JP2014225414A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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賢 小原
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高志 安食
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Abstract

【課題】発光効率が高く、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】基板7と、前記基板7に設けられた第1電極1と、前記第1電極1と対をなす第2電極2と、前記第1電極1と前記第2電極2との間に設けられた複数の発光ユニット4と、隣り合う前記発光ユニット4間に設けられた中間層5と、を備える。前記第1電極1及び前記第2電極2のうちの少なくともいずれかが光透過性電極である。前記第1電極1と前記第1電極1に最も近い前記中間層5との距離が250nmよりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
従来、一対の電極の間に有機発光層が設けられた積層体を形成し、有機発光層において電子と正孔とを結合させて発光を生じさせる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう。)が知られている。
例えば、特許文献1に記載の有機電界発光素子は、少なくとも陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極を含んでなるものである。そして、正孔注入層は塗布法を用いて成膜され、その膜厚は20〜200nmの範囲である。これにより、異物による電気的不良を低減するようにしている。
また、特許文献2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子は、透明導電材からなる正孔注入電極と、電子注入電極と、これら電極間に挟持された、少なくとも発光層を含む有機化合物層とを備えるものである。そして、正孔注入電極に接する有機化合物層は塗布膜であり、その膜厚は10〜150nmである。これにより、異物によるショート、ダークスポットの発生を抑制するようにしている。
また、特許文献3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板の表面に付着した異物を実質的に覆うように有機層を堆積させるようにしている。これにより、有機EL素子の発光不良を軽減するようにしている。
特開2011−54668号公報 特開2002−75637号公報 特開2003−257675号公報
特許文献1〜3に記載のものは、いずれもシングルユニット構造の有機EL素子であるが、例えば照明用途にはマルチユニット構造の有機EL素子が有効である。そのため、特にマルチユニット構造の有機EL素子において、異物による弊害を排除し、高効率かつ高信頼性を実現することが求められている。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、発光効率が高く、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、
基板と、
前記基板に設けられた第1電極と、
前記第1電極と対をなす第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた複数の発光ユニットと、
隣り合う前記発光ユニット間に設けられた中間層と、
を備え、
前記第1電極及び前記第2電極のうちの少なくともいずれかが光透過性電極であり、
前記第1電極と前記第1電極に最も近い前記中間層との距離が250nmよりも大きいことを特徴とする。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記発光ユニットが、
発光層と、
前記発光層の第2電極側に設けられた第2電極側電荷移動層と、
前記発光層の第1電極側に設けられた第1電極側電荷移動層と、
を有し、
前記第1電極に最も近い前記発光ユニットにおいて、前記第2電極側電荷移動層の抵抗値と前記第1電極側電荷移動層の抵抗値の比が1/2よりも大きく、2よりも小さいことが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第1電極と前記第2電極との間の発光により形成された定常波の山の部分に、前記第1電極に最も近い前記発光ユニットにおける前記発光層が配置されていることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記定常波の前記第2電極側から数えて3番目の山の部分に、前記第1電極に最も近い前記発光ユニットにおける前記発光層が配置されていることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記定常波の前記第2電極側から数えて1〜3番目の山の部分のそれぞれに、前記発光層が配置されていることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第1電極側電荷移動層及び前記第2電極側電荷移動層のうちの少なくともいずれかが複数の層で形成されていることが好ましい。
