JP2014221894A - 無機強化材配合樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機強化材配合成形用樹脂組成物について、耐衝撃性に優れ、表面光沢性、離型性が良好な無機強化材配合成形用樹脂組成物を提供することである。【解決手段】熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)と、無機強化材(B)と、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)とを含有することを特徴とする無機強化材配合成形用樹脂組成物であって、カルボジイミド変性オレフィン系ワックスは特定の分子量と特定の量のカルボジイミドにより変性されたオレフィン系ワックスが用いられる。【選択図】なし
Description
本発明は、無機強化材配合成形用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、表面光沢性、離型性がそろって良好な無機強化材配合成形用樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂は、融点あるいは軟化点が高く、しかも機械的物性に優れているので、自動車工業分野や電気、電子工業分野等の各種工業分野で広く使用されている。
これら熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の剛性、耐熱性を高めるために、ガラス繊維、
カーボン繊維等の無機強化材を配合することが行われている。
カーボン繊維等の無機強化材を配合することが行われている。
しかし、無機強化材を配合すると、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の有する高い耐衝撃性が損なわれるという問題点があった。
そこで、この無機強化材の配合による問題点を解消するため、カルボキシル基および/またはその誘導体基を有するオレフィン系ワックスを配合すること(特許文献1、2)、さらに複合ゴム系グラフト共重合体を配合すること(特許文献2)が行われている。しかしながら、耐衝撃性や外観不良が問題となる場合があり、これについては、酸変性ワックスの添加(特許文献3)や、シリコン変性オイルワックスを添加したり(特許文献4)、カルボジイミド基と反応する官能基を有するポリオレフィンとカルボジイミド基含有化合物とを反応させて得られる樹脂改質材が提案されている(特許文献5,6)。
年々ポリカーボネート樹脂の需要は大きく更なる成長が見込まれている。特にポリカーボネートコンパウンドは、ノート型パソコンやスマートフォン市場の急成長により世界各国で必要とされている。その中で、環境問題対策、コスト削減を目的として部材薄肉化や金属代替が求められている。これらを実現するためにGF配合による高強度化が用いられているが、これはPCの衝撃強度を著しく低下させる。
上記の通り、無機強化材を含む組成物が有する強度と、良好な表面外観、更には離型性とを両立することは、困難なのが実情である。
よって本発明は、無機強化材配合成形用樹脂組成物について、耐衝撃性に優れ、表面光沢性、離型性が良好な無機強化材配合成形用樹脂組成物を提供することを課題として成されたものである。
本発明者らは、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)、無機強化材(B)にカルボジイミド(E)で変性した変性オレフィン系ワックス(D)を添加することにより、耐衝撃性に優れ、表面光沢性が良好な無機強化材配合成形用樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)と、無機強化材(B)と、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)からなり、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)95〜50重量部と、無機強化材(B)5〜50重量部と、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C) 0.01〜10重量部とを含有する(ただし、成分(A)と成分(B)との合計を100重量部とする)ことを特徴とする無機強化材配合成形用樹脂組成物である。
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物に用いられるカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)は、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)とカルボジイミド基含有化合物(E)とを反応して得られるワックスであって、上記成分(D)が以下の要件を満たすことを特徴とする。
(i)エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを共重合させて得られる共重合体がカルボジイミド基と反応する構造を持ち、一分子鎖中のカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)の個数が以下の関係を満たす。
0.1<Mn/(100×f/M)<2
ただし、上記式中、Mnは、変性オレフィン系ワックス(D)の数平均分子量であり、fは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物の分子量であり、Mは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(b)の含有率(wt%)である。
(ii)密度が870〜980kg/m3であり
(iii)融点が65〜135℃
(iv)数平均分子量(Mn)が400〜5000である。
(v)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5.5である。
(i)エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを共重合させて得られる共重合体がカルボジイミド基と反応する構造を持ち、一分子鎖中のカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)の個数が以下の関係を満たす。
0.1<Mn/(100×f/M)<2
ただし、上記式中、Mnは、変性オレフィン系ワックス(D)の数平均分子量であり、fは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物の分子量であり、Mは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(b)の含有率(wt%)である。
(ii)密度が870〜980kg/m3であり
(iii)融点が65〜135℃
(iv)数平均分子量(Mn)が400〜5000である。
(v)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5.5である。
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物に用いられる無機強化材(B)は、ガラス繊維、カーボン繊維から選択される少なくとも1種の充填剤である。
<熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂(A)>
本発明で用いる熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
本発明で用いる熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
これらの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂についての定義、製法については、周知であり、たとえば「実用プラスチック事典」(実用プラスチック事典 編集委員会編、株式会社産業調査会発行)等の刊行物に記載されている。
以下の樹脂(1)〜(7)は熱可塑性樹脂である。
(1)ポリカーボネート樹脂
(1)ポリカーボネート樹脂
典型的には、芳香族ジオール(例えばビスフェノールA)とホスゲンとを反応することにより得られる樹脂であるが、本発明においては、ジエチレングリコールジアリルカーボネートが好ましい。このようなポリカーボネート樹脂は市販されており、例えば商品名NOVAREX(三菱化学(株))、パンライト(帝人化成(株))、レキサン(日本ジーイープラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(2)熱可塑性ポリエステル樹脂
(2)熱可塑性ポリエステル樹脂
典型的には、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させて得られる樹脂であるが、本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート等が好ましく用いられる。このような熱可塑性ポリエステル樹脂は市販されており、例えば商品名ライナイト(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(3)ABS樹脂
(3)ABS樹脂
典型的には、ポリブタジエンにアクリロニトリルおよびスチレンをグラフト重合させて得られる耐衝撃性樹脂であるが、本発明においては、ポリブタジエン成分が5〜40重量%であって、スチレン成分とアクリロニトリル成分の重量比(スチレン/アクリロニトリル)が70/30〜80/20であるものが好ましい。このようなABS樹脂は市販されており、例えば商品名スタイラック(旭化成工業(株))、サイコラック(宇部サイコン(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(4)ポリアセタール樹脂
(4)ポリアセタール樹脂
典型的には、ホルマリンあるいはトリオキサンを、所望に応じてエチレンオキサイドと共に、カチオン触媒の存在下に開環重合して得られる樹脂であり、ポリオキシメチレン鎖を主骨格とする樹脂であるが、本発明においては、コポリマータイプのものが好ましい。このようなポリアセタール樹脂は市販されており、例えば商品名ユピタール(三菱エンジニヤリングプラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(5)ポリアミド樹脂
