JP2014227582A - 塊成化状高炉用原料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属鉄を含む粉粒状物質を冷間で圧縮塊成化した塊成化物に、水浸処理および静置処理を施すことにより、高強度を発現させることができる塊成化状高炉用原料の製造方法を提供する。【解決手段】鉄分の総含有率が50.0質量%以上で、かつ金属鉄含有率が30.0質量%以上の金属鉄含有粉粒状物質2を、水分が0.5〜11.0質量%となるように調湿した後、ダブルロール型ブリケット成型機11に供給し、常温で圧縮塊成化して、体積2.0〜10.0cm3の還元鉄ブリケット6とし、この還元鉄ブリケットに水浸処理を施した後、温度313〜353Kでかつ相対湿度70%以上の雰囲気で一次静置処理を行い、その後、373〜473Kの雰囲気で二次静置処理する。安全上取り扱いが困難なスクラップ粉等の鉄含有微粉も、粉粒状物質に混合して安全に使用できる。【選択図】図2

Description

本発明は、金属鉄を含む粉粒状還元鉄を冷間で圧縮成型し、高炉用原料として利用できる高い強度を有する塊成化物とする塊成化状高炉用原料の製造方法に関する。
現在、鉄の多くは、高炉法により生産されている。高炉法では、鉄鉱石が還元材により還元される。高炉に投入する原料には、一定レベル以上の強度を保ち、炉内通気性を確保できる粒度を有することが要求される。そのため、還元材として使用する炭材は、強粘結炭を多く配合して乾留したコークスに依存し、鉄原料は、塊状化された焼結鉱に多くを依存している。そのため、コークス製造設備、焼結設備等の高炉以外の付帯設備を設置する必要があり、設備コストが高い。
また、高炉原料には高い品質が要求されるため、原料コストも高い。近年、原料の枯渇化が進んでおり、劣質原料を活用することも大きな課題となっている。さらに、高炉の内部では、酸化物である鉄鉱石を還元するために、膨大なエネルギーおよび炭材を消費している。その結果、日本における炭酸ガス排出量の15〜20%を鉄鋼業が占めている。
こうした中、比較的安価な粉鉱石や製鉄ダスト等を、天然ガスを改質した還元ガス(CO+H2)や、石炭および炭素含有ダスト等を還元材として還元処理し、製造された還元鉄を高炉用原料として利用することで、高炉での還元材比の低減、炭酸ガス排出量の削減および資源枯渇への対応を図ることが検討されている。
しかし、還元鉄製造プロセスで生産された還元鉄は、非常に多孔質で強度的に脆いという性状を有する。したがって、粉化しやすく、そのままの状態で高炉利用することは困難である。このため、還元鉄をブリケット化することが行われている。例えば、特許文献1および特許文献2には、還元鉄ブリケットの製造方法が開示されている。また、特許文献3には、炭酸ガス排出量の削減および資源枯渇への対応を図るという観点から、金属化を過度に行わず、適正化してトータルエネルギーを低下させる還元鉱石の高炉使用方法が提案されている。
還元鉄のブリケット化方法としては、還元炉から排出された還元鉄を高温のまま熱間成型する方法と、冷却後、常温で成型する方法が従来から知られている。この両者を比べた場合、還元鉄を高密度に圧縮成型して強度の高いブリケットを製造する観点から、還元鉄の熱可塑性に優れる熱間成型が有利であり、一般的に行われている。しかし、熱間成型においては、問題も多数ある。
例えば、前掲の特許文献1および特許文献2には、シャフト炉や回転炉床式還元炉の内部で酸化鉄と炭素を混合した成型体を還元し、得られた873K以上の還元鉄をブリケット成型機に供給し、所定寸法、形状のブリケットに加圧成型する還元鉄ブリケットの製造方法が記載されている。
この方法では、温度が高いままの還元鉄をブリケット成型機に供給するため、ブリケット成型機のロールの耐熱性向上や、操業中における成型機のロールの冷却が必要となる。また、ブリケット成型機に供給する還元鉄の温度制御も必要である。還元鉄の温度が873K未満ではブリケットの強度が著しく低下するからである。
また、還元鉄の温度が高くなりすぎるとブリケット成型機の故障の原因となる。例えば、ブリケット成型機のロールに供給される還元鉄の温度が高すぎると、ロール表面が軟化し、成型用ロールとしての機能を果たさなくなる。また、熱衝撃によりロールが損傷することもある。そのため、ロールの素材として耐熱性を有する高価な特殊鋼を用いることが多く、経済的ではない。
ロールの耐久性向上の観点からは、ブリケット成型機を間欠運転することが望まれる。しかし、熱間成型では、還元炉から排出された還元鉄を、高い温度のままブリケット成型機に供給することが必須であり、ブリケット成型機が停機した場合は、停機中に還元炉から排出された粉粒状還元鉄の温度を保持しておく必要がある。そのため、ブリケット成型機の停機時間が長くなる場合は、還元炉の操業を停止することも余儀なくされる。すなわち、還元炉とブリケット成型機の運転は、連動させることが必須となる。
一方、冷間成型は、熱間成型と比べて設備がシンプルで、運転は簡単である。供給される還元鉄は常温であるため、熱間成型のように還元炉から排出された還元鉄を高温に保持する必要はない。還元炉で生成した還元鉄は、ヤード等に一時保管して使用することも可能である。すなわち、還元炉とブリケット成型機の運転は、必ずしも連動させる必要はない。
また、還元炉内で還元しなくても金属鉄を多く含む粉粒状品もある。例えば、鉄鋼材料を研磨する際に発生するスクラップ粉等がある。あるいは、還元鉄をブリケット化した際に成型されない状態で排出された還元鉄粉や、熱間成型されたホットブリケットアイアン(HBI)等の輸送中または搬送中に発生した粉もある。冷間成型であれば、これら金属鉄を含む粉を、昇温することなくブリケット化できるという利点がある。
しかし、冷間成型では、高炉用原料として利用できるような高強度ブリケットを製造することは極めて困難である。
特許文献4では、金属鉄含有粉粒状物質を、冷間で塊成化した還元鉄ブリケットの強度発現方法として、水浸処理と静置処理を行うことが提案されている。冷間で製造したブリケットに水浸処理を行った後、常温で静置処理することにより、ブリケット1個当たりの圧壊強度は、徐々に増加し、168時間で約1400Nに到達する。しかし、静置処理に168時間を要するということは、そのための広いスペースが必要であるということを意味しており、製造されるブリケットの量が多くなれば、その面積は広大なものとなる。高炉でブリケットを大量使用することを前提とするならば、静置処理時間は7時間以内とすることが実用上必要であるといえる。
特許文献4に記載の方法では、静置処理を常温より高い温度で行うことにより、短時間で強度を発現させ得ることも示されている。例えば、333Kまたは373Kの加熱雰囲気で3時間の静置処理(実質的には、乾燥処理)を行ったブリケット1個当たりの圧壊強度は、常温で3時間の静置処理を行った場合の凡そ250Nに比べて、550Nに増加している。
しかし、大量のブリケットを高炉で使用することを想定した場合、550Nは十分な圧壊強度とは言い難い。高炉での還元材比の低減、炭酸ガス排出量の抑制、生産性の向上、さらには資源枯渇への対応という観点から、顕著な効果を奏するためには、溶銑1トンの製造に対して100kg以上(100kg/p−t)の還元鉄ブリケットを高炉に投入する必要がある。このように大量の還元鉄ブリケットを高炉で利用するのであれば、ブリケット1個当たりの圧壊強度は1500N以上とすることが必須であるといえる。
