JP2014230567A - 携帯式注射針廃棄ケース - Google Patents
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Abstract
【課題】旅行先等の出先において、皮下注射する場合においても、携帯することで、廃棄注射針の廃棄収容が可能なケースの提供である。【解決手段】廃棄注射針31を収納するケース本体Bと、当該ケース本体Bの開口1に嵌着される内蓋K2と、前記ケース本体Bにヒンジ連結されて、前記内蓋K2により開口1が閉塞された前記ケース本体Bの内蓋K2の外側を覆う外蓋K1とから成り、前記内蓋K2には、ケース本体Bの収容空間Vに廃棄注射針31を投入するための投入口14が形成されて、携帯可能なサイズ及び形状を有している構成とする。【選択図】 図4
Description
本発明は、例えば、糖尿病患者において、自身で身体に注射するのに使用した注射器の注射針を、旅行先、会合先等の家庭以外の出先においても廃棄収容できる使い捨ての携帯式注射針廃棄ケースに関するものである。
例えば、糖尿病患者は、定常的に体内にインスリンを投与する必要があり、近時では、経口投与に替えて、患者自身が皮下注射による投与が行われている。この注射器として、注射針を支持している針ホルダーが注射筒に螺子方式で取付けられ、注射後においては、注射筒から針ホルダーを取り外すようになっている。一旦使用された注射針は、在宅医療廃棄物であり、感染予防のために、その処分は、国或いは個々の自治体によって定められたガイドラインによることが義務付けられている。
上記した皮下注射に使用された注射針は、糖尿病患者自身が所定のケースに収容して、掛かり付けの病院等の医療機関で集められ、当該医療機関が上記ガイドラインに沿った焼却処分等を行っている。
糖尿病患者において、インスリンの投与は、日に数回行う必要がある場合が多く、しかも糖尿病患者であっても、宿泊旅行、終日集会等に参加することがあり、この場合には、インスリン投与の注射器を持参して、宿泊先、集会先等の出先において、注射している。出先においても、使用した注射針は、一般廃棄物と一緒に廃棄することは、禁じられているため、注射針の廃棄のためのケース類を持参し、当該ケース類に使用済の注射針を廃棄収容して、自宅に持参する必要がある。
上記した需要に対応して、例えば、特許文献1に開示の廃棄注射針の収容ケースが知られている。廃棄注射針を収納する瓶状の容器をケース内に収納させて、当該容器内に廃棄に係る注射針が一杯に溜まった場合には、ケースから瓶状の容器を取り出す構成であって、廃棄注射針の収容及び廃棄処理の観点からは、満足し得るものである。
しかし、特許文献1のケースは、家庭で常置させて使用するものであって、出先まで携帯して持ち運ぶという側面、即ち、ケース携帯性の側面は、全く考慮されていない。
本発明の課題は、旅行先等の出先において、皮下注射する場合においても、携帯することで、廃棄注射針の廃棄収容が可能なケースの提供である。
第1の課題を解決するための請求項1の発明は、廃棄注射針を収納するケース本体と、当該ケース本体の開口に嵌着される内蓋と、前記ケース本体にヒンジ連結されて、前記内蓋により開口が閉塞された前記ケース本体の内蓋の外側を覆う外蓋とから成り、前記内蓋には、ケース本体の収容空間に廃棄注射針を投入するための投入口が形成されて、携帯可能なサイズ及び形状を有していることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、ケース本体に内蓋が設けられているため、使用済の廃棄注射針は、内蓋に設けられた投入口から内部に落し込むと、ケース本体に収容され、廃棄注射針の収容後には、内蓋の外側を外蓋により覆蓋しておく。このため、外蓋を覆蓋しないで、ケース本体の開口に内蓋が嵌着された状態でケース本体が横転されても、収容された廃棄注射針がケース本体内から飛び出ることはない。また、ケースは、携帯可能なサイズ及び形状を有しているために、カバン等に収容して携帯することが可能であって、旅行先等の出先においても、廃棄注射針を収容廃棄できる。