JPH06211185A - 救命具 - Google Patents

救命具

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JPH06211185A
JPH06211185A JP5020718A JP2071893A JPH06211185A JP H06211185 A JPH06211185 A JP H06211185A JP 5020718 A JP5020718 A JP 5020718A JP 2071893 A JP2071893 A JP 2071893A JP H06211185 A JPH06211185 A JP H06211185A
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JP
Japan
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life
container
buoyancy
resin
predetermined
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JP5020718A
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Mitsuo Imazato
三津夫 今里
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Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Publication date
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63CLAUNCHING, HAULING-OUT, OR DRY-DOCKING OF VESSELS; LIFE-SAVING IN WATER; EQUIPMENT FOR DWELLING OR WORKING UNDER WATER; MEANS FOR SALVAGING OR SEARCHING FOR UNDERWATER OBJECTS
    • B63C9/00Life-saving in water
    • B63C9/02Lifeboats, life-rafts or the like, specially adapted for life-saving
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63CLAUNCHING, HAULING-OUT, OR DRY-DOCKING OF VESSELS; LIFE-SAVING IN WATER; EQUIPMENT FOR DWELLING OR WORKING UNDER WATER; MEANS FOR SALVAGING OR SEARCHING FOR UNDERWATER OBJECTS
    • B63C9/00Life-saving in water
    • B63C9/22Devices for holding or launching life-buoys, inflatable life-rafts, or other floatable life-saving equipment
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63CLAUNCHING, HAULING-OUT, OR DRY-DOCKING OF VESSELS; LIFE-SAVING IN WATER; EQUIPMENT FOR DWELLING OR WORKING UNDER WATER; MEANS FOR SALVAGING OR SEARCHING FOR UNDERWATER OBJECTS
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    • B63C9/02Lifeboats, life-rafts or the like, specially adapted for life-saving
    • B63C9/04Life-rafts
    • B63C2009/042Life-rafts inflatable

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Emergency Lowering Means (AREA)