特許5059379号公報 特開2000−204419号公報 特開平8−253801号公報 特開2011−63835号公報
橋本早瀬、村上太一、葛西栄輝、佐藤弘孝:Camp−ISIJ、vol.25(2012)、p.279
前述のように、比較的安価な粉鉱石や製鉄ダスト等を還元処理して得られる還元鉄を高炉原料として利用するために、ブリケット化することが行われている。ブリケット化方法としては、還元鉄を熱間成型する方法と、冷間成型する方法が知られており、それぞれ利点を有している一方で、いずれの方法においても改善すべき多くの課題が存在している。
その中で、熱間成型と比べて設備がシンプルで、運転が簡単であること、強度の大きい塊成化物が得られやすいダブルロール型ブリケット成型機に熱負荷をかけずに利用できること、還元炉とブリケット成型機の運転を連動させる必要がないこと、還元炉やその他の炉で加熱しなくても金属鉄を多く含む粉粒状品(還元鉄粉、スクラップ粉等)をブリケット化できることなど、多くの利点がある冷間成型により、前記粉鉱石や製鉄ダスト等の還元鉄をブリケット化することとした。
その場合、高炉用原料として利用できる高強度ブリケットを得ることが不可欠であるが、前掲の特許文献4で提案されている、冷間で塊成化したブリケットに対して行う水浸処理および静置処理を活用し、特に静置処理の条件を最適化することにより対応できると考えられる。
本発明は、金属鉄を含む粉粒状物質を冷間で圧縮塊成化した塊成化物に、水浸処理および静置処理を施すことにより、高強度を発現させること、特に、大量のブリケットの高炉での使用を前提として、ブリケット1個当たりの圧壊強度が1500N/塊以上のブリケットを7時間以内の静置処理により製造することができる塊成化状高炉用原料の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、塊成化装置としてダブルロール型ブリケット成型機を使用することとし、水浸・静置処理方法について条件を変更した種々の試験を行って塊成化ならびに水浸・静置処理の最適条件を見出し、本発明をなすに至った。
本発明は、下記の塊成化状高炉用原料の製造方法を要旨とする。
すなわち、乾ベースで、鉄分の総含有率が50.0質量%以上で、かつ金属鉄含有率が30.0質量%以上の金属鉄含有粉粒状物質を、水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、ダブルロール型ブリケット成型機に供給し、常温で圧縮塊成化して、体積2.0cm3以上10.0cm3以下の塊成化物とし、該塊成化物と未成型のまま排出された還元鉄粉を篩い分級した後、該塊成化物に水浸処理を施し、次いで、温度313K以上353K以下でかつ相対湿度70%以上の雰囲気で一次静置処理を行い、さらに、373K以上473K以下の雰囲気で二次静置処理することを特徴とする塊成化状高炉用原料の製造方法である。
本発明においては、一次静置処理を施す時間を2.4時間以上5時間以下、二次静置処理を0.8時間以上2時間以下とする実施の形態を採ることが望ましい。
本発明(実施形態を含む。なお、以下において、本発明とは、いずれもその実施形態を含むものである)においては、塊成化物の圧縮方向最大厚みを、10.0mm以上15.0mm以下とすることが望ましい。
本発明においては、金属鉄含有粉粒状物質は、予め鉄含有微粉が混合されたものであり、含有する水分が1質量%以下で、かつ粒度0.25mm以下の粉粒が10質量%以上50質量%以下であることとする実施の形態をとることができる。なお、ここでいう「鉄含有微粉」とは、前記の金属鉄を多く含むスクラップ粉や、還元鉄粉などのうち特に微粉が多く含まれるものをいう。
本発明においては、上記の予め鉄含有微粉が混合された金属鉄含有粉粒状物質を得るに際して、金属鉄含有粉粒状物質と鉄含有微粉を、不活性ガスを流通させながら混合し、さらに、水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、ダブルロール型ブリケット成型機に供給する実施の形態をとることが望ましい。
本発明においては、前記ダブルロール型ブリケット成型機に供給する金属鉄含有粉粒状物質の水分が8.0質量%以上11.0質量%以下になるように調湿する実施の形態をとることが望ましい。
本発明においては、前記ダブルロール型ブリケット成型機により塊成化された塊成化物と未成型のまま排出された還元鉄粉を篩い分級するための装置として、外周部に篩い上品と篩い下品を分級するための網が張られ、両端の中心を軸として一定速度で回転する円筒部を具備する篩い分級装置を使用する実施の形態をとることが望ましい。
前記の「金属鉄含有粉粒状物質」とは、粉鉱石や製鉄ダスト等を還元ガス、石炭等の還元材で還元した粉状または粒状の物質、さらには、これら粉粒状物質に、還元炉内での還元処理を施していない金属鉄を多く含む粉状または粒状の物質や(例えば、鉄鋼材料の研磨時に発生するスクラップ粉等)、ブリケット化の際に未成型で排出された還元鉄粉などを混合した粉状または粒状の物質をいう。また、金属鉄含有粉粒状物質は、亜鉛を比較的多量に含有する粉粒状の鉄系廃材(ダスト、スラッジ等)に炭材を混合して還元焙焼を行って得られた還元鉄を混合したものであってもよい。これについては、後に詳述する。なお、「金属鉄含有粉粒状物質」は、粉鉱石や製鉄ダスト等を還元した粉粒状物質が主体となるので、以下において、「粉粒状還元鉄」とも記す。
前記の「粒度0.25mm以下」とは、篩目の大きさが0.25mmの篩で篩い分けたときの篩い下を指す。「−0.25mm」、「0.25mm篩い下」とも表示する。また、例えば「粒度1〜2.8mm」とは、篩目の大きさが1mmの篩で篩い分けたときの篩い上であって、2.8mmの篩で篩い分けたときの篩い下をいう。
本発明によれば、ダブルロール型ブリケット成型機を使用する冷間成型により、高炉用原料として利用できる高い強度を有するブリケットを、比較的短時間の処理で効率よく製造することができる。ブリケット1個当たりの圧壊強度が1500N/塊以上の高強度を発現させ得るので、高炉での大量のブリケットの使用が可能である。
また、本発明によれば、金属鉄を多く含むスクラップ粉等、安全上取り扱いが困難な鉄含有微粉も、粉粒状還元鉄に混合するだけでブリケット化原料として使用することができるなど、ブリケット化原料の対象を大きく拡大させることが可能である。
ダブルロール型ブリケット成型機の要部の構例成を模式的に示す断面図である。 本発明の塊成化状高炉用原料の製造方法の概略プロセスを例示する図である。 ブリケット化後の静置処理に好適な装置の要部の概略構成例を示す図である。 ブリケット化後の一次静置処理温度と圧壊強度の関係を示す図である。 ブリケット化後の静置処理における総処理時間(一次静置処理時間+二次静置処理時間)と圧壊強度の関係を示す図である。 トロンメル型篩い分級装置の一例の要部の構成を模式的に示す図である。