(5)ポリアミド樹脂
典型的には、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、あるいはカプロラクタムの開環重合等により得られる樹脂であるが、本発明においては、脂肪族ジアミンと脂肪族または芳香族ジカルボン酸の重縮合反応物が好ましい。このようなポリアミド樹脂は市販されており、例えば商品名レオナ(旭化成工業(株))、ザイテル(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(6)ポリフェニレンオキシド樹脂
(6)ポリフェニレンオキシド樹脂
典型的には、2,6−ジメチルフェノールを銅触媒の存在下に酸化カップリングさせることにより得られる樹脂であるが、この樹脂に他の樹脂をブレンドする等の手法により変性した変性ポリフェニレンオキシド樹脂も、本発明において用いることができる。本発明においては、スチレン系ポリマーのブレンド変性物が好ましい。このようなポリフェニレンオキシド樹脂は市販されており、例えば商品名ザイロン(旭化成工業(株))、ユピエース(三菱エンジニヤリングプラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(7)ポリイミド樹脂
(7)ポリイミド樹脂
典型的には、テトラカルボン酸とジアミンとを重縮合させ、主骨格にイミド結合を生成させて得られる樹脂であるが、本発明においては、無水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテルから形成されるものが好ましい。このようなポリイミド樹脂は市販されており、例えば商品名ベスペル(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
以下に説明する樹脂(8)〜(10)は熱硬化性樹脂であり、熱硬化前の状態のものにつき説明する。
(8)エポキシ樹脂
(8)エポキシ樹脂
典型的には、芳香族ジオール(例えばビスフェノールA)とエピクロルヒドリンとをアルカリの存在下に反応させることにより得られる樹脂であるが、本発明においては、エポキシ当量170〜5000のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂は市販されており、例えば商品名エポミック(三井石油化学工業(株))、エピクロン(大日本インキ化学工業(株))、スミエポキシ(住友化学工業(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(9)熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂
(9)熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂
典型的には、脂肪族不飽和ジカルボン酸と脂肪族ジオールとをエステル化反応させることにより得られる樹脂であるが、本発明においては、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボン酸と、エチレングリコールやジエチレングリコール等のジオールとをエステル化反応して得られる樹脂が好ましい。このような熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂は市販されており、例えば商品名リゴラック(昭和高分子(株))、スミコン(住友ベークライト(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(10)フェノール樹脂
(10)フェノール樹脂
本発明では、いわゆるノボラック型およびレゾール型いずれをも包含するが、ヘキサメチレンテトラミンで硬化させるノボラック型やジメチレンエーテル結合を主体とする固形レゾールが好ましい。このようなフェノール樹脂は市販されており、例えば商品名スミコンPM(住友ベークライト(株))、ニッカライン(日本合成化学工業(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂のブレンド、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂との組み合せが好ましく、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂のブレンドとの組み合せが更に好ましく、ポリカーボネート樹脂との組み合せが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物中のかかる熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)の含有量は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)と無機強化材成分(B)との合計100重量部当たり、95〜50重量部であり、好ましくは94〜65重量部であり、より好ましくは93〜75重量部、特に好ましくは92〜85重量部である。上記範囲内にあると、表面性と機械的特性のバランスに優れる無機強化材成形用樹脂組成物を得ることができる。
<無機強化材(B)>
<無機強化材(B)>
本発明で用いる無機強化材(B)は、ガラス繊維、カーボン繊維、フィラー類から選択される少なくとも1種をいう。これら無機強化材(B)は1種で用いることもできるし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ガラス繊維の種類は特に制限がないが、ロービングガラス、チョップドストランドガラス、ミルドガラスなどを用いることができる。また、これらは1種類でも、2種類以上を混合して用いてもよい。
ガラス繊維の長さは、押出し機などで樹脂と混合する際に折れることもあり、特に限定はないが、作業性の観点から0.3mm〜10mm、望ましくは2mm〜7mmが好ましい。本発明組成物中のガラス繊維の長さは、2mm〜5mmである。ガラス繊維の太さも特に限定ないが、平均繊維径が1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。また、さらにアスペクト比(平均繊維長/繊維直径)については、25以下のものが好ましいが、異なるアスペクト比のガラス繊維を適当な比率で混合して用いることも可能である。ガラス繊維の断面形状についても特に限定はなく、円形、まゆ型、ひょうたん型、だ円型、円筒形などを用いることができる。ガラス繊維の長さは、成形品を溶解濾過して繊維のみを観察することで調べることが出来る。
また、ガラス繊維は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理されていてもよい。ここでいうシランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
その他にガラス繊維は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等で集束処理されていてもよい。この場合、集束処理に用いられるオレフィン系樹脂やウレタン系樹脂は、組成物全体の物性に影響のない範囲で用いられる。
さらにガラス繊維は、メッキ法および蒸着法などにより、ニッケル、銅、コバルト、銀、アルミニウム、鉄などおよびこれらの合金などの金属でコーティングされていてもよい。
カーボン繊維は、形状、種類に特に制限はなく、形状は、チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状のものがあり、種類は、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系のいずれであってもよい。
これら原料組成物を紡糸または成形し次いで炭化することにより得られたものの他、気相成長法の如く基本的に紡糸工程を経ないで得られるカーボン繊維を使用することも可能である。
かかる気相成長法のカーボン繊維を使用した場合には、繊維径が小さく且つL/Dも大きいため、高剛性と同時に、良好な外観を有する成形品を得ることが可能となる。
更に本発明のカーボン繊維は賦活処理を行うことにより比表面積を大きくしたものを使用することもできる。
更に本発明のカーボン繊維は賦活処理を行うことにより比表面積を大きくしたものを使用することもできる。
これらのカーボン繊維は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理したものが好ましい。
また集束剤としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂等が挙げられるが、エポキシ系樹脂およびウレタン系樹脂が好ましい。
また、繊維径については、一般には6〜18μmの範囲のものが使用されるが、本発明では直径が0.5〜15μmのものが好ましく、1〜10μmのものが特に好ましい。
本発明で使用するチョップドストランドのカット長は1〜15mmが好ましく、より好ましくは2〜10mm、最も好ましくは3〜8mmである。また、チョップドストランドは成形途中で破砕される。
該樹脂組成物中におけるカーボン繊維の繊維軸方向の長さLと繊維径Dの比であるアスペクト比(L/D)は15〜100の範囲が好ましく、20〜50の範囲が更に好ましい。
フィラー類としては、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウムのような無定形フィラー、タルク、マイカ、あるいはガラスフレークなどの板状フィラー、ワラステナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノトライト、あるいはホウ酸アルミニウムなどの針状フィラー、金属粉、金属フレーク、あるいは、カーボンブラック、カーボン微粒子などのフィラーなどが用いられる。その他ガラスビース、ガラス粉などが用いられる。これらフィラーは単体もしくは複数の組み合せで使用してもよいし、その表面に炭素被覆またはシランカップリング処理等を施したものを単体もしくは複数の組み合せとして使用してもよい。
