JP2014227116A - 浮体構造物 - Google Patents

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英観 白川
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【課題】吸水ポリマーの膨張によって展開するものであって、非使用時にはコンパクトであり、使用時には確実に展開し、十分な浮力を有する浮体構造物を提供する。【解決手段】透水シート1と不透水シート2を重ねてその間に吸水ポリマー3を封入した面状の吸水部4を備え、透水シート1を透過する水により吸水ポリマー3が膨張することで、吸水部4が透水シート1側に凸となるように変形して不透水シート2側に空間部を形成するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、水に浸かることにより展開する浮体構造物に関する。
船舶の沈没や、津波などの災害に備えるためのものとして、緊急時に水に浮かぶ脱出艇やシェルターがある。脱出艇は、船舶に搭載されるものであり、種々の構造のものがあるが、一般的なのは、ゴム製やナイロン製のものである。これは非使用時には小さく収納されており、使用時(緊急時)には内蔵のガスボンベにより膨らんで船の形になる。このような脱出艇は、非使用時にコンパクトである点が長所であるが、耐火性は考慮されておらず、障害物との衝突にも弱いものであった。また、ガスボンベに異常があると膨らまない点も問題であった。一方、シェルターは、地上に設置されるものであり、津波によって破壊された構造物との衝突にも耐えられるよう、鋼鉄製やFRP製で、完全に密閉される頑丈な構造のものである。よって、小さく収納することは不可能であり、非使用時には場所をとることが問題であった。
そこで、非使用時には小さく収納可能であって、展開時には耐火性や耐衝突性が高い構造を実現するための素材として、吸水ポリマーが考えられる。吸水ポリマーは、紙おむつなどに用いられているように、瞬時に水を吸収して膨張するものである。一般に吸水前のポリマーの質量や体積は、吸水後のそれの1%以下であり、吸水前は軽量小型であって、水に浸かることで吸水により自動的に大きく展開する構造ができる。また、吸水したポリマーは内部に水を含むため、熱しても水の蒸発に熱エネルギが消費され、高温とならず耐火性が高い。さらに、吸水したポリマーは弾性を有し、衝撃を吸収するクッション材として機能するので、耐衝突性も高い。このような吸水ポリマーを利用した自動的に展開する構造の例として、特許文献1に記載のオイルフェンスが挙げられる。これは、円筒状の浮ブロック体の内側上部に中空浮部を備え、内側下部に吸水ポリマーを納めたもので、水面に繰り出すと、吸水口から入る水により吸水ポリマーが膨張して自動的に展開するものである。
特開2000−170144号公報
しかしながら、特許文献1の発明は、中空浮部に予め空気が封入されており、その部分は非使用時においても小さくすることができない。また、吸水口から水を取り込む構造なので、何らかの異物により吸水口が塞がれると展開しなくなってしまう。さらに、オイルフェンスであればそれ自体が水に浮けば十分であるが、人が乗る脱出艇などへの適用を想定した場合、十分な浮力が得られる構造ではなかった。すなわち、一般に吸水したポリマーの比重は水よりやや小さい程度なのでその部分では大きな浮力は得られない。よって、大きな浮力を得るには中空浮部を大きくするしかないが、それでは非使用時においても大きな構造となってしまうので好ましくない。
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、吸水ポリマーの膨張によって展開するものであって、非使用時にはコンパクトであり、使用時には確実に展開し、十分な浮力を有する浮体構造物を提供することを目的とする。
本発明のうち請求項1の発明は、透水シートと不透水シートを重ねてその間に吸水ポリマーを封入した面状の吸水部を備え、透水シートを透過する水により吸水ポリマーが膨張することで、吸水部が透水シート側に凸となるように変形して不透水シート側に空間部を形成するものであることを特徴とする。
本発明のうち請求項2の発明は、複数本の棒状の骨部材を備え、各骨部材の一端同士が回動自在に連結されており、各骨部材の他端が、吸水部の不透水シートに相互に間隔を開けて連結されていることを特徴とする。
本発明のうち請求項3の発明は、不透水性の壁面シートを備え、壁面シートの一端が設置面に固定されており、壁面シートの他端に吸水部が取り付けられていることを特徴とする。