  • Float Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトな状態で収容でき、また使用時に
は迅速に膨張展開して所定の浮力と周長とを確保する。 【構成】充気されていない状態にあっては略偏平板状の
外形をなし折り畳みあるいは巻回可能である樹脂ホース
浮力体6の一端にガスボンベ7を連結するとともに他端
を閉塞する。さらに樹脂ホース浮力体6を連繋した状態
で折り畳んでコンテナ2に収容する。遭難時等にガスボ
ンベ7の充気動作により樹脂ホース浮力体6を筒状に膨
張展開し所定の浮力を有するようする。これにより通常
の航行時にはコンパクトな状態で所定の浮力体からなる
容器に収容でき、遭難時には迅速に所定形状に膨張展開
して、所定の浮力と周長とを確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は救命具に係り、特に船舶
等に搭載され、遭難時に水面上に投下して水面に浮か
べ、該救命具の周囲に乗員がつかまって浮遊し、来援を
待つことのできる救命具に関する。
【0002】
【従来の技術】海上等を航行する船舶には、船舶安全法
に基づき備えなければならない各種の法定備品がある。
そのうち重要なものとして救命設備がある。この救命設
備は船舶救命設備規則によって、その内容が細かく規定
されており、船種、用途、乗員数、航行水域等に応じ
て、当該船舶に据え付けるべき設備の種類、数量が定め
られている。救命設備は大別すると、 (1)水上に浮かぶ浮体設備 (2)救助用の信号設備 とに区分できる。浮体設備には、救命艇、救命いかだ
(ライフラフト)、救命浮器、救命浮環(ライフブ
イ)、救命胴衣(ライフジャケット)が規定されてい
る。
【0003】このうち救命具としての救命浮器は従来、
耐食性金属板製の気密箱等を浮体本体とした箱形の浮体
設備で構成され、箱形の浮体本体の周囲に救命索が張ら
れている。また、通常時は本船の甲板上の舷側の所定位
置に設置され、遭難時等に海上に投下され、水面に浮遊
する乗員がその周囲に張られた救命索につかまって浮力
をとりながら、来援を待つために使用される。
【0004】前記船舶救命設備規則に規定されている救
命浮器の仕様としては、1個の救命浮器につかまって浮
遊できる人員の数が8名以上であること、救命浮器の周
辺長が所定長さ以上必要であること、また浮遊人員を確
実に浮かせるだけの浮力が必要とされている。さらに艤
装としては、投下された着水当初は本船ともやい綱で結
ばれていることと、前述の救命索を救命浮器の周囲に配
置することが義務づけられている。なお、救命浮器はそ
の浮体構造の差異から固型式救命浮器と、膨張式救命浮
器とに分類されている。浮体構造の浮力材としては、固
型式救命浮器では前述の金属製の気密箱の他、バルサ、
カポック等の浮力の大きな木材や単独気泡性ビニルスポ
ンジ等が使用され、膨張式救命浮器では導入ガスにより
膨張可能なゴム製バッグが使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の救命
具としての救命浮器では、規則に基づき設定定員分の浮
力(1名当たり14.5kg)を確保するため所定の浮
体容量を備える必要があり、また浮遊者が救命索に余裕
をもってつかまれるように浮いた状態での救命浮器の外
周が一定の周長を有するようにその形状を設定する必要
がある。この場合、前述の固型式救命浮器の浮力材で
は、通常航行時から規定人数分の浮力を確保できる容積
を有する救命浮器を配置しておかなければならない。こ
のとき救命浮器は前述のように甲板の舷側部等の所定位
置に設置されるので、狭い甲板上でかなりの占有空間を
占めてしまい、通常の甲板艤装のレイアウト等が大きく
制限されるという問題がある。
【0006】また、膨張式救命浮器の場合には前述のよ
うな設置スペースの問題は解消するが、膨張時に前述の
周長を確保するために大容量のバッグを膨張しなければ
ならず、折り畳んだ状態のバッグを所定形状まで膨張さ
せるためのガス源設備が大きなものとなり、救命浮器の
重量が増してしまうという問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、通常設置時において、コン
パクトな形状の容器に収容でき、使用時には水面等で所
定形状に迅速に膨張展開し、所要の浮力と周長とを確保
できるようにした救命具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は充気装置と、該充気装置が一端に連結され
