実に伝達されるよう、フランジ用継手プレートは両者のフランジの上面と下面の両面に配置されることが多い(特許文献1)。フランジ用継手プレートがフランジの両面に重ねられることは、ブラケットと梁部材の、継手プレートが跨る区間の剛性を高める意味もある。
フランジの片面側のみにフランジ用継手プレートを配置するとすれば、フランジ用継手プレートは配置のし易さから、上部フランジの上面側と下部フランジの下面側に配置されることになる(特許文献1、3参照)。
また構造物の主要な架構を構成する梁が構面内方向の鉛直荷重と水平荷重による曲げモーメントを負担するときに横倒れ座屈を防止する上で、曲げモーメント負担時の応力状態が幅方向の中心に関して片側に偏ることなく均等になるよう、梁にはH形鋼等、幅方向の中心に関して対称な形状をした断面形状の梁部材(鋼材)が使用される。
これに対し、例えば梁が耐震補強架構、または制震補強架構の一部を構成する場合のように(特許文献4参照)、屋外に露出した状態で架設される場合には、補強架構は構造物の外観を呈することから、意匠上、継手プレートが視界に表れないことが望ましい場合がある。
特開平8−291558号公報(段落0010、図1) 特開平8−177121号公報(段落0011等、図1、図3、図5等) 特開2005−42375号公報(請求項6、段落0019) 特許第4837145号公報(請求項1、段落0002〜0006、0014〜0021、図9)
ウェブ用継手プレートは上記補強架構の梁においてウェブの屋内側に配置されれば、外観に表れない状態になる。但し、フランジ用継手プレートをブラケットと梁部材の各フランジに露出を回避するように重ねようとすれば、上部フランジには下面側に、下部フランジには上面側にフランジ用継手プレートを配置せざるを得ない。この場合、上部フランジの下面側と下部フランジの上面側にはウェブがあるため、各フランジに重なるフランジ用継手プレートはウェブを挟んで幅方向両側に分断されることになる。
しかしながら、ウェブの屋外側は外部に露出する状態になるため、結局、フランジのウェブ側(内周側)の面にフランジ用継手プレートを配置しようとすれば、フランジ用継手プレートはウェブの片側である屋内側に配置せざるを得なくなる。
ここで、前記のようにブラケットと梁部材が幅方向の中心に関して対称形をしている場合、フランジ用継手プレートの幅は上部フランジの上面側に配置される場合の半分以下の大きさに制限されることになる。特にフランジのウェブ側の面には、ウェブのフィレット部、または溶接金属が存在している関係で、ウェブの片側に配置されるフランジ用継手プレートの幅はより小さくなる。
この結果、フランジ用継手プレートの幅方向にボルトを複数列、配列させることが困難になり、ブラケットと梁部材間で十分な応力の伝達が図られるだけの接合状態を得ることができなくなることが想定される。
本発明は上記背景より、柱と梁が例えば前記した補強架構の一部を構成するような場合に、ブラケットと梁部材を接合するための継手プレートの露出を回避し、ウェブに関してフランジの片側の、互いに対向する面側にのみフランジ用継手プレートを配置しながらも、ブラケットと梁部材間での十分な応力伝達を可能にする梁の継手構造を提案するものである。
請求項1に記載の発明の梁の継手構造は、柱に接合された、ウェブとフランジを有する鋼製のブラケットと、このブラケットに突き合わせられて接合され、前記ブラケットと同一断面の、ウェブとフランジを有する鋼製の梁部材を両者に跨るフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートを用いて接合した継手構造において、
前記ブラケットと前記梁部材が共に、前記ウェブが前記フランジの幅方向の中心より幅方向片側に寄り、前記ウェブの中心に関して前記各フランジの幅方向両側の幅が相違する断面形状をし、
前記フランジ用継手プレートが前記ブラケット及び前記梁部材のフランジの幅が大きい側の、互いに対向する面側に配置され、前記ウェブ用継手プレートが前記ブラケット及び前記梁部材のウェブの、前記フランジ用継手プレートに面する側に配置され、
前記フランジ用継手プレートが前記ブラケット及び前記梁部材の前記フランジにボルトにより接合され、前記ウェブ用継手プレートが前記ブラケット及び前記梁部材の前記ウェブにボルトにより接合されていることを構成要件とする。
ブラケットが接合される柱は主に鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造(鋼管コンクリート造を含む)、または鉄筋コンクリート造であるが、ブラケットと柱の接合方法は問われず、溶接、接合金物を用いたボルト接合、あるいは接合金物とアンカーを用いた方法等がある。
ブラケットと梁部材が「ウェブとフランジを有する」とは、ブラケットと梁部材が共に、H形鋼に倣い、ブラケットと梁部材間で曲げモーメントを伝達する上部及び下部のフランジと、せん断力を伝達するウェブを有する断面形状をすることを言い、C形断面の他、H形断面やC形断面に類似した形状をする場合もある。
ウェブはブラケット及び梁部材の縦断面図上、各フランジの幅方向の中心より幅方向片側に寄った位置に配置され、図3、図7に示すようにウェブの中心に関しては、各フランジ22、23、32、33の幅方向一方側の幅は他方側の幅より大きく、フランジ22、23、32、33の、ウェブ21、31から幅方向両側に張り出す各側の幅が相違する。「各フランジ」はブラケット2と梁部材3の上部フランジ22、32と下部フランジ23、33を指す。以下では上部フランジ22、32及び下部フランジ23、33の内、ウェブ21、31からの張り出し長さの大きい側を「(フランジの)幅の(が)大きい側(接続部22a、23a、32a、33a)」と言う。
