JP2014229541A - カードコネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】 手動で引き出すことができる引出し棒を備え、かつ対面する開口をキャップで覆うことが可能なカードコネクタを提供する。
【解決手段】 このカードコネクタはスライダ２３と引出し棒２４とを有する。スライダ２３は挿入されてきたカード４０に押されて挿入方向奥側（矢印Ａ方向）にスライドする。引出し棒２４は、ハウジング２１に対しスライド自在であるとともにスライダ２３に対してもスライド自在である。この引出し棒２４は、スライダ２３に対し相対的に挿入方向手前側（矢印Ｂ方向）にスライドした状態でスライダ２３に係止してスライダ２３からの脱落が防止されている。また、この引出し棒２４は、引出し操作によりスライダ２３を挿入方向手前側（矢印Ｂ方向）にスライドさせて、ハウジング２１に受容されていたカード４０をスライダ２３に押し出させる。
【選択図】 図１２

Description

本発明は、メモリカード等のカードが挿入されるカードコネクタに関する。

カードコネクタには、内部に受容されているカードを取り出すためのイジェクト機構が備えられることが多い。

単純には、挿入されてきたカードと干渉する引出し棒を備えることが考えられる。この引出し棒は、カードの挿入によりカードに押されて挿入方向奥側にスライドし、奥側にスライドした状態においても指で摘むのに十分な長さ突出している。カードの取出しにあたっては、その突出した部分を摘んで手前側に引き出すことによりカードを引出方向にスライドさせる棒状の部材である。

ここで、上記の引出し棒を備えたカードコネクタを機器に組み込んでカードコネクタの前面を筐体の開口に対面させ、その開口をキャップで覆う場合を考える。このキャップは機器の化粧用であったり、あるいは防水用であったりする。

カードコネクタに受容されているカードを取り出すための引出し操作を行なうには、キャップを嵌め込む開口から引出し棒が突出している必要がある。一方、引出し棒が突出していては、その開口にキャップを嵌め込むことができないことになる。

特許文献１には、モータを用いてカードを自動的に取り出すイジェクト機構が採用され、さらにモータ等の故障時に備えて手動引出し棒を設けた構造が開示されている。ただし、この特許文献１の手動引出し棒は手動で押し込むことによってカードを引き出す部材である。

特開平１０−１７２６６２号公報

本発明は、上記矛盾を解消し、手動で引き出すことができる引出し棒を備え、かつ対面する開口をキャップで覆うことが可能なカードコネクタを提供することを目的とする。

上記目的を達成する本発明のカードコネクタは、
電気的な接続を担うパッドを有するカードが挿入されてそのカードを受容するハウジングと、
ハウジングに受容されたカードのパッドに接触するコンタクトと、
挿入されてきたカードに押されて挿入方向奥側にスライドするスライダと、
ハウジングに対しスライド自在であるとともにスライダに対してもスライド自在であって、スライダに対し相対的に挿入方向手前側にスライドした状態でスライダに係止してスライダからの脱落が防止され、引出し操作によりスライダを挿入方向手前側にスライドさせ、ハウジングに受容されていたカードをスライダに押し出させる引出し棒とを備えたことを特徴とする。

本発明のカードコネクタは、引出し棒に加えて、カードの挿入によりそのカードに押し込まれカード引出し時にはカードを押し出す、上記のスライダを備えている。このため、引出し棒をスライダに対しさらに奥に押し込むことができ、前面の開口をキャップで覆うことができる。

ここで、上記本発明のカードコネクタにおいて、スライダと引出し棒との間に介在し引出し棒をスライダに対し挿入方向手前側に付勢する圧縮バネをさらに備えることが好ましい。

この圧縮バネを備えると、キャップを取り外したときに、引出し棒がその圧縮バネの付勢力により自動的に突出し、引出し操作が容易となる。

以上の本発明のカードコネクタによれば、手動で引き出すことができる引出し棒を備え、かつ対面する開口をキャップで覆うことが可能となる。

本発明の一実施形態としてのカードコネクタの外観斜視図である。 図１に外観を示したカードコネクタからシェルを外してハウジング組立体の上面側を示した斜視図である。 ハウジング組立体の平面図である。 スライダが挿入方向奥側（矢印Ａ方向）にスライドした状態のハウジング組立体の斜視図である。 引出し棒をコイルバネによる付勢力に抗して押し込んだ状態のハウジング組立体の斜視図である。 メモリカードを受容した状態のカードコネクタの外観斜視図である。 図６に示す状態のカードコネクタからシェルを取り外し、メモリカードを受容した状態のハウジング組立体の斜視図である。 メモリカードを受容し、さらに引出し棒が押し込められた状態のカードコネクタの外観斜視図である。 メモリカードを受容しさらに引出し棒が押し込まれた状態のカードコネクタの平面図である。 メモリカードを受容し、さらに引出し棒が挿し込まれた状態のハウジング組立体の斜視図である。 引出し棒を引き出した状態のカードコネクタの外観斜視図である。 引出し棒を引き出した状態のハウジング組立体の斜視図である。

