JP2014226057A - イチゴ栽培用具および受粉システム - Google Patents

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Abstract

【課題】イチゴの栽培における作業効率を向上させる。
【解決手段】イチゴ栽培用具は、イチゴの花房41を支持する支持面1aを分離板1と、支持面1aに対して花房41を係留する留め具2とを備え、留め具2は、少なくとも2つの端部5を有し、支持面1aには、端部5を挿入可能な開口部(または凹部)4が形成されており、支持部材1は、プランタ50が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、プランタ50に対して設置可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、イチゴを栽培するためのイチゴ栽培用具および受粉システムに関する。
近年、温度、湿度、光照射時間等、環境パラメータを制御した人工環境下において植物を工業的に栽培する植物工場の開発が盛んである。植物を工業的に栽培する場合、農家などの熟練した生産者が従来行っていた作業工程を簡素化、マニュアル化することにより、非熟練者によっても効率的に植物を栽培できるようにすることが検討されている。
特許文献1には、花芽と葉部とを分ける苺の果実出し器が記載されている。この果実出し器は、花芽を通す通過部を備えた葉部遮断部材を備えており、通過部の下側は開放されている。
特許文献2には、複数の櫓と、棟紐と、網とで構成された栽培床に立設する櫓網床装置について記載されている。
特許文献3には、植物上にほぼ水平に張られた可撓性を有する幹線等によって、植物の主枝および側枝を振動させることによって、花粉を散らすことによってめしべに受粉させる自動的受粉装置について記載されている。
特開平09−233939号公報(1997年9月9日公開) 特開2003−225023号公報(2003年8月12日公開) 特開2002−112653号公報(2002年4月16日公開)
東京都産業労働局農林水産部調べ 都内直売農家における促成イチゴの経営事例[平成25年4月17日検索]、インターネット<http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/norin/sogoannai/siken/2008/6.pdf>
イチゴの栽培において、収穫までの間には多くの手作業が必要である。非特許文献1では、イチゴの栽培において、10アール当たりの投入時間は少なくとも1000時間以上であることが記載されている。ここで、イチゴの栽培への投入時間のうち、収穫には16%の時間を費やし、毎日の摘果(不良果実の除去)、摘葉(古い下葉の除去)などの作業に、39.8%もの時間を費やしている。このため、これらの膨大な手作業の負担を軽減することが必要とされている。
イチゴの花房は、クラウンと呼ばれるイチゴ株の中央付近から成長し、通常最初は葉群に隠れて存在している。このため、作業者は、イチゴの摘果およびイチゴの摘葉といった作業の度に、視認によって葉群に隠れた花房の位置を逐一判別しなければならない。また、花房の位置を判別するに際して、作業者は、果実に傷がつかないように配慮しながら作業を行なうことが必要になる。このため、これらの作業は、投入時間が長くなり、また非熟練者にとっては困難な業務となっている。
また、人工光下での室内栽培においては、太陽光が届かないため、蜂は方向感覚を失い正常な飛翔ができない。このため、室内栽培のような人工環境においては、蜂による受粉は適さない。しかし、蜂による受粉を行なわない場合、筆等によって、個々の花にある複数のめしべのそれぞれに逐一受粉する必要がある。このため、受粉に際しても、摘果および摘葉の作業の場合と同様に、作業の度に葉群に隠れた花房を探して作業をすることになる。従って、受粉作業においても、相当な時間を要することになる。
さらに、次の栽培にフィードバックするために、非熟練者は、従来の熟練者が慣行していた栽培作業ともに、栽培状況のデータの記録も行わなければならない。従って、さらなる業務の効率化が求められる。
特許文献1のイチゴの果実出し器では、花芽を通す通過部を備えた葉部遮断部材によって花房と葉群とを分離することはできる。しかし、花托が軽い成熟していない花房と、花托が重い成熟した花房とにおいて花房の高さにばらつきが生じる問題がある。また、未成熟である軽い花托は果実だし器から垂れ下がらず、葉群からの分離が不十分となる問題がある。さらに、葉部遮断部材により葉群の領域が限定されるため、葉群が密集し、光合成の効率が低下する問題がある。
特許文献2の櫓網床装置では、花房を確認した段階から保持することはできず、棚部や網床部に誘導したりする玉乗せ作業を、花房の伸長に合わせて行う必要がある。このため、花房がある程度成熟するまでの間は、逐一花房の成長を確認するという熟練を要する作業があるという問題がある。
特許文献3の自動受粉装置では、振動によって花粉を散らすことで受粉を行なうが、イチゴの栽培においては、個々のイチゴの花にある複数のめしべのそれぞれに高い確率で花粉を付着させることが必要となる。この点において、特許文献3の自動受粉装置では、筆を用いた直接接触による受粉と比較して受粉確率が高くないという問題がある。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、イチゴの栽培において、作業効率を向上させ、作業投入時間を短縮することができるイチゴ栽培用具および受粉システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るイチゴ栽培用具は、イチゴの花房を支持する支持面を有する支持部材と、上記支持面に対して上記花房を係留する係留部材とを備え、上記係留部材は、少なくとも2つの端部を有し、上記支持面には、上記端部を挿入可能な開口部または凹部が形成されており、上記支持部材は、上記イチゴの栽培容器が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、上記栽培容器に対して配置可能であることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るイチゴ栽培用具は、イチゴの花房を支持する支持面を有する支持部材と、上記支持面に対して上記花房を係留する係留部材とを備え、上記係留部材は、磁石を含む少なくとも2つの端部を有し、上記支持部材は、上記磁石を固定可能な磁性体を有しており、上記イチゴの栽培容器が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、上記栽培容器に対して配置可能であることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、イチゴの花房が確認された時に、イチゴの葉群から離して花房を支持部材の支持面に対して係留することができる。