本発明は、操作者がアタッチメントを可変の周波数及び/又は振幅で揺さぶることができる工作機械の制御システムを与えることを課題とする。
本発明の第1側面によれば、工作機械であって、地面係合構造物と、当該地面係合構造物を介して当該工作機械を動かす推進システムと、当該地面係合構造物上に支持される本体と、当該本体に接続された作業アームであって一端がアタッチメントを受け入れる可動部を有する作業アームと、当該可動部を選択的に振動させる制御システムであって、当該可動部を選択的に振動させるべく構成かつ配列されたアクチュエータと、当該アクチュエータを制御するべく構成された電子制御器と、当該制御器と通信するユーザ入力デバイスとを含む制御システムとを含み、前記ユーザ入力デバイスは、当該可動部の振動の所望の振幅及び/又は周波数を示す振動信号を当該電子制御器に選択的に送信するべく構成された振動入力部を含み、当該振動入力部は、当該電子制御器へ送信される振動信号を変えるべく可変であり、当該電子制御器は、当該振動信号を受信した場合に、当該振動信号によって示された所望の周波数及び/又は振幅で当該可動部を振動させるように当該アクチュエータを選択的に起動させるべく構成される工作機械が与えられる。
有利には、制御システムによって、工作機械に接続されたアタッチメントは、特定の操作者のスキルなしに、可変の振幅及び/又は周波数で振動することができる。さらに、アクチュエータを制御する電子制御器を使用することによって、振動が繰り返し可能となる。すなわち、一貫性のある振幅及び/又は周波数が得られる。
アクチュエータは、可動部を直接的に振動させるべく構成される。例えば、可動部は、作業アームに対する当該可動部の枢軸振動を介して振動される。
アクチュエータは、可動部を間接的に振動させるべく構成することもできる。例えば、可動部は、作業アームの振動を介して振動される。作業アームは伸縮自在作業アームであり、可動部は当該作業アームの伸縮を介して振動される。
振動信号は強度指示を含む。制御器は、強度指示を所望の振動周波数及び/又は振幅に変換するアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用するべく構成される。振動の周波数及び振幅を特定するべく強度指示を使用することにより、ユーザにとっての有用性が高まる。
入力デバイスは、可動部の所望の位置変化を示す位置信号を電子制御器に送信するべく構成された位置入力部を含む。電子制御器は、位置信号を受信した場合にアクチュエータを起動させて可動部を所望どおりに動かすべく構成される。
位置変化は、本体に対する角度位置変化及び/又は空間位置変化である。
制御器は、可動部を第1位置から第2位置へ動かすのと同時に当該可動部を所望の振幅及び/又は周波数で振動させるように当該アクチュエータを作動させる信号を送るべく構成される。可動部の動きと振動とを同時に行うことは、制御システムの指示部から受信された信号に応じて選択的に適用される。
指示部は、工作機械のユーザインタフェースに設けられたボタン又はスイッチである。
制御器は、可動部を、当該可動部の動きと振動とが同時の場合に、当該可動部が動くだけの場合よりも遅い速度で所望の方向に動かすべく構成される。
振動入力部及び位置入力部は、ユーザが片手を使用するのと同時にアクセス可能となるように位置決めされる。
位置入力部は制御デバイスを含む。ユーザは、可動部の所望の位置変化を示すべく制御デバイスを動かすことができる。
位置信号によって示された所望の位置変化は、制御デバイスのニュートラル位置に対する当該制御デバイスの位置に比例する。
制御デバイスは、制御器へ送信される振動信号が制御デバイスの位置に依存するように構成される。
振動信号によって示された所望の振動周波数及び/又は振幅は、制御デバイスのニュートラル位置に対する当該制御デバイスの位置に比例する。
好ましくは、制御デバイスはジョイスティックである。
ジョイスティックはアナログジョイスティックである。その代わりに、ジョイスティックはデジタルジョイスティックでもよい。
制御器は、ジョイスティックがニュートラル位置にある場合を検出し、かつ、当該ジョイスティックが当該ニュートラル位置から外れた場合にのみ信号を送信して可動部の振動を作動させるべく構成される。この特徴により、付加的な安全機能が得られる。