本発明によれば、発光効率が高く、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の第1実施形態の層構成を示す概略断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の第2実施形態の層構成を示す概略断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成の一部を示すものであり、(a)(b)は大きさの異なる異物が混入した場合の概略断面図である。 電荷移動層の抵抗値を測定する場合の層構成を示す概略断面図である。 電荷移動層の膜厚と有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧との関係を示すグラフである。 有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成を示す概略断面図であり、(a)は参考例1、(b)は参考例2、(c)は参考例3、(d)は実施例1である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の第1及び第2実施形態を示している。図1は第1実施形態である。図2は第2実施形態である。有機EL素子の各実施形態の共通事項を中心にしながら各実施形態について説明する。
有機EL素子は、基板7と、第1電極1と、第2電極2と、複数の発光ユニット4と、中間層5とを備えている。第1電極1は、基板7に設けられている。第2電極2は、第1電極1と対をなす電極である。第1電極1及び第2電極2のうちの少なくともいずれかは光透過性電極である。各実施形態では、第1電極1を光透過性電極とし、第2電極2を光反射性電極として説明するが、第1電極1を光反射性電極とし、第2電極2を光透過性電極としてもよく、また第1電極1及び第2電極2の両方を光透過性電極としてもよい。発光ユニット4は、第1電極1と第2電極2との間に設けられている。以下、複数の発光ユニット4を区別する場合には、第1電極1側の発光ユニット4から順に、第1発光ユニット41、第2発光ユニット42、第3発光ユニット43などと呼ぶことがある。発光ユニット4は、一つ以上の発光層3を有している。中間層5は、隣り合う発光ユニット4間に設けられている。
発光ユニット4とは、陽極と陰極とで挟んで電圧を印加すれば発光する機能を有する積層構造のことである。以下、この積層構造を有機EL層と呼ぶことがある。発光ユニット4を複数有する有機EL素子の構造は、マルチユニット構造と呼ばれている。マルチユニット構造とは、一つの陽極と一つの陰極との間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニット4が電気的に直列接続して配置された構造である。第1及び第2実施形態の有機EL素子は、マルチユニット構造を有する。なお、発光ユニット4が一つの有機EL素子はシングルユニット構造である。
第1実施形態においては、発光ユニット4の数は二つである。第2実施形態においては、発光ユニット4の数は三つである。有機EL素子では、発光ユニット4の数は四つ以上であってもよい。発光ユニット4が複数となることで、発光色を調整して所望の色を作り出すことが容易になる。ただし、発光ユニット4の数が多すぎると、素子構成が複雑になるおそれがある。そのため、発光ユニット4の数は五つ以下が好ましい。
マルチユニット構造の有機EL素子においては、隣り合う発光ユニット4と発光ユニット4との間には、中間層5が設けられる。中間層5は、隣接する各発光ユニット4に電荷を注入する機能を有する層である。中間層5を設けることにより、各発光ユニット4において良好に発光することが可能になる。中間層5は、電極的な機能を発揮し得るもので、電荷発生層とも呼ばれる。中間層5は、陽極側に電子を注入し、陰極側にホール(正孔)を注入する機能を有する。光透過性電極1側が陽極の場合、中間層5は、光透過性電極1側に隣接する発光ユニット4に電子を注入する機能を有する。光反射性電極2が陰極の場合、中間層5は、光反射性電極2側の発光ユニット4にホール(正孔)を注入する機能を有する。第1実施形態においては、二つの発光ユニット4の間に中間層5が一つ設けられている。第2実施形態においては、三つの発光ユニット4のうちの隣り合う二つの発光ユニット4の間に中間層5が一つずつ設けられている。このように、発光ユニット4が三つ以上の場合には、中間層5は全体として複数設けられることになる。
有機EL素子は基板7を備えている。第1電極1から第2電極2までの積層体によって構成される発光積層体は、基板7の表面に形成される。基板7は発光積層体を支持する基材となる。第1及び第2実施形態においては、基板7の表面に第1電極1として光透過性電極が形成されている。この場合、基板7は光透過性を有することが好ましい。それにより光を外部に取り出すことができる。基板7側から光を取り出す構造は、ボトムエミッション構造と呼ばれる。また、有機EL素子は、第1及び第2実施形態とは別の構造として、基板7の表面に第1電極1として光反射性電極が形成されている構造であってもよい。この場合、基板7は透明でなくてもよい。光は基板7とは反対側から取り出される。基板7とは反対側から光を取り出す構造は、トップエミッション構造と呼ばれる。有機EL素子は、ボトムエミッション構造であっても、トップエミッション構造であってもよい。ただし、基板7の表面に第1電極1として光透過性電極を設けるボトムエミッション構造の方が、照明用の発光装置として有利である。
各発光ユニット4は、発光層3と、電荷移動層6とを有する。
発光層3は、複数の発光層3であっても、単層の発光層3であってもよい。単層の発光層3には、単一の発光材料が含まれていても、複数の発光材料が含まれていてもよい。実施形態1においては、第1発光ユニット41は、単層の発光層3を有し、第2発光ユニット42は、複数の発光層3を有している。実施形態2においては、第1発光ユニット41は、単層の発光層3を有し、第2発光ユニット42及び第3発光ユニット43は、複数の発光層3を有している。
電荷移動層6は、ホール又は電子を注入したり輸送したりする層であり、第1電極側電荷移動層61と第2電極側電荷移動層62とによって構成される。第1電極側電荷移動層61は、発光層3の第1電極1側に設けられている。第2電極側電荷移動層62は、発光層3の第2電極2側に設けられている。ここで、第1電極1が陽極であり、第2電極2が陰極である場合には、第1電極側電荷移動層61はホール移動層(例えばホール注入層、ホール輸送層、ホール注入輸送層)となり、第2電極側電荷移動層62は電子移動層(例えば電子注入層、電子輸送層、電子注入輸送層)となる。逆に、第1電極1が陰極であり、第2電極2が陽極である場合には、第1電極側電荷移動層61は電子移動層(例えば電子注入層、電子輸送層、電子注入輸送層)となり、第2電極側電荷移動層62はホール移動層(例えばホール注入層、ホール輸送層、ホール注入輸送層)となる。