るとともに、他端が閉塞され充気されていない状態にあ
っては略偏平板状の外形をなし折り畳みあるいは巻回可
能で、前記充気装置の充気動作により筒状に膨張展開し
所定の浮力を有する筒状体と、前記充気装置の連結され
た筒状体を折り畳みあるいは巻回して収容可能な収納体
とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】また、前記筒状体は経糸の周囲に緯糸を所
定捲角度をなして螺旋状に捲回して筒状に形成された基
布に樹脂被覆を施して成形した樹脂被覆ホースであるこ
とが好ましい。さらに、前記筒状体は膨張展開時に複数
本が所定離隔を保持し並列をなして連繋された状態とな
るように前記収納体に収容することが好ましく、この場
合、前記筒状体は取着されたスペーサにより隣接した該
筒状体が所定離隔を保持するようにすることが好まし
い。
【0010】本発明において、前記収納体は所定の側面
部が前記充気装置の膨張動作による内方からの押圧力に
より打ち抜かれるような略直方体形状をなすコンテナで
あるか、または前記筒状体を巻回して収容可能なリール
構造であることが好ましく、さらに着水時には該収納体
として所定の浮力を有する浮力体であることが好まし
い。
【0011】
【作用】本発明によれば、充気されていない状態にあっ
ては略偏平板状の外形をなし折り畳みあるいは巻回可能
である筒状体の一端に充気装置を連結するとともに他端
を閉塞し、該筒状体を折り畳みあるいは巻回して収納体
に収容して装備し、遭難時等に前記充気装置の充気動作
により筒状に膨張展開し所定の浮力を有するようにした
ので、通常の航行時にはコンパクトな状態で所定の収納
体からなる容器に収容でき、遭難時には前記充気装置の
動作により迅速に所定形状に膨張展開して、大きな浮力
と周長とを確保できるので、水面にいる多数の遭難乗員
をつかまらせることができる。
【0012】また、前記筒状体に、経糸の周囲に緯糸を
所定捲角度をなして螺旋状に捲回して筒状に形成された
基布に樹脂被覆を施して成形した樹脂被覆ホースを使用
することで、救命器具全体のコストを抑えることが可能
となる。さらに、前記筒状体は膨張展開時に複数本が所
定離隔を保持し並列をなして連繋された状態となるよう
に前記収納体に収容し、この場合、前記筒状体にスペー
サを取着して隣接した該筒状体が所定離隔を保持するよ
うにしたので、膨張展開時に周長を十分確保することが
できる。
【0013】前記収納体を所定の側面部が前記充気装置
の膨張動作による内方からの押圧力により打ち抜かれる
ような略直方体形状をなすコンテナにすることにより通
常航行時に甲板上にコンパクトに装備することができ、
また前記筒状体を巻回して収容可能なリール構造とする
ことで、該筒状体の膨張展開を極めて円滑に行えるよう
にできる。さらに前記収納体を所定の浮力を有するよう
にすることで、該収納体の一部に救難備品等を搭載させ
ることができる。
【0014】
【実施例】
(第1の実施例)以下、本発明による救命具を前述の救
命浮器に適用した第1の実施例を図1乃至図6を参照し
て説明する。図1はコンテナ内部に折り畳んだ状態で収
容されている救命浮器本体を説明するためにコンテナを
分解した状態を示した分解斜視図である。本発明による
救命浮器1において、本実施例に使用されているコンテ
ナ2は略直方体の上下2ピース2a、2bからなるFR
P製の成形加工品で、内面全面にわたり薄手の発泡スチ
ロール板3が貼着されている。すなわち図2に示したよ
うにその一面2cが開放された状態でも水面に浮くよう
に設計されている。
【0015】図1に示したようにもやい綱4の取り付け
られた面と反対の側面2cには、コンテナ2の内部から
押し抜き力が作用した場合に、その両端部2dが切り裂
けて、対向する2辺2eがヒンジを形成して1面2cが
開放されるように切欠溝5(図1では符号2d、2eと
重複して表示されている)がロ字形に側面の外縁近傍を
囲むように形成されている。また、前述の1面2cを開
放するには、切欠溝5に沿って4辺がすべて切り離され
るように切欠溝5を形成しても良い。
【0016】さらにコンテナ2の内部には2本の樹脂ホ
ース浮力体6が所定幅に蛇腹状に屈曲されて並列状態に
収容されている。この樹脂ホース浮力体6は一端6aが
溶着により閉塞され、他端6bにはガス注入口が形成さ
れており、このガス注入口にはガスボンベ7のガス噴出
口が接続されている。またこのガスボンベ7は偏平円筒