本発明は、前記のとおり、乾ベースで、鉄分の総含有率が50.0質量%以上で、かつ金属鉄含有率が30.0質量%以上の金属鉄含有粉粒状物質を、水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、ダブルロール型ブリケット成型機に供給し、常温で圧縮塊成化して、体積2.0cm3以上10.0cm3以下の塊成化物とし、該塊成化物と未成型のまま排出された還元鉄粉を篩い分級した後、該塊成化物に水浸処理を施し、その後、温度313K以上353K以下でかつ相対湿度70%以上の雰囲気で一次静置処理を行い、さらに、373K以上473K以下の雰囲気で二次静置処理する塊成化状高炉用原料の製造方法である。
本発明において、ダブルロール型ブリケット成型機を使用するのは、ダブルロール型ブリケット成型機が、単純に、一方向から荷重をかけるタブレッテイング式圧縮造粒等と比較して、強度の大きい塊成化物が得やすいからである。また、ダブルロール型ブリケット成型機は、簡便であり、経済性の観点からも優れている。
図1は、ダブルロール型ブリケット成型機の要部の構成例を模式的に示す断面図である。同図に示すように、ダブルロール型ブリケット成型機は、2つの円筒型のロール4が水平に隣接して配設された構造を有する。2つのロール4のうち、同図中の左側の成型ロールは時計方向に、また、右側の成型ロールは反時計方向に回転し、双方のロールの外周表面にはポケット5と称する穴(凹部)が多数存在する。このポケット5は、双方のロール間において周面上で同期するように配置されている。
双方のロール4が隣接する部位の上方には原料供給ホッパー1が設置されており、そのホッパー1からブリケット化原料である粉粒状還元鉄2が供給される。ロール間に供給された粉粒状還元鉄2は、ポケット5に入り込み、ポケット5表面との摩擦力によって強いせん断力を受けながら圧縮される。ポケット5の内部では、還元鉄粒子が互いに滑り、位置を変えて空隙を埋め、絡み合って緻密な構造の還元鉄ブリケット6aとなる。そのため、強度の大きい塊成化物が得られやすい。
また、図1に示すポケット5の深さhは4mm以上6mm以下、ロールクリアランスtは0.5mm以上2mm以下とし、製造されるブリケットの圧縮方向厚さaが10.0mm以上15.0mm以下となるようにする。ブリケット1個当たりの体積は、2.0cm3以上10.0cm3以下となるように、ポケット5のサイズを決定する。
ポケット5からの剥離性を向上させる観点から、ロール直径Dに対するポケット5の円周方向長さLの比率(=L/D)を0.03以上0.1以下とすることが有効であり、L/Dを大きくすることによって還元鉄ブリケット6aのポケット5からの剥離性が向上する。
L/Dが小さく、剥離性が悪化すると、回収されるブリケットが半割れ化し、強度の大きいブリケットが得られにくくなる。逆にL/Dを0.1よりも大きくした場合も、ブリケット強度は低下する。双方のロール4の回転運動において、周面上で同期したポケット5は完全に閉じることはない。ポケット5の上部が閉じた際、ポケット5の下側は開いた状態となる。L/Dが大きくなると、下側の開きが大きくなる。この開きが大きくなりすぎると、ロール回転にともなう上方からの垂直力によってブリケットは下方に向かって滑りやすくなり、ロール4から十分な圧縮を受けないまま排出されてしまう。
粉粒状還元鉄2は、単に、自然落下によりロール間に供給されるのではなく、原料供給ホッパー1内に設置されたスクリュー3によって強制的にポケット5の内部に押し込まれることにより、高い充填密度を有する強度の大きい還元鉄ブリケット6aとなる。
このダブルロール型ブリケット成型機に供給する金属鉄含有粉粒状物質における鉄分の総含有率(T.Fe)を50.0質量%以上、かつ金属鉄含有率を30.0質量%以上(いずれも、乾ベース)とするのは、以下の理由による。
T.Feを50.0質量%以上とするのは、スラグ成分を低く抑えて、高炉での鉄生産を効率的に行うためである。65.0質量%以上とすることが望ましい。但し、T.Feを90質量%よりも高くするためには、高純度の鉱石を原料とし、しかも還元処理の際、金属化率を高くしなければならず、原料コストおよび製造コストが高くなる。したがって、T.Feは90質量%以下とすることが現実的である。
金属鉄含有粉粒状物質に含まれる金属鉄含有率を30.0質量%以上とするのは、強度の大きい還元鉄ブリケットを製造するためである。金属鉄含有粉粒状物質は、圧縮成型することにより、金属鉄が圧着接合されブリケットとなる。すなわち、金属鉄含有粉粒状物質に含まれる金属鉄がバインダーとなっており、金属鉄の含有率が大きい程、強度の大きい還元鉄ブリケットを製造することができる。金属鉄の含有率が30.0質量%以上であれば、強度が十分に大きいブリケットを得ることができる。
金属鉄含有粉粒状物質としては、平均組成で亜鉛成分(ZnO)をZnに換算して1.0質量%以上10.0質量%以下含有する粉粒状の鉄系廃材(ダスト、スラッジ等)に炭材を混合した後、還元焙焼を行って得られた還元鉄を用いることも可能である。鉄系廃材から還元鉄を製造することによって、より安価な原料を高炉に供給することが可能となる。また、鉄系廃材の最終処分量の低減という観点からも有効である。特に、亜鉛成分を含む鉄系廃材は発生量が多く、高炉原料としての利用効果は大きい。
但し、高炉に装入する還元鉄ブリケット中の亜鉛成分含有率が高くなると、高炉操業上の問題が発生する。したがって、1.0質量%以上の亜鉛を含む鉄系廃材から還元鉄を製造する場合、還元焙焼処理を行って、下記(1)式の反応を進行させ、鉄系廃材からの脱亜鉛反応を促進させる。
ZnO(固体)+CO(気体)→Zn(気体)+CO2(気体) (1)
亜鉛を含む鉄系廃材の還元焙焼処理装置としては、既存設備としてロータリキルン炉、ロータリハース炉等があげられる。(1)式の反応を促進するためには、COとZnOとの接触面積を十分に確保することが重要であるが、ロータリキルン炉では円筒状の炉を回転させて原料を攪拌するので、接触面積を大きくすることができる。
ダブルロール型ブリケット成型機に供給する前に、金属鉄含有粉粒状物質の水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿するのは、ブリケット成型時における金属鉄含有粉粒状物質の潤滑性を向上させるためである。この範囲に調湿することにより、ブリケット化する際、金属鉄含有粉粒状物質がロールのポケット内部で互いに滑り、位置を変えて空隙を埋めやすくなり(すなわち、潤滑性が向上し)、強度が大きいブリケットが得られやすくなる。
顕著な潤滑性向上効果を得るためには、金属鉄含有粉粒状物質の水分含有率を、ある程度高くすることが有効であり、0.5質量%以上とすることが必要である。但し、水分が高くなりすぎると、ブリケット成型機のロール外周表面のポケットの表面に粉粒状物質が付着するという問題が発生する。そのため、金属鉄含有粉粒状物質に含まれる水分の上限は11.0質量%とする。
前記調湿後の金属鉄含有粉粒状物質をダブルロール型ブリケット成型機に供給し、常温で圧縮して塊成化物(ブリケット)とする際の体積(ブリケット1個当たりの体積)は、2.0cm3以上10.0cm3以下とする。前記体積が2.0cm3未満の場合、ブリケット1個当たりの比表面積が大きくなり、高炉への搬送時の摩耗による粉化が著しくなる。逆に、前記体積が10.0cm3を超えると、ブリケット1個当たりの重量が大きくなるため、落下時の衝撃が大きくなり、ブリケットが壊れやすくなる。
