JP2014220647A - Δσa/d変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】DEMを用いず、回路構成が簡単であって高精度で安定してA/D変換できるA/D変換装置を提供する。【解決手段】減算器1は入力アナログ電圧からD/A変換器6からのアナログ電圧を減算して低域通過フィルタ2を介して出力する。並列型確率的A/D変換器3はろ波後のアナログ電圧をデジタルデータにA/D変換する。可変レベルデジタル量子化器4はデジタルデータをデジタル量子化して第1のビットコードのデジタルデータを出力する。D/A変換器6はデジタル量子器4からのデジタルデータをアナログ電圧にD/A変換して減算器1に出力する。デコーダ5はデジタル量子化器4からの第1のビット数コードのデジタルデータを第2のビットコードのデジタルデータに復号化する。ここで、デジタル量子化器4の量子化レベルと、デコーダ5のマッピングテーブルのうちの少なくとも一方をD/A変換器6の誤差が最小となるように設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、ΔΣA/D変調器のマルチビット量子化器に、多数のコンパレータの統計性を用いた確率的A/D変換器を用いたΔΣA/D変換装置に関する。
近年、情報化社会の発展に伴い無線通信技術に対する要求も高まっている。携帯電話をはじめとする情報通信端末では、更なる高機能化、小型化、低消費電力化が求められており、微細CMOSプロセスが必要不可欠になっている。一方、CMOSプロセスの微細化に伴いデバイスのばらつきは相対的に増加し、それに伴う回路性能の劣化が問題になっている。このためCMOSプロセスの微細化と回路の高精度化の両立が困難になっている。
一般に電子回路において、雑音やデバイスのばらつきは回路性能を劣化させるものであるが、一方でこのような雑音やばらつきが役に立つケースが存在する。これが確率共鳴現象であり、雑音やばらつきによってしきい値以下の信号が増幅される現象である。電子回路においてこの現象を利用することにより、従来検出できなかった微弱な信号が検出でき、信号処理システムの高分解能化が可能になると考えられる。
デバイスのばらつきには統計性があり、その多くはガウス分布に従う。この統計性を積極的に利用することによりしきい値以下の微弱な信号を検出することが可能となり、回路システムの分解能を向上させることができる。
例えば、特許文献1においては、内部雑音の統計性に基づいた信号処理を行うことにより、回路内部で大きな雑音を含む場合でも、信号検出を可能とするA/D変換装置が提案されている。当該A/D変換装置では、複数の比較器をアレイ状に並べ、2つのしきい値B,−Bを用い、入力信号がしきい値Bを超えた比較器の数N+と、しきい値−Bを下回った比較器の数N−とから、雑音に埋もれた小さな入力信号波形を推定する。これにより、この装置を通信用受信機に適用することで、A/D変換のダイナミックレンジを大きく向上させることができる。
また、非特許文献1では、素子特性ミスマッチを用いた高速サンプリング並列型A/D変換装置の設計方法が提案されている。当該A/D変換装置の性能劣化の問題を解決するために、コンパレータのオフセットを有効に活用し、オフセット以下の信号を検出することができるA/D変換装置を提案している。ここで、オフセットを緩和させるための技術やオフセットをキャンセルするキャリブレーション回路を必要とせず、オフセットの統計性から信号を検出することを確認している。
特開2010−045622号公報 特開2010−245765号公報
ハム・ヒョンジュほか,「素子特性ミスマッチを用いた高速サンプリング並列型確率的A−Dコンバータの設計」,電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌),Vol.131, No.11, pp.1848-1857,2011年11月
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1において提案されたA/D変換装置では、多数のコンパレータのアレイを用いた並列構成であるため、そのままではダイナミックレンジの向上が困難であるという問題点があった。
これを克服するために、ΔΣA/D変換装置に応用した場合、D/A変換部のダイナミック・エレメント・マッチング(DEM)の要求性能が厳しくなり、これにより、高精度化のための処理回路が複雑となり、回路が複雑になるとともに、占有面積が増大し、消費電力が増大するという問題点があった。ここで、DEMとは、単位アナログ素子を複数個用いて、アナログ出力に応じてその選択数を変化させ、素子選択を循環的に行うなどでミスマッチを平均化しその影響を低減する手法である(例えば、特許文献2参照)。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、DEMを用いず、従来技術に比較して回路構成が簡単であって高精度で安定してA/D変換できるA/D変換装置を提供することにある。
本発明に係るA/D変換装置は、
入力アナログ電圧から、D/A変換手段からのアナログ電圧を減算して、減算結果のアナログ電圧を出力する減算手段と、
上記減算手段からのアナログ電圧を低域通過もしくは帯域通過ろ波して出力するフィルタと、
変更可能な複数の量子化レベルを有し、上記フィルタからのアナログ電圧を第1のビットコードのデジタルデータにA/D変換して出力するA/D変換手段と、
上記A/D変換手段からの第1のビットコードのデジタルデータをアナログ電圧にD/A変換して上記減算手段に出力する上記D/A変換手段と、
第1のビットコードのデジタルデータを、上記第1のビットコードのビット数よりも大きいビット数を有する第2のビットコードのデジタルデータに復号化するためのマッピングテーブルを有し、上記デジタル量子化手段からの第1のビット数コードのデジタルデータを上記第2のビットコードのデジタルデータに復号化して出力する復号化手段と、
上記A/D変換手段の複数の量子化レベルと、上記復号化手段のマッピングテーブルのうちの少なくとも一方を、上記D/A変換手段の誤差が最小となるように設定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記A/D変換装置において、上記A/D変換手段は、
それぞれ互いに異なるしきい値を有する複数のコンパレータと、当該複数のコンパレータからの各出力信号を加算する加算器を含み、上記フィルタからのアナログ電圧をデジタルデータにA/D変換する並列型確率的A/D変換手段と、
変更可能な複数の量子化レベルを有し、上記並列型確率的A/D変換手段からのデジタルデータをデジタル量子化して所定の第1のビットコードのデジタルデータを出力するデジタル量子化手段とを備えたことを特徴とする。
また、上記A/D変換装置において、上記制御手段は、所定の基準信号を入力したときに、当該A/D変換装置から出力されるデジタルデータと、上記基準信号をA/D変換したときの期待するデジタルデータとの誤差を最小化させることにより、上記D/A変換手段の誤差を最小化させることを特徴とする。