以下、本発明の実施の形態を説明する。

図１は、本発明の一実施形態としてのカードコネクタの外観斜視図である。

また、図２は、図１に外観を示したカードコネクタからシェルを外してハウジング組立体の上面側を示した斜視図である。

さらに図３は、そのハウジング組立体の平面図である。

このカードコネクタ１０は、図１に示すように、ハウジング組立体２０と金属製のシェル３０を有する。それらハウジング組立体２０とシェル３０との間には、メモリカード４０（例えば図１０，図１１参照）が挿し込まれるカード挿入口１１が設けられている。また、カード挿入口１１の横には、ハウジング組立体２０に備えられた引出し棒２４が突出している。また、シェル３０には開口３１が設けられている。

ハウジング組立体２０は、図２，図３に示すように、ハウジング２１と、そのハウジング２１に対しインサート成形された複数のコンタクト２２を有する。ハウジング２１は、メモリカード４０が挿入されてそのメモリカードを受容する役割を担っている。またコンタクト２２は、回路基板（図示せず）に半田接続される基板接続部２２ａを有し、ハウジング２１に受容されたメモリカード４０に接触して回路基板からメモリカードへの電源供給やメモリカードのアクセスの中継を担っている。このメモリカード４０には、各コンタクト２２にそれぞれ対応する各位置に各コンタクト２２に接触して電気的な接続を担うパッド（図示せず）が設けられている。

また、このハウジング組立体２０には、スライダ２３と引出し棒２４とコイルバネ２５が備えられている。

スライダ２３は、ハウジング２１に対し、メモリカード４０の挿入方向（矢印Ａ方向）および引出方向（矢印Ｂ方向）にスライド自在である。図２，図３には、引出方向（矢印Ｂ方向）に最大限スライドした状態のスライダ２３が示されている。このスライダ２３にはメモリカード４０の先端が突き当たるカード突当部２３１が設けられている。カード挿入口１１（図１参照）からメモリカード４０が挿し込まれるとメモリカード４０の先端がカード突当部２３１に突き当たり、メモリカード４０をそのまま挿し込むことによりスライダ２３が挿入方向（矢印Ａ方向）奥側にスライドする。

また引出し棒２４は、スライダ２３と同様、ハウジング２１に対し、挿入方向（矢印Ａ方向）および引出方向（矢印Ｂ方向）にスライド自在である。また、この引出し棒２４はさらに、スライダ２３に対しても、挿入方向（矢印Ａ方向）および引出方向（矢印Ｂ方向）にスライド自在である。図１〜図３には、この引出し棒２４についても最大限に引き出された状態が示されている。スライダ２３には、上下にくり抜かれた形状の挿入方向に延びる溝２３２が形成されている。この溝２３には、引出し棒２４の後端部２４１がスライダ２３に対しスライド自在に嵌め込まれている。この引出し棒２４の後端部２４１は、この引出し棒２４が図２，図３に示すようにスライダ２３に対し引出方向（矢印Ｂ方向）に最大限引き出された状態においてもスライダ２３から脱落しないように、その引出し棒２４の軸部２４２よりも幅広に形成されている。

また、スライダ２３の溝２３２内には、コイルバネ２５が配置されている。このコイルバネ２５は、スライダ２３と引出し棒２４との間に介在し、図２，図３に示すように、引出し棒２４をスライダ２３に対し挿入方向手前側（矢印Ｂ方向）に付勢するバネである。

図４は、スライダが挿入方向奥側（矢印Ａ方向）にスライドした状態のハウジング組立体の斜視図である。

この図４では、スライダ２３は、挿入方向奥側（矢印Ａ方向）にスライドした状態にあるが、引出し棒２４は、コイルバネ２５に付勢されてスライダ２３に対しては引出方向（矢印Ｂ方向）にスライドした状態にある。この状態では、引出し棒２４は、前方の半分近くの長さの部分がハウジング２１から突出した状態にある。

