JP2014228207A - 蓄熱装置及び建物床下の蓄熱装置並びに建物の空調設備 - Google Patents

蓄熱装置及び建物床下の蓄熱装置並びに建物の空調設備 Download PDF

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Abstract


【課題】蓄熱槽内の蓄熱体に効率よく蓄熱させることができ、又、該蓄熱体が放出する熱が付与されてなる温風や冷風を蓄熱槽から所望方向に向けて効果的に放出させ得る蓄熱装置を提供する。
【解決手段】囲壁部2の上部と下部が閉じた蓄熱槽3の内部に蓄熱体6が納設されている。蓄熱槽3の前部に、エアコン室内機9の吹出口が連設され、蓄熱槽3は、その内部の空気を放出させる複数の空気放出口11を有する。蓄熱槽3の内部の後部に、蓄熱槽内に吹き出されて後方に移動した空気を反射させて方向転換させる空気反射部13を有する。蓄熱体6の内部には、蓄熱槽3内に吹き出された空気を流すための空気流路15が設けられている。
【選択図】図17

Description

本発明は、建物の床下空間等に配設されて蓄熱と放熱を行う蓄熱装置に関するものであり、又、建物の床下空間に好適に配設できる建物床下の蓄熱装置に関するものであり、又、これらの蓄熱装置を用いる建物の空調設備に関するものである。
建物の床下空間に蓄熱装置を配設して構成された床下暖房システムの一例として特許文献1が開示するものが提案されている。
該床下暖房システムaは図68(A)に示すように、筐体b内に潜熱蓄熱体からなる薄板状の蓄熱プレートcが多数枚収容されてなり、該筐体bは、その入口側dの一部が開口し且つ出口側eが全面的に開口した横断面矩形状の筒形を呈していた。そして前記蓄熱プレートcは、図68(B)に示すように、同一平面上に複数枚が並列配置されると共に、その並列配置体fが通気路gとなる間隔を置いて複数に積層されていた。そして、該蓄熱プレートcの並列・複層配置を可能とするために、ラックが該筐体b内に組付けられていた。又、前記筐体bの前記入口側dには、二種類のダクトj,kが個別に接続されており、ヒートポンプエアコンからの温風がその何れか一方のダクトjを介して入口h1に導入されると共に、送風ファンからの風が他方のダクトkを介して入口h2に導入されるようになされていた。
そして、ヒートポンプエアコンからの温風が入口側空間nから前記筐体b内に導入されると、該温風が、前記通気路gを通る際に該温風が持つ熱が各蓄熱プレートcに与えられ、該蓄熱プレートcは蓄熱した。又、前記蓄熱プレートcが蓄熱された状態で、前記送風ファンから常温の空気が入口側空間nを通して筐体b内に導入されると、この風が前記通気路gを通る際に、前記蓄熱プレートcが放熱する熱が与えられ、これにより、導入時には常温であった風が温風となって筐体bの出口pから床下空間qに放出されるようになされていた。
しかしながら該従来の床下暖房システムによるときは、前記通気路gが前記筐体の入口h1,h2から出口pに向けて直線状に延長するものであり、前記入口h1,h2から前記筐体b内に導入された風は、直線状を呈する前記通気路gの夫々を通して、その全てが、前記筐体bの出口pから前記床下空間qに放出された。
従来の床下暖房システムは、このように、入口h1,h2から導入された温風がそのまま出口pから放出されたため、該温風の保有熱を各蓄熱プレートcに効果的に与えにくく、該蓄熱プレートへの熱伝達の効率が悪い問題があった。
又、該床下暖房システムによるときは、部屋のサイズや部屋の配置状態に合わせて設定される床下空間の所望の区画空間部に向けて温風を効果的に放出させることが難しい問題があった。この点について、図69に基づいてより詳しく説明する。
床下空間qは、各部屋のサイズや部屋の配置状態に合わせて区画されているため、布基礎rが、所要に屈曲した状態や枝分かれした状態で設けられている。そのため、前記筐体bからの温風の吹き出しを、かかる布基礎rの配置状態に合わせて、必要とされる区画空間部に向けて吹き出させるのが好ましい。そこで、前記筐体bの側面部にも放出口を設け、該放出口から所望場所に向けて温風を放出させることとすれば、より効果的に床暖房できる場合がある。
今、例えば図69に示すように、前記筐体bの側面部sにも放出口tを設けたとする。このように放出口tを設けた場合は、一見、該放出口tからも温風を放出させ得るように見える。しかしながら図68に示すように、前記筐体bは、その出口側eが全面的に開口した筒状を呈していたため、該入口h1,h2から導入された空気が、多段の通気路gを通してそのまま該出口pから放出されてしまうので前記筐体bの内部は正圧状態にはなかった。それ故、前記放出口tからの温風放出は期待できず、逆に、前記入口h1,h2から出口pに向けての気流によって、床下空間qの空気が前記放出口tを通して筐体b内に吸い込まれてしまう現象が生ずることとなる。
このように従来の床下暖房システムによるときは、部屋のサイズや部屋の配置状態に合わせて設定されている床下空間の所望の区画空間部に向けて効果的に温風の放出を行わせることができない問題があったのである。
特開2009−52765号公報
本発明は、主として前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、蓄熱槽の内部に納設状態とされている蓄熱体に効率的に蓄熱させ得ることに加え、該蓄熱体が放熱する熱が付与されてなる温風又は冷風を該蓄熱槽から所望方向に向けて効果的に放出させ得る蓄熱装置の提供を課題とするものである。又、建物の床下空間に好適に配設できる建物床下の蓄熱装置の提供を課題とするものである。更に、これらの蓄熱装置を用いて建物の空調を効果的に行うことのできる建物の空調設備の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る蓄熱装置の第1の態様は、囲壁部の上部と下部が閉じた箱状を呈する蓄熱槽の内部に蓄熱体が納設状態とされると共に該蓄熱槽の前部にエアコン室内機の吹出口が連設され、該蓄熱槽には、該蓄熱槽内の空気を放出させるための複数の空気放出口が設けられてなり、前記蓄熱槽の内部の後部には、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出されて後方に移動した空気を反射させて方向転換させるための空気反射部が設けられており、又、前記蓄熱体の内部には、前記蓄熱槽内に吹き出された空気を流すための空気流路が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第2の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1の態様において、前記蓄熱体は、水平板状を呈する蓄熱板部が、水平状態に拡がる横方向空気流路を相互間に形成するように所要間隔を置いて積層されて構成されており、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出された空気が、前記の各横方向空気流路に流入でき、該流入した空気が、前記空気反射部に当たって方向変換される如くなされていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第3の態様は次の構成を有する。即ち、前記第2の態様において、上下方向に複数段に設けられている前記横方向空気流路を連通させるように、上下方向に延長する縦方向空気流路が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第4の態様は次の構成を有する。即ち、前記第2の態様において、前記吹出口からの空気の吹き出しが、前記後部の、左右方向で見た一方の端部側に設けられている前記空気反射部に向けて行われ、これにより、前記蓄熱槽内の空気が前記横方向空気流路で、平面視で循環状態となるようになされていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第5の態様は次の構成を有する。即ち、前記第4の態様において、前記吹出口から前記横方向空気流路に吹き出された空気を、該横方向空気流路で、平面視で循環状態となるように方向付けするための方向規制ガイド面が前記空気反射部に設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第6の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1の態様において、四つのコーナ部分が隅切りされ且つ該コーナ部分の側面が、平面視で円弧状又は直線状を呈する隅切り面として形成されてなる矩形板状の蓄熱板が、水平面内で、前後方向及び左右方向に相互が当接されて並設されることによって、水平板状を呈する蓄熱板部が形成されており、該蓄熱板部が、相互間に、水平状態に拡がる横方向空気流路を形成するように所要間隔を置いて積層されることによって前記蓄熱体が構成されており、該蓄熱板部を構成する4枚の蓄熱板の四つのコーナ部分が集合する部位には蓄熱板支持部材が介在されてなる。又、前記蓄熱板支持部材は、前記所要間隔に相当する高さを有する間隔保持用の台座片の上面部に、位置規制用の柱状片が突設されてなり、該台座片の、該柱状片の周辺をなす支持面で、前記4枚の蓄熱板の四つのコーナ部分を下方から支持できると共に、前記隅切り面が該柱状片の側面に当接した状態で、該4枚の蓄熱板が、前後方向及び左右方向で相互が当接する如くなされると共に、該柱状片の高さが前記蓄熱板の上下方向の厚さに等しいか或いはそれよりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第7の態様は次の構成を有する。即ち、前記第6の態様において、前記柱状片の高さが前記蓄熱板の上下方向の厚さよりも小さく設定されることによって、前記四つのコーナ部分の集合する部位に、前記柱状片の上端の上方に固定凹部が形成される如くなされており、又、前記台座片の下面部には、該固定凹部に嵌入し得る固定突部が突設され、該固定突部の突出長さが該固定凹部の深さに等しいか或いはそれよりも小さく設定されており、且つ該固定突部の側面が、前記四つのコーナ部分の前記隅切り面に当接する如くなされていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第8の態様は次の構成を有する。即ち、前記第6又は第7の態様において、前記台座片が円板状を呈すると共に前記柱状片が円柱状を呈することを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第9の態様は次の構成を有する。即ち、前記第6又は第7の態様において、前記台座片が、平面視で正方形状の正方形板状を呈すると共に、前記柱状片が、平面視で正方形状の正方形柱状を呈し、該台座片と該柱状片の、平面視での正方形状の向きが合致していることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第10の態様は次の構成を有する。即ち、前記第2の態様において、水平板状を呈する蓄熱板部が、相互間に、水平状態に拡がる横方向空気流路を形成するように所要間隔を置いて積層されてなる前記蓄熱体は、積層蓄熱体を並設して構成されており、該積層蓄熱体は、蓄熱板の複数枚を所要間隔を置いて積層し且つ全体が積層方向で一体化されてなり、該積層蓄熱体を構成する上下の蓄熱板の間には間隔保持片が介在され、該上下の蓄熱板間に、前記横方向空気流路の間隙幅に等しい上下幅を有する通気間隙が形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第11の態様は次の構成を有する。即ち、前記第10の態様において、前記蓄熱板の表裏の中央部分が対向状態に窪んでおり、前記間隔保持片の上下端部分が該窪み部に嵌め入れられて、前記上下の蓄熱板間に前記通気間隙が形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第12の態様は次の構成を有する。即ち、前記第2〜第9の何れかの態様において、前記蓄熱体には、前記空気放出口に面する部分に混合空間が設けられており、該混合空間は前記蓄熱板部の積層部分が、その上端から前記空気放出口の下端に至る部分で取り除かれた状態とされることによって構成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第13の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1〜第12の何れかの態様の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、該床下空間に架設されている大引を横切るように配設され、且つ、該大引を支持する束を収容状態に逃がすための逃がし空間を形成する逃がし筒部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第14の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1〜第12の何れかの態様の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、該床下空間に架設されている大引を横切るように配設され、且つ、該大引を支持する束を収容状態に逃がすための逃がし空間を形成する逃がし筒部が設けられており、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出された空気が、該逃がし筒部と前記囲壁部との間に形成されている移動流路を移動することを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第15の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1〜第12の何れかの態様の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、その下端が前記床下空間の底部から浮き上がった状態で該床下空間で吊下状態に配設されており、前記囲壁部の上部が床部で閉じられた状態にあることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第16の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1〜第12の何れかの態様の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、その下端が前記床下空間の底部から浮き上がった状態で該床下空間で吊下状態に配設されており、該吊下は、前記囲壁部の上端側が、該床下空間の上部に配設された横架材に固定されて行われており、前記囲壁部の上部が床部で閉じられた状態にあることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第17の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1〜第12の何れかの態様の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記空気放出口から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させて、該建物の天井裏空間に流入させる如くなされており、該天井裏空間の空気の一部が、屋外に設置されたエアコン室外機の吸込口に吸い込まれると共に、該吸込口に吸い込まれた空気量に見合う量の外気が前記建物内に導入される一方、前記天井裏空間の残余の空気が前記エアコン室内機の吸込口に吸い込まれる如くなされていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第18の態様は次の構成を有する。即ち、前記第1〜第12の何れかの態様の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記空気放出口から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させて、該建物の最上部の天井裏空間に流入させる如くなされており、該天井裏空間の空気の一部が、前記建物の外部に設置されたエアコン室外機の吸込口に吸い込まれると共に、該吸込口に吸い込まれた空気量に見合う量の外気が前記建物内に導入される一方、前記天井裏空間の残余の空気が前記エアコン室内機の吸込口に吸い込まれる如くなされていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第19の態様は次の構成を有する。即ち、前記第18の態様に係る建物の空調設備において、前記蓄熱槽の前記空気放出口から放出された空気を、前記建物の屋内の壁体を支持する土台に設けた欠切状部を通して該壁体の内部に設けた壁内通気路に流入させ、該壁体の上端側で、一階の天井裏空間に流入させる如くなされ、この流入された空気を、最終的に、前記最上部に位置する天井裏空間に流入させる如くなされていることを特徴とするものである。
本発明に係る蓄熱装置の第20の態様は次の構成を有する。即ち、前記第19の態様に係る建物の空調設備において、前記複数の空気放出口の内の少なくとも一つは、前記床下空間において、布基礎の途切れた部分に向けて空気を放出させる如くなされており、或いは、該布基礎に設けた通気開口に向けて空気を放出させる如くなされていることを特徴とするものである。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る蓄熱装置は、蓄熱槽の内部に納設状態とされている蓄熱体の内部に空気流路が設けられると共に、該蓄熱槽の内部の後部には空気反射部が設けられている。
