JP2014224293A - ベルレス高炉の原料装入方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉱石にコークスを混合した1バッチ目の混合物8を炉頂ホッパー3に搬送する工程と、前記炉頂ホッパー3内の前記混合物8の60質量%以上80質量%以下を前記炉頂ホッパー3から旋回シュートを用いて炉内に装入する工程と、前記炉頂ホッパー3内の前記混合物8の残存量が20質量%以上40質量%以下となった時点で炉頂ホッパー3の排出ゲート7を閉める工程と、前記炉頂ホッパー3内に前記残存する混合物8の上に、2バッチ目の焼結鉱9を投入する工程と、前記残存する混合物8と2バッチ目の焼結鉱の全てを旋回シュートを用いて炉内に装入する工程を実施することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。
【選択図】図6
Description
高炉の通気性は、(1)径方向での鉱石とコークスの層厚比(以下O/Cという。)の分布と(2)径方向粒度分布、により径方向通気抵抗分布が形成されるため、上記(1)と(2)のコントロールが重要である。
装入物分布制御の方法として、最近の大型高炉においては、炉頂部に旋回機能を有し、且つ、その俯仰角度が変更できるシュートを設け、このシュートにより原料をリング状に炉内に装入する旋回シュート式原料装入装置が採用されている(以下、ベルレス高炉と記す。)。
したがって、高炉装入原料の種類に対応し、それぞれの粒子径と密度を考慮して、上記の(1)(2)即ち、径方向のO/C分布と粒度分布をコントロールすることが重要である。
特許文献1は、コークス混合鉱石層は、コークスの粒子径を、鉱石の粒子径の1.1〜1.4倍未満の範囲内にすれば、炉径方向の相対鉱石比率を均一にすることができるとする。
しかし、高炉の装入物分布は、装入装置と装入方法により変化するものであり、装入装置と装入方法の記載がなく、当該文献の適用範囲が不明確であるという問題がある。
しかし、炉頂バンカーから排出する混合コークスの比率は、装入装置と装入方法により変化するものであり、特許文献2及び文献3の記載は、いずれもセンターフィード型ベルレス炉頂装入装置に限定されるという問題がある。
(1)鉱石とコークスを順番に装入するベルレス高炉の原料装入方法において、
鉱石を2バッチに分け、1バッチ目の鉱石に鉱石以外の装入物を混合する装入方法であって、
前記鉱石以外の装入物がコークスであり、
鉱石に前記コークスを混合した1バッチ目の混合物を炉頂ホッパーに搬送する工程と、
前記炉頂ホッパー内の前記混合物の60質量%以上80質量%以下を前記炉頂ホッパーから旋回シュートを用いて炉内に装入する工程と、
前記炉頂ホッパー内の前記混合物の残存量が20質量%以上40質量%以下となった時点で炉頂ホッパーの排出ゲートを閉める工程と、
前記炉頂ホッパー内に前記残存する混合物の上に、2バッチ目の鉱石を投入する工程と、
前記残存する混合物と2バッチ目の鉱石の全てを旋回シュートを用いて炉内に装入する工程を実施することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。
(2)鉱石にコークスを混合した1バッチ目の混合物の中の鉱石量は、1バッチ目の混合物の中の鉱石量と前記2バッチ目の鉱石量の合計に対し、70質量%以上90質量%以下であることを特徴とする(1)に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
(3)鉱石を2バッチに分け、1バッチ目の鉱石に鉱石以外の装入物を混合する装入方法であって、
前記鉱石以外の装入物が、コークス、小塊コークス、含炭塊成鉱、フェロコークス、ペレットおよび塊鉱石の群から選ばれた一種または二種以上の装入物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
(4)前記炉頂ホッパー内の前記混合物の60質量%以上80質量%以下を前記炉頂ホッパーから旋回シュートを用いて炉内に装入する工程及び前記残存する混合物と2バッチ目の鉱石の全てを旋回シュートを用いて炉内に装入する工程において、