更に、携帯中には、ケースは、種々の姿勢に配置されるが、内蓋を有しているため、使用済の廃棄注射針の廃棄収容のために、いかなる姿勢で外蓋を開いても、或いは不意に外蓋が開いたとしても、収容されている廃棄注射針が不意に飛び出てしまうことはない。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記内蓋は、ケース本体の開口に嵌殺し構造となって全体が嵌着されることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、使用中に内蓋が外れることがないため、収容されている廃棄注射針が飛び出ることがなくなって、安全であると共に、注射針廃棄ケースは、一回使用の使い捨て方式であるため、ケース本体に対して内蓋が嵌殺し構造で嵌着されていても、問題はない。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記内蓋は、緩やかな逆錐台状に形成されて、その頂部に投入口が形成されていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、内蓋が逆錐台状をなしていて、その中央部に投入口が形成されているため、使用済の廃棄注射針は、無造作に内蓋の上面に放置するのみで、当該廃棄注射針は、逆錐台状の内蓋の上面を滑って投入口の部分まで達して、当該投入口から自然にケース本体内に落下される。よって、ケース本体に対する廃棄注射針の投入処理が容易となる。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、樹脂製の内蓋に形成された投入口は、垂直円筒部に形成され、当該垂直円筒部には、注射針を支持する針ホルダーと注射筒との段差部が当接する段差当接部が形成され、前記垂直円筒部における少なくとも前記段差当接部よりも下方の部分は、垂直方向に形成されたスリットを介して複数に分割されて、各弾性分割片の内周面には、注射針の針ホルダーの外周面に注射針の方向に沿って形成された凹条に係止される係止凸条が形成され、注射筒に取付けられた前記針ホルダーを前記垂直円筒部に挿入して、当該針ホルダーの凹条と前記垂直円筒部に形成された係止凸条とを係止させた状態で、注射筒を回転させることで、針ホルダーを分離させて、分離された針ホルダーをケース本体の内部に落し込む構成であることを特徴としている。
糖尿病患者が自身でインスリンを投与する注射器は、注射筒の先端部に、注射針を支持する針ホルダーが回転により螺合される構造であって、この状態(注射器の使用状態)において、注射筒と針ホルダーとの間には、所定の段差部が形成されている。請求項4の発明によれば、内蓋の投入口は垂直円筒部で形成され、注射器の針ホルダーを垂直円筒部に挿入して、注射筒と針ホルダーとの間の段差部を、垂直円筒部の段差当接部に当接させると、前記各弾性分割片の内周面に形成された係止凸条が、針ホルダーの外周面の係止凹条に係止されて、内蓋の垂直円筒部に対して針ホルダーが回転不能に仮保持される。よって、この状態で、注射筒を回転させると、針ホルダーと注射筒とが分離されて、針ホルダーのみが垂直円筒部に残り、当該針ホルダーを注射筒の先端部等によって、下方に押すと、当該針ホルダーは、ケース内に落し込まれて収容される。これにより、患者は、注射筒と針ホルダーとを分離させることなく、しかも注射針に一切接触することなく、使用済の廃棄注射針をケース本体内に収容できる。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記内蓋は、ケース本体及び外蓋と一体となって射出成形可能なように、ケース本体に仮連結され、前記ケース本体から内蓋を分離させて、当該ケース本体の開口を内蓋で覆蓋する構成であることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、一回の射出成形により、注射針廃棄ケースを構成するケース本体、内蓋、及び外蓋の3つの部分が同時に成形できるので、当該ケースの成形性が高められる。