さらに、上記A/D変換装置において、上記制御手段は、上記デジタル量子化手段の複数の量子化レベルと、上記復号化手段のマッピングテーブルのうちの少なくとも一方を、上記D/A変換手段の誤差が最小となるように適応化することを特徴とする。
またさらに、上記A/D変換装置において、上記並列型確率的A/D変換手段の複数のコンパレータは、第1のコンパレータ群と、第2のコンパレータ群とに分割されて構成され、
上記第1のコンパレータ群の各しきい値は所定のオフセットの標準偏差に設定され、
上記第2のコンパレータ群の各しきい値は上記オフセットの標準偏差の逆符号の値に設定されることを特徴とする。
本発明に係るA/D変換装置によれば、以下の効果を有する。
(1)DEMを用いず、従来技術に比較して回路構成が簡単であって高精度で安定してA/D変換できるA/D変換装置を提供できる。これにより、A/D変換装置を低電力化及び小面積化できる。
(2)A/D変換装置において、コンパレータオフセットの統計性を解析して制御し、オフセットレベル以下の信号も検出でき、素子特性ミスマッチの大きい微細プロセスでもダイナミックレンジを確保できる。
(3)高精度ΔΣA/D変換装置の設計効率が向上し、市場要求や製造技術変更への対応が容易となる。
本発明の一実施形態に係るΔΣA/D変換装置100の構成を示すブロック図である。 一般的なフィードバック型ΔΣ変調器の構成を示す回路図である。 一般的なフィードフォワード型ΔΣ変調器の構成を示す回路図である。 本実施形態で用いるΔΣA/D変換装置の等価回路を示す回路図である。 図4の各乗算器の利得の数値例を示す表である。 従来技術に係る並列型A/D変換器の構成を示すブロック図である。 図7の並列型A/D変換器においてコンパレータのしきい値に対する確率密度分布を示すグラフである。 本実施形態において量子化器として用いる並列型確率的A/D変換器(以下、SF−A/D変換器という。)の構成を示すブロック図である。 図8のSF−A/D変換器においてコンパレータのしきい値に対する確率密度分布を示すグラフである。 図8のSF−A/D変換器の変形例の構成を示すブロック図である。 図10のSF−A/D変換器の変形例においてコンパレータのしきい値に対する確率密度分布を示すグラフである。 図10のSF−A/D変換器の変形例においてコンパレータのしきい値に対する累積確率密度分布を示すグラフである。 従来技術に係る多ビットD/A変換器の構成例を示す回路図である。 本実施形態における量子化器入力電圧に対する1出力のコンパレータ数Nの関係を示すグラフである。 本実施形態で用いるコード補正を示すデジタルコードに対するアナログ値を示すグラフである。 図1のΔΣA/D変換装置100においてレジスタテーブル7a,7bのレジスタ値を適応化するための適応化装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、D/A変換器において入力デジタルデータに対する出力アナログ電圧の関係を示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、1出力のコンパレータ数Nに対するデジタルコードの関係を示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コード補正の効果を示すためのデジタルコードに対するアナログ電圧値を示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、3ビットコードを用いたときのパワースペクトル密度(PSD)を示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、12ビットコードを用いたときのコード補正によるパワースペクトル密度(PSD)を示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション条件を示す表である。 SF−A/D変換器のコンパレータのオフセット値に対する確率密度を示すグラフである。 フラッシュA/D変換器のコンパレータのオフセット値に対する確率密度を示すグラフである。 量子化器がSF−A/D変換器(σ≒100mV)であるときのコンパレータ数NとピークSNDR(Signal to Noise and Distortion Ratio)との関係を示すグラフである。 量子化器がフラッシュA/D変換器であるときの標準偏差σとピークSNDRとの関係を示すグラフである。 SF−A/D変換器を用いたときの量子化器の面積比を示す表である。 SF−A/D変換器(σ≒100mV)のときのコンパレータ数Nと標準偏差σとの関係を示す表である。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100において量子化器としてSF−A/D変換器及びフラッシュA/D変換器をそれぞれ用いた場合(量子化器の面積が同じ場合)の分解能(ピークSNDR)の比較を示す表である。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、入力振幅に対するSFDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数Nに対するばらつきを考慮したピークSNDRを示す表である。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=16のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=32のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=64のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=128のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=256のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=512のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。 本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数Nに対するばらつきを考慮したピークSNDR(SNDR)を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。まず、実施形態の概要及び特徴について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るΔΣA/D変換装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るΔΣ(以下、“Δ−Σ”は“ΔΣ”に統一)A/D変換装置100は、減算器1と、低域通過フィルタ(LPF)2と、複数N個のコンパレータ11−1〜11−N及び加算器12からなるSF−A/D変換器3と、量子化レベルが可変である可変レベルデジタル量子化器4と、デコーダ5と、D/A変換器6と、可変レベルデジタル量子化器4の量子化レベルを格納するレジスタテーブル7a及びデコーダ5において3ビットコードを12ビットコードに変換してコード補正するマッピングテーブルの12ビットコード値を格納するレジスタテーブル7bを含むテーブルメモリ7とを備えて構成される。なお、本実施形態では、信号周波数を通過帯域に含む低域通過フィルタ2を用いているが、本発明はこれに限らず、上記信号周波数を通過帯域に含むが、直流成分及びその近傍における成分をも除去する帯域通過フィルタ(BPF)を用いてもよい。以下の実施形態では、一般性を損なうことがないので、低域通過フィルタ(LPF)2に限って説明をする。
