JP2014227613A - 保護カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】 防災頭巾を始めとしたこれに類する保護カバーについて携帯性の向上を図る。
【解決手段】 保護カバー1は、二枚のプラスチックフィルムを重ねて各部を熱溶着することにより内部が気密性を有するように形成され、外部から空気を注入するための空気注入口2と、空気注入口2と連通する空気流路3と、空気流路3と連通し、個別に独立した複数個のセグメント4と、セグメント4のそれぞれにおいて空気流路3と連通する箇所に設けられる逆止弁5と、セグメント4内の連通性を保ちつつ部分的に熱溶着された折曲部6と、を備え、空気の未封入状態においては扁平なシート状であり、セグメント4に空気を封入した封入状態においては前記折曲部6が折れ曲がることにより、人体の頭部を覆う立体形状となるプラスチックフィルム製の保護カバーである。
【選択図】 図1
【解決手段】 保護カバー1は、二枚のプラスチックフィルムを重ねて各部を熱溶着することにより内部が気密性を有するように形成され、外部から空気を注入するための空気注入口2と、空気注入口2と連通する空気流路3と、空気流路3と連通し、個別に独立した複数個のセグメント4と、セグメント4のそれぞれにおいて空気流路3と連通する箇所に設けられる逆止弁5と、セグメント4内の連通性を保ちつつ部分的に熱溶着された折曲部6と、を備え、空気の未封入状態においては扁平なシート状であり、セグメント4に空気を封入した封入状態においては前記折曲部6が折れ曲がることにより、人体の頭部を覆う立体形状となるプラスチックフィルム製の保護カバーである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、密閉された空気を利用した保護カバーに関する。
近年の防災意識の高まりにより様々な防災製品が開発されている。その中でも人体を保護するものについては、日常的に持ち歩き、常に身の回りに置くことで突発的な事態にあっても活用できるように、携帯性に優れることが普及のために重要である。
特許文献1に記載の発明は、高い衝撃吸収性、防護性、耐熱性を備え、さらに、携帯性にも優れた防災頭巾を提供することを課題とし、防災頭巾1は、中央部分で二つ折りされた折り曲げ部2aを有する長尺のアラミド繊維体で形成され、アラミド繊維体の長手方向両端部のうち、一端部を開閉自在な開放端2bとし、他端部を折り曲げ部2aから所定長縫着して閉鎖端2cとし、開放端2bを開いて形成される開口から頭部に装着される。防災頭巾1は、折り曲げ部2aを含み少なくとも頭頂部を保護する頭頂部保護部2と、頭頂部保護部2から両側に延設され少なくとも側頭部を保護する側頭部保護部3とを有し、頭頂部保護部2には、低反発ウレタンで構成されたクッション部材が設けられ、開放端2bを閉じた状態で、三つ折りに折り畳み可能とし、折り畳んだときの縦横のサイズがA4サイズと同程度である。
特許文献2に記載の発明は、トートバッグと防災頭巾の2形態の機能を合わせ持ち、より身近に常備し携帯出来るように工夫した新しい発想のトートバッグ兼用防災頭巾を提供することを課題とし、トートバッグ生地を二層に折り、生地を縦方向に間隔を開け、複数箇所を縫い合わせて複数のポケットを作成し、落下物より頭部を保護する衝撃吸収マットが収納し、更に、2側面にファスナー1を設け、バッグ型にした中央部に手提げ紐兼顎紐4を縫合により取り付け、前記手提げ紐兼顎紐4の一部は着脱可能とし、又、吊り下げロープ2をバッグ下側の角部に縫合により取り付け、又、集音の為の耳穴3はバッグ真ん中以外の縫合部に取り付け、更に笛と携帯ライトを取り付け可能なハトメによるホール又は輪にしたロープをトートバッグ手提げ紐兼顎紐縫合部裏面に設けたものである。
しかしながら、特許文献1に挙げる類のものは、防災頭巾としては新しい素材を活用すると言えども、その構造上、厚みが制限されてしまい、耐衝撃性と携帯性の両立には限りがある。また、特許文献2に記載のものは、それ自体がバッグとなるもので、持ち運び自体は合理的であるが、そのようなものは画一化されたデザインとなり、誰もが気軽に持てるとは言い難かった。