所望の位置及び/又は振動強度を示すようにジョイスティックを使用することにより、人間工学に基づく制御システムが得られるので操作者の疲労を低減することができる。その代わりに、送信される振動信号を示すべく一以上のダイヤル又はスクロールボタンを使用することもできる。
アクチュエータは油圧アクチュエータを含んでよい。
アクチュエータは、作業アームと可動部との間に、本体と作業アームとの間に、又は作業アームの複数のコンポーネント間に操作可能に接続される。
工作機械は、油圧アクチュエータへの流体の流れを制御するべく構成かつ配列されたバルブを含む。バルブはスプールバルブでよい。
工作機械は、バルブを制御するソレノイドを含む。
工作機械は、制御システムを有効化又は無効化するべく操作可能な制御システム起動オペレータを含む。制御システム起動オペレータにより、付加的な安全機能が得られる。
ユーザ入力デバイスと制御器との通信にはCANバスメッセージが使用される。
工作機械は、本体と作業アームとの間に又は作業アームの複数のコンポーネント間に第1アクチュエータを含み、かつ、可動部と作業アームとの間に第2アクチュエータを含む。入力デバイス及び制御システムは、第1及び第2アクチュエータの双方を作動させるべく構成される。
工作機械はジョイスティックを含む。ジョイスティックの位置が、第1及び/又は第2アクチュエータを介して作業アーム及び/又は可動部を動かし又は振動させるか否かを示す。
作業アームは伸縮自在作業アームである。工作機械は、作業アームを伸縮させる第3アクチュエータを含む。入力デバイス及び制御システムは、作業アームの伸縮の位置及び振動を制御するべく構成される。
工作機械は、伸縮自在ハンドラ、バックホー積込機、掘削機又は他の任意のタイプの材料取り扱い車両である。
本発明の第2側面によれば、第1側面に係る工作機械の制御システムが与えられる。
本発明の第3側面によれば、本体に接続された作業アームと、当該作業アームの一端に備えられたアタッチメント取り付け用可動部とを有するタイプの工作機械用の制御システムであって、当該工作機械は2つの操作モードを有し、第1モードでは当該アタッチメントの位置が当該本体に対して調整可能であり、第2モードでは当該アタッチメントが当該本体に対して振動し、当該アタッチメントの動きはアクチュエータを使用して達成され、当該制御システムは、工作機械本体に対する工作機械可動部の所望の位置変化を受け入れるべく構成された位置入力部と、工作機械可動部が振動するべきであることのユーザからの指示を受け入れるべく構成されかつ当該振動の周波数及び/又は振幅のユーザからの入力を受け入れるべく構成された振動入力部とを有する入力デバイスと、制御器とを含み、当該位置入力部は、当該可動部の所望の位置変化速度を示す信号を制御器に送信するべく構成され、当該振動入力部は、当該可動部が振動するべき時並びに当該振動の周波数及び/又は振幅を示す信号を当該制御器に送信するべく構成され、当該制御器は、位置信号及び/又は振動信号を受信した場合、所望の位置変化速度で当該可動部を動かし及び/又は所望の振動周波数及び/又は振幅で当該可動部を振動させる信号を工作機械のアクチュエータに送信するべく構成される制御システムが与えられる。
第3側面の制御器は、第2側面の制御システムの一以上のオプション機能を有する。
本発明の第4側面によれば、工作機械を操作する方法であって、当該工作機械は、地面係合構造物と、当該地面係合構造物を介して当該工作機械を動かす推進システムと、当該地面係合構造物上に支持される本体と、当該本体に接続された作業アーム及び当該作業アームの一端にあるアタッチメント受入用可動部と、第2又は第3側面に係る制御システムであって制御デバイスを有する制御システムとを有するタイプであり、当該工作機械の制御デバイスを動かして当該可動部を動かすことであって、当該可動部の位置変化速度はニュートラル位置に対する当該制御デバイスの位置に比例することと、当該可動部の振動の所望の振幅及び/又は周波数を入力することと、当該可動部の振動を開始することとを含む方法が与えられる。
方法は、可動部の振動中に所望の振幅及び/又は周波数を調整することを含む。
