JP2014225323A - 発光デバイス、表示装置、及び照明装置 - Google Patents

発光デバイス、表示装置、及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機発光層から発した光を外部に向けて効率よく出射させ、高輝度に発光可能な発光デバイス、表示装置、及び照明装置を提供する。【解決手段】第一電極(下部電極)12を所定の領域(例えば画素)毎に複数に区画するバンク(絶縁層)15は、少なくとも光反射性を有する材料から構成される。光反射性を有する材料としては、色調が白色の材料を用いることが好ましい。更に、光反射性に加えて光拡散性を有する材料を用いることも好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光層に電圧を印加して発光させる発光デバイス、およびこれを備えた表示装置、照明装置に関する。
近年、社会の高度情報化に伴い、フラットパネルディスプレイのニーズが高まっている。フラットパネルディスプレイとしては、例えば、非自発光型の液晶ディスプレイ(LCD)、自発光型のプラズマディスプレイ(PDP)、無機エレクトロルミネセンス(無機EL)ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス(以下、「有機EL」または「有機LED」とも言う)ディスプレイ等が挙げられる。
これらフラットパネルディスプレイの中でも、特に有機EL(Organic light emitting diode)ディスプレイなど、有機発光層を用いた発光素子は、薄型・広視野角などの特長から次世代ディスプレイの主流になりうる候補技術として注目されている。
しかし一方で、有機ELには、発光効率が低い、消費電力が大きい、寿命が短い、信頼性が低いなどの課題が残っている。発光効率は、一般的にηφ(ext)(External Quantum Efficiency)=ηext×ηφ=ηext×γ×ηr×φfで表される。ここで、ηφ(ext)は外部量子効率、ηextは外部光取出し効率、ηφは内部量子効率、γはキャリアバランス、ηrは励起子生成確立、φfは蛍光量子収率である。
近年、材料の進歩に伴い、内部量子効率は着実に向上しており、特に、三重項状態を利用するりん光材料の進展に伴い大幅に改善されてきている。しかし一方、光取出し効率は大きな課題として残っている。有機EL素子においては、用いられる有機発光層、透明電極層、ガラス基板などの屈折率が空気より大きいため、スネルの法則に基づく全反射条件から光を効率よく取り出せない。取り出せる光の量は通常、15〜30%程度であり、大半の光が外部に出射されることなく失われていることになる。
こうした課題に対して、例えば、特許文献1においては、透明導電層の発光層と反対の面に屈折率1.01〜1.3の範囲となる低屈折率層を設けた発明が開示されている。
また、特許文献2においては、透明電極層と光透過性の基板との間に、低屈折率材料からなるマトリクス樹脂中に光を散乱させる粒子を拡散させた浸み出し光拡散層を設けた発明が開示されている。
また、特許文献3においては、光を取り出す側の基板面に、多数の微小粒子からなる光取出し層を設けた発明が開示されている。
また、特許文献4には、画素を凹状構造にすることによって光取出し効率を向上させた発明が開示されている。
また、特許文献5には、画素の側面に反射層を設けることにより光取出し効率を向上させた発明が開示されている。
更に、特許文献6には、蛍光体層を有機EL発光部と組み合わせた有機EL素子において、蛍光体層の側面に反射膜を設けることが開示されている。
特開2002−278477号公報 特開2004−296437号公報 特開2011−108395号公報 特開2011−009017号公報 特開2010−009793号公報 特開平11−329726号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜4に開示された発明では、光取出し効率を向上させることができるとされているものの、光取出し効率の向上効果が限定的であるという課題があった。即ち、有機発光層や電極を介して面方向に沿って光が伝播し、外部へ出射される光が減少することへの対策が全くなされていなかった。
例えば、有機発光層の典型的な屈折率が1.8程度、絶縁層(バンク)の典型的な屈折率が1.5〜1.8程度、透明電極層であるITOの典型的な屈折率が2.1〜2.2程度であるため、低屈折率層(屈折率1.0〜1.3程度)との屈折率差のために、低屈折率層との界面で全反射されてしまう成分が多い。この全反射された成分は、有機発光層、絶縁層、透明電極層などを介して面方向に沿って伝播し、外部に出射されることなく損失する。
透明電極層を有機発光層の画素領域ごとに区画する絶縁層(バンク)は、従来、ポリメチルメタクリレート、ポリイミドなどの高分子材料やSiO等の無機材料から構成されており、色調は透明か黒色であった。このため、面方向に沿って広がった光は、絶縁層(バンク)が黒色の場合は、この絶縁層に吸収されて損失する。また、絶縁層(バンク)が透明(光透過性)の場合は、この絶縁層を介して隣接する有機発光層や透明電極層に向けて光が伝播して損失する。
また、特許文献5及び6には、発光部分の側面に反射膜を形成することにより光取出し効率を向上させる技術が開示されており、さらに、特許文献6には反射膜として金属粉、金属粒子もしくは白色顔料を含む樹脂からなることが開示されているが、構造上、プロセス上の課題があった。
特許文献5の技術においては、側面の反射膜が導電性であるため、反射膜状にさらに絶縁層を設ける必要があり、プロセスが複雑になる欠点があった。しかも、反射膜が形成されている部分が、基板に対して斜めになっている隔壁側面であるため、生産時のプロセス制御性が困難であるばかりでなく、パターン形成のための露光位置合わせマージンなどを考えると、画素開口部が小さくなるという課題があった。画素開口部が小さくなると、ディスプレイとしての所望の輝度を得るために、画素開口部での発光輝度を上げる必要があった。
特許文献6の技術においては、蛍光体層の側面に反射膜を形成する技術、反射膜として金属粉、金属粒子もしくは白色顔料を含む樹脂からなる技術が開示されているが、この技術を有機EL発光部分に適用することについてはなんら開示も示唆もされていない。また、この技術を有機EL発光部に適用し、有機発光部の側面に反射膜を形成しようとすると構造上、プロセス上の課題が生じる。まず、有機ELの発光部分に用いられる有機材料は水分、酸素、溶剤などに対して極めて弱く、この有機EL発光部分の側面に反射膜を形成することはプロセス上極めて困難である。また、この技術は有機ELの各画素ごとに発光層が分離形成されている場合はともかく、発光層が画素ごとに分離させず全面形成された構造には適用できないという課題もある。さらに、有機EL発光部からの光導波による光損失を考えるときには、電極など発光部分以外からの導波も考えなければならないが、特許文献6には、それらについてはなんら開示も示唆もされていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、有機発光層から発した光を外部に向けて効率よく出射させ、高輝度に発光可能な発光デバイス、表示装置、及び照明装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は次のような発光デバイス、表示装置、及び照明装置を提供した。
すなわち、本発明の発光デバイスは、基板の一面に順に積層された第一電極および光透過性導電材からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機発光層と、を有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性を有する材料から構成され、前記有機発光層で発光した光が前記第二電極を介して外部に出射することを特徴とする。
前記第一電極は遮光性を有する材料から構成されることを特徴とする。
また、前記バンクは白色材料から構成されることを特徴とする。
また、前記バンクは光反射性に加えて更に光拡散性を有する材料から構成されることを特徴とする。
前記バンクは樹脂中に微細な光反射性粒子を分散させてなることを特徴とする。
また、前記光反射性粒子は、粒径が200nm〜5μmであることを特徴とする。
前記第二電極に重ねて更に対向基板を形成したことを特徴とする。
また、前記対向基板と前記第二電極との間には、前記対向基板よりも屈折率の低い低屈折率層が更に形成されていることを特徴とする。
前記対向基板には、前記バンクと対面する光反射性の対向バンクが更に形成されていることを特徴とする。
本発明の表示装置は、前記各項記載の発光デバイスに対して、該発光デバイスの発光を制御する駆動部を配置したことを特徴とする。
本発明の照明装置は、前記各項記載の発光デバイスに対して、該発光デバイスの発光を制御する駆動部を配置したことを特徴とする。
