JP2014225553A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】投石等の外的要因によるモジュール表面の損傷を抑制できる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】この太陽電池モジュールは、太陽電池セル10と、太陽電池セルの周囲を覆う封止材層20,40と、太陽電池セル10の受光面側に配置された表面保護層30と、太陽電池セル10の非受光面側に配置された裏面保護層50とを備える。表面保護層30は、樹脂フィルム31、又は、樹脂フィルム31とその表面に形成されたハードコート層32からなり、樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積、又は、樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積と、ハードコート層32の27℃での硬度の値と膜厚との積との合計が、2000[MPa・μm]以上である。
【選択図】図1
【解決手段】この太陽電池モジュールは、太陽電池セル10と、太陽電池セルの周囲を覆う封止材層20,40と、太陽電池セル10の受光面側に配置された表面保護層30と、太陽電池セル10の非受光面側に配置された裏面保護層50とを備える。表面保護層30は、樹脂フィルム31、又は、樹脂フィルム31とその表面に形成されたハードコート層32からなり、樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積、又は、樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積と、ハードコート層32の27℃での硬度の値と膜厚との積との合計が、2000[MPa・μm]以上である。
【選択図】図1
Description
本発明は、投石等の外的要因による損傷を抑制できる太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、長期信頼性を確保するため、太陽電池セルの周囲を封止材層で覆い、更にその外側を表面保護層と裏面保護層とで覆った封止構造を取っている。
近年、軽量化、施工性および量産性の観点からプラスチックフィルム等の可撓性基板を用いた薄膜太陽電池の研究開発が進められている。薄膜太陽電池を用いた太陽電池モジュールにおいては、軽量、フレキシブル性という特徴を活かすべく、表面保護層には、フッ素樹脂フィルム等の耐候性を有する樹脂フィルム等が用いられている。また、封止材層には、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン等の耐熱性に優れた樹脂材料等が用いられている。
しかしながら、フッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムを表面保護層に使用した場合、投石等の外的要因により、キズや貫通孔等が発生し易かった。表面保護層のキズや貫通孔等が太陽電池セルまで到達すると、モジュール内部に水が浸入して、太陽電池セルの電極層や発電層などが腐食し、発電効率が低下する等の問題があった。
特許文献1には、表面側保護部材と裏面側保護部材との間に太陽電池用セルが透明接着剤層により封止されてなる太陽電池において、表面側保護部材が、有機ポリマーフィルム層と、該フィルム層の透明接着剤層に面しない側の表面に設けられた硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層とからなる太陽電池が開示されている。
特許文献1では、耐擦傷性を向上させるため、有機ポリマーフィルム層の表面にハードコート層を形成しているが、ハードコート層を形成しても、投石等の外的要因による貫通孔の発生を必ずしも抑制できるとは限らなかった。
よって、本発明の目的は、投石等の外的要因による損傷を抑制できる太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、種々検討の結果、太陽電池モジュールの表面保護層となる樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積、又は、同樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積と、同樹脂フィルムに設けたハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積の合計を、2000[MPa・μm]以上とすることで、投石等の外的要因による、貫通孔の発生を抑制できることを見出し、本発明を達成するに至った。