ウェブ21、31はフランジ22、23、32、33の幅方向中心より幅方向片側に寄った位置にあればよいが、フランジ用継手プレート4はフランジ22、23、32、33の幅が大きい側に重なって接合されるため、幅の大きい側の、ウェブ21、31からの張り出し長さは幅方向にボルトを複数、配列させることが可能な大きさが確保される。フランジ22、23、32、33の、ウェブ21、31からの張り出し長さはウェブ21、31の片面からの距離になるが、ウェブ21、31とフランジ22、23、32、33の交差部にはフィレット部、または溶接金属がある関係で、フィレット部等の幅分はフランジ22、23、32、33の張り出し長さから差し引かれる。「複数、配列」とは、必ずしもボルト6、7が幅の大きい側においてフランジ22、23、32、33の幅方向を向いた同一線上に複数本、配列する必要はなく、図1、図2に示すようにフランジ22、23、32、33の軸方向に沿ってジグザグ状(千鳥状)に配列する場合も含むことを言う。
フランジ用継手プレート4はブラケット2及び梁部材3のフランジ22、23、32、33の幅が大きい側の、互いに対向する面側に配置され、フランジ22、23、32、33にボルト6により接合される。「互いに対向する面」は上部フランジ22、32と下部フランジ23、33が互いに対向する、ウェブ21、31側(内周側)の面であり、上部フランジ22、32の下面と下部フランジ23、33の上面を指す。以下では場合により「フランジ用継手プレートの配置面」と言う。
ウェブ用継手プレート5はブラケット2及び梁部材3のウェブ21、31の両面の内、フランジ用継手プレート4に面する側に配置され、ウェブ21、31にボルト7により接合される。「フランジ用継手プレート4に面する側の面」はフランジ22、23、32、33に接合されるフランジ用継手プレート4に臨む側の面で、フランジ22、23、32、33の幅が大きい側の面を指し、ブラケット2と梁部材3からなる梁30が補強架構10を構成する場合には屋内側(構造物側)を向く面になる。以下では場合により「ウェブ用継手プレート5の配置面」と言う。
フランジ用継手プレート4が上部フランジ22、32及び下部フランジ23、33の、互いに対向する面側(フランジ用継手プレート4の配置面)に配置され、ウェブ用継手プレート5がウェブ21、31の、フランジ用継手プレート4に面する側(ウェブ用継手プレート5の配置面)に配置されることから、ウェブ21、31がフランジ22、23、32、33に対して幅方向片側に寄る側はフランジ用継手プレート4が配置される側(フランジ用継手プレート4の配置面)の反対側になる。フランジ用継手プレート4は図3、図7に示すようにウェブ21、31がフランジ22、23、32、33の幅方向の一方に寄った側の反対側の、上部フランジ22、32と下部フランジ23、33が互いに対向する面側に配置されることになる。
上部フランジ22、32及び下部フランジ23、33の幅方向一方側の幅が他方側の幅より大きいことで、ブラケット2と梁部材3はH形が変形した、またはC形に近い断面形状をするため、フランジ用継手プレート4の配置面とウェブ用継手プレート5の配置面はブラケット2と梁部材3の内周面になり、反対側の面は断面上の中心、あるいは図心に関して外周面になる。例えば柱1とブラケット2及び梁部材3からなる梁30が構造物(主構造体100)の屋外側に沿って構築される補強架構10の一部を構成する場合に、ウェブ21、31の外周面が屋外側を向いた状態で、ブラケット2と梁部材3が柱1、1間に架設されるとすれば、フランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5がブラケット2と梁部材3の内周面側に配置される限り、外周面側に露出することがなく、補強架構10の外観意匠に与える影響はない。
上部フランジ22、32及び下部フランジ23、33の幅方向一方側の幅が他方側の幅より大きいことで、幅の大きい側の、ウェブ21、31からの張り出し長さが、ウェブ21、31が幅方向の中心に位置する場合より大きくなり、ウェブ21、31が幅方向の中心に位置する場合よりフランジ用継手プレート4の幅を大きく確保することが可能になる。この結果、ウェブ21、31に関してフランジ22、23、32、33の片側の、互いに対向する面側にのみフランジ用継手プレート4を配置しながらも、フランジ用継手プレート4の幅方向にボルト6を複数、配列させることが可能になり、ブラケット2と梁部材3間で十分な応力の伝達が図られるだけの接合状態を得ることが可能になる。
フランジ用継手プレート4を直接、上部フランジ22、32及び下部フランジ23、33の、互いに対向する面に接合する場合、フランジ用継手プレート4をブラケット2及び梁部材3のフランジ22、23、32、33に接合するボルト6の頭部6aは原則的に各フランジ22、23、32、33に関してフランジ用継手プレート4の反対側に位置する(請求項2)。同様にウェブ用継手プレート5をブラケット2及び梁部材3の各ウェブ21、31に接合するボルト7の頭部7aはウェブ21、31に関してフランジ用継手プレート4に面しない側に位置する(請求項2)。「原則的に」とは、ボルト6、7の頭部6a、7a、もしくは軸部6b、7bがフランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5の配置面側に位置することもある(請求項3)ことの意味である。
請求項2の場合、フランジ用継手プレート4をフランジ22、23、32、33に接合するボルト6の軸部6bは図3、図4に示すように各フランジ22、23、32、33とフランジ用継手プレート4を貫通し、各フランジ22、23、32、33のフランジ用継手プレート4の対向する面側に配置されるナット61に螺合するか、または軸部6bが各フランジ22、23、32、33とフランジ用継手プレート4に螺入する。後者の場合、軸部6bはナット61に螺合する場合と螺合しない場合がある。ウェブ用継手プレート5をウェブ21、31に接合するボルト7の軸部7bはウェブ21、31とウェブ用継手プレート5を貫通し、フランジ用継手プレート4に面する側に配置されるナット71に螺合するか、ウェブ21、31とウェブ用継手プレート5に螺入する。後者の場合、軸部7bはナット71に螺合する場合と螺合しない場合がある。