該空気流路は、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出された空気を蓄熱体に効果的に接触させると共に、前記空気反射部は、エアコン室内機の吹出口から該蓄熱槽内に吹き出されて後方に移動した空気を反射させて方向転換させる。かかることから本発明の蓄熱装置によるときは、該後方に移動した空気を素通りさせないで、空気の保有熱を、蓄熱体の蓄熱のためにより効率的に利用できることとなる。
(2) 本発明に係る蓄熱装置は、前記蓄熱槽内の空気を放出させるための複数の空気放出口が設けられているため、該蓄熱槽から放出される温風や冷風を所望方向に向けて効果的に放出させることができる。かかることから、該蓄熱槽を例えば床下空間に設置した場合は、該床下空間には、部屋のサイズや部屋の配置状態に合わせて布基礎が所要に屈曲したり枝分かれ状態にあるところ、該温風や冷風を、かかる布基礎の配置状態を考慮して、例えば布基礎の途切れた部分や、布基礎に設けた通気開口に向けて空気を放出させる等、必要とされる場所に向けて効果的に放出させることができる。
(3) 前記蓄熱体を構成するに際して、水平板状を呈する蓄熱板部を、水平状態に拡がる横方向空気流路を相互間に形成するように所要間隔を置いて積層して構成するときは、蓄熱体全体としての熱交換面積を増大させることができる。そして、前記蓄熱槽内に吹き出された空気が各横方向空気流路(前記空気流路の一種)を移動する際、該空気の保有熱が、該蓄熱板部の水平面状を呈する上下の面に同時に付与されることとなる。これらによって、蓄熱体の蓄熱効率をより向上させることができる。
(4) 前記蓄熱体に前記横方向空気流路が設けられる場合、前記蓄熱槽内への前記吹出口からの空気の吹き出しが、該蓄熱槽の後部の、左右方向で見た一方の端部側に設けられている空気反射部に向けて行われるように構成されるときは、該蓄熱槽内の空気を前記横方向空気流路で、平面視で循環状態となし得、これにより、空気の保有熱を前記蓄熱体により均一状態に付与できることとなる。
この場合、前記空気反射部に方向規制ガイド面を設けるときは、前記吹出口から前記横方向空気流路に吹き出された空気を、該横方向空気流路で、平面視で循環状態となるように効果的に方向付けできることとなる。
又この場合、上下方向に多段に設けられている前記横方向空気流路を連通させるように、上下方向に延長する縦方向空気流路(前記空気流路の一種)が設けられているときは、該縦方向空気流路による上下方向の空気の移動によって、空気の保有熱を前記蓄熱板部の側面にも付与できる。又、上下方向の空気の移動によって、複数段の横方向空気流路内の空気が混合されることとなる。これらによって、蓄熱体の全体を極力均一状態に加熱可能となり、蓄熱体の蓄熱効率を、より向上させることができる。
(5) 前記蓄熱体を構成するに際し、前記蓄熱板部を構成する4枚の蓄熱板のコーナ部分に前記蓄熱板支持部材を介在させるときは、蓄熱板を前後方向及び左右方向に並設して前記蓄熱板部を構成する際、前記柱状片を定規にして各蓄熱板を位置決めできるため、蓄熱板を所要に位置決めして敷き並べるのが容易となり、前記蓄熱板部を精度よく然も作業性よく構成できることとなる。又、該蓄熱板部の積層を、所要間隔を確保して精度よく行うことができる。
この場合において、前記柱状片の高さを前記蓄熱板の上下方向の厚さよりも小さく設定すると共に、該台座片の下面部に固定突部を突設する場合は、下段の蓄熱板部の、前記四つのコーナ部分の集合する部位で、前記柱状片の上端の上方に固定凹部を形成できる。この固定凹部に該固定突部を嵌入することにより、蓄熱板支持部材の水平面内における位置が固定されるため、上段の蓄熱板部をより容易且つ能率的に構成できることとなる。
又この場合において、前記台座片を円板状に構成する場合は、前記横方向空気流路を流れる空気が、前記台座片の円形の外面によって左右に分かれて流れるため、該横方向空気流路を空気が流れる際の抵抗を極力減少させることができる。
又この場合において、前記台座片を、平面視で正方形状の正方形板状に構成する場合は、該台座片が、風に向って山形を呈する(前後方向に対して45度傾斜した山形状面を呈する)如くなし得る。これによって、該横方向空気流路を流れる空気が該山形状面によって左右に分かれて流れるため、該横方向空気流路を空気が流れる際の抵抗を極力減少させることができる。
(6) 前記蓄熱体に前記横方向空気流路が設けられる場合において、前記蓄熱体の前記空気放出口に面する部分に混合空間を設ける場合は、該空気放出口からの空気放出の際に、複数段の横方向空気流路から該混合空間に流出された空気を混合状態として、空気の温度を均一化させ得る。
(7) 本発明に係る蓄熱装置を構成する蓄熱槽を建物の床下空間に配設する場合において、該蓄熱槽を、該床下空間に架設されている大引を横切るように配設し、且つ、該大引を支持する束を収容状態に逃がすための逃がし空間を設けるときは、制約の多い床下空間に、容積のより大きい蓄熱槽を、該束を避けながら合理的に配設できることとなる。
そして、このように逃がし空間を設けるときは、前記吹出口から該蓄熱槽内に吹き出された空気が、該逃がし空間を形成する逃がし筒部と前記囲壁部との間に形成されている移動流路を移動するように構成することにより、該逃がし筒部を、該蓄熱槽の内部で空気を移動させる際のガイドとしても機能させ得る。
(8) 本発明に係る蓄熱装置を構成する蓄熱槽を建物の床下空間に配設する場合において、該蓄熱槽を、その下端が該床下空間の底部から浮き上がった吊下状態に配設するときは、該蓄熱槽の下側空間を作業空間として活用できる。かかることから、例えば、床下空間の底部において配管や配線を施す際、これらの作業を該蓄熱槽が障害となることなく合理的に行い得る。又、このように下側空間が形成されるため、床下空間の底部側における空気の流れを円滑化できることとなる。
そして、このように蓄熱槽を吊下状態で配設する場合は、前記囲壁部の上部が床部で閉じられるように構成されるため、該床部は、前記蓄熱体からの放熱や、該蓄熱槽内に吹き出された温風によって加温される。従って、該床部上の部屋やその周辺の部屋の床暖房又は床冷房が図られ、部屋が間接的に温められ又は冷やされることとなる。
(9) 前記蓄熱槽を床下空間で吊下状態に配設する場合、該吊下を、前記囲壁部の上端側を、該床下空間の上部に配設された横架材に固定して行う場合は、該吊下状態での配設を該横架材の上端を基準にして行うことができる等、吊下作業の能率化を期し得る。
(10)蓄熱板の複数枚を間隔保持片を介在させて所要間隔を置いて積層し、これによって、上下の蓄熱板間に所要の通気間隙を形成し、且つ全体を一体化して積層蓄熱体を構成し、該積層蓄熱体を並設して前記蓄熱体を構成する場合は、個々の蓄熱板を積層して蓄熱体を構成する場合に比し、現場施工の能率化を期し得ることとなる。
かかる積層蓄熱体を構成する際、蓄熱板の表裏の中央部分が対向状態で窪んでいる場合において、前記間隔保持片の上下端部分を上下の窪み部に嵌め入れ、上下の蓄熱板間に所要の通気間隙を形成する場合は、該間隔保持片が該上下の窪み部に拘束されるため、積層されている蓄熱板が横ずれする恐れがなく、又、蓄熱板の中央部分を撓みにくくなし得て、積層蓄熱体をより安定的に構成できることとなる。
(11)本発明に係る建物の空調設備は、床下空間に配設された蓄熱槽の前記空気放出口から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させ、該建物の天井裏空間に流入させる。そして、該天井裏空間の空気の一部が、屋外に設置されたエアコン室外機の吸込口に吸い込まれる一方、前記天井裏空間の残余の空気が前記エアコン室内機の吸込口に吸い込まれる如く構成されている。
然して該建物の空調設備によるときは、建物内で空気循環を生じさせることができ、建物を効果的に換気できると共に建物の内部を効果的に暖房でき或いは冷房できる。
そして該空調設備においては、新鮮な外気を建物の内部に取り込む必要から、建物の内部の空気を屋外に排出する必要があるところ、該空調設備は、天井裏空間の空気をエアコン室外機の吸込口に吸い込ませる構成を採用している。従って、天井裏空間の空気の温度は、建物を暖房しているときは外気温よりも高いことに鑑み、又、建物を冷房しているときは外気温よりも低いことに鑑みれば、該天井裏空間の空気の保有熱をエアコン室外機で回収できて全体的な熱効率の向上を期し得ることとなる。
(12)前記建物の空調設備においては、前記空気放出口から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させるに際し、建物の屋内の壁体を支持する土台に設けた欠切状部を通して該壁体の壁内通気路に流入させ、該壁体の上端側で、一階の天井裏空間に流入させる如くなし、この流入された空気を、最終的に、最上部に位置する天井裏空間に流入させる如く構成されている。
このように構成する場合は、床下空間の空気を壁内通気路に流入させるための構造を簡素化できる。又、前記床下空間の空気や前記壁内通気路の空気、前記天井裏空間の空気が夫々熱源となって建物を暖房でき或いは冷房できると共に、建物の内部結露を防止できることともなる。
本発明に係る蓄熱装置を説明する側面図である。 蓄熱槽の内部に蓄熱体が納設されている状態を示す断面図である。 床下空間に設けた蓄熱装置の全体構成を説明する一部断面平面図である。 その斜視図である。 有底箱体の構成を説明する斜視図である。 有底箱体を床下空間で吊下した状態を示す斜視図である。 その横断面図である。 その縦断面図である。 蓄熱槽の底部を示す斜視図である。 蓄熱槽の内部に蓄熱体が納設されている状態を示す部分拡大断面図である。 水平板状を呈する蓄熱板部を示す部分斜視図である。 蓄熱板を示す平面図と、蓄熱板部を構成する4枚の蓄熱板の四つのコーナ部分の集合部位を示す平面図と、蓄熱板支持部材を示す斜視図である。 蓄熱槽の内部における蓄熱板の構成を示す平面図である。 その部分斜視図である。 その部分斜視図である。 その部分斜視図である。 蓄熱槽の内部における空気の循環状態と、蓄熱槽からの空気の放出状態を説明する説明図である。 蓄熱体に設けられた横方向空気流路における空気の流れ状態を説明する説明図である。 建物の空調設備の全体構成を説明する説明図である。 建物の空調設備における壁体内部の空気の流れ状態を説明する説明図である。 建物の空調設備を構成する建物の内部構成を説明する斜視図である。 天井裏空間の空気をエアコン室外機に吸引させる構成を説明する斜視図である。 建物の空調設備を構成する屋内の壁体の構造と壁内通気路における空気の流れ状態を説明する斜視図である。 蓄熱装置の他の構成を説明する一部欠切斜視図である。 蓄熱装置のその他の構成を説明する一部欠切斜視図である。 その蓄熱装置の構成を示す分解斜視図と、その内部における蓄熱体の構成を説明する断面図である。 その蓄熱装置を構成する蓄熱槽とその内部における蓄熱体の納設状態を説明する断面図である。 その蓄熱装置の床下空間における設置状態を示す平面図である。 その蓄熱装置を用いて構成された建物の空調設備を説明する斜視図である。 蓄熱槽の他の態様を、その内部に蓄熱体が納設された状態で示す断面図である。 積層蓄熱体の一例を示す斜視図である。 その積層蓄熱体を構成する蓄熱板支持部材の構成を説明する斜視図である。 積層蓄熱体の他の構成を説明する斜視図と側面図である。 積層蓄熱体を用いて構成された蓄熱体の他の態様を説明する部分斜視図である。 積層蓄熱体を敷き並べた状態を示す側面図である。 積層蓄熱体のその他の態様を説明する斜視図と部分側面図である。 中央部分が対向状態で窪んでいる蓄熱板を間隔保持片を介在させて積層する積層態様を説明する斜視図と側面図である。 積層蓄熱体を間隔保持片を介在させて積層する場合を説明する斜視図と、積層蓄熱体上に蓄熱板の複数枚を間隔保持片を介在させて積層した状態を示す斜視図である。 積層蓄熱体を構成する結束材の他の態様を説明する斜視図である。 蓄熱槽の内部に、棒状支持杆を用いて蓄熱板を納める場合を説明する斜視図である。 その断面図である。 その断面図である。 金網状の支持部材上に蓄熱袋を敷き並べて蓄熱体を構成する場合を示す一部断面側面図である。 空気反射部において空気を方向転換させる他の態様を示す説明図である。 蓄熱槽の内部に前側の連通空間と後側の連通空間を設けた蓄熱装置を説明する側面図と、その蓄熱槽の内部における蓄熱体の納設状態を示す一部断面側面図である。 エアコン室内機を床下空間で吊下状態とした場合を示す側面図である。 蓄熱槽を床下空間で吊下状態で設ける場合において、該有底箱体の上端を横架材の上端の稍下方に位置させた状態を示す断面図である。 蓄熱槽を床下空間で吊下状態に設ける場合において、横架材の全てを大引を以て構成した場合を示す断面図である。 台座片が正方形板状を呈する蓄熱板支持部材を用いて蓄熱板部を構成した場合を説明する斜視図である。 その蓄熱板支持部材を示す斜視図と、これを用いて構成された蓄熱板部を示す部分平面図である。 その蓄熱板支持部材を用いて構成された蓄熱体における、横方向空気流路での空気の流れ状態を説明する説明図である。 端側の蓄熱板支持部材を示す斜視図と、これを用いて構成された蓄熱板部を示す部分平面図である。 端側の蓄熱板支持部材のその他の態様を示す斜視図と、これを用いて構成された蓄熱板部を示す部分平面図である。 蓄熱板支持部材のその他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 その蓄熱板支持部材を用いて構成された蓄熱板部を示す部分斜視図である。 蓄熱板支持部材のその他の態様を示す斜視図である。 その蓄熱板支持部材を用いて構成された蓄熱板部を示す部分斜視図である。 蓄熱板支持部材のその他の態様を示す斜視図である。 蓄熱板支持部材のその他の態様を示す斜視図である。 蓄熱板支持部材のその他の態様を示す平面図である。 上下の蓄熱板間に間隔保持片を介在させて構成された蓄熱板部を示す斜視図である。 上下の蓄熱板間に間隔保持片を介在させて構成された蓄熱板部のその他の態様を示す斜視図である。 蓄熱槽の空気反射部に方向規制ガイド面を設けた場合を示す平面図である。 蓄熱槽に設けた空気放出口からの空気放出の他の態様を示す説明図である。 天井裏空間の空気の一部を屋外に排出するに際し、その流路に熱交換器を介在させた場合を示す説明図である。 布基礎に設けた通気開口に空気を放出する場合を説明する平面図と斜視図である。 土台に設ける欠切状部の他の態様を示す断面図である。 従来の床下暖房システムを説明する断面図である。 その床下暖房システムの問題点を説明する説明図である。
図1〜4において本発明に係る蓄熱装置1は、角筒状の囲壁部2の上部29と下部116が閉じた箱状を呈する蓄熱槽3が建物の床下空間4に配設されている。該蓄熱槽3の内部5には、図2〜4に示すように、蓄熱体6が納設されると共に該蓄熱槽3の前部7に、エアコン室内機9の吹出口10が吹出用ダクト143を介して連設され、該蓄熱槽3の所要部位には、該蓄熱槽3内の空気を該床下空間4に放出させる空気放出口11が設けられている。なお図3〜4においては、図2に示されている後述の床部30が省略されている。そして、該蓄熱槽3の内部5の後部12には、図3に示すように、前記吹出口10から前記蓄熱槽3内に吹き出されて後方に移動した空気を反射させて方向転換させるための空気反射部13が設けられている。又図2、図10に示すように、前記蓄熱体6には、前記蓄熱槽3内に吹き出された空気を流すための空気流路15が設けられている。
ここで、かかる蓄熱装置1を前記床下空間4に配設する場合の特殊性について説明する。先ず、該床下空間4は例えば図3〜4に示すように、布基礎16や大引17、該大引17を支持する束19等の各種の構造物が複雑に配置されている空間であるため、該蓄熱装置1は、これらを避けて床下空間4に合理的に配設する必要がある。又、該蓄熱装置1によって建物の空調をより効果的に行わせるためには、該床下空間4の内面を適宜断熱する必要がある。
これらを踏まえて、本実施例においては例えば図1〜2、図20に示すように、該床下空間4のコンクリート底面20と、前記布基礎16の内の主として外周側に位置するものの内側面21に、例えば25〜45mm程度の厚さを有する発泡ポリウレタン樹脂の吹付け層22を形成している。該吹付け層22は、該コンクリート底面20上においては例えば20mm程度の厚さに設定され、該吹付け層22の上面部が床下空間4の底部23を形成している(図1〜2)。又、外周側に位置する布基礎16の前記内側面21には、例えば40mm程度の厚さの吹付け層22が形成されている(図20)。
そして前記蓄熱槽3は、図1〜2に示すように、その下端25が前記床下空間4の前記底部23から浮き上がった状態で該床下空間4で吊下状態に配設されており、該吊下は、前記囲壁部2の上端側26が、前記床下空間4の上部に配設された横架材27に固定されて行われ、本実施例においては、前記囲壁部2の上部29が床部30で閉じられている。
前記蓄熱槽3を構成する前記囲壁部2は、本実施例においては図5〜7に示すように、無垢板、集成板、合板、パーチクルボード、MDF等の木質系素材を以て構成されており、前の側板31と後の側板32と左右の側板33,35の端部相互を釘着等により接合して矩形状枠体として構成されている。そして、該囲壁部2の平面視での略中央部分には、前記大引17を支持する束19を収容状態に逃がすための逃がし空間36を形成する逃がし筒部42が設けられている。該逃がし筒部42は、本実施例においては左右方向に長く形成されており、該逃がし筒部42は、前の側板37と後の側板39と左右の側板40,41の端部相互を釘着等により接合してなる角筒状を呈しており、その内部空間が前記逃がし空間36を構成する。そして図7に示すように、該逃がし筒部42の下端43と前記囲壁部2の下端45は同一の水平面内に存しており、該水平面の稍上側部位で、該囲壁部2と該逃がし筒部42との間を閉じる底板46が配設されている。図5は、該囲壁部2と該逃がし筒部42と該底板46とによって構成された上端開放の有底箱体49を示す。