そのため、花房への受粉、摘果、および収穫等の作業ごとにイチゴ株に隠れた花房の位置を確認する必要はない。従って、作業を効率的に行なうことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具の概略を説明する斜視図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する支持部材およびその変形例を説明する図である。 本発明の一実施形態が有する係留部材およびその変形例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具の概略を説明する斜視図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する支持部材および係留部材の概略を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する係留部材の形態を例示する図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する支持部材の上面図および側面図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具の概略を説明する側面図である。 本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具の概略を説明する斜視図および側面図である。 本発明の一実施形態に係る受粉システムの概略を説明する斜視図である。 本発明の一実施形態に係る受粉システムが有する受粉部の概略を説明する断面図である。
<実施形態1>
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具について図1〜図3を用いて説明すれば、以下の通りである。図1は、本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具20の概略を説明する斜視図である。
(イチゴ栽培用具20の構成)
本実施形態に係るイチゴ栽培用具20は、イチゴの花房41を支持する傾斜した支持面1aを有する分離板(支持部材)1と、支持面1aに対して花房41を係留する留め具(係留部材)2とを備えている構成である。
なお、支持面1aとは、分離板1の花房を乗せて係留する側の面のことをいう。
図2の(a)は、本実施形態に係るイチゴ栽培用具20が有する分離板1を説明する図であり、図2の(b)は、本実施形態の変形例に係るイチゴ栽培用具が有する分離板10を説明する図である。
図1および図2の(a)に示す通り、分離版1は、棒状の部材を格子状に組み上げた板によって構成される。分離板1は、格子に留め具2を固定、または係留させることができるようになっている。
分離板1は、イチゴの栽培容器であるプランタ50が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、プランタ50に対して配置可能である。より具体的には、分離板1は、プランタ50の縁部から鉛直斜め下方向に延出しており、プランタ50で栽培されているイチゴ株40の葉群よりも鉛直下方向における位置でイチゴの花房41を保持することができる。そのため、分離板1に対して花房41を係留することにより、花房41を葉群から分離することができる。
この分離板1は、イチゴの花房、果実、および留め具等の荷重に耐えられるものであれば、特に材質は限定されず、アルミ、ステンレスなどの金属、またはプラスチック材料等を用いることができる。
分離板1の縦幅および横幅は、プランタ(イチゴの栽培容器)50の大きさに合わせて適宜調整すればよい。ここで、分離板1の格子の開口部の大きさ(縦幅×横幅)は、2.5cm×2.5cm以下の範囲内であることが好ましい。支持部材1の格子の縦幅×横幅を上述の範囲内にすることによって、イチゴの果実が格子を通して、分離板1の下に脱落することを防止できる。
また、分離板1を設置したときの傾斜角度は、プランタ50が載置されている載置面(床)に立てた垂線に対して、0°よりも大きく、90°以下であることが好ましい。これによって、分離板1の上において、イチゴの花芽の重量が分散される。従って、イチゴの茎の一部に花芽による荷重が集中することがなく、イチゴの茎に負担をかけないようにすることができる。
図3の(a)は、本実施形態に係るイチゴ栽培用具20が有する留め具2を説明する図面であり、図3の(b)および(c)は本実施形態の変形例に係るイチゴ栽培用具が有する留め具2A・2Bを説明する図である。
図3の(a)に示す通り、留め具2は、クリップ型の形態をしており、リング部分2aを開放することができるようになっている。これによって、留め具2のリング部分2aの内側に花房41の茎を導入し、かつ分離板1の格子部分を挟むようにして固定することができる。これによって、花房41を分離板1の上に係留することができる。また、留め具2のリング部分2aの内側に、花房41の茎と分離板1の格子の一部を同時に導入することによって、花房41を分離板1の上に係留することもできる。