本発明に係る注射針廃棄ケースは、内蓋を備えているため、携帯中にどのような姿勢で配置されても、次の廃棄注射針の廃棄収容のために外蓋を開いた際に、ケース本体内の廃棄注射針が飛び出る恐れはない。内蓋が逆錐台状をしていると、内蓋の上面に廃棄注射針を無造作に放置するのみで、廃棄注射針は、内蓋の傾斜上面を滑って、投入口からケース本体内に落し込まれて収容され、更に、内蓋の投入口が垂直円筒部に形成されて、注射器の針ホルダーを回転不能に保持できる構成にすると、使用済の注射針を支持している針ホルダーを注射筒から分離させて、注射針に接触することなく、使用済の注射針をケース本体内にそのまま廃棄収容できる。
また、内蓋は、ケース本体及び外蓋と一体となって射出成形可能なように、ケース本体に仮連結され、前記ケース本体から内蓋を分離させて、当該ケース本体の開口を内蓋で嵌着する構成であると、一回の射出成形により、注射針廃棄ケースを構成するケース本体、内蓋、及び外蓋の3つの部分が同時に成形できるので、当該ケースの成形性が高められる。
以下、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
図1〜図4に示されるように、注射針廃棄ケースC1 は、射出成形による樹脂成形品であって、長方形の平面形状を有する深い箱型を有している。当該ケースC1 は、長方形状の深い箱型をしたケース本体Bと、当該ケース本体Bの開口1の内側に嵌着されることで当該開口1を嵌着される内蓋K2 と、前記ケース本体Bの上端部の4辺のうち一方の長辺部にヒンジ部2を介して連結された外蓋K1 とから成る。外蓋K1 及び内蓋K2 は、それぞれ本蓋及び中蓋と称することもできる。
ケース本体Bは、底板部3と、対向配置された一対の第1側板部4と、当該一対の第1側板部4の対向方向に対して90°異なる方向に沿って対向配置された別の一対の第2側板部5との、計5枚の各板部が一体となった構成であって、一対の第1側板部4及び別の一対の第2側板部5の対向間隔は、いずれも底板部3から開口1に向けて漸次僅かに大きくなって、僅かに外方に傾斜している。底板部3は、外周部を除いて僅かに嵩上げされ、一対の第2側板部5の内側面には、補強と内蓋K2 の支持とを兼用した2本の縦リブ6がそれぞれ形成されている。縦リブ6の内端面(第2側板部5の板面と平行な端面)は、底板部3に対して垂直に形成され、その結果、当該縦リブ6の巾は、下端から上端に向けて漸次広くなっている。第1及び第2の各側板部4,5の連結部、及び当該各側板部4,5と底板部3との連結部は、いずれもわん曲されている。
図5及び図6に詳細に図示されているように、第1及び第2の各側板部4,5の上端部は、外側にのみ段差が形成されることで、全周に亘って薄肉に形成されて、当該薄肉部7の上半部の外側には、外蓋K1 を係止させる外蓋係止凸条8が、ヒンジ部2の部分を除く全周に亘って形成されることで、当該薄肉部7の下半部には、外蓋係止凹条9が形成されている。また、第1及び第2の各側板部4,5の上端部の内側面における前記薄肉部7の下端よりも僅かに下方の部分に、内蓋K2 を係止させる内蓋係止凸条10が全周に亘って形成されている。なお、図中Vは、ケース本体Bの廃棄注射針を廃棄収容する収容空間を示す。
内蓋K2 は、射出成形時には、ケース本体Bの一対の第2側板部5の一方の上端部に、薄肉の連結部51を介して連結された状態となっていて、成形後において、当該連結部51を切断することで、ケース本体Bに対して内蓋K2 を分離させる。内蓋K2 は、ケース本体Bの上端部の内側に嵌着されることで、当該ケース本体Bの開口1が覆蓋される。内蓋K2 は、外周の方形起立枠体部12の内側に、緩やかな逆四角錐台状をした蓋板部13が一体に形成されて、当該蓋板部13の中央部に円形の投入口14が形成された構成である。外周の方形起立枠体部12と、緩やかな逆四角錐台状をした蓋板部13とは、当該方形起立枠体部12に対して直交する方形面状枠体部15を介して連結されている。蓋板部13における投入口14が形成される部分は、起立リング部16が形成されている。方形起立枠体部12の外側面には、ケース本体Bの内蓋係止凸条10と係止される被係止凸条17が全周に亘って形成されている。