本発明によれば、高発光効率(高輝度)の発光デバイス、表示装置、及び照明装置を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第五実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第六実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第七実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第八実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第九実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第十実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第十一実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第十二実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 バンクの形状例を示した断面図である。 バンクの構成例を示した断面図である。 本発明の第十三実施形態に係る表示装置を示す断面図である。 本発明の第十四実施形態に係る表示装置を示す断面図である。 本発明の第十五実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 第十五実施形態の変形例を示す断面図である。 本発明の発光デバイスの一適用例である表示装置を示す外観図である。 本発明の発光デバイスの一適用例である照明装置を示す外観図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る発光デバイス、表示装置、及び電子機器の一実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(発光デバイス:第一実施形態)
図1は第一実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス10は、基板11と、この基板11の一面11aに順に積層された第一電極(下部電極)12、および光透過性の第二電極(上部電極)13と、この第一電極12および第二電極13の間に形成された有機発光層14と、を有する。
また、基板11の一面11aには、第一電極12を所定の領域毎に複数に区画するバンク(絶縁層)15が形成されている。このようなバンク15は、例えば有機発光層14の1画素に相当する領域に対応して、第一電極12を複数に区画して、区画された第一電極12どうしを互いに電気的に絶縁する。
作製プロセスとしては、例えば、基板11上に第一電極(下部電極)12を形成し、その後バンク15を形成し、さらに有機発光層14、第二電極(上部電極)13を形成するプロセスなどを用いることができる。有機ELに用いられる材料は水分、酸素などに極めて弱いため、有機発光層14の形成前、すなわち、第一電極(下部電極)12及びバンク15を形成した後に、十分な脱水工程(ベーク工程、真空乾燥工程など)を行うことが好ましい。
基板11は、光透過性または光不透過性(遮光性)であり、例えば、ガラス、樹脂、金属板などから構成される。
第一電極(下部電極)12は、遮光性である場合と光透過性である場合とがある。光透過性である場合は、透明電極であればよく、例えば、ITO(Indium-tin-oxide)や、ZnO(Zinc oxide)などが用いられる。また、遮光性である場合には、例えば金属膜で形成すればよい。
第一電極(下部電極)12が遮光性である場合には、発光した光は第二電極(上部電極)13側から取り出されることになり、いわゆるトップエミッション型有機ELとなる。また、第一電極(下部電極)12が光透過性である場合には、発光した光は第一電極(下部電極)12及び第二電極(上部電極)13の両面から取り出されることになり、いわゆる両面発光型有機ELとなる。
このような第一電極12の厚さは例えば、100nm程度である。なお、第一電極12は、通常はアノードであるが、カソードとすることも可能であり、その場合には低仕事関数の材料を用いる。また、配線抵抗を下げる目的等で補助配線を併設してもいい。補助配線は、例えばAl, Ag, Ta, Ti, Niなどの金属材料で形成することができる。
第一電極(下部電極)12は、バンク(絶縁層)15によって、所定の領域毎に複数に区画されている。本発明の発光デバイスを表示装置(有機ELディスプレイ)として用いる場合には、第一電極(下部電極)12は、1画素に相当する領域毎に区画されていればよい。
第二電極(上部電極)13は、光透過性の透明電極から構成され、これによって、有機発光層14で発光した光が第二電極(上部電極)13を経て外部に出射される、いわゆるトップエミッション型の発光デバイスとなる。第二電極13は、通常はカソードを成し、LiF/ITO, MgAg/IZOなどを用いることができる。なお、第二電極(上部電極)13をアノードとすることも可能であり、その場合には、仕事関数の高い材料、例えば、ITOなどが好ましく用いられる。
これら以外にも、第一電極12及び第二電極13を形成する電極材料として、各種の公知の電極材料を用いることができる。アノードである場合には、有機発光層14への正孔の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以上の金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等の金属、及び、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)インジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等が透明電極材料として挙げられる。
また、カソードを形成する電極材料としては、有機発光層14への電子の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以下のリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、又は、これらの金属を含有するMg:Ag合金、Li:Al合金等の合金が挙げられる。
第一電極12及び第二電極13は上記の材料を用いてEB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができるが、本発明はこれらの形成方法に限定されるものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフフィー法、レーザー剥離法により、形成した電極をパターン化することもでき、シャドーマスクと組み合わせることで直接パターン化した電極を形成することもできる。その膜厚は、50nm以上が好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。
有機発光層(有機EL発光体)14は、第一電極12と第二電極13との間に印加された電圧によって、所定の波長帯の光を発する。有機発光層(有機EL発光体)14は、単層でもよいが、通常は複数層からなり、例えば、α−NPDとAlq3の積層膜などを用いることができる。また、アノードである第一電極(下部電極)12と、カソードである第二電極(上部電極)13との間に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などからなる複層の有機発光層を形成することも行われている。
これらの層以外に、MoO層、C0層、フラーレン含有層、量子ドット含有層などさまざまな層を併用することも盛んに検討されており、いずれも本発明を適用できることは言うまでもない。量子ドット含有層を用いた発光素子は、QLED(Quantum-dot light emitting diode)と呼ばれている。また、発光領域を積層するいわゆるタンデム構造を用いることもできる。第一電極12と第二電極13との間に配置される層の膜厚は、通常、各層が数10nm程度である。もちろん、本発明の技術は、本発明の構成をとるものであれば、現在まだ発明されていない発光素子、一般に認知されていない発光素子などにも適用可能であることはいうまでもない。
有機発光層14の層構造としての具体的として、下記の構成が挙げられるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(1)有機発光層
(2)正孔輸送層/有機発光層
(3)有機発光層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層
(8)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
(9)正孔注入層/正孔輸送層/電子防止層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
ここで、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層及び電子注入層の各層は、単層構造でも多層構造でもよい。
