JP2014230389A - 電力供給回路および電気二重層キャパシタの使用方法 - Google Patents

電力供給回路および電気二重層キャパシタの使用方法 Download PDF

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豊貴 森
忠洋 南川
Tadahiro Namikawa
忠洋 南川
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俊夫 秦
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Kunio Nomura
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Abstract

【課題】不純物の発生による静電容量の低下やESRの上昇を抑制しつつ、電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーを高める。【解決手段】電気二重層キャパシタ10へ充電された電力を負荷へ供給する電力供給回路101は、電気二重層キャパシタ10の劣化に関する特性(劣化量)を計測し、その劣化量に応じて、電気二重層キャパシタ10の充電電圧を上昇させる計測制御部13を備える。電気二重層キャパシタ10の劣化量に応じて、その充電電圧を上昇させることにより、静電容量の低下やESRの上昇を抑制しつつ、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーを長期間に亘って維持できる。【選択図】図1

Description

本発明は電気二重層キャパシタを蓄電素子として利用した電力供給回路および電気二重層キャパシタの使用方法に関するものである。
無停電電源装置に使用される蓄電池への充電は一般的に定電圧制御により行われている。特許文献1には、電流、電圧および電力のいずれかの制御要素を目標値に従って制御する充電装置が示されている。
一方、近年は、蓄電デバイスとして、二次電池以外に電気二重層キャパシタが使用されることがある。電気二重層キャパシタは、ESR(等価直列抵抗)が低いので、放電時のロスが小さく、放電効率が高く、大電力の出力が可能であり、サイクルライフが長い、といった特長があり、電源のバックアップやピーク電力の供給等のエネルギー供給デバイスとして利用される。
特開2003−153436号公報
電気二重層キャパシタの充放電は、電極表面への電解液に含まれるイオンの吸着・脱着を利用するものであり、電解液の電気分解が発生しない程度の電圧を、対向する電極に印加すると、電極表面にイオンが吸着され電荷が蓄えられ、蓄えられた電荷を放電するときにイオンは電極表面から脱着する。
電気二重層キャパシタは、電池とは異なり電荷を放電することにより電圧が低下するので、キャパシタに蓄電できるエネルギーはQ(電荷)V(電圧)積の1/2で表される。静電容量を大きくしないで、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーを増大しようとする場合、充電電圧を高めることが求められる。
一方、充電電圧を高くする程、電解液の電気分解に伴って不純物が生成しやすくなり、静電容量の低下やESRの上昇を促進してしまう。
本発明の目的は、不純物の発生による静電容量の低下やESRの上昇を抑制しつつ、電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーを高めた電力供給回路および電気二重層キャパシタの使用方法を提供することにある。
本発明の電力供給回路は電気二重層キャパシタへ充電された電力を負荷へ供給する電力供給回路であり、電気二重層キャパシタの劣化に関する特性(容量、等価直列抵抗等)を計測する特性計測手段と、劣化の量に応じて電気二重層キャパシタの充電電圧を上昇させる充電電圧制御手段と、を備えることを特徴としている。
前記特性計測手段は、使用時間または充放電量に応じて電気二重層キャパシタの劣化量を計測するように構成されることが好ましい。
また、前記特性計測手段は、電気二重層キャパシタの静電容量または等価直列抵抗を計測するように構成されることが好ましい。
例えば、特性計測手段は、所定のタイミング(周期)で、劣化量が予め定められた閾値に達するか否かを判定し、充電電圧制御手段は、判定手段が前記閾値に達したことを判定したときに充電電圧を上昇させる。