そこで本発明は、防災頭巾を始めとしたこれに類する保護カバーについて、携帯性を向上させることを課題とする。また特に衝撃吸収性の確保手段を見直し、耐衝撃性と携帯性との両立を向上させることを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明は、二枚のプラスチックフィルムを重ねて各部を熱溶着することにより内部が気密性を有するように形成され、外部から空気を注入するための空気注入口と、該空気注入口と連通する空気流路と、該空気流路と連通し、個別に独立した複数個のセグメントと、該セグメントのそれぞれにおいて前記空気流路と連通する箇所に設けられる逆止弁と、前記セグメント内の連通性を保ちつつ部分的に熱溶着された折曲部と、を備え、空気の未封入状態においては扁平なシート状であり、前記セグメントに空気を封入した封入状態においては前記折曲部が折れ曲がることにより立体形状となるプラスチックフィルム製の保護カバーである。
本発明では、前記封入状態において、人体の頭部を覆う立体形状とすることができる。
また本発明では、前記封入状態において、ジャケット状の立体形状とすることができる。
本発明による保護カバーは、人体の頭部、胴部の他、肘、膝、その他の部分を保護する人体保護具として用いることができる。また、本発明による保護カバーは、梱包材として用いたり、特定の物品の保護具として用いたりすることもできる。
前記セグメントの各々が直線状に形成され、一端が前記空気流路と連通し、他端が前記空気流路から離間する方向に延設され、それぞれが平行して設けられることが好ましい。
前記空気注入口は、外部から前記セグメント内に空気を送り込み封入するためのものであって、空気注入後は密封できるものである。
前記逆止弁は前記セグメント内に送り込まれた空気の逆流を防ぐためのものであって、これにより、前記空気注入口および前記空気流路を共有しつつ、空気の封入状態にあっては前記セグメントのそれぞれが独立した気密状態におかれることとなる。前記逆止弁は、空気の封入後は前記セグメントを不可逆的に密閉するものであってもよいし、空気の封入状態の後、空気を抜いて再利用可能なものであってもよい。
前記折曲部は、複数の前記セグメントを横断して連続的に設けられることが好ましい。空気が充満した他の部分よりも折曲部が相対的に薄肉となり、これに沿って本発明の保護カバーが撓み、設定した形状が形づくられることとなる。
前記封入状態において、人体の頭部を覆う立体形状とする場合にあっては、頭部から両肩部までそれぞれ連続して形成されることが望ましい。このとき、頭部と両肩部の間には前記折曲部を設けることが好ましい。
本発明による保護カバーは、未封入状態においては扁平なシート状であるため、携帯に便宜である一方、簡易に空気を封入することができ、この封入状態においては密閉された空気のクッション効果を得て種々の保護効果を得ることができる。例えば、前記折曲部を適宜配置して任意の立体形状とし、対象とする荷の形状に合わせた梱包資材としたり、下記のように人体の保護具とすることができる。
本発明の保護カバーを人体の頭部を覆う立体形状とする場合にあっては、小さく折り畳んで携帯し、地震や台風等の非常時にあっては頭部を保護することができる。
本発明の保護カバーをジャケット状の立体形状とする場合にあっては、小さく折り畳んで携帯し、水際のレジャーにおいて簡易のライフジャケットとすることができる。
本発明の実施例1による保護カバー1について図1〜図7を参照して以下に説明する。保護カバー1は、二枚のプラスチックフィルムを重ねて各部を熱溶着することにより内部が気密性を有するように形成され、外部から空気を注入するための空気注入口2と、空気注入口2と連通する空気流路3と、空気流路3と連通し、個別に独立した複数個のセグメント4と、セグメント4のそれぞれにおいて空気流路3と連通する箇所に設けられる逆止弁5と、セグメント4内の連通性を保ちつつ部分的に熱溶着された折曲部6と、を備え、空気の未封入状態においては扁平なシート状であり、セグメント4に空気を封入した封入状態においては前記折曲部6が折れ曲がることにより、人体の頭部を覆う立体形状となるプラスチックフィルム製の保護カバーである。以下、各部について説明する。