所望の振幅及び/又は周波数は、可動部を動かすべく使用される制御デバイスを使用して入力される。
図1を参照すると、工作機械が一般に10で示される。工作機械10は、材料取り扱い車両、詳しくは伸縮自在ハンドラである。工作機械10は、地面係合構造物12、本体14、及び、一般に水平方向の軸X−Xまわりに枢動可能に本体14に接続された作業アーム16を含む。作業アーム16は、本体14の後部に接続されて本体14の前位置まで伸長する。この実施形態ではショベル18であるアタッチメントが、本体14の前部を向くように位置決めされた作業アーム16の一端に接続される。ショベル18は、可動部17を介して作業アーム16に接続される。
本実施形態では、地面係合構造物12は、4つの車輪20を含むが、代替の実施形態では、地面係合構造物は別の数の車輪又は軌道を含む。本体14は、地面係合構造物12上に支持され、かつ、運転台22を含む。ユーザは運転台22から、工作機械10の運転及び操作を行う。エンジン(図示せず)が本体14内に設けられる。エンジンは、工作機械に動力を与えるとともに、油圧システム用ポンプ(図示せず)及び電気システムに電力を与えるオルタネータ(図示せず)を駆動する。
本実施形態では、内側及び外側部分16a、16bを有する作業アーム16は伸縮自在アームである。内側及び外側部分16a、16bは、互いに対して摺動してアームの全体的な長さを増加させる。
作業アーム16を枢動させるべく、2つの油圧アクチュエータ24、26が本体14と作業アーム16との間に設けられる。油圧アクチュエータが伸長すると、実質的に水平方向の軸X−Xまわりに作業アームが枢動してショベル18が地面から離れるように動く。油圧アクチュエータが収縮すると、軸X−Xまわりに作業アームが枢動してショベル18が地面に向かって動く。
さらなる油圧アクチュエータ(図1では見えない)が、作業アーム16内に設けられて伸縮自在アームの伸縮を行う。その結果、伸縮自在アームは長さが増減する。
なおもさらなる油圧アクチュエータ(図1では見えない)が、作業アーム16と可動部17との間に作用してショベル18を傾動させる。その結果、油圧アクチュエータの伸縮によってショベルが、第2の実質的に水平方向の軸Y−Yまわりに回転する。
工作機械10は、作業アーム16の油圧アクチュエータを制御する電気油圧(「サーボ」)制御システムを含む。これにより、作業アームの位置、作業アームの長さ、及びショベル18の角度位置が制御される。かかる制御システムは、このタイプの工作機械内にある機械的連結/油圧ホースの量を低減させ、さらに(例えば、回転可能座席又は操舵輪上に入力部を配置するような)制御部の位置決め自由度を大きく許容する。入力部を電子制御ユニット(ECU)に接続するのに必要なのは電気配線又は無線送信器のみだからである。
ユーザは、運転台22から工作機械10を操作する。運転台22は、座席21、操舵輪23、及び他の様々な工作機械10操作用の物理的制御部を含む。かかる物理的制御部の一つは、図2に示される制御デバイス52である。これは、電気油圧制御システムへの入力を与える。本実施形態では、制御デバイスはデジタルジョイスティックである。他の実施形態では、制御デバイスは、アナログジョイスティック、レバー、制御パッド、タッチスクリーン等の形態をとる。
ジョイスティック52は、X方向及びY方向に動くことができる。例えば、前後、左右、並びにX及びY方向によって画定される平面内の複数位置に動くことができる。
本願では位置決めモードの操作と称する工作機械10の標準的な操作の間、ジョイスティックのX方向及び/又はY方向の動きによって、作業アーム16の枢動及びショベル18の傾動が制御される。ジョイスティックのX方向の動き、すなわち本実施形態では前後の動きによって、作業アーム16の軸X−Xまわりの枢動が制御される。ジョイスティックのY方向の動き、すなわち本実施形態では左右の動きによって、ショベル18の軸Y−Yまわりの傾動が制御される。
ジョイスティック52は制御システム32に連結される。その一部が図3に示される。制御システム32は、ジョイスティックに基づく位置エンコーダの形態にある入力デバイス34と、入力信号を入力デバイスから受信しかつ出力信号をソレノイド37、38、39及び40を介してバルブ42、44へ送信するべく構成された電子制御ユニット(ECU)36とを含む。ECUは、任意の適切なタイプのマイクロプロセッサ制御器である。