請求項2ではボルト6、7の頭部6a、7aが梁30の外周面側に露出することになるが、露出が頭部6a、7aのみで済み、フランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5の露出は回避されるため、フランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5の接合のための部品の一部(頭部6a、7a)が露出することによる梁30の外観意匠に与える影響は小さい。ボルト6、7として図1〜図4に示すようにトルシア型のボルトを使用すれば、頭部が球面状であることで、六角ボルトの場合より露出による外観への影響は軽減される。
ボルト頭部6a、7aの外周面側への露出を完全に回避するには、ボルト6、7の頭部6a、7aを各フランジ22、23、32、33の、対向する面側(フランジ用継手プレート4の配置面)に配置し、ウェブ21、31の、フランジ用継手プレート4に面する側(ウェブ用継手プレート5の配置面)に配置することが必要になる。すなわち、フランジ用継手プレート4をブラケット2及び梁部材3の各フランジ22、23、32、33に接合するボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bがブラケット2及び梁部材3の各フランジ22、23、32、33の幅が大きい側の、互いに対向する面側に配置された状態でその面に直接、もしくは間接的に固定され、ウェブ用継手プレート5をブラケット2及び梁部材3の各ウェブに接合するボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bがブラケット2及び梁部材3の各ウェブ21、31の、フランジ用継手プレート4に面する側に配置された状態でその面に直接、もしくは間接的に固定される(請求項3)。
請求項3ではボルト頭部6a、7a、もしくは軸部6b、7bのフランジ22、23、32、33及びウェブ21、31への固定方法は問われないが、基本的には各ボルト6、7の頭部6a、7a、もしくは軸部6b、7bを個別に直接、溶接する方法と、全ボルトを一括で間接的に固定する方法がある。「全ボルト6、7」は上下のフランジ用継手プレート4、4とウェブ用継手プレート5単位で、それぞれをフランジ22、23、32、33とウェブ21、31に接合するために必要な本数のボルト6、7を指す。
請求項3における「ボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bがフランジ22、23、32、33の、互いに対向する面(フランジ用継手プレート4の配置面)に直接、固定される」とは、ボルト6の頭部6aや軸部6bが前記対向する面に溶接されることを言い、「間接的に固定される」とは、例えば後述のフランジ固定板8にボルト6の頭部6aや軸部6bが溶接等により直接、固定され、フランジ固定板8がフランジ22、23、32、33に溶接等により固定されることを言う。
同様に「ボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bがウェブ21、31の、フランジ用継手プレート4に面する側の面(ウェブ用継手プレート5の配置面)に直接、固定される」とは、ボルト7の頭部7aや軸部7bがウェブ21、31の片面に溶接されることを言い、「間接的に固定される」とは、後述のウェブ固定板9にボルト7の頭部7aや軸部7bが溶接等により直接、固定され、ウェブ固定板9がウェブ21、31に溶接等により固定されることを言う。
請求項3で言う「ボルト頭部6a、7a、もしくは軸部6b、7b」の「軸部6b、7b」はボルトの頭部が不在の、スタッドボルト状のボルトの軸部を言う。請求項3ではボルト6、7の頭部6a、7a等、軸方向の一端部をブラケット2と梁部材3の各フランジ22、23、32、33、及び各ウェブ21、31に直接、溶接することがあり、他端部の軸部6b、7bにフランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5を接合するためのナット61、71を締結することがあるため、ボルトは必ずしも頭部を持つ形態である必要がない。
全ボルト6、7を一括で固定する場合、各フランジ22、23、32、33のフランジ用継手プレート4が配置される側の面に、ボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bが納まる溝8aを有するフランジ固定板8が、ボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bが納まった状態で固定される(請求項4)。ウェブ21、31のウェブ用継手プレート5が配置される側の面には、ボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bが納まる溝9aを有するウェブ固定板9が、ボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bが納まった状態で固定される(請求項4)。フランジ固定板8とウェブ固定板9のフランジ22、23、32、33とウェブ21、31への固定は主に溶接に依るが、直接であるか、他の部材を介しての間接的であるかは問われない。
フランジ用継手プレート4用のボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bは原則的にはフランジ固定板8の溝8a内に納まった状態で、溝8aの内周面等に溶接等により固定され、ウェブ用継手プレート5用のボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bはウェブ固定板9の溝9a内に納まった状態で、溝9aの内周面等に溶接等により固定される。但し、溝8a、9a内に頭部6a、7aを納める場合、六角形等、多角形状の頭部6a、7aが溝8a、9a内に納まったときに、軸部6b、7bへのナット61、71の締結時に頭部6a、7aが共回りを生じない程度に、頭部6a、7aの外周面(表面)が溝8a、9aの内周面に密着した状態になれば、必ずしも頭部6a、7aは溝8a、9aに溶接される必要はない。