ここで、Δ−ΣA/D変換装置100は、特に、可変レベルデジタル量子化器4とデコーダ5とテーブルメモリ7とを備えたことを特徴とし、非特許文献1などの確率的手法をΔΣA/D変調装置に適用することで微細CMOSプロセスを用いた高分解能A/D変換器を実現することを目的としている。すなわち、本実施形態では、図1に示すように、ΔΣA/D変換装置100のマルチビット量子化器である可変レベルデジタル量子化器4に、多数のコンパレータ11−1〜11−Nの統計性を用いた確率的A/D変換器であるSF−A/D変換器3を用いる。また、SF−A/D変換器3の量子化レベルをD/A変換器6の量子化レベルと一致させることにより、マルチビットΔΣA/D変調装置のD/A変換器6のDEMを不要とする。さらに、SF−A/D変換器3の量子化レベルの調整に伴い、デコーダ5においてデジタル出力をコード補正する。なお、低歪みの特長を持つフィードフォワード型ΔΣ変調器のように、D/A変換器6が1つの場合に有効となる。
図1において、減算器1は入力アナログ電圧からD/A変換器6からのアナログ電圧を減算して、減算結果の電圧を低域通過フィルタ2を介してSF−A/D変換器3に出力する。SF−A/D変換器3は、それぞれしきい値電圧Δ〜Δを有する複数N個のコンパレータ11−1〜11−Nを用いて比較した後、各コンパレータ11−1〜11−Nからの出力信号を加算器12により加算するA/D変換して可変レベルデジタル量子化器4に出力する。可変レベルデジタル量子化器4は、テーブルメモリ7のレジスタテーブル7aに格納された複数の可変量子化レベルであって例えば所定の間隔を有して互いに異なる複数の量子化レベルを有し、入力されるデジタルデータを例えば3ビットコードのデジタルデータに量子化してデコーダ5及びD/A変換器6に出力する。D/A変換器6は入力されるデジタルデータをアナログ電圧にD/A変換した後、減算器1に出力する。デコーダ5は、テーブルメモリ7のレジスタテーブル7aに格納された複数の12ビットコード値を含むマッピングテーブルを用いて、3ビットコードを12ビットコードに変換してコード補正することにより復号化して、復号化後の出力デジタルデータを出力する。ここで、テーブルメモリ7のレジスタテーブル7a,7b内のデータについては、図16を参照して詳細後述するように、D/A変換器6の上記量子化レベルとの誤差が最小となるように図16の適応化コントローラ110により適応化することを特徴としており、可変レベルデジタル量子化器4及びデコーダ5によりD/A変換器誤差補正回路8を構成している。
次いで、提案方式の詳細構成について以下に説明する。
A/D変換装置は、一般に、回路素子の特性はばらつき(素子特性ミスマッチ)を有しており、その多くはガウス分布に従う。従来方式の量子化器ではこの素子特性ミスマッチが回路の性能を劣化させるため、回路の微細化において大きな問題となる。一方、この素子特性ミスマッチを積極的に利用してA/D変換を行う方式として、SF−A/D変換器が提案されている。本実施形態ではこれをΔΣ変調器の量子化器として用いることで微弱信号の検出及び微細化が可能な方式を提案する。また、本実施形態では微細プロセスを用いた7レベルのΔΣ変調器の実現を目的としており、D/A変換器誤差による性能劣化が課題となる。そこで、本実施形態では可変レベルデジタル量子化器4とデコーダ5を用いてD/A変換器誤差を補正する方式を提案する。
本実施形態では、7レベル4次フィードフォワード型ΔΣ変調器を取り扱う。フィルタの次数を高くすることでノイズシェーピングの効果が大きくなるという利点がある。しかし、ΔΣ変調器は負帰還回路であるから、2次以上の場合にはシステムが不安定になる可能性がある。そのためゲインを調整するなどして安定化を図る必要がある。システムが安定となるための必要条件として、フィルタの極が複素平面上の単位円の内側にある必要がある。ΔΣ変調器の内部のゲインを調整することによりフィルタの極を操作することが可能であり、安定化を図ることができる。ただし、安定化を図り、ゲインを調整するとフィルタの次数は実効的に下がるので、得られる信号対雑音電力比(SNR)は低下する。
図2は一般的な4次フィードバック型ΔΣ変調器の構成を示す回路図であり、図3は一般的な4次フィードフォワード型ΔΣ変調器の構成を示す回路図である。
安定化を図るためのΔΣ変調器の構成としては、図2のようなフィードバック型ΔΣ変調器や図3のようなフィードフォワード型ΔΣ変調器のものが用いられる。図2において、フィードバック型ΔΣ変調器は、4個の積分器21〜24と、量子化器(A/D変換器)25と、4個の減算器31〜34と、乗算器(D/A変換器を具備)41〜44とを備えて構成される。また、図3において、フィードフォワード型ΔΣ変調器は、4個の積分器21〜24と、量子化器(A/D変換器)25と、減算器31と、加算器35〜37と、4個の乗算器51〜54と、D/A変換器26とを備えて構成される。
ここで、フィードバック型ΔΣ変調器とフィードフォワード型ΔΣ変調器では積分器の振幅が異なる。フィードフォワード型ΔΣ変調器の方が振幅が小さく、安定化に有利である。また、フィードフォワード型ΔΣ変調器は積分器の非線形性に対する感度を低減するのに適している。図3に示す構造では、ノイズ伝達関数(以下、NTFという。)の零点はz=1、すなわちDCの点にあるが、NTFの零点を最適化することで安定性を向上させることが可能となる。零点の最適化はループフィルタの内部に局部フィードバックを加えることで実現できる。
図4は本実施形態で用いるΔΣA/D変換装置の等価回路を示す回路図である。以上の理由から、本実施形態では図4に示すような4次フィードフォワード型ΔΣ変調器に局部フィードバックを加えた構造のΔΣ変調器を用いる。差動信号を取り扱うことを想定しているため量子化器は7レベルとしている。なお、各乗算器のゲインは図5に示すとおりである。図4において、本実施形態に係るΔΣA/D変換装置は、4個の積分器21〜24と、2個の減算器31、33と、加算器27と、量子化器(A/D変換器)25と、D/A変換器26と、4個の乗算器51〜54と、4個の乗算器51〜54,61〜65とを備えて構成される。
次いで、量子化器について以下に説明する。本実施形態では素子特性ミスマッチの統計性を利用したSF−A/D変換器3を量子化器として用いることで高分解能化を図る。