すなわち、本発明の太陽電池モジュールの1つは、太陽電池セルと、前記太陽電池セルの周囲を覆う封止材層と、前記太陽電池セルの受光面側を覆う封止材層上に配置された表面保護層と、前記太陽電池セルの非受光面側を覆う封止材層上に配置された裏面保護層とを備える太陽電池モジュールにおいて、前記表面保護層が、樹脂フィルムからなり、該樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積が、2000[MPa・μm]以上であることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールのもう1つは、太陽電池セルと、前記太陽電池セルの周囲を覆う封止材層と、前記太陽電池セルの受光面側を覆う封止材層上に配置された表面保護層と、前記太陽電池セルの非受光面側を覆う封止材層上に配置された裏面保護層とを備える太陽電池モジュールにおいて、前記表面保護層が、樹脂フィルムとその表面に形成されたハードコート層とからなり、前記樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積と、前記ハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積の合計が、2000[MPa・μm]以上であることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記ハードコート層は、膜厚が1〜25μm、27℃での硬度が300MPa以上であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記ハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積が2000[MPa・μm]以上であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記ハードコート層の水蒸気透過率が、前記表面保護層の水蒸気透過率よりも大きいことが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記ハードコート層は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフッ素樹脂から選ばれる1種以上の透明樹脂で構成されていることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールによれば、表面保護層が、樹脂フィルム、又は、樹脂フィルムの表面にハードコート層が形成されたものからなり、樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積、又は、樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積と、ハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積の合計が、2000[MPa・μm]以上であるので、表面保護層に傷や貫通孔等が発生することを抑制できる。このため、降雨等によるモジュール内部への水の浸入等を抑制でき、長期にわたって優れた発電特性を得ることができる。
本発明の太陽電池モジュールについて、図1を用いて説明する。
この太陽電池モジュールは、太陽電池セル10と、太陽電池セルの受光面側10bを覆う封止材層20上に配置された表面保護層30と、太陽電池セルの非受光面側10aを覆う封止材層40上に配置された裏面保護層50とを備える。
なお、本発明において、受光面とは、太陽電池セルが太陽光を受光する側の面のことである。また、非受光面とは、太陽電池セルが太陽光を受光する面の反対面を意味する。
太陽電池セル10の構造としては、特に限定は無い。例えば、図3に示される構造等が挙げられる。図3に示される構造の太陽電池セルは、基板11の片面に、第1電極層12、光電変換層13及び第2電極層14が順次積層して構成された素子15が複数形成されている。そして、図示しないが、それぞれの素子15が直列及び/又は並列に接続している。また、上記のように同一基板上に複数の素子が形成される場合もあれば、一つの基板上に一つの素子が形成され、それらの素子同士が直列及び/又は並列に接続する場合もある。
また、太陽電池セル10は、図4に示す構造をなすものであってもよい。図4に示される構造の太陽電池セルは、基板11の受光面側10bに、第1電極層12、光電変換層13、第2電極層14を順次積層して構成された素子15が複数形成され、基板11の非受光面側10aに、第3電極層16が複数形成され、隣接する素子15どうしが、次に示す態様で第3電極層16を介して電気的に直列接続している。
すなわち、素子15の両端部には、基板11上に第1電極層12、光電変換層13が順次積層され、第2電極層14が設けられていない接続部15a,15aが設けられている。また、第3電極層16は、素子15とほぼ同じ間隔で、かつ、隣接する一方の素子側にずれて分割されている。また、各素子15には、第3電極層16、基板11、第1電極層12、光電変換層13、第2電極層14を貫通して形成された第1貫通孔17が、所定間隔で複数形成されている。そして、第1貫通孔17の内壁において、第2電極層14と第3電極層16とが、導体層18aにより電気的に接続している。また、第1電極層12は、光電変換層13で覆われて、第2電極層14、導体層18a及び第3電極層16と絶縁されている。また、接続部15aには、第3電極層16、基板11、第1電極層12、光電変換層13を貫通して形成された第2貫通孔19が形成されている。そして、第2貫通孔19の内壁において、第3電極層16と第1電極層12とが、導体層18bにより電気的に接続している。