該有底箱体49は、本実施例においては図6〜8に示すように、大引17aとしての横架材27aを横切って床下空間4に配設される。そのために、該有底箱体49の平面視での略中央部分には、該大引17aを支持する束19を逃がすための前記逃がし空間36を該大引17aの下側に形成できるように、前後方向に長い角筒状の前記逃がし筒部42が設けられているのである。
前記束19は、図7に示すように、上下方向で伸縮可能な伸縮式束として構成されている。該伸縮式束は例えば同図に示すように、上下に長い角筒部50の上下端部分に逆ネジのネジ孔部51,52が設けられており、該ネジ孔部51,52に上下のネジ軸部53,55が螺合されている。そして該上下のネジ軸部53,55の端部には、例えば板状を呈する上下の取付け片56,57が固定されており、該上の取付け片56は前記大引17の下面59に釘着される一方、該下の取付け片57は、床下空間4の前記コンクリート底面20に、アクリル系等の接着剤を介して釘着される。該束19による大引17aの高さ調整は、前記角筒部50を正逆回転させて束の上下長さを所要に設定して行う。
本実施例においては図5において、前記角筒状の囲壁部2の前後左右の側板31,32,33,35の肉厚、前記角筒状の逃がし筒部42の前後左右の側板37,39,40,41の肉厚は夫々、12mm程度に設定され、該囲壁部2の前後方向F1の長さL1は1619mm程度に設定されると共にその左右方向F2の長さL2は2669mm程度に設定され、前記逃がし筒部42の前後方向長さL3は160mm程度に設定されると共にその左右方向の長さL4は1125mm程度に設定されている。又、前記逃がし空間36の前後方向の長さL5は120mm程度に設定されると共にその左右方向の長さL6は1100mm程度に設定されており、該逃がし空間36で、前記大引17aの下面59を支持する束19を立設状態で収容可能となされている。本実施例においては、図8に示すように、左右側に2本づつの束19,19、19,19が収容可能となされている。この束の本数や配置状態は、前記蓄熱体6が収容されてなる前記有底箱体49の重量を安定的に支持できるように所要に設定される。
又、前記左右の側板33,35の上縁側の中央部位には、図5〜6に示すように、前記大引17aを嵌め入れ可能な左右の矩形状の嵌入凹部60,60が設けられている。そして図6〜7に示すように、前記前後の側板31,32の上端側部分61,62は、前記横架材27aとしての大引17aの前後に配設されてなる横架材27b,27cの対向する側面63,65に釘着により固定される。又前記逃がし筒部42は、前後の側板37,39の上端側部分66,67が、前記大引17aの前後の側面69,70に釘着により固定されるものとなされ、前記左右の側板40,41は、図5〜6に示すように、その上端71,72が該大引17aの下面73に当接する如くなされている。
かかる構成を有する有底箱体49は、例えば施工現場で、次のように形成できる。図1〜4は、前記床下空間4の内の居間74の下側をなす区画空間部4aで前記有底箱体49を吊下状態に設けた場合を示しており、該有底箱体49を構成する前記囲壁部2の上端側26が、該区画空間部4aの上部に配設された横架材27に固定されている。
本実施例においては図6〜7に示すように、中央の横架材27aとこれに隣り合う前の横架材27bは大引17a,17bとして構成されると共に、後の横架材27cは、寸法調整用間隙75を隔て且つ土台76と平行して配設された支持棒材77として構成されている。該支持棒材77は、図6〜7においては横断面矩形の角棒状に形成されており、該支持棒材77と前記土台76の向き合う側面79,80相互が、該支持棒材77の長さ方向に所要間隔を置いて配設された例えば4枚の連結片81,81,81,81で連結されている。これによって、該支持棒材77が前記土台76に固定されている。そして、該3本の横架材27a,27b,27cの上端82,83,85は面一の水平面に形成されている。なお前記寸法調整用間隙75は、前記蓄熱槽3の内部5に前記蓄熱体6を納設状態とするに際して、後述の蓄熱板152の寸法と該蓄熱槽3の内部5の前後方向長さとの関係で生ずる前後方向長さの過不足を調整するために設定されている。
そして図6〜7に示すように、前記囲壁部2の前後の側板31,32の上端側部分61,62を前記前後の横架材27b,27cの対向する側面63,65に釘着すると共に、前記角筒状の逃がし筒部42の前後の側板37,39の上端側部分66,67を前記中央の横架材27aの前後の側面69,70に釘着することにより、前記有底箱体49が吊下状態に設けられている。該前後の側板31,32と該前後の側板37,39の上下長さは等しく設定され、例えば490mmに設定されている。そして図6〜7に示すように、これらの側板31,32,37,39の上端を、前記横架材27a,27b,27cの上端82,83,85と面一状態に位置させてある。詰まり本実施例においては、前記有底箱体49の吊下作業を前記横架材27a,27b,27cの該上端を定規にして行っているのである。
又図6に示すように、前記前後の側板31,32の左端相互を、前記左の側板33で連結する。この際、前記中央の横架材27aを前記左の嵌入凹部60に嵌め入れて、該左の側板33の両端部分を前記前後の側板31,32の左端面に当接状態とし、該接合部分を釘着する。そして、前記前後の側板31,32の右端相互を、前記右の側板35で連結する。この際、前記中央の横架材27aを前記右の嵌入凹部60に嵌め入れて、該右の側板35の両端部分を前記前後の側板31,32の右端面に当接させた状態とし、該接合部分を釘着する。又図6〜7に示すように、前記前後の側板37,39の左端相互を、前記左の側板40で連結する。この際、該左の側板40の両端部分を前記前後の側板37,39の左端面に当接させた状態とし、該接合部分を釘着する。そして、前記前後の側板37,39の右端相互を、前記右の側板41で連結する。この際、該右の側板41の両端部分を前記前後の側板37,39の右端面に当接させた状態とし、該接合部分を釘着する。これにより、前後の側板31,32と左右の側板33,35とからなる前記囲壁部2の下端45(図7)は同一水平面上に存する。又、前後の側板37,39と左右の側板40,41とからなる前記逃がし筒部42の下端43(図7)は同一水平面上に存する。
前記底板46は、図7、図9に示すように、前記角筒状の囲壁部2の下部116を閉じるものであり、前記逃がし筒部42を挿通状態とするための長方形状の開口117(図7)が中央部に設けられている。又、該底板46の下面119の、外周縁部分と該開口の周縁部分には、周方向に連続する状態で桟材121が矩形状に枠組して釘着により固定されている。そして、該外側の桟材121aが前記囲壁部2の下端部分122の内面123(図11)に当接され且つ該下端部分122と該桟材121aとが釘着により固定されると共に、前記内側の桟材121bが前記逃がし筒部42の下端部分125の外面126に当接され且つ該下端部分125と該桟材121bとが釘着により固定されている。なお該底板46の下面119は、例えば図9に示すように、前後方向に延長する補強桟材127が左右方向に所要間隔を置いて配設されると共に底板46に釘着により固定され、前記蓄熱体6を下方から支持できるように該底板46が補強されている。これによって図6に示すように、平行する前記3本の横架材27a,27b,27cに前記有底箱体49が吊下状態とされている。本実施例においては図6に示すように、前記底板46の縁部側に水抜き孔129(例えば孔径が30mm程度)が設けられており、該底板46の上面130は、該水抜き孔129に向けて1/100程度の水勾配が設けられている。なお該底板46は、複数枚の合板を接合して一枚板状に構成できる。
そして本実施例においては図5に示すように、前記囲壁部2を構成する前の側板31の、左右方向で見た一方の端部側(図5においては右端部側)131に、前記エアコン室内機9の吹出口10を連設するための、左右方向に長い矩形状開口132が設けられると共に、前記後の側板32の中央部位と、前記左の側板33の後側部位と、前記右の側板35の後側部位に、前記蓄熱槽3内に吹き出された空気を床下空間4に放出させるための、例えば円形孔としての空気放出口11,11,11が設けられている。
図6は、前記エアコン室内機9の吹出口10を、吊下状態にある前記有底箱体49に連結部材135を介して連結した状態を示している。該連結部材135は、本実施例においては図5に示すように、後端136が開放して左右方向に長い扁平な矩形状箱部137の後端周縁に、前記矩形状開口132の前側の周縁部分139と当接し得る固定鍔部140が連設されてなる皿状を呈している。そして、該矩形状箱部137の前面部141の左右部位には連結筒部142,142が突設されている。図6は、前記固定鍔部140を前記周縁部分139に当接させ且つビス固定した状態を示す。又同図は、前記エアコン室内機9の前記吹出口10に連結されてなる2本の吹出用ダクト143,143の端部分145,145の夫々に前記連結筒部142,142を挿入することにより該吹出用ダクト143,143を前記連結部材135に連結した状態を示している。なお該吹出用ダクト143,143は、蛇腹状のフレキシブル樹脂管を用いて構成するのがよく、該吹出用ダクトの外周面は断熱材で被覆するのが好ましい。
又図6は、空気放出用のファンが内蔵された空気放出具146の挿入筒部147(図5)を前記空気放出口11,11,11に気密を保持して挿入することによって、該空気放出具146を前記有底箱体49に取り付けた状態を示している。該ファンの風量は例えば3段階に調整できる。
図2、図10は、前記有底箱体49内に納設された蓄熱体6を示し、該蓄熱体6は本実施例においては、水平板状を呈する蓄熱板部149を、水平状態に拡がる横方向空気流路150を相互間に形成するように所要間隔G(図10)を置いて積層して構成されている。該蓄熱板部149は、本実施例においては図11〜12に示すように、矩形板状の蓄熱板152を水平に敷き並べて形成されている。そして前記横方向空気流路150は、図11〜12に示すように、上下の蓄熱板部149,149間に、柱状型の蓄熱板支持部材153を介在させて形成されている。該蓄熱板支持部材153は、例えば木製やプラスチック製であり、前記所要間隔G、即ち、前記横方向空気流路150の間隙G1(図10)を、5〜40mm程度に設定するものである。該間隙G1が40mmを越えると、該横方向空気流路150を流れる空気の保有熱を前記蓄熱板152に効率よく伝達しにくく、前記蓄熱板152の蓄熱効率が悪くなって好ましくない。又、5mmよりも小さいと該横方向空気流路150に空気が流れにくくなって好ましくない。本実施例においては、該間隙G1が15mm程度に設定されている。
前記蓄熱板152は、本実施例においては図11、図12(A)に示すように、長辺長さが290mm程度で短辺長さが195mm程度で厚さが20mm程度であるポリエチレン等の樹脂製容器や金属製容器内に潜熱蓄熱材を封入して構成されており、その表面(上下の表面)156には補強用の凹部157が適宜設けられている。又、図示はされていないが、該表面156に、適宜の突部が設けられることもある。この凹部157や突部は、該蓄熱板152の表面積を多くして蓄熱効率を向上させるためにも寄与できると共に、前記横方向空気流路150を流れる空気に適度な乱流を発生させ、流れる空気と、該凹部157の内面を含む前記表面(伝熱面)156との接触を良好として熱交換効率を向上させるためにも寄与できる。そして該潜熱蓄熱材は、物質の相変化に伴って吸収又は放出される潜熱を利用する蓄熱材であるため、顕熱を利用するよりも一定の温度を供給できる時間を長く保持できる利点があって好ましい。
又、前記蓄熱板152は図11、図12(A)に示すように、その四つのコーナ部分159,159,159,159が隅切りされ、該コーナ部分159の側面が、平面視で円弧状(本実施例においては四分割円弧状)を呈する隅切り面161として形成されており、各四分割円弧状面161aの曲率半径は22mm程度に設定されている。又、一方の短辺側の側面には、その中央部が台形状に凹んで注入用凹部162が設けられており、その凹部底面163の中央部位に、潜熱蓄熱材を充填するための注入口165が設けられている。そして、該注入口165から潜熱蓄熱材を充填した後に該注入口が栓体166で閉蓋されており、該閉蓋状態において、該栓体166は前記注入用凹部162に完全に納まっている。前記潜熱蓄熱材としては、例えばチオ硫酸ナトリウム水和物等のような従来公知のものを適宜用いることができ、その相変化温度は、例えば45〜50℃に調整され、本実施例では45℃に設定されている。
前記蓄熱板支持部材153は、例えば図12(C)に示すように、前記所要間隔Gに相当する高さを有する間隔保持用の台座片167(間隔保持片168)の上面部(本実施例においては該上面部の中央部)に、位置規制用の柱状片170が突設されてなり、該台座片167と該柱状片170の軸線が合致している。そして、該台座片167の、該柱状片170の周辺をなす支持面(前記上面部)169で、図11、図12(B)に示すように、前記蓄熱板152のコーナ部分159を下方から支持でき、該支持状態で、前記隅切り面161(円弧状面161a)が該柱状片170の円形の側面171に当接し得る。本実施例においては、該台座片167は、直径が40mmの円板状に形成されており、その高さは15mmに設定されている。又、前記柱状片170は、直径が18mmの円柱状に形成され、その高さは、前記蓄熱板152の上下方向厚さに等しいか、それより小さく設定されている。本実施例においては等しく設定されている。
図12(B)は、前記蓄熱板支持部材153を、前記蓄熱板部149を構成する4枚の蓄熱板152,152,152,152の四つのコーナ部分159,159,159,159が集合する部位に介在させた状態を示すものであり、隣り合う蓄熱板152,152の短辺側の側面172,172相互及び、長辺側の側面173,173相互が当接されている。即ち、4枚の蓄熱板152が、前後方向F1及び左右方向F2で相互が当接されている。そしてこの状態において、前記蓄熱板部149を構成する4枚の蓄熱板152,152,152,152の四つのコーナ部分159,159,159,159が前記支持面169で下方から支持されると共に、前記隅切り面161,161,161,161が該柱状片170の側面171に当接した状態にある。これによって、蓄熱板部149を構成する各蓄熱板152が所要に位置決めされて敷き並べられた状態となっている。詰まり本実施例においては、該柱状片170を定規にして各蓄熱板152を位置決めされた状態にできるということである。そして図11の右側部分には、前記蓄熱板支持部材153を介して、同様にして前記蓄熱板152を2段積みした状態が示されている。
図2、図10は、多数の蓄熱板152を前記のように敷き並べて構成された蓄熱板部149を前記有底箱体49の前記収容空所174に納設して構成された蓄熱体6を示すものである。該蓄熱体6を構成する要領の一例を説明すれば、図10〜11に示すように、前記底板46の上面130上で、前記蓄熱板支持部材153を介して、前記のようにして前記蓄熱板152を前後方向及び左右方向に並設することにより、水平板状を呈する1段目の蓄熱板部149を構成する。なお図10〜11においては、該蓄熱板部149の前後方向及び左右方向で見た端縁側175,178にも前記蓄熱板支持部材153を配置している。
次に、図10〜11に示すように、該1段目の蓄熱板部149の上面176上において、前記蓄熱板支持部材153を介して蓄熱板152を並設することにより、水平板状を呈する2段目の蓄熱板部149を構成する。このとき該蓄熱板支持部材153は、その台座片167の下面151(図11)が該上面176に当接して該上面176に安定設置される。そして本実施例においては図11に示すように、2段目の蓄熱板支持部材153の軸線L7を、1段目の蓄熱板支持部材153の軸線L8と合致させている。又、前記上下の注入用状凹部162,162が上下方向で連通する如くなされている。これによって、水平板状を呈する上下の蓄熱板部149,149相互間に、前記台座片167が間隔保持片168として機能し、上下方向に前記所要間隔(本実施例においては、15mm程度の間隔)Gが形成される。なお該所要間隔Gは、前記蓄熱板152の表面156に凹部157(図11)が形成されているために各部で若干相違する。該所要間隔Gによって、上下の蓄熱板部149,149相互間に、水平状態に拡がる前記横方向空気流路150が形成される。3段目以降の蓄熱板部149を同様にして積層することにより、前記有底箱体49の収容空所174に、図2、図10に示すように蓄熱体6を納設状態にできる。なお本実施例においては、前記1段目の蓄熱板部149を、前記上面130から、前記蓄熱板支持部材153を介して稍浮き上げているが(15mm程度浮き上げている)、これは、夏期等において蓄熱槽3内で結露が発生したときに結露水を流下させるための結露水排水路177を、前記蓄熱体6の下端下方に形成するためである。そのために前記上面130には、前記のように水勾配が設けられ、又、水抜き孔129(図5、図9)が設けられている。
該蓄熱板部149の段数は、本実施例においては12段に設定されており、図10に示すように、最上段の蓄熱板部149aの上面180は、前記大引17の上面81よりも若干下方に位置している。又図13に示すように、前記逃がし筒部42の前後の側板37,39の外面197,199に、前記蓄熱板152の長辺側の側面173が接近状態になると共に、該逃がし筒部42から外れた、前記中央の大引17aの下面59の下側には、図2に示すように、前記蓄熱板152の1枚分を配置できるスペースが設けられている。より具体的には、前記逃がし筒部42を挾んだ状態にある前後の蓄熱板152,152間の間隙L9(図13)が該蓄熱板152の前記短辺長さに略等しく設定されている。