バルブ42、44は、エンジン(図示せず)により駆動されるポンプから油圧アクチュエータ24、26への油圧流体供給を制御する。点線は、制御システムの複数のコンポーネント間の電気接続を示し、実線は、制御システムの複数のコンポーネント間の油圧接続を示す。
ジョイスティック52は、例えば後ろ方向へのジョイスティックの動きによって位置決め信号がECUに送信されるように、所定モードの入力を入力デバイス34に与えるべく構成される。位置決め信号は、ジョイスティックがニュートラルから外れて動かされた距離、すなわちニュートラル位置から0%〜100%に関連する情報を包含する。本実施形態では、信号は、CANバスメッセージ(制御器エリアネットワークバスメッセージ)を介してECUに送信される。本実施形態では、制御システムではJ1939CANバスが使用される。
ECU36は、ジョイスティック位置のCANバスメッセージを受信してソレノイド37、38、39、40に送信するべき電気信号を決定する。ジョイスティックの後ろ方向への動きに係る本例では、信号はソレノイド38及び40に送信される。ソレノイド38及び40はその後、バルブ42、44(本実施形態ではスプールバルブである)を、油圧アクチュエータ24、26への流体の流れを許容する位置まで、ジョイスティック52のニュートラルから外れた距離に対応する速度で動かす。油圧アクチュエータ24、26への流体の流れにより、ニュートラル位置に対するジョイスティックの位置に対応する速度で油圧アクチュエータ、ひいては(本例では)作業アームが動かされる。
本実施形態では、ニュートラル位置に対するジョイスティック52の位置、すなわちニュートラル位置から0%〜100%は、作業アームが動く速度に実質的に比例する。本実施形態では、ECU36は、0%から2%までの動きによっては関連する油圧アクチュエータの動きが開始されないように構成される。
ジョイスティック52の後ろ方向の動き及び作業アーム16の本体からの上昇に対する例を記載してきた。しかしながら、わかるように、同様にしてジョイスティックの前方向の動きが、作業アームが本体14に向かう下降も引き起こす。ジョイスティック52のY方向の動きもまた、同様にしてショベル18の傾動を引き起こす。本実施形態のジョイスティック52は、X方向及びY方向双方の同時の動きを許容するべく構成されるので、作業アーム16の上昇又は下降とショベル18の傾動とを同時に行うことができる。
図2に戻ると、本実施形態では、ジョイスティック52はスクロールボタン74を含む。スクロールボタンの前方向の動きによって作業アーム16が伸長し、スクロールボタンの後ろ方向の動きによって作業アーム16が収縮する。代替の実施形態では、例えばミニジョイスティック又はスライダー型スイッチのような代替のタイプの入力が使用される。スクロールボタンの前方向又は後ろ方向の動きが、作業アームの伸縮を引き起こす。これは、作業アーム16の上昇及び下降に対して記載された態様と同様である。
本発明の制御システム32は付加的に、工作機械が振動モードで操作されることを許容する。振動モードにより、作業アームが軸X−Xまわりに一般に上下方向に振動し、可動部17が軸Y−Yまわりに振動し、及び/又は作業アーム16が所定程度の伸縮間で振動する。振動は、典型的な位置決め動と対比すると、相対的に急速であり、かつ、相対的に限られた振幅を有する。上述のように、かかる振動は、所定数の異なる操作シナリオにおいて望ましい。
図2及び3を参照すると、ジョイスティック52はさらに起動ボタン46を含む。起動ボタン46は、CANバスを介してECU36に適切な信号を送信することによって振動モードに関与する。振動モードでは、所望の振動強度が、ジョイスティックのX方向及び/又はY方向の位置によって示される。ジョイスティックがニュートラル位置から外れれば外れるほど、振動強度は大きくなる。
振動モードでは、ECU36は、作業アーム16の所望の振動を示す論理を含む。本実施形態では、ジョイスティックの位置によって示されるパーセント強度に基づいて振動の振幅及び/又は周波数を計算するべく、適切なアルゴリズムがルックアップテーブルとともに使用される。本実施形態では、周波数が固定されるので、強度の変動は振幅のみの変動となるが、他の実施形態では、振幅が固定されかつ周波数が変動し、又は双方ともが変動する。
アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルは、機械のタイプ及び機械10の意図される使用に応じて変化する。当業者であれば、パーセント振動強度に基づいての所望の周波数及び/又は振幅の計算方法がわかる。代替の実施形態では、振幅及び周波数のための別個の入力部が設けられるので、ユーザはこれらのパラメータを独立に変えることができる。
ECU36は、ソレノイド37、38、39、40に信号を送信してバルブ42、44を、油圧アクチュエータの必要な伸縮に対応する量まで開く。信号は一連の電気パルスである。例えば、油圧アクチュエータ24を振動させるべく、一連のパルスがソレノイド37及び38に送信される。パルスは、ソレノイド38に送信されたパルス信号が「オフ」の場合にソレノイド37に送信されたパルス信号が「オン」となり、又はソレノイド38に送信されたパルス信号が「オン」の場合にソレノイド37に送信されたパルス信号が「オフ」となるように位相がずらされる。パルスの電圧、電流及び長さは、振動信号によって示されるパーセント強度に依存する。好ましい実施形態では、信号は、パルス幅変調(PWM)制御としてソレノイドへ送信される。
油圧アクチュエータ24、26は、適切な配管を介してバルブ42又は44から供給される油圧オイルを使用して収縮又は伸長される。油圧アクチュエータ24、26は、ピストンがシリンダ内に配列されるタイプである。オイル供給部は、流体をシリンダ内に供給するべく当該シリンダの中におけるピストンの対向側に位置決めされる。ピストンの一側内に供給されたオイルによりシリンダが収縮し、ピストンの他側内に供給されたオイルによりシリンダが伸長する。すなわち、アクチュエータは複動式である。代替の実施形態では、2つの対向する単動式ピストンを使用する配列、又は一方向に単動し及び対向方向に重力動するピストンを使用する配列が考慮される。
ジョイスティック52がニュートラル位置にありかつ振動モード起動ボタンが押される場合、ECUが「振動モード起動」メッセージを受け取るが、振動は事実上生じない。ニュートラル位置がゼロの振動強度を示すからである。
制御システムには、システム有効化スイッチ56も設けられる。システム有効化スイッチは、(例えば不適切な操作シナリオの間にこのモードが不注意に使用されることを回避するべく)振動モードが使用可能であるか否かを示す信号をECUに送信するべく構成される。
図4を参照すると、制御システム32はまた、油圧アクチュエータ58を制御するべく使用される。油圧アクチュエータ58は、可動部17の傾動角度を制御する。
可動部17の傾動制御には2つの操作モードがある。位置決めモード及び振動モードである。2つのモードは、作業アーム16の位置決めに対して記載された態様と同様に機能する。しかしながら、可動部17を傾動する一つのみの油圧アクチュエータ58が設けられるので、一つのバルブ60及び2つのソレノイド62、64のみが可動部17の傾動及び振動に必要となる。
図5を参照すると、作業アーム16の長さ制御もまた、2つの操作モードを有する。位置決めモード及び振動モードである(ただし、作業アームの長さの振動モードを目的とするアプリケーションはさらに限られると考えられる)。2つのモードは、作業アームの位置決めに対して記載された態様と同様に機能する。しかしながら、作業アーム16を伸縮するべく一つのみの油圧アクチュエータ66が設けられるので、一つのバルブ68及び2つのソレノイド70、72のみが設けられる。
以下に工作機械10の操作を記載する。当該操作を例示するべく工作機械10の異なる使用が記載されるが、これらの例の操作は例示のみであるから、工作機械10を他の多くのアプリケーションのために使用することもできる。
第1例では、操作者が、工作機械10を使用して、例えば湿った土のようなショベル18に固着しがちな材料を動かしかつ扱う。
まず、ユーザは、システム有効化ボタン56のスイッチを入れて振動モードを利用可能にすべきことを示す。