請求項3、4ではフランジ用継手プレート4用のボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bがフランジ用継手プレート4の配置面側に直接、もしくは間接的に固定され、ウェブ用継手プレート5用のボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bがウェブ用継手プレート5の配置面側に直接、もしくは間接的に固定されることで、ボルト6、7の頭部6a、7a、もしくは軸部6b、7bがブラケット2と梁部材3の、フランジ22、23、32、33とウェブ21、31とで囲まれた内周側に納まり、外周側への露出がなくなるため、図5、図6に示すようにフランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5の配置に伴う一切の部品の露出を回避することが可能になる。
本発明のブラケット2と梁部材3からなる梁30の具体例としては、例えば図9に示すような既存構造物を耐震補強、あるいは制震補強する補強架構10の一部を構成するつなぎ梁が想定されるが、使用状態で梁30が主に軸方向力と、軸方向力に伴う構面内方向の曲げモーメント及びせん断力を負担し、材軸に直交する方向の曲げモーメントの負担が大きくならない状況下に置かれる架構であれば、梁30が適用される架構の形態は問われない。
図9に示す補強架構(制震補強架構)10は例えば柱・梁からなるフレームを有する、既存の構造物等の主構造体100の構面外にその構面内水平方向に配列し、本発明の柱1に相当する支柱11と、隣接する支柱11、11間に架設される、ブレース本体にダンパーを組み込んだダンパー一体型ブレース13と、隣接する支柱11、11間に架設される、本発明の梁30に相当するつなぎ梁を基本的な構成要素とし、主に既存のコンクリート造躯体等の主構造体100に耐震性能、あるいは制震性能を付与する目的で、主構造体100の表面に接した状態、もしくは接近した状態で構築され、主構造体100に接合される(特許第3925868号、特許文献4等)。
図9に示す補強架構10の変形時の様子を示し、特許文献4の図9に相当する図10に示すように各支柱11は鉛直方向に分離した複数本の支柱材11a〜11cからなり、上下に分離した支柱材11a、11b間にはそれぞれの軸の向きを保ったまま両者間の相対水平移動を許容する、水平剛性の小さい絶縁装置(積層ゴム支承や滑り支承等)12が介在し、ダンパー一体型ブレース13は隣接する支柱11、11の異なるレベルの支柱材11a、11b間に、層間に跨るように架設される。
梁30に相当するつなぎ梁は主構造体100が構面内方向(桁行方向)に層間変形を生じたときに、その層間変形に補強架構10が追従するよう、主構造体100と補強架構10を一体構造化するために、隣接する支柱材11a、11a間に架設されながら、主構造体100の、梁(桁)やスラブ等のいずれかの躯体に接合される。絶縁装置12は構面内水平方向に隣接する支柱材11a、11a間の相対移動時には支柱材11a(の軸)が鉛直状態を維持するように、上下に隣接する支柱材11a、11b間に介在させられる。
主構造体100、あるいは補強架構10の構面内水平方向に地震が発生し、その方向に層間変形が生じたときには図10に二点鎖線で示すように主構造体100の各階のスラブ等に接合され、補強架構10の一部となるつなぎ梁(梁30)とそのつなぎ梁に接合されている支柱材11aが主構造体100に追従して相対移動し、構面内水平方向に隣接する支柱材11a、11a間に架設されているブレース13のダンパー132が伸縮することにより減衰力を発生し、振動エネルギを吸収する。
主構造体100と補強架構10とは、例えばスラブ同士、梁(桁)同士、柱同士、基礎同士等において互いに接合され、補強架構10は前記のようにつなぎ梁(梁30)において主構造体100に直接、または付加的に構築されるスラブ等を介して間接的に接合される。補強架構10は主構造体100が構面内方向に層間変形を生じたときに、主構造体100との間で水平力を授受するよう、主構造体100との間で構面内水平方向の水平せん断力の伝達が可能な状態で構築されるため、つなぎ梁(梁30)は補強架構10としての機能上、主に水平せん断力伝達時の軸方向力と軸方向力に伴う構面内方向の曲げモーメントとせん断力を負担する状態に置かれ、材軸に直交する方向の曲げモーメントの負担は大きくならない。
互いに接合されるブラケットと梁部材がウェブの中心に関して幅方向両側のフランジの幅が相違する断面形状をし、各フランジの幅方向一方側の幅(ウェブからの張り出し長さ)が他方側の幅より大きい形状をするため、幅の大きい側の、ウェブからの張り出し長さが、ウェブが幅方向の中心に位置する場合より大きくなり、ウェブが幅方向の中心に位置する場合よりフランジ用継手プレートの幅を大きく確保することができる。
この結果、ウェブに関してフランジの片側の、互いに対向する面側にのみフランジ用継手プレートを配置しながらも、フランジ用継手プレートの幅方向にボルトを複数、配列させることが可能になり、ブラケットと梁部材間で十分な応力の伝達が図られるだけの接合状態を得ることが可能になる。