又本実施例においては、図13、図11に示すように、前記蓄熱板部149の前後方向F1及び左右方向F2で見た端縁側175,178にも前記蓄熱板支持部材153が配置されており、前記蓄熱板支持部材153の前記台座片167の支持面169で、例えば図11に符号187で示すように、二つのコーナ部分159,159が支持されている。なお図13においては、前記凹部157及び束19の図示が省略されている。該端縁側175,178に配置される前記蓄熱板支持部材153は、該端縁側175,178を支持するためだけの機能を有するに過ぎない。
従って本実施例においては、図13に示すように、前記囲壁部2の前記前後の側板31,32の内面187,189と、これと対向する前記蓄熱板部149の前後の側端面190,191との間、前記左右の側板33 ,35の内面192,193と、これと対向する前記蓄熱板部149の左右の側端面195,196との間、前記逃がし筒部42の前後の側板37,39の外面197,199と、これと対向する前記蓄熱板部149の前後の側端面200,201との間、該逃がし筒部42の左右の側板40,41の外面202,203と、これと対向する前記蓄熱板部149の左右の側端面205,206との間に、夫々、20mm程度の間隙207が形成されている。
又本実施例においては、図4、図13に示すように、前記矩形状開口132に面する側において、左右方向で見て3枚の蓄熱板152が上下方向の全体に亘って取り外された状態とされて前側の連通空間209が形成されており、該矩形状開口132の全体が該前側の連通空間209に連通するようになされている。これによって、各段の前記横方向空気流路150の前端210(図11)の夫々が該前側の連通空間209に連通状態にある。なお本実施例においては、該前側の連通空間209の前後方向の幅は前記蓄熱板152の短辺長さに等しく195mm程度に設定されると共に、その左右方向の幅は前記蓄熱板152の長辺長さの3倍に等しい870mm程度に設定されている。又、前記空気放出口11,11に面する部分においては1枚の蓄熱板152が、上端から該空気放出口11の下端に至る部分で取り除かれた状態とされることによって混合空間211が設けられ、該空気放出口11が該混合空間211に連通するようになされている。なお図3においては、該前側の連通空間209と該混合空間211が存する部分を、便宜上、斜線を付して示している。
図1〜2は、前記並設された横架材27a,27b,27c上に床部30を張設した状態を示している。同図に示されているように、該床部30の張設によって、前記囲壁部2の上部29と下部116が該床部30と前記底板46で閉じられてなる箱状の蓄熱槽3が構成され、該蓄熱槽3の内部に蓄熱体6が納設状態とされている。該蓄熱槽3は前記床下空間4において吊下状態にあり、前記矩形状開口132には、図3に示すように、前記連結部材135と前記吹出用ダクト143,143を介して、前記エアコン室内機9の吹出口10が連設されている。
そして該蓄熱槽3の内部5には、図2、図10に示すように、前記エアコン室内機9の吹出口10から該蓄熱槽3内に吹き出された空気を流すための前記空気流路15が設けられている。該空気流路15の一つは、上下の蓄熱板部149,149相互間に形成された前記横方向空気流路150(図2、図10)である。又、前記注入用凹部162が上下方向に連通して形成された、垂直状態を呈する縦方向空気流路212(図10)である。又、図13、図14〜15に示されている、前記蓄熱体6と、前記有底箱体49の前後左右の側板31,32,33,35の内面187,189,192,193との間に形成された上下方向に連通した垂直状態を呈する縦方向空気流路212であり、又、図16に示されている、前記蓄熱体6と、前記逃がし筒部42の前後左右の側板37,39,40,41の外面197,199,202,203との間に形成された、上下方向に延長する縦方向空気流路212である。該縦方向空気流路212は、上下方向に多段に設けられた前記横方向空気流路150を連通させる。なお図14〜16においては、前記凹部157の図示が省略されている。
然して、前記エアコン室内機9を稼動させて前記蓄熱体6を加熱する場合を説明すれば、図17、図1〜4、図10において、該エアコン室内機9の吹出口10から前記前側の連通空間209に、前記2本の吹出ダクト143,143の出口213,213から温風(例えば50℃程度の温風)が吹き出される。該吹き出された温風は、該前側の連通空間209で分散されて、前記の各段の横方向空気流路150にその前端210(図11)から流入する。該横方向空気流路150に流入した温風は、前記逃がし筒部42に殆ど妨げられない状態で後方に移動し、前記蓄熱槽3内部の後部の前記空気反射部13で反射されて方向転換される。
より具体的には図17に示すように、前記前側の連通空間209に吹き出された温風は、各段の横方向空気流路150にその前端210から流入され、前記逃がし空間36を形成する前記逃がし筒部42と前記囲壁部2の右側部分2aとの間の移動流路38を後方に向けて移動する(矢印f1)。この際、前記蓄熱板支持部材153の前記台座片167は、本実施例においては円板状に形成されているため、図18に示すように、前記横方向空気流路150を流れる空気は、前記台座片167が存する部分では、その円形外面171に案内されて左右に分かれて流れる。これによって、該横方向空気流路150を空気が流れる際の抵抗を極力減少させることができる。なお図18においては、便宜上、前記蓄熱板152の表面の前記凹部157が省略されている。
このように後方に移動した温風は、本実施例においては図17に示すように、前記矩形状開口132と前後対向状態にある前記空気反射部13に当った後、該空気反射部13で反射されて方向転換され、前記逃がし筒部42と前記囲壁部2の後側部分2bとの間の移動流路38を左方向に移動する(矢印f2)。このように左方向に移動した温風は、前記蓄熱槽3の内部5の左側面部215に当たって前方向に方向転換され、前記逃がし筒部42と前記囲壁部2の左側部分2cとの間の移動流路38を前方に移動する(矢印f3)。その後、該内部5の前面部216に当たって右方向に方向転換され、前記逃がし筒部42と前記囲壁部2の前側部分2dとの間の移動流路38を、前記前側の連通空間209に向けて移動する(矢印f4)。その後は、該前側の連通空間209からの横方向空気流路150内への後方向に向けての温風の流れ作用によって、後方向に方向付けされて移動する(矢印f1)。その後は、前記と同様にして前記空気反射部13で反射されて左方向に移動する(矢印f2)。これによって本実施例においては、各段の横方向空気流路150で、図17に矢印で示す方向の温風の循環が生ずることになる。本実施例においては、前記吹出口10から前記蓄熱槽3内に吹き出された温風が、前記逃がし筒部36と前記囲壁部2との間に形成されている移動流路38を移動するのである。このように前記逃がし筒部42は、前記束19を逃がすための逃がし空間36を形成するだけでなく、空気を所要方向に移動させるためのガイドとしての役割も果たす。
かかる温風の良好な循環によって、該温風の保有熱が、各蓄熱板152の、主として上の表面156a及び下の表面156b(図10〜11)に、より均一状態に付与され、封入されている前記潜熱蓄熱体が加熱されて、伝熱効率の向上が図られることとなる。そして本実施例においては、このように蓄熱板部149を、上下方向に所要間隔を置いて多段に積層しているため、蓄熱体6全体としての熱交換の面積が大きく、従って該蓄熱体6に効率的に蓄熱させ得ることとなる。
又、前記のように、蓄熱板152の表面156の凹部157(図11)は、該蓄熱板152の表面積を多くして蓄熱効率を向上させるために寄与できると共に、前記横方向空気流路150を流れる空気に適度な乱流を発生させて、流れる空気と該凹部157の内面を含む前記表面(伝熱面)156との接触を良好にでき、熱交換効率を向上させるために寄与できる。
なお本実施例においては前記したように、縦方向空気流路212が設けられているため、蓄熱槽3内の温風は該縦方向空気流路212を介して上下方向でも移動できる(図10)。これによって、温風の保有熱を前記蓄熱板152の側面172,173(図11)にも付与でき、前記潜熱蓄熱材をより効率的に加熱できることになる。又、図10に示すような、これらの縦方向空気流路212における上下方向の温風の移動によって、各段の横方向空気流路150内の空気が混合されることともなる。これによって、蓄熱体6の全体を極力均一状態に加熱でき、該蓄熱体6に蓄熱させることができる。この蓄熱は、電気料金の安価な夜間電力時間帯に行うのがよい。
かかる温風による前記蓄熱体6の蓄熱の際、前記蓄熱槽3内に導入された温風の一部は前記空気放出口11,11,11から放出される。該空気放出口11,11,11からの温風の放出量は、前記空気放出具146,146,146の前記ファンを停止状態にして行うのがよい。該ファンを停止状態にしても、該空気放出具146が該ファンで完全に遮蔽されるわけではなく、該ファンの周囲の隙間から幾らかの温風が放出される。これによって、前記床下空間4に幾らかの温風を導入できる。なお、該ファンを所要の回転速度で回転させることによって、該空気放出口11からの温風放出を強制的に行わせることもできる。又、このように蓄熱体6の蓄熱を行っている間において、前記空気放出口11からの温風の放出量が比較的少ない場合は、例えば図3に一点鎖線で示すように、前記蓄熱槽3内の空気の一部を戻し管218を介して前記エアコン室内機9の吸込口219(図3)に流入させることもある。
昼間においては、前記エアコン室内機9の稼働を停止させ、これを送風状態にする。この送風によって、前記蓄熱槽3内に吹き出された常温の空気は、前記空気流路15を通る際に、前記蓄熱体6が放熱する潜熱等の熱を与えられて温風となり、該蓄熱槽3内に吹き出された空気の一部が前記空気放出口11,11,11から温風となって放出される。特に本実施例においては前記空気放出具146がファンを具えるため、該ファンを回転させることにより、前記エアコン室内機9の吸込口219(図3)への空気の流入量を増大させて前記蓄熱槽3内により多くの空気を流入させることができるため、該空気放出口11,11,11を通しての温風の放出量をより増大させることができる。本実施例においては、このように、前記空気放出具146のファンの回転数や前記エアコン室内機9のファンの回転数を調節することによって前記空気放出口11からの空気の放出量を所要に調節できることから、部屋の温度が上がってきた場合はこれらのファンをゆっくり回転させることとし、一方、部屋の温度が下がってきた場合はこれらのファンの回転数を上げるといった調節が可能である。なお、前記空気放出具146のファンを回転させる場合、前記エアコン室内機9をオフ状態にして送風させないこともある。このオフ状態においても、前記吸込口219に流入された空気は該エアコン室内機9を素通りできる。
そして図2に示すように、前記蓄熱槽3の上部29は床部30で閉じられた状態にあるため、該床部30は、前記蓄熱体6からの放熱や、前記蓄熱槽3内に吹き出された温風によって加温され、居間やその周辺の部屋の床暖房が図られ、居間等が間接的に加温されることとなる。
かかる構成を有する蓄熱装置1は、本実施例においては、図19〜20に示す建物224、例えば二階建て住宅である建物224の空調設備(以下、空調設備という)220に応用されており、図2〜4に示すように、床下空間4の内の、居間の下側をなす区画空間部4aに吊下状態に配設されている。該空調設備220は、図2に示すように、大引17を含む平行する3本の横架材27,27,27に前記有底箱体49の上端側221が固定されることにより吊下されている。
そして、前記3個の空気放出口11,11,11の夫々は、本実施例においては図3〜4、図17に示すように、布基礎16の途切れた部分(床下空間4で人が通る部分)222に向けて空気を放出できるように配置されている。これによって、図17に矢印で示すように、前記居間に隣り合う部屋の下側をなす区画空間部4b,4c,4dに温風を流入させることができ、この温風を床下空間4に拡散させ得る。本実施例においては、前記蓄熱体6に蓄熱された熱の放熱を促進させるために前記の各空気放出口11に、ファン内蔵の前記空気放出具146が接続されている。そして温風の放出量は、該ファンの回転の強弱によって調節できる。なお該空気放出具146の先端出口223は、前記途切れた部分222内に位置させてもよく、又、前記区画空間部4b,4c,4d内に位置させてもよい。このように構成する場合も、前記空気放出口11が前記途切れた部分222に向けて空気を放出させることに該当する。
そして、前記空気放出口11,11,11から床下空間4に放出された温風は、本実施例においては図19〜21に示すように、建物224の内部空間225を通して上昇し、最終的に、二階の天井裏空間226に流入される如くなされている。そして、図3、図19、図21に示すように、該天井裏空間226の空気の一部が第1の縦ダクト227を介して、建物224の外部に設置されたエアコン室外機229の吸込口230に流入される一方、該天井裏空間226の残余の空気が第2の縦ダクト231を介して前記エアコン室内機9の吸込口219に流入される如くなされている。該一部の空気と該残余の空気の体積割合の一例は、該残余の空気の割合が大きく設定され、1対3乃至1対6程度とされる。又図3に示すように、外周側の布基礎16aには、前記残余の空気をエアコン室外機229の吸込口230に流入させる(即ち、屋外に排気する)関係で、その排気量に見合う量の外気を床下空間4に導入させるための外気導入孔232が設けられている。なお、該外気導入孔232にダンパーを設け、該床下空間4への外気の導入時にのみ該ダンパーが開くように構成してもよい。
前記第2の縦ダクト231は、本実施例においては図21〜22に示すように、現場施工で枠組みして形成した木製の角筒状ダクトを以て構成されており、その上端233は前記天井裏空間226で開放され、その下端部分235の側面部には開口236(図22)が設けられている。そして該下端部分235には、該開口236を外側から覆うように、前記連結部材135と同様構成の連結部材237が取り付けられており、該連結部材237の外面で突設された2つの連結筒部239,239に、2本の吸込ダクト240,240の端部分が連結されている。該吸込ダクト240,240は、例えば、蛇腹状のフレキシブル樹脂管を以て構成されており、その外周面は断熱材で被覆されている。
前記第1の縦ダクト227は例えば、内径が100〜200mm(本実施例においては150mm)の円筒状の樹脂管を以て構成されており、図21〜22に示すように、前記第2の縦ダクト231内に上下方向に延長する如く収容されている。該第1の縦ダクト227の上端242は前記天井裏空間226で開放されると共に、その下端243(図22)には延長管245が連設され、該延長管245の先側管部246は、図22に示すように前記外周側の布基礎16aを貫通し、その外端247が、前記エアコン室外機229の背面249に設けられている吸込口230に連なるようになされている。本実施例においては、図22に示すように、該エアコン室外機229は、40cm程度の高さを有する架台250上に設置されているため、該外端247から排出された空気を前記吸込口230に円滑に吸い込ませることができるようにガイド部材251を用いている。該ガイド部材251は、図22(B)に示すように、その下側部分が、該外端247に向けて開口するコ字状枠部252とされ、その上側部分は、該コ字状枠部252の対向する側片253,253のみが上方に延長されてガイド側片255,255とされ、該ガイド側片255,255の外面が前記背面249に略当接状態となされている。
かかる構成を有するガイド部材251は、例えば前記コ字状部252の底部256で、前記架台250にビス固定によって固定される。なお図22(B)においては、両ガイド側片255,255の上端相互が覆い片257で連結されており、両ガイド側片255,255間を上昇する空気が前記吸込口230に確実に吸い込まれるようになされている。なお、図22(B)に示すように、前記コ字状部252の底部256を、その下端256aからその上端256bに向けて傾斜し且つ該上端256bが前記背面249に近接する傾斜面264として構成するときは、前記外端247から排出された空気を、図22(B)に矢印で示すように該傾斜面264を上昇させて、前記吸込口230に、より円滑に吸い込ませることができて好ましい。
然して、図22(A)に示すように、前記先側管部246の外端247を前記コ字状部252の溝部258内に稍挿入状態にすると、前記エアコン室外機229の前記吸込口230における吸込み作用によって、図22(A)に示すように、前記天井裏空間226の空気の一部が前記第1の縦ダクト227と前記延長管245を介して前記吸込口230に速やかに吸い込まれることになる。なお、該天井裏空間226の空気は直接屋外に放出してもよいのであるが、本実施例においては、該空気の温度が、暖房時においては外気温よりも高いことに鑑み、該天井裏空間226の空気を前記吸込口230に吸い込ませてその保有熱を前記エアコン室外機229で回収することとし、全体としての熱効率の向上を図っている。
前記空調設備220は、前記蓄熱装置1の前記空気放出口11から放出された空気を、建物224の前記内部空間225を通して上昇させ、建物の最上部の天井裏空間(本実施例においては二階の天井裏空間)226に流入させるものである。そのために本実施例においては、図20〜21、図23に示すように、前記空気放出口11から放出された空気と前記床下空間4に導入された外気との混合空気を、一階の屋内の壁体259を支持する土台76を欠切状態にして形成した欠切状部260(図20、図23)を通して、該壁体259内に流入させ、該壁体259の上端側261で、一階の天井裏空間262に流入させる。そして、該一階の天井裏空間262内の空気を、梁263を欠切して形成した欠切状部265を通して二階の屋内の壁体266内に流入させ、該二階の壁体266の上端側267で、二階の天井裏空間226に流入させる。