留め具2aは、イチゴの花房を係留できるものであれば、特に材質は限定されず、アルミ、ステンレスなどの金属、またはプラスチック材料等を用いることができる。また、本実施形態に係るイチゴ栽培用具20では、留め具2の表面の少なくとも一部に緩衝部材3が配されていることが好ましい。つまり、図3の(a)に示す通り、留め具2のリング部分2aの内側は、ゴム、プラスチック等の可撓性材料であることが好ましい。留め具2のリング部分2aの内側に可撓性を有する緩衝部材3を用いることによって、イチゴの花芽に傷をつけることを防止することができる。また、留め具2は、花房41の数に応じて複数備えることが好ましい。
また、留め具2のリング部分2aの内側の面によって形成される環状形状の短径(最も短い径)は5mm以上、20mm以下の範囲内であることが好ましい。留め具2のリング部分の内径が当該範囲内であれば、花房41の茎を留め具2のリング部分の内側に導入し、分離板1の上に好適に係留することができる。
(イチゴ栽培用具20の使用の態様)
図1に示す通り、分離板1の一端はプランタ50の端部に設置され、分離板1はイチゴ株40から離れた位置に設置されている。留め具2は、イチゴ株40から伸長した茎に成長した花房41を留め具2のリング部分2aの内側に導入し、分離板1の格子の一辺を挟むことによって、分離板1に固定されている。このような構成によって、イチゴ栽培用具20は、イチゴ株40の葉群40aから離れた位置に花房41を係留することが可能となる。
(効果)
上記の構成により、留め具2を固定する位置を調整することによって、花房41を分離板1の上に整列させることができる。また、花房41は、留め具2によって分離板1の支持面の上に係留されるため、花托42が軽い成熟していない花房41と、花托42が重い成熟した花房41とにおいて花房41の高さにばらつきが生じることがない。
このため、作業者は、イチゴの摘果およびイチゴの摘葉といった作業の度に、視認によって葉群に隠れた花房の位置を逐一判別する必要がなくなる。このため、作業者が果実に傷がつかないように配慮しながら摘果などの作業を行なうときの負担を軽減することができる。
また、受粉に際しても、摘果および摘葉の作業の場合と同様に、作業の度に葉群に隠れた花房を探して作業をする必要がなくなる。また、花房41は、分離板1の支持面上に留め具2によって高さのばらつきなく整列して係留されるため、受粉および果実の収穫などの作業を好適に行なうことができる。従って、作業効率を向上させ、作業投入時間を短縮することができる。また、非熟練者であっても好適に作業を行なうことができる。
また、イチゴ栽培用具20は、イチゴ株40の葉群40aから離れた位置に整列した状態で花房41を係留することが可能であるため、プランタ50において成長するイチゴ株40の葉群40aの領域を限定しないようにすることができる。従って、分離板1によって葉群40aを密集させることがないため、イチゴの葉群40aは十分な栽培光を受けることができるようになる。
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
(支持部材および留め具)
図1、図2の(a)、および図3の(a)において、本実施形態では、格子状の支持面1aを構成する分離板1と、クリップ型の留め具2とを使用した場合について説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係るイチゴ栽培用具20では、留め具は、少なくとも2つの端部5を有し、板状の支持部材10の支持面10aには、端部5を挿入可能なように開口部(または凹部)4が形成されているという構成にすることもできる。
例えば、図2の(b)に示す通り、分離板10は、支持面において縦横になど、所定の間隔で配列された複数の開口部(または凹部)4を備えており、任意の開口部(または凹部に)4に留め具の端部を挿入することができるようになっている。
また、例えば、図3の(b)に示す通り、留め具2Aは、2つの端部5を有するピン型の形態を採用することができる。
ここで、ピン型の留め具2Aの2つの端部5の間に花房41の茎を通し、分離板10に多数設けられた開口部(または凹部に)4のうちの任意の開口部4に留め具2Aの2つの端部5を挿入することによって、花房41を分離板10の上に係留することができる。
また、もう一つの例において、図3の(c)に示す通り、留め具2Bは、リング部分2Baを開放することができるカートリング型の形態を採用することもできる。
ここで、カートリング型の留め具2Bのリング部分2Baを開放し、リング部分2Baの内側に花房41の茎および分離板1の格子を導入した後に、留め具2Bのリングを閉鎖することによって、分離板1の上に花房41を係留することができる。
これら変形例においても、留め具2の場合と同様に、留め具2Aおよび留め具2Bは、表面の少なくとも一部(特に湾曲部の内側)にゴムまたはプラスチックなどの緩衝部材3Aおよび3Bが配されていることが好ましい。
<実施形態2>
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具21について図4および図5を用いて説明すれば、以下の通りである。図4は、本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具21の概略を説明する図である。
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具21は、留め具(係留部材)2’は、磁石を含む少なくとも2つの端部5’を有し、分離板(支持部材)1’は、上記磁石を固定可能な磁性体を有している構成である。
図5の(a)は、本実施形態に係るイチゴ栽培用具21が有する分離板1’の概略を説明する図である。また、図5の(b)は、本実施形態に係るイチゴ栽培用具21が有する留め具2’の概略を説明する図である。
図4および図5の(a)に示す通り、分離板1’は、表面が平坦な板状の部材から構成される。ここで、分離板1’は、留め具2’の磁石を含む端部5’によって、分離板1’に固定できるようになっている。従って、分離板1’は、留め具を挿入するための開口部または凹部を設けない構成とすることができる。分離板1’には、鉄などの磁性体を混入したプラスチック(樹脂)板、若しくは裏面または内部に磁性体として機能する板状部材(鉄板など)を有するプラスチック板などを使用することができる。