図５は、引出し棒をコイルバネによる付勢力に抗して押し込んだ状態のハウジング組立体の斜視図である。

引出し棒２４の先端部２４３は、軸部２４２よりも太い寸法を有し、引出し棒２４が押し込まれても先端部２４３はハウジング２１に突き当たり、ハウジング２１の内部には潜り込まない形状となっている。

このカードコネクタ１０は、装置筐体内であって、その装置筐体に設けられた開口に対面した位置に設置されることが予定されている。その装置筐体の開口にはキャップ（後述する）が嵌め込まれる。この引出し棒２４は、そのキャップに押されて図５に示す状態にまで押し込まれる。

図６は、メモリカードを受容した状態のカードコネクタの外観斜視図である。

また図７は、図６に示す状態のカードコネクタからシェルを取り外し、メモリカードを受容した状態のハウジング組立体の斜視図である。

メモリカード４０を受容した状態では、スライダ２３は挿入方向（矢印Ａ方向）奥側に移動している。ただし、引出し棒２４はキャップ（後述する）に押されていない状態では、この図７に示すようにその半分近くの長さにわたってハウジング２１から突出した状態にある。

図８は、メモリカードを受容し、さらに引出し棒２４が押し込められた状態のカードコネクタの外観斜視図である。

また、図９は、メモリカードを受容しさらに引出し棒が押し込まれた状態のカードコネクタの平面図である。この図９には、図示しない装置筐体の開口に嵌め込まれた状態のキャップ５０が示されている。

さらに図１０は、メモリカードを受容し、さらに引出し棒が挿し込まれた状態のハウジング組立体の斜視図である。

このカードコネクタ１０は、装置筐体内部であって、その装置筐体の開口に面した位置に設置される。装置筐体の開口にキャップ５０が嵌め込まれて、引出し棒２４はそのキャップ５０によりハウジング２１の内部に挿し込まれ、その前端部２４３のみがハウジング２１から突出した状態となる。このとき、図１０に示すように、コイルバネ２５は、スライダ２３と引出し棒２４とに挟まれて押し縮められた状態となる。

図１１は、引出し棒を引き出した状態のカードコネクタの外観斜視図である。

また、図１２は、引出し棒を引き出した状態のハウジング組立体の斜視図である。

図９に示すように、装置筐体の開口にキャップ５０が嵌め込まれて引出し棒２４が挿し込まれた状態にあるときに、キャップ５０をその開口から取り外すと、引出し棒２４は、コイルバネ２５の付勢力により、図６，図７に示す状態まで突出する。これにより、この引出し棒２４は装置筐体の開口の外にまで突出することになる。

そこで、その開口から突出した引出し棒２４に指を掛けてさらに引き出す。すると、その引出し棒２４の引出しによりスライダ２３も引出方向（矢印Ｂ方向）にスライドし、このカードコネクタ１０に受容されていたメモリカード４０がスライダ２４により図１１，図１２に示す状態にまで押し出される。この図１１，図１２に示す状態にまで押し出されたメモリカード４０は、指で、あるいはピンセット等の道具でさらに引き出されてこのカードコネクタ１０が取り外される。

このように、本実施形態のカードコネクタ１０によれば、装置筐体の開口をキャップで覆うことと、引出し操作とを両立させることができる。

１０ カードコネクタ
１１ カード挿入口
２０ ハウジング組立体
２１ ハウジング
２２ コンタクト
２２ａ 基板接続部
２３ スライダ
２４ 引出し棒
２５ コイルバネ
３０ シェル
３１ 開口
４０ メモリカード
５０ キャップ
２３１ カード突当部
２３２ 溝
２４１ 後端部
２４２ 軸部
２４３ 先端部

Claims (2)

1. 電気的な接続を担うパッドを有するカードが挿入されて該カードを受容するハウジングと、
   前記ハウジングに受容されたカードのパッドに接触するコンタクトと、
   挿入されてきたカードに押されて挿入方向奥側にスライドするスライダと、
   前記ハウジングに対しスライド自在であるとともに前記スライダに対してもスライド自在であって、該スライダに対し相対的に該挿入方向手前側にスライドした状態で該スライダに係止して該スライダからの脱落が防止され、引出し操作により該スライダを該挿入方向手前側にスライドさせ、該ハウジングに受容されていたカードを該スライダに押し出させる引出し棒と
   を備えたことを特徴とするカードコネクタ。
2. 前記スライダと前記引出し棒との間に介在し該引出し棒を該スライダに対し前記挿入方向手前側に付勢する圧縮バネをさらに備えたことを特徴とする請求項１記載のカードコネクタ。

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