JP2014224041A - β−Ga2O3系単結晶基板 - Google Patents

β−Ga2O3系単結晶基板 Download PDF

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公祥 輿
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建和 増井
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勝 滝沢
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Abstract

【課題】双晶を含まない幅広の領域を有したβ−Ga系単結晶基板を提供する。
【解決手段】平板状のβ−Ga系単結晶を幅方向への肩広げを抑えて育成するために用いられる、幅広のβ−Ga系種結晶を得ることができるβ−Ga系単結晶の育成方法であって、その育成方法により育成されたβ−Ga系単結晶から得られた幅広のβ−Ga系種結晶を用いたβ−Ga系単結晶基板は、双晶を含まない領域が主面上で2インチ以上の幅を有するβ−Ga系単結晶基板。
【選択図】図5

Description

本発明は、β−Ga系単結晶基板に関する。
従来、EFG法によりGa単結晶を成長させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された方法によれば、Ga単結晶を種結晶との接触部分から下方向に徐々に幅を広げながら、すなわち肩を広げながら成長させることにより、種結晶よりも幅の大きな平板状の結晶を得ることができる。
特開2006−312571号公報
しかし、特許文献1に開示された方法には、幅方向に肩を広げる工程においてGa単結晶が双晶化し易いという問題がある。
したがって、本発明の目的は、平板状のβ−Ga系単結晶を幅方向への肩広げを抑えて育成するために用いられる、幅広のβ−Ga系種結晶を得ることができるβ−Ga系単結晶の育成方法を提供し、この育成方法により育成されたβ−Ga系単結晶から得られた幅広のβ−Ga系種結晶を用いたβ−Ga系単結晶基板の製造方法を提供し、この製造方法により製造される双晶を含まない幅広の領域を有したβ−Ga系単結晶基板を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、[1]〜[3]のβ−Ga系単結晶基板を提供する。
[1]双晶を含まない領域が主面上で2インチ以上の幅を有するβ−Ga系単結晶基板。
[2]前記双晶を含まない領域は、0.5本/10mm以下の双晶を含む前記[1]に記載のβ−Ga系単結晶基板。
[3]前記双晶を含まない領域は、3.14インチ以下である前記[1]に記載のβ−Ga系単結晶基板。
本発明によれば、双晶を含まない幅広の領域を有したβ−Ga系単結晶基板を提供することができる。
図1は、実施の形態に係るEFG結晶製造装置の一部の垂直断面図である。 図2は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶の成長中の様子を表す斜視図である。 図3は、β−Ga系結晶の単位格子を示す。 図4(a)は、比較例に係るβ−Ga系単結晶の成長中の様子を表す側面図である。図4(b)は、比較例に係るβ−Ga系単結晶の水平方向の断面図である。図4(c)は、比較例に係るβ−Ga系単結晶の幅方向の中心からの距離と双晶面の数の関係を表すグラフである。 図5(a)は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶の成長中の様子を表す側面図である。図5(b)は、図5(a)のβ−Ga系単結晶の水平方向の断面図である。 図6(a)は、実施の形態の変形例に係るβ−Ga系単結晶の成長中の様子を表す側面図である。図6(b)は、図6(a)のβ−Ga系単結晶の水平方向の断面図である。 図7は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶から切り出された種結晶を用いて新たなβ−Ga系単結晶を育成する様子を表す斜視図である。 図8は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶から切り出された種結晶を用いて新たなβ−Ga系単結晶を育成する様子を表す斜視図である。 図9は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶基板の製造工程の一例を表すフローチャートである。