本実施例においては図20に示すように、前記一階の壁体259と前記二階の壁体266は共に、その内部に、上方に向けて空気を移動させる壁内通気路269,270が形成されている。そして該一階と二階の壁体259,266をその同一の側部(図20における左側部)について見た場合、図20(D)に示すように、一階の壁体259の下端面部271には、前記土台76の上角部分を欠切状態にして形成した欠切状部260に連通する空気流入開口273が設けられている。これによって、前記床下空間4の空気を該欠切状部260を通して前記一階の壁体259の前記壁内通気路269に流入させることができる。又図20(C)に示すように、二階の壁体266の下端面部275には、前記梁263の上角部分を欠切状態にして形成した欠切状部265に連通する空気流入開口277が設けられている。これによって、前記一階の天井裏空間262の空気を該欠切状部265を通して前記二階の壁体266の前記壁内通気路270に流入させることができる。
又、前記一階の壁体259の上端側261には、前記壁内通気路269を前記一階の天井裏空間262に連通させるための空気排出開口279(図20(C)、図23)が設けられており、又、前記二階の壁体266の上端側267には、前記壁内通気路270を前記二階の天井裏空間226に連通させるための空気排出開口280(図20(B)、図23)が設けられている。該空気排出開口279,280は、図20においては、一側の壁面部281,281に設けられているが、該空気排出開口279,280が該一階の壁体259と該二階の壁体266の耐震性を阻害しない限り、これらを設ける部位や設け方に制約はない。
ここで、図19〜20に基づいて、建物224の内部空間225を通しての空気の流れ状態を説明する。前記床下空間4の空気は、前記欠切状部260を通して前記一階の壁体259の前記壁内通気路269に流入し、その後、前記空気流出開口279から一階の天井裏空間262に流入する。該一階の天井裏空間262の空気は、前記梁263に設けた前記欠切状部265を通して、前記二階の壁体266の前記壁内通気路270に流入し、その後、前記空気流出口280から前記二階の天井裏空間226に流入する。加えて、本実施例においては図19に示すように、前記床下空間4の空気が、一階の例えば居室283の床部284に設けた空気流入口285を通して該居室283に流入し、この流入した空気が、該居室283の天井部286に設けた空気流出口287を通して一階の天井裏空間262に流入する。その後、該天井裏空間262の空気が、二階の例えば居室288の床部289に設けた空気流入口290を通して該居室288内に流入し、然る後、該居室288の天井部291に設けた空気流出口292を通して、二階の天井裏空間226に流入する。
本実施例においては図19に示すように、前記一階の居室283及び前記二階の居室288について、前記床部284,289に設けた空気流入口285,290と、天井部286,291に設けた空気流出口287,292とが、居室の同一側ではなく対向側に位置をずらして設けられている。且つ、一階の天井部286の空気流出口287と二階の床部289の空気流入口290も、天井裏空間262において対向側に位置をずらして設けられている。これらによって、一階の居室283及び二階の居室288において、空気流入口285,290から空気流出口287,292に向う斜め方向の気流が生ずるため、該居室283,288をより効果的に温めることができる。又、空気流入口285,290と空気流出口287,292とがこのように位置をずらして設けられていることから、一階の居室の音が二階の居室に抜けにくくなる効果もある。
そして前記のように、二階の天井裏空間226の空気は、前記第1の縦ダクト227と前記第2の縦ダクト231に流入する。該第1の縦ダクト227に流入した空気は、前記のように、前記延長管245(図22)を介して、前記エアコン室外機229の吸込口230に吸い込まれる。このように、天井裏空間226の空気の一部が前記エアコン室外機229を介して屋外に排出される結果、それに見合う量の外気が前記外気導入孔232を通して前記床下空間4に流入する。又、前記第2の縦ダクト231内に流入した前記二階の天井裏空間226の空気は、図4に示すように、前記吸込ダクト240,240を介して前記エアコン室内機9の吸込口219(図3)に吸い込まれ、前記吹出ダクト143,143を介して前記蓄熱槽3内に吹き出される。そして、該エアコン室内機9の吹出口10から該蓄熱槽3内に温風が吹き出された場合は、前記蓄熱体6に温熱を蓄熱できる。一方、前記蓄熱体6が蓄熱状態において該蓄熱槽3内に常温の空気が吹き出された場合は、該空気は、該蓄熱体6が放出する熱を与えられて温風となって前記空気放出口11から床下空間4に放出される。
このようにして床下空間4に放出された温風は、該床下空間に気流を生じさせるため、該温風を該床下空間4の広い範囲に拡散させることができる。そして、該温風と、前記外気導入孔232を通して該床下空間4に導入された新鮮な外気とは適宜混合される。混合された温風は、前記したように、前記土台76の欠切状部260を通して前記一階の壁体259の前記壁内通気路269に流入する(図20)。その後における温風の流れ状態は前記したところと同様であり、建物224内で空気の循環が生じ、建物は、新鮮な外気によって必要な換気が施される。そして、前記床下空間4の空気や前記壁内通気路269,270の空気、前記天井裏空間262,226の空気が夫々熱源になって部屋を温めることができる。
ここで、前記蓄熱装置1を温風発生装置として用いて建物224を暖房する場合における各部の温度を図19に基づいて例示すれば次の通りである。エアコン室内機9の吹出口10から吹き出される空気の温度が40〜60℃程度で、蓄熱体6の温度が26〜50℃程度、床下空間4の温度が26〜50℃程度、一階の居室283の温度が20〜24℃程度、一階の天井裏空間262の温度が20〜24℃程度、二階の居室288の温度が18〜22℃程度、二階の天井裏空間226の温度が18〜22℃程度である。
なお本実施例においては、前記蓄熱槽3を床下空間4で吊下するため、該蓄熱槽3の下端25と該床下空間4の底部23との間の下側空間部293(図2)を、配管や配線のために活用できる。従って、床下空間4において配管や配線を施す際、蓄熱槽3が障害となることなく、これを合理的に行い得る。又、このように下側空間部293が形成されるため、床下空間の底部側における空気の流れを円滑化できる。
以上の説明においては、前記蓄熱体6が温熱を蓄熱して前記空気放出口11から温風を放出する場合を説明したが、これとは逆に、前記エアコン室内機9の吹出口10から冷風を吹き出させるときは、前記蓄熱槽3内の蓄熱体6を冷却でき該蓄熱体6に冷熱を蓄熱できることとなる。然して、前記エアコン室内機9を非稼働状態にして前記蓄熱槽3内に常温の空気を吹き出させるときは、該吹き出された空気が前記空気流路15を通る際に前記蓄熱体6から冷熱を与えられて冷風となり、前記空気放出口11から冷風が放出されることになる。これにより、前記と同様にして行われる建物内の空気循環によって建物を冷房できることとなる。この場合における各部の温度を例示すれば、エアコン室内機9の吹出口10から吹き出される空気の温度が6〜18℃程度で、蓄熱体6の温度が6〜22℃程度、床下空間4の温度が6〜22℃程度、一階の居室283の温度が23〜27℃程度、一階の天井裏空間262の温度が23〜27℃程度、二階の居室288の温度が24〜28℃程度、二階の天井裏空間226の温度が24〜28℃程度である。
なお本実施例においては図3に示すように、前記居間74から離れた位置にある寝室294の下側に存する区画空間部295に、別途のエアコン室内機296が補助的に設置されている。前記空気放出口11から放出される温風や冷風だけでは床下空間4の空気の熱量が不足する場合等においてこれを稼働させることにより、床下空間4の空気を補助的に加温し又は冷却できる。例えば、夜間の蓄熱の際に前記空気放出口11からの温風の放出量が少ない場合は、床下空間4への供給熱量の不足を補うために、該補助的なエアコン室内機296から温風を床下に吹き出させることがある。なお、図3に示されている符号297は、前記エアコン室内機と前記エアコン室外機とを連結する冷媒の導管である。
図24は、蓄熱装置1の他の実施例を示すもので、蓄熱体6が納設される蓄熱槽3を床下空間4の底部23上に設置した場合の一例であって、基本的には、前記吊下状態にある蓄熱槽3を該底部23上に設置したものである。但し、前記中央の横架材(大引)27aを逃がすために設けられていた前記左右の側板33,35の前記嵌入凹部60,60が省略されている。前記蓄熱体6を構成する前記蓄熱板152の使用枚数が多い場合は、その重量の増大による前記吊下状態の不安定化を回避するために、かかる設置タイプを採用するのがよい。
該蓄熱装置1には、大引17aを支持する束19を逃がすための逃がし空間36を形成する逃がし筒部42が前記と同様にして設けられている。そして、前記蓄熱槽3の内部に納設される前記蓄熱体6の構成は前記と同様であり、水平板状を呈する蓄熱板部149を、水平状態に拡がる前記横方向空気流路150を相互間に形成するように所要間隔を置いて積層して構成されており、又、前記縦方向空気流路212も同様に形成されている。又前記と同様にして、空気放出口11が設けられると共に、前記エアコン室内機9の吹出口10が吹出ダクト143,143を介して前記蓄熱槽3の前部7に連設されている。なお前記底部23は、発泡ポリウレタン樹脂の吹付け層の形成によって上面に凹凸があるため、例えば、2個の楔片を組み合わせて構成した高さ調整部材299を用いて前記蓄熱槽3の設置状態の高さ調整を行い、前記底板46と同様構成の底板の上面に1/100程度の水勾配を付けている。そして前記蓄熱体6の上端は、合板等からなる蓋板300で閉蓋されている。
かかる構成を有する蓄熱装置1においても前記と同様に空気流路15が設けられており、各段の横方向空気流路150においては、空気反射部13での空気の反射によって空気の循環が生じ、前記蓄熱体6の蓄熱が効果的に行われることとなる。又前記と同様にして、各空気放出口11からの温風や冷風の放出を行わせることができる。
図25〜27は、内部に蓄熱体6が納設状態とされてなる蓄熱槽3を前記床下空間4の底部23上に設置して構成された蓄熱装置1のその他の実施例を示すものであり、該蓄熱槽3は前記と同様にして、囲壁部2の上部26と下部116が閉じた箱状を呈し、その内部には蓄熱体6が納設状態とされている。そして、該囲壁部2を構成する前の側面部301には前側の連通空間209が連設され、その前面部302(蓄熱槽3の前部7)には、エアコン室内機9の吹出口10が直接的に連設されている。又、前記囲壁部2には、該蓄熱槽3内の空気を前記床下空間4に排出させる空気放出口11が設けられている。該空気放出口11は本実施例においては、前記囲壁部2の前の側面部301と左右の側面部305,306に設けられている。そして前記蓄熱槽3には、図25に示すように、立設状態の束19を逃がすための、例えば角筒状を呈する逃がし空間36を形成する逃がし筒部42が設けられている。
前記蓄熱槽3は、本実施例においては図25〜26に示すように、例えば0.15〜1mm厚さの塩化ビニール樹脂シート等の樹脂シート307を用いてなり、該樹脂シート307が、前記逃がし空間36を形成して前記蓄熱体6の表面をカバーすることによって構成されている。図26は、内部に蓄熱体6が納設され且つ前記逃がし空間36が設けられてなる蓄熱体内蔵の蓄熱槽3aを示している。
該蓄熱体内蔵の蓄熱槽3aを構成する要領をより具体的に説明すれば、図25〜26、図27(A)に示すように、前記底部23を形成する前記吹付け層22の上面に設置板309を載置する。該設置板309は、例えば20mm程度の厚さを呈する合板の下面に適宜補強桟310(図27(A))を釘着して構成されている。この載置の際、例えば図27(A)に示すように、2個の楔片を組み合わせて構成した高さ調整部材299を用いて高さ調整を行い、該設置板309の上面311に1/100程度の水勾配を付ける。
その後、該上面311に前記樹脂シート307を敷く。該樹脂シート307の形状と大きさは、前記蓄熱体6の下面312と側面313と上面314を覆うことができ、且つ、前記逃がし空間36の内周面315を形成できるように設定されている。樹脂シート307からなる該内周面315は前記逃がし筒部42を構成する。そして本実施例においては図26に示すように、前記囲壁部2の前の側面部301の右側部分と、左右の側面部305,306の後側部分に、前記空気放出口11,11,11を形成するための例えば縦長の矩形状の開口316を設けると共に、前の側面部301の左側部分には、前記前側の連通空間209を形成するための例えば横長の矩形状の開口317を設ける。夫々の開口316,316,316,317には矩形状の枠体319,319,319,320が取り付けられるのであるが、そのために、夫々の開口の縁部分には、図25に示すように、該矩形状の枠体319,319,319,320の外周面321を覆って該枠体319,321に固定される固定片322を設ける。なお、これらの矩形状の枠体の肉厚は30mm程度に設定されると共に、その突出量は100mm程度に設定されている。
前記蓄熱体6は、実施例1で説明したところと同様に、図26(B)に示す如く、蓄熱板支持部材153を用いて前記蓄熱板152を敷き並べ且つ該蓄熱板152を積層することにより構成する。このようにして構成された蓄熱体6には、前記と同様にして横方向空気流路150が多段に設けられると共に、前記と同様に縦方向空気流路212が設けられる。そして図26(B)に示すように、前記樹脂シート307の上面325に設置された座片326(本実施例においては前記蓄熱板支持部材153の前記台座片167)上で最下段の蓄熱板部149を形成することによって、前記と同様の結露水排水路177が該蓄熱体6の下端下方に形成される。
その後、前記蓄熱体6を前記樹脂シート307でカバーする。これによって、図25に示すように、蓄熱槽3の内部に蓄熱体6が納設された状態が得られる。
その後、該蓄熱槽3の前の側面部301と後側の左右の側面部305,306に、前記蓄熱体6の前記横方向空気流路150に連通する混合空間211を形成するための矩形状の枠体319を固定すると共に、前の側面部301には、前記前側の連通空間(前後幅は100mm程度)209を形成するための矩形状の枠体320を固定する。なお、該矩形状の枠体319,319,319,320の外周面321には、前記樹脂シート307と同一素材の樹脂シートを予め貼着しておき、前記固定片322を該貼着樹脂シートに、例えば防水型の接着剤で接着することとすれば、該固定片322の接着を容易且つ確実に行うことができて好ましい。なお、該接着に代えて溶着してもよい。
図25においては、前記矩形状の枠体319の開放端が前記空気放出口11を形成するので、該矩形状の枠体319の外端面の上縁部分329に、該空気放出口11を開閉するための開閉蓋330が取り付けられている。該開閉蓋330は、例えば、1mm程度の厚さを有する塩化ビニル樹脂製の板体を用いて構成されており、その上端縁331の両側が、前記上縁部分329の左右に蝶番332,332(図25(B))を介して取り付けられている。該開閉蓋330は、図25(B)に示すように上向きに傾動して前記空気放出口11を開放させる一方、図25(A)に示すように、垂下状態で該空気放出口11を閉じる。該開閉蓋330は、本実施例においては、前記エアコン室内機9の吹出口10(図27)から前記蓄熱槽3内に吹き出された空気の風圧によって開くようになされている。該開閉蓋330をどの程度の角度で開かせるかは、前記蓄熱槽3内に吹き出させる空気の単位時間当りの吹出量を考慮して該開閉蓋330の自重を所要に設定することによって決めることができる。
ここで、該開閉蓋330の作用を説明する。夜間において前記蓄熱体6に蓄熱している間は、該開閉蓋330の自重を所要に設定しておくことによって、開き角度を小さくして蓄熱を促進させ得る。一方、昼間において温風の放出を積極的に行わせる場合は、後述の送風ファン240(図29)も稼働させることによって、該温風の放出を促進させ得る。或いは、該送風ファン240が設けられておらず、又、前記空気放出口11に空気放出用のファンが付設されていなくても、前記エアコン室内機9の非稼働時における送風量を該エアコン室内機9に設けられているファンの回転によって増大させることができれば、前記空気放出口11からの温風の吹き出しを促進させ得る。このように、所要自重の開閉蓋330を設けることにより、前記空気放出口11から放出される空気量を加減できることとなる。
なお昼間において、前記エアコン室内機9や前記送風ファン240を稼働させない場合は、前記開閉蓋330が自重で閉じた状態となるため、前記蓄熱槽3からの熱の放出を抑制できる。このように閉じた状態にすれば、例えば外出中等、日中における不用時の放熱を極力抑制できて好ましい。
そして前記前側の連通空間209は、前記吹出口10から吹き出された空気を分散させて、該空気を、前記の各横方向空気流路150にその前端210(図26(B)、図27(B))から流入させる機能を有する。このようにして該横方向空気流路150に流入した空気は、前記前側の空気流路209と前後対向状態にある前記空気反射部13で反射されて方向転換され、図28に矢印で示すように、前記横方向空気流路150で、平面視で循環するようになされている。この空気の移動は、前記逃がし空間36と前記囲壁部2との間に形成されている移動流路38で行われる。このとき、前記吹出口10から吹き出されて後方に移動する空気は、図28に鎖線で示すように、前記逃がし空間36を形成する前記逃がし筒部42と左の側面部305との間の移動流路38に誘導されて、正しく後方に移動する。本実施例においては、該逃がし筒部42は、前記束19を逃がすための逃がし空間36を形成するだけでなく、空気を後方に移動させる際のガイドとしての役割も果たしている。又、前記空気放出口11を形成する前記矩形状の枠体319の内側の空間としての混合空間(図25においては、その左右幅L10とその前後幅L11が60〜150mmに、本実施例においては共に100mm程度に設定されている)211は、空気放出の際に、複数段の前記横方向空気流路150から流出した空気を混合させて該混合空間211内の空気の温度を均一化させる機能も果たす。