図6は従来技術に係る並列型A/D変換器の構成を示すブロック図である。図6において、並列型A/D変換器は、参照電圧発生器13と、複数N個のコンパレータ11−1〜11−Nと、サーモメータバイナリ変換エンコーダ15とを備えて構成される。並列型A/D変換器は、並列に接続されたN個のコンパレータにより同時に比較を行うので、高速動作が可能である。このため並列型A/D変換器はフラッシュA/D変換器とも呼ばれる。なお、複数N個の加算器14−1〜14−Nは、後述のオフセットの影響を等価的に示すため仮想的なものである。
図7は図6の並列型A/D変換器においてコンパレータのしきい値に対する確率密度分布を示すグラフである。並列型A/D変換器は図7に示すように等間隔に分布するしきい値を持っている。しかし、素子特性ミスマッチによりコンパレータ11−1〜11−Nのしきい値にはオフセット(電圧)Δoff,1〜Δoff,Nが発生し、変換特性に誤差が生じる。そのため、オフセット以下の微弱な信号を検出することができず、また微細プロセスでは高分解能化が困難である。以上の理由から多ビットのΔΣ変調器の量子化器として用いる場合には、オフセットによる分解能の劣化を改善する必要がある。
図8は本実施形態において量子化器として用いるSF−A/D変換器3の構成を示すブロック図であり、図9は図8のSF−A/D変換器3においてコンパレータのしきい値に対する確率密度分布を示すグラフである。本実施形態で提案する方式では、量子化器として図8に示すSF−A/D変換器3を用いる。この方式では従来の並列型A/D変換器のように、コンパレータ数Nの分だけ参照電圧を生成する回路は不要であり、コンパレータオフセットをしきい値として利用する。このため、しきい値は図9に示すようなガウス分布に従う。
図8において、参照電圧θREFを与えれば分布の中心を任意の電圧に設定することが可能である。従来方式ではコンパレータオフセットにより分解能が制限されるのに対し、この方式ではコンパレータオフセットを積極的に利用するので、オフセット以下の微弱な信号を検出できる。また従来の並列型A/D変換器では参照電圧を生成するために、抵抗を接地から電源電圧まで積み上げることが多く、抵抗のミスマッチもまた誤差となり分解能が制限される。一方、SF−A/D変換器では参照電圧が不要であるためこの問題も解決できる。
以下にSF−A/D変換器3の変換機構について述べる。前述のようにSF−A/D変換器3はガウス分布に従うランダムなしきい値をもっている。そのためコンパレータ群の出力はフラッシュA/D変換器のようなサーモメータコードではなく0(ローレベル)または1(ハイレベル)のランダムな出力である。そこで、SF−A/D変換器3では多数のコンパレータ11−1〜11−Nにより入力値を比較し、出力を加算する。加算した値(1を出力するコンパレータの数に対応)と入力電圧の関係はガウス分布の累積分布に従うので、加算結果に応じてデジタル出力を決定することでA/D変換を行うことが可能である。
SF−A/D変換器はガウス分布に従うしきい値を利用するので、非線形性を有している。また、コンパレータ数が有限であることから歪みが生じる。線形性を確保するためには、累積分布の線形に変化する範囲を使用する必要があり、入力範囲が狭くなったり、使用されないコンパレータが多くなったりする。入力範囲はオフセットの標準偏差σoffによって決まり、線形性を保つためには±σoffの範囲でSF−A/D変換器3を使用する必要がある。
図10は図9のSF−A/D変換器の変形例の構成を示すブロック図であり、図11は図10のSF−A/D変換器の変形例においてコンパレータのしきい値に対する確率密度分布を示すグラフである。また、図12は図10のSF−A/D変換器の変形例においてコンパレータのしきい値に対する累積確率密度分布を示すグラフである。
そこで、非線形性を低減し入力範囲を拡大するために図10のようにコンパレータ11−1〜11−Nを二つのグループG1,G2に分け、それぞれ逆符号の参照電圧+σoff,−σoffを与える。なお、参照電圧の絶対値はコンパレータオフセットの標準偏差値σoffである。ここで、グループG1はコンパレータ11−1〜11−(N/2)からなり、グループG2はコンパレータ11−(N/2+1)〜11−Nからなる。これにより、図11のようにしきい値の分布を平坦化できる。平坦化したしきい値分布の累積分布は図12の実線のようになる。図12より、しきい値分布の平坦化を行うことによりSF−A/D変換器の非線形性を低減でき入力範囲が拡大できることが分かる。本実施形態で提案する方式では、この非線形性低減技術を用いるので、フルスケール入力範囲は±2σoffに設定する。
次いで、D/A変換器誤差の補正について以下に説明する。
上述したように、ΔΣ変調器では多ビット化によってダイナミックレンジや安定性の向上が可能となる。一方で多ビット化に伴い、素子特性ミスマッチに起因するD/A変換器の誤差が発生し分解能を大きく低下させる。そのため何らかの手法によりD/A変換器誤差の影響を低減する必要がある。従来のD/A変換器誤差の補正技術として代表的なものにDEMが存在する。
図13は従来技術に係る多ビットD/A変換器の構成例を示す回路図である。図13においては、ほぼ同一の容量値を持つ容量C1〜CN、スイッチS1〜SN及び直流電圧源70を用いた多ビットD/A変換器の構成例を示す。通常、D/A変換器では入力されるデジタル信号に対して選択される素子が一意に決まっている。このためD/A変換器を構成する素子のミスマッチによりD/A変換器の出力には一定の誤差が含まれてしまい、性能劣化につながる。DEMではクロックごとに異なる素子を選択することにより、D/A変換器の誤差を平均化する。これによりD/A変換器誤差の影響を低減でき、多ビットのΔΣ変調器における性能劣化を低減する。この方式ではランダムに素子を選択する必要があるが、D/A変換器の入力信号によっては周期的に素子が選択されてしまい十分に誤差の平均化ができない場合が存在する。これは歪みとして出力信号に影響し分解能を低下させる。またクロックごとに素子を選択する回路を駆動するため低消費電力化の面では不利である。
本実施形態で提案する方式では、ΔΣ変調器の量子化器としてSF−A/D変換器3を用いることで分解能の向上を図るとともに、フィードバックD/A変換器で生じた誤差を補正する。以下でその原理について述べる。
図14は本実施形態における量子化器入力電圧に対するコンパレータ数Nの関係を示すグラフである。SF−A/D変換器3では入力値に対して1を出力するコンパレータ11−1〜11−Nの総数Nで量子化出力を決定する。フィードバック型(“型”は不要)D/A変換器6が理想的な場合、図14のように反応するコンパレータ数に応じて線形に量子化出力を変化させればよい。しかし、D/A変換器6に誤差がある場合、量子化器4との間で量子化レベルの誤差が生じ、誤差がΔΣ変調器内部で蓄積されるので大きく分解能が低下する。そこで、本実施形態ではD/A変換器6の誤差に応じて量子化器4の入出力特性を変化させ、量子化レベルの誤差を低減することでD/A変換器6の誤差を補正する。これによりΔΣ変調器内部での線形性が向上し分解能の低下を軽減できる。