上記充電電圧の上昇量は、電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーが一定変動範囲内を維持するに要する値であることが好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタの使用方法は、電気二重層キャパシタを充電するステップと、前記電気二重層キャパシタの静電容量または等価直列抵抗を計測するステップと、前記静電容量の低下量または等価直列抵抗の増加量が予め定められた閾値に達するか否かを判定するステップと、前記静電容量または等価直列抵抗が前記閾値に達したことを判定したときに、前記電気二重層キャパシタの充電電圧を上昇させるステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、電気二重層キャパシタの劣化量に応じて電気二重層キャパシタの充電電圧が高くなるので、静電容量の低下やESRの上昇を抑制しつつ、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーを長期間に亘って維持できる。
図1は本発明の実施形態に係る電力供給回路101を備える電力供給システムのブロック図である。 図2(A)は第1のコンバータ11の回路図、図2(B)は第2のコンバータ12の回路図である。 図3は電気二重層キャパシタ10の放電特性を示す図である。 図4は計測制御部13の処理内容を示すフローチャートである。 図5は電気二重層キャパシタ10から取り出せるエネルギーの経時変化をシミュレーションした結果である。 図6は電気二重層キャパシタ10の静電容量の経時変化を示す図である。 図7は電気二重層キャパシタのESRを考慮した放電特性を示す図である。 図8は第2の実施形態に係る電力供給回路内の計測制御部13の処理内容を示すフローチャートである。 図9は第3の実施形態に係る電力供給回路102を備える電力供給システムのブロック図である。 図10は電気二重層キャパシタの簡易等価回路図である。
以降、幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための形態を示す。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせによって更なる他の実施形態とし得ることは言うまでもない。
電気二重層キャパシタは、電極、電解液(電解質塩)および、対向する電極の接触による短絡を防止するセパレータを備えている。電極は、集電体上に活性炭粉末を塗布して構成されている。誘電体層に相当する電気二重層は、個々の活性炭粉と電解液が接する界面に形成される。これを簡単な等価回路に置き換えると、図10のように、正極・負極に形成されるキャパシタ(C1,C2)、電解液やセパレータの抵抗成分などで構成される電極間抵抗(Rs)、活性炭電極と集電体などで構成される電極抵抗(Re1,Re2)および絶縁抵抗(R1,R2)で表すことができる。
電気二重層キャパシタが充電された状態で、電解液の電気分解に伴って生じる不純物が、電極材である活性炭の表面に徐々に付着していく。すなわち経時変化により、図10に示したキャパシタ(C1,C2)は低下し、電極抵抗(Re1,Re2)は増大する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力供給回路101を備える電力供給システムのブロック図である。この電力供給システムは、電力供給回路101、電源1および負荷2で構成される。電力供給回路101は電源1と負荷2との間に接続されている。この例では、電力供給回路101は負荷2に対する無停電電源装置(UPS)である。すなわち、電源1から供給される電力を基に、負荷2へ一定の電源電圧を供給する。電力供給回路101は、電源1が遮断されても負荷2に対して所定の電源電圧を一定時間供給する。
電力供給回路101は第1コンバータ11、第2コンバータ12、電気二重層キャパシタ10およびこの電気二重層キャパシタ10の劣化に関する特性(劣化量)を計測する計測制御部13を備えている。第1コンバータ11および第2コンバータ12はいずれもDCDCコンバータである。
第1コンバータ11は電気二重層キャパシタ10を所定電圧で充電し、第2コンバータ12は第1コンバータ11の出力電圧または電気二重層キャパシタ10の電圧を入力して、負荷2に対して所定の電源電圧を供給する。
電力供給回路101の動作開始時には、電気二重層キャパシタ10へ充電電流Icが流れ、電気二重層キャパシタ10の充電電圧が既定値に達すれば、充電電流Icは≒0Aとなる。また、電力供給回路101の定常的な動作時には、第1コンバータ11から第2コンバータ12へ電流Itが流れる。電源1が遮断されたり、その電圧が一時的に低下したりして、第1コンバータ11の出力電圧が電気二重層キャパシタ10の電圧より低くなると、電気二重層キャパシタ10から第2コンバータ12へ放電電流Idが流れる。したがって、電源1が遮断されたり、その電圧が一時的に低下したりしても、電気二重層キャパシタ10に蓄積されたエネルギーによって負荷2へ電力が供給される。