素子15での発電により発生した電流は、光電変換層13から第2電極層14へと流れ、第1貫通孔17を通って、素子15の第2電極層14から、第3電極層16へと流れる。そして、第3電極層16に移動した電流は、接続部15aへと移動し、第2貫通孔19を通って、隣接する素子15の第1電極層12へと流れる。このようにして、この太陽電池セル10は、第1貫通孔17、第2貫通孔19を介して、それぞれの素子15が直列接続している。このような構造は、SCAF(Series Connection through Apertures formed on Film)構造と呼ばれており、例えば、特開平6―342924号公報などに記載される方法で製造できる。
太陽電池セルの基板11は、絶縁性及び耐熱性を有するものであればよく、特に限定は無い。例えば、可撓性フィルム基板、ガラス基板、絶縁層でコーティングされたステンレス基板等が挙げられる。可撓性フィルム基板としては、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、アラミドなどで構成されたフィルム基板が挙げられる。可撓性フィルム基板を用いることで、フレキシブルな太陽電池セルとすることができる。なお、基板11が光入射側に配される場合には、基板11は光透過性の材料で構成すべきことはいうまでもない。
太陽電池セルの第1電極層12及び第2電極層14のうち、光入射側に配置される電極層は、ITO、SnO、ZnOなどの透明導電性酸化物で形成される。
また、第1電極層12、第2電極層14のうち、光入射側とは反対側に配置される電極層、及び第3電極層16は、Ag、Ni、Al、Mo及びこれらの合金などの導電性金属で形成されることが好ましい。また、これらの導電性金属で形成される層(以下、導電性金属層という)に、ITO、SnO、ZnOなどの透明導電性酸化物で形成される層(以下、透明導電性酸化物層という)が積層されていてもよい。
各電極層の形成方法は特に限定は無い。各種電極材料を、蒸着法、スパッタ法、鍍金など当該技術において知られている任意の方法で製膜して形成できる。
光電変換層13としては、特に限定はない。微結晶シリコン系光電変換層、アモルファスシリコン系光電変換層、アモルファスシリコンゲルマニウム系光電変換層、CIS系光電変換層、CZTS系光電変換層等が挙げられる。CIS系光電変換層としては、CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、Cu(In,Ga)(S,Se)2等のCIS系半導体化合物で形成された光電変換層が挙げられる。CZTS系光電変換層としては、Cu2ZnSnSe4、Cu2ZnSn(S,Se)4等のCZTS系半導体化合物で形成された光電変換層が挙げられる。更に、光電変換層は、半導体セルが複数層積層した多接合構造であってもよい。
図1に再び戻ると、太陽電池セルの非受光面側10aには、封止材層40が配置され、さらにその外側に裏面保護層50が配置されている。
封止材層40は、耐熱性を有する材料で構成されていることが好ましい。例えば、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイミド、ポリビニル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
封止材層40の線膨脹係数は、10〜500[×10−5/℃]が好ましく、10〜100[×10−5/℃]がより好ましい。封止材層40の線膨脹係数が上記範囲内であれば、太陽電池セル10との応力差を小さくでき、密着性を高めることができる。なお、本発明において線膨脹係数は、TMA法(JIS K 7197)で測定した値である。
裏面保護層50は、防水性、耐熱性、耐候性に優れた材料で構成されていることが好ましい。例えば、シリコーン樹脂シート、アクリル樹脂シート、ポリエステル樹脂(PETなど)シート、ポリカーボネート樹脂シート、フッ素樹脂シート等の樹脂シート、SUS鋼板、Al板など金属板、及び金属板の表面を、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂等の樹脂でコーティングした樹脂コーティング板等が挙げられる。
なお、封止材層40、裏面保護層50は、太陽電池セルの非受光面側に配置されるため、透明性を有さない、あるいは、透明性の低い材料で構成されていてもよい。
太陽電池セルの受光面側10bには、封止材層20が配置され、さらにその外側に、表面保護層30が配置されている。
封止材層20は、透明性及び耐熱性を有する材料が好ましい。例えば、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイミド、ポリビニル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、アイオノマー等が挙げられる。
封止材層20の線膨脹係数は、10〜500[×10−5/℃]が好ましく、10〜100[×10−5/℃]がより好ましい。封止材層20の線膨脹係数が上記範囲内であれば、太陽電池セル10との応力差を小さくでき、密着性を高めることができる。