〔実施の形態〕
図1は、実施の形態に係るEFG結晶製造装置の一部の垂直断面図である。このEFG結晶製造装置10aは、Ga系融液12を受容するルツボ13と、このルツボ13内に設置されたスリット14aを有するダイ14と、ダイ14の開口部14bを含む上面を露出させるようにしてルツボ13の開口部を閉塞する蓋15と、β−Ga系種結晶(以下、「種結晶」という)20を保持する種結晶保持具21と、種結晶保持具21を昇降可能に支持するシャフト22とを有する。
ルツボ13は、Ga系材料を溶解させて得られたGa系融液12を収容する。ルツボ13は、Ga系融液12を収容しうるイリジウム等の高い耐熱性を有する材料からなる。
ダイ14は、ルツボ13内のGa系融液12を毛細管現象により上昇させるためのスリット14aを有する。ダイ14は、ルツボ13と同様に、イリジウム等の高い耐熱性を有する材料からなる。
蓋15は、ルツボ13から高温のGa系融液12が蒸発することを防止し、蒸発物がルツボ13外の部材に付着することを防ぐ。
図2は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶の成長中の様子を表す斜視図である。
ここで、ダイ14の幅方向及び厚さ方向をそれぞれ幅方向W、厚さ方向Tとする。幅方向Wは、β−Ga系単結晶25の成長方向に垂直かつ主面26に平行である。また、厚さ方向Tは、平板状のβ−Ga系単結晶25の厚さ方向に平行である。
まず、ルツボ13内のGa系融液12をダイ14のスリット14aを通してダイ14の開口部14bまで上昇させ、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの中心から幅方向Wにずれた状態で、種結晶14をダイ14の開口部14bにあるGa系融液12に接触させる。このとき、より好ましくは、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの端の上にある状態で、種結晶20をダイ14の上面を覆うGa系融液12に接触させる。
次に、Ga系融液12に接触させた種結晶20を鉛直方向に引き上げ、β−Ga系単結晶25を成長させる。
図2は、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの端の上にある状態で、種結晶20をダイ14の上面を覆うGa系融液12に接触させ、引き上げる様子を表す。
β−Ga系単結晶25の結晶方位は種結晶20の結晶方位と等しい。β−Ga系単結晶25の主面26は、例えば、b軸方向での育成の場合は、(101)面、(−201)面、又は(001)面であり、c軸方向での育成の場合は(010)面である。
β−Ga系単結晶25及び種結晶20は、β−Ga単結晶、又は、Mg、Fe、Cu、Ag、Zn、Cd、Al、In、Si、Ge、Sn、Nb等の元素が添加されたβ−Ga単結晶である。
図3は、β−Ga系結晶の単位格子を示す。図3中の単位格子2がβ−Ga系結晶の単位格子である。β−Ga系結晶は単斜晶系に属するβ−ガリア構造を有し、不純物を含まないβ−Ga結晶の典型的な格子定数はa=12.23Å、b=3.04Å、c=5.80Å、α=γ=90°、β=103.8°である。
β−Ga系単結晶は、(100)面における劈開性が強く、結晶成長の肩広げの過程で(100)面を双晶面(対称面)とする双晶が生じやすい。そのため、β−Ga系単結晶25からなるべく大きな双晶を含まない結晶を切り出すために、(100)面がβ−Ga系単結晶25の成長方向に平行になるような方向、例えばb軸方向やc軸方向、にβ−Ga系単結晶25を成長させることが好ましい。
特に、β−Ga系単結晶はb軸方向へ成長しやすい性質を有するため、β−Ga系単結晶25をb軸方向に成長させることがより好ましい。