留め具2’は、少なくとも2つの端部5’を有している。留め具2の端部5’以外の部分については、特に材質は限定されず、鉄、アルミ、ステンレスなどの金属、またはプラスチック材料などを用いることができる。留め具2’は、2つの端部5’の間の幅が10mm以上、30mm以下の範囲内であることが好ましい。また、留め具2’を分離板1’に固定したときにおける、分離板1’の支持面1’aから留め具2’の内側の高さは、10mm以上、30mm以下範囲内であることが好ましい。留め具2’の内側の幅をこれらの範囲内にすることによって、花房41の茎を好適に係留することができる。また、留め具2’の表面の少なくとも一部(特に、留め具2’の湾曲部の内側)には緩衝部材3’が配されていることが好ましい。また、留め具2’は、花房41の数に応じて複数設けることができる。
端部5’は、分離板1’の支持面1’aに接する面が平坦になっている。これによって、留め具2’は、分離板1’の支持面1’aの上に立った状態で磁力によって固定される。なお、端部5’には、永久磁石などの強磁性体を使用することができる。また、端部5’は、強磁性体を封止材によって封止したものであってもよい。
また、プランタ(栽培容器)50の側面を、分離板1’の代用としてもよい。すなわち、プランタ50の側面を、当該プランタ50の設置面に対して傾斜するよう形成し、当該側面に磁性体を含ませてもよい。
(効果)
上記のような構成によって、イチゴ栽培用具21は、図4に示す通り、イチゴ株40から離れた分離板1’の支持面の上に花房41の茎を係留することができる。従って、実施形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
また、イチゴ栽培用具21では、留め具2’は、分離板1’の支持面上に磁力によって固定される。このため、分離板1’の支持面に開口部または凹部を設ける必要がなく、支持面を平坦な構成にすることができる。このため、開口部または凹部にイチゴの葉および花びらなどの老廃物が蓄積されることがなく、好適に衛生に保つことができる。
また、留め具2’は、磁力によって分離板1’の平坦な支持面に固定される。このため、留め具2’を分離板1’から脱着するときに、引っ掛かりなどによって留め具2’が変形することがない。従って、繰り返し使用する場合において、メンテナンスに係る負担を軽減することができる。
<実施形態3>
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する留め具2’の形態について図6を用いて説明すれば、以下の通りである。図6は、本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する留め具(係留部材)2’の形態を例示する図である。
(係留部材の形態)
実施形態1および実施形態2において、留め具2・2’は、分離板1・1’の支持面1a・1’aの上に花房の数に応じて複数設けることができるような構成である。ここで、本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具では、外見が互いに異なる複数種類の留め具2’・2’a・2’bを備えている構成である。
実施形態2に係るイチゴ栽培用具21が備えている留め具2’を例にして、外見が互いに異なる例を、図6に示す。図6は留め具2’に互いに異なる色を付与した例(留め具2’a、2’b)を示している。なお、留め具2A・2Bについても同様の構成を適用することができる。
ここで、留め具2・2’の外見が互いに異なるようにするための例としては、留め具2・2’の色彩を変化させる例のみならず、模様、形状を変化させる例を挙げることができる。
留め具2’の形態において、色は、目視によって互いに異なる色であると認識できる程度の違いがあればよく、例えば、赤と青とのように異なる色相の色によって区別できるようにしてもよい。また、赤色と桃色とのように同一の色相において、彩度と明度を調整することによって区別するようにしてもよい。
また、図6の例に限らず、留め具2’のそれぞれに互いに異なる模様を付してもよい。これらの模様は、互いに異なるものであれば特に限定されず、記号、漢字、ひらがな、カタカナ、および英数字などの文字でもよく、これらを組み合わせたものでもよい。また、花房を係留した日にちなどの情報を表す数字などを用いることもできる。
また、留め具2’の形状の一部を互いに異ならせてもよい。例えば、留め具2’の表面に突起部を設け、設ける突起部の数を互いに異ならせてもよい。
上記の色、模様、および形状は、いずれかのみを変化させることによって留め具の互いの外見を異なるようにしてもよく、2以上を組み合わせることによって留め具の互いの外見を異なるようにしてもよい。なお、図6に例示する形態の変化は、他の型の留め具にも同様に適用することができる。
また、本実施形態に用いられる複数の留め具2・2’は、31種類以上の形態(外観)の違いによって互いに区別できるようにすることが好ましい。つまり、ひと月の最大日数以上の種類の形態によって、留め具2・2’を互いに区別できるようにすることが好ましい。一般に、イチゴの花房の発生から花托の結実までには、30日前後の日数を要する。このため、花房41を係留した日によって互いに形態の異なる31種類以上の留め具2・2’を使い分けることで、花房41の発生日から収穫の日までに要した日数を適切に判断し、記録することができるようになる。
(記録媒体)
また、イチゴ栽培用具20・21が有する留め具2・2’は、情報の記録および読み出し可能な記録媒体を備えている構成にすることができる。
記録媒体としては、RFID(Radio Frequency IDentification)チップなどの記録媒体を用いることができる。また、筆記用具によって情報を直接記入することができるタグなどを用いてもよい。
(効果)
植物工場においては、栽培環境の制御によって、イチゴなどの収穫期が限定される植物を年中栽培することが可能になる。また、栽培環境の制御によって、イチゴの収量の増減に影響する花房の累積出現数および花托の育成日数などのパラメータを収集することが有用になる。
