<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ(図示略)に連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサ(図示略)が各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。加えて、入賞とは異なるものの、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
第6再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態は移行しない。但し、第7再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、特定役入賞として後述する報知抽選処理を行う。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
図1〜図5の説明に戻り、遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップボタン42〜44が設けられている。各ストップボタン42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42〜44には、ストップ検出センサ216a〜218がそれぞれ内蔵されている。すなわち、左ストップボタン42が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ216aにより検知されて左リール32Lの回転が停止し、中ストップボタン43が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ217aにより検知されて中リール32Mの回転が停止し、右ストップボタン44が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ218aにより検知されて右リール32Rの回転が停止する。ストップボタン42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。ストップ検出センサ216a〜218aはストップボタン42〜44の操作を検知するための操作検知手段を構成する。各ストップボタン42〜44には、ストップランプとしての発光体(図9、図40等参照)がそれぞれ内蔵されている。これら発光体は、対応するストップボタン42,43,44の停止操作が有効である場合に点灯表示され、有効な停止操作がなされた場合に消灯表示されるようになっている。各ストップボタン42〜44にはそれぞれその操作を規制する規制装置220が取り付けられている。この規制装置220については、後に詳細に説明する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却ボタン55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却ボタン55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入ボタン56が設けられている。また、第1クレジット投入ボタン56の左方には、第2クレジット投入ボタン57と、第3クレジット投入ボタン58とが設けられている。第2クレジット投入ボタン57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入ボタン58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入ボタン56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入ボタン56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算ボタン59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算ボタン59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための演出制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットボタン72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットボタン72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットボタン72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるMPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ32l,32m,32r、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ216a〜218a、ストップボタン42〜44が初期位置に配置されていることを検知する初期位置検知センサ216b〜218b、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入ボタン56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算ボタン59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットボタン72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してMPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、MPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は演出制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
上述したMPU102には、このMPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRWM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RWM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RWM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、MPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
主制御装置101の出力側には、ストップボタン42〜44に内蔵された発光体205〜207、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ35〜37、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、演出制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
次に、演出制御装置81の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
演出制御装置81には、演算処理手段であるMPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU82には、このMPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、このROM83内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM84などが内蔵されている。
演出制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101及び規制装置220が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65及び規制装置220が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動制御する。つまり、演出制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部60〜62を演出制御装置81が制御する構成としてもよい。
かかる構成において、演出制御装置81のROM83には、押順報知用動画データ群85aと、特別報知用動画データ群85bとからなるRT状態用動画データ群85が記憶されている。押順報知又は特別報知用動画データ群が補助表示部65に対してセットされることにより、当該補助表示部65においてRT状態中に押順報知又は特別報知が行われる。押順報知及び特別報知については後述する。
また、演出制御装置81は、規制装置220の駆動制御を行う。かかる構成については後述する。
続いて、主制御装置101のMPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるMPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図11は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のMPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU102内の全レジスタの値をRWM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRWM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、MPU102のスタックポインタの値をRWM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRWM106のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRWMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RWM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、MPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ35〜37を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ216a〜218a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを演出制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、演出制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。演出制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RWM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算ボタン59が操作されたか否かを判定し、精算ボタン59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS209の抽選処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、MPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRWM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,BB状態の7種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図14は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」と言う。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」と言う。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが3〜20であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図14に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IV=3の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=4の際に当選となる確率は約262分の1、IV=5の際に当選となる確率は約256分の1、IV=6の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=7の際に当選となる確率は約65500分の1である。IV=8〜11の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=12〜19の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=20の際に当選となる確率は約7.30分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果対応処理を実行する。かかる処理は、遊技結果によって演出制御装置81に対して所定の演出を実行させるための処理であり、本抽選結果対応処理については後に詳述する。ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。
次に、ステップS210のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、所定の条件のもとステッピングモータ35〜37を駆動制御させる処理を実行し、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる。また、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間(所定時間)が経過したか否かを判定し、各リール32L,32M,32Rの停止制御用の処理を行うことが可能な状態であるか否かを判定する。所定期間を経過した場合には、各リール32L,32M,32Rを停止させることが可能となったことを遊技者に認識可能とすべく、ストップボタン42〜44に内蔵された発光体205〜207を点灯表示させたうえで、ステップS402以降の処理に進む。
ここで当該回転開始処理における上記の所定期間は、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから定速回転に至るまでに要する期間よりも長く設定されている。したがって、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間、すなわち各リール32L,32M,32Rの加速期間中にステップS402に進むことはない。
本実施形態では、上記の所定期間が経過するまでにおいては、ストップボタン42〜44が操作されてもそれに基づく停止制御を行わないだけでなく、ストップボタン42〜44が操作されること自体が規制される。かかる構成については後述するとし、ここではまず各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となり、回転を開始してから所定期間が経過した後の処理について説明する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち対応するストップ検出センサからの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令対応処理を実行する。かかる処理では、所定条件のもと、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合に対応する処理を実行する。本停止指令対応処理については後に詳述する。続くステップS405では、対応する発光体を消灯表示させ、続くステップS406〜412にて、回転中のリールを停止させるべく停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ32l,32m,32rの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RWM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=8〜19の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図14参照)に、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図16は、IV=8〜19の際にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=12と対応する当選フラグ「12」がセットされている場合には、左ストップボタン42が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップボタン43が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップボタン44が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップボタン42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップボタン42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップボタン43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作する必要がある。
IV=12の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップボタン42が操作された場合には、図17(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップボタン43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合、図17(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、図17(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップボタン44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図8参照)が停止する。
IV=12の際に当選となった場合に限られず、IV=12〜19の際に当選となった場合であって左ストップボタン42が最初に操作された場合、すなわち第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合に、それぞれの特殊ベルを成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目が停止する。
次に、IV=8の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップボタン43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップボタン44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合には、IV=8〜19のいずれで当選となった場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
IV=8〜19の際に当選となった場合には、6通りのストップボタン42〜44の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。
IV=8〜19の際に当選となった場合であって第5特殊ベル〜第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。この場合、メダルの払い出しを行わず、且つ遊技状態も移行させない。
移行出目は、IV=12〜19の際に当選となった場合であって、左ストップボタン42が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞を成立させることができない場合に、有効ライン上に停止する。この場合、メダルの払い出しを行わない一方で、遊技状態が第1RT状態に移行する。
また、これらストップボタン42〜44の操作順序は、図16に示す通り、最初に操作されるストップボタンによって成立する役が異なるように設定されている。つまり、ストップボタン42〜44のうち、左ストップボタン42が最初に操作されるか、中ストップボタン43が最初に操作されるか、右ストップボタン44が最初に操作されるか、により、成立する役が異なるように設定されており、2番目、3番目に操作されるストップボタンがそれぞれ逆の順序になったとしても、入賞する役は変化しない。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップボタン43と右ストップボタン44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=7の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRWM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS414にて今回のゲームにおける入賞成立役に応じた遊技の進行を実行するべく入賞結果対応処理を実行し、リール制御処理を終了する。入賞結果対応処理については、後に詳述する。