本実施の形態においては、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの中心から幅方向Wにずれた状態で、種結晶14をダイ14の開口部14bにあるGa系融液12に接触させ、引き上げることを特徴としている。以下に、従来の方法と比較して、この本実施の形態の特徴を説明する。
図4(a)は、比較例に係るβ−Ga系単結晶125の成長中の様子を表す側面図である。β−Ga系単結晶125は、従来の方法、すなわち、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの中心上にある状態で、種結晶14をダイ14の開口部14bにあるGa系融液12に接触させ、引き上げることにより育成される単結晶である。
ダイ14の水平方向の中心位置は、ルツボ13の水平方向の中心位置とほぼ一致する。このため、ダイ14の上面を覆うGa系融液12の幅方向Wの温度分布は、ダイ14の幅方向Wの中心位置を中心として対称になる。このため、温度分布の中心に種結晶を接触させることにより、単結晶成長の温度制御が容易になる。そのため、従来、図4(a)に示される方法が用いられている。
β−Ga系単結晶125中の双晶面127は、β−Ga系単結晶125の育成における幅方向Wへ肩を広げる工程で発生し、種結晶20中に双晶面が存在しなければ、β−Ga系単結晶125の種結晶20の真下の領域には双晶面127はほぼ生じない。
図4(b)は、β−Ga系単結晶125の水平方向の断面図である。図4(b)は、β−Ga系単結晶125の主面126の面方位が(−201)である場合の模式図である。図4(b)中の領域R0は、β−Ga系単結晶125の成長時に種結晶20の真下に位置していた領域を示す。
図4(c)は、β−Ga系単結晶125の幅方向Wの中心からの距離と双晶面の数の関係を表すグラフである。図4の横軸は、β−Ga系単結晶125の幅方向Wの中心からの距離を表し、縦軸は、横軸の各々の距離を中心とした幅10mmの領域における双晶面127の数を表す。図4(c)に示される双晶面127の数は、主面の面方位が(−201)である10個のβ−Ga系単結晶125の平均値である。
図4(c)は、種結晶20に近い位置ほどβ−Ga系単結晶125中の双晶面127の数が多く、種結晶20から離れた位置では双晶面が生じにくいことを示している。図4(b)に表されるβ−Ga系単結晶125においては、幅方向Wの端部の双晶面127を含まない領域R1を切り出し、双晶を含まないβ−Ga系単結晶を得ることができる。
本実施の形態は、β−Ga系単結晶において種結晶から離れた位置では双晶面が生じにくいという性質を利用したものである。本実施の形態によれば、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの中心から幅方向Wにずれた状態でβ−Ga系単結晶25を成長させるため、β−Ga系単結晶25中の、β−Ga系単結晶25の成長時に種結晶20の真下に位置していた領域の両側の領域のうち、面積の大きい方の領域の端部側は種結晶20からの距離が大きく、双晶が生じにくい。
図5(a)は、実施の形態に係るβ−Ga系単結晶25の成長中の様子を表す側面図である。図5(b)は、図5(a)のβ−Ga系単結晶25の水平方向の断面図である。図5(b)は、β−Ga系単結晶25の主面26の面方位が(−201)である場合の模式図である。図5(b)中の領域R0は、β−Ga系単結晶25の成長時に種結晶20の真下に位置していた領域を示す。
図5(a)、(b)に示されるβ−Ga系単結晶25は、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの中心から幅方向Wにずれた状態で育成されたものである。
β−Ga系単結晶25の幅方向Wの両端28a、28bのうちの、領域R0からの距離が大きい方の端28aと、領域R0との間の領域(領域R0の左側の領域)は、領域R0からの距離が小さい方の端28bと、領域R0との間の領域(領域R0の右側の領域)よりも、双晶面を含まない部分の幅が大きい。