ここで、i番目のデジタルコードに対応する点での誤差をΔとする。図14において、入力範囲の上限及び下限に対応するコンパレータ数をそれぞれNu及びNlとする。このとき入力範囲のしきい値を持つコンパレータの数は(Nu−Nl)となる。また、i番目のレベルに対応するコンパレータ数をNとし、フルスケール入力範囲を2FSとする。各レベルに対応するコンパレータの数をD/A変換器6の誤差に対応する分だけ変化させればよいので、D/A変換器6の誤差に応じて変化させたコンパレータ数N’は次式で表される。
Figure 2014220647
ただし、コンパレータ数N’は整数であるから、最も近い整数値に近似する必要がある。このように各量子化レベルに対応するコンパレータ数を誤差に応じて調整するだけで、静的にD/A変換器6の誤差を補正できる。SF−A/D変換器3では1を出力するコンパレータ数が量子化出力に対応するため、デジタル回路により量子化レベルを調整できる。しかし、これにより量子化器はD/A変換器6の誤差に応じた非線形性を持つことになり、ΔΣ変調器の内部では線形性が向上するが、ΔΣ変調器から出力されるデジタル値にはD/A変換器の誤差に応じた非線形な値が対応することになる。
なお、同様の量子化レベル調整は、図6の並列型A/D変換器において、参照電圧発生器13中にD/A変換器を具備することでも実現可能であり、図1の実施形態のSF−A/D変換器3と可変レベルデジタル量子化器4を代替できる。この場合、レジスタテーブル7aに従って、参照電圧発生器13中のD/A変換器の出力、つまり、参照電圧が調整される。しかし、後述のように、分解能と面積を考慮した場合のSF−A/D変換器3の利点が大きく、またD/A変換器なしでも量子化レベルをデジタル的に調整できる利点などより、以下では、SF−A/D変換器3と可変レベルデジタル量子化器4を用いて実現する実施形態を説明する。
さらに、コード補正について以下に説明する。
図15は本実施形態で用いるコード補正を示すデジタルコードに対するアナログ値を示すグラフである。上述のように、D/A変換器6の誤差を量子化器で補正することによりΔΣ変調器の内部では線形性が向上するが、量子化された出力には非線形な値が対応している。このため本方式のΔΣ変調器を用いてA/D変換装置を実現するためには出力のデジタルコードを補正して、線形な値が対応するようにしなければならない。このため本実施形態ではデコーダにより量子化器の出力に9ビットを加えて、出力範囲を細かく分割することで出力が線形な値と対応するようにコードを補正する。通常、7レベル量子化器の出力ならば3ビットで表現できる。
しかし、本方式では量子化器4が非線形なため、3ビットではデジタルコードとアナログ値の間の関係は線形な特性からずれてしまう。一方、12ビットコードにより出力範囲を更に細かく分割すると、図15のようにデジタルコードとアナログ値が線形に対応するように調整することができる。
図16は図1のΔΣA/D変換装置100においてレジスタテーブル7a,7bのレジスタ値を適応化するための適応化装置の構成を示すブロック図である。図16において、適応化装置は、基準電圧発生器101と、高精度A/D変換器102と、誤差演算器103と、適応化コントローラ110とを備えて構成される。
図16において、基準電圧発生器101は、互いに異なる所定の複数の基準電圧を順次発生してΔ−ΣA/D変換装置100及びA/D変換器102に入力する。A/D変換器102はΔ−ΣA/D変換装置100よりも高い精度でA/D変換可能なA/D変換器であって、入力電圧をA/D変換して誤差演算器103に出力する。誤差演算器103は、Δ−ΣA/D変換装置100からのデジタル値と、A/D変換器102からのデジタル値との誤差(以下、D/A変換器誤差という。)を演算して適応化コントローラ110に出力する。適応化コントローラ110は、上記D/A変換器誤差が最小となるような、テーブルメモリ7のレジスタテーブル7a,7b内の可変レベルデジタル量子化器4の各量子化レベル及びマッピングテーブルの12ビットコード値を含む多変量パラメータを求めて、Δ−ΣA/D変換装置100の動作前に設定する。
すなわち、レジスタテーブル7a,7bに保持される値は、事前に基準となるテスト用基準電圧を用いてΔ−ΣA/D変換装置100が正常な出力デジタルデータを得るように調整される。具体的には、テスト用基準アナログ電圧を高精度A/D変換器102で生成したデジタル値を対象とするA/D変換器102の所望の動作モデルに基づきデジタル的に推定した出力期待値の時間系列と、実際のテストで得られるΔ−ΣA/D変換装置100からの出力デジタルデータの時系列を比較し、ある時間範囲での両者の平均二乗誤差などを最小とするように、レジスタテーブル7a,7bに保持されるパラメータ値を調整することで、最適なパラメータ値を得ることができる。最適値の探索手法としては、例えば最急降下法に基づくLMS(LeastMean Square)アルゴリズムなどを用いる。このレジスタに保持される値は、電源投入時もしくは動作中断時に、上記手法で更新される。なお、最適値の探索手法として、例えば遺伝子アルゴリズム、2分割最尤検索法、ニューラルネットワークの学習アルゴリズムなどを用いてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、コンパレータの統計的なミスマッチを利用した確率的A/D変換器をΔΣA/D変調器のマルチビット量子化器に用いている。この量子化器は多数のコンパレータの統計性を用いて実現しており、量子化レベルの設定は、それに対応するハイレベル信号を出力するコンパレータ数の設定を変更することで、容易かつ柔軟に実現できる。具体的には、理想的には256個のコンパレータ中、128個のコンパレータがハイレベル信号を出力した際に、コード「000」を出すとすると、D/A変換器6のミスマッチに対応して、例えば、120個のコンパレータがハイレベル信号を出力した際にコード「000」を出力する。この量子化レベルをD/A変換器6でのミスマッチに伴う非線形性に対応して設定することで、DEMを不要とする。この結果、量子化器は非線形な入出力特性を持つが、この補正のためにデコーダ5を通して、アナログ入力信号に線形に対応したデジタル出力が得られるようにする。このデコーダ5のマッピングテーブル及び前述の量子化レベルの設定はテーブルメモリ7に記憶し、その内容は基準信号を用いたキャリブレーションによって更新される。
以上の実施形態においては、可変レベルデジタル量子化器4は3ビットコードのデジタルデータを出力し、デコーダ5は上記コード補正のために3ビットコードのデジタルデータを12ビットコードのデジタルデータに復号化している。しかし、可変レベルデジタル量子化器4及びデコーダ5で用いるデジタルデータのビットコードのビット数はこれに限定されず、少なくとも、デコーダ5は、上記コード補正のために、第1のビットコードのデジタルデータを、上記第1のビットコードのビット数よりも大きいビット数を有する第2のビットコードのデジタルデータに復号化するためのマッピングテーブルを有し、可変レベルデジタル量子化器4からの第1のビット数コードのデジタルデータを上記第2のビットコードのデジタルデータに復号化するように構成すればよい。