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS212のRT状態処理を図18のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS502にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグ〜第5RT設定フラグのいずれかがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS504にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図19は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜26には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=21〜26の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ここで、図14に示すように、通常遊技状態では、IV=20の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=20の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=23の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=24の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=25の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=26の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=20〜26のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図20は、第1RT状態下でIV=20〜26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、少なくとも第1再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞又は第1再遊技入賞が成立するように設定されている。左リール32Lには、「BAR」図柄、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されており、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合に限って成立する。当該所定のタイミング以外のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、第1再遊技入賞が成立する。より詳細には、第1再遊技入賞又は第10再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「BAR」図柄を停止させ、「BAR」図柄を停止させることができない場合には「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32M及び右リール32Rに「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第11再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤ベル」図柄を停止させ、「赤ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「白ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「白ベル」図柄を停止させ、「白ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。
当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS505に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS506にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS507に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS508にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図21は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図22は、第2RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS510にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図23は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図24は、第3RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS511に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS512にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第4RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図26は、第4RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS514にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
図27は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、29個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜29には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=21の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=22の際に当選となる確率は約655分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=24〜29の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第5RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜29の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図28は、第5RT状態下でIV=20〜29の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、少なくとも第6再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立するように設定されている。各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップボタン42〜44が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。但し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立可能なタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞ではなく、それぞれ第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞を成立させることができないタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞が成立する。
より詳細には、第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32L及び中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合は右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞、第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立するように設定された場合には、まず、左リール32L及び中リール32Mについては第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合と同様である。右リール32Rは、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であっても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止していない場合は、右ストップボタン44の操作タイミングによらず「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させる。この場合、右リール32Rの下段には「リプレイ」図柄が停止しており(図6参照)、第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞のいずれもが成立可能な余地を残す。一方、左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であっても、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄を停止させる。この場合、有効ライン上に「BAR」図柄は停止しない(図6参照)。また、左リール32Lに「赤7」図柄が停止していない場合には右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは、左リール32Lに「赤7」図柄が停止し右リール32Rの上段に「BAR」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止している場合、又は右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄が停止している場合には中ストップボタン43の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「50」〜当選フラグ「55」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
ここで、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図29を用いて説明する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=12〜19の際に当選となり、左ストップボタン42を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=12〜19のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップボタン43及び右ストップボタン44を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、通常遊技状態において、再遊技当選となる確率は約7.3分の1である。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=21〜26のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=20の際に当選となった場合には、ストップボタン42〜44の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第1RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第2再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約7.3分の1であり、通常遊技状態と同じ確率である。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第2RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第3再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約4.00分の1であり、通常遊技状態及び第1RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第3RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第4再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり、第2RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。また、第4RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第5再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり第3RT状態と同じ確率である。
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=24〜29の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=24〜29のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。また、第5RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、第9再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約1.47分の1であり、第3RT状態及び第4RT状態と同じ確率である。
このように、遊技状態を通常遊技状態から第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態〜第4RT状態の4つのRT状態を経由する必要がある。また、第2RT状態〜第4RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく通常遊技状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第1RT状態に移行する。このため、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況で通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率は、約50000分の1である。
一方で、第5RT状態に移行させる場合(本実施形態においては、ストップボタン42〜44の操作順序が報知される状況)においては、速やかに移行させることが望ましい。例えば、通常遊技状態から第5RT状態に直接移行する構成とすると、第5RT状態への移行契機となる役(本実施形態では第5再遊技)の当選確率は必然的に低く設定することになり当該移行役に当選するまでのゲームが単調となってしまう。また、その単調さを解消すべく当該移行役の当選確率を高めたうえでストップボタン42〜44の操作順序によって当該移行役が成立する構成とすると、操作順序を報知するか否かによって第5RT状態へ移行する確率が変化することになり上記の単調さは解消する一方で、操作順序を報知する状況となっても移行役に当選するまでの間のゲームが間延びしてしまう。そこで、本スロットマシン10のように、通常遊技状態から第5RT状態に移行する際に第5RT状態と異なる複数のRT状態を経由させ、それぞれの移行役(本実施形態においては、第2再遊技〜第4再遊技)の当選確率を上げることで、操作順序を報知する状況となった場合のゲームの間延びを解消している。
次に、ステップS213のBB状態処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602〜ステップS605に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS604にてRWM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。またこのとき、RWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。ステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
遊技状態がBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態とする処理を行う。
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、いずれのBB入賞も成立していない場合(ステップS603がNOの場合)と、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合と、ステップS606にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS607に進み、ゲーム数管理処理を実行する。かかる処理については後に詳述するが、各ゲームにおける役の抽選結果とは異なり、各ゲームの進行に関わる処理である。
ステップS607の処理を実行した後、ステップS608〜ステップS614では、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、先ずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、ステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS610にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態と第5RT状態のいずれでもない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、ステップS611にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合と、第5RT状態に移行した場合と、に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に加えて、第5RT状態に移行した場合にも大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。かかる構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、第5RT状態に移行した回数と、を別個に表示することが可能となる。
ステップS608にて大当たり信号を出力していると判定した場合には、ステップS612に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS613にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態がBB状態とRT状態のいずれでもない場合には、BB状態又は第5RT状態が終了したことを意味するため、ステップS614にて大当たり信号の出力を停止する出力停止処理を行い、本処理を終了する。
本スロットマシン10では、演出制御装置81がストップボタン42〜44の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しやすい状況となったり、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しにくい状況となったりする。つまり、本スロットマシン10では、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されるか否かにより、通常遊技状態から第5RT状態に移行する移行確率が変化する。そこで以下では、主制御装置101が演出制御装置81にストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わせるための処理について説明する。