そのため、端28aと領域R0との間の領域に含まれる双晶面27を含まない領域R2から双晶を含まないβ−Ga系単結晶を切り出すことができる。
図6(a)は、実施の形態の変形例に係るβ−Ga系単結晶25の成長中の様子を表す側面図である。図6(b)は、図6(a)のβ−Ga系単結晶25の水平方向の断面図である。図6(b)は、β−Ga系単結晶25の主面26の面方位が(−201)である場合の模式図である。
図6(a)、(b)に示されるβ−Ga系単結晶25は、種結晶20の水平方向の位置がダイ14の幅方向Wの端の上にある状態で育成されたものである。
この例では、領域R0が端28b上にあり、領域R0と端28bとの間の領域の面積がゼロである一方、領域R0と端28aとの間の領域には双晶面を含まない領域R2がより大きく存在する。そのため、領域R2から、より大きな双晶を含まないβ−Ga系単結晶を切り出すことができる。
図5(b)、図6(b)に示されるβ−Ga系単結晶25の領域R2の幅は、β−Ga系単結晶125の領域R1の幅よりも大きく、β−Ga系単結晶25から切り出すことのできる双晶を含まないβ−Ga系単結晶の幅は、β−Ga系単結晶125から切り出すことのできる双晶を含まないβ−Ga系単結晶の幅よりも大きい。
なお、図5(b)、図6(b)に示される領域R2の幅は、最終的に得られるβ−Ga系単結晶基板の直径に依存する。例えば、直径2インチのβ−Ga系単結晶基板を製造する場合は、領域R2の幅が2インチよりも大きいことが好ましい。
β−Ga系単結晶25から切り出された双晶を含まないβ−Ga系単結晶は、幅方向Wへの肩広げを抑えたβ−Ga系平板状結晶の育成のための、幅広のβ−Ga系種結晶として用いられる。ただし、β−Ga系単結晶25から切り出された結晶は双晶を全く含まないものでなければならないわけではなく、幅方向Wの端部に僅かに双晶が含まれる程度のものであればよい。これは、例えば、最終的に得られるβ−Ga系単結晶基板の縁近傍における双晶の存在はほとんど問題にならないことによる。
なお、β−Ga系単結晶25から切り出された双晶を含まないβ−Ga系単結晶をβ−Ga系単結晶25の成長方向に分離するように切断することにより、複数のβ−Ga系種結晶を得ることができる。
図7は、β−Ga系単結晶25から切り出された種結晶30を用いて新たなβ−Ga系単結晶35を育成する様子を表す斜視図である。
種結晶30は、β−Ga系単結晶25から切り出された双晶を含まない、又はほぼ含まないβ−Ga系単結晶である。β−Ga系単結晶25の領域R2から種結晶30を切り出した場合、種結晶30の幅(幅方向Wの大きさ)は領域R2の幅と等しくなる。
β−Ga系単結晶35の育成は、幅方向Wに肩を広げる工程を含まないため、β−Ga系単結晶35の幅は種結晶30の幅とほぼ等しくなる。また、β−Ga系単結晶35の肩を幅方向Wに広げないため、ダイ34の幅は種結晶30の幅以下であることが好ましい。また、ダイ34の幅はダイ14の幅と等しいか、もしくはより小さい。
一方、β−Ga系単結晶35の育成は、厚さ方向Tに肩を広げる工程を含むため、β−Ga系単結晶35の厚さは種結晶30の厚さよりも大きくなる。例えば、厚さ6mmの種結晶30を用いて、厚さ18mmのβ−Ga系単結晶35を育成する。また、β−Ga系単結晶35の肩を厚さ方向Tに広げるため、ダイ34の厚さは種結晶30の厚さよりも大きい。また、ダイ34の厚さはダイ14の厚さよりも大きい。
なお、β−Ga系単結晶35の厚さ方向Tの肩広げは、幅方向Wの肩広げと異なり、双晶が生じにくい。
種結晶30の主面26を水平方向に向けた状態でβ−Ga系単結晶35を育成することにより、β−Ga系単結晶35の主面36の面方位をβ−Ga系単結晶25の主面26の面方位と一致させることができる。例えば、主面26の面方位が(101)、(−201)、又は(001)であるβ−Ga系単結晶25から種結晶30を切り出して、種結晶30を用いて主面36の面方位が(101)、(−201)、又は(001)であるβ−Ga系単結晶35を育成することができる。
β−Ga系単結晶35の肩広げ後に育成された平板状の領域から、種結晶30よりも厚い種結晶を切り出すことができる。次に、その方法の一例について述べる。