ここで、第1電極1と、第1電極1に最も近い中間層5との距離T(つまり第1発光ユニット41の厚みT)は250nmよりも大きく、好ましくは350nmよりも大きい。有機EL素子を製造する場合において、第1発光ユニット41内に異物10が混入することがある。この異物10としては、例えば電極をエッチングにより形成した後の残渣などを挙げることができる。このような異物10は大きくても250nm以下の大きさであるので、上記のように第1発光ユニット41の厚みTが250nmよりも大きければ、異物10は第1電極1及びその直近の中間層5に接触しにくくなりショートの発生が抑制される。その結果、発光効率が高く、信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。例えば、図3(a)に示すように、第1電極1に接触する異物10が直近の発光層3に接触していなければ、ショートが発生しにくいのはもちろん、ダークスポットさえ発生しにくい。また図3(b)に示すように、異物10が第1電極1及び直近の発光層3に接触していると、ダークスポットが発生するおそれはあるが、異物10が直近の中間層5に接触していなければ、ショートは発生しにくい。第1発光ユニット41の厚みTが250nm以下であると、異物10が第1電極1及び直近の中間層5に接触してショートを引き起こし、本来発光すべき画素全体が発光しなくなるおそれがある。なお、第1発光ユニット41の厚みTの上限は、特に限定されないが、例えば600nmである。
また、第1電極1に最も近い発光ユニット4(第1発光ユニット41)において、第2電極側電荷移動層62の抵抗値Rと第1電極側電荷移動層61の抵抗値Rの比(R/R)は1/2よりも大きく、2よりも小さいことが好ましい(1/2<R/R<2)。これにより、有機EL素子の駆動電圧を低減することができる。上記の比(R/R)は、第1電極側電荷移動層61及び第2電極側電荷移動層62のそれぞれの電荷移動層6の抵抗値R、Rを個別に測定して算出することができる。各電荷移動層6の抵抗値R、Rは、例えば、図4に示すように、第1電極1、電荷ブロッキング層8、電荷移動層6、第2電極2を積層し、第1電極1及び第2電極2間に電圧を印加することによって測定することができる。この場合、電荷移動層6がホール移動層であるときは、電荷ブロッキング層8はホールブロッキング性を有する層であり、第1電極1は陽極であり、第2電極2は陰極である。また電荷移動層6が電子移動層であるときは、電荷ブロッキング層8は電子ブロッキング性を有する層であり、第1電極1は陰極であり、第2電極2は陽極である。電荷移動層6の厚みは、実際の発光ユニット4における第1電極側電荷移動層61又は第2電極側電荷移動層62の厚みとすることができる。第1電極1及び第2電極2間に印加する電圧は、第1電極側電荷移動層61及び第2電極側電荷移動層62のいずれの抵抗値R、Rを測定する場合も一定である。
また、第1発光ユニット41以外の発光ユニット4においても、1/2<R/R<2であることが好ましい。これにより、さらに有機EL素子の駆動電圧を低減することができる。
ところで、図5は、例えば図1に示す有機EL素子において、第1発光ユニット41の第1電極側電荷移動層61の膜厚(横軸)を変化させ、その他の層の膜厚を変化させない場合の有機EL素子の駆動電圧(縦軸)を示す。このように、第1電極側電荷移動層61の膜厚を厚膜化すると、駆動電圧が急激に上昇する。この現象は、第2電極側電荷移動層62を厚膜化する場合にも、また第1発光ユニット41以外の発光ユニット4の電荷移動層6を厚膜化する場合にも、また発光ユニット4を三つ以上有する有機EL素子(例えば図2)の場合にも起こり得る。
しかし、電荷移動層6を単層で形成するよりも、複数の層で形成する方が駆動電圧の上昇を抑制することができる。例えば図5によれば、電荷移動層6の膜厚が400nmである場合、駆動電圧は11.0V程度であるが、膜厚100nmの電荷移動層6を四つ積層したり、膜厚200nmの電荷移動層6を二つ積層したりする方が駆動電圧を11.0Vよりも低減することができる。この場合、複数の層は、相互に構成成分及びその量の割合の少なくともいずれかが異なっている。
上記のように、有機EL素子においては、電荷移動層6が複数の層で形成されていることが好ましく、具体的には、第1電極側電荷移動層61及び第2電極側電荷移動層62のうちの少なくともいずれかが複数の層で形成されていることが好ましい。これにより、有機EL素子の駆動電圧を低減することができる。
有機EL素子において、複数の発光層3は、赤色発光層3R、緑色発光層3G、及び、青色発光層3Bを含むことが好ましい。赤緑青(RGB)の三色の発光層3を備えることにより、種々の色を作り出すことができる。特に、これら色を混合することにより白色発光が可能である。有機EL素子では、白色発光により、面状の照明装置を形成することができる。赤色発光層3Rは赤色発光材料を含む発光層3である。緑色発光層3Gは緑色発光材料を含む発光層3である。青色発光層3Bは青色発光材料を含む発光層3である。
青色の発光材料とは、420nm以上500nm未満の波長領域に最も強度が大きいスペクトルを示す発光材料をいう。緑色の発光材料とは、500nm以上590nm未満の波長領域に最も強度が大きいスペクトルを示す発光材料をいう。赤色の発光材料とは、590nm以上700nm未満の波長領域に最も強度が大きいスペクトルを示す発光材料をいう。発光材料は、厳密には、例えば橙色など、赤緑青以外の発光色も存在し得るが、その場合であっても、本明細書では、発光色を三色で区分し、上記の波長領域の色の定義に入る限り、その色を呈するとみなす。