まず、ステップS607のゲーム数管理処理を図31のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS701では、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS702に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、ROM105に設けられたゲーム数抽選カウンタから、1〜1280のいずれかの値を取得する。ステップS703では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、主制御装置101のRWM106に設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS701にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS704に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS708〜ステップS711に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則ゲーム数減算処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理について説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS708にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS709にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS710では、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS711にてストップボタン42〜44の操作順序を報知するための報知フラグをセットし、本処理を終了する。
このように、BB状態が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、1回のゲームが終了する毎に待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。
次に、抽選結果対応処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS801では、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの役に当選している場合には、ステップS802にて罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS803に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。
報知フラグがセットされている場合には、ステップS804及びステップS805にてベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選しているか否かを判定する。ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS806に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合すなわち第1RT状態〜第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS807に進み、報知コマンドを演出制御装置81への送信対象としてセットする。報知コマンドは、自身が報知コマンドであること、及びベル又は転落再遊技のいずれに当選しているかを把握できるように複数ビットで構成されている。報知コマンドを受信した演出制御装置81は、今回のゲームにてストップボタン42〜44の操作順序を報知すべく、ROM83のRT状態用動画データ群85のうち押順報知用動画データ群85aを補助表示部65にセットする。このとき、ベルに当選している場合には、ベルを入賞させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知し、転落再遊技に当選している場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知する。一方、ステップS806にて、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、報知コマンドをセットすることなくそのまま本処理を終了する。これは以下の理由による。すなわち、通常遊技状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上に移行出目が停止するようストップボタン42〜44が操作される必要がある。移行出目は特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップボタン42〜44の操作順序を報知した場合には、通常遊技状態から第1RT状態に移行させることができないからである。また、ストップボタン42〜44の操作順序によらずベルが成立する場合(IV=7の際に当選した場合)は、ストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わない。
ここで、演出制御装置81によるストップボタン42〜44の操作順序の報知では、ステップS804にてベルに当選していると判定した場合には、最初に操作すべきストップボタンのみの操作順序の報知が行われる一方で、ステップS805にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、全てのストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる。これは、既に説明したとおり、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンがストップボタン42〜44のうちいずれであるかによって、ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されており(図16参照)、転落再遊技に当選している場合には、6通りの操作順序のうち1通りのみが転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序として設定されている(図20、図22、図24、図26、図28参照)ことによるものである。したがって、報知コマンドを受信した演出制御装置81は、ベルに当選している場合と転落再遊技に当選している場合とで、押順報知用動画データ群85aから異なるデータを選択する。
ここで、補助表示部65におけるストップボタン42〜44の操作順序の報知(押順報知演出)の内容について、図33及び図34を参照して説明する。図33(a)及び図33(b)は押順報知演出の様子を説明するための説明図であり、図33(a)はベルに当選している場合の押順報知演出の様子を示し、図33(b−1)〜図33(b−3)は転落再遊技に当選している場合の押順報知演出の様子を示している。なお、図33(a)においては、中ストップボタン43を最初に操作した場合にベル入賞が成立する場合を一例として示し、図33(b)においては、中ストップボタン43→右ストップボタン44→左ストップボタン42の順で操作した場合に転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかが成立する場合を一例として示している。また、図34は、補助表示部65において押順報知演出が実行されるタイミングを説明するためのタイミングチャートであり、図34(a)はスタートレバー41が操作される様子を示し、図34(b)は各リール32L,32M,32Rの回転速度を示し、図34(c)は押順報知演出が実行される様子を示している。
ベルに当選している場合の押順報知演出では、図33(a)に示すとおり、補助表示部65にて、ストップボタン42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく且つベルに対応させて黄色(図では斜線)に表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにてベルに当選していること、及び最初に操作すべきストップボタンが中ストップボタン43であることを認識することができる。
転落再遊技に当選している場合の押順報知演出では、図33(b−1)に示すとおり、補助表示部65にて、再遊技に対応させて水色(図ではドット)の3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では右ストップボタン44に対応する右側のボタン表示)に数字の2が付され、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では左ストップボタン42に対応する左側のボタン表示)に数字の3が付され、これら2番目と3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示は最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示よりも小さく表示される。遊技者が中ストップボタン43を操作して対応する中リール32Mが最終停止すると、図33(b−2)に示すように、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示され、遊技者が右ストップボタン44を操作して対応する右リール32Rが最終停止すると、図33(b−3)に示すように、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて転落再遊技に当選していること及び、各ストップボタン42〜44の操作順序を認識することができる。
押順報知演出の実行タイミングについて説明すると、図34(a)に示すように、t0のタイミングでスタートレバー41が操作されると、図34(b)に示すように各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。各リール32L,32M,32Rは、加速期間を経てt1のタイミングでその回転速度が定速回転に至る。上述の如く、リール制御処理(図15)では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから回転速度が定速回転に至ってから(所定期間が経過してから)、ストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となる構成としており、これに対して押順報知演出は、図34(c)に示すように、スタートレバー41が操作されたt0のタイミングと同時又は略同時に補助表示部65にて実行される。つまり、ステップS807でセットされた報知コマンドは、タイマ割込み処理(図11)におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出制御装置81に送信され、演出制御装置81は当該報知コマンドを受信した場合には、各リール32L,32M,32Rの回転速度等に関わらず、直ちに押順報知演出を実行する構成としている。ここで、押順報知演出を実行する構成として、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至った後に押順報知演出を実行する構成、つまりストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となってから押順報知演出を実行する構成も考えられるが、このような構成とすると、遊技者は押順報知演出が実行されてから操作順序を認識して、ストップボタン42〜44を操作することとなり、円滑に遊技を進行させるという観点からすると好ましくない。これに対して本実施形態のように、ストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となるよりも前のタイミングで押順報知演出を実行する構成とすることで、ストップボタン42〜44の操作順序を認識したうえで、ストップボタン42〜44の操作が有効となればその後迅速に操作をすることが可能となり、テンポ良く遊技を進行することが可能となっている。
抽選結果対応処理(図32)の説明に戻り、ステップS803にて報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS805にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS808に進み、当選フラグを確認して特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選しているか否かを判定する。特定役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合には、ステップS809にて報知抽選処理を行う。
また既に説明したとおり、当選フラグ「47」〜当選フラグ「49」の場合であって第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選している場合であっても、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立せずに第6再遊技入賞が成立する。この様な場合であっても、ステップS808では、特定役に当選していると判定する。
報知抽選処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が第5RT状態でない場合には、ステップS902に進み、RWM106から取得する乱数に基づいて報知抽選を行う。ステップS903では報知抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、報知抽選に当選した場合には、ステップS904にて待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに、ステップS905にて報知フラグをセットし、本処理を終了する。ステップS902の報知抽選では、特定役の種類に応じて報知抽選に当選となる確率が異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技の場合に報知抽選に当選となる確率が最も高い100パーセントであり、第1スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が最も低い10パーセントであり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で報知抽選に当選となる確率が低くなるように設定されている。
また、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であると判定した場合には、ステップS906にてRWM106に設けられた蓄積カウンタの値に所定の数値を加算し、本処理を終了する。当該所定の数値は、特定役の種類に応じて異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技である場合には最も大きい「5」であり、第1スイカの場合には最も小さい「1」であり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で蓄積カウンタの値に加算する数値が小さくなるように設定されている。
なお、上記報知抽選に当選する確率や、蓄積カウンタに加算する所定の数値は任意である。
次に、入賞結果対応処理を、図36のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1001では、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1002にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1003にて報知フラグをセットした後にステップS1004に進み、報知フラグがセットされている場合には、そのままステップS1004に進む。ステップS1004では、RWM106から取得する乱数に基づいて、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する報知回数を決定するための報知回数抽選処理を行う。ステップS1005では、報知回数抽選処理にて決定した報知回数を、RWM106に設けられた報知回数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。ちなみに、本スロットマシン10では、上記報知回数抽選処理を行うことにより、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値がセットされる。
ステップS1001にて第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1006に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされている場合には、ステップS1007にて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定するとともに、ステップS1008にて移行出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1009にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS1010にて上述した待機ゲーム数抽選処理を行う。ステップS1011では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
一方、報知フラグがセットされている状況で転落再遊技入賞が成立せず、且つ有効ライン上に移行出目が停止しなかった場合には、ステップS1012にて報知中処理を行った後に本処理を終了する。
報知中処理では、図37のフローチャートに示すように、ステップS1101にて報知回数カウンタの値が0でないか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、0でない場合には、ステップS1102にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、小役入賞が成立した場合には、ステップS1103にて9枚のメダル払出が行われる9枚小役入賞、すなわちベル入賞又は第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。9枚小役入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、9枚小役入賞が成立した場合には、ステップS1104にて報知回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS1105では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS1106にて報知フラグをクリアする。続くステップS1107では、蓄積カウンタの値が0でないか否かを判定し、0である場合にはそのまま本処理を終了する。一方、蓄積カウンタの値が0でない場合には、ステップS1108にて蓄積カウンタの値を1減算するとともに、ステップS1109にて上述した報知回数抽選処理を行う。その後、ステップS1110にて報知回数抽選処理にて決定した値を報知回数カウンタにセットし、続くステップS1111にて再び報知フラグをセットして、本処理を終了する。
したがって、蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知回数カウンタの値が0となった場合であっても、再び所定のゲームではストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる構成としている。蓄積カウンタは、既に説明したとおり、報知抽選処理(図35)にて、報知抽選に当選となる確率や当選となった場合の蓄積カウンタに加算する数値が特定役の種類によって異なるように設定されている。したがって、遊技者は、特定役の種類によって報知抽選処理が行われるか否か、そして、当選となった場合の蓄積カウンタに加算される数値を予測しながら、すなわち、報知フラグがセットされている状態がいつまで継続するかを予測しながら遊技を行うことができる。
次に、停止指令対応処理を、図38のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1201では、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1202〜ステップS1206に示す罰則判定処理を行う。
罰則判定処理では、ステップS1202にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1203にて第1停止指令として左ストップボタン42が操作されたか否かを判定する。左ストップボタン42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1204に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1205にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1206にてRWM106に設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
罰則フラグがセットされている場合、ゲーム数管理処理(図31参照)では、ステップS704にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS705にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS706にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS707にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果対応処理(図32参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて肯定判定をしてそのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われない。