計測制御部13は電気二重層キャパシタ10の静電容量を計測し、その値に応じて第1コンバータ11の出力電圧が所定値となるように第1コンバータ11へ制御電圧Vcntを与える。
上記構成の電力供給回路101において、後述する制御により、電気二重層キャパシタ10はその劣化量に応じて充電電圧が最適値に定められる。
なお、電源1の遮断を検出する回路、および電源1の遮断されたことを負荷2へ通知する信号ラインについては図示を省略している。
図2(A)は第1コンバータ11の回路図、図2(B)は第2コンバータ12の回路図である。これらの例では、いずれも絶縁型のフォワードコンバータを構成している。
図2(A)において、電源入力端子+Vi,−Vi間には、トランスTの1次巻線およびスイッチング素子Q1の直列回路が接続されている。トランスTの2次巻線には、整流ダイオードD1、転流ダイオードD2、インダクタLo、平滑キャパシタCoによる整流平滑回路が接続されている。
図2(A)に示した回路構成により、スイッチング素子Q1のオン期間に、トランスの1次巻線および2次巻線に電流が流れ、インダクタLoに励磁エネルギーが蓄積されるとともに、平滑キャパシタCoに電気エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1のオフ期間には、トランスの1次巻線および2次巻線の電流は遮断され、インダクタLoの励磁エネルギーは転流ダイオードD2を介して転流される。このようなフォワードコンバータ動作により、整流平滑回路の出力である電源出力端子+Vo,−Voから所定の直流電圧が出力される。スイッチング制御回路CNTは、出力電圧を検出するとともに、その電圧が所定値を保つようにスイッチング素子Q1をスイッチング制御する。また、スイッチング制御回路CNTは、外部から入力される制御電圧Vcntに応じて、電源出力端子+Vo,−Voから出力される電圧を制御する。
図2(B)に示す第2コンバータ12と図2(A)に示す第1コンバータ11とは基本的に同じ構成であるが、第2コンバータ12において、スイッチング制御回路CNTは、外部から制御電圧Vcntを入力せず、出力電圧は負荷供給電圧であって一定である。
なお、上記DCDCコンバータには、ここで示したフォワードコンバータ以外にフライバック型等の他の回路構成のコンバータを用いることもできる。また、絶縁型のコンバータ以外に非絶縁型のコンバータを用いることもできる。
図1に示した電気二重層キャパシタ10の構成例は次のとおりである。
[正極シート]
厚み30μm、比表面積2000m2/gの活性炭が長さ10mm、幅10mm、厚み30μmのAl箔表面に塗工(塗工面積1cm2)されている。正極シートには正極引き出し部が接続されている。この正極引き出し部は、幅3mm、長さ10mm、厚み100μmのアルミタブである。
[負極シート]
厚み30μm、比表面積2000m2/gの活性炭が長さ10mm、幅10mm、厚み30μmのAl箔表面に塗工(塗工面積1cm2)されている。負極シートには負極引き出し部が接続されている。この負極引き出し部は、幅3mm、長さ10mm、厚み100μmのアルミタブである。
[セパレータ]
空隙率50%、長さ15mm、幅15mm、厚み30μmのポリエチレンシートである。
上記、正極シート、セパレータ、負極シートは、この順に積み重ねられて積層体が構成されている。
[電解液]
溶質はTEABF4(Tetra ethyl ammonium tetra fluoroborate)、溶媒はPC( propylene carbonate)とし、溶質の濃度は1.0mol/L、液量は10μLであり、電解液が上記積層体に含浸されている。
[外層体]
幅25mm、長さ25mmのラミネートシート2枚を、積層体を内包かつ正極引き出し部と負極引き出し部が露出するように張り合わされている。
この電気二重層キャパシタ10の電気的特性は次のとおりである。
・初期容量;30mF
・初期ESR;3Ω(1kHz)
・定格電圧;4.2V
図1に示した計測制御部13は、電気二重層キャパシタ10の劣化量が予め定められた閾値に到達する毎に電気二重層キャパシタ10への充電電圧が一定電圧分上昇するように制御する。具体的には、電気二重層キャパシタ10の静電容量が10%減少するごとに、電気二重層キャパシタ10への充電電圧が0.4V増加するように、第1コンバータ11へ制御電圧Vcntを出力する。
図3は電気二重層キャパシタ10の放電特性を示す図である。ここでは、定電流放電を行ったときのキャパシタ電圧の変化を示している。定電流放電を行うことによって、図3の直線(放電特性直線)に示すように、キャパシタ電圧は定率で低下していく。この放電特性直線の傾きは静電容量に相当する。そして、放電特性直線と縦軸および横軸で構成される三角形の面積が電気二重層キャパシタの放電可能エネルギーに相当する。電気二重層キャパシタ10の経時変化によって静電容量が低下するほど、傾きは急になる。定電流放電の場合、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーを一定にするには、上記三角形の面積が一定に維持されるように、放電開始時の充電電圧を高めていく。
