JP2014225375A - 端子金具およびその製造方法 - Google Patents

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欣吾 古川
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Abstract

【課題】アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗が低く、製造性の良好な端子金具、また、その製造方法を提供する。【解決手段】端子金具10は、電線の導体が接続される導体接続部11と、導体接続部11より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部12とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される。電気接続部12には相手側端子金具に直接接触させる接点部120が形成されており、接点部120は、電気接続部12を構成する母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層よりなる。【選択図】図1

Description

本発明は、端子金具およびその製造方法に関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるワイヤーハーネスなどに端子金具が用いられている。端子金具は、通常、接続すべき相手側端子金具と電気的に接続する電気接続部を有しており、この電気接続部にて相手側端子金具に直接接触させる。この種の端子金具としては、銅または銅合金からなる母材の全面にスズめっきを施した素材板を打ち抜き、これを曲げ加工することによって構成されたものが広く知られている。
近年、端子金具の軽量化、銅需要の増加による銅価格の高騰等を受け、端子金具の母材としてアルミニウムまたはアルミニウム合金(以下、「アルミニウム合金等」と称することがある。)が注目されるようになっている。例えば、特許文献1には、アルミニウム合金等からなる端子金具における電気接続部に、置換めっき法やプラズマスパッタリング法といった真空めっき法などによってスズめっき層よりなる接点部を形成する技術が開示されている。
特開2013−054824号公報
しかしながら、従来技術は以下の点で問題がある。すなわち、アルミニウム合金等は、表面に酸化被膜を有する。そのため、アルミニウム合金等からなる電気接続部の表面をそのまま接点部に用いると接触電気抵抗が大きくなるという問題がある。この問題を回避する方法として、特許文献1に開示されるように電気接続部にスズめっき層を形成し、このスズめっき層を接点部として用いることが考えられる。しかし、アルミニウム合金等は難めっき材料であり、上記酸化被膜を特殊薬剤や真空系の前処理などによって除去した後でなければ、アルミニウム合金等の表面にめっき層を形成することは難しい。つまり、この手法は、端子金具の製造時にめっきに必要な煩雑な処理工程が多くなり、端子金具の製造性に劣るという問題がある。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗が低く、製造性の良好な端子金具、また、その製造方法を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、電線の導体が接続される導体接続部と、該導体接続部より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される端子金具であって、
上記電気接続部には、上記相手側端子金具に直接接触させる接点部が形成されており、該接点部は、上記電気接続部を構成する上記母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層よりなることを特徴とする端子金具にある。
本発明の他の態様は、電線の導体が接続される導体接続部と、該導体接続部より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される端子金具の製造方法であって、
上記電気接続部には、上記相手側端子金具に直接接触させる接点部が形成されており、上記電気接続部を構成する上記母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによってはんだ層を形成することにより、上記接点部を形成する接点形成工程を有していることを特徴とする端子金具の製造方法にある。
上記端子金具は、その接点部が、端子金具を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金母材の表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層よりなる。はんだ材は、部材と部材とを接合するのに用いるのが通常であるところ、上記端子金具は、超音波はんだ付けによるはんだ層を接点部として用いる点に大きな特徴を有している。上記端子金具は、このような構成を採用したことにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗を低くすることができる。これは、超音波はんだ付け時における超音波振動によるキャビテーション効果(空洞現象)により、母材表面と溶融したはんだ材の境界付近に負圧によって空洞が発生し、その空洞が破壊する際のエネルギーによって酸化被膜の除去、汚れの除去、気泡の除去、化学作用、金属拡散等が促進された状態で、はんだ層が形成されるためである。