つまり、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、当該ゲームの終了後に待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。また、次回のゲームにおいては、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われないことに加えて、待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。したがって、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
次に、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1、第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
BB状態が終了した場合、主制御装置101は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき主制御装置101は、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。ストップボタン42〜44の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、待機ゲーム数が0となった場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数が0でない場合には、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は低く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが非常に困難となっている。
このため、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、罰則フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42を最初に操作して遊技を行った場合に1減算される。また、罰則フラグがセットされていない状況で特定役に当選するとともに報知抽選に当選した場合には、待機ゲーム数が0とされる。罰則フラグは、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数を0とするためには、毎回のゲームにおいて左ストップボタン42を最初に操作する必要がある。
待機ゲーム数が0となった場合、報知フラグをセットする。そして、第1RT状態〜第4RT状態においてベル又は転落再遊技に当選となった場合には、演出制御装置81は、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する。遊技者は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作することにより、図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作せずともベル入賞や第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞(以下、「昇格再遊技入賞」とも言う。)を成立させることができる。また、ベル入賞や昇格再遊技入賞を成立させることにより、転落再遊技入賞が成立することや有効ライン上に移行出目が停止することを回避でき、比較的速やかに遊技状態を第5RT状態に移行させることが可能となる。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知される場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は高く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが、操作順序が報知されない場合と比較して容易となる。
遊技状態が第5RT状態に移行した場合、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値をセットする。そして、ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に報知フラグがクリアされる。つまり、第5RT状態では、ベル入賞を成立させるためのストップボタン42〜44の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。
第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作した場合、約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。ちなみに、報知回数として16回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約100枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として33回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約200枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として50回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約300枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として75回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約450枚のメダルの増加が期待できる。
第5RT状態下で報知回数カウンタの値が0となった場合、蓄積カウンタの値が0であるか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知フラグを再度セットするとともに、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値を再度セットする。蓄積カウンタの値は、第5RT状態下で特定役に当選した場合の報知抽選に当選すると、特定役の種類によって所定の数値が加算される。かかる観点からも第5RT状態は通常遊技状態と比して遊技者に有利であると言える。
蓄積カウンタの値が0である場合、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。この結果、待機ゲーム数が0となるまでの間、再びストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、約3.07枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約0.07枚増加することを期待できる。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない状況であっても、第5RT状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利である。但し、かかる状況では、約5.20分の1の確率で移行出目が有効ライン上に停止して第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で転落再遊技入賞が成立して通常遊技状態に移行する。このため、待機ゲーム数が0となる前に移行出目が有効ライン上に停止したり転落再遊技入賞が成立したりした場合には、遊技者に有利な状況が終了することとなる。
上述の如く、ストップボタン42〜44の操作順序が報知される場合は遊技者にとって有利な状況となるが、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されている場合であっても、遊技者にとって不利な状況が発生し得る。具体的には、報知された操作順序と異なる順序でストップボタン42〜44を操作すると、ベルに当選したゲームの場合、ストップボタン42〜44の操作順序及び操作タイミングによってはベルではなく特殊ベル又は移行出目が有効ライン上に停止し、転落再遊技に当選したゲームの場合、ストップボタン42〜44の操作順序によっては第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞ではなく転落再遊技入賞が成立する。既に説明したとおり、移行出目が停止すると遊技状態が第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立すると遊技状態が通常遊技状態に移行する。すなわち滞在していた遊技状態がそれよりも不利な遊技状態に移行してしまい、遊技者にとって不利な状況となる。
特に、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序が報知され、それに従って遊技者が操作した場合であっても、各リール32L,32M,32Rがそれぞれ停止しない場合がある。これは、各リール32L,32M,32Rの回転中にストップボタン42〜44が操作された場合であっても、その操作が有効となる期間と無効となる期間とが設定されていることによるものである。
ここで、ストップボタン42〜44の操作が有効である期間(操作有効期間又は単に有効期間とも言う)とは、ストップボタン42〜44を操作すればそれがストップ検出センサ216a〜218aによって検知され、その検知に基づいて対応するステッピングモータ35〜37の停止駆動制御が行われる期間をいう。また、ストップボタン42〜44の操作が無効である期間(操作無効期間又は単に無効期間とも言う)とは、ストップボタン42〜44が操作されてもストップ検出センサ216a〜218aによる検知が行われず、又はその検知がされても対応するステッピングモータ35〜37の停止駆動制御が行われない期間をいう。
これら各期間の関係について図39を参照して説明する。図39は、各リール32L,32M,32Rの回転速度とストップボタン42〜44の有効及び無効期間との関係を説明するための図である。
図39に示すとおり、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから加速期間中に回転速度が上昇する。t1のタイミングで回転速度が所定の速度に至った後は、各リール32L,32M,32Rはその後もその速度を保って回転する。ここで、t1のタイミングよりも後に設定されたt2のタイミングでストップボタン42〜44の操作が有効となる。すなわち、t2のタイミングまではストップボタン42〜44の操作は無効であり、t0からt2のタイミングまではストップボタン42〜44の操作無効期間として設定されている。なお、本スロットマシン10において各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間は基本的に1secに設定されている。また、既に説明したとおり、ストップボタン42〜44の操作順序の報知を行う場合には、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転を開始するのと同時又はウェイト期間中であればそれ以前に補助表示部65にて押順報知演出が実行されている。
t2のタイミング以前はストップボタン42〜44の操作が無効であるため、t2のタイミング以前にストップボタン42〜44を操作しても対応するリールは停止せず、t2のタイミングよりも後にストップボタン42〜44を操作すると対応するリールは停止する。また、既に説明したとおり、停止に際しては、スベリ制御が設定された場合にはスベリを伴いリールが停止制御される。このリールのスベリ制御中も、ストップボタン42〜44の操作は無効となっている。したがって、t3のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作され、対応するリールがスベリを伴ってt4のタイミングで最終停止するまでの期間も、ストップボタン42〜44の操作は無効といえる。なお、本スロットマシン10においては、最大で設定されるスベリ図柄数である4図柄スベリ制御が行われる場合には、ストップボタン42〜44が操作されてから対応するリールが最終停止するまでの期間(最大数スベリ制御が行われた場合のt3のタイミングからt4のタイミングまでの期間)が0.1secとなるように設定されている。さらに、t0のタイミングよりも以前、すなわちリールの回転を開始するよりも以前はストップボタン42〜44の操作は無効であり、また、t4のタイミングよりも後、すなわちリールが最終停止した後は、当該最終停止したリールに対応するストップボタンの操作は無効である。
これらストップボタン42〜44の無効期間と有効期間とが存在することにより、報知された操作順序に従って遊技者がストップボタン42〜44を操作したにもかかわらず、これらの無効期間と有効期間に亘って複数のストップボタン42〜44を操作してしまうと、一方のリールは停止せずに他方のリールは停止するという事象が発生する。したがって、意図しない停止順序でリールが停止してしまうという、所謂誤操作となる。これにより、上述の如く遊技者にとって不利な状況が発生してしまう。
特に、本スロットマシン10においては、既に説明したとおり、ベルに当選した場合には最初に操作するストップボタンによって、ベル入賞となるか特殊ベル入賞となるかが異なるように設定され、転落再遊技に当選した場合には各ストップボタン42〜44の操作順序によって、転落再遊技入賞となるか他の再遊技入賞となるかが異なるように設定される。つまり、押順報知演出は各リール32L,32M,32Rの回転開始と同時又はそれ以前に実行される構成としているところ、ベル入賞、又は転落再遊技以外の再遊技入賞となる操作順序が報知されている場合であっても、図39で示す、t0からt2のタイミングで最初に操作すべきストップボタンを操作し、続けてt2のタイミングよりも後に2番目以降に操作すべきストップボタンを操作してしまうと、転落再遊技入賞や移行出目が停止し得る。したがって、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間(t0のタイミングからt2のタイミングまでの期間)にストップボタン42〜44が操作された場合には、誤操作となる可能性が高いといえる。
一方、ストップボタン42〜44の操作に基づいてリールのスベリ制御が行われている期間は0.1secであり、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間よりも短く設定されている。特に、このスベリ制御中の期間は、遊技者が一のストップボタンを操作してから他のストップボタンを操作するまでに必要と想定される期間(約0.2sec)よりも短く、当該スベリ制御中に他のリールに対応するストップボタンが操作されることによる誤操作の発生の可能性は、上記のリールの回転を開始してからストップボタンの操作が有効となるまでの期間と比較して相対的に低いといえる。また、遊技者によってはリールを確実に停止させるべく、同一のストップボタンを連続で複数回操作する場合がある。この場合、操作が有効な期間にストップボタンが操作された場合であっても、その後のスベリ制御中に、さらに意図的に同一のストップボタンが操作される可能性は高い。
そこで、本スロットマシン10は、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間においての誤操作を抑制する構成を備えている。以下、図40(ストップボタン及びそれに関連する構成を示す概略図)を参照して誤操作の抑制に係る構成について説明する。なお、本実施形態においては各ストップボタン42〜44及びそれらストップボタン42〜44に関連する構成が同様となっている。そこで、以下の説明ではストップボタン42に係る構成ついて例示し、ストップボタン43,44に係る構成ついては説明を援用する。
図40(a)に示すように、前面扉12の前面部には押圧操作に伴う変位を許容した状態でストップボタン42を収容する収容凹部201が形成されている。ストップボタン42は、筒状の本体部211とその前側の端部に形成され押圧操作の対象となる操作面部212とを有しており、操作面部212が収容凹部201の開放部分から突出している。このように操作面部212を収容凹部201から突出させることによりストップボタン42(操作面部212)へのアクセスを容易としている。なお、本実施の形態ではストップボタン42を操作面部212が遊技機正面側を向くようにして配置したが、少なくとも遊技機正面側から操作可能であれば足り、その向きを例えば上向きや斜め上向きとすることも可能である。
ストップボタン42については指による押圧位置や押圧方向が多様になり得る。この場合、ストップボタン42への力の伝わり方によっては、ストップボタン42が傾く等して収容凹部201内にて支えが発生する可能性がある。この点、収容凹部201の内周面は本体部211の外周面に合わせて形成されており、この内周面によって押圧方向と交差する方向へのストップボタン42の変位が規制され、押圧操作に基づくストップボタン42の変位方向が所定の方向(本実施の形態においては前後方向)となるように案内される。これにより、上述した不都合の発生を抑えている。
ストップボタン42には、本体部211よりも収容凹部201の奥側へ延出する延出部213が設けられている。延出部213は上記所定の方向と同じ方向に延びており、収容凹部201の底部202に形成された貫通孔203に挿通されている。延出部213において貫通孔203から後方に突出している部分には底部202に背後から当接する当接部214が形成されている。当接部214が底部202に当ることにより収容凹部201からのストップボタン42の脱落が回避されている。また、当接部214が底部202に当った状態にて収容凹部201からのストップボタン42の突出量が最大となる。この最大突出位置が、上述したストップボタン42の初期位置となっている。
収容凹部201にはバネ204が収容されており、このバネ204によってストップボタン42が最大突出位置へ向けて付勢されている。ストップボタン42が操作されていない状況下では、バネ204の付勢力によって当接部214が底部202に押し付けられることにより、ストップボタン42が最大突出位置にて待機した状態となる。この状態では、本体部211(詳しくは操作面部212が形成されている側とは反対側の端部215)と収容凹部201の底部との間に所定の隙間が確保されている。
ストップボタン42の操作面部212が押圧された場合には、図40(a)→図40(b)に示すように、バネ204の付勢力に抗してストップボタン42が収容凹部201の奥側へと変位する。そして、本体部211における操作面部212が形成されている側とは反対側の端部215が収容凹部の底部202に当たることでそれ以上の押し込みが規制される。以下、この最大押し込み位置をストップボタン42の操作位置と称する。
収容凹部201には、ストップ検出センサ216aを有するセンサ装置216が取り付けられている。ストップ検出センサ216aは、ストップボタン42が操作位置まで変位した場合に延出部213の先端が挿入される挿入部を有しており、この挿入部へ先端が到達したことを検知する。センサ装置216は主制御装置101に電気的に接続されており同主制御装置101に検知情報(検知信号)が出力される。主制御装置101では、この検知情報に基づいてストップボタン42が操作されたことを把握し、当該ストップボタン42に対応付けられたリール32Lの停止駆動制御を実行する。
収容凹部201の底部202には、操作面部212へ光を照射する発光体205が設けられている。操作面部212は光を透過する合成樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂等)により形成されており、発光体205からの光によって操作面部212が発光する。発光体205は主制御装置101に電気的に接続されており、主制御装置101によって発光制御が行われる。具体的には、ストップボタン42の停止操作の受付期間中である場合に点灯制御され、有効な停止操作がなされた場合に消灯制御される。なお、ストップボタン42を発光/消灯させることが可能であれば、発光体205の配置については任意であり、例えばストップボタン42を配置対象とすることも可能である。
本実施の形態に示すスロットマシン10においては、ストップボタン42の操作位置への変位を規制する、すなわちストップボタン42が操作されてストップ検出センサ216aに検知されることを規制する規制装置220を備えていることを特徴の1つとしている。以下、図40及び図41を参照して規制装置220及び規制装置220に関連する構成について説明する。
図40(a)に示すように、規制装置220は前面扉12(詳しくは前面部)の背面側に位置し、収容凹部201と並設されている。規制装置220は収容凹部201の周壁部分に形成されたスリットを通じて同収容凹部201に出没可能な可動体221を備えており、前面扉12には可動体221をスライド移動可能に保持するホルダ部が形成されている。詳しくは、ホルダ部は、可動体221の両側部に係合する溝部を有しており、可動体221がスライド方向を溝部の長手方向と同じ方向となるように且つ同長手方向と交差する方向への移動するように規制している。