図1に示す第1実施形態においては、第1発光ユニット41は、青色発光層3Bを含み、第2発光ユニット42は、第1電極1側から順に赤色発光層3R及び緑色発光層3Gを含んでいる。
図2に示す第2実施形態においては、第1発光ユニット41は、青色発光層3Bを含み、第2発光ユニット42は、第1電極1側から順に赤色発光層3R及び緑色発光層3Gを含んでいる。第3発光ユニット43も、第1電極1側から順に赤色発光層3R及び緑色発光層3Gを含んでいる。
特に図2に示す有機EL素子においては、赤色発光層3Rを複数の発光ユニット4(第2発光ユニット42及び第3発光ユニット43)に分けて配置させている。そのため、各発光ユニット4内においては赤色発光層3Rの厚みを薄くすることが可能である。ここで、複数の発光層3を有する有機EL素子においては、二つ以上の発光層3が直接積層する構造が形成され得る。その場合、短波長の発光材料の発光層3と長波長の発光材料の発光層3とが隣接すると、短波長の層のエネルギーが長波長の層に吸収されてしまい、短波長の発光が相対的に弱くなると共に長波長の発光が強くなりすぎる現象(過剰発光)が生じ得る。発光材料の波長の高低は相対的なものである。三色の発光のうち、より長波長の発光となるのは、赤色の発光材料である。三色の発光のうち、より短波長の発光となるのは、青色の発光材料である。そのため、三色の発光層3を単に積層しただけでは、赤色が強くなりすぎると共に、青色や緑色が弱くなるおそれがある。そこで、赤色発光層3Rを複数の発光ユニット4に分けて配置している。すると、全体として得たい赤色を複数の赤色発光層3Rで合わせて形成することができ、各赤色発光層3Rの厚みを薄くすることができる。そして、図2に示す有機EL素子においては、赤色発光層3Rの厚みを緑色発光層3Gよりも薄くすることによって、緑色の層のエネルギーが赤色の層に吸収されるといった現象を抑制することができる。そのため、色調整を容易に行うことができると共に、発光効率を向上することができる。また、短波長発光の発光層3のエネルギー吸収が抑制されるため、より低電圧での駆動が可能になる。
また、赤色発光層3Rを複数の発光ユニット4に分散させると、発光ユニット4ごとの経時的な色の変化、いわゆる色ズレを抑制することができる。上記のように赤色発光層3Rは他の発光層3のエネルギーを吸収し得る。すると、赤色発光層3Rの厚みが厚いと、発光のバランスがくずれやすくなり、発光ユニット4間の色ズレの程度の差が大きくなって、全体としての色ズレが大きくなる可能性がある。しかしながら、赤色発光層3Rを複数の発光ユニット4に分散させることによって、発光ユニット4間の経時的な色ズレの差を抑制することができるため、全体としての発光の色ズレを抑えることができ、長寿命な有機EL素子を得ることができる。
図1に示す第1実施形態では、二つの発光ユニット4のうちの一つの発光ユニット4が赤色発光層3Rを含んでいるが、全ての発光ユニット4が赤色発光層3Rを含んでいてもよい。また図2に示す第2実施形態では、三つの発光ユニット4のうちの二つの発光ユニット4が赤色発光層3Rを含んでいるが、この場合も全ての発光ユニット4が赤色発光層3Rを含んでいてもよい。
複数の発光ユニット4のうちの一つの発光ユニット4のみが、青色発光層3Bを含むことが好ましい一態様である。図1に示す第1実施形態では、第1発光ユニット41が青色発光層3Bを有しており、第2発光ユニット42は青色発光層3Bを有していない。また図2に示す第2実施形態では、第1発光ユニット41が青色発光層3Bを有しており、第2発光ユニット42及び第3発光ユニット43は青色発光層3Bを有していない。青色発光材料の発光には他の発光色に比べて高いエネルギーを要する場合がある。この場合、青色発光層3Bは抵抗値が他の色の発光層3より高いといってもよい。青色発光層3Bが複数の発光ユニット4に配置されていると、発光ユニット4ごとに青色発光材料を発光させることになるため、抵抗が上がって駆動電圧が高くなるおそれがある。そこで、青色発光層3Bを一つの発光ユニット4のみに形成することによって、青色発光層3Bの数が少なくなって駆動電圧が高くなることを抑制することができる。
発光層3は、発光ドーパント(発光材料)と、発光ドーパントを受け入れる媒質となるホストとによって構成され得る。発光ドーパントは、リン光の発光材料、及び、ケイ光(蛍光)の発光材料などによって構成される。青色発光材料はリン光発光材料であることが好ましい。それにより、低電圧駆動が可能になる。また、赤色発光材料はリン光発光材料であることが好ましい。また、緑色発光材料はリン光発光材料であることが好ましい。通常、リン光発光材料よりも、ケイ光発光材料の方が発光に多くのエネルギーを要する。そのため、リン光発光材料を用いることが好ましいのである。リン光発光材料を用いることにより、光取り出し効率を高めることができるとともに、低電圧化が容易になる。複数の発光層3に含まれる発光材料の全てがリン光発光材料であることがさらに好ましい。いわゆるオールリン光の有機EL素子である。それにより、低電圧駆動の有機EL素子を構成することができる。なお、発光材料(ドーパント)としては、いわゆるリン光及びケイ光にカテゴリー分けされるもの以外のドーパントを用いてもよい。例えば、近年、リン光のエネルギーレベルからケイ光のエネルギーレベルに遷移して発光する発光材料が開発されているが、そのような発光材料を用いてもよい。
青色発光材料として、460nm以上500nm未満の波長領域に最も強度が大きいスペクトルを示す発光材料を用いることが好ましい。それにより、高い効率の白色の発光が得やすくなる。赤緑青の三つの色の混合により作り出される色は、例えば色度座標によってチャート化することができる。例えば、色のチャートは、色座標u’v’によって表される色度図となる。複数の色を用いる場合、各色の波長と強度とにより導出されたポイントとして色が規定され得る。このポイントが色度図の白色領域に入ると白色発光を行うことが可能である。色度図においては、赤緑の波長の位置よりも青の波長の位置が白色領域に入るためには重要である。そこで、460nm以上の青色発光材料を用いた場合には、同じ発光エネルギーに対しより高い輝度が得られるため、より高い効率の白色の発光を得やすくすることができる。もちろん、400nm以上460nm未満の波長領域に最も強度が大きいスペクトルを示す青色発光材料を用いても、赤緑の調整や、青色の発光スペクトルの調整により白色を作り出すことは可能であるので、このような青色発光材料を用いてもよい。また、460nm未満の青色発光材料を用いた場合、作り出す白色の色温度領域が広がる効果を得やすくなるため、白色の発光の自由度を大きくすることが可能になる。