形状をなし、その底面が前記コンテナ2の開放面に接す
るようにコンテナ2内にフランジ8に保持された状態で
収容されている。ガスボンベ7内には樹脂ホース浮力体
6を膨張展開できる程度の圧力及び容量の炭酸ガスが充
填されている。さらにガスボンベ7と樹脂ホース浮力体
6のガス注入口との間には図示しないガス注入弁が設け
れており、公知の安全封板が仕切り板として設けられて
いる。
【0017】一方、ガス噴出口の先端には安全封板を打
ち抜くカット機構が取り付けられており、図示しない作
動索が引かれるとカット機構に内蔵された撃鉄あるいは
撃針が安全封板を破ってガス注入弁が貫通し、ガスボン
ベ7のガス噴出口と樹脂ホース浮力体6のガス注入口と
が連通し、樹脂ホース浮力体6内に噴出ガスが導入され
る。樹脂ホース浮力体6内にガスが導入され、樹脂ホー
ス浮力体6が所定形状に膨張展開した状態を示したの
が、図2である。このときガスボンベ7からガスが樹脂
ホース浮力体6に僅かに導入されると、ホースが膨張し
て体積が増し、一定体積以上になるとコンテナ2内で膨
張できなくなり、ガス噴出の反作用として矢印A方向に
2個のガスボンベ7が押圧され、移動する。これにより
コンテナ2の側面2cがガスボンベ7により外方に向け
て押圧され、この押圧力が一定の力以上になると、切欠
溝5が切り裂け、コンテナ2の一面2cが抜けて開放さ
れる。そして2個のガスボンベ7が外部に飛び出し、そ
れに引き続き樹脂ホース浮力体6が膨張展開しながらコ
ンテナ2外に延出して、最終的には樹脂ホース浮力体6
全体がコンテナ2外でほぼ完全な状態になるまでガス導
入される。
【0018】このようにコンテナ2から延出され離脱し
た状態で膨張展開する2本の樹脂ホース浮力体6の先端
部6aには2本の樹脂ホース浮力体6とコンテナ2とを
結ぶ所定長さの結合索10が結び付けられており、さら
にスイベル11を介してコンテナ2に結び付けられてい
る。このスイベル11により樹脂ホース浮力体6が上下
面がいずれの状態で着水して膨張展開しても全く問題な
く安定が保たれる。
【0019】また、2本の樹脂ホース浮力体6間にはホ
ースの両端に板状樹脂スペーサ12、13が取着されて
おり、2本のホース6が所定距離(本実施例の場合約5
0cm)だけ離隔するようになっている。この板状樹脂
スペーサ12、13はホース6がコンテナ2に収容され
ている際には2つ折状態で2本のホース6間に収容さ
れ、図2に示したように一旦、樹脂ホース浮力体6が膨
張してコンテナ2から離脱すると、蝶番部12a,13
aが伸びて1枚の直板状になり、スペーサとして機能す
る。
【0020】さらに樹脂ホース浮力体6の周囲の側面に
は所定間隔で樹脂製のアイホール14が貼着されてお
り、このアイホール14に救命索15が挿通され、樹脂
ホース浮力体6の周囲にわたり救命索15が配置され
る。乗員はこの救命索15につかまって、海上に浮遊し
ながら救命艇等の来援を待つことができる。その他の付
帯設備としてはコンテナ2内に救命信号発信器16が備
えられており、樹脂ホース浮力体6がコンテナ2から離
脱すると同時に内蔵されているホイップアンテナ17が
コンテナ2外に突出して救命浮器1の位置を知らせる救
難信号を発信するようになっている。また自己発煙信
号、自己点火灯もコンテナ2内部のホルダに固定されて
おり、乗員はこれを取り外して動作させることにより肉
眼視認距離にいる救援者に自己の位置を知らせることが
できる。
【0021】図3は前述の樹脂ホース浮力体6を水面上
に展開した救命浮器の全体を示した概略説明図である。
同図に示したように水面状で膨張展開した2本の樹脂ホ
ース浮力体6はスペーサにより所定の離隔をとることが
でき、2本のホースの間の一部にはネットNが張られて
おり、体力の消耗した乗員や年少者の乗員をこのネット
Nに乗せてやることにより身体を水中に置くのに比べて
体力の消耗を抑えることができる。
【0022】また乗員Mは通常、ライフジャケットを着
装し、浮遊しながら救命索15につかまることができる
が、ライフジャケットをつけていない乗員の身体の安定
と腕の疲労軽減のために図示したような補助索18を張
り、水中にいる乗員がこの補助索18に足をかけて身体
を保持できるようになっている。この補助索18には所
定位置に重り19が取着されているので、補助索18全
体が水中に没し、乗員は水中にある補助索18の横索1
8aに容易に足をかけることができる。なお、同図は樹
脂ホース浮力体6の周囲には両側で8名程度の乗員しか