また、上記端子金具は、その製造時に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の酸化被膜を除去するために特殊薬剤や真空系の前処理が不要である。また、接点部は、めっき処理のようなウェットプロセスではなくドライプロセスの超音波はんだ付けにより形成されている。そのため、上記端子金具は、製造性が良好である。
上記端子金具の製造方法は、電気接続部を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金母材の表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによってはんだ層を形成することにより、接点部を形成する接点形成工程を有している。そのため、上述したメカニズムにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗が低い上記端子金具を製造することができる。
また、上記端子金具の製造方法は、ドライプロセスの超音波はんだ付けにより接点部を形成するため、上記端子金具の製造性に優れ、製造コストの低減にも有利である。また、上記端子金具の製造方法は、めっき廃液等も発生しないので、環境面でも有利である上、環境面の制約も少ないため、製造ラインを比較的自由に設置することができる。
よって、本発明によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗が低く、製造性の良好な端子金具およびその製造方法を提供することができる。
実施例1の端子金具の説明図である。 実施例2の端子金具の説明図である。 実施例3の端子金具の製造方法の説明図である。 実験例1で作製した試料1の外観写真である。 試料1のはんだ層表面の外観写真である。 試料1のはんだ層断面の走査型電子顕微鏡写真(倍率5,000倍)である。 試料1のはんだ層断面の走査型電子顕微鏡写真(倍率20,000倍)である。
上記端子金具について説明する。上記端子金具は、電線の導体が接続される導体接続部と、導体接続部より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成されている。
導体接続部は、例えば、一対の圧着片や一つの圧着筒体を主体とするワイヤバレル部から構成することができる。一対の圧着片を主体とするワイヤバレル部は、具体的には、電線の導体が配置される底部と、底部に立設され、導体を挟持する一対の圧着片とから構成することができ、各圧着片を折り曲げるように圧縮することにより導体を接続することができる。圧着筒体を主体とするワイヤバレル部は、具体的には、導体が挿入される孔を有する圧着筒体から構成することができ、孔に挿入された導体を圧縮することにより導体を接続することができる。
電気接続部は、例えば、タブ状のオス型嵌合部、対向配置された弾性片を有する、あるいは、弾性片とこの弾性片に対向する内壁とを有するメス型嵌合部、ボルト等の締結部材が挿通される貫通孔やU字状片等を有する締結部などの形態に構成することができる。
上記端子金具は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成されている。これらのうち、曲げ等の機械的特性や耐熱性などの観点から、種々のアルミニウム合金を好適に用いることができる。アルミニウム合金としては、具体的には、例えば、3000系Al合金、5000系Al合金、6000系Al合金などを例示することができる。
上記端子金具は、電気接続部に、相手側端子金具に直接接触させる接点部が形成されている。接点部は、電気接続部の表面の少なくとも一部に構成することができる。例えば、上記端子金具をオス型端子金具として構成する場合、オス型嵌合部における電気接続部の表面のうち、メス型嵌合部の弾性片に対向する面の少なくとも一部に接点部を構成することができる。また例えば、上記端子金具をメス型端子金具として構成する場合、メス型嵌合部の弾性片の表面のうち、オス型嵌合部に対向する面の少なくとも一部に接点部を構成することができる。
上記端子金具は、接点部が、電気接続部を構成する母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層よりなることを最大の特徴とする。はんだ材は、部材と部材とを接合するのに用いられるのが通常である。上記端子金具では、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される電気接続部の表面に薄いはんだ材の薄膜層を形成し、これを接点部として用いるのである。なお、上記超音波はんだ付けは、具体的には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる母材表面に当接させた液状(溶融状態)のはんだ材に超音波振動を伝えながら母材表面に層状にはんだ付けを行うことによって実施することができる。