規制装置220は演出制御装置81に電気的に接続され当該演出制御装置81からの駆動信号に基づいて可動体221用の駆動力を出力するモータ222を有している。モータ222の出力軸にはピニオン223が固定されており、可動体221にはピニオン223に係合するラック224が形成されている。これらピニオン223及びラック224を介してモータ222の駆動力が可動体221へ伝達されることにより、可動体221が上記出没方向へスライド移動する。
より具体的には、演出制御装置81の駆動制御によってモータ222が動作することにより、可動体221が収容凹部201へ突出してストップボタン42の移動を規制する規制位置と、収容凹部201への突出が回避され可動体221の移動を規制しない許容位置とに移動する。
図40(b)に示すように可動体221が許容位置に配置された状態では、押圧操作に伴うストップボタン42の移動経路上に可動体221が位置せず、ストップボタン42の操作位置への移動が妨げられることがない。一方、図41(a)に示すように可動体221が規制位置に配置された状態では、上述したストップボタン42の移動経路上に可動体221が位置し、可動体221とストップボタン42の端部215とが当接する。これによりストップボタン42が押圧された場合であっても、可動体221によってストップボタン42の変位が規制されることとなる。この規制は、可動体221を許容位置へと復帰させることにより解除される。
ストップボタン42の押圧操作をどのタイミングで行うかは遊技者に一任されている。このため、可動体221を移動させることにより操作規制を行う構成においては、可動体221の規制位置への到達が間に合わない可能性が生じる。これは、上述した規制機能を発揮できない要因になるため好ましくない。本実施の形態においては、このような事情に配慮して、可動体221の前面部分及びストップボタン42(本体部211)の端部215に、可動体221の規制位置への移動によってストップボタン42を初期位置側へ押すように作用する傾斜面部215a,221aが形成されている。
可動体221が規制位置に到達する直前のタイミング等にてストップボタン42の傾斜面部215aと可動体221の傾斜面部221aとが当った場合には、可動体221が規制位置へ向けて移動しようとすることにより、可動体221の操作位置への到達を妨げるような抗力が発生する。遊技者がこの抗力を感じてストップボタン42から手を離した場合には、ストップボタン42を初期位置へ押し戻すようにして可動体221が規制位置へ到達することとなる。この結果、ストップボタン42は初期位置に復帰し、再度ストップボタン42を操作しようとしても、当該ストップボタン42の変位が可動体221によって規制されることとなる。これにより、上記不都合の発生を抑制することが可能となっている。
既に説明したように、本実施の形態においては、ストップボタン42が初期位置に待機しているか否かを検知する検知手段として、初期位置検知センサ216bが設けられている。初期位置検知センサ216bは、上記ストップ検出センサ216aと併設されており、初期位置に配置されるストップボタン42の延出部213を検知できない位置であって、当該ストップボタン42が初期位置から操作位置側へ移動することで延出部213を検知可能となる位置(図41(b)参照)に配置されている。
初期位置検知センサ216bは、主制御装置101に電気的に接続されており、ストップボタン42(詳しくは延出部213)を検知することで検知情報(検知信号)が主制御装置101に出力される。主制御装置101では、初期位置検知センサ216bからの検知情報に基づいて、ストップボタン42の位置を把握する。具体的には、検知信号を受信していない状況ではストップボタン42が初期位置に配置されていると把握し、同検知信号を受信している状況では初期位置とは異なる位置に配置されていると把握する。
また、図41(a)に示すように可動体221には、規制位置に配置された状態にてストップボタン42(本体部211)の端部と対峙する部分に圧力センサ225が設けられている。圧力センサ225は演出制御装置81に電気的に接続されており、可動体221が規制位置に配置されている状況下にて、ストップボタン42が操作位置へ向けて押された場合に、圧力の変化を検知し、当該変化を示す旨の情報(検知信号)を演出制御装置81に出力する。演出制御装置81では、この情報に基づいて、操作規制中にストップボタン42が押圧された旨を把握することが可能となっている。
次に、主制御装置101が行うリール制御処理(図15)における回転開始処理(ステップS401)について、図42のフローチャートに基づき説明する。
まず、ステップS1301にて前回のゲームでリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1sec)を経過したか否かを確認し、ウェイト時間を経過するまで待機する。ウェイト時間を経過した場合には、ステップS1302にて、ストップボタン42〜44はいずれも初期位置に配置されているか否かを判定する。上記のとおり、ストップボタン42〜44が初期位置に配置されるか否かは、それぞれ初期位置検知センサ216b〜218bにより把握可能となっている。ステップS1302では、当該初期位置検知センサ216b〜218bからの検知信号を受信していない場合(あるいは非検知状態を示す信号を受信している場合)に、いずれのストップボタン42〜44も初期位置に配置されていると判定する。
続くステップS1303では、次回のゲームのためのウェイト時間を再設定する。その後、ステップS1304では、メダルのベット数をセットする。セットされたベット数は、タイマ割込み処理のカウンタ処理(ステップS109)にて外部集中端子板121へ出力される。
続くステップS1305では、規制コマンドを演出制御装置81への出力対象として設定する。この規制コマンドは、各リール32L,32M,32Rの回転開始に際して操作無効期間が開始されることを演出制御装置81に把握させるためのコマンドである。ここで設定された規制コマンドは、タイマ割込み処理(図11)におけるステップS110にて演出制御装置81へ出力される。演出制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1306では、RWM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータ35〜37の加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。したがって、上記のウェイト時間が設定されることにより、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。
続くステップS1307では、RWM106に設けられた無効カウンタMCに操作無効期間に相当する数値(例えば、約1secに相当する「671」)を入力する処理を実行する。当該無効カウンタMCは、タイマ割込み処理(図11)が1処理回実行されるごとに、タイマ減算処理(ステップS108)にて1減算されるカウンタであり、操作無効期間であることをMPU102が特定するためのカウンタである。
ステップS1308では、上記無効カウンタMCが「0」であるか否かを判定することで、操作無効期間が経過したか否かを判定する。操作無効期間が経過していない場合には、無効カウンタMCが「0」となるまで待機する。そして無効カウンタMCが「0」となり、操作無効期間が経過することでステップS1308で肯定判定し、ステップS1309に進む。
ステップS1309では、解除コマンドを演出制御装置81への出力対象として設定する。この解除コマンドは、操作無効期間が経過したことを演出制御装置81に把握させるためのコマンドである。ここで設定された解除コマンドは、タイマ割込み処理(図11)におけるステップS110にて演出制御装置81へ出力される。演出制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1309の処理を行った後は、ステップS1310にて、発光体205〜207を点灯表示させたうえで、本回転開始処理を終了する。
次に、演出制御装置81のMPU82にて実行される規制用処理について、図43のフローチャートに基づき説明する。規制用対応処理は、MPU82にて所定周期(例えば、1.49sec周期)毎に起動される処理である。
先ずステップS1401にて、規制コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明したとおり、規制コマンドは、主制御装置101側の回転開始処理(図42)のステップS1305にて出力設定されるコマンドである。規制コマンドを受信している場合には、ステップS1402にてストップボタン42〜44に対して設けられたモータ222を駆動制御することで、可動体221を規制位置に移動させる。これにより、ストップボタン42〜44を操作しようとしても操作位置側へ移動させることができない規制状態となる。
ステップS1401にて規制コマンドを受信していない場合、又はステップS1402の処理を実行した後は、ステップS1403に進む。ステップS1403では、解除コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明したとおり、解除コマンドは、主制御装置101側の回転開始処理(図42)のステップS1309にて出力設定されるコマンドである。解除コマンドを受信している場合には、ステップS1404にてRWM84に解除フラグをセットする処理を実行する。解除フラグは、演出制御装置81のMPU82が主制御装置101側で管理する操作無効期間が経過したことを把握するためのフラグである。
ステップS1403にて解除コマンドを受信していない場合、又はステップS1404の処理を実行した後は、ステップS1405に進む。ステップS1405では、上記の解除フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS1406にて、RWM84に設けられた規制カウンタが「0」であるか否かを判定する。規制カウンタは、ストップボタン42〜44の操作の規制を継続している期間であることをMPU82が特定するためのカウンタである。当該規制カウンタが「0」である場合は、ステップS1406にて可動体221を解除位置に移動させるようモータ222を駆動制御する。これにより上記規制状態が解除され、ストップボタン42〜44を操作しようとすれば操作位置側へ移動させることができる。ステップS1405にて解除フラグがセットされていない場合やステップS1406にて解除フラグがセットされていても規制カウンタが「0」ではない場合は、可動体221を解除位置へ移動させず、規制装置220によるストップボタン42〜44の操作の規制を継続させる。
すなわち、本実施形態では、操作無効期間が経過した場合であっても、ストップボタン42〜44の操作の規制を継続する場合がある。この規制を継続させる場合の処理について以下説明する。
ステップS1405及びステップS1406のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1407の処理を実行した後は、ステップS1408に進む。ステップS1408では、いずれかのストップボタン42〜44における可動体221が規制位置に配置されているか否かを判定する。いずれかが規制位置に配置されている場合には、ステップS1409に進む。
ステップS1409では、各ストップボタン42〜44に設けられた圧力センサ225からの情報に基づいて、いずれかのストップボタン42〜44(ボタン部材210)に対して外力が付与されたか否かを判定する。外力が付与された場合には、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、RWM84に設けられた延長回数カウンタECが「2」であるか否かを判定する。延長回数カウンタECは、ストップボタン42〜44の操作の規制が行われている状況において、いずれかのストップボタン42〜44に対して外力が付与された回数をMPU82が把握するためのカウンタである。なお、延長回数カウンタECは毎ゲームの開始(又は終了)に際して0にクリアされる。
延長回数カウンタECが「2」ではない場合、ステップS1411にて当該延長回数カウンタECに1を加算する処理を実行する。そして、ステップS1412にて上記規制カウンタKCに規制装置220による規制を継続させる規制期間に相当とする数値(例えば、約1secに相当する「671」)を入力する処理を実行する。当該規制カウンタKCは、所定周期(例えば1.49msec周期)で1減算される。
続くステップS1413では、ステップS1411の処理結果に基づいて、延長回数カウンタECが「2」であるか否かを判定する。延長回数カウンタECが「2」ではない場合(「1」である場合)には、ステップS1414にて第1特別報知用処理を実行し、延長回数カウンタECが「2」である場合には、ステップS1415にて第2特別報知用処理を実行してから、規制用処理を終了する。また、ステップS1408にて可動体221が規制位置に配置されていない場合(解除位置に配置されている場合)、ステップS1409にてストップボタン42〜44に外力が付与されていない場合、又はステップS1410にて延長回数カウンタECが「2」である場合、は、そのまま本規制用処理を終了する。
したがって、ストップボタン42〜44の操作が規制されている状況において、当該ストップボタン42〜44に対して外力が付与された場合には、2回を上限に1回操作される度に約1secずつ当該操作の規制を継続する規制期間が延長される構成としている。これにより、遊技者が停止操作したリールが停止していないにもかかわらず、次のリールの停止操作を行ってしまい、移行出目や転落再遊技入賞が停止してしまうことを防止することが可能となっている。
なお、規制期間の延長回数は2回に限定されず、1回でもよく、3回以上であってもよい。この場合であっても、上記の誤操作の発生を抑制することは可能である。
上記のステップS1414又はステップS1415の各特別報知用処理では、ROM83に記憶された特別報知用動画データ群85bを補助表示部65に対してセットすることで対応する特別報知を設定する。
具体的には、ステップS1414にて第1特別報知が設定されると、図44(a−1)に示すように、「待て」という言葉の表示がされるとともに、スピーカ64から効果音が発せられ、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作されたことを教示する演出が実行される。また、背景として、竹筒に水を引き入れ、たまる水の重みで反転した竹筒が石に当って快い音を立てるようにした装置、所謂、添水(又は鹿脅し)の動画演出が表示される。当該添水の動画演出では、徐々に竹筒に水がたまり、延長された操作無効期間に相当する1secの経過とともに、図44(a−2)に示すように竹筒が傾いて水がこぼれ、竹筒が石に当って音を立てるように設定されており、延長された分の操作無効期間の経過が教示される。さらに、添水という情緒ある風景動画を表示することで、遊技者の逸る気持ちを落ち着かせる効果が期待できる。
また、ステップS1415にて第2特別報知が設定されると、図44(b−1)に示すように、「待て待て!」という言葉の表示がされるとともに、スピーカ64から効果音が発せられ、更に操作無効期間が延長されたことが教示される。また、背景として、富士山での日の出の動画演出が表示される。富士山での日の出の動画演出では、徐々に空が明るくなり、延長された操作無効期間に相当する1secの経過とともに、図44(b−2)に示すように太陽が富士山の頂から姿を現すように設定されており、延長された操作無効期間の経過が教示される。さらに、富士山での日の出という情緒ある風景動画を表示することで、遊技者の逸る気持ちを落ち着かせる効果が期待できる。また、日の出とともに各リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となることから、遊技者は新たな気持ちで遊技を再開することが可能となる。
ストップボタン42〜44の操作順序を報知する押順報知演出(図では、中リール32M→右リール32R→左リール32Lの順で停止させるべきことを報知している)は、当該各特別報知が設定されても視認可能な態様で表示されている。具体的には、各特別報知が設定される場合よりは小さく表示されるものの、各特別報知における背景動画演出よりも前面に表示されており、遊技者は操作無効期間中もストップボタン42〜44の操作順序を認識することが可能となっている。したがって、操作無効期間が経過した後に直ちに遊技を再開することができる。本説明では、転落再遊技に当選した場合の押順報知演出を例に説明したが、ベル当選の場合の押順報知演出であっても同様である。なお、各特別報知における表示内容や動画はこれに限定されないのは言うまでもない。
本スロットマシン10では、上記のように、規制期間の延長とともに補助表示部65及びスピーカ64により、規制期間が延長されたことを報知する構成としている。これにより、遊技者は、ストップボタン42〜44の操作が規制されているのにもかかわらずストップボタン42〜44を操作してしまったことを認識し、今回のゲーム及び以後のゲームにおいてストップボタン42〜44の操作を注意深く行うことが期待できる。したがって、遊技者にとって不利な状況が発生することを抑制することが可能となる。
次に、ストップボタン42〜44の操作に関して、主制御装置101側で管理される操作無効期間と、演出制御装置81側で管理される規制装置220による規制と、の関係について、図45のタイミングチャートに基づき説明する。
図45(a)に示すように、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始すると操作無効期間が開始され、また規制装置220による操作の規制も開始される。これにより、ストップボタン42〜44を操作しても対応するリールを停止させることができないだけでなく、そもそもその操作自体が規制されているため、遊技者は、ストップボタン42〜44や各リール32L,32M,32Rを確認しつつ操作しなくても、ストップボタン42〜44を操作する手などの感触からリールが停止しないことを把握することができる。すなわち補助表示部65にのみ注目している場合や、他に注意を払っている状況で操作してしまった場合などであっても、遊技者は操作の規制がされていることを把握することができ、誤操作の発生が抑制される。
t1のタイミングで、この操作無効期間及び規制装置220による操作の規制に相当する期間Taが経過すると、ストップボタン42〜44の操作が有効となるとともに、規制装置220による操作の規制も解除される。そして、t2のタイミングで、ストップボタン42〜44の操作が行われることで、対応するリールはスベリを伴いt3のタイミングで停止する。このストップボタンを操作してからリールがスベリを伴い回転している期間(t2からt3までの期間)も、操作が無効化される期間となっている。既に説明したとおり、誤操作の発生率という観点から、このスベリを伴い回転している期間については、規制装置220による操作の規制は行わない。また、仮にこの期間についても規制を行おうとすると、可動体221を規制位置へ瞬時に移動させる必要が生じ、構成の複雑化を招きかねない。
なお、t0のタイミングよりも以前は全てのストップボタン42〜44の操作は無効であり、また、t3のタイミングよりも後は、最終停止したリールに対応するストップボタンの操作は無効である。これらの期間については、規制装置220による規制は行われない。
但し、t3のタイミング以降であって、次のゲームにおけるt0のタイミングよりも以前において、例えば、ベット数が規定数に至ったタイミング(図12のステップS205にて肯定判定したタイミング)や、全リールが停止したタイミング(図15のステップS411にて肯定判定したタイミング)で、規制装置220による規制を開始する構成としてもよい。
図45(b)に示すように、t0からt1のタイミングの規制装置220による規制が行われている期間において、t4のタイミングで、ストップボタン42〜44が押圧されてストップボタン42〜44に外力が付与されると、このタイミングから規制期間Tbが加算される。その結果、規制装置220による規制が行われる期間が、操作無効期間の経過後においても継続する。t5のタイミングで規制期間Tbが経過すると、規制装置220による規制が解除されてストップボタン42〜44を操作可能となる。
図45(c)に示すように、規制装置220による規制が行われている期間において、t6のタイミングにおいて、さらに、ストップボタン42〜44が押圧されてストップボタン42〜44に外力が付与されると、このt6のタイミングから規制期間Tcが加算される。その結果、規制装置220による規制が行われる期間が、さらに延長されることになる。そしてt7のタイミングで規制期間Tcが経過すると、規制装置220による規制が解除されてストップボタン42〜44を操作可能となる。
この場合、図45(d)に示すように、規制期間中におけるストップボタン42〜44の押圧が所定回数(2回)を超えてなされると、規制期間の延長は行われない。そのため、延々と規制期間が延長されて遊技を進行させることができなくなる、といった不都合を回避することができる。