本発明のうち請求項1の発明によれば、非使用時には空間部が存在せず、吸水部は小さく折り畳み可能でコンパクトでありながら、使用時には吸水部の変形により空間部が形成され、大きな浮力が得られる。また、面状の吸水部の片面が透水シートからなり、透水シート側が外側となるように変形するため、その全面から水を取り込むことができるので、水の取り込みが異物に妨げられることもなく、短時間で確実に展開する。
本発明のうち請求項2の発明によれば、使用時において骨部材が吸水部の展開に伴って自動的に広がり、展開した吸水部および空間部の形状をより確実に保持する。
本発明のうち請求項3の発明によれば、吸水部の浮力によって壁面シートが設置面から立設し、水をせき止めるためのフェンスとして機能する。
第一実施形態を示し、(a)は使用時の縦断面図((b)のA−A線断面図)、(b)は使用時の斜視図、(c)は非使用時の縦断面図である。 第二実施形態を示し、(a)は使用時の平面図、(b)は使用時の縦断面図、(c)は非使用時の縦断面図である。 第三実施形態を示し、(a)は使用時の斜視図(一部切断)、(b)は使用時の吸水部の縦断面図、(c)は非使用時の斜視図(一部切断)である。 第四実施形態を示し、(a)は使用時の縦断面図、(b)は非使用時の縦断面図、(c)は補強部を有する場合の使用時の縦断面図である。
本発明の浮体構造物の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の構造および形状については、使用時の展開した状態に基づいて説明する。この浮体構造物の第一実施形態は、図1(a)、(b)に示すように、船体10と、船体10の周囲に取り付けた吸水部4からなるシェルターである。船体10は、樹脂製であって、長方形の底面101と、底面101の周囲に立設する側壁102からなる箱形のものである。また、吸水部4は、面状のものであって、水を透過する透水シート1と、水を透過しない不透水シート2と、吸水ポリマー3を備える。透水シート1と不透水シート2は、周縁部が溶着、接着または縫い合わせなどにより接合されていて、間に密閉空間が形成されており、そこに吸水ポリマー3が封入されている。さらに、透水シート1と不透水シート2の間には、複数個所にスペーサ8が設けられている。スペーサ8は、ロープからなるもので、一端が透水シート1に固定され、他端が不透水シート2に固定されていて、透水シート1と不透水シート2が一定距離以上離れないようになっている。そして、この吸水部4が、船体10の側面から下面と、上面に取り付けられている。側面から下面にかけて取り付けた吸水部4は、船体10の側壁102の上端および底面101に固定されている。これらは透水シート1側を外側にして、船体10の外周側に凸となるように膨らんでいて、船体10の側面においては、内側(不透水シート2側)に環状の空間部5を形成しており、吸水部4が空間部5の外殻を構成している。また、船体10の下側においては、内側の不透水シート2が底面101に固定されており、両シートの間の吸水ポリマー3が膨らんで外側(下側)の透水シート1が断面三角形状をなしている。一方、船体10の上面に取り付けた吸水部4は、側壁102の上端に固定されおり、透水シート1側を外側にして上向きに凸となるように断面半円形状に膨らんでいて、内側(不透水シート2側)に半円柱形状の空間部5を形成している。そして、船体10上側の空間部5には、図1(a)の手前側および奥側から人が出入りできる(当該部分を開閉自在に塞いでもよい)。また、船体10の内部には、椅子20が設置されている。椅子20は、座面が船体10の底面101に固定されており、背もたれが折り畳み自在となっている。
なお、透水シート1の素材としては、麻や綿、ナイロンなどの織物、不織布、孔開け加工を施した樹脂シートなどが挙げられる。また、不透水シート2の素材としては、ビニール、ゴム、金属薄膜などが挙げられる。さらに、吸水ポリマー3としては、合成ポリマー系ではポリアクリル酸塩系(ポリアクリル酸ナトリウムなど)など、天然物由来系ではでんぷん系(でんぷんのりなど)やセルロース系などが挙げられる。
この浮体構造物の第一実施形態は、非使用時においては、図1(c)に示す状態となる。すなわち、船体10の側面から下面にかけて取り付けた吸水部4は、船体10の側壁102および底面101に沿うようにして折り畳まれており、船体10の上面に取り付けた吸水部4は、船体10の内部に納まっており、さらに椅子20の背もたれも折り畳まれて船体10の内部に納まっている。よって、非使用時の大きさは、船体10自体の大きさと略同じであり、軽量でコンパクトである。そして、この状態の浮体構造物が水に浸かると、外側の透水シート1を通して吸水ポリマー3が吸水し、膨張する。その際、吸水ポリマー3は透水シート1と不透水シート2の間において移動自在であるから、表面積に対して体積が最も大きくなるように、すなわち球体に近い形状となるように、透水シート1は外側に、不透水シート2は内側に膨らもうとする。