赤緑青の三色の混合により作り出される発光色は、各発光材料の発光スペクトルの積分値に依存する。発光スペクトルの積分値が所望の比率になることにより、発光色の白色化が容易に行われる。発光強度の比率としては、赤色発光スペクトルの積分値:緑色発光スペクトルの積分値:青色発光スペクトルの積分値の比が2:1:1程度となることが好ましい。それにより、より容易に白色の発光を実現することができる。460nm以上500nm未満の波長領域に最も強度が大きいスペクトルを示す青色発光材料を用いる場合、前記の積分値の比率をより容易に達成することができる。また、460nm未満の青色発光材料を用いた場合には、白色の発光を得るために、青色発光強度が全体(100%)に対して25%未満になってもよい。ここで、赤色発光スペクトルの積分値の比率が高いということは、赤色発光層3Rの合計厚みを他の発光層3よりも比較的厚くすることが求められるということである。しかしながら、前記したように、赤色発光層3Rの厚みが厚いと、エネルギー吸収が起きやすくなる。そこで、発光色を白色にするためには、赤色発光層3Rを分割して複数の発光ユニット4に配置することが好ましいのである。なお、各色の発光スペクトルの積分値は、各色の発光強度とほぼ等しいと考えてよい。
一つの発光ユニット4が複数の発光層3を有する場合、厚みの薄い発光層3と厚みの厚い発光層3が形成され得る。このとき、例えば、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の4/5以下にすることができる。好ましくは、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の3/4以下にすることができる。より好ましくは、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の2/3以下にすることができる。さらに好ましくは、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の1/2以下にすることができる。例えば、赤色発光層3Rと緑色発光層3Gとの積層構造の場合、赤色発光層3Rの厚みを10nm以下にし、緑色発光層3Gの厚みを20nm以上にすることができる。ただし、特定の色の発光層3の厚みが薄くなりすぎると、所望の発光を得られなくなるおそれがある。そのため、好ましくは、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の1/4以上にすることができる。より好ましくは、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の1/3以上にすることができる。また、発光を得やすくするため、厚みの薄い層の厚みは、厚みの厚い層の1/2以上にしたり、2/3以上にしたりしてももちろんよい。
各発光層3の厚みは、所望の発光を得るためには、1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましい。また、各発光層3の厚みは、発光効率などの観点から、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。一の青色発光層3Bの厚みは20nm以上であることが好ましい。それにより、光取り出し性がよく、低電圧駆動可能で、色ズレを抑制した素子を得やすくすることができる。また、一の赤色発光層3Rの厚みは20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。それにより、光取り出し性がよく、低電圧駆動可能で、色ズレを抑制した素子を得やすくすることができる。図2に示す有機EL素子では複数の赤色発光層3Rが設けられるが、これらの赤色発光層3Rは分離して異なる発光ユニット4に配置されるため、赤色の強度は合算になる。そのため、赤色発光層3Rの厚みを薄くしても、所望の発光色(特に白色)を得ることが可能である。
なお、このような発光層3の厚みの関係は、一つの発光ユニット4内においての関係であってよい。例えば、一の発光ユニット4内の赤色発光層3Rの厚みが、他の発光ユニット4内の青色発光層3B又は緑色発光層3Gの厚みよりも厚くなってもよい。エネルギー吸収は隣接する発光層3同士において強く生じるからである。また、一般的に、発光層3の位置や厚みにより光学干渉の影響が異なるため、発光層3の厚みは発光ユニット4ごとに設計されればよいからである。
有機EL素子では、同色の発光層3が、異なる発光ユニット4に配置され得る。一の発光ユニット4と他の発光ユニット4とにおいて、同色の発光層3が配置される場合、同じ発光材料が用いられることが好ましい。それにより、材料の数を減らすことができ、また、積層プロセスもより簡単にすることができるため、より安価で容易に製造をすることができる。図2に示す有機EL素子では、複数の赤色発光層3Rが複数の発光ユニット4に分けて配置されるので、赤色発光材料が同じ材料となってもよい。また図2に示す有機EL素子では、複数の緑色発光層3Gが複数の発光ユニット4に分けて配置されるので、緑色発光材料が同じ材料となってもよい。青色発光材料を用いた青色発光層3Bが複数の発光ユニット4に設けられる場合、同様に、同じ青色発光材料が用いられてもよい。二色以上の同色の発光層3が複数の発光ユニット4に分けて配置される場合は、その一部の色が同じ材料となるのであってよい。好ましくは、同色となった全ての発光層3において、同色の発光層3が同じ発光材料であることが好ましい。また、発光材料(ドーパント)だけでなくホストも同じになることがさらに好ましい。例えば、第2実施形態では、第2発光ユニット42及び第3発光ユニット43に赤緑の二色の発光層3が設けられており、両方の発光ユニット4における、赤色発光層3R、緑色発光層3Gのそれぞれが同じ材料で形成されることが好ましい。なお、同色の発光層3が異なる発光ユニット4に存在する場合、同色の発光層3の厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。一般的に、発光層3の位置や厚みにより光学干渉の影響が異なるため、発光層3の厚みは発光ユニット4ごとに設計されればよいからである。