上述の方法により製造した金属鉄含有粉粒状物質の塊成化物(ブリケット)に、水浸処理を施し、続いて、一次静置処理を行い、その後二次静置処理を行うのは、ブリケットの強度を高めるためである。
塊成化して得られたブリケットに、まず、水浸処理を施す。水浸処理とは、ブリケットの全表面を水に浸す(水を配置させる)ことを意味する。複数のブリケットがある場合は、各々のブリケットの全体が、水に浸っていて、ブリケット同士が接触している部分に水が配置されていればよい。この処理により、還元鉄ブリケットの開気孔に水が入り込む。
開気孔への吸水を促進させる観点から、ブリケットを深い容器に水浸させ、ブリケット周辺の水圧を高くすることも有効である。但し、水浸処理装置(水槽)の水深を深くしすぎると、水槽からのブリケット回収が容易でなくなるため、水浸処理されるブリケットの上端高さは、水槽の水面よりも100mm以上1000mm以下の低い位置とすることが適当である。
水浸処理では、非特許文献1に記載されているように、還元鉄ブリケットを食塩水に水浸することも強度発現促進の観点から可能である。しかし、塩素は設備腐食の原因となるので、水浸処理した際、還元鉄ブリケットに付着した食塩、さらには、食塩に付随して他の塩化物が添加されるときはその塩化物が、高炉に持ち込まれると、設備腐食の原因となる。したがって、水浸処理に使用される水に含まれる塩素の濃度は、可能な限り薄くすべきである。仮に、塩素濃度が高い食塩水で水浸処理し、静置処理により還元鉄ブリケットの強度を発現させた場合は、還元鉄ブリケットを水洗いして、還元鉄ブリケットに付着した食塩、塩化物をできる限り除去してから高炉に投入すべきである。
水浸処理の条件は特に規定しない。ブリケットの全表面に水を配置させてブリケットの開気孔に水を入り込ませればよく、例えば、後述する実施例で行ったように、常温の水を張った容器に10〜60秒間沈める程度の処理を行えばよい。
続いて、一次静置処理を行う。「一次静置処理」とは、水浸処理後、静置処理の初期において行う静置処理を指す。
水浸処理したブリケットの静置処理過程では、まず(2)式にしたがい、開気孔近傍の金属鉄が水酸化第一鉄(Fe(OH)2)へと変化する。さらに酸化が進むと、水酸化第一鉄は(3)式に従い水酸化第二鉄(2Fe(OH)3)となる。最終的には、(4)式に従い、水酸化第二鉄から水がとれ、ブリケット内の金属鉄粒子間にオキシ水酸化鉄(FeOOH)が生成する。オキシ水酸化鉄を介して、開気孔近傍の金属鉄粒子同士が、化学的に結合し、強度を発現する。
Fe+H2O+1/2O2→Fe(OH)2 (2)
2Fe(OH)2+H2O+1/2O2→2Fe(OH)3 (3)
Fe(OH)3→FeOOH+H2O (4)
上記(2)式および(3)式に示す反応は、開気孔に吸水された水に溶存した酸素の金属鉄表面への拡散によって律速される。酸素の拡散を促進するためには温度を高くすることが有効である。しかし、温度が高くなりすぎた場合、開気孔に吸水された水(H2O)は急速に蒸発し、(2)式および(3)式に示す反応への寄与率は小さくなる。
そのため、静置処理の初期(すなわち、一次静置処理)においては、雰囲気温度を適正範囲(313K以上353K以下)に保持し、相対湿度を高め(70%以上)に維持して、水の蒸発を抑制しつつ、上記(2)式および(3)式に示す反応を進行させることが必要になる。一次静置処理が313K未満では(2)式および(3)式の反応が促進されにくく、353Kを超えるとブリケットの開気孔に吸水された水が急速に蒸発して(2)式および(3)式の反応が進行しにくくなる。また、相対湿度が70%未満では水の蒸発が起こりやすくなる。
一次静置処理時間は特に規定しない。ブリケットの開気孔に吸水された水と溶存酸素による上記(2)式および(3)式の反応に要する時間は、あらかじめ経験的に把握しておくことにより予測できるからである。
その後、373K以上473K以下の雰囲気で二次静置処理を行う。「二次静置処理」とは、一次静置処理の後に行う静置処理である。
ブリケットの静置処理過程では、前述のように、最終的には前記(4)式の反応が進行して、水酸化第二鉄(Fe(OH)3)から水が排除され、オキシ水酸化鉄(FeOOH)が生成して、ブリケットの強度が発現する。
二次静置処理の温度を373K以上とするのは、この(4)式の反応がブリケットを373K以上の雰囲気で静置することにより促進されるからである。一方、二次静置処理温度の上限を473Kとするのは、この温度を超えて処理温度を高めても、(4)式の反応促進への寄与がそれほど大きくはならないからである。
この規定は、後述するように、静置処理を行うための好適な装置(図3)を使用する場合においても有効である。すなわち、静置処理を行う装置として、ブリケットを充填したホッパー型の装置を用い、この装置の下部から熱風を吹き込み、ブリケットを徐々に下降させてホッパーの下部から排出する際に、ホッパー下部の温度を上記規定の温度範囲内(373K以上473K以下)に制御することにより、ブリケット充填層上方に温度が313K以上353K以下(一次静置処理温度範囲)の領域を設けて、一次ならびに二次静置処理を効率よく行うことができる。
二次静置処理時間も特に規定しない。(4)式の反応によるオキシ水酸化鉄(FeOOH)の生成に要する時間も、あらかじめ経験的に把握しておくことができるからである。
上記本発明においては、一次静置処理を施す時間を2.4時間以上5時間以下、二次静置処理を0.8時間以上2時間以下とする実施形態を採用することが望ましい。
上述したように、一次静置処理を施す時間および二次静置処理を施す時間は特に規定しないが、高炉用原料としての十分な強度を確実に得ること、ならびにブリケットの生産効率を高く維持するという観点から、一次静置処理および二次静置処理の望ましい時間の範囲を上記の範囲とする。
一次静置処理時間および二次静置処理時間がそれぞれ2.4時間および0.8時間(つまり、静置処理における総処理時間が3.2時間)に満たない場合は、後述する実施例に示すように、ブリケット1個当たりの圧壊強度が1500N/塊を下回ることとなる。一方、一次静置処理時間および二次静置処理時間がそれぞれ5時間および2時間(総処理時間が7時間)を超えると、ブリケットの生産効率の低下が大きくなる。
上記本発明においては、塊成化物の圧縮方向最大厚みを、10.0mm以上15.0mm以下とすることが望ましい。
前記の図1を参照して説明すると、還元鉄ブリケット6aのロール圧縮方向の厚みaが10.0mm未満の場合、還元鉄ブリケット6aは、落下等の衝撃を受けた際に破壊しやすくなる。一方、15.0mmより厚みの大きい還元鉄ブリケット6aを安定的に製造することは、次に述べるように、困難である。
すなわち、厚みを大きくするためには、ポケット5の深さhを大きくする必要がある。しかし、深さhを大きくしすぎると、粉粒状還元鉄2を高い充填密度でポケット5に供給できにくく、そのため、高い強度を有する還元鉄ブリケット6aの製造が困難となる。また、ポケット5の深さhを大きくしすぎると、還元鉄ブリケット6aのポケット5表面からの剥離性が悪化し、ポケット5表面に還元鉄ブリケット6aが付着するトラブルが発生する。特に粉粒状還元鉄2に含まれる水分が多い場合、付着が発生しやすくなる。