有機発光層14は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパントとホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、また、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。発光効率・寿命の観点からは、ホスト材料中に発光性のドーパントが分散されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機発光層用の公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。また、上記発光材料は、蛍光材料、燐光材料等に分類されるものでもよく、低消費電力化の観点で、発光効率の高い燐光材料を用いる事が好ましい。
ここで、具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
発光層に任意に含まれる発光性のドーパントとしては、有機発光層用の公知のドーパント材料を用いることができる。このようなドーパント材料としては、例えば、紫外発光材料としては、p−クォーターフェニル、3,5,3,5テトラ-t-ブチルセクシフェニル、3,5,3,5テトラ-t-ブチル-p−クィンクフェニル等の蛍光発光材料等が挙げられる。青色発光材料として、スチリル誘導体等の蛍光発光材料、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2‘]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)、ビス(4’,6‘−ジフルオロフェニルポリジナト)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート イリジウム(III)(FIr)等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。
また、ドーパントを用いる時のホスト材料としては、有機EL用の公知のホスト材料を用いることができる。このようなホスト材料としては、上述した低分子発光材料、高分子発光材料、4,4‘−ビス(カルバゾール)ビフェニル、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(mCP)、(PCF)等のカルバゾール誘導体、4−(ジフェニルフォスフォイル)−N,N-ジフェニルアニリン(HM−A1)等のアニリン誘導体、1,3−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(mDPFB)、1,4−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(pDPFB)等のフルオレン誘導体等が挙げられる。
電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機発光層用の公知の電荷輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料及び電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
正孔注入・正孔輸送材料としては、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物、無機p型半導体材料、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第三級アミン化合物、ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子材料、ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子材料等が挙げられる。
また、アノードからの正孔の注入・輸送をより効率よく行う点で、正孔注入層として用いる材料としては、正孔輸送層に使用する正孔注入輸送材料より最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料を用いることが好ましく、正孔輸送層としては、正孔注入層に使用する正孔注入輸送材料より正孔の移動度が、高い材料を用いることが好ましい。
また、より正孔の注入・輸送性を向上させるため、前記正孔注入・輸送材料にアクセプターをドープする事が好ましい。アクセプターとしては、有機発光層用の公知のアクセプター材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
アクセプター材料としては、Au、Pt、W,Ir、POCl3 、AsF6 、Cl、Br、I、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の無機材料、TCNQ(7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン)、TCNQF4 (テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)、HCNB(ヘキサシアノブタジエン)、DDQ(ジシクロジシアノベンゾキノン)等のシアノ基を有する化合物、TNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)等のニトロ基を有する化合物、フルオラニル、クロラニル、ブロマニル等の有機材料が挙げられる。この内、TCNQ、TCNQF4 、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
電子注入・電子輸送材料としては、例えば、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が挙げられる。特に、電子注入材料としては、特にフッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物、酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる。
電子のカソードからの注入・輸送をより効率よく行う点で、電子注入層として用いる材料としては、電子輸送層に使用する電子注入輸送材料より最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料を用いることが好ましく、電子輸送層として用いる材料としては、電子注入層に使用する電子注入輸送材料より電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
また、より電子の注入・輸送性を向上させるため、前記電子注入・輸送材料にドナーをドープする事が好ましい。ドナーとしては、有機発光層用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
ドナー材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Al、Ag、Cu、In等の無機材料、アニリン類、フェニレンジアミン類、ベンジジン類(N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等)、トリフェニルアミン類(トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等)、トリフェニルジアミン類(N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン)等の芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の縮合多環化合物(ただし、縮合多環化合物は置換基を有してもよい)、TTF(テトラチアフルバレン)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等の有機材料がある。この内特に、芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、縮合多環化合物、アルカリ金属がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層等の有機発光層は、上記の材料を溶剤に溶解、分散させた有機発光層形成用の塗液を用いて、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセス、上記の材料を抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス、又は、レーザー転写法等により形成することができる。なお、ウエットプロセスにより有機発光層を形成する場合には、有機発光層形成用の塗液は、レベリング剤、粘度調整剤等の塗液の物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。
上記の有機発光層14を構成する各層の膜厚は、通常1〜1000nm程度であるが、10〜200nmが好ましい。膜厚が10nm未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)が得なれない。また、ゴミ等の異物による画素欠陥が生じるおそれがある。また、膜厚が200nmを超えると有機発光層の抵抗成分により駆動電圧の上昇が生じ、消費電力の上昇に繋がる懸念がある。
第一電極(下部電極)12を所定の領域(例えば画素)毎に複数に区画するバンク(絶縁層)15は、少なくとも光反射性を有する材料から構成される。光反射性を有する材料としては、色調が白色の材料を用いることが好ましい。更に、光反射性に加えて光拡散性を有する材料を用いることも好ましい。