第1電極1及び第2電極2は一対をなす電極である。これらの電極のうち、一方が陽極で、他方が陰極を構成する。それにより、有機EL素子が駆動可能になる。第1及び第2実施形態では、第1電極1が光透過性電極で陽極を構成し、第2電極2が光反射性電極で陰極を構成することができる。その場合、光取り出し性の高い素子を形成しやすくすることができる。もちろん、第1電極1が光透過性電極で陰極を構成し、第2電極2が光反射性電極で陽極を構成するようにしてもよい。
基板7と第1電極1との間には、光取り出し層が設けられてもよい。光取り出し層は、基板7での全反射を抑え、外部に光をより多く取り出す機能を有する層である。光取り出し層は、基板7と有機EL層との間の屈折率差を低減する構造であってよい。屈折率差の低減により全反射を抑制して光を取り出すことができる。また、光取り出し層は、光散乱構造であってもよい。光を散乱させることにより光の方向を変更させて全反射を抑制して光を取り出すことができる。光取り出し層は、例えば、低屈折率層と高屈折率層との積層構造により形成することができる。あるいは、光取り出し層は、例えば、二つの層の界面の凹凸構造により形成することができる。あるいは、光取り出し層は、例えば、光散乱粒子を分散した層により形成することができる。
基板7の第1電極1とは反対側(素子外部側)の表面には、光取り出し構造が設けられてもよい。光取り出し構造は、光散乱構造で構成することができる。例えば、光散乱粒子の層を設けたり、基板7の表面に微細な凹凸構造を設けたりすることにより、光取り出し構造を形成することができる。
以下、上記で説明した有機EL素子に用いる材料、及び、有機EL素子の製造について説明する。
基板7としては、有機EL素子を形成するのに適した適宜の基板材料を用いることができる。例えば、ガラス基板、樹脂基板などを用いることができる。ガラス基板を用いれば、光取り出し性が高く強度のある透明基板を簡単に得ることができる。
第1電極1及び第2電極2(陽極及び陰極)は適宜の導電性材料を用いることにより、光透過性電極又は光反射性電極として形成することができる。
陽極としては、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましい。陽極から光を取り出す場合、透明導電膜により陽極を構成することができる。陽極の構成としては、例えば、金属薄膜、透明金属酸化物膜、有機導電膜などを例示できる。陽極の材料としては、例えば、金などの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子及び任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料などを用いることができる。ITOなどを用いれば導電性の高い透明電極を形成することができる。
また、陰極としては、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましい。陰極の材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等、およびこれらと他の金属との合金、などを挙げることができる。陰極の材料の具体例としては、例えば、アルミニウム、銀、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を例として挙げることができる。さらに金属等の導電材料を1層以上積層して用いてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ土類金属/Alの積層、アルカリ土類金属/Agの積層、マグネシウム−銀合金/Agの積層などが例として挙げられる。アルミニウム、銀などを用いれば反射性の高い電極を構成することができる。
発光層3は、ドーパント化合物(発光ドーパント)であるゲスト材料と、ドーパント化合物を含有させるホスト材料とを含んで形成される。
リン光の発光層3のホストとしては、CBP、CzTT、TCTA、mCP、CDBPなどを用いることができる。リン光緑色の発光ドーパントとしては、Ir(ppy)、Ir(ppy)(acac)、Ir(mppy)などを用いることができる。リン光赤色の発光ドーパントとしては、BtpIr(acac)、BtIr(acac)、PtOEPなどを用いることができる。リン光青色の発光ドーパントとしては、FIr(pic)などを用いることができる。リン光発光ドーパントのドープ濃度は1〜40質量%にすることができる。
蛍光の発光層3のホストとしては、Alq、ADN、BDAF、TBADNなどを用いることができる。蛍光緑色の発光ドーパントとしては、C545T、DMQA、coumarin6、rubreneなどを用いることができる。蛍光青色の発光ドーパントとしては、TBP、BCzVBi、peryleneなどを用いることができる。蛍光赤色の発光ドーパントとしては、DCJTBなどを用いることができる。また、蛍光の発光層3には、電荷移動補助ドーパントを用いることも好ましく、例えば、NPD、TPD、Spiro−TADなどを用いることができる。発光ドーパントと電荷移動補助ドーパントとを合わせた合計のドープ濃度は1〜30質量%にすることができる。