最終的な強度を大きくする観点から、粉粒状還元鉄2に含まれる水分は、ある程度まで高くすることが有利であるが、水分が高くなりすぎると、還元鉄粒子の剥離性は悪化する。高い水分でも剥離性を維持する観点から、還元鉄ブリケット6aのロール圧縮方向最大厚みaは15.0mmとすることが有利である。厚みを15.0mmより大きくすることも可能であるが、この場合の水分は5質量%以下とすべきである。
上記本発明においては、金属鉄含有粉粒状物質は、予め鉄含有微粉が混合されたものであり、含有する水分が1質量%以下で、かつ粒度0.25mm以下の粉粒が10質量%以上50質量%以下であることとする実施の形態をとることができる。
この実施の形態は、前述したように、金属鉄を含むスクラップ粉や、還元鉄をブリケット化したときに成型されずに排出される還元鉄粉を、昇温することなくブリケット化できるという冷間成型の利点を具体化するために採る実施形態である。その場合、鉄含有微粉を予め混合しておくのは、酸化による発熱や発火を抑えるためである。
例えば、スクラップ粉は、それのみ(単体)でブリケット化することも考えられるが、単体での取り扱いは極めて困難である。鉄が酸素や水との共存により発熱することは周知の事実であり、鉄粉の場合、同じ質量の塊状の鉄に比べ空気中の酸素と触れる面積が極端に大きく、酸化が進行し、温度が異常上昇しやすい。スクラップ粉には、高濃度の金属鉄が含まれるが、粒度が細かい粉であるため、取り扱う際、酸化による発熱や発火への細心の注意が必要になる。発熱による過度の温度上昇や発火は、作業上、危険であり、設備損傷の原因にもなる。
また、スクラップ粉(鉄粉)は、分散して存在している時よりも、1カ所に集中して置かれている時の方が、酸化が進みやすく、その部分の温度が局所的に異常上昇する。集中して置かれた場合、ある部分で酸化が起こると、周辺の鉄粉へも酸化が伝播し、急激に温度が上昇する。
さらに、スクラップ粉は、粒度が極めて細かいため、単体でのブリケット化が難しい。ブリケットは、粒状の物質が骨材となり、その隙間に細かい粉が入り込むことによって、強度の大きい塊成化物となる。そのため、スクラップ粉単体でのブリケット化は極めて困難であり、スクラップ粉を粉粒状還元鉄と混合することによって適度な粒度構成とすることができ、強度の大きいブリケットを製造できる。
そこで、スクラップ粉を金属鉄含有粉粒状物質に予め混合しておくことにより、安全に、しかも高強度のブリケットを製造することができる。
スクラップ粉を、水分の低い不燃物質(例えば石灰)と事前に混合しておくことも、酸化抑制の観点からは有効である。しかし、ブリケットの鉄品位を低下させるので、その使用量は、極力少なくしなければならない。
スクラップ粉を予め混合した金属鉄含有粉粒状物質の含有水分を1質量%以下とするのは、同じく、取り扱いの際、酸化による発熱や発火のおそれをなくすためである。前記の(2)式〜(4)式から明らかなように、鉄の酸化は、酸素または水のどちらか一方が存在しないと、進行しない。金属鉄含有粉粒状物質の水分を低く、1質量%以下に抑えることにより実質的に水の存在を断ち、鉄の酸化の進行を抑えることができる。
スクラップ粉を予め混合した金属鉄含有粉粒状物質に含まれる粒度0.25mm以下の粉粒の含有量を10質量%以上50質量%以下とするのは、同じく、取り扱いの際、酸化による発熱や発火のおそれがない粉粒状物質とするためである。粒度が細かい鉄含有微粉が混合されていても、粒度0.25mm以下の粉粒の含有量が50質量%を超えていなければ、酸化による発熱や発火のおそれはないといえる。また、スクラップ粉の混合量を極力大きく確保するため、粒度0.25mm以下の粉粒の望ましい下限を10質量%とする。
スクラップ粉を予め混合した金属鉄含有粉粒状物質の含有水分を1質量%以下とし、粒度0.25mm以下の粉粒の含有量を10質量%以上50質量%以下にしておけば、その後、調湿のため水を添加した場合でも、温度の異常上昇を抑え、スクラップ粉を安全に使用することができる。前述したように、粒状の物質を混在させておくことにより金属鉄の酸化の伝播が抑制されるので、大気と接触しても急速な酸化は起こらない。
なお、上記のスクラップ粉などの微粉を予め混合した金属鉄含有粉粒状物質をブリケット成型するに際しては、水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、前述した規定の処理行うことになる。
本発明においては、前記予め鉄含有微粉が混合された金属鉄含有粉粒状物質を得るに際して、金属鉄含有粉粒状物質と鉄含有微粉を、不活性ガスを流通させながら混合し、さらには、水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、ダブルロール型ブリケット成型機に供給することが望ましい。
ブリケット製造時において、特に酸化が起こりやすいのは、水を添加する調湿時である。この時、スクラップ粉は攪拌により流動するため、空気と接触する面積が大きくなり酸化する。水分を添加する混合機内に窒素等の不活性ガスを流通させることにより、鉄の酸化を抑制することができる。
スクラップ粉には、油分が含まれるものもある。この場合、約1073K以上の雰囲気で加熱することにより、油分を除去することができる。但し、酸化雰囲気で加熱すると、スクラップ粉に含まれる金属鉄が酸化されるので、還元雰囲気または不活性ガス雰囲気で加熱処理を行うことが望ましい。
油分を含むスクラップ粉を粉粒状還元鉄と混合し、ブリケット等に塊成化してから、加熱することも可能である。この場合、酸化雰囲気で加熱しても金属鉄の酸化が進行するのはブリケット表面のみで、内部は金属鉄の状態に維持される。あるいは、粉粒状還元鉄と油分を含むスクラップ粉を混合した後、ブリケット化し、水浸および静置処理した後に加熱処理してもよい。
本発明においては、前記ダブルロール型ブリケット成型機に供給する金属鉄含有粉粒状物質の水分が8.0質量%以上11.0質量%以下になるように調湿することが望ましい。
前述のように、強度の大きいブリケットを得るためには、金属鉄含有粉粒状物質の水分含有率を、ある程度高くすることが有効であり、0.5質量%以上とすることが必要である。但し、水分が高くなりすぎると、ブリケット成型機のロール外周表面のポケットの表面に粉粒状物質が付着するという問題が発生する。そのため、金属鉄含有粉粒状物質に含まれる水分の上限は11.0質量%とする。ブリケットの強度発現およびポケット表面への付着抑制の双方を考慮すると、金属鉄含有粉粒状物質に含まれる水分は、8質量%以上11.0質量%以下とすることが望ましい。
図2は、本発明の塊成化状高炉用原料の製造方法の概略プロセスを例示する図である。同図に示すように、粉鉱石や製鉄ダスト等を還元炉7で還元して生成した粉粒状還元鉄(金属鉄含有粉粒状物質)2は、篩い分級装置8で篩い上品と、篩い下品とに分級される。篩い上の粗粒状還元鉄2aは、直接、高炉9に供給される。一方、篩い下の粉粒状還元鉄2bは、混合機10に供給され、水と混合されるなどして、0.5質量%以上11質量%以下の水分に調整される。