単に光反射性のみの場合には、バンク側面の基板に対する角度やバンクの形状によって、取り出される光のプロファイルが大きく変わるため、所望の光プロファイルを得るためには、バンク側面の基板に対する角度やバンクの形状を適切なものに制御する必要も出てくる。これに対し、バンクが光反射性に加えて、白色性、光散乱性を有していると、バンクで反射する光の方向が広がるため、取り出される光のプロファイルは、バンク側面の基板に対する角度やバンクの形状にそれほど依存せず、自然な発光プロファイルが得られやすい。
一例として、バンク(絶縁層)15を、例えば、特開2007−322546号公報, 特開2008−211036号公報, 特開2011−66267号公報など開示されている高反射率の白色ソルダーレジストを利用して形成することができる。あるいは、ポリイミド系やアクリル系などの感光性樹脂にTiOなどの粒子を分散させて、光反射性、光散乱性、白色性などの機能を付与することも有効な手法である。
バンク(絶縁層)15は、光透過性または光不透過性の基板11の一面11a上に、所定のパターンで形成される。バンク15を所定の形状にパターン化するためには、光感光性樹脂に酸化チタン粒子などを添加したものをフォトリソグラフィーを用いてパターン化する方法、樹脂に酸化チタン粒子などを添加したものを全面形成し、その上にフォトレジストをパターン形成して、酸化チタン粒子を添加した樹脂層を所定のパターンにエッチングする方法など、半導体製造工程や液晶パネル製造工程などで用いられる公知の製造工程を適用することができる。
バンク15の膜厚は、例えば1μm〜5μmが概ね適切な範囲ではあるが、目的に合わせて適宜膜厚を選定してもよい。例えば、100nm〜数10μmの高さのバンクも使用可能であり、いずれの場合であっても本発明の効果を得ることができる。
バンク15によって有機発光層14から発した光を反射する前に、全反射を繰り返してそのたびごとに光がロスするのは好ましくないので、互いに隣接するバンク15どうしの間隔(開口径)はあまり大きくないほうがよい。隣接するバンク15どうしの間隔は、50mm,20mm,10mm,5mm,1mm,500μm,100μm,50μm,20μmなどである。
バンク15に光散乱性を持たせる場合には、バンク15を構成する樹脂中に微細な光反射性粒子を分散させることが好ましい。光反射性粒子は、粒径が200nm〜5μmであることが好ましい。これによって、バンク15は光反射性を持つとともに、光の反射方向をランダムにする光散乱性も持つことができる。
バンク15は、また、第一電極(下部電極)12のエッジ部分でのリークを防ぐ役割も果たす。即ち、第一電極12に有機発光層14を形成した場合、第一電極12の端面で有機発光層14の膜厚が薄くなる。このため第一電極12と第二電極13との間でショートが起こりやすくなる。バンク15をこうした領域に配置することによって、ショートを防止することができる。この場合、バンク15は、一般的にエッジカバー、ないし絶縁層などと称される構成物となる。
バンク15は、また、インクジェットなどウェットプロセスによって有機発光層14を形成する場合に、基板11のある画素領域に塗布された液体が、隣接する画素領域に流れることを防止する。こうした機能をより高めるために、バンク15に更に撥液性を付与する処理を施すことも好ましい。
以上のような構成の発光デバイスの作用について説明する。
図1に示すように、発光デバイス10の第一電極(下部電極)12と第二電極(上部電極)13との間に、所定の電圧値の電圧が印加されると、有機発光層14中に注入された電子と正孔との再結合によって生じた励起子(エキシトン)によって、有機発光層14が発光する。
有機発光層14で発光した光(励起光)のうち、透明な第二電極(上部電極)13に向かう方向に出射された光F1は、第二電極13を透過して外部に出射される。
また、有機発光層14で発光した光(励起光)のうち、光不透過性の第一電極(下部電極)12に向かう方向に出射された光F2は、第一電極13の表面で反射され、再び有機発光層14を透過し、透明な第二電極13を透過して外部に出射される。
一方、有機発光層14で発光した光(励起光)のうち、面広がり方向(積層方向に直角な方向)に向けて出射された光F3は、バンク15に入射する。バンク15に入射した光は、バンク15が光反射性を有する材料から構成されているため、入射した光を反射、および好ましくは拡散させる。そして、バンク15で反射された光F3も、第二電極13を透過して外部に出射される。
このように、本実施形態の発光デバイス10によれば、バンク15に光反射性があるため、バンク15に向かって出射された光F3が、バンク15で吸収されてしまったり、バンク15内を導波して損失することがない。そして、バンク15に向かって出射された光F3をバンク15で反射させて第二電極13を経て外部に出射させることによって、光取出し効率を格段に向上させることが可能になる。
即ち、従来の発光デバイスは、有機発光層の屈折率や散乱性、あるいは形状の制御によって光取出し効率を上げるという発想に対して、本発明においては、有機発光層において発光した光を、バンク15で囲われた領域内に閉じ込め、バンク15の方向に伝播させないことにある。こうした構成によって、光の出射を光を取り出したい方向にだけ限定でき、光をロスすることなく効率よく取り出せる。これによって、従来知られている発光デバイスと比較して、光取出し効率を格段に向上させることができる。
なお、バンク15は、光反射性は必須であるが、更に加えて正反射ではなく、乱反射性、散乱性を有する材料から構成することがより好ましい。正反射よりも、乱反射、散乱の方が、バンク15に入射した光がランダムな方向に反射されるため、光の取り出し効率をより一層高められる。
また、バンク15を配置する位置は、理想的には、所定の形状にパターン化された第一電極(下部電極)12の周辺すべてをバンク15で覆うことが好ましい。しかし、その一部のみをバンク15覆っても、光取出し効率の向上効果は得られる。ただし、第一電極(下部電極)12の周辺長さに対して、例えば、1%の長さに対してのみ光反射性のバンクを配置しただけでは、残り99%の長さの部分からは光が面広がり方向に導波して損失することになり、光取出し効率の向上効果は限定的である。
有機発光層14で発光した光が面広がり方向に導波して逃げてゆくか、あるいは光反射性のバンク15によって反射されて、基板11側から取り出されるかは、第一電極12の周辺長さに対して、バンク15が配置されている長さの割合が相関している。例えば、光反射性のバンクを用いない場合の光取出し効率が25%と仮定すると、損失分は75%となる。第一電極12の周辺長さに対して、バンク15が配置されている長さの割合が10%であれば、概算で約7.5%の光が取り出される可能性があり、トータルの光取出し効率は32.5%となり、光反射性のバンク15を形成しない場合の取り出し効率25%に対して、約30%の効率向上となる。
しかし、第一電極12の周辺長さに対して、バンク15が配置されている長さの割合が1%であれば、最大でも0.75%しか光取出しは向上せず、トータルの光取出し効率は25.75%にしかならない。これは、光反射性のバンク15を設けない場合の光取出し効率25%に対して、僅か3%の改善でしかなく、得られる効果はあまりに小さい。
この様な観点から、第一電極(下部電極)12の周辺長さに対して、バンク15が配置されている長さの割合は、理想的には100%であるが、概ね5%以上あれば、相応の光取り出し効率の向上効果は得られることになる。
第一電極12の周辺長さに対して、バンク15が配置されている長さの割合が5%の場合、光反射性のバンク15によって取り出される光は最大3.75%(75%×5%)であり、トータル27.75%となる。これは光反射性のバンク15を設けない場合の光取出し効率25%に対して、15%の向上であり、意味のある改善といえる。
ただし、実質的には、他の構成部での光損失や、基板11内での導波によるロスなどがあるため、好ましくは、第一電極12の周辺長さに対して、光反射性のバンク15が配置されている長さの割合が50%以上が好ましく、特に100%にすることが好ましい。
第一電極12の周辺長さに対して、バンク15が配置されている長さの割合をどれくらいにするかは、例えば、バンク15をパターン化する際の形状で決めることができる。一般的なケースで考えれば、第一電極12の周辺をすべてバンク15で覆うことはなんら困難ではなく、第二電極13と第一電極12との間のリークの抑制、およびウェットプロセスで形成する場合の隣接画素への流れ込み防止という観点も考えると、第一電極(下部電極)12の周辺をすべて光反射性バンク15で覆うことが好ましい。
また、発光デバイス10は、信頼性確保のため、適切な方法で周囲を封止するのが好ましい。封止の方法は、公知の方法などを用いることができる。例えば、缶封止と乾燥剤を用いる方法、キャップガラスと乾燥剤を用いる方法、ガラスフリット封止、透湿性を抑えた膜とガラスとで張り合わせる方法などが挙げられる。
(発光デバイス:第二実施形態)
図2は第二実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス20は、光透過性または光不透過性の基板21と、この基板21の一面21aに順に積層された第一電極(下部電極)22、および透明な第二電極(上部電極)23と、この第一電極22および第二電極23の間に形成された有機発光層24と、を有する。また、基板21の一面21aには、第一電極22を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)25が形成されている。