しかし、透水シート1と不透水シート2の間にはスペーサ8が設けられており、透水シート1と不透水シート2が一定距離以上離れないようになっている。これにより、透水シート1が外側に膨らむのに対し、不透水シート2が内側からスペーサ8を介して透水シート1を引っ張ることになり、外側向きの力と内側向きの力が釣り合って、内側(不透水シート2側)に空間部5が形成され、図1(a)、(b)に示す状態となる。この状態においては、吸水ポリマー3の膨張力によって透水シート1および不透水シート2が強度を持ち、形状が維持される。なお、船体10の側面の空間部5は密閉された空間であり、吸水部4が膨張する際には、吸入口(図示省略)から空気が流入する。吸入口は、逆止弁を有するもので、水が流入しない位置に設けられている。
このように構成した浮体構造物の第一実施形態によれば、非使用時には吸水ポリマー3が水を含んでいないので軽量であり、また空間部5が存在せず、吸水部4は小さく折り畳み可能でコンパクトである。そして、使用時には吸水部4の変形によって形成される船体10の側面の空間部5により、大きな浮力が得られ、人が乗り込むシェルターとして使用できる。また、船体10に乗り込んだ人は、船体10の上側に展開した吸水部4により、風雨、飛来物や炎熱などから保護されるので、安全性が高い。さらに、船体10の下面の吸水ポリマー3により、重心が下がって船体10が安定する。吸水部4は面状でその片面が透水シート1からなり、透水シート1側が外側となるように変形するため、その全面から水を取り込むことができるので、水の取り込みが異物に妨げられることがない。そして、展開に必要なものは水のみであるから、船舶の沈没や津波などの災害時において短時間で確実に展開し、故障のおそれもない。また、船体10は、上面、側面および下面が膨張した吸水ポリマー3で覆われることになり、膨張した吸水ポリマー3は水を多く含むため耐火性が高く、さらに弾性を有し衝撃を吸収するクッション材として機能するので耐衝突性も高い。
次に、浮体構造物の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、図2(a)、(b)に示すように、吸水部4と、吸水部4を補強する骨部材6からなる脱出艇である。吸水部4は、第一実施形態と同様に、面状のものであって、透水シート1と不透水シート2を重ねてその間に吸水ポリマー3を封入したものであり、透水シート1側を外側にして下向きに凸となるように半球状に膨らんでいて、内側(不透水シート2側)に空間部5を形成している。そして、空間部5内には骨部材6が展開されており、吸水部4を内側から支持している。骨部材6は、長尺の金属製または樹脂製のパイプからなるものであり、計16本取り付けられている。各骨部材6の一端同士が、中央の連結部61において回動自在に連結されており、8本の骨部材6の他端が、吸水部4の不透水シート2の上端部の円周上に等間隔に連結されており、残りの8本の骨部材6の他端が、吸水部4の不透水シート2の底部の円周上に等間隔に連結されている。
この浮体構造物の第二実施形態は、非使用時においては、図2(c)に示す状態となる。すなわち、16本の骨部材6が、傘を閉じるようにして、連結部61を中心にして閉じ、それに合わせて、吸水部4も折り畳まれている。よって、非使用時の大きさは、16本の骨部材6を束ねただけの大きさとなり、非常にコンパクトである。そして、この状態の浮体構造物が水に浸かると、外側の透水シート1を通して吸水ポリマー3が吸水し、膨張するとともに、骨部材6が放射状に広がる。その際、透水シート1は外側に、不透水シート2は内側に膨らもうとするが、不透水シート2が内側から骨部材6により支持されているので内側への膨張が規制されて、内側(不透水シート2側)に空間部5が形成され、図2(a)、(b)に示す状態となる。この状態においては、吸水ポリマー3の膨張力によって透水シート1および不透水シート2が強度を持ち、また骨部材6が内側から吸水部4を支持することで形状が維持される。
このように構成した浮体構造物の第二実施形態によれば、非使用時には吸水ポリマー3が水を含んでいないので軽量であり、また空間部5が存在せず、吸水部4は小さく折り畳み可能であって、固定式の船体などがないので、非常にコンパクトである。そして、使用時には吸水部4の変形によって内側に形成される空間部5により、大きな浮力が得られ、人が乗り込む脱出艇として使用できる。吸水部4は面状でその片面が透水シート1からなり、透水シート1側が外側となるように変形するため、その全面から水を取り込むことができるので、水の取り込みが異物に妨げられることがない。そして、展開に必要なものは水のみであるから、船舶の沈没や津波などの災害時において短時間で確実に展開し、故障のおそれもない。さらに、骨部材6は吸水部4の展開に伴って自動的に広がり、展開した吸水部4および空間部5の形状をより確実に保持する。また、全体が吸水ポリマー3により構成されており、膨張した吸水ポリマー3は水を多く含むため耐火性が高く、さらに弾性を有し衝撃を吸収するクッション材として機能するので耐衝突性も高い。