次に、かかる構成を有する床下蓄熱装置1を用いて構成された建物の空調設備220を説明する。該床下蓄熱装置1は、本実施例においては図27〜29に示すように、例えば二階建て住宅の空調設備として応用されており、該床下蓄熱装置1は、床下空間4の内の居間74の下側をなす区画空間部4aにおいて、大引17を横切るように配設されている。
本実施例においては、前記3個の空気放出口11,11,11の一つは該区画空間部4a内で空気を放出するように設けられているが、他の二つは夫々、前記居間74に隣り合う部屋の下側をなす区画空間部4b,4cに空気を放出するように、布基礎16の途切れた部分222に向けて設けられている。然して、前記空気放出口11,11,11からの温風又は冷風(以下、温風に代表させて説明する)の放出によって、図28に矢印で示すように、複数の区画空間部に向けて温風を放出させることができる。該温風の放出量は、前記開閉蓋330(図25)の開き角度の所要の設定によって調節できる。
前記空気放出口11,11,11から床下空間4に放出された温風は、本実施例においては図29に示すように、建物224の内部空間225を通して上昇され、二階の天井裏空間226に流入されるようになされている。そして、該二階の天井裏空間226の空気の一部が第1の縦ダクト227を介して、屋外に設置されたエアコン室外機229の吸込口230に流入される一方、該天井裏空間226の残余の空気が第2の縦ダクト231を介して前記エアコン室内機9の吸込口219(図25)に流入される如くなされている。
前記第1、第2の縦ダクト227,231は、本実施例においては図29に示すように、現場施工で枠組みして形成した木製の角筒状ダクト335を以て構成されており、その上端336は、二階の前記天井裏空間226で開放されている。そして、該角筒状ダクト335の内部が仕切板337で2分割され、その一方が前記第1の縦ダクト227とされ、その他方が前記第2の縦ダクト231とされている。又図29、図25に示すように、該第2の縦ダクト231の下端側部分239と前記エアコン室内機9の吸込口219とを連結する吸込ダクト240を、例えば、木製の角筒状部材を用いて構成している。又、該吸込ダクト240の、前記第2の縦ダクト231の下端に近い側に送風ファン244を介装し、該送風ファン244の回転によって、建物の最上部に位置する天井裏空間(本実施例においては二階の天井裏空間)226の空気を前記エアコン室内機9に円滑に供給できるようになされている。なお、該送風ファン244を設ける場合は、前記空気放出口11に設ける前記空気放出用のファンは省略してよい。
又、前記第1の縦ダクト227に流入した空気は、その下端部分341とエアコン室外機229の前記吸込口230とを連結する延長管245を介して、該エアコン室外機229の吸込口230に吸い込まれる。即ち、屋外に排気される。本実施例においては、該延長管245の端部分は、図29(B)に示すように、エルボを用いて構成された屈曲管部345として構成され、該屈曲管部345の開放端346をエアコン室外機229の吸込口230に向かわせている。そして、外周側の布基礎16aには、この排気量に見合う量の外気を床下空間4に導入させるための外気導入孔232(図28)が設けられている。
前記空調設備220にあっては、前記エアコン室内機9と前記エアコン室外機229を稼動させると、前記床下蓄熱装置1の前記空気放出口11から床下空間4に放出された空気が、該床下空間4に導入された外気と適宜混合され、図29に示し、又図20に示すと同様にして、前記土台76に設けた欠切状部260を通して前記一階の壁体259の前記壁内通気路269に流入し、その後、前記空気排出開口279から一階の天井裏空間262に流入する。該一階の天井裏空間262の空気は、前記梁263に設けた前記欠切状部265を通して、前記二階の壁体266の前記壁内通気路270に流入し、その後、前記空気排出開口280から前記二階の天井裏空間226に流入する。加えて、図19に示すと同様にして、前記床下空間4の空気が、一階の例えば居室283の床部284に設けた空気流入口285を通して該居室283に流入し、この流入した空気が、該居室の天井部286に設けた空気流出口287を通して一階の天井裏空間262に流入し、その後、該天井裏空間262の空気が、二階の例えば居室288の床部289に設けた空気流入口290を通して該居室288内に流入し、然る後、該居室288の天井部291に設けた空気流出口292を通して、二階の天井裏空間226に流入する。
そして前記のように、二階の天井裏空間226の空気は、前記第1の縦ダクト227(図29)と前記第2の縦ダクト231(図29)に流入する。該第1の縦ダクト227に流入した空気は、前記延長管245を介して、前記したように前記エアコン室外機229の吸込口230に吸い込まれる。又、前記第2の縦ダクト231に流入した空気は、前記吸込ダクト240を介して前記エアコン室内機9の吸込口219に吸い込まれ、前記蓄熱槽3内に吹き出される(図28)。そして前記蓄熱槽3の空気放出口11からは、前記蓄熱体6の放熱する熱を与えられて、導入時には常温であった風が温風となって床下空間14に放出される。このように放出された温風は、前記外気導入孔232からの導入外気と適宜混合されて、建物224内で循環し、新鮮な外気で建物が換気がされつつ、前記壁体259,266や床部、天井部からの室内への熱の放出によって、室内が暖房される。又、前記蓄熱槽3の上側に存する床部及びその周辺の床部は、該蓄熱槽3からの放熱によっても暖房される。
然して、夜間電力時間帯に前記エアコン室内機9を稼働させると前記蓄熱体6に蓄熱できる。この蓄熱状態においては、前記送風ファン244は停止状態にしておくのがよい。そして昼間における、前記蓄熱体6の蓄熱の放熱時において、前記エアコン室内機9を常温での送風状態にすると共に前記送風ファン244を稼働状態にすることにより、前記空気放出口11からの温風の放出を促進させることができる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記蓄熱槽3は、ABS樹脂や塩化ビニル樹脂等の樹脂素材を以て、或いは、断熱材で被覆されてなる鉄板等の金属板を以て構成することもできる。
(2) 前記蓄熱体6は、前記のような平板状の蓄熱板152を用いて構成できる他、円柱状や角柱状等を呈する蓄熱材を用いて構成することもできる。
(3) 前記蓄熱体6には、前記横方向空気流路150や前記縦方向空気流路212等としての空気流路15が設けられている。そのため、夜間電力時間帯におけるエアコン室内機9の稼働によって長時間に亘って前記蓄熱体6の蓄熱を行う場合は、該空気流路15における空気の流れによって、前記吹出口10から前記蓄熱槽3内に吹き出された空気(温風又は冷風)の保有熱を該蓄熱体6に所要に蓄熱させることが可能である。かかる場合は、例えば図30に示すように、前記前側の連通空間209を省略することもできる。
(4) 前記蓄熱体6は、前記実施例においては、潜熱蓄熱材を封入してなる蓄熱板152を水平方向と上下方向に並設することにより構成されているが、その他、各種の顕熱蓄熱材を用いて構成することも可能である。
(5) 図31は、前記蓄熱板152を前記蓄熱槽3内に納設する際における現場施工の能率化のために用いられる積層蓄熱体347の一例を示すものである。積層蓄熱体347は図31においては、複数枚、例えば12枚の蓄熱板152を、4本の屈曲型の蓄熱板支持部材153を用いて多段に積層して構成されている。
図32は、該蓄熱板支持部材153の一例を示すものであり、例えば厚さが1mmで幅が20mmであるアルミニウム製等の金属製の帯板を下端から上端に向けてコ字状に順次屈曲して形成されている。該蓄熱板支持部材153は、図32(B)に示すように、前記蓄熱板152の縁部分351を密接状態に挿入させ得る上下のコ字状の挿入溝部352,352の上下対向する縁部353,353相互が、上下方向の幅が15mmである連結片355を介して連結されている。そして、上下隣り合う該挿入溝部352,352を構成する対向する上下の片356,357と該間隔保持片355とが、上下の蓄熱板152,152間に介在される間隔保持片168を構成している。本実施例においては、該間隔保持片168は11段に亘って設けられており、最上段の間隔保持片168aの上片360の先端縁部には、前記蓄熱板152の側面361と当接し得る側面当接片362が連設されている。なお、屈曲状態とされた前記蓄熱板支持部材153は樹脂製とされてもよい。
かかる構成を有する4本の蓄熱板支持部材153,153,153,153の夫々に、図32(B)に示すように前記蓄熱板152の縁部分351、例えばコーナ部分159を挿入すると、前記間隔保持片168を構成する前記連結片355の上下幅に相当する間隔を置いて蓄熱板152が積層されることになる。このようにして12枚の蓄熱板152を積層した後、該蓄熱板152の両側(図31においては長さ方向の両側)において、全体を結束材363で結束する。本実施例においては、例えば5〜20mm程度の幅を有する(例えば10mm程度の幅を有する)防水性粘着テープを結束材363として用い、該防水性粘着テープを該積層された蓄熱体347aの全体に、上下方向で見て周方向で巻き付けることにより、図31に示すような、上下の蓄熱板152,152間の中央部分に間隔保持片168が配置されてなり且つ全体が一体化した積層蓄熱体347を構成できる。これにより、該上下の蓄熱板152,152間に、前記横方向空気流路150の間隙G1に等しい通気間隙372が形成されている。なお該結束材363は、紐状を呈するものや金属バンド等であってもよい。該結束材363は、前記横方向空気流路150における空気の流れを阻害しないように、その幅寸法が設定される。図32(B)は、前記蓄熱槽3の底面371に座片364を載置し、該座片364上に前記積層蓄熱体347を設置することによって、前記蓄熱体6の下端下方に結露水排水路177を構成した状態を示している。
かかる蓄熱板支持部材153を用いる場合、例えば図33に示すように、最下段の前記挿入溝部352を構成する下の片357の先端縁365で座片部366を屈曲形成するのがよい。該座片部366は、該先端縁365で垂下された垂下片367の下端縁369で、外向きに水平片370を屈曲して構成されており、該座片部366の高さは例えば15mmに設定されている。このように座片部366を設ける場合は、図33(B)に示すように、前記積層蓄熱体347を前記蓄熱槽3の底面371に設置するだけで、該蓄熱体6の下端下方に前記結露水排水路177を形成できることとなる。
図34は、前記蓄熱槽3の内部5に蓄熱体6を納設状態とするに際し、前記構成を有する積層蓄熱体347を該蓄熱槽3内に収容した状態を示している。この収容に際しては、図35に示すように、該蓄熱積層体347を、上下の蓄熱板152,152間に形成されている前記通気間隙372の端部273,273相互を連通させて、前後方向と左右方向に敷き並べる。これにより、図34に示すように、水平板状を呈する蓄熱板部149が相互間に15mm程度の間隔を置いて積層されてなる前記蓄熱体6が構成されることになる。
かかる構成の積層蓄熱体347を用いて、蓄熱槽3の内部5に蓄熱体6が納設された状態とするときは、個々の蓄熱板152を蓄熱板支持部材153を介して積層することによって蓄熱体6を構成する場合に比し、現場施工の能率化を期し得ることとなる。
図36は、前記積層蓄熱体347の他の態様を示すものである。該積層蓄熱体347は、上下の蓄熱板152,152間の四つのコーナ部分や中央部分等の所要部位に、例えば円板状や正方形板状等を呈する独立した蓄熱板支持部材153(前記間隔保持片168でもある)が介在されることによって、該蓄熱板152が所要段数に(例えば12段に)積層されると共に、前記と同様にして、全体が、積層方向で一体化されている。本実施例においては図36に示すように、積層された蓄熱板152の全体に防水性粘着テープ等の結束材363が上下方向で見て周方向に巻き付けられることによって、積層方向で全体が一体化されている。
図37は、蓄熱板152の表裏の中央部分が対向状態で窪んでいる場合における積層蓄熱体347を示すものであり、上下の蓄熱板152,152間の四つのコーナ部分と中央部分に、蓄熱板支持部材153(間隔保持片168でもある)が介在されている。該中央の間隔保持片168は、円柱状や角柱状等の柱状を呈し、その上下端部分376,376が上下の窪み部375,375に嵌め入れられている。これによって、前記横方向空気流路150の上下幅に等しい通気間隙372が上下の蓄熱板152,152間に形成されてなる積層蓄熱体347が構成されている。このように構成する場合は、該蓄熱板支持部材153が該上下の窪み部375,375に拘束されるため、積層されている蓄熱板が横ずれする恐れがなく、又、該蓄熱板支持部材153の支持作用によって蓄熱板152の中央部分を撓みにくくなし得、積層蓄熱体347をより安定的に構成できることとなる。
(6) 図38は、比較的少ない枚数の蓄熱板152を積層した場合を示すものであり、同図においては、蓄熱板152の6枚を、前記と同様の構成によって所要間隔を置いて積層し且つ全体を一体化して積層蓄熱体347を構成した場合が示されている。かかる構成の積層蓄熱体347を、図35に示すと同様にして、その通気間隙372相互を連通させて前後方向と左右方向に敷き並べることにより前記蓄熱体6を構成できる。又、図38(B)に示すように、例えば円板状を呈する前記蓄熱板支持部材153(間隔保持片168)(図37(A))を前記蓄熱板152のコーナ部分や中央部分に介在させて、該積層蓄熱体347,347相互を図38(B)に示すように積重することにより、蓄熱板152の所要枚数を積層できる。又、このように比較的少ない枚数の蓄熱板152を用いて積層蓄熱体347を構成する場合、例えば図38(C)に示すように、該積層蓄熱体347上に、独立した所要枚数の蓄熱板152を、上下の蓄熱板間に前記間隔保持片168を介在させて積層することにより、該蓄熱板152を所要段数に積層できることとなる。かかることから、例えば前記した空気放出部11側に前記混合空所211を形成する場合、その施工を簡易に行うことができる。
(7)前記積層蓄熱体347をその積層方向で一体化させる結束材363として前記防水性粘着テープを用いる場合、例えば図39に示すように、左右独立したテープ片363aの上下の端部分344,344を、積層された蓄熱体347aの上面340と下面348に貼着してもよい。要は、積層された蓄熱体347aの全体を一体化できればよい。
(8) 図40〜41は、前記蓄熱体6を前記蓄熱槽3の内部5に納設するに際し、水平板状を呈する蓄熱板部149を、相互間に、水平状態に拡がる前記横方向空気流路150を形成するように所要間隔を置いて積層する場合の他の構成を示すものである。
前記囲壁部2の対向する内面377,377に、図40、図41(A)に示すように、例えば15mm程度の上下方向厚さを有する水平な支持材379が所要間隔(例えば20mm程度の間隔)を置いて多段に固定され、上下の支持材379,379間に支持溝380が形成されている。そして、図40〜41に示すような断面L字状を呈する棒状支持杆381a、又は図42(A)に示すような断面T字状を呈する棒状支持杆381bの両端部分382,382を、対向する該支持溝380,380に挿入させることによって、該棒状支持杆381a,381bは水平状態に支持される。該棒状支持杆381a,381bは、例えば、アルミニウム製や鉄製等の金属製或いは合成樹脂製のものである。図41(B)は、断面L字状を呈する2本の棒状支持杆381a,381aで前記蓄熱板152の両端部分383,383を支持して構成された前記蓄熱板部149の一部分を示すものであり、図42は、断面T字状を呈する2本の棒状支持杆381bで蓄熱板152の両端部分383,383を支持して構成された前記蓄熱板部149の一部分を示すものである。各蓄熱板152は、その両端部分383,383が、図41(B)(C)、図42(A)(B)に示すように、隣り合う該棒状支持杆381a,381bの向き合う水平支持片385,385で下方から支持されている。
前記棒状支持部材381a,381bを金属製とした場合は、これらが前記横方向空気流路150や前記縦方向空気流路212を流れる温風や冷風によって加熱され或いは冷却されたとき、その保有熱が前記蓄熱板152の底面や側面に熱伝導されるため、蓄熱効率の向上を期し得る。又、該棒状支持部材381a,381bが、前記蓄熱体6の保有熱を放出させるための放熱用のフインとしても機能し得るため、前記蓄熱体6の保有熱の放出効率を増大させることともなる。なお、蓄熱板152を安定的に支持できると共に錆びにくく、軽量で、しかも熱伝導を効率的に行うことのできる棒状支持杆としてはアルミニウム製のものが好ましい。その肉厚は、例えば1mm程度に設定するのがよい。
(9) 図43は、水平状態を呈する前記蓄熱板部149の他の態様を示すものであり、該蓄熱板部149は、水平状態に張設され且つ下方から適宜支持されてなる金網状の支持部材386上に、可撓性を有する袋部内に例えば潜熱蓄熱材等の蓄熱材を封入してなる蓄熱袋387を敷き並べて構成されている。そして、上下の蓄熱板部149,149間に、前記横方向空気流路150が形成されている。前記蓄熱板部149において、隣り合う蓄熱袋387,387の端部分389,389は、例えば図43(A)に示すように重ね合わせられる。或いは図43(B)に示すように、該端部分389,389が若干離され、該端部分間に隙間390が形成される。該隙間390は、空気を上下方向で流すための前記縦方向空気流路212を形成できる。そして、このように蓄熱袋387を該金網状の支持部材386上に敷き並べる場合は、前記横方向空気流路150や前記縦方向空気流路212を流れる空気の保有熱が該支持部材386に伝達され、該支持部材386の保有熱が該蓄熱袋387に伝達されるため、蓄熱材の蓄熱効率が向上される。