内蓋K2 は、図2、図5及び図6に示されるように、ケース本体Bの上端部の開口1から内側に押し込むことで、全体がケース本体Bの内部に挿入された状態で嵌着され、方形起立枠体部12の下端面が計二対の縦リブ6の上端面に当接された状態で、方形起立枠体部12に形成された被係止凸条17が、ケース本体Bの内蓋係止凸条10に係止される。これにより、内蓋K2 は、ケース本体Bの上端部の内側に「嵌殺し構造」となって嵌着される。
外蓋K1 は、ケース本体Bの平面形状と同一であって、天板部21のみが平板状に形成されて、当該天板部21を除く部分は、いずれもわん曲状に形成され、その肉厚も、ケース本体Bの肉厚と同一となっている。外蓋K1 の端面に近い部分は、内側のみに段差部が形成されるような薄肉部22に形成されて、当該薄肉部22の内側に、ケース本体Bの外蓋係止凸条8及び外蓋係止凹条9に対して係止される外蓋被係止凹条23及び外蓋被係止凸条24が相上下して、ヒンジ部2を除く全周に亘って連続して形成されている。また、外蓋K1 における自身の開口に臨む部分におけるヒンジ部2と対向する部分には、ケース本体Bに覆蓋されて、当該ケース本体Bの係止部(外蓋係止凸条8及び外蓋係止凹条9)と、外蓋K1 の被係止部(外蓋被係止凹条23及び外蓋被係止凸条24)との係止を解除する際に、指先を引っ掛ける係止解除片25が外方に突出して形成されている。
図2(b)に示されるように、ケース本体Bの開口1に内蓋K2 を嵌着して、更に、当該内蓋K2 の外側を、ケース本体Bにヒンジ連結された外蓋K1 で覆蓋した状態において、〔縦(L1)×横(L2)×高さ(H)〕は、(80×57×70)mmであって〔図2(b),図5及び図6参照〕、しかも各コーナー部は、いずれも全体寸法に比較して大きな曲率半径を有する曲面形状になっているために、本発明に係る注射針廃棄ケースC1 は、例えば、外出時に持ち歩くバック、或いは旅行時に使用する旅行カバンの内部に嵩張ることなく収容できるサイズ及び形状である。なお、収容空間Vの容積は、内蓋K2 の部分までで、約250cm3 ( ミリリットル) であり、円形の投入口14の内径は、19mmである。
ケース本体Bの開口1の内側に内蓋K2 が嵌着された状態で、外蓋K1 により内蓋K2 の外側を覆蓋させると、ケース本体Bの外蓋係止凸条8及び外蓋係止凹条9が、それぞれ外蓋K1 の外蓋被係止凹条23及び外蓋被係止凸条24にそれぞれ係止して、ケース本体Bの薄肉部7と外蓋K1 の薄肉部22とが重なり合って、ケース本体Bと外蓋K1 との各端面が当接することで、外蓋K1 の係止解除片25の部分を除いて、ケース本体Bと外蓋K1 との重り合っている部分の外周面は無段差状態となる〔図2(b)参照〕。
上記したケースC1 は、図3(a)及び図4(a)に示されるように、ケース本体Bの上端部における外蓋K1 のヒンジ部2と対向する部分において内蓋K2 を連結部51を介して連結された状態で、当該ケース本体B、外蓋K1 及び内蓋K2 は、一対の分離型(図示せず)を矢印Pの方向に離型させることで、同時に射出成形される。前記離型方向Pに沿って、係止のための凸条8,10,17,24が形成されるが、当該凸条8,10,17,24は小さいので、いわゆる「無理抜き」の方法によって、射出成形可能である。よって、前記ケースC1 は、成形性の面においても優れている。