ここで、上記の構成を備えることによって、栽培に関するデータを効率的に取得することができるようになる。さらに、RFIDチップを用いることによって、栽培時における情報収集および情報の評価も含めた作業時間の短縮を達成することができる。このため、非熟練者が情報の記録作業を行なう場合であっても、記録に要する時間を短縮することができる。
また、記録媒体を用いることによって、栽培に関する各種条件および収量に関するデータを好適に取得し、評価することができる。このため、評価後のデータを、以後の栽培におけるイチゴの収量の増大のためにフィードバックすることができる。
<実施形態4>
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具22が有する支持部材の形態について図7を用いて説明すれば、以下の通りである。図7は、本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具22が有する分離板(支持部材)1”の概略を説明する図であり、(a)は分離板1”の上面図であり、(b)は、分離板1”の平面図である。
実施形態1〜3に係る分離板1・1’は、当該分離板の一端がプランタ50の端部に接するようにして、プランタ50の外側に傾斜をつけて設置するものであってもよい。例えば、本実施形態に係るイチゴ栽培用具が有する分離板1”は、分離板1’の外周部の一辺に設けられたヒンジ6と、ヒンジ6を介して分離板1’に接続された装着部材7とをさらに備えている構成である。
(分離板1”の構成)
図7(a)および(b)に示す通り、分離板”は、例えば、実施形態2に係るイチゴ栽培用具21が備える分離板1’の外周部の一辺にヒンジ6を設け、ヒンジ6を介して分離板1’に接続された装着部材7を備えるようにすることができる。
ヒンジ6は、分離板1’に対して、装着部材7を任意の角度に保持できるようになっている。ヒンジ6には、トルクヒンジを用いての任意の角度に保持できるようにしてもよく、ステー(図示しない)を用いて任意の角度に保持できるようにしてもよい。
装着部材7は、プランタ50の培地中もしくは内壁側に挿入することによって、プランタ50に分離板1”を装着することができる。また、装着部材7は、ヒンジ6に接続する側の一辺に対向する一辺が鋭角状になった板部材によって構成され、プランタ50の培地中もしくは内壁側に好適に挿入することができるようになっている。また、装着部材7は、鉄、アルミ、ステンレスなどの金属によって成形してもよいし、樹脂材料によって成形してもよい。
(使用の態様)
図8は、本実施形態に係るイチゴ栽培用具22の概略を説明する側面図である。
図8に示す通り、イチゴ栽培用具22が有する分離板1”では、装着部材7をプランタ50の培地中もしくは内壁側に挿入することによって、分離板1”をプランタ50に固定する。このため、分離板1”の支持面の角度を任意の角度で固定することができる。このため、栽培時には茎に負担がかからない角度に支持面1”aを固定することができる。また、受粉時および収穫時には作業者の都合に合わせて作業しやすい角度に支持面1”aを固定することができる。従って、作業を効率的に行なうことができるようになる。
<実施形態5>
本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具23について図9を用いて説明すれば、以下の通りである。図9の(a)は、本発明の一実施形態に係るイチゴ栽培用具23の概略を説明する斜視図であり、図9の(b)は、イチゴ栽培用具23の概略を説明する側面図である。
図9に示す通り、本実施形態に係るイチゴ栽培用具23は、分離板1’の支持面1’aによって支持された花房41に到達する光を遮る遮光板8をさらに備えている構成である。また、本実施形態に用いられる遮光板8は、プランタ(イチゴの栽培容器)50に対して任意の角度で遮光板8を固定する固定部9を備える構成である。
(遮光板8の構成)
図9(a)および(b)に示す通り、遮光板8は、イチゴの花房に到達する光を遮る板状の部材であり、分離板1に固定部9によって固定されている。遮光板8は、光を遮る材料であれば、材質は特に限定されず、金属、プラスチックなどを使用することができる。また、遮光用のシートを任意のサイズの枠に固定することによって遮光板として用いてもよい。
また、遮光板8は、栽培光を反射する反射面を有していることが好ましい。遮光板8が、反射面を有することによって、反射面に反射した反射光を葉群40aに照射することができるようになる。従って、花房への光の照射を遮断しながら、葉群40aの光合成の効率を上げることができる。ここで、反射面は、90%以上の光の反射率を有していることが好ましい。
固定部9は、分離板1’と遮光板8とを固定する部材である。固定部9は、分離板1’に対する遮光板8との角度を一定になるように固定してもよい。また、図9(b)に示す通り、固定部9はトルクヒンジなどによって任意の角度で遮光板8を分離板1’に固定できるようにしてもよい。ここで、遮光板8が反射面を有している場合、反射光がイチゴの葉群40aにあたるように、水平面に対して1°以上の傾斜をつけて固定部9を固定することが好ましい。なお、固定部9は、遮光板8と分離板1’とを必要に応じて脱着可能なように固定してもよい。
(使用の態様)
図9に示す通り、遮光板8は、留め具2’によって分離板1’の支持面1’aの上に係留された花房41の上の空間に、花房41に照射される光を遮断するように固定されている。従って、分離板1’から離れた位置にあるプランタ50に植えられたイチゴ株40の葉群40aに対しては、遮光しないようになっている。つまり、イチゴ栽培用具23では、イチゴの花房41に対しては十分に遮光しつつ、イチゴの葉群40aに対しては十分な光を照射することができる。
(効果)
イチゴ株の葉群から離れた位置にイチゴの花房を分離する理由は、白ろう果の発生を防止するためであることが、特許文献1においても記載されている。通常、イチゴの生産者の間では、果実に日光を当てることによって白ろう果の発生を予防する。しかし、一方では、イチゴの花房を遮光してイチゴを栽培した場合に、花托が色付かず白いままに成長したものの、甘く結実したという実験も行われている。また、品種改良によって赤く色づかないイチゴ(三好アグリテック株式会社、品種名:初恋のかおり)も開発されており、希少品として取り扱われている。