そして、この実施形態においては、有機発光層24を、例えば画素毎に区切って形成している。即ち、第一実施形態においては、有機発光層14はバンク15を乗り越えて一連の層として形成されていたが(図1参照)、第二実施形態においては、有機発光層24はバンク25の上部(第二電極側)で区切られて複数に分割されている。これによって、有機発光層24を伝播して面広がり方向に伝播していく光を遮断し、光取出し効率を更に向上させることができる。
(発光デバイス:第三実施形態)
図3は第三実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス30は、光透過性または光不透過性の基板31と、この基板31の一面31aに順に積層された第一電極(下部電極)32、および透明な第二電極(上部電極)33と、この第一電極32および第二電極33の間に形成された有機発光層34と、を有する。また、基板31の一面31aには、第一電極32、および有機発光層34とを所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)35が形成されている。
この実施形態においては、有機発光層34はバンク35によって、例えば画素毎に区画されている。即ち、第一実施形態においては、有機発光層14はバンク15を乗り越えて一連の層として形成されていたが(図1参照)、第三実施形態においては、有機発光層24はバンク35で複数に区画されている。これによって、有機発光層24を伝播して面広がり方向に伝播していく光を遮断し、かつ、有機発光層24の側断面(厚み方向の断面)から出射された光も光反射性のバンク35によって反射させることができ、光取出し効率を更に一層向上させることができる。
なお、これら第二実施形態や第三実施形態において、有機発光層24,34の形成領域を所定の範囲内に限定して形成する方法としては、例えば、マスク蒸着法、インクジェット法、印刷などによるウェット法を用いた塗わけ、LITI(Laser Induced Thermal imaging)、LIPS(laser Induced Pattern wise Sublimation)などのレーザーを用いる手法、フォトブリーチ法などの方法を適宜用いればよい。
(発光デバイス:第四実施形態)
図4は第四実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス40は、光透過性または光不透過性の基板41と、この基板41の一面41aに順に積層された第一電極(下部電極)42、および透明な第二電極(上部電極)43と、この第一電極42および第二電極43の間に形成された有機発光層44と、を有する。また、基板41の一面41aには、第一電極42を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)45が形成されている。そして、第二電極(上部電極)43を覆うように低屈折率層46が形成されている。
低屈折率層46は、例えば、第二電極(上部電極)43の屈折率よりも低く、空気(外気)の屈折率よりも高い範囲の屈折率をもつ材料から形成される。低屈折率層46は、例えば、第二電極43から低屈折率材層46に向けて入射する入射光の臨界角が、低屈折率材層46から外部に出射する出射光の臨界角よりも小さくなるような屈折率を持つことが好ましい。
低屈折率層46は、例えば、第二電極(上部電極)43の屈折率よりも低く、空気(外気)の屈折率よりも高い範囲の屈折率をもつ材料から形成される。低屈折率層の屈折率は基板の屈折率より低いことが好ましく、理想的には空気の屈折率と同じ1.0がもっとも好ましい。
このような低屈折率層46を形成することによって、光取出し効率を更に向上させることができる。即ち、空気(外気)の屈折率を1.0、第二電極(上部電極)43の屈折率を1.5と仮定した時に、低屈折率層46を設けない場合は、有機発光層から出た光は基板から空気(外気)界面までは直進するが、第二電極(上部電極)と空気(外気)との界面における屈折率差のため、法線からの角度が42°より大きな光は全反射してしまう。
これに対して、図4のように、例えば屈折率が1.2の低屈折率層46を設けた場合、低屈折率層46と空気(外気)との界面においては、法線からの角度53°より大きな光は全反射しまうが、反射された光は光反射性のバンク45などで反射されて外部に取り出される可能性が高まる。図4に示す実施形態においても、低屈折率層46と空気(外気)との界面においては、法線からの角度が42°〜53°の光は全反射取り出せないが、有機発光層44から出る光の角度で言えば、42°〜53°の光だけが取り出せないだけであり、低屈折率層46を形成したことによる光取り出し効率の向上効果は大きい。
なお、光反射性のバンクを設けずに、低屈折率層46を形成しただけでは、第二電極43と低屈折率層46との界面で跳ね返った光が正反射を繰り返して面広がり方向に逃げてゆくことになり、光取出し効率はそれほど向上しない。ゆえに、光反射性のバンク45と低屈折率層46を組み合わせて用いることによって、光取出し効率の大幅な向上効果を得ることができる。
(発光デバイス:第五実施形態)
図5は第五実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス50は、光透過性または光不透過性の基板51と、この基板51の一面51aに順に積層された第一電極(下部電極)52、および透明な第二電極(上部電極)53と、この第一電極52および第二電極53の間に形成された有機発光層54と、を有する。また、基板51の一面51aには、第一電極52を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)55が形成されている。そして、第二電極(上部電極)53に重ねて低屈折率層56が形成されている。
この実施形態においては、低屈折率層56は例えば、画素毎に区画されている。即ち、第四実施形態においては、低屈折率層46は、第二電極(上部電極)43全体を覆うように一連の層として形成されていたが(図4参照)、第五実施形態においては、低屈折率層56は複数に区画されている。これによって、低屈折率層56から面広がり方向に伝播していく光を遮断し、光取出し効率を更に一層向上させることができる。
(発光デバイス:第六実施形態)
図6は第六実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス60は、光透過性または光不透過性の基板61と、この基板61の一面61aに順に積層された第一電極(下部電極)62、および透明な第二電極(上部電極)63と、この第一電極62および第二電極63の間に形成された有機発光層64と、を有する。また、基板61の一面61aには、第一電極62を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)65が形成されている。
更に、第二電極(上部電極)63に重ねて、接合層66を介して対向基板(封止基板)67が形成されている。有機発光層64は水分や酸素に弱く、一般的には封止を行うことが必要である。封止構造は様々なものが知られているが、例えば、第二電極(上部電極)に重ねて直接に封止膜を形成する構造がある。この場合、封止膜としては、SiOなどの無機膜、ポリイミド樹脂などによる有機膜、無機−有機ハイブリッド膜、無機−有機交互積層膜などを用いることができる。しかし、最近では本実施形態のように、接合層66を介して対向基板(封止基板)67を形成することが主流となりつつある。
対向基板(封止基板)67は光透過性である必要があり、例えば、ガラス、フィルムなど硬質な透明基板を適用することができる。接合層66は、光透過性の固体層、例えば無機膜と樹脂膜との積層体であればよい。また、接合層66は、空気層、ドライ窒素層などの気体層、あるいは、減圧気体層、真空層などであることも好ましい。接合層66を気体層とする場合には、対向基板(封止基板)67と第二電極(上部電極)63との間に例えばスペーサ部材などを挟んで所定の間隔を保持するようにして、エッジ部分で封止すればよい。
このような実施形態においては、第二電極(上部電極)63に重ねて更に対向基板(封止基板)67が形成されているため、水分や酸素に弱い有機発光層64を、外気(空気)に含まれる湿気や酸素から保護し、有機発光層64の劣化を防止することができる。
(発光デバイス:第七実施形態)
図7は第七実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス70は、光透過性または光不透過性の基板71と、この基板71の一面71aに順に積層された第一電極(下部電極)72、および透明な第二電極(上部電極)73と、この第一電極72および第二電極73の間に形成された有機発光層74と、を有する。また、基板71の一面71aには、第一電極72および有機発光層74を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)75が形成されている。