つかまれないように描かれているが、樹脂ホース浮力体
6の長さを長くすることにより、多数の乗員を1個の救
命浮器につかまらせることができることはいうまでもな
く、むしろ長尺の形状の方が救命浮器の周長の規定の点
からは有利である。長尺の樹脂ホース浮力体6を採用す
る場合には、樹脂ホース浮力体6を収容するコンテナ2
の大きさとガスボンベ7の充気能力を適宜変更して設計
すれば良い。
【0023】次に、図4及び図5を参照して前述の樹脂
ホース浮力体6の各構成部品について説明する。樹脂ホ
ース浮力体6の主要部である樹脂ホースは補強繊維を配
した基布と、この基布を被覆する樹脂部分とから構成さ
れている。基布は、図4に示したように長手方向に延在
する経糸20の周囲に緯糸21、22をそれぞれ所定の
捲角度αで反対向きに二重に螺旋状に捲回したポリエス
テル樹脂からなる補強繊維束から構成されている。な
お、本実施例では経糸20、緯糸21、22ともに繊度
1500d/本(d:デニール)の撚糸が使用されてお
り、各撚糸には50回/m程度の撚りが施されている。
また、前述の捲角度αはα=54.7°に設定されてお
り、この角度は静止角と呼ばれ、ホースにおける軸線方
向の伸びとフープ方向の膨張とがバランスをとることが
できる角度である。このように形成された基布を芯と
し、その内外面から浸漬加工により軟質塩化ビニル樹脂
23が被覆され、一体的に樹脂により被覆された樹脂ホ
ースが形成される。
【0024】この浸漬加工では、溶融樹脂槽で円筒状に
保形された基布の隙間に樹脂を浸透させ、加熱槽を経て
所定寸法のホースを成形する。さらに次工程で型押しロ
ーラで偏平に折曲げ処理され、内圧が作用しない状態で
は偏平な板状をなすホースに仕上げられる。
【0025】なお、樹脂ホース浮力体6は、水面に浮く
ことを主目的としているため、膨張展開した状態では力
学的な負担はほとんどないため、被覆樹脂の材質として
は、コンテナ2収容時の耐候性、耐寒性、耐熱性を考慮
することが好ましい。この観点から前記軟質塩化ビニル
樹脂に代えて適当な熱可塑性エラストマーを使用するこ
とも好ましく、スチレン系、オレフィン系、ポリウレタ
ン系、ポリアミド系の熱可塑性エラストマーを被膜樹脂
として使用するのが好適である。
【0026】また、成形方法としては前述の浸漬加工の
他、押出成形により樹脂部分を成形しても良い。この押
出成形では筒状の押出金型(ダイ)内に基布を通過さ
せ、金型内に溶融樹脂を加圧して押し出し、基布の隙間
を均一に浸透させて金型全体を樹脂で充填して所定形状
のホースを成形しても良い。
【0027】図5は膨張展開した状態での樹脂ホース浮
力体6の端部処理の状態を示したものである。同図
(a)において、コンテナ2側の端部6aは気密性を保
持するために内面が所定幅で溶着され、さらにその溶着
しろ部分に取付孔が設けられ結合索10の端部が結び付
けられている。他端6bにはホースの内径より僅かに大
きな直径の円筒形状のカップラー25が嵌合されてお
り、このカップラー25のほぼ中心にガス注入口26が
形成され、この部分にガスボンベ7のガス噴出口27が
接続されている。また炭酸ガスがガスボンベ7から噴出
する際にカップラー25がホースから分離しないように
締付バンド28によりカップラー25とホース6とが締
着されている。
【0028】同図(b)、(c)は変形例としてホース
端部を溶着する際にガスボンベ7から延出しているガス
噴出パイプ27を一体的に定着した例を示している。こ
のようにカップラーをなくしてホース端部6aとガスボ
ンベ7とを一体的に接続することによりコンテナ2内に
収容した状態をコンパクトにできる。なお、ガス噴出パ
イプ27の外周面にローレット目や凸リングを形成する
ことによりガス噴出時の噴出パイプの抜けを防止するこ
とができる。
【0029】次に、本発明による救命浮器を本船に設置
した一例と遭難時の使用例について図6を参照して説明
する。通常、本船30の舷側30aに立設された架台3
1上に複数個あるいは1個の救命浮器が、船が揺動して
も移動したりしないように投下装置32を介して堅固に
固定され、据え付けられている。本実施例では同図
(a)に示したように3個の救命浮器1が積み付けられ
た場合を説明する。
【0030】緊急時には、同図(b)に示したようにま
ず架台31に設けられている解放レバー33を操作して
横架材34のロックを解く。これにより横架材34が傾
斜すると同時にコンテナ2を固縛していたバンドが解放
され、まず最上段のコンテナが投下され、各コンテナが