上記端子金具において、はんだ材は、スズ系はんだ材であり、上記はんだ層は、スズ系はんだ材より構成されたスズ系はんだ層であるとよい。この場合は、接触電気抵抗が低く、良好な電気接続特性を有する端子金具が得られる。なお、ここで、スズ系はんだ材は、化学組成の50質量%以上がSnであるはんだ材を意味する。
スズ系はんだ材としては、具体的には、例えば、質量%で、Sn91〜80%−Zn9〜20%等のSn−Zn系はんだ材、Sn100%の純Snはんだ材、Sn96%−Ag3%−Cu0.5%等のSn−Ag−Cu系はんだ材などを例示することができる。また、上記以外にも、Zn−Al系はんだ材等、化学組成の50質量%以上がZnであるZn系はんだ材などを適用することも可能である。これらのうち、好ましくは、母材であるアルミニウムまたはアルミニウム合金との接合時に合金層を形成しやすく密着性が良好となるなどの観点から、Sn−Zn系のはんだ材を好適に用いることができる。
上記端子金具において、はんだ層の厚みは20μm以下とすることができる。この場合は、端子金具同士の嵌合における嵌合抵抗(挿入力)を低減しやすくなる、材料使用量が低減できる、バネ接触の設計が容易になるなどの利点がある。はんだ層の厚みは、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下とすることができる。また、はんだ層の厚みは、薄膜層の均一性、薄膜層の形成性、耐腐食性など観点から、好ましくは、0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、さらにより好ましくは0.5μm以上とすることができる。なお、はんだ層の厚みは、はんだ層の断面観察や蛍光X線膜厚計などにより測定することができる。はんだ層の厚みは、測定される厚み測定値の平均値である。
上記端子金具において、はんだ層は、例えば、電気接続部の表面に線状に形成することができる。つまり、はんだ層は、1または2以上の線状はんだ部から構成することができる。この場合は、接点として必要な部分にのみはんだ層を形成することが可能となり、少ないはんだ材にて接点部を構成できるなどの利点がある。また他にも、はんだ層は、電気接続部の表面全体を連続的に覆う構成とすることもできる。この場合は、はんだ位置制御等が不要となり、製造管理を行いやすくなるなどの利点がある。
次に、上記端子金具の製造方法について説明する。
上記端子金具は、基本的には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる素材板から所定の端子金具形状を構成可能な素材片(ブランク)を打ち抜き、この素材片をプレスを用いて所定の端子金具形状に曲げ加工することによって製造することができる。但し、上記端子金具の製造方法は、電気接続部を構成する母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによってはんだ層を形成することにより、接点部を形成する接点形成工程を有している。
接点形成工程は、上記基本的な製造工程における任意の時期に実施することができる。具体的には、例えば、素材片を打ち抜く前の素材板における電気接続部の表面となる部分に接点部を形成することができる。また、曲げ加工前の素材片における電気接続部の表面となる部分に接点部を形成することができる。また、素材片を曲げ加工している途中において電気接続部の表面となる部分に接点部を形成することができる。また、素材片を曲げ加工し、電気接続部の形状を形成した後、この電気接続部の表面に接点部を形成することもできる。曲げ加工前における素材板や素材片の段階にて接点部を形成する場合は、接点部の形成対象が平坦な形状であるため、超音波はんだ付けを行いやすく、生産性に優れる利点がある。また、この場合は、後述するはんだ層の薄層化工程を行いやすい利点もある。また、電気接続部の形状とした段階にて接点部を形成する場合は、形状加工による影響を軽減できるなどの利点がある。
上記超音波はんだ付けは、具体的には、加熱されたこて先にはんだ材を供給して母材表面にて液状にするとともに、液状となったはんだ材に対してこて先から超音波振動を伝えて母材表面にはんだ付けを行うことによって実施することができる。この場合は、比較的簡易に接点部を形成することができる利点がある。
上記端子金具の製造方法は、上記接点形成工程の後、はんだ層を圧縮変形させて薄層化する薄層化工程をさらに有することができる。この場合は、圧縮力によってはんだ層の厚みが均一化されるとともに、はんだ層の表面凹凸が平滑化される。そのため、厚みが均一でかつ表面が平滑である薄いはんだ層よりなる接点部を有する端子金具が得られる。
はんだ層を圧縮変形させる方法は、圧延処理、プレスなどの各種の塑性変形手段を用いることができる。曲げ加工前における素材板や素材片の段階にて接点部を形成する場合は、接点部の形成対象が平坦な形状である。そのため、上記はんだ層の薄層化は、はんだ層をスキンパス圧延等の圧延処理を行うことによって好適に行うことができる。この場合は、厚みが均一でかつ表面が平滑である薄いはんだ層よりなる接点部を有する端子金具を比較的容易に得ることができる。