以上の実施形態においては、図16のシステムを用いてレジスタテーブル7a,7bのパラメータ値(可変レベルデジタル量子化器4の量子化レベル及びデコーダ5のマッピングテーブル(特に、変換後のデジタルデータ値))を予めD/A変換器誤差が最小となるように適応化された値を求めて設定して使用してもよい。また、適応化するパラメータ値は、可変レベルデジタル量子化器4の量子化レベル及びデコーダ5のマッピングテーブル(特に、変換後のデジタルデータ値)のうちの少なくとも一方でもよい。さらに、適応化は、例えば電源オン時、動作時の所定の時間間隔で実行される。
本発明者らは、本実施形態に係るΔ−ΣA/D変換装置について、数値シミュレーションを行ってその性能を評価し、それに対する考察を行う。なお数値シミュレーションにはMATLABを用いた。
図17は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、D/A変換器において入力デジタルデータに対する出力アナログ電圧の関係を示すグラフである。まず、D/A変換器誤差の補正について、量子化器での誤差の補正がある場合とない場合での入出力関係の違いを比較した。D/A変換器6が理想的な場合と誤差が生じた場合の入出力特性を図17に示す。
式(1)に従いD/A変換器誤差を補正した場合の量子化器の入出力特性をシミュレーションした。なお、コンパレータ数N=256とし、上述したオフセット分布の平坦化による非線形性低減技術を用いた。以下のシミュレーションにおいても特に断りのない限り、オフセット分布の平坦化による非線形性低減技術(図10の変形例)を用いている。
図18は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、1を出力するコンパレータ数Nに対するデジタルコードの関係を示すグラフである。すなわち、図18に1を出力するコンパレータ数と対応するデジタルコード(−3〜3)の対応を示す。実線で示した特性がD/A変換器誤差の補正を行った場合の特性である。コンパレータ数Nとデジタルコードの関係がD/A変換器誤差に応じて非線形に変化していることが分かる。
次いで、本発明者らは、コード補正についてシミュレーションを行った。
図19は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コード補正の効果を示すためのデジタルコードに対するアナログ電圧値を示すグラフである。D/A変換器誤差を補正するために量子化器の入出力特性は非線形となっているので、3ビットのデジタルコードには図19の点線のように非線形な値が対応している。ここで、9ビットのコードを付加して、7レベルで分割された入力範囲をさらに分割し、デジタル値とアナログ値の関係が線形となるようにコードを割り当てる。このコード補正により、図19の実線のようにデジタルコードとアナログ値の関係を線形に近づけられることが分かる。
図20Aは本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、3ビットコードを用いたときのパワースペクトル密度(PSD)を示すグラフであり、図20Bは本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、12ビットコードを用いたときのコード補正によるパワースペクトル密度(PSD)を示すグラフである。また、図21は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション条件を示す表である。
図20A及び図20Bにコード補正によるパワースペクトル密度(Power Spectral Density:PSD)の変化を示す。3ビットコードではD/A変換器誤差の補正によって生じた量子化器の非線形誤差の影響により、低域のノイズが多くなっているが、12ビットコードでは非線形誤差を補正することでノイズが低減できていることが確認できる。
次いで、上記のシミュレーション結果をもとに、SF−A/D変換器3の量子化器とそれによるD/A変換器誤差補正をΔΣ変調器に適用した場合を想定したシミュレーションを行った。出力信号に対し高速フーリエ変換(FFT)を行うことで、周波数スペクトルを求め、信号対雑音及び歪み電力比(SNDR)を計算し性能を比較した。ここで、7レベルの量子化器について、フラッシュA/D変換器を用いた場合とSF−A/D変換器を用いた場合についてピークSNDRを求め性能を比較した。なお、D/A変換器はいずれの場合も理想的であるとした。
性能を比較するため、同じピークSNDRを得るときのチップ上での量子化器の面積比を求めた。面積比の求め方は以下のとおりである。半導体工学によればMOSFETのしきい値電圧の標準偏差ΔVth(mV)は、ゲート酸化膜厚tox(nm)、ゲート長L(μm)、ゲート幅W(μm)として次の式で近似できる。
Figure 2014220647
コンパレータオフセットはMOSFETのしきい値電圧のばらつきにより生じると仮定し、オフセットの標準偏差σoffは次の式に従うと仮定する。
Figure 2014220647
ただし、Kは比例係数、A=LWはゲート面積である。
図22AはSF−A/D変換器のコンパレータのオフセット値に対する確率密度を示すグラフである。また、図22BはフラッシュA/D変換器のコンパレータのオフセット値に対する確率密度を示すグラフである。ここで、各コンパレータオフセットの標準偏差をそれぞれσ,σとし、コンパレータ1個あたりのチップ上での面積をそれぞれA、Aとする。またSF−A/D変換器のコンパレータ数をNとする。7レベルフラッシュA/D変換器のコンパレータ数は6であるから、SF−A/D変換器及びフラッシュA/D変換器のチップ面積はそれぞれ次のようになる。
Figure 2014220647
Figure 2014220647
したがって面積比は次のようになる。
Figure 2014220647
まず、SF−A/D変換器の場合についてコンパレータ数を変化させてピークSNDRを求めた。コンパレータオフセットの標準偏差σはσ≒100mVとなるように設定した。
図23はSF−A/D変換器(σ≒100mV)のときのコンパレータ数NとピークSNDR(Signal to Noise and Distortion Ratio)との関係を示すグラフである。なお、このデータは100回シミュレーションを行った平均値である。また、シミュレーションの条件は図21のとおりである。
次に、本発明者らはフラッシュA/D変換器の場合について、しきい値ばらつきの大きさとPeakSNDRの関係をシミュレーションした。
図24はフラッシュA/D変換器のときの標準偏差σとピークSNDRとの関係を示すグラフである。このデータは100回シミュレーションを行った平均値である。また、シミュレーションの条件は図21のとおりである。図24から明らかなように、コンパレータのしきい値ばらつきの標準偏差σとピークSNDRの関係を一次式で近似する。回帰分析により求めた近似式は次のようになる。
Figure 2014220647