その後、粉粒状還元鉄2bは、ダブルロール型ブリケット成型機11に投入され、還元鉄ブリケット(粉粒状還元鉄を含む)6として排出される。還元鉄ブリケット6は、ブリケット化後の篩い分級装置12で篩い上の還元鉄ブリケット6aと篩い下の粉粒状還元鉄6bに分級される。
篩い分級装置12としては、図6に例示するような、外周部に篩い上品と篩い下品を分級するための網16が張られ、両端の中心を軸として、軸を水平にした状態で、一定速度で回転する円筒部を具備するトロンメル型篩い分級装置を採用することが望ましい。
この分級装置の円筒内に還元鉄ブリケット6を入れることにより、篩い下の粉粒状還元鉄6bが網(スクリーン)16の目を通過するので、還元鉄ブリケット6aと粉粒状還元鉄6bを分離することができる。このとき、還元鉄ブリケット6aは、回転するトロンメルスクリーン内で転動し、ブリケット外周にあるバリが除去される。バリは、ブリケットを高炉まで搬送する際、ベルトコンベアのベルトを損耗させる原因となるので、このトロンメル型篩い分級装置を用いることは、搬送用ベルトコンベアの保守管理の観点からも有効である。篩い分級された粉粒状還元鉄6bは、ダブルロール型ブリケット成型機11にリターンされる。
還元鉄ブリケット6aは、水浸処理装置13で、還元鉄ブリケットの全表面に水が配置された後、静置処理装置14で静置処理が施され、前記(2)式〜(4)式に示す反応が進行し、ブリケット強度が発現する。
(2)式および(3)式に示す反応を促進するため、初期の一次静置処理は、温度313K以上353K以下、相対湿度70%以上の雰囲気で、2.4時間以上5時間以下行うことが望ましい。その後、静置処理温度を373K以上473K以下に上げ、二次静置処理を行う。二次静置処理に要する時間は0.8時間以上2時間以下とすることが望ましい。
静置処理装置14から排出された静置処理後の還元鉄ブリケット6(粉粒状還元鉄を含む)は、篩い分級装置8に供給され、篩い上の還元鉄ブリケット6aは高炉9に投入され、篩い下の粉粒状還元鉄6cは、混合機10を経て、再度、ダブルロール型ブリケット化装置11に供給される。
図3は、ブリケットの静置処理に好適な装置の要部の概略構成例を示す図である。この静置処理装置は、図3に示すように、内部にブリケット6aの充填層15が形成されるホッパー型の装置である。水浸処理された還元鉄ブリケット6aはホッパー内の充填層15の上端に投入され、徐々に降下してホッパー下部から排出される。ホッパー下部からは、空気等の酸素を含むガスが吹き込まれる。ブリケットは、酸素と水が共存することで、表面の金属鉄が酸化して、強度を発現する。また、金属鉄の酸化により、充填層15内の温度が上昇し、金属鉄の酸化が進みやすくなる。常温のガスを吹き込んでも、ブリケットの強度発現は促進されるが、金属鉄の酸化を促進して静置処理時間を短縮する観点から、吹き込むガスの温度は、高くすることが有効である。但し、温度が高くなりすぎると、静置処理装置に耐熱性が必要となる。このようなことを考慮すると、吹き込むガスの温度は、373K以上573K以下程度の熱風とすることが適当である。熱風が吹き込まれ、ホッパー下部の雰囲気温度が373K以上473K以下に制御される。ホッパーに吹き込まれる熱風としては、空気を加熱したガスの他に、焼結機で発生するクーラーガス等、工場廃熱を利用することができる。
熱風は、ホッパー内を上昇する間、還元鉄ブリケット6aとの熱交換により温度が降下し、充填層15の上部では313K程度となる。そこに投入された還元鉄ブリケット6aは、ホッパー内を降下する間に、徐々に昇温されるが、その際、温度範囲313K以上353K以下の領域を通過する。その時の相対湿度は、水浸処理によりブリケットに吸水された水の蒸発により70%以上に制御される。ホッパー内へのミストや蒸気の吹き込みにより、相対湿度を制御することも可能である。ホッパー下部では、還元鉄ブリケット6aは、373K以上473K以下の雰囲気で保持される。
すなわち、ホッパー下部からの還元鉄ブリケット排出のタイミングと吹き込まれる熱風の温度と量を適宜調節することにより、一次静置処理と二次静置処理を1つの装置内で連続的に実施することが可能であり、強度の大きい高炉用還元鉄ブリケットを効率よく得ることができる。
本発明の効果を確認するため、粉粒状の鉄系廃材(ダスト、スラッジ等)を原料とする還元鉄ブリケットの製造試験を行い、得られたブリケットの性状(圧壊強度)を評価した。ブリケットの製造試験では、特に、静置処理条件の最適化、および粉粒状還元鉄へのスクラップ粉の混合について検証した。
〔静置処理条件の最適化〕
1.還元鉄ブリケットの製造
亜鉛成分をZnに換算して約6.0質量%含有する粉粒状の鉄系廃材(ダスト、スラッジ等)に炭材を混合した原料を、ロータリキルンにより還元焙焼処理し、金属鉄含有率が異なる2種類の還元鉄を製造した。これらの還元鉄を常温まで冷却し、その後、篩い分級を行い、8mm篩い下の還元鉄(粉粒状還元鉄A、粉粒状還元鉄B)をブリケット化原料とした。
表1に、粉粒状還元鉄Aおよび粉粒状還元鉄Bの成分分析値(乾ベース)を示す。
Figure 2014227582
表1において、T−Feとは全鉄分を意味し、M−Feとは金属鉄を意味する。F−CはC(単体)として存在する炭素である。粉粒状還元鉄Aに含まれる金属鉄は32.1質量%であったのに対し、粉粒状還元鉄Bに含まれる金属鉄は26.6質量%であった。
表2に、粉粒状還元鉄Aおよび粉粒状還元鉄Bの粒度構成を示す。これらの粉粒状還元鉄には、1mm篩い下粉が35〜45質量%、粒度が1〜2.8mmの粒が40〜45質量%含まれている。
Figure 2014227582
これらの粉粒状還元鉄を、水分が2質量%となるように調湿した後、前記図1に示したダブルロール型ブリケット成型機に供給した。ダブルロール型ブリケット成型機に設置されたロール4の直径Dは228mm、ロール有効幅は32mmとした。
ロール4の外周表面には還元鉄ブリケットの型枠となるアーモンド型のポケット5がロール幅方向に1列、円周方向に36列配置されている。ポケット5の寸法は縦(ロール幅方向長さ)28mm、横(ロール円周方向長さ)18mm、深さ4mmで、製造されるブリケット容積が約3.5cm3となるように設計されている。
ロール4にかかる全圧縮荷重は、17〜18トンとなるように制御した。圧縮線圧(=ロールにかかる全圧縮荷重/ロール有効幅)で表すと5.3〜5.6t/cmとなる。圧縮荷重の制御は、ホッパー1の内部に設置されているスクリュー3の回転速度を自動で制御することにより、荷重の範囲が設定値から外れないようにした。
すなわち、ロール4にかかる圧縮荷重が17トン未満となりそうな場合は、スクリューの回転速度を増加させてポケット5に供給する粉粒状還元鉄2の供給量を増やし、より高い充填密度でポケット5の内部に粉粒状還元鉄を供給できるように、圧縮荷重を上げた。逆に、ポケット5にかかる圧縮荷重が18トンよりも大きくなりそうな場合は、スクリュー3の回転速度を低下させ、ロール4への粉粒状還元鉄2の供給量を減らして圧縮荷重が低くなるように制御した。これにより、製造される還元鉄ブリケットの強度が一定レベル以上となるようにした。
上記の条件で還元鉄ブリケット6aを製造し、得られた還元鉄ブリケットに対し、水を張った容器に60秒間沈める水浸処理を施した。