イチゴのような花托にアントシアニンを蓄積する果実においては、花托が光を受けることによって遺伝子が発現し、果実が赤くなると考えられている。上記の構成をとることによって、イチゴ栽培用具23は、他の実施形態におけるイチゴ栽培用具の効果を備えつつ、葉群に十分な光を照射することによって花托42(果実)を十分に成長させ、同時に花托42を擁する花房41に対して遮光することによって、希少である白いイチゴを意図的に生産することができる。
<実施形態6>
本発明の一実施形態に係る受粉システム30について図10および図11を用いて説明すれば、以下の通りである。図10は、本発明の一実施形態に係る受粉システム30の概略を説明する図である。
(受粉システム30の構成)
本発明の一実施形態に係る受粉システム30は、本発明に係るイチゴ栽培用具20〜23のいずれかを含んでいる。ここでは、イチゴ栽培用具21を含む受粉システム30について説明する。受粉システム30は、分離板1’の支持面1’aの上方に敷設された索道ロープ(ガイド部材)11と、索道ロープ11の移動に伴い移動する受粉部12とを備え、受粉部12は、繊維状物質12bを有している構成である。
索道ロープ11は、受粉部12の移動経路を規定する部材であり、支持面1’a上に係留された花房41に受粉部12が接触できる位置に敷設されている。敷設された索道ロープ11の端部に位置する駆動装置(図示しない)を用いて索道ロープ11を動かすことによって、索道ロープ11は、索道ロープ11に固定された受粉部12を移動および回動できるようになっている。
索道ロープ11は、受粉システム30に少なくとも1つあればよいが、分離板1’の支持面1’aにおいて花房41が係留される幅を考慮して複数設けてもよい。
なお、受粉部12を移動させる方法として、索道ロープ11を移動させる方法以外の方法を利用してもよい。例えば、索道ロープ11を固定し、その索道ロープ11に沿って受粉部12が移動する構成を用いてもよい。この構成では、受粉部12は、索道ロープ11に沿って移動するための駆動装置を備えている。また、駆動装置を備えた受粉部12が、レール(ガイド部材)に沿って移動する構成を用いてもよい。
また、受粉部12を移動させることなく、定位置に配置し、その位置において受粉部12回転させることで受粉を行ってもよい。
図11は、本実施形態に係る受粉システム30が有する受粉部12の概略を説明する図である。
受粉部12は、花粉を付着して花房41に受粉するための部材であり、索道ロープ11を利用して移動する。図11に示す通り、受粉部12は、索道ロープ11に固定するための固定部12aを備えており、当該固定部12aを中心として繊維状物質12bを放射線状に有している。受粉部12は、直径10cm以上、20cm以下であることが好ましい。なお、受粉部12を複数設けることによってより好適に受粉を行なうことができる。
固定部12aは、索道ロープ11に受粉部12を固定する部材である。固定部12aは、固定部12aの中心部の空洞に索道ロープ11を通して、受粉部12を索道ロープに固定するようになっている。また、固定部12aは、索道ロープ11を固定する空洞以外の部位に放射線状に繊維状物質12bを備えている。
繊維状物質12bは、おしべの花粉を付着させ、めしべに受粉させるために用いられる。繊維状物質12bの材料には、植物性繊維、動物性繊維、および化学繊維などを用いことができるが、特に、ポリエチレンテレフタレートなどの静電気を帯びやすい化学繊維またはテープを用いることが好ましい。
通常、花房41のめしべは負に帯電しており、花粉は正に帯電している。このため、受粉部12が静電気を帯びていることで、受粉部12を花房に接触させたときに正に帯電した花粉を好適に吸着することができる。また、花房41のめしべは負に帯電しているため、正に帯電した花粉を受粉部12から好適に受粉することができる。
また、受粉システムは、1日に1回以上自動的に受粉するようにプログラムによって制御することもできる。
(受粉システム30の使用の態様)
図10に示す通り、花房41は、索道ロープ11の下に位置するように、留め具2’によって支持面1’aの上に係留されている。花房41は、負の重力屈性によって、重力方向の反対側、つまり鉛直上方向を向く性質を有している。従って、手作業によって逐一花房41の向きを調整しなくても、花房41は、花房41の上を移動する受粉部12に接触しやすい方向に自らを向ける。
索道ロープ11の移動に伴って、受粉部12は花房41のおしべおよびめしべに接触するように移動する。また、索道ロープ11は、受粉部12が花房41に接触した状態で受粉部12を回動させる。当該索道ロープ11の動作によって受粉部12が移動および回転することで、受粉部12は、イチゴのおしべから花粉を吸着しつつ、めしべに花粉を受粉させる。
(効果)
受粉システム30では、イチゴ栽培用具21を用いることによって花房41を整列した状態で係留できることを利用して、シンプルな動作によって自動的に受粉作業を行なうことができる。このため、毛筆による受粉作業よりも、大幅に作業時間を短縮することができる。
また、受粉システム30では、受粉部12を用いておしべの花粉を吸着し、当該花粉をめしべに受粉することかできる。従って、植物工場、特に蜂による受粉が困難である室内栽培においても好適に使用することができる。また、植物体に振動を加えることによって花粉を散らすことでめしべに受粉させるよりも、より的確に受粉作業を行なうことができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るイチゴ栽培用具は、イチゴの花房を支持する支持面を有する支持部材(分離板1)と、上記支持面に対して上記花房を係留する係留部材(留め具2)とを備え、上記支持部材は、上記イチゴの栽培容器(プランタ50)が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、上記栽培容器に対して配置可能である。
上記構成によれば、イチゴの栽培容器が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように栽培用容器に対して配置された支持部材の支持面上に、係留部材によって花房が係留される。