旋回シュートを炉周部から炉中心部に傾動させながら、または炉中心部から炉周辺部に傾動させながら、旋回させて、装入物を炉内に装入することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のベルレス高炉の原料装入方法。
実際の高炉は、高圧の密閉容器であり、装入したコークスと鉱石の実際の半径方向の分布の把握が困難である。そこで、本発明者は、実炉を模した1/3模型実験により高炉装入物形成をオフラインで把握する実験を試みた。即ち、実高炉における装入O/C、旋回シュート角度、旋回数等の原料装入条件と同じ条件で1/3模型実験をおこない、実高炉においての炉頂における半径方法の装入物の分布を把握した。
図1に5000M3級高炉を対象とした1/3縮尺模型実験装置を示す。サージホッパー1から装入コンベア2、炉頂ホッパー3、旋回シュート4、炉体シャフト部5を含んでいる。また、装置下部の切り出し装置6により炉内荷下がりを考慮し、装置下部からの送風によりガス流分布を考慮している。
炉頂ホッパーに一時貯留された焼結鉱と小塊コークスの混合原料は、炉頂ホッパーから旋回シュートに切り出される際に、粒子径と密度の違いが原因となり原料排出特性が異なる。
例えば図3に示すように、サージホッパーへの小塊コークス(焼結鉱に対する粒子径比1.51、密度比0.31の場合)の搬送タイミングを、先頭(図3A)、中間(図3B)、後方(図3C)とした場合(全焼結鉱の搬送時間を1とした時の相対時間をしめす)において、炉頂ホッパーからの排出時における小塊コークスの排出量の時間比率を図4に示す。焼結鉱(粒子径;7.4mm、密度;3.3g/cm3)と小塊コークス(粒子径;11.2mm、密度;1.02g/cm3)を質量比98:2に混合した原料を1/3縮尺模型実験装置の炉頂ホッパー3に一時貯留し、旋回シュート4により排出した場合のコークス排出の時系列特性である。円グラフは全排出時間を1とし無次元化し、それぞれ0.25排出時間毎に排出される小塊コークスの排出量を、全小塊コークス量を1とし無次元化したものである。小塊コークスの排出は、サージホッパーへの搬送タイミングを変更したとしても、後半に偏ることを示している。尚、焼結鉱及び小塊コークスの粒子径は、1/3縮尺模型に合わせ、実際の1/3としている。
焼結鉱と小塊コークスの混合原料を高炉に装入する際に炉頂ホッパーからの排出に偏りがあると、高炉装入物分布に影響を与える。
図5に、図3Aと同じ原料条件、搬送条件で、炉頂ホッパーからの排出する原料を旋回シュートからの原料落下位置を炉壁位置から炉中心位置に装入した際(順傾動)の、小塊コークスの炉内分布を示す。横軸は、炉半径を無次元化し、壁際を1、炉中心を0として示し、縦軸は、無次元化した場合の半径方向の各位置における小塊コークス堆積量の、全装入量における焼結鉱と小塊コークスの質量比との相違を表しており、98:2の混合比を1とし、相対的に評価したものである。
前述したように、鉱石・小塊コークス混合装入法は、鉱石に小塊コークスを混合することにより、鉱石層の通気性を向上させ生産性を向上させると同時に、鉱石と小塊コークスを近接させることにより、鉱石の還元性を向上させ、高炉燃料比を低下させることを目的としている。図5に示す小塊コークスの分布では、鉱石と小塊コークスを近接させることができず、鉱石の還元性を向上させ、高炉燃料比を低下させるという目的に沿わない。
図4に示すように、焼結鉱と小塊コークスの混合原料は、それぞれの粒子径と密度の相違により、炉頂ホッパーからの小塊コークスの排出が、時間的に後半に偏る。そこで、本発明者は、当該偏りを是正すべく、新たに、混合原料の炉頂ホッパーへの装入と排出の方法を発明した。