還元鉄ブリケットを水中から取り出し、さらに、静置処理(一次静置処理)を行った。静置処理は、温度および相対湿度の制御が可能な恒温恒湿器を用いて行った。雰囲気温度は313K、333K、または353Kとし、各々の温度で、相対湿度=45%、70%、または95%の3ケースについて試験した。静置処理時間は、10.8ks(3時間)とした。
続いて、還元鉄ブリケットを自然対流式の乾燥機に移し、383Kで3.6ks(1時間)の静置処理(第二次静置処理)を行った。
上記の水浸・静置処理を施した還元鉄ブリケットについて、圧壊強度を測定した。圧壊強度の測定は、ブリケットを横置き(ブリケットの厚さ方向が鉛直方向となる)にした状態で上方から鉛直方向に圧壊荷重を加えていき、ブリケットに割れが生じるまでの荷重の最大値を求めることにより行った。
2.試験結果
表3に、ブリケット化条件、水浸・静置処理条件、試験結果(圧壊強度の測定結果)等をまとめて示す。
Figure 2014227582
以下、表3を参照して、順に説明する。
<比較例1>
比較例1では、粉粒状還元鉄Aを、水分が2質量%となるように調整した後、ブリケット成型機に供給した。常温で塊成化された還元鉄ブリケットに60秒間の水浸処理を行い、その後、槽内を383Kに制御した自然対流式乾燥機で14.4ks(4時間)の乾燥処理(表3の一次静置処理)を行った。
表示していないが、水浸処理前の還元鉄ブリケットの圧壊強度は651N/塊であり、特許文献4の実施例で示されている203kN/塊と比べ、約3倍の強度が得られた。その主な理由としては、ブリケット化する際の圧縮荷重が、一定値以上となるように自動制御したことがあげられる。
さらに、一次静置処理をすることによって、還元鉄ブリケットの圧壊強度は1346N/塊まで増加した。しかし、必要強度として目標設定した(以下、簡略化して「必要強度」と記す)1500N/塊には未達であった。
<比較例2>
比較例2では、同じく、粉粒状還元鉄Aを、水分が2質量%となるように調整した後、ブリケット成型機に供給し、塊成化された還元鉄ブリケットに60秒間の水浸処理を行った。その後、槽内温度を313K、相対湿度を45%に調整した恒温恒湿器内で10.8ks(3時間)の一次静置処理を行い、引き続き383Kに調整した自然対流式の乾燥機内で3.6ks(1時間)の二次静置処理を行った。
最終的に得られた圧壊強度は1408N/塊であり、必要強度1500N/塊には未達であった。
<比較例3>
比較例3では、一次静置処理における槽内温度を333Kとした以外は、比較例2と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
最終的に得られた圧壊強度は1394N/塊であり、必要強度1500N/塊には未達であった。
<比較例4>
比較例4では、一次静置処理における槽内温度を353Kとした以外は、比較例2および比較例3と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
最終的に得られた圧壊強度は1451N/塊であり、必要強度1500N/塊には未達であった。
<実施例1>
実施例1では、粉粒状還元鉄Aを、水分が2質量%となるように調整した後、ブリケット成型機に供給し、塊成化された還元鉄ブリケットに60秒間の水浸処理を行った。その後、槽内温度を313K、相対湿度を70%に調整した恒温恒湿器内で10.8ks(3時間)の一次静置処理を行い、引き続き383Kに調整した自然対流式の乾燥機内で3.6ks(1時間)の二次静置処理を行った。すなわち、一次静置処理における相対湿度を70%とした以外は、比較例2と同じ条件、一次静置処理における槽内温度を313K、相対湿度を70%とした以外は、比較例3および比較例4と同じ条件とした。
その結果、最終的に得られた圧壊強度は1640N/塊であり、必要強度1500N/塊を上回る強度が得られた。この結果から判断して、前記強度の向上は、一次静置処理における相対湿度を高めて70%とし、ブリケットの開気孔に入り込ませた水の蒸発を抑制して前記(2)式および(3)式の反応を進行させたことにより、前記(4)式の反応が進み、ブリケットの強度の発現に寄与するオキシ水酸化鉄(FeOOH)が十分に生成したことによるものと考えられる。
<実施例2>
実施例2では、一次静置処理における槽内温度を333Kとした以外は、実施例1と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
最終的に得られた圧壊強度は1610N/塊であり、同じく、必要強度1500N/塊を上回る強度が得られた。
<実施例3>
実施例3では、一次静置処理における槽内温度を353Kとした以外は、実施例1および実施例2と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
その結果、最終的に得られた圧壊強度は1681N/塊であり、同じく、必要強度1500N/塊を上回る強度が得られた。
<実施例4>
実施例4では、一次静置処理における相対湿度を95%とした以外は、実施例1と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
最終的に得られた圧壊強度は1666N/塊であり、同じく、必要強度1500N/塊を上回った。
<実施例5>
実施例5では、一次静置処理における槽内温度を333Kとした以外は、実施例4と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
最終的に得られた圧壊強度は1638N/塊であり、必要強度1500N/塊を上回る強度が得られた。
<実施例6>
実施例6では、一次静置処理における槽内温度を353Kとした以外は、実施例4および実施例5と同じ条件で水浸・静置処理を行った。
その結果、最終的に得られた圧壊強度は1616N/塊であり、必要強度1500N/塊を上回る強度が得られた。
<実施例7>
実施例7では、ブリケット成型機に供給する粉粒状還元鉄Aの水分を10質量%となるように調整した以外は、実施例4と同じ条件とした。
最終的に得られた圧壊強度は1908N/塊であり、必要強度1500N/塊を大きく上回る高い値であった。ブリケット成型機に供給する粉粒状還元鉄Aの水分含有率を高くした結果、潤滑性が向上し、ロールのポケット内部の空隙が埋められやすくなったことによるものである。
<比較例5>
比較例5では、ブリケット化原料として粉粒状還元鉄Bを使用した。それ以外は、実施例4と同じ条件とした。
最終的に得られた圧壊強度は1222N/塊であり、必要強度1500N/塊には未達であった。粉粒状還元鉄Bに含まれる金属鉄は26.6質量%で、粉粒状還元鉄Aに比べてバインダーとなる鉄が少なかったことによるものである。
図4は、表3に示した結果をまとめたもので、ブリケット化後の一次静置処理温度と圧壊強度の関係を示す図である。ブリケット化の原料としては、同図中の●印(比較例5)を除いて、金属鉄含有率が32.1質量%の粉粒状還元鉄Aを使用し、2.0質量%に調湿している。
この図から明らかなように、得られたブリケットを、水浸処理後、温度313K以上353K以下でかつ相対湿度70%以上の雰囲気で一次静置処理を行い、その後、383Kに雰囲気温度を調整した乾燥機内で二次静置処理を行うことにより、高炉での必要強度1500N/塊よりも高い圧壊強度が得られている。静置処理時間は、一次処理、二次処理を合わせて4時間であった(表3参照)。