例えば、平板状の部分の厚さが18mmのβ−Ga系単結晶35を育成した後、種結晶30とβ−Ga系単結晶35を分離し、β−Ga系単結晶35を育成方向に垂直な方向に沿って20〜40mmの幅で切断する。まず、カーボン系のステージに熱ワックスを介してβ−Ga系単結晶35を固定する。切断機にカーボン系ステージに固定されたβ−Ga系単結晶35をセッティングし、ダイヤモンドブレードを用いて切断を行う。ダイヤモンドブレードの粒度は#200〜#600(JISB4131による規定)程度であることが好ましく、切断速度は毎分6〜10mmくらいが好ましい。切断後は、分離された種結晶30と育成方向に垂直な方向に沿って20〜40mmの幅で切断されたβ−Ga系単結晶35をカーボン系ステージから熱をかけて取外す。20〜40mmの幅で切断されたβ−Ga系単結晶35の各々が新たな種結晶となる。
図8は、β−Ga系単結晶35から切り出された種結晶40を用いて新たなβ−Ga系単結晶45を育成する様子を表す斜視図である。
種結晶40は、β−Ga系単結晶35の平板状の領域から切り出された双晶を含まない、又はほぼ含まないβ−Ga系単結晶である。種結晶40は、例えば、β−Ga系単結晶35の平板状の領域をβ−Ga系単結晶35の成長方向と垂直な面で切断することにより得られ、β−Ga系単結晶35と幅及び厚さが等しい。
単結晶40を用いることにより、多数の基板を切り出すことのできる厚いβ−Ga系単結晶45を、幅方向W及び厚さ方向Tに肩を広げることなく、繰り返し育成することができる。
β−Ga系単結晶45の育成は幅方向Wに肩を広げる工程を含まないため、β−Ga系単結晶45の双晶化が抑えられる。また、β−Ga系単結晶45の育成は厚さ方向Tに肩を広げる工程を含まないため、β−Ga系単結晶45のほぼ全体が基板を切り出すことのできる平板状の領域となり、基板製造のランニングコストを低減することができる。
β−Ga系単結晶45の肩を幅方向W及び厚さ方向Tに広げないため、ダイ44の幅及び厚さはダイ34と等しくてもよく、ダイ44としてダイ34を用いてもよい。
種結晶40の主面36を水平方向に向けた状態でβ−Ga系単結晶45を育成することにより、β−Ga系単結晶45の主面46の面方位をβ−Ga系単結晶35の主面36の面方位と一致させることができる。例えば、主面36の面方位が(101)、(−201)、又は(001)であるβ−Ga系単結晶35から種結晶40を切り出して、種結晶40を用いて主面46の面方位が(101)、(−201)、又は(001)であるβ−Ga系単結晶45を育成することができる。
次に、育成したβ−Ga系単結晶45からβ−Ga系単結晶基板を製造する方法の一例について述べる。
図9は、β−Ga系単結晶基板の製造工程の一例を表すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて説明する。
まず、例えば、厚さが18mmのβ−Ga系単結晶45を育成した後、単結晶育成時の熱歪緩和と電気特性の向上を目的とするアニールを行う(ステップS1)。雰囲気は窒素雰囲気が好ましいが、アルゴンやヘリウム等の他の不活性雰囲気でもよい。アニール保持温度は1400〜1600℃の温度が好ましい。保持温度でのアニール時間は6〜10時間程度が好ましい。
次に、種結晶40とβ−Ga系単結晶45の分離を行うため、ダイヤモンドブレードを用いて切断を行う(ステップS2)。まず、カーボン系のステージに熱ワックスを介してβ−Ga系単結晶45を固定する。切断機にカーボン系ステージに固定されたβ−Ga系単結晶45をセッティングし、切断を行う。ブレードの粒度は#200〜#600(JISB4131による規定)程度であることが好ましく、切断速度は毎分6〜10mmくらいが好ましい。切断後は、熱をかけてカーボン系ステージからβ−Ga系単結晶45を取外す。
次に、超音波加工機やワイヤー放電加工機を用いてβ−Ga系単結晶45の縁を丸形に加工する(ステップS3)。また、縁の所望の場所にオリエンテーションフラットを形成することも可能である。