保護カバー1は、対応する大きさの二枚のプラスチックフィルムを重ねて、所定の部分を熱溶着することにより、空気流路3、セグメント4、折曲部6を形成し、適宜内部を区切って設けられるものである。本実施例では、ポリエチレン(LLPPE)、ナイロン、ポリエチレン(LLPPE)の順に積層したフィルムを用い、熱加工性と強度の両立を図っている。材料とするプラスチックフィルムとしては、これに限られず、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン(LLPPE)の順に積層したものや単層のものを用いることもできる。熱溶着する面には熱加工性に優れるポリエチレンを用いることが好適であるが、その他の樹脂を用いることもできる。また例えば、気密性のあるこれらのフィルムの外側に難燃布を貼着したり、さらにその外側にアルミフィルムを蒸着したりして、難燃性を向上させてもよい。
空気注入口2は、外部からセグメント4内に空気を送り込み封入するための逆止弁構造を持つバルブであって、空気注入後は内部を密封できるものである(図6参照)。具体的には、空気注入口の内側においてシールを貼り、未使用状態においてはセパレータ(図示略)で区切っている。その他、ストローを差して空気を送り込み、これを引き抜くことで逆止弁となるように構成されてもよい。
空気流路3は、空気注入口2とセグメント4との間においてこれらと連通し、空気注入口2から送り込まれた空気を各セグメント4に通すためのものである。空気注入口2および空気流路3は、一つの保護カバーに対して、一つないし複数個設けることができる。一つの空気流路3に対しては複数個のセグメント4が接続される。
セグメント4は、保護カバー1の全面に亘って複数個が平行して設けられる空気チャンバーである。それぞれのセグメント4は二枚のプラスチックフィルムの熱溶着によって形成され、個別に気密が保たれる。セグメント4のそれぞれは空気流路3と連通し、空気流路3と離間する方向に延設される。複数個のセグメント4は、直線状に設けることに限られず、例えば曲線状に設けることができる。
逆止弁5は、複数のセグメント4のそれぞれにおいて空気流路3と連通する箇所に設けられ、セグメント4内に送り込まれた空気の逆流を防ぐためのものであって、筒状のプラスチックフィルムが押し畳まれて扁平となったフィルム製のフラットバルブである。逆止弁5は空気流路3とセグメント4とにまたがって設けられ、二枚のプラスチックフィルムと一体的に熱溶着される。これにより、空気注入口2および空気流路3を共有しつつ、空気の封入状態にあってはセグメント4のそれぞれが独立した気密状態におかれることとなる。逆止弁5は、空気の封入後はセグメント4を不可逆的に密閉するものであってもよいし、空気の封入状態の後、空気を抜いて再利用可能なものであってもよい。
折曲部6は、図6に示す通り、各セグメント4内において部分的に熱溶着された部分であり、複数のセグメント4を横断して連続的に設けられる。それぞれのセグメント4内において折曲部6の隣には空気が自由に行き来できる連通部61が設けられる。セグメント4内に空気を封入した状態にあっては、空気が充満した部分と比較して折曲部6は可撓性が高くなるため、折曲部6を適宜配置することによって、保護カバー1に任意の立体形状を設定することができる。本実施例1では図1〜図4に示す通り、防災頭巾の形状にしているが、その他の形状とすることもできる。
保護カバー1は人体の頭部を覆う立体形状となる他、図1,図2,図5に示す通り、顎紐7が設けられている。顎紐7は保護カバー1に一体的に形成される左右の帯71a,71bの先に設けられた雄ボタン72と雌ボタン73との係脱により着用状態と非着用状態とをとる。
本発明実施例による保護カバー1の使用について説明する。保護カバー1は空気の未封入状態(図5参照)においては適宜折り畳み、図7に示すように収納袋8に入れてコンパクトに収納することができる。保護カバー1を使用する際には、収納袋8から保護カバー1を出し、セパレータ(図示略)を剥がして空気注入口2から空気を送り込む。空気は息を吹き込むことによってもよいし、ハンドポンプやフットポンプ等の簡易的な道具を用いることもできる。保護カバー1に空気を封入したら、頭部に着用し、適宜、顎紐7を締めて使用する。