中間層5としては、BCP:Li、ITO、NPD:MoO、Liq:Alなどを用いることができる。例えば、中間層5を、BCP:Liからなる第1層を陽極側に、ITOからなる第2層を陰極側に配置した二層構成のものにすることができる。また、中間層5は金属薄膜により構成してもよい。金属薄膜は光を透過し得る。例えば、Ag、Alなどにより、中間層5を形成することができる。
正孔注入層としては、CuPc、MTDATA、TiOPC、HAT−CN6などを用いることができる。また、正孔注入層に、アクセプターをドープした正孔輸送有機材料を用いてもよい。アクセプターとしては、MoO、V、F4TCNQなどが例示される。
正孔輸送層としては、TPD、NPD、TPAC、DTASi、トリアリールアミン系化合物などを用いることができる。
電子輸送層としては、BCP、TAZ、BAlq、Alq、OXD7、PBDなどを用いることができる。
電子注入層としては、LiF、LiO、MgO、LiCOなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物、炭酸化物の他に、有機物層にリチウム、ナトリウム、セシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属をドープした層を用いることができる。
なお、上記の材料中、CBPは、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニルを表している。また、Alqは、トリス(8−オキソキノリン)アルミニウム(III)を表している。また、TBADNは、2−t−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンを表している。また、Ir(ppy)は、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムを表している。また、BtpIr(acac)は、ビス−(3−(2−(2−ピリジル)ベンゾチエニル)モノ−アセチルアセトネート)イリジウム(III))を表している。また、C545Tは、クマリンC545Tのことであり、10−2−(ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−(1)ベンゾピロピラノ(6,7,−8−ij)キノリジン−11−オンを表している。また、TBPは、1−tert−ブチル−ペリレンを表している。また、NPDは、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニルを表している。また、BCPは、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリンを表している。また、CuPcは、銅フタロシアニンを表している。また、TPDは、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを表している。
そして、上記のような材料を適宜の順序で適宜の方法により順に成膜して積層することにより、図1及び図2に示す層構成の有機EL素子を製造することができる。積層は、通常、基板7側から行うことができる。
各電極の膜厚は、例えば、10〜300nm程度にすることができる。第1電極1と第2電極2との間の厚みは、例えば、300〜700nm程度にすることができ、好ましくは、400〜500nm程度にすることができる。
成膜方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法、塗布法などを挙げることができる。表1は、例えば図1に示す有機EL素子において、第1発光ユニット41の第1電極側電荷移動層61(ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer))を塗布法又は蒸着法で形成した場合の有機EL素子の歩留りを示す。塗布法の場合、電荷移動層6の膜厚が薄くても歩留りが高い。これは、塗布法の場合、有機材料が異物10の周囲に回り込んで異物10の表面全体を覆いやすいためであると考えられる。一方、蒸着法の場合、電荷移動層6の膜厚が薄いと歩留りが低い。これは、蒸着法の場合、有機材料が異物10に対して一定の方向に堆積するためであると考えられる。よって、蒸着法の場合には、歩留りを高めるためには、電荷移動層6の膜厚を厚膜化する必要があると考えられる。しかし、塗布法により形成された電荷移動層6は光の吸収が多いが、蒸着法により形成された電荷移動層6は光の吸収が少ないので、厚膜化して歩留りを高めれば、蒸着法の方が有利である。
Figure 2014225414
また、第1電極1と第2電極2との間の発光により形成された定常波SWの山の部分に、第1電極1に最も近い発光ユニット4(第1発光ユニット41)における発光層3が配置されていることが好ましい。これにより、干渉を有効に利用することができ、光取り出し効率を高めることができる。図1に示す第1実施形態の有機EL素子では、定常波SWの第2電極2側から数えて2番目の山の部分に、第1発光ユニット41における発光層3(青色発光層3B)が配置されている。なお、定常波SWの1番目の山の部分に、第2発光ユニット42における発光層3(緑色発光層3G及び赤色発光層3R)が配置されている。一方、図2に示す第2実施形態の有機EL素子では、定常波SWの第2電極2側から数えて3番目の山の部分に、第1発光ユニット41における発光層3(青色発光層3B)が配置されている。なお、定常波SWの1番目の山の部分に、第3発光ユニット43における発光層3(緑色発光層3G及び赤色発光層3R)が配置されている。また、定常波SWの2番目の山の部分に、第2発光ユニット42における発光層3(緑色発光層3G及び赤色発光層3R)が配置されている。上記のような配置は、各層の膜厚を調整して成膜することによって行うことができる。