本発明においては、これら無機強化材のうち、ガラス繊維、カーボン繊維、カーボン微粒子の使用が好ましく、ガラス繊維、カーボン繊維の使用が更に好ましく、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)との親和性の観点から特にガラス繊維が好ましい。
本発明の無機強化材成分(B)の含有量は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)と無機強化材成分(B)との合計100重量部当たり、5〜50重量部であり、好ましくは6〜35重量部であり、より好ましくは7〜25重量部であり、特に好ましくは8〜15重量部である。5重量部より少なくなると、機械的物性向上の効果を十分得ることができず、50重量部より多くなると、成形時の外観に影響を及ぼす。
<カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)>
<カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)>
本発明に用いられるカルボジイミド変性ワックス(C)は、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)にカルボジイミド基を含有するポリカルボジイミド基含有化合物(E)を反応することにより得ることができる。変性オレフィン系ワックス(D)は、変性前オレフィン系ワックス(a)にポリカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)を反応させて得られる。
変性前オレフィン系ワックス(a)
変性前オレフィン系ワックス(a)
本発明に用いられるカルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)の基礎原料となる変性前オレフィン系ワックス(a)は、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスを挙げることができ、オレフィンを重合して得られるものであってもよく、また高分子量のポリエチレンやポリプロピレンを熱分解して得られるものであってもよいが、熱分解によってカルボジイミド基と反応する基が付与され、変性の際に架橋の原因となる可能性があるため、オレフィンを重合したものが特に好ましい。
オレフィンを重合して得られるものの製造は、従来から公知のいずれの方法によっても行うことができ、例えば、チタン系触媒、バナジウム系触媒、メタロセン触媒などを用いて重合することができる。変性前オレフィン系ワックス(a)は、特にエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体が望ましい。α−オレフィンは、直鎖状であっても分岐していてもよく、また置換されていても非置換であってもよい。
α−オレフィンとしては、好ましくは炭素原子数3〜10のα−オレフィンが、より好ましくは炭素原子数3のプロピレン、炭素原子数4の1−ブテン、炭素原子数5の1−ペンテン、炭素原子数6の1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、炭素原子数8の1−オクテンなどが挙げられ、更に好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、結晶化度の観点から、特に好ましくはプロピレン、1−ブテンが挙げられる。
上記のような変性前オレフィン系ワックス(a)の形態は、樹脂およびエラストマ−のいずれの形態でもよく、ポリオレフィンの立体構造としてはアイソタクチック構造、シンジオタクチック構造ともにいずれであっても使用可能であり、立体規則性について特段の制限はない。市販の変性前オレフィン系ワックスをそのまま利用することも可能である。
本発明で用いる変性前オレフィン系ワックス(a)は、密度勾配管法で測定した密度の下限値が870kg/m3以上、好ましくは890kg/m3以上、より好ましくは910kg/m3以上、であり、その上限値は、980kg/m3以下、好ましくは970kg/m3以下、より好ましくは960kg/m3以下であることが望ましい。変性前オレフィン系ワックス(a)の密度が上記範囲内にあると、表面のタック感が少なく、機械的特性、衝撃性に優れる無機強化材配合成形用樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いる変性前オレフィン系ワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点の下限値は70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、特に好ましくは100℃以上であり、上限値は、150℃以下、好ましくは135℃以下、より好ましくは120℃以下であることが望ましい。変性前オレフィン系ワックスの融点が上記範囲内にあると、表面のタック感が少なく、機械的特性、衝撃性に優れる成形用樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いる変性前オレフィン系ワックス(a)は重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、GPC測定から求めた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜4,000、好ましくは400〜3000、より好ましくは400〜2000、特に好ましくは1,000〜2,000の範囲にあることが望ましい。変性前オレフィン系ワックスの数平均分子量(Mn)が上記範囲内にあると、変性時のハンドリング性に優れる。
本発明で用いる変性前オレフィン系ワックスは、GPCで測定した重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の上限値が4.0以下、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下であることが望ましい。また、Mw/Mnの下限値が1.1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であることが望ましい。
なお、GPC測定は以下の条件で行った。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置:ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速:1.0 ml/分
試料:0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算 :PE換算/汎用較正法
なお、GPC測定は以下の条件で行った。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置:ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速:1.0 ml/分
試料:0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算 :PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、Mark−Houwink粘度式の係数を用いた。PS、PEのMark−Houwink係数はそれぞれ、文献(J.Polym. Sci., Part A−2, 8,1803 (1970)、Makromol. Chem., 177, 213 (1976))に記載の値を用いた。
本発明で用いる変性前オレフィン系ワックス(a)は、針入硬度が30dmm(dmm=0.1mm)以下、好ましくは20dmm以下、特に好ましくは15dmm以下であることが望ましい。なお、針入硬度はJIS K2207に準拠して測定することができる。変性前オレフィン系ワックスの針入硬度が上記範囲内にあると、成形用樹脂組成物の機械的特性に優れる。
変性前オレフィン系ワックス(a)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が通常0.04〜0.47dl・g-1、好ましくは0.04〜0.30dl・g-1、より好ましくは0.04〜0.20dl・g-1、さらにより好ましくは0.05〜0.18dl・g-1の範囲にあることが望ましい。変性前オレフィン系ワックスの極限粘度[η]が上記範囲内にあると、変性時のハンドリング性に優れる。
カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)
カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)
本発明のカルボジイミド基と反応するオレフィン系ワックスは、変性前オレフィン系ワックス(a)にカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)を反応させることにより得られる。
カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)としては、カルボジイミド基との反応性を有する活性水素を持つ基を有する化合物が挙げられ、具体的には、カルボン酸、アミン、アルコ−ル、チオ−ル等の官能基を持つ化合物である。これらの中では、カルボン酸から由来する基を持つ化合物が好適に用いられ、中でも特に不飽和カルボン酸および/またはその誘導体が好ましい。また、活性水素を持つ基を有する化合物以外でも、水などにより容易に活性水素を有する基に変換される基を有する化合物も好ましく使用することができ、具体的にはエポキシ基、グリシジル基を有する化合物が挙げられる。本発明において、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)として不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を用いる場合、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物およびその誘導体を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。前記誘導体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルなど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げることができる。
カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物として不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を使用する場合には、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、メタクリル酸アミノプロピルが好ましい。更には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などのジカルボン酸無水物であることが特に好ましい。
カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)を変性前オレフィン系ワックス(a)に導入する方法としては、周知の方法を採用することが可能であるが、例えば、変性前オレフィン系ワックス(a)にカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)をグラフト共重合する方法や、変性前オレフィン系ワックス(a)とカルボジイミド基(b)と反応する官能基を有する化合物をラジカル共重合する方法等を例示することができる。
以下に、グラフト共重合する場合とラジカル共重合する場合に分けて、具体的に説明する。
グラフト重合方法
以下に、グラフト共重合する場合とラジカル共重合する場合に分けて、具体的に説明する。
グラフト重合方法
本発明で用いられるカルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)をグラフト共重合により得る場合には、上記のグラフト主鎖となる変性前オレフィン系ワックス(a)に、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)、更に必要に応じてその他のエチレン性不飽和単量体等をラジカル開始剤の存在下、グラフト共重合する。
カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(a)を変性前オレフィン系ワックスにグラフトさせる方法については特に限定されず、溶液法、有機溶媒に溶解させる方法、溶融混練法等、従来公知のグラフト重合法を採用することができる。
ラジカル共重合
ラジカル共重合
本発明における変性前オレフィン系ワックス(a)は、オレフィンとカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)をラジカル共重合することによっても得ることが可能である。オレフィンとしては、上述のグラフト主鎖となるポリオレフィンを形成する場合のオレフィンと同一のものを採用することが可能であり、また、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)も上述の通りである。
変性前オレフィン系ワックス(a)とカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)を共重合させる方法については特に限定されず、従来公知のラジカル共重合法を採用することができる。
変性オレフィン系ワックス(D)
変性オレフィン系ワックス(D)
変性前オレフィン系ワックス(a)にポリカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)を反応させて得られた変性オレフィン系ワックス(D)は、一分子鎖中のカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)の個数である
Mn/(100×f/M)
が0.1〜2であることが好ましく、0.1〜1.4であることがより好ましく、0.2〜0.7であることが特に好ましい。ここで、Mnは、オレフィン系ワックス(D)の数平均分子量であり、fは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物の分子量であり、Mは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(b)の含有率(wt%)である。
Mn/(100×f/M)
が0.1〜2であることが好ましく、0.1〜1.4であることがより好ましく、0.2〜0.7であることが特に好ましい。ここで、Mnは、オレフィン系ワックス(D)の数平均分子量であり、fは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物の分子量であり、Mは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(b)の含有率(wt%)である。
本発明において、上記の一分子鎖中のカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)の個数が上記範囲を満たす、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変成オレフィン系ワックス(D)を用いることにより、後述するカルボジイミド基含有化合物(E)との反応が円滑に進行するほか、本発明の樹脂組成物は優れた表面外観、耐衝撃性、離型性を併せ持つことが出来る。
通常、オレフィン系ワックスのような低分子量の重合体の場合には成形品表面性が悪化する傾向にあるが、本発明のカルボジイミド変成オレフィン系ワックス(C)を用いた構成であれば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)とオレフィン系ワックスの相容性が向上することに加え、後述するカルボジイミド基含有化合物(E)と無機強化材(B)との相互作用が起こり易く、無機強化材(B)をカルボジイミド変成オレフィン系ワックス(C)が保護するような構成をとり、無機強化材(B)の再凝集を抑制して微分散を達成することにより、成形品の表面性、耐衝撃性、離型性バランスに優れた構成をとり易くなるのではないかと本発明者らは推測している。カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)中の、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)の含有量が上記範囲を超えて過剰となると、例えばカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)がカルボジイミド基含有化合物(E)により架橋されて、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)を製造することが困難となる場合がある。また上記範囲以下であると、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)の製造は可能であるものの、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)の骨格となるカルボジイミド基含有化合物(E)とオレフィン系樹脂(a)との結合部分が少なくなるため、上述の効果を十分に向上させることができない。
本発明で用いる変性オレフィン系ワックス(D)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は400〜5,000、好ましくは500〜4,000、より好ましくは1000〜3000の範囲にある。数平均分子量(Mn)が上記範囲にあると、安定的に製造することができるだけでなく、樹脂組成物中でのカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)の分散性優れる。
本発明で用いられる変性オレフィン系ワックス(D)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.5〜5.5、好ましくは1.6〜4.0、より好ましくは1. 7〜3.5の範囲にある。Mw/Mnが上記範囲にあると、成形時の流動性と成形体表面へのブリードアウトが少ない。
なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレン換算の値であり、GPCによる測定は、温度:140℃、溶媒:オルトジクロロベンゼンの条件下で行われる。
本発明で用いられる変性オレフィン系ワックス(D)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は0.04〜0.47dl・g-1、好ましくは0.03〜0.47dl・g-1、より好ましくは0.04〜0.30dl・g-1、さらにより好ましくは0.05〜0.18dl・g-1の範囲にあることが望ましい。極限粘度[η]が上記範囲にあると、各種変性反応の際のハンドリング性に優れる。
本発明で用いられる変性オレフィン系ワックス(D)の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点は65〜135℃、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜110℃の範囲にある。融点が上記範囲にあると、各種変性反応の際のハンドリング性に優れ、また成形品の離型性にも優れる。
本発明で用いられる変性オレフィン系ワックス(D)の密度勾配管法で測定した密度は870〜980kg/m3、好ましくは890〜960kg/m3、より好ましくは910〜940kg/m3の範囲にある。密度が上記範囲にあると、 表面のタック感が薄く、機械的特性、耐衝撃性に優れる樹脂組成物を得ることが出来る。
本発明で用いられる変性オレフィン系ワックス(D)の針入度は30dmm以下、好ましくは25dmm以下、より好ましくは20dmm以下、さらにより好ましくは10dmm以下であることが望ましい。針入度が上記範囲にあると、成形用樹脂組成物の機械物性に優れる。針入度はJIS K2207に準拠して測定することができる。
これらの変性オレフィン系ワックス(D)は、単独であっても複数種の変性オレフィン系ワックスの混合であっても、他の通常離型剤として用いられるワックス類と混合して用いても差し支えない。