これによって、花房を葉群から離れた位置に係留できるようになる。従って、クラウンと呼ばれるイチゴ株の中央付近から成長し、通常最初は葉群に隠れて存在している花托を擁する花房を初期の段階において、葉群から離れた位置に係留することができる。また、花房は、係留部材によって支持部材の支持面上に係留されるため、花托が軽い成熟していない花房と、花托が重い成熟した花房とにおいて花房の高さにばらつきが生じることがない。
このため、作業者は、イチゴの摘果およびイチゴの摘葉といった作業の度に、視認によって葉群に隠れた花房の位置を逐一判別する必要がなくなる。このため、作業者が果実に傷がつかないように配慮しながら作業を行なうこという負担を軽減することができる。また、受粉に際しても、摘果および摘葉の作業の場合と同様に、作業の度に葉群に隠れた花房を探して作業をする必要がなくなる。
また、係留部材によって、花房を支持部材の支持面上に高さのばらつきなく整列して係留することができるため、受粉および果実の収穫などの作業を好適に行なうことができる。従って、作業効率を向上させ、作業投入時間を短縮することができる。また、非熟練者であっても好適に作業を行なうことができる。
また、本発明のイチゴ栽培用具では、イチゴ株の葉群から離れた位置に整列した状態で花房を係留することが可能であるため、イチゴの栽培容器において成長するイチゴ株の葉群の領域を限定しないようにすることができる。従って、支持部材によって葉群を密集させることがないため、イチゴの葉群は十分な栽培光を受けることができるようになる。
なお、支持部材は、イチゴの栽培容器が設置された設置面に立てた垂線に対して、0°よりも大きく、90°以下に傾くように配置することが好ましい。これによって、支持部材の支持面上において、イチゴの花芽の重量が分散される。従って、イチゴの茎の一部に花芽による荷重が集中することがなく、イチゴの茎に負担をかけないようにすることができる。
本発明の態様2に係るイチゴ栽培用具では、上記態様1において、上記係留部材(留め具2A・2B)は、少なくとも2つの端部を有し、支持面には、上記端部を挿入可能な開口部または凹部(開口部(または凹部)4)が形成されている。
上記構成によれば、支持部材の支持面上に形成された開口部または凹部に、係留部材が有する少なくとも2つの端部を挿入することによって、支持部材の支持面上にイチゴの花房を簡単な構成で係留することができる。
本発明の態様3に係るイチゴ栽培用具では、上記態様1または2において、上記係留部材(留め具2’)は、磁石を含む少なくとも2つの端部を有し、上記支持部材は、上記磁石を固定可能な磁性体を有している。
上記構成によれば、磁性体を有する支持部材の支持面上に、磁石を含む少なくとも2つの端部によって係留部材は固定される。これによって、簡便な操作で係留部材を支持部材の支持面上に固定することができる。
また、係留部材を支持部材の支持面上に磁力によって固定することができる。このため、支持部材の支持面に開口部または凹部を設ける必要がなく、支持面を平坦な構成にすることができる。このため、開口部または凹部にイチゴの葉および花びらなどの老廃物が蓄積されることがなく、支持部材を衛生に保つことができる。
また、係留部材は、磁力によって支持部材の平坦な支持面に固定される。このため、係留部材を支持部材から脱着するときに、引っ掛かりなどによって係留部材が変形することがない。従って、繰り返し使用する場合において、メンテナンスに係る負担を軽減することができる。
本発明の態様4に係るイチゴ栽培用具では、上記態様1〜3のいずれかにおいて、上記係留部材(留め具2・2’)の表面の少なくとも一部に緩衝部材が配されている。
上記構成によれば、イチゴの花房を係留部材によって係留する際、イチゴの花房に傷をつけることを防止することができる。
本発明の態様5に係るイチゴ栽培用具は、上記態様1〜4のいずれかにおいて、外見が互いに異なる複数種類の上記係留部材(留め具2’・2’a・2’b)を備えている。
上記構成によれば、係留部材の外見によって、係留されたイチゴの花房を容易に判別することができる。
これによって、栽培におけるデータの収集を行なうときに、イチゴの花房を区別することが容易になり、データ収集を効率的に行なうことができる。ここで、本態様5に用いられる複数の係留部材は、31種類以上の形態(外見)の違いによって互いに区別できるようにすることが好ましい。つまり、ひと月の最大日数以上の種類の形態によって、留め具を互いに区別できるようにすることが好ましい。これによって、花房の発生日から収穫の日までに要した日数を適切に判断し、記録することができるようになる。
本発明の態様6に係るイチゴ栽培用具は、上記態様1〜5のいずれかにおいて、上記係留部材(留め具2・2’)は、情報の記録および読み出し可能な記録媒体を備えている。
上記構成によれば、栽培に関するデータをイチゴの花房ごとに効率的に記録および読み出しことができるようになる。
従って、記録媒体を用いることによって、栽培時における情報収集および情報の評価も含めた作業時間の短縮を達成することができる。また、非熟練者が情報の記録作業を行なう場合であっても、記録に要する時間を短縮することができる。
また、記録媒体を用いることによって、栽培に関する各種条件および収量に関するデータを好適に取得し、評価することができる。このため、評価後のデータを、以後の栽培におけるイチゴの収量の増大のためにフィードバックすることができる。つまり、栽培における作業工程の簡素化、マニュアル化に役立てることができる。
本発明の態様7に係るイチゴ栽培用具は、上記態様1〜6のいずれかにおいて、上記支持部材(分離板1”)の外周部の一辺に設けられたヒンジと、当該ヒンジを介して上記支持部材に接続された装着部材とをさらに備えている。
上記構成によれば、装着部材をイチゴ栽培容器の縁部に掛止する、イチゴ栽培容器に充填された培地の中に挿入するなどの方法によって、支持部材をイチゴの栽培容器に対して簡便に固定することができる。