材料を扱うべく、ユーザは、ジョイスティック52を動かして作業アーム16の位置を変えかつショベル18を傾動させる。その結果、例えば、材料が拾い上げられて他の位置まで動かされる。
材料を出してショベル18を空にするべく、ジョイスティック52がY軸に沿って左に動かされてショベル18は前方に傾動する。ショベルを空にするときに当該ショベルに材料が、固着したことに起因していくらか残っている場合、ユーザは、ショベルを振動させてその材料を取り除こうとする。これを行うことができるようにするべく制御システムが追従する処理が図6に提示される。
まず、(ステップ80において)ECU36は、ユーザが振動モードを有効化するシステム有効化ボタン56のスイッチを入れたことをチェックする。ECUはさらに、(ステップ82において)ユーザが起動ボタン46を押したことをモニタリングする。押していた場合、ECUは以下、ステップ84においてジョイスティックの入力のための振動モード論理に追従する。したがって、ECUは、位置決め論理の代わりに振動論理に基づいて、ジョイスティックの強度(86)及び方向(88)に対応する信号を処理する。システム有効化ボタン56又は起動ボタン46が起動されていない場合、ECUは、ショベル18を振動させる指令の処理を続行しない。
本例では、ジョイスティック52は、傾動方向に揺さぶるべきこと、すなわち油圧アクチュエータ58を使用してショベル18を振動させるべきことを示すY軸方向に変位される。
ECUは、ジョイスティック52の位置を示すCANバスメッセージを処理する。その結果、振動の所望の振幅をもたらす油圧アクチュエータの運動を達成するべくソレノイド62及び64に送信される電気パルスの電圧が決定される。本実施形態では、振動の周波数が固定されているが、代替の実施形態では、その周波数は可変である。
ECUはその後、ステップ90において、工作機械のマスター制御部(「MCO」)をチェックして、機械の幅広い障害又は許容不可能な操作状態(例えば、ショベルの積載量が所望の強度の安全な振動を行うには重すぎること)が存在しないことを確認する。障害が示されない(すなわちMCOが起動しない)場合にのみ、ソレノイド62、64に電気パルスが送信される。
ショベル18を(92において)振動させるべく、第1電気信号がソレノイド62に送信される。ソレノイド62は、流体がポンプからシリンダ内のピストンの一端へ、振動の所望の振幅を達成する速度で流れることを許容する位置までバルブ60を動かす。所定長さの時間の後に、第1電気信号が終わってソレノイド62が閉じる。第2電気信号がその後、ソレノイド64に送信される。ソレノイド64は、流体がポンプからシリンダ内のピストンの他端へ流れることを許容する位置までバルブ60を動かす。所定長の時間の後に、電気信号が終わってソレノイド64が閉じる。ECUは、ジョイスティック52がニュートラル位置まで動かされ及び/又は起動ボタン46が押されるまで、ショベル18を振動させるべくソレノイドの開閉を続行する。
振動モードの間、ユーザは、ジョイスティック52をニュートラル位置に向かうように又はニュートラル位置から離れるように動かすことによって、振動の振幅を変えることができる。
記載の例では、位置決めモード及び振動モードは別個に機能する。しかしながら、代替の実施形態では、位置決めモード及び振動モードは同時に機能する。これは、ジョイスティック52上のさらなるスイッチ(図示せず)により、スイッチ46に3つの位置(オフ、振動専用、及び振動と位置決めとの組み合わせ)を備えさせることにより、又は自動的にプログラムすることにより起動することができる。この機構が有用な例は、一つの位置から他の位置まで穀物を移送する場合である。
穀物を移送するべくユーザは、ジョイスティック52を左方向に動かしてショベルを前方に傾動させ、及びジョイスティック52を前方向に動かしてショベル18を下に動かす。スクロールボタン74がその後使用されて、ショベル18が穀物の山の中に押し込まれ、又はその代わりに工作機械10が前方に駆動される。
ジョイスティック52がその後、右に動かされてショベルが後方に枢動される(押し寄せられる)。オプションとして、作業アームの所定の上昇と組み合わせられる。