<カルボジイミド基含有化合物(E)>
<カルボジイミド基含有化合物(E)>
本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物(E)は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリカルボジイミドである。
−N=C=N− (1)
〔式中、R1は2価の有機基を示す〕
本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物(E)としてポリカルボジイミド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるポリカルボジイミド化合物は、ポリカルボジイミドが1残基のみの場合でも良く、単独又は複数の種類のカルボジイミド基含有化合物を混合して使用することも可能である。
−N=C=N− (1)
〔式中、R1は2価の有機基を示す〕
本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物(E)としてポリカルボジイミド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるポリカルボジイミド化合物は、ポリカルボジイミドが1残基のみの場合でも良く、単独又は複数の種類のカルボジイミド基含有化合物を混合して使用することも可能である。
本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物(E)の合成法は特に限定されるものではないが、例えば有機ポリイソシアネ−トを、イソシアネ−ト基のカルボジイミド化反応を促進する触媒の存在下で反応させることにより、カルボジイミド基含有化合物(E)を合成出来ることが知られている。また、市販のカルボジイミド基含有化合物をそのまま使用することも可能である。市販のカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡績株式会社製 カルボジライトHMV−8CAやLA1(いずれも商品名)などが挙げられる。
本発明に用いられるカルボジイミド基含有化合物(E)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、通常400〜500,000、好ましくは1,000〜10,000、更に好ましくは2,000〜4,000である。数平均分子量(Mn)がこの範囲にあると、フィラーの補強性や分散性の向上効果に優れたフィラー強化樹脂用助剤(カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C))が得られるため好ましい。GPC測定は、Waters515[カラム;Shodex GPC K−806L + K−806L],溶媒;クロロホルムを用い、温度;40℃,検出機;示唆屈折率系, 単分散ポリスチレンを基準として測定した。
本発明で用いられるカルボジイミド基含有化合物(E)の繰り返し単位数は、2〜15量体であることが好ましく、3〜13量体であることがより好ましく、3〜11量体であることが特に好ましい。
本発明のカルボジイミド基化合物(E)および得られたカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)におけるカルボジイミド基含有量は、13C−NMR、IR、滴定法等により測定でき、カルボジイミド当量として把握することが可能である
13C−NMR測定を用いてカルボジイミド当量を求める場合は、次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0 mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。130〜142ppmのシグナルより、カルボジイミド当量を求める。
13C−NMR測定を用いてカルボジイミド当量を求める場合は、次のようにして行われる。すなわち、試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0 mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入する。そして日本電子製GX−500型NMR測定装置を用い、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。130〜142ppmのシグナルより、カルボジイミド当量を求める。
IR測定を用いてカルボジイミド当量を求める場合は、次のようにして行われる.すなわち、試料を250℃、3分で熱プレスシ−トを作製した後に、赤外分光光度計(日本分光製、FT‐IR 410型)を用いて透過法で赤外吸収スペクトルを測定する。測定条件は、分解能を2cm-1、積算回数を32回とする。IRでは2130〜2140cm−1の吸収を利用して観察することが出来る,
<カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)>
<カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)>
本発明のカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)において、カルボジイミド基含有化合物(E)の含有割合、すなわち変性割合は、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)を100重量部とした場合、2〜60重量部であるのが好ましく、さらに好ましくは2〜30重量部の割合である。この割合が上記範囲よりも小さいとGFへの相互作用が発現しにくくなり、表面性の悪化等につながり、大きいと相対的にオレフィン割合が少なくなり、離型効果が得られない。カルボジイミド当量は、通常、0.1〜5であり、好ましくは0.3〜4であり、より好ましくは0.5〜3である。この当量が上記範囲よりも小さいとGFへの相互作用が発現しにくくなり、表面性の悪化等につながり、大きいと相対的にオレフィン割合が少なくなり、離型効果が得られない。
また、本発明のワックスには、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、軟化剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤等を配合することができる。
本発明のカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)の製造方法、すなわち、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)とカルボジイミド基含有化合物(E)とを反応させる方法は特に限定されず、従来公知の種々の方法にしたがって行うことができる。例えば、オートクレーブ等を用いたバッチ式の変性方法や、押出機等を用いた連続式の変性が挙げられる。
以下に、連続式溶融混練する場合の例を示す。カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)とカルボジイミド基含有化合物(E)を同時に、または逐次的に、たとえば、ヘンシェルミキサ−、V型ブレンダ−、タンブラ−ブレンダ−、リボンブレンダ−などに装入して混練した後、単軸押出機、多軸押出機、ニ−ダ−、バンバリ−ミキサ−などで溶融混練することによって得られる。これらのうちでも、多軸押出機、ニ−ダ−、バンバリ−ミキサ−などの混練性能に優れた装置を使用すると、各成分がより均一に分散・反応された重合体組成物を得ることができるため好ましい。
以下に、バッチ式溶融混練する場合の例を示す。カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)とカルボジイミド基含有化合物(E)を同時に、または逐次的に、例えばオートクレーブ等の釜で溶融混練することで得られる。連続式に比べ、バッチ式では滞留時間の調整がしやすく、また滞留時間を長く取れるため変性率及び変性効率を高めることが比較的容易であり、本発明においては最も望ましい態様である。
<無機強化材配合成形用樹脂組成物の製造方法>
<無機強化材配合成形用樹脂組成物の製造方法>
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物を製造する方法は、任意の方法を用いることができる。例えば熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂(A)、無機強化材(B)、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)、およびその他の任意成分を同時にまたは任意の順序で、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸或いは二軸の押出機などで混合する方法が適宜用いられる。
このようにして得られた樹脂組成物は既知の種々の方法、例えば射出成形、押出成形および圧縮成形などにより成形され、意匠性と成形性の観点から射出成形が好ましい。
<任意成分>
このようにして得られた樹脂組成物は既知の種々の方法、例えば射出成形、押出成形および圧縮成形などにより成形され、意匠性と成形性の観点から射出成形が好ましい。
<任意成分>
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物には、本発明の目的および効果を損なわない範囲で任意の添加剤、たとえば臭素化ビスフェノール、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェート、ホスホン酸アミドおよび赤燐等のような難燃剤、三酸化アンチモンおよびアンチモン酸ナトリウム等のような難燃助剤、燐酸エステルおよび亜燐酸エステル等のような熱安定剤、ヒンダードフェノール等のような酸化防止剤、耐熱剤、耐候剤、光安定剤、離型剤、流動改質剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、結晶核剤、可塑剤および発泡剤等を必要に応じてその有効発現量配合してもよい。