ここで、ストップボタン42〜44の操作は、最長で上記Ta+Tb+Tcの期間に亘って規制され、本実施形態ではその最長期間(3sec)がウェイト期間(4.1sec)未満となるように設定されている。また、その最長期間に各リール32L,32M,32Rの停止制御及びメダルの払い出しに要する期間(約1sec)を加えた期間は、上記ウェイト期間よりも短くなるように設定されている。したがって、遊技者がストップボタン42〜44、次のゲームにおけるクレジット投入ボタン56〜58及びスタートレバー41の各操作を迅速に実行することで、操作無効期間に規制期間が最大限加算されたとしてもウェイト時間である4.1sec内に収まることになる。遊技者が各ゲームを高速消化したい場合には、毎ゲームにおいてステップS1301にて待機する状況が発生するように所謂フルウェイトで各ゲームが連続して消化されることが想定される。特に、ストップボタン42〜44の誤操作は、例えば遊技ホールの閉店時間が迫っている等の理由により遊技者が各ゲームを高速消化させようとする状況において発生しやすい。つまり、規制装置220による規制期間を加算した場合に、フルウェイト消化の実行を不可とする構成とすると、誤操作の発生を抑制するための構成が遊技の円滑な消化を妨げる構成となりかねない。これに対して、本スロットマシン10においては、上述の如く、誤操作の発生を抑制しつつ、且つ、円滑な遊技の進行を妨げないようになっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール32L,32M,32Rの回転開始時において、ストップボタン42〜44の操作無効期間中は、その操作だけでなく、規制装置220による規制が行われる。より具体的には、規制装置220の可動体221が規制位置に配置され、ストップボタン42〜44を操作しようとしても当該可動体221が突っかかり、操作することができない。このように、ストップボタン42〜44を物理的に操作できなくすることで、ストップボタン42〜44を手などで操作しようとすれば、遊技者はその手の感触によって操作が規制されていること、すなわち操作無効期間中であることを把握することができる。
特に本スロットマシン10においては、ベルに当選した場合には最初に操作するストップボタンによって、ベル入賞となるか特殊ベル入賞となるかが異なるように設定され、転落再遊技に当選した場合には各ストップボタン42〜44の操作順序によって、転落再遊技入賞となるか他の再遊技入賞となるかが異なるように設定される。これらベル入賞、特殊ベル入賞、転落再遊技入賞や他の再遊技入賞は、基本的には操作順序によっていずれの入賞となるかが定められており、対応する図柄を狙わなくても操作順序さえ合っていれば対応する入賞が成立する。そして、本スロットマシン10では、その操作順序は補助表示部65によって報知がなされる構成としている。つまり、各ストップボタン42〜44の操作順序によって遊技者がその後に得られる特典が異なっており、さらに、その操作順序については補助表示部65により報知がなされる。このような遊技性においては、遊技者は各ストップボタン42〜44を操作する際に、当該ストップボタン42〜44や各リール32L,32M,32Rの停止図柄を確認しながら操作するのではなく、補助表示部65による報知を確認しながら操作することが想定される。そのため、仮に操作無効期間においてストップボタン42〜44を操作してしまったとしても、それに気付かない場合も考えられる。そこで、上記のように規制装置220によってストップボタン42〜44において物理的に操作を規制することで、ストップボタン42〜44や各リール32L,32M,32Rを確認しなくても遊技者はストップボタン42〜44の操作が規制されていることを把握することができ、誤操作の発生を抑制することができる。
また、規制装置220は、ストップボタン42〜44に対してストップボタン42〜44の操作位置側から可動体221を当接させて操作を規制する。このようにすることで、規制装置220による規制がなされている場合であっても、遊技者はストップボタン42〜44に手などを添えておくことで、その規制が解除された場合に直ちに停止操作を行うことができる。これにより操作性の低下を抑制しつつ、誤操作の発生を抑制することができる。
規制装置220における可動体221が規制位置に配置されると、初期位置に配置されるストップボタン42〜44と当接するように設定した。このようにしたことで、遊技者はストップボタン42〜44を操作位置側へ変位させようとすれば、直ちに規制装置220による規制がなされている状態であることを把握可能となる。
上記のような構成において、可動体221を解除位置から規制位置に移動させる場合、その移動方向を、ストップボタン42〜44の操作位置から初期位置の方向となるように設定した。これにより、可動体221を移動させるための遊びを設定する必要がなく、ストップボタン42〜44に対して可動体221を好適に当接させることが可能となる。
ストップボタン42〜44が初期位置に配置されていなければ、各リール32L,32M,32Rの回転開始が規制され、規制装置220による規制も行われない。そのため、仮にスタートレバー41が操作された際に、ストップボタン42〜44が操作位置側に配置されているのにもかかわらず可動体221を規制位置側へ変位させようとして、モータ222へ過度の負荷がかかってしまって規制装置220の故障の原因となり得る、という不都合を回避することができる。
操作無効期間においてストップボタン42〜44に外力が付与されたことに基づいて、ストップボタン42〜44の規制を延長する構成とした。これにより、ストップボタン42〜44の操作の規制がされているのにもかかわらず、勢いあまって複数のストップボタン42〜44の操作を行ってしまった場合に、その操作が操作無効期間(規制装置220により規制される期間)の経過の前後であり、誤操作となってしまうことを抑制することができる。
このストップボタン42〜44の規制を延長する構成において、延長を行う上限回数を設けた。これによりストップボタン42〜44が連続して押圧された場合に、無制限にその操作が規制されてしまうことを防止することが可能となる。
当選役として同じ当選役でもストップボタン42〜44の操作順序によって異なる遊技結果となる構成とした。具体的には、ベルに当選した場合、その操作順序によってはベル入賞が成立したり、有効ライン上に移行出目が停止したりする。ベル入賞が成立すると9枚のメダルの払い出しが行われる一方で、移行出目が停止すると遊技状態が移行し得る。また、転落再遊技入賞に当選した場合、その操作順序によっては転落再遊技が成立したり、他の再遊技が成立したりする。転落再遊技入賞が成立すると遊技状態が移行する一方で、他の再遊技が成立すると遊技状態は移行しない。上記の誤操作の発生を抑制する構成を、このようなストップボタン42〜44の操作順序によって遊技結果が異なり得る遊技機に適用することで、当該遊技機の遊技をより良好なものとすることができる。
上記の異なる遊技結果として、一方は遊技者にとって有利な状況が発生し、他方は遊技者にとって不利な状況が発生し得る構成とした。具体的には、遊技者にとっての有利度が異なる遊技状態を、複数設定したうえで、上記異なる遊技結果として、ベルに当選した場合では、ベル入賞が成立すると9枚のメダルを得ることができる一方で、移行出目が有効ライン上に停止すると遊技状態が現在滞在している遊技状態よりも不利な遊技状態である第1RT状態に移行する(第1RT状態に滞在している場合には移行しない)構成とした。また、転落再遊技入賞に当選した場合では、転落再遊技が成立すると次のゲームは無償で遊技を行うことが可能となるという特典が得られるものの遊技状態は現在滞在している遊技状態よりも不利な遊技状態である通常遊技状態に移行し、他の再遊技が成立すると同様に次のゲームは無償で遊技を行うことが可能となる特典が得られるとともに遊技状態は移行しない構成とした。上記の誤操作の発生を抑制する構成を、このようなストップボタン42〜44の操作順序によって有利な状況と不利な状況とのいずれかが発生する遊技機に適用することで、当該遊技機の遊技をより良好なものとすることができる。
規制装置220によるストップボタン42〜44の操作の規制は、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから所定期間が経過するまでの操作無効期間を対象として行う構成とした。具体的には、上記操作無効期間の経過後において、ストップボタン42〜44が操作されたことに基づくスベリ制御中もストップボタンは操作が無効となるが、このスベリ制御を行っている期間においては規制装置220による規制は行わない構成とした。各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間が経過するまでの期間は1secであるのに対して、スベリ期間は約0.1secと短く、当該スベリ制御を行っている期間において規制装置220による規制を行おうとすると、可動体221の移動が間に合わない可能性もある。また、遊技者によってはストップボタン42〜44を操作位置へ押圧操作した後、停止図柄を確認してから当該ストップボタン42〜44を押圧操作した指などを離す場合がある。すなわち、すなわちスベリ制御の終了後にストップボタン42〜44が初期位置側に移動する場合もあり、このような場合に可動体221を規制位置へ移動させようとすると故障の原因となり得る。そこで、ストップボタン42〜44の操作が無効となるからといって一律に対応させてその操作を規制せず、上記のようにすることで、好適にこの誤操作抑制の効果を奏することができる。
規制装置220による規制の対象を、操作順序にかかわらず全てのストップボタン42〜44とした。これにより、ストップボタン42〜44の操作の規制をそれぞれ別々管理する構成と比較して処理負荷の軽減を図ることができる。
ストップボタン42〜44の操作の有効/無効は、遊技の進行を司る主制御装置101側で管理し、規制装置220によるストップボタン42〜44の操作の規制/解除は演出制御装置81側で管理する構成とした。これにより、停止順序によって遊技者が得られる特典が異なるという遊技性に関する制御を演出制御装置81側に集中させることができ、主制御装置101の汎用性を高めることができる。また、このように、複数の制御装置によってストップボタン42〜44の操作に関する制御を行うことで、操作について処理を分散させ局所的な処理負荷の増加を抑制することも可能である。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、ストップボタン42〜44の操作の規制を一律に実行する構成としたが、本実施形態では、遊技者の得られる特典に基づいて、ストップボタン42〜44の操作をそれぞれ規制する構成とする。
以下、上記第1の実施形態と異なる構成について説明する。なお、当該異なる構成以外については上記第1の実施形態と同様である。図46は本実施形態における回転開始処理を示すフローチャートであり、図42の処理に代えて実行される処理を示している。
本実施形態における回転開始処理では、上記ステップS1301〜ステップS1304の処理と同様に、ステップS1501〜ステップS1504の処理を実行する。ステップS1505では、報知フラグがセットされているか否かを判定し、続くステップS1506ではベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選したかを判定する。
ステップS1505及びステップS1506のいずれにおいても肯定判定した場合は、ステップS1507に進み、押順コマンドを演出制御装置81への出力対象として設定する。押順コマンドは、ベルに当選している場合には特殊ベルではなくベル入賞となるストップボタン42〜44の操作順序を、転落再遊技に当選している場合には転落再遊技ではなく昇格再遊技入賞(第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞)又は第6再遊技入賞となるストップボタン42〜44の操作順序を、演出制御装置81へ把握させるためのコマンドである。ここで設定された押順コマンドは、タイマ割込み処理(図11)のステップS110にて演出制御装置81へ出力される。演出制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1508では、上記ステップS1305の処理と同様に、規制コマンドを演出制御装置81への出力対象として設定する。ステップS1509〜ステップS1513の処理は、上記ステップS1306〜ステップS1310の処理と同様であるため、説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、報知フラグがセットされており、且つベル又は転落再遊技に当選しているゲームのみ規制コマンドが出力される。なお、ステップS1508の規制コマンドの出力設定に際しては、MPUのレジスタに当該規制コマンドを出力設定したことが記憶され、ステップS1512では、当該レジスタに規制コマンドを出力設定したことが記憶されている場合にのみ解除コマンドを出力設定する構成としている。
次に、演出制御装置81側の規制用処理について、図47のフローチャートに基づき説明する。図47は、図43の処理に代えて実行される処理を示している。
先ずステップS1601では、上記の押順コマンドを受信しているか否かを判定する。押順コマンドを受信している場合には、ステップS1602にて、当該押順コマンドに基づいて、遊技者の得られる特典が最大となる操作順序に対応する第1リール〜第3リールを設定する。すなわち、ベルに当選している場合には特殊ベルではなくベル入賞となるストップボタン42〜44の操作順序であり、転落再遊技に当選している場合には転落再遊技ではなく昇格再遊技入賞(第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞)又は第6再遊技入賞となるストップボタン42〜44の操作順序となるように、各ストップボタン42〜44に対応する第1リール〜第3リールを設定する。
より具体的には、例えば、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作することで昇格再遊技入賞となる場合には、第1リールを左リール32L、第2リールを中リール32M,第3リールを右リール32Rとして設定する。また、左ストップボタン42を最初に操作することでベル入賞となる場合には、第1リールを左リール32Lとし、その他のリール32M,32Rを第2リール、第3リールとして設定する。なお、ベル当選の場合には、第2リールと第3リールとが逆に設定されてもよく、少なくとも最初に停止すべきリール(第1リール)が設定されていればよい。
ステップS1601にて、今回の処理では押順コマンドを受信していない場合、又はステップS1602にて第1リール〜第3リールの設定を行った場合は、ステップS1603に進む。ステップS1603では、規制コマンドを受信しているか否かを判定する。規制コマンドを受信している場合には、ステップS1604にて、上記ステップS1601にて設定した第2リール及び第3リールに対応する規制装置220の可動体221を、規制位置へ移動するようモータ222を駆動制御する。
ステップS1603にて規制コマンドを受信していない場合、又はステップS1604の処理を実行した後は、ステップS1605に進む。ステップS1605では、解除コマンドを受信しているか否かを判定する。解除コマンドを受信している場合には、ステップS1606にて解除フラグをセットする処理を実行する。
続くステップS1607では、規制カウンタKCに、操作無効期間の経過後において第3リールに対応するストップボタンの規制を継続させる期間に相当する数値(例えば、2secに相当する「1342」)を入力する処理を実行する。
ステップS1605にて今回は解除コマンドを受信していない場合、又はステップS1607の処理を実行した後は、ステップS1608に進む。ステップS1608では、解除フラグがセットされているか否かを判定する。解除フラグがセットされていない場合は、そのまま本規制用処理を終了する。解除フラグがセットされている場合には、ステップS1609に進む。
ステップS1609では、第2リール又は第3リールに対応するストップボタンに対して外力が付与されたか否かを判定する。外力が付与されていない場合には、ステップS1610に進む。ステップS1610では、規制カウンタKCが「671」であるか否かを判定し、「671」である場合には、ステップS1611にて第2リールに対応するストップボタンの可動体221を規制位置から解除位置へ移動させるようにモータ222を駆動制御する。これにより、第2リールに対応するストップボタンの規制が解除される。
ステップS1610にて規制カウンタが「671」ではない場合、又はステップS1611の処理を実行した後は、ステップS1612に進む。ステップS1612では、規制カウンタKCが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、ステップS1613にて、第3リールに対応するストップボタンの可動体221を規制位置から解除位置へ移動させるようにモータ222を駆動制御する。これにより、第3リールに対応するストップボタンの規制が解除される。ステップS1612にて規制カウンタKCが「0」ではない場合は、そのまま本規制用処理を終了する。
ステップS1608にて解除フラグがセットされていない場合、ステップS1612にて規制カウンタKCが「0」ではない場合、又はステップS1613の処理を実行した後は、規制用処理を終了する。
このように、報知フラグがセットされており、且つ、ベル当選又は転落再遊技当選であるゲームにおいては、最初に停止操作すべき第1リール以外のリールについて、そのリールの停止操作が規制される。具体的には、当該ゲームにおいて、第1リールについては規制がされていないため、操作無効期間の経過に基づいて停止操作をすることができる。第2リールについては、規制カウンタKCが「1342」から「671」まで減算されたこと、すなわち操作無効期間の経過から更に1sec経過したことに基づいて、その停止操作の規制が解除され、停止操作をすることが可能となる。第3リールについては、規制カウンタKCが「1342」から「0」まで減算されたこと、すなわち操作無効期間の経過から更に2sec経過したことに基づいて、その停止操作の規制が解除され、停止操作をすることが可能となる。よって、各リールについての停止操作の規制が、遊技者が得られる特典に対応する停止順序に基づいて段階的に解除される。これにより、誤操作の発生が抑制される。
この場合、上記のように段階的に解除される構成であっても、遊技者によっては、その段階的な解除を待たずに、そして報知されている停止順序とは異なる自ら意図する停止順序で停止操作したい場合もある。すなわち、例えば、何らかの理由によりわざと遊技状態を下位のRT状態に移行させたい場合もあり、そのような報知されている停止順序と異なる順序で操作しようとしている場合にまで、段階的に操作が解除されることを待たせるのはその遊技者に対して酷である。そこで、本実施形態では、その段階的な解除を終了させることを可能とする処理が設定されている。
すなわち、ステップS1609にて、操作無効期間が経過した状況において、第1リールとは異なるリール、すなわち第2リール又は第3リールに対応するストップボタンに外力が付与された場合、ステップS1614へ進む。ステップS1614では、RWM84に設けられた放棄カウンタHCを1加算する処理を実行する。放棄カウンタHCは、上記第1リールとは異なるリールに対応するストップボタンに外力が付与された回数を、MPU82が特定するためのカウンタである。また、当該放棄カウンタHCは各ゲームの終了(又は開始)に際して0にクリアされる。
続くステップS1615では、ステップS1614の処理結果に基づいて、放棄カウンタHCが上記異なるリールの数よりも多い数である「3」であるか否かを判定する。「3」ではない場合には、ステップS1616にて警告報知用処理を実行してから、本規制用処理を終了する。警告報知用処理では、警告報知として、上記のように最初に停止操作すべきリールとは異なるリールの停止操作が行われそうになったこと(外力が付与されたこと)、すなわち、規制装置220による操作の規制がなければ誤操作が発生し得る状況であったことを遊技者に報知するよう、スピーカ64や補助表示部65を駆動制御する。例えば、図48(a)に示すように、補助表示部65において怒った表情をした女の子のキャラクタと、「こらこら〜!」というセリフと、を表示させるとともに、スピーカ64から当該セリフの音声警告を実施する。これにより、遊技者に対して、誤操作の発生が防止されたことを把握させることができる。
また、ステップS1615にて放棄カウンタHCが「3」である場合には、ステップS1617にて放棄報知用処理を実行し、続くステップS1618では、第2リール及び第3リールに対応する規制装置220の可動体221を規制位置から解除位置へ移動させるようにモータ222を駆動制御してから、本規制用処理を終了する。ステップS1617の放棄報知用処理では、放棄報知として、それよりも前のタイミングにおいて上記警告報知が2回も行われているのにもかかわらず、更に報知した操作順序と異なる順序で操作しようとしたとして、遊技者の意思を尊重する制御を行うことを報知するようスピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。例えば、図48(b)に示すように、補助表示部において呆れた表情をした女の子のキャラクタと、「勝手にしなさい!」とうセリフと、を表示させるとともに、スピーカ64から当該セリフの音声報知を実施する。これにより、遊技者は、その後、自らの意思で決定した順序で停止操作を行うことが可能となったことを認識することができる。
次に、本実施形態における各リールの停止操作の規制が行われる様子について、図49のタイミングチャートに基づき説明する。
先ずt0のタイミングにて、各リール32L,32M,32Rが回転開始し、操作無効期間が開始される。この場合、上記第1の実施形態とは異なり、全てのリールについて停止操作の規制が行われるのではなく、第2,第3リールの停止操作が規制される。その後、t1のタイミングで操作無効期間Ta(1sec)が経過すると、第1リールの停止操作を実行することができる。