本発明実施例による保護カバー1の効果について説明する。保護カバー1は、折曲部6を有することにより、空気の封入状態においてこの部分に沿って屈曲して人体の頭部を覆うような立体形状となり、密閉された空気のクッション効果を得て、軽量な落下物から頭を防護する防災頭巾として使用できる。一方、空気の未封入状態においては扁平なシート状であるため、これを畳んで収納袋8に入れることでコンパクトに収納できるため(図7参照)、携帯性に優れ、日常的に持ち運ぶことが容易となり、地震や台風の非常時に使用することが可能となる。
空気流路3と各セグメント4との連通箇所に逆止弁5を設けることにより、それぞれのセグメント4は独立した気密状態に置かれることとなり、一つのセグメント4が破損して内部空気を流出してしまったとしても、他のセグメント4の空気の封入状態は保たれ、防災頭巾として使用する保護カバー1の安全度を高めることに寄与する。
保護カバー1を形成するプラスチックフィルムの材料として、アルミ蒸着フィルム等の防炎材料を使用すれば、保護カバー1は火事等の災害においても好適に用いることが可能となる。
本発明の実施例2による保護カバー201について図8を参照して説明する。各構成に付す符合は実施例1におけるものの200番台とし、実施例1と共通する点についてはこれを援用し、説明を省略する。実施例2の保護カバー201は、実施例1の保護カバー1と同様に構成されるが、図8に示す通り、ジャケット状の立体形状となるように形成されたものである。図8は保護カバー201に空気を封入していない状態である。
実施例2の保護カバー201は、小さく折り畳んで携帯できるライフジャケットとすることができる。空気を封入して釣りや水遊びに用いたり、また空気の断熱性能を利用した防寒具として用いたりすることができる。この際、保護カバー201を形成するプラスチックフィルムとしてアルミ蒸着フィルムを用いると断熱性能が向上してより好適に用いることができる。
本発明の実施例3による保護カバー301について図9を参照して説明する。各構成に付す符合は実施例2におけるものの300番台とし、実施例2と共通する点についてはこれを援用し、説明を省略する。実施例3の保護カバー301は、実施例2の保護カバー201と同様に構成されるが、図9に示す通り、上から被って着用する形状のジャケットである。
保護カバー301は着用時において腹側に位置する前面312と、背側に位置する後面313とからなり、これらは簡略的な形状から構成されるため、実施例2よりも安価に製造することができる。両側部にはゴムバンド307が縫製されて固着されており、着用状態におけるジャケット形状を保持できる。後面313の方を前面312よりも長くし、保護カバー301によって身体を覆う面積を広くして保温性能の向上を図っている。前面312と後面313とはそれぞれ別々の空気注入口302および空気流路303を備え、セグメント304も前面312と後面313とで独立している。腹側の浮力をより大きくするため、前面312のセグメント304を後面313のセグメント304よりも太くすると好適である。
なお本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
Claims (3)
- 外部から空気を注入するための空気注入口と、
該空気注入口と連通し、熱溶着により気密性を有する空気流路と、
該空気流路と連通し、熱溶着により個別に独立した気密性を有する複数個のセグメントと、
該セグメントのそれぞれにおいて前記空気流路と連通する箇所に設けられる逆止弁と、
前記セグメント内の連通性を保ちつつ部分的に熱溶着された折曲部と、を備え、
空気の未封入状態においては扁平なシート状であり、
前記セグメントに空気を封入した封入状態においては前記折曲部が折れ曲がることにより立体形状となるプラスチックフィルム製の保護カバー。 - 前記封入状態において、人体の頭部を覆う立体形状となる請求項1の保護カバー。
- 前記封入状態において、ジャケット状の立体形状となる請求項1の保護カバー。
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