次に、マルチワイヤーソーにより、丸形に加工されたβ−Ga系単結晶45を1mm程度の厚さにスライスし、β−Ga系単結晶基板を得る(ステップS4)。この工程において、所望のオフセット角にてスライスを行うことができる。ワイヤーソーは固定砥粒方式のものを用いることが好ましい。スライス速度は毎分0.125〜0.3mm程度が好ましい。
次に、加工歪緩和、及び電気特性向上、透過性向上を目的とするアニールをβ−Ga系単結晶基板に施す(ステップS5)。昇温時には酸素雰囲気でのアニールを行い、昇温後に温度を保持する間は窒素雰囲気に切替えてアニールを行う。温度を保持する間の雰囲気はアルゴンやヘリウム等の他の不活性雰囲気でも良い。保持温度は1400〜1600℃が好ましい。
次に、β−Ga系単結晶基板のエッジに所望の角度にて面取り(べベル)加工を施す(ステップS6)。
次に、ダイヤモンドの研削砥石を用いて、所望の厚さになるまでβ−Ga系単結晶基板を研削する(ステップS7)。砥石の粒度は#800〜1000(JISB4131による規定)程度であることが好ましい。
次に、研磨定盤とダイヤモンドスラリーを用いて、所望の厚さになるまでβ−Ga系単結晶基板を研磨する(ステップS8)。研磨定盤は金属系やガラス系の材質のものが好ましい。ダイヤモンドスラリーの粒径は0.5μm程度が好ましい。
次に、ポリシングクロスとCMP(Chemical Mechanical Polishing)用のスラリーを用いて、原子レベルの平坦性が得られるまでβ−Ga系単結晶基板を研磨する(ステップS9)。ポリッシングクロスはナイロン、絹繊維、ウレタン等の材質のものが好ましい。スラリーにはコロイダルシリカを用いることが好ましい。CMP工程後のβ−Ga系単結晶基板の主面の平均粗さはRa0.05〜0.1nmくらいである。
なお、β−Ga系単結晶35から種結晶40を切り出さずに、基板を直接切り出してもよいが、基板切り出し用の単結晶としてβ−Ga系単結晶35を繰り返し育成する度に、厚さ方向Tに肩を広げなければならない。肩広げ部分からは基板を切り出すことができないため、基板を量産する場合にランニングコストが高くなるという問題がある。
また、基板切り出し用の単結晶に厚みが必要ない場合は、β−Ga系単結晶35を厚さ方向Tに肩を広げずに育成し、基板を切り出してもよい。
また、ダイ14の幅及び厚さを大きくし、ルツボ13や蓋15を大きくすることにより、β−Ga系単結晶25を幅方向W及び厚さ方向Tに肩を広げて育成し、β−Ga系単結晶25から幅及び厚さの大きい種結晶を切り出すことが可能である。しかしこの方法では、ルツボ13、ダイ14、蓋15にイリジウム等の非常に高価な材料を使用しているため、膨大なコストが生じる。そのため、本実施の形態による育成方法により双晶を含まない、又はほぼ含まない幅広のβ−Ga系種結晶を形成する方がより好ましい。
(実施の形態の効果)
上記の実施の形態によれば、双晶を含まない、又はほぼ含まない幅広のβ−Ga系種結晶を形成することができる。その幅広の種結晶を用いることにより、基板切り出し用の平板状のβ−Ga系単結晶を幅方向への肩広げを抑えて育成することができる。そのため、高品質のβ−Ga系単結晶基板を製造することができる。
また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
12…Ga系融液、13…ルツボ、14、34、44…ダイ、20、30、40…種結晶、25、35、45…β−Ga系単結晶、T…厚さ方向、W…幅方向

Claims (3)

  1. 双晶を含まない領域が主面上で2インチ以上の幅を有するβ−Ga系単結晶基板。
  2. 前記双晶を含まない領域は、0.5本/10mm以下の双晶を含む請求項1に記載のβ−Ga系単結晶基板。
  3. 前記双晶を含まない領域は、3.14インチ以下である請求項1に記載のβ−Ga系単結晶基板。
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CN113957519A (zh) * 2021-09-08 2022-01-21 杭州富加镓业科技有限公司 一种导模法生长氧化镓晶体的方法

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