廃棄対象の注射針31を備えたインスリン等を皮下注射するための注射器Sは、図7に示されるように、先端部に螺合筒部32が一体形成された注射筒33と、前記注射針31が貫通支持されて、前記注射筒33の螺合筒部の外側に螺合される有底円筒状の針ホルダー34と、前記注射針31のみを覆うための針カバー35と、当該注射針31及び前記針ホルダー34の双方を覆うための針ホルダーカバー36とから成る。螺合筒部32の外周面には、針ホルダー34の内周面に形成された雌螺子(図示せず)と螺合される雄螺子37が形成されている。針ホルダー34の外周面には、周方向に一定間隔をおいて多数の係止凹条38が軸心方向(注射針31の配置方向)に形成され、針ホルダーカバー36の大径円筒部36aの内周面には、針ホルダー34の前記係止凹条38と係止する複数本の係止凸条(図示せず)が周方向に沿って一定間隔をおいて軸方向に形成されている。
患者自身が皮下注射を行った後に、注射筒33の針ホルダー34の外側に針ホルダーカバー36を差し込んで、当該針ホルダー34の係止凹条38と、針ホルダーカバー36の大径円筒部36aの内周面に形成された係止凸条とを係止させた状態で、当該針ホルダーカバー36を螺合が緩む方向(通常は左回転方向)に回転させると、針ホルダーカバー36の大径円筒部36aの内部に針ホルダー34が収容されて、注射筒33から針ホルダー34が取り外されて、使用済の注射針31が注射筒33から取り外される。以下、針ホルダーカバー36の大径円筒部36aの内部に、注射筒33から取り外された針ホルダー34、即ち、使用済の注射針31が収容された状態のものを、廃棄注射針セット39と称する。廃棄注射針セット39の最大外径(針ホルダーカバー36の基端のフランジの部分の外径)及び長さは、(15×28)mmである。廃棄注射針セット39の状態では、使用済の注射針31は、針ホルダーカバー36により全体が覆われていて、その廃棄時に、誤って注射針31が患者の指先等に接触することはないので、安全である。
そして、注射針廃棄ケースC1 の外蓋K1 を開いて、廃棄注射針セット39を内蓋K2 の蓋板部13の上面に無造作に放置すると、蓋板部13の中央部の投入口14及び廃棄注射針セット39の各寸法は、上記した通りであるために、当該蓋板部13は、緩やかな逆四角錐台状となって、中央の投入口14の部分が最も低くなっているため、中央の投入口14の部分まで自然に導かれて、ケース本体Bの収容空間Vに落し込まれる。このようにして、ケース本体Bの収容空間Vに廃棄注射針セット39を廃棄収容した後には、ケース本体Bに対して外蓋K1 を覆蓋させておく。これにより、注射針廃棄ケースC1 は、内蓋K2 及び外蓋K1 により二重に覆蓋されるために、次回の廃棄注射針セット39の廃棄収容のために、外蓋K1 を開いたり、或いは不意に外蓋K1 が開いても、ケース本体Bの収容空間Vに廃棄収容されている廃棄注射針セット39が投入口14から飛び出ることはないために、安全に使用できる。
そして、ケース本体Bの収容空間Vにほぼ一杯に廃棄注射針セット39が収容されたならば、患者が掛かり付けの医療機関に持参して、当該医療機関に預け、当該医療機関は、ガイドラインにより定められた方法により、焼却等の処分を行う。
図8に示される注射針廃棄ケースC2 は、平面形状が円形である点のみが、実施例1のケースC1 と異なり、内蓋を有している点は共通している。ケースC2 で使用される内蓋(図示せず)は、緩やかな逆円錐台状となる。なお、図中、B’及びK1'は、それぞれケース本体及び外蓋を示し、25’は、係止解除片を示す。
図9に示される注射針廃棄ケースC3 は、各頂部が大きくわん曲された正三角形状の平面形状を有している点のみが、実施例1,2の各ケースC1 ,C2 と異なり、内蓋を有している点は共通している。ケースC3 で使用される内蓋(図示せず)は、緩やかな逆三角錐台状となる。ケースC3 は、横転配置させても、安定化する形状上の利点がある。なお、図中、B”及びK1 ”は、それぞれケース本体及び外蓋を示し、25”は、係止解除片を示す。