次に、浮体構造物の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、図3(a)に示すように、吸水部4からなる浮輪である。吸水部4は、第一実施形態と同様に、面状のものであって、透水シート1と不透水シート2を重ねてその間に吸水ポリマー3を封入したものであり、透水シート1側を外側にして外側に凸となるように円環状に膨らんでいて、内側(不透水シート2側)に空間部5を形成している。そして図3(b)に示すように、内側の不透水シート2は、外側の透水シート1よりも長く、不透水シート2の一部を重ね合わせて接合し、外側に突出する向きの仕切壁21を形成してある。仕切壁21は円環状の吸水部4の円周方向に沿って延びており、放射状に広がるように複数形成してある。さらに仕切壁21の先端が外側の透水シート1に接合されていて、吸水ポリマー3を封入する空間が8つに分割されている。また、円環状の吸水部4の外側の側面に、逆止弁を有する吸入口30が設けられている。吸入口30の外側の端部は、水が入らないように上向きになっている。
この浮体構造物の第三実施形態は、非使用時においては、図3(c)に示す状態となる。すなわち、吸水部4の上側面が下側面に当接するようにして下向きに凸な形状となり、全体として円環の下側半分を切り取ったような形状となる。よって、非使用時には使用時の略半分の薄さとなりコンパクトであって、複数の浮体構造物をスタッキングすることもできる。そして、この状態の浮体構造物が水に浸かると、外側の透水シート1を通して吸水ポリマー3が吸水し、膨張する。その際、透水シート1は外側に、不透水シート2は内側に膨らもうとするが、不透水シート2により形成された仕切壁21が透水シート1に接合されているので、透水シート1と不透水シート2が一定距離以上離れないようになっている。これにより、透水シート1が外側に膨らむのに対し、不透水シート2が内側から仕切壁21を介して透水シート1を引っ張ることになり、外側向きの力と内側向きの力が釣り合って、内側(不透水シート2側)に空間部5が形成され、図3(a)、(b)に示す状態となる。この状態においては、吸水ポリマー3の膨張力によって透水シート1および不透水シート2が強度を持ち、形状が維持される。なお、空間部5は密閉された空間であり、吸水部4が膨張する際には、吸入口30から空気が流入する。
このように構成した浮体構造物の第三実施形態によれば、非使用時には吸水ポリマー3が水を含んでいないので軽量であり、また空間部5が存在せず、吸水部4は全体が下向きに凸な形状となっていて、複数の浮体構造物をスタッキングしてコンパクトに収納できる。そして、使用時には吸水部4の変形によって内側に形成される空間部5により、大きな浮力が得られ、浮輪として使用できる。吸水部4は面状でその片面が透水シート1からなり、透水シート1側が外側となるように変形するため、その全面から水を取り込むことができるので、水の取り込みが異物に妨げられることがない。そして、展開に必要なものは水のみであるから、船舶の沈没や津波などの災害時において短時間で確実に展開し、故障のおそれもない。また、全体が吸水ポリマー3により構成されており、膨張した吸水ポリマー3は水を多く含むため耐火性が高く、さらに弾性を有し衝撃を吸収するクッション材として機能するので耐衝突性も高い。
次に、浮体構造物の第四実施形態について説明する。第四実施形態は、図4(a)に示すように、壁面シート7と、吸水部4からなるフェンスである。壁面シート7は、不透水性のものであって、一端(下端)が設置面Gに固定されている。また、吸水部4は、第一実施形態と同様に、面状のものであって、透水シート1と不透水シート2を重ねてその間に吸水ポリマー3を封入したものであり、壁面シート7の他端(上端)の一方側面に、不透水シート2側が壁面シート7に対向するように接合してある。さらに、透水シート1と不透水シート2の間には、複数個所にスペーサ8が設けられている。スペーサ8は、ロープからなるもので、一端が透水シート1に固定され、他端が不透水シート2に固定されていて、透水シート1と不透水シート2が一定距離以上離れないようになっている。そして、吸水部4は、透水シート1側を外側にして外側に凸となるように膨らんでいて、内側(不透水シート2と壁面シート7の間)に空間部5を形成している。なお、壁面シート7、吸水部4および空間部5は、図4(a)の奥行方向に延びるものであるが、全体としては平面視して直線状のもの、曲線状のもの、円形(環状)のものなど、どのような形状とすることもできる。また、奥行方向の両端部は、固定された構造物に接合されているものであってもよい。その場合、壁面シート7が起立した状態で接合されていてもよいし、後述のように折り畳んだ状態から起立した状態に変形することに対応して、壁面シート7の他端(上端)側が移動可能な状態で接合されていてもよい。