図4は計測制御部13の処理内容を示すフローチャートである。図4に示すように、計測制御部13は先ず、電気二重層キャパシタ10の静電容量の初期値を計測し、充電電圧Vcの初期値を設定する(S1→S2)。静電容量の計測は例えば次の方法により行う。
定格最大電圧で30 分間充電し、その直後放電を開始する。充電/放電電流Idを100mAで一定とする。最大定格電圧の80%の電圧をV80%、最大定格電圧の40%の電圧をV40%、V80%に至る時間をt1、V40%に至る時間をt2で表すと、
容量=Id(t2-t1)/(V80% - V40%)
の計算により容量を求める。
計測制御部13は、所定の計測タイミングで電気二重層キャパシタ10の静電容量Cを計測する(S3→S4)。静電容量Cが、初期値を基準として前回の計測時よりΔ%以上低下していて、且つ充電電圧VcをΔVだけ増加することによって充電電圧が定格電圧Vmaxに達しない状態であれば、充電電圧をΔVだけ増加する(S5→S6→S7)。計測タイミング毎にこの処理を行うが、劣化が進行して、充電電圧VcをΔVだけ増加することによって充電電圧が定格電圧Vmaxを超える状態にまで達すれば、そのときの充電電圧Vcを維持する(S6→S8)。
図5は、20000時間に亘って充電状態に保った後の電気二重層キャパシタ10について、その静電容量およびESRの実測値を基に、電気二重層キャパシタ10から取り出せるエネルギーの経時変化をシミュレーションした結果である。図5において、横軸は経過時間[時]、縦軸は蓄積エネルギー[J]であり、特性ラインE0は本実施形態の特性、特性ラインE1は比較例1の特性、特性ラインE2は比較例2の特性をそれぞれ表している。比較例1は電気二重層キャパシタ10への充電電圧を4.2Vに固定した場合、比較例2は電気二重層キャパシタ10への充電電圧を2.6Vに固定した場合である。
蓄積エネルギーEnergyは、充電状態から0.1Wで放電し、放電開始から0Vに到達するまでの時間tを求め、Energy[J]=0.1[W]×t[s] の関係に基づいて算出した。この蓄積エネルギーの測定は2000時間経過する毎に行うものとした。
図5の比較例1と比較例2とを比べると明らかなように、充電電圧が高いほど蓄積エネルギーは高い。例えば必要な蓄積エネルギーが0.05Jであるとすると、充電電圧4.2Vの比較例1では13000時間まで使用できるのに対し、充電電圧2.6Vの比較例2では2000時間までしか使用できない。しかし、充電電圧が高いほど、時間経過に対する蓄積エネルギーの低下傾向が急である。
一方、本実施形態では、結果的に、2000時間毎に適宜充電電圧が上昇するので、蓄積エネルギーが2000時間毎に回復する。17500時間経過した時点で必要な蓄積エネルギー0.05Jを下回るので、次の計測タイミングである18000時間以降は充電電圧の上昇はなく、蓄積エネルギーはほぼ同じ傾斜で低下していく。
なお、本実施形態の特性ラインE0では受電エネルギーの下降上昇過程が繰り返し現れているが、実際には蓄積エネルギーが時間経過に伴って上昇する過程はなく、これは2000時間毎にプロットしている作図上の結果である。実際の蓄積エネルギーの変化は破線で示すような経緯を辿る。
上記実験結果を得た、電気二重層キャパシタの静電容量と充電電圧との関係は次のとおりである。
[表1]
_______________________________________
静電容量変動累計 <-10% -10%〜<-20% -20%〜<-30% -30%〜<-40% -40%〜
_______________________________________
充電電圧 2.6V 3.0V 3.4V 3.8V 4.2V
_______________________________________
図5に示した例では、必要な蓄積エネルギーが0.05Jであるとすると、電気二重層キャパシタの最大定格電圧4.2Vで使用した場合に比べて、実質的な寿命が17500/13000≒1.35 倍に延びる。取り出し可能なエネルギーが0になるまでの時間で比較すると、充電電圧4.2Vの比較例1では18000時間、充電電圧2.6Vの比較例2では16000時間であるの対し、本実施形態では22500時間まで延びる。
図6は電気二重層キャパシタ10の静電容量の経時変化を示す図である。図6において、横軸は経過時間[時]、縦軸は電気二重層キャパシタ10の初期容量に対する静電容量の比であり、特性ラインC0は本実施形態の特性、特性ラインC1は比較例1の特性、特性ラインC2は比較例2の特性をそれぞれ表している。