上記において、平面形状が大きく異なる実施例1〜3の各ケースC1 〜C3 を挙げたが、平面形状が「5」を超える多角形状であってもよい。また、ケース本体Bに対する内蓋K2 及び外蓋K1 の嵌着は、いずれも凸条と凹条の係止による構造であり、この凸条と凹条の組み合せは、上記に限定されず、結果として係止することができれば、いかなる構造であってもよい。例えば、図10(a)に示される構成は、ケース本体Bの薄肉部7の内外両面に外蓋及び内蓋の各係止凸条61,62が形成され、外蓋K1 の薄肉部22の内側面、及び内蓋K2 の方形起立枠体部12の外側面に、それぞれ前記各係止凸条61,62に係止される被係止凹条63,64が形成された構成である。また、図10(b)に示される構成は、ケース本体Bの薄肉部7の外側に係止凸条65が形成され、ケース本体Bの薄肉部7よりも下方の部分に係止凹条66が形成され、外蓋K1 の薄肉部22の内側面、及び内蓋K2 の外側面に、それぞれ対応する外蓋被係止凹条67及び内蓋被係止凸条68が形成された構成である。
また、実施例1のケースC1 では、係止のための各凸条8,10,17,24及び各凸条8,24に対応する各凹条23,9は、全周に亘って形成されているが、図11に示されるように、その直線部のみに部分的に形成してもよい。なお、図11では、対応する符号に対して「’」を付してある。
次に、図10及び図11を参照して、実施例4の注射針廃棄ケースC4 について説明する。実施例4のケースC4 は、実施例1のケースC1 において、患者が自身で皮下注射した後に、注射針31に非接触で注射筒33から針ホルダー34を取り外して、そのままケース本体Bの収容空間V内に落し込むことが可能なように、内蓋K2 に改良を施したものである。
即ち、ケースC4 の内蓋K2'は、蓋板部41の中央部には、垂直円筒部42が形成され、当該垂直円筒部42の開口が投入口43となっていて、蓋板部41における垂直円筒部42及びその周縁の部分は、他の部分に比較して薄肉に形成されている。薄肉の垂直円筒部42の上端部には、同じく薄肉のテーパー円筒部44が連続して形成され、両円筒部42,44の間に、注射器Sの注射筒33と針ホルダー34との段差部30を当接させるための段差当接部45が形成されている。垂直円筒部42及びテーパー円筒部44の部分には、周方向に等間隔をおいて複数本(実施例では3本)のスリット46が、垂直円筒部42の軸心方向J及びテーパー円筒部44の放射方向に連続して形成され、その結果、蓋板部41の中央の両円筒部42,44の部分は、外方に弾性変形可能な複数の弾性分割片47に分割されている。
また、各弾性分割片47の内周面におけるスリット46に近い部分には、注射器Sの針ホルダー34の外周面の断面長方形状の係止凹条38に係止される係止凸条48が垂直円筒部42の軸心方向Jに沿って形成されている。係止凸条48の横断面は、針ホルダー34の係止凹条38の横断面形状に対応していて、互いに直交する2辺の比の大きな直角三角形状をしていて、針ホルダー34に対して注射筒33を左回転(反時計回転)させることで、係止し易い形状にしてある。また、針ホルダー34の注射筒33に近い部分には、係止凹条38が形成されていなくて、円周面のままとなっているため、注射筒33から分離された針ホルダー34を突き落とす際に、針ホルダー34における円周面のままの部分34aが垂直円筒部42の内部の孔部である投入口43を通過し易いように、前記係止凸条48の上端部はテーパー状に形成されている。
よって、皮下注射後の注射筒33の先端に取付けられた針ホルダー34を、当該針ホルダー34と注射筒33との間の段差部30が前記段差当接部45に当接するまで、注射針廃棄ケースC4 の垂直円筒部42に挿入して、必要な場合には、いずれかの方向に僅かに回動させると、各弾性分割片47の内周面に形成された係止凸条48が、針ホルダー34の外周面に形成された係止凹条38に係止されて、垂直円筒部42に対して針ホルダー34が回動しないように仮保持される。この状態で、注射筒33を左回転させると、当該注射筒33と針ホルダー34とが分離される。
その後に、垂直円筒部42に仮保持された針ホルダー34を注射筒33の先端部で軽く押し付けると、各弾性分割片47が僅かに外方に弾性変形されて、当該垂直円筒部42に対して針ホルダー34が僅かに下方にスライドされた後に、ケース本体Bの収容空間Vに落し込まれて収容される。