まず、焼結鉱に小塊コークスを混合した1バッチ目の混合物8を炉頂ホッパー3内に搬送する(第1バッチ)。焼結鉱と小塊コークスの混合方法は、焼結鉱槽と小塊コークス槽から焼結鉱と小塊コークスを同時に切り出す方法でもよい。1バッチ目の混合原料の中の焼結鉱の量は、1バッチ目と2バッチ目の焼結鉱の合計に対し、70質量%〜90質量%であることが好ましい。70質量%未満では、焼結鉱と小塊コークスを混合装入する効果が小さくなるからである。また、90質量%を超えると、2バッチ目の焼結鉱の量が少なく、小塊コークスの排出が後半に偏ることを是正する効果が小さくなるからである。
次に、前記炉頂ホッパー3内の前記混合物8の残存量が20質量%〜40質量%となった時点で炉頂ホッパー3の排出ゲート7を閉める(図6(B))。
次に、前記炉頂ホッパー内に前記残存する混合物8の上に、2バッチ目の焼結鉱9を投入する(第2バッチ:図6(C))。
次に、前記残存する1バッチ目の混合物8と2バッチ目の焼結鉱9の全てを旋回シュート4を用いて炉内に装入する(第2ダンプ:図6(D))。
ここに、前記残存量を20質量%〜40質量%とした理由は、20質量%未満では小塊コークスの排出が第1ダンプ後半に始まってしまうために、また40質量%を超えると第2ダンプ初期でもまだ小塊コークスの排出が起こらないために、本発明の効果が十分得られなくなることによる。
炉頂ホッパーからの排出する原料を旋回シュートの原料落下位置を炉壁位置から炉中心位置に装入する順傾動を実施すれば、2バッチ目の初期に排出する小塊コークスを炉周辺部から炉中間部に装入することができる。
DEM(Discrete Element Method、離散要素法)は、粒子の形状を決定し、粒子同士が接触したときに当該粒子に生じる力を求め、その力に基づいて、解析時間における粒子の挙動を所定の時間隔毎に求めるものである。
D2 / P0.4 >1.35・・・・・(1)
ここで、D=(混合物の粒子直径)/(焼結鉱の粒子直径)、P=(混合物の密度)/(焼結鉱の密度)で定義される。
Claims (4)
- 鉱石とコークスを順番に装入するベルレス高炉の原料装入方法において、
鉱石を2バッチに分け、1バッチ目の鉱石に鉱石以外の装入物を混合する装入方法であって、
前記鉱石以外の装入物がコークスであり、
鉱石に前記コークスを混合した1バッチ目の混合物を炉頂ホッパーに搬送する工程と、
前記炉頂ホッパー内の前記混合物の60質量%以上80質量%以下を前記炉頂ホッパーから旋回シュートを用いて炉内に装入する工程と、
前記炉頂ホッパー内の前記混合物の残存量が20質量%以上40質量%以下となった時点で炉頂ホッパーの排出ゲートを閉める工程と、
前記炉頂ホッパー内に前記残存する混合物の上に、2バッチ目の鉱石を投入する工程と、
前記残存する混合物と2バッチ目の鉱石の全てを旋回シュートを用いて炉内に装入する工程を実施することを特徴とするベルレス高炉の原料装入方法。 - 鉱石にコークスを混合した1バッチ目の混合物の中の鉱石量は、1バッチ目の混合物の中の鉱石量と前記2バッチ目の鉱石量の合計に対し、70質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のベルレス高炉の原料装入方法。
- 鉱石を2バッチに分け、1バッチ目の鉱石に鉱石以外の装入物を混合する装入方法であって、
前記鉱石以外の装入物が、コークス、小塊コークス、含炭塊成鉱、フェロコークス、ペレットおよび塊鉱石の群から選ばれた一種または二種以上の装入物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルレス高炉の原料装入方法。 - 前記炉頂ホッパー内の前記混合物の60質量%以上80質量%以下を前記炉頂ホッパーから旋回シュートを用いて炉内に装入する工程及び前記残存する混合物と2バッチ目の鉱石の全てを旋回シュートを用いて炉内に装入する工程において、
旋回シュートを炉周部から炉中心部に傾動させながら、または炉中心部から炉周辺部に傾動させながら、旋回させて、装入物を炉内に装入することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のベルレス高炉の原料装入方法。
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