図6から明らかなように、充電電圧2.6Vの比較例2に比べて充電電圧4.2Vの比較例1の方が静電容量の低下率は大きい。本実施形態では、その中間の静電容量低下率となる。
本実施形態によれば、初期段階では充電電圧を高く設定せず、電気二重層キャパシタの劣化量に応じて充電電圧を高めていくことにより、経時にともなう静電容量の低下率やESRの上昇率を抑えることができる。そのため、所定の充放電エネルギーを維持できる時間(寿命)を長くできる。
一般に電極での化学反応によって充放電を行う二次電池の場合には過放電により電極の腐食が起こり寿命が短くなるので、終止電圧を規定し、終止電圧に達した時点で放電を停止する必要があるが、電解液に含まれるイオンを電極表面へ吸脱着させることによって充放電を行う電気二重層キャパシタの場合には、終止電圧を規定する必要はなく、第2コンバータ12が動作する限り放電を継続できるので、二次電池に対し長時間の放電が可能である。
上述の例では、電気二重層キャパシタの静電容量が初期値を基準として一定割合低下する毎に充電電圧を一定値ずつ増加する例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。充電電圧は、電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーが一定変動範囲内を維持するに要する値になるように次第に上昇させればよい。
なお、電気二重層キャパシタの静電容量やESRなど、電気二重層キャパシタの劣化に関する特性を計測する状態では、例えば無停電電源装置本来の機能は失われるが、例えば定期メンテナンス時に電気二重層キャパシタの劣化に関する特性を計測し、ΔVを定める処理を行えば、このことは問題とはならない。また、本実施形態で示した構成の電力供給回路を2系統設け、一方が劣化に関する特性を計測しているときに他方を定常動作させるタンデム動作をさせれば、常に無停電電源装置として利用できる。
《第2の実施形態》
電気二重層キャパシタの劣化によって、ESRが増加する。第2の実施形態では、ESRの増加分も考慮して電気二重層キャパシタの充電電圧を設定する例を示す。
電気二重層キャパシタの静電容量の低下量をΔC、ESRの増大量をΔRで表すと、電気二重層キャパシタの劣化量の評価値Dは次のように、ΔCおよびΔRの関数で表される。
D= f (ΔC , ΔR)
そして、充電された電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーは、充電電圧、静電容量およびESRの関数であるので、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーが所定範囲内を維持するように、電気二重層キャパシタへの電圧印加時間(経時)に伴って、電気二重層キャパシタの充電電圧を次第に上昇させればよい。
図7は電気二重層キャパシタのESRを考慮した放電特性を示す図である。ここでは、定電流放電を行ったときのキャパシタ電圧の変化を示している。定電流放電を行うことによって、図7の直線(放電特性直線)に示すように、キャパシタ電圧は定率で低下していく。この放電特性直線の傾きは静電容量に相当する。そして、放電特性直線と縦軸および横軸で構成される三角形の面積が電気二重層キャパシタの放電可能エネルギーに相当する。電気二重層キャパシタのESRが増大するほど、放電特性直線は下方へ平行移動するので、電気二重層キャパシタから取り出せる電気エネルギーはハッチング部分の面積分減少する。定電流放電の場合、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーを一定にするには、上記ESRにより減少するエネルギー分をキャパシタ電圧の上昇で補うように、電気二重層キャパシタの充電電圧を高めていく。
第2の実施形態に係る電力供給回路を備える電力供給システムは図1に示したものと同じであるので、ここでも図1に示した符号を用いる。図8はその計測制御部13の処理内容を示すフローチャートである。計測制御部13は先ず、電気二重層キャパシタ10の静電容量およびESRの初期値を計測し、充電電圧Vcの初期値を設定する(S1→S2)。ESRの計測は、例えば周波数1kHzの交流電圧を印加し、流れる実効電流Irmsが10mAになるのに要した実効電圧Vrmsを測定し、ESR=Vrms/Irms の計算によって行う。計測制御部13は所定の計測タイミングになれば、電気二重層キャパシタ10の静電容量CおよびESRを計測する。そして、静電容量Cの低下量ΔCおよびESRの増大量ΔRを基に電気二重層キャパシタの劣化量を評価し、劣化量に応じた充電電圧増加量ΔVを求める(S3→S4)。上述のとおり、電気二重層キャパシタの劣化量の評価値DはΔCおよびΔRを変数とする所定の関数を、演算によってまたはテーブル参照によって求める。この関数は電気二重層キャパシタの特性に基づいて予め定めておく。