ショベル18の中の穀物を、当該穀物を例えばトレーラまで移送する前に、当該ショベルからこぼれることがないように水平レベルにするべく、ショベル18を揺さぶることが望ましい。したがって、ユーザは、ジョイスティック52上の起動ボタン46を押し、記載されたように振動モードを起動する。しかしながら、ショベルは、穀物をショベル内に保持するべく直立位置にしておく必要がある。そのため、振動モードの間、ショベルは、振動している間に同時に直立位置に向かってさらに傾動もする。直立位置への傾動はゆっくりと行われる。ひとたび直立位置となって穀物が水平レベルになると、起動ボタン46を押すのをやめることにより又はジョイスティック52をニュートラル位置に戻すことにより、振動モードが解除される。
工作機械10は、他の様々なアプリケーションに使用することができる。例示のみであるが、これらは、凝集物のような材料をショベルから分散させること、梱包をばらばらにすること、家畜飼料固形物をばらばらにすること、又は束をばらばらにすることを含む。梱包、飼料固形物、又は束をばらばらにするには、可動部17の代わりに作業アーム16を直接振動させることが好ましい。
有利には、本発明は、電気油圧制御を使用する工作機械10のアタッチメントを振動する方法を与える。
さらに、工作機械10は、アタッチメント(例えばショベル18)を繰り返しかつ調整可能に振動させる方法も与える。すべての入力機能をジョイスティック52に与えることが意味するのは、ユーザが、ジョイスティックを握っている手を離す必要なしに容易に振動モードを起動できるということである。これにより、人間工学に基づく利点と、位置決めモード及び振動モードの操作を同時に行う能力との双方が得られる。
本体に対するショベルの位置変化速度を比例的に制御することと、振動をも比例的に制御することとにより、工作機械の使用の容易性が向上する。操作者が所望の振動強度を容易かつ繰り返し設定できるからである。
本発明が一以上の好ましい実施形態を参照して上述されてきたが、添付の特許請求の範囲に画定された本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形又は修正をなし得ることがわかる。
例えば、制御システム32は、代替タイプの工作機械に適用することができる。例えば、バックホー積込機(バックホー及び積込器作業アームの双方)、回転式掘削機、ショベルカー、ダンプカー(その傾斜機構は事実上作業アームである)、スキッドステア積込器、車輪付積込器等である。加えて、振動モードは、こうしたタイプの機械に設けられた補助油圧サービス部において、可動部に接続されかつ油圧アクチュエータを組み入れた所定のアタッチメント(例えば6イン1ショベル、グラブ等)に対して付加的な振動機能を与えるべく使用することができる。
さらに、油圧アクチュエータの動きを制御する代替の方法も使用される。例えば、ボタンとジョイスティックとの組み合わせの代わりに、強度を示すべく電位差計入力を使用することができる。
単数ジョイスティックに設けられる制御部の代わりに、複数ジョイスティックを使用し又は例えばダッシュボード上のダイヤルを使用することができる。代替の実施形態では、ジョイスティック上にジョグ/スクロールホイール又はミニジョイスティックが設けられる。スクロールホイール又はミニジョイスティックが振動入力部を与える。ジョイスティックは、2軸よりもむしろ一軸のみで動くことができる。
本実施形態では、振動の振幅は振動強度パラメータを使用して選択される。しかしながら、代替の実施形態では、振幅及び周波数は独立して可変である。さらに代替的に、振動を制御するべく、振幅基準の論理の代わりに時間基準の論理、又は時間及び振幅基準の論理を使用することもできる。
わかるように、ジョイスティック及び/又はスクロールボタンの例示的な動き方向を参照して作業アーム及び/若しくは可動部が動く方向並びに/又は作業アームの伸縮が記載されてきたが、代替の実施形態では、作業アーム及び/若しくは可動部の所与の動き方向並びに/又は作業アームの伸縮は、ジョイスティック及び/又はスクロールボタンの代替的な動き方向に対応する。例示的な実施形態が、作業アームの電気油圧作動に関連して記載されてきた。しかしながら、他の実施形態では、本発明は、電気リニアアクチュエータによって動かされる作業アームを有する工作機械に適用することもできる。