(a)はフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートをブラケットと梁部材の内周側に配置し、ブラケットと梁部材の外周側に頭部が露出するボルトを用いてブラケットと梁部材を接合した様子を示した斜視図であり、図9に示す補強架構例における破線円で囲った部位を屋内側から見た状況に相当する。(b)は(a)の鎖線円部分の拡大図である。 図1を屋外側から見たときの様子を示した斜視図である。 図1のx−x線断面図である。 図1のy−y線矢視図である。 (a)はフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートをブラケットと梁部材の内周側に配置し、ブラケットと梁部材の内周側に頭部が固定されるボルトを用いてブラケットと梁部材を接合した様子を示した斜視図であり、図9に示す補強架構例における破線円で囲った部位を屋内側から見た状況に相当する。(b)は(a)の鎖線円部分の拡大図である。 図5を屋外側から見たときの様子を示した斜視図である。 図5のx−x線断面図である。 図5のy−y線矢視図である。 柱と、ブラケット及び梁部材からなる梁が補強架構を構成する場合に、補強架構が主構造体(構造物)の構面外に主構造体の構面内方向に沿って構築された様子を示した斜視図である。 図9に示す補強架構が主構造体の層間変形に追従して変形した様子を示した立面図である。
図1は柱1に接合された、ウェブ21とフランジ22、23を有する鋼製のブラケット2と、ブラケット2に突き合わせられて接合され、ブラケット2と同一断面の、ウェブ31とフランジ32、33を有する鋼製の梁部材3を両者に跨るフランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5を用いて接合した梁30の継手構造の例を示す。22、32はそれぞれブラケット2と梁部材3の上部フランジを、23、33はそれぞれブラケット2と梁部材3の下部フランジを指す。
図2は図1を梁部材3を挟んだ反対側から見た様子を、図3は図1のx−x線の断面を示す。図4はy−y線の方向に見た様子を示すが、図4ではフランジ用継手プレート4の断面を示すためにフランジ用継手プレート4の、ボルト6の軸部6bを通る断面を示している。
図3に示すようにブラケット2はウェブ21がフランジ22、23の幅方向の中心より幅方向片側に寄り、ウェブ21の中心に関して各フランジ22、23の幅方向両側の幅が相違する断面形状をする。同様に梁部材3もウェブ31がフランジ32、33の幅方向の中心より幅方向片側に寄り、ウェブ31の中心に関して各フランジ32、33の幅方向両側の幅が相違する断面形状をする。
ブラケット2と梁部材3は共に、ウェブ21、31がフランジ22、23、32、33の幅方向中心に関して片側に寄った位置に配置された断面形状をすることで、フランジ22、23、32、33の、ウェブ21、31に関して一方側の幅が他方側の幅より大きい形状になる。ここで言う一方側と他方側の「幅」はそれぞれの側のウェブ21、31の表面からの張り出し長さを言う。
フランジ用継手プレート4は幅方向にボルトが複数列、配列されるよう、各フランジ22、23、32、33の幅が大きい側に重なって接合されるため、幅の小さい側の幅(張り出し長さ)は必ずしも確保される必要はなく、幅の小さい側の幅が0の場合、ブラケット2と梁部材3の断面形状はC形になる。以下では各フランジ22、23、32、33の内、フランジ用継手プレート4が重なって接合される側を接続部22a、23a、32a、33aと言い、フランジ用継手プレート4が重ならない側を非接続部22b、23b、32b、33bと言う。
フランジ用継手プレート4は図3に示すようにブラケット2及び梁部材3のフランジ22、23、32、33の幅が大きい側、すなわち接続部22a、23a、32a、33aの、上部フランジ22、32と下部フランジ23、33が互いに対向する面側に配置され、接続部22a、23a、32a、33aにボルト6により接合される。接続部22a、23a、32a、33aの、互いに対向する面はブラケット2と梁部材3の断面上、中心(内周)側であることから、以下ではブラケット2の接続部22a、23aと、梁部材3の接続部32a、33aの、互いに対向する面を「内周面」と言い、反対側の面を「外周面」と言う。
ウェブ21がフランジ22、23の幅方向の中心に関していずれの側に寄るかは、梁30の架設場所によって決まる。フランジ用継手プレート4はウェブ21がフランジ22、23の幅方向中心に関して寄った側の反対側の内周面に接合されることから、図9に示すように梁30が主構造体100の屋外側の構面に重なって、あるいは接近して架設されるような場合には、フランジ用継手プレート4が屋外側から見えないようにすることに意味があるため、ウェブ21は図1〜図3に示すようにフランジ22、23の幅方向の中心に関して屋外側に寄る。
ウェブ用継手プレート5は図3に示すようにブラケット2及び梁部材3のウェブ21、31の、フランジ22、23、32、33に接合されるフランジ用継手プレート4に面する側に配置され、ウェブ21、31にボルト7により接合される。以下ではウェブ21、31の両面の内、ウェブ用継手プレート5が接合される側の面を接続面21a、31aと言い、反対側の面を外周面と言う。接続面21a、31aはブラケット2と梁部材3の断面上、内周面になる。
図1〜図4はフランジ用継手プレート4をブラケット2及び梁部材3の各フランジ22、23、32、33に接合するボルト6の頭部6aが各フランジ22、23、32、33に関してフランジ用継手プレート4の反対側(外周面側)に位置し、ウェブ用継手プレート5をブラケット2及び梁部材3の各ウェブ21、31に接合するボルト7の頭部7aがウェブ21、31に関して接続面21a、31aの反対側、すなわちフランジ用継手プレート4に面しない側(外周面側)に位置している場合の、フランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5の接合例を示す。