更に、第二電極(上部電極)73に重ねて、接合層76を介して対向基板(封止基板)77が形成されている。また、接合層76と第二電極(上部電極)73との間には、低屈折率層78が形成されている。低屈折率層78は、例えば、対向基板(封止基板)77の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料から形成される。
これによって、光取出し効率を更に向上させることができる。即ち、空気(外気)の屈折率を1.0、対向基板(封止基板)77を1.5と仮定した時に、低屈折率層78を設けない場合は、有機発光層から出た光は基板から空気(外気)界面までは直進するが、対向基板(封止基板)と空気(外気)との界面における屈折率差のため、法線からの角度が42°より大きな光は全反射してしまう。
これに対して、図7のように、例えば屈折率が1.2の低屈折率層78を設けた場合、対向基板(封止基板)77と空気(外気)との界面においては、法線からの角度53°より大きな光は全反射しまうが、反射された光は光反射性のバンク75などで反射されて外部に取り出される可能性が高まる。図7に示す実施形態においても、対向基板(封止基板)77と空気(外気)との界面においては、法線からの角度が42°〜53°の光は全反射取り出せないが、有機発光層74から出る光の角度で言えば、42°〜53°の光だけが取り出せないだけであり、低屈折率層78を形成したことによる光取り出し効率の向上効果は大きい。
(発光デバイス:第八実施形態)
図8は第八実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス80は、光透過性または光不透過性の基板81と、この基板81の一面81aに順に積層された第一電極(下部電極)82、および透明な第二電極(上部電極)83と、この第一電極82および第二電極83の間に形成された有機発光層84と、を有する。また、基板81の一面81aには、第一電極82および有機発光層84を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)85が形成されている。
更に、第二電極(上部電極)83に重ねて、接合層86を介して対向基板(封止基板)87が形成されている。また、接合層86と第二電極(上部電極)83との間には、低屈折率層88が形成されている。低屈折率層88は、例えば、対向基板(封止基板)87の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料から形成される。
この実施形態においては、低屈折率層88は例えば、画素毎に区画されている。即ち、第七実施形態においては、低屈折率層78は、第二電極(上部電極)73全体を覆うように一連の層として形成されていたが(図7参照)、第八実施形態においては、低屈折率層88は複数に区画されている。これによって、低屈折率層88から面広がり方向に伝播していく光を遮断し、光取出し効率を更に一層向上させることができる。
(発光デバイス:第九実施形態)
図9は第九実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス90は、光透過性または光不透過性の基板91と、この基板91の一面91aに順に積層された第一電極(下部電極)92、および透明な第二電極(上部電極)93と、この第一電極92および第二電極93の間に形成された有機発光層94と、を有する。また、基板91の一面91aには、第一電極92および有機発光層94を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)95が形成されている。
更に、第二電極(上部電極)93に重ねて、接合層96を介して対向基板(封止基板)97が形成されている。また、接合層96と対向基板(封止基板)97との間には、低屈折率層98が形成されている。低屈折率層98は、例えば、対向基板(封止基板)97の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料から形成される。これによって、接合層96と対向基板(封止基板)97との間の屈折率差を低屈折率層98によって緩和し、光取出し効率を更に向上させることができる。
(発光デバイス:第十実施形態)
図10は第十実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス100は、光透過性または光不透過性の基板101と、この基板101の一面101aに順に積層された第一電極(下部電極)102、および透明な第二電極(上部電極)103と、この第一電極102および第二電極103の間に形成された有機発光層104と、を有する。また、基板101の一面101aには、第一電極102および有機発光層104を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)105が形成されている。
更に、第二電極(上部電極)103に重ねて、接合層106を介して対向基板(封止基板)107が形成されている。また、接合層106と対向基板(封止基板)107との間には、低屈折率層108が形成されている。低屈折率層108は、例えば、対向基板(封止基板)107の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料から形成される。
また、この実施形態においては、低屈折率層108は例えば、画素毎に区画されている。即ち、第九実施形態においては、低屈折率層98は、第二電極(上部電極)93全体を覆うように一連の層として形成されていたが(図9参照)、第十実施形態においては、低屈折率層108は複数に区画されている。これによって、低屈折率層108から面広がり方向に伝播していく光を遮断し、光取出し効率を更に一層向上させることができる。
(発光デバイス:第十一実施形態)
図11は第十一実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス110は、光透過性または光不透過性の基板111と、この基板111の一面111aに順に積層された第一電極(下部電極)112、および透明な第二電極(上部電極)113と、この第一電極112および第二電極113の間に形成された有機発光層114と、を有する。また、基板111の一面111aには、第一電極112および有機発光層114を所定の領域毎に複数に区画する光反射性の第一バンク(バンク)115aが形成されている。
更に、第二電極(上部電極)113に重ねて、接合層116を介して対向基板(封止基板)117が形成されている。また、接合層116と対向基板(封止基板)117との間には、光反射性の第二バンク(対向バンク)115bおよび低屈折率層118が形成されている。第一バンク(バンク)115aおよび第二バンク(対向バンク)115bは、第二電極(上部電極)113を介して互いに対向する位置に形成されている。また、低屈折率層118は、第二バンク(対向バンク)115bどうしの間で、例えば画素毎に形成されている。
このような第十一実施形態においては、互いに対向する位置に、光反射性の第一バンク(バンク)115aおよび第二バンク(対向バンク)115bを形成することによって、有機発光層114での面広がり方向への光の伝播を防止すると共に、第二バンク115bによって、接合層116および対向基板(封止基板)117付近でも面広がり方向への光の伝播を防止でき、より一層、光取出し効率を向上させることができる。
(発光デバイス:第十二実施形態)
図12は第十二実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス120は、光透過性または光不透過性の基板121と、この基板121の一面121aに順に積層された第一電極(下部電極)122、および透明な第二電極(上部電極)123と、この第一電極122および第二電極123の間に形成された有機発光層124と、を有する。また、基板121の一面121aには、第一電極122および有機発光層124を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)125が形成されている。
更に、バンク(絶縁層)125と基板121の一面121aとの間、即ちバンク(絶縁層)125の内部には、ブラックマトリクス層129が形成されている。このブラックマトリクス層129は、外光の反射を防止し、例えば明るい屋外などの環境下にあっても、発光デバイス120のコントラストを向上させ、より一層視認性を高めることができる。
(バンクの形状例)
バンクの形状はさまざまな形状にすることができる。図13は、バンクの形状例を示した断面図である。
図13(a)では、基板131に形成された第一電極(下部電極)132を区画するバンク133は、上部が狭まった台形となるように形成されている。
図13(b)では、基板131に形成された第一電極(下部電極)132を区画するバンク134は、上部が広がった台形となるように形成されている。
図13(c)では、基板131に形成された第一電極(下部電極)132を区画するバンク135は、上部が半円形ないし半楕円形となるように形成されている。
図13(d)では、基板131に形成された第一電極(下部電極)132を区画するバンク136は、上部が半円形で、かつ頂部が平坦面となるように形成されている。
図13(e)では、基板131に形成された第一電極(下部電極)132を区画するバンク137は、上部が三角形となるように形成されている。