(10)前記蓄熱板152の多数枚を用いて前記蓄熱体6を構成する場合、該蓄熱体6が所要の蓄熱量を確保できるものであれば、前後方向や左右方向で隣り合う蓄熱板相互間に隙間が設けられてもよい。これらの隙間は、上下の前記横方向空気流路150,150相互を連通させる前記縦方向空気流路212を構成できることとなる。
(11)図44(A)(B)は、前記吹出口10から前記蓄熱槽3内に吹き出されて後方に移動した空気を、前記空気反射部13において方向転換させる他の態様を示すものであり、前記エアコン室内機9の吹出口10が、前記蓄熱槽3の前部7の左右方向の中央部分に連設されている。図44(A)は、前記逃がし筒部42が設けられていない場合に関するものであり、図44(B)は、隣り合う2本の大引17,17を夫々支持する束19を逃がすための2つの逃がし筒部42,42が設けられた場合に関するものである。これらにおける方向転換にあっては、該吹出口10から該蓄熱槽3内に吹き出されて後方に移動した空気が、該蓄熱槽3の後部の左右方向の中央部分としての空気反射部13で反射されることによって、前記蓄熱槽3の左側の領域391と右側の領域392の夫々で空気の循環を生じさせることができる。
(12)本発明において、前記空気反射部13で空気を反射させるとは、前記エアコン室内機9の吹出口10から蓄熱槽3内に吹き出されて後方に移動した空気を素通りさせないで、該蓄熱槽3内で方向転換させることを意味する。この方向転換は、水平面内や垂直面内における方向転換の他、斜め上方や斜め下方等の色々な方向に向けての方向転換を含むものである。この方向転換によって、空気の保有熱を、蓄熱体6の蓄熱のためにより効率的に利用できることとなる。
(13)前記蓄熱槽3に設けられる前記空気放出口11には、前記したファンや開閉弁が設けられないこともある。この場合は、該空気放出口11は常時、開放状態とされる。
(14)前記空気放出口11を開閉蓋で開閉させる場合、この開閉は電動で行うこともできる、この場合は、目的に合わせてその開き角度を所要に設定するのが容易となる。
(15)本発明において、「前記床下蓄熱装置1の前記空気放出口11から放出された空気を、建物の内部空間225を通して上昇させる」とは、前記壁内通気路269,270を通しての上昇や、前記空気流入口285,290や空気流出口287,292を通しての上昇の他、建物の内部に設けた適宜の空間を通して上昇させることを意味する。
(16)図45は、前記蓄熱体6の後端393と前記蓄熱槽3の内部の後部395との間に後側の連通空間396を設けた場合を示している。この場合は、前記の各横方向空気流路150の夫々の後端397から出た空気が該後側の連通空間396で混合状態となり、この混合状態となった空気が前記空気反射部13で反射して方向転換される。これによって、蓄熱体の全体をより均一状態に加熱しやすくなる。
(17)前記エアコン室内機9は、前記のように床下空間4の底部23上に設置することの他、例えば図46に示すように、吊下用ボルト399や吊下金具400等を用いて、大引等の床下の横架材27に吊下状態としてもよい。
(18)前記エアコン室内機9の前記吸込口219に供給される空気は、前記した天井裏空間226,262の空気や床下空間4の空気、屋外から床下空間4に導入された外気、建物の室内の空気等であってよい。
(19)本発明に係る建物の空調設備220を構成するに際し、外気を床下空間4に導入する手段としては、前記のように、外気を流入させる外気導入孔232を布基礎16に設けることの他、該外気導入孔232を通して床下空間4に導いた外気を、導管を介して前記エアコン室内機9の吸込口219に吸い込ませることもある。又、屋内への外気の導入は、前記床下空間4の他、建物の居室等に対してであってもよい。
(20)前記エアコン室内機9の吹出口10を前記蓄熱槽3の前部7に連設するに際し、必要な空気量を該蓄熱槽3内に吹き出させることができるものであれば、図3において前記吹出しダクト143は1本でもよく、その本数は問わない。
(21)建物の最上部に位置する天井裏空間226の空気の一部を前記エアコン室外機229の吸込口230に吸い込ませると共に、該天井裏空間の残余の空気を前記エアコン室内機9の吸込口219に吸い込ませる如く構成する場合、該天井裏空間226の空気を吸引するダクトを1本のダクトのみを以て構成し、該ダクトに吸引された空気を、その一部を前記エアコン室外機229の吸込口230に吸い込ませる一方、残余の空気を前記エアコン室内機9の吸込口219に吸い込ませるように構成することもある。この場合は、エアコン室外機229とエアコン室内機9の夫々に必要量の空気を送り込めるように、夫々の吸引力を調整する。
又前記第1、第2の縦ダクト227,231は、市販の2本のパイプを用いて構成し、一方のパイプを前記エアコン室外機229の吸込口230に連結し、他方のパイプを前記エアコン室内機9の吸込口219に連結することとしてもよい。
(22)前記実施例においては、最上部に位置する天井裏空間226の空気の一部を前記エアコン室内機9の吸込口219に吸い込ませる如く構成しているが、天井裏空間は、最上部に位置する天井裏空間(例えば二階の天井裏空間226)であることの他、それよりも下の天井裏空間(例えば一階の天井裏空間262)であってもよい。この場合、どの天井裏空間を利用するかは、夫々の天井裏空間に連通状態にあるダクトの流入口を弁体の開閉操作によって選択的に開放させて行うことができる。
建物の全体に亘る換気や暖冷房を行わせる上からは、建物の全体に亘る空気循環が好ましいと言える。そのため、最上部に位置する天井裏空間の空気の一部を前記エアコン室外機229や前記エアコン室内機9に導入するのが好ましいのであるが、例えば二階の部屋の暖房や冷房が一定期間に亘って不用の場合は、該最上部に位置する天井裏空間への空気の流入を遮断すると共に、それよりも下に位置する天井裏空間に空気を導入させることにしてもよい。
(23)建物の最上部に位置する天井裏空間(例えば二階の天井裏空間226)は、小屋裏空間401(図19〜20)として構成されることもある。この場合は、該小屋裏空間401の内面に発泡ポリウレタン樹脂等の発泡性樹脂を吹き付ける等してその内面の断熱性を向上させるのがよい。
(24)前記蓄熱槽3を、その下端が前記床下空間4の底部23から浮き上がった状態で該床下空間4で吊下させる場合、該蓄熱槽3の吊下手段は、前記実施例で説明したように、前記囲壁部2の上端側26を横架材27に釘着等により直接固定する手段の他、吊りボルトや吊り金具等の吊下具を介して該横架材27等に吊下する手段等を含む。
そして、このように蓄熱槽3を床下空間4で吊下する場合、該蓄熱槽3の上部29が床部30で閉じられた状態とされるが、この際、該蓄熱槽3内に納設されている蓄熱体6からの床部30への放熱量を減少させてもよい場合は、例えば図24に示すと同様にして、該蓄熱槽3の上部29が蓋板394で覆われることもある。この場合は、例えば図47に示すように、前記側板31,32,37,39の上端を、前記横架材27a,27b,27cの上面82,83,85から同距離(例えば40mm程度)下方に位置させることもある。この蓋板394は、該床部30への所要放熱量を考慮して、該上部29の全体を覆う場合もあれば、部分的に覆う場合もある。
(25)前記蓄熱槽3を前記床下空間4で吊下する場合、前記横架材27として前記支持棒材77は用いず、該横架材27の全てを、大引17を以て構成し、或いは、大引17と土台76とを以て構成することもできる。図48はその一例を示すものであり、横架材27の全てを大引17を以て構成した場合を示している。
(26)前記実施例においては、前記蓄熱槽3を、大引17を横切って床下空間4に配設しているが、布基礎16や大引17、土台76等の配置状態によって該床下空間4にまとまった広い空間を確保できる場合は、前記蓄熱槽3を、大引17を横切ることなく配設することもできる。
(27)図49〜50は、前記と同様構成の蓄熱板152を蓄熱板支持部材153を用いて積層する場合の他の態様を示すものである。該蓄熱板支持部材153は、図50(A)に示すように、例えば、平面視で一辺が40mmの正方形状を呈し且つ厚さが15mmである正方形板状の間隔保持用の台座片167の上面部の中央部位に、平面視で一辺が18mmの正方形状を呈し且つ高さが20mmである位置規制用の角柱状の柱状片170が突設されてなる該台座片167と該柱状片170の軸線は合致している。図50(B)、図51は、該蓄熱板支持部材153を、前記蓄熱板152の四つのコーナ部分159,159,159,159が集合する部位に介在させ、且つ、隣り合う蓄熱板152,152の短辺側の側面172,172相互及び長辺側の側面173,173相互を当接させることによって、前記蓄熱板152を水平に敷き並べた状態を示している。この状態で、前記台座片167の、前記柱状片170の周辺をなす前記支持面(前記上面部)169で、前記4枚の蓄熱板152のコーナ部分159,159,159,159が下方から支持されると共に、前記隅切り面161,161,161,161が該柱状片170の側面171に当接した状態にある。これによって、蓄熱板部149を構成する各蓄熱板152が所要に位置決めされて敷き並べられた状態となっている。詰まり、該柱状片170を定規にして各蓄熱板152が位置決めされている。そして図49の右側部分には、前記蓄熱板支持部材153を介して、同様にして前記蓄熱板152を2段積みした状態が示されている。
本実施例においては、前記蓄熱板支持部材153を、4枚の前記蓄熱板152の四つのコーナ部分159に介在させるため、今、前記エアコン室内機9の吹出口10から前記蓄熱槽3内に、図51に矢印で示す方向に空気が吹き出されたとすれば、前記正方形板状を呈する前記台座片167の、隣り合う二つの側面204,208が、同図に示すように、風に向って山形を呈する(前後方向F1に対して45度傾斜した山形状面402を呈する)こととなる。これよって、前記横方向空気流路150を流れる空気が該山形状面402によって左右に分かれて流れるため、該横方向空気流路150を空気が流れる際の抵抗を極力減少させることができて好ましい。なお図51においては、前記蓄熱板152の表面の前記凹部157を省略している。
(28)図37に係る積層蓄熱体347を構成する場合、前記間隔保持片168は、円板状や正方形板状に構成するのがよい。該間隔保持片168を円板状に構成するときは、図18に基づいて説明したところと同様にして、前記横方向空気流路150を流れる空気は、該間隔保持片168の円形外面に案内されて左右に分かれて流れるため、該横方向空気流路を空気が流れる際の抵抗を極力減少させることができる。又、該間隔保持片168を正方形板状に構成するときは、図51に基づいて説明したところと同様にして、前記横方向空気流路150を流れる空気は、該間隔保持片168の山形状面によって左右に分かれて流れるため、該横方向空気流路を空気が流れる際の抵抗を極力減少させることができる。
(29)図52(A)、図53(A)は、前記有底箱体49内に前記蓄熱体6を納設状態とするに際して用いられる端側の蓄熱板支持部材148を示すものであり、該端側の蓄熱板支持部材153は、図12(C)や図50(A)に示すものを2分割した半割片として構成されている。図52(B)、図53(B)は、該端側の蓄熱板支持部材148を用いて構成された蓄熱板部149が前記有底箱体49内に納設されている状態を示すものであり、前記囲壁部2の四つの内面187,189,192,193や、前記角筒状の逃がし筒部42の四つの外面197,199,202,203に面する箇所では、前記半割り面154が向き合わせられている。これによって、前記蓄熱板部149の側端面190,191,195,196が、前記内面187,189,192,193や前記外面197,199,202,203に近接状態となっている。
(30)図54は、前記蓄熱板支持部材153のその他の態様を示すものであり、間隔保持用の例えば円板状を呈する台座片167の上面部の中央部位に、位置規制用の例えば円柱状の柱状片170を上方に向けて突設すると共に、該台座片167の下面部の中央部に、例えば円柱状を呈する固定突部184を下方に向けて突設した構成を有している。そして、該柱状片170と該固定突部184の突出長さは、共に、前記蓄熱板152の上下方向の厚さの1/2に等しいか或いはそれよりも小さく設定されている。本実施例においては、前記蓄熱板152の該厚さの1/2に設定されている。そして、前記台座片167と前記柱状片170と前記固定突部184の軸線は合致している。又本実施例においては、前記固定突部184の側面248が、前記四つのコーナ部分159,159,159,159の前記隅切り面161,161,161,161に当接する如くなされている。
然して、かかる蓄熱板支持部材153を用いて前記蓄熱板部149を構成するに際しては、前記と同様にして、図55、図54(C)に示す如く、4枚の蓄熱板152,152,152,152の四つのコーナ部分159,159,159,159が集合する部位に該蓄熱板支持部材153を介在させる。これによって、1段目の蓄熱板部149が構成されるのであるが、図54(C)に示すように、その下面188の下方に向けて前記固定突部184が突出状態となる。各固定突部184は、構成される蓄熱体6の下端下方に前記結露水排水路177を形成する。
そして該1段目の蓄熱板部149の上面側には、図54(C)、図55に示すように、前記四つのコーナ部分159,159,159,159の集合する部位で、前記柱状片170の上端の上方に、前記蓄熱板152の高さ(上下方向の厚さ)の1/2程度の深さを有する固定凹部194が夫々形成されることになる。そこで、2段目の蓄熱板部149を構成する際に、前記蓄熱板支持部材153の前記固定突部184を該固定凹部194に嵌入する。これにより、前記固定突部184の側面248が、前記四つのコーナ部分159,159,159,159の前記隅切り面161,161,161,161に当接すると共に、前記台座片167の前記固定突部184の周辺をなす前記支持面(前記上面部)169が前記四つのコーナ部分159,159,159,159の上面138に当接して、該蓄熱板支持部材153の水平面内における位置が安定状態で固定されることとなる。この状態で、該蓄熱板支持部材153の有する前記柱状片170を前記と同様に定規として機能させ、前記台座片167の支持面169で前記四つのコーナ部分159,159,159,159を下方から支持する。これによって2段目の蓄熱板部149を構成できることとなる。これを繰り返すことによって前記蓄熱体6を構成できる。本実施例においては、蓄熱板支持部材153が固定突部184を具えるため、2段目以降の蓄熱板部149を形成するに際し、該蓄熱板支持部材153を下の段の蓄熱板部149に水平面内で固定状態にできることから、その形成作業を容易且つ能率的に行うことができる。
図56は、かかる構成を有する蓄熱板支持部材153の他の態様を示すものであり、前記台座片167が正方形板状を呈すると共に、前記柱状片170と前記固定突部184が、平面視で正方形状を呈する角柱状に構成されている。図57は、かかる構成を有する蓄熱板支持部材153を用いて蓄熱板部149を構成した場合を示している。この場合も、図54に基づいて説明したところと同様に、前記固定突部184の側面248が、前記四つのコーナ部分159の前記隅切り面161に当接する如くなされている。そして、前記台座片167と前記柱状片170と前記固定突部184の軸線は合致している。
本実施例においては、前記柱状片170と前記固定突部184の突出長さを等しく設定しているが、該柱状片170と該固定突部184の突出長さの合計が前記蓄熱板152の上下方向の厚さに等しいかそれ以下であるならば、該柱状片と該固定突部の突出長さが異なってもよい。
(31)図58〜59は、前記蓄熱板支持部材153のその他の態様を示すものである。図58においては、円板状の台座片167の上面部の中央部に、平面視で正方形状を呈する角柱状の柱状片170が突設されてなり、図59においては、正方形板状を呈する台座片167の上面部の中央部に、円柱状を呈する柱状片170が突設されてなる。そして、該台座片167の、該柱状片170の周辺に前記支持面(前記上面部)169が形成されている。
前記蓄熱板支持部材153において、前記台座片167の形態は、4枚の蓄熱板の四つのコーナ部分が集合する部位に配設されて該四つのコーナ部分を前記支持面169で下方から支持できる限り任意に設定できる。又、前記柱状片170は、前記隅切り面161と当接し得る側面171を具えているものであれば、その側面形態は任意である。図60には、その平面視形態の一例が示されており、図60(A)にあっては八角形状に形成されており、図60(B)にあっては角丸の正方形状に形成されており、図60(C)にあっては小判形に形成されている。
そして、図58〜60においても、前記と同様にして固定突部184を突設できる。
(32)前記蓄熱板部149の積層形態によっては、図11に示されている上下段の蓄熱板支持部材153,153の軸線L7とL8とが位置ずれすることもある。
(33)図61(A)、図62(A)は、水平板状を呈する前記蓄熱板部149を、前記横方向空気流路150を相互間に形成するように所要間隔を置いて積層する場合の他の態様を示すものであり、該蓄熱板部149は、前記蓄熱板152を前後方向及び左右方向で相互を当接させて形成されている。そして該蓄熱板部149を構成する夫々の蓄熱板152の上面176の例えば四隅に間隔保持片168,168,168,168を載置し、その上に上段の蓄熱板部152を載置することによって構成されている。この場合、図18や図51に基づいて説明したところと同様の理由により前記横方向空気流路150を空気が流れる際の抵抗を極力減少させるために、前記間隔保持片168を、図61に示すように円板状に構成するのがよく、或いは図62に示すように、平面視で正方形状の正方形板状を呈する如く構成するのがよい。なお前記蓄熱板152の中央部分を撓みにくくするために、例えば図61(B)、図62(B)に示すように、前記蓄熱板152の中央部分にも前記間隔保持片168を介在させるのがよい。この場合、蓄熱板152の上下の面の中央部分が対向状態で窪んでいる場合は、図37(B)に示すと同様にして、該中央部分に介在させる間隔保持片168の上下端部分376,376を該窪み部375,375に嵌め入れるのがよい。