封止材層20の水蒸気透過率は、表面保護層30よりも大きいことが好ましく、具体的には、0.1〜100g/m2・24Hが好ましく、1.0〜50g/m2・24Hがより好ましい。なお、本発明において水蒸気透過率は、感湿センサ法(JIS K 7129)で測定した値である。
表面保護層30は、27℃での硬度の値と膜厚との積が、2000[MPa・μm]以上である樹脂フィルム31で構成されている。樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積は、3000[MPa・μm]以上がより好ましく、6000〜20000[MPa・μm]が特に好ましい。上記値が2000[MPa・μm]以上であれば、傷や貫通孔等の発生を効果的に抑制できる。更には、上記値が3000[MPa・μm]以上であれば、傷や貫通孔等の発生をより効果的に抑制できる。
なお、本発明において、硬度は、ナノインデンテーション法により測定した値である。すなわち、試験温度27℃で、測定装置として「ENT−1100」(エリオニクス社)を用い、先端形状が三角錐で先端角が115°のプローブを、最大押込み強さ0.5mN、加重増加・減速速度0.05mN/s、最大加重保持時間5秒でサンプルに押込み、押込み力と押込み深さとの関係から硬度を測定した。
樹脂フィルム31の27℃での硬度は、50MPa以上が好ましく、60〜100MPaがより好ましく、70〜95MPaが特に好ましい。樹脂フィルム31の硬度が50MPa未満であると、補強効果が不十分となる傾向にある。更には、樹脂フィルム31の膜厚を大きくする必要があり、太陽電池の重量やコストが増加したり、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にある。また、樹脂フィルム31の硬度が高すぎると、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にあるので、上限は200MPaが好ましい。
樹脂フィルム31の膜厚は、50〜250μmが好ましく、75〜100μmがより好ましい。25μm未満であると、補強効果が不十分となる傾向にある。250μmを超えると、太陽電池の重量やコストが増加したり、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にある。
樹脂フィルム31の材質は、透明性、耐候性及び耐熱性に優れたものであればよい。例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。なかでも、耐候性に優れるということからフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
この太陽電池モジュールは、以下のようにして製造できる。
まず、太陽電池セルの受光面側10bに、封止材層20と樹脂フィルム31(表面保護層30)とを配置し、太陽電池セルの非受光面側10aに、封止材層40と裏面保護層50とを配置する。そして、太陽電池セル10の受光面側及び非受光面側を、樹脂フィルム31と裏面保護層22とでラミネートして封止する。このようにして、図1に示す太陽電池モジュールを製造できる。
また、受光面側10bに、封止材層20を配置する前に、太陽電池セル10の受光面側10bを仮封止材層で仮ラミネートしても良い。太陽電池セル10としてフレキシブルタイプの薄膜太陽電池を用いた場合、反りが発生することがあるが、太陽電池セル10の受光面側を仮封止材層で仮ラミネートすることで、反りの発生を防止できる。
次に、本発明の太陽電池モジュールの第2の実施形態について、図2を用いて説明する。
この太陽電池モジュールは、表面保護層30’が、樹脂フィルム31の表面にハードコート層32が形成されたもので構成され、樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積と、ハードコート層32の27℃での硬度の値と膜厚との積との合計が、2000[MPa・μm]以上とされている。
樹脂フィルム31の27℃での硬度は、40MPa以上が好ましく、50〜200MPaがより好ましく、50〜100MPaが特に好ましい。樹脂フィルム31の硬度が40MPa未満であると、樹脂フィルム31やハードコート層32の膜厚を大きくしたり、ハードコート層32の硬度を高める必要があるので、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にある。また、樹脂フィルム31の硬度が高すぎると、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にあるので、上限は200MPaが好ましい。
樹脂フィルム31の膜厚は、25〜250μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。25μm未満であると、補強効果が不十分となる傾向にある。250μmを超えると、太陽電池の重量やコストが増加したり、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にある。