次々と海上に投下される。このとき各コンテナには本船
30の吃水高さより十分長いもやい綱4が結ばれてお
り、水面に投下され着水し膨張展開した場合に救命浮器
1が本船30から離れてしまい、乗員がつかまるのが困
難になったり、流失しないようになっている。さらに乗
員がつかまった後、本船30が沈没するような状態に至
った場合には適当なタイミングでもやい綱4を解き、本
船から離れ、沈没時に発生する水流の影響範囲外に脱す
る。なお、もやい綱4のコンテナ2との連結は、機械的
係止機構により構成されており、安全装置をはずせばワ
ンタッチでもやい綱4を解くことができるようにしてあ
る。また本実施例では前記ガスボンベ7はコンテナ2の
投下と同時に作動索が引かれることにより前記安全封板
がカット機構により破られる。そしてガスボンベ7から
ガスが噴出し、本船舷側30aから落下するのとほぼ同
時にコンテナ2の一面が打ち抜かれて開放され、樹脂ホ
ース浮力体6が外部に飛び出すように膨張展開しながら
着水する。
【0031】また、変形例として、コンテナ2の投下と
同時に作動する作動索を用いず、コンテナ2をそのまま
投下して水面に着水させ、コンテナ2の一部に取り付け
られた塩水検知センサの検知によりガスボンベ7を動作
させ、ガス噴出を行うようにしても良い。
【0032】なお、救命浮器を投下する余裕のないまま
本船30が沈没してしまうような緊急時を考慮し、公知
の自動離脱機能により水中にある本船30からコンテナ
2を切り離して浮上させ、切り離しと同時に樹脂ホース
浮力体6を膨張展開させることも可能である。
【0033】(第2の実施例)本発明による救命具の第
2の実施例を図7〜図9を参照して説明する。図7はF
RP製の偏平円筒形状の2つ割りコンテナ2内に収容さ
れた救命浮器を説明するために分解して示した分解斜視
図である。同図中符号40は浮力体リールを示してお
り、この浮力体リール40には前述の樹脂ホース浮力体
6が偏平板状をなした状態で巻回されている。この樹脂
ホース浮力体6は2本が巻き始めを少しずらした状態で
巻回されており、その最外周部分の端部には略直方体形
状のガスボンベコンテナ41が接続されている。このガ
スボンベコンテナ41はリール外周部分において納まり
の良いようにこのような形状をとっており、その内部に
第1の実施例と同様の構成のガスボンベ7を内蔵し、ガ
ス噴出により接続された樹脂ホースにガスを導入するこ
とができる。
【0034】図8は浮力体リール40に巻回された樹脂
ホース浮力体6にガスボンベ7によりガスが導入されて
いる状態を示したものである。このように樹脂ホース浮
力体6が膨張すると同時にリール40から解かれるため
コンパクトな収容状態から迅速に樹脂ホース浮力体6を
膨張展開させることができる。
【0035】図9は第1の実施例の図2に対応した膨張
展開状態を示したものである。本実施例では第1の実施
例において使用した板状スペーサに代えて略三角形状の
膨張式スペーサ42が採用されている。この膨張式スペ
ーサ42は端部が2本の樹脂ホース浮力体6にそれぞれ
接続された袋状体で、樹脂ホース浮力体6が巻回収容さ
れているときには浮力体リール40の芯部40aに沿っ
て折り畳まれている。また、袋状体のガス注入口は樹脂
ホース浮力体6の一方と連通しており、樹脂ホース浮力
体6が膨張するのと同時に略三角形状に膨張でき、2本
の樹脂ホース浮力体6を所定の距離だけ離隔することが
できる。
【0036】本実施例でも芯部40aに救難信号発信器
16が内蔵されており、樹脂ホース浮力体6の巻回が解
かれ、結合索10が張ると同時にアンテナ17が起立す
るようになっている。救命索15等の艤装は第1の実施
例と同様である。
【0037】次に、樹脂ホース浮力体の変形例について
図10と図11とを参照して説明する。図10に示した
2本の樹脂ホース浮力体6の両端にはそれぞれ分岐カッ
プラー50が取り付けられており、この分岐カップラー
50にそれぞれ接続された2本の樹脂ホース6はさらに
その全長を3分するような中間位置に設けられた樹脂製
のバンド51で束ねられている。これによりバンド51
がない状態で膨張展開した場合には破線で示したように
アーチ状になるのを、バンド51によって拘束し、3個
の小さな輪状スペース52が形成されるようにすること
ができる。この輪状スペース52の大きさは乗員が入り
込める程度に設定されており、この部分が膨張展開した
状態で乗員を保持する浮き輪の役割を果たすことができ
る。
【0038】また、先端側の分岐カップラー50にはガ