なお、上述した各構成は任意に組み合わることが可能である。
実施例の端子金具およびその製造方法について、図面を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の端子金具について、図1を用いて説明する。図1に示すように、本例の端子金具10は、電線の導体が接続される導体接続部11と、導体接続部11より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部12とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成されている。
本例では、具体的には、導体接続部11は、断面略U字状に形成され、電線の導体が配置される底部110と、底部110に立設され、導体を挟持する一対の圧着片111とを有するワイヤバレル部11Wから構成されている。また、導体接続部11の一方の側には、電気接続部12としてのタブ状のオス型嵌合部12Mが延設されている。つまり、本例の端子金具10は、オス型に構成されている。なお、本例では、ワイヤバレル部11Wの他方の側に電線の絶縁層を圧着するインシュレーションバレル部112が延設されている例を示している。また、上記アルミニウムまたはアルミニウム合金として、3000系Al合金を用いる例を示すが、5000系Al合金、6000系Al合金などを用いることもできる。
本例の端子金具10と嵌合される相手側端子金具は、図示はしないが、メス型に構成されている。相手側端子金具は、導体接続部として上記と同様のワイヤバレル部と、この導体接続部の一方の側に延設された電気接続部としての筒状のメス型嵌合部とを有しており、上記と同様のアルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成されている。メス型嵌合部は、筒体内部に対向配置された弾性片を備え、メス型嵌合部にタブ状のオス型嵌合部12Mが挿入されると、オス型嵌合部12Mはメス型嵌合部の弾性片の付勢力によって強固に挟持される。これにより、本例の端子金具10と相手側端子金具とが電気的に接続される。
ここで、端子金具10の電気接続部12には、相手側端子金具に直接接触させる接点部120が形成されている。接点部120は、電気接続部12を構成する母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層よりなっている。
本例では、具体的には、はんだ材は、スズ系はんだ材であり、はんだ層は、スズ系はんだ層である。なお、スズ系はんだ材は、より具体的には、質量%でSn91〜80%−Zn9〜20%のSn−Zn系はんだ材である。また、本例では、はんだ層は、その厚みが20μm以下とされている。また、はんだ層は、図1に示されるように、電気接続部12の表面(上面および下面、図では上面のみ図示)における接点となる部分に線状に形成されている。なお、本例では、線状のはんだ層は、嵌合方向と略垂直な方向にその線方向が沿っている。端子金具10は、全体で見た場合に、電気接続部12以外の部分にはんだ層が形成されてはいない。
(実施例2)
実施例2の端子金具について、図2を用いて説明する。本例の端子金具10は、接点部120を形成するはんだ層が、電気接続部12の表面全体を連続的に覆う構成とされている点で、実施例1の端子金具10と異なっている。その他の構成は、実施例1の端子金具10と同様である。
(実施例3)
実施例3の端子金具の製造方法について説明する。本例の端子金具の製造方法は、電線の導体が接続される導体接続部11と、導体接続部11より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部12とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される端子金具10を製造する方法である。本例は、具体的には、図1に示したオス型の端子金具10を製造する方法である。
端子金具10における電気接続部12には、相手側端子金具に直接接触させる接点部120が形成されている。本例の端子金具の製造方法は、電気接続部12を構成する母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによってはんだ層を形成することにより、接点部120を形成する接点形成工程を有している。
本例の端子金具の製造方法は、具体的には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる素材板から所定の端子金具形状を構成可能な素材片(ブランク)を打ち抜く打抜き工程と、打ち抜いた素材片をプレスにより所定の端子金具形状に曲げ加工する曲げ工程とを有している。本例では、より具体的には、接点形成工程は、打抜き工程の前に配置されており、素材片を打ち抜く前の素材板における電気接続部の表面となる部分に接点部を形成する工程、または、打抜き工程の後であって曲げ工程の前に配置されており、曲げ加工前の素材片における電気接続部の表面となる部分に接点部を形成する工程、あるいは、曲げ工程の途中における電気接続部の表面となる部分に接点部を形成する工程のいずれかとされている。