このような方法により得られる成形体は、家庭用品から工業用品に至る広い用途で用いられる。このような方法により得られる成形体としては、電気部品、電子部品、自動車用部品、機械機構部品、食品容器、フィルム、シート、繊維などが挙げられ、より具体的には、例えば、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、電話機、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、WiFiルーター、ファクシミリ、複写機、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、電子辞書、カード、ホルダー、文具等の事務・OA機器;洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、炬燵などの家電機器;TV、VTR、ビデオカメラ、デジタルカメラ、一眼レフカメラ、携帯オーディオ端末、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレイヤー、スピーカー、液晶ディスプレイなどのAV機器;コネクター、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計などの電気・電子部品および通信機器などが挙げられる。
また、座席(詰物、表地など)、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、タイヤ、マットレスカバー、エアバック、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被服材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、デッキパネル、カバー類、合板、天井板、仕切り板、側壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、防音板、断熱板、窓材などの自動車、車両、船舶、航空機および建築用材料;衣類、カーテン、シーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、楽器などの生活・スポーツ用品などが挙げられる。
さらには、シャンプーや洗剤などのボトル、食用油、醤油などの調味料ボトル、ミネラルウォーターやジュースなどの飲料用ボトル、弁当箱、茶碗蒸し用椀などの耐熱食品用容器、皿、箸などの食器類、その他各種食品容器や、包装フィルム、包装袋などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例に用いたカルボジイミド基と反応する官能基を有する変成オレフィン系ワックス(D)の一覧を表1に、(D)を変性してカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)を得るための変性例を表2に示した。なお、変性の際に得られた変性体が均一かつゲル化が無く、ハンドリング可能なものを変性可否○、例えば目視でカルボジイミド基含有化合物(E)の凝集体が残るような変性不均一性が生じたものを変性可否△、変性不均一かつ、ゲル化が生じてハンドリング不可であったものを変性可否×として表2に併せて示した。
<合成例1>
<合成例1>
1000gのNP055(三井化学(株)社製)をトルエン5000ml中に入れ、160℃で耐圧オートクレーブ中で完全に溶解後、70℃の無水マレイン酸10.0gおよび常温のジターシャリーブチルパーオキサイド(日本油脂社製、パーブチルD)2gを別個に3時間でフィードし、1時間熟成後、1mmHgの真空度で溶剤を除去することで、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)として、ワックス1を得た。得られた生成物の物性を表1に示した。
<合成例2>
<合成例2>
無水マレイン酸の量を80.0gに変更し、ジターシャリーブチルパーオキサイドの量を16gに変更した以外は合成例1と同様に、ワックス2を得た。得られた生成物の物性を表1に示した。
<変性例1>
2Lのフラスコの中にハイワックス2203A(三井化学(株)社製)1000gを仕込み加熱溶融し、1.5時間減圧脱水した後に、カルボジイミド基含有化合物Eとして下記の平均構造式で表されるポリカルボジイミド(E−1)(日清紡績(株)社製 HMV8CA CDI重合度8−10量体) 45gを添加して、窒素雰囲気下で2時間反応させた。その後、減圧下で0.5時間攪拌することで残留モノマー等を除去してカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)を得た。
2Lのフラスコの中にハイワックス2203A(三井化学(株)社製)1000gを仕込み加熱溶融し、1.5時間減圧脱水した後に、カルボジイミド基含有化合物Eとして下記の平均構造式で表されるポリカルボジイミド(E−1)(日清紡績(株)社製 HMV8CA CDI重合度8−10量体) 45gを添加して、窒素雰囲気下で2時間反応させた。その後、減圧下で0.5時間攪拌することで残留モノマー等を除去してカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)を得た。
<変性例2>
ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 90gに変更した以外は、変性例1と同様にしてカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を得た。
ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 90gに変更した以外は、変性例1と同様にしてカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を得た。
<変性例3>
ポリカルボジイミドAの添加量を 270gに変更した以外は、変性例1と同様にしてカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を得た。
ポリカルボジイミドAの添加量を 270gに変更した以外は、変性例1と同様にしてカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を得た。
<変性例4>
カルボジイミド基含有化合物(E)としてポリカルボジイミド(E−2)(Elastogran社製 Elastostab H01 CDI重合度3−5量体)に変更し、ポリカルボジイミドの添加量を 195gに変更した以外は、変性例1と同様にしてカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−4)を得た。
カルボジイミド基含有化合物(E)としてポリカルボジイミド(E−2)(Elastogran社製 Elastostab H01 CDI重合度3−5量体)に変更し、ポリカルボジイミドの添加量を 195gに変更した以外は、変性例1と同様にしてカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−4)を得た。
<変性例5>
ハイワックス2203Aをハイワックス1105Aに変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 80gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−5)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
ハイワックス2203Aをハイワックス1105Aに変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 80gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−5)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
<変性例6>
ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 160gに変更した以外は、変性例5と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−6)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 160gに変更した以外は、変性例5と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−6)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
<変性例7>
ハイワックス2203Aを上記合成例1で得たワックス1に変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 28gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−7)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
ハイワックス2203Aを上記合成例1で得たワックス1に変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 28gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−7)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
<変性例8>
ハイワックス2203AをハイワックスNP0555Aに変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を57gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−8)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
ハイワックス2203AをハイワックスNP0555Aに変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を57gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−8)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したため変性可否を△とした。