また、ヒンジにおいて生じる摩擦を利用することで、支持部材の支持面の角度を任意の角度で固定することが可能となる。従って、栽培時には茎に負担がかからない角度に支持面を固定し、受粉時および収穫時には作業者の都合に合わせて、作業しやすい角度に支持面を固定することができる。従って、作業を効率的に行なうことができるようになる。
本発明の態様8に係るイチゴ栽培用具は、上記態様1〜7のいずれかにおいて、上記支持面によって支持された上記花房に到達する光を遮る遮光板をさらに備えている。
上記構成によれば、遮光板は、係留部材によって支持部材の支持面の上に係留された花房の上の空間に、花房に照射される光を遮断するように支持される。
従って、イチゴの花房に対しては十分に遮光しつつ、イチゴの葉群に対しては十分な光を照射することが可能となる。このため、花托にアントシアニンが蓄積することを防ぎ、果実が赤くなることを抑制することができる。従って、希少である白いイチゴを意図的に生産することができる。
本発明の態様9に係るイチゴ栽培用具では、上記態様1〜8のいずれかにおいて、上記遮光板は、上記光を反射する反射面を有している。
上記構成によれば、遮光板は、反射面によって光を反射することができるようになる。
従って、反射した光をイチゴの葉群に照射できるようになる。これによって、イチゴの葉群の光合成の効率を上げることができる。
本発明の態様10に係るイチゴ栽培用具では、上記態様1〜9のいずれかにおいて、上記遮光板は、上記イチゴの栽培容器(プランタ50)に対して任意の角度で遮光板を固定する固定部を備えている。
上記構成によれば、光が照射される角度に応じて、任意の角度に遮光板を固定することができる。
従って、イチゴの花房に対しては十分に遮光しつつ、イチゴの葉群に対して反射光が十分に照射できるように遮光板の角度を調整することかできる。
本発明の態様11に係る受粉システムは、上記態様1〜10のいずれかのイチゴ栽培用具と、上記支持面の上方に敷設されたガイド部材(索道ロープ11)と、ガイド部材(索道ロープ11)を利用して移動または回転する受粉部とを備え、上記受粉部は、繊維状物質を有している。
上記構成によれば、花房は、ガイド部材の下に位置するように係留部材によって支持面の上に係留される。ここで、花房は、負の重力屈性によって鉛直方向に向かって上側を向く。ここで、ガイド部材を利用して受粉部を花房に接触するように移動または回転させることによって、花房に受粉させることができる。
上記受粉システムは、イチゴ栽培用具を用いることによって花房を整列した状態で係留できることを利用して、シンプルな動作によって自動的に受粉作業を行なうことができる。このため、毛筆による受粉作業よりも、大幅に作業時間を短縮することができる。また、太陽光が届かないため蜂による受粉が行えない室内栽培のような人工環境においても、好適に受粉作業を行なうことができる。つまり、受粉作業においても作業効率を向上させ、作業投入時間を短縮することができる。
また、上記受粉システムは、受粉部を用いておしべの花粉を吸着し、めしべに受粉することかできる。従って、植物体に振動を加えることによって花粉を散らすことでめしべに受粉させるよりも、個々のイチゴの花にある複数のめしべのそれぞれに高い確率で花粉を付着させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、イチゴの栽培、特に屋内におけるイチゴの栽培に利用することができる。
1 分離板(支持部材)
1’ 分離板(支持部材)
1a 支持面
1’a 支持面
1”a 支持面
2 留め具(係留部材)
2A 留め具(係留部材)
2B 留め具(係留部材)
2’ 留め具(係留部材)
2’a 留め具(係留部材)
2’b 留め具(係留部材)
3 緩衝部材
4 開口部(または凹部)
5 端部
5’ 端部
6 ヒンジ
7 装着部材
8 遮光板
9 固定部
10 支持部材
10a 支持面
11 索道ロープ(ガイド部材)
12 受粉部
20 イチゴ栽培用具
21 イチゴ栽培用具
22 イチゴ栽培用具
23 イチゴ栽培用具
30 受粉システム
41 花房

Claims (5)

  1. イチゴの花房を支持する支持面を有する支持部材と、
    上記支持面に対して上記花房を係留する係留部材とを備え、
    上記係留部材は、少なくとも2つの端部を有し、
    上記支持面には、上記端部を挿入可能な開口部または凹部が形成されており、
    上記支持部材は、上記イチゴの栽培容器が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、上記栽培容器に対して配置可能であることを特徴とするイチゴ栽培用具。
  2. イチゴの花房を支持する支持面を有する支持部材と、
    上記支持面に対して上記花房を係留する係留部材とを備え、
    上記係留部材は、磁石を含む少なくとも2つの端部を有し、
    上記支持部材は、上記磁石を固定可能な磁性体を有しており、上記イチゴの栽培容器が設置された設置面に立てた垂線に対して傾くように、上記栽培容器に対して配置可能であることを特徴とするイチゴ栽培用具。
  3. 上記係留部材の表面の少なくとも一部に緩衝部材が配されていることを特徴とする請求項1または2に記載のイチゴ栽培用具。
  4. 上記係留部材は、情報の記録および読み出し可能な記録媒体を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のイチゴ栽培用具。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のイチゴ栽培用具と、
    上記支持面の上方に敷設されたガイド部材と、
    上記ガイド部材を利用して移動または回転する受粉部とを備え、
    上記受粉部は、繊維状物質を有していることを特徴とする受粉システム。
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JP2016144404A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 ヤンマー株式会社 移動栽培装置

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