また、本例の接点形成工程において、超音波はんだ付けは、図3に示すように、ヒータによって加熱されたこて先20にはんだ材を供給して母材121表面にて液状にするとともに、液状となったはんだ材122に対してこて先20から超音波振動21を伝えて母材121表面にはんだ付けを行うことによって実施される。はんだ材122は、実施例1で述べたものと同様のものを用いる。なお、図3中、23は、後述する超音波振動のキャビテーション効果(空洞現象)による空洞を模式的に示したものである。超音波はんだ付けは、超音波発振周波数を60kHzなどとして実施することができる。
(実施例4)
実施例4の端子金具の製造方法について説明する。本例の端子金具の製造方法は、接点形成工程の後、はんだ層を圧縮変形させて薄層化する薄層化工程をさらに有している点で、実施例3の端子金具の製造方法と相違している。本例では、はんだ層の薄層化は、はんだ層をスキンパス圧延することによって行われる。したがって、本例では、端子金具を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金が平坦な状態である曲げ工程前の段階に接点形成工程が配置されている。その他の構成は、実施例3の端子金具の製造方法と同様である。
(実験例)
次に、上記実施例をさらに具体的に説明するために試料を作製し、評価を行った。以下これについて説明する。
−試料1−
厚み0.3mmの3000系Al合金板の表面に、超音波はんだ付け装置[(株)ジャパンユニックス、「UNIX−700S」]を用いて、超音波発振周波数60kHz、後述のこての温度380℃という製造条件にて、幅4mmの線状のはんだ層(厚み10μm)を複数形成した。なお、用いた超音波はんだ付け装置は、溶融したはんだ材に超音波振動を作用させてはんだ付けを行うこてと、こてに線状はんだを供給するはんだ供給装置とを有している。上記超音波はんだ付け装置は、加熱されたこて先にはんだ材を供給して母材表面にて液状にするとともに、液状となったはんだ材にこて先から超音波振動を伝えて母材表面にはんだ付けを行うことができるように構成されている。図4に、作製した試料1の外観写真を示す。また、図5に、試料1のはんだ層表面の外観写真を示す。図6および図7に、試料1のはんだ層断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。図4〜図7中、30はAl合金板であり、31ははんだ層である。なお、はんだ材には、質量%でSn91%−Zn9%の化学組成を有するスズ系はんだ材を用いた。
−試料2−
表面全体に厚み1μmのスズめっきが施された銅合金板を用いた以外は試料1の作製と同様にして、超音波はんだ付けを実施し、試料2とした。
−試料3−
試料1で用いたAl合金板に対して上記超音波はんだ付けを全く行わなかったものを試料3とした。
−接触電気抵抗の測定−
オス型端子金具とメス型端子金具との接触を模擬できるように、銅合金板に半径1mmのエンボス(1つ)が形成されるとともに、その表面に厚み1μmのスズめっきが施された測定板を準備した。次いで、この測定板のエンボスを試料におけるはんだ層(はんだ層がない場合は母材の表面)に接触荷重10Nで押し付け、初期の接触電気抵抗を測定した。その結果、試料1の接触電気抵抗は1.5mΩ、試料2の接触抵抗は1mΩであった。試料3の接触抵抗は1000mΩ以上で安定しなかった。
また、上記試料を恒温槽に入れ、120℃で72時間放置した後に、上記と同様にして接触電気抵抗を測定した。その結果、試料1の接触電気抵抗は1.5mΩ、試料2の接触電気抵抗は1mΩであった。このように、アルミニウム合金の母材表面にスズ系はんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたスズ系はんだ層は、従来実績のある銅合金の母材表面に施されたスズめっき層と同程度の接触電気抵抗とすることができることが確認された。
この結果から、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される電気接続部における接点部を、上記母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層より構成することにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗を低くできるといえる。これは、超音波はんだ付け時における超音波振動のキャビテーション効果(空洞現象)により、母材表面と溶融したはんだ材の境界付近に負圧によって空洞が発生し、その空洞が破壊する際のエネルギーによって酸化被膜の除去、汚れの除去、気泡の除去、化学作用、金属拡散等が促進された状態で、はんだ層が形成されたためである。