<変性例9>
ハイワックス2203Aを、上記合成例2で得たワックス2に変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 98gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−9)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したことに加え、ゲル化による大幅な増粘が見られたため変性可否を×とした。
ハイワックス2203Aを、上記合成例2で得たワックス2に変更し、ポリカルボジイミド(E−1)の添加量を 98gに変更した以外は変性例1と同様にして変性を実施し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−9)を得たが、一部(E−1)の凝集体が残留したことに加え、ゲル化による大幅な増粘が見られたため変性可否を×とした。
以下に本変性に用いた各種化合物の分析方法を示す。
<密度>
JISK7112の通り、密度勾配管を用いて測定した。
JISK7112の通り、密度勾配管を用いて測定した。
<融点>
SII社製のDSC(RDC220)を用い、50℃/分で200℃まで昇温し、20℃/分で30℃まで降温して5分保持後、10℃/分で200℃以上まで測定した。ピークが2つ以上ある場合は最も強度が高いピークを融点とした。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)>
SII社製のDSC(RDC220)を用い、50℃/分で200℃まで昇温し、20℃/分で30℃まで降温して5分保持後、10℃/分で200℃以上まで測定した。ピークが2つ以上ある場合は最も強度が高いピークを融点とした。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)>
カルボジイミド基と反応する官能基を有する変成オレフィン系ワックス(D)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC測定から求めた。GPC測定は以下の条件で行った。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置:ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速:1.0 ml/分
試料:0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算 :PE換算/汎用較正法
装置:ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速:1.0 ml/分
試料:0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算 :PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、Mark−Houwink粘度式の係数を用いた。PS、PEのMark−Houwink係数はそれぞれ、文献(J.Polym.Sci.,Part A−2,8,1803 (1970)、Makromol.Chem.,177, 213 (1976))に記載の値を用いた。
<酸価>
JIS K5902に従って測定した。
<実施例1>
JIS K5902に従って測定した。
<実施例1>
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1225Y MVR11))90重量部、ポリカーボネート用グラスファイバー(日東紡(株):チョップドストランドCS3PE455S)10重量部およびポリカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)0.5重量部を同方向回転二軸押出機 HK25D(φ25mm L/D=41, パーカーコーポレーション社製)を用い、シリンダー温度280℃のもと押出してペレット化した無機強化材配合組成物を得た。
このペレットを120℃、8時間乾燥後、射出成形機(ニイガタNN100、ニイガタマシンテクノ 社製)を用い、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数60rpm、射出圧力130MPa、金型温度90℃の条件で射出成形して、各JIS試験に従い試験片を作成した。下記の方法により高速面衝撃試験、シャルピー衝撃試験、表面光沢評価、金型離型性評価を行った。無機強化材配合成形用樹脂組成物の配合及びその物性を表3に示す。
(a)高速面衝撃試験
射出成形機を用いて100mm×100mm×4mmの試験片を作成し、ストライカ径1/2、支持台径3、23℃において3m/secにおいて高速面衝撃試験を実施した。
射出成形機を用いて100mm×100mm×4mmの試験片を作成し、ストライカ径1/2、支持台径3、23℃において3m/secにおいて高速面衝撃試験を実施した。
(b)シャルピー衝撃強度
射出成形機を用いて試験片を作成し、JIS K−7111に基づき、ハンマー重量2J、ハンマー回転周りのモーメント1.08N・J、ハンマー持ち上げ角度50°、衝撃速度2.9m/s、回転軸から打撃点までの距離0.23mの条件でシャルピー衝撃値を測定した。
射出成形機を用いて試験片を作成し、JIS K−7111に基づき、ハンマー重量2J、ハンマー回転周りのモーメント1.08N・J、ハンマー持ち上げ角度50°、衝撃速度2.9m/s、回転軸から打撃点までの距離0.23mの条件でシャルピー衝撃値を測定した。
(c)表面光沢評価
射出成形機を用いて100mm×100mm×4mmの試験片を作成し、GLOSS METER GM−3D (MURAKAMI Color Lab.製)を用いて、60°反射率を測定した。ゲート付近及びゲート遠方を裏表、計5点ずつ測定した平均値を算出した。平均値が80以上のものを◎、70以上80未満のものを○、60以上70未満のものを△、60以下を×とした。
射出成形機を用いて100mm×100mm×4mmの試験片を作成し、GLOSS METER GM−3D (MURAKAMI Color Lab.製)を用いて、60°反射率を測定した。ゲート付近及びゲート遠方を裏表、計5点ずつ測定した平均値を算出した。平均値が80以上のものを◎、70以上80未満のものを○、60以上70未満のものを△、60以下を×とした。
(d)金型離型性評価
射出成形機を用いてコップ型成形物(φ50×50×1.6mm)を作成した。金型薄利のため、成形品を4本の突き出しピンで突き出す際に、ヒビ、変形、コップ底突き抜け等破壊が目視で観察されなかったものを○、ヒビ、変形、破壊が目視で観察されたものを×とした。
射出成形機を用いてコップ型成形物(φ50×50×1.6mm)を作成した。金型薄利のため、成形品を4本の突き出しピンで突き出す際に、ヒビ、変形、コップ底突き抜け等破壊が目視で観察されなかったものを○、ヒビ、変形、破壊が目視で観察されたものを×とした。
<実施例2>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−4)を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−4)を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例3>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の添加量を1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の添加量を1重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例4>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の添加量を2重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の添加量を2重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例5>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の添加量を3重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の添加量を3重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例6>
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1225Y MVR11)を芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1250Y MVR8)に変更し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(a-1)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を用いた以外は実施例5と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例5と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1225Y MVR11)を芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1250Y MVR8)に変更し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(a-1)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を用いた以外は実施例5と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例5と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例7>