樹脂フィルム31の27℃での硬度の値と膜厚との積は、1000[MPa・μm]以上が好ましく、2000[MPa・μm]以上がより好ましく、3000〜10000[MPa・μm]が特に好ましい。上記値が1000[MPa・μm]以上であれば、傷や貫通孔等の発生を効果的に抑制できる。
樹脂フィルム31の材質は、上述した第1の実施形態と同様のものを用いることができる。
樹脂フィルム31上に形成されるハードコート層32の27℃での硬度は、300MPa以上が好ましく、400〜1000MPaが好ましい。ハードコート層32の硬度が300MPa以上とすることで、貫通孔等の発生を効果的に抑制できる。更には、400MPa以上とすることで、貫通孔等の発生をより効果的に抑制できる。また、ハードコート層32の硬度が高すぎると、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にあるので、上限は1000MPaが好ましい。
ハードコート層32の膜厚は、1〜25μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。1μm未満であると、補強効果が不十分である。25μmを超えると、応力差によってハードコート層32と樹脂フィルム31との間で剥離が生じたり、割れが生じることがある。また、太陽電池モジュールのフレキシブル性が低下する傾向にある。
ハードコート層32の27℃での硬度と、膜厚との積は、1000[MPa・μm]以上が好ましく、2000[MPa・μm]以上がより好ましく、5000〜1000[MPa・μm]が特に好ましい。上記値が1000[MPa・μm]以上であれば、傷や貫通孔等の発生を効果的に抑制できる。
ハードコート層32の水蒸気透過率は、樹脂フィルム31よりも大きいことが好ましく、具体的には、1〜20g/m2・24Hが好ましい。ハードコート層32の水蒸気透過率を、樹脂フィルム31よりも大きくすることで、封止材層等の加水分解や熱分解によって、太陽電池モジュールの内部に酢酸イオン等の各種イオンや水蒸気が発生しても、これらを内部に留まらせることなく速やかに外部に逃がすことができる。
ハードコート層32の材質は、透明性及び耐熱性を有するものが好ましい。例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の透明樹脂が挙げられる。
ハードコート層32は、コーティング液を、ロールコータ、バーコータ、マイクログラビア等の各種塗布方法で樹脂フィルム31上に塗布し、紫外線硬化、熱硬化、常温硬化等の方法で乾燥及び硬化して形成できる。
この太陽電池モジュールは、以下のようにして製造できる。
まず、太陽電池セルの受光面側10bに、封止材層20と樹脂フィルム31とを配置し、太陽電池セルの非受光面側10aに、封止材層40と裏面保護層50とを配置する。次に、太陽電池セル10の受光面側及び非受光面側を、樹脂フィルム31と裏面保護層22とでラミネートして封止する。そして、樹脂フィルム31の表面に、コーティング液を、ロールコータ、バーコータ、マイクログラビア等の各種塗布方法で塗布し、紫外線硬化、熱硬化、常温硬化等の方法で乾燥及び硬化してハードコート層32を形成する。このようにして、図2に示す太陽電池モジュールを製造できる。
また、図2に示す太陽電池モジュールは、次のようにして製造することもできる。
まず、樹脂フィルム31の表面に、コーティング液を塗布し、乾燥及び硬化してハードコート層32を形成する。次に、太陽電池セルの受光面側10bに、封止材層20と、ハードコート層32を形成した樹脂フィルム31(表面保護層30’)とを配置し、太陽電池セルの非受光面側10aに、封止材層40と裏面保護層50とを配置する。そして、太陽電池セル10の受光面側及び非受光面側を、樹脂フィルム31と裏面保護層22とでラミネートして封止する。このようにして図2に示す太陽電池モジュールを製造できる。
以下に本発明の実施例を示すが、これによって本発明の内容は制限されるものではない。なお、以下の製造例において使用した各層の水蒸気透過率は、感湿センサ法(JIS K 7129)で測定した。また、硬度は、ナノインデンテーション法により、試験温度27℃で、測定装置として「ENT−1100」(エリオニクス社)を用い、先端形状が三角錐で先端角が115°のプローブを、最大押込み強さ0.5mN、加重増加・減速速度0.05mN/s、最大加重保持時間5秒でサンプルに押込み、押込み力と押込み深さとの関係から硬度を測定した。
(試験例)
太陽電池セルの受光面側に、膜厚150μmのポリエチレンシートを配置し、ポリエチレンシートを100℃に加熱して熱ラミネート法で太陽電池セルの受光面をポリエチレンシートでラミネートした。次に、ポリエチレンシート上に、厚さ400μmのポリエチレンシートと、以下の表1,2に示す表面保護層とを配置した。また、太陽電池セルの非受光面側に、厚さ400μmのポリエチレンシートと、厚さ25μmのETFEシートを配置した。そして、真空ラミネート法で、太陽電池セルをラミネートして太陽電池モジュールを製造した。