この浮体構造物の第四実施形態は、非使用時においては、図4(b)に示す状態となる。すなわち、壁面シート7が上下方向の略中央で屈曲し、吸水部4が内側になるようにして折り畳まれている。よって、非使用時には使用時の略半分の高さとなってコンパクトである。そして、この状態の浮体構造物が水に浸かると、外側の透水シート1を通して吸水ポリマー3が吸水し、膨張するとともに、壁面シート7が起立する。その際、第一実施形態と同様に、スペーサ8によって外側向きの力と内側向きの力が釣り合って、内側(不透水シート2側)に空間部5が形成され、図4(a)に示す状態となる。この状態においては、吸水ポリマー3の膨張力によって透水シート1および不透水シート2が強度を持ち、形状が維持される。なお、空間部5は密閉された空間であり、吸水部4が膨張する際には、吸入口(図示省略)から空気が流入する。吸入口は、逆止弁を有するもので、水が流入しない位置に設けられている。
このように構成した浮体構造物の第四実施形態によれば、非使用時には吸水ポリマー3が水を含んでいないので軽量であり、また空間部5が存在せず、壁面シート7および吸水部4は小さく折り畳み可能でコンパクトである。そして、使用時には吸水部4の変形によって内側に形成される空間部5により、大きな浮力が得られ、水をせき止めるためのフェンスとして使用できる。吸水部4は面状でその片面が透水シート1からなり、透水シート1側が外側となるように変形するため、その全面から水を取り込むことができるので、水の取り込みが異物に妨げられることがない。そして、展開に必要なものは水のみであるから、洪水や津波などの災害時において短時間で確実に展開し、故障のおそれもない。また、膨張した吸水ポリマー3は水を多く含むため耐火性が高く、さらに弾性を有し衝撃を吸収するクッション材として機能するので耐衝突性も高い。
なお、この浮体構造物の使用時において、壁面シート7には大きな水圧がかかる。そこで、壁面シート7が起立した状態を維持できるように、壁面シート7を補強するための補強部9を設けてもよい。図4(c)はその一例を示すものであり、壁面シート7の一方側面の吸水部4より下側の位置に、2つの補強部9が設けられている。補強部9は、壁面シート7に接合した透水シート1と、壁面シート7と透水シート1の間に封入した吸水ポリマー3からなるものであり、図4(c)の奥行方向に延びるものである。使用時においては、吸水部4が膨張して空間部5が形成されるのに伴って、補強部9も膨張する。膨張した補強部9は、棒状となって壁面シート7の骨組として機能し、壁面シート7の形状を維持する。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、透水シートと不透水シートの間に設けられるスペーサは、ロープのほか、帯状のものや、金属製や樹脂製の柱体など、透水シートと不透水シートが離れることを規制できるものであれば、どのようなものであってもよい。また、透水シートと不透水シートの間に、吸水ポリマーを封入した袋(透水性のもの)を複数詰める構造であってもよい。さらに、この浮体構造物は、オイルフェンスや救命胴衣などに適用することもできる。また、第一実施形態において、船体の形状や大きさは、使用の想定場所や定員などに応じて自由に設定できる。
1 透水シート
2 不透水シート
3 吸水ポリマー
4 吸水部
5 空間部
6 骨部材
7 壁面シート
G 設置面

Claims (3)

  1. 透水シートと不透水シートを重ねてその間に吸水ポリマーを封入した面状の吸水部を備え、透水シートを透過する水により吸水ポリマーが膨張することで、吸水部が透水シート側に凸となるように変形して不透水シート側に空間部を形成するものであることを特徴とする浮体構造物。
  2. 複数本の棒状の骨部材を備え、各骨部材の一端同士が回動自在に連結されており、各骨部材の他端が、吸水部の不透水シートに相互に間隔を開けて連結されていることを特徴とする請求項1記載の浮体構造物。
  3. 不透水性の壁面シートを備え、壁面シートの一端が設置面に固定されており、壁面シートの他端に吸水部が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の浮体構造物。
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