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1250Y MVR8)を芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトK−1300Y MVR2.8)に変更した以外は実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1250Y MVR8)を芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトK−1300Y MVR2.8)に変更した以外は実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例8>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を用いた以外は、実施例7と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例7と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を用いた以外は、実施例7と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例7と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<実施例9>
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1225Y MVR11))を70重量部、ポリカーボネート用グラスファイバー(日東紡(株):チョップドストランドCS3PE455S)30重量部に変更し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を用いた以外は、実施例5と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例5と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1225Y MVR11))を70重量部、ポリカーボネート用グラスファイバー(日東紡(株):チョップドストランドCS3PE455S)30重量部に変更し、カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の代わりにカルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を用いた以外は、実施例5と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例5と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例1>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例2>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株)社製)を使用する以外は、実施例5と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例5と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−1)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株)社製)を使用する以外は、実施例5と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例5と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例3>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を添加しないこと以外は、実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を添加しないこと以外は、実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例4>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株))を使用する以外は、実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株))を使用する以外は、実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例5>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を添加しないこと以外は、実施例7と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例7と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)を添加しないこと以外は、実施例7と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例7と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例6>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株)社製)を使用する以外は、実施例7と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例7と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−2)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株)社製)を使用する以外は、実施例7と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例7と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例8>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を添加しないこと以外は、実施例9と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例9と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)を添加しないこと以外は、実施例9と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例9と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
<比較例9>
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株)社製)を使用する以外は、実施例9と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例9と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C−3)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス2203A(三井化学(株)社製)を使用する以外は、実施例9と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性組成物を得、実施例9と同様に射出成形を行なって試験片を作成し、同様の試験を行なった。
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(A)95〜50重量部と、
無機強化材(B)5〜50重量部と、
カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C) 0.01〜10重量部とを含有する(ただし、成分(A)と成分(B)との合計を100重量部とする)ことを特徴とする無機強化材配合成形用樹脂組成物。 - カルボジイミド変性オレフィン系ワックス(C)が、カルボジイミド基と反応する官能基を有する変性オレフィン系ワックス(D)とカルボジイミド基含有化合物(E)とを反応して得られるワックスであって、上記成分(D)が以下の要件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(i)エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを共重合させて得られる共重合体がカルボジイミド基と反応する構造を持ち、一分子鎖中のカルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物(b)の個数が以下の関係を満たす。
0.1<Mn/(100×f/M)<2
ただし、上記式中、Mnは、変性オレフィン系ワックス(D)の数平均分子量であり、fは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物の分子量であり、Mは、カルボジイミド基と反応する基を有する化合物(b)の含有率(wt%)である。
(ii)密度が870〜980kg/m3である。
(iii)融点が65〜135℃である。
(iv)数平均分子量(Mn)が400〜5000である。
(v)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5.5である - 前記樹脂(A)が、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
- 前記無機強化材(B)がガラス繊維、カーボン繊維、から選択される少なくとも1種の充填剤であることを特徴とする請求項1に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
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