この例では図1、図4に示すようにフランジ用継手プレート4がブラケット2と梁部材3に跨って配置され、ブラケット2と梁部材3の接続部22a、23a、32a、33aの内周面に直接、もしくは間接的に重なり、接続部22a、23a、32a、33aの外周面側からボルト6の軸部6bが接続部22a、23a、32a、33aとフランジ用継手プレート4を貫通し、軸部6bに内周面側からナット61が螺合することにより接続部22a、23a、32a、33aに接合される。「間接的に重なる」とは、例えばフランジ用継手プレート4と接続部22a、23a、32a、33aの内周面との間にエネルギ吸収効果を発揮する粘弾性体等を介在させるようなことを言う。
同様にウェブ用継手プレート5はブラケット2と梁部材3に跨って配置され、ブラケット2と梁部材3のウェブ21、31の接続面21a、31aに直接、もしくは間接的に重なり、ウェブ21、31の外周面側からボルト7の軸部7bがウェブ21、31とウェブ用継手プレート5を貫通し、軸部7bに内周面側からナット71が螺合することによりウェブ21、31に接合される。ここでも「間接的に重なる」とは、ウェブ用継手プレート5とウェブ21、31との間に粘弾性体等を介在させるようなことを言う。
接続部22a、23a、32a、33aには図3、図4に示すようにボルト6の軸部6bが挿通する挿通孔22c、23c、32c、33cが形成され、フランジ用継手プレート4にはボルト6の軸部6bが挿通する挿通孔4aが形成される。ウェブ21、31には図1、図3に示すようにボルト7の軸部7bが挿通する挿通孔21b、31bが形成され、ウェブ用継手プレート5にはボルト7の軸部7bが挿通する挿通孔5aが形成される。図1ではウェブ用継手プレート5の断面を示すためにウェブ用継手プレート5の一部を切り欠いて示している。
接続部22a、23a、32a、33aとフランジ用継手プレート4は前記のようにボルト6がフランジ用継手プレート4の幅方向に2列以上、配列し得るだけの幅を持つが、接続部22a、23a、32a、33aはウェブ21、31とフランジ22、23、32、33の交差部におけるフィレット部や溶接金属部の幅を除いた区間に、ボルト6、7が2列以上、配列し得るだけの幅を持つ。フランジ用継手プレート4は接続部22a、23a、32a、33aの内周面の内、フィレット部や溶接金属部の部分を除いた領域に重なる。2列以上の配列は図1、図2に示すようにボルト6、7がフランジ22、23の軸方向(長さ方向)に沿って千鳥状に配列する場合と、幅方向の同一線上に配列する場合がある。
図1〜図4の例では図1、図2に示すようにブラケット2と梁部材3の外周面側にボルト6、7の頭部6a、7aが露出するが、外周面側にはフランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5自体の露出は生じないため、これらの継手プレート4、5が露出することによる梁30の外観への影響は軽減されている。図1〜図4では特にボルト6、7として球面状の頭部を持つトルシア型のボルトを使用することで、露出による頭部の存在感を軽減し、頭部を目立たなくさせている。
図5〜図8はフランジ用継手プレート4をブラケット2及び梁部材3の各フランジ22、23、32、33に接合するボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bがブラケット2及び梁部材3の各フランジ22、23、32、33の幅が大きい側(接続部22a、23a、32a、33a)の、互いに対向する面(内周面)側に配置された状態でその面に直接、もしくは間接的に固定された場合の、フランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5の接合例を示す。ウェブ用継手プレート5をブラケット2及び梁部材3の各ウェブ21、31に接合するボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bはブラケット2及び梁部材3の各ウェブ21、31の、フランジ用継手プレート4に面する側(接続面21a、31a側)に配置された状態でその面に直接、もしくは間接的に固定される。
図5〜図8に示す例では図示しないが、ボルト6の頭部6a、または頭部6aを不在にした形状のボルト6の軸部6bの一端部を接続部22a、23a、32a、33aの内周面に直接、溶接すると共に、フランジ用継手プレート4の内周面側に頭部6a、または軸部6bが納まる溝を形成し、このフランジ用継手プレート4の溝に頭部6a、または軸部6bを納めることで、フランジ用継手プレート4を接続部22a、23a、32a、33aの内周面に直接、密着させた状態で接続部22a、23a、32a、33aに溶接等により接合することも可能である。
但し、その場合、ブラケット2と梁部材3への各ボルト6の溶接作業を現場で行う場合に作業が煩雑化することから、図面では接続部22a、23a、32a、33aの内周面に間接的にボルト6の頭部6a等を固定するためのフランジ固定板8を用いることで、予め工場でボルト6をフランジ固定板8に固定しておくことを可能にし、現場で各ボルト6を個別に溶接する作業を不要にし、現場作業の煩雑さを解消している。フランジ固定板8は図8に示すようにブラケット2と梁部材3のフランジ22、23、32、33単位でその内周面に固定され、ブラケット2と梁部材3には跨がらないため、予め、または現場で接続部22a、23a、32a、33aの内周面に溶接等により固定される。溶接による場合、フランジ固定板8は図7、図8に示すように周辺部分において溶接される。
同様にウェブ21、31においてはボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bの一端部をウェブ21、31の接続面21a、31aに直接、溶接すると共に、ウェブ用継手プレート5の内周面側に頭部7a、もしくは軸部7bが納まる溝を形成し、ウェブ用継手プレート5の溝に頭部7a、もしくは軸部7bを納めることで、ウェブ用継手プレート5を接続面21a、31aに直接、密着させた状態で接続面21a、31aに接合することも可能である。