(34)上下の蓄熱板部149,149間に前記間隔保持片168の複数個を介在させる場合、前記した円板状の間隔保持片と正方形板状の間隔保持片とを適宜組み合わせてもよい。
(35)図63は、前記吹出口10から前記横方向空気流路150に吹き出された空気を該横方向空気流路150で、平面視で循環状態となるように方向付けするための方向規制ガイド面405を前記空気反射部13に設けた場合を示すものである。該方向規制ガイド面405は、本実施例においては、該空気反射部13の他にも2ヶ所設けられている。即ち、前記横方向空気流路150の後端403の左右側部分と、前端210の左側部分に設けられている。該方向規制ガイド面405は、例えば図63(A)に示す湾曲面405aとして形成したり、図63(B)に示す傾斜面405b等として形成することができる。
このように方向規制ガイド面405を設ける場合は、前記蓄熱槽3内における温風や冷風の循環をより効果的に行わせることが可能となり、伝熱効率の向上によって前記蓄熱体6の蓄熱をより効果的に行わせることができる。
(36)図64は、前記蓄熱槽3に設けた前記空気放出口11からの空気放出の他の態様を示すものであり、前記床下空間4の底部23に設置状態に配設された蓄熱槽3の前記囲壁部2に空気放出口11を設けると共に、該空気放出口11から放出された空気を、該蓄熱槽3の上部406と床部30との間の床下流路407に誘導するための誘導路409を、該蓄熱槽3に連設した場合を示すものである。図64(A)においては、該誘導路409を該蓄熱槽3の後部404に連設しており、図64(B)においては、該誘導路409を該蓄熱槽3の上部406に連設している。
このように構成する場合は、該誘導路409の端部分410から放出される空気によって、床部30を加温でき或いは冷却でき、これによって室内の暖房や冷房をより効果的に図り得る。なお、このようにして床下流路407に空気を流す場合、該床下流路407を流れた空気を前記蓄熱槽3内に戻すことがある他、前記エアコン室内機9の吸込口219に流入させることもある。
(37)前記蓄熱槽3を前記床下空間4の底部23上に設置することによって該蓄熱槽3を床下空間4に配設する場合、例えば図45に示すように、前記囲壁部2を上方に延長して、その上端411を該床部30の下面412に当接乃至近接状態とすることもある。
このように構成する場合は、前記蓄熱槽3に納設されている蓄熱体6の放熱によって、床暖房を図ったり、或いは、床部の冷却を図ることができる。
(38)前記蓄熱板支持部材153を構成する前記台座片167は、上下の蓄熱板152,152間に、前記横方向空気流路150の上下幅に等しい通気間隙372を構成できるものであれば、前記の他、円筒状や角筒状を呈するもの等、各種形態のものとして構成できる。
(39)前記逃がし空間36は、前記大引を支持する束を逃がすことができるものであれば、前記した形態に特定されない。又、一つの蓄熱槽3に複数(例えば2個)の逃がし空間36が、大引配置に合わせて設けられることもある。
(40)図65は、前記天井裏空間(例えば二階の天井裏空間226)の空気の一部を屋外に排出するに際し、その空気の保有熱を、床下空間に取り入れられる外気の加温や冷却に有効利用するために、熱交換器413を用いた場合を示している。該熱交換器413内には、該天井裏空間226からの空気を屋外に向けて流す第1の熱交換流路415と、外気を屋外に向けて流す第2の熱交換流路416が設けられると共に、夫々の熱交換流路415,416には、図示しないファンが内蔵されている。そして、該第1、第2の熱交換流路415,416間での熱交換によって、前記天井裏空間226からの空気の保有熱で、床下空間4に導入される外気を加温又は冷却できるようになされている。図65において符号417で示すものは、第1の熱交換流路415の流入口419と前記第1の縦ダクト227の下端部分418とを連結する連結管であり、又符号420で示すものは、該第1の熱交換流路415の吐出口421に連結され且つ開口端422が屋外に位置する連結管である。又符号423で示すものは、前記第2の熱交換流路416の流入口425に連結された外気取り入れ用の連結管であり、符号426で示すものは、前記第2の熱交換流路416の吐出口427に連結されてその端部429が床下空間4で開放する連結管である。なお、該連結管426の端部429を前記エアコン室内機9の前記吸込口219に連結してもよい。又、該連結管426を連結せずに、該第2の熱交換流路416の吐出口427を床下空間4に直接に開放状態としてもよい。前記連結管420の開口端422をエアコン室外機229の前記吸込口230に向き合わせるときは、該開口端422から排出される空気の保有熱を該エアコン室外機229でも回収できて好ましい。
(41)前記蓄熱装置1の前記空気放出口11から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させる際、該空気を前記壁内通気路269,270には全く流入させず、前記空気流入口285,290と前記空気流出口287,292を通してのみ行うこともある。
(42)本発明に係る蓄熱装置1は、例えばマンションの上下の階の間をなす中間空間(即ち、下の階から見れば天井裏の空間であり、上の階から見れば床下の空間)に配設されることもある。この場合、前記蓄熱槽3や前記エアコン室内機9は、該中間空間で吊下状態に設けるのがよい。
(43)本発明に係る蓄熱装置1の配設場所は、これを建物に設ける場合、前記した居間の下側をなす区画空間部の他、ダイニングや寝室の下側をなす区画空間部等、暖房や冷房を必要とする各場所に設定できる。又、該蓄熱装置1が、これらの複数の区画空間部に設けられることもある。
(44)本発明に係る蓄熱装置1が前記床下空間4に応用された場合、前記蓄熱槽3は床下空間に配設されても、前記エアコン室内機9は、床上等の床下空間以外の場所に配設されることもある。
(45)前記蓄熱槽3の平面視での形態は、前記したような矩形状を呈するものは限られない。
(46)図66は、前記空気放出口11を、布基礎16の所要部分に設けた通気開口431に向けて空気を放出するように設けた場合を示している。この場合は、該通気開口431を通して、前記蓄熱槽3が配設されている区画空間部に隣り合う区画空間部4eに温風又は冷風を流入させることができる。
(47)前記土台76に設ける欠切状部260は、例えば図67に示すように、該土台76の上面432の一方の側部分に板状片433を載置し且つ該板状片433を該上面432に接着や釘着等によって固定することにより、該上面432の他方の側部分側で形成することもできる。
(48)本発明に係る蓄熱装置1を建物の床下空間に配設する場合、床暖房を主目的とすることもある。又、該蓄熱装置1は、居室等の床上に設置されることがある他、ビニールハウス等の温室に設置されることもある。
(49)本発明に係る建物は、二階建ての建物の他、一階建ての建物や3階以上の建物を含む。又該建物は、住宅の他、学校や工場等も含む。
1 蓄熱装置
2 囲壁部
3 蓄熱槽
4 床下空間
6 蓄熱体
7 前部
9 エアコン室内機
10 吹出口
11 空気放出口
12 後部
13 空気反射部
15 空気流路
16 布基礎
17 大引
19 束
27 横架材
30 床部
42 逃がし筒部
49 有底箱体
76 土台
77 支持棒材
146 空気放出具
149 蓄熱板部
150 横方向空気流路
153 蓄熱板支持部材
159 コーナ部分
161 隅切り面
162 注入用凹部
167 台座片
168 間隔保持片
170 柱状片
209 前側の連通空間
211 混合空間
212 縦方向空気流路
219 吸込口
220 建物の空調設備
222 布基礎の途切れた部分
224 建物
225 内部空間
226 二階の天井裏空間
227 第1の縦ダクト
229 エアコン室外機
231 第2の縦ダクト
232 外気導入孔
259 一階の壁体
260 欠切状部
262 一階の天井裏空間
266 二階の壁体
269 壁内通気路
273 空気流入開口
277 空気流入開口
279 空気排出開口
280 空気排出開口
285 空気流入口
287 空気流出口
290 空気流入口
292 空気流出口
347 積層蓄熱体
349 間隔保持部材
355 間隔保持片
363 結束材
372 通気間隙
375 窪み部
405 方向規制ガイド面
431 通気開口

Claims (20)

  1. 囲壁部の上部と下部が閉じた箱状を呈する蓄熱槽の内部に蓄熱体が納設状態とされると共に該蓄熱槽の前部にエアコン室内機の吹出口が連設され、該蓄熱槽には、該蓄熱槽内の空気を放出させるための複数の空気放出口が設けられてなり、
    前記蓄熱槽の内部の後部には、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出されて後方に移動した空気を反射させて方向転換させるための空気反射部が設けられており、
    又、前記蓄熱体の内部には、前記蓄熱槽内に吹き出された空気を流すための空気流路が設けられていることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 前記蓄熱体は、水平板状を呈する蓄熱板部が、水平状態に拡がる横方向空気流路を相互間に形成するように所要間隔を置いて積層されて構成されており、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出された空気が、前記の各横方向空気流路に流入でき、該流入した空気が、前記空気反射部に当たって方向変換される如くなされていることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置。
  3. 上下方向に複数段に設けられている前記横方向空気流路を連通させるように、上下方向に延長する縦方向空気流路が設けられていることを特徴とする請求項2記載の蓄熱装置。
  4. 前記吹出口からの空気の吹き出しが、前記後部の、左右方向で見た一方の端部側に設けられている前記空気反射部に向けて行われ、これにより、前記蓄熱槽内の空気が前記横方向空気流路で、平面視で循環状態となるようになされていることを特徴とする請求項2記載の蓄熱装置。
  5. 前記吹出口から前記横方向空気流路に吹き出された空気を、該横方向空気流路で、平面視で循環状態となるように方向付けするための方向規制ガイド面が前記空気反射部に設けられていることを特徴とする請求項4記載の蓄熱装置。
  6. 四つのコーナ部分が隅切りされ且つ該コーナ部分の側面が、平面視で円弧状又は直線状を呈する隅切り面として形成されてなる矩形板状の蓄熱板が、水平面内で、前後方向及び左右方向に相互が当接されて並設されることによって、水平板状を呈する蓄熱板部が形成されており、該蓄熱板部が、相互間に、水平状態に拡がる横方向空気流路を形成するように所要間隔を置いて積層されることによって前記蓄熱体が構成されており、該蓄熱板部を構成する4枚の蓄熱板の四つのコーナ部分が集合する部位には蓄熱板支持部材が介在されてなり、
    前記蓄熱板支持部材は、前記所要間隔に相当する高さを有する間隔保持用の台座片の上面部に、位置規制用の柱状片が突設されてなり、該台座片の、該柱状片の周辺をなす支持面で、前記4枚の蓄熱板の四つのコーナ部分を下方から支持できると共に、前記隅切り面が該柱状片の側面に当接した状態で、該4枚の蓄熱板が、前後方向及び左右方向で相互が当接する如くなされると共に、該柱状片の高さが前記蓄熱板の上下方向の厚さに等しいか或いはそれよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置。
  7. 前記柱状片の高さが前記蓄熱板の上下方向の厚さよりも小さく設定されることによって、前記四つのコーナ部分の集合する部位に、前記柱状片の上端の上方に固定凹部が形成される如くなされており、又、前記台座片の下面部には、該固定凹部に嵌入し得る固定突部が突設され、該固定突部の突出長さが該固定凹部の深さに等しいか或いはそれよりも小さく設定されており、且つ該固定突部の側面が、前記四つのコーナ部分の前記隅切り面に当接する如くなされていることを特徴とする請求項6記載の蓄熱装置。
  8. 前記台座片が円板状を呈すると共に前記柱状片が円柱状を呈することを特徴とする請求項6又は7記載の蓄熱装置。
  9. 前記台座片が、平面視で正方形状の正方形板状を呈すると共に、前記柱状片が、平面視で正方形状の正方形柱状を呈し、該台座片と該柱状片の、平面視での正方形状の向きが合致していることを特徴とする請求項6又は7記載の蓄熱装置。
  10. 水平板状を呈する蓄熱板部が、相互間に、水平状態に拡がる横方向空気流路を形成するように所要間隔を置いて積層されてなる前記蓄熱体は、積層蓄熱体を並設して構成されており、該積層蓄熱体は、蓄熱板の複数枚を所要間隔を置いて積層し且つ全体が積層方向で一体化されてなり、該積層蓄熱体を構成する上下の蓄熱板の間には間隔保持片が介在され、該上下の蓄熱板間に、前記横方向空気流路の間隙幅に等しい上下幅を有する通気間隙が形成されていることを特徴とする請求項2記載の蓄熱装置。
  11. 前記蓄熱板の表裏の中央部分が対向状態に窪んでおり、前記間隔保持片の上下端部分が該窪み部に嵌め入れられて、前記上下の蓄熱板間に前記通気間隙が形成されていることを特徴とする請求項10記載の蓄熱装置。
  12. 前記蓄熱体には、前記空気放出口に面する部分に混合空間が設けられており、該混合空間は前記蓄熱板部の積層部分が、その上端から前記空気放出口の下端に至る部分で取り除かれた状態とされることによって構成されていることを特徴とする請求項2〜9の何れかに記載の蓄熱装置。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、該床下空間に架設されている大引を横切るように配設され、且つ、該大引を支持する束を収容状態に逃がすための逃がし空間を形成する逃がし筒部が設けられていることを特徴とする建物床下の蓄熱装置。
  14. 請求項1〜12の何れかに記載の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、該床下空間に架設されている大引を横切るように配設され、且つ、該大引を支持する束を収容状態に逃がすための逃がし空間を形成する逃がし筒部が設けられており、前記吹出口から前記蓄熱槽内に吹き出された空気が、該逃がし筒部と前記囲壁部との間に形成されている移動流路を移動することを特徴とする建物床下の蓄熱装置。
  15. 請求項1〜12の何れかに記載の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、その下端が前記床下空間の底部から浮き上がった状態で該床下空間で吊下状態に配設されており、前記囲壁部の上部が床部で閉じられた状態にあることを特徴とする建物床下の蓄熱装置。
  16. 請求項1〜12の何れかに記載の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記蓄熱槽は、その下端が前記床下空間の底部から浮き上がった状態で該床下空間で吊下状態に配設されており、該吊下は、前記囲壁部の上端側が、該床下空間の上部に配設された横架材に固定されて行われており、前記囲壁部の上部が床部で閉じられた状態にあることを特徴とする建物床下の蓄熱装置。
  17. 請求項1〜12の何れかに記載の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記空気放出口から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させて、該建物の天井裏空間に流入させる如くなされており、
    該天井裏空間の空気の一部が、屋外に設置されたエアコン室外機の吸込口に吸い込まれると共に、該吸込口に吸い込まれた空気量に見合う量の外気が前記建物内に導入される一方、前記天井裏空間の残余の空気が前記エアコン室内機の吸込口に吸い込まれる如くなされていることを特徴とする建物の空調設備。
  18. 請求項1〜12の何れかに記載の蓄熱装置を構成する前記蓄熱槽が、建物の床下空間に配設されており、前記空気放出口から放出された空気を含む床下空間の空気を、建物の内部空間を通して上昇させて、該建物の最上部の天井裏空間に流入させる如くなされており、
    該天井裏空間の空気の一部が、前記建物の外部に設置されたエアコン室外機の吸込口に吸い込まれると共に、該吸込口に吸い込まれた空気量に見合う量の外気が前記建物内に導入される一方、前記天井裏空間の残余の空気が前記エアコン室内機の吸込口に吸い込まれる如くなされていることを特徴とする建物の空調設備。
  19. 前記蓄熱槽の前記空気放出口から放出された空気を、前記建物の屋内の壁体を支持する土台に設けた欠切状部を通して該壁体の内部に設けた壁内通気路に流入させ、該壁体の上端側で、一階の天井裏空間に流入させる如くなされ、この流入された空気を、最終的に、前記最上部に位置する天井裏空間に流入させる如くなされていることを特徴とする請求項18記載の建物の空調設備。
  20. 前記複数の空気放出口の内の少なくとも一つは、前記床下空間において、布基礎の途切れた部分に向けて空気を放出させる如くなされており、或いは、該布基礎に設けた通気開口に向けて空気を放出させる如くなされていることを特徴とする請求項17、18又は19記載の建物の空調設備。
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