これらバンクの形状のうち、図13(a)、図13(c)、図13(d)、図13(e)のように、一方に広がっている形状が、光がより出射されやすいという効果がある。こうした効果は、発光プロファイルにも影響を与えるので、表示装置に適用した場合の広視野角化に寄与する。この広視野角という視点では、図13(e)に示すバンク137の形状がもっとも好ましいが、一方、バンクに重ねて成膜する層がエッジ部分で切れてしまうことを抑制するためには、図13(c)、図13(d)のようにバンク135,136が丸みを帯びた形状が好ましい。
一方、パッシブ駆動有機EL表示装置でよく用いられる手法であるが、図13(b)のような逆テーパー形状のバンク134を形成し、これによって、第二電極(上部電極)を全面形成したときに、バンク134のエッジ部分で段切れを生じさせ、第二電極(上部電極)をストライプ状に形成することも可能である。更に、図13(b)のバンク134の構造は、プライベート使用を主たる目的とした有機EL表示装置において、視野角を狭くしてプライバシーフィルタの役割を果たすことにも有効である。
(バンクの構造例)
上述した各実施形態では、バンク自体を白色樹脂など光反射性の樹脂で形成した例を示したが、バンクの構造はこれに限定されない。
図14は、バンクに光反射性を付与するための構造例を示す断面図である。
図14(a)では、基板141に形成された第一電極(下部電極)142を区画するバンク143は、透明な絶縁性樹脂層143aと、光反射性の金属層143bとから構成される。
図14(b)では、基板141に形成された第一電極(下部電極)142を区画するバンク144は反射性金属から構成されている。そして、このバンク144は、第一電極(下部電極)142どうしの間に、第一電極142とは離間して配置されている。これによって、隣接する第一電極(下部電極)142どうしの絶縁性を確保する。
図14(c)では、基板141に形成された第一電極(下部電極)142を区画するバンク145は反射性金属体145aと、これを覆う透明な絶縁樹脂層145bとから構成されている。この形態では、反射性金属体145aの上部も絶縁樹脂層145bで覆われてもかまわないが、この領域から光が伝播する可能性を考慮すると、絶縁樹脂層145bの上部の厚さを薄くなるように形成することが好ましい。更にはこの部分には樹脂を形成しない形状も好ましい。
図14(d)では、基板141に形成された第一電極(下部電極)142を区画するバンク146は反射性金属体146aと、これを覆う透明な絶縁樹脂層146bと、更に上部反射層146cとから構成されている。
図14(e)では、基板141に形成された第一電極(下部電極)142を区画するバンク147は、第一電極(下部電極)142の少なくとも側面を覆う反射性金属層から構成されている。
図14(f)では、基板141に形成された第一電極(下部電極)142を区画するバンク148は、絶縁樹脂体148aと、この絶縁樹脂体148aを覆う反射性金属層148bとから構成される。そして、反射性金属層148bは、その下端が第一電極(下部電極)142に接しないように形成することによって、互いに隣接する第一電極(下部電極)142どうしの絶縁性を確保している。
(表示装置:第十三実施形態)
図15は第十三実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
この実施形態では、発光デバイスをアクティブマトリクス駆動させたトップエミッション型の有機EL表示装置を示す。有機EL表示装置(表示装置)150は、光透過性または光不透過性の基板151、第一電極(下部電極)152、および光透過性の第二電極(上部電極)153と、この第一電極152および第二電極153の間に形成された有機発光層154と、第一電極152を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)155とからなる発光デバイス157を備えている。
また、基板151と第一電極(下部電極)152との間には、駆動部の一例であるアクティブマトリックス駆動素子(駆動部)160が形成される。基板151上に、ゲート電極160a、ゲート酸化膜158が形成される。ゲート酸化膜158上には、活性層160d、ソース電極160b、ドレイン電極160cが形成され、さらに、層間絶縁膜159が形成される。層関絶縁膜159にはコンタクトホールが設けられており、ドレイン電極160cと第一電極152が電気的に接合される。アクティブマトリックス駆動素子160は、ゲート電極160a、ゲート酸化膜158、ソース電極160b、ドレイン電極160cおよび活性層160dなどからなる。
発光デバイス157の発光を制御するアクティブマトリックス駆動素子(駆動部)160は、スイッチング用及び駆動用として機能する。こうしたアクティブマトリックス駆動素子160は公知の材料、構造及び形成方法を用いて形成することができる。
活性層160dの材料としては、例えば、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)、多結晶シリコン(ポリシリコン)、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化ガリウム−酸化亜鉛等の酸化物半導体材料又は、ポリチオフェン誘導体、チオフエンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)誘導体、ナフタセン、ペンタセン等の有機半導体材料が挙げられる。また、TFTの構造としては、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型が挙げられる。
活性層160dの形成方法としては、(1)プラズマ誘起化学気相成長(PECVD)法により成膜したアモルファスシリコンに不純物をイオンドーピングする方法、(2)シラン(SiH)ガスを用いた減圧化学気相成長(LPCVD)法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、(3)Siガスを用いたLPCVD法又はSiHガスを用いたPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピングを行う方法(低温プロセス)、(4)LPCVD法又はPECVD法によりポリシリコン層を形成し、1000℃以上で熱酸化することによりゲート絶縁膜を形成し、その上に、nポリシリコンのゲート電極を形成し、その後、イオンドーピングを行う方法(高温プロセス)、(5)有機半導体材料をインクジェット法等により形成する方法、(6)有機半導体材料の単結晶膜を得る方法等が挙げられる。
ゲート絶縁膜158は、公知の材料を用いて形成することができる。例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO又はポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等が挙げられる。また、TFTの信号電極線、走査電極線、共通電極線、第1駆動電極及び第2駆動電極は、公知の材料を用いて形成することができ、例えば、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等が挙げられる。
層間絶縁膜159は、公知の材料を用いて形成することができ、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN、又は、Si)、酸化タンタル(TaO、又は、Ta)等の無機材料、又は、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。また、その形成方法としては、化学気相成長(CVD)法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセスが挙げられる。また、必要に応じてフォトリソグラフィー法等によりパターニングすることもできる。
なお、アクティブマトリックス駆動素子160を基板151上に形成した場合には、その表面に凸凹が形成され、この凸凹によって発光デバイス157の欠陥(例えば、画素電極の欠損、有機EL層の欠損、対向電極の断線、画素電極と対向電極の短絡、耐圧の低下等)等が発生するおそれがある。これらの欠陥を防止するために、層間絶縁膜159上に更に平坦化膜を設けてもよい。
こうした平坦化膜は、公知の材料を用いて形成することができ、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル等の無機材料、ポリイミド、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。平坦化膜の形成方法としては、CVD法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセスが挙げられるが、本発明はこれらの材料及び形成方法に限定されるものではない。また、平坦化膜は、単層構造でも多層構造でもよい。
また、上述した有機EL表示装置(表示装置)150に、更にカラーフィルタ、色変換膜などを組み合わせても良い。カラーフィルタと組み合わせる場合には、通常、発光色を白色とする。また、色変換膜と組み合わせる場合には、通常、発光色を青色とする。
(表示装置:第十四実施形態)
図16は第十四実施形態に係る表示装置を示す概略断面図である。