ス噴出パイプ27を介してガスボンベ7が接続されてい
る。これにより本変形例では1個のガスボンベ7により
2本の樹脂ホース浮力体6を膨張展開することができ
る。またバンド51及び分岐カップラー50にアイホー
ル14を形成しておくことにより樹脂ホース6の表面に
アイホール14等の取付を行う手間を省くことができ
る。図11は前述のバンドに代えて樹脂ホースの一部5
3を溶着して同様の効果を奏するようにした変形例であ
る。この方法に依っても容易に輪状スペース52を確保
することができる。以上、本発明による救命具を船舶救
命設備規則に沿って救命浮器に適用した実施例を述べた
が、法定救命具以外の使用を目的として所定の変更を加
え、利用することは当然可能である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、通常の搭載時にはコンパクトな容器内に収容
させておくことができるとともに、緊急時には迅速に所
定形状に膨張展開し、十分な浮力と周長とを備えること
により水面にいる多数の乗員をつかまれるようにするこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による救命具としての救命浮器の第1の
実施例の概略構成を示した分解斜視図。
【図2】図1に示した救命浮器の樹脂ホース浮力体が膨
張展開した状態の一例を示した部分斜視図。
【図3】図1に示した救命浮器の樹脂ホース浮力体が膨
張展開し、使用された状態を模式的に示した斜視図。
【図4】本発明に使用される樹脂ホース浮力体の補強繊
維束の一例を示した斜視図。
【図5】本発明に使用される樹脂ホース浮力体の端末処
理の一例を示した説明図。
【図6】本発明による救命具としての救命浮器を本船に
搭載の態様及び遭難時の使用態様の一例を示した模式説
明図。
【図7】本発明による救命具としての救命浮器の第2の
実施例の概略構成を示した分解斜視図。
【図8】図7に示した救命浮器の樹脂ホース浮力体が膨
張展開している途中状態の一例を示した斜視図。
【図9】図7に示した救命浮器の樹脂ホース浮力体が膨
張展開した状態の一例を示した部分斜視図。
【図10】本発明に使用される樹脂ホース浮力体の変形
例を示した斜視図。
【図11】本発明に使用される樹脂ホース浮力体の他の
変形例を示した平面図。
【符号の説明】
1 救命浮器 2 コンテナ 4 もやい綱 6 樹脂ホース浮力体 7 ガスボンベ 10 結合索 12、13、42 スペーサ 15 救命索 40 浮力体リール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】充気装置と、該充気装置が一端に連結され
    るとともに、他端が閉塞され充気されていない状態にあ
    っては略偏平板状の外形をなし折り畳みあるいは巻回可
    能で、前記充気装置の充気動作により筒状に膨張展開し
    所定の浮力を有する筒状体と、前記充気装置の連結され
    た筒状体を折り畳みあるいは巻回して収容可能な収納体
    とを備えたことを特徴とする救命具。
  2. 【請求項2】前記筒状体は経糸の周囲に緯糸を所定捲角
    度をなして螺旋状に捲回して筒状に形成された基布に樹
    脂被覆を施して成形した樹脂被覆ホースであることを特
    徴とする請求項1記載の救命具。
  3. 【請求項3】前記筒状体は膨張展開時に複数本が所定離
    隔を保持し並列をなして連繋された状態となるように前
    記収納体に収容されたことを特徴とする請求項1記載の
    救命具。
  4. 【請求項4】前記筒状体は取着されたスペーサにより隣
    接した該筒状体が所定離隔を保持するようにしたことを
    特徴とする請求項3記載の救命具。
  5. 【請求項5】前記収納体は所定の側面部が前記充気装置
    の膨張動作による内方からの押圧力により打ち抜かれる
    ような略直方体形状をなすコンテナであることを特徴と
    する請求項1記載の救命具。
  6. 【請求項6】前記収納体は前記筒状体を巻回して収容可
    能なリール構造であることを特徴とする請求項1記載の
    救命具。
  7. 【請求項7】前記収納体は所定の浮力を有する浮力体で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか
    1項に記載の救命具。
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