このように、実施例4のケースC4 によれば、注射筒33と針ホルダー34とを分離させることなく、そのままの状態で、しかも使用済の注射針31に一切接触することなく、注射筒33と針ホルダー34とを分離させて、当該針ホルダー34に保持されている当該注射針31をケースC4 の内部の収容空間Vに廃棄収容できる点において、実施例1のケースC1 とは異なる。
実施例4では、垂直円筒部42及びこれに接続されるテーパー円筒部44を周方向に沿って3分割した例であるが、この分割数を多くすると、各弾性分割片47が外方に弾性変形し易くなるため、注射筒33から針ホルダー34を分離させた後に行うケース本体Bの収容空間Vに対する針ホルダー34の落し込みが容易となる。
B,B',B”:ケース本体
C1 〜C4 :注射針廃棄ケース
K1,K1', K1 ”:外蓋
K2,K2':内蓋
S:注射器
V:ケース本体の収容空間
1:ケース本体の開口
2:外蓋のヒンジ部
14,43:内蓋の投入口
30:注射筒と針ホルダーとの段差部
31:注射針
33:注射筒
38:針ホルダーの係止凹条
42:垂直円筒部
45:段差当接部
46:スリット
47:弾性分割片
48:弾性分割片に形成された係止凸条
C1 〜C4 :注射針廃棄ケース
K1,K1', K1 ”:外蓋
K2,K2':内蓋
S:注射器
V:ケース本体の収容空間
1:ケース本体の開口
2:外蓋のヒンジ部
14,43:内蓋の投入口
30:注射筒と針ホルダーとの段差部
31:注射針
33:注射筒
38:針ホルダーの係止凹条
42:垂直円筒部
45:段差当接部
46:スリット
47:弾性分割片
48:弾性分割片に形成された係止凸条
Claims (5)
- 廃棄注射針を収納するケース本体と、当該ケース本体の開口に嵌着される内蓋と、前記ケース本体にヒンジ連結されて、前記内蓋により開口が閉塞された前記ケース本体の内蓋の外側を覆う外蓋とから成り、
前記内蓋には、ケース本体の収容空間に廃棄注射針を投入するための投入口が形成されて、携帯可能なサイズ及び形状を有していることを特徴とする携帯式注射針廃棄ケース。 - 前記内蓋は、ケース本体の開口に嵌殺し構造となって全体が嵌着されることを特徴とする請求項1に記載の携帯式注射針廃棄ケース。
- 前記内蓋は、緩やかな逆錐台状に形成されて、その頂部に投入口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯式注射針廃棄ケース。
- 樹脂製の内蓋に形成された投入口は、垂直円筒部に形成され、当該垂直円筒部には、注射針を支持する針ホルダーと注射筒との段差部が当接する段差当接部が形成され、前記垂直円筒部における少なくとも前記段差当接部よりも下方の部分は、垂直方向に形成されたスリットを介して複数に分割されて、各弾性分割片の内周面には、注射針の針ホルダーの外周面に注射針の方向に沿って形成された凹条に係止される係止凸条が形成され、
注射筒に取付けられた前記針ホルダーを前記垂直円筒部に挿入して、当該針ホルダーの凹条と前記垂直円筒部に形成された係止凸条とを係止させた状態で、注射筒を回転させることで、針ホルダーを分離させて、分離された針ホルダーをケース本体の内部に落し込む構成であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯式注射針廃棄ケース。 - 前記内蓋は、ケース本体及び外蓋と一体となって射出成形可能なように、ケース本体に仮連結され、
前記ケース本体から内蓋を分離させて、当該ケース本体の開口を内蓋で覆蓋する構成であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の携帯式注射針廃棄ケース。
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- 2013-05-28 JP JP2013111579A patent/JP2014230567A/ja active Pending
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