そして、t1のタイミングから規制期間Tb(1sec)が経過するt2のタイミングで、第2リールの規制が解除される。これにより第2リールの停止操作を実行することができる。続けてt2のタイミングから規制期間Tc(1sec)が経過するt3のタイミングで、第3リールの規制が解除される。これにより第3リールの停止操作を実行することができる。
t4のタイミングで操作無効期間Taが経過した場合において、上記規制期間Tb又はTcの期間中であるt5のタイミング、t6のタイミングで、第2リール又は第3リールが停止操作されそうになる(押圧される)と、警告報知が行われる。さらにt7のタイミングで、第2リール又は第3リールが停止操作されそうになると、放棄報知が行われるとともに、第2リール及び第3リールの停止操作の規制が解除される。この場合、t7のタイミングは、規制期間Tbが経過する予定であったt8のタイミングよりも早く、また規制期間Tcが経過する予定であったt9のタイミングよりも早い。これにより、遊技者は、段階的な規制の解除を待たずに停止操作を実行することが可能となる。
上記のように停止操作の解除が行われるためには、最初に操作すべきリールとは異なるリールの数(2個)よりも多い数(3回)、その異なるリールを操作しようとしなければならない構成としている。そのため、仮に、遊技者が意図せず当該異なるリール全てを停止操作しようとした場合であっても、当該異なるリールの停止操作の規制の解除は行われない。これにより、意図せずに規制が解除されることを抑制することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール32L,32M,32Rの停止操作を段階的に行えるようにした。具体的には、第1リールについては、回転開始から操作無効期間が経過することで、停止操作を行うことができる。第2リールについては、操作無効期間が経過してから規制装置220による規制期間が経過することで、停止操作を行うことができる。そして第3リールについては、第2リールについての規制期間が経過してからさらに第3リール用の規制期間が経過することで、停止操作を行うことができる。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rの停止操作を報知した順序通りに実施させることができる。
報知した順序通りに停止操作させる構成としつつ、第2,第3リールについての規制期間が経過すれば、遊技者はいずれのリールについても意図する順序で停止操作することが可能となる。すなわち、遊技者がスタートレバー41を操作して遊技を開始し、遊技者がストップボタン42〜44を操作して遊技を終了するというスロットマシン10においては、遊技者が自らの操作により遊技の開始と終了を行う点に意義があり、これら遊技の開始と終了の操作方法は遊技者の好きなように行うことを可能としておくべきと考えられる。そこで、遊技者が報知された順序とは異なる順序で停止操作可能な余地を残し、スロットマシン10の遊技の醍醐味を抹殺しない程度に誤操作を抑制することが可能となる。
さらに本実施形態では、上記の段階的な解除を終了させることを可能としている。すなわち、操作無効期間の経過後であれば、第2リール又は第3リールに対応するストップボタンを所定回数押圧することで、段階的な解除を待たず、遊技者の意図したとおりの順序で操作することができる。このようにすることで、上記スロットマシン10の遊技の醍醐味を抹殺しない程度に誤操作を抑制する、という効果を高めることができる。
この場合、第2リール又は第3リールに対応するストップボタンを押圧する回数を、第1リール以外のリールの数(2個)よりも多い回数(3回)として設定した。これにより、操作無効期間の経過後に第1リール以外の全てのリールに対応するストップボタンについて押圧してしまった場合であっても、上記段階的な解除は終了しない。このように、意図せず段階的な解除が終了してしまうことを抑制し、誤操作を抑制する機能を担保することができる。
上記の構成において、規制を解除するための操作を、第2リール又は第3リールに対応するストップボタンの押圧として規定した。そのため、解除のための操作が、報知された第1リールではなく遊技者が最初に停止させようと意図したリールに対応するストップボタンの操作として対応付けられ、解除に際しての操作性を向上させることができる。
第1リールについては、操作無効期間中の操作の規制を行わない構成とした。上記第1の実施形態では、操作無効期間の経過前に操作した時点で気付かせるとともに、それが看破された場合でも、操作無効期間の経過後に第2,第3リールの停止操作を行ってもその操作が規制される構成とした。操作無効期間の経過の前後に亘って複数のストップボタンの操作が行われることによる誤操作を抑制する、という観点からすると、少なくとも操作無効期間の経過後に行われた操作に対応するリールが停止しなければよい。そこで、本実施形態では、規制を行う対象を最小限とし、制御の簡素化が図られている。ただし、誤操作の発生を抑制する効果を高める、という観点からすると、上記第1の実施形態のほうが優れている。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態において段階的な規制の解除を実施せず、第1リールが停止したことに基づいて、第2,第3リールの規制を解除する構成とする。以下、その制御について説明する。
図50は本実施形態における規制用処理を示すフローチャートであり、図47に代えて実施される処理を示している。
すなわち、ステップS1701〜ステップS1706では、上記ステップS1601〜ステップS1606と同様の処理を実行する。そして本実施形態では、ステップS1706の処理を実行した後、規制カウンタKCに規制期間に対応する数値を入力する処理(上記ステップS1607の処理)を実行しない。
ステップS1705にて今回は解除コマンドを受信していない場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、解除フラグがセットされているか否かを判定する。解除フラグがセットされていなければ、そのまま本規制用処理を終了する。解除フラグがセットされている場合は、ステップS1708にて第1リールが停止しているか否かを判定する。停止している場合には、ステップS1709にて、第2リール及び第3リールに対応する規制装置220による可動体221を規制位置から解除位置へ移動させるようにモータ222を駆動制御する。これにより、第2リール及び第3リールの停止操作を行うことが可能となる。ステップS1709の処理を実行した後は、本規制用処理を終了する。
ステップS1708にて第1リールが停止していない場合、ステップS1710にて、上記ステップS1609の処理と同様に第2,第3リールに対応するストップボタンに外力が付与されたか否かを判定する。外力が付与されていない場合には、そのまま本規制用処理を終了する。外力が付与されている場合には、上記ステップS1614〜ステップS1618の処理と同様に、ステップS1711〜ステップS1715の処理を実行してから、本規制用処理を終了する。
本実施形態における、ストップボタンの規制の解除の様子を、図51のタイミングチャートに示す。
t0のタイミングで各リール32L,3M,32Rの回転が開始し、操作無効期間が開始されると、第1リールを除く第2リール及び第3リールの停止操作の規制が開始される。そして、t1のタイミングで操作無効期間が経過すると、第1リールの停止操作が有効となり、第1リールを停止させることが可能となる。t2のタイミングで第1リールを停止させると、第2,第3リールの停止操作の規制が解除され、第2,第3リールを停止させることが可能となる。
この場合、既に第1リールは停止しているため、このゲームがベル当選に対応するゲームであれば、次にいずれのリールを停止させてもベル入賞ではなく、特殊ベル入賞となる。また、転落再遊技当選に対応するゲームであっても、少なくとも操作無効期間は経過しているため、当該操作無効期間の前後に亘って操作することによる誤操作、すなわち、遊技者が停止操作を行ったのにもかかわらず、その順序でリールが停止しないといった事象は発生しない。
このように、段階的な解除を経ずにも、少なくとも第1リールさえ確実に停止させることで、誤操作の発生率を低減することが可能である。
この場合であっても、操作無効期間の経過後であって、第1リールを停止させるよりも以前のタイミングであるt3のタイミングで、第2,第3リールに対応するストップボタンに外力を付与することで、報知された順序とは異なる順序でリールを停止させることができる。これにより、スロットマシン10の遊技の醍醐味を抹殺しない程度で、誤操作を抑制することが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、第2,第3リールをそれぞれ個別に規制の解除を実行する必要がなく、処理負荷の軽減を図りつつ、誤操作を抑制することができる。
特に本実施形態のように、第1リールが停止したことを第2,第3リールを停止させるための条件とすることで、第2,第3リールが第1リールよりも先に停止してしまう、といった事象を、簡易な構成で発生させなくすることができる。この場合であっても、第1リールが停止していない状況で、第2,第3リールを停止させようとすれば、その操作が規制されていることから指などの感触によってそれを把握することができる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)「停止操作手段」としてのストップボタン42〜44の移動を規制する構成は、上記のものに限定されない。例えば、上記実施形態のように付与された外力に抗する抵抗をモータ222によって生じさせる構成ではなく、単に可動体221がボタン部材210の通過経路上に配置されることで突っかかりを生じさせて操作位置側へ移動不可とする構成としてもよい。また、少なくともストップボタン42〜44が操作位置へ移動してストップ検出センサ216a〜218aに検知されるより初期位置側においてその移動が規制される構成であればよい。但し、規制装置220による規制が行われている状況であることを遊技者に容易に把握させるためには、その状況においてはボタン部材210を初期位置から移動させることができない構成とすることが好ましい。
また、ストップボタン42〜44に突っかかりを生じさせる構成の場合、規制期間中にストップボタン42〜44に対して外力が付与された場合の対処処理を実行するためには、当該突っかかりを生じさせる構成が、又は当該構成とは別の構成としてストップボタン42〜44に対して外力が付与されたことを把握するための手段(例えばタッチセンサなど)を備える必要がある。
(2)ストップボタン42〜44がストップ検出センサ216a〜218aにより検知されないように規制する規制手段は、ストップボタン42〜44の移動を制限する構成に限定されない。例えば、ストップボタン42〜44を移動しにくくしてストップ検出センサ216a〜218aに検知されないように規制する構成としてもよい。具体的には、上記構成において、常時、可動体221をボタン部材210の端部215と当接させておき、可動体221を規制位置側へ移動させる動力(付勢力)を変化させる構成とする。この場合、操作を規制する規制期間においては規制位置側への動力を大きくし、規制を解除する解除期間においては当該動力を小さくする。このようにすれば、遊技者がボタン部材210を操作位置側へ移動させるために必要な力が変化するため、遊技者はそれを操作しようとすれば手などの感触で把握することができる。
また、ストップボタン42〜44へのアクセスを困難又は不可とすることにより停止操作を規制する構成とすることも可能である。以下、図52の概略図を参照して当該技術的思想を適用した規制手段の変形例について説明する。なお、規制手段については各ストップボタン42X〜44Xについて共通の構造となっているため、図52ではストップボタン42Xについて例示している。
本変形例では、収容凹部201に相当するホルダ201Xが前面扉12Xとは別体で設けられている。ホルダ201Xは、ストップボタン42Xと1ユニット化されており、前後方向(操作方向)への移動が可能な状態で前面扉12Xによって保持されている。具体的には、前面扉12Xに形成されたボタンユニット500X用の収容部510Xに収容されている。収容部510Xは前方に開放された凹状をなしておりその奥壁部511Xとボタンユニット500Xとの間に介在するようにして可動体221Xが配置されている。可動体221Xは、モータ222Xが駆動することにより、奥壁部511Xとボタンユニット500Xとの間に挟まれた待機位置と挟まれない退避位置とに移動する。
上記規制を行う場合には、モータ222Xを駆動させて可動体221Xを待機位置から退避位置へと移動させる(図52(a)→図52(b)参照)。ボタンユニット500Xは収容部510Xに内蔵されたバネ520Xによって収容部510Xの奥方(操作方向)へ付勢されている。可動体221Xが退避位置へと移ることによりバネ520Xの付勢力によってボタンユニット500Xは収容部510Xの奥壁部511X側へ移動する。そして、ボタンユニット500Xが奥壁部511Xに当接する位置まで後退することで、ストップボタン42Xへのアクセスが困難となる。つまり、ストップボタン42Xを操作しようとした場合には、収容部510Xの開口部512Xを通じて指を突っ込んでストップボタン42Xを操作する必要が生じる。このため、可動体221Xが待機位置に配置されている場合(図52(a)参照)と比較して、停止操作が困難となる。このように、ストップボタン42Xへのアクセスを困難にすることにより、停止操作を規制する構成としてもよい。
また、ストップボタン42〜44を遊技者から遠ざけてアクセスを困難にするのではなく、ストップボタン42〜44へのアクセスを遮蔽する遮蔽手段によってストップボタン42〜44へのアクセスを不可とすることも可能である。図53(a)はストップボタン42Yを拡大して示す正面図、図53(b)及び図53(c)は図53(a)のA−A線部分断面図である。
本変形例では、前面扉12Yにおいてストップボタン42Yが配置されている部分が後方に凹んでおり、その底部600Yに形成された開口601Yからストップボタン42Yの一部が遊技機前方に突出している。凹状部分の側壁部602Yにはスリット603Yが形成されており、前面扉12Yにストップボタン42Yと横並びとなるようにして内蔵されたシャッタ装置610Yのシャッタ部材611Yがこのスリット603Yを通じて凹み内に出没可能となっている。
シャッタ装置610Yはシャッタ部材611Yを駆動させる動力源としてのモータ612Yを有している。モータ612Yが演出制御装置81からの駆動信号に基づいて動作することにより、シャッタ部材611Yがストップボタン42Yを遊技機前方から遮蔽する遮蔽位置(図53(b)参照)と、遮蔽しない退避位置(図53(c)参照)とに移動することとなる。
上述した停止操作の規制を行う際にはシャッタ部材611Yを退避位置から遮蔽位置へと移動させることにより、ストップボタン42Yへのアクセスを不可とする。このように、ストップボタン42Yに触れることができないようにすることで、停止操作が規制される構成とすることも可能である。
(3)各リール32L,32M,32Rの回転開始時の操作無効期間が変動する遊技機に本発明を適用してもよい。すなわち、回転開始時において所謂フリーズ演出が実行されて操作無効期間が変動する場合、それに対応させて操作の規制期間を変化させる構成とするとよい。特に、遊技者によっては、通常の操作無効期間については経験的にその長さを把握しており、上記フリーズ演出のように操作無効期間が変化すると、その結果として、誤操作が発生しやすい。そこでこのような遊技機において、操作を規制する構成とすれば、操作無効期間が変化する構成であっても誤操作の発生を抑制することができる。
(4)規制装置220によるストップボタン42〜44の操作の規制を行う場合、可動体221をボタン部材210へ当接させる構成としたが、少なくとも規制位置にてボタン部材210の変位軌道上に配置され、ストップ検出センサ216a〜218aによる検知が行われる位置までボタン部材210を移動させることができない構成であればよい。ただし、可動体221が規制位置に配置される状況において、初期位置に配置されるボタン部材210が可動体221と当たるまで移動させる移動量が、初期位置に配置されるボタン部材210を操作位置まで移動させる移動量に対して、少なければ少ないほど、遊技者は容易にストップボタン42〜44の操作が規制されていることを把握することが可能となる。
(5)ストップボタン42〜44を初期位置から操作位置へ操作する構成としたが、タッチパネルのように所定部位をタップする構成としてもよい。この場合、当該所定部位をタップすることを規制する構成として、図52のように所定部位が移動してタップが困難となる構成や、図53のように所定部位を触れることができないように遮蔽する構成とするとよい。
(6)上記第2,第3の実施形態において、ストップボタン42〜44の操作順序を報知するゲームにて、ストップボタン42〜44の操作を規制する構成としたが、これらの処理を行うゲームは上記のものに限定されない。例えば、所定の開始ゲームから予め定められた又は抽選により決定されたゲーム数を実行した後のゲームにてベル又は転落再遊技に当選した場合に上記処理を実行する構成としてもよく、毎ゲーム実行する構成としてもよい。
特に、操作順序が報知されないゲームであっても、左ストップボタン42を最初に操作したつもりでも、当該左ストップボタン42は操作無効期間中で左リール32Lが停止せず、それに気付かずに中ストップボタン43又は右ストップボタン44を操作してしまうと、対応する中リール32M又は右リール32Rが停止してしまい、罰則フラグがセットされてしまい、遊技者にとって不利な状況が発生する。
さらに、特定役(スイカ、チェリー)等を停止させようと意図したタイミングで、遊技者がストップボタン42〜44を操作した場合であっても、最初に操作したストップボタンが操作無効期間中で次に操作したストップボタンが操作無効期間の経過後であった場合には、その意図通りにはリールが停止せず、特定役を停止させることができない状況が生じ得る。これらの誤操作を抑制するという観点からすると、第1の実施形態のように、いずれのゲームにおいても規制する構成としても効果を奏する。
また、ストップボタン42〜44の操作の規制を、所定の遊技状態に滞在している場合にのみ実行する構成としてもよい。例えば、第5RT状態に滞在している場合であってストップボタン42〜44の操作順序を報知するゲームにて規制を行なう構成としてもよい。特に、誤操作の発生を抑制するという観点からすると、遊技状態を第5RT状態まで移行させる段階の場合よりも、一旦第5RT状態に移行してセットされた報知回数を消化すべく遊技を行っている場合のほうが遊技者の集中力は途切れがちであるところ、ストップボタン42〜44の誤操作が発生しやすい。したがって、上記規制を行うゲームを第5RT状態に限定することで、その他のゲームの処理負荷を軽減するとともにより的確に誤操作の発生を抑制することができる。
(7)各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間が経過するまでの操作無効期間において、ストップボタン42〜44の操作を規制する構成としたが、ストップボタン42〜44の操作が無効である期間中に操作を規制する構成であればよく、上記のものに限定されない。すなわち、図39に示す通り、ストップボタン42〜44を操作してから対応するリールがスベリを伴い最終停止するまでの期間(t3のタイミングからt4のタイミングまでの期間)も他のリールに対応するストップボタン42〜44の操作は無効であり、当該期間においても他のストップボタン42〜44の操作を規制する構成としてもよい。この場合、遊技者が意図した停止順序を第1停止リール→第2停止リール→第3停止リールとすると、例えば、第1停止リールにおいてスベリを伴う停止制御が行われている間に第2停止リールの停止操作を行い、且つ続けて第1停止リールが最終停止後に第3停止リールの停止操作を行った場合に発生する、第3停止リールが第2停止リールよりも先に停止してしまう、という誤操作を抑制することが可能となる。
また、ストップボタン42〜44のいずれかが往動作されて対応するリールが最終停止した後も、当該ストップボタンが復動作されるまでは他のストップボタン42〜44の操作を無効とする構成や、スタートレバー41等の他の操作部が操作されている場合にもストップボタン42〜44の操作を無効とする構成が一般的なところ、これらのストップボタン42〜44の操作が無効である期間においても他のストップボタン42〜44について操作を規制する構成としてもよい。
(8)上記第2,第3の実施形態において、第2,第3リールに対応するストップボタンに外力が付与されたことに基づいてストップボタン42〜44の操作の規制解除を行う構成としたが、他の操作部、例えば、クレジット投入ボタン56〜58であったり、それ専用の操作部であったりしてもよい。「操作の規制解除に際しての二次的な誤操作を抑制する」という観点からすると、第1リールに対応するストップボタン以外の操作部であればよい。
(9)上記各実施形態において、停止操作の規制が行われるか否かを、遊技者らが選択可能とする構成としてもよい。例えば、遊技者又は遊技ホールの管理者が操作可能な操作部を操作することにより、停止操作の規制が行われるか否かを決定できる構成としてもよい。
(10)上記各実施形態において、遊技状態を通常遊技状態と第1RT状態〜第5RT状態とを設定し、移行出目、昇格再遊技及び転落再遊技により各遊技状態が移行する構成としたが、遊技状態の種類と数及びそれらの移行態様は上記のものに限定されず任意であることは言うまでもない。
特に、遊技者の意図しないリール停止の誤操作を抑制するという観点からすると、当該誤操作により遊技者にとって不利な状況が発生し得る構成、例えば、停止タイミングによって成立した役を取りこぼすリールの図柄配列である構成や、リールの停止順序によって上記各実施形態における罰則フラグがセットされる構成等であれば、遊技状態は1種類であってもよい。