但し、図面では現場で各ボルト7を個別に溶接する作業を不要にするために、接続面21a、31aに間接的にボルト7の頭部7a等を固定するためのウェブ固定板9を接続面21a、31aに溶接等により固定している。ウェブ固定板9もフランジ固定板8と同様、ブラケット2と梁部材3のウェブ21、31単位でその内周面に固定され、ブラケット2と梁部材3には跨がらないため、予め、または現場でウェブ21、31の接続面21a、31aに溶接等により固定される。溶接による場合、ウェブ固定板9は図7、図8に示すように周辺部分において溶接される。図5ではウェブ用継手プレート5とウェブ固定板9の断面を示すためにウェブ用継手プレート5とウェブ固定板9の一部を切り欠いて示している。
フランジ固定板8とウェブ固定板9を使用する場合、図7、図8に示すようにフランジ固定板8の接続部22a、23a、32a、33a側の面からはボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bが納まる溝8aが形成され、ウェブ固定板9の接続面21a、31a側の面からはボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bが納まる溝9aが形成される。
溝8a、9a内にボルト6、7の頭部6a、7aが納まる場合、頭部6a、7aが溝8a、9からウェブ21、31側へ突出しないよう、溝8a、9aの深さは頭部6a、7aの高さ以上の寸法が与えられる。図面ではナット61、71の軸部6b、7bへの螺合による軸力の反力が頭部6a、7aの座面からフランジ固定板8とウェブ固定板9に伝達されるよう、溝8a、9aを段差のある形状に形成しているが、頭部6a、7aが溝8a、9aに溶接される場合には、頭部6a、7aのみが納まる深さを持てばよい。
ボルト6の頭部6a、もしくは軸部6bは原則的にはフランジ固定板8の溝8aに溶接等により固定され、ボルト7の頭部7a、もしくは軸部7bはウェブ固定板9の溝9aに溶接等により固定される。但し、溝8a、9a内にボルト6、7の頭部6a、7aが納まる場合に、フランジ固定板8とウェブ固定板9にそれぞれフランジ用継手プレート4とウェブ用継手プレート5を接合するために軸部6b、7bにナット61、71を螺合するときに頭部6a、7aが溝8a、9a内で回転しない状態に保たれるような場合には、必ずしも頭部6a、7aを溝8a、9aに溶接する必要はない。
図1、図2、図5、図6ではブラケット2と梁部材3の各フランジ21、22、32、33の内、フランジ用継手プレート4が設置されない側の各非接続部22b、23b、32b、33bの、軸方向に対向する側の縁寄りの部分(隅角部)を切り欠いている。非接続部22b、23b、32b、33bはフランジ用継手プレート4によっては互いに接合されないため、軸方向に対向する側の縁部分はフランジ用継手プレート4に板厚方向に拘束されることがない。この関係で、ブラケット2と梁部材3の互いに対向する側の縁部分に鉛直方向にずれが生じ、このずれが残されている可能性がある。このときに、ブラケット2と梁部材3の継ぎ目における屋外側からの見栄えが低下するため、ずれによる外観上の影響を回避する意味で、隅角部を切り欠いている。
図9は図1〜図8に示す柱1と、ブラケット2及び梁部材3からなる梁30が構成する補強架構10を既存、もしくは新設の構造物等の主構造体100の屋外側の構面に沿って構築した様子を示す。補強架構10は主構造体100の屋外側の構面に平行に構築され、その構面内水平方向に互いに間隔を隔てて配列し、鉛直方向に複数本の支柱材11a〜11cに分離した、柱1に相当する支柱11と、上下に分離した支柱材11a、11b(11b、11c)間に介在し、両者間の相対水平移動を許容する積層ゴム支承等の絶縁装置12と、同一レベルで隣接する支柱材11a、11a(11b、11b)間に水平に架設され、両支柱材11a、11aを互いにつなぐつなぎ梁としての梁30と、主構造体100の構面内の支柱材11a、11b間に架設されるダンパー一体型ブレース(以下、ブレース)13から構成される。「構面内水平方向」は主構造体100の桁行方向を指し、構面外方向は主構造体100のスパン方向を指す。図9中の破線円で囲った範囲が図1、図2、図5、図6に示すブラケット2と梁部材3と継手部分を示す。
補強架構10の支柱11は最下部に位置する支柱材11aとその上に位置する上部の支柱材11bの、計2本の支柱材からなる場合と、図10に示すように最下部の支柱材11aとその上に位置する2本以上の上部の支柱材11b、11cの、計3本以上の支柱材からなる場合があり、上下に隣接する支柱材11a、11b(11b、11c)間に絶縁装置12が介在させられる。絶縁装置12はそれが跨る支柱材11a、11b(11b、11c)間の水平方向の相対移動を許容しながら、相対移動後に支柱材11a、11b(11b、11c)を相対移動前の状態に復帰させる状態(復元可能)に接合される。絶縁装置12として積層ゴム支承が使用される場合は、積層ゴム支承が復元装置を兼ね、積層ゴム支承以外の支承が使用される場合は、ばね等の復元装置が伴われる。
ブレース13は支柱11、11(柱1、1)と梁30、30からなる架構(フレーム)内に、水平と鉛直に対して傾斜して架設されるため、ブレース13の一端部は例えば図9、図10に示すように構面内水平方向に隣接する支柱材11a、11a(11b、11b)の内、一方の支柱材11a(11b)、もしくはその支柱材11a(11b)寄りの梁30に接続(連結)され、他端部は他方の支柱材11b(11a)の直下、または直上の支柱材11b(11a)、もしくはその支柱材11b(11a)寄りの梁30に接続(連結)される。