また、定常波SWの第2電極2側から数えて3番目の山の部分に、第1電極1に最も近い発光ユニット4(第1発光ユニット41)における発光層3が配置されていることが好ましい。これにより、干渉を有効に利用することができ、光取り出し効率を高めることができる。この場合は、図2に示す第2実施形態の有機EL素子のように、特に三つ以上の発光ユニット4を備えていることが好ましい。図2に示す第2実施形態の有機EL素子では、定常波SWの第2電極2側から数えて3番目の山の部分に、第1発光ユニット41における発光層3(青色発光層3B)が配置されている。このような配置も、各層の膜厚を調整して成膜することによって行うことができる。
また、定常波SWの第2電極2側から数えて1〜3番目の山の部分のそれぞれに、発光層3が配置されていることが好ましい。これにより、干渉を有効に利用することができ、光取り出し効率をさらに高めることができる。この場合も、図2に示す第2実施形態の有機EL素子のように、特に三つ以上の発光ユニット4を備えていることが好ましい。図2に示す第2実施形態の有機EL素子では、定常波SWの1番目の山の部分に、第3発光ユニット43における発光層3(緑色発光層3G及び赤色発光層3R)が配置されている。また、定常波SWの2番目の山の部分に、第2発光ユニット42における発光層3(緑色発光層3G及び赤色発光層3R)が配置されている。また、定常波SWの3番目の山の部分に、第1発光ユニット41における発光層3(青色発光層3B)が配置されている。このような配置も、各層の膜厚を調整して成膜することによって行うことができる。
安定な面発光を得るために、各層の面内での厚みが均一に近づくように成膜することが好ましい。例えば、真空蒸着法においては、蒸発源角度、基板−蒸発源間の距離(高さ)や、基板回転中心−蒸発源間の距離(オフセット)などを適宜調整することにより、厚みのバラツキを小さくすることができ、所望の膜厚条件となった層を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
図6(a)〜(d)に示す層構成の有機EL素子を順に参考例1〜3及び実施例1として作製した。各有機EL素子において、第1発光ユニット41内における複数の発光層3の配置は、第1電極1側から、青色発光層3B、緑色発光層3Gの順となっており、第2発光ユニット42内における複数の発光層3の配置は、第1電極1側から、赤色発光層3R、緑色発光層3Gの順となっている。また、同色の発光層3については同じ材料(ドーパント及びホスト)を用いて発光層3を形成した。ドーパントは、第1発光ユニット41の緑青において蛍光発光材料を用い、第2発光ユニット42の赤緑においてリン光発光材料を用いた。基板7は光透過性を有するガラス基板であり、第1電極1は光透過性を有する陽極(ITO)であり、第2電極2は光反射性を有する陰極である。有機EL素子の全体の発光色は白色とした。
表2に、参考例1〜3及び実施例1の層構成、及び、評価の結果を示す。表2において「HIL」は、第1発光ユニット4の第1電極側電荷移動層61がホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)であることを意味し、塗布法又は蒸着法のいずれで形成したかを示している。その他の層は蒸着法で形成した。また表2において「中間層−ITO間膜厚(T)」は、第1発光ユニット41の厚みTを意味する。また表2において「青色発光位置」は、第1発光ユニット41の発光層3が、定常波SWの第2電極2側から数えて何番目の山の部分に配置されているかを示している。
評価は、各有機EL素子のショート不良発生率を調べると共に、参考例1の有機EL素子を基準として相対的な発光効率を調べることにより行った。
Figure 2014225414
1 第1電極
2 第2電極
3 発光層
4 発光ユニット
5 中間層
61 第1電極側電荷移動層
62 第2電極側電荷移動層
7 基板
T 距離
SW 定常波

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられた第1電極と、
    前記第1電極と対をなす第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた複数の発光ユニットと、
    隣り合う前記発光ユニット間に設けられた中間層と、
    を備え、
    前記第1電極及び前記第2電極のうちの少なくともいずれかが光透過性電極であり、
    前記第1電極と前記第1電極に最も近い前記中間層との距離が250nmよりも大きい
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記発光ユニットが、
    発光層と、
    前記発光層の第2電極側に設けられた第2電極側電荷移動層と、
    前記発光層の第1電極側に設けられた第1電極側電荷移動層と、
    を有し、
    前記第1電極に最も近い前記発光ユニットにおいて、前記第2電極側電荷移動層の抵抗値と前記第1電極側電荷移動層の抵抗値の比が1/2よりも大きく、2よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第1電極と前記第2電極との間の発光により形成された定常波の山の部分に、前記第1電極に最も近い前記発光ユニットにおける前記発光層が配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記定常波の前記第2電極側から数えて3番目の山の部分に、前記第1電極に最も近い前記発光ユニットにおける前記発光層が配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記定常波の前記第2電極側から数えて1〜3番目の山の部分のそれぞれに、前記発光層が配置されている
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1電極側電荷移動層及び前記第2電極側電荷移動層のうちの少なくともいずれかが複数の層で形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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