(11)上記各実施形態において、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、ストップボタン42〜44の操作順序を遊技者が認識可能に示唆する構成であればよい。例えば、スピーカ64から音声を出力して操作順序を報知する構成としてもよく、次に操作するストップボタンのランプを他のストップボタンと異なる発光色等で点灯表示することで操作順序を示唆する構成としてもよく、各リール32L,32M,32Rのバックライトの点灯又は消灯により次に停止操作すべきリールを示唆する構成としてもよく、他の表示装置や役物装置を設け当該装置により操作順序を報知する構成としてもよい。
(12)上記各実施形態において、補助表示部65にて各特別報知を行う構成としたが、これに限定されず、例えば、各リール32L,32M,32Rを視認可能としつつも表示窓26L,26M、26R全体を覆うように設けられた表示部にて各特別報知に対応する表示を行う構成としてもよい。遊技者は、遊技中は各リール32L,32M,32Rに集中していることが想定されるところ、各リール32L,32M,32Rに集中していても直接的に視野に入る表示部にて特別報知に対応する表示を行うことで、遊技者に対して特別報知の内容を認識させる効果は更に向上するものと考えられる。
(13)上記各実施形態において、ストップボタン42〜44の操作について操作無効期間の設定は主制御装置101側で行い、その操作の規制については演出制御装置81側で行う構成としたが、これらをいずれも一方の制御装置にて行ってもよく、他の制御装置にて行ってもよい。
(14)上記各実施形態では、BB状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、RB状態やSB状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。
(15)上記各実施形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。
(16)上記各実施形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(17)上記各実施形態では、リール及びそれに対応するストップボタンを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップボタンを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップボタンは少なくとも2つあればよい。
(18)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、以下の各特徴に記載された発明は、「複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生したりする等の特典が付与される。このスロットマシンにおいては、各リールの回転を開始してから回転速度が定速回転に至るまでにストップボタンが操作されても、当該操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行わないことが一般的である(例えば特開2003−180936号公報)。」という背景技術について、「しかしながら、かかる構成においては、例えば、ストップボタンの操作が無効な期間と有効な期間とに亘って複数のストップボタンを操作した場合、無効な期間に操作した側のリールは停止しない一方で、有効な期間に操作した側のリールは停止する。この場合、遊技者が意図した停止順序又は停止タイミングで各リールの停止操作を行えない所謂誤操作が発生し得る。なお、以上の問題は、上記例示したようなスロットマシンに限らず、複数種の絵柄を循環表示させ、その後の停止操作手段の操作に基づいて循環表示を終了させる他の遊技機にも該当する問題である。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴1.周方向に周回し、当該周方向に複数種の絵柄が配列された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記各周回体に設けられ、当該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ35〜37)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置101における回転開始処理を実行する機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
前記各停止操作手段に設けられ、当該各停止操作手段が操作されたことを検知する操作検知手段(ストップ検出センサ216a〜218a)と、
前記各操作検知手段により前記停止操作手段の操作が検知されたこと基づいて、当該検知された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置101におけるステップS402〜ステップS412の処理を実行する機能)と、
前記周回体の周回中であって、当該周回体に対応する前記停止操作手段の操作を無効化する無効化手段(主制御装置101によるステップS1301及びステップS1303、ステップS1501及びステップS1503の処理を実行する機能)と、
前記無効化手段によって前記停止操作手段の操作が無効化される所定の無効期間中に、当該操作が無効化される停止操作手段が前記操作検知手段に検知されることを規制する規制手段(規制装置220、演出制御装置81による規制用処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、周回体の周回中であって所定の無効期間中において、停止操作手段が操作されて操作検知手段に検知されることが規制手段によって規制される。すなわち、当該所定の無効期間中は、停止操作手段の操作が無効化されるだけでなく、そもそも操作検知手段に検知されるように停止操作手段を操作することができない。このように、停止操作手段の操作自体を規制することで、遊技者は停止操作手段を操作しようとすれば規制されていることの感触などから、おのずとそれを把握することができる。すなわち、所定の無効期間中であることを操作する手などに対して直接的に報知するため、反射的にその操作する手を止めやすい。よって、誤操作の発生を抑制することが可能となる。
特徴2.前記停止操作手段は、初期位置から操作位置に向けて操作されるものであり、
前記操作検知手段は、前記停止操作手段が前記操作位置まで操作されたことを検知するものであり、
前記規制手段は、
前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置へ変位する際に当該停止操作手段の所定部位が通過する経路に、少なくとも一部が進入した状態となる規制位置と、当該経路とは異なる位置に配置される解除位置と、に変位可能な規制部材(可動体221)と、
当該規制部材を変位させることにより、同規制部材の位置を前記規制位置又は前記解除位置となるように切り替える切替手段(モータ222)と、
当該切替手段の駆動制御を実行する切替制御手段(演出制御装置81における規制用処理を実行する機能)と、
を備え、
当該切替制御手段は、前記所定の無効期間においては前記規制部材を前記規制位置に配置するよう前記切替手段を駆動制御するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
上記構成によれば、規制部材が規制位置に配置される状況で停止操作手段を初期位置から操作位置へ操作しようとすると、停止操作手段の所定部位が規制部材に当って、それ以上の停止操作手段の操作が規制される。すなわち、所定の無効期間においては、停止操作手段を操作しようとしても規制部材により突っかかりが生じているため、停止操作手段を操作位置に操作することが規制される。
特に本構成においては、停止操作手段が操作される操作基側においてその操作が規制されるのではなく、操作先側においてその操作が規制される。そのため、遊技者は規制手段によって停止操作手段が操作検知手段に検知されることが規制されたとしても、停止操作手段の操作する際の前段階として停止操作手段の操作基側に手などを配置させることができる。つまり、規制手段による規制がされても、その操作の準備を行うことができるため、所定の無効期間が経過すれば直ちに停止操作に移行することができる。これにより、停止操作手段の操作性を低下させずに、特徴1で示した誤操作抑制の効果を奏することができる。
特徴3.前記規制位置は、前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置まで変位する変位量に対して、前記停止操作手段の所定部位(端部215)における前記初期位置から前記規制部材に触れる位置までの変位量が、前記規制手段により規制された前記停止操作手段を操作する遊技者が当該規制されていることを把握可能な程度に設定されていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
上記構成によれば、規制手段により操作が規制されている状況で、遊技者が当該規制されている停止操作手段を操作して変位させようとすると、その変位量から当該規制されていることを把握することができる。
なお、上記「当該規制されていることを把握可能な程度」とは、「前記停止操作手段が前記初期位置から前記操作位置まで変位する変位量に対する、前記停止操作手段の所定部位が前記初期位置から前記規制部材に触れる位置までの変位量」が、小さければ小さい程よい。より好ましくは、「前記停止操作手段の所定部位が前記初期位置から前記規制部材に触れる位置までの変位量」を0とするとよい。
特徴4.前記開始駆動制御手段は、前記規制手段による規制がされていることを一の条件に、前記駆動手段の前記開始駆動制御を実行することを特徴とする特徴1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作時に規制手段による規制がされていなければ、駆動手段の開始駆動制御が実行されず、周回体の周回が開始されない。周回体の周回が開始されなければゲームは進行せず、その後の誤操作も発生し得ない。そこで、上記構成のようにすることで、誤操作の発生をより抑制することができる。
特徴5.前記規制手段による規制が行われている状況において、前記停止操作手段に対して外力が付与されたことを特定する特定手段(演出制御装置81におけるステップS1409、ステップS1609又はステップS1710の処理を実行する機能)と、
当該特定手段により前記外力が付与されたことが特定された場合に、特別制御を実行する特別制御手段(演出制御装置81におけるステップS1410〜ステップS1415、ステップS1614〜ステップS1618、ステップS1711〜ステップS1715の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、規制手段による規制が行われている状況において、停止操作手段に対して外力が付与されたことを特定手段により特定可能となる。すなわち、所定の無効期間中である状況で停止操作手段の操作が規制されているのにもかかわらず、当該停止操作手段に対して外力が付与された場合には、遊技者が当該停止操作手段を操作しようとしたとして特定し、それに基づく特別制御を実行することが可能となる。
本特徴に示す「特別制御」は、例えば「遊技機に設けられた報知手段等で特別な演出を実行する制御」や、「停止操作手段の規制の継続など、当該外力が付与された停止操作手段に対応する周回体が停止しないことに基づく誤操作の発生を抑制するための制御」を含む。
特徴6.前記特別制御手段は、前記特別制御として、前記規制手段による規制を前記所定の無効期間の経過後において特定期間に亘って継続させる継続手段(演出制御装置81におけるステップS1410〜ステップS1415の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の無効期間中において停止操作手段に対して外力が付与されると、規制手段による規制が、当該所定の無効期間の経過後においても継続される。これにより、所定の無効期間の経過前に停止操作手段を操作し、遊技者が経過前であることを把握したのにもかかわらず、自らの手の動きを止めることができず、そのまま続けて所定の無効期間の経過後において停止操作手段を操作してしまった場合に、その停止操作手段の操作によって周回体が停止してしまうことを防止することができる。
特徴7.前記継続手段は、前記複数の停止操作手段のうち前記特定手段による前記特定がなされた停止操作手段とは異なる停止操作手段についての前記規制手段による規制を継続させるものであることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の無効期間中において停止操作手段に対して外力が付与されると、規制手段による規制が、当該所定の無効期間の経過後においても継続される。これにより、所定の無効期間の経過前に停止操作手段を操作し、遊技者が経過前であることを把握したのにもかかわらず、自らの手の動きを止めることができず、そのまま続けて所定の無効期間の経過後において他の停止操作手段を操作してしまった場合に、その停止操作手段の操作によって周回体が停止してしまうことを防止することができる。
特徴8.前記特別制御手段は、前記所定の無効期間の経過後において前記規制手段による規制が行われている停止操作手段について前記特定手段による特定が行われたことに基づいて、前記規制手段による規制を解除する解除手段(演出制御装置81におけるステップS1614〜ステップS1618、ステップS1711〜ステップS1715の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
上記構成によれば、規制手段による規制中に停止操作手段を操作しようとすれば、その規制の解除が行われる。このように、誤操作の発生を抑制するよう停止操作手段の操作を規制しつつそれを解除できる余地を残すことで、遊技者の好きな操作方法で停止操作手段を操作する、という遊技機の醍醐味を抹殺しない程度において、誤操作を抑制することができる。この場合においても、解除手段は、所定の無効期間の経過後において停止操作手段に外力が付与された場合に規制手段による規制を解除する構成であるため、所定の無効期間の経過前に停止操作手段を操作したつもりで発生する誤操作は抑制することが可能となっている。
特徴9.前記解除手段は、予め定められた複数回である所定回数(3回)に亘って前記特定手段による特定が行われたことに基づいて前記解除を実行するものであることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定手段による特定が複数回行われたことに基づいて解除する構成とすることで、停止操作手段に対して間違えて外力を付与してしまった場合には解除されず、誤操作抑制機能を高めることができる。
特徴10.前記所定回数は、前記複数の停止操作手段の数以上であることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の停止操作手段のうち、一の停止操作手段を無効期間の経過前に操作し、同無効期間の経過後に他の停止操作手段を全て操作した場合であっても、解除は行われない。これにより、特徴8の効果をさらに高めることができる。
特徴11.遊技者に前記複数の停止操作手段の停止操作の順序を報知する操作順序報知手段(演出制御装置81における報知コマンドを受信したことに基づいて補助表示部65に押順報知演出を実行させる機能)を備えていることを特徴とする特徴1乃至特徴10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴11に示すように停止操作の順序を報知する構成においては、特徴1に示した無効期間の存在により停止操作にミスが生じ得る。例えば報知された順序で連続して停止操作を行ったとしても先の停止操作が無効期間に行われる等した場合に、遊技機は次の停止操作を先の停止操作として認識する。この場合、本来先に停止させるべき周回体とは異なる周回体が停止して報知された操作順序とは異なる操作順序で操作が行われたことになり、操作ミスが発生する。このように、停止操作の順序を報知する構成に特徴1に示した技術的思想を適用すれば上記操作ミスを抑制することができる。
特徴12.前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101における抽選処理を実行する機能)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が前記表示部から視認可能な有効位置に所定の組み合わせを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101におけるステップS211の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止駆動制御手段は、前記役の抽選結果が特定結果(ベル又は転落再遊技)であって前記各停止操作手段に第1特定順序で操作がなされた場合、前記有効位置に第1特定絵柄(ベル入賞又は第6再遊技入賞)を停止させるべく前記各周回体の前記停止駆動制御を実行する一方で、前記役の抽選結果が前記特定結果であって前記各停止操作手段に第2特定順序で操作がなされた場合、前記有効位置に第2特定絵柄(移行出目又は転落再遊技入賞)を停止させるべく前記各周回体の前記停止駆動制御を実行する特別停止駆動制御手段(主制御装置101におけるステップS412の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記第1特定絵柄が前記有効位置に停止したことに基づいて遊技者にとって有利な第1特別特典(9枚のメダルの払出又は次ゲームを無償で遊技可能とする権利)を付与する一方で、前記第2特定絵柄が前記有効位置に停止したことに基づいて前記第1特別特典よりも遊技者にとって不利な第2特別特典(遊技状態が第1RT状態又は通常遊技状態に移行する)を付与する特別特典付与手段(主制御装置101におけるRT状態処理を実行する機能)を備え、
前記操作順序報知手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記特定結果である場合に、前記第1特定順序を報知する手段を有していることを特徴とする特徴11に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である場合には停止操作手段の操作によって異なる特典が付与される。具体的には、第1特定順序で操作を行った場合には第1特別特典が付与される一方で、第2特定順序で操作を行った場合には第2特別特典が付与される。第2特別特典は第1特別特典よりも遊技者にとって不利な特典であることから、遊技者は特定結果である場合には第1特定順序で操作を行ったほうが有利となる。そして、役の抽選結果が特定結果である場合には、第1特定順序が操作順序報知手段により報知される。これにより遊技者は報知に基づいて第1特定順序で各停止操作手段の操作を行うところ、規制手段により誤操作が抑制されていることからより確実に第1特定順序で操作を実行することが可能となる。
特徴13.前記有効位置に前記第1特定絵柄が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態(各RT状態)に移行させる又は当該特別遊技状態を維持する特別遊技状態移行手段(主制御装置101におけるステップS507〜ステップS514の処理を実行する機能)と、
前記有効位置に前記第2特定絵柄が停止したことに基づいて、前記特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段(主制御装置101におけるステップS501〜ステップS506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定絵柄が停止する第1特定順序で操作を行うと遊技者にとって特別遊技状態に移行する一方で、第2特定絵柄が停止する第2特定順序で操作を行うと当該特別遊技状態が終了する。したがって、特定結果である場合に、第1特定順序で操作を行うか第2特定順序で操作を行うかによって、その後の遊技状態が相違し、より慎重な停止操作手段の操作が求められるところ、誤操作の発生が抑制されているため、好適に遊技を進行させることができる。
特徴14.前記規制手段は、前記複数の停止操作手段のうち前記操作順序報知手段により報知されている操作対象以外のものについて前記規制を行うことを特徴とする特徴11乃至特徴13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴11等に示したように停止操作の順序が報知される構成においては、例えば報知された順序で停止操作を行ったつもりでも先の停止操作が無効化される等して周回体が停止しないまま、後の停止操作対象を操作することでその停止操作に対応する周回体が停止し得る。仮にこのような事象が発生すると、遊技機では報知された操作順序とはことなる停止順序で停止操作が行われたと認識される。そこで、操作対象以外のものについて上述した規制機能を発揮させる構成とすれば、遊技者は先の停止操作をミスして後の停止操作を行った場合に、当該後の停止操作に規制がかかることで先の停止操作をやり直すことが可能となる。これにより、遊技者の操作ミスを好適に抑制できる。
なお、特に最初の停止操作時には上述した無効期間の存在によって上記操作ミスが生じやすい。そこで、例えば第2停止操作以降の操作対象となっているものについて上述した規制機能を発揮させる構成とすれば、操作ミスの回避効果を好適に発揮させることができる。