また、このようにして構成される端子金具は、その製造時に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の酸化被膜を除去するために特殊薬剤や真空系の前処理が不要である。また、接点部は、めっき処理のようなウェットプロセスではなくドライプロセスの超音波はんだ付けにより形成されている。そのため、上記端子金具は、製造性が良好である。
また、上記端子金具の製造方法は、上述したメカニズムにより、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材とする場合でも、接点部における接触電気抵抗が低い上記端子金具を製造することができるといえる。また、ドライプロセスの超音波はんだ付けにより接点部を形成するため、端子金具の製造性に優れ、製造コストの低減にも有利であるといえる。また、上記端子金具の製造方法は、めっき廃液等も発生しないので、環境面でも有利である上、環境面の制約も少ないため、製造ラインを比較的自由に設置することができるといえる。
また、試料1の結果から次のことがいえる。超音波はんだ付けは、こて先の形状などによっては、形成されるはんだ層の表面に凹凸ができたり、端子金具の接点部として不利な厚みとなる場合がありうる。しかし、このような場合であっても、超音波はんだ付け後に、スキンパス圧延等の圧延処理によってはんだ層を薄層化すれば、圧縮力によってはんだ層の厚みが均一化されるとともに、はんだ層の表面凹凸が平滑化されたはんだ層を得ることが可能となる。そのため、厚みが均一でかつ表面が平滑である薄い接点部を有する端子金具を比較的容易に得ることが可能となる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施例では、端子金具として、オス型端子金具の例を示したが、メス型端子金具における接点部を、アルミニウムまたはアルミニウム合金の母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層より構成した場合であっても、同様の作用効果を奏することが可能である。
10 端子金具
11 導体接続部
12 電気接続部
120 接点部

Claims (10)

  1. 電線の導体が接続される導体接続部と、該導体接続部より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される端子金具であって、
    上記電気接続部には、上記相手側端子金具に直接接触させる接点部が形成されており、該接点部は、上記電気接続部を構成する上記母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによって形成されたはんだ層よりなることを特徴とする端子金具。
  2. 上記はんだ材は、スズ系はんだ材であり、上記はんだ層は、スズ系はんだ層であることを特徴とする請求項1に記載の端子金具。
  3. 上記はんだ層の厚みは、20μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の端子金具。
  4. 上記はんだ層は、線状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の端子金具。
  5. 電線の導体が接続される導体接続部と、該導体接続部より延設され、接続すべき相手側端子金具に電気的に接続される電気接続部とを有し、アルミニウムまたはアルミニウム合金を母材として構成される端子金具の製造方法であって、
    上記電気接続部には、上記相手側端子金具に直接接触させる接点部が形成されており、上記電気接続部を構成する上記母材表面にはんだ材を超音波はんだ付けすることによってはんだ層を形成することにより、上記接点部を形成する接点形成工程を有していることを特徴とする端子金具の製造方法。
  6. 上記超音波はんだ付けは、加熱されたこて先に上記はんだ材を供給して上記母材表面にて液状にするとともに、該液状となったはんだ材に対して上記こて先から超音波振動を伝えて上記母材表面にはんだ付けを行うことによることを特徴とする請求項5に記載の端子金具の製造方法。
  7. 上記はんだ材は、スズ系はんだ材であり、上記はんだ層は、スズ系はんだ層であることを特徴とする請求項5または6に記載の端子金具の製造方法。
  8. 上記はんだ層の厚みを20μm以下とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の端子金具の製造方法。
  9. 上記接点形成工程の後、上記はんだ層を圧縮変形させて薄層化する薄層化工程をさらに有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の端子金具の製造方法。
  10. 上記はんだ層の薄層化は、上記はんだ層をスキンパス圧延することによって行われることを特徴とする請求項9に記載の端子金具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111211461A (zh) * 2018-11-21 2020-05-29 矢崎总业株式会社 电连接构件的制造方法

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