有機EL表示装置(表示装置)170は、光透過性または光不透過性の基板171、第一電極(下部電極)172、第二電極(上部電極)173と、この第一電極172および第二電極173の間に形成された有機発光層174と、第一電極172を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁層)175とを備えた発光デバイス182を有する。
更に、基板171と対向基板(封止基板)177を対向させる。基板171と対向基板(封止基板)177を対向して貼り合わせる際、封止層176、低屈折率層181を配置しても良い。封止層176、低屈折率層181ともに用いない場合には、発光素子のない基板周辺部などに封止樹脂、接着樹脂などを用いて、基板171と対向基板(封止基板)177を対向して貼り合わせると良い。封止層176は樹脂などの固体層からなり、接着性、水分・酸素透過防止性、水分・酸素吸収性などを有していても良い。低屈折率層181は、例えば、対向基板(封止基板)177の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料から形成され、固体層、あるいは気体層(乾燥空気層、窒素層、減圧気体層、真空層など)で構成されればよい。
また、基板171と第一電極(下部電極)172との間には、駆動部の一例であるアクティブマトリックス駆動素子(駆動部)180が形成される。基板171上に、ゲート電極180a、ゲート酸化膜178が形成される。ゲート酸化膜178上には、活性層180d、ソース電極180b、ドレイン電極180cが形成され、さらに、層間絶縁膜179が形成される。層関絶縁膜179にはコンタクトホールが設けられており、ドレイン電極180cと第一電極172が電気的に接合される。アクティブマトリックス駆動素子180は、ゲート電極180a、ゲート酸化膜178、ソース電極180b、ドレイン電極180cおよび活性層160dなどからなる。
(発光デバイス:第十五実施形態)
第一電極(下部電極)の導電性を高めるために、更に補助電極を備えた発光デバイスに、光反射性のバンクを形成することも好ましい。
図17は、第十五実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。なお、図17(a)は発光デバイスを上から見たときの平面図、図17(b)は図17(a)のA−A’線における断面図である。
この実施形態の発光デバイス200は、光透過性または光不透過性の基板201に補助配線209が形成されている。補助配線209は1本または複数本配置すればよい。補助配線209は、通常はAl, Agなど、電気抵抗値の低い金属材料を用いる。複数本の補助配線209を配置する場合には、例えば、ストライプ状、あるいは格子状に配置することができる。
補助配線209は第一電極(下部電極)202に覆われる。第一電極(下部電極)202は、例えば、金属電極材料を用い、膜厚は、例えば100nm〜300nm程度である。第一電極202を所定の形状に形成するためには、フォトリソグラフィーなどを用いてパターンニングする方法、あるいは、マスク蒸着などを用いることができる。
隣接する第一電極(下部電極)202どうしの間には、光反射性のバンク205が形成されている。バンク205は、第一電極(下部電極)202の周囲の一部のみカバーしても、光取出し効率向上の効果は得られるが、周囲全部を囲う方がもっとも光取出し効率向上に対して効果が高く、好ましい。なお、図17においては、光反射性のバンク205の開口エリアは正方形の形状で描いているが、長方形、円形、その他の形状が可能である。バンク205の開口サイズであるが、開口径0.5mm,1mm,5mm,10mm,50mm,100mmなど、さまざまなサイズを選択することができ限定されるものではない。
第一電極(下部電極)202の上には有機発光層204が形成されている。有機発光層204は、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層の積層膜などを用いることができる。有機発光層204の上には第二電極(上部電極)203が形成される。第二電極(上部電極)203はITO, IZOなどの透明電極材料を用いればよい。
更に、図17には図示されていないが、発光デバイス200を大気中の水分や酸素による腐食、変質から保護するために、対向基板などを用いて封止することが好ましい。
なお、バンク205の形状が逆テーパー形状となっているなどの理由で、第二電極(上部電極)203の段切れなどが懸念される場合には、図18(a),図18(b)に示すように、段差のない部分を形成することが好ましい。
(発光デバイスの適用例)
発光デバイスの適用例として、図19(A)に示す携帯電話機、図19(B)に示す有機ELテレビなどが挙げられる。
図19(A)に示す携帯電話機1000は、本体1001、表示部1002、音声入力部1003、音声出力部1004、アンテナ1005、操作スイッチ1006等を備えており、表示部1002に前記各実施形態の発光デバイスが用いられている。
図19(B)に示すテレビ受信装置1100は、本体キャビネット1101、表示部1102、スピーカー1103、スタンド1104等を備えており、表示部1102に前記各実施形態の発光デバイスが用いられている。
これら携帯電話機や有機ELテレビにおいては、前記各実施形態の発光デバイスが用いられているため、輝度が高く表示品位に優れている。
また、発光デバイスの適用例として、例えば、図20(A)に示すシーリングライト(照明装置)に適用できる。図20(A)に示すシーリングライト1400は、照明部1401、吊具1402、及び電源コード1403等を備えている。そして、照明部1401として前記各実施形態の発光デバイスが好適に適用できる。
本発明の一実施形態に係る発光デバイスをシーリングライト1400の照明部1401に適用することによって、少ない消費電力で明るく、かつ自在な色調の照明光を得ることができ、光演出性の高い照明器具を実現することができる。また、均一な照度で色純度の高い面発光が可能な照明器具を実現することができる。
また、発光デバイスの適用例として、例えば、図20(B)に示す照明スタンドに適用できる。図20(B)に示す照明スタンド1500は、照明部1501、スタンド1502、電源スイッチ1503、及び電源コード1504等を備えている。そして、照明部1501として前記各実施形態の発光デバイスが好適に適用できる。
本発明の一実施形態に係る発光デバイスを照明スタンド1500の照明部1501に適用することによって、少ない消費電力で明るく、かつ自在な色調の照明光を得ることができ、光演出性の高い照明器具を実現することができる。また、均一な照度で色純度の高い面発光が可能な照明器具を実現することができる。
本発明は、発光素子に利用でき、より具体的には、表示装置、表示システム、照明装置、照明システムなどに利用できる。
10…発光デバイス、11…基板、12…第一電極(下部電極)、13…第二電極(上部電極)、14…有機発光層、15…バンク。

Claims (11)

  1. 基板の一面に順に積層された第一電極および光透過性導電材からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機発光層と、を有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、
    該バンクは光反射性を有する材料から構成され、
    前記有機発光層で発光した光が前記第二電極を介して外部に出射することを特徴とする発光デバイス。
  2. 前記第一電極は遮光性を有する材料から構成されることを特徴とする請求項1記載の発光デバイス。
  3. 前記バンクは白色材料から構成されることを特徴とする請求項1または2記載の発光デバイス。
  4. 前記バンクは光反射性に加えて更に光拡散性を有する材料から構成されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の発光デバイス。
  5. 前記バンクは樹脂中に微細な光反射性粒子を分散させてなることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の発光デバイス。
  6. 前記光反射性粒子は、粒径が200nm〜5μmであることを特徴とする請求項5記載の発光デバイス。
  7. 前記第二電極に重ねて更に対向基板を形成したことを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の発光デバイス。
  8. 前記対向基板と前記第二電極との間には、前記対向基板よりも屈折率の低い低屈折率層が更に形成されていることを特徴とする請求項7記載の発光デバイス。
  9. 前記対向基板には、前記バンクと対面する光反射性の対向バンクが更に形成されていることを特徴とする請求項7または8記載の発光デバイス。
  10. 請求項1ないし9いずれか1項記載の発光デバイスに対して、該発光デバイスの発光を制御する駆動部を配置したことを特徴とする表示装置。
  11. 請求項1ないし9いずれか1項記載の発光デバイスに対して、該発光デバイスの発光を制御する駆動部を配置したことを特徴とする照明装置。
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