この式より任意のσでのピークSNDRを近似的に求めることができる。これらの結果より、SF−A/D変換器3のコンパレータ数Nごとに式(7)を用いて、同じピークSNDRを得るときのσを求め、量子化器の面積を比較した。
図25はSF−A/D変換器を用いたときの量子化器の面積比を示す表である。図25から明らかなように、同じ分解能を実現する際、本実施形態の方式を用いることで従来方式比べ微細化が可能であることが分かる。ただし、SF−A/D変換器3のコンパレータ数Nを大きくするとピークSNDRは向上するが、量子化器の占有面積が大きくなってしまう。
次に、面積が同じであるとして、SF−A/D変換器を用いた場合とフラッシュA/D変換器を用いた場合とで分解能(PeakSNDR)を比較した。量子化器の面積が同じであるとき、式(6)の値は1となる。すなわち、次式を得る。
Figure 2014220647
このとき、σとσの関係は次のようになる。
Figure 2014220647
図26はSF−A/D変換器(σ≒100mV)のときのコンパレータ数Nと標準偏差σとの関係を示す表である。図26において、各Nでのσの値を示す。ただし、N=256以下では、フルスケール入力振幅を同じにしたうえで量子化器の面積を同じにすると、LSB=57.1mVに対して標準偏差σが大きくなってしまう。このため、N=256以下では、量子化器の単調性が確保できないので、SNDRを比較することはできない。すなわち、量子化器としてSF−A/D変換器を用いることで、従来方式では検出できない微小な信号を取り扱うことが可能である。N=512ではフラッシュA/D変換器の単調性が確保できているとして、式(7)よりピークSNDRを求められる。
図27はΔΣA/D変換装置100において量子化器としてSF−A/D変換器及びフラッシュA/D変換器をそれぞれ用いた場合の分解能(ピークSNDR)の比較を示す表である。図27から明らかなように、同一面積の場合SF−A/D変換器を用いることで、フラッシュA/D変換器に比べて高分解能化が可能であることが分かる。
さらに、本発明者らは、本実施形態で提案する方式による効果を検証するため、量子化器にSF−A/D変換器を用いてD/A変換器誤差の補正を行った場合について入力振幅とSNDRの関係をシミュレーションした。D/A変換器誤差の標準偏差はσDAC≒0.15LSBとなるよう設定した。このシミュレーションではコード補正を行った上で対応するアナログ値を生成し、FFTを行っている。シミュレーション条件は図21に示すとおりである。
図28は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。なお、コンパレータ数はN=256である。比較のため、量子化器として理想的なフラッシュA/D変換器を用い、D/A変換器に誤差が生じた場合のシミュレーション結果を併せて示している。
上述したように、従来の方式では7レベルとすると量子化器やD/A変換器の誤差の影響により微細化が困難であったり、分解能が低下したりする。一方、図28から分かるように、本実施形態で提案する方式を用いることにより7レベルであっても分解能の維持が可能である。特にD/A変換器誤差を補正することによって大きくSNDRが向上している事が確認できる。D/A変換器誤差がない場合と比較すると、SNDRは10〜15dB程度低下するが、これは連続的な値であるD/A変換器の誤差を離散的な値であるコンパレータ数で補正していることにより生じる誤差の影響であると考えられる。また、12ビットコードでは補正しきれなかった量子化器の非線形性も影響していると考えられる。よって、量子化レベル数や補正後のコードのビット数を増やすことで改善できる。
図29は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、入力振幅に対するSFDRを示すグラフである。図29から明らかなように、SNDRと同様SFDRもD/A変換器誤差補正により大きく向上しており、線形性が向上している事が確認できる。図29から明らかなように、D/A変換器誤差の補正がない場合に大きくSFDRが低下していることから、D/A変換器の非線形性が出力信号の歪みとして影響することが分かる。この場合に、入力振幅が−30dBFS付近でSFDRがピークを示すが、これは振幅が小さいときには使用されるレベルが少ないためと考えられる。
次いで、コンパレータ数による変化について以下に説明する。
SF−A/D変換器ではコンパレータ数Nが大きい程SNDRの向上が期待できるが、Nが必要以上に大きくなると占有面積が大きくなってしまう。そのため、ΔΣ変調器にSF−A/D変換器を用いる場合に最適なコンパレータ数Nを調べる必要がある。そこでコンパレータ数Nを16から512まで変化させて、入力振幅とSNDRの関係をシミュレーションした。シミュレーション条件は図21に示すとおりである。また、100回シミュレーションを行って平均値を求めたほか、歩留まりを考慮するためSNDRの標準偏差σSNDRを求めた。
図31A〜図31Fはそれぞれ、本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数N=16,32,64,128,256,512のときの入力振幅に対するSNDRを示すグラフである。ここで歩留まりを考慮するためピークSNDRについて以下の値を計算する。
Figure 2014220647
SNDRは最も悪い場合のピークSNDRを表している。統計的には99.7の場合これ以上のSNDRが得られるといえる。すなわち平均値が大きくてもばらつきσSNDRが大きいとこの式(10)の値は小さくなる。
図32は本実施形態に係るΔΣA/D変換装置100のシミュレーション結果であって、コンパレータ数Nに対する歩留まりを考慮したピークSNDR(SNDR)を示すグラフである。図32から明らかなように、コンパレータ数Nが大きくなるとSNDRが向上する割合が小さくなることが分かる。また、コンパレータ数Nが大きくなるほどSNDRのばらつきは小さくなり歩留まりが良くなると言える。この結果より、必要となるSNDRが決まればコンパレータ数を決定することが可能となる。
以上説明したように、素子特性ミスマッチは微細化とともに増大し、LSIデバイスの精度を維持する上で大きな問題となる。ΔΣ変調器でも多ビット化によって、量子化器、D/A変換器に対する素子特性ミスマッチの影響は大きくなり、分解能の低下につながる。そこで、本実施形態では、確率的手法を用いて素子特性ミスマッチを積極的に利用し、ΔΣ型A/D変換器の高分解能化を達成する方式を提案した。従来方式の量子化器ではコンパレータオフセットにより分解能が制限されるため、微細化が困難であった。そこで本実施形態ではオフセットの統計性を利用したSF−A/D変換器を量子化器として用いることで、微細化及び微弱信号の検出が可能な方式を提案した。
また、システムレベルのシミュレーションを行うことで、量子化器としてSF−A/D変換器を用いることにより、微細化及び高分解能化が可能であることを確認した。従来の方式ではΔΣ変調器を多ビット化する場合、D/A変換器の誤差が大きな問題となり、分解能の維持が困難であった。そのためDEMのようなD/A変換器誤差補正技術が必要であるが、この方式は周期的選択による歪みの発生、消費電力の増加という問題が存在する。