各太陽電池モジュールを屋外に1年間暴露し、暴露後の太陽電池モジュール表面の孔発生数を、探傷法により測定した。すなわち、暴露後の太陽電池モジュールの表面保護層に、赤色浸透液(商品名「NRC−ALII」、太陽物産株式会社製)を塗布した。塗布後4日経過後に、赤色浸透液を太陽電池モジュールの表面保護層から洗浄除去し、孔が発生している箇所は、赤い斑点として現れるので、赤い斑点の数を光学顕微鏡で観察して測定した。結果を表1,2にまとめて記す。
太陽電池セルの受光面側に、膜厚150μmのポリエチレンシートを配置し、ポリエチレンシートを100℃に加熱して熱ラミネート法で太陽電池セルの受光面をポリエチレンシートでラミネートした。次に、ポリエチレンシート上に、厚さ400μmのポリエチレンシートと、以下の表1,2に示す表面保護層とを配置した。また、太陽電池セルの非受光面側に、厚さ400μmのポリエチレンシートと、厚さ25μmのETFEシートを配置した。そして、真空ラミネート法で、太陽電池セルをラミネートして太陽電池モジュールを製造した。
各太陽電池モジュールを屋外に1年間暴露し、暴露後の太陽電池モジュール表面の孔発生数を、探傷法により測定した。すなわち、暴露後の太陽電池モジュールの表面保護層に、赤色浸透液(商品名「NRC−ALII」、太陽物産株式会社製)を塗布した。塗布後4日経過後に、赤色浸透液を太陽電池モジュールの表面保護層から洗浄除去し、孔が発生している箇所は、赤い斑点として現れるので、赤い斑点の数を光学顕微鏡で観察して測定した。結果を表1,2にまとめて記す。
表1の例1と例2〜5との比較から、樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積を2000[MPa・μm]以上とすることで、孔発生頻度を大幅に低減できることが分かった。
また、表2の例6,7と例8〜11との比較から、樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積と、ハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積との合計を2000[MPa・μm]以上とすることで、孔発生頻度を大幅に低減できることが分かった。
10:太陽電池セル
11:基板
12:第1電極層
13:光電変換層
14:第2電極層
15:素子
16:第3電極層
20:封止材層
30、30’:表面保護層
31:樹脂フィルム
32:ハードコート層
40:封止材層
50:裏面保護層
11:基板
12:第1電極層
13:光電変換層
14:第2電極層
15:素子
16:第3電極層
20:封止材層
30、30’:表面保護層
31:樹脂フィルム
32:ハードコート層
40:封止材層
50:裏面保護層
Claims (6)
- 太陽電池セルと、前記太陽電池セルの周囲を覆う封止材層と、前記太陽電池セルの受光面側を覆う封止材層上に配置された表面保護層と、前記太陽電池セルの非受光面側を覆う封止材層上に配置された裏面保護層とを備える太陽電池モジュールにおいて、
前記表面保護層が、樹脂フィルムからなり、該樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積が、2000[MPa・μm]以上であることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 太陽電池セルと、前記太陽電池セルの周囲を覆う封止材層と、前記太陽電池セルの受光面側を覆う封止材層上に配置された表面保護層と、前記太陽電池セルの非受光面側を覆う封止材層上に配置された裏面保護層とを備える太陽電池モジュールにおいて、
前記表面保護層が、樹脂フィルムとその表面に形成されたハードコート層とからなり、前記樹脂フィルムの27℃での硬度の値と膜厚との積と、前記ハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積の合計が、2000[MPa・μm]以上であることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記ハードコート層は、膜厚が1〜25μm、27℃での硬度が300MPa以上である請求項2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記ハードコート層の27℃での硬度の値と膜厚との積が2000[MPa・μm]以上である請求項2又は3に記載の太陽電池モジュール。
- 前記ハードコート層の水蒸気透過率が、前記表面保護層の水蒸気透過率よりも大きい請求項2〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記ハードコート層は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフッ素樹脂から選ばれる1種以上の透明樹脂で構成されている請求項2〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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