静電容量Cが、初期値を基準として前回の計測時よりΔ%以上低下していて、且つ充電電圧VcをΔVだけ増大させても充電電圧が定格電圧Vmaxに達しない状態であれば、充電電圧をΔVだけ増大させる(S5→S6→S7)。計測タイミング毎にこの処理を行うが、充電電圧VcをΔVだけ増大させることによって充電電圧が定格電圧Vmaxを超える状態に達すれば、そのときの充電電圧Vcを維持する(S6→S8)。
以上に示した例では、電気二重層キャパシタの静電容量とESRに基づいて電気二重層キャパシタの劣化量を評価したが、電気二重層キャパシタから取り出せるエネルギーは温度にも依存するので、電気二重層キャパシタの温度を測定し、それを考慮して電気二重層キャパシタの劣化量を評価してもよい。
《第3の実施形態》
図9は第3の実施形態に係る電力供給回路102を備える電力供給システムのブロック図である。この電力供給システムは、電力供給回路102、電源1および負荷2で構成される。第1の実施形態で図1に示した電力供給システムと異なり、計測制御部13が第2コンバータ12に第1コンバータ11の出力電圧設定値に関する情報を与えるように構成されている。電力供給回路102のその他の構成は図1に示した電力供給回路101と同じである。この構成により、第2コンバータ12は入力電圧を検出することなく、フィードフォワード制御できるので、負荷2への出力電圧の安定化の応答性が高まる。
《第4の実施形態》
第1の実施形態では、電気二重層キャパシタの劣化に関する特性として静電容量を計測して充電電圧の増加量を定め、第2の実施形態では、電気二重層キャパシタの静電容量およびESRを計測して充電電圧の増加量を定めたが、ESRのみに基づいて、充電電圧の必要な増加量を定めるようにしてもよい。
《第5の実施形態》
以上に示した各実施形態では、電気二重層キャパシタの静電容量またはESRの計測に基づいて電気二重層キャパシタの劣化量を評価したが、電気二重層キャパシタの劣化量は静電容量またはESRの実測に依らずに求めることも可能である。電気二重層キャパシタの経時変化の特性は、サンプルの実測またはシミュレーションで予め求めておき、使用開始からの経過時間に応じて静電容量の低下量およびESRの増加量を推定すればよい。この場合、電力供給回路は、例えば図1に示した計測制御部13の代わりに、使用開始からの経過時間に応じて、電気二重層キャパシタ10の充電電圧を次第に増加させるように制御電圧Vcntを出力する制御部を設ける。
CNT…スイッチング制御回路
Co…平滑キャパシタ
D1…整流ダイオード
D2…転流ダイオード
Lo…インダクタ
Q1…スイッチング素子
T…トランス
2…負荷
10…電気二重層キャパシタ
11…第1コンバータ
12…第2コンバータ
13…計測制御部
101,102…電力供給回路

Claims (6)

  1. 電気二重層キャパシタへ充電された電力を負荷へ供給する電力供給回路において、
    前記電気二重層キャパシタの劣化に関する特性を計測する特性計測手段と、
    前記劣化の量に応じて前記電気二重層キャパシタの充電電圧を上昇させる充電電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする電力供給回路。
  2. 前記特性計測手段は、使用時間または充放電量に応じて前記電気二重層キャパシタの劣化量を計測するものである、請求項1に記載の電力供給回路。
  3. 前記特性計測手段は、前記電気二重層キャパシタの静電容量または等価直列抵抗を計測するものである、請求項1に記載の電力供給回路。
  4. 前記特性計測手段は、所定のタイミングで、前記劣化の量が予め定められた閾値に達するか否かを判定し、
    前記充電電圧制御手段は、前記特性計測手段が前記閾値に達したことを判定したときに前記充電電圧を上昇させる、請求項1〜3のいずれかに記載の電力供給回路。
  5. 前記充電電圧の上昇量は、前記電気二重層キャパシタの蓄積エネルギーが一定変動範囲内を維持するに要する値である、請求項4に記載の電力供給回路。
  6. 電気二重層キャパシタを充電するステップと、
    前記電気二重層キャパシタの静電容量または等価直列抵抗を計測するステップと、
    前記静電容量の低下量または等価直列抵抗の増加量が予め定められた閾値に達するか否かを判定するステップと、
    前記静電容量または等価直列抵抗が前記閾値に達したことを判定したときに、前記電気二重層キャパシタの充電電圧を上昇させるステップと、を有することを特徴とする電気二重層キャパシタの使用方法。
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