同図中の実施例7は、ブリケット化する際の粉粒状還元鉄の水分を10.0質量%とした場合で、2.0質量%とした場合よりもかなり高い圧壊強度が得られていることが示されている。
<比較例6>
比較例6は、ブリケット化条件は実施例5と全く同じ条件とし、静置処理の温度および相対湿度も、一次静置処理および二次静置処理に要する時間をそれぞれ半分の5.4ks(1.5時間)および1.8ks(0.5時間)とした以外は、実施例5と全く同じ条件とした場合である。静置処理における保持時間の影響についての試験である。
表4に、ブリケット化条件、水浸・静置処理条件、試験結果(圧壊強度の測定結果)等をまとめて示す。この場合、最終的に得られた圧壊強度は1332N/塊で、必要強度1500N/塊には未達であった。
Figure 2014227582
図5は、ブリケット化後の静置処理における総処理時間(一次静置処理時間+二次静置処理時間;以下、「静置処理トータル時間」ともいう)と圧壊強度の関係を示す図である。静置処理トータル時間が2時間のデータは比較例6の結果を、4時間のデータは実施例5の結果をプロットした。また、静置処理トータル時間が0時間の結果は、水浸処理前の圧壊強度(651N/塊)である。
図5に示すように、静置処理トータル時間の増加とともに圧壊強度は増加した。静置処理時間は、生産効率向上の観点から短くする方が有利である。最終的に得られる圧壊強度が1500N/塊以上となるようにするためには、必要とされる静置処理トータル時間は3.2時間程度と考えられる。実施例1〜7の場合と同様に、1次静置処理と2時静置処理のための時間比率を3:1とすると、1次静置処理は2.4時間、2次静置処理は0.8時間程度まで短縮できると考えられる。
〔粒還元鉄へのスクラップ粉の混合〕
<実施例8>
1.還元鉄ブリケットの製造
前記表1に示した粉粒状還元鉄Aにスクラップ粉を混合し、ブリケット化原料とした。
表5に、スクラップ粉の成分分析値(乾ベース)を示す。表5に示すように、スクラップ粉には金属鉄が61.7質量%含まれている。
Figure 2014227582
表6に、スクラップ粉の粒度構成を示す。前記表2に示したように、粉粒状還元鉄Aには粒度1mm以上の粒が質量比で65.4%含まれているが、スクラップ粉では、質量比で60%以上が粒度0.25mm以下であった。
Figure 2014227582
水分が0.5質量%未満の粉粒状還元鉄A9kgの中に、スクラップ粉1kgを入れ、ハンドスコップで手混合した。その後、混合機に移し、水分が5質量%となるように調湿するとともに、粉粒状還元鉄Aとスクラップ粉が均一化するように再混合した。混合機内は大気雰囲気とした。
調湿した混合サンプルを、図1に示したダブルロール型ブリケット成型機に供給し、前記の実施例5と同じ条件でブリケット化し、水浸処理および静置処理を行った。
2.試験結果
表7に、ブリケット化条件、水浸・静置処理条件、試験結果(圧壊強度の測定結果)等をまとめて示す。
Figure 2014227582
表7に示したように、混合機で水分を調湿した際、発熱はあったが、313K以上の高い温度まで上昇することはなく、発火もなく、安全に作業することができた。また、静置処理後のブリケット圧壊強度は、1544N/塊で、高炉での必要強度を上回る強度が得られた。
以上の試験結果から、本発明の効果が確認できた。
本発明の塊成化状高炉用原料の製造方法によれば、ダブルロール型ブリケット成型機を使用する冷間成型により、高炉用原料として利用できる高い強度を有するブリケットを、効率よく製造することができる。したがって、本発明は、高炉用原料としてのブリケットの製造に有効に利用することができる。
1:原料供給ホッパー、 2:粉粒状還元鉄(金属鉄含有粉粒状物質)、
2a:粗粒状還元鉄、 2b:粉粒状還元鉄
3:スクリュー、 4:ロール、 5:ポケット、
6:還元鉄ブリケット(粉粒状還元鉄を含む)、
6a:還元鉄ブリケット、 6b、6c:粉粒状還元鉄、
7:還元炉、 8:篩い分級装置、 9:高炉、
10:混合機、 11ダブルロール型ブリケット成型機、 12:篩い分級装置、
13:水浸処理装置、 14:静置処理装置、 15:充填層、 16:網

Claims (7)

  1. 乾ベースで、鉄分の総含有率が50.0質量%以上で、かつ金属鉄含有率が30.0質量%以上の金属鉄含有粉粒状物質を、
    水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、
    ダブルロール型ブリケット成型機に供給し、常温で圧縮塊成化して、体積2.0cm3以上10.0cm3以下の塊成化物とし、
    該塊成化物と未成型のまま排出された還元鉄粉を篩い分級した後、
    該塊成化物に水浸処理を施し、次いで、温度313K以上353K以下でかつ相対湿度70%以上の雰囲気で一次静置処理を行い、
    さらに、373K以上473K以下の雰囲気で二次静置処理することを特徴とする塊成化状高炉用原料の製造方法。
  2. 前記一次静置処理を施す時間を2.4時間以上5時間以下、二次静置処理を0.8時間以上2時間以下とすることを特徴とする請求項1に記載の塊成化状高炉用原料の製造方法。
  3. 前記塊成化物の圧縮方向最大厚みを、10.0mm以上15.0mm以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の塊成化状高炉原料の製造方法。
  4. 金属鉄含有粉粒状物質は、予め鉄含有微粉が混合されたものであり、含有する水分が1質量%以下で、粒度0.25mm以下の粉粒が10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塊成化状高炉原料の製造方法。
  5. 請求項4に記載の予め鉄含有微粉が混合された金属鉄含有粉粒状物質を得るに際して、金属鉄含有粉粒状物質と鉄含有微粉を、不活性ガスを流通させながら混合し、さらに、水分が0.5質量%以上11.0質量%以下となるように調湿した後、ダブルロール型ブリケット成型機に供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塊成化状高炉原料の製造方法。
  6. 前記ダブルロール型ブリケット成型機に供給する金属鉄含有粉粒状物質の水分が8.0質量%以上11.0質量%以下になるように調湿することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塊成化状高炉用原料の製造方法。
  7. 前記ダブルロール型ブリケット成型機により塊成化された塊成化物と未成型のまま排出された還元鉄粉を篩い分級するための装置として、外周部に篩い上品と篩い下品を分級するための網が張られ、両端の中心を軸として一定速度で回転する円筒部を具備する篩い分級装置を使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塊成化状高炉用原料の製造方法。
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