図10に示すように1本の支柱11が3本以上の支柱材11a、11b、11cからなる場合は、ブレース13の架設層が2層以上に亘ることから、最下層のブレース13の一端部は2本の場合と同じく最下部の支柱材11aや梁30に接続され、他端部は水平方向に隣接する最下部の支柱材11aの直上の支柱材11bや梁30に接続される。その直上層のブレース13の一端部は最下部の支柱材11aの直上の支柱材11bや梁30に接続され、他端はその支柱材11bに隣接する支柱材11bの直上の支柱材11cや梁30に接続される。
ブレース13は互いに軸方向に相対移動自在なブレース本体131、131と、一方のブレース本体131に内蔵され、他方のブレース本体131に接続されるダンパー132からなり、ブレース本体131、131の端部に一体化したブラケットにおいて、例えば補強架構10の支柱11や梁30に接合されたベースプレート等に一体化したガセットプレートに連結される。ブレース13はブレース本体131、131がその両端間に作用する圧縮力と引張力によって相対移動するときにダンパー132が減衰力を発生することにより補強架構10の揺れを抑制する。ダンパー132にはオイルダンパー(油圧シリンダ)等の粘性流体を用いたダンパーが使用される。
補強架構10は主構造体100の構面外に、主構造体100に接する形で構築される場合と、構面から距離を置いて構築される場合があるが、距離を置く場合は、補強架構10の梁30が接合される主構造体100のいずれかの部位(スラブ等)と梁30との間で十分な水平せん断力の伝達が行われる程度の距離に抑えられる。梁30は前記の通り、隣接する支柱材11a、11a間に架設されながら、主構造体100のスラブ等、いずれかの部位に接合されることにより主構造体100と補強架構10を一体構造化し、主構造体100の層間変形時に水平せん断力を補強架構10に伝達しながら、主構造体100の層間変形に補強架構10を追従させる。梁30は水平せん断力の補強架構10への伝達時に主に軸方向力と構面内方向の曲げモーメントとせん断力を負担する。
1……柱、
2……ブラケット、
21……ウェブ、21a……接続面、21b……挿通孔、
22……上部フランジ、22a……接続部、22b……非接続部、22c……挿通孔、
23……下部フランジ、23a……接続部、23b……非接続部、23c……挿通孔、
3……梁部材、30……梁、
31……ウェブ、31a……接続面、31b……挿通孔、
32……上部フランジ、32a……接続部、32b……非接続部、32c……挿通孔、
33……下部フランジ、33a……接続部、33b……非接続部、33c……挿通孔、
4……フランジ用継手プレート、4a……挿通孔、
5……ウェブ用継手プレート、5a……挿通孔、
6……ボルト(フランジ用継手プレート用)、6a……頭部、6b……軸部、61……ナット、
7……ボルト(ウェブ用継手プレート用)、7a……頭部、7b……軸部、71……ナット、
8……フランジ固定板、8a……溝、
9……ウェブ固定板、9a……溝、
10……補強架構、
11……支柱、11a〜11c……支柱材、
12……絶縁装置、
13……ダンパー一体型ブレース、131……ブレース本体、132……ダンパー、
100……主構造体。

Claims (4)

  1. 柱に接合された、ウェブとフランジを有する鋼製のブラケットと、このブラケットに突き合わせられて接合され、前記ブラケットと同一断面の、ウェブとフランジを有する鋼製の梁部材を両者に跨るフランジ用継手プレートとウェブ用継手プレートを用いて接合した継手構造であり、
    前記ブラケットと前記梁部材は共に、前記ウェブが前記フランジの幅方向の中心より幅方向片側に寄り、前記ウェブの中心に関して前記各フランジの幅方向両側の幅が相違する断面形状をし、
    前記フランジ用継手プレートは前記ブラケット及び前記梁部材の前記フランジの幅が大きい側の、互いに対向する面側に配置され、
    前記ウェブ用継手プレートは前記ブラケット及び前記梁部材の前記ウェブの、前記フランジ用継手プレートに面する側に配置され、
    前記フランジ用継手プレートは前記ブラケット及び前記梁部材の前記フランジにボルトにより接合され、前記ウェブ用継手プレートは前記ブラケット及び前記梁部材の前記ウェブにボルトにより接合されていることを特徴とする梁の継手構造。
  2. 前記フランジ用継手プレートを前記ブラケット及び前記梁部材の前記各フランジに接合する前記ボルトの頭部は前記各フランジに関して前記フランジ用継手プレートの反対側に位置し、
    前記ウェブ用継手プレートを前記ブラケット及び前記梁部材の前記各ウェブに接合する前記ボルトの頭部は前記ウェブに関して前記フランジ用継手プレートに面しない側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の梁の継手構造。
  3. 前記フランジ用継手プレートを前記ブラケット及び前記梁部材の前記各フランジに接合する前記ボルトの頭部、もしくは軸部は前記ブラケット及び前記梁部材の前記各フランジの幅が大きい側の、互いに対向する面側に配置された状態でその面に直接、もしくは間接的に固定され、
    前記ウェブ用継手プレートを前記ブラケット及び前記梁部材の前記各ウェブに接合する前記ボルトの頭部、もしくは軸部は前記ブラケット及び前記梁部材の前記各ウェブの、前記フランジ用継手プレートに面する側に配置された状態でその面に直接、もしくは間接的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の梁の継手構造。
  4. 前記フランジの前記フランジ用継手プレートが配置される側の面には、前記ボルトの頭部、もしくは軸部が納まる溝を有するフランジ固定板が、前記ボルトの頭部、もしくは軸部が納まった状態で固定され、前記ウェブの前記ウェブ用継手プレートが配置される側の面には、前記ボルトの頭部、もしくは軸部が納まる溝を有するウェブ固定板が、前記ボルトの頭部、もしくは軸部が納まった状態で固定されていることを特徴とする請求項3に記載の梁の継手構造。
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