そこで、本実施形態ではSF−A/D変換器によりD/A変換器誤差を補正する方式を提案した。シミュレーションにより、本方式を用いることでD/A変換器の誤差が補正でき、多ビットのΔΣ変調器の分解能を向上できることが確認できた。これによりΔΣ変調器の多ビット化に伴う性能劣化が低減でき、ダイナミックレンジや安定性を高めることができる。
従って、本実施形態で提案したSF−A/D変換器を用いた量子化器とそれによるD/A変換器誤差補正により、微細CMOSプロセスを用いた高分解能A/D変換器が実現可能になる。
以上詳述したように、本発明に係るA/D変換装置によれば、以下の効果を有する。
(1)DEMを用いず、従来技術に比較して回路構成が簡単であって高精度で安定してA/D変換できるA/D変換装置を提供できる。これにより、A/D変換装置を低電力化及び小面積化できる。
(2)A/D変換装置において、コンパレータオフセットの統計性を解析して制御し、オフセットレベル以下の信号も検出でき、素子特性ミスマッチの大きい微細プロセスでもダイナミックレンジを確保できる。
(3)高精度ΔΣA/D変換装置の設計効率が向上し、市場要求や製造技術変更への対応が容易となる。
1…減算器、
2…低域通過フィルタ(LPF)、
3…並列型確率的A/D変換器、
4…可変レベルデジタル量子化器、
5…デコーダ、
6…D/A変換器、
7…テーブルメモリ、
7a,7b…レジスタテーブル、
8…D/A変換器誤差補正回路、
11−1〜11−N…コンパレータ、
12…加算器、
13…参照電圧発生器、
14−1〜14−N…加算器、
15…サーモメータバイナリ変換エンコーダ、
21〜24…積分器、
25…量子化器(A/D変換器)、
26…D/A変換器、
27…加算器、
31〜34…減算器、
35〜37…加算器、
41〜44…乗算器(D/A変換を具備),
51〜54,61〜65…乗算器、
70…直流電圧源、
100…ΔΣA/D変換装置、
101…参照電圧発生器、
102…A/D変換器、
103…誤差演算器、
110…適応化コントローラ、
C1〜CN…キャパシタ、
G1,G2…コンパレータグループ、
S1〜SN…スイッチ。
本発明に係るA/D変換装置は、
入力アナログ電圧から、D/A変換手段からのアナログ電圧を減算して、減算結果のアナログ電圧を出力する減算手段と、
上記減算手段からのアナログ電圧を低域通過もしくは帯域通過ろ波して出力するフィルタと、
変更可能な複数の量子化レベルを有し、上記フィルタからのアナログ電圧を第1のビットコードのデジタルデータにA/D変換して出力するA/D変換手段と、
上記A/D変換手段からの第1のビットコードのデジタルデータをアナログ電圧にD/A変換して上記減算手段に出力する上記D/A変換手段と、
第1のビットコードのデジタルデータを、上記第1のビットコードのビット数よりも大きいビット数を有する第2のビットコードのデジタルデータに復号化するためのマッピングテーブルを有し、上記1のビット数コードのデジタルデータを上記第2のビットコードのデジタルデータに復号化して出力する復号化手段と、
上記A/D変換手段の複数の量子化レベルと、上記復号化手段のマッピングテーブルのうちの少なくとも一方を、上記D/A変換手段の誤差が最小となるように設定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
またさらに、上記A/D変換装置において、上記/D変換手段の複数のコンパレータは、第1のコンパレータ群と、第2のコンパレータ群とに分割されて構成され、
上記第1のコンパレータ群の各しきい値は所定のオフセットの標準偏差に設定され、
上記第2のコンパレータ群の各しきい値は上記オフセットの標準偏差の逆符号の値に設定されることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 入力アナログ電圧から、D/A変換手段からのアナログ電圧を減算して、減算結果のアナログ電圧を出力する減算手段と、
    上記減算手段からのアナログ電圧を低域通過もしくは帯域通過ろ波して出力するフィルタと、
    変更可能な複数の量子化レベルを有し、上記フィルタからのアナログ電圧を第1のビットコードのデジタルデータにA/D変換して出力するA/D変換手段と、
    上記A/D変換手段からの第1のビットコードのデジタルデータをアナログ電圧にD/A変換して上記減算手段に出力する上記D/A変換手段と、
    第1のビットコードのデジタルデータを、上記第1のビットコードのビット数よりも大きいビット数を有する第2のビットコードのデジタルデータに復号化するためのマッピングテーブルを有し、上記デジタル量子化手段からの第1のビット数コードのデジタルデータを上記第2のビットコードのデジタルデータに復号化して出力する復号化手段と、
    上記A/D変換手段の複数の量子化レベルと、上記復号化手段のマッピングテーブルのうちの少なくとも一方を、上記D/A変換手段の誤差が最小となるように設定する制御手段とを備えたことを特徴とするA/D変換装置。
  2. 上記A/D変換手段は、
    それぞれ互いに異なるしきい値を有する複数のコンパレータと、当該複数のコンパレータからの各出力信号を加算する加算器を含み、上記フィルタからのアナログ電圧をデジタルデータにA/D変換する並列型確率的A/D変換手段と、
    変更可能な複数の量子化レベルを有し、上記並列型確率的A/D変換手段からのデジタルデータをデジタル量子化して所定の第1のビットコードのデジタルデータを出力するデジタル量子化手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のA/D変換装置。
  3. 上記制御手段は、所定の基準信号を入力したときに、当該A/D変換装置から出力されるデジタルデータと、上記基準信号をA/D変換器したときのデジタルデータとの誤差を最小化させることにより、上記D/A変換手段の誤差を最小化させることを特徴とする請求項1又は2記載のA/D変換装置。
  4. 上記制御手段は、上記デジタル量子化手段の複数の量子化レベルと、上記復号化手段のマッピングテーブルのうちの少なくとも一方を、上記D/A変換手段の誤差が最小となるように適応化することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のA/D変換装置。
  5. 上記並列型確率的A/D変換手段の複数のコンパレータは、第1のコンパレータ群と、第2のコンパレータ群とに分割されて構成され、
    上記第1のコンパレータ群の各しきい値は所定のオフセットの標準偏差に設定され、
    上記第2のコンパレータ群の各しきい値は上記オフセットの標準偏差の逆符号の値に設定されることを特徴とする請求項2〜4のうちのいずれか1つに記載のA/D変換装置。
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